(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024115385
(43)【公開日】2024-08-26
(54)【発明の名称】車両用コントロールユニット
(51)【国際特許分類】
H02M 7/48 20070101AFI20240819BHJP
H05K 7/14 20060101ALI20240819BHJP
H05K 3/34 20060101ALI20240819BHJP
H02G 3/16 20060101ALI20240819BHJP
H01L 25/00 20060101ALI20240819BHJP
【FI】
H02M7/48 Z
H05K7/14 C
H05K3/34
H02G3/16
H01L25/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023021055
(22)【出願日】2023-02-14
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【氏名又は名称】矢作 和行
(74)【代理人】
【識別番号】100121991
【弁理士】
【氏名又は名称】野々部 泰平
(74)【代理人】
【識別番号】100145595
【弁理士】
【氏名又は名称】久保 貴則
(72)【発明者】
【氏名】安藤 貴広
【テーマコード(参考)】
5E319
5E348
5G361
5H770
【Fターム(参考)】
5E319AA03
5E319AA07
5E319AB03
5E319AC01
5E319CC02
5E319CC22
5E319GG20
5E348AA03
5E348AA07
5E348AA32
5G361BA01
5G361BA02
5G361BA06
5G361BB01
5G361BC01
5G361BC02
5H770AA19
5H770AA21
5H770BA01
5H770CA06
5H770HA02W
5H770JA17W
5H770LA02W
5H770LA10W
5H770QA01
5H770QA11
5H770QA28
5H770QA33
(57)【要約】
【課題】入出力機能を容易に変更できる車両用コントロールユニットを提供すること。
【解決手段】車両用コントロールユニットであるゾーンECU12は、回路基板30、入出力モジュール40、電源分配回路415を備えている。回路基板30は、プロセッサであるCPUを含むマイコン321および電源回路322,323を有している。入出力機能を提供する入出力モジュール40は、回路基板30とは別に設けられており、複数の基板接続端子42と、外部機器に電気的に接続される複数の外部接続端子43を有している。そして、基板接続端子42が、回路基板30に電気的に接続されている。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲートウェイ機能を有する車両用コントロールユニットであって、
プロセッサ(321)および電源回路(322,323)を有する回路基板(30)と、
複数の基板接続端子(42)と、外部機器に電気的に接続される複数の外部接続端子(43)と、を有し、前記回路基板に対する入出力機能を提供する入出力モジュール(40)と、
電源を分配する電源分配回路(415)と、
を備え、
前記基板接続端子が、前記回路基板に電気的に接続されている、車両用コントロールユニット。
【請求項2】
スロット(214,52)を有し、前記入出力モジュールを保持する保持部材(20,50)を備え、
前記入出力モジュールは前記スロットに対応して設けられ、前記入出力モジュールの一部分が対応する前記スロット内に保持されており、
前記外部接続端子は、対応する前記スロットを通じて前記外部機器との接続が可能である、請求項1に記載の車両用コントロールユニット。
【請求項3】
前記保持部材は、前記回路基板を収容する筐体(20)を含み、
前記筐体は、前記回路基板と対向する上壁に前記スロット(214)を有し、
前記外部接続端子が、前記筐体の対応する前記スロット内に保持されている、請求項2に記載の車両用コントロールユニット。
【請求項4】
前記基板接続端子および前記外部接続端子は、前記入出力モジュールの本体部(41)から延びており、
前記保持部材は、前記回路基板とともに筐体内に収容される内部保持部材(50)を含み、
前記入出力モジュールの前記本体部が、前記内部保持部材の対応する前記スロット(52)に挿入されている、請求項2または請求項3に記載の車両用コントロールユニット。
【請求項5】
複数系統の通信回路(414)を備える、請求項1に記載の車両用コントロールユニット。
【請求項6】
複数種類の通信回路(414)を備える、請求項1に記載の車両用コントロールユニット。
【請求項7】
複数種類の前記通信回路として、CAN回路、ETHERNET回路、およびLIN回路のうちの少なくとも2つを備える、請求項6に記載の車両用コントロールユニット。
【請求項8】
前記プロセッサは、互いに機能の異なる複数の機器に対して入出力を行う、請求項1に記載の車両用コントロールユニット。
【請求項9】
前記外部接続端子には、互いに機能の異なる複数の機器が電気的に接続される、請求項1に記載の車両用コントロールユニット。
【請求項10】
複数の前記機器は、ボデーECU(131B)、パワートレインECU(131P)、コックピットECU(131C)、およびADASECU(131A)のうちの少なくとも2つである、請求項8または請求項9に記載の車両用コントロールユニット。
【請求項11】
前記回路基板は、前記基板接続端子が挿入されることで、前記基板接続端子を前記回路基板に電気的に接続する複数の被挿入部(331,312)を有し、
前記被挿入部の数は、前記基板接続端子の数よりも多い、請求項1に記載の車両用コントロールユニット。
【請求項12】
前記入出力モジュールは、バッテリに電気的に接続される電源用モジュール(404)を含み、
前記バッテリに接続される前記基板接続端子の直径が他の前記基板接続端子の直径よりも長く、前記バッテリに接続される前記外部接続端子の直径が、他の前記外部接続端子の直径よりも長い、請求項1に記載の車両用コントロールユニット。
【請求項13】
前記電源用モジュールは、直流で最大60A以上の電流に対応する、請求項12に記載の車両用コントロールユニット。
【請求項14】
前記入出力モジュールは、前記回路基板における前記プロセッサの実装面に対して交差する方向に延びている、請求項1に記載の車両用コントロールユニット。
【請求項15】
前記入出力モジュールを複数備える、請求項1に記載の車両用コントロールユニット。
【請求項16】
入出力回路(413)、前記電源分配回路、および通信回路(414)のそれぞれは、複数の前記入出力モジュールのいずれかに設けられている、請求項15に記載の車両用コントロールユニット。
【請求項17】
前記外部接続端子にはワイヤハーネス(80)が接続される、請求項1に記載の車両用コントロールユニット。
【請求項18】
前記入出力モジュールは、前記ワイヤハーネスに流れる電流を監視し、過電流の場合にスイッチをオフして通電を遮断する電流監視回路(418)を有する、請求項17に記載の車両用コントロールユニット。
【請求項19】
前記基板接続端子は、前記回路基板に対して挿抜可能に接続されている、請求項1に記載の車両用コントロールユニット。
【請求項20】
前記基板接続端子は、前記回路基板のスルーホールランド(312)にはんだ接合されている、請求項1に記載の車両用コントロールユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この明細書における開示は、車両用コントロールユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、車両用コントロールユニットを開示している。特許文献1では、ケース内に複数のECU基板を収容している。先行技術文献の記載内容は、この明細書における技術的要素の説明として、参照により援用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、車両用コントロールユニットの統合化が進んでいる。統合化によりひとつの車両用コントロールユニットにはさまざまな機能が搭載されるため、車両用コントロールユニットの入出力数、ひいては端子数が増加する。入出力数は車種や仕様などによって異なるが、車種や仕様ごとに入出力に関する設計を行うと多大な開発工数を要する。
