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特開2024-115502電気油圧複合駆動式防爆脚足ロボット
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024115502
(43)【公開日】2024-08-26
(54)【発明の名称】電気油圧複合駆動式防爆脚足ロボット
(51)【国際特許分類】
   B25J 5/00 20060101AFI20240819BHJP
【FI】
B25J5/00 C
【審査請求】有
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023133008
(22)【出願日】2023-08-17
(31)【優先権主張番号】202310110960.2
(32)【優先日】2023-02-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】523313953
【氏名又は名称】七騰機器人有限公司
【氏名又は名称原語表記】Sevnce Robotics Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】Building 7, Phase II, Internet Industrial Park, Liangjiang New District, Chongqing City, China.
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】朱 冬
(72)【発明者】
【氏名】胡 小東
(72)【発明者】
【氏名】唐 国梅
(72)【発明者】
【氏名】王 力
(72)【発明者】
【氏名】陳 大文
(72)【発明者】
【氏名】王 鎮
(72)【発明者】
【氏名】陳 超
【テーマコード(参考)】
3C707
【Fターム(参考)】
3C707CX01
3C707CY06
3C707CY12
3C707CY13
3C707CY25
3C707CY26
3C707CY29
3C707HS13
3C707HS27
3C707HT11
3C707HT21
3C707KS33
3C707KV11
3C707KW03
3C707WA14
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ロボットが防爆性能を有する同時に制御アルゴリズムの難易度を下げる。
【解決手段】ロボットの技術分野に属する電気油圧複合駆動式防爆脚足ロボットに関し、正圧チャンバーと脚足アセンブリを含み、脚足アセンブリは油圧シリンダを含み、チャンバー内にサーボポンプが設けられ、油圧シリンダはチャンバー外側に位置し、チャンバーの壁にサーボポンプと油圧シリンダの連通のためのオイル出入口が開設され、脚足アセンブリは、取付ブラケット、脚足前後揺動機構、股関節機構および脚足機構を含み、脚足前後揺動機構と股関節機構は取付ブラケットを介してチャンバー外側に接続され、股関節機構は脚足機構に接続されて脚足機構を内外揺動可能に駆動し、脚足前後揺動機構は股関節機構に同軸伝達可能に接続され、脚足前後揺動機構は股関節機構を回転可能に駆動する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
正圧チャンバー(11)と脚足アセンブリを含み、脚足アセンブリは油圧シリンダを含む電気油圧複合駆動式防爆脚足ロボットであって、チャンバー(11)内にサーボポンプが設けられ、油圧シリンダはチャンバー(11)の外側に位置し、チャンバー(11)の壁にサーボポンプと油圧シリンダの連通のためのオイル出入口が開設され、
脚足アセンブリは、取付ブラケット(2)、脚足前後揺動機構(3)、股関節機構および脚足機構を含み、脚足前後揺動機構(3)と股関節機構は取付ブラケット(2)を介してチャンバー(11)の外側に接続され、股関節機構は脚足機構に接続されて脚足機構を内外揺動駆動可能であり、脚足前後揺動機構(3)は股関節機構に伝達可能に接続され、脚足前後揺動機構(3)は股関節機構を回転可能に駆動する、ことを特徴とする電気油圧複合駆動式防爆脚足ロボット。
【請求項2】
脚足前後揺動機構(3)は股関節機構に同軸伝達可能に接続される、ことを特徴とする請求項1に記載の電気油圧複合駆動式防爆脚足ロボット。
【請求項3】
股関節機構は接続部材(4)と側方揺動駆動機構(5)を含み、接続部材(4)は取付ブラケット(2)に回転可能に接続され、側方揺動駆動機構(5)は接続部材(4)と脚足機構間に接続され、側方揺動駆動機構(5)は脚足機構の内外揺動に動力を供給する、ことを特徴とする請求項2に記載の電気油圧複合駆動式防爆脚足ロボット。
【請求項4】
接続部材(4)上に従動ギア(44)が同軸に嵌設されて固定され、脚足前後揺動機構(3)は、駆動ギアコンポーネントとパワーコンポーネントを含み、駆動ギアコンポーネントは取付ブラケット(2)に回転可能に接続されて従動ギア(44)と噛み合い、パワーコンポーネントは、駆動ギアコンポーネントを回転可能に駆動する、ことを特徴とする請求項3に記載の電気油圧複合駆動式防爆脚足ロボット。
【請求項5】
パワーコンポーネントは、第1油圧シリンダ(31)、第1スライドレール(32)、スライドレスト(53)および第1連結ロッド(35)を含み、第1スライドレール(32)は取付ブラケット(2)に固定され、第1スライドレール(32)の長さ方向は接続部材(4)の回転軸線に垂直であり、第1油圧シリンダ(31)のシリンダ(911)は取付ブラケット(2)に固定され、第1油圧シリンダ(31)のピストンロッド(311)はスライドレスト(53)に接続されてスライドレスト(53)を第1スライドレール(32)に沿って相対的に摺動させるように駆動し、第1連結ロッド(35)の一端はスライドレスト(53)にヒンジで接続され、第1連結ロッド(35)の他端は駆動ギアコンポーネントと偏心回転可能に接続される、ことを特徴とする請求項4に記載の電気油圧複合駆動式防爆脚足ロボット。
【請求項6】
接続部材(4)は取付管(41)と一対の支持アーム(43)を含み、支持アーム(43)は取付管(41)の軸線に沿って設けられて取付管(41)の一端に固定され、取付管(41)は取付ブラケット(2)に回転可能に接続され、支持アーム(43)の取付管(41)から離れた一端に軸孔が開設され、軸孔の軸線は取付管(41)の軸線に垂直である、ことを特徴とする請求項3~5のいずれか1項に記載の電気油圧複合駆動式防爆脚足ロボット。
【請求項7】
側方揺動駆動機構(5)は、第2油圧シリンダ(51)、第2スライドレール(52)、スライドレスト(53)および第2連結ロッド(54)を含み、第2スライドレール(52)は軸線に沿って取付管(41)の内壁に固定され、第2油圧シリンダ(51)は取付管(41)の支持アーム(43)から離れた一端に接続され、第2油圧シリンダ(51)はスライドレスト(53)を第2スライドレール(52)に沿って相対的に摺動させるように駆動し、第2連結ロッド(54)の一端はスライドレスト(53)にヒンジで接続され、第2連結ロッド(54)の他端は取付管(41)から支持アーム(43)に向かって延出して設けられる、ことを特徴とする請求項6に記載の電気油圧複合駆動式防爆脚足ロボット。
【請求項8】
チャンバー(11)内に第1サーボポンプ(13)が接続され、脚足前後揺動機構(3)は第1油圧シリンダ(31)を含み、チャンバー(11)の側壁に第1オイル出口(111)と第1オイル入口(112)が貫通して開設され、第1オイル出口(111)と第1オイル入口(112)は、第1サーボポンプ(13)と第1油圧シリンダ(31)の連通のために使用される、ことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の電気油圧複合駆動式防爆脚足ロボット。
【請求項9】
チャンバー(11)内に第2サーボポンプ(14)が接続され、股関節機構は第2油圧シリンダ(51)を含み、チャンバー(11)の側壁に、第2サーボポンプ(14)と第2油圧シリンダ(51)の連通のためのオイル入出口が開設される、ことを特徴とする請求項8に記載の電気油圧複合駆動式防爆脚足ロボット。
【請求項10】
第1油圧シリンダ(31)は取付ブラケット(2)に固定され、取付ブラケット(2)上に第1オイル出口(111)と第1オイル入口(112)をそれぞれ接続するための第1油路(29)が設けられる、ことを特徴とする請求項8に記載の電気油圧複合駆動式防爆脚足ロボット。
【請求項11】
チャンバー(11)内に第3サーボポンプ(15)が接続され、脚足機構は第3油圧シリンダ(91)を含み、チャンバー(11)の側壁に第3サーボポンプ(15)と連通するための第2オイル出口(113)および第2オイル入口(114)が開設される、ことを特徴とする請求項9に記載の電気油圧複合駆動式防爆脚足ロボット。
