(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024115434
(43)【公開日】2024-08-26
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 15/01 20060101AFI20240819BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20240819BHJP
G03G 15/02 20060101ALI20240819BHJP
G03G 15/16 20060101ALI20240819BHJP
【FI】
G03G15/01 Y
G03G21/00 510
G03G15/02 102
G03G15/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023021131
(22)【出願日】2023-02-14
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116034
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 啓輔
(74)【代理人】
【識別番号】100144624
【弁理士】
【氏名又は名称】稲垣 達也
(74)【代理人】
【識別番号】100195224
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 宏憲
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 慎太郎
【テーマコード(参考)】
2H200
2H270
2H300
【Fターム(参考)】
2H200FA02
2H200GA12
2H200GA23
2H200GA34
2H200GA44
2H200GA56
2H200GB15
2H200HA02
2H200HA29
2H200HB12
2H200JA29
2H200JB06
2H200LB02
2H200NA02
2H200PA02
2H200PA10
2H200PA18
2H200PA26
2H200PB27
2H270KA09
2H270KA19
2H270KA28
2H270LA24
2H270LA63
2H270LD01
2H270LD08
2H270LD14
2H270MA01
2H270MA14
2H270MA24
2H270MB25
2H270MB27
2H270MC15
2H270MC29
2H270MC39
2H270MD13
2H270MH07
2H270MH11
2H270PA50
2H270ZC03
2H270ZC04
2H270ZC06
2H300EA05
2H300EB04
2H300EB07
2H300EF06
2H300EF14
2H300EF15
2H300EG02
2H300EJ09
2H300EL02
2H300FF05
2H300FF08
2H300GG37
2H300HH24
2H300PP02
2H300QQ02
2H300QQ10
2H300QQ32
2H300RR10
2H300TT03
2H300TT04
2H300TT06
(57)【要約】
【課題】第2感光ドラムの表面の変質部、付着物に起因する画質の低下を抑制できる画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置1は、カラー画像転写動作の後およびモノクロ画像転写動作の後のそれぞれにおいて転写後回転動作を実行可能である。カラー画像転写動作では、すべての現像ローラ61を感光ドラム52に接触する接触位置に位置させてシートSにカラー画像を転写する。モノクロ画像転写動作では、モノクロ用の現像ローラ61を接触位置に位置させ、カラー用の現像ローラ61(第2現像ローラ)を感光ドラム52から離間する離間位置に位置させてシートSにモノクロ画像を転写する。転写後回転動作では、すべての現像ローラ61を接触位置に位置させて現像ローラ61と感光ドラム52を回転させる。制御部100は、モノクロ画像転写動作の後の転写後回転動作の実行時間を、カラー画像転写動作の後の転写後回転動作の実行時間よりも長くする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1感光ドラムと、
第2感光ドラムと、
帯電バイアスが印加されることで前記第1感光ドラムを帯電させる第1帯電ローラと、
帯電バイアスが印加されることで前記第2感光ドラムを帯電させる第2帯電ローラと、
前記第1感光ドラムに接触する接触位置と前記第1感光ドラムから離間する離間位置との間で移動可能な第1現像ローラと、
前記第2感光ドラムに接触する接触位置と前記第2感光ドラムから離間する離間位置との間で移動可能な第2現像ローラと、
前記第1現像ローラを前記接触位置と前記離間位置との間で移動させるとともに、前記第2現像ローラを前記接触位置と前記離間位置との間で移動させる接触離間機構と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記第1現像ローラを前記接触位置に位置させ、前記第2現像ローラを前記接触位置に位置させてシートにカラー画像を転写するカラー画像転写動作と、
前記第1現像ローラを前記接触位置に位置させ、前記第2現像ローラを前記離間位置に位置させてシートにモノクロ画像を転写するモノクロ画像転写動作と、
前記カラー画像転写動作の後、および、前記モノクロ画像転写動作の後のそれぞれにおいて、前記第1現像ローラを前記接触位置に位置させて前記第1現像ローラと前記第1感光ドラムを回転させるとともに、前記第2現像ローラを前記接触位置に位置させて前記第2現像ローラと前記第2感光ドラムを回転させる転写後回転動作と、を実行可能であり、
前記制御部は、前記モノクロ画像転写動作の後の前記転写後回転動作の実行時間を、前記カラー画像転写動作の後の前記転写後回転動作の実行時間よりも長くすることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記モノクロ画像転写動作の後の前記転写後回転動作の実行時間を、直前の前記モノクロ画像転写動作の実行時間が長くなるにつれて長くする、延長制御を実行可能であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御部は、直前の前記モノクロ画像転写動作の実行時間が実行時間閾値以上である場合、前記延長制御を実行することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御部は、直前の前記モノクロ画像転写動作の実行中に画像形成装置内の温度が第1温度閾値以上となったという条件、および、直前の前記モノクロ画像転写動作の実行中に画像形成装置内の湿度が第1湿度閾値以上となったという条件、の少なくとも1つが満たされたことを条件として、前記延長制御を実行することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記第2現像ローラの新品状態からの使用時間に関するパラメータが使用時間閾値以上である場合、前記モノクロ画像転写動作の後の前記転写後回転動作の実行時間を、前記パラメータが前記使用時間閾値未満である場合よりも長くすることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記第2感光ドラムが停止してからの経過時間が経過時間閾値以上であり、かつ、印刷ジョブが入力された場合、シートを供給する前に、前記第2現像ローラを前記接触位置に位置させて前記第2現像ローラと前記第2感光ドラムを回転させる転写前回転動作を実行することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記経過時間のカウントを開始する直前の転写動作が前記モノクロ画像転写動作であったという条件、前記印刷ジョブが入力されたときの画像形成装置内の温度が第2温度閾値以上であるという条件、および、前記印刷ジョブが入力されたときの画像形成装置内の湿度が第2湿度閾値以上であるという条件、の少なくとも1つが満たされたことを条件として、前記転写前回転動作を実行することを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記第2現像ローラの新品状態からの使用時間に関するパラメータが使用時間閾値以上である場合、前記転写前回転動作の実行時間を、前記パラメータが前記使用時間閾値未満である場合よりも長くすることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記モノクロ画像転写動作を実行しているとき、前記第2帯電ローラに印加される帯電バイアスの大きさを、前記カラー画像転写動作を実行しているときに前記第2帯電ローラに印加される帯電バイアスの大きさよりも小さくすることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項10】
第1感光ドラムと、
第2感光ドラムと、
帯電バイアスが印加されることで前記第1感光ドラムを帯電させる第1帯電ローラと、
帯電バイアスが印加されることで前記第2感光ドラムを帯電させる第2帯電ローラと、
前記第1感光ドラムに接触する接触位置と前記第1感光ドラムから離間する離間位置との間で移動可能な第1現像ローラと、
前記第2感光ドラムに接触する接触位置と前記第2感光ドラムから離間する離間位置との間で移動可能な第2現像ローラと、
前記第1現像ローラを前記接触位置と前記離間位置との間で移動させるとともに、前記第2現像ローラを前記接触位置と前記離間位置との間で移動させる接触離間機構と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記第1現像ローラを前記接触位置に位置させ、前記第2現像ローラを前記接触位置に位置させてシートにカラー画像を転写するカラー画像転写動作と、
