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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024115442
(43)【公開日】2024-08-26
(54)【発明の名称】双方向データ伝送回路
(51)【国際特許分類】
   G11C 7/10 20060101AFI20240819BHJP
   G11C 16/26 20060101ALI20240819BHJP
   G11C 16/04 20060101ALI20240819BHJP
   H03B 5/32 20060101ALI20240819BHJP
【FI】
G11C7/10 300
G11C7/10 450
G11C7/10 525
G11C16/26
G11C16/04 170
H03B5/32 J
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023021141
(22)【出願日】2023-02-14
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-09-27
(71)【出願人】
【識別番号】523053060
【氏名又は名称】小池 秀治
(74)【代理人】
【識別番号】110002435
【氏名又は名称】弁理士法人井上国際特許商標事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100077919
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 義雄
(74)【代理人】
【識別番号】100172638
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 隆治
(74)【代理人】
【識別番号】100153899
【弁理士】
【氏名又は名称】相原 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100159363
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 淳子
(72)【発明者】
【氏名】小池 秀治
【テーマコード(参考)】
5B225
5J079
【Fターム(参考)】
5B225CA02
5B225DA09
5B225EA05
5B225EF11
5B225EF13
5B225FA02
5J079AA04
5J079BA24
5J079EA18
5J079FA05
5J079FA14
5J079FA23
5J079FB09
5J079GA04
5J079JA06
(57)【要約】
【課題】CMOS論理回路との親和性の良い検出回路を使い、設計が容易で安定した動作が得られる信号伝送回路を提供する。
【解決手段】本発明の双方向データ伝送回路は、データを2つの小振幅信号の小振幅差動電圧信号として伝送する第一と第二の小振幅信号線(2、3)と、第一と第二の小振幅信号線(2、3)を短絡する短絡MOSトランジスタ1と、第一と第二の小振幅信号線(2、3)に選択的に接続され、相互に、双方向にデータを送受信する複数の入出力回路(13、20等)と、を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
データを2つの小振幅信号の小振幅差動電圧信号として伝送する第一と第二の小振幅信号線と、前記第一と第二の小振幅信号線を短絡する短絡MOSトランジスタと、前記第一と第二の小振幅信号線に選択的に接続され、相互に、双方向にデータを送受信する複数の入出力回路と、を含む双方向データ伝送回路であって、
前記各入出力回路は、
それぞれ、前記第一と第二の小振幅信号線からの小振幅信号を入出力する第一と第二の小振幅信号入出力端子と、それぞれ、前記第一と第二の小振幅信号入出力端子を介して電流を入出力し小振幅信号選択信号で導通制御される第一と第二のMOSトランジスタと、それぞれ、前記第一と第二のMOSトランジスタに並列に接続された第一と第二のコンデンサと、大振幅信号を入出力する第一と第二の大振幅信号入出力端子と、データ検出回路と、を含み、
前記データ検出回路は、
それぞれ、前記第一と第二のMOSトランジスタを介してまたは前記第一と第二の大振幅入出力端子を介して電流を入出力する第一と第二の入出力端子と、それぞれ、出力端子が前記第一と第二の入出力端子に接続された第一と第二のCMOSインバータと、前記第一と第二のCMOSインバータの入力端子を接続する第三のMOSトランジスタと、を含み、前記第一のCMOSインバータの入力端子は前記第三のMOSトランジスタを介して前記第二のCMOSインバータの出力に接続され、前記第二のCMOSインバータの入力端子は前記第三のMOSトランジスタを介して前記第一のCMOSインバータの出力に接続されており、
前記双方向データ転送回路は、
第一の状態として、前記短絡MOSトランジスタを導通し、前記第一と第二の小振幅信号線を短絡し、前記第一と第二の小振幅信号線に保存された電荷を放電し、出力側と入力側の第一と第二の入出力回路の前記第一と第二と第三のMOSトランジスタを導通し、前記第一と第二のCMOSインバータと前記第三のMOSトランジスタで負帰還ループを形成し、前記第一と第二のコンデンサに保存された前記第三のMOSトランジスタの両端の前記第一と第二のCMOSインバータの閾値電圧を中心電圧とする小振幅差動電圧を前記第一と第二のMOSトランジスタと前記短絡MOSトランジスタで分圧し、前記第一と第二の小振幅信号線に出力する、ことからなる初期電圧設定動作と、
第二の状態として、前記短絡MOSトランジスタを遮断し、出力側の前記第一の入出力回路の前記第一と第二と第三のMOSトランジスタを遮断し、前記第一と第二のCMOSインバータで正帰還ループを形成し、前記第一と第二のコンデンサに保存された前記第三のMOSトランジスタの両端の小振幅差動電圧を大振幅差動電圧に増幅し、前記第一と第二のCMOSインバータの電圧の変化に応じて前記第一と第二のコンデンサを介して前記第一と第二の小振幅信号線を充電し、前記第一と第二の小振幅信号線の振幅を拡大し、入力側の前記第二の入出力回路の前記第一と第二と第三のMOSトランジスタを導通し、前記第一と第二の小振幅信号線の小振幅差動電圧を前記第一と第二と第三のMOSトランジスタで分圧し、前記第三のMOSトランジスタの両端の差動電圧または前記第一と第二の大振幅入出力端子から読み込んだ大振幅差動電圧を前記第一と第二のコンデンサに保存する、ことからなる振幅拡大動作および書き込み動作と、
第三の状態として、前記短絡MOSトランジスタを遮断し、入力側の前記第二の入出力回路の前記第一と第二と第三のMOSトランジスタを遮断し、前記第二の入出力回路の前記第一と第二のCMOSインバータで正帰還ループを形成し、前記第一と第二のコンデンサに保存した前記第三のMOSトランジスタの両端の小振幅差動電圧を大振幅差動電圧に増幅し、前記第一と第二のCMOSインバータの電圧の変化に応じて前記第一と第二のコンデンサを介して前記第一と第二の小振幅信号線を充電し、前記第一と第二の小振幅信号線の振幅を更に拡大し、前記第三のMOSトランジスタの両端の大振幅差動電圧を前記第一と第二のコンデンサに保存する、ことからなる読み出し動作および保存動作と、
を実行可能なものであることを特徴とする双方向データ転送回路。
【請求項2】
データを2つの小振幅信号の小振幅差動電圧信号として伝送する第一と第二の小振幅信号線と、前記第一と第二の小振幅信号線を短絡する短絡MOSトランジスタと、前記第一と第二の小振幅信号線に選択的に接続され、相互に、双方向にデータを送受信する複数の入出力回路と、を含む双方向データ伝送回路であって、
前記各入出力回路は、
それぞれ、前記第一と第二の小振幅信号線からの小振幅信号を入出力する第一と第二の小振幅信号入出力端子と、それぞれ、前記第一と第二の小振幅信号入出力端子を介して電流を入出力し小振幅信号選択信号で導通制御される第一と第二のMOSトランジスタと、大振幅信号を入出力する第一と第二の大振幅信号入出力端子と、データ検出回路と、を含み、
前記データ検出回路は、
それぞれ、前記第一と第二のMOSトランジスタを介してまたは前記第一と第二の大振幅入出力端子を介して電流を入出力する第一と第二の入出力端子と、それぞれ、出力端子が前記第一と第二の入出力端子に接続された第一と第二のCMOSインバータと、前記第一と第二のCMOSインバータの入力端子を接続する第三のMOSトランジスタと、を含み、前記第三のMOSトランジスタの両端には並列に第一のコンデンサが接続され、前記第一のCMOSインバータの入力端子は前記第三のMOSトランジスタを介して前記第二のCMOSインバータの出力に接続され、前記第二のCMOSインバータの入力端子は前記第三のMOSトランジスタを介して前記第一のCMOSインバータの出力に接続されており、
前記双方向データ転送回路は、
第一の状態として、前記短絡MOSトランジスタを導通し、出力側の第一の入出力回路の前記第一と第二のMOSトランジスタを導通し、前記第三のMOSトランジスタを遮断し、前記第一と第二のCMOSインバータで正帰還ループを形成し、前記第三のMOSトランジスタの両端に接続された前記第一のコンデンサに保存された小振幅差動電圧を大振幅差動電圧に増幅し、前記第三のMOSトランジスタの両端の大振幅差動電圧を前記第一と第二のMOSトランジスタと前記短絡MOSトランジスタで分割し、前記第一と第二の小振幅信号線に小振幅差動電圧を出力し、入力側の第二の入出力回路の前記第一と第二と第三のMOSトランジスタを導通し、前記第一と第二のCMOSインバータと前記第三のMOSトランジスタで負帰還ループを形成し、前記第三のMOSトランジスタの両端の電圧を前記第一と第二のCMOSインバータの閾値電圧を中心とする小振幅差動電圧に設定し、前記第三のMOSトランジスタの両端の電圧を前記第一のコンデンサに保存する、ことからなる初期電圧設定動作および書き込み動作と、
第二の状態として、前記短絡MOSトランジスタを導通し、出力側の前記第一の入出力回路の前記第一と第二のMOSトランジスタを遮断し、入力側の前記第二の入出力回路の前記第一と第二と第三のMOSトランジスタを遮断し、前記第一と第二のCMOSインバータで正帰還ループを形成し、前記第三のMOSトランジスタの両端に接続された前記第一のコンデンサに保存された小振幅差動電圧を大振幅差動電圧に増幅し、保存する、ことからなる読み出し動作および保存動作と、
を実行可能なものであることを特徴とする双方向データ転送回路。
【請求項3】
請求項1に記載の入出力回路を用いたメモリ回路であって、前記複数の入出力回路が複数のメモリセルとしてマトリクス状に配列され、第一と第二のビット線に短絡MOSトランジスタが接続され、列方向の複数のメモリセルが前記第一と第二のビット線にそれぞれ前記第一と第二のMOSトランジスタと前記第一と第二のコンデンサを介して接続されており、前記第一と第二と第三のMOSトランジスタがワード線により導通制御され、前記各メモリセル間で前記各ビット線を介してデータが双方向に伝送され、最外側の各前記メモリセルは前記第一と第二の大振幅信号入出力端子を介して外部バスに接続され、前記第一と第二のビット線と前記外部バスとの間でデータが入出力されるものであって、
前記メモリ回路は、
