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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024115436
(43)【公開日】2024-08-26
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/16 20060101AFI20240819BHJP
   G03G 15/02 20060101ALI20240819BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20240819BHJP
【FI】
G03G15/16
G03G15/02 102
G03G21/00 510
G03G21/00 314
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023021133
(22)【出願日】2023-02-14
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116034
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 啓輔
(74)【代理人】
【識別番号】100144624
【弁理士】
【氏名又は名称】稲垣 達也
(74)【代理人】
【識別番号】100195224
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 宏憲
(72)【発明者】
【氏名】柴田 千晴
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 啓太
(72)【発明者】
【氏名】平野 草太
【テーマコード(参考)】
2H134
2H200
2H270
【Fターム(参考)】
2H134GA01
2H134GA05
2H134GB02
2H134HA08
2H134HA12
2H134HA16
2H134KA29
2H134KB03
2H134KB04
2H134KH01
2H200FA02
2H200GA12
2H200GA23
2H200GA34
2H200GA44
2H200GA56
2H200GB15
2H200HA02
2H200HA29
2H200HB12
2H200JA29
2H200JB07
2H200JB42
2H200JB49
2H200LA24
2H200LB02
2H200LB03
2H200LB15
2H200LB39
2H200NA02
2H200NA09
2H200PA02
2H200PA10
2H200PA18
2H200PB28
2H270KA09
2H270KA19
2H270LA28
2H270LA63
2H270LD01
2H270LD08
2H270LD14
2H270MA01
2H270MA14
2H270MA24
2H270MA28
2H270MB25
2H270MB27
2H270MC15
2H270MC29
2H270MC39
2H270MC48
2H270MC52
2H270MD13
2H270MH07
2H270MH11
2H270ZC03
2H270ZC04
2H270ZC06
(57)【要約】
【課題】帯電ローラを備える画像形成装置において、転写残トナーに起因する画質の低下を抑制できる画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置の制御部は、転写後に感光ドラム52上に残った転写残トナーTが帯電バイアスと逆極性(負)に帯電しやすい条件でない場合は、トナー像をシートSに転写するときに、帯電バイアスと逆極性の回収バイアス(-500V)をクリーニングローラ55に印加して、感光ドラム52上の転写残トナーTをクリーニングローラ55によって回収させる。また、制御部は、転写残トナーTが帯電バイアスと逆極性に帯電しやすい条件である場合は、トナー像をシートSに転写するときに、帯電バイアスと同極性の補助帯電バイアス(+700V)をクリーニングローラ55に印加し、かつ、帯電バイアス(+1500V)を帯電ローラ53に印加して、感光ドラム52上の転写残トナーTを現像ローラ61によって回収させる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1感光ドラムと、
帯電バイアスが印加されることで前記第1感光ドラムを帯電させる第1帯電ローラと、
前記第1感光ドラムに接触した状態で現像バイアスが印加されることで帯電後の前記第1感光ドラムにトナーを供給して前記第1感光ドラムにトナー像を形成する第1現像ローラと、
前記第1感光ドラムに形成されたトナー像を被転写体に転写する第1転写ローラと、
転写後に前記第1感光ドラム上に残った第1転写残トナーを回収可能な第1クリーニングローラと、
制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記第1転写残トナーが帯電バイアスと逆極性に帯電しやすい条件であるか否かを判定し、
前記第1転写残トナーが帯電バイアスと逆極性に帯電しやすい条件でない場合は、トナー像を前記被転写体に転写するときに、帯電バイアスと逆極性の第1バイアスを前記第1クリーニングローラに印加して、前記第1転写残トナーを前記第1クリーニングローラによって回収させ、
前記第1転写残トナーが帯電バイアスと逆極性に帯電しやすい条件である場合は、トナー像を前記被転写体に転写するときに、帯電バイアスと同極性の第2バイアスを前記第1クリーニングローラに印加し、かつ、帯電バイアスを前記第1帯電ローラに印加して、前記第1転写残トナーを前記第1現像ローラによって回収させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記第1転写残トナーが帯電バイアスと逆極性に帯電しやすい条件である場合とは、湿度が所定湿度以下の場合であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第1転写残トナーが帯電バイアスと逆極性に帯電しやすい条件である場合とは、シートの両面に画像を形成するときの、第1面に画像を形成されたシートの第2面にトナー像を転写する場合であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第1転写残トナーが帯電バイアスと逆極性に帯電しやすい条件である場合とは、湿度が所定湿度以下であり、かつ、シートの両面に画像を形成するときの、第1面に画像を形成されたシートの第2面にトナー像を転写する場合であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
帯電バイアスは、+1500Vであり、
現像バイアスは、+300~+400Vであり、
第1バイアスは、-500Vであり、
第2バイアスは、+700Vであることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記所定湿度は、40%であることを特徴とする請求項2または請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記被転写体としてのシートの搬送方向において前記第1感光ドラムの上流に配置された、少なくとも1つの第2感光ドラムと、
前記第2感光ドラムに対応して設けられ、帯電バイアスが印加されることで前記第2感光ドラムを帯電させる第2帯電ローラと、
前記第2感光ドラムに対応して設けられ、前記第2感光ドラムに接触した状態で現像バイアスが印加されることで帯電後の前記第2感光ドラムにトナーを供給して前記第2感光ドラムにトナー像を形成する第2現像ローラと、
前記第2感光ドラムに対応して設けられ、前記第2感光ドラムに形成されたトナー像をシートに転写する第2転写ローラと、
前記第1感光ドラムおよび前記第2感光ドラムに接触する無端状のベルトと、を備え、