前記第1現像ローラを前記接触位置に位置させ、前記第2現像ローラを前記離間位置に位置させてシートにモノクロ画像を転写するモノクロ画像転写動作と、を実行可能であり、
前記制御部は、前記モノクロ画像転写動作の後に、前記第2現像ローラを前記接触位置に位置させて前記第2現像ローラと前記第2感光ドラムを回転させる転写後回転動作を実行可能であることを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感光ドラムを帯電させる帯電ローラを備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、感光ドラムと、感光ドラムを帯電させる帯電ローラと、感光ドラムにトナーを供給する現像ローラとを備える画像形成装置が知られている(特許文献1)。この画像形成装置においては、画像形成プロセス終了後、装置を停止する前に感光ドラムを回転させる後回転を実行することで、クリーニングブレードによって感光ドラムの表面のオゾン生成物、記録紙のてん料などを掻き落としている。また、この画像形成装置においては、湿度、印字した記録紙の枚数などに応じて後回転の時間を変化させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、モノクロ用の第1感光ドラム、第1帯電ローラおよび第1現像ローラと、カラー用の第2感光ドラム、第2帯電ローラおよび第2現像ローラとを備え、第1現像ローラを第1感光ドラムに接触させ、第2現像ローラを第2感光ドラムに接触させてシートにカラー画像を転写するカラー画像転写動作と、第1現像ローラを第1感光ドラムに接触させ、第2現像ローラを第2感光ドラムから離間させてシートにモノクロ画像を転写するモノクロ画像転写動作とを実行する画像形成装置も知られている。
【0005】
このような画像形成装置においては、モノクロ画像転写動作を実行しているときに、カラー用の第2感光ドラムの表面が変質したり、第2感光ドラムの表面に付着物が付着したりしやすくなる。第2感光ドラムの表面に変質部、付着物があると画質の低下が生じるおそれがある。
【0006】
そこで、第2感光ドラムの表面の変質部、付着物に起因する画質の低下を抑制できる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
画像形成装置は、第1感光ドラムと、第2感光ドラムと、帯電バイアスが印加されることで第1感光ドラムを帯電させる第1帯電ローラと、帯電バイアスが印加されることで第2感光ドラムを帯電させる第2帯電ローラと、第1感光ドラムに接触する接触位置と第1感光ドラムから離間する離間位置との間で移動可能な第1現像ローラと、第2感光ドラムに接触する接触位置と第2感光ドラムから離間する離間位置との間で移動可能な第2現像ローラと、第1現像ローラを接触位置と離間位置との間で移動させるとともに、第2現像ローラを接触位置と離間位置との間で移動させる接触離間機構と、制御部と、を備える。
制御部は、カラー画像転写動作と、モノクロ画像転写動作と、カラー画像転写動作の後およびモノクロ画像転写動作の後のそれぞれにおいて転写後回転動作と、を実行可能である。
カラー画像転写動作では、第1現像ローラを接触位置に位置させ、第2現像ローラを接触位置に位置させてシートにカラー画像を転写する。
モノクロ画像転写動作では、第1現像ローラを接触位置に位置させ、第2現像ローラを離間位置に位置させてシートにモノクロ画像を転写する。
転写後回転動作では、第1現像ローラを接触位置に位置させて第1現像ローラと第1感光ドラムを回転させるとともに、第2現像ローラを接触位置に位置させて第2現像ローラと第2感光ドラムを回転させる。
制御部は、モノクロ画像転写動作の後の転写後回転動作の実行時間を、カラー画像転写動作の後の転写後回転動作の実行時間よりも長くする。
【0008】
第2感光ドラムの表面の変質、付着物の付着が発生しやすいモノクロ画像転写動作の後に長く転写後回転動作を実行することで、第2現像ローラによって第2感光ドラムの表面の変質部、付着物を除去できる。これにより、第2感光ドラムの表面の変質部、付着物に起因する画質の低下を抑制できる。
【0009】
制御部は、モノクロ画像転写動作の後の転写後回転動作の実行時間を、直前のモノクロ画像転写動作の実行時間が長くなるにつれて長くする、延長制御を実行可能な構成であってもよい。
【0010】
モノクロ画像転写動作の後の転写後回転動作の実行時間を、直前のモノクロ画像転写動作の実行時間が長くなるにつれて長くすることで、転写後回転動作を実行した場合に第2感光ドラムの表面の変質部、付着物をしっかりと除去できる。
【0011】
制御部は、直前のモノクロ画像転写動作の実行時間が実行時間閾値以上である場合、延長制御を実行する構成とできる。
【0012】
直前のモノクロ画像転写動作の実行時間が実行時間閾値以上である場合に延長制御を実行することで、モノクロ画像転写動作の実行時間が短い場合には、その後の転写後回転動作の実行時間を長くしないようにできる。これにより、シートに画像を転写しない状況で感光ドラム、現像ローラの回転回数が無駄に増えるのを抑制できる。
【0013】
制御部は、直前のモノクロ画像転写動作の実行中に画像形成装置内の温度が第1温度閾値以上となったという条件、および、直前のモノクロ画像転写動作の実行中に画像形成装置内の湿度が第1湿度閾値以上となったという条件、の少なくとも1つが満たされたことを条件として、延長制御を実行する構成とできる。
【0014】
温度および湿度の少なくとも1つが大きいことを条件として延長制御を実行することで、第2感光ドラムの表面の変質、付着物の付着が発生しやすい条件の後に、転写後回転動作の実行時間を長くできる。これにより、第2感光ドラムの表面の変質部、付着物をしっかりと除去できる。
【0015】
制御部は、第2現像ローラの新品状態からの使用時間に関するパラメータが使用時間閾値以上である場合、モノクロ画像転写動作の後の転写後回転動作の実行時間を、パラメータが使用時間閾値未満である場合よりも長くする構成とできる。
【0016】
第2現像ローラの使用時間が長い場合にモノクロ画像転写動作の後の転写後回転動作の実行時間を長くすることで、第2感光ドラムの表面の変質、付着物の付着が進行している場合に、転写後回転動作の実行時間を長くできる。これにより、第2感光ドラムの表面の変質部、付着物をしっかりと除去できる。
【0017】
制御部は、第2感光ドラムが停止してからの経過時間が経過時間閾値以上であり、かつ、印刷ジョブが入力された場合、シートを供給する前に、第2現像ローラを接触位置に位置させて第2現像ローラと第2感光ドラムを回転させる転写前回転動作を実行する構成であってもよい。
【0018】
第2感光ドラムが停止してからの経過時間が長い場合に転写前回転動作を実行することで、第2感光ドラムの表面の変質部、付着物の吸湿が進行している場合において、転写前に予め第2感光ドラムの表面の変質部、付着物を除去できる。
【0019】
制御部は、経過時間のカウントを開始する直前の転写動作がモノクロ画像転写動作であったという条件、印刷ジョブが入力されたときの画像形成装置内の温度が第2温度閾値以上であるという条件、および、印刷ジョブが入力されたときの画像形成装置内の湿度が第2湿度閾値以上であるという条件、の少なくとも1つが満たされたことを条件として、転写前回転動作を実行する構成とできる。
【0020】
第2感光ドラムが停止してからの経過時間が長い場合でも、第2感光ドラムの表面の変質部、付着物の吸湿が進行しにくい条件の転写前には、転写前回転動作を実行しないようにできる。これにより、シートに画像を転写しない状況で感光ドラム、現像ローラの回転回数が無駄に増えるのを抑制できる。
【0021】
制御部は、第2現像ローラの新品状態からの使用時間に関するパラメータが使用時間閾値以上である場合、転写前回転動作の実行時間を、パラメータが使用時間閾値未満である場合よりも長くする構成とできる。
【0022】
第2現像ローラの使用時間が長い場合に転写前回転動作の実行時間を長くすることで、第2感光ドラムの表面の変質、付着物の付着が進行している場合に、転写前回転動作の実行時間を長くできる。これにより、第2感光ドラムの表面の変質部、付着物をしっかりと除去できる。
【0023】
制御部は、モノクロ画像転写動作を実行しているとき、第2帯電ローラに印加される帯電バイアスの大きさを、カラー画像転写動作を実行しているときに第2帯電ローラに印加される帯電バイアスの大きさよりも小さくする構成であってもよい。
【0024】
モノクロ画像転写動作を実行しているときの第2帯電ローラに印加される帯電バイアスの大きさを小さくすることで、モノクロ画像転写動作を実行しているときの第2感光ドラムの表面の変質、付着物の付着を抑制できる。
【0025】
画像形成装置は、第1感光ドラムと、第2感光ドラムと、帯電バイアスが印加されることで第1感光ドラムを帯電させる第1帯電ローラと、帯電バイアスが印加されることで第2感光ドラムを帯電させる第2帯電ローラと、第1感光ドラムに接触する接触位置と第1感光ドラムから離間する離間位置との間で移動可能な第1現像ローラと、第2感光ドラムに接触する接触位置と第2感光ドラムから離間する離間位置との間で移動可能な第2現像ローラと、第1現像ローラを接触位置と離間位置との間で移動させるとともに、第2現像ローラを接触位置と離間位置との間で移動させる接触離間機構と、制御部と、を備える。
制御部は、第1現像ローラを接触位置に位置させ、第2現像ローラを接触位置に位置させてシートにカラー画像を転写するカラー画像転写動作と、第1現像ローラを接触位置に位置させ、第2現像ローラを離間位置に位置させてシートにモノクロ画像を転写するモノクロ画像転写動作と、を実行可能である。
制御部は、モノクロ画像転写動作の後に、第2現像ローラを接触位置に位置させて第2現像ローラと第2感光ドラムを回転させる転写後回転動作をさらに実行可能である。
