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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024115519
(43)【公開日】2024-08-26
(54)【発明の名称】オーバーレイ測定装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/66 20060101AFI20240819BHJP
【FI】
H01L21/66 J
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024004877
(22)【出願日】2024-01-16
(31)【優先権主張番号】10-2023-0019129
(32)【優先日】2023-02-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】515309575
【氏名又は名称】オーロステクノロジー, インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100115749
【弁理士】
【氏名又は名称】谷川 英和
(74)【代理人】
【識別番号】100166811
【弁理士】
【氏名又は名称】白鹿 剛
(72)【発明者】
【氏名】リ スンス
(72)【発明者】
【氏名】ペク ジュンヒョク
(72)【発明者】
【氏名】ウー ヨンジェ
【テーマコード(参考)】
4M106
【Fターム(参考)】
4M106AA01
4M106BA04
4M106BA05
4M106CA39
4M106DB04
4M106DB07
4M106DB08
4M106DB12
4M106DB13
4M106DB14
4M106DB15
4M106DB16
4M106DB19
(57)【要約】      (修正有)
【課題】高さ差が大きく、光学的性質の異なる層間のオーバーレイ誤差を正確かつ高速に測定するオーバーレイ測定装置及び方法を提供する。
【解決手段】オーバーレイ測定装置は、互いに異なる層に形成された第1のオーバーレイマークと第2のオーバーレイマークとの高さ差(Δh)を検出する高さ差検出光学系10、オーバーレイマークへの照明光学系20、オーバーレイマークからの反射光を第1のビームと第2のビームに分離するメインビームスプリッター30、第1のビームを受光し、第1のオーバーレイマークイメージを生成する第1の検出器40、第2のビームを受光し、第2のオーバーレイマークイメージを生成する第2の検出器50、第1のビームを第1の検出器に結像させる結像光学系60、高さ差(Δh)に基づいて第2のビームの光路長を調節する光路調節部75及び第2のビームを第2の検出器に結像させるテレセントリック結像光学系70を備える。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに異なる層にそれぞれ形成された第1のオーバーレイマークと第2のオーバーレイマークとを含むオーバーレイマークが形成されたサンプルの層間オーバーレイ誤差を測定するオーバーレイ測定装置であって、
前記第1のオーバーレイマークと前記第2のオーバーレイマークとの高さ差(Δh)を検出するように構成された高さ差検出光学系と、
前記サンプル上のオーバーレイマークに照明を照らすように構成された照明光学系と、
前記オーバーレイマークからの反射光を第1のビームと第2のビームに分離するように構成されたメインビームスプリッターと、
前記第1のビームを受光して、前記第1のオーバーレイマークに焦点が合わせられた第1のオーバーレイマークイメージを生成するように構成された第1の検出器と、
前記第2のビームを受光して、前記第2のオーバーレイマークに焦点が合わせられた第2のオーバーレイマークイメージを生成するように構成された第2の検出器と、
前記第1のビームを前記第1の検出器に結像させるように構成された結像光学系と、
前記高さ差に基づいて前記第2のビームの光路長を調節する光路調節部、及び前記メインビームスプリッターと前記第2の検出器との間に配置され、前記第2のビームを前記第2の検出器に結像させるテレセントリックレンズを含むテレセントリック結像光学系と、を備えることを特徴とする、オーバーレイ測定装置。
【請求項2】
前記光路調節部は、
前記メインビームスプリッターと前記第2の検出器との間に配置され、前記第2のビームを前記第2の検出器に向けて反射させる少なくとも1つのミラーと、
少なくとも1つの前記ミラーを直線移動させて前記第2のビームの前記光路長を調節するように構成されたミラーステージと、
前記高さ差に基づいて前記ミラーステージを制御するように構成された制御器と、を備えることを特徴とする、請求項1に記載のオーバーレイ測定装置。
【請求項3】
前記制御器は、前記高さ差と前記第2のオーバーレイマークイメージの拡大倍率との積に比例して前記第2のビームの前記光路が延長され、前記延長された前記第2のビームの前記光路が前記第1のビームの光路に比べて長くなるように前記ミラーステージを制御することを特徴とする、請求項2に記載のオーバーレイ測定装置。
【請求項4】
前記結像光学系は、前記第1の検出器の前段に配置され、前記第1のビームの中心波長及びバンド幅を前記第1のオーバーレイマークイメージ取得用に調節する第1の光学フィルターをさらに備え、
