ホーム > 特許ランキング > 株式会社ＳＵＢＡＲＵ
知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024115465
(43)【公開日】2024-08-26
(54)【発明の名称】路面描画機能を有する車両
(51)【国際特許分類】
B60Q 1/00 20060101AFI20240819BHJP
G08G 1/16 20060101ALI20240819BHJP
B60Q 1/12 20060101ALI20240819BHJP
【ＦＩ】
B60Q1/00 G
G08G1/16 C
B60Q1/12 100
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】ＯＬ
(21)【出願番号】P 2023021180
(22)【出願日】2023-02-14
(71)【出願人】
【識別番号】000005348
【氏名又は名称】株式会社ＳＵＢＡＲＵ
(74)【代理人】
【識別番号】100099793
【弁理士】
【氏名又は名称】川北 喜十郎
(74)【代理人】
【識別番号】100154586
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 正広
(74)【代理人】
【識別番号】100182051
【弁理士】
【氏名又は名称】松川 直宏
(74)【代理人】
【識別番号】100179280
【弁理士】
【氏名又は名称】河村 育郎
(74)【代理人】
【識別番号】100180747
【弁理士】
【氏名又は名称】小森 剛彦
(72)【発明者】
【氏名】山崎 研太郎
(72)【発明者】
【氏名】木下 真
【テーマコード（参考）】
3K339
5H181
【Ｆターム（参考）】
3K339AA02
3K339AA22
3K339AA43
3K339BA01
3K339BA21
3K339BA22
3K339CA01
3K339CA30
3K339DA01
3K339EA01
3K339EA02
3K339EA06
3K339FA05
3K339FA08
3K339GB01
3K339HA03
3K339KA01
3K339LA03
3K339LA06
3K339LA17
3K339MA01
3K339MA02
3K339MA05
3K339MB01
3K339MB05
3K339MB10
3K339MC03
3K339MC17
3K339MC21
3K339MC27
3K339MC43
3K339MC77
5H181AA01
5H181BB04
5H181CC03
5H181CC04
5H181CC14
5H181FF04
5H181FF24
5H181FF27
5H181FF32
5H181LL01
5H181LL08
5H181LL15
(57)【要約】
【課題】車両からの路面描画を改善する。
【解決手段】路面描画機能を有する車両は、車両の少なくとも前側の路面へ向けて路面描画のための投光が可能な投光部材と、投光部材による路面描画のための投光を制御する制御部と、を有する。制御部は、車両が湾曲するカーブの道路を走行している場合には、投光部材による投光により路面に描画される路面描画像を、車両が直線路を走行している車両の前方の基準描画位置から、カーブの内側へ移動させるように調整する。
【選択図】図５
【解決手段】路面描画機能を有する車両は、車両の少なくとも前側の路面へ向けて路面描画のための投光が可能な投光部材と、投光部材による路面描画のための投光を制御する制御部と、を有する。制御部は、車両が湾曲するカーブの道路を走行している場合には、投光部材による投光により路面に描画される路面描画像を、車両が直線路を走行している車両の前方の基準描画位置から、カーブの内側へ移動させるように調整する。
【選択図】図５
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の少なくとも前側の路面へ向けて路面描画のための投光が可能な投光部材と、
前記投光部材による路面描画のための投光を制御する制御部と、
を有し、
前記制御部は、
前記車両が湾曲するカーブの道路を走行している場合には、前記投光部材による投光により路面に描画される路面描画像を、前記車両が直線路を走行している前記車両の前方の基準描画位置から、カーブの内側へ移動させるように調整する、
路面描画機能を有する車両。
前記投光部材による路面描画のための投光を制御する制御部と、
を有し、
前記制御部は、
前記車両が湾曲するカーブの道路を走行している場合には、前記投光部材による投光により路面に描画される路面描画像を、前記車両が直線路を走行している前記車両の前方の基準描画位置から、カーブの内側へ移動させるように調整する、
路面描画機能を有する車両。
【請求項2】
前記制御部は、
前記路面描画像が、前記車両が走行している道路の幅方向の中央位置または車線を越えない範囲において、前記投光部材による投光により路面に描画される路面描画像を、カーブの内側へ移動させるように調整する、
請求項１記載の、路面描画機能を有する車両。
前記路面描画像が、前記車両が走行している道路の幅方向の中央位置または車線を越えない範囲において、前記投光部材による投光により路面に描画される路面描画像を、カーブの内側へ移動させるように調整する、
請求項１記載の、路面描画機能を有する車両。
【請求項3】
前記車両が湾曲するカーブの道路を走行している場合には、投光方向を、カーブの内側へずらすようにスイブルさせる前灯部材、を有し、
前記制御部は、
前記投光部材による投光により路面に描画される前記路面描画像を、前記前灯部材のスイブル動作の方向にしたがって、前記車両が直線状の道路を走行している場合での前記路面描画像の基準投光位置から、カーブの内側へ移動させるように調整する、
請求項１または２記載の、路面描画機能を有する車両。
前記制御部は、
前記投光部材による投光により路面に描画される前記路面描画像を、前記前灯部材のスイブル動作の方向にしたがって、前記車両が直線状の道路を走行している場合での前記路面描画像の基準投光位置から、カーブの内側へ移動させるように調整する、
請求項１または２記載の、路面描画機能を有する車両。
【請求項4】
前記車両が走行している道路の路面とともに前記投光部材の投光による路面描画像を検出可能な検出デバイス、を有し、
前記制御部は、
前記投光部材による投光により路面に描画される前記路面描画像を、前記前灯部材のスイブル量に応じて、カーブの内側へ移動させるように調整し、
前記路面描画像を移動させた場合に、前記車両が走行している道路の幅方向の中央位置または車線を越えるか否かを、前記検出デバイスの検出に基づいて判断し、
移動させた前記路面描画像が、前記車両が走行している道路の中央位置または車線を越える場合には、前記投光部材からの投光を停止して、前記路面描画像についての路面描画を停止する、
請求項３記載の、路面描画機能を有する車両。
前記制御部は、
前記投光部材による投光により路面に描画される前記路面描画像を、前記前灯部材のスイブル量に応じて、カーブの内側へ移動させるように調整し、
前記路面描画像を移動させた場合に、前記車両が走行している道路の幅方向の中央位置または車線を越えるか否かを、前記検出デバイスの検出に基づいて判断し、
移動させた前記路面描画像が、前記車両が走行している道路の中央位置または車線を越える場合には、前記投光部材からの投光を停止して、前記路面描画像についての路面描画を停止する、
請求項３記載の、路面描画機能を有する車両。
【請求項5】
前記制御部は、
前記車両が走行している道路のカーブの湾曲方向が左右で連続的に切り替わる場合には、
前記前灯部材が、投光方向を、カーブの内側へずらし続けるように左右で連続的に切り替わるスイブルを実行していても、前記投光部材からの投光を停止して、前記路面描画像についての路面描画を停止する、
