(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024115384
(43)【公開日】2024-08-26
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
F21L 4/00 20060101AFI20240819BHJP
F21V 15/01 20060101ALI20240819BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20240819BHJP
H01M 50/247 20210101ALI20240819BHJP
H01M 50/202 20210101ALI20240819BHJP
【FI】
F21L4/00 510
F21V15/01 300
F21V23/00 120
H01M50/247
H01M50/202 501C
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023021052
(22)【出願日】2023-02-14
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】523052719
【氏名又は名称】オーガニックコンセプトリミテッド
(71)【出願人】
【識別番号】300073001
【氏名又は名称】ジェントス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090273
【弁理士】
【氏名又は名称】國分 孝悦
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼本▲徳▼
【テーマコード(参考)】
3K014
5H040
【Fターム(参考)】
3K014AA01
5H040AA06
5H040AS27
5H040AT01
5H040AY05
5H040GG02
(57)【要約】
【課題】異なるサイズの電池を使用できる照明装置を提供することを目的とする。
【解決手段】ヘッドライト100は、異なる2つのサイズの電池を収容可能な電池ケース部45と、電池ケース部45に収容される電池のサイズに対応する2つの支持部54a、54bを有するソケット部53と、ソケット部53と電池ケース部45とを連結するリンク部66と、を備える。ソケット部53は、リンク部66により連結された状態のまま2つの支持部54a、54bのうち電池ケース部45に収容される電池に対応する支持部で電池を支持するように姿勢を切り替え可能である。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
異なる2つのサイズの電池を収容可能な電池ケース部と、
前記電池ケース部に収容される電池のサイズに対応する2つの支持部を有するソケット部と、
前記ソケット部と前記電池ケース部とを連結するリンク部と、を備え、
前記ソケット部は、
前記リンク部により連結された状態のまま前記2つの支持部のうち前記電池ケース部に収容される電池に対応する支持部で電池を支持するように姿勢を切り替え可能であることを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記ソケット部は、
第1の電池を支持する第1の支持部と、
前記第1の電池とは異なるサイズである第2の電池を支持する第2の支持部とを、有しており、
前記第1の支持部で前記第1の電池を支持するための姿勢と、前記第2の支持部で前記第2の電池を支持するための姿勢とに切り替え可能であることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記ソケット部は、
前記リンク部と連結する連結部を中心にして回動することにより前記第1の支持部で前記第1の電池を支持するための姿勢と、前記第2の支持部で前記第2の電池を支持するための姿勢とに切り替え可能であることを特徴とする請求項2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記ソケット部は、
前記電池ケース部に収容される電池の正極端子または負極端子の一方の端子に接続される接点を有し、
前記第1の支持部と前記第2の支持部とは、前記接点を挟んだ位置に設けられることを特徴とする請求項3に記載の照明装置。
【請求項5】
前記第1の電池が前記第2の電池よりも大きいサイズであり、かつ前記第1の支持部が前記電池ケース部と対向する姿勢である場合において、
前記連結部は、前記接点よりも前記電池ケース部の側に位置することを特徴とする請求項4に記載の照明装置。
【請求項6】
前記ソケット部は、係合部を有し、
前記電池ケース部は、前記係合部に係合される被係合部を有し、
