(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024115365
(43)【公開日】2024-08-26
(54)【発明の名称】電気錠用室内リモコン
(51)【国際特許分類】
E05B 19/00 20060101AFI20240819BHJP
E05B 49/00 20060101ALI20240819BHJP
H04Q 9/00 20060101ALI20240819BHJP
E06B 3/00 20060101ALI20240819BHJP
【FI】
E05B19/00 J
E05B49/00 K
H04Q9/00 371A
E06B3/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023021023
(22)【出願日】2023-02-14
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】酒井 秀忠
(72)【発明者】
【氏名】田中 純
【テーマコード(参考)】
2E250
5K048
【Fターム(参考)】
2E250AA02
2E250BB23
5K048BA52
5K048DC01
5K048HA11
(57)【要約】
【課題】施工が容易である電気錠用室内リモコンを提供すること。
【解決手段】電気錠用室内リモコン1は、電気錠50を備える玄関用建具100の室内側から無線通信により電気錠50の施解錠が可能であって、電気錠50と無線通信を行うための制御基板11と、電気錠50を開閉操作するための操作ボタン12と、を有する本体部109と、玄関用建具100の室内側における玄関用建具100の周辺の壁面70に本体部10を固定するための固定台座20をさらに備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気錠を備える玄関用建具の室内側から無線通信により前記電気錠の施解錠が可能な電気錠用室内リモコン。
【請求項2】
前記電気錠用室内リモコンは、前記電気錠と無線通信を行うための制御基板と、前記電気錠を開閉操作するための操作ボタンと、を有する本体部を備える、請求項1に記載の電気錠用室内リモコン。
【請求項3】
前記電気錠用室内リモコンは、前記玄関用建具の室内側における前記玄関用建具の周辺の壁面に前記本体部を固定するための固定台座をさらに備える、請求項2に記載の電気錠用室内リモコン。
【請求項4】
前記電気錠用室内リモコンは、磁性体を内部に備える前記玄関用建具の室内側表面に前記本体部を固定可能な磁石をさらに備える、請求項2又は3に記載の電気錠用室内リモコン。
【請求項5】
前記電気錠用室内リモコンは、前記電気錠との間で送受信される電波の強度に基づいて前記電気錠と前記電気錠用室内リモコンとの距離を判断する判断部と、前記判断部の判断結果を通知するための表示部と、をさらに備える、請求項1~3の何れか1項に記載の電気用室内リモコン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気錠用室内リモコンに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ドア等の玄関用建具に設けられた電気錠の施解錠を行う装置が知られている。例えば特許文献1には、ドアの電気錠と通信を行うことにより、室外から電気錠の施解錠をするための携帯用の電気錠用リモコンが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、室内操作盤を操作して電気錠を施解錠する方法がある。しかしながら、室内操作盤と電気錠とは有線で接続されているので、建物の躯体の中に配線を通す必要があり、施工に手間がかかる。
【0005】
本開示は、施工が容易である電気錠用室内リモコンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、電気錠を備える玄関用建具の室内側から無線通信により前記電気錠の施解錠が可能な電気錠用室内リモコンに関する。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、施工が容易である電気錠用室内リモコンを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】玄関用建具と室内側における玄関用建具の周辺の壁面に配置された一実施形態の電気錠用室内リモコンを示す模式図である。
【
図2】一実施形態の電気錠用室内リモコンを示す斜視図である。
【
図3】一実施形態の電気錠用室内リモコンを示す正面図である。
【
図4】一実施形態の電気錠用室内リモコンを示す背面図である。
【
