(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024115451
(43)【公開日】2024-08-26
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/18 20120101AFI20240819BHJP
【FI】
G06Q50/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023021158
(22)【出願日】2023-02-14
(71)【出願人】
【識別番号】523035000
【氏名又は名称】a23s株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100128886
【弁理士】
【氏名又は名称】横田 裕弘
(72)【発明者】
【氏名】▲崎▼地 康文
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC32
5L050CC32
(57)【要約】
【課題】依頼人の相談に対する専門家の受任について、規則を遵守しながら円滑に行えるようにする。
【解決手段】情報処理システムは、専門家に対する相談の相談内容を含む相談情報を依頼人から受け付ける相談受付手段と、相談情報から相談内容の事件性を判定する判定手段と、相談内容の事件性についての専門家による判断結果を取得する判断取得手段と、判定手段による判定結果および専門家による判断結果を用いて、相談の依頼に対する専門家の受任に関する処理を行う受任処理手段と、を備えることを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
専門家に対する相談の相談内容を含む相談情報を依頼人から受け付ける相談受付手段と、
前記相談情報から前記相談内容の事件性を判定する判定手段と、
前記相談内容の事件性についての前記専門家による判断結果を取得する判断取得手段と、
前記判定手段による判定結果および前記専門家による前記判断結果を用いて、前記相談の依頼に対する前記専門家の受任に関する処理を行う受任処理手段と、
を備えることを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
前記判断取得手段は、前記判定手段による前記判定結果を前記専門家に示した上で、当該専門家から前記判断結果を取得する、ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記判定手段は、前記専門家が事件性の判断をした前記相談の前記相談情報に対して事件性を判定する、ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項4】
事件性がある前記相談内容の前記相談の依頼をした前記依頼人に対して、費用の請求を行わない、ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記受任処理手段は、前記相談内容に事件性がある場合、前記専門家に前記相談の依頼の受任をさせない、ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項6】
専門家に対する相談の相談内容を含む相談情報を依頼人から受け付ける相談受付手段と、
前記相談情報から前記相談内容の事件性を判定する判定手段と、
前記判定手段による判定結果に基づいて、前記相談の依頼に対する前記専門家の受任に関する処理を行う受任処理手段と、
を備えることを特徴とする情報処理システム。
【請求項7】
前記判定手段は、複数の前記相談情報を含むリストにおいて、事件性があると判定した相談情報と、事件性が無いと判定した相談情報とを識別可能にする、ことを特徴とする請求項6に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記判定手段は、事件性に係わるキーワードを用いて前記相談情報から前記相談内容の事件性を判定する、ことを特徴とする請求項6に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記判定手段は、複数の前記相談情報を含むリストにおいて事件性の程度を示す、ことを特徴とする請求項6に記載の情報処理システム。
【請求項10】
専門家に対する相談の相談内容を含む相談情報を依頼人から受け付ける相談受付手段と、
前記相談内容の事件性についての前記専門家による判断結果を取得する判断取得手段と、
前記専門家による前記判断結果に基づいて、前記相談の依頼に対する前記専門家の受任に関する処理を行う受任処理手段と、
を備えることを特徴とする情報処理システム。
【請求項11】
前記相談受付手段が受け付けた前記相談情報を画像表示部に表示させる表示制御手段を備え、
前記判断取得手段は、前記相談情報ごとに表示される受付画像にて前記専門家から前記判断結果を取得する、ことを特徴とする請求項10に記載の情報処理システム。
【請求項12】
前記専門家が弁護士であることを示す弁護士情報を管理する管理手段を備え、
前記判断取得手段は、前記弁護士情報に関連付けられた弁護士から前記判断結果を取得する、ことを特徴とする請求項10に記載の情報処理システム。
【請求項13】
前記判断取得手段が受け付けた前記判断結果を前記相談情報ごとに関連付けて記憶する記憶手段を備える、ことを特徴とする請求項10に記載の情報処理システム。
【請求項14】
前記相談を受任した前記専門家によって当該相談の前記相談内容に事件性があると受任後に判断された場合、当該相談の前記依頼人に対して費用の請求を行わない、ことを特徴とする請求項10に記載の情報処理システム。
【請求項15】
専門家に対する相談の相談内容を含む相談情報から当該相談内容の事件性を判定した判定結果を取得する判定取得手段と、
前記相談内容の事件性についての前記専門家による判断結果を取得する判断取得手段と、
前記判定取得手段が取得した前記判定結果および前記判断取得手段が取得した前記判定結果を用いて、前記相談の依頼に対する前記専門家の受任に関する処理を行う受任処理手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項16】
専門家に対する相談の相談内容を含む相談情報を依頼人から受け付けるステップと、
前記相談情報から前記相談内容の事件性を判定するステップと、
前記相談内容の事件性についての前記専門家による判断結果を取得するステップと、
前記相談内容の事件性の判定結果および前記専門家による前記判断結果を用いて、前記相談の依頼に対する前記専門家の受任に関する処理を行うステップと、
を備えることを特徴とする情報処理方法。
【請求項17】
コンピュータに、
専門家に対する相談の相談内容を含む相談情報を依頼人から受け付ける機能と、
前記相談情報から前記相談内容の事件性を判定する機能と、
前記相談内容の事件性についての前記専門家による判断結果を取得する機能と、
前記相談内容の事件性の判定結果および前記専門家による前記判断結果を用いて、前記相談の依頼に対する前記専門家の受任に関する処理を行う機能と、
を実現させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、質問に対する回答を受け付ける情報処理システムであって、情報処理システムは、第1のユーザが利用する第1の端末から質問に関する情報を受け付ける質問受付処理部と、第2のユーザが利用する第2の端末から質問に対する回答に関する情報を受け付ける回答受付処理部と、質問に対する回答期限の到来後、第1のユーザが質問に対する回答に関する情報の一部または全部を閲覧可能とする回答確認処理部とを有する情報処理システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば依頼人に対して弁護士などの専門家を紹介し、その専門家に相談の依頼を受任させる場合に、専門家に係る規則を遵守する必要がある。一方で、専門家に対して相談の依頼をする依頼者にとっては、相談の依頼を円滑に受任して欲しいという希望がある。
本発明は、依頼人の相談に対する専門家の受任について、規則を遵守しながら円滑に行えるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