前記テレセントリック結像光学系は、前記第2の検出器の前段に配置され、前記第2のビームの中心波長及びバンド幅を前記第2のオーバーレイマークイメージ取得用に調節する第2の光学フィルターをさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載のオーバーレイ測定装置。
【請求項5】
前記第1の光学フィルターと前記第2の光学フィルターは、線形または回転型の可変フィルターであることを特徴とする、請求項4に記載のオーバーレイ測定装置。
【請求項6】
前記第1のオーバーレイマークイメージと前記第2のオーバーレイマークイメージとが同時に生成されるように前記第1の検出器と前記第2の検出器とが同期化されていることを特徴とする、請求項1に記載のオーバーレイ測定装置。
【請求項7】
互いに異なる層にそれぞれ形成された第1のオーバーレイマークと第2のオーバーレイマークとを含むオーバーレイマークが形成されたサンプルの層間オーバーレイ誤差を測定するオーバーレイ測定方法であって、
前記第1のオーバーレイマークと前記第2のオーバーレイマークとの高さ差(Δh)を検出するステップと、
前記サンプル上のオーバーレイマークに照明を照らすステップと、
前記オーバーレイマークからの反射光を第1のビームと第2のビームに分離させるステップと、
前記第1のビームを第1の検出器に結像させるステップと、
前記第2のオーバーレイマークに焦点が合うように、前記高さ差(Δh)に基づいて、前記第2のビームの光路長を調節するステップと、
テレセントリックレンズを通過し、長さが調節された前記光路を経た前記第2のビームを第2の検出器に結像させるステップと、
前記第1の検出器で、前記第1のオーバーレイマークに焦点が合わせられた第1のオーバーレイマークイメージを生成し、前記第2の検出器で、前記第2のオーバーレイマークに焦点が合わせられた第2のオーバーレイマークイメージを生成するステップと、を含むことを特徴とする、オーバーレイ測定方法。
【請求項8】
前記高さ差と前記第2のオーバーレイマークイメージの拡大倍率との積に比例して前記第2のビームの前記光路が延長され、前記延長された前記第2のビームの前記光路が前記第1のビームの光路に比べて長くなるように前記第2のビームの光路長が調節されることを特徴とする、請求項7に記載のオーバーレイ測定方法。
【請求項9】
前記第1のビームの中心波長及びバンド幅を前記第1のオーバーレイマークイメージ取得用に調節するステップと、
前記第2のビームの中心波長及びバンド幅を前記第2のオーバーレイマークイメージ取得用に調節するステップと、をさらに含むことを特徴とする、請求項7に記載のオーバーレイ測定方法。
【請求項10】
前記第1のビームの中心波長と前記第2のビームの中心波長とは互いに異なることを特徴とする、請求項9に記載のオーバーレイ測定方法。
【請求項11】
前記第1のオーバーレイマークイメージと前記第2のオーバーレイマークイメージとが同時に生成されるように前記第1の検出器と前記第2の検出器とが同期化されていることを特徴とする、請求項7に記載のオーバーレイ測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オーバーレイ測定装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
技術発展に伴い、半導体デバイスのサイズが小さくなり、集積回路の密度増加が求められている。このような要件を満たすためには、様々な条件が満たされなければならず、その中でも、オーバーレイ許容誤差は重要な指標の1つである。
【0003】
半導体デバイスは、数多くの製造プロセスによって製造される。集積回路をウェハーに形成するためには、所望の回路構造及び要素が特定の位置に順次形成されるように多くの製造プロセスを経なければならない。製造プロセスは、ウェハー上にパターン化された層を順次生成するようにする。このような繰り返される積層工程を介して集積回路内に電気的に活性化されたパターンを生成する。このとき、それぞれの構造が生産工程で許容される誤差範囲以内に整列されなければ、電気的に活性化されたパターン同士の間に干渉が起こり、このような現象により製造された回路の性能及び信頼性に問題が生じるおそれがある。このような層間の位置合わせ誤差を測定及び検証するために、オーバーレイ測定ツールが使用される。
【0004】
一般なオーバーレイ測定及び方法は、2つの層間の位置合わせが許容誤差内にあるか否かを測定及び検証する。その一つの方法として、基板上で特定の位置にオーバーレイマークと呼ばれる構造物を形成し、この構造物を光学的なイメージ取得装備で撮影してオーバーレイを測定する方法がある。測定のための構造物は、それぞれの層ごとにX方向及びY方向のうちの少なくとも一方向のオーバーレイを測定することができるように設計されている。各構造物は、対称構造に設計されており、対称方向に配置された構造物間の中心値を計算してその層の代表値として使用し、そのそれぞれの層の代表値の相対的な差異を計算してオーバーレイ誤差を導出する。
【0005】
2つの層のオーバーレイを測定する場合には、図1及び図2に示すように、四角形の主尺(outer box)1、主尺1に比べて小さい四角形の副尺(inner box)2を、連続した2つの層にそれぞれ形成した後、図3及び図4に示すように、主尺1に焦点を合わせた後、位置別強度(intensity)の変化を示す波形を取得して主尺1の中心値C1を取得し、副尺2に焦点を合わせた後、位置別強度の変化を示す波形を取得して副尺2の中心値C2を取得することにより、2層間のオーバーレイ誤差を測定する。