前記ソケット部は、
前記電池ケース部の収容空間に一部が挿入されて前記係合部が前記被係合部に係合することにより前記電池ケース部に取り付けられることを特徴とする請求項1または2に記載の照明装置。
【請求項7】
前記リンク部は、柔軟性のある材質であることを特徴とする請求項1または2に記載の照明装置。
【請求項8】
前記電池ケース部は、
前記電池を収容する収容空間を有し、
前記リンク部は、
少なくとも前記ソケット部が、前記収容空間の中心軸線に対して接しない位置まで撓み可能であることを特徴とする請求項7に記載の照明装置。
【請求項9】
該照明装置は、ヘッドライトであることを特徴とする請求項1または2に記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から電池を電源とする照明装置が知られている。特許文献1には、筒状に形成された電池収容部と投光部とを一体的に形成した本体ケースを備えた水中ヘッドランプが開示されている。特許文献1の水中ヘッドランプでは、電池キャップを本体ケースから螺脱させて本体ケース内に収容された電池ホルダを取り出することにより、電池を交換できるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示されたヘッドランプは予め定められたサイズの電池のみでしか使用できないという問題がある。特に、照明装置は緊急時に使用する可能性があり、電池を交換したいときに使用者の所有する電池が照明装置に使用できるサイズの電池ではない場合、緊急時に使用することができない。
本発明は、上述したような問題点に鑑みてなされたものであり、異なるサイズの電池を使用できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の照明装置は、異なる2つのサイズの電池を収容可能な電池ケース部と、前記電池ケース部に収容される電池のサイズに対応する2つの支持部を有するソケット部と、前記ソケット部と前記電池ケース部とを連結するリンク部と、を備え、前記ソケット部は、前記リンク部により連結された状態のまま前記2つの支持部のうち前記電池ケース部に収容される電池に対応する支持部で電池を支持するように姿勢を切り替え可能であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、異なるサイズの電池を使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】ヘッドライトの構成の一例を示す斜視図である。
【
図2A】ヘッドライト本体の一部を分解した正面図である。
【
図2B】ヘッドライト本体の一部を分解した平面図である。
【
図2C】ヘッドライト本体の一部を分解した底面図である。
【
図2D】ヘッドライト本体を右側から見た側面図である。
【
図4】ソケット部の姿勢を切り替えるときの動作を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本実施形態に係る照明装置について図面を参照して説明する。本実施形態は、照明装置がヘッドライト100である場合について説明する。
(第1の実施形態)
図1はヘッドライト100の構成の一例を示す斜視図である。
図2Aはヘッドライト本体20の一部を分解した正面図、
図2Bはヘッドライト本体20の一部を分解した平面図、
図2Cはヘッドライト本体20の一部を分解した底面図、
図2Dはヘッドライト本体20を右側から見た側面図である。
図2Eは
図2BのI-I線断面図である。なお、各図には、便宜上、ヘッドライト100を使用者の頭部に取り付けた状態を基準として、上下前後左右を図示している。
【0009】
ヘッドライト100は、使用者の頭部やヘルメットに装着して前方に向かって光を照射する照明装置である。
ヘッドライト100は、ヘッドバンド10と、ヘッドライト本体20とを備える。
ヘッドバンド10は、環状に構成されており、ヘッドライト100を使用者の頭部やヘルメットに装着させる。ヘッドバンド10は、使用者の頭部等に対して密着できるように伸縮可能なゴム等の材質により構成される。また、ヘッドバンド10は、使用者の頭部等の大きさに合わせて周長を調整することができる。
【0010】
ヘッドライト本体20は、バンド取付部材30と、本体ケース部材40とを有する。
バンド取付部材30は、ヘッドバンド10が取り付けられる。バンド取付部材30は、略板状である取付本体31と、取付本体31から前側に向かって突出するように形成される角度調整部34とを有する。
【0011】
図2A~
図2Dに示すように、取付本体31は、左右両端にヘッドバンド10を取り付けるための取付部32a、32bと、上端に図示しないヘッドバンドを取り付けるための上側取付部33とを有する。
