(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024115523
(43)【公開日】2024-08-26
(54)【発明の名称】オーバーレイ計測装置およびオーバーレイ計測方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/66 20060101AFI20240819BHJP
G03F 7/20 20060101ALI20240819BHJP
【FI】
H01L21/66 J
G03F7/20 521
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024009927
(22)【出願日】2024-01-26
(31)【優先権主張番号】10-2023-0019481
(32)【優先日】2023-02-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】523164931
【氏名又は名称】アウロス テクノロジー インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チェ、ソン ユン
(72)【発明者】
【氏名】ハン、ヒョ シク
【テーマコード(参考)】
2H197
4M106
【Fターム(参考)】
2H197DA03
2H197HA03
2H197JA23
4M106AA01
4M106BA04
4M106CA39
4M106DB04
4M106DB12
4M106DB15
4M106DJ06
4M106DJ12
4M106DJ18
4M106DJ19
4M106DJ20
(57)【要約】 (修正有)
【課題】オーバーレイ計測ターゲットのイメージから作ったパターンノイズ情報から、実計測でノイズとなるピクセルを補正するオーバーレイ計測装置及びオーバーレイ計測方法を提供する。
【解決手段】オーバーレイ計測装置は、オーバーレイ計測ターゲットTを照明する光源部100、対物レンズ210とオーバーレイ計測ターゲットTとの距離を調節するレンズ焦点アクチュエータ220が形成されるレンズ部200、測定位置から反射したビームを介して測定位置での焦点イメージを取得する検出部300、ウェハWが安着するステージ500及びオーバーレイ計測ターゲットTを取得できるようにレンズ部200を制御し、検出部300で検出されたオーバーレイ計測ターゲットTの第1サンプルイメージと第1サンプルイメージを基準にして、180度回転されたオーバーレイ計測ターゲットTに対して検出された第2サンプルイメージを処理し、イメージの差を算出する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェハに形成されたオーバーレイ計測ターゲットに照明を向けるように構成された光源部と、
前記照明を前記オーバーレイ計測ターゲットのうちいずれかの地点の測定位置に集光させる対物レンズと、前記対物レンズと前記オーバーレイ計測ターゲットとの距離を調節するレンズ焦点アクチュエータが形成されるレンズ部と、
前記測定位置から反射したビームを介して前記測定位置での焦点イメージを取得する検出部と、
前記ウェハが安着するステージと、および
前記オーバーレイ計測ターゲットを取得できるように前記レンズ部を制御し、前記検出部で検出された前記オーバーレイ計測ターゲットの第1サンプルイメージと前記第1サンプルイメージを基準にして180度回転された前記オーバーレイ計測ターゲットに対して検出された第2サンプルイメージを処理し、処理されたイメージの差を算出して、オーバーレイを測定するイメージを補正するための補正イメージとして算出する制御部と、
を含む、オーバーレイ計測装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記第1サンプルイメージに対するピクセル情報が含まれた第1イメージ情報を取得し、前記第1サンプルイメージに対するそれぞれのピクセルをピクセルごとに正規化して第1正規化イメージを取得し、
前記第2サンプルイメージに対するピクセル情報が含まれた第2イメージ情報を取得し、前記第2サンプルイメージに対するそれぞれのピクセルをピクセルごとに正規化して第2正規化イメージを取得する、請求項1に記載のオーバーレイ計測装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記第1サンプルイメージを処理して取得された第1正規化イメージと、前記第2サンプルイメージを処理して取得された第2正規化イメージのピクセル別の差を前記補正イメージとして算出する、請求項1に記載のオーバーレイ計測装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記オーバーレイ計測ターゲットの前記第1サンプルイメージおよび前記第2サンプルイメージを保存する保存部と、
前記第1サンプルイメージを形成するそれぞれのピクセルをピクセルごとに正規化して第1正規化イメージを取得し、前記第2サンプルイメージを形成するそれぞれのピクセルをピクセルごとに正規化して第2正規化イメージを取得する正規化処理部と、
前記第1正規化イメージまたは前記第2正規化イメージのうちいずれかを180度回転して、前記第1正規化イメージと前記第2正規化イメージとを比較するイメージ比較部と、および
前記第1正規化イメージと前記第2正規化イメージを形成するそれぞれのピクセル別の差を算出して前記補正イメージとして算出する補正イメージ算出部と、
を含む、請求項1に記載のオーバーレイ計測装置。
【請求項5】
前記制御部は、