前記第2感光ドラムおよび前記第1感光ドラムと、前記ベルトとの間でシートを搬送することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記第2感光ドラムに対応して設けられ、転写後に前記第2感光ドラム上に残った第2転写残トナーを回収可能な第2クリーニングローラを備え、
前記制御部は、
前記第1転写残トナーが帯電バイアスと逆極性に帯電しやすい条件でない場合は、トナー像をシートに転写するときに、帯電バイアスと逆極性の第1バイアスを前記第2クリーニングローラに印加して、前記第2転写残トナーを前記第2クリーニングローラによって回収させ、
前記第1転写残トナーが帯電バイアスと逆極性に帯電しやすい条件である場合は、トナー像をシートに転写するときに、帯電バイアスと同極性の第2バイアスを前記第2クリーニングローラに印加し、かつ、帯電バイアスを前記第2帯電ローラに印加して、前記第2転写残トナーを前記第2現像ローラによって回収させることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感光ドラムを帯電させる帯電ローラを備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、感光ドラムと、感光ドラムを帯電させるスコロトロン型帯電器と、感光ドラムにトナーを供給しつつ、感光ドラム上の付着物を回収する現像ローラとを備える画像形成装置が知られている(特許文献1)。この画像形成装置においては、転写後に感光ドラム上に残った転写残トナーを、感光ドラムの回転に伴って、スコロトロン型帯電器により再帯電し、電位差により現像ローラで回収している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-016502号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、スコロトロン型帯電器の代わりに帯電ローラを備える画像形成装置においては、感光ドラム上の転写残トナーを転写ローラにより十分に再帯電できないことがある。特に、転写残トナーが、トナー本来の帯電極性とは逆の極性に帯電していたり、電荷を失っていたりすると、転写残トナーを転写ローラにより本来の帯電極性に十分に再帯電することが難しい。そのため、転写残トナーを現像ローラで回収しきれず、回収しきれなかった転写残トナーがシートに転写されることで、画質を低下させるおそれがある。
【0005】
そこで、帯電ローラを備える画像形成装置において、転写残トナーに起因する画質の低下を抑制できる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
画像形成装置は、第1感光ドラムと、帯電バイアスが印加されることで第1感光ドラムを帯電させる第1帯電ローラと、第1感光ドラムに接触した状態で現像バイアスが印加されることで帯電後の第1感光ドラムにトナーを供給して第1感光ドラムにトナー像を形成する第1現像ローラと、第1感光ドラムに形成されたトナー像を被転写体に転写する第1転写ローラと、転写後に第1感光ドラム上に残った第1転写残トナーを回収可能な第1クリーニングローラと、制御部と、を備える。
制御部は、第1転写残トナーが帯電バイアスと逆極性に帯電しやすい条件であるか否かを判定する。
制御部は、第1転写残トナーが帯電バイアスと逆極性に帯電しやすい条件でない場合は、トナー像を被転写体に転写するときに、帯電バイアスと逆極性の第1バイアスを第1クリーニングローラに印加して、第1転写残トナーを第1クリーニングローラによって回収させる。
制御部は、第1転写残トナーが帯電バイアスと逆極性に帯電しやすい条件である場合は、トナー像を被転写体に転写するときに、帯電バイアスと同極性の第2バイアスを第1クリーニングローラに印加し、かつ、帯電バイアスを第1帯電ローラに印加して、第1転写残トナーを第1現像ローラによって回収させる。
【0007】
第1転写残トナーが帯電バイアスと逆極性に帯電しやすい条件である場合に、第2バイアスを第1クリーニングローラに印加し、かつ、帯電バイアスを第1帯電ローラに印加することで、第1クリーニングローラと第1帯電ローラとによって第1転写残トナーを帯電バイアスと同極性に十分再帯電させることができる。これにより、第1転写残トナーを第1現像ローラで良好に回収できるので、第1転写残トナーに起因する画質の低下を抑制できる。
【0008】
第1転写残トナーが帯電バイアスと逆極性に帯電しやすい条件である場合とは、例えば、湿度が所定湿度以下の場合である。
【0009】
第1転写残トナーが帯電バイアスと逆極性に帯電しやすい条件である場合とは、例えば、シートの両面に画像を形成するときの、第1面に画像を形成されたシートの第2面にトナー像を転写する場合である。
【0010】
第1転写残トナーが帯電バイアスと逆極性に帯電しやすい条件である場合とは、例えば、湿度が所定湿度以下であり、かつ、シートの両面に画像を形成するときの、第1面に画像を形成されたシートの第2面にトナー像を転写する場合である。
【0011】
一例として、帯電バイアスは、+1500Vであり、現像バイアスは、+300~+400Vであり、第1バイアスは、-500Vであり、第2バイアスは、+700Vである。
【0012】
一例として、所定湿度は、40%である。
【0013】
画像形成装置は、被転写体としてのシートの搬送方向において第1感光ドラムの上流に配置された、少なくとも1つの第2感光ドラムと、第2感光ドラムに対応して設けられ、帯電バイアスが印加されることで第2感光ドラムを帯電させる第2帯電ローラと、第2感光ドラムに対応して設けられ、第2感光ドラムに接触した状態で現像バイアスが印加されることで帯電後の第2感光ドラムにトナーを供給して第2感光ドラムにトナー像を形成する第2現像ローラと、第2感光ドラムに対応して設けられ、第2感光ドラムに形成されたトナー像をシートに転写する第2転写ローラと、第1感光ドラムおよび第2感光ドラムに接触する無端状のベルトと、を備え、第2感光ドラムおよび第1感光ドラムと、ベルトとの間でシートを搬送する構成とできる。
【0014】
複数の感光ドラムとベルトとの間でシートを搬送しながら、トナー像をシートに転写する画像形成装置は、第1転写残トナーが帯電バイアスと逆極性に帯電しやすい構成であるので、第1転写残トナーを第1現像ローラで良好に回収できることで、第1転写残トナーに起因する画質の低下を効果的に抑制できる。
【0015】
画像形成装置は、第2感光ドラムに対応して設けられ、転写後に第2感光ドラム上に残った第2転写残トナーを回収可能な第2クリーニングローラを備える構成であってもよい。
制御部は、第1転写残トナーが帯電バイアスと逆極性に帯電しやすい条件でない場合は、トナー像をシートに転写するときに、帯電バイアスと逆極性の第1バイアスを第2クリーニングローラに印加して、第2転写残トナーを第2クリーニングローラによって回収させる構成とできる。
制御部は、第1転写残トナーが帯電バイアスと逆極性に帯電しやすい条件である場合は、トナー像をシートに転写するときに、帯電バイアスと同極性の第2バイアスを第2クリーニングローラに印加し、かつ、帯電バイアスを第2帯電ローラに印加して、第2転写残トナーを第2現像ローラによって回収させる構成とできる。
【0016】
転写残トナーが帯電バイアスと逆極性に帯電しやすい条件である場合に、第2バイアスを第2クリーニングローラに印加し、かつ、帯電バイアスを第2帯電ローラに印加することで、第2クリーニングローラと第2帯電ローラとによって第2転写残トナーを帯電バイアスと同極性に十分再帯電させることができる。これにより、第2転写残トナーを第2現像ローラで良好に回収できるので、第2転写残トナーに起因する画質の低下を抑制できる。
【発明の効果】
【0017】
帯電ローラを備える画像形成装置において、転写残トナーに起因する画質の低下を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】実施形態に係る画像形成装置を示す図である。