角度調整部34は、本体ケース部材40を前側、上側および下側の周囲から囲むことができるように円環状に形成される。本体ケース部材40を角度調整部34の円環に沿って回動することに光を照射する角度を調整することができる。
【0012】
本体ケース部材40は、全体が左右方向に長い略円柱状であり、左右両端が略半球状に形成される。本体ケース部材40は、光を照射するための電源として電池を収容可能であり、光を照射するための各種部品で構成される。
具体的に、本体ケース部材40は、メイン発光部41と、補助発光部42と、操作部43と、蓋部44と、電池ケース部45と、ソケット部53と、リンク部66とを有する(
図2A~
図2E参照)。
【0013】
メイン発光部41は、発光することにより前方に向かって光を照射する。メイン発光部41は、電池ケース部45内に収容された電池から電源が供給されることで発光する。メイン発光部41は、補助発光部42よりも照射距離が長い光を照射する。また、メイン発光部41は、本体ケース部材40の前面であって右側に偏って位置する。本実施形態のメイン発光部41にはLED(発光ダイオード)が用いられる。また、本実施形態のメイン発光部41は、白色光(第1の色)を発光する。なお、メイン発光部41の構成および光の色はヘッドライト100の仕様に応じて適宜、変更することができる。
【0014】
補助発光部42は、発光することにより前方に向かって光を照射する。補助発光部42は、電池ケース部45内に収容された電池から電源が供給されることで発光する。補助発光部42は、メイン発光部41よりも照射距離の短い光を照射する。また、補助発光部42は、本体ケース部材40の前面であって、メイン発光部41よりも左右方向の中央側に位置する。本実施形態の補助発光部42にはLED(発光ダイオード)が用いられる。また、本実施形態の補助発光部42は、赤色光(第2の色)を照射する。なお、補助発光部42の構成および光の色はヘッドライト100の仕様に応じて適宜、変更することができる。
【0015】
操作部43は、使用者により操作可能なボタンである。操作部43は、本体ケース部材40の上面であって右側に偏って位置する。
本実施形態の操作部43は、使用者が長押しする度に、メイン発光部41および補助発光部42の何れかが発光する発光状態と、メイン発光部41および補助発光部42の何れもが消灯する消灯状態とに遷移する。
また、本実施形態の操作部43は、メイン発光部41および補助発光部42の何れかが発光する発光状態において、使用者が1回押す度に発光状態を遷移させることができる。具体的には、メイン発光部41を消灯させ補助発光部42のみを発光させている状態を第1の発光状態とすると、第1の発光状態から操作部43を1回押すたびに、メイン発光部41のみを第1の発光量~第4の発光量で発光させる第2の発光状態~第5の発光状態に遷移させることができる。ここでは、第1の発光量から第4の発光量になるにしたがって発光量が増大する。次に、第5の発光状態から使用者が操作部43を1回押すことで第1の発光状態に戻すことができる。ただし、メイン発光部41の発光量の段階数や発光状態の遷移方法はヘッドライト100の仕様に応じて適宜、変更することができる。
【0016】
蓋部44は、本体ケース部材40の左端に位置しており、本体ケース部材40の外形の一部を構成する。蓋部44は、電池ケース部45の一部およびソケット部53を覆うことができるような空間が形成される。蓋部44は、電池ケース部45に対して着脱可能である。使用者は、電池ケース部45に収容される電池を交換するときに電池ケース部45から蓋部44を取り外し、電池を交換した後に電池ケース部45に蓋部44を取り付ける。
【0017】
次に、電池ケース部45について説明する。
電池ケース部45は、本体ケース部材40の中央から右端に亘って位置しており、本体ケース部材40の外形の一部を構成する。電池ケース部45は、上述したメイン発光部41と、補助発光部42と、操作部43とが配置される。本実施形態の電池ケース部45は、異なる2つのサイズの電池を収容可能である。具体的に、電池ケース部45は、単三形電池および単四形電池のうち何れか一方を収容することができる。単三形電池および単四形電池は、円柱状であって、一方の端部に正極端子を有し、他方の端部に負極端子を有する。単三形電池は、単四形電池に比べて全長が長くかつ直径が大きい形状である。
【0018】