請求項４記載の、路面描画機能を有する車両。
前記車両が走行している道路のカーブの湾曲方向が左右で連続的に切り替わる場合には、
前記前灯部材が、投光方向を、カーブの内側へずらし続けるように左右で連続的に切り替わるスイブルを実行していても、前記投光部材からの投光を停止して、前記路面描画像についての路面描画を停止する、
請求項４記載の、路面描画機能を有する車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、路面描画機能を有する車両に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献１～３では、車両から投光することにより、車両が走行している路面に各種のパターンを描画することを開示している。
このようなパターンを路面に描画することにより、車両は、そのドライバなどに対して、車両の走行に関する情報などを、路面を通じて提供することができる。
このようなパターンを路面に描画することにより、車両は、そのドライバなどに対して、車両の走行に関する情報などを、路面を通じて提供することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開２０１６－０５５６９１号公報
【特許文献2】特開２０２０－１１１２８４号公報
【特許文献3】特開２０１５－１６４８２８号公報
【特許文献4】特開２０１０－０９５０４８号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、路面描画をすることが、車両のドライバなどにとって、必ずしも走行の安全性の向上に寄与するとはかぎらない。
たとえば、湾曲するカーブの道路を走行中の車両において、直線状の道路を走行している場合と同様の車両の前方の位置に、路面描画像が描画されている走行状態が考えられる。この場合、車両のドライバは、湾曲するカーブの道路の先に注意しながら、車両の前方に描画されている路面描画像を視認する必要がある。ドライバは、湾曲するカーブの道路の先から離れた位置に描画されている路面描画像を確認することについて、負担を感じる可能性がある。
たとえば、湾曲するカーブの道路を走行中の車両において、直線状の道路を走行している場合と同様の車両の前方の位置に、路面描画像が描画されている走行状態が考えられる。この場合、車両のドライバは、湾曲するカーブの道路の先に注意しながら、車両の前方に描画されている路面描画像を視認する必要がある。ドライバは、湾曲するカーブの道路の先から離れた位置に描画されている路面描画像を確認することについて、負担を感じる可能性がある。
【0005】
このように車両からの路面描画には、改善することが求められる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施の形態に係る路面描画機能を有する車両は、車両の少なくとも前側の路面へ向けて路面描画のための投光が可能な投光部材と、前記投光部材による路面描画のための投光を制御する制御部と、を有し、前記制御部は、前記車両が湾曲するカーブの道路を走行している場合には、前記投光部材による投光により路面に描画される路面描画像を、前記車両が直線路を走行している前記車両の前方の基準描画位置から、カーブの内側へ移動させるように調整する、ものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明では、投光部材による路面描画のための投光を制御する制御部は、車両が湾曲するカーブの道路を走行している場合には、投光部材による投光により路面に描画される路面描画像を、車両が直線路を走行している車両の前方の基準描画位置から、カーブの内側へ移動させるように調整する。
これにより、路面描画像は、湾曲するカーブの道路において、車両の前方ではなく、それよりもカーブの内側へ移動した位置に描画される。路面描画像は、湾曲するカーブの道路の先から近い位置に描画される。ドライバは、湾曲するカーブの道路の先から近い位置に描画されている路面描画像を確認することについて、負担を感じ難くなる。
このように本発明では、路面描画のための投光を制御して、車両からの路面描画を改善することが期待できる。
これにより、路面描画像は、湾曲するカーブの道路において、車両の前方ではなく、それよりもカーブの内側へ移動した位置に描画される。路面描画像は、湾曲するカーブの道路の先から近い位置に描画される。ドライバは、湾曲するカーブの道路の先から近い位置に描画されている路面描画像を確認することについて、負担を感じ難くなる。
このように本発明では、路面描画のための投光を制御して、車両からの路面描画を改善することが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面に基づいて説明する。
【0010】
［第一実施形態］
図１は、本発明の第一実施形態に係る自動車１の走行状態の一例の説明図である。
図１には、片側一車線の道路９０を走行する自動車１が示されている。道路９０の両側には、一対の路側境界線９１，９２がある。道路９０の中央には、車線境界線９３がある。自動車１は、車両の一例である。車両には、この他にもたとえば、バス、トラック、モータサイクル、パーソナルモビリティ、などがある。なお、自動車１は、運転支援を含む自動運転により走行可能なものでもよい。
また、自動車１は、道路９０の路側境界線９１と車線境界線９３との間の自車線を、走行する。なお、道路９０によっては、路側境界線９１，９２や車線境界線９３がないものもある。この場合、道路９０についての左側の路肩から、道路９０の中央までの範囲が、自動車１が走行する自車線となる。
また、走行環境が暗い場合、自動車１は、前灯を点灯させる。図１には、前灯の照射範囲１７が破線により示されている。
図１は、本発明の第一実施形態に係る自動車１の走行状態の一例の説明図である。
図１には、片側一車線の道路９０を走行する自動車１が示されている。道路９０の両側には、一対の路側境界線９１，９２がある。道路９０の中央には、車線境界線９３がある。自動車１は、車両の一例である。車両には、この他にもたとえば、バス、トラック、モータサイクル、パーソナルモビリティ、などがある。なお、自動車１は、運転支援を含む自動運転により走行可能なものでもよい。
また、自動車１は、道路９０の路側境界線９１と車線境界線９３との間の自車線を、走行する。なお、道路９０によっては、路側境界線９１，９２や車線境界線９３がないものもある。この場合、道路９０についての左側の路肩から、道路９０の中央までの範囲が、自動車１が走行する自車線となる。
また、走行環境が暗い場合、自動車１は、前灯を点灯させる。図１には、前灯の照射範囲１７が破線により示されている。
【0011】
ところで、このような自動車１では、自動車１から路面に対して可視光を照射して、図形を描画することについての研究開発が進められている。
たとえば、図１には、道路９０標識などを模した簡易図形による路面描画像１１、が示されている。ここで、路面描画像１１は、自車のドライバなどのために、自車の進行方向前方に描画されている。
また、図１の右側には、路面描画像１１の元になる複数の投光パターン６０が示されている。ここでは、左折指示の投光パターン６１、制限速度の投光パターン６２、停止位置を示すための投光パターン６３、横断禁止を示すための投光パターン６４、右折指示の投光パターン６５、積雪や凍結の注意喚起のためのピクトグラムによる投光パターン６６、が例示されている。自動車１は、複数の投光パターン６０から、走行状態や走行環境に応じたものを選択し、その投光パターンに対応する投光を実行すればよい。