【0005】
特許文献1では、バスバーによって、複数のECU基板を電気的に接続している。しかしながら、ECU基板ごとにコネクタを設け、ワイヤハーネスと個別に接続する構成となっている。このため、都度、入出力機能を設計しなければならない。上述の観点において、または言及されていない他の観点において、車両用コントロールユニットにはさらなる改良が求められている。
【0006】
本開示はこのような課題に鑑みてなされたものであり、入出力機能を容易に変更できる車両用コントロールユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
開示のひとつである車両用コントロールユニットは、
ゲートウェイ機能を有する車両用コントロールユニットであって、
プロセッサ(321)および電源回路(322,323)を有する回路基板(30)と、
複数の基板接続端子(42)と、外部機器に電気的に接続される複数の外部接続端子(43)と、を有し、回路基板に対する入出力機能を提供する入出力モジュール(40)と、
電源を分配する電源分配回路(415)と、
を備え、
基板接続端子が、回路基板に電気的に接続されている。
【0008】
開示の車両用コントロールユニットによれば、入出力モジュールを回路基板とは別に設けている。つまり入出力機能を、ベースである回路基板から切り分けている。入出力モジュールを車種や仕様などに応じて差し換える、および/または、増減させることで、車両用コントロールユニットの入出力機能を容易に変更することができる。たとえば外部接続端子や基板接続端子の数、いわゆる入出力のピン数を変更することができる。
【0009】
この明細書における開示された複数の態様は、それぞれの目的を達成するために、互いに異なる技術的手段を採用する。請求の範囲およびこの項に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態の部分との対応関係を例示的に示すものであって、技術的範囲を限定することを意図するものではない。この明細書に開示される目的、特徴、および効果は、後続の詳細な説明、および添付の図面を参照することによってより明確になる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】ゾーンECUを含む車載ネットワークシステムの一例を示す図である。
【
図3】第1実施形態に係るゾーンECUの概略構成を示す分解斜視図である。
【
図6】SMDコネクタと基板接続端子との関係の一例を示す図である。
【
図11】第2実施形態に係るゾーンECUを示す上面視平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面に基づいて複数の実施形態を説明する。なお、各実施形態において対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略する場合がある。各実施形態において構成の一部分のみを説明している場合、当該構成の他の部分については、先行して説明した他の実施形態の構成を適用することができる。また、各実施形態の説明において明示している構成の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても複数の実施形態の構成同士を部分的に組み合せることができる。
【0012】
(第1実施形態)
先ず、
図1および
図2に基づき、ゾーンECUを含む車載ネットワークシステムについて説明する。ECUは、Electronic Control Unitの略称である。ゾーンECUが、車両用コントロールユニットに相当する。以下において、Aおよび/またはBとの記載は、AおよびBの少なくとも一方を指す。
【0013】
<車載ネットワークシステム>
図1は、本実施形態に係るゾーンECUを含む車載ネットワークシステムの一例を示している。
図1に示すように、車載ネットワークシステム10は、セントラルECU11、複数のゾーンECU12、その他の機器13、および通信線などを備えて構成される。車載ネットワークシステム10は、通信システムと称されることがある。
【0014】
セントラルECU11は、ゾーンECU12に対して上位のECUである。セントラルECU11は、複数のゾーンECU12を統合的に制御する。セントラルECU11は、機器13を制御するための指令(制御信号)を生成し、対応するゾーンECU12に送信する。セントラルECU11は、ゾーンECU12を介して機器13を制御する。
【0015】
ゾーンECU12は、車両に設定される複数のゾーンのそれぞれに個別に配置されている。ゾーンECU12は、対応するゾーンに配置された機器13を制御する。ゾーンECU12は、セントラルECU11からの指令に従って、対応する機器13を制御する。ゾーンECU12は、制御のすべてについて、セントラルECU11からの指令に従って実行してもよいし、一部の制御について、セントラルECU11からの指令によらずに実行してもよい。たとえばリアルタイム性が要求される制御について、ゾーンECU12が制御信号を生成してもよい。たとえばゾーンECU12が、エンジン制御やMG制御において目標トルクを生成してもよい。MGは、Motor Generatorの略称である。
【0016】
ゾーンECU12は、セントラルECU11や他のゾーンECU12と通信可能に接続されている。ゾーンECU12は、対応するゾーンに配置された複数の機器13と通信可能に接続されている。ゾーンECU12は、たとえば、対応するゾーンに配置された機器13とセントラルECU11との間で行われる通信を中継する。ゾーンECU12は、たとえば、対応するゾーンに配置された機器13の間で行われる通信を中継する。ゾーンECU12は、ゲートウェイ機能を有している。
【0017】
機器13は、たとえばゾーンECU12に対して下位のECU131を含み得る。この場合、ゾーンECU12はECU131を介してアクチュエータを制御する。機器13は、アクチュエータ132を含み得る。この場合、ゾーンECU12は、ECU131を介さずにアクチュエータ132を制御する。機器13は、センサ133を含み得る。ゾーンECU12は、たとえばセンサ133の検出信号を取得する。機器13は、単一のゾーンECU12による制御対象として、ECU131および/またはアクチュエータ132を含む。機器13は、複数の制御対象、たとえば複数のECU131を含んでもよい。ゾーンECU12は、センサの検出信号を、ECU131を介して取得してもよい。セントラルECU11は、車両に配置された複数のセンサの一部の検出信号を、ゾーンECU12を介さずに直接的に取得してもよい。
【0018】
ゾーンECU12は、所定の通信プロトコルに準拠して、セントラルECU11、他のゾーンECU12、および対応するゾーンに配置された機器13と通信を行う。一例として本実施形態のゾーンECU12は、ETHERNETプロトコルに準拠してセントラルECU11や他のゾーンECU12と通信を行う。ETHERNET(イーサネット)は、登録商標である。ゾーンECU12は、CANプロトコルに準拠してECU131やアクチュエータ132と通信を行う。CANは、Controller Area Networkの略称であり、登録商標である。ゾーンECU12は、LINプロトコルに準拠してセンサ133の少なくとも一部と通信を行う。LINは、Local Interconnect Networkの略称である。ゾーンECU12は、センサ133の一部、たとえばカメラ、ミリ波レーダ、LiDARなどと、CANプロトコルまたはETHERNETプロトコルに準拠する通信を行ってもよい。LiDARは、Light Detection and Ranging/Laser Imaging Detection and Rangingの略称である。
【0019】
図2は、車両におけるゾーンECU12の配置の一例を示している。
図2では、便宜上、ゾーンECU12に接続された機器13のうち、ECU131のみを示している。また、セントラルECU11とゾーンECU12とを接続する通信線、ゾーンECU12同士を接続する通信線を省略している。
【0020】