図2Eに示すように、電池ケース部45は左側が開口する収容空間46が形成される。収容空間46は、開口から右側に向かって略円柱状に凹んでいる。各図には、収容空間46を形成する円柱の中心軸線を一点鎖線で示している。収容空間46の内部には、単三形電池B3および単四形電池B4のうち何れか一方が収容される。収容空間46は、内部の右側の端部に端子47を有する。端子47は、電池の負極端子と接する接点として機能する。本実施形態の端子47は、収容空間46に収容された電池が単三形電池B3である場合には単三形電池B3の負極端子と接触し、単四形電池B4である場合には単四形電池B4の負極端子と接触する。本実施形態の端子47は、圧縮コイルスプリングを用いているが、端子47の構成は特に限定されない。
【0019】
また、収容空間46の右側の端部には、端子47と接続される導電性の金属板48が配線される。金属板48は、メイン発光部41および補助発光部42の発光状態を制御する基板49に接続される。一方、収容空間46の左側の端部から中央部に亘って収容空間46の内側面に沿って導電性の金属板50が配線される。金属板50は、基板49に接続される。
また、収容空間46の左側の端部から右側の端部に亘って収容空間46の内側面に沿ったガイド部51が形成される。ガイド部51は、リンク部66の左右方向に沿った移動をガイドする。
【0020】
また、電池ケース部45の左側の端部には、ソケット部53の後述する係合部62に係合される被係合部52を有する。被係合部52は、収容空間46の内側面から外側面に向かって貫通する孔である。なお、被係合部52は、収容空間46の中心軸線を挟んで前後に一対で構成される。
【0021】
次に、ソケット部53について説明する。
図3はソケット部53の構成の一例を示す図であり、
図3(a)はソケット部53を左側から見た側面図であり、
図3(b)はソケット部53を右側から見た側面図である。
ソケット部53は、電池ケース部45に対して嵌め合わせることにより電池ケース部45の収容空間46に収容される電池を支持する。本実施形態のソケット部53は、電池ケース部45に収容される電池のサイズに対応する2つの支持部(第1の支持部54a、第2の支持部54b)を有する。第1の支持部54aは、単三形電池B3を支持し、第2の支持部54bは単四形電池を支持する。ソケット部53は、第1の支持部54a、第2の支持部54bのうち電池ケース部45に収容される電池に対応する支持部で電池を支持するように姿勢を切り替え可能である。
【0022】
具体的に、ソケット部53は円柱状に形成される。ソケット部53は、電池ケース部45の収容空間46内に一部が挿入することができる大きさである。ソケット部53が電池ケース部45の収容空間46内に挿入されることで両者が嵌め合わされる。各図には、ソケット部53を形成する円柱の中心軸線を一点鎖線で示している。ソケット部53の軸線方向のうち一方側に第1の支持部54aが位置し、他方側に第2の支持部54bが位置する。
第1の支持部54aは、軸線方向の一方側の端部から他方側に向かって円柱状に凹んだ第1の凹部55aを有する。第1の凹部55aは、単三形電池B3の正極端子側の端部が挿入可能である。第1の凹部55aは、長さ(深さ)Laが略10mm~15mmであり、内径Daが略14mm~16mmである(
図2E参照)。
第2の支持部54bは、軸線方向の他方側の端部から一方側に向かって円柱状に凹んだ第2の凹部55bを有する。第2の凹部55bは、単四形電池B4の正極端子側の端部が挿入可能である。第2の凹部55bは、長さ(深さ)Lbが略7mm~10mmであり、内径Dbが略10mm~13mmである(
図2E参照)。なお、第2の凹部55bは第1の凹部55aよりも小さいために、単四形電池B4よりも大きいサイズである単三形電池B3の正極端子側の端部を挿入することができない。
【0023】
また、ソケット部53は、第1の凹部55aと第2の凹部55bとを仕切る仕切部56を有する。仕切部56は、第1の凹部55aと第2の凹部55bとの間に位置する。第1の凹部55aに単三形電池B3の正極端子側の端部を挿入した場合には単三形電池B3の正極端子の周囲に位置する端面が仕切部56の一方側の面と当接し、第2の凹部55bに単四形電池B4の正極端子側の端部を挿入した場合には単四形電池B4の正極端子の周囲の端面が仕切部56の他方側の面と当接する。仕切部56は、ソケット部53を軸線方向に沿って見たときに円環状であり、中央に貫通孔57が形成される。
【0024】
仕切部56は、貫通孔57内に端子58を有する。端子58は、電池の正極端子と接する接点として機能する。本実施形態の端子58は、略板状であり、第1の凹部55aに単三形電池B3の正極端子側の端部を挿入した場合には単三形電池B3の正極端子が端子58の一方側の面と当接し、第2の凹部55bに単四形電池B4の正極端子側の端部を挿入した場合には単四形電池B4の正極端子が端子58の他方側の面と当接する。本実施形態の端子58は、可撓性を向上させるために前後に離れた一対の板バネ片59a、59bで構成されているが、端子58の構成は特に限定されない。