【0006】
しかし、このような従来の方法は、主尺1が形成された層と、副尺2が形成された層との高さ差が大きい場合には、主尺1と副尺2のうちのいずれか一方に焦点を合わせると、もう一方に焦点が合わないためぼやけて表示されるという問題がある。
【0007】
また、主尺1と副尺2とが互いに異なる層に互いに異なる物質で形成され、主尺1は副尺2が形成された層によって覆われているという点などを考慮せず、同じビームを用いて主尺1と副尺2の波形又はイメージを取得するという点において問題がある。
【0008】
半導体工程技術の発展により高さ差が大きく、光学的性質の異なる層間のオーバーレイ誤差を正確かつ高速に測定する必要がある現在では、これらの問題点の解決に対する要求がますます高まっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】韓国公開特許公報第2003-0054781号
【特許文献2】韓国登録特許公報第10-0689709号
【特許文献3】韓国登録特許公報第10-1564312号
【特許文献4】韓国公開特許公報第10-2018-0042649号
【特許文献5】韓国公開特許公報第10-2018-0045026号
【特許文献6】特開2005-519460公報
【特許文献7】韓国登録特許公報第10-2120551号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上述した問題点を改善するためのもので、その目的は、高さ差が大きく、光学的性質の異なる層間のオーバーレイ誤差を正確かつ高速に測定することができる新規なオーバーレイ測定装置及び方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明は、互いに異なる層にそれぞれ形成された第1のオーバーレイマークと第2のオーバーレイマークとを含むオーバーレイマークが形成されたサンプルの層間オーバーレイ誤差を測定するオーバーレイ測定装置であって、前記第1のオーバーレイマークと前記第2のオーバーレイマークとの高さ差Δhを検出するように構成された高さ差検出光学系と、前記サンプル上のオーバーレイマークに照明を照らすように構成された照明光学系と、前記オーバーレイマークからの反射光を第1のビームと第2のビームに分離するように構成されたメインビームスプリッターと、前記第1のビームを受光して前記第1のオーバーレイマークに焦点が合わせられた第1のオーバーレイマークイメージを生成するように構成された第1の検出器と、前記第2のビームを受光して、前記第2のオーバーレイマークに焦点が合わせられた第2のオーバーレイマークイメージを生成するように構成された第2の検出器と、前記第1のビームを前記第1の検出器に結像させるように構成された結像光学系と、前記高さ差に基づいて前記第2のビームの光路長を調節する光路調節部、及び前記メインビームスプリッターと前記第2の検出器との間に配置され、前記第2のビームを前記第2の検出器に結像させるテレセントリックレンズを含むテレセントリック結像光学系と、を備えることを特徴とする、オーバーレイ測定装置を提供する。
【0012】
また、前記光路調節部は、前記メインビームスプリッターと前記第2の検出器との間に配置され、前記第2のビームを前記第2の検出器に向けて反射させる少なくとも1つのミラーと、少なくとも1つの前記ミラーを直線移動させて前記第2のビームの前記光路長を調節するように構成されたミラーステージと、前記高さ差に基づいて前記ミラーステージを制御するように構成された制御器と、を備えることを特徴とする、オーバーレイ測定装置を提供する。
【0013】
また、前記制御器は、前記高さ差と前記第2のオーバーレイマークイメージの拡大倍率との積に比例して前記第2のビームの前記光路が延長され、前記延長された前記第2のビームの前記光路が前記第1のビームの光路に比べて長くなるように前記ミラーステージを制御することを特徴とする、オーバーレイ測定装置を提供する。
【0014】
また、前記結像光学系は、前記第1の検出器の前段に配置され、前記第1のビームの中心波長及びバンド幅を前記第1のオーバーレイマークイメージ取得用に調節する第1の光学フィルターをさらに備え、前記テレセントリック結像光学系は、前記第2の検出器の前段に配置され、前記第2のビームの中心波長及びバンド幅を前記第2のオーバーレイマークイメージ取得用に調節する第2の光学フィルターをさらに備えることを特徴とする、オーバーレイ測定装置を提供する。
【0015】
また、前記第1の光学フィルターと前記第2の光学フィルターは、線形または回転型の可変フィルターであることを特徴とする、オーバーレイ測定装置を提供する。
【0016】
また、第1のオーバーレイマークイメージと前記第2のオーバーレイマークイメージとが同時に生成されるように前記第1の検出器と前記第2の検出器とが同期化されていることを特徴とする、オーバーレイ測定装置を提供する。
【0017】