車両15には、複数のゾーンが設定されている。車両15は、複数のゾーンに分けられている。ゾーンは、エリア、領域、区域などと称されることがある。そして各ゾーンに、ゾーンECU12が配置されている。ゾーンECU12は、対応するゾーンに配置された複数の機器13を制御する。ゾーンの数や車両における位置は、特に限定されない。ゾーンは、任意に設定することができる。ゾーンの数が増減すれば、それに応じてゾーンECU12の数も増減する。セントラルECU11の位置は、特に限定されない。たとえば、各ゾーンECU12とのワイヤハーネス長などを考慮して設定される。
【0021】
一例として本実施形態では、車両15が、車両前部、キャビン右側、キャビン左側、および車両後部の4つのゾーンに分けられている。車載ネットワークシステム10は、ひとつのセントラルECU11と、4つのゾーンECU12を備えている。ゾーンECU12は、ゾーンECU121,122,123,124を含む。
【0022】
ゾーンECU121は、車両前部のゾーンに配置されている。ゾーンECU121には、ECU131として、たとえばボデーECU131BおよびパワートレインECU131Pが通信可能に接続されている。ボデーECU131Bは、車両前部側のボデー系要素を制御する。ボデーECU131Bは、たとえばパワーウインドウ装置、キーレスエントリー装置、ワイパー装置、前照灯などを制御する。パワートレインECU131Pは、たとえばエンジンやMGなどの走行駆動源、変速機などを制御する。
【0023】
ゾーンECU122は、キャビン右側のゾーンに配置されている。ゾーンECU122には、ECU131として、たとえばコックピットECU131CおよびADASECU131Aが通信可能に接続されている。コックピットECU131Cは、たとえばメータ装置、ナビゲーション装置、エアコン装置などを制御する。ADASECU131Aは、ドライバの運転操作を支援するための制御を実行する。ADASは、Advanced Driving Assistant Systemの略称である。ADASECU131Aは、米国自動車技術会の規定する自動運転レベルにおいて、レベル2程度の高度運転支援または部分的な自動運転を可能にする。たとえば、レベル1は、操舵と加減速のいずれかを支援するレベルである。レベル2は、操舵と加減速とを支援するレベルである。
【0024】
ゾーンECU123は、キャビン左側のゾーンに配置されている。ゾーンECU123には、たとえばゾーンECU122同様、コックピットECU131CおよびADASECU131Aが通信可能に接続されている。
【0025】
ゾーンECU124は、車両後部のゾーンに配置されている。ゾーンECU124には、ECU131として、たとえばボデーECU131Bが通信可能に接続されている。ボデーECU131Bは、車両後部側のボデー系要素を制御する。ボデーECU131Bは、たとえばパワーウインドウ装置、トランク装置、テールゲート装置、ブレーキランプなどを制御する。
【0026】
ゾーンECU12のそれぞれは、プロセッサ、メモリ、ストレージ、および入出力回路などを備えている。プロセッサは、たとえばCPUである。CPUは、Central Processing Unitの略称である。プロセッサは、メモリへのアクセスにより、機能を実現するための種々の処理を実行する。メモリは揮発性の記憶媒体、たとえばRAMである。RAMは、Random Access Memoryの略称である。
【0027】
ストレージは、フラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体を含む構成である。ストレージには、プロセッサによって実行される制御プログラムが格納されている。プロセッサが制御プログラムを実行することは、当該制御プログラムに対応する制御方法が実行されることに相当する。ストレージには、判定に用いる閾値や演算に用いる初期値などの各種パラメータ、演算に用いるマップや関数などが適宜格納されている。なお、セントラルECU11およびECU131も、ゾーンECU12と同様の構成を有している。
【0028】
<ゾーンECUの構造>
次に、
図3、
図4、
図5、および
図6に基づき、ゾーンECU12の構造について説明する。
図3~
図6は、上記したゾーンECU12に適用される構造の一例を示している。
図3は、ゾーンECU12の概略構成を示す分解斜視図である。
図3では、便宜上、カバーを簡素化して示している。また、基板に実装された電子部品の一部を省略している。
図3では、ゾーンECU12に接続されるワイヤハーネスおよびコネクタも合わせて示している。
図4は、ゾーンECU12の上面視平面図である。
図5は、
図4のV-V線に沿う断面図である。
図6は、SMDコネクタの被挿入部と、基板接続端子との関係の一例を示す図である。明確化のために、
図6では、基板接続端子が挿入された被挿入部にハッチングを施している。なお、基板接続端子および外部接続端子の数は、
図3、
図4、および
図6に示す例に限定されない。便宜上、少ない本数を示している。
【0029】
一例として本実施形態のゾーンECU12は、
図3、
図4、および
図5に示すように、筐体20、回路基板30、入出力モジュール40、および内部保持部材50を備えている。以下では、回路基板30の板厚方向をZ方向と示す。また、Z方向に直交する一方向をX方向と示し、Z方向およびX方向の両方向に直交する方向をY方向と示す。特に断わりのない限り、Z方向から平面視した形状、換言すればX方向およびY方向により規定されるXY面に沿う形状を平面形状とする。Z方向からの平面視を、単に平面視と示すことがある。また、符号を付与する各回路は、回路単位で部品化、IC化されてもよいし、複数の回路でまとめてIC化されてもよい。
【0030】
筐体20は、ゾーンECU12を構成する他の要素を収容する。筐体20は、回路基板30、入出力モジュール40それぞれの大部分、内部保持部材50を収容している。筐体20は、たとえば複数の部材を備えて構成される。一例として本実施形態の筐体20は、Z方向に分割可能に構成されている。筐体20は、ケース21と、カバー22を備えている。ケース21とカバー22とを組み付けることで、収容空間を提供する筐体20が構成される。ケース21とカバー22との組み付けには周知の手法、たとえばスナップフィット、ねじ締結、熱かしめなどを採用することができる。
【0031】
筐体20は、たとえば略直方体状をなしている。ケース21は、一面が開口する箱状をなしている。ケース21は、Z方向において回路基板30と対向する上壁211と、上壁211に連なる側壁212を有している。上壁211は筐体20の上壁(天壁)をなし、側壁212は筐体20の側壁をなしている。側壁212は、Z方向に延びる筒状をなしており、Z方向の一端が全周で上壁211に連なっている。側壁212の他端は、カバー22との固定が可能な形状、たとえばフランジ状をなしている。
【0032】
ケース21は、コネクタハウジング213と、スロット214を有している。コネクタハウジング213およびスロット214は、上壁211に設けられている。コネクタハウジング213は、上壁211に連なっており、上壁211から側壁212とは反対方向に延びている。コネクタハウジング213は、平面視においてスロット214を取り囲むように配置されている。スロット214は、上壁211をZ方向に貫通している。スロット214は、開口部、貫通孔などと称されることがある。コネクタハウジング213は、スロット214を通じて外部に露出する外部接続端子43とともに、オス型のコネクタを構成している。ケース21は、4つのスロット214と、スロット214を個別に取り囲む4つのコネクタハウジング213を有している。コネクタは、4つのコネクタポートを有している。
【0033】
図5に示すように、ワイヤハーネス80の端部には、メス型のコネクタ81が設けられている。コネクタハウジング213にコネクタ81のハウジングが嵌合し、外部接続端子43がコネクタ81の端子に接続されることで、ゾーンECU12とワイヤハーネス80とが電気的に接続される。
【0034】
カバー22は、ケース21の開口を蓋する。カバー22の形状は、たとえば略平板状でもよいし、一面が開口する箱状でもよい。平板状のカバー22に、局所的に凹部や凸部を設けてもよい。一例として本実施形態のカバー22は、一面が開口する底の浅い箱状をなしている。カバー22は、Z方向において回路基板30と対向する底壁221と、底壁221に連なる側壁222を有している。底壁221は筐体20の底壁をなし、側壁222は側壁212とともに筐体20の側壁をなしている。側壁222は、Z方向に延びる筒状をなしており、Z方向の一端が全周で底壁221に連なっている。側壁222の他端は、ケース21との固定が可能な形状、たとえばフランジ状をなしている。