図2】画像形成部の要部とバイアス印加回路を説明する図である。
図3】接触離間機構を説明する図(a)~(c)である。
図4】第1クリーニング動作を説明する図(a)と、第3クリーニング動作を説明する図(b)である。
図5】制御部の動作の一例を示すフローチャートである。
図6】制御部の動作の一例を示す、図5に続くフローチャートである。
図7】制御部の動作を示すタイミングチャートであり、湿度が所定湿度以下でない場合を示す。
図8】制御部の動作を示すタイミングチャートであり、湿度が所定湿度以下である場合を示す。
図9】制御部の動作を示すタイミングチャートであり、シートの両面に画像を形成する場合を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に、実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に示すように、画像形成装置1は、被転写体としてのシートSにカラー画像またはモノクロ画像を形成可能なカラープリンタである。画像形成装置1は、画像形成装置本体としての筐体2と、シート供給部3と、画像形成部4と、シート搬送部8と、ベルトクリーナ90と、制御部100と、温湿度センサ101とを備える。
【0020】
シート供給部3は、シートSを収容するシートトレイ3Aと、押圧板3Bと、シート供給機構3Cとを備える。シート供給部3は、シートトレイ3A内のシートSを押圧板3Bによってシート供給機構3Cに寄せ、シート供給機構3Cによって1枚ずつ分離して画像形成部4に供給する。
【0021】
画像形成部4は、露光ユニット40と、カートリッジとしてのドラムユニット50と、4つの現像カートリッジ60と、転写ユニット70と、定着ユニット80とを備える。
【0022】
露光ユニット40は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色に対応した光源と、ポリゴンミラーと、レンズと、反射鏡とを備える。露光ユニット40は、一点鎖線で示す光ビームを感光ドラム52に照射することで、感光ドラム52の表面を露光する。
【0023】
ドラムユニット50は、フレーム51と、4つの感光ドラム52と、4つの帯電ローラ53と、4つの除電装置54と、4つのクリーニングローラ55と、紙粉回収ローラ56と、4つの帯電ローラクリーナ57とを備える。
【0024】
ドラムユニット50は、筐体2に着脱可能である。具体的には、ドラムユニット50は、フロントカバー2Aを開いた状態で、筐体2の開口を通して筐体2に着脱可能である。画像形成装置1は、ドラムユニット50を交換することで、感光ドラム52、帯電ローラ53などを交換可能である。
フレーム51は、感光ドラム52、帯電ローラ53などを保持している。
【0025】
図2に示すように、感光ドラム52は、イエローに対応する感光ドラム52Yと、マゼンタに対応する感光ドラム52Mと、シアンに対応する感光ドラム52Cと、ブラックに対応する感光ドラム52Kとを含む。本実施形態では、感光ドラム52Kが「第1感光ドラム」に相当し、感光ドラム52Y,52M,52Cが「第2感光ドラム」に相当する。
【0026】
感光ドラム52Y,52M,52Cは、画像形成部4におけるシートSの搬送方向において感光ドラム52Kの上流に配置されている。具体的には、画像形成部4におけるシートSの搬送方向において、感光ドラム52Cは、感光ドラム52Kの上流に配置され、感光ドラム52Mは、感光ドラム52Cの上流に配置され、感光ドラム52Yは、感光ドラム52Mの上流に配置されている。
【0027】
4つの感光ドラム52は、画像形成部4におけるシートSの搬送方向の上流から下流に向けて、感光ドラム52Y、感光ドラム52M、感光ドラム52C、感光ドラム52Kの順に並んで配置されている。具体的には、4つの感光ドラム52は、前から後に向けて、感光ドラム52Y、感光ドラム52M、感光ドラム52C、感光ドラム52Kの順に並んで配置されている。
【0028】
本明細書および図面においては、各色に対応する部材について、色を区別する場合には、符号にY,M,C,Kを付し、色を区別しない場合には、符号にY,M,C,Kを付さない。
【0029】
帯電ローラ53は、帯電バイアスVcが印加されることで感光ドラム52を帯電させる。帯電ローラ53は、感光ドラム52Yに対応して設けられた帯電ローラ53Yと、感光ドラム52Mに対応して設けられた帯電ローラ53Mと、感光ドラム52Cに対応して設けられた帯電ローラ53Cと、感光ドラム52Kに対応して設けられた帯電ローラ53Kとを含む。
【0030】
帯電ローラ53Yは、帯電バイアスVcが印加されることで感光ドラム52Yを帯電させる。帯電ローラ53Mは、帯電バイアスVcが印加されることで感光ドラム52Mを帯電させる。帯電ローラ53Cは、帯電バイアスVcが印加されることで感光ドラム52Cを帯電させる。帯電ローラ53Kは、帯電バイアスVcが印加されることで感光ドラム52Kを帯電させる。本実施形態では、帯電ローラ53Kが「第1帯電ローラ」に相当し、帯電ローラ53Y,53M,53Cが「第2帯電ローラ」に相当する。
【0031】
除電装置54は、転写後かつ帯電前の感光ドラム52の表面電位の絶対値を低下させる装置である。除電装置54は、感光ドラム52Yに対応して設けられた除電装置54Yと、感光ドラム52Mに対応して設けられた除電装置54Mと、感光ドラム52Cに対応して設けられた除電装置54Cと、感光ドラム52Kに対応して設けられた除電装置54Kとを含む。
【0032】
一例として、除電装置54は、それぞれ、光源と、光源からの光を感光ドラム52の表面に導くライトガイドとを備える。除電装置54は、感光ドラム52の表面のうち、転写ローラ74と対向する位置と、クリーニングローラ55と対向する位置との間の位置に光を照射して感光ドラム52の表面電位の絶対値を低下させる。本実施形態では、除電装置54は、感光ドラム52の表面電位を略0Vにする。
【0033】
クリーニングローラ55は、転写後に感光ドラム52上に残ったトナーを回収する。クリーニングローラ55は、感光ドラム52Yに対応して設けられたクリーニングローラ55Yと、感光ドラム52Mに対応して設けられたクリーニングローラ55Mと、感光ドラム52Cに対応して設けられたクリーニングローラ55Cと、感光ドラム52Kに対応して設けられたクリーニングローラ55Kとを含む。
【0034】
クリーニングローラ55Yは、転写後に感光ドラム52Y上に残った転写残トナーを回収可能である。クリーニングローラ55Mは、転写後に感光ドラム52M上に残った転写残トナーを回収可能である。クリーニングローラ55Cは、転写後に感光ドラム52C上に残った転写残トナーを回収可能である。クリーニングローラ55Kは、転写後に感光ドラム52K上に残った転写残トナーを回収可能である。
【0035】
本実施形態では、クリーニングローラ55Kが「第1クリーニングローラ」に相当し、クリーニングローラ55Y,55M,55Cが「第2クリーニングローラ」に相当する。また、感光ドラム52K上に残った転写残トナーが「第1転写残トナー」に相当し、感光ドラム52Y,52M,52C上に残った転写残トナーが「第2転写残トナー」に相当する。
【0036】
紙粉回収ローラ56は、クリーニングローラ55Yの表面に付着した紙粉を回収する。紙粉は、感光ドラム52と転写ベルト73との間を搬送されるシートSから、主に、シートSの搬送方向において最も上流に位置する感光ドラム52Yの表面に付着し、さらに、感光ドラム52Yからクリーニングローラ55Yの表面に付着しやすい。
【0037】
帯電ローラクリーナ57は、帯電ローラ53の表面に付着した付着物を回収する。帯電ローラクリーナ57は、帯電ローラ53Yに対応して設けられた帯電ローラクリーナ57Yと、帯電ローラ53Mに対応して設けられた帯電ローラクリーナ57Mと、帯電ローラ53Cに対応して設けられた帯電ローラクリーナ57Cと、帯電ローラ53Kに対応して設けられた帯電ローラクリーナ57Kとを含む。
【0038】