また、本発明は、互いに異なる層にそれぞれ形成された第1のオーバーレイマークと第2のオーバーレイマークとを含むオーバーレイマークが形成されたサンプルの層間オーバーレイ誤差を測定するオーバーレイ測定方法であって、前記第1のオーバーレイマークと前記第2のオーバーレイマークとの高さ差Δhを検出するステップと、前記サンプル上のオーバーレイマークに照明を照らすステップと、前記オーバーレイマークからの反射光を第1のビームと第2のビームに分離させるステップと、前記第1のビームを第1の検出器に結像させるステップと、前記第2のオーバーレイマークに焦点が合うように、前記高さ差Δhに基づいて、前記第2のビームの光路長を調節するステップと、テレセントリックレンズを通過し、長さが調節された光路を経た前記第2のビームを第2の検出器に結像させるステップと、前記第1の検出器で、前記第1のオーバーレイマークに焦点が合わせられた第1のオーバーレイマークイメージを生成し、前記第2の検出器で、前記第2のオーバーレイマークに焦点が合わせられた第2のオーバーレイマークイメージを生成するステップと、を含むことを特徴とする、オーバーレイ測定方法を提供する。
【0018】
また、前記高さ差と前記第2のオーバーレイマークイメージの拡大倍率との積に比例して前記第2のビームの前記光路が延長され、前記延長された前記第2のビームの前記光路が前記第1のビームの光路に比べて長くなるように前記第2のビームの光路長が調節されることを特徴とする、オーバーレイ測定方法を提供する。
【0019】
また、前記第1のビームの中心波長及びバンド幅を前記第1のオーバーレイマークイメージ取得用に調節するステップと、前記第2のビームの中心波長及びバンド幅を前記第2のオーバーレイマークイメージ取得用に調節するステップと、をさらに含むことを特徴とする、オーバーレイ測定方法を提供する。
【0020】
また、前記第1のビームの中心波長と前記第2のビームの中心波長とは互いに異なることを特徴とする、オーバーレイ測定方法を提供する。
【0021】
また、前記第1のオーバーレイマークイメージと前記第2のオーバーレイマークイメージとが同時に生成されるように前記第1の検出器と前記第2の検出器とが同期化されていることを特徴とする、オーバーレイ測定方法を提供する。
【発明の効果】
【0022】
本発明によるオーバーレイ測定装置及び方法は、高さ差が大きく、光学的性質が互いに異なる層間のオーバーレイ誤差を正確且つ高速に測定することができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】オーバーレイマークの平面図である。
図2図1に示されたオーバーレイマークの側面図である。
図3図1に示されたオーバーレイマークの主尺に焦点を合わせた状態で取得された信号の位置別強度の変化波形を示す。
図4図1に示されたオーバーレイマークの副尺に焦点を合わせた状態で取得されたた信号の位置別強度の変化波形を示す。
図5】本発明の一実施形態によるオーバーレイ測定装置の概念図である。
図6図5に示された第1のカラーフィルターを通過した第1の照明の波長による強度を示す図である。
図7図5に示された第2のカラーフィルターを通過した第2の照明の波長による強度を示す図である。
図8図5に示されたビームコンバイナーを通過した照明の波長による強度を示す図である。
図9】サンプルに形成された第1のオーバーレイマークと第2のオーバーレイマークに照明が照射される方法を説明するための図である。
図10図5に示された第1の検出器で取得された第1のオーバーレイマークイメージを示す図である。
図11図5に示された第2の検出器で取得された第2のオーバーレイマークイメージを示す図である。
図12】第1のオーバーレイマークイメージと第2のオーバーレイマークイメージとを組み合わせて得たイメージを示す図である。
図13】本発明の一実施形態によるオーバーレイ測定方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、添付図面を参照して本発明の一実施形態を詳細に説明する。しかし、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形することができ、本発明の範囲は以下に詳述する実施形態に限定されるものと解釈されてはならない。本発明の実施形態は、当技術分野における通常の知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。よって、図面における要素の形状などは、より明確な説明を強調するために誇張されたものであり、図面上において同一の符号で表示された要素は、同一の要素を意味する。
【0025】
図5は、本発明の一実施形態によるオーバーレイ測定装置の概念図である。オーバーレイ測定装置は、半導体ウェハーなどのサンプルの互いに異なる層にそれぞれ形成された第1のオーバーレイマークOM1と第2のオーバーレイマークOM2との誤差を測定して、互いに異なる層間のオーバーレイ誤差を測定する装置である。
【0026】
例えば、図9に示すように、第2のオーバーレイマークOM2は、以前層に形成されたオーバーレイマークであり、第1のオーバーレイマークOM1は、現在層に形成されたオーバーレイマークであり得る。オーバーレイマークは、半導体ウェハーのダイ(die)領域に半導体デバイス形成のための層を形成すると同時に、スクライブレーン(scribe lane)に形成される。例えば、第2のオーバーレイマークOM2は、絶縁膜パターンと共に形成され、第1のオーバーレイマークOM1は、絶縁膜パターン上に形成されるフォトレジストパターンと共に形成され得る。
【0027】
このような場合、第1のオーバーレイマークOM1は、外部に露出しているが、第2のオーバーレイマークOM2は、フォトレジスト層によって覆われた状態であり、フォトレジスト材料からなる第1のオーバーレイマークOM1とは光学的性質の異なる酸化物からなる。また、第1のオーバーレイマークOM1と第2のオーバーレイマークOM2との焦点面は、互いに異なる。
【0028】