【0035】
カバー22は、回路基板30を筐体20内の所定位置に支持する支持部223を有している。支持部223は、回路基板30を裏面31b側から支持するように、底壁221に対して複数箇所に設けられている。支持部223は、底壁221の内面からZ方向に突出している。一例として支持部223は、回路基板30の四隅を支持するように、底壁221に対して4箇所に設けられている。
【0036】
上記した構成の筐体20は、樹脂および/または金属を含んで構成される。たとえばケース21およびカバー22は、ともに樹脂成形体でもよいし、ともにアルミダイカストなどによる金属成形体でもよい。ケース21およびカバー22のひとつが樹脂成形体、他のひとつが金属成形体でもよい。一例として本実施形態のケース21は樹脂成形体であり、カバー22は金属成形体である。
【0037】
なお、筐体20に防水機能を付与するために、シール材を配置してもよい。シール材は、たとえばケース21の固定部とカバー22の固定部との間、つまりフランジの対向領域に配置される。シール材は、たとえばスロット214を閉塞するように、ケース21に配置される。外部接続端子43のうち、シール材から突出する部分にコネクタ81の端子が接続される。
【0038】
回路基板30は、プリント基板31、電子部品32、およびSMDコネクタ33を備えている。プリント基板31は、配線基板、プリント配線板などと称されることがある。プリント基板31は、たとえば平面略矩形状をなしている。一例として本実施形態のプリント基板31は、X方向を長手方向、Y方向を短手方向とする平面略長方形をなしている。
【0039】
プリント基板31は、絶縁基材と、配線を有している。絶縁基材は、樹脂などの電気絶縁材料を用いて形成されている。配線は、絶縁基材に配置されている。配線は、少なくとも導体パターンを含む。導体パターンは、たとえば金属箔をパターニングして形成されている。導体パターンは、プリント基板31の一面31aおよび裏面31bの少なくとも一方のみに配置されてもよいし、さらに絶縁基材の内部に配置されてもよい。プリント基板31は、片面基板でもよいし、両面基板でもよいし、3層以上の導体パターンを含む多層基板でもよい。裏面31bは、Z方向において一面31aとは反対の面である。
【0040】
配線は、ビア導体を含んでもよい。ビア導体は、絶縁基材を構成する絶縁層に形成された貫通孔(ビア)に、めっきなどの導体が配置されてなる。ビア導体は、異なる層の導体パターン間を電気的に接続する。配線は、ランドを含んでいる。ランドは、たとえば絶縁基材の表層に導体パターンの一部として配置された表面実装用のランドを含み得る。ランドは、たとえば絶縁基材を貫通するスルーホールの壁面に配置された挿入実装用のスルーホールランドを含み得る。
【0041】
電子部品32は、プリント基板31に実装されている。電子部品32は、たとえばはんだ接合により、対応するランドに電気的に接続されている。電子部品32は、プリント基板31の配線とともに回路を形成する。回路基板30は、複数の電子部品32を備えている。複数の電子部品32は、少なくとも一面31aに配置されている。一例として本実施形態では、複数の電子部品32の一部が一面31aに配置され、他の一部が裏面31bに配置されている。つまり、プリント基板31の両面に電子部品32が配置されている。
【0042】
電子部品32は、プロセッサと電源回路を含む。プロセッサは、ストレージに格納された制御プログラムをメモリにアクセスしつつ実行することにより、複数の機能部を構築する。プロセッサは、演算処理装置などと称されることがある。電源回路は、ゾーンECU12の他の回路要素に対して動作するための電力を供給する。電源回路は、ゾーンECU12と通信可能に接続された機器13に対して動作するための電力を供給する。電源回路は、バッテリなどの電源装置から供給される電圧に基づいて供給電圧よりも低い定電圧を生成する定電圧電源である。電源回路は、内部電源回路と称されることがある。ひとつの電源回路は、単一の定電圧を生成してもよいし、互いに異なる複数の定電圧を生成してもよい。
【0043】
一例として本実施形態の電子部品32は、マイコン321と電源回路322,323を含んでいる。マイコン321は、CPU(プロセッサ)、RAM(メモリ)、ROM(ストレージ)などを有している。ROMは、Read Only Memoryの略称である。マイコン321は、プロセッサモジュール、プロセッサ装置などと称されることがある。マイコン321は、一面31aに配置されている。電源回路322は一次電源回路であり、電源回路323は二次電源回路である。電源回路322は、コネクタおよび入出力モジュール40を介して、バッテリから電源を入力する。電源回路322は、バッテリより供給される電源に基づいて、電源電圧よりも低い定電圧を生成する。電源回路323は、電源回路322の出力に基づいて、電源回路322の生成電圧よりも低い定電圧を生成する。電源回路322は一面31aに配置され、電源回路323は裏面31bに配置されている。電源回路322,323のそれぞれは、たとえば電源ICとしてプリント基板31に実装されている。
【0044】
SMDコネクタ33は、プリント基板31の一面31aに配置されている。SMDコネクタ33は、たとえばはんだ接合により、プリント基板31のランドに電気的に接続されている。SMDコネクタ33は、端子が挿入される被挿入部331を有している。被挿入部331は、いわゆるソケットコンタクトである。被挿入部331には、入出力モジュール40の基板接続端子42が挿入される。被挿入部331に基板接続端子42が挿入されることで、入出力モジュール40が回路基板30と電気的に接続される。基板接続端子42は、SMDコネクタ33に対して挿抜可能である。
【0045】
一例として本実施形態の回路基板30は、4つのSMDコネクタ33を有している。回路基板30は、入出力モジュール40と同数のSMDコネクタ33を有している。SMDコネクタ33のそれぞれは、複数の被挿入部331を有している。SMDコネクタ33は平面視においてY方向を長手方向としており、複数の被挿入部331はY方向に並んで設けられている。複数のSMDコネクタ33は、短手方向であるX方向に並んで配置されている。4つのSMDコネクタ33のうち、2つはX方向においてプリント基板31の一端側に配置され、他の2つは他端側に配置されている。2つのSMDコネクタ33と他の2つのSMDコネクタ33との間には、電子部品32が配置されている。
【0046】
図6に示すように、回路基板30は、入出力モジュール40の基板接続端子42よりも多い数の被挿入部331を有している。SMDコネクタ33は、対応する入出力モジュール40の基板接続端子42よりも多い数の被挿入部331を有している。これにより、端子数の多い入出力モジュール40への差し換えが可能である。もちろん、端子数の少ない入出力モジュール40への差し換えも可能である。被挿入部331は、挿入され得る入出力モジュール40に対して余裕をもって設けられている。
【0047】
プリント基板31は、内部保持部材50を筐体20に固定するための固定孔34を有している。一例として本実施形態の固定孔34は、プリント基板31の四隅に設けられている。
【0048】
入出力モジュール40は、ゾーンECU12の機能のうち、入出力機能を提供する。入出力モジュール40は、入出力機能を回路基板30から切り離してモジュール化したものである。ゾーンECU12は、少なくともひとつの入出力モジュール40を備えている。一例として本実施形態のゾーンECU12は、複数(4つ)の入出力モジュール40を備えている。入出力モジュール40は、入出力モジュール401、入出力モジュール402、入出力モジュール403、および入出力モジュール404を含む。
【0049】
入出力モジュール40それぞれの接続対象は、特に限定されない。たとえば複数の入出力モジュール40を、接続対象ごとに分けてもよい。具体的には、バッテリ(電源)、セントラルECU11、他のゾーンECU12、対応するゾーンの機器13ごとに分けてもよい。複数の入出力モジュール40を、接続対象の位置に応じて分けてもよい。ひとつの入出力モジュール40に、セントラルECU11、他のゾーンECU12、および対応するゾーンの機器13の少なくともひとつと、バッテリとが接続される構成としてもよい。ひとつの入出力モジュール40に、セントラルECU11、他のゾーンECU12、および機器13のうちの2つ以上が接続される構成としてもよい。