【0026】
第2感光ドラムの表面の変質、付着物の付着が発生しやすいモノクロ画像転写動作の後に転写後回転動作を実行することで、第2現像ローラによって第2感光ドラムの表面の変質部、付着物を除去できる。これにより、第2感光ドラムの表面の変質部、付着物に起因する画質の低下を抑制できる。
【発明の効果】
【0027】
第2感光ドラムの表面の変質部、付着物に起因する画質の低下を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】実施形態に係る画像形成装置を示す図である。
【
図2】画像形成部の要部とバイアス印加回路を説明する図である。
【
図3】接触離間機構を説明する図(a)~(c)である。
【
図4】制御部の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図5】制御部の動作の一例を示す、
図4に続くフローチャートである。
【
図6】モノクロ転写後回転動作の実行時間を設定する動作の一例を示すフローチャートである。
【
図7】制御部の動作を示すタイミングチャートであり、カラー印刷とカラー転写後回転動作を実行する場合を示す。
【
図8】制御部の動作を示すタイミングチャートであり、モノクロ印刷とモノクロ転写後回転動作を実行する場合を示す。
【
図9】制御部の動作を示すタイミングチャートであり、転写前回転動作を示す。
【発明を実施するための形態】
【0029】
次に、実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に示すように、画像形成装置1は、被転写体としてのシートSにカラー画像またはモノクロ画像を形成可能なカラープリンタである。画像形成装置1は、画像形成装置本体としての筐体2と、シート供給部3と、画像形成部4と、シート搬送部8と、ベルトクリーナ90と、制御部100と、温湿度センサ101とを備える。
【0030】
シート供給部3は、シートSを収容するシートトレイ3Aと、押圧板3Bと、シート供給機構3Cとを備える。シート供給部3は、シートトレイ3A内のシートSを押圧板3Bによってシート供給機構3Cに寄せ、シート供給機構3Cによって1枚ずつ分離して画像形成部4に供給する。
【0031】
画像形成部4は、露光ユニット40と、カートリッジとしてのドラムユニット50と、4つの現像カートリッジ60と、転写ユニット70と、定着ユニット80とを備える。
【0032】
露光ユニット40は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色に対応した光源と、ポリゴンミラーと、レンズと、反射鏡とを備える。露光ユニット40は、一点鎖線で示す光ビームを感光ドラム52に照射することで、感光ドラム52の表面を露光する。
【0033】
ドラムユニット50は、フレーム51と、4つの感光ドラム52と、4つの帯電ローラ53と、4つの除電装置54と、4つのクリーニングローラ55と、紙粉回収ローラ56と、4つの帯電ローラクリーナ57とを備える。
【0034】
ドラムユニット50は、筐体2に着脱可能である。具体的には、ドラムユニット50は、フロントカバー2Aを開いた状態で、筐体2の開口を通して筐体2に着脱可能である。画像形成装置1は、ドラムユニット50を交換することで、感光ドラム52、帯電ローラ53などを交換可能である。
フレーム51は、感光ドラム52、帯電ローラ53などを保持している。
【0035】
図2に示すように、感光ドラム52は、イエローに対応する感光ドラム52Yと、マゼンタに対応する感光ドラム52Mと、シアンに対応する感光ドラム52Cと、ブラックに対応する感光ドラム52Kとを含む。本実施形態では、感光ドラム52Kが「第1感光ドラム」に相当し、感光ドラム52Y,52M,52Cが「第2感光ドラム」に相当する。
【0036】
感光ドラム52Y,52M,52Cは、画像形成部4におけるシートSの搬送方向において感光ドラム52Kの上流に配置されている。具体的には、画像形成部4におけるシートSの搬送方向において、感光ドラム52Cは、感光ドラム52Kの上流に配置され、感光ドラム52Mは、感光ドラム52Cの上流に配置され、感光ドラム52Yは、感光ドラム52Mの上流に配置されている。
【0037】
4つの感光ドラム52は、画像形成部4におけるシートSの搬送方向の上流から下流に向けて、感光ドラム52Y、感光ドラム52M、感光ドラム52C、感光ドラム52Kの順に並んで配置されている。具体的には、4つの感光ドラム52は、前から後に向けて、感光ドラム52Y、感光ドラム52M、感光ドラム52C、感光ドラム52Kの順に並んで配置されている。
【0038】
本明細書および図面においては、各色に対応する部材について、色を区別する場合には、符号にY,M,C,Kを付し、色を区別しない場合には、符号にY,M,C,Kを付さない。
【0039】
帯電ローラ53は、帯電バイアスVcが印加されることで感光ドラム52を帯電させる。帯電ローラ53は、感光ドラム52Yに対応して設けられた帯電ローラ53Yと、感光ドラム52Mに対応して設けられた帯電ローラ53Mと、感光ドラム52Cに対応して設けられた帯電ローラ53Cと、感光ドラム52Kに対応して設けられた帯電ローラ53Kとを含む。
【0040】
帯電ローラ53Yは、帯電バイアスVcが印加されることで感光ドラム52Yを帯電させる。帯電ローラ53Mは、帯電バイアスVcが印加されることで感光ドラム52Mを帯電させる。帯電ローラ53Cは、帯電バイアスVcが印加されることで感光ドラム52Cを帯電させる。帯電ローラ53Kは、帯電バイアスVcが印加されることで感光ドラム52Kを帯電させる。本実施形態では、帯電ローラ53Kが「第1帯電ローラ」に相当し、帯電ローラ53Y,53M,53Cが「第2帯電ローラ」に相当する。
【0041】
除電装置54は、転写後かつ帯電前の感光ドラム52の表面電位の絶対値を低下させる装置である。除電装置54は、感光ドラム52Yに対応して設けられた除電装置54Yと、感光ドラム52Mに対応して設けられた除電装置54Mと、感光ドラム52Cに対応して設けられた除電装置54Cと、感光ドラム52Kに対応して設けられた除電装置54Kとを含む。
【0042】
一例として、除電装置54は、それぞれ、光源と、光源からの光を感光ドラム52の表面に導くライトガイドとを備える。除電装置54は、感光ドラム52の表面のうち、転写ローラ74と対向する位置と、クリーニングローラ55と対向する位置との間の位置に光を照射して感光ドラム52の表面電位の絶対値を低下させる。本実施形態では、除電装置54は、感光ドラム52の表面電位を略0Vにする。
【0043】
クリーニングローラ55は、転写後に感光ドラム52上に残ったトナーを回収する。クリーニングローラ55は、感光ドラム52Yに対応して設けられたクリーニングローラ55Yと、感光ドラム52Mに対応して設けられたクリーニングローラ55Mと、感光ドラム52Cに対応して設けられたクリーニングローラ55Cと、感光ドラム52Kに対応して設けられたクリーニングローラ55Kとを含む。
【0044】
クリーニングローラ55Yは、転写後に感光ドラム52Y上に残った転写残トナーを回収可能である。クリーニングローラ55Mは、転写後に感光ドラム52M上に残った転写残トナーを回収可能である。クリーニングローラ55Cは、転写後に感光ドラム52C上に残った転写残トナーを回収可能である。クリーニングローラ55Kは、転写後に感光ドラム52K上に残った転写残トナーを回収可能である。
【0045】
紙粉回収ローラ56は、クリーニングローラ55Yの表面に付着した紙粉を回収する。紙粉は、感光ドラム52と転写ベルト73との間を搬送されるシートSから、主に、シートSの搬送方向において最も上流に位置する感光ドラム52Yの表面に付着し、さらに、感光ドラム52Yからクリーニングローラ55Yの表面に付着しやすい。
【0046】
帯電ローラクリーナ57は、帯電ローラ53の表面に付着した付着物を回収する。帯電ローラクリーナ57は、帯電ローラ53Yに対応して設けられた帯電ローラクリーナ57Yと、帯電ローラ53Mに対応して設けられた帯電ローラクリーナ57Mと、帯電ローラ53Cに対応して設けられた帯電ローラクリーナ57Cと、帯電ローラ53Kに対応して設けられた帯電ローラクリーナ57Kとを含む。
【0047】
図1に示すように、現像カートリッジ60は、イエローのトナーを収容する現像カートリッジ60Yと、マゼンタのトナーを収容する現像カートリッジ60Mと、シアンのトナーを収容する現像カートリッジ60Cと、ブラックのトナーを収容する現像カートリッジ60Kとを含む。本実施形態では、トナーは、正帯電性の乾式トナーである。
【0048】
現像カートリッジ60は、それぞれ、現像ローラ61と、供給ローラ62と、層厚規制ブレード63と、トナーを収容する収容部64と、アジテータ65とを備える。現像カートリッジ60は、収容部64内のトナーをアジテータ65によって攪拌しながら、供給ローラ62に供給する。供給ローラ62に供給されたトナーは、現像ローラ61に供給され、回転する現像ローラ61と層厚規制ブレード63との間で一定の厚さに規制されて現像ローラ61上に担持される。
【0049】
現像カートリッジ60は、それぞれ、ドラムユニット50のフレーム51に着脱可能に支持されている。現像カートリッジ60は、ドラムユニット50を筐体2内から引き出した状態でフレーム51に着脱することで、個別に交換可能である。
【0050】
現像ローラ61は、帯電後の感光ドラム52にトナーを供給して感光ドラム52にトナー像を形成する。
図2に示すように、現像ローラ61は、感光ドラム52Yに対応して設けられた現像ローラ61Yと、感光ドラム52Mに対応して設けられた現像ローラ61Mと、感光ドラム52Cに対応して設けられた現像ローラ61Cと、感光ドラム52Kに対応して設けられた現像ローラ61Kとを含む。