【請求項12】
取付ブラケット(2)に第2オイル出口(113)と第2オイル入口(114)をそれぞれ接続するための第2油路(28)がさらに開設され、第2油路(28)は第3油圧シリンダ(91)と連通する、ことを特徴とする請求項11に記載の電気油圧複合駆動式防爆脚足ロボット。
【請求項13】
チャンバー(11)のオイル入出口両端にシールリングが設けられる、ことを特徴とする請求項9に記載の電気油圧複合駆動式防爆脚足ロボット。
【請求項14】
チャンバー(11)上にシールリングを配置するためのシール溝が設けられる、ことを特徴とする請求項13に記載の電気油圧複合駆動式防爆脚足ロボット。
【請求項15】
脚足機構は、大腿アーム(6)、下腿アーム(7)および膝関節(9)を含み、大腿アーム(6)は下腿アーム(7)に回転可能に接続され、膝関節(9)は第3油圧シリンダ(91)、第1接続部(92)および第2接続部(93)を含み、第3油圧シリンダ(91)のシリンダ(911)は大腿アーム(6)に回転可能に接続され、第1接続部(92)の他端は大腿アーム(6)に回転可能に接続され、第2接続部(93)の他端は下腿アーム(7)に回転可能に接続され、大腿アーム(6)と下腿アーム(7)の回転軸点、第1接続部(92)と大腿アーム(6)の回転軸点、第2接続部(93)と下腿アーム(7)の回転軸点および第1接続部(92)と第2接続部(93)の回転軸点とは四辺形を形成する、ことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の電気油圧複合駆動式防爆脚足ロボット。
【請求項16】
脚足機構は、足関節(8)を含み、足関節(8)は足スリーブ(81)および足スリーブ(81)内に設けられた弾性内側カプセル(82)を含み、内側カプセル(82)に圧力センサ(85)が接続される、ことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の電気油圧複合駆動式防爆脚足ロボット。
【請求項17】
チャンバー(11)上にレーザーレーダー(16)、RTKアンテナ(17)、防爆ボタン(18)、防爆音光警報器(19)のうちの少なくとも1つが設けられる、ことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の電気油圧複合駆動式防爆脚足ロボット。
【請求項18】
レーザーレーダー(16)の周囲に密閉用ガラスカバーが設けられる、ことを特徴とする請求項17に記載の防爆型電気油圧複合駆動式防爆脚足ロボット。
【請求項19】
RTKアンテナ(17)、防爆ボタン(18)および防爆音光警報器(19)のラインは防爆ケーブルであり、防爆ケーブルがチャンバー(11)を通過する部分に粘着シーリングが施されている、ことを特徴とする請求項17に記載の防爆型電気油圧複合駆動式防爆脚足ロボット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、ロボットの技術分野に関し、特に電気油圧複合駆動式防爆脚足ロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
インテリジェント機器の発展に伴い、ロボットはますます広く人々の作業生活に使用されている。ロボットには車輪型ロボットと脚足ロボットがあるが、脚足ロボットは地形への適応性が高いため、検査などの場面で広く使用されている。
【0003】
関連技術は出願番号202222609655.1の特許に開示され、油圧ポンプ制御防爆4脚ロボットを開示しており、油圧構造と機械構造を含み、機械構造は防爆倉と脚足コンポーネントを含み、脚足コンポーネントは側方揺動ユニット、股ユニットおよび膝ユニットを含み、油圧構造はアキュムレータおよび駆動ユニットを含み、駆動ユニットは順次接続されたサーボモータ、油圧ポンプおよび油圧シリンダを含み、各側方揺動ユニット、股ユニットまたは膝ユニットはそれぞれ駆動ユニットによって制御される。
【0004】
上記関連技術に対して、4脚ロボットを可燃性・爆発性環境で検査作業に使用する場合、4脚ロボットの各関節モータが動作するとき爆発を誘発する可能性があり、ロボットは防爆性能を有しない。
【発明の概要】
【0005】
電気制御を含む現在のロボットが可燃性・爆発性環境下で作業する場合防爆性能を有しないという問題を改善するために、本出願は、電気油圧複合駆動式防爆脚足ロボットを提供する。
【0006】
本出願が提供する電気油圧複合駆動式防爆脚足ロボットは以下の技術的解決策を採用する。
【0007】
電気油圧複合駆動式防爆脚足ロボットは、正圧チャンバーと脚足アセンブリを含み、脚足アセンブリは油圧シリンダを含む電気油圧複合駆動式防爆脚足ロボットであって、チャンバー内にサーボポンプが設けられ、油圧シリンダはチャンバーの外側に位置し、チャンバーの壁にサーボポンプと油圧シリンダの連通のためのオイル出入口が開設され、
【0008】
脚足アセンブリは、取付ブラケット、脚足前後揺動機構、股関節機構および脚足機構を含み、脚足前後揺動機構と股関節機構は取付ブラケットを介してチャンバーの外側に接続され、股関節機構は脚足機構に接続されて脚足機構を内外揺動駆動可能であり、脚足前後揺動機構は股関節機構に伝達可能に接続され、脚足前後揺動機構は股関節機構を回転可能に駆動する。
【0009】
上記技術的解決策によれば、チャンバーは正圧設計を採用し、外部の可燃性・爆発性ガスがチャンバー内に侵入して電気部品に接触する可能性を排除し、防爆効果を実現する。油圧シリンダはチャンバー外部に位置し、制御ユニットとサーボポンプはチャンバー内に位置し、電気油圧駆動システムの下で電気油圧分離の効果を発揮し、可燃性・爆発性ガスが電気に接触して爆発する可能性を排除することができ、ロボットが防爆性能を有する。
脚足前後揺動機構は股関節機構に同軸に伝達可能に接続され、ロボット制御アルゴリズムプログラムの最適化に寄与する。
【0010】
制御アルゴリズムの簡略化された原理は次のように説明され、隣接する2つの関節伝達を例にして、3次元直交座標系1(x1,y1,z1)をz1軸周りにθ1で回転させ、3次元直交座標系2(x2,y2,z2)をx2軸周りにθ2で回転させ、一般的な2つの関節変換については、座標系1を基準座標系として、座標系2は座標系1に対する空間座標は次のように表され:
2つの関節軸線の原点が一致する点として2つの関節座標系が交差するとき、行列では2つの関節座標系の原点距離を示すx、y、zは0となり、伝達制御ソフトウェア中の行列式を簡略化でき、簡略化後の空間座標は
【0011】
以上のように、本出願は以下の有益な技術的効果を有する。
1、電気油圧分離設計および正圧倉により、ロボットは防爆性能を有する。
2、ロボット脚足アセンブリ関節の同軸伝達設計により、制御アルゴリズムの難易度を下げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本出願の実施例の電気油圧複合駆動式防爆脚足ロボットの構造を示す概略図である。
図2図1の上面図である。
図3】本出願の実施例のロボット脚部アセンブリの構造を示す概略図である。
図4】取付ブラケットの構造を示す概略図である。
図5図4の上面図である。
図6図5中のA-A方向の断面図である。
図7】脚足前後揺動機構の構造を示す概略図である。
図8図7の上面図である。
図9図8中のB-B方向の断面図である。
図10】スライドレスト位置の接続構造を示す概略図である。
図11】駆動ギアコンポーネントの構造を示す概略図である。
図12】取付座の構造を示す概略図である。
図13】股関節機構と大腿アームの接続構造を示す概略図である。
図14】接続部材の構造を示す概略図である。
図15図14の左側面図である。
図16図15中のC-C方向の断面図である。
図17】側方揺動駆動コンポーネントの構造を示す概略図である。
図18】股関節機構の断面図である。
図19】脚足機構の構造を示す概略図である。
図20図19中のD-D面の断面図である。
図21】大腿アームの構造を示す概略図である。
図22図21中のE-E面の断面図である。
図23】下腿アームの構造を示す概略図である。
図24図23中のF-F面の断面図である。
図25】足関節部分の局所構造を示す概略図である。
図26】チャンバーと取付ブラケットの接続構造を示す概略図である。
図27】第1オイルシリンダ、取付ブラケットと第1サーボポンプの接続構造を示す断面図である。
図28】取付ブラケットの第2油路と第3サーボポンプの接続構造を示す断面図である。
図29】チャンバー上部カバー付属品の取付構造を示す概略図である。
図30図29の上面図である。
図31】本考案の股関節機の構側方揺動とピッチ用のEHA閉鎖型油圧システムを示す図である。