図1に示すように、現像カートリッジ60は、イエローのトナーを収容する現像カートリッジ60Yと、マゼンタのトナーを収容する現像カートリッジ60Mと、シアンのトナーを収容する現像カートリッジ60Cと、ブラックのトナーを収容する現像カートリッジ60Kとを含む。本実施形態では、トナーは、正帯電性の乾式トナーである。
【0039】
現像カートリッジ60は、それぞれ、現像ローラ61と、供給ローラ62と、層厚規制ブレード63と、トナーを収容する収容部64と、アジテータ65とを備える。現像カートリッジ60は、収容部64内のトナーをアジテータ65によって攪拌しながら、供給ローラ62に供給する。供給ローラ62に供給されたトナーは、現像ローラ61に供給され、回転する現像ローラ61と層厚規制ブレード63との間で一定の厚さに規制されて現像ローラ61上に担持される。
【0040】
現像カートリッジ60は、それぞれ、ドラムユニット50のフレーム51に着脱可能に支持されている。現像カートリッジ60は、ドラムユニット50を筐体2内から引き出した状態でフレーム51に着脱することで、個別に交換可能である。
【0041】
現像ローラ61は、帯電後の感光ドラム52にトナーを供給して感光ドラム52にトナー像を形成する。図2に示すように、現像ローラ61は、感光ドラム52Yに対応して設けられた現像ローラ61Yと、感光ドラム52Mに対応して設けられた現像ローラ61Mと、感光ドラム52Cに対応して設けられた現像ローラ61Cと、感光ドラム52Kに対応して設けられた現像ローラ61Kとを含む。
【0042】
現像ローラ61Yは、感光ドラム52Yに接触した状態で現像バイアスVdが印加されることで帯電後の感光ドラム52Yにイエローのトナーを供給して感光ドラム52Yにイエローのトナー像を形成する。現像ローラ61Mは、感光ドラム52Mに接触した状態で現像バイアスVdが印加されることで帯電後の感光ドラム52Mにマゼンタのトナーを供給して感光ドラム52Mにマゼンタのトナー像を形成する。
【0043】
現像ローラ61Cは、感光ドラム52Cに接触した状態で現像バイアスVdが印加されることで帯電後の感光ドラム52Cにシアンのトナーを供給して感光ドラム52Cにシアンのトナー像を形成する。現像ローラ61Kは、感光ドラム52Kに接触した状態で現像バイアスVdが印加されることで帯電後の感光ドラム52Kにブラックのトナーを供給して感光ドラム52Kにブラックのトナー像を形成する。
【0044】
本実施形態では、現像ローラ61Kが「第1現像ローラ」に相当し、現像ローラ61Y,61M,61Cが「第2現像ローラ」に相当する。
【0045】
現像ローラ61Yは、感光ドラム52Yに接触する接触位置と、感光ドラム52Yから離間する離間位置との間で移動可能である。現像ローラ61Mは、感光ドラム52Mに接触する接触位置と、感光ドラム52Mから離間する離間位置との間で移動可能である。現像ローラ61Cは、感光ドラム52Cに接触する接触位置と、感光ドラム52Cから離間する離間位置との間で移動可能である。現像ローラ61Kは、感光ドラム52Kに接触する接触位置と、感光ドラム52Kから離間する離間位置との間で移動可能である。
【0046】
具体的には、図3に示すように、各現像カートリッジ60は、ドラムユニット50のフレーム51(図1参照)に対して、図3(c)に示す第1位置と、図3(a)に示す第2位置との間で移動可能に支持されている。第1位置は、現像ローラ61が接触位置となる位置であり、第2位置は、現像ローラ61が離間位置となる位置である。
【0047】
図2に示すように、転写ユニット70は、駆動ローラ71と、従動ローラ72と、無端状のベルトとしての転写ベルト73と、4つの転写ローラ74とを備える。転写ベルト73は、駆動ローラ71と従動ローラ72とに架け渡され、感光ドラム52に接触している。転写ローラ74は、感光ドラム52との間で転写ベルト73を挟んでいる。画像形成装置1は、感光ドラム52と、転写ベルト73との間でシートSを前から後に向けて搬送する。
【0048】
転写ローラ74は、転写バイアスVtが印加されることで感光ドラム52に形成されたトナー像をシートSに転写する。転写ローラ74は、感光ドラム52Yに対応して設けられた転写ローラ74Yと、感光ドラム52Mに対応して設けられた転写ローラ74Mと、感光ドラム52Cに対応して設けられた転写ローラ74Cと、感光ドラム52Kに対応して設けられた転写ローラ74Kとを含む。
【0049】
転写ローラ74Yは、転写バイアスVtが印加されることで感光ドラム52Yに形成されたイエローのトナー像をシートSに転写する。転写ローラ74Mは、転写バイアスVtが印加されることで感光ドラム52Mに形成されたマゼンタのトナー像をシートSに転写する。転写ローラ74Cは、転写バイアスVtが印加されることで感光ドラム52Cに形成されたシアンのトナー像をシートSに転写する。転写ローラ74Kは、転写バイアスVtが印加されることで感光ドラム52Kに形成されたブラックのトナー像をシートSに転写する。
【0050】
本実施形態では、転写ローラ74Kが「第1転写ローラ」に相当し、転写ローラ74Y,74M,74Cが「第2転写ローラ」に相当する。
【0051】
図1に示すように、定着ユニット80は、シートSを加熱する加熱ローラ81と、加熱ローラ81との間でシートSを挟む加圧ローラ82とを備える。
【0052】
シート搬送部8は、第1搬送ローラ8Aと、第2搬送ローラ8Bと、排出ローラ8Cと、第3搬送ローラ8Dとを備える。第1搬送ローラ8Aは、加熱ローラ81と加圧ローラ82との間から排出されるシートSを第2搬送ローラ8Bに向けて搬送する。
【0053】
第2搬送ローラ8Bおよび排出ローラ8Cは、順回転することで、シートSを筐体2の外に向けて搬送する。また、第2搬送ローラ8Bおよび排出ローラ8Cは、シートSの両面に画像を形成するときには、逆回転することで、第1面に画像が形成されたシートSを再搬送経路8Eに向けて搬送する。
【0054】
第3搬送ローラ8Dは、シートSを画像形成部4に向けて搬送する。第3搬送ローラ8Dは、再搬送経路8E上に設けられている。再搬送経路8Eに案内されたシートSは、第3搬送ローラ8Dおよびシート供給機構3Cによって再び画像形成部4に供給される。
【0055】
ベルトクリーナ90は、転写ベルト73上のトナーを回収する。ベルトクリーナ90は、ベルトクリーニングローラ91と、回収ローラ92と、ブレード93と、貯留部94と、ベルトクリーニングローラ91との間で転写ベルト73を挟むバックアップローラ95とを備える。
【0056】
ベルトクリーニングローラ91は、ベルトクリーニングバイアスVbcが印加されることで転写ベルト73の表面に付着したトナーを回収する。回収ローラ92は、ベルトクリーニングローラ91上のトナーを回収する。ブレード93は、回収ローラ92上のトナーを掻き取る。貯留部94は、ブレード93によって回収ローラ92上から掻き落とされたトナーを収容する。
【0057】
図3に示すように、画像形成装置1は、接触離間機構200をさらに備える。接触離間機構200は、現像カートリッジ60Kを、図3(b),(c)に示す第1位置と、図3(a)に示す第2位置との間で移動させる。また、接触離間機構200は、現像カートリッジ60Y,60M,60Cを、図3(c)に示す第1位置と、図3(a),(b)に示す第2位置との間で移動させる。これにより、接触離間機構200は、現像ローラ61Kを接触位置と離間位置との間で移動させるとともに、現像ローラ61Y,61M,61Cを接触位置と離間位置との間で移動させる。接触離間機構200は、制御部100によって制御される。
【0058】
図2に示すように、画像形成装置1は、印加回路としての帯電バイアス印加回路110と、現像バイアス印加回路120と、転写バイアス印加回路130と、ドラムクリーニングバイアス印加回路140と、ベルトクリーニングバイアス印加回路150と、紙粉回収バイアス印加回路160とを備える。各バイアス印加回路110~160は、制御部100に接続され、制御部100によって制御される。
【0059】
