(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024115503
(43)【公開日】2024-08-26
(54)【発明の名称】情報処理システム及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G16H 10/00 20180101AFI20240819BHJP
【FI】
G16H10/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023143621
(22)【出願日】2023-09-05
(62)【分割の表示】P 2023537410の分割
【原出願日】2023-02-14
(71)【出願人】
【識別番号】316014722
【氏名又は名称】株式会社VRC
(74)【代理人】
【識別番号】110000752
【氏名又は名称】弁理士法人朝日特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】謝 英弟
(72)【発明者】
【氏名】劉 雨佳
(72)【発明者】
【氏名】張 彦鵬
(72)【発明者】
【氏名】井口 道久
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA15
(57)【要約】
【課題】様々な提携サービスの中からユーザに適したものを選択補助するためのより改善された技術を提供する。
【解決手段】情報処理システムは、ユーザの3Dモデルの時系列変化を取得する第1取得手段と、前記ユーザの行動分析又はメンタル分析の分析結果を取得する第2取得手段と、前記時系列変化及び/又は前記分析結果を用いて、複数の連携サービスに含まれる複数のメニューのうち当該ユーザに適するメニューを選択する選択手段と、前記選択されたメニューを前記ユーザに提示する提示手段とを有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの3Dモデルの時系列変化を取得する第1取得手段と、
前記ユーザの行動分析又はメンタル分析の分析結果を取得する第2取得手段と、
前記時系列変化及び/又は前記分析結果を用いて、複数の連携サービスに含まれる複数のメニューのうち当該ユーザに適するメニューを選択する選択手段と、
前記選択されたメニューを前記ユーザに提示する提示手段と
を有する情報処理システム。
【請求項2】
前記メニューの提示を受けた前記ユーザが前記複数の連携サービスのいずれかを実際に利用した実績に応じて、当該ユーザに賞罰を付与する賞罰付与手段
を有する請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記連携サービスにおいて、ユーザの指示に応じて、前記賞罰を利用する利用手段
を有する請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記賞罰付与手段が、前記利用手段を介して行われた利用に対して前記賞罰を付与する
請求項3に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記賞罰付与手段が、前記複数の連携サービスのうち前記時系列変化及び/又は前記分析結果に応じて選択された連携サービスにおける賞罰を付与する
請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記賞罰付与手段が、前記複数の連携サービスの各々に対して、独自に設定されたアルゴリズムを用いて前記賞罰を付与する
請求項5に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記ユーザの行動分析又はメンタル分析を行う分析手段を有し、
前記第2取得手段は、前記分析手段から前記行動分析又はメンタル分析の分析結果を取得する
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記分析手段は、前記ユーザが前記3Dモデルを用いて仮想空間において行った行動履歴を用いて前記行動分析又は前記メンタル分析を行う
請求項7に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記分析手段は、前記ユーザが現実空間において行った行動履歴を用いて前記行動分析又は前記メンタル分析を行う
請求項7に記載の情報処理システム。
【請求項10】
前記分析手段は、前記ユーザと同一の連携サービスを利用する他のユーザとの関係を用いて前記行動分析又は前記メンタル分析を行う
請求項7に記載の情報処理システム。
【請求項11】
前記分析手段は、前記ユーザとは別のユーザから当該ユーザに対する評価を用いて前記行動分析又は前記メンタル分析を行う
請求項7に記載の情報処理システム。
【請求項12】
前記連携サービスが複数の種類に区分され、
前記選択手段は、前記複数の種類のうち前記時系列変化及び/又は前記分析結果に応じて選択された種類の連携サービスに含まれるメニューを前記ユーザに適するメニューとして選択する
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項13】
ユーザの3Dモデルの時系列変化を取得するステップと、
前記ユーザの行動分析又はメンタル分析の分析結果を取得するステップと、
前記時系列変化及び/又は前記分析結果を用いて、複数の連携サービスに含まれる複数のメニューのうち当該ユーザに適するメニューを選択するステップと、
前記選択されたメニューを前記ユーザに提示するステップと
を有する情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システムの技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザ情報を分析し、最適なサービスの提案を行う技術が知られている。例えば特許文献1は、ユーザの環境、端末、生体の状況情報、属性情報、及び履歴情報からサービスリストを生成し、ユーザに提供するコンテンツ提供システムを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に係る発明は、あくまでサービスリストの生成及び提供に留まり、今後さらに高まるユーザの需要に対し、適切な選択補助の役割を担うための十分な機能を有しているとは言えない。また、ユーザ自身に関連する情報に関し、ユーザの行動又はメンタルを事細かく分析し、各ユーザの状態に応じた適切なサービスを提供できるだけの情報価値を含んでいない。さらに、ユーザの行動範囲として、現実空間だけでなく、仮想空間におけるユーザ自身の3Dモデルの利用といった技術の進歩によって変化するサービス体系及びユーザの需要に対応できる発明として十分とは言えない。
【0005】
このような上記の背景に鑑み、本発明は、様々な提携サービスの中からユーザに適したものを選択補助するためのより改善された技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様は、ユーザの3Dモデルの時系列変化を取得する第1取得手段と、前記ユーザの行動分析又はメンタル分析の分析結果を取得する第2取得手段と、前記時系列変化及び/又は前記分析結果を用いて、複数の連携サービスに含まれる複数のメニューのうち当該ユーザに適するメニューを選択する選択手段と、前記選択されたメニューを前記ユーザに提示する提示手段とを有する情報処理システムを提供する。
【0007】
前記メニューの提示を受けた前記ユーザが前記複数の連携サービスのいずれかを実際に利用した実績に応じて、当該ユーザに賞罰を付与する賞罰付与手段を有してもよい。
【0008】
前記連携サービスにおいて前記賞罰を利用する利用手段を有してもよい。
【0009】
前記賞罰付与手段が、前記利用手段を介して行われた利用に対して前記賞罰を付与してもよい。
【0010】