【0051】
現像ローラ61Yは、感光ドラム52Yに接触した状態で現像バイアスVdが印加されることで帯電後の感光ドラム52Yにイエローのトナーを供給して感光ドラム52Yにイエローのトナー像を形成する。現像ローラ61Mは、感光ドラム52Mに接触した状態で現像バイアスVdが印加されることで帯電後の感光ドラム52Mにマゼンタのトナーを供給して感光ドラム52Mにマゼンタのトナー像を形成する。
【0052】
現像ローラ61Cは、感光ドラム52Cに接触した状態で現像バイアスVdが印加されることで帯電後の感光ドラム52Cにシアンのトナーを供給して感光ドラム52Cにシアンのトナー像を形成する。現像ローラ61Kは、感光ドラム52Kに接触した状態で現像バイアスVdが印加されることで帯電後の感光ドラム52Kにブラックのトナーを供給して感光ドラム52Kにブラックのトナー像を形成する。
【0053】
本実施形態では、現像ローラ61Kが「第1現像ローラ」に相当し、現像ローラ61Y,61M,61Cが「第2現像ローラ」に相当する。
【0054】
現像ローラ61Yは、感光ドラム52Yに接触する接触位置と、感光ドラム52Yから離間する離間位置との間で移動可能である。現像ローラ61Mは、感光ドラム52Mに接触する接触位置と、感光ドラム52Mから離間する離間位置との間で移動可能である。現像ローラ61Cは、感光ドラム52Cに接触する接触位置と、感光ドラム52Cから離間する離間位置との間で移動可能である。現像ローラ61Kは、感光ドラム52Kに接触する接触位置と、感光ドラム52Kから離間する離間位置との間で移動可能である。
【0055】
具体的には、
図3に示すように、各現像カートリッジ60は、ドラムユニット50のフレーム51(
図1参照)に対して、
図3(c)に示す第1位置と、
図3(a)に示す第2位置との間で移動可能に支持されている。第1位置は、現像ローラ61が接触位置となる位置であり、第2位置は、現像ローラ61が離間位置となる位置である。
【0056】
図2に示すように、転写ユニット70は、駆動ローラ71と、従動ローラ72と、無端状のベルトとしての転写ベルト73と、4つの転写ローラ74とを備える。転写ベルト73は、駆動ローラ71と従動ローラ72とに架け渡され、感光ドラム52に接触している。転写ローラ74は、感光ドラム52との間で転写ベルト73を挟んでいる。画像形成装置1は、感光ドラム52と、転写ベルト73との間でシートSを前から後に向けて搬送する。
【0057】
転写ローラ74は、転写バイアスVtが印加されることで感光ドラム52に形成されたトナー像をシートSに転写する。転写ローラ74は、感光ドラム52Yに対応して設けられた転写ローラ74Yと、感光ドラム52Mに対応して設けられた転写ローラ74Mと、感光ドラム52Cに対応して設けられた転写ローラ74Cと、感光ドラム52Kに対応して設けられた転写ローラ74Kとを含む。
【0058】
転写ローラ74Yは、転写バイアスVtが印加されることで感光ドラム52Yに形成されたイエローのトナー像をシートSに転写する。転写ローラ74Mは、転写バイアスVtが印加されることで感光ドラム52Mに形成されたマゼンタのトナー像をシートSに転写する。転写ローラ74Cは、転写バイアスVtが印加されることで感光ドラム52Cに形成されたシアンのトナー像をシートSに転写する。転写ローラ74Kは、転写バイアスVtが印加されることで感光ドラム52Kに形成されたブラックのトナー像をシートSに転写する。
【0059】
図1に示すように、定着ユニット80は、シートSを加熱する加熱ローラ81と、加熱ローラ81との間でシートSを挟む加圧ローラ82とを備える。
【0060】
シート搬送部8は、第1搬送ローラ8Aと、第2搬送ローラ8Bと、排出ローラ8Cと、第3搬送ローラ8Dとを備える。第1搬送ローラ8Aは、加熱ローラ81と加圧ローラ82との間から排出されるシートSを第2搬送ローラ8Bに向けて搬送する。
【0061】
第2搬送ローラ8Bおよび排出ローラ8Cは、順回転することで、シートSを筐体2の外に向けて搬送する。また、第2搬送ローラ8Bおよび排出ローラ8Cは、シートSの両面に画像を形成するときには、逆回転することで、第1面に画像が形成されたシートSを再搬送経路8Eに向けて搬送する。
【0062】
第3搬送ローラ8Dは、シートSを画像形成部4に向けて搬送する。第3搬送ローラ8Dは、再搬送経路8E上に設けられている。再搬送経路8Eに案内されたシートSは、第3搬送ローラ8Dおよびシート供給機構3Cによって再び画像形成部4に供給される。
【0063】
ベルトクリーナ90は、転写ベルト73上のトナーを回収する。ベルトクリーナ90は、ベルトクリーニングローラ91と、回収ローラ92と、ブレード93と、貯留部94と、ベルトクリーニングローラ91との間で転写ベルト73を挟むバックアップローラ95とを備える。
【0064】
ベルトクリーニングローラ91は、ベルトクリーニングバイアスVbcが印加されることで転写ベルト73の表面に付着したトナーを回収する。回収ローラ92は、ベルトクリーニングローラ91上のトナーを回収する。ブレード93は、回収ローラ92上のトナーを掻き取る。貯留部94は、ブレード93によって回収ローラ92上から掻き落とされたトナーを収容する。
【0065】
図3に示すように、画像形成装置1は、接触離間機構200をさらに備える。接触離間機構200は、現像カートリッジ60Kを、
図3(b),(c)に示す第1位置と、
図3(a)に示す第2位置との間で移動させる。また、接触離間機構200は、現像カートリッジ60Y,60M,60Cを、
図3(c)に示す第1位置と、
図3(a),(b)に示す第2位置との間で移動させる。これにより、接触離間機構200は、現像ローラ61Kを接触位置と離間位置との間で移動させるとともに、現像ローラ61Y,61M,61Cを接触位置と離間位置との間で移動させる。接触離間機構200は、制御部100によって制御される。
【0066】
図2に示すように、画像形成装置1は、印加回路としての帯電バイアス印加回路110と、現像バイアス印加回路120と、転写バイアス印加回路130と、ドラムクリーニングバイアス印加回路140と、ベルトクリーニングバイアス印加回路150と、紙粉回収バイアス印加回路160とを備える。各バイアス印加回路110~160は、制御部100に接続され、制御部100によって制御される。
【0067】
帯電バイアス印加回路110は、帯電ローラ53に所定の電圧を印加する回路であり、帯電ローラ53に接続されている。帯電バイアス印加回路110は、帯電ローラ53に帯電バイアスVcを印加する。帯電バイアスVcは、帯電ローラ53と感光ドラム52との間で放電を発生させて感光ドラム52の表面を所定の電位に帯電させるバイアスである。本実施形態では、帯電バイアスVcは、正のバイアスである。
【0068】
現像バイアス印加回路120は、現像ローラ61に現像バイアスVdを印加する回路であり、現像ローラ61に接続されている。現像バイアスVdは、現像ローラ61上に担持されたトナーを、現像ローラ61から感光ドラム52上の静電潜像に移動させるバイアスである。現像バイアスVdは、帯電バイアスVcと同極性のバイアスである。本実施形態では、現像バイアスVdは、正のバイアスである。
【0069】
転写バイアス印加回路130は、転写ローラ74に転写バイアスVtを印加する回路であり、転写ローラ74に接続されている。転写バイアスVtは、感光ドラム52上のトナーを、感光ドラム52からシートSまたは転写ベルト73に移動させるバイアスである。転写バイアスVtは、帯電バイアスVcと逆極性のバイアスである。本実施形態では、転写バイアスVtは、負のバイアスである。
【0070】
ドラムクリーニングバイアス印加回路140は、クリーニングローラ55に回収バイアスVaを印加する回路であり、クリーニングローラ55に接続されている。回収バイアスVaは、転写後に感光ドラム52上に残った転写残トナーを、感光ドラム52からクリーニングローラ55に移動させるバイアスである。回収バイアスVaは、帯電バイアスVcと逆極性のバイアスである。本実施形態では、回収バイアスVaは、負のバイアスである。
【0071】
また、ドラムクリーニングバイアス印加回路140は、クリーニングローラ55に吐出バイアスVbを印加可能である。吐出バイアスVbは、クリーニングローラ55が回収したトナーを、クリーニングローラ55から感光ドラム52に移動させるバイアスである。吐出バイアスVbは、帯電バイアスVcと同極性のバイアスである。本実施形態では、吐出バイアスVbは、正のバイアスである。
【0072】
ベルトクリーニングバイアス印加回路150は、ベルトクリーニングローラ91にベルトクリーニングバイアスVbcを印加する回路であり、ベルトクリーニングローラ91に接続されている。ベルトクリーニングバイアスVbcは、転写ベルト73上に付着したトナーを、転写ベルト73からベルトクリーニングローラ91に移動させるバイアスである。ベルトクリーニングバイアスVbcは、帯電バイアスVcと逆極性のバイアスである。本実施形態では、ベルトクリーニングバイアスVbcは、負のバイアスである。
【0073】
紙粉回収バイアス印加回路160は、紙粉回収ローラ56に紙粉回収バイアスVpを印加する回路であり、紙粉回収ローラ56に接続されている。紙粉回収バイアスVpは、クリーニングローラ55Y上に付着した紙粉を、クリーニングローラ55Yから紙粉回収ローラ56に移動させるバイアスである。本実施形態では、紙粉回収バイアスVpは、正のバイアスである。
【0074】
制御部100は、CPU、RAM、ROM、入出力回路などを備える。制御部100は、ROMなどに記憶されたプログラム、データに基づいて演算処理を実行することで、制御を実行する。温湿度センサ101(
図1参照)は、筐体2(画像形成装置1)内の、温度および湿度を検出するセンサである。温湿度センサ101は、制御部100に接続され、検出結果を制御部100に出力する。
