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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024011543
(43)【公開日】2024-01-25
(54)【発明の名称】媒体搬送装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 5/06 20060101AFI20240118BHJP
   B65H 29/52 20060101ALI20240118BHJP
【FI】
B65H5/06 Z
B65H29/52
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022113610
(22)【出願日】2022-07-15
(71)【出願人】
【識別番号】000136136
【氏名又は名称】株式会社PFU
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】篠原 航
【テーマコード(参考)】
3F049
3F101
【Fターム(参考)】
3F049AA03
3F049DA12
3F049LA11
3F049LB02
3F101FB11
3F101FE02
3F101FE11
3F101LA11
3F101LB02
(57)【要約】
【課題】騒音を低減する。
【解決手段】媒体搬送装置は、Uターン搬送給紙口7とUターン搬送排紙口8とリターン搬送給紙排紙口14と開口部15と搬送路6とが形成される媒体搬送装置本体1と、Uターン搬送給紙口7を介して搬送路6に供給された媒体をUターン搬送排紙口8を介して排紙するUターン搬送を実行したりリターン搬送給紙排紙口14を介して搬送路6に供給された媒体の一部を開口部15から突出させるリターン搬送を実行したりする搬送部18と、開口部15が開閉されるように移動可能に媒体搬送装置本体1に支持されているフラップとを備えている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1搬送給紙口と第1搬送排紙口と第2搬送給紙排紙口と開口部と搬送路とが形成される本体と、
前記第1搬送給紙口を介して前記搬送路に供給された第1媒体を前記第1搬送排紙口を介して排紙する第1搬送を実行したり、前記第2搬送給紙排紙口を介して前記搬送路に供給された第2媒体の一部を前記開口部から突出させる第2搬送を実行したりする搬送部と、
前記開口部が開閉されるように、移動可能に前記本体に支持されるフラップ
とを備える媒体搬送装置。
【請求項2】
前記第1搬送が実行されるときに前記開口部が閉鎖されるように、前記第2搬送が実行されるときに前記開口部が開放されるように、前記フラップを移動させる機構
をさらに備える請求項1に記載の媒体搬送装置。
【請求項3】
前記第1搬送が実行されるときに前記第2搬送給紙排紙口を閉鎖して前記搬送路を前記第1搬送排紙口に接続し、前記第2搬送が実行されるときに前記第2搬送給紙排紙口を開放して前記搬送路と前記第1搬送排紙口との間を遮断する搬送路ガイドをさらに備え、
前記機構は、
前記搬送路ガイドが前記第2搬送給紙排紙口を閉鎖する運動を前記フラップが前記開口部を閉鎖する運動に変換し、
前記搬送路ガイドが前記第2搬送給紙排紙口を開放する運動を前記フラップが前記開口部を開放する運動に変換する
請求項2に記載の媒体搬送装置。
【請求項4】
前記機構は、
前記第2搬送が実行されるときに前記開口部が開放されるように、前記フラップを移動させ、
前記第2搬送が実行されないときに前記開口部が閉鎖されるように、前記フラップを移動させる
請求項2に記載の媒体搬送装置。
【請求項5】
前記本体に固定され、前記フラップが前記開口部を閉鎖しているときに前記フラップに接触し、前記フラップが前記開口部を開放しているときに前記フラップから離れるストッパ
をさらに備える請求項1に記載の媒体搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の技術は、媒体搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
騒音を低減する媒体搬送装置が知られている(特許文献1、2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平05-221084号公報
【特許文献2】特開2015-1552号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
設置スペースが低減するように、屈曲した搬送路に沿って媒体を搬送したり、媒体が屈曲しないように、屈曲していない搬送路に沿って媒体を搬送したりする媒体搬送装置がさらに知られている。しかしながら、このような媒体搬送装置は、媒体が搬送路に給紙されたり搬送路から排紙されたりする開口部が複数形成されていることにより、装置内部で発生した騒音がその開口部を介して外部に漏れ出して、騒音が増大するという問題がある。
【0005】
開示の技術は、かかる点に鑑みてなされたものであって、騒音を低減する媒体搬送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様による媒体搬送装置は、第1搬送給紙口と第1搬送排紙口と第2搬送給紙排紙口と開口部と搬送路とが形成される本体と、前記第1搬送給紙口を介して前記搬送路に供給された第1媒体を前記第1搬送排紙口を介して排紙する第1搬送を実行したり前記第2搬送給紙排紙口を介して前記搬送路に供給された第2媒体の一部を前記開口部から突出させる第2搬送を実行したりする搬送部と、前記開口部が開閉されるように移動可能に前記本体に支持されるフラップとを備えている。
【発明の効果】
【0007】
開示の媒体搬送装置は、騒音を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施例1の媒体搬送装置が設けられた画像読取装置を示す側面断面図である。
図2図2は、搬送路ガイドを示す側面断面図である。
図3図3は、搬送路ガイドがUターン搬送位置に配置されるときの搬送路ガイドを示す側面断面図である。
図4図4は、フラップを示す側面断面図である。
図5図5は、閉鎖位置に配置されているフラップを示す側面断面図である。
図6図6は、搬送路ガイド揺動機構とフラップ揺動機構とを示す側面断面図である。
図7図7は、モータが駆動歯車を正回転させたときの搬送路ガイド揺動機構とフラップ揺動機構とを示す側面断面図である。