図5】一実施形態の電気錠用室内リモコンを示す側面図である。
【
図6】一実施形態の電気錠用室内リモコンを示す分解斜視図である。
【
図7】一実施形態の電気錠用室内リモコンの本体部の背面図である。
【
図8】一実施形態の電気錠用室内リモコンの固定台座の本体部と対向する面を示す図である。
【
図9】一実施形態の電気錠用室内リモコンの固定台座の本体部とは反対側の面を示す図である。
【
図10】玄関用建具と室内側表面に配置された一実施形態の電気錠用室内リモコンを示す模式図である。
【
図11】一実施形態の電気錠用室内リモコン及び電気錠の機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の電気錠用室内リモコン1について図面を用いて詳細に説明する。以下の説明においては、ドア本体60の横方向を左右方向Xとし、ドア本体60の縦方向を上下方向Yとする。左右方向Xにおいて、一方側をX1側(
図1における右側)とし、他方側をX2側(
図1における左側)とする。
【0010】
電気錠用室内リモコン1について説明する前に、電気錠用室内リモコン1が利用される玄関用建具100の構成について
図1を参照しながら説明する。
【0011】
玄関用建具100は、玄関ドアである。
図1に示すように、玄関用建具100は、枠体40と、ドア本体60と、電気錠50と、を備える。
【0012】
室内の玄関周りの構造において、玄関用建具100の周辺には、建物の壁面70としての壁面71と、壁面71から室内側に延びる壁面72、73が配置される。壁面72は、壁面71の左右方向XのX2側の端部から室内側に壁面71に対して略垂直に延びるように配置される。壁面73は、壁面72に対向するように配置され、壁面71の左右方向XにおけるX1側の端部から室内側に壁面71に対して略垂直に延びる。壁面71には、電気錠用室内リモコン1が取り付けられる。
【0013】
枠体40は、建物の壁面71の内周に形成される開口部に沿って設けられる。枠体40は、横枠としての上枠41と、左右方向X2側に配置される吊元側の縦枠42と、左右方向XのX1側に配置される縦枠43と、により門形状に枠組みされる。枠体40内には、ドア本体60が配置されている。
【0014】
ドア本体60は、上下方向に長い略長方形の板状に形成されている。ドア本体60は、左右方向XのX2側の縦枠43に設けられる丁番431の回転軸を中心に回転して開閉可能な開きドアである。ドア本体60の上部の吊元側の室内側表面61には、ドアクローザ81が設けられる。ドア本体60は、閉じた状態から室外側(
図1の紙面の奥側)に向けて回転する、いわゆる外開きで取り付けられる。
【0015】
ドア本体60の室内側表面61には、室内側ハンドル82が設けられている。ドア本体60の室外側表面(図示せず)には、室外側ハンドル(図示せず)が設けられている。室内側ハンドル82及び室外側ハンドルは、ドア本体60の戸先側の端部寄りにおいて、上下方向に所定長さ延びて形成される。
【0016】
またドア本体60の内部には、磁性体(図示せず)が設けられる。ドア本体60の内部に設けられる磁性体としては、例えば鋼板やSUS等が挙げられる。これにより、ドア本体60の室内側表面61に後述する磁石30を取り付けることができる。
【0017】
電気錠50は、ドア本体60を施解錠する装置である。電気錠50は、2つの鍵ユニット51と、制御部52と、無線通信部55と、を備える。
【0018】
2つの鍵ユニット51は、ドア本体60の戸先側において室内側ハンドル82の上側と下側に設けられる。各鍵ユニット51は、ドア本体60の内部に配置される箱錠部53と、箱錠部53から室外側に延び、鍵穴を有する円柱状のシリンダ(図示せず)と、箱錠部53から室内側に延びるシリンダ状のサムターン54と、を備える。
【0019】
箱錠部53は、フック状のデッド鎌部531と、施解錠駆動部532と、施解錠駆動部532が配置されたボックス部533と、を有する。
【0020】
デッド鎌部531は、ドア本体60の戸先側から出没可能に設けられ、枠体40の縦枠42に設けられた錠受け部44に係合可能である。デッド鎌部531は、ドア本体60から縦枠42に突出し、縦枠42の錠受け部44に係合して電気錠50を施錠する施錠位置と、錠受け部44との係合が外れてドア本体60に収容され、電気錠50を解錠する解錠位置と、に移動可能に構成される。
【0021】
施解錠駆動部532は、デッド鎌部531を施錠位置と解錠位置とに移動させるモータである。即ち、施解錠駆動部532を駆動させることで、電気錠50の施解錠を電動で行うことができる。なお、デッド鎌部531は、室外側からシリンダの鍵穴に所定の鍵を差し込み、シリンダを回転させる操作や室内側からサムターン54を回転させる操作により、電気錠50の施解錠を手動で行うことができる。