【0050】
入出力モジュール40のそれぞれは、本体部41、複数の基板接続端子42、および複数の外部接続端子43を備えている。基板接続端子42および外部接続端子43は、銅などの導電性に優れる金属材料を用いて形成されている。基板接続端子42は、本体部41から突出して所定方向に延びている。基板接続端子42は、回路基板30の対応するランドと電気的に接続されている。外部接続端子43は、本体部41から基板接続端子42とは反対方向に延びている。外部接続端子43は、上記したようにケース21のスロット214を通じてコネクタハウジング213内に露出され、コネクタ81の端子との接続が可能となっている。
【0051】
一例として本実施形態の基板接続端子42は、本体部41における回路基板30との対向面から突出し、Z方向に延びている。基板接続端子42は、回路基板30側に延びている。ひとつの入出力モジュール40が備える複数の基板接続端子42は、Y方向に並んでいる。外部接続端子43は、本体部41において回路基板30との対向面とは反対の面から突出し、Z方向に延びている。外部接続端子43は、ケース21の上壁211側に延びている。ひとつの入出力モジュール40が備える複数の外部接続端子43は、Y方向に並んでいる。入出力モジュール40は、その全体としてZ方向、つまり回路基板30の板厚方向に延びている。以下では、基板接続端子42および外部接続端子43を、単に端子42,43と示すことがある。
【0052】
4つの入出力モジュール40は、SMDコネクタ33と同様に、X方向に並んでいる。4つの入出力モジュール40のうち、2つはX方向においてプリント基板31の一端側に配置され、他の2つは他端側に配置されている。一端側に配置された2つの入出力モジュール40の外部接続端子43は、Y方向に並ぶ2つのスロット214に分かれて露出している。他端側に配置された2つの入出力モジュール40の外部接続端子43は、Y方向に並ぶ他の2つのスロット214に分かれて露出している。
【0053】
本体部41は、封止体411を有している。封止体411は、本体部41を構成する他の要素を封止している。封止体411は、たとえばエポキシ系の樹脂を材料とする。封止体411は、モールド樹脂などと称されることがある。封止体411は、本体部41の外郭をなしている。封止体411は、たとえば複数の入出力モジュール40において共通の構造である。本体部41の外郭は、たとえば形状および大きさが互いに共通である。
【0054】
セントラルECU11、他のゾーンECU12、対応するゾーンの機器13の少なくともひとつと通信を行う入出力モジュール40の本体部41は、プリント基板412、入出力回路413、および通信回路414を有している。対応するゾーンの機器13と通信を行う入出力モジュール40の本体部41は、電源分配回路415をさらに有している。
【0055】
プリント基板412には、端子42,43が接続されている。入出力回路413は、汎用の入出力処理を行う。通信回路414は、セントラルECU11、他のゾーンECU12、対応するゾーンの機器13と通信を行うための処理を実行する。通信回路414は、たとえば所定のプロトコルに準拠した通信を行うために電気信号を変換する。通信回路414は、たとえばマイコン321からの指示によって、通信対象を切り換える。
【0056】
一例として入出力モジュール401は、通信回路414としてCAN用の通信回路414Cを有している。入出力モジュール402は、通信回路414としてETHERNET用の通信回路414Eを有している。通信回路414Cは、CANトランシーバと称されることがある。通信回路414Cは、通信バス(ワイヤハーネス80)とマイコン321との間の電気的特性を相互変換することにより、双方向の通信を可能にしている。通信回路414Eは、PHYやスイッチの機能を有している。PHYは、イーサネットの規格に準拠した通信を行うためのアナログ信号とMACのデジタル信号を相互変換する。MACは、Media Access Controllerの略称である。
【0057】
たとえば
図5に破線矢印で示すように、セントラルECU11からの指令は、入出力モジュール402で処理された後、マイコン321でETHERNETプロトコルからCANプロトコルに変換され、入出力モジュール401を通じて対応する機器13に送信される。なお、ゾーンECU12が、機器13との間でLINに準拠した通信を行う場合、入出力モジュール40のいずれかが図示しないLIN用の通信回路414を備える。
【0058】
電源分配回路415は、バッテリから供給された電源を、対応する複数の機器13に分配する。電源分配回路415は、バッテリから供給される電源の一部を直接的に分配してもよいし、電源回路322,323を介して間接的に分配してもよい。たとえば入出力モジュール401,403が、電源分配回路415を有している。入出力モジュール402が機器13と通信する構成においては、入出力モジュール402にも電源分配回路415が設けられる。
【0059】
バッテリから電源の供給を受ける入出力モジュール40は、バスバー416と、逆接保護回路417を有している。一例として入出力モジュール404が、バスバー416および逆接保護回路417を有している。入出力モジュール404が、電源モジュールに相当する。バスバー416は、金属板材である。バスバー416の大部分は封止体411によって封止されており、封止体411から突出した部分が端子42,43をなしている。バスバー416の端子42,43に、バッテリが電気的に接続される。図中では、バッテリと電気的に接続される端子42,43の末尾にPまたはNを付加している。端子42P,43Pは、バッテリの正極に接続されるバスバー416の端子である。端子42N,43Nは、バッテリの負極に接続されるバスバー416の端子である。
【0060】
端子42N,42P,43N,43Pには、たとえば60A以上の大電流が流れる。このため、他の端子42,43よりも直径が長い、つまり断面積が大きいバスバー416を採用している。一例として入出力モジュール404は、径の長いバスバー416の端子と、径の短いその他の端子42,43を有している。
【0061】
逆接保護回路417は、誤ってバッテリが正負逆向きで接続されたときに、ゾーンECU12の回路を保護する。逆接保護回路417としては、たとえば逆接保護用のダイオードや、PNダイオードを内蔵するMOSFETなどを用いることができる。逆接保護回路417は、バスバー416の通電経路に設けられている。MOSFETは、Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistorの略称である。
【0062】
入出力モジュール40は、電流監視回路418をさらに有してもよい。電流監視回路418は、電流を監視し、電流が閾値を超えた場合にMOSFETなどの半導体スイッチをオフして通電を遮断する。これにより、ワイヤハーネス80の発煙を抑制することができる。電流監視回路418は、特に大電流が流れる入出力モジュール40に設けられるとよい。本実施形態では、電流監視回路418が、バスバー416の通電経路に設けられている。電流監視回路418は、電源分配回路415による通電経路に設けられてもよい。
【0063】
上記したプリント基板412、入出力回路413、通信回路414、電源分配回路415、バスバー416の大部分、逆接保護回路417、電流監視回路418は、封止体411によって封止されている。
【0064】
内部保持部材50は、筐体20の内部、つまり収容空間に配置されている。内部保持部材50は、直接的に、または、間接的に筐体20に固定されている。一例として本実施形態の内部保持部材50は、固定部51を有している。固定部51が、回路基板30の固定孔34を通じてカバー22にねじ締結されている。
【0065】
内部保持部材50は、入出力モジュール40が配置されるスロット52を有している。スロット52には、入出力モジュール40が挿入される。入出力モジュール40が回路基板30に接続された状態で、スロット52の内部に本体部41が配置されている。内部保持部材50は、入出力モジュール40をスロット52内に保持している。内部保持部材50は、たとえば樹脂材料および/または金属材料を用いて形成されている。
【0066】