図8図8は、Uターン搬送が実行されるときのリターン搬送給紙排紙口の状態と開口部の状態とを示すフローチャートである。
図9図9は、リターン搬送が実行されるときのリターン搬送給紙排紙口の状態と開口部の状態とを示すフローチャートである。
図10図10は、実施例2の媒体搬送装置のフラップ揺動機構を示す側面図である。
図11図11は、モータが駆動軸を逆回転させたときの実施例2の媒体搬送装置のフラップ揺動機構を示す側面図である。
図12図12は、実施例2の媒体搬送装置において、Uターン搬送が実行されるときのリターン搬送給紙排紙口の状態と開口部の状態とを示すフローチャートである。
図13図13は、実施例2の媒体搬送装置において、リターン搬送が実行されるときのリターン搬送給紙排紙口の状態と開口部の状態とを示すフローチャートである。
図14図14は、実施例3の媒体搬送装置のフラップを示す側面図である。
図15図15は、実施例3の媒体搬送装置において、媒体に押されたフラップを示す側面図である。
図16図16は、実施例4の媒体搬送装置におけるフラップを示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願が開示する実施形態にかかる媒体搬送装置について、図面を参照して説明する。なお、以下の記載により本開示の技術が限定されるものではない。また、以下の記載においては、同一の構成要素に同一の符号を付与し、重複する説明を省略する。
【実施例0010】
実施例1の媒体搬送装置は、図1に示されているように、画像読取装置10に設けられている。図1は、実施例1の媒体搬送装置が設けられた画像読取装置10を示す側面断面図である。画像読取装置10は、媒体搬送装置本体1と給紙トレイ2と排紙トレイ3とを備えている。媒体搬送装置本体1は、概ね箱形に形成されている。媒体搬送装置本体1は、画像読取装置10が設置される設置面5に載置される。媒体搬送装置本体1の内部には、搬送路6が形成されている。搬送路6は、設置面5が沿う平面に概ね平行である他の平面に沿って配置されている。
【0011】
媒体搬送装置本体1の外殻には、Uターン搬送給紙口7とUターン搬送排紙口8とが形成されている。Uターン搬送給紙口7は、搬送路6が沿う平面の上側に配置され、搬送路6の奥側端11の近傍に配置されている。Uターン搬送排紙口8は、搬送路6が沿う平面の上側に配置され、搬送路6の手前側端12の近傍に配置されている。媒体搬送装置本体1の外殻には、リターン搬送給紙排紙口14と開口部15とがさらに形成されている。リターン搬送給紙排紙口14は、搬送路6の手前側端12の近傍に配置される。開口部15は、搬送路6の奥側端11の近傍に配置される。リターン搬送給紙排紙口14と開口部15と搬送路6とは、略直線状の搬送路を形成する。
【0012】
給紙トレイ2は、概ね板状に形成されている。給紙トレイ2には、給紙トレイ載置面16が形成されている。給紙トレイ載置面16は、概ね平坦である。給紙トレイ2は、給紙トレイ載置面16が斜め上方を向くように、かつ、給紙トレイ載置面16がUターン搬送給紙口7に接続されるように、Uターン搬送給紙口7の近傍に配置され、媒体搬送装置本体1に支持されている。
【0013】
排紙トレイ3は、概ね板状に形成されている。排紙トレイ3には、排紙トレイ載置面17が形成されている。排紙トレイ載置面17は、概ね平坦である。排紙トレイ3は、排紙トレイ載置面17が斜め上方を向くように、かつ、排紙トレイ載置面17がUターン搬送排紙口8に接続されるように、Uターン搬送排紙口8の近傍に配置され、媒体搬送装置本体1に支持されている。
【0014】
画像読取装置10は、搬送部18と読取部19とをさらに備えている。搬送部18は、媒体搬送装置本体1の内部に配置されている。搬送部18は、Uターン搬送給紙口7に挿入された複数の媒体のうちの1つの媒体を搬送路6に供給する。搬送部18は、さらに、搬送路6に供給された媒体を搬送路6に沿って搬送する。搬送部18は、さらに、搬送路6からUターン搬送排紙口8に案内された媒体をUターン搬送排紙口8から排紙する。搬送部18は、さらに、搬送路6からリターン搬送給紙排紙口14に案内された媒体をリターン搬送給紙排紙口14から排紙する。読取部19は、媒体搬送装置本体1の内部に配置されている。読取部19は、搬送路6に沿って搬送される媒体の画像を撮像する。
【0015】
画像読取装置10は、図2に示されているように、搬送路ガイド21を備えている。図2は、搬送路ガイド21を示す側面断面図である。搬送路ガイド21は、搬送路6の手前側端12の近傍に配置され、Uターン搬送排紙口8の近傍に配置され、リターン搬送給紙排紙口14の近傍に配置されている。搬送路ガイド21は、揺動軸22まわりに揺動可能に媒体搬送装置本体1に支持されている。揺動軸22は、搬送路6が沿う平面に平行である。搬送路ガイド21は、揺動軸22まわりに揺動し、リターン搬送位置またはUターン搬送位置に配置される。リターン搬送給紙排紙口14は、搬送路ガイド21がリターン搬送位置に配置されるときに、開放され、搬送路6の手前側端12に接続される。搬送路ガイド21がリターン搬送位置に配置されるときに、搬送路6の手前側端12とUターン搬送排紙口8との間は、搬送路ガイド21により遮断され、搬送路6の手前側端12は、Uターン搬送排紙口8に接続されていない。
【0016】
図3は、搬送路ガイド21がUターン搬送位置に配置されるときの搬送路ガイド21を示す側面断面図である。搬送路ガイド21がUターン搬送位置に配置されるときに、リターン搬送給紙排紙口14は、搬送路ガイド21により閉鎖され、搬送路6の手前側端12とリターン搬送給紙排紙口14との間は、搬送路ガイド21により遮断される。搬送路ガイド21がUターン搬送位置に配置されるときに、さらに、搬送路6の手前側端12とUターン搬送排紙口8との間は、搬送路ガイド21により遮断されないで、搬送路6の手前側端12は、Uターン搬送排紙口8に接続されている。
【0017】
画像読取装置10は、図4に示されているように、フラップ23をさらに備えている。図4は、フラップ23を示す側面断面図である。フラップ23は、板状に形成されている。フラップ23は、開口部15の近傍に配置されている。フラップ23は、揺動軸24まわりに揺動可能に媒体搬送装置本体1に支持されている。揺動軸24は、揺動軸22に平行であり、開口部15の上に配置されている。または、揺動軸24は、開口部15の下に配置されてもよい。フラップ23は、揺動軸24まわりに揺動し、開放位置または閉鎖位置に配置される。開口部15は、フラップ23が開放位置に配置されるときに、開放されている。フラップ23のうちの揺動軸24の側と反対側の先端25は、フラップ23が開放位置に配置されるときに、揺動軸24の搬送路6の側に配置されている。