【0022】
無線通信部55は、アンテナ等によって電気錠用室内リモコン1からの電波を送受信可能に構成される。無線通信部55は、電気錠用室内リモコン1から受信した制御信号を制御部52に送信する。
【0023】
制御部52は、電気錠用室内リモコン1からの制御信号に基づいて、施解錠駆動部532の駆動を制御する装置である。制御部52は、ドア本体60に内蔵され、ドア本体60の戸先側においてハンドル82の上側に位置するサムターン54よりも上方に設けられる。制御部52は、配線9により有線で2つの鍵ユニット51及び無線通信部55と通信可能に接続される。制御部52は、電気錠用室内リモコン1から無線通信部55を介して電気錠50を解錠させるための解錠信号を受信すると、デッド鎌部531が解錠位置に移動し、電気錠50が解錠するように施解錠駆動部532の駆動を制御する。
【0024】
次に、電気錠用室内リモコン1について
図1~
図10を参照しながら説明する。
【0025】
電気錠用室内リモコン1は、玄関用建具100の電気錠50と無線通信を行うことにより、室内側から電気錠50の施解錠を行うための装置である。電気錠用室内リモコン1は、略直方体状の外形を有しており、
図5に示すように本体部10と、固定台座20と、磁石30と、を、この順で層をなすように備える。
【0026】
本体部10は、その外形が略直方体状であり、正面部14と、背面部15と、側面部16~19と、制御基板11と、操作ボタン12と、表示部13と、を備える。
【0027】
背面部15は、板状であり、固定台座20と対向するように配置される。正面部14は、板状であり、背面部15を挟んで固定台座20とは反対側に位置する。正面部14は、背面部15と対向する位置に間隔を空けて配置される。側面部16~19は、正面部14の縁部から固定台座20側に延びる。側面部16は本体部10の長手方向における一端側(
図2では上側)に位置し、側面部17は本体部10の長手方向における他端側(
図2では下側)に位置する。また側面部18は本体部10の短手方向における一端側(
図2では左側)に位置し、側面部19は本体部10の短手方向における他端側(
図2では右側)に位置する。側面部16、18、19は、正面部14の縁部から背面部15を囲うように固定台座20側に延びる。
【0028】
制御基板11は、電気錠50と無線通信を行うための部位である。制御基板11は、正面部14と背面部15と側面部16~19に囲まれた位置、即ち本体部10の内部に配置され、プロセッサ等を含む制御回路(図示せず)、無線通信を行うためのアンテナ等を備える。制御基板11の詳細な構成については後述する。
【0029】
操作ボタン12は、本体部10の正面部14に設けられ、電気錠50を開閉操作するための部位でボタンである。操作ボタン12は、施錠用ボタン121と、解錠用ボタン122と、を有する。
【0030】
施錠用ボタン121は、電気錠50を施錠するためのボタンであり、正面部14における側面部17寄りの部分に位置している。解錠用ボタン122は、電気錠50を解錠するためのボタンであり、正面部14における側面部16寄りの部分に位置している。
【0031】
表示部13は、
図2及び
図3に示すように、LED等によって構成され、本体部10の正面部14に設けられる。表示部13は、正面部14における側面部16と解錠用ボタン122との間に配置される。
【0032】
本体部10の背面部15には、
図7に示すように、固定台座20に嵌合する嵌合溝151~156と、が形成される。嵌合溝151、152は、背面部15の側面部16寄りに本体部10の短手方向において間隔を空けて形成される。嵌合溝153、154は、側面部18寄りに本体部10の長手方向において間隔を空けて形成される。嵌合溝155、156は、側面部19寄りに本体部10の長手方向において間隔を空けて形成される。
【0033】
固定台座20は、
図6及び
図8に示すように、本体部10側から見て略長方形状の板状部材である。固定台座20は、本体部10の背面部15と対向する位置において、その外周面が側面部16、18、19の内周面に当接するようにして、本体部10に嵌合する。
【0034】
固定台座20は、その厚み方向に貫通するネジ穴23、24が形成される。ネジ穴23は、固定台座20の短手方向における中央側の側面部16寄りに形成される。ネジ穴24は、固定台座20の短手方向における中央側の側面部17寄りに形成される。
【0035】
固定台座20の背面部15と対向する面(表面)21には、