各スロット52に保持される入出力モジュール40の数は特に限定されない。ひとつのスロット52にひとつの入出力モジュール40が配置されてもよいし、ひとつのスロット52に複数の入出力モジュール40が配置されてもよい。一例として本実施形態の内部保持部材50は、入出力モジュール40と同数のスロット52を有している。スロット52には、対応する入出力モジュール40が個別に配置されている。スロット52は、Z方向に延び、略直方体をなす内部保持部材50の上下に開口している。基板接続端子42の少なくとも一部は、内部保持部材50の下面よりも下方、つまり回路基板30側に位置している。外部接続端子43の少なくとも一部は、内部保持部材50の上面よりも上方に位置し、コネクタハウジング213内に配置されている。本実施形態では、筐体20および内部保持部材50が、スロットを有する保持部材に相当する。
【0067】
<第1実施形態のまとめ>
本実施形態のゾーンECU12(車両用コントロールユニット)によれば、入出力モジュール40を回路基板30とは別に設けている。つまり入出力機能を、ベースである回路基板30から切り分けている。車種や仕様などに応じて入出力モジュール40を差し換えることで、ゾーンECU12の入出力機能を容易に変更することができる。たとえば複数種類の入出力モジュール40をあらかじめ準備しておき、車種や仕様に応じて選択して用いることができるため、都度入出力に関する設計を変更する必要がない。入出力モジュール40の変更により、基板接続端子42や外部接続端子43の数、いわゆる入出力のピン数を容易に変更することができる。
【0068】
ゾーンECU12は、少なくともマイコン321(プロセッサ)および電源回路322,323を有する回路基板30、入出力モジュール40、および電源分配回路415を備えればよい。一例として本実施形態のゾーンECU12は、上壁211にスロット214を有する筐体20を備えている。入出力モジュール40の外部接続端子43は、スロット214内に保持されており、外部機器との接続が可能である。外部接続端子43は、筐体20とともにコネクタを提供する。よって、スロット214に保持される入出力モジュール40を差し換えることで、コネクタの仕様についても変更することができる。
【0069】
一例として本実施形態のゾーンECU12は、スロット52を有する内部保持部材50を備えている。入出力モジュール40の本体部41は、スロット52内に保持されている。これによれば、スロット52に挿入される入出力モジュール40を差し換えることで、入出力機能を容易に変更することができる。また、内部保持部材50により、筐体20内において入出力モジュール40を安定的に保持することができる。
【0070】
ゾーンECU12は、通信回路414を備えている。ゾーンECU12は、単一の系統の通信回路414を複数備えてもよいし、一種類の通信回路414を複数備えてもよい。一例として本実施形態のゾーンECU12は、複数系統の通信回路414を備えている。これにより、ゾーンECU12は、複数系統の間の通信を中継することができる。たとえばゾーンECU122は、コックピット系とADAS系との間の通信を中継することができる。一例として本実施形態のゾーンECU12は、複数種類の通信回路414を備えている。たとえばゾーンECU12は、CAN用の通信回路414C、ETHERNET用の通信回路414E、LIN用の通信回路のすくなくとも2つを備える。これにより、ゾーンECU12は、異なるプロトコル間の通信を中継することができる。
【0071】
ゾーンECU12に対応する機器13はひとつでもよいし、冗長に設けられた複数でもよい。一例として本実施形態のゾーンECU12のプロセッサ、つまりマイコン321は、互いに機能の異なる複数の機器13に対して入出力を行う。換言すれば、外部接続端子43には、互いに機能の異なる複数の機器13が電気的に接続される。このようにゾーンECU12は、機能が異なる複数の機器13の通信を中継することができる。複数の機器13は、たとえば同一系統のECU131とアクチュエータ132である。複数の機器13は、たとえば異なる系統のECU131同士である。複数の機器13は、ボデーECU131B、パワートレインECU131P、コックピットECU131C、およびADASECU131Aのうちの少なくとも2つである。
【0072】
回路基板30において基板接続端子42が挿入される被挿入部の数は、入出力モジュール40の変更、つまり基板接続端子42の変更にともなって変更してもよい。一例として本実施形態の回路基板30は、基板接続端子42の数よりも多い被挿入部331を有している。
図6に示したように被挿入部331は、適用される仕様や車種を考慮して、余裕をもって多めに設けられている。よって、仕様や車種によって基板接続端子42の数が異なっても、被挿入部331、つまり回路基板30を変更しなくてもよい。容易に端子数を変更することができる。
【0073】
ゾーンECU12は、入出力モジュール40として、バッテリ(車載電源)に電気的に接続される電源用モジュールを含む。一例として本実施形態のゾーンECU12は、電源用モジュールである入出力モジュール404を備えている。そして、バッテリに接続される基板接続端子42N,42Pの直径が他の基板接続端子42の直径よりも長くされている。また、バッテリに接続される外部接続端子43N,43Pの直径が、他の外部接続端子43の直径よりも長くされている。よって、電源分配機能を有するゾーンECU12として好適である。特に直流で最大60A以上の電流(大電流)に対応するゾーンECU12に好適である。
【0074】
回路基板30に対する入出力モジュール40の配置は、特に限定されない。たとえば回路基板30に対して略平行に入出力モジュール40を配置してもよい。一例として本実施形態では、入出力モジュール40が、回路基板30の一面31aに対して交差する方向に延びている。これにより、たとえばZ方向に直交する方向においてゾーンECU12の体格増大を抑制することができる。特に本実施形態では、入出力モジュール40が、回路基板30の板厚方向であるZ方向に略平行に延びている。よって、体格増大を抑制する効果を高めることができる。また、入出力モジュール40の差し換えが容易となる。
【0075】
ゾーンECU12は、入出力モジュール40を少なくともひとつ備えればよい。たとえば入出力モジュール40をひとつのみ備える構成としてもよい。一例として本実施形態のゾーンECU12は、複数の入出力モジュール40を備えている。これによれば、ひとつの入出力モジュールに集約する構成に較べて、入出力の設計自由度を向上することができる。
【0076】
ゾーンECU12は、ゲートウェイ機能および電源分配機能を提供するために、入出力回路413、通信回路414、および電源分配回路415を備えている。これら回路413,414,415の少なくともひとつは、回路基板30に実装されてもよい。一例として本実施形態のゾーンECU12では、入出力回路413、通信回路414、および電源分配回路415が、複数の入出力モジュール40のいずれかに設けられている。たとえば入出力モジュール401,403には、入出力回路413、通信回路414、および電源分配回路415が設けられている。入出力モジュール402には、少なくとも入出力回路413および通信回路414が設けられている。このように、入出力回路413、通信回路414、および電源分配回路415を入出力モジュール40に設けることで、入出力モジュール40の差し換えにより、通信機能や電源分配機能を容易に変更することができる。
【0077】
ゾーンECU12において、外部接続端子43にはワイヤハーネス80が接続される。一例として本実施形態のゾーンECU12は、入出力モジュール40に電流監視回路418を備えている。電流監視回路418は、たとえばバスバー416による通電経路に設けられている。電流監視回路418は、バスバー416に流れる電流を監視し、電流が閾値を超えた場合に半導体スイッチをオフして通電を遮断する。これにより、ワイヤハーネス80の発煙を抑制することができる。
【0078】
回路基板30と基板接続端子42との接続構造(実装構造)は特に限定されない。一例として本実施形態のゾーンECU12において、基板接続端子42はSMDコネクタ33の被挿入部331に挿入され、回路基板30に電気的に接続されている。基板接続端子42は、回路基板30に対して挿抜可能である。よって、たとえばOTA技術を利用してプログラムの書き換え(リプログ)が行われても、ディーラーなどにおいて入出力モジュール40を取り換えることで、入出力機能を変更することができる。OTAは、Over The Airの略称である。