この路面描画像１１などのパターンを路面に描画することにより、自動車１は、そのドライバなどに対して、自動車１の走行に関する情報などを、路面を通じて提供することができる。
たとえば、図１には、道路９０標識などを模した簡易図形による路面描画像１１、が示されている。ここで、路面描画像１１は、自車のドライバなどのために、自車の進行方向前方に描画されている。
また、図１の右側には、路面描画像１１の元になる複数の投光パターン６０が示されている。ここでは、左折指示の投光パターン６１、制限速度の投光パターン６２、停止位置を示すための投光パターン６３、横断禁止を示すための投光パターン６４、右折指示の投光パターン６５、積雪や凍結の注意喚起のためのピクトグラムによる投光パターン６６、が例示されている。自動車１は、複数の投光パターン６０から、走行状態や走行環境に応じたものを選択し、その投光パターンに対応する投光を実行すればよい。
この路面描画像１１などのパターンを路面に描画することにより、自動車１は、そのドライバなどに対して、自動車１の走行に関する情報などを、路面を通じて提供することができる。
【0012】
しかしながら、このように自動車１から投光して路面描画像１１を路面に描画したとしても、その路面描画像１１が、必ずしも、自動車１のドライバなどにとって走行の安全性の向上に寄与するとはかぎらない。
たとえば、湾曲するカーブの道路９０を走行中の自動車１において、直線状の道路９０を走行している場合と同様に自動車１の前方の位置に、路面描画像１１を描画する走行状態が考えられる。
この場合、自動車１のドライバは、湾曲するカーブの道路９０の先に注意しながら、自動車１の前方に描画されている路面描画像１１を視認する必要がある。ドライバは、湾曲するカーブの道路９０の先から離れた位置に描画されている路面描画像１１を確認することについて、負担を感じる可能性がある。
たとえば、湾曲するカーブの道路９０を走行中の自動車１において、直線状の道路９０を走行している場合と同様に自動車１の前方の位置に、路面描画像１１を描画する走行状態が考えられる。
この場合、自動車１のドライバは、湾曲するカーブの道路９０の先に注意しながら、自動車１の前方に描画されている路面描画像１１を視認する必要がある。ドライバは、湾曲するカーブの道路９０の先から離れた位置に描画されている路面描画像１１を確認することについて、負担を感じる可能性がある。
【0013】
図２は、図１の自動車１が、湾曲したカーブの道路９０を走行している走行状態の一例の説明図である。
図２において、自動車１は、湾曲した右カーブの道路９０を走行している。
この場合、図１と同様の自動車１の前灯の照射範囲１７は、右カーブの外側へはみ出している。自動車１の前灯には、その照射範囲１７を、湾曲したカーブの方向へスイブルさせる機能を有するものがある。自動車１の前灯をスイブルすることにより、前灯の照射範囲は、湾曲した右カーブの道路９０の自車線に沿った範囲となり得る。
また、図２には、図１の直線状の道路９０を走行している場合と同様の、自動車１１の前方の位置に、路面描画像１１が描画されている。路面描画像１１は、湾曲する右カーブの道路９０の先から離れた位置に描画されている。
図２において、自動車１は、湾曲した右カーブの道路９０を走行している。
この場合、図１と同様の自動車１の前灯の照射範囲１７は、右カーブの外側へはみ出している。自動車１の前灯には、その照射範囲１７を、湾曲したカーブの方向へスイブルさせる機能を有するものがある。自動車１の前灯をスイブルすることにより、前灯の照射範囲は、湾曲した右カーブの道路９０の自車線に沿った範囲となり得る。
また、図２には、図１の直線状の道路９０を走行している場合と同様の、自動車１１の前方の位置に、路面描画像１１が描画されている。路面描画像１１は、湾曲する右カーブの道路９０の先から離れた位置に描画されている。
【0014】
このように車両からの路面描画には、改善することが求められる。
【0015】
【0016】
車ネットワーク２６は、自動車１のためのたとえばＣＡＮ（Ｃｏｎｔｒｏｌｌｅｒ Ａｒｅａ Ｎｅｔｗｏｒｋ）、ＬＩＮ（Ｌｏｃａｌ Ｉｎｔｅｒｃｏｎｎｅｃｔ Ｎｅｔｗｏｒｋ）に準拠した有線の通信ネットワークでよい。車ネットワーク２６は、ＬＡＮなどの通信用ネットワークでも、これらを組み合わせたものであってもよい。車ネットワーク２６の一部には、無線方式の通信ネットワークが含まれてよい。車ネットワーク２６に接続される上述した各種の機器は、車ネットワーク２６を通じて、情報を相互に送受できる。
【0017】
また、図３には、複数の制御装置の例として、描画制御装置２１、前灯制御装置２２、操作制御装置２３、検出制御装置２４、通信制御装置２５、が示されている。車ネットワーク２６には、これ以外の制御装置、たとえば走行制御装置、空調制御装置などが接続されてよい。また、図３に示す各制御装置などは、複数に分割されて、車ネットワーク２６に接続されてよい。
【0018】
前灯制御装置２２には、自動車１の前端部に設けられる右ヘッドランプモジュール３１、左ヘッドランプモジュール３２、が接続される。右ヘッドランプモジュール３１、および左ヘッドランプモジュール３２は、自動車１の前側へ投光する前灯部材である。
また、本実施形態の右ヘッドランプモジュール３１、および左ヘッドランプモジュール３２は、後述するように路面描画のための投光モジュール５３を有する。本実施形態において、右ヘッドランプモジュール３１の投光モジュール５３と、左ヘッドランプモジュール３２の投光モジュール５３とは、自動車１の少なくとも前側の路面へ向けて路面描画のための投光が可能な投光部材として機能する。
また、本実施形態の右ヘッドランプモジュール３１、および左ヘッドランプモジュール３２は、後述するように路面描画のための投光モジュール５３を有する。本実施形態において、右ヘッドランプモジュール３１の投光モジュール５３と、左ヘッドランプモジュール３２の投光モジュール５３とは、自動車１の少なくとも前側の路面へ向けて路面描画のための投光が可能な投光部材として機能する。
【0019】
前灯制御装置２２は、車ネットワーク２６を通じて取得する、不図示のランプ操作レバーの操作の情報や不図示のオートライト用の光量センサの検出値の情報に応じて、右ヘッドランプモジュール３１の点灯状態、および左ヘッドランプモジュール３２の点灯状態を制御する。ランプ操作レバーには、一般的に、ロービーム点灯、ハイビーム点灯、消灯、の操作状態が設定可能になっている。
そして、前灯制御装置２２は、右ヘッドランプモジュール３１および左ヘッドランプモジュール３２の点灯状態の情報を、車ネットワーク２６を通じて他の制御装置へ出力してよい。
そして、前灯制御装置２２は、右ヘッドランプモジュール３１および左ヘッドランプモジュール３２の点灯状態の情報を、車ネットワーク２６を通じて他の制御装置へ出力してよい。
【0020】
操作制御装置２３には、ドライバなどの乗員が操作するための各種の操作部材が接続される。図３には、操作部材として、舵角センサ３３が例示されている。舵角センサ３３は、ドライバが操舵するステアリングの舵角を検出する。また、舵角センサ３３は、自動車１の操舵輪の舵角を検出してもよい。
そして、操作制御装置２３は、舵角センサ３３などの各種の操作部材の操作状態の情報を、車ネットワーク２６を通じて他の制御装置へ出力してよい。
そして、操作制御装置２３は、舵角センサ３３などの各種の操作部材の操作状態の情報を、車ネットワーク２６を通じて他の制御装置へ出力してよい。
【0021】
検出制御装置２４には、自動車１の走行状態や走行環境などを検出するための各種の検出部材が接続される。図３には、検出部材として、Ｌｉｄａｒ３４、車外カメラ３５、ＧＮＳＳ（Ｇｌｏｂａｌ Ｎａｖｉｇａｔｉｏｎ Ｓａｔｅｌｌｉｔｅ Ｓｙｓｔｅｍ）受信機３６、が例示されている。