【0018】
画像読取装置10は、搬送路下側ガイド26をさらに備えている。搬送路下側ガイド26は、搬送路下側ガイド面27が形成されている。
【0019】
図5は、閉鎖位置に配置されているフラップ23を示す側面断面図である。開口部15は、フラップ23が閉鎖位置に配置されるときに、フラップ23により閉鎖されている。フラップ23の先端25は、フラップ23が閉鎖位置に配置されるときに、揺動軸24の下に配置されている。
【0020】
画像読取装置10は、図6に示されているように、搬送路ガイド揺動機構31とフラップ揺動機構32とをさらに備えている。図6は、搬送路ガイド揺動機構31とフラップ揺動機構32とを示す側面断面図である。搬送路ガイド揺動機構31は、媒体搬送装置本体1の内部に配置され、駆動歯車33と第1歯車34と第2歯車35と扇形歯車36とモータ37とトルクリミッタ38とを備えている。駆動歯車33は、回転軸41まわりに回転可能に媒体搬送装置本体1に支持されている。回転軸41は、揺動軸22に平行である。第1歯車34は、回転軸42まわりに回転可能に媒体搬送装置本体1に支持されている。回転軸42は、揺動軸22に平行である。第1歯車34は、駆動歯車33に噛み合っている。第2歯車35は、回転軸42まわりに回転可能に媒体搬送装置本体1に支持されている。扇形歯車36は、揺動軸22まわりに回転可能に媒体搬送装置本体1に支持され、搬送路ガイド21に固定されている。扇形歯車36は、第2歯車35に噛み合っている。
【0021】
モータ37は、駆動歯車33を図6で時計回りに正回転させ、または、駆動歯車33を図6で反時計回りに逆回転させる。トルクリミッタ38は、第2歯車35を第1歯車34に固定し、第1歯車34の回転を第2歯車35に伝達する。すなわち、搬送路ガイド揺動機構31は、モータ37が駆動歯車33を逆回転させるときに搬送路ガイド21が図6で反時計回りにリターン搬送位置に向かって揺動するように、形成されている。トルクリミッタ38は、第1歯車34と第2歯車35との間に加わる負荷が、予め定められた閾値より大きいときに、第1歯車34の回転を第2歯車35に伝達しない。
【0022】
フラップ揺動機構32は、搬送路ガイド21がリターン搬送位置に向かって揺動する運動が、フラップ23が開放位置に向かって揺動する運動に変換されように、形成されている。フラップ揺動機構32は、さらに、搬送路ガイド21がUターン搬送位置に向かって揺動する運動が、フラップ23が閉鎖位置に向かって揺動する運動に変換されるように、形成されている。すなわち、フラップ揺動機構32は、媒体搬送装置本体1の内部に配置され、第3歯車51と第4歯車52と第5歯車53と第6歯車54と第7歯車55と扇形歯車56とトルクリミッタ57とを備えている。第3歯車51は、回転可能に媒体搬送装置本体1に支持され、駆動歯車33に噛み合っている。第4歯車52は、回転可能に媒体搬送装置本体1に支持され、第3歯車51に噛み合っている。第5歯車53は、回転可能に媒体搬送装置本体1に支持され、第4歯車52に噛み合っている。第6歯車54は、回転可能に媒体搬送装置本体1に支持され、第5歯車53に噛み合っている。第7歯車55は、回転可能に媒体搬送装置本体1に支持されている。扇形歯車56は、揺動軸24まわりに回転可能に媒体搬送装置本体1に支持され、フラップ23に固定され、第7歯車55に噛み合っている。
【0023】
トルクリミッタ57は、第7歯車55を第6歯車54に固定し、第6歯車54の回転を第7歯車55に伝達する。すなわち、フラップ揺動機構32は、モータ37が駆動歯車33を逆回転させるときにフラップ23が図6で時計回りに開放位置に向かって揺動するように、形成されている。トルクリミッタ57は、第6歯車54と第7歯車55との間に加わる負荷が、予め定められた閾値より大きいときに、第6歯車54の回転を第7歯車55に伝達しない。
【0024】
図7は、モータ37が駆動歯車33を正回転させたときの搬送路ガイド揺動機構31とフラップ揺動機構32とを示す側面断面図である。搬送路ガイド揺動機構31は、モータ37が駆動歯車33を正回転させるときに、搬送路ガイド21が図7で時計回りにUターン搬送位置に向かって揺動するように、形成されている。
【0025】
画像読取装置10は、図示されていないリターン搬送用ストッパとUターン搬送用ストッパとをさらに備えている。リターン搬送用ストッパは、搬送路ガイド21がリターン搬送位置に配置されるときに、リターン搬送用ストッパが搬送路ガイド21に接触するように、配置されている。リターン搬送用ストッパは、さらに、搬送路ガイド21がUターン搬送位置に向かって揺動するときに、リターン搬送用ストッパが搬送路ガイド21から離れるように、配置されている。リターン搬送用ストッパは、媒体搬送装置本体1に固定されている。Uターン搬送用ストッパは、搬送路ガイド21がUターン搬送位置に配置されるときに、Uターン搬送用ストッパが搬送路ガイド21に接触するように、配置されている。Uターン搬送用ストッパは、さらに、搬送路ガイド21がリターン搬送位置に向かって揺動するときに、Uターン搬送用ストッパが搬送路ガイド21から離れるように、配置されている。Uターン搬送用ストッパは、媒体搬送装置本体1に固定されている。
【0026】
フラップ揺動機構32は、モータ37が駆動歯車33を正回転させるときに、フラップ23が図7で反時計回りに閉鎖位置に向かって揺動するように、形成されている。画像読取装置10は、図示されていない開放側ストッパと閉鎖側ストッパとをさらに備えている。開放側ストッパは、フラップ23が開放位置に配置されるときに、開放側ストッパがフラップ23に接触するように、フラップ23が閉鎖位置に向かって揺動するときに、開放側ストッパがフラップ23から離れるように、配置され、媒体搬送装置本体1に固定されている。閉鎖側ストッパは、フラップ23が閉鎖位置に配置されるときに、閉鎖側ストッパがフラップ23に接触するように、フラップ23が開放位置に向かって揺動するときに、閉鎖側ストッパがフラップ23から離れるように、配置され、媒体搬送装置本体1に固定されている。なお、トルクリミッタ38およびトルクリミッタ57のうちのいずれかまたは両方が省略されてもよい。また、扇形歯車36および扇形歯車56の一方または両方は、歯車であってもよい。また、リターン搬送用ストッパ、Uターン搬送用ストッパ、開放側ストッパ、および閉鎖側ストッパのうちのいずれか、いくつか、または全部を備えていなくてもよい。