帯電バイアス印加回路110は、帯電ローラ53に所定の電圧を印加する回路であり、帯電ローラ53に接続されている。帯電バイアス印加回路110は、帯電ローラ53に帯電バイアスVcを印加する。帯電バイアスVcは、帯電ローラ53と感光ドラム52との間で放電を発生させて感光ドラム52の表面を所定の電位に帯電させるバイアスである。本実施形態では、帯電バイアスVcは、正のバイアスである。一例として、帯電バイアスVcは、+1500Vである。
【0060】
現像バイアス印加回路120は、現像ローラ61に現像バイアスVdを印加する回路であり、現像ローラ61に接続されている。現像バイアスVdは、現像ローラ61上に担持されたトナーを、現像ローラ61から感光ドラム52上の静電潜像に移動させるバイアスである。現像バイアスVdは、帯電バイアスVcと同極性のバイアスである。本実施形態では、現像バイアスVdは、正のバイアスである。一例として、現像バイアスVdは、+300~+400Vである。
【0061】
転写バイアス印加回路130は、転写ローラ74に転写バイアスVtを印加する回路であり、転写ローラ74に接続されている。転写バイアスVtは、感光ドラム52上のトナーを、感光ドラム52からシートSまたは転写ベルト73に移動させるバイアスである。転写バイアスVtは、帯電バイアスVcと逆極性のバイアスである。本実施形態では、転写バイアスVtは、負のバイアスである。一例として、転写バイアスVtは、-1000~-2000Vである。
【0062】
ドラムクリーニングバイアス印加回路140は、クリーニングローラ55に第1バイアスとしての回収バイアスVaを印加する回路であり、クリーニングローラ55に接続されている。回収バイアスVaは、転写後に感光ドラム52上に残った転写残トナーを、感光ドラム52からクリーニングローラ55に移動させるバイアスである。回収バイアスVaは、帯電バイアスVcと逆極性のバイアスである。本実施形態では、回収バイアスVaは、負のバイアスである。一例として、回収バイアスVaは、-500Vである。
【0063】
また、ドラムクリーニングバイアス印加回路140は、クリーニングローラ55に吐出バイアスVbを印加可能である。吐出バイアスVbは、クリーニングローラ55が回収したトナーを、クリーニングローラ55から感光ドラム52に移動させるバイアスである。吐出バイアスVbは、帯電バイアスVcと同極性のバイアスである。本実施形態では、吐出バイアスVbは、正のバイアスである。一例として、吐出バイアスVbは、+500Vである。
【0064】
また、ドラムクリーニングバイアス印加回路140は、クリーニングローラ55に第2バイアスとしての補助帯電バイアスVcaを印加可能である。補助帯電バイアスVcaは、帯電バイアスVcと同極性のバイアスである。本実施形態では、補助帯電バイアスVcaは、正のバイアスである。一例として、補助帯電バイアスVcaは、+700Vである。
【0065】
ベルトクリーニングバイアス印加回路150は、ベルトクリーニングローラ91にベルトクリーニングバイアスVbcを印加する回路であり、ベルトクリーニングローラ91に接続されている。ベルトクリーニングバイアスVbcは、転写ベルト73上に付着したトナーを、転写ベルト73からベルトクリーニングローラ91に移動させるバイアスである。ベルトクリーニングバイアスVbcは、帯電バイアスVcと逆極性のバイアスである。本実施形態では、ベルトクリーニングバイアスVbcは、負のバイアスである。
【0066】
紙粉回収バイアス印加回路160は、紙粉回収ローラ56に紙粉回収バイアスVpを印加する回路であり、紙粉回収ローラ56に接続されている。紙粉回収バイアスVpは、クリーニングローラ55Y上に付着した紙粉を、クリーニングローラ55Yから紙粉回収ローラ56に移動させるバイアスである。本実施形態では、紙粉回収バイアスVpは、正のバイアスである。
【0067】
制御部100は、CPU、RAM、ROM、入出力回路などを備える。制御部100は、ROMなどに記憶されたプログラム、データに基づいて演算処理を実行することで、制御を実行する。温湿度センサ101(図1参照)は、筐体2(画像形成装置1)内の、温度および湿度を検出するセンサである。温湿度センサ101は、制御部100に接続され、検出結果を制御部100に出力する。
【0068】
制御部100は、カラー印刷モードと、モノクロ印刷モードとを実行可能である。カラー印刷モードは、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナーを用いてシートSにカラー画像を形成するモードである。モノクロ印刷モードは、ブラックのトナーのみを用いてシートSにモノクロ画像を形成するモードである。
【0069】
制御部100は、カラー印刷モードにおいて、カラー画像転写動作を実行する。カラー画像転写動作は、現像ローラ61Kを接触位置に位置させ、現像ローラ61Y,61M,61Cを接触位置に位置させてシートSにカラー画像を転写する動作である。言い換えると、カラー画像転写動作は、すべての現像ローラ61を接触位置に位置させてシートSにカラー画像を転写する動作である。
【0070】
画像形成装置1は、印刷の指令や画像データを含む印刷ジョブが入力される前の待機状態にあるとき、すべての現像ローラ61が離間位置に位置している(図3(a)参照)。
制御部100は、カラー印刷モードを実行する場合、接触離間機構200を制御して、4つの現像ローラ61を離間位置から接触位置に移動させる(図3(c)参照)。
【0071】
次に、制御部100は、感光ドラム52を回転させながら、感光ドラム52の表面を帯電ローラ53によって帯電させる。このとき、制御部100は、帯電バイアス印加回路110を制御して、帯電バイアスVcを帯電ローラ53に印加する。
【0072】
次に、制御部100は、帯電後の感光ドラム52の表面を露光ユニット40からの画像データに基づく光ビームによって露光することで、感光ドラム52上に画像データに基づく静電潜像を形成する。
【0073】
次に、制御部100は、感光ドラム52に、現像ローラ61からトナーを供給して感光ドラム52上の静電潜像を可視像化することで、感光ドラム52上にトナー像を形成する。このとき、制御部100は、現像バイアス印加回路120を制御して、現像バイアスVdを現像ローラ61に印加する。
【0074】
次に、制御部100は、シート供給部3から供給されたシートSを、感光ドラム52と転写ベルト73との間で搬送することで、感光ドラム52上に形成されたトナー像をシートSにイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの順に転写する。このとき、制御部100は、転写バイアス印加回路130を制御して、転写バイアスVtを転写ローラ74に印加する。
【0075】
次に、制御部100は、トナー像が転写されたシートSを、加熱ローラ81と加圧ローラ82との間で搬送することで、シートSにトナー像を定着してシートSにカラー画像を形成する。
【0076】
シートSの片面のみに画像を形成する場合、制御部100は、画像が形成されたシートSを、第1搬送ローラ8A、第2搬送ローラ8Bおよび排出ローラ8Cによって排出トレイ2Bに排出する。
【0077】
シートSの両面に画像を形成する場合、制御部100は、シートSが排出ローラ8Cにニップされている状態で、排出ローラ8Cと第2搬送ローラ8Bを逆回転させ、シートSを再搬送経路8Eに案内する。その後、制御部100は、シートSを、第3搬送ローラ8Dとシート供給機構3Cとによって再び画像形成部4に供給し、画像形成部4でシートSに画像を形成する。そして、制御部100は、両面に画像が形成されたシートSを、第1搬送ローラ8A、第2搬送ローラ8Bおよび排出ローラ8Cによって排出トレイ2Bに排出する。
【0078】
制御部100は、モノクロ印刷モードにおいて、モノクロ画像転写動作を実行する。モノクロ画像転写動作は、現像ローラ61Kを接触位置に位置させ、現像ローラ61Y,61M,61Cを離間位置に位置させてシートSにモノクロ画像を転写する動作である。言い換えると、モノクロ画像転写動作は、現像ローラ61Kのみを接触位置に位置させてシートSにモノクロ画像を転写する動作である。