【0075】
制御部100は、カラー印刷モードと、モノクロ印刷モードとを実行可能である。カラー印刷モードは、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナーを用いてシートSにカラー画像を形成するモードである。モノクロ印刷モードは、ブラックのトナーのみを用いてシートSにモノクロ画像を形成するモードである。
【0076】
制御部100は、カラー印刷モードにおいて、カラー画像転写動作を実行する。カラー画像転写動作は、現像ローラ61Kを接触位置に位置させ、現像ローラ61Y,61M,61Cを接触位置に位置させてシートSにカラー画像を転写する動作である。言い換えると、カラー画像転写動作は、すべての現像ローラ61を接触位置に位置させてシートSにカラー画像を転写する動作である。
【0077】
画像形成装置1は、印刷の指令や画像データを含む印刷ジョブが入力される前の待機状態にあるとき、すべての現像ローラ61が離間位置に位置している(
図3(a)参照)。
制御部100は、カラー印刷モードを実行する場合、接触離間機構200を制御して、4つの現像ローラ61を離間位置から接触位置に移動させる(
図3(c)参照)。
【0078】
次に、制御部100は、感光ドラム52を回転させながら、感光ドラム52の表面を帯電ローラ53によって帯電させる。このとき、制御部100は、帯電バイアス印加回路110を制御して、帯電バイアスVcを帯電ローラ53に印加する。
【0079】
次に、制御部100は、帯電後の感光ドラム52の表面を露光ユニット40からの画像データに基づく光ビームによって露光することで、感光ドラム52上に画像データに基づく静電潜像を形成する。
【0080】
次に、制御部100は、感光ドラム52に、現像ローラ61からトナーを供給して感光ドラム52上の静電潜像を可視像化することで、感光ドラム52上にトナー像を形成する。このとき、制御部100は、現像バイアス印加回路120を制御して、現像バイアスVdを現像ローラ61に印加する。
【0081】
次に、制御部100は、シート供給部3から供給されたシートSを、感光ドラム52と転写ベルト73との間で搬送することで、感光ドラム52上に形成されたトナー像をシートSにイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの順に転写する。このとき、制御部100は、転写バイアス印加回路130を制御して、転写バイアスVtを転写ローラ74に印加する。
【0082】
次に、制御部100は、トナー像が転写されたシートSを、加熱ローラ81と加圧ローラ82との間で搬送することで、シートSにトナー像を定着してシートSにカラー画像を形成する。
【0083】
シートSの片面のみに画像を形成する場合、制御部100は、画像が形成されたシートSを、第1搬送ローラ8A、第2搬送ローラ8Bおよび排出ローラ8Cによって排出トレイ2Bに排出する。
【0084】
シートSの両面に画像を形成する場合、制御部100は、シートSが排出ローラ8Cにニップされている状態で、排出ローラ8Cと第2搬送ローラ8Bを逆回転させ、シートSを再搬送経路8Eに案内する。その後、制御部100は、シートSを、第3搬送ローラ8Dとシート供給機構3Cとによって再び画像形成部4に供給し、画像形成部4でシートSに画像を形成する。そして、制御部100は、両面に画像が形成されたシートSを、第1搬送ローラ8A、第2搬送ローラ8Bおよび排出ローラ8Cによって排出トレイ2Bに排出する。
【0085】
制御部100は、モノクロ印刷モードにおいて、モノクロ画像転写動作を実行する。モノクロ画像転写動作は、現像ローラ61Kを接触位置に位置させ、現像ローラ61Y,61M,61Cを離間位置に位置させてシートSにモノクロ画像を転写する動作である。言い換えると、モノクロ画像転写動作は、現像ローラ61Kのみを接触位置に位置させてシートSにモノクロ画像を転写する動作である。
【0086】
制御部100は、モノクロ印刷モードを実行する場合、接触離間機構200を制御して、現像ローラ61Kのみを離間位置から接触位置に移動させる(
図3(b)参照)。
【0087】
次に、制御部100は、感光ドラム52を回転させながら、感光ドラム52の表面を帯電ローラ53によって帯電させる。このとき、制御部100は、帯電バイアス印加回路110を制御して、帯電バイアスVcを帯電ローラ53に印加する。
【0088】
本実施形態では、制御部100は、モノクロ画像転写動作を実行しているとき、帯電ローラ53Y,53M,53Cに印加される帯電バイアスVcの大きさを、カラー画像転写動作を実行しているときに帯電ローラ53Y,53M,53Cに印加される帯電バイアスVcの大きさよりも小さくする。具体的には、制御部100は、カラー画像転写動作を実行しているときには、帯電バイアスVc2を帯電ローラ53Y,53M,53Cに印加し、モノクロ画像転写動作を実行しているときには、帯電バイアスVc1を帯電ローラ53Y,53M,53Cに印加する。帯電バイアスVc1は、帯電バイアスVc2よりも小さい。
【0089】
次に、制御部100は、帯電後の感光ドラム52Kの表面を露光ユニット40からの画像データに基づく光ビームによって露光することで、感光ドラム52K上に画像データに基づく静電潜像を形成する。制御部100は、感光ドラム52Y,52M,52Cについては、露光しない。
【0090】
次に、制御部100は、感光ドラム52Kに、現像ローラ61Kからトナーを供給して感光ドラム52上の静電潜像を現像することで、感光ドラム52K上にトナー像を形成する。このとき、制御部100は、現像バイアス印加回路120を制御して、現像バイアスVdを現像ローラ61Kに印加する。制御部100は、現像ローラ61Y,61M,61Cについては、現像バイアスVdを印加しない。
【0091】
次に、制御部100は、シート供給部3から供給されたシートSを、感光ドラム52と転写ベルト73との間で搬送することで、感光ドラム52K上に形成されたブラックのトナー像をシートSに転写する。このとき、制御部100は、転写バイアス印加回路130を制御して、転写バイアスVtを転写ローラ74に印加する。
【0092】
次に、制御部100は、トナー像が転写されたシートSを、加熱ローラ81と加圧ローラ82との間で搬送することで、シートSにトナー像を定着してシートSにモノクロ画像を形成する。
【0093】
シートSの片面のみに画像を形成する場合、制御部100は、画像が形成されたシートSを排出トレイ2Bに排出する。シートSの両面に画像を形成する場合、制御部100は、シートSを、再び画像形成部4に供給し、画像形成部4でシートSに画像を形成し、両面に画像が形成されたシートSを排出トレイ2Bに排出する。
【0094】
制御部100は、第1クリーニング動作と、第2クリーニング動作とを実行可能である。
第1クリーニング動作は、感光ドラム52を回転させながら、転写後に感光ドラム52上に残った転写残トナーをクリーニングローラ55で回収する動作である。制御部100は、カラー画像転写動作を実行しているとき、および、モノクロ画像転写動作を実行しているときのそれぞれにおいて、第1クリーニング動作を実行可能である。
【0095】
第1クリーニング動作では、制御部100は、感光ドラム52K上のトナー像をシートSに転写するときに、回収バイアスVaをクリーニングローラ55Kに印加して、感光ドラム52K上の転写残トナーをクリーニングローラ55Kによって回収させる。また、制御部100は、感光ドラム52Y,52M,52C上のトナー像をシートSに転写するときに、回収バイアスVaをクリーニングローラ55Y,55M,55Cに印加して、感光ドラム52Y,52M,52C上の転写残トナーをクリーニングローラ55Y,55M,55Cによって回収させる。
【0096】
第2クリーニング動作は、感光ドラム52を回転させながら、クリーニングローラ55が回収したトナーを感光ドラム52および転写ベルト73を介してベルトクリーナ90で回収する動作である。制御部100は、カラー画像転写動作の後、および、モノクロ画像転写動作の後のそれぞれにおいて、第2クリーニング動作を実行する。
【0097】
第2クリーニング動作では、制御部100は、感光ドラム52、転写ベルト73を回転させながら、現像ローラ61を離間位置に位置させる。次に、制御部100は、クリーニングローラ55に吐出バイアスVbを印加し転写ローラ74に転写バイアスVtを印加し、ベルトクリーニングローラ91にベルトクリーニングバイアスVbcを印加する。
【0098】
これにより、制御部100は、クリーニングローラ55上のトナーを感光ドラム52に移動させ、感光ドラム52上トナーを転写ベルト73に移動させ、転写ベルト73上のトナーをベルトクリーニングローラ91に移動させる。ベルトクリーニングローラ91上に移動したトナーは、回収ローラ92とブレード93とによって貯留部94内に回収される。
【0099】
制御部100は、吐出バイアスVbの印加を開始してから第1時間T1が経過したときに、吐出バイアスVbの印加を停止する(
図7参照)。これにより、クリーニングローラ55上のトナーが感光ドラム52に移動しなくなる。第1時間T1は、クリーニングローラ55上のトナーを、クリーニングローラ55から感光ドラム52に十分に移動させることが可能な時間に設定されている。具体的には、第1時間T1は、クリーニングローラ55が1回転する時間以上の長さの時間である。本実施形態では、一例として、第1時間T1は、クリーニングローラ55が9回転する時間である。
【0100】
制御部100は、吐出バイアスVbの印加を停止してから第2時間T2が経過したときに転写バイアスVtの印加を停止する(
図7参照)。これにより、感光ドラム52上のトナーが転写ベルト73に移動しなくなる。第2時間T2は、感光ドラム52Yの、クリーニングローラ55Yと対向する部分が、感光ドラム52Yの回転によって、転写ベルト73と対向する位置まで移動する時間と、転写ベルト73の、感光ドラム52Yと対向する部分が、転写ベルト73の回転によって、感光ドラム52Kと対向する位置まで移動する時間との和以上の長さの時間である。