図8に示すように、本体部10に嵌合する嵌合爪部211~216が形成される。嵌合爪部211、212は、表面21の側面部16寄りに固定台座20の短手方向に間隔を空けて形成される。嵌合爪部211は本体部10の嵌合溝151に嵌合し、嵌合爪部212は本体部10の嵌合溝152に嵌合する。嵌合爪部213、214は、側面部18寄りに固定台座20の長手方向において間隔を空けて形成される。嵌合爪部213は本体部10の嵌合溝153に嵌合し、嵌合爪部214は本体部10の嵌合溝154に嵌合する。嵌合爪部215、216は、側面部19寄りに固定台座20の長手方向において間隔を空けて形成される。嵌合爪部215は本体部10の嵌合溝155に嵌合し、嵌合爪部216は本体部10の嵌合溝156に嵌合する。
【0036】
固定台座20の表面21とは反対側の面(背面)22には、
図9に示すように、磁石30の位置を規制する突出片221、222が形成される。突出片221、222は、背面22の側面部16側において背面22から本体部10とは反対側に突出し、磁石30側から見てL字状に形成される。
【0037】
磁石30は、板状の磁石であり、本体部10側から見て略長方形状である。磁石30は、固定台座20の背面22に取り付けられる。具体的には、磁石30は、
図4に示すように側面部16側の端面35と側面部18側の端面36とを突出片221に当接させ、側面部16側の端面35と側面部19側の端面37とを突出片222に当接させた状態で、固定台座20に取り付けられる。磁石30は、固定台座20側の面(表面)31に取り付けられた両面テープ等の接着部材を介して固定台座20の背面22に固定される。
【0038】
磁石30は、
図4に示すように、その周縁部に切り欠き部33、34が形成される。切り欠き部33は、本体部10の側面部16側に形成される。切り欠き部33は、磁石30を固定台座20に取り付けた状態で固定台座20のネジ穴23と重なる位置に形成される。切り欠き部34は、本体部10の側面部17側に形成される。切り欠き部34は、磁石30を固定台座20に取り付けた状態で固定台座20のネジ穴24と重なる位置に形成される。
【0039】
ここで、電気錠用室内リモコン1を室内の壁面70に固定する方法の例について説明する。
【0040】
まず、本体部10及び磁石30が取り外された状態の固定台座20の表面21側からネジ穴23と、ネジ穴24のそれぞれにネジ2を通して壁面70に形成した穴に挿入し、ねじ止めする。この結果、固定台座20が壁面70に固定される。そして、壁面70に固定された固定台座20に本体部10を嵌合させることで、
図1に示すように電気錠用室内リモコン1を玄関用建具100の周囲の壁面70に固定できる。なお、
図1に示す例では、電気錠用室内リモコン1を壁面71に固定しているが、壁面72に固定してもよく、壁面73に固定してもよい。また、固定台座20における本体部10とは反対側の面である背面22に磁石30を取り付けることで、
図10に示すように、ドア本体60の室内側表面61に電気錠用室内リモコン1を取り付けることができる。
【0041】
次に、制御基板11の無線通信による電気錠50を施解錠するための機能的構成について
図11を参照しながら説明する。
【0042】
制御基板11は、操作受付部111と、判定部112と、無線通信部113と、距離判断部(判断部)114と、を備える。
【0043】
操作受付部111は、本体部10に配置される操作ボタン12の押下操作を受け付ける処理を実行する。操作受付部111は、操作信号を判定部112に出力する。
【0044】
判定部112は、操作受付部111が受け付けた操作信号に基づいて、電気錠50を施錠するか解錠するかを判定する処理を実行する。具体的には、判定部112は、操作受付部111が施錠用ボタン121の押下操作を受け付けた場合に、電気錠50を施錠すると判定する。一方で判定部112は、操作受付部111が解錠用ボタン122の押下操作を受け付けた場合に、電気錠50を施錠すると判定する。
【0045】
ここで、電気錠用室内リモコン1について、室外における玄関用建具100の施解錠のための認証に用いる携帯認証用リモコンと比較しながら説明する。携帯認証用リモコンは、ドア本体60の認証部と無線通信可能であり、室外から電気錠50の施解錠のための認証処理を行う場合に用いるリモコンである。例えば、携帯認証用リモコンがドア本体60の認証部から一定の距離内に入り、ユーザがドア本体60の認証部をタッチすることで電気錠50を解錠できる。これに対して、電気錠用室内リモコン1は、室内から電気錠50の施解錠を行うためのリモコンである。電気錠用室内リモコン1がドア本体60の認証部から一定の距離内にある状態で、ドア本体60の認証部をタッチしても電気錠50を解錠できない。電気錠用室内リモコン1では、例えばその本体部10に配置される解錠用ボタン122を押下することで電気錠50が解錠される。
【0046】