【0079】
制御部100は、モノクロ印刷モードを実行する場合、接触離間機構200を制御して、現像ローラ61Kのみを離間位置から接触位置に移動させる(図3(b)参照)。
【0080】
次に、制御部100は、感光ドラム52を回転させながら、感光ドラム52の表面を帯電ローラ53によって帯電させる。このとき、制御部100は、帯電バイアス印加回路110を制御して、帯電バイアスVcを帯電ローラ53に印加する。
【0081】
次に、制御部100は、帯電後の感光ドラム52Kの表面を露光ユニット40からの画像データに基づく光ビームによって露光することで、感光ドラム52K上に画像データに基づく静電潜像を形成する。制御部100は、感光ドラム52Y,52M,52Cについては、露光しない。
【0082】
次に、制御部100は、感光ドラム52Kに、現像ローラ61Kからトナーを供給して感光ドラム52上の静電潜像を現像することで、感光ドラム52K上にトナー像を形成する。このとき、制御部100は、現像バイアス印加回路120を制御して、現像バイアスVdを現像ローラ61Kに印加する。制御部100は、現像ローラ61Y,61M,61Cについては、現像バイアスVdを印加しない。
【0083】
次に、制御部100は、シート供給部3から供給されたシートSを、感光ドラム52と転写ベルト73との間で搬送することで、感光ドラム52K上に形成されたブラックのトナー像をシートSに転写する。このとき、制御部100は、転写バイアス印加回路130を制御して、転写バイアスVtを転写ローラ74に印加する。
【0084】
次に、制御部100は、トナー像が転写されたシートSを、加熱ローラ81と加圧ローラ82との間で搬送することで、シートSにトナー像を定着してシートSにモノクロ画像を形成する。
【0085】
シートSの片面のみに画像を形成する場合、制御部100は、画像が形成されたシートSを排出トレイ2Bに排出する。シートSの両面に画像を形成する場合、制御部100は、シートSを、再び画像形成部4に供給し、画像形成部4でシートSに画像を形成し、両面に画像が形成されたシートSを排出トレイ2Bに排出する。
【0086】
制御部100は、第1クリーニング動作と、第2クリーニング動作とを実行可能である。
第1クリーニング動作は、感光ドラム52を回転させながら、転写後に感光ドラム52上に残った転写残トナーをクリーニングローラ55で回収する動作である。制御部100は、カラー画像転写動作を実行しているとき、および、モノクロ画像転写動作を実行しているときのそれぞれにおいて、第1クリーニング動作を実行可能である。
【0087】
第1クリーニング動作では、制御部100は、感光ドラム52K上のトナー像をシートSに転写するときに、回収バイアスVaをクリーニングローラ55Kに印加して、感光ドラム52K上の転写残トナーをクリーニングローラ55Kによって回収させる。また、制御部100は、感光ドラム52Y,52M,52C上のトナー像をシートSに転写するときに、回収バイアスVaをクリーニングローラ55Y,55M,55Cに印加して、感光ドラム52Y,52M,52C上の転写残トナーをクリーニングローラ55Y,55M,55Cによって回収させる。
【0088】
第2クリーニング動作は、感光ドラム52を回転させながら、クリーニングローラ55が回収したトナーを感光ドラム52および転写ベルト73を介してベルトクリーナ90で回収する動作である。制御部100は、カラー画像転写動作の後、および、モノクロ画像転写動作の後のそれぞれにおいて、第2クリーニング動作を実行する。
【0089】
第2クリーニング動作では、制御部100は、感光ドラム52、転写ベルト73を回転させながら、現像ローラ61を離間位置に位置させる。次に、制御部100は、クリーニングローラ55に吐出バイアスVbを印加し転写ローラ74に転写バイアスVtを印加し、ベルトクリーニングローラ91にベルトクリーニングバイアスVbcを印加する。
【0090】
これにより、制御部100は、クリーニングローラ55上のトナーを感光ドラム52に移動させ、感光ドラム52上トナーを転写ベルト73に移動させ、転写ベルト73上のトナーをベルトクリーニングローラ91に移動させる。ベルトクリーニングローラ91上に移動したトナーは、回収ローラ92とブレード93とによって貯留部94内に回収される。
【0091】
制御部100は、吐出バイアスVbの印加を開始してから第1時間T1が経過したときに、吐出バイアスVbの印加を停止する(図7参照)。これにより、クリーニングローラ55上のトナーが感光ドラム52に移動しなくなる。第1時間T1は、クリーニングローラ55上のトナーを、クリーニングローラ55から感光ドラム52に十分に移動させることが可能な時間に設定されている。具体的には、第1時間T1は、クリーニングローラ55が1回転する時間以上の長さの時間である。本実施形態では、一例として、第1時間T1は、クリーニングローラ55が9回転する時間である。
【0092】
制御部100は、吐出バイアスVbの印加を停止してから第2時間T2が経過したときに転写バイアスVtの印加を停止する(図7参照)。これにより、感光ドラム52上のトナーが転写ベルト73に移動しなくなる。第2時間T2は、感光ドラム52Yの、クリーニングローラ55Yと対向する部分が、感光ドラム52Yの回転によって、転写ベルト73と対向する位置まで移動する時間と、転写ベルト73の、感光ドラム52Yと対向する部分が、転写ベルト73の回転によって、感光ドラム52Kと対向する位置まで移動する時間との和以上の長さの時間である。
【0093】
制御部100は、転写バイアスVtの印加を停止してから第3時間T3が経過したときに、ベルトクリーニングバイアスVbcの印加を停止し、第2クリーニング動作を終了する(図7参照)。ベルトクリーニングバイアスVbcの印加を停止することで、転写ベルト73上のトナーがベルトクリーニングローラ91に移動しなくなる。第3時間T3は、転写ベルト73の、感光ドラム52Kと対向する部分が、転写ベルト73の回転によって、ベルトクリーニングローラ91と対向する位置まで移動する時間以上の長さの時間である。
【0094】
制御部100は、第3クリーニング動作と、判定動作とをさらに実行可能である。
第3クリーニング動作は、感光ドラム52を回転させながら、転写後に感光ドラム52上に残った転写残トナーを現像ローラ61で回収する動作である。制御部100は、カラー画像転写動作を実行しているとき、および、モノクロ画像転写動作を実行しているときのそれぞれにおいて、第3クリーニング動作を実行可能である。
【0095】
第3クリーニング動作では、制御部100は、感光ドラム52K上のトナー像をシートSに転写するときに、補助帯電バイアスVcaをクリーニングローラ55Kに印加し、かつ、帯電バイアスVcを帯電ローラ53Kに印加して、感光ドラム52K上の転写残トナーを現像ローラ61Kによって回収させる。また、制御部100は、感光ドラム52Y,52M,52C上のトナー像をシートSに転写するときに、補助帯電バイアスVcaをクリーニングローラ55Y,55M,55Cに印加し、かつ、帯電バイアスVcを帯電ローラ53Y,53M,53Cに印加して、感光ドラム52Y,52M,52C上の転写残トナーを現像ローラ61Y,61M,61Cによって回収させる。
【0096】
判定動作は、感光ドラム52上の転写残トナーが帯電バイアスVcと逆極性に帯電しやすい条件であるか否かを判定する動作である。言い換えると、判定動作は、転写残トナーが負帯電しやすい条件であるか否かを判定する動作である。本実施形態において、転写残トナーが負帯電しやすい条件とは、感光ドラム52上のトナー像をシートSに転写するときに、シートSが乾燥していることである。
【0097】
具体的には、転写残トナーが負帯電しやすい条件である場合とは、画像形成装置1内の湿度が所定湿度以下の場合である。画像形成装置1内の湿度が所定湿度以下の場合、シートSは、乾燥している。一例として、所定湿度は、40%である。