なお、端子58は、仕切部56の一方側の面と他方側の面との間に位置する。したがって、第1の凹部55aまたは第2の凹部55bに誤って電池の負極端子側の端部が挿入された場合であっても電池の負極端子側の端面が仕切部56と先に接することで、負極端子が端子58と接しないようにすることができる。
【0025】
また、ソケット部53は、仕切部56の一方側の面と他方側の面との間に端子58と接続される導電性の金属板60が配線される。金属板60は、端子58を前後および上下から囲むように配置されており、上端に露出部61を有する。露出部61は、ソケット部53の外周面から露出しており、ソケット部53を電池ケース部45に嵌め合わせたときに金属板50に接する接点として機能する。また、露出部61は、金属板60の上端から第1の支持部54aの側に偏倚して位置する。
【0026】
また、ソケット部53は、外周面に電池ケース部45の被係合部52に係合する係合部62を有する(
図2A~
図2C参照)。係合部62は、外周面から径方向に突出する突起である。なお、係合部62は、ソケット部53の中心軸線を挟んで前後に一対で構成される。ソケット部53と電池ケース部45とを嵌め合わせたときに、係合部62の突起が被係合部52の孔に入り込むことで係合部62が被係合部52に係合する。
【0027】
また、ソケット部53は、外周面に電池ケース部45に嵌め合わされたソケット部53を使用者が電池ケース部45から引き抜くために指(あるいは爪)を引っ掛けるための指掛部63a、63bを有する。指掛部63aは、第1の支持部54a側に位置しており、外周面から内周面に向かって貫通する孔である。指掛部63bは、第2の支持部54b側に位置しており、外周面からソケット部53の中心軸線に向かって凹んだ溝である。なお、指掛部63a、63bは、ソケット部53の中心軸線を挟んで前後に一対で構成される。
【0028】
また、ソケット部53は、リンク部66と連結する連結部64を有する。連結部64は、外周面から径方向に突出する軸状である。連結部64は、外周面の下端に位置する。具体的に、連結部64は、ソケット部53の第1の支持部54aが電池ケース部45(あるいは収容空間46)に対向している状態では、端子58よりも電池ケース部45(あるいは収容空間46)の側に位置する。本実施形態のソケット部53は、連結部64にリンク部66が連結された状態のまま姿勢を切り替えることができる。具体的なソケット部53の姿勢を切り替えるときの動作については
図4を参照して後述する。
【0029】
次に、リンク部66について説明する。
リンク部66は、ソケット部53と電池ケース部45とを連結する。リンク部66は、左右方向に沿って長い部材である。リンク部66は、左右方向に沿った直線に対して直交する方向、具体的には上下方向に撓み可能である。リンク部66は、柔軟性のある材質であり、例えば合成樹脂が用いられる。
【0030】
また、リンク部66は、左側の端部に被連結部67を有する。被連結部67は、ソケット部53の連結部64に連結される。被連結部67は上下方向に貫通する孔であり、軸状の連結部64が挿入される。被連結部67と連結部64とは相対的に連結部64の軸回りに回動可能である。したがって、ソケット部53全体は連結部64を中心にして回動可能である。
【0031】
また、リンク部66は、右側の端部にスライド部68を有する(
図2E参照)。スライド部68は、電池ケース部45の収容空間46の内側面に形成されたガイド部51に連結される。スライド部68がガイド部51にガイドされることにより、リンク部66は左右方向に移動可能である。ソケット部53が電池ケース部45に嵌め合わされた状態では、スライド部68はガイド部51の右側の端部に位置する。一方、ソケット部53が電池ケース部45から引き抜かれた状態では、スライド部68はガイド部51の左右方向の中央部に位置する。
【0032】
次に、上述したように構成される本体ケース部材40のソケット部53の姿勢を切り替える動作について
図4を参照して説明する。
図4はソケット部53の姿勢を切り替えるときの動作を説明するための図である。
図4(a)に示すように、まず、使用者はソケット部53を電池ケース部45から引き抜くことで、電池ケース部45とソケット部53とを離して配置させる。このとき、リンク部66は左右方向に沿って移動し、収容空間46内に位置していた部分が収容空間46外に露出される。
図4(a)では、ソケット部53の第1の支持部54aが収容空間46と対向するように位置し、第2の支持部54bが収容空間46の反対側に位置する。
図4(a)に示すソケット部53の姿勢は、第1の支持部54aで単三形電池B3を支持するための姿勢に相当する。