かかる目的のもと、本明細書に開示される技術は、専門家に対する相談の相談内容を含む相談情報を依頼人から受け付ける相談受付手段と、前記相談情報から前記相談内容の事件性を判定する判定手段と、前記相談内容の事件性についての前記専門家による判断結果を取得する判断取得手段と、前記判定手段による判定結果および前記専門家による前記判断結果を用いて、前記相談の依頼に対する前記専門家の受任に関する処理を行う受任処理手段と、を備えることを特徴とする情報処理システムである。
【0006】
ここで、前記判断取得手段は、前記判定手段による前記判定結果を前記専門家に示した上で、当該専門家から前記判断結果を取得するとよい。
また、前記判定手段は、前記専門家が事件性の判断をした前記相談の前記相談情報に対して事件性を判定するとよい。
また、事件性がある前記相談内容の前記相談の依頼をした前記依頼人に対して、費用の請求を行わないとよい。
また、前記受任処理手段は、前記相談内容に事件性がある場合、前記専門家に前記相談の依頼の受任をさせないとよい。
【0007】
また、かかる目的のもと、本明細書に開示される技術は、専門家に対する相談の相談内容を含む相談情報を依頼人から受け付ける相談受付手段と、前記相談情報から前記相談内容の事件性を判定する判定手段と、前記判定手段による判定結果に基づいて、前記相談の依頼に対する前記専門家の受任に関する処理を行う受任処理手段と、を備えることを特徴とする情報処理システムである。
【0008】
ここで、前記判定手段は、複数の前記相談情報を含むリストにおいて、事件性があると判定した相談情報と、事件性が無いと判定した相談情報とを識別可能にするとよい。
また、前記判定手段は、事件性に係わるキーワードを用いて前記相談情報から前記相談内容の事件性を判定するとよい。
また、前記判定手段は、複数の前記相談情報を含むリストにおいて事件性の程度を示すとよい。
【0009】
また、かかる目的のもと、本明細書に開示される技術は、専門家に対する相談の相談内容を含む相談情報を依頼人から受け付ける相談受付手段と、前記相談内容の事件性についての前記専門家による判断結果を取得する判断取得手段と、前記専門家による前記判断結果に基づいて、前記相談の依頼に対する前記専門家の受任に関する処理を行う受任処理手段と、を備えることを特徴とする情報処理システムである。
【0010】
ここで、前記相談受付手段が受け付けた前記相談情報を画像表示部に表示させる表示制御手段を備え、前記判断取得手段は、前記相談情報ごとに表示される受付画像にて前記専門家から前記判断結果を取得するとよい。
また、前記専門家が弁護士であることを示す弁護士情報を管理する管理手段を備え、前記判断取得手段は、前記弁護士情報に関連付けられた弁護士から前記判断結果を取得するとよい。
また、前記判断取得手段が受け付けた前記判断結果を前記相談情報ごとに関連付けて記憶する記憶手段を備えるとよい。
また、前記相談を受任した前記専門家によって当該相談の前記相談内容に事件性があると受任後に判断された場合、当該相談の前記依頼人に対して費用の請求を行わないとよい。
【0011】
また、かかる目的のもと、本明細書に開示される技術は、専門家に対する相談の相談内容を含む相談情報から当該相談内容の事件性を判定した判定結果を取得する判定取得手段と、前記相談内容の事件性についての前記専門家による判断結果を取得する判断取得手段と、前記判定取得手段が取得した前記判定結果および前記判断取得手段が取得した前記判定結果を用いて、前記相談の依頼に対する前記専門家の受任に関する処理を行う受任処理手段と、を備えることを特徴とする情報処理装置である。
【0012】
また、かかる目的のもと、本明細書に開示される技術は、専門家に対する相談の相談内容を含む相談情報を依頼人から受け付けるステップと、前記相談情報から前記相談内容の事件性を判定するステップと、前記相談内容の事件性についての前記専門家による判断結果を取得するステップと、前記相談内容の事件性の判定結果および前記専門家による前記判断結果を用いて、前記相談の依頼に対する前記専門家の受任に関する処理を行うステップと、を備えることを特徴とする情報処理方法である。
【0013】
また、かかる目的のもと、本明細書に開示される技術は、コンピュータに、専門家に対する相談の相談内容を含む相談情報を依頼人から受け付ける機能と、前記相談情報から前記相談内容の事件性を判定する機能と、前記相談内容の事件性についての前記専門家による判断結果を取得する機能と、前記相談内容の事件性の判定結果および前記専門家による前記判断結果を用いて、前記相談の依頼に対する前記専門家の受任に関する処理を行う機能と、を実現させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、依頼人の相談に対する専門家の受任について、規則を遵守しながら円滑に行えるようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本実施形態のマッチングシステムの構成図である。
【
図2】本実施形態のサーバ装置の機能ブロック図である。
【
図3】本実施形態の依頼人管理テーブルの一例である。
【
図4】本実施形態の専門家管理テーブルの一例である。
【
図5】本実施形態の相談情報管理テーブルの一例である。
【
図6】本実施形態のマッチングシステムのシーケンス図である。
【
図8】(A)、(B)および(C)は、本実施形態の新規の相談をする際の相談受付画面の一例である。
【
図10】専門家の画面に表示される相談リストの表示態様の一例である。
【
図11】(A)および(B)は、専門家の画面に表示される回答画面の一例である。
【
図12】相談内容に事件性がある場合の相談画面の一例である。
【
図13】携帯端末機器に表示される相談リストの一例である。
【
図14】本実施形態の端末装置のハードウェア構成図である。
【
図15】本実施形態のサーバ装置のハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面を参照して、本実施形態について説明する。
<マッチングシステム1>
図1は、本実施形態のマッチングシステム1の構成図である。
【0017】
図1に示すように、本実施形態のマッチングシステム1は、法律などに関する相談を専門家に依頼する依頼人と、例えば弁護士などの専門家とをマッチングするシステムである。すなわち、本実施形態のマッチングシステム1では、相談の依頼をする依頼人に対して専門家を紹介し、両者が相互に連絡を取れるように結びつける。また、本実施形態のマッチングシステム1において、依頼人と専門家との間でのやりとりは、会話形式でテキストの相互の送受信を行う所謂チャット相談と、音声や画像により相互に通信する所謂オンライン面談とを想定している。なお、本実施形態のマッチングシステム1では、依頼人が専門家を指名するのではなく、専門家が依頼人の相談に任意で対応するようになっている。
【0018】
さらに、マッチングシステム1では、依頼人が専門家に相談を依頼し、専門家がその相談に対応することで依頼人に費用が請求される。つまり、マッチングシステム1では、例えば依頼人の相談に対して専門家が解決策などの回答を示す対応を行うことで、依頼人に対して課金がされるようになっている。本実施形態のマッチングシステム1において、依頼人が支払う費用は、マッチングシステム1の利用料と捉えることができる。
【0019】
ところで、例えば弁護士や弁護士法人に関して、以下のような受任に関する規則が定められている。弁護士法第72条は、弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で、訴訟事件、非訟事件及び審査請求、異議申立て、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができないと定めている。
【0020】
そこで、本実施形態のマッチングシステム1では、訴訟事件、非訟事件及び審査請求、異議申立て、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務(以下、「事件性がある案件」と呼ぶ)であるか否かを考慮したうえで、専門家による依頼人の相談に対する受任の処理を行う。すなわち、相談の相談内容が紛争性を有していたり、法律上の権利義務の争いがあったりする場合、その相談内容は事件性があると考えられる。そして、本実施形態のマッチングシステム1では、システム運用上、事件性のある相談については、依頼人と専門家とのマッチングを行わない。また、本実施形態のマッチングシステム1では、システム運用上、事件性のある相談案件については、依頼人と専門家とをマッチングする場合であっても依頼人からマッチングの報酬として費用請求をしないようにしている。