第一の状態として、前記短絡MOSトランジスタを導通し、前記第一と第二のビット線を短絡し、前記第一と第二のビット線に保存された電荷を放電し、前記複数のメモリセルの内の出力側と入力側の第一と第二のメモリセルの前記第一と第二と第三のMOSトランジスタを導通し、前記第一と第二のCMOSインバータと前記第三のMOSトランジスタで負帰還ループを形成し、前記第一と第二のコンデンサに保存された前記第三のMOSトランジスタの両端の前記第一と第二のCMOSインバータの閾値電圧を中心電圧とする小振幅差動電圧を前記第一と第二のMOSトランジスタと前記短絡MOSトランジスタで分圧し、前記第一と第二のビット線に出力する、ことからなる初期電圧設定動作と、
第二の状態として、前記短絡MOSトランジスタを遮断し、出力側の前記第一のメモリセルの前記第一と第二と第三のMOSトランジスタを遮断し、前記第一と第二のCMOSインバータで正帰還ループを形成し、前記第一と第二のコンデンサに保存された前記第三のMOSトランジスタの両端の小振幅差動電圧を大振幅差動電圧に増幅し、前記第一と第二のCMOSインバータの電圧の変化に応じて前記第一と第二のコンデンサを介して前記第一と第二のビット線を充電し、前記第一と第二のビット線の振幅を拡大し、入力側の前記第二のメモリセルの前記第一と第二と第三のMOSトランジスタを導通し、前記第一と第二のビット線の小振幅電圧を前記第一と第二と第三のMOSトランジスタで分圧し、前記第三のMOSトランジスタの両端の電圧または前記第一と第二の大振幅入出力端子から読み込んだ大振幅差動電圧を前記第一と第二のコンデンサに保存する、ことからなる振幅拡大動作および書き込み動作と、
第三の状態として、前記短絡MOSトランジスタを遮断し、入力側の前記第二のメモリセルの前記第一と第二と第三のMOSトランジスタを遮断し、前記第二のメモリセルの前記第一と第二のCMOSインバータで正帰還ループを形成し、前記第一と第二のコンデンサに保存した前記第三のMOSトランジスタの両端の小振幅差動電圧を大振幅差動電圧に増幅し、前記第一と第二のCMOSインバータの電圧の変化に応じて前記第一と第二のコンデンサを介して前記第一と第二のビット線を充電し、前記第一と第二のビット線の振幅を更に拡大し、前記第三のMOSトランジスタの両端の大振幅差動電圧を前記第一と第二のコンデンサに保存する、ことからなる読み出し動作および保存動作と、
を実行可能なものであることを特徴とするメモリ回路。
【請求項4】
請求項1に記載の入出力回路を用いた双方向連続信号伝送回路であって、クロックに例示される連続した信号が双方向に伝送される第一と第二の小振幅信号線と、前記第一と第二の小振幅信号線を短絡する短絡MOSトランジスタと、出力側の前記第一の入出力回路と、入力側の前記第二の入出力回路と、入力側の前記第二の入出力回路の前記第一または第二の大振幅信号入出力端子に接続された出力CMOSインバータと、を含み、
前記双方向連続信号伝送回路は、
前記短絡MOSトランジスタを導通し、出力側の前記第一の入出力回路の前記第一と第二と第三のMOSトランジスタを遮断し、外部信号源から大振幅差動電圧を前記大振幅信号入力端子を介して入力し、前記第一と第二の小振幅信号線に前記第一と第二のコンデンサを介して大振幅差動電圧を出力し、前記第一と第二の小振幅信号線を充電し、前記第一と第二の小振幅信号線を前記短絡MOSトランジスタを介して充放電し、前記第一と第二の小振幅信号線の間に小振幅差動電圧を出力し、入力側の前記第二の入出力回路の前記第一と第二と第三のMOSトランジスタを導通し、前記第一と第二の小振幅信号線の小振幅差動電圧を前記第一と第二と第三のMOSトランジスタで分圧し、前記第三のMOSトランジスタの両端に前記第一と第二のCMOSインバータの閾値電圧を中心電圧とする前記第一と第二の小振幅信号線を出力し、前記第三のMOSトランジスタの両端の電圧を前記第一と第二のMOSトランジスタを介して前記第一と第二の小振幅信号線に出力し、前記第一と第二の小振幅信号線の中心電圧を前記第一と第二のCMOSインバータの閾値電圧とし、入力側の前記第二の入出力回路の前記第三のMOSトランジスタの端子の電圧を入力側の前記出力CMOSインバータで増幅し、出力する、ことからなる動作、
を実行可能なものであることを特徴とする双方向連続信号伝送回路。
【請求項5】
請求項2に記載の入出力回路を用いた水晶発振回路であって、前記第一と第二の小振幅信号入出力端子に水晶発振子の両端が接続され、前記第一と第二のMOSトランジスタにより前記水晶発振子が選択的に接続され、第四のMOSトランジスタが前記第三のMOSトランジスタと並列に接続されており、
前記水晶発振回路は、
第一の状態として、前記第一と第二と第四のMOSトランジスタを遮断し、前記第三のMOSトランジスタを導通し、前記第一と第二のCMOSインバータと前記第三のMOSトランジスタで負帰還ループを形成し、前記第一と第二の大振幅入出力端子から大振幅電圧を入力し、入力電圧を検出する、ことからなる初期入力動作と、
第二の状態として、前記第一と第二と第三と第四のMOSトランジスタを遮断し、前記第一と第二のCMOSインバータで正帰還ループを形成し、前記第一と第二の大振幅信号入出力端子から入力した電圧を増幅し、前記第一のコンデンサに保存する、ことからなる増幅動作およびスタンバイ動作と、
第三の状態として、前記第一と第二と第四のMOSトランジスタを導通し、前記第三のMOSトランジスタを遮断し、前記第一と第二のCMOSインバータと前記第四のMOSトランジスタで正帰還ループを形成し、前記水晶振動子に前記第一と第二の小振幅信号入出力端子から前記第一のコンデンサに保存された大振幅差動電圧を印加し、前記水晶発振子の発振を促し、発振を開始した前記水晶振動子の両端の差動電圧を前記第一と第二と第四のMOSトランジスタで分圧し、前記第四のMOSトランジスタの端子電圧を前記第一と第二のCMOSインバータと前記第四のMOSトランジスタで形成される正帰還ループで増幅し、発振振幅を拡大する、ことからなる発振開始動作と、
第四の状態として、前記第一と第二と第三と第四のMOSトランジスタを導通し、前記第一と第二のCMOSインバータと前記第三と第四のMOSトランジスタで負帰還ループを形成し、発振振幅を減衰させ、発振を中断し、前記第三のMOSトランジスタの両端の電圧を前記第一のコンデンサに保存する、ことからなる発振中断動作と、
第五の状態として、前記第一と第二と第三と第四のMOSトランジスタを遮断し、前記第一と第二のCMOSインバータで正帰還ループを形成し、前記第一のコンデンサに保存された電圧を増幅し、大振幅差動電圧とする、ことからなるスタンバイ状態と、
第六の状態として、前記第一と第二と第四のMOSトランジスタを導通し、前記第一と第二の小振幅信号入出力端子から前記第一のコンデンサに保存された大振幅差動電圧を前記水晶振動子に印加し、発振を促し、水晶振動子の両端の差動電圧を前記第一と第二と第四のMOSトランジスタで分圧し、前記第四のMOSトランジスタの端子電圧を前記第一と第二のCMOSインバータと前記第四のMOSトランジスタで形成される正帰還ループで増幅し、発振振幅を拡大し、発振を再開する、ことからなる発振再開動作と、
を実行可能なものであることを特徴とする水晶発振回路。
【請求項6】
請求項2に記載の入出力回路を用いたNAND型ROMの読み出し回路であって、前記第一と第二の小信号入出力端子に短絡MOSトランジスタの両端が接続され、前記第一と第二の小信号入出力端子に、任意の閾値に設定可能であって特定の閾値に設定された第一と第二のMOSトランジスタ列が、それぞれ第一と第二の寄生容量を有する第一と第二のビット線を介して接続され、前記第一のMOSトランジスタ列を検出対象のMOSトランジスタ列、前記第二のMOSトランジスタ列を参照用のMOSトランジスタ列とし、前記第一と第二のMOSトランジスタ列の他端が第五と第六のMOSトランジスタを介して接地されており、
前記NAND型ROMの読み出し回路は、
第一の状態として、前記第一と第二と第三のMOSトランジスタと前記短絡MOSトランジスタと前記第五と第六のMOSトランジスタを導通し、前記第一と第二のCMOSインバータと前記第三のMOSトランジスタで負帰還ループを形成し、前記第一と第二のMOSトランジスタ列に前記第一と第二と第三のMOSトランジスタ介して電流を流し、前記第一と第二のMOSトランジスタ列の抵抗の差をビット線間の電圧に変換し、前記第一と第二のビット線間の電圧を前記第一と第二のCMOSインバータの閾値電圧を中心とする小振幅電圧に設定し、前記第三のMOSトランジスタの両端の電圧を前記第一のコンデンサに保存する、ことからなるビット線電圧の初期設定動作および電圧検出動作および電圧保存動作と、
第二の状態として、前記第一と第二と第三のMOSトランジスタMOSと前記第五と第六のMOSトランジスタを遮断し、前記第一と第二のCMOSインバータで正帰還ループを形成し、前記第一のコンデンサに保存された電圧を増幅し、大振幅電圧とし、前記各MOSトランジスタ列のメモリセルのデータを読み出す、ことからなる電圧読み出し動作および増幅動作と、
を実行可能なものであることを特徴とするNAND型ROMの読み出し回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
小振幅の信号伝送における双方向データ伝送回路に関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
LSIチップの集積度は年々向上しているが、集積度が増し、チップサイズが増大する一方で、素子は小さくなり、信号線は長くなり、信号の寄生容量は増大し、充放電電流が増大し、信号の伝送時間が増し、チップ全体の消費電力は増加する。これを避けるために信号の小振幅化が考えられる。小振幅の信号伝送技術としてLVDS(Low Voltage Differential Signaling)が知られている。LVDSはチップ間で小振幅電圧信号をやり取りする標準規格である。LVDSをチップ内で使用すれば、信号の電圧振幅が縮小し、信号の充放電電流が少なくなり、消費電力を削減し、信号の伝送時間を短縮できると考えられる。しかし従来のLVDS検出回路はアナログ回路であり、論理回路と共に動作させるためには動作の安定性、設計の容易さ、チップの占有面積などから技術的に困難であった。
【0003】
本発明の目的は、CMOS論理回路との親和性の良いLVDS検出回路を使い、設計が容易で安定した動作が得られる信号伝送回路を提供することである。
本発明の他の目的は、本発明を応用した、消費電力が少なく、高速動作が可能な、電源電圧の瞬時低下に対する耐性がある信頼性の高い、メモリ回路、クロック駆動回路、水晶発振回路、NAND型ROM読み出し回路を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
チップ内部で使用する双方向データ伝送回路を実現するために、通常のCMOS論理回路と同じ製造工程で製造でき、小振幅差動電圧を検出でき、小振幅差動幅電圧を大振幅差動電圧に増幅し、保存することができる素子数の少ない、構造の簡単な回路を作る必要がある。2本の信号線を伝送路とし、この回路を複数、伝送路を介して接続し、信号線の電圧範囲を電源電圧より十分狭い範囲に制限し、小振幅双方向伝送回路とした。この方法により信号線の振幅は小さく制限され、信号線の充放電時間が短縮され、信号線の充放電に伴う消費電力を大幅に削減し、伝送速度を高速化できた。
【0005】
CMOS論理回路と同じ製造工程で製造できる、簡単な構造のLVDS検出回路として、参考文献(1)の回路がある。この回路は基本的にCMOSインバータと抵抗を組み合わせたものであり、CMOS論理回路とほぼ同じ製造工程で作れ、素子数も少なく設計も簡単と考えられる。また低電圧動作が可能であり、高速動作にも適している。この回路を本発明の小振幅差動電圧検出に用いることができる。製造プロセスを簡略化するために抵抗を削除し、更に小振幅信号の双方向伝送を実現するために、短絡MOSトランジスタとコンデンサを追加した。