【0033】
図4(b)に示すように、ソケット部53の姿勢を切り替える場合、使用者はリンク部66を撓ませることでソケット部53を収容空間46の開口縁から離した状態にして、ソケット部53の連結部64を中心にしてソケット部53を180°回動させる。このように、リンク部66を撓ませることで使用者の指が収容空間46の開口縁と干渉することなくソケット部53を容易に回動させることができる。また、使用者は、
図4(b)に示すように、リンク部66を撓ませることでソケット部53を収容空間46の開口縁から離すことができるので、ソケット部53と干渉することなく収容空間46に電池を挿抜することができる。具体的には、
図4(b)に示すように、リンク部66は、少なくとも収容空間46の中心軸線に対してソケット部53が接しない位置まで撓み可能であり、更には収容空間46を中心軸線に沿って延長させたときにソケット部53が接しない位置まで撓み可能である。
【0034】
図4(c)に示すように、使用者はリンク部66の撓みを戻すことで、ソケット部53の第2の支持部54bが収容空間46と対向するように位置し、第1の支持部54aが収容空間46の反対側に位置する。
図4(c)に示すソケット部53の姿勢は、第2の支持部54bで単四形電池B4を支持するための姿勢に相当する。
【0035】
次に、上述したように構成される本体ケース部材40のソケット部53の姿勢を切り替えて単三形電池B3または単四形電池B4を支持する状態にする場合について
図5および
図6を参照して説明する。
図5(a-1)、(a-2)はソケット部53の第1の支持部54aにより単三形電池B3を支持する場合を示す断面図である。
図5(b-1)、(b-2)はソケット部53の第2の支持部54bにより単四形電池B4を支持する場合を示す断面図である。
図6(a)はソケット部53の第1の支持部54aにより単三形電池B3を支持する場合の金属板60の状態を示す斜視図である。
図6(b)はソケット部53の第2の支持部54bにより単四形電池B4を支持する場合の金属板60の状態を示す斜視図である。
【0036】
図5(a-1)に示すように、単三形電池B3を使用したい場合、使用者は収容空間46に単三形電池B3を挿入した状態でソケット部53の第1の支持部54aが収容空間46と対向するようにソケット部53を位置させる。なお、ソケット部53の第2の支持部54bが収容空間46と対向している場合には、
図4(b)において上述したように使用者はリンク部66を撓ませた上で、ソケット部53の連結部64を中心にしてソケット部53を回動させることでソケット部53の姿勢を切り替える。
次に、
図5(a-2)に示すように、使用者はソケット部53を収容空間46に押し込むことでソケット部53を電池ケース部45に嵌め合わせる。このとき、ソケット部53の係合部62が被係合部52に係合する。ソケット部53を電池ケース部45に嵌め合わせることにより、ソケット部53の第1の凹部55aに単三形電池B3の正極端子側の端部が挿入され、第1の支持部54aが単三形電池B3を支持する。また、単三形電池B3の正極端子の周囲の端面が仕切部56と当接するとともに、正極端子が端子58と当接する。
【0037】
また、端子58に接続されている金属板60の露出部61は、電池ケース部45に配線された金属板50に接続される。なお、ソケット部53の第1の凹部55aに単三形電池B3を挿入する場合には第2の凹部55bに単四形電池B4を挿入する場合に比べて、端子58の位置が左側に偏倚するが、
図6(a)に示すように、端子58に接続される金属板60の露出部61の位置が金属板60の上端から右側に偏倚することにより、露出部61を金属板60に接続させることができる。
したがって、単三形電池B3の正極端子は端子58から金属板60、露出部61、金属板50を通じて基板49に接続されるとともに、単三形電池B3の負極端子は端子47から金属板48を通じて基板49に接続されることから、単三形電池B3から基板49を経由してメイン発光部41および補助発光部42に電源を供給することができる。
【0038】
一方、
図5(b-1)に示すように、単四形電池B4を使用したい場合、使用者は収容空間46に単四形電池B4を挿入した状態でソケット部53の第2の支持部54bが収容空間46と対向するようにソケット部53を位置させる。なお、ソケット部53の第1の支持部54aが収容空間46と対向している場合には、
図4(b)において上述したように使用者はリンク部66を撓ませた上で、ソケット部53の連結部64を中心にしてソケット部53を回動させることでソケット部53の姿勢を切り替える。
次に、