以下、本実施形態のマッチングシステム1について詳細に説明する。
【0021】
図1に示すように、マッチングシステム1は、依頼人が利用する依頼人端末装置10と、弁護士などの専門家が利用する専門家端末装置30と、本サービスを提供するサーバ装置50とを備えている。
【0022】
依頼人端末装置10、専門家端末装置30およびサーバ装置50は、ネットワークを介して互いに接続されている。ネットワークは、各装置の間のデータ通信に用いられる通信ネットワークであれば特に限定されない。
【0023】
なお、本実施形態の説明の便宜上、依頼人端末装置10および専門家端末装置30をそれぞれ1台ずつ表示しているが、この態様に限定されない。例えば、本サービスにおいて相談を依頼する依頼人および相談に対応する専門家の数に応じてそれぞれ複数台の端末装置によってマッチングシステム1が構成されていてもよい。同様に、サーバ装置50についても、単一の装置であることに限定されず、役割や機能が異なる複数の装置の集合体でもよい。
【0024】
(依頼人端末装置10)
依頼人端末装置10は、マッチングシステム1において相談の依頼をする依頼人が利用する端末装置である。依頼人端末装置10には、例えば設置型のパーソナルコンピュータ(PC)を用いることができる。
なお、依頼人端末装置10は、スマートフォンなどの携帯電話、タブレット型端末などの携帯端末機器など、ユーザが携行することが可能な装置でもよい。この場合、依頼人端末装置10は、タッチパネルが設けられている。依頼人端末装置10は、ユーザがタッチパネルにタッチすることでタッチパネルに表示される画像に対する操作および指示を行う。
【0025】
(専門家端末装置30)
専門家端末装置30は、マッチングシステム1において依頼人の相談の依頼に対応する専門家が利用する端末装置である。専門家端末装置30には、例えば設置型のパーソナルコンピュータ(PC)を用いることができる。また、専門家端末装置30は、各種の情報をモニタ300に表示する。なお、専門家端末装置30は、上述した携帯端末機器であっても良い。
【0026】
(サーバ装置50)
図2は、本実施形態のサーバ装置50の機能ブロック図である。
【0027】
図2に示すように、サーバ装置50は、依頼人に関する情報を管理する依頼人管理部51と、専門家に関する情報を管理する専門家管理部52と、端末装置のモニタに表示させる画面などの画像を制御するUI表示部53とを備える。さらに、サーバ装置50は、依頼人に対する費用請求に関する情報を管理する費用管理部54と、相談に関する情報を管理する相談管理部55と、事件性に関する情報を処理する事件性管理部56とを備える。
【0028】
依頼人管理部51は、依頼人のアカウント情報など各種の情報を管理する。本実施形態の依頼人管理部51は、後述する依頼人管理テーブル200を用いて、依頼人のアカウント情報、ユーザ名、所属情報、住所、連絡先、契約プランおよび課金情報などを管理する。
依頼人は、依頼人端末装置10を介して、専門家に対して法律に係わる相談をする者である。依頼人は、例えば個人や企業の法務担当者などが想定される。そして、依頼人管理部51は、依頼人を一意に特定可能なアカウント情報に他の情報を関連付けて、アカウント情報ごとに各種の情報を管理する。
【0029】
さらに、依頼人と専門家との間で、本実施形態のマッチングシステム1を介さずに直接連絡を行う場合が想定される。また、依頼人と専門家との間で利益相反が生じる可能性がある。そこで、本実施形態の依頼人管理部51は、依頼人の所属情報や連絡先に関する情報を管理している。
【0030】
また、マッチングシステム1では、専門家が依頼人の相談に対応することで依頼人に対する課金が行われる。ここで、本実施形態のマッチングシステム1では、サービスの提供内容と料金とが定めれられた契約プランを依頼人との間で結ぶようになっている。また、本実施形態のマッチングシステム1では、本サービスの利用状況を管理する。そして、依頼人管理部51は、契約プランおよび課金に関する情報を依頼人ごとに管理する。
【0031】
専門家管理部52は、専門家のアカウント情報などの各種の情報を管理する。本実施形態の専門家管理部52は、後述の専門家管理テーブル400を用いて、専門家のアカウント情報、ユーザ名、所属情報、プロフィール情報、登録情報、写真情報および報酬情報を管理する。
専門家は、依頼人の相談に対応する弁護士などである。専門家は、予めアカウント情報をマッチングシステム1に登録する。そして、専門家は、希望する相談に対して回答することで、その相談の依頼に対する受任を行う。
そして、本実施形態の専門家管理部52は、専門家を一意に特定可能なアカウント情報に他の情報を関連付けて、アカウント情報ごとに各種の情報を管理する。
【0032】
また、例えば依頼人は、相談に対応する専門家の情報をより詳しく知ることで安心すると考えられる。そこで、本実施形態のマッチングシステム1では、専門家が所属する事務所や経歴などを専門家に関する情報を依頼人が知ることができるようにしている。そして、専門家管理部52は、専門家の所属情報、プロフィール情報、登録番号および写真情報を管理する。
さらに、本実施形態のマッチングシステム1では、例えば相談の対応回数に応じて、専門家に対して報酬が支払われるようになっている。そして、専門家管理部52は、専門家に対する報酬に関する報酬情報を管理する。
【0033】
UI表示部53は、依頼人端末装置10および専門家端末装置30のモニタにそれぞれ表示させる画面や情報を制御する。例えば、UI表示部53は、後述する依頼人管理テーブル200、専門家管理テーブル400および相談情報管理テーブル600の情報に基づいて、依頼人端末装置10および専門家端末装置30のモニタに表示するための画面や情報を作成しモニタに表示させる。
【0034】
具体的には、例えば本実施形態のUI表示部53は、事件性の有無に応じて、専門家端末装置30のモニタに表示される相談情報の表示態様を制御する。本実施形態のUI表示部53は、事件性の有無や事件性の程度に応じて相談情報の表示態様を異ならせる。
【0035】
費用管理部54は、依頼人に対する費用請求に関する情報を管理する。本実施形態の費用管理部54は、依頼人に請求する費用の請求額を管理する。また、費用管理部54は、クレジットカード決済などの決済手段を利用して、依頼人に対する費用請求の処理を行う。
また、費用管理部54は、依頼人による本サービスの利用状況に応じた費用の請求の有無についても管理する。本実施形態の費用管理部54は、事件性管理部56から取得した相談の事件性の有無の情報に基づいて、その相談の依頼をした依頼人に対する費用請求の処理を行う。本実施形態の費用管理部54は、事件性の無い相談については、専門家に受任をさせて、依頼人に課金をする。一方で、本実施形態の費用管理部54は、事件性がある相談については、依頼人に課金をしない。
【0036】
なお、マッチングシステム1において、依頼人が契約する契約プランに基づいて、専門家が対応可能な相談の対応回数を管理してもよい。この場合、費用管理部54は、事件性が無い相談依頼については、残りの対応可能な回数を減らす処理を行う。一方で、費用管理部54は、事件性のある相談については、残りの対応回数を減らさないという処理を行う。このように、費用管理部54は、この残りの対応回数に関する情報を、依頼人管理部51を介して依頼人管理テーブル200の情報を更新することで、依頼人に対する費用の請求を管理してもよい。
【0037】
相談管理部55は、依頼人の相談の管理を行う。本実施形態の相談管理部55は、後述する相談情報管理テーブル600を用いて、受付日時や相談内容、相談をする依頼人、相談に対応する専門家の情報、相談の処理状況、事件性に関する情報を管理する。
【0038】
本実施形態のマッチングシステム1では、依頼人は、例えば依頼人端末装置10に表示される相談画面751(後述)を介して相談の依頼を行う。そして、相談管理部55は、依頼人のアカウント情報に関連付けて、相談内容の管理を行う。また、相談管理部55は、相談に対応する専門家について、専門家のアカウント情報を用いて管理する。