図32】本考案の膝関節のEHA閉鎖型油圧システムを示す図である。
図33】負荷力と油圧シリンダのピストンロッドの速度方向におけるFV図である。
図34】膝関節の負荷作動状態を示す図である。
図35】第1油圧シリンダの負荷作動状態を示す概略図である。
図36】第2油圧シリンダの負荷作動状態を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面1~36を参照しながら本出願をさらに詳細に説明する。
【0014】
本出願の実施例は、電気油圧複合駆動式防爆脚足ロボットを提供する。
【0015】
図1図3を参照すると、電気油圧複合駆動式防爆脚足ロボットは、制御アセンブリ1と複数の脚部アセンブリを含み、各脚部アセンブリは取付ブラケット2、脚足前後揺動機構3、股関節機構および脚足機構を含み、股関節機構は接続部材4および側方揺動駆動機構5を含み、脚足機構は大腿アーム6および下腿アーム7を含み、接続部材4は取付ブラケット2に回転可能に接続され、側方揺動駆動機構5は接続部材4に取り付けられ、側方揺動駆動機構5は大腿アーム6に接続されて大腿アーム6を内外揺動可能に駆動し、脚足前後揺動機構3は股関節機構を回転させて脚足機構を前後揺動させるように駆動し、脚足前後揺動機構3と股関節機構は取付ブラケット2に取り付けられて同軸に伝達可能であり、制御システムアルゴリズムの難易度を簡略化する。
【0016】
図4図6を参照すると、取付ブラケット2は第1側板21、第2側板22および接続座23を含み、第1側板21は第2側板22と平行に設けられ、接続座23は第1側板21と第2側板22間に固定される。
【0017】
第2側板22と第1側板21の中部に対応して第1軸孔25が開設され、第2側板22と第1側板21の一端に対応して第2軸孔26が開設され、第1軸孔25と第2軸孔26の中心線は接続座23の長さ方向と平行である。
【0018】
取付ブラケット2の全体重量を減らすために、第1側板21と第2側板22にそれぞれ軽量化孔が開設され、第1側板21と第2側板22は中空構造となっている。第2軸孔26に対応する第1側板21と第2側板22の端部の輪郭は丸みを帯びている。
【0019】
第2側板22の第2軸孔26から離れた一端は第1側板21よりもさらに延伸して固定部24を形成し、第2側板22の接続座23から離れた一側に固定孔221が開設される。第1側板21の第2軸孔26から離れた一端は台形状に設けられる。取付ブラケット2の接続座23と第2軸孔26間にある領域に取付溝27が設けられる。取付ブラケット2は第1軸孔25と第2軸孔26の周囲に釘孔が開設され、取付ブラケット2は第2軸孔26の周囲に複数の接続リブがさらに設けられる。接続座23に釘孔が開設される。
【0020】
図7図9を参照すると、脚足前後揺動機構3は前後揺動駆動コンポーネントおよび駆動ギアコンポーネントを含み、前後揺動駆動コンポーネントは駆動ギアコンポーネントを駆動して伝達を実現する。
【0021】
前後揺動駆動コンポーネントは、第1油圧シリンダ31、第1スライドレール32、スライドレストおよび第1連結ロッド35を含む。第1スライドレール32はボルトを介して取付ブラケット2の接続座23に固定され、第1スライドレール32の長さ方向は第1軸孔25の軸線に垂直であり、スライドレストは第1スライドレール32の長さ方向に沿って相対的に摺動し、第1油圧シリンダ31のシリンダはボルトを介して取付ブラケット2の固定部24に固定され、第1油圧シリンダ31のピストンロッド311はスライドレストに接続され、第1油圧シリンダ31はスライドレストを第1スライドレール32に沿って往復移動させるように駆動する。第1油圧シリンダ31はダブルアクション油圧シリンダを採用してもよい。
【0022】
図10を参照して、スライドレストは、固定的に接続されたスライドブロック33と接続ブロック34を含み、スライドブロック33と接続ブロック34の固定方法は、ボルト接続、係合接続、埋め込み、溶接または一体成形などであり得る。スライドブロック33に、第1スライドレール32と嵌合するシュートが形成され、スライドブロック33は第1スライドレール32の長さ方向に沿って相対的に摺動することが可能である。ここで、接続ブロック34はボルトを介してスライドブロック33に固定され、着脱や交換に便利である。
【0023】
接続ブロック34の一端に挿入口341が開設され、第1油圧シリンダ31のピストンロッド311の端部が挿入口341に挿入されて固定され、接続ブロック34の他端に第1耳板342が固定され、第1連結ロッド35の端部はピンロッドを介して第1耳板342とヒンジで接続され、ピンロッドの軸線は第1スライドレール32に垂直で接続ブロック34の第1スライドレール32から離れた平面に平行であり、第1連結ロッド35は第1スライドレール32を通過する平面上で回転することができる。
【0024】
第1耳板342が設けられた接続ブロック34の領域の厚さは、挿入口341が設けられた接続ブロック34の領域の厚さよりも小さく、第1連結ロッド35の回転に対する接続ブロック34の影響を低減するために、挿入口341と第1耳板342間にある接続ブロック34の位置に傾斜面343が設けられる。
【0025】
図11および図12を参照すると、駆動ギアコンポーネントは、取付座36および歯付き板37を含み、取付座36は、第3軸孔364を有する軸スリーブを含み、軸スリーブの周方向外壁に、接続歯付き板37を固定するための接続部361が設けられ、歯付き板37は接続部361に着脱可能に固定され、歯付き板37上の歯の外縁の中心軸は軸スリーブの中心と一致している。
【0026】
取付座36は、第3軸孔364および回転軸38を介して取付ブラケット2の第1軸孔25に回転可能に接続され、取付座36は回転軸38の周りに回転可能であり、回転軸38と取付ブラケット2は軸受を介して接続され、取付座36に固定された歯付き板37は取付溝27に位置し、歯車回転動作を行うことができる。歯付き板37上の歯が摩耗または損傷して交換する必要である場合、歯付き板37を接続部361から取り外して新しい歯付き板37を取り付け、駆動ギアコンポーネントは依然として機能することができ、全体的な耐用年数を延長する。歯付き板37と取付座36は、係合接続、挿入、ジョグリング、埋め込みなどの他の着脱可能な方法で接続することもできる。
【0027】
接続部361に少なくとも1つの接続孔が設けられ、歯付き板37は接続孔に設けられたボルトを介して接続部361に固定的に接続される。ここで、4つの接続孔が設けられ、4つの接続孔は均一に分布することができる。他の実施形態では、接続孔の数は1、2、3、5またはそれ以上などであってもよく、具体的に、実際のニーズに応じて選択すればよい。
【0028】
駆動ギアコンポーネントが完全な円運動を行う必要がなく、部分的な円運動を行うだけの場合に、歯付き板37を円弧状板とすることができ、これに対応して、接続部361も円弧状板とすることもできる。
【0029】
軸スリーブの外壁に第2耳板362が固定され、第2耳板362は、第1連結ロッド35とヒンジで接続され、第1油圧シリンダ31により、スライドレストを移動させて駆動ギアコンポーネントにトルクを加える。
【0030】
第1連結ロッド35は取付座36の中間位置にあるとき、第1連結ロッド35が取付座36と干渉して回転に影響を与えるのを防止するために、軸スリーブの中部に、周方向の湾曲面に沿って開口313が開設され、第2耳板362は開口に対応する軸スリーブ外壁の領域に配置される。第2耳板362は開口313の一端に設けられ、取付座36をより大きな角度で回転させることができる。他の実施形態では、第2耳板362は、開口313に対応する軸スリーブの中間のある位置に配置されてもよい。
【0031】
歯付き板37を取り付けた後、駆動ギアコンポーネント全体の重心移動をできるだけ小さくするために、ここで、2つの第2耳板362は開口313の両側に分布している。接続部361は開口313に対向する軸スリーブの湾曲面領域に配置される。接続部361の一側の端面は開口313の中間断面に近接して設けられ、接続部361の他側の端面は開口313から離れて設けられる。
【0032】
回転軸38と取付座36の取付・着脱を容易にするために、取付座36に径方向に側壁を貫通する固定孔315が形成される。これにより、取付座36が回転軸38に嵌設された後、ボルトを固定孔315に挿通して締め付け固定する。
【0033】
ボルトのキャップと取付座36の外壁の接触気密性をため、ボルトの緩み可能性を低減するために、取付座36の軸スリーブの外壁の固定孔315の周囲領域は平面である。
【0034】