前記賞罰付与手段が、前記複数の連携サービスのうち前記時系列変化及び/又は前記分析結果に応じて選択された連携サービスにおける賞罰を付与してもよい。
【0011】
前記賞罰付与手段が、前記複数の連携サービスの各々に対して、独自に設定されたアルゴリズムを用いて前記賞罰を付与してもよい。
【0012】
前記ユーザの行動分析又はメンタル分析を行う分析手段を有し、前記第2取得手段は、前記分析手段から前記行動分析又はメンタル分析の分析結果を取得してもよい。
【0013】
前記分析手段は、前記ユーザが前記3Dモデルを用いて仮想空間において行った行動履歴を用いて前記行動分析又は前記メンタル分析を行ってもよい。
【0014】
前記分析手段は、前記ユーザが現実空間において行った行動履歴を用いて前記行動分析又は前記メンタル分析を行ってもよい。
【0015】
前記分析手段は、前記ユーザと同一の連携サービスを利用する他のユーザとの関係を用いて前記行動分析又は前記メンタル分析を行ってもよい。
【0016】
前記分析手段は、前記ユーザとは別のユーザから当該ユーザに対する評価を用いて前記行動分析又は前記メンタル分析を行ってもよい。
【0017】
前記連携サービスが複数の種類に区分され、前記選択手段は、前記複数の種類のうち前記時系列変化及び/又は前記分析結果に応じて選択された種類の連携サービスに含まれるメニューを前記ユーザに適するメニューとして選択してもよい。
【0018】
本開示の別の態様は、ユーザの3Dモデルの時系列変化を取得するステップと、前記ユーザの行動分析又はメンタル分析の分析結果を取得するステップと、前記時系列変化及び/又は前記分析結果を用いて、複数の連携サービスに含まれる複数のメニューのうち当該ユーザに適するメニューを選択するステップと、前記選択されたメニューを前記ユーザに提示するステップとを有する情報処理方法を提供する。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、様々な提携サービスの中からユーザに適したものを選択補助するためのより改善された技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図2】情報処理システム1のハードウェア構成及びネットワーク構成を例示する図。
【
図3】情報処理システム1の機能構成を例示する図。
【
図4】サーバ装置20及びユーザ端末40のハードウェア構成をそれぞれ例示する図。
【
図5】情報処理システム1の動作概念を例示するフローチャート。
【
図6】情報処理システム1におけるデータ分析を例示するシーケンスチャート。
【
図7】サーバ装置20が有する3Dデータベースを例示する図。
【
図8】サーバ装置20が有する行動データベースを例示する図。
【
図9】情報処理システム1におけるサービス提案を例示するフローチャート。
【
図10】情報処理システム1における評価を例示するシーケンスチャート。
【発明を実施するための形態】
【0021】
1.構成
図1は、情報処理システム1の概要を例示する図である。情報処理システム1は、パートナー事業者(又は単に事業者)とエンドユーザ(又は単にユーザ)との双方に対し、サポートシステム(又は単にシステム)として働き、このシステムは、例えば一般社会に広く普及するサービス事業において、かかるサービスをユーザにとってより便利で有益なものとすることを目的としている。
【0022】
次に、この例においてパートナー事業者とは、エンドユーザにサービスを提供する事業者である。事業者が提供するサービスとは、例えば、フィットネスの教授、飲食物の提供(例えば、レストラン又はカフェ)、小売り(例えば、書店又は衣料品店)、ゲームの提供、映画の提供、及び音楽の提供等である。これらのサービスは、それぞれ独立した事業体によって一般的に運営されており、各事業体は、各々サービスに関する情報、例えば、サービスメニュー(又は単にメニュー)又は提供される商品若しくはサービスの情報をシステムに登録することができる。この例においてサービスメニューとは、パートナー事業者がエンドユーザに提供するものとしてあらかじめ用意したサービスの内容を指し、例えばフィットネスジムにおけるコースの内容(例えば、ボクササイズコース1時間、マンツーマン指導;ダンスレッスン50分、グループ指導等)を指す。商品に関する情報は、その商品の名称、仕様、型番、及びサイズなどの属性情報を含む。なお、事業者(事業体)が提供するサービスの提供場所は、現実空間及び仮想空間のいずれも可能である。事業者は、現実空間でサービスを提供する者、仮想空間でサービスを提供する者、並びに現実空間及び仮想空間の双方でサービスを提供する者が混在していてもよい。
【0023】
さらに、この例においてエンドユーザとは、サービスを利用するユーザを指す。エンドユーザは、システムからサービスメニューの提案を受け、提案を受けたサービスの中から実際に受けるサービスを選んで利用することができる。また、ユーザがサービスを利用した場合、そのサービス内でのユーザの行動履歴は、行動データとしてシステムに提供される。この例において行動データとは、ユーザがシステム(例えばユーザ端末等)を介して、データとして記録される行動履歴(行動記録)等の概念を含む。行動データは、例えばレストランでの食事に関し、いつ、どこで、誰と、どのようなメニューを注文し、会計にいくらかかったか、といった詳細な情報が各種関連づいたものであってもよい。なお、ユーザは、自身にとってより最適なサービスを受けるために、パートナー事業者と関係ない行動データをシステムに提供することができ、ユーザから提供された行動データは、システムに記録される。
【0024】
その他に、ユーザは、身体データをシステムに提供することで、より適したサービスを受けることができる。この例において、身体データとは、3Dモデルデータ及び生体データである。3Dモデルデータとは、仮想空間における3Dモデルを表すデータをいう。ユーザ本人の3Dモデルを生成するために、例えば3Dスキャナ等で撮影したデータ(RGB及び距離)用いられる。生体データとは、生体に関する情報であって、例えばセンサ等によって取得可能な血圧、体重、及び脈拍等の情報を含む。なお、身体データは、ある特定の単一のタイミングで取得されたデータだけでなく、その時系列変化がシステムに記録される。この例において時系列変化とは、時間軸に沿って取得及び記録された身体データのデータ列そのもの、又は、ユーザの体型が「太ってきた(痩せてきた)」又は肌の調子が「良くなった(悪くなった)」といった変化の傾向を示す情報であってよい。
【0025】
さらに、ユーザは、自身の属性情報をシステムに提供する。属性情報は、年齢、性別、居住地、職業、及び収入など、そのユーザの属性を示す。
【0026】
図2は、情報処理システム1のハードウェア構成及びネットワーク構成を例示する図である。情報処理システム1は、スキャナ装置10、サーバ装置20、サーバ装置30、ユーザ端末40、及び事業者端末50を有する。また、各装置は、ネットワーク9を介して
図2のように統合的に接続される。この例においてネットワークは、インターネット等のコンピュータネットワークである。
【0027】
この例においてスキャナ装置10は、ユーザの身体データを取得するための情報処理装置であり、例えば3Dスキャナである。特に、人体の3Dモデルを生成するため、ブース型の3Dスキャナを利用することで、スキャナ装置10は、ブース内に設置された撮影装置から、写真(RGB及び距離)のデータを取得(撮影)する。これによってスキャナ装置10は、3Dのジオメトリ、皮膚の質感、及び肌の状態(色)といった情報を取得することができる。さらに、連携する各種センサを利用することで、スキャナ装置10は、被写体の写真だけでなく、体温マップ、血圧、体重、体脂肪、及び脈拍等の生体データ(身体データの一例)も取得可能である。なお、ユーザは、情報処理システム1にこれらの身体データを提供することが可能である。また、情報処理システム1は、これらの身体データを時系列に沿って記録及び管理することで、ユーザの身体(例えば、体型及び/又は皮膚状態)の変化を取得することができる。