【0079】
<変形例>
ゾーンECU12が、内部保持部材50を備える例を示したが、これに限定されない。たとえば
図7に示すように、内部保持部材50を排除した構成としてもよい。
図7は、
図5に対応している。この構成では、筐体20(ケース21)のスロット214内に外部接続端子43が保持されている。筐体20が、保持部材に相当する。
図7に示す構成において、放熱性や接続信頼性などを考慮し、筐体20の収容空間内にゲルやポッティング樹脂などを充填してもよい。
【0080】
基板接続端子42が回路基板30に対して挿抜可能な構成として、SMDコネクタ33を用いる例を示したがこれに限定されない。たとえば
図8に示すように、基板接続端子42としてプレスフィット端子を採用してもよい。
図8は、
図5に示す入出力モジュール40の実装構造に対応している。回路基板30(プリント基板31)は、Z方向に貫通するスルーホール311と、スルーホール311の壁面に形成されたスルーホールランド312を有している。基板接続端子42はスルーホール311に挿入され、弾性変形の反力によってスルーホールランド312に接触して電気的に接続されている。なお、
図8では、ニードルアイ形状のプレスフィット端子を採用しているが、この形状に限定されるものではない。
【0081】
挿抜可能な構成に代えて、基板接続端子42を回路基板30にはんだ接合してもよい。たとえば
図9に示すように、挿入実装構造を採用してもよい。
図9は、
図8に対応している。基板接続端子42は、スルーホール311に挿入され、はんだ35によってスルーホールランド312に接合されている。これによれば、入出力モジュール40と回路基板30との接続信頼性を高めることができる。
【0082】
筐体20におけるコネクタハウジング213の数、位置、および平面形状は、上記した例に限定されない。接続対象を考慮して適宜設定が可能である。たとえば
図10に示すように、2つのコネクタハウジング213を有する構成としてもよい。
図10は、
図4に対応している。プリント基板31の一端側に配置された2つの入出力モジュール40の外部接続端子43は、スロット214のひとつから露出している。他端側に配置された2つの入出力モジュール40の外部接続端子43は、スロット214の他のひとつから露出している。
図10では、入出力モジュール404を電源専用のモジュールとしており、外部接続端子43として、バッテリに接続される外部接続端子43N,43Pのみを含んでいる。
【0083】
(第2実施形態)
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例であり、先行実施形態の記載を援用できる。先行実施形態では、車種や仕様に応じて入出力モジュールを差し換える例を示した。これに代えて、または追加的に、入出力モジュールの数を増やしたり、減らしたりしてもよい。
【0084】
図11は、本実施形態に係るゾーンECU12を示す上面視平面図である。
図11は、
図4に対応している。
図11に示す二点鎖線のそれぞれは、入出力モジュール40の空き(ブランク)を示している。
図12は、
図11のXII-XII線に沿う断面図である。
図12は、
図5に対応している。
【0085】
図11および
図12に示すように、ゾーンECU12は、最大で6つの入出力モジュール40を備えることができる。
図11および
図12に示す例では、ゾーンECU12が、4つの入出力モジュール40を備えている。コネクタハウジング213及びスロット214は、それぞれ3つの入出力モジュール40に対応して設けられている。回路基板30は、6つの入出力モジュール40との接続が可能に設けられている。一例として回路基板30は、6つのSMDコネクタ33を備えている。SMDコネクタ33は、対応する入出力モジュール40の基板接続端子42と同数の被挿入部331を有している。
【0086】
内部保持部材50は、6つのスロット52を有している。6つのスロット52のうち、4つに入出力モジュール40が挿入され、残りの2つが空き領域(ブランク)となっている。その他の構成は、先行実施形態に記載の構成(
図4および
図5参照)と同様である。
【0087】
<第2実施形態のまとめ>
本実施形態においても、先行実施形態同様、入出力モジュール40を回路基板30とは別に設けている。そして、車種や仕様などに応じて入出力モジュール40の数を増減可能に設けられている。このように、入出力モジュール40を追加したり、減らしたりすることで、ゾーンECU12の入出力機能を容易に変更することができる。都度、入出力に関する設計を変更する必要がない。入出力モジュール40の増減により、基板接続端子42や外部接続端子43の数、いわゆる入出力のピン数を容易に変更することができる。
【0088】
たとえば、基本単位の回路を備えた入出力モジュール40をあらかじめ準備しておき、車種や仕様に応じて、スロット52に挿入する入出力モジュール40の数を変更するようにしてもよい。
【0089】
本実施形態に記載の構成は、先行実施形態および変形例として記載の構成との組み合わせが可能である。たとえば入出力モジュール40の差し換え(変更)と増減とを組み合わせてもよい。
【0090】
(他の実施形態)
この明細書および図面等における開示は、例示された実施形態に制限されない。開示は、例示された実施形態と、それらに基づく当業者による変形態様を包含する。たとえば、開示は、実施形態において示された部品および/または要素の組み合わせに限定されない。開示は、多様な組み合わせによって実施可能である。開示は、実施形態に追加可能な追加的な部分をもつことができる。開示は、実施形態の部品および/または要素が省略されたものを包含する。開示は、ひとつの実施形態と他の実施形態との間における部品および/または要素の置き換え、または組み合わせを包含する。開示される技術的範囲は、実施形態の記載に限定されない。開示されるいくつかの技術的範囲は、請求の範囲の記載によって示され、さらに請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものと解されるべきである。
【0091】
明細書および図面等における開示は、請求の範囲の記載によって限定されない。明細書および図面等における開示は、請求の範囲に記載された技術的思想を包含し、さらに請求の範囲に記載された技術的思想より多様で広範な技術的思想に及んでいる。よって、請求の範囲の記載に拘束されることなく、明細書および図面等の開示から、多様な技術的思想を抽出することができる。
【0092】
ある要素または層が「上にある」、「連結されている」、「接続されている」または「結合されている」と言及されている場合、それは、他の要素、または他の層に対して、直接的に上に、連結され、接続され、または結合されていることがあり、さらに、介在要素または介在層が存在していることがある。対照的に、ある要素が別の要素または層に「直接的に上に」、「直接的に連結されている」、「直接的に接続されている」または「直接的に結合されている」と言及されている場合、介在要素または介在層は存在しない。要素間の関係を説明するために使用される他の言葉は、同様のやり方で(例えば、「間に」対「直接的に間に」、「隣接する」対「直接的に隣接する」など)解釈されるべきである。この明細書で使用される場合、用語「および/または」は、関連する列挙されたひとつまたは複数の項目に関する任意の組み合わせ、およびすべての組み合わせを含む。
【0093】
空間的に相対的な用語「内」、「外」、「裏」、「下」、「低」、「上」、「高」などは、図示されているような、ひとつの要素または特徴の他の要素または特徴に対する関係を説明する記載を容易にするためにここでは利用されている。空間的に相対的な用語は、図面に描かれている向きに加えて、使用または操作中の装置の異なる向きを包含することを意図することができる。例えば、図中の装置をひっくり返すと、他の要素または特徴の「下」または「真下」として説明されている要素は、他の要素または特徴の「上」に向けられる。したがって、用語「下」は、上と下の両方の向きを包含することができる。この装置は、他の方向に向いていてもよく(90度または他の向きに回転されてもよい)、この明細書で使用される空間的に相対的な記述子はそれに応じて解釈される。
【0094】