本出願の実施例の他の実施形態では、1つの第2耳板362は取付座36の一側に位置し、このとき、取付座36に開口313が開設されなくてもよく、取付時、第1連結ロッド35は取付座36の側端から第2耳板362にヒンジで接続される。
【0035】
本出願の実施例の他の実施形態では、接続部361は2つ以上であってもよく、複数の接続部361は取付座36の周方向に沿って分布し、複数の接続部361に接続された歯付き板37は不完全歯車に形成することができる。または、少なくとも2つの接続部361は軸スリーブの軸線方向に沿って設けられ、これにより、取付座36の回転時、配列された複数の接続部361を回転させるように駆動することができ、駆動ギアコンポーネントはデュプレックスギア構造に形成することもできる。
【0036】
必要に応じて、歯付き板37は円弧状板または扇形板であってもよく、円形板であってもよい。歯付き板37上の歯係数は調整可能であり、これにより、異なる伝達比要求に適合できる。
【0037】
第1油圧シリンダ31は、スライドレストを第1スライドレール32に沿って移動させるように駆動するとき、第1連結ロッド35は駆動ギアコンポーネントに偏心して接続され、スライドレストは第1連結ロッド35を介して駆動ギアコンポーネントを回転させるように駆動し、スライドレストが第1スライドレール32で直線的に往復移動することにより、駆動ギアコンポーネントは自身の軸線周りに往復揺動し、駆動ギアコンポーネントと噛み合っている股関節機構を回転させて脚足前後揺動を実現する。第1油圧シリンダ31はスライドレストを直線的に移動させるように駆動するため、従来のモータ駆動により生成したトルク影響は発生せず、制御が容易である。
【0038】
図13を参照すると、股関節機構は接続部材4および側方揺動駆動機構5を含み、側方揺動駆動機構5は大腿アーム6を内外揺動させるように駆動する。
【0039】
図14図16を参照すると、接続部材4は同軸に固定的に接続された取付管41および連結リング42を含み、連結リング42の取付管41から離れた一端に一対の支持アーム43が固定され、支持アーム43は大腿アーム6に回転可能に接続される。
【0040】
図17を参照すると、側方揺動駆動機構5は第2油圧シリンダ51、第2スライドレール52、スライドレスト53および第2連結ロッド54を含み、第2油圧シリンダ51は、取付管41の連結リング42から離れた一端に同軸に接続され、第2スライドレール52は取付管41の軸方向に沿って取付管41の内壁に固定され、スライドレスト53は第2スライドレール52に接続されて第2スライドレール52に対して摺動し、第2油圧シリンダ51のピストンロッドはスライドレスト53に接続され、第2連結ロッド54の一端はスライドレスト53にヒンジで接続され、第2連結ロッド54の他端は大腿アーム6にヒンジで接続される。
【0041】
支持アーム43は大腿アーム6に回転可能に接続されて予備支持を形成し、接続部材4は軸受45を介して取付ブラケット2の第2軸孔26に回転可能に接続され、第2油圧シリンダ51のピストンロッドの伸縮により、取付管41内のスライドレスト53を第2スライドレール52上を摺動させるように駆動し、スライドレスト53は第2連結ロッド54を介して大腿アーム6を回転軸の周りに揺動させるように駆動する。これにより、ロボットが移動するとき、股関節の第2油圧シリンダ51の軸線は比較的変化しないようにすることができ、位置基準が簡略化され、ロボット制御アルゴリズムプログラムを最適化するのに便利である。
【0042】
支持アーム43の取付管41から離れた一端に第4軸孔431が開設され、第4軸孔431の軸線は取付管41の軸線に垂直である。大腿アーム6の端部に内耳板63が設けられ、支持アーム43は第4軸孔431の回転軸を挿入にして大腿アーム6に回転可能に接続され、第2連結ロッド54はピン軸を介して内耳板63に回転可能に接続される。
【0043】
図14図16を参照すると、取付管41の側壁に径方向に沿って挿通孔415が設けられ、取付管41の外部に従動ギア44が固定的に嵌設され、従動ギア44は、周方向の摺動を防止するために、挿通孔415に挿通されたネジによって固定される。従動ギア44は歯付き板37の外縁と噛み合い、これにより、股関節機構が駆動ギアコンポーネントを介して前後揺動駆動コンポーネントに接続された後、股関節機構全体は同期して取付管41の軸線の周りに回転し、歯車伝達により、脚足の前後揺動の精度を高めることができる。複数の挿通孔415は取付管41の周方向に沿って均一に分布し、従動ギア44と取付管41の接続箇所に均等な力がかかり、確実な固定を実現することができる。
【0044】
図14図16を参照すると、取付管41の内壁に軸方向に沿って取付溝413が設けられ、取付溝413における取付管41の領域に固定孔416が開設され、第2スライドレール52は、固定孔416を挿通するネジによって取付管41に固定される。取付溝413の断面は段付け状であってもよく、矩形、台形状、半円形、円形などの他の形状であってもよい。
【0045】
本出願の実施例の他の実施形態では、第2スライドレール52は取付管41に埋め込まれるか、または一体成形されてもよい。
【0046】
取付管41は、取付孔411を形成するために内部が中空であり、取付管41の連結リング42から離れた一端の内壁に位置決めリング412が固定され、第2油圧シリンダ51のシリンダ端部は位置決めリング412に当接されて軸受を介して取付管41に接続される。
【0047】
操作や観察を容易にするために、取付管41に操作口414がさらに開設され、操作口414は位置決めリング412の近くに設けられる。挿通孔415と位置決めリング412は、取付管41の軸方向における操作口414の両端に位置する。
【0048】
連結リング42の外壁は段付け構造であってもよく、軸受45は、ロボット脚足股関節が取付ブラケット2に回転可能に支持されるように、連結リング42に嵌設される。軸受45を保護するために、連結リング42にエンドキャップ46がさらに嵌設され、エンドキャップ46はネジを介して取付ブラケット2の第2軸孔26に固定される。連結リング42の輪郭の外径は取付管41の外径よりも大きく、連結リング42は支持アーム43と取付管41の接続部の構造強度を高めることができる。
【0049】
図14図16を参照すると、支持アーム43上の第4軸孔431の高さは取付孔411に対応して設けられる。支持アーム43は第4軸孔431の径方向に沿ってピン孔432が設けられ、回転軸はピン孔432を通過した後ネジによって固定され、支持アーム43に対する回転軸の固定を達成し、大腿アーム6のみが回転可能である。
【0050】
ロボット脚足の移動時にラインが絡まって故障の原因となることを低減するために、支持アーム43にケーブルが挿通するためのワイヤチャンネル434が開設され、ワイヤチャンネル434は取付管41の軸方向に沿って設けられる。ワイヤチャンネル434は1つの支持アーム43に分布してもよく、2つの支持アーム43に分布してもよい。各支持アーム43に1、2または3つのワイヤチャンネルが分布してもよく、具体的に必要に応じて設計すればよい。
【0051】
図16図18を参照すると、大腿アーム6が回転軸の軸周りに揺動するとき、大腿アーム6の頂端が支持アーム43と干渉して揺動範囲に影響を与えるのを防止するために、支持アーム43には、第4軸孔431の連結リング42に近い一側の縁に退避溝433が形成される。
【0052】
脚足アセンブリが内外揺動駆動および前後揺動を行う過程は次の通りであり:第1油圧シリンダ31はスライドブロック33を第1スライドレール32上で往復移動させるように駆動し、接続ブロック34に接続された第1連結ロッド35は取付座36を往復揺動させるように偏心的に引っ張り、歯付き板37が往復揺動し、これに伴って歯付き板37と噛み合っている従動ギア44が往復回転する。
【0053】
接続部材4は従動ギア44に同軸に固定されて接続され、接続部材4は往復回転し、接続部材4に回転可能に接続された大腿アーム6は前後揺動する。股関節機構は、歯車伝達を介して前後揺動駆動コンポーネント2の動力下で回転し、取付管41の軸線周りに大腿アーム6が揺動するように正確に制御される。
【0054】
第2油圧シリンダ51が作動してスライドレスト53を第2スライドレール52に沿って往復摺動させるように駆動し、スライドレスト53に接続された第2連結ロッド54は大腿アーム6上の内耳板63を往復揺動させるように引っ張り、大腿アーム6の内外揺動を実現する。
【0055】
ロボット脚足の運動過程全体において、側方揺動駆動機構5の第2油圧シリンダ51の軸線および脚足前後揺動機構3の第1油圧シリンダ31の軸線は不変であり、ロボット制御アルゴリズムプログラムの最適化に寄与する。
【0056】