【0028】
この例においてサーバ装置20は、ユーザから提供された各種データを基に分析を行い、連携するパートナー事業者が運営するサービスの中から、そのユーザにとって最適なサービスを提案するための処理を実行する情報処理装置である。サーバ装置20は、例えば、管理サーバとして機能する。より具体的には、例えば、サーバ装置20は、スキャナ装置10からユーザの3Dモデルデータを取得し、ユーザの3Dモデルを生成し、データベースに記録することで管理できる。または、ユーザから提供された行動データを基に、ユーザ自身の趣味嗜好及び/又はメンタル状況を分析することができる。
【0029】
この例においてサーバ装置30は、各パートナー事業者が、ユーザにサービスを提供するための単一又は複数の情報処理装置であり、様々なパートナー事業者が、それぞれ独自に設定するサービスサーバを指す。この例においてサーバ装置30によって実現可能な機能として、現実空間のサービスを提供するもの(レストラン、フィットネス、又はアパレル等)と、仮想空間のサービスを提供するもの(メタバース等)とがある。現実空間のサービスは、例えば、レストラン予約及びレビュー入力、又は、フィットネスジムの入会及びコース選択である。仮想空間のサービスは、例えば、VR(Virtual Reality)体験、又はNFT(Non-Fungible Token)ゲームである。ユーザは、サーバ装置30によって各種サービスを利用することができる。なお、サーバ装置30には、サービスに関する各種データが記録される。
【0030】
この例においてユーザ端末40は、エンドユーザが使用する端末装置(又は単に端末)であり、この端末装置を介してユーザは、事業者が提供する様々なサービスを利用することができる。この例においてユーザ端末40は、ユーザによる端末操作の履歴等に基づいて、ユーザ自身の行動を記録する。この例において端末操作とは、例えば、現実空間におけるスポーツジムでの運動記録の入力、又はレストランで食事をした際の決済処理等を指し、それぞれ履歴として、トレーニング時間(例えば2時間)、会計金額(例えば1万円)又は食事の提供内容(例えばステーキ及びワインを摂取した旨)といった詳細が記録される。なお、これらの行動の記録(行動記録)は、ユーザ端末40内のアプリケーション等を介し、ユーザの同意の下、各種データとして記録及びシステムに提供される。また、ユーザ端末40を介して利用することのできるサービスの対象は、現実空間内にとどまらず、仮想空間内におけるゲーム等のサービスであってもよい。
【0031】
この例において事業者端末50は、サービスを提供するパートナー事業者が使用する端末装置(又は単に端末)である。この例においてサービスを運営するパートナー事業者は、事業者端末50を介して、サーバ装置30に記録されたサービスに関する各種データに自由にアクセスできる。また、それらのデータを取得及び活用することで、さらなるサービス品質の向上に役立てられる。
【0032】
図3は、情報処理システム1の機能構成を例示する図である。この実施形態では、情報処理システム1の各機能は主としてサーバ装置20に実装されることが想定されている。情報処理システム1は、取得手段21、選択手段22、提示手段23、賞罰付与手段24、利用手段25、及び分析手段26を有する。
【0033】
この例において取得手段21は、各種のデータを取得する。さらに、取得手段21は、第1取得手段211及び第2取得手段212を有する。この例において第1取得手段211は、ユーザの身体データを取得する。特に3Dモデルデータ(身体データの一例)を取得する場合、個々のデータに加え、第1取得手段211は、ユーザの3Dモデルの時系列変化を取得することができる。なお、この時系列変化は、例えばユーザの体型が「太ってきた(痩せてきた)」といった変化の傾向を示す情報を含むものであってもよい。
【0034】
一方で、第2取得手段212は、ユーザの行動分析又はメンタル分析の分析結果を取得する。この例において行動分析及びメンタル分析は、情報処理システム1に提供されたユーザの行動データをもとにサーバ装置20が行う分析の種類をそれぞれ指している。そのため、この例においてサーバ装置20は、例えば、取得したユーザの行動履歴(行動データの一例)の中で登場頻度の高い項目(例えば運動、食事、又は音楽等)をもとに、行動分析を行い、ユーザが好む行動を判断したり、あるいは、書籍の購入履歴(行動データの一例)の中で、例えば自己啓発に関する書籍の購入頻度をもとに、メンタル分析を行い、ユーザのメンタル状態を推定したりすることができる。なお、この例において分析結果とは、サーバ装置20によって判断されたユーザが好む行動(例えば、運動が好き)、又は推定されたメンタル状態(例えば、うつ病発症気味)を指す。
【0035】
この例において選択手段22は、ユーザの3Dモデルの時系列変化、及び、分析結果のうち、少なくとも1つを用いて、パートナー事業者が提供するサービスメニューの中からそのユーザに適するサービスメニューを選択する。また、提示手段23は、選択手段22によって選択されたサービスメニューをユーザに提示する。また、賞罰付与手段24は、提示手段23によって、サービスメニューの提示を受けたユーザが、複数の連携サービスメニューのいずれかを実際に利用した場合、その実績に応じて、ユーザに、賞罰を与える。ここでいう「賞罰」は、ユーザにポジティブな影響を与えるもの(すなわち特典)、及びネガティブな影響を与えるもの(すなわち懲罰)の双方を含む概念である。ユーザにポジティブな影響を与えるものには、例えば、ポイントの付与、クーポンの発行、イベントへの参加権の付与、及び称号の付与がある。ユーザにネガティブな影響を与えるものには、例えば、ポイントの剥奪、クーポンの剥奪、称号の剥奪、及び行動制限の付与がある。また、利用手段25は、ユーザに与えられる賞罰に関し、連携サービスにおいて、ユーザの指示に応じて、その賞罰(主には特典)を利用する。また、分析手段26は、行動データを基に、各ユーザの行動分析又はメンタル分析を行う。
【0036】
図4は、サーバ装置20及びユーザ端末40のハードウェア構成をそれぞれ例示する図である。サーバ装置20は、CPU(Central Processing Unit)201、メモリ202、ストレージ203、及び通信IF204を有するコンピュータであり、例えばパーソナルコンピュータ又はメインフレームである。CPU201は、プログラムに従って各種の演算を行うプロセッサである。メモリ202は、CPU201がプログラムを実行する際のワークエリアとして機能する主記憶装置であり、例えばRAM(Random Access Memory)を含む。ストレージ203は、各種のデータ及びプログラムを記憶する補助記憶装置であり、例えばSSD(Solid State Drive)又はHDD(Hard Disc Drive)を含む。通信IF204は、所定の通信規格に従って他の装置と通信する装置であり、例えばNIC(Network Interface Card)を含む。
【0037】
この例においてストレージ203が記憶するプログラムには、コンピュータを情報処理システム1におけるサーバとして機能させるためのプログラム(以下「サーバプログラム」という。)が含まれる。CPU201がサーバプログラムを実行している状態において、CPU201が取得手段21、第1取得手段211、第2取得手段212、選択手段22、提示手段23、賞罰付与手段24、利用手段25、及び分析手段26の一例である。
【0038】