【0006】
本発明は、データを2つの小振幅信号の小振幅差動電圧信号として伝送する第一と第二の小振幅信号線と、第一と第二の小振幅信号線を短絡する短絡MOSトランジスタと、第一と第二の小振幅信号線に選択的に接続され、相互に、双方向にデータを送受信する複数の入出力回路と、を含む双方向データ伝送回路であって、
各入出力回路は、
それぞれ、第一と第二の小振幅信号線からの小振幅信号を入出力する第一と第二の小振幅信号入出力端子と、それぞれ、第一と第二の小振幅信号入出力端子を介して電流を入出力し小振幅信号選択信号で導通制御される第一と第二のMOSトランジスタと、それぞれ、第一と第二のMOSトランジスタに並列に接続された第一と第二のコンデンサと、大振幅信号を入出力する第一と第二の大振幅信号入出力端子と、データ検出回路と、を含み、
データ検出回路は、
それぞれ、第一と第二のMOSトランジスタを介してまたは第一と第二の大振幅入出力端子を介して電流を入出力する第一と第二の入出力端子と、それぞれ、出力端子が第一と第二の入出力端子に接続された第一と第二のCMOSインバータと、第一と第二のCMOSインバータの入力端子を接続する第三のMOSトランジスタと、を含み、第一のCMOSインバータの入力端子は第三のMOSトランジスタを介して第二のCMOSインバータの出力に接続され、第二のCMOSインバータの入力端子は第三のMOSトランジスタを介して第一のCMOSインバータの出力に接続されており、
双方向データ転送回路は、
第一の状態として、短絡MOSトランジスタを導通し、第一と第二の小振幅信号線を短絡し、第一と第二の小振幅信号線に保存された電荷を放電し、出力側と入力側の第一と第二の入出力回路の第一と第二と第三のMOSトランジスタを導通し、第一と第二のCMOSインバータと第三のMOSトランジスタで負帰還ループを形成し、第一と第二のコンデンサに保存された第三のMOSトランジスタの両端の第一と第二のCMOSインバータの閾値電圧を中心電圧とする小振幅差動電圧を第一と第二のMOSトランジスタと短絡MOSトランジスタで分圧し、第一と第二の小振幅信号線に出力する、ことからなる初期電圧設定動作と、
第二の状態として、短絡MOSトランジスタを遮断し、出力側の第一の入出力回路の第一と第二と第三のMOSトランジスタを遮断し、第一と第二のCMOSインバータで正帰還ループを形成し、第一と第二のコンデンサに保存された第三のMOSトランジスタの両端の小振幅差動電圧を大振幅差動電圧に増幅し、第一と第二のCMOSインバータの電圧の変化に応じて第一と第二のコンデンサを介して第一と第二の小振幅信号線を充電し、第一と第二の小振幅信号線の振幅を拡大し、入力側の第二の入出力回路の第一と第二と第三のMOSトランジスタを導通し、第一と第二の小振幅信号線の小振幅差動電圧を第一と第二と第三のMOSトランジスタで分圧し、第三のMOSトランジスタの両端の差動電圧または第一と第二の大振幅入出力端子から読み込んだ大振幅差動電圧を第一と第二のコンデンサに保存する、ことからなる振幅拡大動作および書き込み動作と、
第三の状態として、短絡MOSトランジスタを遮断し、入力側の第二の入出力回路の第一と第二と第三のMOSトランジスタを遮断し、第二の入出力回路の第一と第二のCMOSインバータで正帰還ループを形成し、第一と第二のコンデンサに保存した第三のMOSトランジスタの両端の小振幅差動電圧を大振幅差動電圧に増幅し、第一と第二のCMOSインバータの電圧の変化に応じて第一と第二のコンデンサを介して第一と第二の小振幅信号線を充電し、第一と第二の小振幅信号線の振幅を更に拡大し、第三のMOSトランジスタの両端の大振幅差動電圧を第一と第二のコンデンサに保存する、ことからなる読み出し動作および保存動作と、
を実行可能なものであることを特徴とする。
【0007】
従来技術では、大振幅電圧を信号線へ出力するため、信号線の負荷容量は一般に大きいため、大振幅を得るには長い時間がかかり、また充放電電流も大きくなる。本発明では、出力側の大振幅電圧を入出力MOSトランジスタと短絡MOSトランジスタにより分圧し、小振幅差動電圧として伝送し、受信側(入力側)で小振幅信号を検出することで、無駄な充放電電流を削減し、省電力化するとともに、検出した小振幅電圧をコンデンサに保存し、小振幅信号線を切り離した後、増幅することで高速化した。また本発明の回路は大振幅差動電圧でデータを保存できるため、外部回路との間でデータを大振幅差動電圧でやり取りすることができる。本発明回路ではデータをコンデンサに保存するため、電源電圧が瞬時的に低下した場合でも、データは失われないため信頼性の高い回路が得られる。
【発明の効果】
【0008】
小振幅電圧によるデータ伝送により、信号の充放電電流を削減し、伝送時間を短縮し、信号線の充放電に伴う消費電力を大幅に削減できる。また外部回路との間で大振幅差動電圧のデータのやり取りが可能である。本発明の回路は、大きな信号線寄生容量を有する様々な回路、例えば、レジスタ回路、メモリ回路、クロック回路などへ適用できる。また本発明の入出力回路は、データを入出力回路内のコンデンサで保存するため電源の瞬断などに対する耐性が強く、高信頼性回路に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本願の第1実施形態に係る双方向データ転送回路の実施例を示す。
図1-a】図1の回路のシミュレーション波形である。
図2】本願の第2実施形態に係る双方向データ転送回路の実施例を示す。
図2-a】図2の回路のシミュレーション波形である。
図3】本願の第3実施形態に係るメモリ回路の実施例を示す。
図4】本願の第4実施形態に係る双方向連続信号伝送回路の実施例を示す。
図4-a】図4の回路のシミュレーション波形である。
図5】本願の第5実施形態に係る水晶発振回路の実施例を示す。
図5-a】図5の回路のシミュレーション波形である。
図6】本願の第6実施形態に係るNAND型ROMの読み出し回路の実施例を示す。
図6-a】図6の回路のシミュレーション波形である。
【発明を実施するための形態】
【実施例0010】
実施例1は、小振幅の信号伝送における双方向データ伝送回路の一例である。
図1から図1―aを用いて、実施例1に係る双方向データ転送回路について説明する。
【0011】
<実施例1の構成について>
図1には本実施例の双方向データ転送回路の構成が示されている。
本実施例の双方向データ伝送回路は、データを2つの小振幅信号の小振幅差動電圧信号として伝送する第一と第二の小振幅信号線(2、3)と、第一と第二の小振幅信号線(2、3)(2、3)を短絡する短絡MOSトランジスタ1と、第一と第二の小振幅信号線(2、3)に選択的に接続され、相互に、双方向にデータを送受信する複数の入出力回路(13、20等)と、を含む。
各入出力回路(13、20等)は、それぞれ、第一と第二の小振幅信号線(2、3)からの小振幅信号を入出力する第一と第二の小振幅信号入出力端子(6、7)と、それぞれ、第一と第二の小振幅信号入出力端子(6、7)を介して電流を入出力し小振幅信号選択信号で導通制御される第一と第二のMOSトランジスタ(10、11)と、それぞれ、第一と第二のMOSトランジスタ(10、11)に並列に接続された第一と第二のコンデンサ(8、9)と、大振幅信号を入出力する第一と第二の大振幅信号入出力端子(16、17)と、データ検出回路と、を含む。
データ検出回路は、それぞれ、第一と第二のMOSトランジスタ(10、11)を介してまたは第一と第二の大振幅入出力端子を介して電流を入出力する第一と第二の入出力端子と、それぞれ、出力端子が第一と第二の入出力端子に接続された第一と第二のCMOSインバータ(14、15)と、第一と第二のCMOSインバータ(14、15)の入力端子を接続する第三のMOSトランジスタ12と、を含み、第一のCMOSインバータ14の入力端子は第三のMOSトランジスタ12を介して第二のCMOSインバータ15の出力に接続され、第二のCMOSインバータ15の入力端子は第三のMOSトランジスタ12を介して第一のCMOSインバータ14の出力に接続されている。
【0012】
<実施例1の動作について>
図1-aには図1の回路の動作時におけるシミュレーション波形が示されている。すなわち、以下に示される各動作状態区間(106、107、108)における、短絡MOSトランジスタ1、出力側の入出力回路13の第一と第二と第三のMOSトランジスタ(10、11、12)の遮断信号101と、出力側の第一の入出力回路13の第一と第二のCMOSインバータ(14、15)の出力102と、入力側の第二の入出力回路20の第一と第二と第三のMOSトランジスタ(10、11、12)の遮断信号103と、入力側の第二の入出力回路20の第一と第二のCMOSインバータ(14、15)の出力104と、第一と第二の小振幅信号線(2、3)の電圧105、である。
本実施例における双方向データ転送回路の動作は以下の通りである。
第一の状態106としての初期電圧設定動作:
短絡MOSトランジスタ1を導通し、第一と第二の小振幅信号線(2、3)を短絡し、第一と第二の小振幅信号線(2、3)に保存された電荷を放電し、出力側と入力側の第一と第二の入出力回路(13、20)の第一と第二と第三のMOSトランジスタ(10、11、12)を導通し、第一と第二のCMOSインバータ(14、15)と第三のMOSトランジスタ12で負帰還ループを形成し、第一と第二のコンデンサ(8、9)に保存された第三のMOSトランジスタ12の両端の第一と第二のCMOSインバータ(14、15)の閾値電圧を中心電圧とする小振幅差動電圧を第一と第二のMOSトランジスタ(10、11)と短絡MOSトランジスタ1で分圧し、第一と第二の小振幅信号線(2、3)に出力する。
第二の状態107としての振幅拡大動作および書き込み動作:
短絡MOSトランジスタ1を遮断し、出力側の第一の入出力回路13の第一と第二と第三のMOSトランジスタ(10、11、12)を遮断し、第一と第二のCMOSインバータ(14、15)で正帰還ループを形成し、第一と第二のコンデンサ(8、9)に保存された第三のMOSトランジスタ12の両端の小振幅差動電圧を大振幅差動電圧に増幅し、第一と第二のCMOSインバータ(14、15)の電圧の変化に応じて第一と第二のコンデンサ(8、9)を介して第一と第二の小振幅信号線(2、3)を充電し、第一と第二の小振幅信号線(2、3)の振幅を拡大し、入力側の第二の入出力回路20の第一と第二と第三のMOSトランジスタ(10、11、12)を導通し、第一と第二の小振幅信号線(2、3)の小振幅差動電圧を第一と第二と第三のMOSトランジスタ(10、11、12)で分圧し、第三のMOSトランジスタ12の両端の差動電圧または第一と第二の大振幅入出力端子から読み込んだ大振幅差動電圧を第一と第二のコンデンサ(8、9)に保存する。
第三の状態108としての読み出し動作および保存動作:
短絡MOSトランジスタ1を遮断し、入力側の第二の入出力回路20の第一と第二と第三のMOSトランジスタ(10、11、12)を遮断し、第二の入出力回路20の第一と第二のCMOSインバータ(14、15)で正帰還ループを形成し、第一と第二のコンデンサ(8、9)に保存した第三のMOSトランジスタ12の両端の小振幅差動電圧を大振幅差動電圧に増幅し、第一と第二のCMOSインバータ(14、15)の電圧の変化に応じて第一と第二のコンデンサ(8、9)を介して第一と第二の小振幅信号線(2、3)を充電し、第一と第二の小振幅信号線(2、3)の振幅を更に拡大し、第三のMOSトランジスタ12の両端の大振幅差動電圧を第一と第二のコンデンサ(8、9)に保存する。
【実施例0013】