【0027】
[画像読取装置10の動作]
ユーザは、画像読取装置10を用いて複数の媒体の画像を読み取りたいときに、複数の媒体を給紙トレイ2に載置する。複数の媒体の各々は、屈曲しやすい媒体であり、たとえば、コピー用紙から形成されている。複数の媒体は、綴じられておらず、互いに分離されることができる。給紙トレイ2に載置された複数の媒体は、給紙トレイ載置面16が斜め上方を向いていることにより、重力によりUターン搬送給紙口7に向かって移動し、Uターン搬送給紙口7に挿入される。ユーザは、複数の媒体がUターン搬送給紙口7に挿入された後に、画像読取装置10を操作して画像読取装置10を起動する。
【0028】
画像読取装置10は、画像読取装置10が起動されたときで、かつ、複数の媒体がUターン搬送給紙口7に挿入されているときに、図8に示されているように、Uターン搬送を実行する。図8は、Uターン搬送が実行されるときのリターン搬送給紙排紙口14の状態と開口部15の状態とを示すフローチャートである。
【0029】
Uターン搬送が開始される前には、リターン搬送給紙排紙口14は、開放され(状態S1)、開口部15は、開放されている(状態S2)。搬送路ガイド揺動機構31のモータ37は、Uターン搬送が開始されることにより、駆動歯車33を正回転させる。搬送路ガイド21は、駆動歯車33が正回転するときに、搬送路ガイド揺動機構31により、Uターン搬送位置に向かって揺動する。搬送路ガイド21は、搬送路ガイド21がUターン搬送位置に配置されたときに、Uターン搬送用ストッパに接触し、揺動しなくなる。搬送路ガイド揺動機構31の第1歯車34と第2歯車35との間には、第1歯車34が正回転しているときに搬送路ガイド21が揺動しなくなることにより、閾値より大きい負荷が加わる。第1歯車34の回転は、第1歯車34と第2歯車35との間に閾値より大きい負荷が加わるときに、トルクリミッタ38により、第2歯車35に伝達されなくなる。搬送路ガイド21は、第1歯車34の回転が第2歯車35に伝達されないことにより、搬送路ガイド21がUターン搬送位置に配置された状態で、媒体搬送装置本体1に固定される。リターン搬送給紙排紙口14は、搬送路ガイド21がUターン搬送位置に配置されることにより、閉鎖される(状態S3)。
【0030】
フラップ23は、駆動歯車33が正回転するときに、フラップ揺動機構32により、閉鎖位置に向かって揺動する。フラップ23は、フラップ23が閉鎖位置に配置されたときに、閉鎖側ストッパに接触し、揺動しなくなる。フラップ揺動機構32の第6歯車54と第7歯車55との間には、第6歯車54が正回転しているときにフラップ23が揺動しなくなることにより、閾値より大きい負荷が加わる。第6歯車54の回転は、第6歯車54と第7歯車55との間に閾値より大きい負荷が加わるときに、トルクリミッタ57により、第7歯車55に伝達されなくなる。フラップ23は、第6歯車54の回転が第7歯車55に伝達されないことにより、フラップ23が閉鎖位置に配置された状態で、媒体搬送装置本体1に固定される。開口部15は、フラップ23が閉鎖位置に配置されることにより、閉鎖される(状態S4)。
【0031】
モータ37は、Uターン搬送が終了するまで、駆動歯車33を継続して正回転させる。または、モータ37は、リターン搬送給紙排紙口14および開口部15が閉鎖された後に、停止してもよい。画像読取装置10は、Uターン搬送が終了するまでリターン搬送給紙排紙口14と開口部15との両方が閉鎖された状態のままを維持することができる。
【0032】
搬送部18は、リターン搬送給紙排紙口14と開口部15との両方が閉鎖された後に、Uターン搬送給紙口7に挿入された複数の媒体のうちの一番上に配置される1つの媒体を搬送路6の奥側端11に供給する。搬送部18は、さらに、搬送路6の奥側端11に供給された媒体を搬送路6に沿って手前側に搬送する。読取部19は、搬送路6に沿って手前側に搬送される媒体の画像を撮像する。実施例の媒体搬送装置は、一番上に配置される媒体から供給される上取式媒体搬送装置であるが、媒体搬送装置は、一番下に配置される媒体から供給される下取式媒体搬送装置であってもよい。
【0033】
搬送路ガイド21は、搬送路ガイド21がUターン搬送位置に配置されていることにより、搬送路6に沿って手前側に搬送された媒体がUターン搬送排紙口8に向かって搬送されるように、媒体を案内する。搬送部18は、さらに、Uターン搬送排紙口8に向かって搬送される媒体を、Uターン搬送排紙口8を介して排紙する。Uターン搬送排紙口8を介して排紙された媒体は、排紙トレイ3に載置される。搬送部18と読取部19とは、Uターン搬送給紙口7に挿入された複数の媒体の全部が排紙トレイ3に載置されるまで、媒体の搬送と媒体の画像の撮像とを繰り返し実行する。
【0034】
媒体がUターン搬送給紙口7から搬送路6を介してUターン搬送排紙口8に搬送されるときに、媒体搬送装置本体1の内部から騒音が発生する。たとえば、その騒音は、搬送部18が駆動する駆動音、媒体が搬送部18に接触したり搬送部18から離れたりするときに発生する音を含んでいる。媒体がUターン搬送給紙口7から搬送路6を介してUターン搬送排紙口8に搬送されるときに、媒体は、屈曲する。騒音は、媒体が屈曲するときに発生する音をさらに含んでいる。画像読取装置10は、Uターン搬送が実行されるときに、開口部15がフラップ23により閉鎖されていることにより、このような騒音が媒体搬送装置本体1の内部から開口部15を介して外部に漏れだすことを防止することができ、騒音を低減することができる。
【0035】
搬送部18は、Uターン搬送給紙口7に挿入された複数の媒体の全部が排紙トレイ3に載置された後に、すなわち、Uターン搬送が終了した後に、停止する。モータ37は、搬送部18が停止した後に、駆動歯車33を逆回転させる。搬送路ガイド21は、駆動歯車33が逆回転するときに、搬送路ガイド揺動機構31により、リターン搬送位置に向かって揺動する。搬送路ガイド21は、搬送路ガイド21がリターン搬送位置に配置されたときに、リターン搬送用ストッパに接触し、揺動しなくなる。搬送路ガイド揺動機構31の第1歯車34と第2歯車35との間には、第1歯車34が逆回転しているときに搬送路ガイド21が揺動しなくなることにより、閾値より大きい負荷が加わる。第1歯車34の回転は、第1歯車34と第2歯車35との間に閾値より大きい負荷が加わるときに、トルクリミッタ38により、第2歯車35に伝達されなくなる。搬送路ガイド21は、第1歯車34の回転が第2歯車35に伝達されないことにより、搬送路ガイド21がリターン搬送位置に配置された状態で、媒体搬送装置本体1に固定される。リターン搬送給紙排紙口14は、搬送路ガイド21がリターン搬送位置に配置されることにより、開放される(状態S5)。