図5(b-2)に示すように、使用者はソケット部53を収容空間46に押し込むことでソケット部53を電池ケース部45に嵌め合わせる。このとき、ソケット部53の係合部62が被係合部52に係合する。ソケット部53を電池ケース部45に嵌め合わせることにより、ソケット部53の第2の凹部55bに単四形電池B4の正極端子側の端部が挿入され、第2の支持部54bが単四形電池B4を支持する。また、単四形電池B4の正極端子の周囲の端面が仕切部56と当接するとともに、正極端子が端子58と当接する。
【0039】
また、端子58に接続されている金属板60の露出部61は、電池ケース部45に配線された金属板50に接続される。なお、ソケット部53の第2の凹部55bに単四形電池B4を挿入する場合には第1の凹部55aに単三形電池B3を挿入する場合に比べて、端子58の位置が右側に偏倚するが、
図6(b)に示すように、端子58に接続される金属板60の露出部61の位置が金属板60の上端から左側に偏倚することにより、露出部61を金属板60に接続させることができる。
【0040】
このように、単三形電池B3および単四形電池B4の何れが使用される場合であっても、電池の正極端子は端子58から金属板60、露出部61、金属板50を通じて基板49に接続されるとともに、電池の負極端子は端子47から金属板48を通じて基板49に接続される。したがって、単三形電池B3または単四形電池B4から基板49を経由して電源をメイン発光部41および補助発光部42に供給することができる。
【0041】
以上のように、本実施形態によれば、ソケット部53は、リンク部66により連結された状態のまま2つの支持部54a、54bのうち電池ケース部45に収容される電池に対応する支持部で電池を支持するように姿勢を切り替え可能である。したがって、電池ケース部45に収容する電池に応じて、ソケット部53の姿勢を切り替えることにより、異なるサイズの電池を使用することができる。特に、緊急時や災害時に使用する可能性があるヘッドライト100では、使用者が所有する備蓄用の電池の種類が少ない場合が想定されるものの、このような場合であってもヘッドライト100を使用できる可能性を高めることができる。
【0042】
以上、本発明を上述した実施形態と共に説明したが、本発明は上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲内で変更等が可能である。
【0043】
上述した実施形態では、照明装置としてヘッドライト100を用いる場合について説明したが、この場合に限られず、携帯型の照明装置(フラッシュライト)、可搬型の照明装置(ワークライト、ランタン)、据置型の照明装置(投光器、ランタン、デスクライト)、自転車用の照明装置(バイクライト)等の他の照明装置であってもよい。
【0044】
上述した実施形態では、ソケット部53は異なる2つのサイズの電池として単三形電池または単四形電池を支持できるように姿勢を切り替える場合について説明したが、この場合に限られない。例えば、他の異なるサイズの電池として単一形電池~単五形電池(あるいは単六形電池)のうち何れか2つの電池を支持できるように姿勢を切り替える構成であってもよい。また、電池は、乾電池であってもよく、充電式電池等であってもよく、特に限定されない。
【0045】
上述した実施形態では、電池ケース部45の収容空間46には1つの電池が収容される場合について説明したが、この場合に限られず、2つまたは3つ以上の電池が収容できるように構成されていてもよい。
【0046】
上述した実施形態では、電池ケース部45の端子47に電池の負極端子が接し、ソケット部53の端子58に電池の正極端子が接する構成について説明したが、この場合に限られず、電池ケース部45の端子47に電池の正極端子が接し、ソケット部53の端子58に電池の負極端子が接する構成であってもよい。
【0047】
上述した実施形態では、電池ケース部45およびソケット部53の構成を照明装置に適用する場合について説明したが、この場合に限られず、電池を使用する各種電子機器に適用することができる。
【符号の説明】
【0048】
100:ヘッドライト 10:ヘッドバンド 20:ヘッドライト本体 40:本体ケース部材 41:メイン発光部 42:補助発光部 43:操作部 45:電池ケース部 46:収容空間 52:被係合部 53:ソケット部 54a:第1の支持部 54b:第2の支持部 58:端子(接点) 62:係合部 64:連結部 66:リンク部
【手続補正書】
【提出日】2023-12-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
異なる2つのサイズの電池を収容可能な電池ケース部と、
前記電池ケース部に収容される電池のサイズに対応する2つの支持部を有するソケット部と、