ユーザ端末40は、CPU401、メモリ402、ストレージ403、通信IF404、入力装置405、及び表示装置406を有するコンピュータであり、例えばスマートフォン、タブレット、又はパーソナルコンピュータである。CPU401は、プログラムに従って各種の演算を行うプロセッサである。メモリ402は、CPU401がプログラムを実行する際のワークエリアとして機能する主記憶装置であり、例えばRAMを含む。ストレージ403は、各種のデータ及びプログラムを記憶する補助記憶装置であり、例えばSSD又はHDDを含む。通信IF404は、所定の通信規格に従って他の装置と通信する装置であり、例えば無線で通信する場合には無線チップを含む。入力装置405は、ユーザ端末40に情報を入力するための装置であり、例えばタッチスクリーン、キーボード、マウス、又はポインティングデバイスを含む。表示装置406は情報を表示する装置であり、例えば有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ又は液晶ディスプレイを含む。
【0039】
また、ユーザ端末40は、仮想空間内又は複合現実(MR:Mixed Reality)空間内におけるサービスを利用するために、ユーザが操作することが可能なデバイスを含み、例えばVRヘッドセット又はスマートグラスである。この場合、入力装置405は、例えば、VRコントローラを含む。また、表示装置406は、例えば、ヘッドマウントディスプレイを含む。
【0040】
この例においてストレージ403が記憶するプログラムには、コンピュータを情報処理システム1におけるクライアントとして機能させるためのプログラム(以下「クライアントプログラム」という。)が含まれる。CPU401がクライアントプログラムを実行している状態において、CPU401、メモリ402、ストレージ403、通信IF404、入力装置405、及び表示装置406は、ユーザ端末40を動作させるための機能の一例である。
【0041】
2.動作
図5は、情報処理システム1の動作概念を例示するフローチャートである。この例において動作概念又は動作概念図とは、情報処理システム1において、個々の装置であるスキャナ装置10、サーバ装置20、サーバ装置30、ユーザ端末40、及び事業者端末50等と連携することで、システム全体として機能する動作、又はユーザ若しくはパートナー事業者が介入することで機能する動作を、簡易な概念として表したもの(図)である。そのため、情報処理システム1全体の動作は、動作概念図のフローに基づいて制御される。一方で、各動作の詳細は、個々の装置によるシーケンス処理又は動作フローに基づいて制御される。以下では主要な動作概念について、
図5におけるフローチャートに沿って説明する。
【0042】
ステップS1において、情報処理システム1は、3Dスキャナ等を用いて、ユーザの3Dモデルの時系列変化を取得する。この例において時系列変化は、例えば、ユーザの体型が「太ってきた」又は「肌の調子が良くなった」といった分析の結果を含む。また、情報処理システム1は、ユーザの現実空間及び仮想空間における行動履歴(行動データの一例)を取得し、行動データからユーザの行動分析又はメンタル分析を行う。または、情報処理システム1は、ユーザの行動分析又はメンタル分析の分析結果を取得してもよい。
【0043】
ステップS2において、情報処理システム1は、分析又は取得した、ユーザの3Dモデルの時系列変化、並びに、行動分析及びメンタル分析の分析結果の少なくともいずれか1つを用いて、パートナー事業者が提供するサービスメニューの中から、そのユーザに適するサービスメニューを選択し、提案する。具体的には、例えば、あるユーザにおける「スポーツを好む(行動分析)」、「太ってきた(3Dモデルの時系列変化)」、及び「ストレス蓄積(メンタル分析)」といったデータをもとに、情報処理システム1は、そのユーザに対し、連携するフィットネスジムが提供する「ボクササイズコース」を提案することができる。
【0044】
ステップS3において、情報処理システム1は、ユーザによって最終的に選択されたサービスメニューを実行する。なお、ここでいう「実行」とは、例えば、実態として、ユーザが主体的にフィットネスジムに赴いてボクササイズを実行する、といった概念を含む。
【0045】
ステップS4において、情報処理システム1は、実行したサービスメニューに対し、評価を行う。この例において「評価」とは、サービスを実行したユーザの行動に対する評価を指す。または、ユーザが、提案されたサービスを実際に利用した場合、そのユーザによる「楽しかった」又は「つまらなかった」のような主観評価といった概念を含む。なお、ステップS4において、評価が完了した場合、その評価をもとに、情報処理システム1は、再びユーザの分析を行う(ステップS1に戻る)。あるいは、その評価に加え、例えば「ボクササイズコース」における行動データと一緒に、情報処理システム1は、ユーザの分析を行ってもよい。
【0046】
以上が情報処理システム1の動作概念である。次に動作の詳細について説明する。各動作の詳細は、例えば、個々の装置によるシーケンス処理又は動作フローに基づいて制御される。そのため、以下では、主に「データ分析」、「サービス提案」、及び「評価」の3つの動作項目に大別して説明する。
【0047】
2-1.データ分析
図6は、情報処理システム1におけるデータ分析を例示するシーケンスチャートである。なお、以下では、情報処理システム1による分析処理が行われる上で、分析に必要なデータの取得についても併せて説明する。ステップSA1において、スキャナ装置10は、ユーザの3Dモデルを生成するため、撮影装置を用いて、被写体(ユーザ)を撮影し、画像データとして取得する。この例において取得した画像データは、RGBデータ及び距離データを含む。なお、連携する各種センサを利用することで、スキャナ装置10は、体温マップ、血圧、体重、体脂肪、及び脈拍等の生体データ(身体データの一例)を取得してもよい。
【0048】
ステップSA2において、スキャナ装置10は、取得したユーザの画像データをサーバ装置20に送信する。なお、この例においてスキャナ装置10は、サーバ装置20に画像データを送信する際に、上述した血圧、体重、及び脈拍といった生体データも一緒に送信してもよい。
【0049】
ステップSA3において、サーバ装置20は、取得した画像データからユーザの3Dモデルを生成する。この例において3Dモデルの生成は、例えば、3Dのジオメトリ、皮膚の質感、及び肌の状態(色)に関し、ユーザ本人と同等に再現する処理を含む。なお、ここでいう再現とは、ユーザ本人と同等でなくても、例えば補正処理を行った3Dモデルの生成であってもよいし、アバターなどによってユーザ本人をデフォルメ化した3Dモデルの生成であってもよい。
【0050】
ステップSA4において、サーバ装置20は、生成した3Dモデルをデータベースに記録する。この例においてサーバ装置20は、生成した3Dモデルを、ユーザ毎に振り分け、時系列に沿って、記録する。なお、ユーザは、定期的に(例えば、年に1回又は半年に1回等)スキャナ装置10で3Dモデルを更新し、その都度データベースには時系列に沿って、データが記録される。
【0051】
ここで、ステップSA4において、サーバ装置20が有するデータベースについて説明する。
図7は、サーバ装置20が有する3Dデータベースを例示する図である。この例において3Dデータベース2001は、ユーザID、タイムスタンプT、3DモデルデータDD、生体データLL、及び属性情報を有する。さらに属性情報は、スキャナの識別情報ID及び生体情報の種類IDを含む。この例においてユーザIDは、各ユーザを識別するための固有のID情報である。タイムスタンプTは、3Dデータベース2001に各データが記録及び変更された時間を表すコンピュータ内の時刻情報である。この例においてタイムスタンプT[1]のように、[〇]内の「〇」に入る数字は、時系列に沿って与えられたデータの順番を表している。
【0052】
また、3DモデルデータDDは、仮想空間において3Dモデルを表すデータであり、形状(メッシュ、カーブ、サーフェス、又はメタボール等のジオメトリ)データとテクスチャデータを含む。生体データLLは、ユーザの生体情報(血圧、体重、体脂肪率、及び血糖値等)を含む。スキャナの識別情報IDは、ユーザを撮影したスキャナを識別するための固有のID情報であり、生体情報の種類IDは、取得したユーザの生体情報の種類を識別するための固有のID情報である。