本発明は、第1のオーバーレイOM1に焦点を合わせた状態で第1のオーバーレイマークOM1をなす材料の光学的性質に適合したビームを用いて第1のオーバーレイマークイメージI1を取得する。そして、第2のオーバーレイマークOM2に焦点を合わせた状態で第2のオーバーレイマークOM2をなす材料の光学的性質に適合したビームを用いて第2のオーバーレイマークイメージI2を取得する。そして、これらの第1のオーバーレイマークイメージI2と第2のオーバーレイマークイメージI2を用いてオーバーレイ誤差を正確かつ高速に測定することができる。
【0029】
オーバーレイマークとしては、ボックスインボックス(box in box、BIB、図1参照)やAIM(advanced imaging metrology)オーバーレイマークなど、現在使用されている様々な形態のオーバーレイマークを用いることができる。以下では、主に構造が単純なボックスインボックス形態のオーバーレイマークを基準に説明する。
【0030】
図5に示すように、本発明の一実施形態によるオーバーレイ測定装置は、高さ差検出光学系10と、照明光学系20と、メインビームスプリッター30と、第1の検出器40と、第2の検出器50と、結像光学系60と、テレセントリック結像光学系70と、を備える。
【0031】
高さ差検出光学系10は、第1のオーバーレイマークOM1と第2のオーバーレイマークOM2との高さ差Δhを測定する役割を果たす。高さ差検出光学系10は、様々な光学素子を用いて構成することができる。高さ差検出光学系10は、オートフォーカス用光学系としても使用することができる。
【0032】
例えば、高さ差検出光学系10は、図5に示すように、光源11と、光源11からのビームを平行にする視準器13(collimation lens)と、ビームスプリッター15と、イメージセンサー19と、を備えることができる。また、結像光学系60、照明光学系40及びテレセントリック結像光学系70と共通に使用するホットミラー17、ビームスプリッター31及び対物レンズ32をさらに備えることができる。
【0033】
光源11としては、レーザーダイオードまたは発光ダイオードを用いることができる。 光源11は赤外線波長帯域の光を生成することができる。
【0034】
光源11で生成された光は、視準器13、ビームスプリッター15を透過する。光源11としてレーザーを用いる場合には、ビームスプリッター15として偏光ビームスプリッターを用いることができる。反射及び透過過程で光量が減少することを最小限に抑えることができるからである。
【0035】
ホットミラー17は、赤外線波長帯域に属する光を反射させる役割を果たす。ホットミラー17で反射された光は、ビームスプリッター31を透過して対物レンズ32に入射する。
【0036】
対物レンズ32は、光をサンプルSの表面の測定位置に集光させ、測定位置での反射された反射光を収集する役割を果たす。対物レンズ32で収集された反射光は、再びビームスプリッター31を透過した後、ホットミラー17で反射される。ホットミラー17で反射された反射光は、ビームスプリッター15からイメージセンサー19側へ反射された後、フォーカスレンズ18によってイメージセンサー19に集光する。赤外線波長帯域に属する光は、ホットミラー17を透過しないので、第1の検出器40には、高さ差の測定に使用される光が入射しない。
【0037】
イメージセンサー19は、サンプルSからの反射光を受光する。イメージセンサー19は、CCDセンサー又はCMOSセンサーであり得る。イメージセンサー19からの画像のコントラスト(Contrast)を分析すると、焦点が合っているか否かを判断することができる。したがって、対物レンズ32とサンプルSとの間の距離による検出器19からの光学信号を分析することにより、第1のオーバーレイマークOM1に焦点が合ったときの対物レンズ32の位置と、第2のオーバーレイマークOM2に焦点が合ったときの対物レンズ32の位置を見つけることができる。そして、これらの位置を比較すると、第1のオーバーレイマークOM1と第2のオーバーレイマークOM2との高さ差Δhを確認することができる。
【0038】
照明光学系20は、オーバーレイマークに照明を照らす役割を果たす。照明光学系は、多様な光学要素を用いて構成することができる。例えば、図5に示すように、照明光学系20は、照明源21、ビームスプリッター22、第1のカラーフィルター24、第2のカラーフィルター25、ミラー23、27、ビームコンバイナー(beam combiner)26、及び対物レンズ32を備えることができる。
【0039】
照明源21は、広い波長帯域の光を発生させる。照明源21としては、ハロゲンランプ、キセノンランプ、スーパーコンチニウムレーザー(supercontinuum laser)、発光ダイオード、レーザー励起ランプ(lase induced lamp)などを用いることができる。
【0040】
ビームスプリッター22は、照明源21から出たビームを2つのビームに分離させる役割を果たす。すなわち、ビームスプリッター22は、照明源21から出たビームの一部を透過させ、一部は反射させることにより、照明源21から出たビームを2つのビームに分離させる。
【0041】
第1のカラーフィルター24は、ビームスプリッター22で分離されたビームのうち、ビームスプリッター22を透過したビームの中心波長及びバンド幅を、現在層に形成された第1のオーバーレイマークOM1の検出に適合するように調節する役割を果たす。例えば、第1のオーバーレイマークOM1をなす物質に対する反射率が高くなるように中心波長を調節することができる。第1のカラーフィルター24は、例えば、互いに並んで配置された複数の円形または線形の可変フィルターを含むことができる。