制御アルゴリズム簡略化の原理を以下に説明する。隣接する2つの関節伝達を例にして、3次元直交座標系1(x1,y1,z1)をz1軸周りにθ1で回転させ、3次元直交座標系2(x2,y2,z2)をx2軸周りにθ2で回転させ、一般に、2つの関節を変換するとき、座標系1を基準座標系とし、座標系1に対する座標系2の空間座標は次のように示され:
2つの関節軸線の原点が一致する点として2つの関節座標系が交差するとき、行列の2つの関節座標系の原点距離を示すx、y、zは0となり、伝達制御ソフトウェア中の行列表現を簡略化することができ、簡略化された空間座標は次のように示される。
【0057】
図19および図20を参照すると、脚足機構は、大腿アーム6、下腿アーム7および膝関節9を含み、膝関節9は第3油圧シリンダ91、第1接続部92および第2接続部93を含み、大腿アーム6は下腿アーム7に回転可能に接続され、第3油圧シリンダ91のシリンダ911は大腿アーム6に回転可能に接続され、第3油圧シリンダ91のピストンロッド912に、第1接続部92および第2接続部93が回転可能に接続され、第1接続部92の他端は大腿アーム6に回転可能に接続され、第2接続部93の他端は下腿アーム7に回転可能に接続され、大腿アーム6と下腿アーム7の回転軸点、第1接続部92と大腿アーム6の回転軸点、第2接続部93と下腿アーム7の回転軸点および第1接続部92と第2接続部93の回転軸点は、四辺形を形成する。
【0058】
膝関節9は、4リンク構造を使用して伝達し、下腿アーム7の展開角度が同じ状態では、4リンク構造の第3油圧シリンダ91の揺動幅がより小さくなる。
【0059】
第3油圧シリンダ91は双方向油圧オイルシリンダであり、ここで2ロッド油圧シリンダを採用する。第3油圧シリンダ91のピストンロッド912を保護するために、第3油圧シリンダ91のシリンダ911に取付ブラケット913が固定接続され、取付ブラケット913は大腿アーム6内にヒンジで接続された円筒ロッドであり得、円筒ロッドのシリンダ911に接続された一端に、軸線に沿ってピストンロッド912を収納するための空洞が開設される。取付ブラケット913はシリンダ911とネジを介して固定される。
【0060】
第1接続部92および第2接続部93はいずれも円弧状板であり、円弧状板の凹部は大腿アーム6と下腿アーム7の回転軸点に向かって設けられ、構造部品の応力伝達経路に適しており、耐用年数を延ばすことができる。他の実施形態では、第1接続部92および第2接続部93は直線板、S字形板、V字形板などであってもよい。
【0061】
図21および図22を参照すると、大腿アーム6の全体的な外輪郭は四角柱構造であり、大腿アーム6の内部に空洞が形成される。さらに軽量化するために、大腿アーム6の表面に複数の第1軽量化孔11が開設されて中空構造を形成する。
【0062】
大腿アーム6の一端の対向する両側壁に一対の外耳板62が設けられ、外耳板62上に軸孔が設けられる。2つの外耳板62間に内耳板63が固定され、内耳板63も2つであってもよく、2つの外耳板62は2つの内耳板63と平行に配置される。アングルモニタを取り付けるために、軸孔に対応する外耳板62の外側に取付溝64が開設される。
【0063】
大腿アーム6の内耳板63に近い位置にピン孔65が開設され、ピン孔65の軸線は内耳板63の軸孔と垂直に設けられ、取付ブラケット33の端部はピン孔65にヒンジで接続され、第3油圧シリンダ91全体は大腿アーム6内部の空洞に収納され得る。
【0064】
大腿アーム6の他端の対向する両側壁に一対の第1膝耳板66が形成され、第1膝耳板66上に軸孔が設けられる。第1膝耳板66と外耳板62はそれぞれ大腿アーム6の異なる側面に位置し、第1膝耳板66上の軸孔は外耳板62上の軸孔の軸線と垂直に配置される。
【0065】
大腿アーム6のさらなる軽量化を達成するために、大腿アーム6は外耳板62に近い一端から他端に向かって断面積が徐々に小さくなる。
【0066】
大腿アーム6の外耳板62に近い一端にワイヤ孔68がさらに設けられ、ワイヤ孔68は、ケーブルが大腿アーム6の内部に配線されるように通るように構成され、脚足運動時のライン絡まりを低減し、脚足システムの安定した動作を保護する。
【0067】
大腿アーム6の第1膝耳板66に近い位置に貫通孔67が開設され、貫通孔67の軸線は第1膝耳板66の軸孔軸線と平行である。貫通孔67は、第1接続部92が大腿アーム6とヒンジで接続されるために使用される。
【0068】
大腿アーム6は外耳板62上の軸孔を介して接続部材4の支持アーム43に回転可能に接続され、大腿アーム6は外部動力下で内外揺動する。大腿アーム6は第1膝耳板66上の軸孔を介して下腿アーム7に回転可能に接続され、大腿アーム6と下腿アーム7の間で、人間の膝位置における回動と同様の回動が実現される。大腿アーム6の構造は簡単であり、脚足全体の構造を最適化する。
【0069】
図23および図24を参照すると、下腿アーム7は全体として四角柱構造に類似し、下腿アーム7の内部が中空であり、下腿アーム7のさらなる軽量化を達成するために、下腿アーム7の表面に複数の第2軽量化孔71が開設されて中空構造を形成する。
【0070】
下腿アーム7の一端の対向する両側壁に一対の第2膝耳板72が形成され、第2膝耳板72に軸孔が開設され、下腿アーム7と大腿アーム6は、第1膝耳板66を介して第2膝耳板72の軸孔と一致させて軸棒によって回転可能に接続される。
【0071】
下腿アーム7の第2膝耳板72に近い軸孔に挿通孔73が開設され、挿通孔73の軸線は第2膝耳板72の軸孔軸線と平行に設けられ、挿通孔73は、第2接続部93が下腿アーム7とヒンジで接続されるために使用される。第2膝耳板72の幅は挿通孔73の部分から軸孔部分に向かって徐々に小さくなる。
【0072】
下腿アーム7の他端は湾曲して円弧セグメントを形成し、下腿アーム7の第2膝耳板72から離れた一端は足接続端74となり、足接続端74は正方形錐台構造である。足接続端74の端面に、下腿アーム7の内部空洞と連通する取付孔75が開設され、下腿アーム7には、取付孔75の周囲に釘孔が形成される。
【0073】
人体シミュレーション科学によりよく適合させて脚足移動の支持性を強化するために、下腿アーム7の足接続端74に近い円弧セグメントは一方側に向かって湾曲し、湾曲部の内側半径はR2であり、内側円弧中心角はβであり、湾曲部の外側半径はR3であり、外側円弧中心角はγである。具体的に、R2=54mm、β=52°、R3=80mm、γ=20°とする。下腿アーム7の軸孔に近い面の一部が湾曲し、湾曲半径はR1であり、湾曲面中心角はαであり、具体的に、R1=100mm、α=26°とする。図24を参照すると、R1の中心OとR2の中心Mは下腿アーム7の両側に位置し、R1とR2に対応する湾曲面はそれぞれ下腿アーム7の対向する両面に位置する。本出願の実施例の他の実施形態では、R1、R2、R3、α、β、γはすべて、実際のニーズに応じて適切に選択すればよい。
【0074】
下腿アーム7の重量をできるだけ軽減するために、下腿アーム7には、取付孔75の縁に延長溝76が開設される。
【0075】
図25を参照すると、足接続端74に足関節8が接続される。足関節8は足スリーブ81とカバープレート83を含み、足スリーブ81はゴム製のスリーブであり得、カバープレート83はネジを介して足接続端74に固定され、足スリーブ81はカバープレート83に接着、溶接またはネジにより固定され得る。足スリーブ81の表面に複数の滑り止め溝811が形成される。
【0076】
足関節8の応力状態を簡便に検出するために、足関節8は弾性内側カプセル82をさらに含み、内側カプセル82に作動油などの流体媒体が充填され、内側カプセル82は足スリーブ81によって包まれ、内側カプセル82にネジセグメント821が固定され、ネジセグメント821はカバープレート83を貫通して固定ナット84によって固定される。内側カプセル82には、ネジセグメント821において圧力センサ85が接続され、圧力センサ85はケーブル10を介してチップやコンピュータなどの外部の中央処理装置に接続される。足スリーブ81に応力をかけて変形させ、内側カプセル82圧迫すると、内側カプセル82の油圧が上昇し、圧力センサ85は圧力値を検出し、ケーブル10を介して中央処理装置に送信する。
【0077】
ロボットの歩行過程において、足スリーブ81は外部物体によって圧迫されるとある程度の変形を生じ、足スリーブ81は弾性内側カプセル82を内側に圧迫し、内側カプセル82中の圧力が変化し、圧力センサ85はこの圧力変化をリアルタイムで検出することができる。足スリーブ81の異なる方向からのすべての圧力は最終的に内側カプセル82に伝達されるため、圧力センサ85は異なる方向の応力状況を検出することができる。
【0078】