【0053】
なお、その他に、3Dデータベース2001は、3DモデルデータDDに付属する付属データを有してもよい。付属データは、例えば、ユーザの3Dモデルを生成し、ディスプレイ等に表示する際に直接的に用いられるものではないが、3Dモデルに関連するようなユーザ本人の属性(年齢、性別、及び居住地等)を表す属性データ、及び/又はユーザの行動履歴(現実空間又は仮想空間における行動と場所の組み合わせ)を表す行動データといった様々なデータを含む。
【0054】
また、サーバ装置20は、3Dデータベース2001に自由にアクセスし、各種データを取得することができる。また、この例においてサーバ装置20の第1取得手段211は、3Dデータベース2001に記録されたデータに関し、ユーザの3Dモデルの時系列変化として取得することができる。この例において時系列変化とは、例えば、ユーザの体型が「太ってきた(痩せてきた)」、又は「肌の調子が良い(悪い)」といった変化の内容を含むものであってもよく、3Dデータベース2001に記録されたデータを基に、サーバ装置20によって判定されてもよい。なお、これらの変化の内容は、各ユーザに対し、システムが最適なサービスを提案するために利用する情報であり、どのような判断基準及び判定手段を用いて定義づけられてもよい。
【0055】
図6に戻り、ステップSA5において、ユーザ端末40は、ユーザによる端末操作の履歴等に基づいて、ユーザ自身の行動を記録する。この例において端末操作とは、例えば、現実空間におけるスポーツジムでの運動記録の入力、又はレストランで食事をした際の決済処理等を指し、それぞれ履歴として、トレーニング時間(例えば2時間)及び費用(例えば1万円)又は食事の内容(例えばステーキ及びワインを食した旨)といった詳細まで含んでもよい。なお、これらの行動記録は、ユーザ端末40内のアプリケーション等を介し、ユーザの同意の下、各種データとして記録される。また、一例として、現実空間でのユーザ端末40による行動記録を説明したが、仮想空間における行動記録でもよく、例えばユーザ端末40がVRヘッドセットの場合、メタバース等でのゲーム内における冒険記録、例えば××村の魔物を退治、といった内容であってもよい。
【0056】
ステップSA6において、ユーザ端末40は、行動データをサーバ装置20に送信する。この例において行動データとは、ユーザ端末40を介して、データとして記録されるユーザの行動履歴(又は行動記録)を含み、例えば上述したレストランでの食事に関し、いつ、どこで、誰と、どのようなメニューを注文し、会計にいくらかかったか、といった詳細な情報が各種関連づいたものを指す。また、この例においてユーザは、より最適なサービスを受けるために、ユーザ端末40を介して行動データをシステムに提供することができる。
【0057】
ステップSA7において、サーバ装置20は、受信した行動データをデータベースに記録する。この例において記録される行動データに関し、例えばユーザの行動(又は時間等)毎に詳細な情報が、各種関連づいて記録されることが好ましく、この場合、どのような形式で記録されるかは、サーバ装置20のデータベース内で定義されている。
【0058】
ここで、ステップSA7において、サーバ装置20が有するデータベースについて説明する。
図8は、サーバ装置20が有する行動データベースを例示する図である。この例において行動データベース2002は、固有のユーザID(1234567)として識別されるユーザについて、現実空間及び仮想空間の行動履歴をデータとして有する。このデータは、現実空間における行動履歴の場合、タイムスタンプ、カテゴリ、場所、行動、対象・内容、及び備考といった項目を含む。また、仮想空間における行動履歴の場合、さらに仮想空間名を含む。なお、これらの項目に関し、あくまで
図8は一例であって、どのような項目が設定されてもよい。
【0059】
図6に戻り、ステップSA8において、サーバ装置20は、トリガイベントを契機として分析処理を開始する。この例においてトリガイベントとは、例えば、前回の分析から所定時間が経過した、又は、未分析のデータ量が閾値を超えたなど、予め定められたコンピュータ内における特定のプログラム処理といった概念を含む。
【0060】
ステップSA8における処理に関し、サーバ装置20の分析手段26は、行動データベース2002に記録されている行動データを基に、各ユーザの分析を行う。この分析に関し、特に行動分析及びメンタル分析に区分され、以下では各分析についてそれぞれ説明する。なお、各分析を実行する際に、分析手段26が利用する行動データは、あくまで、行動データベース2002に記録されたデータに基づくものの、例えば、ユーザが自身の3Dモデルを用いて仮想空間において行った行動履歴、ユーザ自身が現実空間において行った行動履歴、ユーザと同一の連携サービスを利用する他のユーザとの関係、又はあるユーザに対する別のユーザからの評価といった予め定められた観点に則って、分析手段26は、行動分析及びメンタル分析を行ってもよい。そのため、以下の説明に利用される具体例は、これらの観点を基に、あくまで一例として表したものである。
【0061】
この例において行動分析とは、ユーザの行動履歴を分析し、そのユーザの好みを推定するための分析方法である。例えば、分析手段26は、行動データベース2002を参照し、履歴に登場する頻度が高い行動(筋トレ等)がある場合、その行動をユーザが好む行動として推定する。また、現実空間又は仮想空間で、そのユーザと同じ又は似た場所を訪れる他人が好む行動(例えば、〇〇公園で絵を描く等)を、間接的に、そのユーザが好む行動として、分析手段26は、推定してもよい。さらに、ユーザと似ている属性(年齢又は性別等)を有する他人が好む行動を、やはりそのユーザが好む行動として、分析手段26は、推定してもよい。
【0062】
また、例えば、あるユーザに、現実空間又は仮想空間での行動の後、ユーザ端末40を介して、そのユーザに自分自身の感情(楽しい、つまらない、嬉しい、又は悲しい等)のデータを入力してもらい、サーバ装置20は、取得した行動履歴(行動データの一例)と、この感情のデータとを紐づけて、行動データベース2002に記録する。この例において分析手段26は、行動データベース2002を参照し、行動履歴と紐づいた感情のデータから、例えば、楽しい、嬉しいといった前向きな感情を基に、ユーザが好む行動を推定してもよい。なお、分析手段26によって推定されたユーザの好みの行動は、運動、食事、音楽、映画、又は読書等の項目に分けられ、さらに筋トレ、寿司、又はポップ等の詳細なジャンルに分けられてもよい。
【0063】
この例においてメンタル分析とは、ユーザの行動履歴を分析し、そのユーザのメンタル状態を推定するための分析方法である。例えば、あるユーザに、現実空間又は仮想空間での行動の後、ユーザ端末40を介して、そのユーザに自分自身の感情(楽しい、つまらない、嬉しい、又は悲しい等)のデータを入力してもらい、サーバ装置20は、取得した行動履歴(行動データの一例)と、この感情のデータとを紐づけて、行動データベース2002に記録する。この例において分析手段26は、行動データベース2002を参照し、行動履歴と紐づいた感情のデータから、例えば、感情の時系列変化を基に、現在又は将来のメンタル状態を推定する。
【0064】
また、現実空間又は仮想空間におけるユーザの行動に対し、例えば、他のユーザから評価(イイネ等)を入力してもらい、サーバ装置20は、取得した行動履歴(行動データの一例)と、この評価のデータとを紐づけて、行動データベース2002に記録する。この例において分析手段26は、行動データベース2002を参照し、行動履歴と紐づいた評価のデータから、例えば、他のユーザからの評価の時系列変化で、現在又は将来のメンタル状態を推定する。
【0065】