【0042】
図6は、図5に示された第1のカラーフィルターを通過した第1の照明の波長による強度(intensity)を示す図である。図6に示すように、第1のカラーフィルター24を通過した第1の照明は、中心波長が短くなり、バンド幅が減少する。
【0043】
第2のカラーフィルター25は、ビームスプリッター22で分離されたビームのうち、ビームスプリッター22で反射されたビームの中心波長及びバンド幅を、以前層に形成された第2のオーバーレイマークOM2の検出に適合するように調節する役割を果たす。例えば、第1のオーバーレイマークOM1をなす物質に対する透過率が高く、オーバーレイマークOM1をなす物質に対する反射率が高くなるように中心波長を調節することができる。第2のカラーフィルター25は、例えば、互いに並んで配置された複数の円形または線形の可変フィルターを含むことができる。
【0044】
ビームスプリッター22で反射されたビームは、ビームスプリッター22と第2のカラーフィルター25との間に設置されたミラー(mirror)23によって、第2のカラーフィルター25に向かうようにビームの経路が変更される。
【0045】
図7は、図5に示された第2のカラーフィルターを通過した第2の照明の波長による強度を示す図である。図7に示すように、第2のカラーフィルター25を通過した第2の照明は、中心波長が長くなり、バンド幅が減少する。
【0046】
ビームコンバイナー26は、第1の照明と第2の照明とを合わせる役割を果たす。例えば、第1の照明はビームコンバイナー26を透過し、第2の照明はミラー27によってビームコンバイナー26に向かうようにビームの経路が変更された後、ビームコンバイナー26で反射され、ビームコンバイナー26を透過した第1の照明と再び合わせられる。
【0047】
図8は、図5に示されたビームコンバイナーを通過した照明の波長による強度を示す図である。図8に示すように、ビームコンバイナー26を通過した照明は、第1の照明の波長帯域と第2の照明の波長帯域の両方を含む。
【0048】
ビームコンバイナー26で合わせられた照明は、リレーレンズ28を経てビームスプリッター31で反射されて対物レンズ32に向かう。
【0049】
対物レンズ32は、ビームスプリッター31で反射された照明をサンプルSの測定位置に集光させ、測定位置での反射されたビームを収集する役割を果たす。対物レンズ32は、対物レンズ32とサンプルSとの距離を調節するためのレンズ焦点アクチュエータ33(lens focus actuator)に設置される。
【0050】
図9に示すように、第1の照明(実践)と第2の照明(破線)とが一緒にサンプルSに照らされる。
【0051】
メインビームスプリッター30は、対物レンズ32で収集されたビームを2つのビームに分離する役割を果たす。メインビームスプリッター30は、入射光をスペクトル的に区別される2つの出力ビームに分けるビームスプリッター30であり得る。例えば、メインビームスプリッター30は、チューブビームスプリッターとダイクロイックフィルター(dichroic filter)を含むことができる。ダイクロイックフィルターは、特定波長のビームを透過させるフィルターである。対物レンズ32で収集されたビームは、ビームスプリッター31とホットミラー17を透過した後、メインビームスプリッター30で2つのビームに分離される。すなわち、第1のオーバーレイマークOM1検出用第1のビームと第2のオーバーレイマークOM2検出用第2のビームに分離される。第1のビームは実質的に第1の照明と波長帯域が同一であってもよく、第2のビームは第2の照明と波長帯域が同一であってもよい。
【0052】
図6及び図7に示すように、第1のオーバーレイマークOM1の検出に適合した第1の照明と、第2のオーバーレイマークOM2の検出に適合した第2の照明とは、中心波長に差異があり、バンド幅が狭いので、ダイクロイックフィルターを用いて容易に2つのビームに分離させることができる。
【0053】
第1の検出器40は、メインビームスプリッター30で分離されたビームのうちの1つである第1のビームを受光して第1のオーバーレイマークイメージI1を生成する役割を果たす。
【0054】
図10は、図5に示された第1の検出器で取得された第1のオーバーレイマークイメージI1を示す図である。図10に示すように、第1の検出器40で取得された第1のオーバーレイマークイメージI1は、第1のオーバーレイマークOM1が鮮明に表示され、第2のオーバーレイマークOM2はぼやけて表示される。第1のオーバーレイマークOM1を基準に焦点が合わせられているからである。
【0055】
第2の検出器50は、メインビームスプリッター30で分離されたビームのうちのもう一つである第2のビームを受光して第2のオーバーレイマークイメージI2を生成する役割を果たす。
【0056】
第2の検出器50は、第1の検出器40と同期化されることができる。オーバーレイ測定過程における振動によって発生しうる誤差を最小限に抑えるためである。第1の検出器40と第2の検出器50との同期化は、例えば、検出器コントローラ82でソフトウェア同期化信号を生成し、検出器40、50へ伝達する方法によって行われることができる。このとき、信号の遅延を防ぐために、生成された同期化信号は、光ケーブルを経て検出器40、50へ伝達されることができる。同期化信号は、別途の外部トリガーソースで生成されてもよい。