実施例2は、小振幅の信号伝送における双方向データ伝送回路の第二の例である。 図2から図2―aを用いて、実施例2に係る双方向データ転送回路について説明する。実施例2および図2において、実施例1および図1と同一の構成要素は同一の番号で参照し、その説明は適宜省略する。
【0014】
<実施例2の構成について>
図2には本実施例の双方向データ転送回路の構成が示されている。
本実施例の双方向データ伝送回路は、データを2つの小振幅信号の小振幅差動電圧信号として伝送する第一と第二の小振幅信号線(2、3)と、第一と第二の小振幅信号線(2、3)を短絡する短絡MOSトランジスタ1と、および第一と第二の小振幅信号線(2、3)に選択的に接続され、相互に、双方向にデータを送受信する複数の入出力回路(13、20等)と、を含む。
各入出力回路(13、20等)は、それぞれ、第一と第二の小振幅信号線(2、3)からの小振幅信号を入出力する第一と第二の小振幅信号入出力端子(6、7)と、それぞれ、第一と第二の小振幅信号入出力端子(6、7)を介して電流を入出力し小振幅信号選択信号で導通制御される第一と第二のMOSトランジスタ(10、11)と、大振幅信号を入出力する第一と第二の大振幅信号入出力端子(16、17)と、およびデータ検出回路と、を含む。
データ検出回路は、それぞれ、第一と第二のMOSトランジスタ(10、11)を介してまたは第一と第二の大振幅入出力端子を介して電流を入出力する第一と第二の入出力端子と、それぞれ、出力端子が第一と第二の入出力端子に接続された第一と第二のCMOSインバータ(14、15)と、第一と第二のCMOSインバータ(14、15)の入力端子を接続する第三のMOSトランジスタ12と、を含み、第三のMOSトランジスタ12の両端には並列に第一のコンデンサ8が接続され、第一のCMOSインバータ14の入力端子は第三のMOSトランジスタ12を介して第二のCMOSインバータ15の出力に接続され、第二のCMOSインバータ15の入力端子は第三のMOSトランジスタ12を介して第一のCMOSインバータ14の出力に接続されている。
【0015】
<実施例2の動作について>
図2-aには図2の回路の動作時におけるシミュレーション波形が示されている。すなわち、下記動作状態における、出力側の入出力回路13の第一と第二のCMOSインバータ(14、15)の出力201と、入力側の入出力回路20の第一と第二のCMOSインバータ(14、15)の出力202と、短絡MOSトランジスタ1の遮断信号、入力側の第三のMOSトランジスタ12の遮断信号、入力側と出力側の第一と第二のMOSトランジスタ(10、11)の遮断信号203と、第一と第二の小振幅信号線(2、3)の電圧204、である。
本実施例における双方向データ転送回路の動作は以下の通りである。
第一の状態としての初期電圧設定動作および書き込み動作:
短絡MOSトランジスタ1を導通し、出力側の第一の入出力回路13の第一と第二のMOSトランジスタ(10、11)を導通し、第三のMOSトランジスタ12を遮断し、第一と第二のCMOSインバータ(14、15)で正帰還ループを形成し、第三のMOSトランジスタ12の両端に接続された第一のコンデンサ8に保存された小振幅差動電圧を大振幅差動電圧に増幅し、第三のMOSトランジスタ12の両端の大振幅差動電圧を第一と第二のMOSトランジスタ(10、11)と短絡MOSトランジスタ1で分割し、第一と第二の小振幅信号線(2、3)に小振幅差動電圧を出力し、入力側の第二の入出力回路20の第一と第二と第三のMOSトランジスタ(10、11、12)を導通し、第一と第二のCMOSインバータ(14、15)と第三のMOSトランジスタ12で負帰還ループを形成し、第三のMOSトランジスタ12の両端の電圧を第一と第二のCMOSインバータ(14、15)の閾値電圧を中心とする小振幅差動電圧に設定し、第三のMOSトランジスタ12の両端の電圧を第一のコンデンサ8に保存する。
第二の状態としての読み出し動作および保存動作:
短絡MOSトランジスタ1を導通し、出力側の第一の入出力回路13の第一と第二のMOSトランジスタ(10、11)を遮断し、入力側の第二の入出力回路20の第一と第二と第三のMOSトランジスタ(10、11、12)を遮断し、第一と第二のCMOSインバータ(14、15)で正帰還ループを形成し、第三のMOSトランジスタ12の両端に接続された第一のコンデンサ8に保存された小振幅差動電圧を大振幅差動電圧に増幅し、保存する。
【0016】
実施例1の回路(図1)は、コンデンサを2個必要だが、実施例1における第一、第二、第三のMOSトランジスタ(10、11、12)を同じ制御信号で導通制御できる。また、実施例1における短絡MOSトランジスタ1は初期電圧設定のときのみ導通であるが、それ以外の状態では遮断状態であって、この短絡MOSトランジスタ1は速度を高めるためのものであり、必ずしも必要ではない。
実施例2の回路(図2)は、コンデンサを1個必要だが、第三のMOSトランジスタ12を制御するための信号が別に必要であり、短絡MOSトランジスタ1は常時導通である。
どちらの回路でも、入力側の入出力回路20が各小振幅信号線(2、3)から小振幅電圧を読み込み、各コンデンサ(8、9)に保存した後、各小振幅信号線(2、3)を遮断し、各コンデンサ(8、9)に保存された小振幅電圧を増幅する。このとき小振幅電圧は各コンデンサ(8、9)に保存されているので、各小振幅信号線(2、3)を切断した瞬間の電圧変化や、電源電圧の瞬間的な低下などの変化に対する耐性が高く、読み込んだデータを失うことなく保持できる。
【実施例0017】
実施例3は、実施例1における入出力回路13を用いたメモリ回路の一例である。 図3を用いて、実施例3に係るメモリ回路について説明する。本実施例において、実施例1と同一の構成要素は同一の番号で参照し、その説明は適宜省略する。本実施例では、第一のビット線22、第二のビット線23、ワード線24、メモリセル25、最外側メモリセル26、外部信号選択MOSトランジスタ27、外部バス28、については新たな構成要素であり、その他の構成要素については実施例1と共通である。また本実施例において、実施例1における入出力回路13の各構成要素は、実施例1における入出力回路13の構成要素であるという断わりを省略して用いられる。
【0018】
<実施例3の構成について>
図3には本実施例のメモリ回路の構成が示されている。
本実施例のメモリ回路は、実施例1における入出力回路13を用いている。すなわち、この複数の入出力回路13が複数のメモリセル25としてマトリクス状に配列され、第一と第二のビット線(22、23)に短絡MOSトランジスタ1が接続され、列方向の複数のメモリセル25が第一と第二のビット線(22、23)にそれぞれ第一と第二のMOSトランジスタ(10、11)と第一と第二のコンデンサ(8、9)を介して接続されており、第一と第二と第三のMOSトランジスタ(10、11、12)がワード線24により導通制御され、各メモリセル25間で各ビット線(22、23)を介してデータが双方向に伝送され、最外側の各メモリセル25(図3における26)は第一と第二の大振幅信号入出力端子(16、17)を介して外部バス28に接続され、第一と第二のビット線(22、23)と外部バス28との間でデータが入出力される。
【0019】
<実施例3の動作について>
本実施例におけるメモリ回路の動作は以下の通りである。
第一の状態としての初期電圧設定動作:
短絡MOSトランジスタ1を導通し、第一と第二のビット線(22、23)を短絡し、第一と第二のビット線(22、23)に保存された電荷を放電し、複数のメモリセル25の内の出力側と入力側の第一と第二のメモリセル25の第一と第二と第三のMOSトランジスタ(10、11、12)を導通し、第一と第二のCMOSインバータ(14、15)と第三のMOSトランジスタ12で負帰還ループを形成し、第一と第二のコンデンサ(8、9)に保存された第三のMOSトランジスタ12の両端の第一と第二のCMOSインバータ(14、15)の閾値電圧を中心電圧とする小振幅差動電圧を第一と第二のMOSトランジスタ(10、11)と短絡MOSトランジスタ1で分圧し、第一と第二のビット線(22、23)に出力する。
第二の状態としての振幅拡大動作および書き込み動作:
短絡MOSトランジスタ1を遮断し、出力側の第一のメモリセル25の第一と第二と第三のMOSトランジスタ(10、11、12)を遮断し、第一と第二のCMOSインバータ(14、15)で正帰還ループを形成し、第一と第二のコンデンサ(8、9)に保存された第三のMOSトランジスタ12の両端の小振幅差動電圧を大振幅差動電圧に増幅し、第一と第二のCMOSインバータ(14、15)の電圧の変化に応じて第一と第二のコンデンサ(8、9)を介して第一と第二のビット線(22、23)を充電し、第一と第二のビット線(22、23)の振幅を拡大し、入力側の第二のメモリセル25の第一と第二と第三のMOSトランジスタ(10、11、12)を導通し、第一と第二のビット線(22、23)の小振幅電圧を第一と第二と第三のMOSトランジスタ(10、11、12)で分圧し、第三のMOSトランジスタ12の両端の電圧または第一と第二の大振幅入出力端子から読み込んだ大振幅差動電圧を第一と第二のコンデンサ(8、9)に保存する。
第三の状態としての読み出し動作および保存動作:
短絡MOSトランジスタ1を遮断し、入力側の第二のメモリセル25の第一と第二と第三のMOSトランジスタ(10、11、12)を遮断し、第二のメモリセル25の第一と第二のCMOSインバータ(14、15)で正帰還ループを形成し、第一と第二のコンデンサ(8、9)に保存した第三のMOSトランジスタ12の両端の小振幅差動電圧を大振幅差動電圧に増幅し、第一と第二のCMOSインバータ(14、15)の電圧の変化に応じて第一と第二のコンデンサ(8、9)を介して第一と第二のビット線(22、23)を充電し、第一と第二のビット線(22、23)の振幅を更に拡大し、第三のMOSトランジスタ12の両端の大振幅差動電圧を第一と第二のコンデンサ(8、9)に保存する。
【0020】
本実施例によるメモリ回路は、電源電圧の瞬間的な低下などにおいてもメモリのデータを保持できる信頼性の高いメモリ動作を提供できる。
【実施例0021】
実施例4は、実施例1における入出力回路(13、20)を用いた双方向連続信号伝送回路の一例である。
図4から図4-aを用いて、実施例4に係るメモリ回路について説明する。本実施例において、実施例1と同一の構成要素は同一の番号で参照し、その説明は適宜省略する。本実施例では、出力CMOSインバータ30、出力CMOSインバータの出力端子31、については新たな構成要素であり、その他の構成要素については実施例1と共通である。また本実施例において、実施例1における入出力回路(13、20)の各構成要素は、実施例1における入出力回路(13、20)の構成要素であるという断わりを省略して用いられる。
【0022】
<実施例4の構成について>
図4には本実施例の双方向連続信号伝送回路の構成が示されている。 本実施例の双方向連続信号伝送回路は、実施例1における入出力回路(13、20)を用いている。すなわち本回路は、クロックに例示される連続した信号が双方向に伝送される第一と第二の小振幅信号線(2、3)と、第一と第二の小振幅信号線(2、3)を短絡する短絡MOSトランジスタ1と、出力側の第一の入出力回路13と、入力側の第二の入出力回路20と、入力側の第二の入出力回路20の第一または第二の大振幅信号入出力端子(16、17)に接続された出力CMOSインバータ30と、を含む。
【0023】
<実施例4の動作について>
図4-aには図4の回路の動作時におけるシミュレーション波形が示されている。すなわち、下記動作状態における、出力CMOSインバータ30の出力端子の波形405と、入力側の入出力回路20の第二の大振幅信号入出力端子17の波形406、である。