【0101】
制御部100は、転写バイアスVtの印加を停止してから第3時間T3が経過したときに、ベルトクリーニングバイアスVbcの印加を停止し、第2クリーニング動作を終了する(
図7参照)。ベルトクリーニングバイアスVbcの印加を停止することで、転写ベルト73上のトナーがベルトクリーニングローラ91に移動しなくなる。第3時間T3は、転写ベルト73の、感光ドラム52Kと対向する部分が、転写ベルト73の回転によって、ベルトクリーニングローラ91と対向する位置まで移動する時間以上の長さの時間である。
【0102】
制御部100は、カラー画像転写動作の後、および、モノクロ画像転写動作の後のそれぞれにおいて、転写後回転動作を実行可能である。本実施形態では、制御部100は、カラー画像転写動作の後、第2クリーニング動作を実行する前に転写後回転動作を実行する。また、制御部100は、モノクロ画像転写動作の後、第2クリーニング動作を実行する前に転写後回転動作を実行する。
【0103】
転写後回転動作は、モノクロ用の現像ローラ61Kを接触位置に位置させて現像ローラ61Kと感光ドラム52Kを回転させるとともに、カラー用の現像ローラ61Y,61M,61Cを接触位置に位置させて現像ローラ61Y,61M,61Cと感光ドラム52Y,52M,52Cを回転させる動作である。言い換えると、転写後回転動作は、すべての現像ローラ61を接触位置に位置させて現像ローラ61と感光ドラム52を回転させる動作である。
【0104】
本実施形態では、制御部100は、カラー画像転写動作の後の転写後回転動作を、最後のシートSが感光ドラム52Kと転写ローラ74Kとの間を通過してから、実行時間Tcの間、実行する。また、制御部100は、モノクロ画像転写動作の後の転写後回転動作を、現像ローラ61Y,61M,61Cを接触位置に位置させてから、実行時間Tmの間、実行する。転写後回転動作の実行時間Tc,Tmは、感光ドラム52が1回転する時間以上の時間である。
【0105】
以下では、カラー画像転写動作の後の転写後回転動作を「カラー転写後回転動作」といい、モノクロ画像転写動作の後の転写後回転動作を「モノクロ転写後回転動作」という。
【0106】
制御部100は、モノクロ転写後回転動作の実行時間Tmを、カラー転写後回転動作の実行時間Tcよりも長くする。本実施形態では、カラー転写後回転動作の実行時間Tcは、予め設定された一定の時間(定数)である。具体的には、カラー転写後回転動作の実行時間Tcは、感光ドラム52が約3回転する時間である。一例として、カラー転写後回転動作の実行時間Tcは、約3.8秒である。
【0107】
制御部100は、延長制御を実行可能である。延長制御は、モノクロ転写後回転動作の実行時間Tmを、直前のモノクロ画像転写動作の実行時間Tpが長くなるにつれて長くする制御である。制御部100は、直前のモノクロ画像転写動作の実行時間Tpが実行時間閾値Tpth以上である場合、延長制御を実行する。
【0108】
本実施形態では、制御部100は、第1温度条件および第1湿度条件の両方が満たされたことを条件として、直前のモノクロ画像転写動作の実行時間Tpが実行時間閾値Tpth以上である場合に延長制御を実行する。第1温度条件は、直前のモノクロ画像転写動作の実行中に画像形成装置1内の温度TAが第1温度閾値TAth1以上となったという条件である。第1湿度条件は、直前のモノクロ画像転写動作の実行中に画像形成装置1内の湿度HAが第1湿度閾値HAth1以上となったという条件である。
【0109】
制御部100は、延長制御を実行する場合、モノクロ転写後回転動作の実行時間Tmを、下記式(1)に基づいて設定する。
Tm=Tm0+C1×(Tp-Tpth) ・・・(1)
Tm0は、モノクロ転写後回転動作の実行時間Tmの初期値であり、カラー転写後回転動作の実行時間Tcよりも長い、予め設定された一定の時間(定数)である。具体的には、モノクロ転写後回転動作の実行時間Tmの初期値Tm0は、感光ドラム52が約5回転する時間である。一例として、モノクロ転写後回転動作の実行時間Tmの初期値Tm0は、約6.3秒である。C1は、予め設定された正の定数である。
【0110】
制御部100は、第1温度条件を満たさない場合(TA<TAth)、第1湿度条件を満たさない場合(HA<HAth)、または、直前のモノクロ画像転写動作の実行時間Tpが実行時間閾値Tpth未満である場合、延長制御を実行せず、モノクロ転写後回転動作の実行時間Tmを、初期値Tm0に設定する。
【0111】
制御部100は、転写前回転動作をさらに実行可能である。転写前回転動作は、印刷ジョブが入力された後、シートSを画像形成部4に供給する前に、現像ローラ61(61Y,61M,61C,61K)を接触位置に位置させて現像ローラ61と感光ドラム52を回転させる動作である。
【0112】
制御部100は、前回の印刷ジョブの処理が終了するなどして感光ドラム52が停止した場合、感光ドラム52が停止してからの経過時間Tsをカウントする。そして、制御部100は、感光ドラム52が停止してからの経過時間Tsが経過時間閾値Tsth以上であり、かつ、新たな印刷ジョブが入力された場合、転写前回転動作を実行する。
【0113】
本実施形態では、制御部100は、転写条件、第2温度条件および第2湿度条件のすべてが満たされたことを条件として、経過時間Tsが経過時間閾値Tsth以上であり、かつ、新たな印刷ジョブが入力された場合に転写前回転動作を実行する。転写条件は、感光ドラム52が停止してからの経過時間Tsのカウントを開始する直前の転写動作がモノクロ画像転写動作であったという条件である。
【0114】
第2温度条件は、新たな印刷ジョブが入力されたときの画像形成装置1内の温度TAが第2温度閾値TAth2以上であるという条件である。第2温度閾値TAth2は、第1温度閾値TAth1と同じ閾値であってもよいし、異なる閾値であってもよい。第2湿度条件は、新たな印刷ジョブが入力されたときの画像形成装置1内の湿度HAが第2湿度閾値HAth2以上であるという条件である。第2湿度閾値HAth2は、第1湿度閾値HAth1と同じ閾値であってもよいし、異なる閾値であってもよい。
【0115】
新たな印刷ジョブに基づく転写動作を行うときに、経過時間Tsが経過時間閾値Tsth以上であり、第2温度条件と第2湿度条件の両方が満たされている場合、画像形成装置1が、継続して高温、高湿の環境下におかれていた可能性がある。そのため、この場合には、前回の転写動作により生じた感光ドラム52の表面の変質部、感光ドラム52の表面に付着した付着物が吸湿している可能性がある。
【0116】
感光ドラム52の表面の変質部、付着物が吸湿していると、感光ドラム52の表面の変質部、付着物がある部分の抵抗値が変化して、感光ドラム52の表面電位に全体としてムラが生じ、画質低下の原因となるおそれがある。そこで、本実施形態では、制御部100は、転写条件、第2温度条件および第2湿度条件のすべてが満たされたことを条件として、経過時間Tsが経過時間閾値Tsth以上であり、かつ、新たな印刷ジョブが入力された場合に転写前回転動作を実行する。
【0117】
制御部100は、転写前回転動作を、すべての現像ローラ61を接触位置に位置させてから、実行時間Tbの間、実行する。転写前回転動作の実行時間Tbは、予め設定された一定の時間(定数)であってもよいし、予め設定された式、テーブルなどに基づいて、例えば、経過時間Tsが長くなるにつれて長くなる変数であってもよい。
【0118】
次に、制御部100の動作の一例について、フローチャートを参照しながら説明する。
図4に示すように、制御部100は、印刷ジョブが入力された場合、感光ドラム52を回転させる(S11)。また、制御部100は、前回の印刷ジョブの処理が終了するなどして感光ドラム52が停止してから新たな印刷ジョブが入力されるまでの経過時間Tsが経過時間閾値Tsth以上であるか否かを判定する(S21)。
【0119】
経過時間Tsが経過時間閾値Tsth以上である場合(S21,Yes)、制御部100は、経過時間Tsのカウントを開始する直前の転写動作がモノクロ画像転写動作であったか否かを判定する(S22)。直前の転写動作がモノクロ画像転写動作であった場合(S22,Yes)、制御部100は、印刷ジョブが入力されたときの画像形成装置1内の温度TAが第2温度閾値TAth2以上であるか否かを判定する(S23)。
【0120】
温度TAが第2温度閾値TAth2以上である場合(S23,Yes)、制御部100は、印刷ジョブが入力されたときの画像形成装置1内の湿度HAが第2湿度閾値HAth2以上であるか否かを判定する(S24)。湿度HAが第2湿度閾値HAth2以上である場合(S24,Yes)、制御部100は、すべての現像ローラ61を離間位置から接触位置に位置させる(S25)。
【0121】
そして、制御部100は、感光ドラム52と現像ローラ61とを接触させた状態で回転させる転写前回転動作を実行する(S26)。その後、制御部100は、転写前回転動作の実行時間Tbが経過したか否かを判定する(S27)。制御部100は、実行時間Tbが経過していない場合(S27,No)、転写前回転動作の実行を継続し(S26)、実行時間Tbが経過した場合(S27,Yes)、
図5に示すステップS31を実行する。
【0122】
図4のステップS21において経過時間Tsが経過時間閾値Tsth以上でない場合(No)、ステップS22において直前の転写動作がモノクロ画像転写動作でなかった場合(No)、ステップS23において温度TAが第2温度閾値TAth2以上でない場合(No)、ステップS24において湿度HAが第2湿度閾値HAth2以上でない場合(No)、制御部100は、転写前回転動作を実行せず、
図5に示すステップS31を実行する。