そして、検出制御装置２４は、検出部材の検出情報などを、車ネットワーク２６を通じて他の制御装置へ出力してよい。
そして、検出制御装置２４は、検出部材の検出情報などを、車ネットワーク２６を通じて他の制御装置へ出力してよい。
【0022】
Ｌｉｄａｒ３４は、自動車１の走行方向である前側の空間をレーザで走査し、自動車１の前側の空間についての道路９０や物体についての情報を生成する。
【0023】
車外カメラ３５は、図１に示すように、自動車１のフロントガラスの内側となる車室において、前向きに設けられる。このような車外カメラ３５は、画角１９により、自動車１の進行方向である前側を広い範囲で撮像することができる。なお、車外カメラ３５は、自動車１に複数で設けられてもよい。複数の車外カメラ３５は、自動車１の周囲を分割して撮像してよい。また、車外カメラ３５は、３６０度カメラでも、ステレオカメラでも、よい。
そして、車外カメラ３５の撮像画像には、路面に投光により描画されている像が、その検出像として含まれ得る。
車外カメラ３５、Ｌｉｄａｒ３４は、自動車１の周囲を検出する検出部材である。
そして、車外カメラ３５の撮像画像には、路面に投光により描画されている像が、その検出像として含まれ得る。
車外カメラ３５、Ｌｉｄａｒ３４は、自動車１の周囲を検出する検出部材である。
【0024】
ＧＮＳＳ受信機３６は、複数のＧＮＳＳ衛星からの電波を受信して、ＧＮＳＳ受信機３６が設けられる自動車１の位置および時刻の情報を検出する。
【0025】
通信制御装置２５には、通信デバイス３７が接続される。通信デバイス３７は、不図示の基地局などを通じてサーバ装置との間で情報を送受する。基地局は、たとえば５Ｇ用の基地局、ＡＤＡＳ（Ａｄｖａｎｃｅｄ Ｄｒｉｖｅｒ Ａｓｓｉｓｔａｎｃｅ Ｓｙｓｔｅｍｓ）やＩＴＳ（Ｉｎｔｅｌｌｉｇｅｎｔ Ｔｒａｎｓｐｏｒｔ Ｓｙｓｔｅｍｓ）用の基地局でよい。５Ｇ用の基地局には、サーバ装置の機能を実装可能なものがある。また、通信デバイス３７は、Ｖ２Ｘ（Ｖｅｈｉｃｌｅ ｔｏ Ｘ）通信により、直接的には他の自動車１などとの間で通信してもよい。
通信制御装置２５は、たとえば道路９０の形状や車線などの情報を含む高精度地図データを、サーバ装置から受信して取得してよい。
そして、通信制御装置２５は、車ネットワーク２６から取得する情報を通信デバイス３７から基地局またはサーバ装置へ送信したり、通信デバイス３７が基地局またはサーバ装置から受信する情報を車ネットワーク２６へ出力したり、してよい。
通信制御装置２５は、たとえば道路９０の形状や車線などの情報を含む高精度地図データを、サーバ装置から受信して取得してよい。
そして、通信制御装置２５は、車ネットワーク２６から取得する情報を通信デバイス３７から基地局またはサーバ装置へ送信したり、通信デバイス３７が基地局またはサーバ装置から受信する情報を車ネットワーク２６へ出力したり、してよい。
【0026】
描画制御装置２１は、メモリ４１、タイマ４２、通信ポート４３、入出力ポート４５、ＣＰＵ４４、および、これらが接続される内部バス４６、を有する。制御系２０に設けられる制御装置は、基本的に、描画制御装置２１と同様の構造を備えてよい。
【0027】
入出力ポート４５には、右ヘッドランプモジュール３１、左ヘッドランプモジュール３２、が接続される。
【0028】
通信ポート４３は、車ネットワーク２６に接続される。通信ポート４３は、車ネットワーク２６から情報を取得し、描画制御装置２１が出力する情報を、車ネットワーク２６へ出力する。
【0029】
タイマ４２は、時間または時刻を計測する。タイマ４２の時刻は、ＧＮＳＳ受信機３６の時刻により校正されてよい。
【0030】
メモリ４１は、たとえば半導体メモリ、ＨＤＤ（Ｈａｒｄ Ｄｉｓｋ Ｄｒｉｖｅ）、ＲＡＭ（Ｒａｎｄｏｍ Ａｃｃｅｓｓ Ｍｅｍｏｒｙ）、などで構成されてよい。ＨＤＤは、不揮発性メモリである。ＲＡＭは、揮発性メモリである。メモリ４１は、ＣＰＵ４４が実行するプログラム、プログラム実行中に使用する各種の情報を、データとして記録する。メモリ４１は、たとえば図１に示す複数の投光パターン６０のデータを記録する。また、メモリ４１は、道路９０の形状や車線などの情報を含む高精度地図データを、記録してよい。
【0031】
ＣＰＵ４４は、メモリ４１に記録されているプログラムを読み込んで実行する。これにより、ＣＰＵ４４は、描画制御装置２１の制御部として機能する。本実施形態において、ＣＰＵ４４は、投光部材による路面描画のための投光を制御する制御部として機能する。
制御部としてのＣＰＵ４４は、描画制御装置２１の動作を制御する。また、制御部としてのＣＰＵ４４は、通信ポート４３を通じて右ヘッドランプモジュール３１および左ヘッドランプモジュール３２へ信号を出力する。これにより、制御部としてのＣＰＵ４４は、右ヘッドランプモジュール３１および左ヘッドランプモジュール３２に設けられる路面描画のための投光モジュール５３の動作を制御する。右ヘッドランプモジュール３１および左ヘッドランプモジュール３２は、路面描画のための投光パターンで点灯する。路面には、たとえば図１に示すように、投光パターンに対応した路面描画像１１が描画され得る。
制御部としてのＣＰＵ４４は、描画制御装置２１の動作を制御する。また、制御部としてのＣＰＵ４４は、通信ポート４３を通じて右ヘッドランプモジュール３１および左ヘッドランプモジュール３２へ信号を出力する。これにより、制御部としてのＣＰＵ４４は、右ヘッドランプモジュール３１および左ヘッドランプモジュール３２に設けられる路面描画のための投光モジュール５３の動作を制御する。右ヘッドランプモジュール３１および左ヘッドランプモジュール３２は、路面描画のための投光パターンで点灯する。路面には、たとえば図１に示すように、投光パターンに対応した路面描画像１１が描画され得る。
【0032】
【0033】
自動車１の前端部の右端には、右ヘッドランプモジュール３１が設けられる。右ヘッドランプモジュール３１は、ロービーム用の複数のＬＥＤ（Ｌｉｇｈｔ Ｅｍｉｔｔｉｎｇ Ｄｉｏｄｅ）５１、ハイビーム用の複数のＬＥＤ５２、ＭＥＭＳ（Ｍｉｃｒｏ Ｅｌｅｃｔｒｏ Ｍｅｃｈａｎｉｃａｌ Ｓｙｓｔｅｍｓ）式の投光モジュール５３、を有する。
自動車１の前端部の左端には、左ヘッドランプモジュール３２が設けられる。右ヘッドランプモジュール３１は、ロービーム用の複数のＬＥＤ５１、ハイビーム用の複数のＬＥＤ５２、ＭＥＭＳ式の投光モジュール５３、を有する。
なお、投光モジュール５３は、この他にもたとえば、ＤＭＤ（Ｄｉｇｉｔａｌ Ｍｉｃｒｏｍｉｒｒｏｒ Ｄｅｖｉｃｅ）方式のものでもよい。
自動車１の前端部の左端には、左ヘッドランプモジュール３２が設けられる。右ヘッドランプモジュール３１は、ロービーム用の複数のＬＥＤ５１、ハイビーム用の複数のＬＥＤ５２、ＭＥＭＳ式の投光モジュール５３、を有する。
なお、投光モジュール５３は、この他にもたとえば、ＤＭＤ（Ｄｉｇｉｔａｌ Ｍｉｃｒｏｍｉｒｒｏｒ Ｄｅｖｉｃｅ）方式のものでもよい。
【0034】
そして、前灯制御装置２２は、舵角センサ３３により検出される舵角や、自動車１が走行している道路９０の形状に応じて、ロービーム用の複数のＬＥＤ５１およびハイビーム用の複数のＬＥＤ５２を変向制御する。このようなスイブル制御により、前灯の投光範囲１７は、図２に一点鎖線で示すように、道路９０に沿うように変化する。自動車１の前方を基準として、スイブル制御後の前灯の向きは、スイブル角で変向されている。
ロービーム用の複数のＬＥＤ５１およびハイビーム用の複数のＬＥＤ５２は、自動車１が湾曲するカーブの道路９０を走行している場合には、投光方向を、カーブの内側へずらすようにスイブルさせる前灯部材として機能する。