本実施例における双方向連続信号伝送回路の動作は以下の通りである。
短絡MOSトランジスタ1を導通し、出力側の第一の入出力回路13の第一と第二と第三のMOSトランジスタ(10、11、12)を遮断し、外部信号源から大振幅差動電圧を大振幅信号入力端子を介して入力し、第一と第二の小振幅信号線(2、3)に第一と第二のコンデンサ(8、9)を介して大振幅差動電圧を出力し、第一と第二の小振幅信号線(2、3)を充電し、第一と第二の小振幅信号線(2、3)を短絡MOSトランジスタ1を介して充放電し、第一と第二の小振幅信号線(2、3)の間に小振幅差動電圧を出力し、入力側の第二の入出力回路20の第一と第二と第三のMOSトランジスタ(10、11、12)を導通し、第一と第二の小振幅信号線(2、3)の小振幅差動電圧を第一と第二と第三のMOSトランジスタ(10、11、12)で分圧し、第三のMOSトランジスタ12の両端に第一と第二のCMOSインバータ(14、15)の閾値電圧を中心電圧とする第一と第二の小振幅信号線(2、3)を出力し、第三のMOSトランジスタ12の両端の電圧を第一と第二のMOSトランジスタ(10、11)を介して第一と第二の小振幅信号線(2、3)に出力し、第一と第二の小振幅信号線(2、3)の中心電圧を第一と第二のCMOSインバータ(14、15)の閾値電圧とし、入力側の第二の入出力回路20の第三のMOSトランジスタ12の端子の電圧を入力側の出力CMOSインバータ30で増幅し、出力する。
【0024】
本回路は、信号線の充放電を出力側の第一の入出力回路13の各コンデンサ(8、9)によって行っており、直流電流は流れないので信号線の充放電の消費電力は原理的にゼロである。
【実施例0025】
実施例5は、実施例2における入出力回路13を用いた水晶発振回路の一例である。
図5から図5-aを用いて、実施例5に係る水晶発振回路について説明する。本実施例において、実施例2および実施例4と同一の構成要素は同一の番号で参照し、その説明は適宜省略する。本実施例では、水晶振動子(の等価回路)32、第四のMOSトランジスタ33、については新たな構成要素であり、その他の構成要素については実施例2および実施例4と共通である。また本実施例において、実施例2における入出力回路13の各構成要素は、実施例2における入出力回路13の構成要素であるという断わりを省略して用いられる。
【0026】
<実施例5の構成について>
図5には本実施例の水晶発振回路の構成が示されている。
本実施例の水晶発振回路は、実施例2における入出力回路13を用いている。すなわち本回路には、第一と第二の小振幅信号入出力端子(6、7)に水晶発振子の両端が接続され、第一と第二のMOSトランジスタ(10、11)により水晶発振子が選択的に接続され、第四のMOSトランジスタ33が第三のMOSトランジスタ12と並列に接続されている。
【0027】
<実施例5の動作について>
図5-aには図5の回路の動作時におけるシミュレーション波形が示されている。すなわち、以下に示される各動作状態区間(502、503、504、505、506、507)における、出力CMOSインバータ30の出力波形501である。
本実施例における水晶発振回路の動作は以下の通りである。
以下の各状態区間の出力波形が図5-aに示されている。
第一の状態502としての初期入力動作:
第一と第二と第四のMOSトランジスタ(10、11,33)を遮断し、第三のMOSトランジスタ12を導通し、第一と第二のCMOSインバータ(14、15)と第三のMOSトランジスタ12で負帰還ループを形成し、第一と第二の大振幅入出力端子から大振幅電圧を入力し、入力電圧を検出する。
第二の状態503としての増幅動作およびスタンバイ動作:
第一と第二と第三と第四のMOSトランジスタ(10、11、12、33)を遮断し、第一と第二のCMOSインバータ(14、15)で正帰還ループを形成し、第一と第二の大振幅信号入出力端子(16、17)から入力した電圧を増幅し、第一のコンデンサ8に保存する。
第三の状態504としての発振開始動作:
第一と第二と第四のMOSトランジスタ(10、11、33)を導通し、第三のMOSトランジスタ12を遮断し、第一と第二のCMOSインバータ(14、15)と第四のMOSトランジスタ33で正帰還ループを形成し、水晶振動子32に第一と第二の小振幅信号入出力端子(6、7)から第一のコンデンサ8に保存された大振幅差動電圧を印加し、水晶発振子の発振を促し、発振を開始した水晶振動子32の両端の差動電圧を第一と第二と第四のMOSトランジスタ(10、11、33)で分圧し、第四のMOSトランジスタ33の端子電圧を第一と第二のCMOSインバータ(14、15)と第四のMOSトランジスタ33で形成される正帰還ループで増幅し、発振振幅を拡大する。
第四の状態505としての発振中断動作:
第一と第二と第三と第四のMOSトランジスタ(10、11、12、33)を導通し、第一と第二のCMOSインバータ(14、15)と第三と第四のMOSトランジスタ(12、33)で負帰還ループを形成し、発振振幅を減衰させ、発振を中断し、第三のMOSトランジスタ12の両端の電圧を第一のコンデンサ8に保存する。
第五の状態506としてのスタンバイ状態:
第一と第二と第三と第四のMOSトランジスタ(10、11、12、33)を遮断し、第一と第二のCMOSインバータ(14、15)で正帰還ループを形成し、第一のコンデンサ8に保存された電圧を増幅し、大振幅差動電圧とする。
第六の状態507としての発振再開動作:
第一と第二と第四のMOSトランジスタ(10、11、33)を導通し、第一と第二の小振幅信号入出力端子(6、7)から第一のコンデンサ8に保存された大振幅差動電圧を水晶振動子32に印加し、発振を促し、水晶振動子32の両端の差動電圧を第一と第二と第四のMOSトランジスタ(10、11、33)で分圧し、第四のMOSトランジスタ33の端子電圧を第一と第二のCMOSインバータ(14、15)と第四のMOSトランジスタ33で形成される正帰還ループで増幅し、発振振幅を拡大し、発振を再開する。
【0028】
本回路は、発振を中断した後、スタンバイ状態に入るとき、第一のコンデンサ8に保存された中断前の電圧を増幅してスタンバイ状態に入る。コンデンサがない場合は中断した後のCMOSインバータの電圧が不安定となり、スタンバイ状態に入れない可能性があるためである。
【実施例0029】
実施例6は、実施例2における入出力回路13を用いたNAND型ROMの読み出し回路の一例である。
図6から図6-aを用いて、実施例6に係るNAND型ROMの読み出し回路について説明する。本実施例において、実施例2および実施例3と同一の構成要素は同一の番号で参照し、その説明は適宜省略する。本実施例では、第一のMOSトランジスタ列34、第二のMOSトランジスタ列35、第五のMOSトランジスタ36、第六のMOSトランジスタ37、読み出し信号40、については新たな構成要素であり、その他の構成要素については実施例2および実施例3と共通である。また本実施例において、実施例2における入出力回路13の各構成要素は、実施例2における入出力回路13の構成要素であるという断わりを省略して用いられる。
【0030】
<実施例6の構成について>
図6には本実施例のNAND型ROMの読み出し回路の構成が示されている。
本実施例のNAND型ROMの読み出し回路は、実施例2における入出力回路13を用いている。すなわち本回路には、第一と第二の小信号入出力端子に短絡MOSトランジスタ1の両端が接続され、第一と第二の小信号入出力端子に、任意の閾値に設定可能であって特定の閾値に設定された第一と第二のMOSトランジスタ列(34、35)が、それぞれ第一と第二の寄生容量(4、5)を有する第一と第二のビット線(22、23)を介して接続され、第一のMOSトランジスタ列34を検出対象のMOSトランジスタ列、第二のMOSトランジスタ列35を参照用のMOSトランジスタ列とし、第一と第二のMOSトランジスタ列(34、35)の他端が第五と第六のMOSトランジスタ(36、37)を介して接地されている。
【0031】
<実施例6の動作について>
図6-aには図6の回路の動作時におけるシミュレーション波形が示されている。すなわち、下記動作状態における、第一のCMOSインバータ14の出力601と、第二のCMOSインバータ15の出力602と、読み出し信号(40)603と、第一と第二のビット線604の電圧604、である。
本実施例におけるNAND型ROMの読み出し回路の動作は以下の通りである。
第一の状態としてのビット線電圧の初期設定動作および電圧検出動作および電圧保存動作:
第一と第二と第三のMOSトランジスタ(10、11、12)と短絡MOSトランジスタ1と第五と第六のMOSトランジスタ(36、37)を導通し、第一と第二のCMOSインバータ(14、15)と第三のMOSトランジスタ12で負帰還ループを形成し、第一と第二のMOSトランジスタ列(34、35)に第一と第二と第三のMOSトランジスタ(10、11、12)を介して電流を流し、第一と第二のMOSトランジスタ列(34、35)の抵抗の差を各ビット線(22、23)間の電圧に変換し、各ビット線(22、23)間の電圧を第一と第二のCMOSインバータ(14、15)の閾値電圧を中心とする小振幅電圧に設定し、第三のMOSトランジスタ12の両端の電圧を第一のコンデンサ8に保存する。
第二の状態としての電圧読み出し動作および増幅動作:
第一と第二と第三のMOSトランジスタ(10、11、12)と第五と第六のMOSトランジスタ(36、37)を遮断し、第一と第二のCMOSインバータ(14、15)で正帰還ループを形成し、第一のコンデンサ8に保存された電圧を増幅し、大振幅電圧とし、各MOSトランジスタ列(34、35)のメモリセル25のデータを読み出す。
【0032】
本実施例の各MOSトランジスタ列(34、35)のメモリセル25は閾値が任意に設定可能なMOSトランジスタであり、閾値の違いが導通抵抗の違いとなり、電流を流すことにより抵抗の差を電圧の差へ変換することができる。しかし一般にビット線の寄生容量は大きいため読み出す場合、寄生容量を充放電するのに長い時間を要する。また抵抗差が小さいため電圧差も小さく、小さい電圧差を読み出した場合の検出と増幅にまた時間を要する。本実施例では各ビット線(22、23)の振幅を小さくし、小振幅の状態で電圧差を検出し、入出力回路13内の第一のコンデンサ8で保存した後、入出力回路13を各ビット線(22、23)から切り離し、増幅するので読み出し速度を高速にできるのが特徴である。
本回路は、検出した小振幅電圧を第一のコンデンサ8に保存した後、各ビット線(22、23)を遮断し、第一のコンデンサ8に保存した電圧を増幅するので、各ビット線(22、23)を遮断した瞬間の電圧変化や、電源電圧の瞬間的な変化に対する耐性が高いため、信頼性の高い読み出し回路を実現できる。
【符号の説明】
【0033】
1 短絡MOSトランジスタ
2 第一の小振幅信号線
3 第二の小振幅信号線
4 第一の寄生容量
5 第二の寄生容量
6 第一の小振幅信号入出力端子
7 第二の小振幅信号入出力端子
8 第一のコンデンサ
9 第二のコンデンサ
10 第一のMOSトランジスタ
11 第二のMOSトランジスタ
12 第三のMOSトランジスタ
13 第一の入出力回路
14 第一のCMOSインバータ
15 第二のCMOSインバータ
16 第一の大振幅信号入出力端子
17 第二の大振幅信号入出力端子
18 第一の外部信号選択トランジスタ
19 第一の外部信号源
20 第二の入出力回路
22 第一のビット線
23 第二のビット線
24 ワード線
25 メモリセル
26 最外側メモリセル