【0123】
図5に示すように、ステップS31において、制御部100は、今回の印刷がモノクロ印刷であるか否かを判定する。今回の印刷がモノクロ印刷である場合(Yes)、制御部100は、現像ローラ61Kを接触位置に位置させ、現像ローラ61Y,61M,61Cを離間位置に位置させる(S41)。
【0124】
具体的には、現像ローラ61Kが離間位置に位置する場合には、現像ローラ61Kを離間位置から接触位置に移動させ、現像ローラ61Kが接触位置に位置する場合には、現像ローラ61Kを接触位置に維持する。また、現像ローラ61Y,61M,61Cが接触位置に位置する場合には、現像ローラ61Y,61M,61Cを接触位置から離間位置に移動させ、現像ローラ61Y,61M,61Cが離間位置に位置する場合には、現像ローラ61Y,61M,61Cを離間位置に維持する。
【0125】
その後、制御部100は、モノクロ印刷を実行する(S42)。このとき、制御部100は、モノクロ画像転写動作と第1クリーニング動作を実行する。また、制御部100は、モノクロ転写後回転動作の実行時間Tmを設定する(S43)。具体的には、
図6に示すように、制御部100は、直前のモノクロ画像転写動作の実行時間Tpが実行時間閾値Tpth以上であったか否かを判定する(S431)。
【0126】
実行時間Tpが実行時間閾値Tpth以上であった場合(S431,Yes)、制御部100は、直前のモノクロ画像転写動作の実行中に画像形成装置1内の温度TAが第1温度閾値TAth1以上となっていたか否かを判定する(S432)。温度TAが第1温度閾値TAth1以上となっていた場合(S432,Yes)、制御部100は、直前のモノクロ画像転写動作の実行中に画像形成装置1内の湿度HAが第1湿度閾値HAth1以上となっていたか否かを判定する(S433)。
【0127】
そして、湿度HAが第1湿度閾値HAth1以上となっていた場合(S433,Yes)、制御部100は、上記式(1)に基づいて、モノクロ転写後回転動作の実行時間Tmを設定する(S434)。
【0128】
ステップS431において実行時間Tpが実行時間閾値Tpth以上でなかった場合(No)、ステップS432において温度TAが第1温度閾値TAth1以上となっていなかった場合(No)、ステップS433において湿度HAが第1湿度閾値HAth1以上となっていなかった場合(No)、制御部100は、モノクロ転写後回転動作の実行時間Tmを初期値Tm0に設定する(S435)。
【0129】
実行時間Tmを設定し、モノクロ画像転写動作が終了した場合、
図5に示すように、制御部100は、現像ローラ61Y,61M,61Cを離間位置から接触位置に位置させる(S44)。これにより、すべての現像ローラ61が接触位置に位置することになる。
【0130】
そして、制御部100は、感光ドラム52と現像ローラ61とを接触させた状態で回転させるモノクロ転写後回転動作を実行する(S45)。その後、制御部100は、モノクロ転写後回転動作の実行時間Tmが経過したか否かを判定する(S46)。制御部100は、実行時間Tmが経過していない場合(S46,No)、モノクロ転写後回転動作の実行を継続し(S45)、実行時間Tmが経過した場合(S46,Yes)、ステップS61を実行する。
【0131】
ステップS31において今回の印刷がカラー印刷である場合(No)、制御部100は、現像ローラ61を接触位置に位置させる(S51)。具体的には、現像ローラ61が離間位置に位置する場合には、現像ローラ61を離間位置から接触位置に移動させ、現像ローラ61が接触位置に位置する場合には、現像ローラ61を接触位置に維持する。
【0132】
その後、制御部100は、カラー印刷を実行する(S52)。このとき、制御部100は、カラー画像転写動作と第1クリーニング動作を実行する。
【0133】
カラー画像転写動作が終了した場合、制御部100は、感光ドラム52と現像ローラ61とを接触させた状態で回転させるカラー転写後回転動作を実行する(S55)。その後、制御部100は、カラー転写後回転動作の実行時間Tcが経過したか否かを判定する(S56)。制御部100は、実行時間Tcが経過していない場合(S56,No)、カラー転写後回転動作の実行を継続し(S55)、実行時間Tcが経過した場合(S56,Yes)、ステップS61を実行する。
【0134】
ステップS61において、制御部100は、すべての現像ローラ61を接触位置から離間位置に位置させる(S61)。その後、制御部100は、第2クリーニング動作を実行する(S62)。第2クリーニング動作が終了した場合、制御部100は、感光ドラム52を停止させて(S63)、
図4および
図5に示す動作を終了する。
【0135】
次に、制御部100の動作の一例について、タイミングチャートを参照しながら説明する。
図7に示すように、カラー印刷を実行する場合、制御部100は、印刷ジョブが入力されたら、感光ドラム52を回転させるとともに、帯電バイアスVc、現像バイアスVd、転写バイアスVt、回収バイアスVa、ベルトクリーニングバイアスVbcを印加する(t11)。
【0136】
具体的には、制御部100は、帯電ローラ53Y,53M,53Cに帯電バイアスVc(Vc2)を印加し、帯電ローラ53Kに帯電バイアスVcを印加する。また、制御部100は、現像ローラ61Y,61M,61Cに現像バイアスVdを印加し、現像ローラ61Kに現像バイアスVdを印加する。また、制御部100は、転写ローラ74に転写バイアスVtを印加する。また、制御部100は、クリーニングローラ55に回収バイアスVaを印加する。また、制御部100は、ベルトクリーニングローラ91にベルトクリーニングバイアスVbcを印加する。
【0137】
次に、制御部100は、現像ローラ61(61Y,61M,61C,61K)を離間位置から接触位置に移動させる(t12~t13)。
【0138】
その後、制御部100は、カラー印刷(カラー画像転写動作)を実行する(t14~t15)。カラー画像転写動作が終了したら、制御部100は、現像バイアスVdの印加を停止し、カラー転写後回転動作を開始する。そして、制御部100は、シートSが感光ドラム52Kと転写ローラ74Kとの間を通過してから実行時間Tcが経過したら、カラー転写後回転動作を終了し、現像ローラ61(61Y,61M,61C,61K)を接触位置から離間位置に移動させる(t17~t18)。
【0139】
その後、制御部100は、クリーニングローラ55に吐出バイアスVbを印加して、第2クリーニング動作を実行する(t19)。そして、制御部100は、第2クリーニング動作の終了とともに、感光ドラム52を停止し(t20)、
図7に示す動作を終了する。
【0140】
図8に示すように、モノクロ印刷を実行する場合、制御部100は、印刷ジョブが入力されたら、感光ドラム52を回転させるとともに、帯電バイアスVc、現像バイアスVd、転写バイアスVt、回収バイアスVa、ベルトクリーニングバイアスVbcを印加する(t31)。
【0141】
具体的には、制御部100は、帯電ローラ53Y,53M,53Cに、カラー画像転写動作を実行するときの帯電バイアスVc2よりも小さい、帯電バイアスVc1を印加し、帯電ローラ53Kに帯電バイアスVcを印加する。また、制御部100は、現像ローラ61Kに現像バイアスVdを印加する。また、制御部100は、転写ローラ74に帯電バイアスVcを印加する。また、制御部100は、クリーニングローラ55に回収バイアスVaを印加する。また、制御部100は、ベルトクリーニングローラ91にベルトクリーニングバイアスVbcを印加する。
【0142】
次に、制御部100は、現像ローラ61Kを離間位置から接触位置に移動させる(t32~t33)。
【0143】
その後、制御部100は、モノクロ印刷(モノクロ画像転写動作)を実行する(t34~t35)。モノクロ画像転写動作が終了したら、制御部100は、帯電ローラ53Y,53M,53Cに帯電バイアスVc2を印加するとともに、現像バイアスVdの印加を停止する。また、制御部100は、現像ローラ61Y,61M,61Cを離間位置から接触位置に移動させて(t37~t38)、モノクロ転写後回転動作を開始する。
【0144】
そして、制御部100は、現像ローラ61Y,61M,61Cを接触位置に位置させてから、カラー転写後回転動作の実行時間Tc(
図7参照)よりも長い、実行時間Tmが経過したら、制御部100は、モノクロ転写後回転動作を終了し、現像ローラ61(61Y,61M,61C,61K)を接触位置から離間位置に移動させる(t39~t40)。
【0145】
その後、制御部100は、クリーニングローラ55に吐出バイアスVbを印加して、第2クリーニング動作を実行する。そして、制御部100は、第2クリーニング動作の終了とともに、感光ドラム52を停止し(t42)、
図8に示す動作を終了する。
【0146】
図9に示すように、転写前回転動作を実行する場合、制御部100は、印刷ジョブが入力されたら、感光ドラム52を回転させるとともに、帯電バイアスVc、現像バイアスVd、転写バイアスVt、回収バイアスVa、ベルトクリーニングバイアスVbcを印加する(t51)。
【0147】
具体的には、制御部100は、帯電ローラ53Y,53M,53Cに帯電バイアスVc(Vc2)を印加し、帯電ローラ53Kに帯電バイアスVcを印加する。また、制御部100は、転写ローラ74に帯電バイアスVcを印加する。また、制御部100は、クリーニングローラ55に回収バイアスVaを印加する。また、制御部100は、ベルトクリーニングローラ91にベルトクリーニングバイアスVbcを印加する。
【0148】
次に、制御部100は、現像ローラ61(61Y,61M,61C,61K)を離間位置から接触位置に移動させて(t52~t53)、転写前回転動作を開始する。そして、制御部100は、現像ローラ61を接触位置に位置させてから実行時間Tbが経過したら、転写前回転動作を終了し(t54)、印刷を実行する。
【0149】