さらに、現実空間又は仮想空間で同じ行動をした他のユーザとの関係(他のユーザとの行動の対比)から、分析手段26は、ユーザのメンタル状態を推定してもよい。例えば、フィットネスサービスを利用したユーザにおいて、複数人で同じエクササイズコースを選択して、友人は体重が減少したのに、自分だけ体重の変化がないといった場合に、ユーザのメンタルが落ち込んでいるとして、分析手段26は、ユーザのメンタル状態を推定してもよい。なお、この例において行動データベース2002は、そのユーザと関連度の高い他のユーザについて、例えば、友人、恋人、又は家族といった項目を追加し、その項目にそれぞれのユーザIDを紐づけて、データベース内で管理してもよい。すなわち、これらのデータベースが相互に連携することで、分析手段26は、ユーザと他のユーザとの行動を対比し、ユーザのメンタル状態を推定することができる。
【0066】
以上説明したサーバ装置20による行動分析及びメンタル分析は、あくまで一例であり、どのような方法によって分析が行われもよく、例えば、AI又は機械学習を活用することで、膨大なデータの中から、より正確にユーザの行動分析及びメンタル分析が可能な分析方法が採用されてもよい。また、サーバ装置20において、第2取得手段212は、分析手段26による行動分析又はメンタル分析の分析結果を取得する。これによって、サーバ装置20は、ユーザに最適なサービスを提案する上で、選択基準となる必要な情報を取得することができる。次に、情報処理システム1におけるサービス提案の動作について、より詳細な実施形態を説明する。
【0067】
2-2.サービス提案
図9は、情報処理システム1におけるサービス提案を例示するフローチャートである。サービス提案のフローは、例えば、ユーザからの要求に応じて開始される。あるいは、サービス提案は、サーバ装置20により自動的に開始されてもよい。ステップSB1において、サーバ装置20は、ユーザの3Dモデルの時系列変化を取得する。より具体的には、第1取得手段211は、3Dデータベース2001に記録されたユーザの3Dモデルの時系列変化を取得する。この例において時系列変化は、例えば、ユーザの3Dモデルに関し、体型が「太ってきた(痩せてきた)」、又は肌の調子が「良い(悪い)」といった変化の内容を含むものであってもよく、3Dデータベース2001に記録されたデータを基に、第1取得手段211によって判定されてもよい。
【0068】
ステップSB2において、サーバ装置20は、ユーザの行動分析及びメンタル分析の分析結果を取得する。より具体的には、第2取得手段212は、行動データベース2002に記録されている行動データを基に、分析手段26によって行われた各ユーザの分析について、行動分析及びメンタル分析の分析結果を取得する。これに関し、第2取得手段212は、分析手段26から直接、分析結果を取得してもよい。この例において行動分析の分析結果は、例えば、「〇〇というユーザは、××という行動が好き」といったユーザの趣味嗜好を含むため、この「××」について、第2取得手段212は、予め定められたカテゴリを特定する。この例においてカテゴリは、運動、食事、又は娯楽等を含み、ユーザに最適なサービスを提案する上で、サービス内容を絞り込むために利用される。なお、このカテゴリは、行動データベース2002内の行動データに含まれる「カテゴリ」をそのまま紐づけてもよい。
【0069】
ステップSB3において、サーバ装置20は、ユーザに適する連携サービスのメニューを選択する。より具体的には、選択手段22は、ユーザの3Dモデルの時系列変化、及び、分析結果のうち、少なくとも1つを用いて、パートナー事業者が提供するサービスメニューの中からそのユーザに適するサービスメニューを選択する。この例において選択手段22によるサービスメニューの選択方法に関し、例えば、あるユーザにおいて、「スポーツ好き(行動分析)」、「体型が太ってきた(3Dモデルの変化)」、及び「ストレス蓄積(メンタル分析)」といったデータをもとに、選択手段22は、そのユーザに対し、連携するフィットネスジムが提供する「ボクササイズコース」を選択する。例えばサーバ装置20は、行動履歴の条件とその条件が満たされたときに選択するサービスメニューの条件とをデータベース(図示略)に記憶する。サーバ装置20は、このデータベースを参照してユーザに適したサービスメニューを選択する。なお、選択方法はこれに限らず、例えば、AI又は機械学習を活用してもよい。例えば、あるユーザの行動履歴と、そのユーザが受けたサービスと、サービスを受けた後のユーザのフィードバック(又は感想)が教師データとして与えられ、機械学習が行われた機械学習モデルが用いられる。教師データとしては、これら以外のデータが用いられてもよく、例えば、曜日、時間、天気、又は場所等のデータ、若しくはユーザのルーティンといった固有のデータをさらに考慮し、よりユーザにとって最適なサービスを選択する方法が採用されてもよい。
【0070】
ステップSB4において、サーバ装置20は、選択されたサービスメニューをユーザに提示(提案)する。より具体的には、提示手段23は、選択されたサービスメニューをユーザに提示する。この例においてユーザは、ユーザ端末40等を介し、サーバ装置20からサービスメニューの提案を受けることができる。
【0071】
また、ユーザが提案されたサービスを実際に利用した場合、サーバ装置20は、ユーザ端末40等を介し、行動データを行動データベース2002等のデータベースに記録してもよい。その際、ユーザ端末40を介して、そのユーザに自分自身の感情(楽しい、つまらない、嬉しい、又は悲しい等)のデータを入力してもらってもよい。サーバ装置20は、取得した行動履歴(行動データの一例)と、この感情のデータとを紐づけて、行動データベース2002等に記録する。
【0072】
この例において感情のデータは、例えば、サーバ装置20が、サービス自体を選択又は評価するために、教師データとしてAIの学習に活用されてもよい。さらに、この教師データに関し、ユーザがサービスを利用した後の行動分析及びメンタル分析の分析結果(フィットネスに定期的に通うようになった。ストレスが減少した。等)も、サーバ装置20が、サービス自体を選択又は評価するために、AIの学習に活用されてもよい。
【0073】
なお、これらのユーザによるサービスの利用、及び、連動して実行される制御は、例えば、
図6のデータ分析におけるステップSA5等の処理の契機として採用されてもよい。これによって、サーバ装置20は、ユーザの行動に基づいて、そのユーザをさらに再分析することができる。次に、情報処理システム1における評価の動作について、より詳細な実施形態を説明する。
【0074】
2-3.評価
図10は、情報処理システム1における評価を例示するシーケンスチャートである。この例において評価とは、ユーザの行動履歴に基づいてそのユーザに賞罰を与える処理をいう。この処理は、主としてサーバ装置20によって実行される。すなわち、提示手段23によって、サービスメニューの提示を受けたユーザが、複数の連携サービスメニューのいずれかを実際に利用した場合、その実績に応じて、賞罰付与手段24がユーザに賞罰を付与する。ここでは賞罰のうち、特に特典が付与される例を説明する。
【0075】
なお、この例において特典として与えられるポイントは、システム内又は特定のサービス内で、ユーザが、他のサービス又は商品等と交換可能な価値を有するものを含む。また、この例においてユーザグレードは、システムそのもの又は特定のサービスにおいて、ユーザの利用実績に応じて、ユーザをランク付けするための階級又は序列を含む。以下では、具体的な処理の手順を説明する。
【0076】
ステップSC1において、ユーザ端末40は、ユーザのサービス利用実績をサーバ装置20に送信する。この例においてサービス利用実績とは、ユーザ端末40を介して、ユーザから提供されるユーザの行動履歴(行動記録)を含む。すなわち、サービス利用実績は、行動データの一例であり、実態として、ユーザの行動履歴を指す。例えば、ユーザがフィットネスジムでトレーニングを行った場合に関し、サービス利用実績(行動履歴)は、いつ、どこで、誰と、どのようなトレーニングコースを選択し、満足度はどうだったか、といった詳細な情報が各種関連づいたものを含む。