27 外部信号選択MOSトランジスタ
28 外部バス
30 出力CMOSインバータ
31 出力CMOSインバータの出力端子
32 水晶振動子(の等価回路)
33 第四のMOSトランジスタ
34 第一のMOSトランジスタ列
35 第二のMOSトランジスタ列
36 第五のMOSトランジスタ
37 第六のMOSトランジスタ
40 読み出し信号
101 短絡MOSトランジスタ、出力側の入出力回路の第一と第二と第三のMOSトランジスタの遮断信号
102 出力側の第一の入出力回路のCMOSインバータの出力
103 入力側の第二の入出力回路の第一と第二と第三のMOSトランジスタの遮断信号
104 入力側の第二の入出力回路のCMOSインバータの出力
105 小振幅信号線の電圧
106 第一の状態区間
107 第二の状態区間
108 第三の状態区間
201 出力側の入出力回路のCMOSインバータの出力
202 入力側の入出力回路のCMOSインバータの出力
203 短絡MOSトランジスタの遮断信号、入力側の第三のMOSトランジスタの遮断信号、入出力側と出力側の第一と第二のMOSトランジスタの遮断信号
204 小振幅信号線の電圧
405 出力CMOSインバータの出力端子の波形
406 入力側の入出力回路の第二の大振幅信号入出力端子の波形
501 出力CMOSインバータの出力波形
502 第一の状態(負帰還動作)区間
503 第二の状態(正帰還動作)区間
504 第三の状態(発振開始、正帰還動作)区間
505 第四の状態(発振中断、負帰還動作)区間
506 第五の状態(スタンバイ状態、正帰還動作)区間
507 第六の状態(発振再開、正帰還動作)区間
601 第一のCMOSインバータの出力
602 第二のCMOSインバータの出力
603 読み出し信号
604 第一と第二のビット線の電圧
図1
図1-a】
図2
図2-a】
図3
図4
図4-a】
図5
図5-a】
図6
図6-a】
【手続補正書】
【提出日】2023-07-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
データを2つの小振幅信号の小振幅差動電圧信号として伝送する第一と第二の小振幅信号線と、前記第一と第二の小振幅信号線を短絡する短絡MOSトランジスタと、前記第一と第二の小振幅信号線に選択的に接続され、相互に、双方向にデータを送受信する複数の入出力回路と、を含む双方向データ伝送回路であって、
前記各入出力回路は、
それぞれ、前記第一と第二の小振幅信号線からの小振幅信号を入出力する第一と第二の小振幅信号入出力端子と、それぞれ、前記第一と第二の小振幅信号入出力端子を介して電流を入出力し小振幅信号選択信号で導通制御される第一と第二のMOSトランジスタと、それぞれ、前記第一と第二のMOSトランジスタに並列に接続された第一と第二のコンデンサと、大振幅信号を入出力する第一と第二の大振幅信号入出力端子と、データ検出回路と、を含み、
前記データ検出回路は、
それぞれ、前記第一と第二のMOSトランジスタを介してまたは前記第一と第二の大振幅入出力端子を介して電流を入出力する第一と第二の入出力端子と、それぞれ、出力端子が前記第一と第二の入出力端子に接続された第一と第二のCMOSインバータと、前記第一と第二のCMOSインバータの入力端子を接続する第三のMOSトランジスタと、を含み、前記第一のCMOSインバータの入力端子は前記第三のMOSトランジスタを介して前記第二のCMOSインバータの出力に接続され、前記第二のCMOSインバータの入力端子は前記第三のMOSトランジスタを介して前記第一のCMOSインバータの出力に接続されており、
前記双方向データ伝送回路は、
第一の状態として、前記短絡MOSトランジスタを導通し、前記第一と第二の小振幅信号線を短絡し、前記第一と第二の小振幅信号線に保存された電荷を放電し、出力側と入力側の第一と第二の入出力回路の前記第一と第二と第三のMOSトランジスタを導通し、前記第一と第二のCMOSインバータと前記第三のMOSトランジスタで負帰還ループを形成し、前記第一と第二のコンデンサに保存された前記第三のMOSトランジスタの両端の前記第一と第二のCMOSインバータの閾値電圧を中心電圧とする小振幅差動電圧を前記第一と第二のMOSトランジスタと前記短絡MOSトランジスタで分圧し、前記第一と第二の小振幅信号線に出力する、ことからなる初期電圧設定動作と、
第二の状態として、前記短絡MOSトランジスタを遮断し、出力側の前記第一の入出力回路の前記第一と第二と第三のMOSトランジスタを遮断し、前記第一と第二のCMOSインバータで正帰還ループを形成し、前記第一と第二のコンデンサに保存された前記第三のMOSトランジスタの両端の小振幅差動電圧を大振幅差動電圧に増幅し、前記第一と第二のCMOSインバータの電圧の変化に応じて前記第一と第二のコンデンサを介して前記第一と第二の小振幅信号線を充電し、前記第一と第二の小振幅信号線の振幅を拡大し、入力側の前記第二の入出力回路の前記第一と第二と第三のMOSトランジスタを導通し、前記第一と第二の小振幅信号線の小振幅差動電圧を前記第一と第二と第三のMOSトランジスタで分圧し、前記第三のMOSトランジスタの両端の差動電圧または前記第一と第二の大振幅入出力端子から読み込んだ大振幅差動電圧を前記第一と第二のコンデンサに保存する、ことからなる振幅拡大動作および書き込み動作と、
第三の状態として、前記短絡MOSトランジスタを遮断し、入力側の前記第二の入出力回路の前記第一と第二と第三のMOSトランジスタを遮断し、前記第二の入出力回路の前記第一と第二のCMOSインバータで正帰還ループを形成し、前記第一と第二のコンデンサに保存した前記第三のMOSトランジスタの両端の小振幅差動電圧を大振幅差動電圧に増幅し、前記第一と第二のCMOSインバータの電圧の変化に応じて前記第一と第二のコンデンサを介して前記第一と第二の小振幅信号線を充電し、前記第一と第二の小振幅信号線の振幅を更に拡大し、前記第三のMOSトランジスタの両端の大振幅差動電圧を前記第一と第二のコンデンサに保存する、ことからなる読み出し動作および保存動作と、
を実行可能なものであることを特徴とする双方向データ伝送回路
【請求項2】
データを2つの小振幅信号の小振幅差動電圧信号として伝送する第一と第二の小振幅信号線と、前記第一と第二の小振幅信号線を短絡する短絡MOSトランジスタと、前記第一と第二の小振幅信号線に選択的に接続され、相互に、双方向にデータを送受信する複数の入出力回路と、を含む双方向データ伝送回路であって、
前記各入出力回路は、
それぞれ、前記第一と第二の小振幅信号線からの小振幅信号を入出力する第一と第二の小振幅信号入出力端子と、それぞれ、前記第一と第二の小振幅信号入出力端子を介して電流を入出力し小振幅信号選択信号で導通制御される第一と第二のMOSトランジスタと、大振幅信号を入出力する第一と第二の大振幅信号入出力端子と、データ検出回路と、を含み、
前記データ検出回路は、
それぞれ、前記第一と第二のMOSトランジスタを介してまたは前記第一と第二の大振幅入出力端子を介して電流を入出力する第一と第二の入出力端子と、それぞれ、出力端子が前記第一と第二の入出力端子に接続された第一と第二のCMOSインバータと、前記第一と第二のCMOSインバータの入力端子を接続する第三のMOSトランジスタと、を含み、前記第三のMOSトランジスタの両端には並列に第一のコンデンサが接続され、前記第一のCMOSインバータの入力端子は前記第三のMOSトランジスタを介して前記第二のCMOSインバータの出力に接続され、前記第二のCMOSインバータの入力端子は前記第三のMOSトランジスタを介して前記第一のCMOSインバータの出力に接続されており、
前記双方向データ伝送回路は、
第一の状態として、前記短絡MOSトランジスタを導通し、出力側の第一の入出力回路の前記第一と第二のMOSトランジスタを導通し、前記第三のMOSトランジスタを遮断し、前記第一と第二のCMOSインバータで正帰還ループを形成し、前記第三のMOSトランジスタの両端に接続された前記第一のコンデンサに保存された小振幅差動電圧を大振幅差動電圧に増幅し、前記第三のMOSトランジスタの両端の大振幅差動電圧を前記第一と第二のMOSトランジスタと前記短絡MOSトランジスタで分割し、前記第一と第二の小振幅信号線に小振幅差動電圧を出力し、入力側の第二の入出力回路の前記第一と第二と第三のMOSトランジスタを導通し、前記第一と第二のCMOSインバータと前記第三のMOSトランジスタで負帰還ループを形成し、前記第三のMOSトランジスタの両端の電圧を前記第一と第二のCMOSインバータの閾値電圧を中心とする小振幅差動電圧に設定し、前記第三のMOSトランジスタの両端の電圧を前記第一のコンデンサに保存する、ことからなる初期電圧設定動作および書き込み動作と、
第二の状態として、前記短絡MOSトランジスタを導通し、出力側の前記第一の入出力回路の前記第一と第二のMOSトランジスタを遮断し、入力側の前記第二の入出力回路の前記第一と第二と第三のMOSトランジスタを遮断し、前記第一と第二のCMOSインバータで正帰還ループを形成し、前記第三のMOSトランジスタの両端に接続された前記第一のコンデンサに保存された小振幅差動電圧を大振幅差動電圧に増幅し、保存する、ことからなる読み出し動作および保存動作と、
を実行可能なものであることを特徴とする双方向データ伝送回路
【請求項3】
請求項1に記載の入出力回路を用いたメモリ回路であって、前記複数の入出力回路が複数のメモリセルとしてマトリクス状に配列され、第一と第二のビット線に短絡MOSトランジスタが接続され、列方向の複数のメモリセルが前記第一と第二のビット線にそれぞれ前記第一と第二のMOSトランジスタと前記第一と第二のコンデンサを介して接続されており、前記第一と第二と第三のMOSトランジスタがワード線により導通制御され、前記各メモリセル間で前記各ビット線を介してデータが双方向に伝送され、最外側の各前記メモリセルは前記第一と第二の大振幅信号入出力端子を介して外部バスに接続され、前記第一と第二のビット線と前記外部バスとの間でデータが入出力されるものであって、
前記メモリ回路は、
第一の状態として、前記短絡MOSトランジスタを導通し、前記第一と第二のビット線を短絡し、前記第一と第二のビット線に保存された電荷を放電し、前記複数のメモリセルの内の出力側と入力側の第一と第二のメモリセルの前記第一と第二と第三のMOSトランジスタを導通し、前記第一と第二のCMOSインバータと前記第三のMOSトランジスタで負帰還ループを形成し、前記第一と第二のコンデンサに保存された前記第三のMOSトランジスタの両端の前記第一と第二のCMOSインバータの閾値電圧を中心電圧とする小振幅差動電圧を前記第一と第二のMOSトランジスタと前記短絡MOSトランジスタで分圧し、前記第一と第二のビット線に出力する、ことからなる初期電圧設定動作と、
第二の状態として、前記短絡MOSトランジスタを遮断し、出力側の前記第一のメモリセルの前記第一と第二と第三のMOSトランジスタを遮断し、前記第一と第二のCMOSインバータで正帰還ループを形成し、前記第一と第二のコンデンサに保存された前記第三のMOSトランジスタの両端の小振幅差動電圧を大振幅差動電圧に増幅し、前記第一と第二のCMOSインバータの電圧の変化に応じて前記第一と第二のコンデンサを介して前記第一と第二のビット線を充電し、前記第一と第二のビット線の振幅を拡大し、入力側の前記第二のメモリセルの前記第一と第二と第三のMOSトランジスタを導通し、前記第一と第二のビット線の小振幅電圧を前記第一と第二と第三のMOSトランジスタで分圧し、前記第三のMOSトランジスタの両端の電圧または前記第一と第二の大振幅入出力端子から読み込んだ大振幅差動電圧を前記第一と第二のコンデンサに保存する、ことからなる振幅拡大動作および書き込み動作と、