具体的には、実線で示すように、モノクロ印刷を実行する場合、制御部100は、現像ローラ61Y,61M,61Cを接触位置から離間位置に移動させ(t54~t55)、帯電ローラ53Y,53M,53Cに印加する帯電バイアスをVc2からVc1に下げる。また、現像ローラ61Kに現像バイアスVdを印加する。その後、制御部100は、モノクロ印刷(モノクロ画像転写動作)を実行する。
【0150】
また、仮想線で示すように、カラー印刷を実行する場合、制御部100は、転写前回転動作を実行した後、すべての現像ローラ61を接触位置に維持するとともに、帯電ローラ53Y,53M,53Cに印加する帯電バイアスをVc2に維持する。また、すべての現像ローラ61に現像バイアスVdを印加し(t55)、カラー印刷(カラー画像転写動作)を実行する。
【0151】
上述の画像形成装置1によれば、感光ドラム52Y,52M,52Cの表面の変質、付着物の付着が発生しやすいモノクロ画像転写動作の後に、モノクロ転写後回転動作を実行することで、現像ローラ61Y,61M,61Cによって感光ドラム52Y,52M,52Cの表面の変質部、付着物を除去できる。
【0152】
さらに言えば、モノクロ画像転写動作の後に、カラー転写後回転動作よりも長く、モノクロ転写後回転動作を実行することで、現像ローラ61Y,61M,61Cによって感光ドラム52Y,52M,52Cの表面の変質部、付着物を確実に除去できる。これにより、感光ドラム52Y,52M,52Cの表面の変質部、付着物に起因する画質の低下を抑制できる。
【0153】
モノクロ転写後回転動作の実行時間Tmを、直前のモノクロ画像転写動作の実行時間Tpが長くなるにつれて長くすることで、モノクロ転写後回転動作を実行した場合に感光ドラム52Y,52M,52Cの表面の変質部、付着物をしっかりと除去できる。
【0154】
直前のモノクロ画像転写動作の実行時間Tpが実行時間閾値Tpth以上である場合に延長制御を実行することで、モノクロ画像転写動作の実行時間Tpが短い場合には、その後のモノクロ転写後回転動作の実行時間Tmを長くしないようにできる。これにより、シートSに画像を転写しない状況で感光ドラム52、現像ローラ61の回転回数が無駄に増えるのを抑制できる。
【0155】
第1温度条件および第1湿度条件が満たされたことを条件として延長制御を実行することで、感光ドラム52Y,52M,52Cの表面の変質、付着物の付着が発生しやすい条件の後に、モノクロ転写後回転動作の実行時間Tmを長くできる。これにより、感光ドラム52Y,52M,52Cの表面の変質部、付着物をしっかりと除去できる。
【0156】
感光ドラム52が停止してからの経過時間Tsが長い場合に転写前回転動作を実行することで、感光ドラム52Y,52M,52Cの表面の変質部、付着物の吸湿が進行している場合において、転写前に予め感光ドラム52Y,52M,52Cの表面の変質部、付着物を除去できる。
【0157】
転写条件、第2温度条件および第2湿度条件が満たされたことを条件として転写前回転動作を実行することで、感光ドラム52が停止してからの経過時間Tsが長い場合でも、感光ドラム52Y,52M,52Cの表面の変質部、付着物の吸湿が進行しにくい条件の転写前には、転写前回転動作を実行しないようにできる。これにより、シートSに画像を転写しない状況で感光ドラム52、現像ローラ61の回転回数が無駄に増えるのを抑制できる。
【0158】
モノクロ画像転写動作を実行しているときの帯電ローラ53Y,53M,53Cに印加される帯電バイアスVcの大きさを小さくすることで、モノクロ画像転写動作を実行しているときの感光ドラム52Y,52M,52Cの表面の変質、付着物の付着を抑制できる。
【0159】
以上、実施形態について説明したが、画像形成装置は以下に例示するように適宜変形して実施することができる。
【0160】
例えば、制御部100は、現像ローラ61Y,61M,61Cの新品状態からの使用時間に関するパラメータが使用時間閾値以上である場合、モノクロ転写後回転動作の実行時間Tmを、当該パラメータが使用時間閾値未満である場合よりも長くする構成であってもよい。
【0161】
一例として、現像ローラ61Y,61M,61Cの新品状態からの使用時間に関するパラメータは、現像カートリッジ60Y,60M,60Cを新品に交換してからの総印刷枚数NPY,NPM,NPCである。制御部100は、総印刷枚数NPY,NPM,NPCのいずれかが、使用時間閾値としての印刷枚数閾値NPth以上である場合、モノクロ転写後回転動作の実行時間Tmを、総印刷枚数NPY,NPM,NPCが印刷枚数閾値NPth未満である場合よりも長くする。
【0162】
具体的には、制御部100は、前記実施形態で説明した方法で設定したモノクロ転写後回転動作の実行時間TmをZ1倍する(Tm=Z1×Tm)。Z1は、予め設定された式、テーブルなどに基づいて、例えば、総印刷枚数が増えるにつれて大きくなる変数であってもよい。また、Z1は、予め設定された定数であってもよい。
【0163】
現像ローラ61Y,61M,61Cの使用時間が長い場合にモノクロ転写後回転動作の実行時間Tmを長くすることで、感光ドラム52Y,52M,52Cの表面の変質、付着物の付着が進行している場合に、モノクロ転写後回転動作の実行時間Tmを長くできる。これにより、感光ドラム52Y,52M,52Cの表面の変質部、付着物をしっかりと除去できる。
【0164】
また、制御部100は、現像ローラ61Y,61M,61Cの新品状態からの使用時間に関するパラメータが使用時間閾値以上である場合、転写前回転動作の実行時間Tbを、当該パラメータが使用時間閾値未満である場合よりも長くする構成であってもよい。
【0165】
一例として、制御部100は、現像カートリッジ60Y,60M,60Cを新品に交換してからの総印刷枚数NPY,NPM,NPCのいずれかが、印刷枚数閾値NPth以上である場合、転写前回転動作の実行時間TbをZ2倍する。Z2は、予め設定された式、テーブルなどに基づいて、例えば、総印刷枚数が増えるにつれて大きくなる変数であってもよい。また、Z2は、予め設定された定数であってもよい。
【0166】
現像ローラ61Y,61M,61Cの使用時間が長い場合に転写前回転動作の実行時間Tbを長くすることで、感光ドラム52Y,52M,52Cの表面の変質、付着物の付着が進行している場合に、転写前回転動作の実行時間を長くできる。これにより、感光ドラム52Y,52M,52Cの表面の変質部、付着物をしっかりと除去できる。
【0167】
前記実施形態では、転写後回転動作を実行しているときに現像バイアスVdの印加を停止していたが、例えば、転写後回転動作を実行しているときに現像バイアスを印加してもよい。転写前回転動作についても同様である。
【0168】
前記実施形態では、転写条件、第2温度条件および第2湿度条件のすべてが満たされたことを条件として、転写前回転動作を実行したが、例えば、転写条件、第2温度条件および第2湿度条件のうちの2つが満たされたことを条件として、転写前回転動作を実行してもよい。また、転写条件、第2温度条件および第2湿度条件のうちの1つが満たされたことを条件として、転写前回転動作を実行してもよい。
【0169】
また、直前の転写動作がモノクロ画像転写動作であること、および、画像形成装置内の温度、湿度に関わらず、カラー用の感光ドラムが停止してからの経過時間が経過時間閾値以上であり、かつ、印刷ジョブが入力された場合に常に転写前回転動作を実行してもよい。また、画像形成装置は、転写前回転動作を実行しない構成であってもよい。
【0170】
前記実施形態では、第1温度条件および第1湿度条件の両方が満たされたことを条件として、延長制御を実行したが、例えば、第1温度条件および第1湿度条件の一方が満たされたことを条件として、延長制御を実行してもよい。また、画像形成装置内の温度、湿度に関わらず、直前のモノクロ画像転写動作の実行時間が実行時間閾値以上である場合に常に延長制御を実行してもよい。
【0171】
また、直前のモノクロ画像転写動作の実行時間が実行時間閾値以上であるか否かに関わらず、例えば、モノクロ転写後回転動作の実行時間を、直前のモノクロ画像転写動作の実行時間が長くなるにつれて長くしてもよい。また、直前のモノクロ画像転写動作の実行時間に関わらず、例えば、モノクロ転写後回転動作の実行時間を、カラー転写後回転動作の実行時間よりも長い、予め設定された一定の時間(定数)としてもよい。
【0172】
前記実施形態では、第2クリーニング動作を実行する前に転写後回転動作を実行したが、例えば、第2クリーニング動作を実行した後に転写後回転動作を実行してもよい。また、転写後回転動作を実行する前に感光ドラムを一旦停止させ、感光ドラムを停止させた状態で現像ローラを接触位置に位置させ、その後、現像ローラと感光ドラムを回転させて転写後回転動作を実行してもよい。
【0173】
前記実施形態では、カラー画像転写動作の後、および、モノクロ画像転写動作の後のそれぞれにおいて、転写後回転動作を実行したが、例えば、カラー画像転写動作の後には、転写後回転動作を実行せず、モノクロ画像転写動作の後にのみ、転写後回転動作を実行してもよい。
【0174】
前記実施形態では、モノクロ画像転写動作を実行しているときと、カラー画像転写動作を実行しているときとで、カラー用の帯電ローラ53Y,53M,53Cに印加される帯電バイアスVcの大きさを変えたが、例えば、大きさを同じとしてもよい。
【0175】
前記実施形態では、画像形成装置1がプリンタであったが、例えば、画像形成装置は、複写機であってもよいし、複合機であってもよい。
【0176】
前記した実施形態および変形例で説明した各要素は、任意に組み合わせて実施してもよい。
【符号の説明】
【0177】
1 画像形成装置
52Y,52M,52C,52K 感光ドラム
53Y,53M,53C,53K 帯電ローラ
61Y,61M,61C,61K 現像ローラ
100 制御部
200 接触離間機構
S シート