ロービーム用の複数のＬＥＤ５１およびハイビーム用の複数のＬＥＤ５２は、自動車１が湾曲するカーブの道路９０を走行している場合には、投光方向を、カーブの内側へずらすようにスイブルさせる前灯部材として機能する。
【0035】
ＭＥＭＳ式の投光モジュール５３は、たとえば、三色光源の光をＭＥＭＳ素子により反射して投光するものであればよい。ＭＥＭＳ素子は、画像信号により反射状態が制御され得る。
また、右ヘッドランプモジュール３１または左ヘッドランプモジュール３２は、ＭＥＭＳ式の投光モジュール５３以外の画像を路面に描画できるものを用いてもよい。
また、右ヘッドランプモジュール３１または左ヘッドランプモジュール３２は、ＭＥＭＳ式の投光モジュール５３以外の画像を路面に描画できるものを用いてもよい。
【0036】
ここで、図４には、路面描画像１１についての基準描画位置Ｐ１と、ＭＥＭＳ式の投光モジュール５３により路面描画が可能な描画可能範囲１８とが示されている。
基準描画位置Ｐ１は、自動車１１が直線状の道路９０を走行している場合において、自動車１１のドライバの前方の近くに、路面描画像１１を描画するための位置である。
描画可能範囲１８は、ＭＥＭＳ式の投光モジュール５３が路面描画像１１を描画することができる範囲である。
路面描画像１１の位置は、描画可能範囲１８の範囲内で前後左右などへ移動させることが可能である。
路面描画像１１のサイズは、描画可能範囲１８の範囲内に収まるように、拡縮可能である。
また、図１に示すように、描画可能範囲１８は、基本的に、自車線の幅や、前灯の照射範囲１７よりも、車幅方向に広くするとよい。これにより、前灯がスイブル制御されている場合においても、前灯の照射範囲１７に路面描画像１１を描画することが可能となる。
基準描画位置Ｐ１と、路面描画が可能な描画可能範囲１８との情報は、メモリ４１に記録されてよい。
基準描画位置Ｐ１は、自動車１１が直線状の道路９０を走行している場合において、自動車１１のドライバの前方の近くに、路面描画像１１を描画するための位置である。
描画可能範囲１８は、ＭＥＭＳ式の投光モジュール５３が路面描画像１１を描画することができる範囲である。
路面描画像１１の位置は、描画可能範囲１８の範囲内で前後左右などへ移動させることが可能である。
路面描画像１１のサイズは、描画可能範囲１８の範囲内に収まるように、拡縮可能である。
また、図１に示すように、描画可能範囲１８は、基本的に、自車線の幅や、前灯の照射範囲１７よりも、車幅方向に広くするとよい。これにより、前灯がスイブル制御されている場合においても、前灯の照射範囲１７に路面描画像１１を描画することが可能となる。
基準描画位置Ｐ１と、路面描画が可能な描画可能範囲１８との情報は、メモリ４１に記録されてよい。
【0037】
そして、図４では、右ヘッドランプモジュール３１のＭＥＭＳ式の投光モジュール５３が投光して、路面に、右折指示の投光パターン６５に対応する、右折指示のための路面描画像１１が描画されている。
なお、右ヘッドランプモジュール３１のＭＥＭＳ式の投光モジュール５３と、左ヘッドランプモジュール３２のＭＥＭＳ式の投光モジュール５３とは、協働して、１つの大きな路面描画像１１を路面に描画してもよい。
制御部としてのＣＰＵ４４は、右ヘッドランプモジュール３１のＭＥＭＳ式の投光モジュール５３と、左ヘッドランプモジュール３２のＭＥＭＳ式の投光モジュール５３とを、投光パターンにしたがって制御することにより、投光パターンに対応する路面描画像１１を路面に描画することができる。
なお、右ヘッドランプモジュール３１のＭＥＭＳ式の投光モジュール５３と、左ヘッドランプモジュール３２のＭＥＭＳ式の投光モジュール５３とは、協働して、１つの大きな路面描画像１１を路面に描画してもよい。
制御部としてのＣＰＵ４４は、右ヘッドランプモジュール３１のＭＥＭＳ式の投光モジュール５３と、左ヘッドランプモジュール３２のＭＥＭＳ式の投光モジュール５３とを、投光パターンにしたがって制御することにより、投光パターンに対応する路面描画像１１を路面に描画することができる。
【0038】
このように右ヘッドランプモジュール３１のＭＥＭＳ式の投光モジュール５３と、左ヘッドランプモジュール３２のＭＥＭＳ式の投光モジュール５３とは、投光パターンにしたがって路面描画像１１を投光する投光部材として機能できる。
【0039】
図５は、図３の描画制御装置２１が実行する、第一実施形態での路面描画制御のフローチャートである。
描画制御装置２１の制御部としてのＣＰＵ４４は、図２の路面描画制御を繰り返しに実行する。
なお、制御系２０において描画制御機能が前灯制御装置２２に実装されている場合、前灯制御装置２２のＣＰＵが、制御部として、図２の路面描画制御を繰り返しに実行してよい。
描画制御装置２１の制御部としてのＣＰＵ４４は、図２の路面描画制御を繰り返しに実行する。
なお、制御系２０において描画制御機能が前灯制御装置２２に実装されている場合、前灯制御装置２２のＣＰＵが、制御部として、図２の路面描画制御を繰り返しに実行してよい。
【0040】
ステップＳＴ１において、路面描画のための投光を制御するＣＰＵ４４は、路面描画の要否を判断する。路面描画の要求は、制御系２０の各種の制御装置により生成されてよい。たとえば、前灯制御装置２２が、前灯を点灯させる場合、路面描画を要求する情報を生成して、車ネットワーク２６を通じて描画制御装置２１へ出力してよい。路面描画の要求がある場合、ＣＰＵ４４は、処理をステップＳＴ２へ進める。路面描画の要求がない場合、ＣＰＵ４４は、本制御を終了する。
【0041】
ステップＳＴ２において、ＣＰＵ４４は、メモリ４１に記録されている複数の投光パターン６０から、路面描画に使用する投光パターンを選択する。ＣＰＵ４４は、複数の投光パターンを選択しても、１つの投光パターンを選択してもよい。
【0042】
ステップＳＴ３において、ＣＰＵ４４は、道路情報を取得する。
ここで、ＣＰＵ４４は、道路情報として、車外カメラ３５による最新の撮像画像、メモリ４１に記録などされている高精度地図データおよびＧＮＳＳ受信機３６が生成する現在位置、などを取得してよい。また、ＣＰＵ４４は、検出制御装置２４およびＬｉｄａｒ３４から路面を含む空間情報を取得してもよい。
または、ＣＰＵ４４は、舵角センサ３３による道路の形状に応じた舵角を取得してもよい。
ここで、ＣＰＵ４４は、道路情報として、車外カメラ３５による最新の撮像画像、メモリ４１に記録などされている高精度地図データおよびＧＮＳＳ受信機３６が生成する現在位置、などを取得してよい。また、ＣＰＵ４４は、検出制御装置２４およびＬｉｄａｒ３４から路面を含む空間情報を取得してもよい。
または、ＣＰＵ４４は、舵角センサ３３による道路の形状に応じた舵角を取得してもよい。
【0043】
ステップＳＴ４において、ＣＰＵ４４は、ステップＳＴ３において取得している道路情報に基づいて、自車が、湾曲したカーブの道路９０を走行しているか否かを判断する。
たとえば、道路情報として車外カメラ３５による最新の撮像画像を取得している場合、ＣＰＵ４４は、撮像画像を解析して、撮像画像中の自車が走行している道路９０が湾曲したカーブであるか否かを判断してよい。
また、道路情報としてＧＮＳＳ受信機３６が生成する現在位置を取得している場合、ＣＰＵ４４は、高精度地図データにおいて現在位置の道路の形状情報を取得する。そして、ＣＰＵ４４は、現在位置の道路の形状情報が、湾曲したカーブであるか否かを判断してよい。
また、道路情報として空間情報を取得している場合、ＣＰＵ４４は、空間情報を解析して、自車が走行している道路９０が湾曲したカーブであるか否かを判断してよい。
また、道路情報として舵角センサ３３の舵角を取得している場合、ＣＰＵ４４は、舵角が直進のものであるか否かを判断してよい。そして、舵角が直進のものでない場合、ＣＰＵ４４は、自車が走行している道路９０が湾曲したカーブであると判断してよい。