【0057】
図11は、図5に示された第2の検出器で取得された第2のオーバーレイマークイメージI2を示す図である。図11に示すように、第2の検出器50で取得された第2のオーバーレイマークイメージI2は、第2のオーバーレイマークOM2が鮮明に表示され、第1のオーバーレイマークOM1はぼやけて表示される。テレセントリック結像光学系70によって第2のオーバーレイマークOM2が鮮明に表示されるように第2のビームの光路が調節されたからである。
【0058】
図10のイメージと図11のイメージとを位置合わせると、図12に示すように、第1のオーバーレイマークOM1と第2のオーバーレイマークOM2の両方が鮮明に表示されたオーバーレイマークイメージを取得することができる。
【0059】
結像光学系60は、第1のビームを第1の検出器40に結像させる役割を果たす。
【0060】
図5に示すように、結像光学系60は、チューブレンズ65と第1の光学フィルター68とを含むことができる。また、結像光学系60は、他の光学系の対物レンズ32、ビームスプリッター31、ホットミラー17、メインビームスプリッター30も使用する。
【0061】
対物レンズ32は、サンプルSから反射された光を収集する。 対物レンズ32で収集された光は、メインビームスプリッター30で第1のビームと第2のビームに分割される。メインビームスプリッター30を透過した第1のビームは、チューブレンズ65によって第1の検出器40に集光する。このとき、第1のオーバーレイマークを基準に焦点を合わせる。したがって、第1の検出器40で生成された第1のオーバーレイマークイメージI1では、第1のオーバーレイマークOM1が鮮明に表示され、第2のオーバーレイマークOM2は相対的にぼやけて表示される。
【0062】
第1の光学フィルター68は、第1の検出器40の前段に配置され、第1のビームの中心波長及びバンド幅を第1のオーバーレイマークイメージI1取得用に二次調整する役割を果たす。 第1の光学フィルター68は、線形の可変フィルターまたは回転型の可変フィルターであり得る。 いくつかの実施形態において、第1の光学フィルター68は省略されてもよい。
【0063】
テレセントリック結像光学系70は、第1のオーバーレイマークOM1と第2のオーバーレイマークOM2との高さ差Δhに基づいて第2のビームの光路長を調節して第2のビームを第2の検出器50に結像させる役割を果たす。また、第2のビームの主光線が第2の検出器50に垂直に入射するようにする役割を果たす。
【0064】
テレセントリック結像光学系70は、光路調節部75と、テレセントリックレンズ77と、第2の光学フィルター78と、を含む。
【0065】
光路調節部75は、ミラー71、72、73と、ミラーステージ74と、制御器79とを含む。ミラー71、72、73は、メインビームスプリッター30から反射された第2のビームを反射させて第2の検出器50に入射させる役割を果たす。本実施形態において、光路調節部75は3つのミラー71、72、73を含む。
【0066】
いくつかの実施形態において、ミラーステージ74は、図中の右側に配置される2つのミラー71、72を同時に直線移動させる役割を果たすことができる。これらの2つのミラー71、72を図面上の右側に移動させると、メインビームスプリッター30とミラー71との距離と、ミラー72、73同士間の距離が遠くなることにより、光路が長くなる。
【0067】
制御器79は、高さ差Δhに基づいてミラーステージ74の移動距離を調節する役割を果たす。制御器79は、第2のビームの全光路が第1のビームの全光路に比べて高さ差Δhと第2のオーバーレイマークイメージI2の拡大倍率との積に基づいてミラーステージ74を移動させる。第2のオーバーレイマークイメージI2の拡大倍率は、実際の第2のオーバーレイマークOM2の大きさとイメージ上における第2のオーバーレイマークの大きさとの比率を意味する。
【0068】
いくつかの実施形態において、第2のオーバーレイマークイメージI2の拡大倍率は、第1のオーバーレイマークイメージI1の拡大比率と同一であってもよい。
【0069】
テレセントリックレンズ77は、第2のビームの光路の距離とイメージの拡大倍率とを独立にする役割を果たす。テレセントリックレンズ77は、光軸と第2のビームの主光線とが平行をなすと見なされるレンズである。テレセントリックレンズ77は、メインビームスプリッター30と第2の検出器50との間に配置されることができる。例えば、メインビームスプリッター30と光路調節部75との間に配置されることができる。
【0070】
テレセントリックレンズ77を用いるので、第2のビームの光路が変化しても、第2のオーバーレイマークイメージI2の拡大倍率を固定させることができる。したがって、測定された高さ差Δhに比例してミラーステージ74の移動距離を調節する方法で拡大倍率の変更なしに焦点を合わせることができる。第2の検出器50で生成された第2のオーバーレイマークイメージI2では、第2のオーバーレイマークOM2が鮮明に表示され、第1のオーバーレイマークOM1は相対的にぼやけて表示される。
【0071】
第2の光学フィルター78は、第2の検出器50の前段に配置され、第2のビームの中心波長およびバンド幅を第2のオーバーレイマークイメージI2取得用に二次調整する役割を果たす。第2の光学フィルター78は、線形の可変フィルターまたは回転型の可変フィルターであり得る。いくつかの実施形態において、第2の光学フィルター78は省略されてもよい。