第三の状態として、前記短絡MOSトランジスタを遮断し、入力側の前記第二のメモリセルの前記第一と第二と第三のMOSトランジスタを遮断し、前記第二のメモリセルの前記第一と第二のCMOSインバータで正帰還ループを形成し、前記第一と第二のコンデンサに保存した前記第三のMOSトランジスタの両端の小振幅差動電圧を大振幅差動電圧に増幅し、前記第一と第二のCMOSインバータの電圧の変化に応じて前記第一と第二のコンデンサを介して前記第一と第二のビット線を充電し、前記第一と第二のビット線の振幅を更に拡大し、前記第三のMOSトランジスタの両端の大振幅差動電圧を前記第一と第二のコンデンサに保存する、ことからなる読み出し動作および保存動作と、
を実行可能なものであることを特徴とするメモリ回路。
【請求項4】
請求項1に記載の入出力回路を用いた双方向連続信号伝送回路であって、クロックに例示される連続した信号が双方向に伝送される第一と第二の小振幅信号線と、前記第一と第二の小振幅信号線を短絡する短絡MOSトランジスタと、出力側の前記第一の入出力回路と、入力側の前記第二の入出力回路と、入力側の前記第二の入出力回路の前記第一または第二の大振幅信号入出力端子に接続された出力CMOSインバータと、を含み、
前記双方向連続信号伝送回路は、
前記短絡MOSトランジスタを導通し、出力側の前記第一の入出力回路の前記第一と第二と第三のMOSトランジスタを遮断し、外部信号源から大振幅差動電圧を前記第一と第二の大振幅信号入出力端子を介して入力し、前記第一と第二の小振幅信号線に前記第一と第二のコンデンサを介して大振幅差動電圧を出力し、前記第一と第二の小振幅信号線を充電し、前記第一と第二の小振幅信号線を前記短絡MOSトランジスタを介して充放電し、前記第一と第二の小振幅信号線の間に小振幅差動電圧を出力し、入力側の前記第二の入出力回路の前記第一と第二と第三のMOSトランジスタを導通し、前記第一と第二の小振幅信号線の小振幅差動電圧を前記第一と第二と第三のMOSトランジスタで分圧し、前記第三のMOSトランジスタの両端に前記第一と第二のCMOSインバータの閾値電圧を中心電圧とする前記第一と第二の小振幅信号線を出力し、前記第三のMOSトランジスタの両端の電圧を前記第一と第二のMOSトランジスタを介して前記第一と第二の小振幅信号線に出力し、前記第一と第二の小振幅信号線の中心電圧を前記第一と第二のCMOSインバータの閾値電圧とし、入力側の前記第二の入出力回路の前記第三のMOSトランジスタの端子の電圧を入力側の前記出力CMOSインバータで増幅し、出力する、ことからなる動作、
を実行可能なものであることを特徴とする双方向連続信号伝送回路。
【請求項5】
請求項2に記載の入出力回路を用いた水晶発振回路であって、前記第一と第二の小振幅信号入出力端子に水晶振動子の両端が接続され、前記第一と第二のMOSトランジスタにより前記水晶振動子が選択的に接続され、第四のMOSトランジスタが前記第三のMOSトランジスタと並列に接続されており、
前記水晶発振回路は、
第一の状態として、前記第一と第二と第四のMOSトランジスタを遮断し、前記第三のMOSトランジスタを導通し、前記第一と第二のCMOSインバータと前記第三のMOSトランジスタで負帰還ループを形成し、前記第一と第二の大振幅入出力端子から大振幅電圧を入力し、入力電圧を検出する、ことからなる初期入力動作と、
第二の状態として、前記第一と第二と第三と第四のMOSトランジスタを遮断し、前記第一と第二のCMOSインバータで正帰還ループを形成し、前記第一と第二の大振幅信号入出力端子から入力した電圧を増幅し、前記第一のコンデンサに保存する、ことからなる増幅動作およびスタンバイ動作と、
第三の状態として、前記第一と第二と第四のMOSトランジスタを導通し、前記第三のMOSトランジスタを遮断し、前記第一と第二のCMOSインバータと前記第四のMOSトランジスタで正帰還ループを形成し、前記水晶振動子に前記第一と第二の小振幅信号入出力端子から前記第一のコンデンサに保存された大振幅差動電圧を印加し、前記水晶振動子の発振を促し、発振を開始した前記水晶振動子の両端の差動電圧を前記第一と第二と第四のMOSトランジスタで分圧し、前記第四のMOSトランジスタの端子電圧を前記第一と第二のCMOSインバータと前記第四のMOSトランジスタで形成される正帰還ループで増幅し、発振振幅を拡大する、ことからなる発振開始動作と、
第四の状態として、前記第一と第二と第三と第四のMOSトランジスタを導通し、前記第一と第二のCMOSインバータと前記第三と第四のMOSトランジスタで負帰還ループを形成し、発振振幅を減衰させ、発振を中断し、前記第三のMOSトランジスタの両端の電圧を前記第一のコンデンサに保存する、ことからなる発振中断動作と、
第五の状態として、前記第一と第二と第三と第四のMOSトランジスタを遮断し、前記第一と第二のCMOSインバータで正帰還ループを形成し、前記第一のコンデンサに保存された電圧を増幅し、大振幅差動電圧とする、ことからなるスタンバイ状態と、
第六の状態として、前記第一と第二と第四のMOSトランジスタを導通し、前記第一と第二の小振幅信号入出力端子から前記第一のコンデンサに保存された大振幅差動電圧を前記水晶振動子に印加し、発振を促し、水晶振動子の両端の差動電圧を前記第一と第二と第四のMOSトランジスタで分圧し、前記第四のMOSトランジスタの端子電圧を前記第一と第二のCMOSインバータと前記第四のMOSトランジスタで形成される正帰還ループで増幅し、発振振幅を拡大し、発振を再開する、ことからなる発振再開動作と、
を実行可能なものであることを特徴とする水晶発振回路。
【請求項6】
請求項2に記載の入出力回路を用いたNAND型ROMの読み出し回路であって、前記第一と第二の小信号入出力端子に短絡MOSトランジスタの両端が接続され、前記第一と第二の小信号入出力端子に、任意の閾値に設定可能であって特定の閾値に設定された第一と第二のMOSトランジスタ列が、それぞれ第一と第二の寄生容量を有する第一と第二のビット線を介して接続され、前記第一のMOSトランジスタ列を検出対象のMOSトランジスタ列、前記第二のMOSトランジスタ列を参照用のMOSトランジスタ列とし、前記第一と第二のMOSトランジスタ列の他端が第五と第六のMOSトランジスタを介して接地されており、
前記NAND型ROMの読み出し回路は、
第一の状態として、前記第一と第二と第三のMOSトランジスタと前記短絡MOSトランジスタと前記第五と第六のMOSトランジスタを導通し、前記第一と第二のCMOSインバータと前記第三のMOSトランジスタで負帰還ループを形成し、前記第一と第二のMOSトランジスタ列に前記第一と第二と第三のMOSトランジスタ介して電流を流し、前記第一と第二のMOSトランジスタ列の抵抗の差をビット線間の電圧に変換し、前記第一と第二のビット線間の電圧を前記第一と第二のCMOSインバータの閾値電圧を中心とする小振幅電圧に設定し、前記第三のMOSトランジスタの両端の電圧を前記第一のコンデンサに保存する、ことからなるビット線電圧の初期設定動作および電圧検出動作および電圧保存動作と、
第二の状態として、前記第一と第二と第三のMOSトランジスタMOSと前記第五と第六のMOSトランジスタを遮断し、前記第一と第二のCMOSインバータで正帰還ループを形成し、前記第一のコンデンサに保存された電圧を増幅し、大振幅電圧とし、前記各MOSトランジスタ列のメモリセルのデータを読み出す、ことからなる電圧読み出し動作および増幅動作と、
を実行可能なものであることを特徴とするNAND型ROMの読み出し回路。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本発明は、データを2つの小振幅信号の小振幅差動電圧信号として伝送する第一と第二の小振幅信号線と、前記第一と第二の小振幅信号線を短絡する短絡MOSトランジスタと、前記第一と第二の小振幅信号線に選択的に接続され、相互に、双方向にデータを送受信する複数の入出力回路と、を含む双方向データ伝送回路であって、
前記各入出力回路は、
それぞれ、前記第一と第二の小振幅信号線からの小振幅信号を入出力する第一と第二の小振幅信号入出力端子と、それぞれ、前記第一と第二の小振幅信号入出力端子を介して電流を入出力し小振幅信号選択信号で導通制御される第一と第二のMOSトランジスタと、それぞれ、前記第一と第二のMOSトランジスタに並列に接続された第一と第二のコンデンサと、大振幅信号を入出力する第一と第二の大振幅信号入出力端子と、データ検出回路と、を含み、
前記データ検出回路は、
それぞれ、前記第一と第二のMOSトランジスタを介してまたは前記第一と第二の大振幅入出力端子を介して電流を入出力する第一と第二の入出力端子と、それぞれ、出力端子が前記第一と第二の入出力端子に接続された第一と第二のCMOSインバータと、前記第一と第二のCMOSインバータの入力端子を接続する第三のMOSトランジスタと、を含み、前記第一のCMOSインバータの入力端子は前記第三のMOSトランジスタを介して前記第二のCMOSインバータの出力に接続され、前記第二のCMOSインバータの入力端子は前記第三のMOSトランジスタを介して前記第一のCMOSインバータの出力に接続されており、
前記双方向データ伝送回路は、
第一の状態として、前記短絡MOSトランジスタを導通し、前記第一と第二の小振幅信号線を短絡し、前記第一と第二の小振幅信号線に保存された電荷を放電し、出力側と入力側の第一と第二の入出力回路の前記第一と第二と第三のMOSトランジスタを導通し、前記第一と第二のCMOSインバータと前記第三のMOSトランジスタで負帰還ループを形成し、前記第一と第二のコンデンサに保存された前記第三のMOSトランジスタの両端の前記第一と第二のCMOSインバータの閾値電圧を中心電圧とする小振幅差動電圧を前記第一と第二のMOSトランジスタと前記短絡MOSトランジスタで分圧し、前記第一と第二の小振幅信号線に出力する、ことからなる初期電圧設定動作と、
第二の状態として、前記短絡MOSトランジスタを遮断し、出力側の前記第一の入出力回路の前記第一と第二と第三のMOSトランジスタを遮断し、前記第一と第二のCMOSインバータで正帰還ループを形成し、前記第一と第二のコンデンサに保存された前記第三のMOSトランジスタの両端の小振幅差動電圧を大振幅差動電圧に増幅し、前記第一と第二のCMOSインバータの電圧の変化に応じて前記第一と第二のコンデンサを介して前記第一と第二の小振幅信号線を充電し、前記第一と第二の小振幅信号線の振幅を拡大し、入力側の前記第二の入出力回路の前記第一と第二と第三のMOSトランジスタを導通し、前記第一と第二の小振幅信号線の小振幅差動電圧を前記第一と第二と第三のMOSトランジスタで分圧し、前記第三のMOSトランジスタの両端の差動電圧または前記第一と第二の大振幅入出力端子から読み込んだ大振幅差動電圧を前記第一と第二のコンデンサに保存する、ことからなる振幅拡大動作および書き込み動作と、
第三の状態として、前記短絡MOSトランジスタを遮断し、入力側の前記第二の入出力回路の前記第一と第二と第三のMOSトランジスタを遮断し、前記第二の入出力回路の前記第一と第二のCMOSインバータで正帰還ループを形成し、前記第一と第二のコンデンサに保存した前記第三のMOSトランジスタの両端の小振幅差動電圧を大振幅差動電圧に増幅し、前記第一と第二のCMOSインバータの電圧の変化に応じて前記第一と第二のコンデンサを介して前記第一と第二の小振幅信号線を充電し、前記第一と第二の小振幅信号線の振幅を更に拡大し、前記第三のMOSトランジスタの両端の大振幅差動電圧を前記第一と第二のコンデンサに保存する、ことからなる読み出し動作および保存動作と、