【0036】
フラップ23は、駆動歯車33が逆回転するときに、フラップ揺動機構32により、開放位置に向かって揺動する。フラップ23は、フラップ23が開放位置に配置されたときに、開放側ストッパに接触し、揺動しなくなる。フラップ揺動機構32の第6歯車54と第7歯車55との間には、第6歯車54が逆回転しているときにフラップ23が揺動しなくなることにより、閾値より大きい負荷が加わる。第6歯車54の回転は、第6歯車54と第7歯車55との間に閾値より大きい負荷が加わるときに、トルクリミッタ57により、第7歯車55に伝達されなくなる。フラップ23は、第6歯車54の回転が第7歯車55に伝達されないことにより、フラップ23が開放位置に配置された状態で、媒体搬送装置本体1に固定される。開口部15は、フラップ23が開放位置に配置されることにより、開放される(状態S6)。モータ37は、開口部15とリターン搬送給紙排紙口14とが開放された後に、駆動歯車33を回転させることを停止する。
【0037】
ユーザは、リターン搬送を用いて媒体の画像を読み取りたいときに、画像読取装置10を操作して画像読取装置10を起動する。リターン搬送では、屈曲し難い媒体、屈曲癖がつきやすい媒体、複数の用紙が綴じられることにより形成される冊子、樹脂から形成されるカードなどの硬質媒体、薄紙、複写原稿、半折原稿などの分離搬送に不向きな媒体、および小型媒体なども搬送することができる。画像読取装置10は、画像読取装置10が起動されたときで、かつ、媒体がUターン搬送給紙口7に挿入されていないときに、図9に示されているように、リターン搬送を実行する。図9は、リターン搬送が実行されるときのリターン搬送給紙排紙口14の状態と開口部15の状態とを示すフローチャートである。リターン搬送が開始される前には、リターン搬送給紙排紙口14は、開放され(状態S11)、開口部15は、開放されている(状態S12)。
【0038】
搬送路ガイド揺動機構31のモータ37は、リターン搬送が開始される前に、駆動歯車33を逆回転させる。搬送路ガイド21は、駆動歯車33が逆回転するときに、搬送路ガイド揺動機構31により、リターン搬送位置に向かって揺動する。搬送路ガイド21は、搬送路ガイド21がリターン搬送位置に配置されたときに、リターン搬送用ストッパに接触し、揺動しなくなる。搬送路ガイド揺動機構31の第1歯車34と第2歯車35との間には、第1歯車34が逆回転しているときに搬送路ガイド21が揺動しなくなることにより、閾値より大きい負荷が加わる。第1歯車34の回転は、第1歯車34と第2歯車35との間に閾値より大きい負荷が加わるときに、トルクリミッタ38により、第2歯車35に伝達されなくなる。搬送路ガイド21は、第1歯車34の回転が第2歯車35に伝達されないことにより、搬送路ガイド21がリターン搬送位置に配置された状態で、媒体搬送装置本体1に固定される。リターン搬送給紙排紙口14は、搬送路ガイド21がリターン搬送位置に配置されることにより、開放される(状態S13)。
【0039】
フラップ23は、駆動歯車33が逆回転するときに、フラップ揺動機構32により、開放位置に向かって揺動する。フラップ23は、フラップ23が開放位置に配置されたときに、開放側ストッパに接触し、揺動しなくなる。フラップ揺動機構32の第6歯車54と第7歯車55との間には、第6歯車54が逆回転しているときに、フラップ23が揺動しなくなることにより、閾値より大きい負荷が加わる。第6歯車54の回転は、第6歯車54と第7歯車55との間に閾値より大きい負荷が加わるときに、トルクリミッタ57により、第7歯車55に伝達されなくなる。フラップ23は、第6歯車54の回転が第7歯車55に伝達されないことにより、フラップ23が開放位置に配置された状態で、媒体搬送装置本体1に固定される。開口部15は、フラップ23が開放位置に配置されることにより、開放される(状態S14)。画像読取装置10は、リターン搬送が開始される前にリターン搬送給紙排紙口14と開口部15とが開放されていないときでも、駆動歯車33が逆回転することにより、リターン搬送給紙排紙口14と開口部15との両方を確実に開放することができる。モータ37は、リターン搬送が終了するまで、駆動歯車33を継続して逆回転させる。またはモータ37は、リターン搬送給紙排紙口14および開口部15が開放された後、停止してもよい。画像読取装置10は、リターン搬送が終了するまでリターン搬送給紙排紙口14と開口部15との両方が開放された状態を維持することができる。
【0040】
ユーザは、画像読取装置10が起動されているときで、かつ、リターン搬送給紙排紙口14が開放されているときに、媒体をリターン搬送給紙排紙口14に挿入し、リターン搬送給紙排紙口14を介して媒体を搬送路6の手前側端12に供給する。搬送部18は、搬送路6の手前側端12に供給された媒体を搬送路6に沿って奥側に搬送する。搬送部18は、媒体の手前側の後端が読取部19を通り過ぎた後に、媒体の搬送を停止する。媒体のサイズが大きい場合、媒体の手前側の後端が読取部19を通り過ぎたときに、媒体の奥側の先端が開口部15から突出することがある。画像読取装置10は、リターン搬送が実行されているときに開口部15が開放されていることにより、媒体のサイズが大きい場合でも、媒体の先端が開口部15から突出することにより、ジャムが発生することを防止することができる。
【0041】
搬送部18は、媒体の搬送が停止された後に、媒体を搬送路6に沿って手前側に搬送する。読取部19は、媒体が搬送路6に沿って手前側に搬送されるときに、媒体の画像を撮像する。
【0042】
搬送路ガイド21は、搬送路ガイド21がリターン搬送位置に配置されていることにより、搬送路6に沿って手前側に搬送される媒体がリターン搬送給紙排紙口14に向かって搬送されるように、媒体を案内する。搬送部18は、さらに、リターン搬送給紙排紙口14に向かって搬送される媒体を、リターン搬送給紙排紙口14を介して排紙する。
【0043】
モータ37は、媒体がリターン搬送給紙排紙口14を介して排紙された後に、駆動歯車33を回転させることを停止する。搬送路ガイド21は、モータ37が停止されることにより、搬送路ガイド21がリターン搬送位置に配置された状態を維持する。リターン搬送給紙排紙口14は、搬送路ガイド21がリターン搬送位置に維持されることにより、開放された状態のままである(状態S15)。
【0044】