【0039】
さらに、相談管理部55は、相談ごとに、ステータスを管理する。例えば、ステータスは、相談の依頼がされて未だ対応されていない状況、相談に対応している状況、相談依頼の対応が完了した状況、また例えば事件性に応じて相談をキャンセルした状況などを例示できる。
【0040】
また、相談管理部55は、事件性管理部56から取得した情報に基づいて、事件性に関する情報を管理する。そして、相談管理部55は、事件性管理部56から取得した相談の事件性の判断情報に基づいて、専門家に対する依頼人の相談の受任に関する処理を行う。例えば、相談管理部55は、ある相談について専門家により事件性が無いと判断された場合、その相談の依頼に対して専門家を受任させる。一方で、相談管理部55は、ある相談について事件性があると判断された場合、その相談に対する専門家の受任をさせない、あるいは受任を取り消す。
【0041】
事件性管理部56は、相談の事件性に関する処理を行う。事件性管理部56は、専門家などの人の判断ではなく、マッチングシステム1による事件性の有無の判定を行う。
また、事件性管理部56は、マッチングシステム1による判定ではなく、例えば弁護士などの専門家による相談の事件性の判断結果も取得する。具体的には、事件性管理部56は、相談の相談内容について事件性があると専門家が判断した場合に、事件性有りの判断に関する判断情報を取得する。事件性管理部56は、相談について事件性が無いと専門家が判断した場合に、事件性無しの判断に関する判断情報を取得する。
【0042】
以上のように、事件性管理部56は、相談の相談情報に基づく事件性の判断に関する判定情報の作成と、相談についての専門家による事件性の判断に関する判断情報の取得とを行う。そして、事件性管理部56は、事件性に関するシステムの判定情報および専門家による判断情報を相談管理部55に送る。
なお、本実施形態のマッチングシステム1において、依頼人が自身の相談について、その相談の事件性の有無についての判断をすることは想定していない。
【0043】
続いて、事件性管理部56による具体的な判定方法について説明する。
事件性管理部56は、事件性の有無の判定に用いる予め定められたキーワード(以下、指定ワード)のリストをデータベースに記憶している。そして、事件性管理部56は、例えば相談内容を構成するテキストデータの中から指定ワードに対応するものを抽出する。事件性管理部56は、テキストデータからの指定ワードの抽出結果に基づいて、相談の事件性の有無を判定する。
【0044】
さらに、事件性管理部56は、相談の事件性の有無に応じた段階的な評価を行う。本実施形態の事件性管理部56は、相談の相談内容の事件性を4段階で分類する。事件性管理部56は、(1)事件性があると判定し、かつその事件性の程度が高い、(2)事件性はあると判定するものの、その事件性の程度が比較的低い、(3)事件性は無いと判定するものの、その事件性の程度が比較的高い、(4)事件性が無いと判定し、かつその事件性の程度も低い、という4段階の評価を行う。
【0045】
事件性管理部56は、例えば「裁判所」、「訴状」、「訴える」、「示談」、「答弁」、「中傷」、「揉める」、「相続」、「法的な整理」などを指定ワードに設定している。事件性管理部56は、相談の相談内容を含む相談情報を構成するテキストデータの中に、指定ワードと一致または類似するものがある場合、相談に事件性があると判定する。一方で、事件性管理部56は、相談情報を構成するテキストデータの中に、指定ワードと一致または類似するものが無い場合、相談に事件性が無いと判定する。
【0046】
さらに、事件性管理部56は、指定ワードの中でも事件性が高いと判定できるものと、指定ワードの中でも事件性が低いと判定できるものとを区別する。事件性管理部56は、「裁判所」、「訴状」、「訴える」および「示談」などを事件性が高い指定ワードに設定している。一方で、事件性管理部56は、「揉める」、「相続」、「法的な整理」などを事件性が低い指定ワードに設定している。
【0047】
事件性管理部56は、上述のとおり、相談内容の中に指定ワードがあれば、その相談を事件性ありと判定する。そして、事件性管理部56は、相談内容から抽出される指定ワードの事件性の程度に応じて、その相談の事件性の程度を判定する。例えば、事件性管理部56は、事件性が高い指定ワードが含まれる相談内容を事件性の程度が高いと判定する。一方で、事件性管理部56は、事件性が低い指定ワードが含まれる相談を事件性の程度が低いと判定する。
【0048】
また、事件性管理部56は、事件性が無いと判定するものの事件性が懸念されると判定するためのキーワード(以下、特定ワード)のリストをデータベースに記憶している。そして、事件性管理部56は、例えば相談内容を構成するテキストデータの中から特定ワードに対応するものを抽出する。事件性管理部56は、テキストデータからの特定ワードの抽出結果に基づいて、相談の事件性の程度を判定する。
【0049】
事件性管理部56は、例えば、「支払」、「売買」および「代金」などを事件性が懸念される特定ワードに設定している。そして、事件性管理部56は、相談内容から特定ワードが抽出された場合に、その相談の事件性が懸念されるとして、事件性は無いものの、事件性の程度は高いと判定する。一方で、事件性管理部56は、相談内容から特定ワードが抽出されなければ、事件性がなく、事件性の程度も低いと判定する。
【0050】
本実施形態の事件性管理部56は、相談内容に事件性の程度が高い指定ワードが含まれる場合に、その相談を事件性があると分類し、かつその事件性の程度が高いと判定する。また、事件性管理部56は、相談内容に事件性の程度が低い指定ワードが含まれる場合に、その相談の事件性はあると分類し、事件性の程度が比較的低いと判定する。さらに、本実施形態の事件性管理部56は、相談内容に指定ワードが含まれないが、特定ワードが含まれる場合、その相談を事件性は無いと分類し、事件性の程度が比較的高いと判定する。そして、事件性管理部56は、相談内容に指定ワードおよび特定ワードが両方とも含まれていない場合には、その相談を事件性が無いと判定し、かつその事件性の程度が低いと判定する。
【0051】
例えば、事件性があると分類し、かつその事件性の程度が高いものとして、「交通事故で示談がまとまらなかったところ、裁判所から訴状が届きました。答弁書の作成を依頼したいです。」、「SNSで誹謗中傷されました。相手方を訴えるのを手伝ってください。」といった相談内容を例示できる。
また、事件性はあると分類するものの、その事件性の程度が比較的低いものとして、「相続がまとまらずに揉めています。間に入って法的な整理をお願いできないでしょうか。」といった相談内容を例示できる。
また、事件性は無いと分類するものの、その事件性の程度が比較的高いものとして、「売買代金を先方が払ってくれません。どうやって交渉すればよいかアドバイスが欲しいです」という相談内容を例示できる。
そして、事件性が無いと判定し、かつその事件性の程度が低いものとして、「利用規約を作成したので、法的に問題ないかチェックして欲しいです。」、「Webサービスを設計しているが、法的な規制に違反しないか教えて欲しい。」といった相談内容を例示できる。
【0052】
なお、事件性管理部56は、相談内容の事件性の有無を判定するために、指定ワードの出現頻度を用いても良い。例えば、事件性管理部56は、相談内容のテキストデータから抽出される指定ワードの数が比較的多い場合、その相談の事件性が高いと判定する。一方で、事件性管理部56は、相談内容のテキストデータから抽出される指定ワードの数が比較的少ない場合、その相談の事件性が低いと判定する。
【0053】
また、事件性管理部56は、機械学習などのAI(人工知能)を用いて、相談内容の事件性の判定を行っても良い。例えば、事件性があると弁護士が判断した相談のテキストデータを教師ありデータとして用いて機械学習させた学習モデルを構築する。そして、事件性管理部56は、この学習済みのモデルを用いて、依頼人から受けた相談内容の事件性の有無や事件性のレベルの判定をしても良い。
【0054】
図3は、本実施形態の依頼人管理テーブル200の一例である。
【0055】
依頼人管理テーブル200は、依頼人であるユーザの各種の情報を管理するテーブルである。