前記ソケット部と前記電池ケース部とを連結するリンク部と、を備え、
前記ソケット部は、
第1の電池を支持する第1の支持部と、
前記第1の電池とは異なるサイズである第2の電池を支持する第2の支持部と、
前記電池ケース部に収容される電池の正極端子または負極端子の一方の端子に接続される接点と、を有しており、
前記リンク部により連結された状態のまま前記リンク部と連結する連結部を中心にして回動することにより前記第1の支持部で前記第1の電池を支持するための姿勢と、前記第2の支持部で前記第2の電池を支持するための姿勢とに切り替え可能であって、
前記第1の支持部と前記第2の支持部とは、前記接点を挟んだ位置に設けられ、
前記第1の電池が前記第2の電池よりも大きいサイズであり、かつ前記第1の支持部が前記電池ケース部と対向する姿勢である場合において、
前記連結部は、前記接点よりも前記電池ケース部の側に位置することを特徴とする照明装置。
【請求項2】
異なる2つのサイズの電池を収容可能な略円柱状に凹んだ収容部を有する電池ケース部と、
前記電池ケース部に収容される電池のサイズに対応する2つの支持部を有するソケット部と、
前記ソケット部と前記電池ケース部とを連結し、前記電池ケース部に設けられたガイド部によってガイドされることにより前記収容部の長手方向に沿って移動可能なリンク部と、を備え、
前記ソケット部は、
第1の電池を支持する第1の支持部と、
前記第1の電池とは異なるサイズである第2の電池を支持する第2の支持部とを、有しており、
前記リンク部により連結された状態のまま前記第1の支持部で前記第1の電池を支持するための姿勢と、前記第2の支持部で前記第2の電池を支持するための姿勢とに切り替え可能であることを特徴とする照明装置。
【請求項3】
前記ソケット部は、
前記リンク部と連結する連結部を中心にして回動することにより前記第1の支持部で前記第1の電池を支持するための姿勢と、前記第2の支持部で前記第2の電池を支持するための姿勢とに切り替え可能であることを特徴とする請求項2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記ソケット部は、
前記電池ケース部に収容される電池の正極端子または負極端子の一方の端子に接続される接点を有し、
前記第1の支持部と前記第2の支持部とは、前記接点を挟んだ位置に設けられることを特徴とする請求項3に記載の照明装置。
【請求項5】
前記第1の電池が前記第2の電池よりも大きいサイズであり、かつ前記第1の支持部が前記電池ケース部と対向する姿勢である場合において、
前記連結部は、前記接点よりも前記電池ケース部の側に位置することを特徴とする請求項4に記載の照明装置。
【請求項6】
前記ソケット部は、係合部を有し、
前記電池ケース部は、前記係合部に係合される被係合部を有し、
前記ソケット部は、
前記電池ケース部の収容空間に一部が挿入されて前記係合部が前記被係合部に係合することにより前記電池ケース部に取り付けられることを特徴とする請求項1または2に記載の照明装置。
【請求項7】
前記リンク部は、柔軟性のある材質であることを特徴とする請求項1または2に記載の照明装置。
【請求項8】
前記電池ケース部は、
前記電池を収容する収容空間を有し、
前記リンク部は、
少なくとも前記ソケット部が、前記収容空間の中心軸線に対して接しない位置まで撓み可能であることを特徴とする請求項7に記載の照明装置。
【請求項9】
該照明装置は、ヘッドライトであることを特徴とする請求項1または2に記載の照明装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
本発明の照明装置は、異なる2つのサイズの電池を収容可能な電池ケース部と、前記電池ケース部に収容される電池のサイズに対応する2つの支持部を有するソケット部と、前記ソケット部と前記電池ケース部とを連結するリンク部と、を備え、前記ソケット部は、第1の電池を支持する第1の支持部と、前記第1の電池とは異なるサイズである第2の電池を支持する第2の支持部と、前記電池ケース部に収容される電池の正極端子または負極端子の一方の端子に接続される接点と、を有しており、前記リンク部により連結された状態のまま前記リンク部と連結する連結部を中心にして回動することにより前記第1の支持部で前記第1の電池を支持するための姿勢と、前記第2の支持部で前記第2の電池を支持するための姿勢とに切り替え可能であって、前記第1の支持部と前記第2の支持部とは、前記接点を挟んだ位置に設けられ、前記第1の電池が前記第2の電池よりも大きいサイズであり、かつ前記第1の支持部が前記電池ケース部と対向する姿勢である場合において、前記連結部は、前記接点よりも前記電池ケース部の側に位置することを特徴とする。