フラップ23は、モータ37が停止されることにより、フラップ23が開放位置に配置された状態を維持する。開口部15は、フラップ23が開放位置に維持されることにより、開放された状態のままである(状態S16)。
【0045】
媒体は、リターン搬送が実行されるときに、屈曲しない。
【0046】
開口部15とリターン搬送給紙排紙口14とは、Uターン搬送またはリターン搬送が終了した後、開放された状態に維持される。画像読取装置10は、ユーザに操作される前の初期状態で、リターン搬送給紙排紙口14が開放された状態である。画像読取装置10は、初期状態でリターン搬送給紙排紙口14が開放されていることにより、ユーザが媒体をリターン搬送給紙排紙口14に挿入するときに、画像読取装置10が起動されてからリターン搬送給紙排紙口14が開放されるまでの待機時間を短くすることができる。画像読取装置10は、待機時間が短いことにより、媒体の読み取りにかかる時間を短時間化することができる。
【0047】
[実施例1の媒体搬送装置の効果]
実施例1の媒体搬送装置は、媒体搬送装置本体1と搬送部18とフラップ23とを備えている。媒体搬送装置本体1には、Uターン搬送給紙口7とUターン搬送排紙口8とリターン搬送給紙排紙口14と開口部15と搬送路6とが形成されている。搬送部18は、Uターン搬送給紙口7を介して搬送路6に供給された媒体をUターン搬送排紙口8を介して排紙するUターン搬送を実行する。搬送部18は、さらに、リターン搬送給紙排紙口14を介して搬送路6に供給された媒体の一部を開口部15から突出させるリターン搬送を実行する。フラップ23は、開口部15が開閉されるように、移動可能に媒体搬送装置本体1に支持されている。
【0048】
実施例1の媒体搬送装置は、リターン搬送が実行されているときに、開口部15が開放されるようにフラップ23が配置されることにより、媒体を開口部15から適切に突出させることができる。実施例1の媒体搬送装置は、Uターン搬送が実行されているときに、開口部15が閉鎖されるようにフラップ23が配置されることにより、媒体搬送装置本体1の内部で発生した騒音が開口部15を介して外部に漏れ出ることを防止し、騒音を低減することができる。
【0049】
また、実施例1の媒体搬送装置は、Uターン搬送が実行されるときに、開口部15が閉鎖されるように、フラップ23を揺動させるフラップ揺動機構32をさらに備えている。フラップ揺動機構32は、さらに、リターン搬送が実行されるときに、開口部15が開放されるように、フラップ23を揺動させる。
【0050】
実施例1の媒体搬送装置は、リターン搬送が実行されているときに、ユーザがフラップ23を操作することなく、開口部15を自動的に開放することができる。すなわち、実施例1の媒体搬送装置は、リターン搬送が実行されているときに、ユーザがフラップ23を操作することなく、媒体の一部を開口部15から適切に突出させることができる。実施例1の媒体搬送装置は、Uターン搬送が実行されているときに、ユーザがフラップ23を操作することなく、開口部15を自動的に閉鎖することができる。すなわち、実施例1の媒体搬送装置は、Uターン搬送が実行されるときに、ユーザがフラップ23を操作することなく、媒体搬送装置本体1の内部で発生する騒音が開口部15を介して外部に漏れ出ることを容易に防止することができ、騒音を容易に低減することができる。
【0051】
また、実施例1の媒体搬送装置は、搬送路ガイド21をさらに備えている。搬送路ガイド21は、Uターン搬送が実行されるときにリターン搬送給紙排紙口14を閉鎖して搬送路6をUターン搬送排紙口8に接続する。搬送路ガイド21は、さらに、リターン搬送が実行されるときにリターン搬送給紙排紙口14を開放して搬送路6とUターン搬送排紙口8との間を遮断する。フラップ揺動機構32は、搬送路ガイド21がリターン搬送給紙排紙口14を閉鎖する運動をフラップ23が開口部15を閉鎖する運動に変換する。フラップ揺動機構32は、さらに、搬送路ガイド21がリターン搬送給紙排紙口14を開放する運動をフラップ23が開口部15を開放する運動に変換する。実施例1の媒体搬送装置は、搬送路ガイド21を移動させる動力を生成するモータ37と異なる他の駆動源が設けられることなく、フラップ23を適切に揺動させることができ、製造コストを低減することができる。
【実施例0052】
実施例2の媒体搬送装置は、図10に示されているように、既述の実施例1の媒体搬送装置のフラップ揺動機構32が他のフラップ揺動機構61に置換され、他の部分は、既述の実施例1の媒体搬送装置と同じである。図10は、実施例2の媒体搬送装置のフラップ揺動機構61を示す側面図である。フラップ揺動機構61は、駆動軸62とモータ63と第8歯車64と扇形歯車65とトルクリミッタ66とを備えている。モータ63は、駆動軸62を正回転させたり、駆動軸62を逆回転させたりする。第8歯車64は、回転軸67まわりに回転可能に媒体搬送装置本体1に支持されている。回転軸67は、揺動軸24に平行である。扇形歯車65は、揺動軸24まわりに回転可能に媒体搬送装置本体1に支持され、フラップ23に固定されている。扇形歯車65は、第8歯車64に噛み合っている。
【0053】
トルクリミッタ66は、駆動軸62の回転を第8歯車64に伝達する。すなわち、フラップ揺動機構61は、モータ63が駆動軸62を正回転させるときにフラップ23が閉鎖位置に向かって揺動するように、形成されている。図11は、モータ63が駆動軸62を逆回転させたときの実施例2の媒体搬送装置のフラップ揺動機構61を示す側面図である。フラップ揺動機構61は、モータ63が駆動軸62を正回転させるときに、フラップ23が閉鎖位置に向かって揺動するように、形成されている。トルクリミッタ66は、駆動軸62と第8歯車64との間に加わる負荷が、予め定められた閾値より大きいときに、駆動軸62の回転を第8歯車64に伝達しない。
【0054】
実施例2の媒体搬送装置の搬送部18は、媒体の画像を撮像するときに、Uターン搬送を実行する。図12は、実施例2の媒体搬送装置において、Uターン搬送が実行されるときのリターン搬送給紙排紙口14の状態と開口部15の状態とを示すフローチャートである。Uターン搬送が開始される前には、リターン搬送給紙排紙口14は、開放され(状態S21)、開口部15は、閉鎖されている(状態S22)。
【0055】