そして、ＣＰＵ４４は、自車が、湾曲したカーブの道路９０を走行中である場合、または、湾曲したカーブの道路９０へ進入し始めるように走行している場合、自車が、湾曲したカーブの道路９０を走行していると判断する。この場合、ＣＰＵ４４は、処理をステップＳＴ６へ進める。
これに対し、自車が、湾曲したカーブの道路９０を走行中でない場合、かつ、湾曲したカーブの道路９０へ進入し始めるように走行していない場合、ＣＰＵ４４は、自車が、湾曲したカーブの道路を走行していないと判断する。この場合、ＣＰＵ４４は、自車が、直線的な道路９０を走行しているものとして、処理をステップＳＴ５へ進める。
たとえば、道路情報として車外カメラ３５による最新の撮像画像を取得している場合、ＣＰＵ４４は、撮像画像を解析して、撮像画像中の自車が走行している道路９０が湾曲したカーブであるか否かを判断してよい。
また、道路情報としてＧＮＳＳ受信機３６が生成する現在位置を取得している場合、ＣＰＵ４４は、高精度地図データにおいて現在位置の道路の形状情報を取得する。そして、ＣＰＵ４４は、現在位置の道路の形状情報が、湾曲したカーブであるか否かを判断してよい。
また、道路情報として空間情報を取得している場合、ＣＰＵ４４は、空間情報を解析して、自車が走行している道路９０が湾曲したカーブであるか否かを判断してよい。
また、道路情報として舵角センサ３３の舵角を取得している場合、ＣＰＵ４４は、舵角が直進のものであるか否かを判断してよい。そして、舵角が直進のものでない場合、ＣＰＵ４４は、自車が走行している道路９０が湾曲したカーブであると判断してよい。
そして、ＣＰＵ４４は、自車が、湾曲したカーブの道路９０を走行中である場合、または、湾曲したカーブの道路９０へ進入し始めるように走行している場合、自車が、湾曲したカーブの道路９０を走行していると判断する。この場合、ＣＰＵ４４は、処理をステップＳＴ６へ進める。
これに対し、自車が、湾曲したカーブの道路９０を走行中でない場合、かつ、湾曲したカーブの道路９０へ進入し始めるように走行していない場合、ＣＰＵ４４は、自車が、湾曲したカーブの道路を走行していないと判断する。この場合、ＣＰＵ４４は、自車が、直線的な道路９０を走行しているものとして、処理をステップＳＴ５へ進める。
【0044】
ステップＳＴ５において、ＣＰＵ４４は、自車が、直線的な道路９０を走行しているものとして、メモリ４１から基準描画位置Ｐ１の情報を取得する。
また、ＣＰＵ４４は、併せて、基準描画位置Ｐ１に路面描画像１１を描画する際の標準サイズを、メモリ４１から取得してよい。
その後、ＣＰＵ４４は、処理をステップＳＴ７へ進める。
また、ＣＰＵ４４は、併せて、基準描画位置Ｐ１に路面描画像１１を描画する際の標準サイズを、メモリ４１から取得してよい。
その後、ＣＰＵ４４は、処理をステップＳＴ７へ進める。
【0045】
ステップＳＴ６において、ＣＰＵ４４は、自車が、湾曲したカーブの道路９０を走行しているものとして、路面描画像１１を道路９０の路面に描画するための投光位置および投光サイズを演算により生成する。
ここで、ＣＰＵ４４は、たとえば、まず、メモリ４１から基準描画位置Ｐ１と標準サイズとの情報を取得するとともに、舵角センサ３３による道路の形状に応じた舵角を取得する。
ＣＰＵ４４は、基準描画位置Ｐ１から舵角に応じた角度で移動させる路面描画像１１の描画位置を演算する。また、ＣＰＵ４４は、演算した描画位置における路面描画像１１の描画サイズを演算する。
これにより、ＣＰＵ４４は、路面描画像１１を道路９０の路面に描画するための投光位置および投光サイズを生成することができる。ここで生成される投光位置は、自動車１が直線路を走行している自動車１の前方の基準描画位置Ｐ１から、カーブの内側へ移動させるように調整した位置となる。
なお、ＣＰＵ４４は、さらに、演算した描画位置および描画サイズにより投光を実行した場合の路面描画像１１が、自車線の外へはみ出すか否かを判断してよい。そして、路面描画像１１が、自車線の外へはみ出す場合には、ＣＰＵ４４は、上述し他演算による投光位置および投光サイズを、自車線からはみ出さないように微調整してよい。自車が、湾曲したカーブの道路９０を走行している場合、たとえば、投光位置を自車から遠方の位置へ微調整することにより、路面描画像１１が、自車線の外へはみ出し難くなる。
これにより、ＣＰＵ４４は、路面描画像１１が、自動車１が走行している道路９０の幅方向の中央位置または車線を越えない範囲において、投光部材５３による投光により路面に描画される路面描画像１１の位置およびサイズを、カーブの内側へ移動させるように調整することができる。
ここで、ＣＰＵ４４は、たとえば、まず、メモリ４１から基準描画位置Ｐ１と標準サイズとの情報を取得するとともに、舵角センサ３３による道路の形状に応じた舵角を取得する。
ＣＰＵ４４は、基準描画位置Ｐ１から舵角に応じた角度で移動させる路面描画像１１の描画位置を演算する。また、ＣＰＵ４４は、演算した描画位置における路面描画像１１の描画サイズを演算する。
これにより、ＣＰＵ４４は、路面描画像１１を道路９０の路面に描画するための投光位置および投光サイズを生成することができる。ここで生成される投光位置は、自動車１が直線路を走行している自動車１の前方の基準描画位置Ｐ１から、カーブの内側へ移動させるように調整した位置となる。
なお、ＣＰＵ４４は、さらに、演算した描画位置および描画サイズにより投光を実行した場合の路面描画像１１が、自車線の外へはみ出すか否かを判断してよい。そして、路面描画像１１が、自車線の外へはみ出す場合には、ＣＰＵ４４は、上述し他演算による投光位置および投光サイズを、自車線からはみ出さないように微調整してよい。自車が、湾曲したカーブの道路９０を走行している場合、たとえば、投光位置を自車から遠方の位置へ微調整することにより、路面描画像１１が、自車線の外へはみ出し難くなる。
これにより、ＣＰＵ４４は、路面描画像１１が、自動車１が走行している道路９０の幅方向の中央位置または車線を越えない範囲において、投光部材５３による投光により路面に描画される路面描画像１１の位置およびサイズを、カーブの内側へ移動させるように調整することができる。
【0046】
ステップＳＴ７において、ＣＰＵ４４は、投光部材５３を制御して、投光部材５３に路面描画像１１のための投光をさせる。
ステップＳＴ６の処理の後にステップＳＴ７を実行することにより、湾曲した右カーブの道路９０の路面には、図２の実線の位置ではなく、破線の位置に、路面描画像１１が描画される。
路面描画像１１の描画位置は、自動車１のドライバと、カーブの先のとの間に近づく。
ステップＳＴ６の処理の後にステップＳＴ７を実行することにより、湾曲した右カーブの道路９０の路面には、図２の実線の位置ではなく、破線の位置に、路面描画像１１が描画される。
路面描画像１１の描画位置は、自動車１のドライバと、カーブの先のとの間に近づく。
【0047】
ステップＳＴ８において、ＣＰＵ４４は、路面描画を終了するか否かを判断する。ＣＰＵ４４は、たとえば路面描画の要求がない場合、路面描画を終了すると判断してよい。この場合、ＣＰＵ４４は、処理をステップＳＴ９へ進める。
そして、路面描画の要求が残っている場合、ＣＰＵ４４は、路面描画を終了しないと判断し、処理をステップＳＴ３へ戻す。この場合、ＣＰＵ４４は、ステップＳＴ３からステップＳＴ８の処理を繰り返して、路面描画を継続する。
そして、路面描画の要求が残っている場合、ＣＰＵ４４は、路面描画を終了しないと判断し、処理をステップＳＴ３へ戻す。この場合、ＣＰＵ４４は、ステップＳＴ３からステップＳＴ８の処理を繰り返して、路面描画を継続する。
【0048】