【0072】
以下では、上述したオーバーレイ測定装置を用いたオーバーレイ測定方法について説明する。
【0073】
図13に示すように、オーバーレイ測定方法は、第1のオーバーレイマークと第2のオーバーレイマークとの高さ差Δhを検出するステップ(S1)と、サンプル上のオーバーレイマークに照明を照らすステップ(S2)と、オーバーレイマークからの反射光を2つのビームに分離させるステップ(S3)と、第1のビームを第1の検出器に結像させるステップ(S4)と、第2のビームの光路長を調節するステップ(S5)と、テレセントリックレンズを通過し、長さが調節された光路を経た第2のビームを第2の検出器に結像させるステップ(S6)と、第1の検出器で第1のオーバーレイマークイメージI1を生成し、第2の検出器で第2のオーバーレイマークイメージI2を生成するステップ(S7)と、を含む。
【0074】
第1のオーバーレイマークと第2のオーバーレイマークとの高さ差Δhを検出するステップ(S1)では、コントラスト検出方式や位相差検出方式などのオートフォーカス装置のような高さ差検出光学系を用いて第1のオーバーレイマークOM1と第2のオーバーレイマークOM2との高さ差Δhを検出する。
【0075】
次に、照明光学系を用いてサンプル上のオーバーレイマークに照明を照らす(S2)。
【0076】
図9に示すように、照明は、第1のオーバーレイマークイメージI1の取得に適合した波長帯域と、第2のオーバーレイマークイメージI2の取得に適合した波長帯域とを含む照明であり得る。
【0077】
次に、オーバーレイマークからの反射光を2つのビームに分離させる(S3)。第1のビームは、第1のオーバーレイマークのイメージ取得に適合した波長帯域のビームであり、第2のビームは、第2のオーバーレイマークのイメージ取得に適合した波長帯域のビームであり得る。
【0078】
次に、第1のビームを第1の検出器に結像させる(S4)。
【0079】
本ステップでは、第1のオーバーレイマークOM1のイメージ取得に適合した波長帯域の第1のビームを第1の検出器40に結像させる。
【0080】
次に、第2のビームの光路長を調節する(S5)。
【0081】
本ステップでは、第2のオーバーレイマークOM2に焦点が合うように、S1ステップで検出された高さ差Δhに基づいて、第2のビームの光路長を調節する。第2のオーバーレイマークOM2が下層に形成されるので、第2のビームの光路を増やさなければならない。
【0082】
次に、テレセントリックレンズを通過した第2のビームを第2の検出器に結像させる(S6)。
【0083】
本ステップでは、第2のオーバーレイマークOM2のイメージ取得に適合した波長帯域の第2のビームを第2の検出器50に結像させる。
【0084】
次に、第1の検出器から第1のオーバーレイマークイメージI1を生成し、第2の検出器から第2のオーバーレイマークイメージI2を生成する(S7)。
【0085】
本ステップでは、第1の検出器から第1のオーバーレイマークOM1が鮮明に表示された第1のオーバーレイマークイメージI1を生成する。
【0086】
第1のオーバーレイマークOM1と第2のオーバーレイマークOM2との高さ差が大きいため、第1のオーバーレイマークOM1に焦点が合うと、第2のオーバーレイマークOM2には焦点が合わないので、第1のオーバーレイマークイメージI1では、第2のオーバーレイマークOM2がぼやけて表示される。
【0087】
また、第2の検出器から第2のオーバーレイマークOM2が鮮明に表示された第2のオーバーレイマークイメージI2を生成する。第2のオーバーレイマークイメージI2では、第1のオーバーレイマークOM1がぼやけて表示される。
【0088】
テレセントリックレンズを通過したため、第2のビームの光路が変化しても、第2のオーバーレイマークイメージI2の拡大倍率が変化しない。テレセントリックレンズを使用しなければ、光路長の変化によって第2のオーバーレイマークイメージI2の拡大倍率が変化するので、第1のオーバーレイマークイメージI1と第2のオーバーレイマークイメージI2とを組み合わせてオーバーレイマークイメージを取得し難い。
【0089】
この場合、いくつかの実施形態において、第1のオーバーレイマークイメージI1と第2のオーバーレイマークイメージI2が同時に生成されるように第1の検出器40と第2の検出器50とが、同期化されることができる。オーバーレイ測定過程での振動によって発生しうる誤差を最小限に抑えるためである。
【0090】
そして、第1のオーバーレイマークイメージI1と第2のオーバーレイマークイメージI2とを用いてオーバーレイ誤差を測定する。
【0091】
以上で説明された実施形態は、本発明の好適な実施形態を説明したものに過ぎず、本発明の権利範囲は、説明された実施形態に限定されるものではない。本発明の技術的思想及び特許請求の範囲内でこの分野の当業者によって様々な変更、修正または置換が可能であり、それらの実施形態は本発明の範囲に属するものと理解されるべきである。
【符号の説明】
【0092】
S サンプル
OM1 第1のオーバーレイマーク
OM2 第2のオーバーレイマーク
10 高さ差測定光学系
20 照明光学系
30 メインビームスプリッター
40 第1の検出器
50 第2の検出器
60 結像光学系
70 テレセントリック結像光学系
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13