【0098】
また、転写残トナーが負帯電しやすい条件である場合とは、シートSの両面に画像を形成するときの、第1面に画像を形成されたシートSの第2面にトナー像を転写する場合である。シートSの両面に画像を形成するとき、第1面に画像を形成されたシートSは、第1面に転写されたトナー像を定着するとき定着ユニット80を通過して加熱されることで水分が抜けるため、乾燥している。
【0099】
制御部100は、転写残トナーが負帯電しやすい条件でない場合は、感光ドラム52上のトナー像をシートSに転写するときに、第1クリーニング動作を実行する。本実施形態では、制御部100は、画像形成装置1内の湿度が40%以下でなく、かつ、シートSの第2面へのトナー像の転写でない場合、感光ドラム52上のトナー像をシートSに転写するときに、第1クリーニング動作を実行する。
【0100】
図4(a)に示すように、第1クリーニング動作を実行しているとき、帯電ローラ53には帯電バイアスVc(+1500V)が印加され、現像ローラ61には現像バイアスVd(+300~+400V)が印加され、転写ローラ74には転写バイアスVt(-1000~-2000V)が印加され、クリーニングローラ55には回収バイアスVa(-500V)が印加されている。
【0101】
転写残トナーTが負帯電しやすい条件でない場合、転写残トナーTは、正に帯電している(黒丸参照)。正に帯電している転写残トナーTは、負の回収バイアスVa(-500V)が印加されたクリーニングローラ55によって回収される。
【0102】
制御部100は、転写残トナーが負帯電しやすい条件である場合は、感光ドラム52上のトナー像をシートSに転写するときに、第3クリーニング動作を実行する。本実施形態では、制御部100は、画像形成装置1内の湿度が40%以下である場合、感光ドラム52上のトナー像をシートSに転写するときに、第3クリーニング動作を実行する。また、制御部100は、シートSの第2面へのトナー像の転写である場合、感光ドラム52上のトナー像をシートSに転写するときに、第3クリーニング動作を実行する。
【0103】
図4(b)に示すように、第3クリーニング動作を実行しているとき、帯電ローラ53には帯電バイアスVc(+1500V)が印加され、現像ローラ61には現像バイアスVd(+300~+400V)が印加され、転写ローラ74には転写バイアスVt(-1000~-2000V)が印加され、クリーニングローラ55には補助帯電バイアスVca(+700V)が印加されている。
【0104】
転写残トナーTが負帯電しやすい条件である場合、転写残トナーTは、負に帯電していたり、電荷を失っていたりする(白丸参照)。このような転写残トナーTは、正の補助帯電バイアスVcaが印加されたクリーニングローラ55と、感光ドラム52との間を通過するときに正に帯電する。
【0105】
さらに、トナーTは、帯電バイアスVcが印加された帯電ローラ53と、感光ドラム52との間を通過するときに十分な帯電量で正に帯電する。正に再帯電した転写残トナーTは、感光ドラム52と、接触位置に位置する現像ローラ61との間に形成された電位差によって現像ローラ61で回収される。
【0106】
なお、もともと正に帯電していた転写残トナーは、第3クリーニング動作を実行しているときには、クリーニングローラ55によっては回収されないが、現像ローラ61で回収される。また、もともとクリーニングローラ55によって回収されていた、正に帯電しているトナーは、補助帯電バイアスVcaが印加されることで感光ドラム52に移動するが、現像ローラ61で回収される。
【0107】
次に、制御部100の動作の一例について、フローチャートを参照しながら説明する。
図5に示すように、制御部100は、印刷ジョブが入力された場合、感光ドラム52を回転させる(S11)。また、制御部100は、画像形成装置1内の湿度が40%以下であるか否かを判定する(S12)。
【0108】
湿度が40%以下でない場合(S12,No)、制御部100は、シートSの第2面へのトナー像の転写であるか否かを判定する(S13)。シートSの第2面へのトナー像の転写でない場合(S13,No)、制御部100は、ステップS14を実行する。ステップS14において、制御部100は、帯電ローラ53に帯電バイアスVcを印加し、画像形成に用いる現像ローラ61に現像バイアスVdを印加し、転写ローラ74に転写バイアスVtを印加し、クリーニングローラ55に回収バイアスVaを印加し、ベルトクリーニングローラ91にベルトクリーニングバイアスVbcを印加する。
【0109】
一方、ステップS12において湿度が40%以下である場合(Yes)、または、ステップS13においてシートSの第2面へのトナー像の転写である場合(Yes)、制御部100は、ステップS15を実行する。ステップS15において、制御部100は、帯電ローラ53に帯電バイアスVcを印加し、画像形成に用いる現像ローラ61に現像バイアスVdを印加し、転写ローラ74に転写バイアスVtを印加し、クリーニングローラ55に補助帯電バイアスVcaを印加し、ベルトクリーニングローラ91にベルトクリーニングバイアスVbcを印加する。
【0110】
次に、制御部100は、画像形成に用いる現像ローラ61が接触位置に位置しているか否かを判定する(S16)。現像ローラ61が接触位置に位置していない場合(S16,No)、制御部100は、現像ローラ61を離間位置から接触位置に移動させる(S17)。現像ローラ61が接触位置に移動したら、制御部100は、ステップS18を実行する。現像ローラ61が接触位置に位置している場合(S16,Yes)、制御部100は、ステップS18を実行する。
【0111】
ステップS18において、制御部100は、シートSへの画像形成を実行する。シートSの一方の面への画像形成が終了したら、制御部100は、画像形成が終了したか否かを判定する(S19)。シートSの他方の面(第2面)に画像形成する場合、または、次のシートSがある場合のように、画像形成が終了していない場合(S19,No)、制御部100は、ステップS12を実行する。
【0112】
画像形成が終了した場合(S19,Yes)、制御部100は、現像ローラ61を接触位置から離間位置に移動させる(S20)。その後、図6に示すように、制御部100は、第2クリーニング動作を実行する。
【0113】
具体的には、制御部100は、現像バイアスVdの印加を停止するとともに、クリーニングローラ55に吐出バイアスVbを印加する(S21)。制御部100は、吐出バイアスVbの印加を開始してから第1時間T1が経過した場合(S22,Yes)、吐出バイアスVbの印加を停止して、クリーニングローラ55に回収バイアスVaを印加する(S23)。
【0114】
制御部100は、吐出バイアスVbの印加を停止してから第2時間T2が経過した場合(S24,Yes)、転写バイアスVtの印加を停止する(S25)。制御部100は、転写バイアスVtの印加を停止してから第3時間T3が経過した場合(S26,Yes)、感光ドラム52を停止させるとともに、帯電バイアスVc、回収バイアスVa、ベルトクリーニングバイアスVbcの印加を停止して(S27)、図5に示す動作を終了する。
【0115】
次に、制御部100の動作の一例について、タイミングチャートを参照しながら説明する。
【0116】
図7に示すように、制御部100は、印刷ジョブが入力され、画像形成装置1内の湿度が40%以下でない場合、感光ドラム52を回転させるとともに、帯電バイアスVc、現像バイアスVd、転写バイアスVt、ベルトクリーニングバイアスVbcを印加する(t11)。また、制御部100は、クリーニングローラ55に回収バイアスVaを印加する。
【0117】
次に、制御部100は、画像形成に用いる現像ローラ61を離間位置から接触位置に移動させる(t12~t13)。その後、制御部100は、シートSへの画像形成と、第1クリーニング動作とを実行する(t14~t15)。画像形成が終了したら、制御部100は、現像ローラ61を接触位置から離間位置に移動させる(t16~t17)。