【0077】
ステップSC2において、サーバ装置20は、ユーザ端末40から受信したサービス利用実績をデータベースに記録する。この例においてサーバ装置20は、サービス利用実績を行動データとして、行動データベース2002に記録する。
【0078】
ステップSC3において、事業者端末50は、サービス利用実績をサーバ装置20に送信する。この例において事業者端末50から送信されるサービス利用実績とは、ステップSC1において、ユーザ端末40を介してユーザから提供されるサービス利用実績(行動データ)に対応づいたデータである。この点に関し、より具体的には、サーバ装置20から提案されたサービスメニューは、主としてパートナー事業者が運営するサービスであって、例えば、ユーザが提案されたそのサービスメニューを実際に利用した場合、サービスサーバであるサーバ装置30にも、ユーザ端末40と同様に、ユーザのサービス利用実績が、データとして記録される。
【0079】
この例において上述したユーザによるフィットネスジムでのトレーニングを再び例示すると、サーバ装置30には、どのユーザが、いつ、どんなトレーニングコースを予約し、終了後の満足度はどうだったか、推定消費カロリーはいくらかといった情報が記録される。なお、この情報は、必ずしもユーザ端末40に記録される行動データに限定されるもの、又は、同一のものである必要はなく、各種サービスに応じた固有のデータであってもよい。
【0080】
サーバ装置30に記録されたデータは、例えば、サービスを運営するパートナー事業者によって、事業者端末50を介して、自由に取得され、さらなるサービス品質の向上に役立てられる。この例において事業者端末50によって取得されたデータは、最終的に、サービス利用実績として、サーバ装置20に送信される(ステップSC3)。
【0081】
ステップSC4において、サーバ装置20は、事業者端末50から受信したサービス利用実績をデータベースに記録する。この例においてサーバ装置20は、サービス利用実績を行動データとして、行動データベース2002に記録してもよいし、行動データベース2002とは異なるデータベースに記録してもよいし、ユーザ端末40から受信したサービス利用実績との関係を定義した(紐づけた)上で、種々のデータベースに記録してもよい。
【0082】
ステップSC5において、サーバ装置20は、評価処理を開始する前に、トリガイベントを契機として検出する。この例においてトリガイベントとは、例えば、前回の評価から所定時間が経過した、又は、未評価のデータ量が閾値を超えたなど、予め定められたコンピュータ内における特定のプログラム処理といった概念を含む。
【0083】
ステップSC6において、サーバ装置20は、ユーザの評価を行う。より具体的には、賞罰付与手段24は、ユーザに対して付与するポイントの計算を行う。この例においてポイントは、全てのパートナー事業者で共通に使える共通ポイントと、特定のパートナー事業者のみで使える独自ポイントとの2つに区分され、利用用途に応じて、ユーザによって使い分けられたり、共通ポイントを独自ポイントに交換したりすることが可能である。この例において共通ポイントは、例えば、異なる事業者により運営される複数の実店舗又はウェブ上の店舗で商品又はサービスの購入代金に充当可能なポイントが一例として挙げられ、一方で、独自ポイントは、特定の単一の事業者により運営される商品又はサービスの購入代金に充当可能なポイント(一例としては航空会社のマイレージ)が一例として挙げられる。
【0084】
まず、共通ポイントの計算に関し、ユーザのサービス利用実績を基に、システム内で予め定められたアルゴリズム及び計算式に従って、賞罰付与手段24は、共通ポイントの計算を行う。この例において賞罰付与手段24は、例えば、行動データベース2002内の行動データを参照し、フィットネスジムでの運動、又はレストランでの食事に対して、100ポイントをユーザに付与し、音楽配信アプリを経由した音楽鑑賞に対して、3ポイントをユーザに付与するといった様々な計算方法が採用されてもよい。
【0085】
次に、独自ポイントの計算に関し、計算方法の基礎となるアルゴリズム及び計算式は、システムによって提供される。また、アルゴリズム及び計算式内のパラメータは、各パートナー事業者によって自由に設定することがでる。一例として、ユーザが、飛行機による海外旅行のサービスメニューを利用した場合を考える。この例において賞罰付与手段24は、ユーザのサービス利用実績を基に、航空会社によってカスタマイズされたアルゴリズム及び計算式を利用して、独自ポイントであるマイレージを算出し、ユーザに付与することができる。
【0086】
以上説明した評価処理に関し、ポイントだけでなく、ユーザグレードにおいても、同様の処理が適用される。なお、この例においてユーザグレードは、例えば、ゴールド会員、シルバー会員、又はブロンズ会員といった階級によってランク付けされてもよい。また、ユーザグレードは、システムによる共通グレードと、各パートナー事業者による独自グレードの2つの区分を有してもよい。さらに、各グレードの決定方法は、ポイントの計算方法と同様に、賞罰付与手段24において、ユーザのサービス利用実績を基に、システム内で予め定められたアルゴリズム及び計算式に従って決定する方法が採用される。
【0087】
なお、これらのポイント及びユーザグレードを含む賞罰に関し、利用手段25は、連携サービスにおいて、ユーザの指示に応じて、その賞罰を利用することができる。この例において利用手段25による賞罰の利用とは、例えばポイントの場合、他のサービス又は商品等と交換といった処理を含み、ユーザグレードの場合、グレードに応じて与えられた権利(ゴールド会員割引30%等)の行使といった処理を含む。また、これらの賞罰が、利用手段25を介してユーザに利用された場合、その利用に対し、賞罰付与手段24は、ユーザの評価を行い、さらにそのユーザに賞罰を付与してもよい。
【0088】
3.変形例
本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、種々の変形実施が可能である。以下、変形例をいくつか説明する。以下で説明する事項のうち2つ以上の事項が組み合わされて適用されてもよい。
【0089】
(1)情報処理システム1
情報処理システム1におけるハードウェア構成は実施形態において例示したものに限定されない。要求される機能を実現できるものであれば、情報処理システム1はどのようなハードウェア構成を有していてもよい。例えば、物理的に複数の装置(例えばスキャナ装置10等)が協働してサーバ装置20として機能してもよい。
【0090】
また、情報処理システム1におけるネットワーク構成についても実施形態において例示したものに限定されない。例えば、パートナー事業者がユーザに提供するサービスの1つとして、スキャナ装置10が含まれる場合、ネットワークを介してスキャナ装置10と、サーバ装置30とが接続し、サービス提供が実現されてもよい。
【0091】
機能とハードウェアとの対応関係は実施形態において例示したものに限定されない。例えば、画像データから3Dモデルデータを生成する機能は、スキャナ装置10に実装されてもよい。この場合サーバ装置20は、スキャナ装置10から3Dモデルデータを取得する。
【0092】
(2)サーバ装置20
サーバ装置20は物理サーバでもよいし、仮想サーバ(いわゆるクラウドを含む)であってもよい。また、機能要素とハードウェアとの対応関係は実施形態において例示したものに限定されない。例えば、実施形態において、サーバ装置20に実装されるものとして説明した機能の少なくとも一部が他の装置(例えばスキャナ装置10)に実装されてもよいし、反対に、他の装置(例えばスキャナ装置10)に実装されるものとして説明した機能の少なくとも一部がサーバ装置20に実装されてもよい。この例においてサーバ装置20によってユーザの3Dモデルが生成される構成に代えて、スキャナ装置10によってユーザの3Dモデルが生成される構成であってもよい。
【0093】