無線通信部113は、電気錠50との無線通信を行う処理を実行する。無線通信部113は、例えば、Bluetooth(登録商標)やNFC(Near Field Communication)、Wi-Fi(登録商標)(Wireless Fidelity)等の通信規格に基づく無線通信機器等によって構成される。無線通信部113は、判定部112による判定結果に基づいて、電気錠50に対する制御信号を電気錠50に無線で送信する処理を実行する。
【0047】
距離判断部114は、無線通信部113を介して電気錠50との間で送受信される電波の強度に基づいて、電気錠50と電気錠用室内リモコン1との距離を判断する処理を実行する。距離判断部114は、電気錠50と電気錠用室内リモコン1との距離の判断結果を表示部13に送信する。
【0048】
表示部13は、電気錠50と電気錠用室内リモコン1との距離の判断結果を制御基板11の距離判断部114から受信すると、該判断結果を通知する処理を実行する。例えば表示部13は、距離判断部114によって判定された電気錠50と電気錠用室内リモコン1との距離に応じて、点灯させる光の色を変更してもよい。これにより、電気錠用室内リモコン1を室内の壁面70等に設置する際に、十分な通信強度で無線通信可能な距離か否かを確認でき、適切な位置に電気錠用室内リモコン1を設置できる。
【0049】
本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
【0050】
本実施形態では、電気錠用室内リモコン1を、電気錠50を備える玄関用建具100の室内側から無線通信により電気錠50の施解錠が可能な構成とした。これにより、室内側から無線により電気錠50を施解錠できるので、玄関用建具100のサムターン54等を回転させずに手軽に室内からドア本体60を施錠及び解錠することができる。また室内において玄関用建具100から少し離れた位置で安全に施解錠できる。また電気錠50と有線で通信する室内操作盤等と異なり、建物の躯体に配線9等を設置する必要がないので、容易に施工できる。また、建物の完成後に、電気錠用室内リモコン1による電気錠50を施解錠するためのシステムを導入することもできる。また例えば、室外において玄関用建具100に携帯認証用リモコンから電波を無線通信により受信している状態でボタンに触れると電気錠を解錠する認証装置が設置されている場合に、携帯認証用リモコンとの無線通信に使用している電波を電気錠用室内リモコン1と電気錠50との無線通信に兼用してもよい。これにより、新たに無線通信用アンテナを認証部に設ける必要が無くなり、容易に電気錠用室内リモコン1を設置することが可能となる。
【0051】
また本実施形態では、電気錠50と無線通信を行うための制御基板11と、電気錠50を開閉操作するための操作ボタン12と、を有する本体部10を備える構成とした。これにより、操作ボタン12の押下操作により、電気錠50の施解錠をより手軽に行うことができる。
【0052】
また本実施形態では、玄関用建具100の室内側における玄関用建具100の周辺の壁面70に本体部10を固定するための固定台座20をさらに備える構成とした。これにより、固定台座20を介して玄関用建具100の周辺の壁面70に本体部10を固定することができるので、電気錠用室内リモコン1の位置が固定され、電気錠50の施解錠時に電気錠用室内リモコン1を探す手間が省ける。電気錠50との無線通信により施解錠を行うので、建物の躯体に配線9を新たに設ける作業等の壁面70の加工が不要であり、壁面70における電気錠用室内リモコン1の設置位置を容易に変更できる。
【0053】
また本実施形態では、磁性体を内部に備える玄関用建具100の室内側表面61に本体部10を固定可能な磁石30をさらに備える構成とした。これにより、鋼板、SUS等の磁性体を内部に備えるドア本体60等に電気錠用室内リモコン1を固定することができる。
【0054】
また本実施形態では、電気錠50との間で送受信される電波の強度に基づいて電気錠50と電気錠用室内リモコン1との距離を判断する距離判断部114と、距離判断部114の判断結果を通知するための表示部13と、を備える構成とした。これにより、十分な通信強度で無線通信可能な距離か否かを確認でき、適切な位置に電気錠用室内リモコン1を設置できる。
【0055】
以上、本発明に関する実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
【0056】
上記実施形態では、電気錠用室内リモコン1が適用される玄関用建具100は、玄関ドアであったが、玄関引戸であってもよい。
【符号の説明】
【0057】
1 電気錠用室内リモコン
10 本体部
11 制御基板
12 操作ボタン
20 固定台座
30 磁石
50電気錠
100 玄関用建具