図26を参照すると、制御アセンブリ1はチャンバー11および制御ユニット12を含み、脚足アセンブリは取付ブラケット2を介してチャンバー11に接続され、チャンバー11に第1サーボポンプ13が取り付けられ、第2サーボポンプ15および第3サーボポンプ14、制御ユニット12はそれぞれ第1サーボポンプ13、第2サーボポンプ15および第3サーボポンプ14に接続されて制御を行い、第1サーボポンプ13は第1油圧シリンダ31に接続され、第2サーボポンプ15は第2油圧シリンダ51に接続され、第3サーボポンプ14は第3油圧シリンダ91に接続され、第1油圧シリンダ31は脚足を前後揺動させるように駆動し、第2油圧シリンダ51は脚足を内外揺動可能に駆動し、第3油圧シリンダ91は膝関節部分を屈曲するように駆動する。
【0079】
チャンバー1は長方体のシェル構造であり、チャンバー1の四隅にそれぞれ4組の脚足アセンブリが取り付けられて4脚ロボットを形成する。各組の脚足アセンブリは1組の第1サーボポンプ13、第2サーボポンプ15および第3サーボポンプ14に対応し、制御ユニット12は中央処理装置またはチップであり得、制御ユニット12は4組の油圧ポンプにそれぞれ接続されて制御を行う。
【0080】
第1サーボポンプ13、第3サーボポンプ14および第2サーボポンプ15はチャンバー1の長さ方向に沿って順次配置される。チャンバー1の長さ方向に沿った側壁に釘孔が開設され、第1サーボポンプ13および第2サーボポンプ15はそれぞれボルトを介してチャンバー1の長さ方向に沿った側壁に取り付けられる。チャンバー1の幅方向に沿った側壁にも釘孔が開設され、第3サーボポンプ14はボルトを介してチャンバー1の幅方向に沿った側壁に開設される。
【0081】
従来の油圧ポンプと油圧シリンダはフレキシブルなオイルパイプを介して接続され、ロボットの歩行中、フレキシブルなオイルパイプが絡まったりまたは外部の異物に引っ掛かったりして、ロボットの安定動作に影響を与える可能性がある。ロボットの動作安定性を向上させるために、本出願は、オイルパイプの使用を中止または削減することによって最適化される。
【0082】
図6図26および図27を参照すると、取付ブラケット2はボルトを介してチャンバー11の長さ方向の側壁に固定され、第1油圧シリンダ31はボルトを介して取付ブラケット2に固定され、第2油圧シリンダ51はボルトを介してチャンバー11の幅方向の側壁に固定される。
【0083】
チャンバー11の長さ方向に沿った側壁に第1オイル出口111および第1オイル入口112が開設され、第1サーボポンプ13にオイル入口およびオイル出口が設けられ、第1オイル出口111および第1オイル入口112の位置および間隔は、第1サーボポンプ13のオイル出入口に対応しており、第1サーボポンプ13が取り付けられた後、第1サーボポンプ13上のオイル入口はチャンバー11の側壁の第1オイル入口112に一致し、第1サーボポンプ13上のオイル出口はチャンバー11の側壁の第1オイル出口111に一致するようになっている。第1サーボポンプ13と第1オイル出口111および第1オイル入口112の接触位置は、シールリングによって封止される。
【0084】
固定部24に位置する取付ブラケット2の領域に2つの第1油路29が開設され、2つの第1油路29の間隔は第1オイル出口111と第1オイル入口112の間隔と同じであり、取付ブラケット2がチャンバー11の側壁に固定された後、一方の第1油路29は第1オイル出口111と一致し、他方の第1油路29は第1オイル入口112と一致する。取付ブラケット2は第1オイル出口111および第1オイル入口112との接触位置はシールリングによって封止される。シールリングを収納するために、チャンバー11には、第1オイル出口111および第1オイル入口112の周囲にシール溝が開設され、シールリングはシール溝に配置される。
【0085】
第1油圧シリンダ31のシリンダにもオイル入出口が設けられ、第1油圧シリンダ31のオイル入口は、第1油路29、第1オイル入口112と連通し、第1油圧シリンダ31のオイル出口は、第1油路29、第1オイル出口111と連通する。
【0086】
理解できるように、第1油圧シリンダ31および第1サーボポンプ13の仕様および設計の理由により、第1油圧シリンダ31上のオイル出入口の間隔は、第1サーボポンプ13上のオイル出入口の間隔と異なる可能性があり、このとき、加工チャンバー11上の第1オイル出口111および第1オイル入口112の一方、例えば第1サーボポンプ13上のオイル出入口間隔に基づいて、第1油圧シリンダ31上のオイル出入口間隔が大きいとき、第1オイル出口111および/または第1オイル入口112の軸線はチャンバー11の側壁の法線から鋭角をなして斜めに配置される。第1油圧シリンダ31上のオイル出入口間隔と第1サーボポンプ13上のオイル出入口間隔は同じであるとき、第1オイル出口111および第1オイル入口112の軸線はチャンバー11の側壁と垂直である。
【0087】
同様に、チャンバー11の幅方向に沿った側壁にもオイル入出口が開設され、第2サーボポンプ15および第2油圧シリンダ51を連通するために使用される。
【0088】
図2図5および図7を参照すると、チャンバー11の側壁に第2オイル出口113および第2オイル入口114がさらに開設され、第2オイル出口113および第2オイル入口114は第3サーボポンプ14上のオイル入出口に対応して接続される。
【0089】
第3油圧シリンダ91は大腿アーム6に位置し、フレキシブルなオイルパイプの長さを短くするために、取付ブラケット2に2つの第2油路28がさらに開設され、第2油路28は取付ブラケット2の第1側板21および第2側板22を貫通し、2つの第2油路28の間隔は第2オイル出口113および第2オイル入口114の間隔と同じである。取付ブラケット2は第2オイル出口113および第2オイル入口114との接触位置はシールリングによって封止される。チャンバー11には、第2オイル出口113および第2オイル入口114の周囲にシール溝が開設され、シールリングはシール溝に配置される。
【0090】
第2オイル出口113および第2オイル入口114のチャンバー11から離れた一端に、それぞれオイルパイプを介して第3油圧シリンダ91のオイル入出口に対応して接続され、オイルパイプは取付ブラケット2の内部に敷設され得、オイルパイプの長さを短くすることができる一方、オイルパイプが外部異物によって引っ掛かったり絡まったりする可能性を低減することができる。
【0091】
図29および図30を参照すると、ロボットの防爆性能を向上させるために、チャンバー11の内部気圧は正圧として設計され、チャンバー11内に保護ガスを封入するためにチャンバー11の上部カバーにエアノズルが開設される。制御ユニット12および第1サーボポンプ13、第2サーボポンプ15および第3サーボポンプ14のサーボモータはチャンバー11内に配置されるために、第1オイルシリンダ3、第2オイルシリンダ4および第3オイルシリンダ5はチャンバー11の外部に配置され、ロボットの電気部品はチャンバー11によって絶縁保護され、電気油圧分離の効果が達成され、ロボットの防爆性能が向上する。
【0092】
ロボットの機能要件に従って、チャンバー11の上部カバーに、レーザーレーダー16、RTKアンテナ17、防爆ボタン18および防爆音光警報器19のうちの少なくとも1つがさらに取り付けられる。ここで、レーザーレーダー16の外部用ガラスカバーによって封止されており、防爆性能を高め、RTKアンテナ17、防爆ボタン18および防爆音光警報器19は防爆回路を採用し、回路がチャンバー11を貫通する部分に接着剤を塗布して封止され、防爆性能を向上させる。
【0093】
チャンバー11の側壁に設計されたオイル入出口により、各油圧ポンプは直接チャンバー11上のオイル出入口に接続され、第1油圧シリンダ31および第2油圧シリンダ51はそれぞれチャンバー11の側壁に設計されたオイル入出口に接続され、油路の使用を減らし、ロボットの動作安定性を向上させることができる。
【0094】
油圧システムの構成を簡略化して体積を縮小することにより、チャンバー11の体積およびロボットの体積を縮小することができ、ロボットの耐荷重および応用を容易にするために、本出願はEHA閉鎖型油圧システムを採用する。
【0095】
図31および図32を参照すると、EHA閉鎖型油圧システムは、双方向ポンプk1、双方向ポンプk1を回転させるためのモータk2、メイン油路1k3、メイン油路2k4、アキュムレータk5および対称作動ユニットk6を含み、双方向ポンプk1の2つの吸込ポートはそれぞれメイン油路1k3およびメイン油路2k4と連通し、双方向ポンプk1はアキュムレータk5と連通し、
一方向平衡バルブ1k7、一方向平衡バルブ2k8および双方向ポンプk1とアキュムレータk5の一方と連通する油充填口k9をさらに含み、一方向平衡バルブ1k7と一方向平衡バルブ2k8の第1バルブポートk10はそれぞれ対称作動ユニットk6のオイルポート1およびオイルポート2と連通し、一方向平衡バルブ1k7と一方向平衡バルブ2k8の第2バルブポートk13はそれぞれメイン油路1k3およびメイン油路2k4の油入口と連通し、