図3に示すように、依頼人管理テーブル200には、依頼人の「アカウント情報」、「ユーザ名」、「所属情報」、「住所」、「連絡先情報」、「契約プラン」および「課金情報」の項目がそれぞれ設けられる。そして、依頼人管理テーブル200では、各項目に対応する情報が依頼人ごとに記憶されている。
【0056】
アカウント情報は、依頼人であるユーザを一意に特定するため情報である。アカウント情報には、例えば依頼人が使用しているメールアドレスなどを用いることができる。また、本実施形態のアカウント情報は、アカウントの認証に用いられるパスワードの情報も含まれている。
ユーザ名は、依頼人の名前に関する情報である。ユーザ名は、本システムにおいてユーザの名前を表示する際に用いられる。
【0057】
所属情報は、依頼人が所属している組織の名前に関する情報である。所属情報は、会社などの企業や各種団体などが含まれる。
住所は、依頼人が所属する企業などの組織や個人の住所や居所に関する情報である。
連絡先情報は、例えば電話番号やメールアドレスなど端末装置を介して連絡をすることを可能にする情報が含まれる。
【0058】
契約プランは、本システムの利用に関してユーザが契約している利用プランに関する情報である。本実施形態のサービスでは、複数の契約プランが設定されている。そして、契約プランごとにサービスの契約料が定められている。また、契約プランごとに、利用可能なサービスが設定されている。
【0059】
課金情報は、依頼人に対して請求する費用の情報が含まれる。本実施形態のマッチングシステム1は、専門家によって依頼人の相談に対する回答などの対応が行われることで、依頼人に対して課金が行われる。そして、課金が行われることで、依頼人管理テーブル200の課金情報が更新される。
【0060】
図4は、本実施形態の専門家管理テーブル400の一例である。
専門家管理テーブル400は、専門家であるユーザの各種の情報を管理するテーブルである。
図4に示すように、専門家管理テーブル400には、専門家の「アカウント情報」、「ユーザ名」、「所属情報」、「プロフィール情報」、「登録番号」、「写真情報」および「報酬情報」に項目が設けられる。そして、専門家管理テーブル400では、各項目に対応する情報が専門家ごとに記憶されている。
【0061】
アカウント情報は、専門家であるユーザを一意に特定するための情報である。アカウント情報には、例えば専門家が使用しているメールアドレスなどを用いることができる。また、本実施形態のアカウント情報は、アカウントの認証に用いられるパスワードの情報も含まれている。
ユーザ名は、専門家の名前に関する情報である。ユーザ名は、本システムにおいて専門家の名前を表示する際に用いられる。
【0062】
所属情報は、専門家が所属している法律事務所などの組織の名前に関する情報である。所属情報は、例えば弁護士法人や個人事業主などが含まれる。
プロフィール情報は、例えば出身の法科大学院などの学歴、司法修習年、電話番号やメールアドレスなど端末装置を介して連絡をすることを可能にする情報が含まれる。
【0063】
登録情報は、資格を有する専門家が登録された際にその専門家に割り当てられた番号である。登録情報は、専門家ごとに特有の番号が付与される。したがって、登録情報は、専門家が資格を有し、かつ、登録されていることを証明可能なものである。本実施形態では、専門家である弁護士が相談情報の事件性の有無の判断を行う。弁護士による判断結果の情報には、判断を行った弁護士の登録番号が関連付けられる。これによって、相談情報の事件性の判断結果の信用を高めることができる。
【0064】
写真情報は、専門家の顔写真を含む画像に関する情報である。写真情報は、依頼人が専門家に相談の依頼をする際に、視覚的に専門家の個人を把握することができる。本実施形態では、写真情報を用いることで、依頼人がより安心できるようにしている。
【0065】
報酬情報は、専門家が支払われる報酬に関する情報が含まれる。本実施形態のサービスでは、専門家が依頼人の相談に対する回答などの対応をすることで、システムの運営者から専門家に対して費用の支払いが行われるようになっている。そして、専門家が依頼人の相談に対応し、その相談が解決することで専門家管理テーブル400の報酬情報が更新される。
【0066】
図5は、本実施形態の相談情報管理テーブル600の一例である。
相談情報管理テーブル600は、相談の「管理番号」、「相談情報」、「回答情報」、「依頼人情報」、「専門家情報」、「カテゴリ」、「ステータス」、「事件性フラグ」、「事件性レベル」、「専門家事件性判断」の項目が設けられる。そして、相談情報管理テーブル600では、各項目に対応する情報が相談ごとに記憶されている。
【0067】
管理番号は、依頼人が行う相談を一意に特定するための番号である。管理番号は、一の相談を単位として、相談ごとに特有の番号が付与される。
【0068】
相談情報は、依頼人が行った相談の内容である。本実施形態のマッチングシステム1では、相談は、チャット形式で行われる。したがって、相談情報は、一の相談の単位において、依頼人が送信した一または複数のテキストメッセージにより構成される。各テキストメッセージは、依頼人が送信したときの時間の情報が関連付けられる。
【0069】
回答情報は、依頼人の相談に対する専門家の回答の内容である。上述のとおり、相談は、チャット形式で行われる。そのため、回答内容は、一の相談の単位において、依頼人が送信した一または複数のテキストメッセージにより構成される。各テキストメッセージは、専門家が送信したときの日時の情報が関連付けられる。
【0070】
依頼人情報は、相談を行う依頼人のアカウント情報が含まれる。アカウント情報は、依頼人が相談をする際に、本システムにログインしたときに用いた情報である。
専門家情報は、相談に対応する専門家のアカウント情報が含まれる。専門家情報は、専門家が相談に回答する際に、本システムにログインしたときに用いた情報である。
【0071】
カテゴリは、相談内容が属する分野の情報を含む。本実施形態において、カテゴリは、後述する相談受付画面700を介して依頼人により指定される。
【0072】
ステータスは、相談に対する対応状況を示す情報である。ステータスには、例えば相談に対する回答が完了した状態である「解決済み」、相談に対してまだ回答がない状態である「回答募集中」、相談に対する回答のやり取りの途中の状態である「回答あり」を例示できる。このように、相談に対して回答を含めた対応があれば、依頼人による相談に対して専門家が受任したという状態である。また、例えば事件性があるという理由で相談に対する対応ができない場合、ステータスは「キャンセル」になる。
【0073】
事件性フラグは、相談の事件性の有無についてシステム側の判定結果を示す情報である。事件性フラグは、事件性管理部56による判定結果に応じて入力される。事件性管理部56により事件性があると判定された場合、「ON」が入力される。一方で、事件性管理部56により事件性が無いと判定された場合、「OFF」が入力される。
【0074】
事件性レベルは、事件性の程度についてシステム側の判定結果を示す情報である。本実施形態の事件性レベルは、事件性の程度に応じて4段階に分類される。この例では、事件性レベルが高いものから低いものに向けて、数字の「1」から「4」が格納される。
【0075】
専門家事件性判断は、専門家による相談の事件性の有無に関する判断結果を示す情報である。専門家事件性判断は、専門家により事件性があると判断された場合、「有」が入力される。一方、専門家事件性判断は、専門家により事件性が無いと判断された場合、「無」が入力される。なお、専門家による事件性の有無の判断が未だされていない場合、「未」が入力される。
【0076】
続いて、以上のように構成される本実施形態のマッチングシステム1について、依頼人端末装置10、専門家端末装置30およびサーバ装置50における情報のやり取りについて説明する。
図6は、本実施形態のマッチングシステム1のシーケンス図である。
【0077】
図6に示すように、依頼人は、依頼人端末装置10を介してシステムにログインする(S601)。そして、依頼人は、依頼人端末装置10のモニタ100に表示される相談画面751(後述)を介して、相談情報をシステムに送信する(S602)。この相談情報をサーバ装置50が取得することで、依頼人の相談情報がシステムに受け付けられる(S603)。
【0078】