(3)動作ステップ(動作概念)
図5に示すフローチャートはあくまで動作の一例を示すものであり、情報処理システム1の動作はこれに限定されない。図示した動作の一部が省略されてもよいし、順番が入れ替えられてもよいし、新たな動作が追加されてもよい。この例においてステップS1にて、情報処理システム1は、ユーザの3Dモデルの時系列変化、行動分析、又はメンタル分析に係る分析処理を実行するが、例えば、外部のユーザ分析システム(図示略)と連携し、サービス選択(提案)に必要なデータ、つまり分析結果のみを取得する動作に置き換えられてもよい。
【0094】
(4)データ分析
データ分析において、情報処理システム1の動作はあくまで一例を示すものであり、上述したものに限定されない。この例においてメンタル分析の分析方法に関し、例えば、Siri(登録商標)及びアレクサ(登録商標)等の音声インターフェースを介して、記録されたユーザの声のトーン、口調、又は話す内容でユーザの心理状況を推定する音声分析が採用されてもよい。
【0095】
あるいは、ユーザに関係する他者からのフィードバックを含む分析方法が採用されてもよい。この例においてフィードバックとは、ユーザが学生の場合、学校の先生による授業態度又は生活の様子等といったフィードバック、ユーザが会社員の場合、勤務先の上司又は同僚による勤務態度又は職場での様子等といったフィードバック、又はユーザが何らかの症状を有する患者の場合、病院の医師の診断による症状又は体調等といったフィードバックを指し、これらを記録するシステムと連携し、メンタル分析が行われてもよい。
【0096】
また、サーバ装置20による分析の種類は、上述した行動分析及びメンタル分析に限定されない。この例において分析手段26は、行動履歴(行動データの一例)から、ユーザの性格分析を行ってもよい。例えば、ユーザの行動履歴から、長期的に続くアクテビティ(サービス)が検出された場合、そのユーザに対し、例えば、「ものごとにコツコツ継続的に取り組む」性格(性格分類A)、といった予め定められた性格を適用し、分類してもよい。さらに、食事、運動、飲酒、又は喫煙といった健康に関する行動履歴を基に、サーバ装置20は、ユーザの生活習慣の分析を行ってもよく、例えば、健康リスク等の段階(例えばリスクレベル2等)を設けて、ユーザを管理してもよい。
【0097】
なお、これらの分析結果を用いて、選択手段22は、複数の連携サービスに含まれる複数のメニューのうち、そのユーザに適するメニューを選択してもよい。例えば、あるユーザにおいて、「音楽好き(行動分析)」、「新しいもの好き(性格分析)」、及び「行動意欲が高い状態(メンタル分析)」といったデータをもとに、選択手段22は、そのユーザに対し、「音楽教室で楽器レッスン」のメニューを選択し、提案してもよい。
【0098】
(5)サービス提案
サービス提案において、情報処理システム1の動作はあくまで一例を示すものであり、上述したものに限定されない。例えば、サーバ装置20は、特定の提携サービス事業者により提携される特定のサービスメニューをユーザに提示しなくてもよい。例えば、サーバ装置20は、対象となるユーザのスケジュール(又は行動予定)を示すデータを参照し、その行動予定に応じたサービスメニューの提案をする。具体的には、対象となるユーザがこの後、パーティに出席する予定となっているきに、そのパーティの趣旨及び参加者にふさわしい服装(例えば、「グレーのパーカーを着用することをお薦めします」等)をそのユーザに提案する。このとき、グレーのパーカーの販売が特定のサービス事業者のサービスメニューとして事前に定義されていなくても、サーバ装置20はこの提案を行う。すなわちこの場合、サーバ装置20が、サービス事業者から取得したサービスメニューのデータ又は他のデータを参照して、新たなサービスメニューを生成し、そのサービスメニューをユーザに提示しているということができる。
【0099】
サーバ装置20は、ユーザの3Dモデルデータ及び行動データに加え、世間のトレンド(又は流行)を示すデータを取得し、このデータを参照してサービスメニューの提案をしてもよい。また、実施形態においては、ユーザの3Dモデルの時系列変化並びに行動分析及びメンタル分析の分析結果をすべて考慮してサーバ装置20がサービスメニューの提案をする例を説明したが、サーバ装置20は、これらのうち少なくとも1種のみを考慮してサービスメニューを提案してもよい。すなわち、サーバ装置20は、(a)ユーザの3Dモデルの時系列変化、及び(b)分析結果の少なくとも一方(換言すると、ユーザの3Dモデルの時系列変化及び/又は分析結果)を考慮してサービスメニューを提案する。分析結果は、行動分析及びメンタル分析の少なくとも一方の結果(換言すると、ユーザの行動分析及び/又はメンタル分析の結果)を含む。
【0100】
(6)評価
評価において、情報処理システム1の動作はあくまで一例を示すものであり、上述したものに限定されない。この例においてポイントの付与条件は、自由に設定されてよい。ポイントの付与条件は、ユーザの行動履歴に関する条件であり、例えば、複数のユーザが、同じサービスを利用した場合でも、ユーザグレードが高いユーザの方が、低いユーザよりも高いポイントが付与されるといった条件が設定されてもよい。あるいは、情報処理システム1から提案されたサービスを利用したユーザが、その後も継続的にそのサービスを利用した場合、継続期間等に応じて追加でポイントが付与される又はポイント付与率が高くなるといった条件が設定されてもよい。
【0101】
特典は複数の種類、例えば、ポイントの付与、クーポンの発行、イベントへの参加権の付与、及び称号の付与に区分されてもよい。クーポンは、提携サービス事業者により提供されるサービスに利用できる。イベントへの参加権は、現実空間又は仮想空間で行われるイベント(例えば、パーティ、コンサート、ミーティング、又はワークショップなど)に参加するためのチケットである。称号は、ユーザに与えられる名誉である。ユーザにどの種類の特典が付与されるのか、ユーザが決めてもよいし、サーバ装置20が自動的に決めてもよい。これらの条件は、例えばサーバ装置20が記憶するデータベースにおいて保持される。
【0102】
上述の例では賞罰のうち特に特典について例示したが、懲罰についても適用可能である。例えばサーバ装置20は、懲罰を与える条件が記録されたデータベースを記憶する。この条件は、複数の異なる種類の行動間の関係を含んでもよい。異なる種類の行動とは、例えば運動と食事である。具体的には、フィットネスジムで運動をした後、所定の時間(例えば1時間以内)に所定の飲食物(例えば糖質を多く含む飲食物、又は炭水化物を多く含む飲食物)を摂取した場合、懲罰が与えられるという条件である。
【0103】
(7)データ形式
情報処理システム1が取り扱う3Dモデルデータのデータ形式はどのような形式でもよい。例えば、3Dモデルデータは、生体データ又は過去の3Dモデルデータを一体として含むデータ形式であってもよい。
【0104】
(8)その他
CPU201、CPU401、及び各装置によって実行される各種プログラムは、インターネット等のネットワークを介したダウンロードにより提供されるものであってもよいし、DVD-ROM等のコンピュータ読み取り可能な非一時的記録媒体に記録された状態で提供されてもよい。なお、各プロセッサは、CPUに代えて、例えば、MPU(Micro Processing Unit)であってもよい。
【符号の説明】
【0105】
1…情報処理システム、10…スキャナ装置、20…サーバ装置、30…サーバ装置、40…ユーザ端末、50…事業者端末、9…ネットワーク、21…取得手段、211…第1取得手段、212…第2取得手段、22…選択手段、23…提示手段、24…賞罰付与手段、25…利用手段、26…分析手段、201…CPU、202…メモリ、203…ストレージ、204…通信IF、401…CPU、402…メモリ、403…ストレージ、404…通信IF、405…入力装置、406…表示装置、2001…3Dデータベース、2002…行動データベース