一方向平衡バルブ1k7の制御バルブポートk14は一方向平衡バルブ2k8の第2バルブポートk13前のメイン油路2k4と連通し、一方向平衡バルブ2k8の制御バルブポートk14は一方向平衡バルブ1k7の第2バルブポートk13前のメイン油路1k3と連通し、
一方向平衡バルブ1k7の第1バルブポートk10はオーバーフローバルブを介して一方向平衡バルブ2k8の第1バルブポートk10と双方向連通し、
アキュムレータk5は一方向バルブk16を介してそれぞれ一方向平衡バルブ1k7および一方向平衡バルブ2k8の第2バルブポートk13と連通する。
【0096】
双方向ポンプk1が時計回りに回転すると、双方向ポンプk1からの油液は一方向平衡バルブ1k7の第2バルブポートk13、第1バルブポートk10を介して対称作動ユニットk6の上部空洞に入り、対称作動ユニットk6に負荷がかかると、この回路は時間的に高圧油となる。対称作動ユニットk6の下部空洞の油戻り路では、一方向平衡バルブ1k7の第2バルブポートk13よりも前の油路の高圧作動油の圧力制御により、一方向平衡バルブ2k8の制御バルブポートk14がオンされたときのみ、油液が平衡バルブ2の第1バルブポートk10、第2バルブポートk13を介して双方向ポンプk1に戻り、対称作動ユニットk6の上部空洞の圧力が低下すると、一方向平衡バルブ2k8の制御バルブポートk14はオンされず、対称作動ユニットk6はその位置を維持する。
【0097】
双方向ポンプk1が反時計回りに回転すると、双方向ポンプk1からの油液は一方向平衡バルブ2k8の第2バルブポートk13、第1バルブポートk10を介して対称作動ユニットk6の下部空洞に入り、対称作動ユニットk6に負荷がかかると、この回路は時間的に高圧油となる。対称作動ユニットk6の下部空洞の油戻り路では、一方向平衡バルブ1k7の第2バルブポートk13より前の油路の高圧作動油の圧力制御により、一方向平衡バルブ1k7の制御バルブポートk14がオンされたときのみ、油液が一方向平衡バルブの第1バルブポートk10、第2バルブポートk13を介して双方向ポンプk1に戻り、下部空洞の圧力が低下すると、一方向平衡バルブ1k7の制御バルブポートk14はオンされず、対称作動ユニットk6はその位置を維持し、同時に、一方向平衡バルブ2k8も一方向流動状態または閉鎖状態にあり、このとき、システムモータk2は回転を停止することができ、対称作動ユニットk6は任意の移動範囲内でその位置を維持することができる。一方向平衡バルブ1k7と一方向平衡バルブ2k8間に接続された双方向オーバーフローバルブは保護機能を果たし、システム圧力を一定値内に制限し、システム過圧を防止し、一側が過圧になると、この側のオーバーフローバルブがオンになり、油液が低圧側に流れる。
【0098】
アキュムレータk5は、閉鎖型油圧回路で必要とされた油液および作動油の漏れによるシステムへの補給油を蓄える一方、双方向ポンプk1の吸油圧を維持し、低圧吸油側に油を補給するように構成される。油充填口k9は一方向バルブk16を介してシステムに油を補給し、アキュムレータk5は一方向バルブk16を介して双方向ポンプk1の低圧側に油を補給するように構成される。
【0099】
本実施例では、双方向ポンプk1は歯車ポンプであり、歯車ポンプは互いに噛み合う駆動ギアと従動ギアを含む。平衡バルブは流路がコンパクトで体積が小さいという利点を有するプラグイン方式を採用しており、ポンプバルブ一体型装置の体積をさらに減少し、全体構造をよりコンパクトにすることができる。アキュムレータk5は、スプリング式アキュムレータ、ピストン式アキュムレータまたは耐油性エラストマ式アキュムレータである。耐油性エラストマ式アキュムレータは、エアバッグ式またはダイヤフラム式アキュムレータである。本実施例ではスプリング式アキュムレータを採用し、このアキュムレータは、スプリングの圧縮・伸長により油圧エネルギーを蓄圧・解放し、スプリングと圧力油はピストンによって隔離され、スプリングの力はピストンによって作動油に作用する。
【0100】
上部空洞と下部空洞の容積と流量が異なるため、システムの複雑さを増加させる非対称油圧シリンダよりも、本発明では対称油圧シリンダに基づく静電回路を採用する。本システムは、二重油圧制御一方向バルブと大型アキュムレータで構成される油補給回路が不要であるため、回路原理が大幅に簡略化され、本システムを4脚ロボットの脚部関節に適用する場合、回路上の平衡バルブは2つの目的を達成し:第1に、ロボットの電源が切れているかどうかに関係なく、ロボットの関節を関節角度範囲内の任意の角度でロックし、この機能により、電源が切れた場合でも、ロボットは安定した姿勢で長時間立ち続けることができ、第2に、第4象限に対応するしゃがみ負負荷状態に適合させ、ロボットがスムーズにしゃがみを実施できるようにすることができる。作業状態の要求が実現されるだけでなく、システムがシンプルであるため、油圧システムに必要な体積と重量が大幅に削減され、システムの信頼性が向上し、電源オフ状態でも安定した姿勢での起立が可能である。
【0101】
本実施例では、対称作動ユニットk6は具体的にダブルピストンロッド油圧シリンダであり、このシステムの双方向ポンプk1は定量歯車ポンプを採用し、システムが可変流量を必要とする作動状態にあるとき、具体的に、モータk2の回転数および回転方向を変化させることにより、流量の変化および油液流動方向の変化を実現することができ、モータk2は、エンコーダーを介してドライバ44により制御され、モータk2の回転数の閉ループ制御を実現し、回転数と回転方向を正確に制御することができる。オーバーフローバルブは、オーバーフローバルブ111とオーバーフローバルブ212を含む。
【0102】
EHA閉鎖型油圧システムは、それぞれ一方向平衡バルブ1k7と一方向平衡バルブ2k8の第1バルブポートk10に接続された圧力センサk17をさらに含んでもよい。2つの圧力センサk17はそれぞれシステム中のメイン油路1k3とメイン油路2k4の油油圧力を測定するために使用され、油圧システムおよびアクチュエーター機構の動的制御を実現する。
【0103】
EHA閉鎖型油圧システムは、メイン油路1およびメイン油路2にそれぞれ接続された温度センサk18をさらに含んでもよい。温度センサk18は、システムの油漏れおよび油補給温度を測定するために使用され、油温度はシステムの温度警報信号の設置に使用される。
【0104】
本装置は、すべての構成要素および部品を1つのバルブブロックに統合され、歯車ポンプは独立したシェルを持たず、歯車ポンプの定格回転数は3000r/min、ピーク回転数は4000r/minに達する。ダブルピストンロッド油圧シリンダの最大油液流量は3L/minであり、システムの最大作業圧力は20MPaである。モータの伝達軸も一緒に設計・加工され、歯車ポンプの伝達軸として、伝達軸はカプラを介して歯車ポンプの駆動ギアに接続される。
【0105】
従来の油圧システムの設計では、標準モータ、カプラ、ベルカバーおよび歯車ポンプを使用する必要があり、体積が大幅に増加する。本解決策中のポンプバルブ一体装置は、従来の油圧システムと比較して、閉鎖型システムの体積や外形が大きくなりすぎるという問題を解決し、歩行ロボットに適用した場合、油圧システムが大きすぎるために製品全体の体積が大きくなりすぎ、その結果、耐荷重や適用が困難になるという事実を回避することができる。
【0106】
本解決策は、4脚ロボットの関節応用作動状態に従って、関節電気油圧式複合伝達ソリューションを提供する。ロボットの脚部関節は主に股側方揺動関節、股回転関節および膝関節に分けられる。地面環境は平地、坂道、階段の3つの環境に分けられ、どのような環境であっても、脚式ロボットは4本の脚が地面に接して姿勢を調整するという作動状態を備え、ロボットの体幹については、6つの空間自由度の方向に重心の姿勢を調整し、股側方揺動、股回転および膝回転の3つの異なる関節については、異なる位置に配置されているため、4本の脚が地面に接して姿勢を調整する場合、それぞれの負荷作動状態も異なり、第2油圧シリンダ51および第1油圧シリンダ31は両方とも体幹に配置されているため、対応する作動状態は同様である。しかし、膝関節9の第3油圧シリンダ91は脚に取り付けられているため、その作動状態は他の2つの油圧シリンダとは異なる。
【0107】
膝関節9の油圧シリンダ91の作動状態は次のとおりである。
【0108】