その後、サーバ装置50では、事件性管理部56によって、相談情報の内容に応じた事件性の判定が行われる(S604)。そして、サーバ装置50は、事件性の判定結果とともに、相談情報のリストである相談リスト800(後述)を作成する(S605)。このように、サーバ装置50は、依頼人からの相談情報を専門家が閲覧可能な状態にする。
【0079】
一方、専門家は、専門家端末装置30を介してシステムにログインする(S606)。そして、専門家は、専門家端末装置30のモニタに表示される相談リスト800(後述)の相談の中から対応を希望する相談情報を選択する(S607)。さらに、専門家は、選択した相談情報を確認し、事件性の判断を行う(S608)。専門家による事件性の有無の判断結果は、専門家端末装置30からサーバ装置50へと送信される。
【0080】
なお、相談リスト800(後述)に相談情報が表示される際、その相談についてサーバ装置50による事件性の判定結果が示されている。したがって、専門家は、相談情報を選択する際や、相談の事件性を判断する際に、マッチングシステム1による判定結果を参考にすることができる。すなわち、事件性管理部56による事件性の判定結果を専門家に示した上で、専門家から事件性の判断情報を取得するようになっている。
【0081】
そして、専門家は、専門家端末装置30を介して、相談に対する回答を行う。すなわち、専門家は、依頼人からの相談の依頼を受任する(S609)。また、サーバ装置50は、専門家による相談の事件性に関する判断情報を管理する(S610)。
【0082】
そして、専門家と依頼人とは、サーバ装置50を介して、相談についての回答や再度の質問などのメッセージのやり取りを相互に行う。
その後、依頼人が相談について解決したと判断した場合には、解決済みの通知をサーバ装置50に送信する(S611)。その後、サーバ装置50は、依頼人に対する費用の請求である課金の処理を行う(S612)。
以上のようにして、依頼人の相談の依頼から、専門家による依頼の受任までの一連の処理が行われる。このように、本実施形態のマッチングシステム1において、依頼人と専門家とのマッチングが円滑に行われる。
【0083】
次に、本実施形態のサーバ装置50による事件性の有無に応じた動作を説明する。
図7は、本実施形態のサーバ装置50のフロー図である。
【0084】
サーバ装置50において、依頼人端末装置10に表示される相談画面751を介して、依頼人から相談情報を受け付ける(S701)。そして、事件性管理部56は、依頼人からの相談情報に基づいて、その相談内容の事件性の有無を判定する(S702)。UI表示部53は、相談リスト800(後述する
図10参照)を用いて、事件性の判定結果を反映させた相談情報を専門家端末装置30に表示させる(S703)。
【0085】
そして、事件性管理部56は、相談リスト800に表示される一の相談について、専門家によって事件性ありの判断結果を取得したか判断する(S704)。事件性ありという専門家の判断を取得しない場合(S704にてNO)、専門家による相談に対する回答があるか判断する(S705)。専門家による相談の回答がある場合(S705にてYES)、依頼人の相談に対する専門家の受任がされたと処理する(S706)。
【0086】
その後、一の相談の受任後に、その一の相談について、専門家による事件性の有りの判断を取得したか判断する(S707)。事件性が有りという専門家の判断を取得しない場合(S707にてNO)、相談が専門家によって解決されたか判断する(S708)。なお、相談が解決することは、例えば依頼人から解決済みの通知を取得したり、専門家が最後の回答をしてから一定期間の時間が経過したりすることを条件にすることができる。
そして、相談が解決されている場合(S708にてYES)、依頼人に対して費用を請求する課金処理を行う(S709)。
【0087】
ここで、S705にて、相談に対する回答がされなければ(S705にてNO)、再びS705に戻って、相談に対する回答があるかの判断を継続する。
また、S704にて事件性ありという専門家の判断を取得した場合(S704にてYES)、S707にて事件性ありという専門家の判断を取得した場合(S707にてYES)、相談に伴う費用の請求をせずに、専門家による相談の受任をキャンセルする(S710)。
このように、本実施形態のマッチングシステム1では、受任後においても事件性の判断を受け付けるようになっている。そして、受任後に、相談について事件性があると判明した場合には、その時点で受任をキャンセルする。また、受任後に、相談について事件性があると判明した場合には、依頼人に対して費用の請求をしないという対応を行うことが可能になっている。
【0088】
図8は、本実施形態の新規の相談をする際の相談受付画面700の一例である。
相談受付画面700は、依頼人端末装置10に表示される画面である。
図8(A)に示すように、相談受付画面700には、例えば相談メニューが表示される。本実施形態の相談メニューには、チャット形式のチャット相談、オンライン形式のオンライン相談、文書の確認相談のいずれかを選択するための選択ボタン710が表示される。
【0089】
そして、チャット相談が選択された場合、
図8(B)に示すように、相談のカテゴリのカテゴリ選択部711と、相談内容を入力する相談入力部712とが表示される。
【0090】
相談入力部712は、依頼人が相談の相談内容を入力する入力欄である。依頼人は、テキストを入力することで、相談入力部712に相談内容を記入する。
カテゴリ選択部711は、
図8(C)に示すように、相談のカテゴリを具体的に含むプルダウン形式のリスト713を表示可能である。リスト713には、例えば、「雇用・業務形態」、「契約・取引」、「販売・仕入れ関係」、「その他の一般企業法務」、「起業・新規事業」、「ウェブサイト・IT」、「訴訟」、「著作権・商標・特許」などを例示できる。そして、カテゴリ選択部711は、リスト713からカテゴリの選択を受け付ける。
なお、「訴訟」については、事件性が有りと判定される可能性が高い。そのため、事件性管理部56は、リスト713にて「訴訟」が選択された場合、他の条件を考慮せずにその相談を事件性有りと判定するようにしても良い。
【0091】
図9は、本実施形態の依頼人画面750の一例である。
図9に示すように、依頼人画面750は、依頼人の依頼人端末装置10のモニタ100に表示される。そして、依頼人画面750には、一の相談の単位で構成された相談画面751と、依頼人の相談情報のリストである依頼リスト755とが含まれる。
【0092】
相談画面751には、依頼人の相談メッセージ752と、回答を行う専門家の回答メッセージ753とが表示される。また、相談画面が解決したことを依頼人から受け付ける解決済ボタン754が表示される。さらに、相談画面751は、依頼人がメッセージを送信するためのメッセージ送信部756を有する。
【0093】
相談メッセージ752は、専門家に対して依頼人が投稿する依頼内容である。相談メッセージ752には、一の相談について最初の相談の質問も含め、専門家からの回答に対する再度の質問も含まれる。この相談メッセージ752は、専門家が見る回答画面850(後述)に表示される。
【0094】
回答メッセージ753は、依頼人が専門家に対して回答する回答内容である。回答メッセージ753には、専門家が見る回答画面850(後述)にて専門家が送信したメッセージが表示される。
【0095】
解決済ボタン754は、相談について専門家が対応することで、依頼人の相談が解決した場合に依頼人によって操作される。解決済ボタン754が操作されることで、その相談については終了する。
【0096】
依頼リスト755は、相談画面751の隣に、相談画面751と併せて表示される。依頼リスト755は、依頼人ごとに、過去にしたものを含めた複数の相談情報の概要が含まれる。依頼リスト755を構成する個別の相談である個別相談情報755Lには、カテゴリ、受任した専門家、依頼日時および依頼内容の概要の情報が含まれる。さらに、個別相談情報755Lには、その相談のステータスの情報も含まれる。
【0097】
図10は、専門家の画面に表示される相談リスト800の表示態様である。
図10に示すように、相談リスト800は、複数の相談が表示される画面である。また、この画面は、専門家の専門家端末装置30に表示される。相談リスト800には、依頼人の相談情報810が相談の単位ごとに表示される。相談情報には、依頼人のユーザ名811、相談カテゴリ812、相談日時813および相談概要814が含まれる。