実施例2の媒体搬送装置は、Uターン搬送が開始される前に、既述の実施例1の媒体搬送装置と同様に、搬送路ガイド揺動機構31を用いて搬送路ガイド21でリターン搬送給紙排紙口14を閉鎖する(状態S23)。実施例2の媒体搬送装置は、Uターン搬送が開始される前に、さらに、フラップ揺動機構61を用いて、開口部15を閉鎖する(状態S24)。すなわち、フラップ揺動機構61のモータ63は、Uターン搬送が開始されることにより、駆動軸62を正回転させる。フラップ23は、駆動軸62が正回転するときに、フラップ揺動機構61により、閉鎖位置に向かって揺動する。フラップ23は、フラップ23が閉鎖位置に配置されたときに、閉鎖側ストッパに接触し、揺動しなくなる。フラップ揺動機構61の駆動軸62と第8歯車64との間には、駆動軸62が正回転しているときにフラップ23が揺動しなくなることにより、閾値より大きい負荷が加わる。駆動軸62の回転は、駆動軸62と第8歯車64との間に閾値より大きい負荷が加わるときに、トルクリミッタ66により、第8歯車64に伝達されなくなる。フラップ23は、駆動軸62の回転が第8歯車64に伝達されないことにより、フラップ23が閉鎖位置に配置された状態で、媒体搬送装置本体1に固定される。開口部15は、フラップ23が閉鎖位置に配置されることにより、閉鎖される。モータ63は、開口部15が閉鎖された後に、Uターン搬送が終了するまで、駆動軸62を継続して正回転させる。実施例2の媒体搬送装置は、駆動軸62が継続して正回転することにより、Uターン搬送が終了するまで開口部15が閉鎖された状態を維持することができる。
【0056】
搬送部18は、リターン搬送給紙排紙口14と開口部15とが閉鎖された後に、既述の実施例1の媒体搬送装置と同様に、Uターン搬送給紙口7に挿入された複数の媒体を1つずつ搬送路6に沿って搬送してUターン搬送排紙口8から排紙する。読取部19は、媒体が搬送路6に沿って手前側に搬送されるときに、媒体の画像を撮像する。実施例2の媒体搬送装置は、Uターン搬送が終了すると、搬送路ガイド揺動機構31を用いて、リターン搬送給紙排紙口14を開放し(状態S25)、フラップ揺動機構61を用いて開口部15を閉鎖する(状態S26)。
【0057】
実施例2の媒体搬送装置の搬送部18は、リターン搬送を実行することができる。図13は、実施例2の媒体搬送装置において、リターン搬送が実行されるときのリターン搬送給紙排紙口14の状態と開口部15の状態とを示すフローチャートである。リターン搬送が開始される前には、リターン搬送給紙排紙口14は、開放され(状態S31)、開口部15は、閉鎖されている(状態S32)。
【0058】
実施例2の媒体搬送装置は、リターン搬送が開始されると、既述の実施例1の媒体搬送装置と同様に、搬送路ガイド揺動機構31を用いてリターン搬送給紙排紙口14を開放する(状態S33)。実施例2の媒体搬送装置は、リターン搬送が開始されると、さらに、フラップ揺動機構61を用いて、開口部15を開放する(状態S34)。すなわち、フラップ揺動機構61のモータ63は、リターン搬送が開始されると、駆動軸62を逆回転させる。フラップ23は、駆動軸62が逆回転するときに、フラップ揺動機構61により、開放位置に向かって揺動する。フラップ23は、フラップ23が開放位置に配置されたときに、開放側ストッパに接触し、揺動しなくなる。フラップ揺動機構61の駆動軸62と第8歯車64との間には、駆動軸62が逆回転しているときに、フラップ23が揺動しなくなることにより、閾値より大きい負荷が加わる。駆動軸62の回転は、駆動軸62と第8歯車64との間に閾値より大きい負荷が加わるときに、トルクリミッタ66により、第8歯車64に伝達されなくなる。フラップ23は、駆動軸62の回転が第8歯車64に伝達されないことにより、フラップ23が開放位置に配置された状態で、媒体搬送装置本体1に固定される。開口部15は、フラップ23が開放位置に配置されることにより、開放される。モータ63は、開口部15が開放された後に、リターン搬送が終了するまで、駆動軸62を継続して逆回転させる。またはモータ63は、開口部15が開放された後、停止してもよい。実施例2の媒体搬送装置は、リターン搬送が終了するまで開口部15が開放された状態を維持することができる。
【0059】
搬送部18は、リターン搬送給紙排紙口14が開放された後に、既述の実施例1の媒体搬送装置と同様に、リターン搬送給紙排紙口14を介して搬送路6の手前側端12に供給された媒体を搬送路6に沿って奥側端11に向かって搬送する。搬送部18は、媒体の手前側の後端が読取部19を通り過ぎた後に、媒体を搬送路6に沿って手前側に搬送し、媒体をリターン搬送給紙排紙口14から排紙する。読取部19は、媒体が搬送路6に沿って手前側に搬送されるときに、媒体の画像を撮像する。
【0060】
実施例2の媒体搬送装置は、リターン搬送が終了すると、搬送路ガイド揺動機構31を用いて、リターン搬送給紙排紙口14を開放する(状態S35)。実施例2の媒体搬送装置は、リターン搬送が終了すると、さらに、フラップ揺動機構61を用いて、開口部15をフラップ23で閉鎖する(状態S36)。
【0061】
実施例2の媒体搬送装置は、既述の実施例1の媒体搬送装置と同様に、Uターン搬送が実行されるときに、開口部15がフラップ23で閉鎖されることにより、媒体搬送装置本体1の内部の騒音が開口部15を介して漏れ出ることを防止し、騒音を低減することができる。さらに、実施例2の媒体搬送装置は、リターン搬送で媒体が搬送されている期間と異なる他の待機期間に、たとえば、初期状態で、開口部15をフラップ23で閉鎖することができる。このため、実施例2の媒体搬送装置は、既述の実施例1の媒体搬送装置と比較して、待機期間に開口部15を介して搬送路6に異物が侵入することをより確実に防止することができる。
【実施例0062】
実施例3の媒体搬送装置は、図14に示されているように、既述の実施例1の媒体搬送装置のフラップ揺動機構32が省略され、既述の実施例1の媒体搬送装置の閉鎖側ストッパが他の閉鎖側ストッパ71に置換されている。図14は、実施例3の媒体搬送装置のフラップ23を示す側面図である。フラップ23は、設置面5が沿う平面が水平であるときに、フラップ23に加わる重力により、閉鎖位置に向かって揺動し、閉鎖位置に配置される。開口部15は、フラップ23が閉鎖位置に配置されるときに、フラップ23により閉鎖される。閉鎖側ストッパ71は、開口部15が閉鎖位置に配置されるときに、フラップ23の先端25に接触するように配置されている。閉鎖側ストッパ71は、搬送路下側ガイド26に形成されている。閉鎖側ストッパ71は、フラップ23が閉鎖位置に配置されているときに、フラップ23が図14で時計回りに揺動しないように、フラップ23を拘束している。
【0063】