を実行可能なものであることを特徴とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
図1】本願の第1実施形態に係る双方向データ伝送回路の実施例を示す。
図1-a】図1の回路のシミュレーション波形である。
図2】本願の第2実施形態に係る双方向データ伝送回路の実施例を示す。
図2-a】図2の回路のシミュレーション波形である。
図3】本願の第3実施形態に係るメモリ回路の実施例を示す。
図4】本願の第4実施形態に係る双方向連続信号伝送回路の実施例を示す。
図4-a】図4の回路のシミュレーション波形である。
図5】本願の第5実施形態に係る水晶発振回路の実施例を示す。
図5-a】図5の回路のシミュレーション波形である。
図6】本願の第6実施形態に係るNAND型ROMの読み出し回路の実施例を示す 。
図6-a】図6の回路のシミュレーション波形である。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
実施例1は、小振幅の信号伝送における双方向データ伝送回路の一例である。
図1から図1―aを用いて、実施例1に係る双方向データ伝送回路について説明する。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
<実施例1の構成について>
図1には本実施例の双方向データ伝送回路の構成が示されている。
本実施例の双方向データ伝送回路は、データを2つの小振幅信号の小振幅差動電圧信号
として伝送する第一と第二の小振幅信号線(2、3)と、第一と第二の小振幅信号線(2
、3)(2、3)を短絡する短絡MOSトランジスタ1と、第一と第二の小振幅信号線(
2、3)に選択的に接続され、相互に、双方向にデータを送受信する複数の入出力回路(
13、20等)と、を含む。
各入出力回路(13、20等)は、それぞれ、第一と第二の小振幅信号線(2、3)か
らの小振幅信号を入出力する第一と第二の小振幅信号入出力端子(6、7)と、それぞれ
、第一と第二の小振幅信号入出力端子(6、7)を介して電流を入出力し小振幅信号選択
信号で導通制御される第一と第二のMOSトランジスタ(10、11)と、それぞれ、第
一と第二のMOSトランジスタ(10、11)に並列に接続された第一と第二のコンデン
サ(8、9)と、大振幅信号を入出力する第一と第二の大振幅信号入出力端子(16、1
7)と、データ検出回路と、を含む。
データ検出回路は、それぞれ、第一と第二のMOSトランジスタ(10、11)を介し
てまたは第一と第二の大振幅入出力端子を介して電流を入出力する第一と第二の入出力端
子と、それぞれ、出力端子が第一と第二の入出力端子に接続された第一と第二のCMOS
インバータ(14、15)と、第一と第二のCMOSインバータ(14、15)の入力端
子を接続する第三のMOSトランジスタ12と、を含み、第一のCMOSインバータ14
の入力端子は第三のMOSトランジスタ12を介して第二のCMOSインバータ15の出
力に接続され、第二のCMOSインバータ15の入力端子は第三のMOSトランジスタ1
2を介して第一のCMOSインバータ14の出力に接続されている。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
<実施例1の動作について>
図1-aには図1の回路の動作時におけるシミュレーション波形が示されている。すな
わち、以下に示される各動作状態区間(106、107、108)における、短絡MOS
トランジスタ1、出力側の入出力回路13の第一と第二と第三のMOSトランジスタ(1
0、11、12)の遮断信号101と、出力側の第一の入出力回路13の第一と第二のC
MOSインバータ(14、15)の出力102と、入力側の第二の入出力回路20の第一
と第二と第三のMOSトランジスタ(10、11、12)の遮断信号103と、入力側の
第二の入出力回路20の第一と第二のCMOSインバータ(14、15)の出力104と
、第一と第二の小振幅信号線(2、3)の電圧105、である。
本実施例における双方向データ伝送回路の動作は以下の通りである。
第一の状態106としての初期電圧設定動作:
短絡MOSトランジスタ1を導通し、第一と第二の小振幅信号線(2、3)を短絡し、
第一と第二の小振幅信号線(2、3)に保存された電荷を放電し、出力側と入力側の第一
と第二の入出力回路(13、20)の第一と第二と第三のMOSトランジスタ(10、1
1、12)を導通し、第一と第二のCMOSインバータ(14、15)と第三のMOSト
ランジスタ12で負帰還ループを形成し、第一と第二のコンデンサ(8、9)に保存され
た第三のMOSトランジスタ12の両端の第一と第二のCMOSインバータ(14、15
)の閾値電圧を中心電圧とする小振幅差動電圧を第一と第二のMOSトランジスタ(10
、11)と短絡MOSトランジスタ1で分圧し、第一と第二の小振幅信号線(2、3)に
出力する。
第二の状態107としての振幅拡大動作および書き込み動作:
短絡MOSトランジスタ1を遮断し、出力側の第一の入出力回路13の第一と第二と第
三のMOSトランジスタ(10、11、12)を遮断し、第一と第二のCMOSインバー
タ(14、15)で正帰還ループを形成し、第一と第二のコンデンサ(8、9)に保存さ
れた第三のMOSトランジスタ12の両端の小振幅差動電圧を大振幅差動電圧に増幅し、
第一と第二のCMOSインバータ(14、15)の電圧の変化に応じて第一と第二のコン
デンサ(8、9)を介して第一と第二の小振幅信号線(2、3)を充電し、第一と第二の
小振幅信号線(2、3)の振幅を拡大し、入力側の第二の入出力回路20の第一と第二と
第三のMOSトランジスタ(10、11、12)を導通し、第一と第二の小振幅信号線(
2、3)の小振幅差動電圧を第一と第二と第三のMOSトランジスタ(10、11、12
)で分圧し、第三のMOSトランジスタ12の両端の差動電圧または第一と第二の大振幅
入出力端子から読み込んだ大振幅差動電圧を第一と第二のコンデンサ(8、9)に保存す
る。
第三の状態108としての読み出し動作および保存動作:
短絡MOSトランジスタ1を遮断し、入力側の第二の入出力回路20の第一と第二と第
三のMOSトランジスタ(10、11、12)を遮断し、第二の入出力回路20の第一と
第二のCMOSインバータ(14、15)で正帰還ループを形成し、第一と第二のコンデ
ンサ(8、9)に保存した第三のMOSトランジスタ12の両端の小振幅差動電圧を大振
幅差動電圧に増幅し、第一と第二のCMOSインバータ(14、15)の電圧の変化に応
じて第一と第二のコンデンサ(8、9)を介して第一と第二の小振幅信号線(2、3)を
充電し、第一と第二の小振幅信号線(2、3)の振幅を更に拡大し、第三のMOSトラン
ジスタ12の両端の大振幅差動電圧を第一と第二のコンデンサ(8、9)に保存する。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
実施例2は、小振幅の信号伝送における双方向データ伝送回路の第二の例である。 図
2から図2―aを用いて、実施例2に係る双方向データ伝送回路について説明する。実施
例2および図2において、実施例1および図1と同一の構成要素は同一の番号で参照し、
その説明は適宜省略する。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0014】
<実施例2の構成について>
図2には本実施例の双方向データ伝送回路の構成が示されている。
本実施例の双方向データ伝送回路は、データを2つの小振幅信号の小振幅差動電圧信号
として伝送する第一と第二の小振幅信号線(2、3)と、第一と第二の小振幅信号線(2
、3)を短絡する短絡MOSトランジスタ1と、および第一と第二の小振幅信号線(2、
3)に選択的に接続され、相互に、双方向にデータを送受信する複数の入出力回路(13
、20等)と、を含む。
各入出力回路(13、20等)は、それぞれ、第一と第二の小振幅信号線(2、3)か
らの小振幅信号を入出力する第一と第二の小振幅信号入出力端子(6、7)と、それぞれ
、第一と第二の小振幅信号入出力端子(6、7)を介して電流を入出力し小振幅信号選択
信号で導通制御される第一と第二のMOSトランジスタ(10、11)と、大振幅信号を
入出力する第一と第二の大振幅信号入出力端子(16、17)と、およびデータ検出回路
と、を含む。
データ検出回路は、それぞれ、第一と第二のMOSトランジスタ(10、11)を介し
てまたは第一と第二の大振幅入出力端子を介して電流を入出力する第一と第二の入出力端
子と、それぞれ、出力端子が第一と第二の入出力端子に接続された第一と第二のCMOS
インバータ(14、15)と、第一と第二のCMOSインバータ(14、15)の入力端
子を接続する第三のMOSトランジスタ12と、を含み、第三のMOSトランジスタ12
の両端には並列に第一のコンデンサ8が接続され、第一のCMOSインバータ14の入力
端子は第三のMOSトランジスタ12を介して第二のCMOSインバータ15の出力に接
続され、第二のCMOSインバータ15の入力端子は第三のMOSトランジスタ12を介
して第一のCMOSインバータ14の出力に接続されている。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0015】
<実施例2の動作について>
図2-aには図2の回路の動作時におけるシミュレーション波形が示されている。すな
わち、下記動作状態における、出力側の入出力回路13の第一と第二のCMOSインバー
タ(14、15)の出力201と、入力側の入出力回路20の第一と第二のCMOSイン
バータ(14、15)の出力202と、短絡MOSトランジスタ1の遮断信号、入力側の
第三のMOSトランジスタ12の遮断信号、入力側と出力側の第一と第二のMOSトラン
ジスタ(10、11)の遮断信号203と、第一と第二の小振幅信号線(2、3)の電圧
204、である。
本実施例における双方向データ伝送回路の動作は以下の通りである。
第一の状態としての初期電圧設定動作および書き込み動作:
短絡MOSトランジスタ1を導通し、出力側の第一の入出力回路13の第一と第二のM
OSトランジスタ(10、11)を導通し、第三のMOSトランジスタ12を遮断し、第
一と第二のCMOSインバータ(14、15)で正帰還ループを形成し、第三のMOSト
ランジスタ12の両端に接続された第一のコンデンサ8に保存された小振幅差動電圧を大
振幅差動電圧に増幅し、第三のMOSトランジスタ12の両端の大振幅差動電圧を第一と
第二のMOSトランジスタ(10、11)と短絡MOSトランジスタ1で分割し、第一と
第二の小振幅信号線(2、3)に小振幅差動電圧を出力し、入力側の第二の入出力回路2
0の第一と第二と第三のMOSトランジスタ(10、11、12)を導通し、第一と第二
のCMOSインバータ(14、15)と第三のMOSトランジスタ12で負帰還ループを
形成し、第三のMOSトランジスタ12の両端の電圧を第一と第二のCMOSインバータ
(14、15)の閾値電圧を中心とする小振幅差動電圧に設定し、第三のMOSトランジ
スタ12の両端の電圧を第一のコンデンサ8に保存する。
第二の状態としての読み出し動作および保存動作:
短絡MOSトランジスタ1を導通し、出力側の第一の入出力回路13の第一と第二のM
OSトランジスタ(10、11)を遮断し、入力側の第二の入出力回路20の第一と第二
と第三のMOSトランジスタ(10、11、12)を遮断し、第一と第二のCMOSイン
バータ(14、15)で正帰還ループを形成し、第三のMOSトランジスタ12の両端に
接続された第一のコンデンサ8に保存された小振幅差動電圧を大振幅差動電圧に増幅し、
保存する。