4脚ロボットの足先がすべて地面に接するとき、膝関節9には2つの作動状態があり:第1に、ロボット体幹および負荷作用下で油圧シリンダピストンロッドが収縮し、対応する膝関節9の角度が小さくなり、負の負荷作動状態であり、第2に、ロボット体幹および負荷重量を克服して油圧シリンダピストンロッドが伸び、対応する膝関節9の角度が大きくなり、これは正の負荷作動状態である。
【0109】
4脚ロボットのある足先が地面から離れ、空中で一定の軌道を実行する場合、脚を持ち上げられる過程で、膝回転関節は脚の重量を克服して油圧シリンダピストンロッドを収縮させ、対応する関節角度が小さくなり、これは正の負荷作動状態であり、脚の着地過程で、脚は一般に計量設計が採用されるため、脚の重量はその時点では小さく、足先の着地速度を速めるために、膝関節9の油圧シリンダが伸び、その時点、油圧ポンプがポンプ状態になり、油圧シリンダが負荷作動状態になる可能性があり、同時に、外力によって膝関節9が引っ張られるような極端な状態も考慮する必要がある。上記の分析により、4脚ロボットでは、膝関節9の負荷作動状態は図33図34に示される。
【0110】
図33は、4脚ロボットの関節配置を示す概略図であり、膝関節9は油圧シリンダ+連結ロッドの回転駆動モードを採用している。負荷力Fと油圧シリンダピストンロッド速度vで構成される平面座標系において、膝関節9の第3油圧シリンダ91の負荷作動状態は第1、第2、第3、第4象限に集中し、各象限で対応の機能を完成し、負荷力と油圧シリンダピストンロッド速度の方向は、図33のFV線図のとおりである。
【0111】
本考案中のEHA閉鎖型油圧システムは、対称作動ユニットの閉鎖型油圧システムを採用し、非対称油圧シリンダよりも、二重油圧制御一方向バルブと大型アキュムレータで構成される油補給回路が不要であるため、回路原理が大幅に簡略化され、回路に一方向平衡バルブ1k7および一方向平衡バルブ2k8が取り付けられ、平衡バルブは2つの目的を達成し:第1に、ロボットの電源が切れているかどうかに関係なく、ロボットの関節を関節角度範囲内の任意の角度でロックし、この機能により、電源が切れた場合でも、ロボットは安定した姿勢で長時間立ち続けることができ、第2に、第4象限に対応するしゃがみ負負荷状態に適合させ、ロボットがスムーズにしゃがみを実施できるようにすることができる。作業状態の要求が実現されるだけでなく、システムがシンプルであるため、油圧システムに必要な体積と重量が大幅に削減され、システムの信頼性が向上し、電源オフ状態でも安定した姿勢での起立が可能である。
【0112】
股関節機構の油圧シリンダ側方揺動とピッチ作動状態は次のとおりである。
【0113】
図35(a)は、股ピッチ関節の足先が地面に接する作動状態を示し、図35(b)は股ピッチ関節の足先が地面から離れた作動状態を示し、図36(a)は股側方揺動関節の足先が地面に接する作動状態を示し、図36(b)は股側方揺動関節の足先が地面から離れた作動状態を示す。
【0114】
股側方揺動関節は、股側方揺動関節の角度によって、その負荷作動状態が変化する。
【0115】
足先が地面に接するとき、地面の足先に対する作用力が上方に向き、チャンバー11に対する脚の異なる位置によって、股側方揺動と股ピッチ関節で発生するトルク方向が異なる。図35(a)の股ピッチ関節足先が地面に接する作動状態と図36(a)の股側方揺動関節足先が地面に接する作動状態に示すように、脚がOBに示すような中心線OAの左側位置にあるとき、地面によって股側方揺動関節と股ピッチ関節に作用するトルクは時計回り方向であり、脚がOB′に示すような中心線OAの右側にあるとき、地面によって股側方揺動と股ピッチ関節に作用するトルクは反時計回り方向である。したがって、股側方揺動と股ピッチ関節がOBまたはOB′位置で双方向揺動するとき、四象限の負荷作動状態、正負荷および負負荷作動状態がすべて現れることになる。
【0116】
足先が地面から離れたとき、脚全体の重力が常に下方に向き、図35(b)の股ピッチ関節足先が地面から離れた作動状態と図36(b)の股側方揺動関節足先が地面から離れた作動状態に示すように、脚が中心線OAの左側OB位置にあるとき、脚重力によって発生するトルクは股側方揺動中心に沿って反時計回り方向であり、脚が中心線OAの右側OB′位置にあるとき、脚重力によって発生するトルクは股側方揺動中心に沿って時計回り方向である。脚全体が計量設計を採用しているため、股側方揺動関節アクチュエーターの摩擦力によって発生するトルクが重力によって発生するトルクよりも大きいとき、2つの正負荷作動状態しか存在しない。
【0117】
本考案のEHA閉鎖型油圧システムを4脚ロボットに適用する場合、4脚ロボットの股ピッチ関節、股側方揺動関節、膝回転関節の油圧原理が統一され、外力によって膝関節が引っ張られる極端な状態およびすべての関節双方向負負荷の状況が考慮され、その後の構成要素と部品の共通使用やメンテナンスに利便性がもたらされる。
【0118】
油圧回路上の一方向平衡バルブ1k7と一方向平衡バルブ2k8は、負負荷作動状態において、双方向ポンプk1がモータとなり、モータが発電機となる状態を回避することができ、その後の電気エネルギー制御に支障をきたすことを回避することができる。例えば、次のような作動状態において、油圧シリンダの合力方向が運動方向と同じで共に下向きであるばあ、作業状態が負負荷作動状態となり、油圧シリンダの上部空洞の圧力が低下し、一方向平衡バルブ2k8の制御油路圧力が不足し、一方向平衡バルブ2k8をオンすることができないと、下部空洞の油液は油圧シリンダの油室と管路内に密閉され、双方向ポンプk1に戻らず、油圧シリンダが負負荷の作動状態でもその位置を維持し、双方向ポンプk1の異常作動を回避することができる。
【0119】
以上は本出願の好ましい実施例に過ぎず、本出願の保護範囲を限定することを意図するものではないため、本出願の構造、形状および原理に従ってなされた等価変更は、すべて本出願の保護範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0120】
1 制御アセンブリ
11 チャンバー
111 第1オイル出口
112 第1オイル入口
113 第2オイル出口
114 第2オイル入口
12 制御ユニット
13 第1サーボポンプ
14 第2サーボポンプ
15 第3サーボポンプ
16 レーザーレーダー
17 RTKアンテナ
18 防爆ボタン
19 防爆音光警報器
2 取付ブラケット
21 第1側板
22 第2側板
221 固定孔
23 接続座
24 固定部
25 第1軸孔
26 第2軸孔
27 取付溝
28 第2油路
29 第1油路
3 脚足前後揺動機構
31 第1油圧シリンダ
311 ピストンロッド
32 第1スライドレール
33 スライドブロック
34 接続ブロック
341 挿入口
342 第1耳板
343 傾斜面
35 第1連結ロッド
36 取付座
361 接続部
362 第2耳板
363 開口
364 第3軸孔
365 固定孔
37 歯付き板
38 回転軸
4 接続部材
41 取付管
411 取付孔
412 位置決めリング
413 取付溝
414 操作口
415 挿通孔
416 固定孔
42 連結リング
43 支持アーム
431 第4軸孔
432 ピン孔
433 退避溝
434 ワイヤチャンネル
44 従動ギア
45 軸受
46 エンドキャップ
5 側方揺動駆動機構
51 第2油圧シリンダ
52 第2スライドレール
53 スライドレスト
54 第2連結ロッド
6 大腿アーム
61 第1軽量化孔
62 外耳板
63 内耳板
64 取付溝
65 ピン孔
66 第1膝耳板
67 貫通孔
68 ワイヤ孔
7 下腿アーム
71 第2軽量化孔
72 第2膝耳板
73 挿通孔
74 足接続端
75 取付孔
76 延長溝
8 足関節
81 足スリーブ
811 滑り止め溝
82 内側カプセル
821 ネジセグメント
83 カバープレート
84 固定ナット
85 圧力センサ
9 膝関節
91 第3油圧シリンダ
911 シリンダ
912 ピストンロッド
913 取付ブラケット
92 第1接続部
93 第2接続部
10 ケーブル
k1 双方向ポンプ
k2 モータ
k3 メイン油路1
k4 メイン油路2
k5 アキュムレータ
k6 対称作動ユニット
k7 一方向平衡バルブ1
k8 一方向平衡バルブ2
k9 油充填口
k10 第1バルブポート
k11 オーバーフローバルブ1
k12 オーバーフローバルブ2
k13 第2バルブポート
k14 制御バルブポート
k15 第3バルブポート
k16 一方向バルブ
k17 圧力センサ
k18 温度センサ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
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図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36