実施例3の媒体搬送装置は、既述の実施例1の媒体搬送装置と同様に、Uターン搬送が実行され、リターン搬送が実行される。フラップ23は、リターン搬送が実行されるときに、搬送部18により搬送路6に沿って奥側に搬送される媒体72に押され、揺動軸24まわりに図15で反時計回りに揺動する。図15は、実施例3の媒体搬送装置において、媒体72に押されたフラップ23を示す側面図である。フラップ23のうちの先端25は、フラップ23が揺動軸24まわりに図15で反時計回りに揺動することにより、閉鎖側ストッパ71から離れる。開口部15は、フラップ23が閉鎖位置に配置されている状態から、フラップ23が揺動軸24まわりに図15で反時計回りに揺動することにより、開放される。
【0064】
媒体72は、開口部15が開放されることにより、リターン搬送が実行されるときに、開口部15から適切に突出することができる。
【0065】
実施例3の媒体搬送装置の開口部15は、Uターン搬送が実行されるときに、開口部15を介して媒体が突出しないことにより、常時閉鎖されている。実施例3の媒体搬送装置は、既述の実施例1の媒体搬送装置と同様に、Uターン搬送が実行されるときに、開口部15がフラップ23で閉鎖されることにより、媒体搬送装置本体1の内部の騒音が開口部15を介して漏れ出ることを防止し、騒音を低減することができる。
【0066】
実施例3の媒体搬送装置は、さらに、媒体72が開口部15から突出する期間と異なる他の期間に、開口部15をフラップ23で閉鎖することができる。このため、実施例3の媒体搬送装置は、既述の実施例1、2の媒体搬送装置と比較して、開口部15が開放されている時間を短縮することができ、開口部15を介して搬送路6に異物が侵入することをより確実に防止することができる。
【実施例0067】
実施例4の媒体搬送装置は、図16に示されているように、既述の実施例3の媒体搬送装置の閉鎖側ストッパ71が省略され、他の部分は、既述の実施例3の媒体搬送装置と同じである。図16は、実施例4の媒体搬送装置におけるフラップ23を示す側面図である。フラップ23は、閉鎖側ストッパ71が省略されていることにより、フラップ23が閉鎖位置に配置されている状態から、フラップ23が揺動軸24まわりに図16で時計回りに揺動することができる。
【0068】
実施例4の媒体搬送装置は、既述の実施例3の媒体搬送装置と同様に、Uターン搬送が実行され、リターン搬送が実行される。すなわち、フラップ23は、媒体が開口部15から突出しないときに、フラップ23に加わる重力により、閉鎖位置に配置され、開口部15を閉鎖する。フラップ23は、媒体が開口部15から突出するときに、媒体に押されて開口部15を開放する。このため、実施例4の媒体搬送装置は、既述の実施例1~3の媒体搬送装置と同様に、Uターン搬送が実行されるときに、開口部15がフラップ23で閉鎖されることにより、媒体搬送装置本体1の内部の騒音が開口部15を介して漏れ出ることを防止することができる。
【0069】
実施例4の媒体搬送装置のフラップ23の先端25は、たとえば、設置面5が沿う平面が水平面に対して傾斜しているときに、図16に示されているように、閉鎖位置に配置されているフラップ23の先端25が配置されている位置より手前側に配置されることがある。フラップ23は、先端25が手前側に配置されているときに、搬送路6に沿って奥側に搬送される媒体がフラップ23に押された場合に、図16で反時計回りに揺動しないことがある。搬送路6に沿って奥側に搬送される媒体は、先端25が手前側に配置されているときに、フラップ23と搬送路下側ガイド26との間に挟まることがある。実施例4の媒体搬送装置は、フラップ23が揺動しなかったり、媒体がフラップ23と搬送路下側ガイド26との間に挟まったりすることにより、開口部15でジャムが発生することがある。既述の実施例3の媒体搬送装置は、実施例4の媒体搬送装置に比較して、このようなジャムが発生することを防止することができ、リターン搬送で媒体を適切に搬送することができる。
【0070】
ところで、既述の実施例3の媒体搬送装置は、フラップ23が重力により揺動して閉鎖位置に配置されるが、フラップ23が閉鎖位置に配置されるようにフラップ23に力を与える付勢部が設けられてもよい。付勢部としては、開口部15が閉鎖されるようにフラップ23に弾性力を与えるばねが例示される。このとき、媒体搬送装置は、設置面5が沿う平面が水平から傾斜しているときでも、既述の実施例3の媒体搬送装置に比較して、開口部15をより確実に閉鎖させることができる。このため、媒体搬送装置は、既述の実施例3の媒体搬送装置に比較して、媒体搬送装置本体1の内部の騒音が開口部15を介して外部に漏れだすことをより確実に防止することができ、騒音をより確実に低減することができる。
【0071】
ところで、既述の実施例の媒体搬送装置は、Uターン搬送が実行されるときに、開口部15がフラップ23により自動的に閉鎖されるように形成されているが、開口部15が自動的に閉鎖されなくてもよい。たとえば、ユーザは、Uターン搬送が実行されるときに、フラップ23を操作して、開口部15を閉鎖してもよい。この場合でも、媒体搬送装置は、Uターン搬送が実行されるときに、媒体搬送装置本体1の内部で発生する騒音が開口部15を介して漏れ出すことを防止することができ、騒音を低減することができる。
【0072】
ところで、既述の実施例の媒体搬送装置は、画像読取装置に利用されているが、他の装置に利用されてもよい。その装置としては、媒体に文字・図形を印刷するプリンタが例示される。プリンタは、既述の実施例の媒体搬送装置の読取部19が、搬送路6に沿って搬送される媒体に文字・図形を印刷する印刷部に置換されている。この場合も、媒体搬送装置は、既述の実施例の媒体搬送装置と同様に、騒音を低減することができる。
【0073】
以上、実施例を説明したが、前述した内容により実施例が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、実施例の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換及び変更のうち少なくとも1つを行うことができる。
【符号の説明】
【0074】
1 :媒体搬送装置本体
6 :搬送路
7 :Uターン搬送給紙口
8 :Uターン搬送排紙口
14:リターン搬送給紙排紙口
15:開口部
18:搬送部
21:搬送路ガイド
23:フラップ
31:搬送路ガイド揺動機構
32:フラップ揺動機構
61:フラップ揺動機構
71:閉鎖側ストッパ
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