プロセッサとして、マイコン321が備えるCPUの例を示したが、これに限定されない。MPU、GPU、DFPなどを採用可能である。MPUは、Micro-Processing Unitの略称である。GPUは、Graphics Processing Unitの略称である。DFPは、Data Flow Processorの略称である。また、マイコン321に代えてSoCを採用してもよい。SoCは、System on Chipの略称である。ASICやFPGAなどを採用してもよい。ASICは、Application Specific Integrated Circuitの略称である。FPGAは、Field-Programmable Gate Arrayの略称である。
【0095】
制御プログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体(non-transitory tangible storage medium)に記憶されていてもよい。プログラムの保存媒体としては、HDD、SSD、フラッシュメモリなどを採用可能である。HDDは、Hard-disk Driveの略称である。SSDは、Solid State Driveの略称である。
【0096】
(技術的思想の開示)
この明細書は、以下に列挙する複数の項に記載された複数の技術的思想を開示している。いくつかの項は、航続の項において先行する項を択一的に引用する多項従属形式(a multiple dependent form)により記載されている場合がある。さらに、いくつかの項は、他の多項従属形式の項を引用する多項従属形式(a multiple dependent form referring to another multiple dependent form)により記載されている場合がある。これらの多項従属形式で記載された項は、複数の技術的思想を定義している。
【0097】
<技術的思想1>
ゲートウェイ機能を有する車両用コントロールユニットであって、
プロセッサ(321)および電源回路(322,323)を有する回路基板(30)と、
複数の基板接続端子(42)と、外部機器に電気的に接続される複数の外部接続端子(43)と、を有し、前記回路基板に対する入出力機能を提供する入出力モジュール(40)と、
電源を分配する電源分配回路(415)と、
を備え、
前記基板接続端子が、前記回路基板に電気的に接続されている、車両用コントロールユニット。
【0098】
<技術的思想2>
スロット(214,52)を有し、前記入出力モジュールを保持する保持部材(20,50)を備え、
前記入出力モジュールは前記スロットに対応して設けられ、前記入出力モジュールの一部分が対応する前記スロット内に保持されており、
前記外部接続端子は、対応する前記スロットを通じて前記外部機器との接続が可能である、技術的思想1に記載の車両用コントロールユニット。
【0099】
<技術的思想3>
前記保持部材は、前記回路基板を収容する筐体(20)を含み、
前記筐体は、前記回路基板と対向する上壁に前記スロット(214)を有し、
前記外部接続端子が、前記筐体の対応する前記スロット内に保持されている、技術的思想2に記載の車両用コントロールユニット。
【0100】
<技術的思想4>
前記基板接続端子および前記外部接続端子は、前記入出力モジュールの本体部(41)から延びており、
前記保持部材は、前記回路基板とともに筐体内に収容される内部保持部材(50)を含み、
前記入出力モジュールの前記本体部が、前記内部保持部材の対応する前記スロット(52)に挿入されている、技術的思想2または技術的思想3に記載の車両用コントロールユニット。
【0101】
<技術的思想5>
複数系統の通信回路(414)を備える、技術的思想1~4いずれかひとつに記載の車両用コントロールユニット。
【0102】
<技術的思想6>
複数種類の通信回路(414)を備える、技術的思想1~5いずれかひとつに記載の車両用コントロールユニット。
【0103】
<技術的思想7>
複数種類の前記通信回路として、CAN回路、ETHERNET回路、およびLIN回路のうちの少なくとも2つを備える、技術的思想6に記載の車両用コントロールユニット。
【0104】
<技術的思想8>
前記プロセッサは、互いに機能の異なる複数の機器に対して入出力を行う、技術的思想1~7いずれかひとつに記載の車両用コントロールユニット。
【0105】
<技術的思想9>
前記外部接続端子には、互いに機能の異なる複数の機器が電気的に接続される、技術的思想1~7いずれかひとつに記載の車両用コントロールユニット。
【0106】
<技術的思想10>
複数の前記機器は、ボデーECU(131B)、パワートレインECU(131P)、コックピットECU(131C)、およびADASECU(131A)のうちの少なくとも2つである、技術的思想8または技術的思想9に記載の車両用コントロールユニット。
【0107】
<技術的思想11>
前記回路基板は、前記基板接続端子が挿入されることで、前記基板接続端子を前記回路基板に電気的に接続する複数の被挿入部(331,311)を有し、
前記被挿入部の数は、前記基板接続端子の数よりも多い、技術的思想1~10いずれかひとつに記載の車両用コントロールユニット。
【0108】
<技術的思想12>
前記入出力モジュールは、バッテリに電気的に接続される電源用モジュール(404)を含み、
前記バッテリに接続される前記基板接続端子の直径が他の前記基板接続端子の直径よりも長く、前記バッテリに接続される前記外部接続端子の直径が、他の前記外部接続端子の直径よりも長い、技術的思想1~11いずれかひとつに記載の車両用コントロールユニット。
【0109】
<技術的思想13>
前記電源用モジュールは、直流で最大60A以上の電流に対応する、技術的思想12に記載の車両用コントロールユニット。
【0110】
<技術的思想14>
前記入出力モジュールは、前記回路基板における前記プロセッサの実装面に対して交差する方向に延びている、技術的思想1~13いずれかひとつに記載の車両用コントロールユニット。
【0111】
<技術的思想15>
前記入出力モジュールを複数備える、技術的思想1~14いずれかひとつに記載の車両用コントロールユニット。
【0112】
<技術的思想16>
入出力回路(413)、前記電源分配用回路、および通信回路(414)のそれぞれは、複数の前記入出力モジュールのいずれかに設けられている、技術的思想15に記載の車両用コントロールユニット。
【0113】
<技術的思想17>
前記外部接続端子にはワイヤハーネス(80)が接続される、技術的思想1~16いずれかひとつに記載の車両用コントロールユニット。
【0114】
<技術的思想18>
前記入出力モジュールは、前記ワイヤハーネスに流れる電流を監視し、過電流の場合にスイッチをオフして通電を遮断する電流監視回路(418)を有する、技術的思想17に記載の車両用コントロールユニット。
【0115】
<技術的思想19>
前記基板接続端子は、前記回路基板に対して挿抜可能に接続されている、技術的思想1~18いずれかひとつに記載の車両用コントロールユニット。
【0116】
<技術的思想20>
前記基板接続端子は、前記回路基板のスルーホールランド(312)にはんだ接合されている、技術的思想1~18いずれかひとつに記載の車両用コントロールユニット。
【符号の説明】
【0117】
10…車載ネットワークシステム、11…セントラルECU、12、121,122,123,124…ゾーンECU、13…機器、131…ECU、131A…ADASECU、131B…ボデーECU、131C…コックピットECU、131P…パワートレインECU、132…アクチュエータ、133…センサ、15…車両、20…筐体、21…ケース、211…上壁、212…側壁、213…コネクタハウジング、214…スロット、22…カバー、221…底壁、222…側壁、223…支持部、30…回路基板、31…プリント基板、31a…一面、31b…裏面、311…スルーホール、312…スルーホールランド、32…電子部品、321…マイコン、322,323…電源回路、33…SMDコネクタ、331…被挿入部、34…固定孔、35…はんだ、40,401,402,403,404…入出力モジュール、41…本体部、411…封止体、412…プリント基板、413…入出力回路、414,414C,414E…通信回路、415…電源分配回路、416…バスバー、417…逆接保護回路、418…電流監視回路、42,42P…基板接続端子、43,43P,43N…外部接続端子、50…内部保持部材、51…固定部、52…スロット、80…ワイヤハーネス、81…コネクタ