【0098】
また、相談情報810は、事件性管理部56による相談内容の事件性の判定に応じて異なる態様で表示される。本実施形態の相談情報810は、枠の色の表示態様によって事件性の有無の区別化を図っている。事件性が有りと判定された相談の相談情報810は、例えば赤色枠810Rで表示する。一方で、事件性が無いと判定された相談の相談情報810は、例えば緑色枠810Gで表示する。そして、事件性が有りと判定された相談であって事件性の程度が低い相談、または事件性が無いと判定された相談であって事件性の程度が高い相談についての相談情報810は、例えば黄色枠810Yで表示する。
【0099】
このように相談情報810は、事件性があると判定された相談情報と、事件性が無いと判定された相談情報とが識別可能になっている。そして、相談情報810は、リストとして一覧で表示される複数の相談が表示された状態で、専門家が事件性の有無を判断する際の参考にできるようになっている。
【0100】
なお、相談情報810における相談内容の事件性の判定は、例えば「事件性あり」や「事件性無し」などのテキストで表示してもよい。また、事件性があると判定された相談情報と、事件性が無いと判定された相談情報とをそれぞれ別のリストに表示してもよい。
【0101】
ユーザ名811は、依頼人のユーザ名を表示する。ユーザ名811の表示により、回答をしようとする専門家が依頼人を判断できる。
相談カテゴリ812は、相談受付画面700のカテゴリ選択部711にて依頼人から受け付けた相談のカテゴリが表示される。
相談日時813は、依頼人が一の相談を最初に投稿したときの日時が表示される。
相談概要814は、依頼人が相談する相談内容が表示される。なお、本実施形態の相談概要814は、相談内容の全文ではなく、例えば冒頭の20文字など一部の文字を省略して概要を表示する。
【0102】
また、相談リスト800は、相談日時の順序に従って相談情報810が表示される。本実施形態の相談リスト800では、相談日時が新しい相談情報810が画面のより上側に表示され、相談日時の古い相談情報810が画面のより下側に表示される。相談リスト800は、画面のスクロールを行うことで、全ての相談情報810を閲覧することができる。
さらに、相談リスト800には、相談情報810を条件に従って並べ変えるソート機能が設けられている。並べ替えの条件には、相談日時、相談カテゴリ、事件性の有無など相談内容から取得可能な各種の情報を用いることができる。また、相談情報810に含まれるキーワードや依頼人の名前などを検索し、該当する相談情報810を相談リスト800に表示させることもできる。
【0103】
図11は、専門家の画面に表示される回答画面850の一例である。
図11(A)および
図11(B)に示すように、回答画面850は、一の相談の単位で構成された表示部である。また、この回答画面850は、専門家の専門家端末装置30に表示される。回答画面850には、依頼人の相談メッセージ851が表示される。さらに、回答画面850には、専門家から受任を受け付けるための対応ボタン852と、相談内容について専門家による事件性の有無の判断結果を受け付ける事件性ボタン853が設けられている。
【0104】
図11(A)は、事件性が無い場合に表示される回答画面850の例である。
図11(A)に示すように、相談メッセージ851には、「利用規約を作成したので、法的に問題ないかチェックして欲しいです。」という相談内容が表示される。この相談については、相談メッセージ851における文字や表示枠は、特別に目立つものではなく通常の表示態様で表示される。
【0105】
また、この例では、専門家によって事件性ボタン853の「事件性無し」が選択されている。そして、事件性ボタン853において「事件性無し」が「事件性あり」よりも強調され、事件性が無いという専門家による判断結果が示されている。
なお、対応ボタン852が押下されることで、専門家は、依頼人の相談に対する回答を行う。対応ボタン852が選択されると、回答のためのメッセージの入力欄が表示される。
【0106】
そして、回答画面850には、依頼人から送られてくる相談メッセージ851と、専門家が回答した回答メッセージ(不図示)がそれぞれ表示される。これによって、専門家は、回答画面850を介して、依頼人と相互にメッセージのやり取りを行うことができる。
【0107】
一方、
図11(B)は、事件性がある場合に表示される回答画面850の例である。
図11(B)に示すように、相談メッセージ851には、「交通事故で示談がまとまらなかったところ、裁判所から訴状が届きました。答弁書の作成を依頼したいです。」という相談内容が表示される。この相談内容については、相談メッセージ851における文字のうち指定ワードに対応する文字が赤色など特別色の文字851Tで表示される。また、相談メッセージのうち指定ワードを含む相談メッセージ851の枠が特別枠851Fで表示される。
【0108】
また、この例では、専門家によって事件性ボタン853の「事件性あり」が選択されている。そして、事件性ボタン853において「事件性あり」が「事件性無し」よりも強調され、事件性があるという専門家による判断結果が示される。
【0109】
そして、事件性ボタン853の「事件性あり」が選択された状態で、対応ボタン852が押下されると、事件性ボタン853の「事件性無し」が選択された状態で対応ボタン852が押下される場合とは異なる動作が実行される。例えば、対応ボタン852が押下されると、専門家が見ている回答画面850に、例えば「本件の相談は、事件性があるため終了しました」のメッセージ(不図示)が表示されるようになっている。
【0110】
続いて、専門家が見る回答画面850にて事件性ボタン853の「事件性あり」が選択された状態で対応ボタン852が押下された場合に、依頼人が見る相談画面751に表示される画像について説明する。
【0111】
図12は、相談内容に事件性がある場合の相談画面751の一例である。
図12に示すように、事件性がある相談の相談画面751には、例えば「相談に事件性があるため、専門家による受任はキャンセルします」といったメッセージが表示される。このとき、メッセージの送信元は、事件性の判断をした専門家の名前で表示される。また、相談画面751には、例えば「この相談について、本サービスの利用に伴う費用の請求はありません」というメッセージが表示される。
なお、相談画面751の上記のメッセージは、専門家が文字を入力するのではなく、事件性ボタン853の「事件性あり」が選択された状態で対応ボタン852を押下することで自動的に表示される。
【0112】
このように、本実施形態のマッチングシステム1では、事件性がある相談の場合、専門家の回答画面850の対応ボタン852の操作によって、依頼人の相談画面751におけるキャンセルに関するメッセージ表示および相談の費用請求を行わない処理が実行される。
【0113】
続いて、デバイスに応じた相談リストの表示態様の差異について説明する。
図13は、携帯端末機器に表示される相談リスト800の一例である。
【0114】
例えば携帯電話などの携帯端末機器などモニタのサイズが比較的小さい場合を想定した相談リスト800の表示態様について説明する。
【0115】
携帯端末機器のモニタに表示される相談リスト800では、相談情報810の表示態様が、PCなどの固定型の端末装置のモニタに表示される場合と異なっている。携帯端末機器のモニタに表示される相談リスト800では、相談情報810のうち例えば相談概要814の表示が省略される。
【0116】
また、携帯端末機器のモニタに表示される相談リスト800は、相談情報810の表示順序が、設置型の端末装置の場合と異なっている。例えば、携帯端末機器のモニタに表示される相談リスト800では、事件性が無いと事件性管理部56が判定した相談情報810が、事件性があると判定した相談情報810よりもリストの上位に表示されるようになっている。なお、この例では、事件性があると判定した相談情報810の背景色810Sを、事件性が無いと判定した相談情報810の背景色とは異ならせて表示する。
【0117】
携帯端末機器などモニタは、サイズが比較的小さい。そのため、専門家が相談の事件性の判断をする際に、相談内容を把握しにくいことが想定される。したがって、この例では、システム側にて事件性が低いと判断した相談情報810を相談リスト800の上位に表示することで、専門家による事件性の判断の負担を軽減するようにしている。