ステップＳＴ９において、ＣＰＵ４４は、投光部材５３を制御して、投光部材５３からの路面描画像１１のための投光を停止する。これにより、道路９０の路面には、路面描画像１１が描画されなくなる。
【0049】
以上のように、本実施形態では、投光部材５３による路面描画のための投光を制御する制御部としてのＣＰＵ４４は、自動車１が湾曲するカーブの道路９０を走行している場合には、投光部材５３による投光により路面に描画される路面描画像１１を、自動車１が直線路を走行している車両の前方の基準描画位置Ｐ１から、カーブの内側へ移動させるように調整する。
これにより、路面描画像１１は、湾曲するカーブの道路９０において、自動車１の前方ではなく、それよりもカーブの内側へ移動した位置に描画される。路面描画像１１は、湾曲するカーブの道路９０の先から近い位置に描画される。ドライバは、湾曲するカーブの道路９０の先から近い位置に描画されている路面描画像１１を確認することについて、負担を感じ難くなる。
このように本実施形態では、路面描画のための投光を制御して、自動車１からの路面描画を改善することが期待できる。
これにより、路面描画像１１は、湾曲するカーブの道路９０において、自動車１の前方ではなく、それよりもカーブの内側へ移動した位置に描画される。路面描画像１１は、湾曲するカーブの道路９０の先から近い位置に描画される。ドライバは、湾曲するカーブの道路９０の先から近い位置に描画されている路面描画像１１を確認することについて、負担を感じ難くなる。
このように本実施形態では、路面描画のための投光を制御して、自動車１からの路面描画を改善することが期待できる。
【0050】
［第二実施形態］
次に、本発明の第二実施形態に係る自動車１の路面描画装置について説明する。
本実施形態は、路面描画像１１に光量不足となる欠けが生じている場合であっても、描画を継続することができる例について説明する。
以下において、主に上述した実施形態との相違点について説明する。
次に、本発明の第二実施形態に係る自動車１の路面描画装置について説明する。
本実施形態は、路面描画像１１に光量不足となる欠けが生じている場合であっても、描画を継続することができる例について説明する。
以下において、主に上述した実施形態との相違点について説明する。
【0051】
図６は、図３の描画制御装置２１が実行する、第二実施形態での路面描画制御のフローチャートである。
描画制御装置２１の制御部としてのＣＰＵ４４は、図１０の路面描画制御を繰り返しに実行する。
なお、制御系２０において描画制御機能が前灯制御装置２２に実装されている場合、前灯制御装置２２のＣＰＵが、図１０の路面描画制御を繰り返しに実行してよい。
ステップＳＴ１からステップＳＴ４は、上述した実施形態と同様である。
ただし、ステップＳＴ４において、自車が、湾曲したカーブの道路９０を走行中である場合、または、湾曲したカーブの道路９０へ進入し始めるように走行している場合、ＣＰＵ４４は、処理をステップＳＴ１１へ進める。
描画制御装置２１の制御部としてのＣＰＵ４４は、図１０の路面描画制御を繰り返しに実行する。
なお、制御系２０において描画制御機能が前灯制御装置２２に実装されている場合、前灯制御装置２２のＣＰＵが、図１０の路面描画制御を繰り返しに実行してよい。
ステップＳＴ１からステップＳＴ４は、上述した実施形態と同様である。
ただし、ステップＳＴ４において、自車が、湾曲したカーブの道路９０を走行中である場合、または、湾曲したカーブの道路９０へ進入し始めるように走行している場合、ＣＰＵ４４は、処理をステップＳＴ１１へ進める。
【0052】
ステップＳＴ１１において、ＣＰＵ４４は、自車が、カーブが連続する道路９０を走行しているか否かを判断する。
たとえば、道路情報として車外カメラ３５による最新の撮像画像を取得している場合、ＣＰＵ４４は、撮像画像を解析して、撮像画像中の自車が走行している道路９０がカーブが連続するものであるか否かを判断してよい。
また、道路情報としてＧＮＳＳ受信機３６が生成する現在位置を取得している場合、ＣＰＵ４４は、高精度地図データにおいて現在位置の道路の形状情報を取得する。そして、ＣＰＵ４４は、現在位置の道路の形状情報が、カーブが連続するものであるか否かを判断してよい。
また、道路情報として空間情報を取得している場合、ＣＰＵ４４は、空間情報を解析して、自車が走行している道路９０がカーブが連続するものであるか否かを判断してよい。
そして、ＣＰＵ４４は、自車が、連続したカーブの道路９０を走行中である場合、または、連続したカーブの道路９０へ進入し始めるように走行している場合、自車が、連続したカーブの道路９０を走行していると判断する。この場合、ＣＰＵ４４は、処理をステップＳＴ１５へ進める。
これに対し、自車が、連続したカーブの道路９０を走行中でない場合、かつ、連続したカーブの道路９０へ進入し始めるように走行していない場合、ＣＰＵ４４は、自車が、連続したカーブの道路９０を走行していないと判断する。この場合、ＣＰＵ４４は、自車が、連続していないカーブの道路９０を走行しているものとして、処理をステップＳＴ１２へ進める。
たとえば、道路情報として車外カメラ３５による最新の撮像画像を取得している場合、ＣＰＵ４４は、撮像画像を解析して、撮像画像中の自車が走行している道路９０がカーブが連続するものであるか否かを判断してよい。
また、道路情報としてＧＮＳＳ受信機３６が生成する現在位置を取得している場合、ＣＰＵ４４は、高精度地図データにおいて現在位置の道路の形状情報を取得する。そして、ＣＰＵ４４は、現在位置の道路の形状情報が、カーブが連続するものであるか否かを判断してよい。
また、道路情報として空間情報を取得している場合、ＣＰＵ４４は、空間情報を解析して、自車が走行している道路９０がカーブが連続するものであるか否かを判断してよい。
そして、ＣＰＵ４４は、自車が、連続したカーブの道路９０を走行中である場合、または、連続したカーブの道路９０へ進入し始めるように走行している場合、自車が、連続したカーブの道路９０を走行していると判断する。この場合、ＣＰＵ４４は、処理をステップＳＴ１５へ進める。
これに対し、自車が、連続したカーブの道路９０を走行中でない場合、かつ、連続したカーブの道路９０へ進入し始めるように走行していない場合、ＣＰＵ４４は、自車が、連続したカーブの道路９０を走行していないと判断する。この場合、ＣＰＵ４４は、自車が、連続していないカーブの道路９０を走行しているものとして、処理をステップＳＴ１２へ進める。
【0053】
ステップＳＴ１２において、ＣＰＵ４４は、前灯制御装置２２から、自動車１の前方を基準とした、前灯のスイブル角を取得する。
【0054】
ステップＳＴ１３において、ＣＰＵ４４は、ステップＳＴ１２で取得した前灯のスイブル角に基づいて、路面描画像１１の投光位置および投光サイズを演算する。
ＣＰＵ４４は、路面描画像１１の投光位置および投光サイズを、スイブル角に応じたものとして演算してよい。
この際、ＣＰＵ４４は、路面描画像１１の投光位置を、スイブル角そのもので移動させるように演算しても、スイブル角に係数を乗算したもので移動させるように演算しても、よい。
ただし、路面描画像１１は、前灯の投光範囲１７の前端より手前側に描画することが通常であると考える。この場合、ＣＰＵ４４は、スイブル角に１未満の係数を乗算したものを用いて、路面描画像１１の移動させた投光位置を演算するとよい。これにより、路面描画像１１は、スイブルされている前灯の投光範囲の範囲内に描画されることが期待できる。
このようにＣＰＵ４４は、前灯のスイブル角に応じて、カーブの内側へ移動させるように、路面描画像１１の投光位置を演算することができる。
また、ＣＰＵ４４は、投光サイズを、スイブル角の大きさに応じて小さくするように演算することにより、調整してよい。
ＣＰＵ４４は、路面描画像１１の投光位置および投光サイズを、スイブル角に応じたものとして演算してよい。