【0118】
その後、制御部100は、現像バイアスVdの印加を停止し、クリーニングローラ55に吐出バイアスVbを印加して第2クリーニング動作を開始する(t18)。制御部100は、吐出バイアスVbの印加を開始してから第1時間T1が経過したときに、吐出バイアスVbの印加を停止して、クリーニングローラ55に回収バイアスVaを印加する(t19)。
【0119】
制御部100は、吐出バイアスVbの印加を停止してから第2時間T2が経過したときに転写バイアスVtの印加を停止する(t20)。そして、制御部100は、転写バイアスVtの印加を停止してから第3時間T3が経過したときに帯電バイアスVc、回収バイアスVa、ベルトクリーニングバイアスVbcの印加を停止して第2クリーニング動作を終了し、感光ドラム52を停止させる(t21)。
【0120】
図8に示すように、制御部100は、印刷ジョブが入力され、画像形成装置1内の湿度が40%以下である場合、感光ドラム52を回転させるとともに、帯電バイアスVc、現像バイアスVd、転写バイアスVt、ベルトクリーニングバイアスVbcを印加する(t31)。また、制御部100は、クリーニングローラ55に補助帯電バイアスVcaを印加する。
【0121】
次に、制御部100は、画像形成に用いる現像ローラ61を離間位置から接触位置に移動させる(t32~t33)。その後、制御部100は、シートSへの画像形成と、第3クリーニング動作とを実行する(t34~t35)。画像形成が終了したら、制御部100は、現像ローラ61を接触位置から離間位置に移動させる(t36~t37)。
【0122】
その後、制御部100は、現像バイアスVdの印加を停止し、クリーニングローラ55に吐出バイアスVbを印加して第2クリーニング動作を実行する(t38~t39)。
【0123】
図9に示すように、制御部100は、印刷ジョブが入力され、画像形成装置1内の湿度が40%以下でない場合、感光ドラム52を回転させるとともに、帯電バイアスVc、現像バイアスVd、転写バイアスVt、ベルトクリーニングバイアスVbcを印加する(t51)。また、制御部100は、クリーニングローラ55に回収バイアスVaを印加する。
【0124】
次に、制御部100は、画像形成に用いる現像ローラ61を離間位置から接触位置に移動させる(t52~t53)。その後、制御部100は、シートSへの画像形成と、第1クリーニング動作とを開始する(t54)。
【0125】
画像形成の実行中に、1枚目のシートSの第2面に画像形成する場合、制御部100は、クリーニングローラ55に補助帯電バイアスVcaを印加し(t55)、第3クリーニング動作を実行する。また、2枚目のシートSの第1面に画像形成する場合、制御部100は、クリーニングローラ55に回収バイアスVaを印加し(t56)、第1クリーニング動作を実行する。また、2枚目のシートSの第2面に画像形成する場合、制御部100は、クリーニングローラ55に補助帯電バイアスVcaを印加し(t57)、第3クリーニング動作を実行する。
【0126】
画像形成が終了したら(t58)、制御部100は、現像ローラ61を接触位置から離間位置に移動させる(t59~t60)。その後、制御部100は、現像バイアスVdの印加を停止し、クリーニングローラ55に吐出バイアスVbを印加して(t61)、第2クリーニング動作を実行する。
【0127】
上述の画像形成装置1によれば、図4(b)に示すように、転写残トナーTが負に帯電しやすい条件である場合に、補助帯電バイアスVca(+700V)をクリーニングローラ55に印加し、かつ、帯電バイアスVc(+1500V)を帯電ローラ53に印加することで、クリーニングローラ55と帯電ローラ53とによって転写残トナーTを正に十分再帯電させることができる。これにより、転写残トナーTを現像ローラ61で良好に回収できるので、転写残トナーTに起因する画質の低下を抑制できる。
【0128】
特に、複数の感光ドラム52と転写ベルト73との間でシートSを搬送しながら、トナー像をシートSに転写する画像形成装置1は、転写残トナーTが負帯電しやすい構成であるので、転写残トナーTを現像ローラ61で良好に回収できることで、転写残トナーTに起因する画質の低下を効果的に抑制できる。
【0129】
また、負に帯電していたり、電荷を失っていたりする転写残トナーTが、補助帯電バイアスVcaが印加されたクリーニングローラ55と、感光ドラム52との間を通過するときに正に帯電することで、転写残トナーTが帯電ローラ53に付着するのを抑制できる。
【0130】
以上、実施形態について説明したが、画像形成装置は以下に例示するように適宜変形して実施することができる。
【0131】
前記実施形態では、転写残トナーが負帯電しやすい条件である場合として、画像形成装置1内の湿度が所定湿度以下である場合を例示したが、例えば、転写残トナーが負帯電しやすい条件である場合とは、画像形成装置外の湿度が所定湿度以下である場合であってもよい。なお、画像形成装置内の湿度についての所定湿度と、画像形成装置外の湿度についての所定湿度とは、同じ閾値であってもよいし、異なる閾値であってもよい。
【0132】
前記実施形態では、湿度が所定湿度以下の場合、または、シートSの第2面にトナー像を転写する場合に、第3クリーニング動作を実行したが、例えば、湿度が所定湿度以下であり、かつ、シートSの第2面にトナー像を転写する場合に、第3クリーニング動作を実行してもよい。言い換えると、転写残トナーが負帯電しやすい条件である場合とは、湿度が所定湿度以下であり、かつ、シートSの両面に画像を形成するときの、第1面に画像を形成されたシートSの第2面にトナー像を転写する場合であってもよい。
【0133】
前記実施形態では、無端状のベルトが、感光ドラム52との間でシートSを搬送する転写ベルト73であったが、例えば、ベルトは、感光ドラムから転写されたトナー像をシートなどに転写する中間転写ベルトであってもよい。また、前記実施形態では、感光ドラム52に形成されたトナー像が転写される被転写体が、シートSであったが、例えば、被転写体は、中間転写ベルトであってもよい。言い換えると、被転写体は、無端状のベルトであってもよい。
【0134】
前記実施形態では、画像形成装置1が第2クリーニングローラ(55Y,55M,55C)を備えていたが、例えば、画像形成装置は、第2クリーニングローラを備えず、第1クリーニングローラのみを備える構成であってもよい。
【0135】
前記実施形態では、画像形成装置1が3つの第2感光ドラム(52Y,52M,52C)を備えていたが、例えば、画像形成装置は、1つの第2感光ドラムを備える構成であってもよいし、2つの第2感光ドラムを備える構成であってもよい。また、画像形成装置は、4つ以上の第2感光ドラムを備える構成であってもよい。
【0136】
また、画像形成装置は、第2感光ドラムを備えず、第1感光ドラムのみを備える構成であってもよい。言い換えると、画像形成装置は、被転写体にモノクロ画像のみを形成可能なモノクロプリンタであってもよい。また、前記実施形態では、画像形成装置1がプリンタであったが、例えば、画像形成装置は、複写機であってもよいし、複合機であってもよい。
【0137】
前記実施形態では、トナーが正帯電性であり、帯電バイアスVcが正のバイアスであったが、例えば、トナーが負帯電性であり、帯電バイアスが負のバイアスであってもよい。
【0138】
前記した実施形態および変形例で説明した各要素は、任意に組み合わせて実施してもよい。
【符号の説明】
【0139】
1 画像形成装置
52Y,52M,52C,52K 感光ドラム
53Y,53M,53C,53K 帯電ローラ
55Y,55M,55C,55K クリーニングローラ
61Y,61M,61C,61K 現像ローラ
73 転写ベルト
74Y,74M,74C,74K 転写ローラ
100 制御部
S シート
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9