【0118】
このように、本実施形態では、相談の内容と、携帯端末機器や設置型のPCなど表示デバイスの態様とに応じて、相談リスト800に表示される相談情報810の表示順序を異ならせている。
【0119】
また、携帯端末機器のモニタに表示される相談リスト800には、複数の相談情報810を専門家が指定した条件で並べ替えるソートボタン820が設けられている。これにより、専門家が相談情報810を選択する際の負担を軽減できるようにしている。
【0120】
図14は、本実施形態の端末装置のハードウェア構成図である。
図14に示すように、依頼人端末装置10および専門家端末装置30は、CPU101と、RAM102と、ROM103と、記憶部104と、操作パネル105と、スピーカ106と、マイク107と、カメラ108と、GPSセンサ109と、通信インターフェイスI/F110とを備える。
【0121】
CPU101は、ROM103などに記憶された各種プログラムをRAM102にロードして実行することにより、端末装置の上記各機能を実現する。
RAM102は、CPU101の作業用メモリなどとして用いられるメモリである。
ROM103は、CPU101が実行する各種プログラムなどを記憶するメモリである。
記憶部104は、各種アプリケーションソフトウェアのプログラム、および当該プログラムによって使用される各種データなどを記憶する例えばフラッシュメモリである。
操作パネル105は、各種情報の表示やユーザからの操作入力の受付を行う例えばタッチパネルである。
【0122】
スピーカ106は、通話先から受信された受話音声を含む種々の音声を出力する。
マイク107は、ユーザの発話音声を含む種々の音声を取得する。
カメラ108は、レンズと、CMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)などの撮像素子(画像センサ)とを含み、被写体を撮影する。
【0123】
GPSセンサ109は、GPS(Global Positioning System)信号を取得し、端末装置の位置情報を取得する。
通信I/F110は、ネットワークなどを介して他の通信機器との間でデータを送受信する。
【0124】
ここで、CPU101によって実行されるプログラムは、半導体メモリなどのコンピュータが読取可能な記録媒体に記憶した状態で、端末装置へ提供し得る。また、CPU101によって実行されるプログラムは、ネットワークを介して端末装置へダウンロードしてもよい。例えば、端末装置の上記各機能を実現するプログラムを、アプリケーションソフトウェアとして端末装置へダウンロードしてもよい。そして、ユーザは、端末装置にダウンロードしたアプリケーションソフトウェアをインストールして、上記サービスを利用する。
【0125】
図15は、本実施形態のサーバ装置50のハードウェア構成図である。
図15に示すように、サーバ装置50は、CPU501と、RAM(Random Access Memory)502と、ROM(Read Only Memory)503と、HDD(Hard Disk Drive)504と、通信I/F505とを備える。
【0126】
CPU501は、ROM503などに記憶された各種プログラムをRAM502にロードして実行することにより、サーバ装置50の上記各機能を実現する。
RAM502は、CPU501の作業用メモリなどとして用いられるメモリである。
ROM503は、CPU501が実行する各種プログラムなどを記憶するメモリである。
HDD504は、ユーザ情報などを記憶する例えば磁気ディスク装置である。
通信I/F505は、ネットワークを介して他の装置との間で各種情報の送受信を行う。
【0127】
ここで、CPU501によって実行されるプログラムは、半導体メモリなどのコンピュータが読取可能な記録媒体に記憶した状態で、サーバ装置50へ提供し得る。また、CPU501によって実行されるプログラムは、サーバ装置50を介して専門家端末装置30などへダウンロードしてもよい。例えば、サーバ装置50の上記各機能を実現するプログラムを、アプリケーションソフトウェアとして端末装置などへダウンロードしてもよい。
【0128】
なお、本実施形態のサーバ装置50のCPU501等によって実行されるプログラム(アプリケーションソフトウェア)は、半導体メモリなどのコンピュータが読取可能な記録媒体に記憶した状態で各種のデバイスなどに提供することができる。
【0129】
次に、変形例のマッチングシステム1について説明する。
<変形例>
本実施形態の説明において、事件性管理部56による相談内容の事件性の有無の判定と、専門家による事件性の有無の判断との両方に応じて、専門家による相談依頼の受任の処理を行っているが、この態様に限定されない。
例えば事件性管理部56が事件性の有無の判定を行わずに、専門家による事件性の有無の判断のみに基づいて、専門家による相談の受任の処理を行っても良い。この場合に、事件性管理部56は、専門家による受任の後に、その相談の事件性の有無の判定をしても良い。すなわち、事件性管理部56は、専門家から判定情報を受け付けた相談情報に対する事件性の判定を行う。これによって、専門家による事件性の有無の判定に対して、マッチングシステム1側で検証を行うという運用を行うことができる。
【0130】
さらに、例えば事件性管理部56による事件性の有無の判定のみに基づいて、相談の依頼に対する専門家の受任を許可する処理を行っても良い。この場合に、受任後に、専門家が相談の事件性の有無の判断をしても良い。この場合に、受任後に事件性ありの判断が専門家によりされた場合には、依頼人に対する本実施形態のマッチングシステム1の利用料としての費用の請求をしないようにしても良い。また、受任後に事件性ありの判断が専門家によりされた場合には、その時点で、専門家による受任を取り消しても良い。
【0131】
また、本実施形態の説明では、事件性管理部56による相談の事件性の有無の判定結果を専門家に見せた上で、専門家が事件性の有無の判断を行い、専門家が相談の受任をするようにしているが、この態様に限定されない。マッチングシステム1は、事件性管理部56による相談の事件性の有無の判定結果および専門家による事件性の有無の判断結果に基づいて専門家の相談の受任を処理してもよい。例えば、事件性管理部56によって相談の事件性が無いと判定され、かつ、専門家によって事件性が無いと判断されたことを条件として、自動的に専門家による相談の依頼に対する受任を許可するようにしても良い。
【0132】
また、本実施形態のマッチングシステム1では、事件性のある相談について、システムの利用として依頼人に費用の請求をせず、依頼人から専門家への受任をキャンセルするという例を用いて説明したが、この態様に限定されない。マッチングシステム1は、依頼人に費用の請求をしなければ、事件性のある相談についても専門家に依頼人を紹介してもよい。例えば、相談内容に事件性がある場合、本マッチングシステム1から依頼人に費用請求はしない。ただし、この場合に、マッチングシステム1は、本システムとは別に専門家が依頼人の相談の受任をすることを制限しない。
【0133】
ここで、マッチングシステム1は、情報処理システムの一例である。サーバ装置50は、情報処理装置の一例である。UI表示部53および相談管理部55は、相談受付手段の一例である。事件性管理部56は、判定手段、判定取得手段、判断取得手段の一例である。費用管理部および相談管理部は、受任処理手段の一例である。モニタ300は、画像表示部の一例である。CPU101は、表示制御手段の一例である。事件性ボタン853は、受付画像の一例である。相談管理部55は、管理手段の一例である。記憶部104は、記憶手段の一例である。
【0134】
また、上記では種々の実施形態および変形例を説明したが、これらの実施形態や変形例同士を組み合わせて構成してもよい。
さらに、本開示は上記の実施形態に何ら限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施することができる。
【符号の説明】
【0135】
1…マッチングシステム、10…依頼人端末装置、30…専門家端末装置、50…サーバ装置、51…依頼人管理部、52…専門家管理部、53…UI表示部、54…費用管理部、55…相談管理部、56…事件性管理部