この際、ＣＰＵ４４は、路面描画像１１の投光位置を、スイブル角そのもので移動させるように演算しても、スイブル角に係数を乗算したもので移動させるように演算しても、よい。
ただし、路面描画像１１は、前灯の投光範囲１７の前端より手前側に描画することが通常であると考える。この場合、ＣＰＵ４４は、スイブル角に１未満の係数を乗算したものを用いて、路面描画像１１の移動させた投光位置を演算するとよい。これにより、路面描画像１１は、スイブルされている前灯の投光範囲の範囲内に描画されることが期待できる。
このようにＣＰＵ４４は、前灯のスイブル角に応じて、カーブの内側へ移動させるように、路面描画像１１の投光位置を演算することができる。
また、ＣＰＵ４４は、投光サイズを、スイブル角の大きさに応じて小さくするように演算することにより、調整してよい。
【0055】
ステップＳＴ１４において、ＣＰＵ４４は、ステップＳＴ１３で移動調整した路面描画像１１の投光位置および投光サイズに基づいて、自動車１が走行している道路９０の自車線の外へはみ出すか否かを判断する。
これにより、ＣＰＵ４４は、路面描画像１１の位置およびサイズを移動させた場合に、自動車１が走行している道路９０の幅方向の中央位置または車線を越えるか否かを、検出デバイスとしての車外カメラ３５などの検出に基づいて判断することができる。
そして、移動調整した路面描画像１１が、自車線の外へはみ出さない場合、ＣＰＵ４４は、処理をステップＳＴ７へ進める。この場合、ＣＰＵは、移動調整した路面描画像１１についての投光を投光部材５３に実行させる。湾曲したカーブの道路９０には、カーブの内側へ移動させるように位置およびサイズが調整された路面描画像１１が、自車線の範囲内に描画される。その後、ＣＰＵ４４は、処理をステップ８へ進める。
これに対し、移動調整した路面描画像１１が、自車線の外へはみ出す場合、ＣＰＵ４４は、処理をステップＳＴ１５へ進める。
これにより、ＣＰＵ４４は、路面描画像１１の位置およびサイズを移動させた場合に、自動車１が走行している道路９０の幅方向の中央位置または車線を越えるか否かを、検出デバイスとしての車外カメラ３５などの検出に基づいて判断することができる。
そして、移動調整した路面描画像１１が、自車線の外へはみ出さない場合、ＣＰＵ４４は、処理をステップＳＴ７へ進める。この場合、ＣＰＵは、移動調整した路面描画像１１についての投光を投光部材５３に実行させる。湾曲したカーブの道路９０には、カーブの内側へ移動させるように位置およびサイズが調整された路面描画像１１が、自車線の範囲内に描画される。その後、ＣＰＵ４４は、処理をステップ８へ進める。
これに対し、移動調整した路面描画像１１が、自車線の外へはみ出す場合、ＣＰＵ４４は、処理をステップＳＴ１５へ進める。
【0056】
ステップＳＴ１５において、ＣＰＵ４４は、移動調整した路面描画像１１についての、投光部材５３による投光を停止する。これにより、湾曲したカーブの道路９０などには、カーブの内側へ移動させるように位置およびサイズが調整された路面描画像１１が、描画されなくなる。その後、ＣＰＵ４４は、処理をステップ８へ進める。
これにより、ＣＰＵ４４は、移動させた路面描画像１１の位置およびサイズが、自動車１が走行している道路９０の中央位置または車線を越える場合には、投光部材５３からの投光を停止して、路面描画を停止することができる。
これにより、ＣＰＵ４４は、移動させた路面描画像１１の位置およびサイズが、自動車１が走行している道路９０の中央位置または車線を越える場合には、投光部材５３からの投光を停止して、路面描画を停止することができる。
【0057】
以上のように、本実施形態では、投光部材５３による投光により路面に描画される路面描画像１１の位置およびサイズを、前灯のスイブル動作の方向にしたがって、自動車１が直線状の道路９０を走行している場合での路面描画像の基準投光位置Ｐ１から、前灯のスイブル角に応じて、カーブの内側へ移動させるように調整する。この際、前灯のスイブル角が大きいほど、基準描画位置Ｐ１からのずれ量を大きくする。これにより、路面描画像１１は、自動車１のドライバが、カーブの先を見る方向の近くに描画され得る。
しかも、本実施形態では、路面描画像１１は、自動車１が走行している道路９０の車線、すなわち、道路９０の幅方向の中央位置または車線を越えない範囲において、その位置およびサイズが、前灯のスイブル方向へ移動する。これにより、湾曲したカーブの道路９０を走行している間においても、対向車などに対して、路面描画像１１を照射したり、路面描画像１１の光を反射させたりしないようにできる。
しかも、本実施形態では、路面描画像１１は、自動車１が走行している道路９０の車線、すなわち、道路９０の幅方向の中央位置または車線を越えない範囲において、その位置およびサイズが、前灯のスイブル方向へ移動する。これにより、湾曲したカーブの道路９０を走行している間においても、対向車などに対して、路面描画像１１を照射したり、路面描画像１１の光を反射させたりしないようにできる。
【0058】
また、本実施形態では、Ｓ字カーブなどを走行していて、自動車１が走行している道路９０のカーブの湾曲方向が左右で連続的に切り替わる場合には、投光部材５３からの投光を停止して、路面描画像１１を路面に描画しないようにできる。前灯部材３１，３２が、前灯の投光方向を、カーブの内側へずらし続けるように左右で連続的に切り替わるスイブル動作をしていても、投光部材５３からの投光を停止して、路面描画像１１を路面に描画しないようできる。路面描画像１１が、カーブの内側へ向向けて左右で連続的に切り替わるような事態を生じないようにできる。
【0059】
以上の実施形態は、本発明に好適な実施形態の例であるが、本発明は、これに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変形または変更が可能である。
【0060】
上述した実施形態では、投光部材としての投光モジュール５３は、右ヘッドランプモジュール３１または左ヘッドランプモジュール３２において、前灯用のＬＥＤ５１，５２と一体化されて自動車１に設けられている。
この他にもたとえば、投光部材としての投光モジュール５３は、右ヘッドランプモジュール３１または左ヘッドランプモジュール３２とは別体として、自動車１に設けられてもよい。
また、自動車１に設ける投光モジュール５３は、１つでも、３つ以上であってもよい。１つの投光モジュール５３や、３つ目の投光モジュール５３は、自動車の前面部の幅方向中央に設けてもよい。
この他にもたとえば、投光部材としての投光モジュール５３は、右ヘッドランプモジュール３１または左ヘッドランプモジュール３２とは別体として、自動車１に設けられてもよい。
また、自動車１に設ける投光モジュール５３は、１つでも、３つ以上であってもよい。１つの投光モジュール５３や、３つ目の投光モジュール５３は、自動車の前面部の幅方向中央に設けてもよい。
【符号の説明】
【0061】
１…自動車（車両）、１７…前灯の照射範囲、１８…描画可能範囲、１９…画角、２０…制御系、２１…描画制御装置、２２…前灯制御装置、２３…操作制御装置、２４…検出制御装置、２５…通信制御装置、２６…車ネットワーク、３１…右ヘッドランプモジュール、３２…左ヘッドランプモジュール、３３…舵角センサ、３４…Ｌｉｄａｒ、３５…車外カメラ（検出デバイス）、３６…ＧＮＳＳ受信機、３７…通信デバイス、４１…メモリ、４２…タイマ、４３…通信ポート、４４…ＣＰＵ（制御部）、４５…入出力ポート、４６…内部バス、５１，５２…ＬＥＤ、５３…投光モジュール（投光部材）、６０…複数の投光パターン、Ｐ１…基準描画位置
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】