複数の測定位置に形成された前記オーバーレイ計測ターゲットのうち、第1測定位置~第n測定位置でそれぞれの第1-1サンプルイメージ~第1-nサンプルイメージを検出するように制御し、前記第1-1サンプルイメージ~前記第1-nサンプルイメージに対するそれぞれのピクセルをピクセルごとに正規化して、第1-1正規化イメージ~第1-n正規化イメージを取得し、
前記第1測定位置~前記第n測定位置でそれぞれの第2-1サンプルイメージ~第2-nサンプルイメージを検出するように制御し、前記第2-1サンプルイメージ~前記2-nサンプルイメージに対するそれぞれのピクセルをピクセルごとに正規化して第2-1正規化イメージ~第2-n正規化イメージを取得し、
前記第1-n正規化イメージを形成するそれぞれのピクセルと前記第2-n正規化イメージを形成するそれぞれのピクセルから互いに対応するピクセル別の差を算出し、n個に対する平均を算出して前記補正イメージとして保存する、請求項1に記載のオーバーレイ計測装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記ステージを回転自在に制御するステージ動作部と、を含み、前記ステージを180度回転して前記第2サンプルイメージを検出する、請求項1に記載のオーバーレイ計測装置。
【請求項7】
前記制御部は、
前記ウェハに形成された第1オーバーレイキーと第2オーバーレイキーの整列を測定するために、前記検出部で検出された測定イメージとスケールが同一であるように、前記補正イメージのスケールを補正して補正スケールイメージを取得するスケール処理部と、および
前記測定イメージから前記補正スケールイメージをピクセル単位で結合または削除して補正するイメージ補正部と、
を含む、請求項1に記載のオーバーレイ計測装置。
【請求項8】
検出部を介してウェハに形成されたオーバーレイ計測ターゲットの第1サンプルイメージを検出し、前記第1サンプルイメージに対するそれぞれのピクセルをピクセルごとに正規化して第1正規化イメージを取得する第1正規化イメージ取得段階と、
前記第1サンプルイメージを基準にして180度回転された前記オーバーレイ計測ターゲットに対して第2サンプルイメージを検出し、前記第2サンプルイメージに対するそれぞれのピクセルをピクセルごとに正規化して第2正規化情報を取得する第2正規化情報取得段階と、および
前記第1サンプルイメージを処理して取得された第1正規化イメージと、前記第2サンプルイメージを処理して取得された第2正規化イメージの差を補正イメージとして算出する補正イメージ算出段階と、
を含む、オーバーレイ計測方法。
【請求項9】
前記第2正規化情報取得段階の前に、
前記第1サンプルイメージから180度回転された前記第2イメージを検出することができるように、前記ステージを180度回転するウェハ回転段階、
をさらに含む、請求項8に記載のオーバーレイ計測方法。
【請求項10】
前記第1正規化イメージ取得段階は、
前記オーバーレイ計測ターゲットの第1測定位置で前記第1サンプルイメージを検出する第1計測段階と、および
前記第1サンプルイメージを形成するそれぞれのピクセルをピクセルごとに正規化して第1正規化イメージを取得する第1正規化処理段階と、
を含み、
前記第2正規化イメージ取得段階は、
前記第1測定位置で前記第2サンプルイメージを検出する第2計測段階と、および
前記第2サンプルイメージを形成するそれぞれのピクセルをピクセルごとに正規化して第2正規化イメージを取得する第2正規化処理段階と、
を含む、請求項8に記載のオーバーレイ計測方法。
【請求項11】
前記第1計測段階において、
複数の測定位置に形成された前記オーバーレイ計測ターゲットのうち、第1測定位置~第n測定位置からそれぞれの第1-1サンプルイメージ~第1-nサンプルイメージを検出し、
前記第1正規化処理段階において、
前記第1-1サンプルイメージ~前記第1-nサンプルイメージに対するそれぞれのピクセルをピクセルごとに正規化して第1-1正規化イメージ~第1-n正規化イメージを取得し、
前記第2計測段階において、
前記第1測定位置~前記第n測定位置からそれぞれの第2-1サンプルイメージ~第2-nサンプルイメージを検出し、
前記第2正規化処理段階において、
前記第2-1サンプルイメージ~前記第2-nサンプルイメージに対するそれぞれのピクセルをピクセルごとに正規化して第2-1正規化イメージ~第2-n正規化イメージを取得する、請求項10に記載のオーバーレイ計測方法。
【請求項12】
前記補正イメージ算出段階において、
前記第1-n正規化イメージおよび前記第2-n正規化イメージを比較して、前記第1-n正規化イメージを形成するそれぞれのピクセルと、および前記第2-n正規化イメージを形成するそれぞれのピクセルから互いに対応するピクセル別の差を算出し、n個に対する平均を算出して前記補正イメージとして保存する、請求項11に記載のオーバーレイ計測装置。
【請求項13】
前記補正イメージ算出段階において、
前記第1正規化イメージまたは前記第2正規化イメージのうちいずれかを180度回転して、前記第1正規化イメージと前記第2正規化イメージとを比較し、前記第1正規化イメージと前記第2正規化イメージを形成するそれぞれのピクセル別の差を算出して補正イメージとして算出する、請求項8に記載のオーバーレイ計測方法。
【請求項14】
前記ウェハに形成された第1オーバーレイキーと第2オーバーレイキーの整列を計測するために、前記検出部で前記オーバーレイ計測ターゲットを測定して測定イメージを検出するイメージ測定段階と、
前記補正イメージのスケールが前記測定イメージとスケールが同一であるように、前記補正イメージのスケールを補正して補正スケールイメージを取得するスケール処理段階と、および
前記測定イメージから前記補正スケールイメージをピクセル単位で結合または削除して補正し、ノイズが除去された計測イメージを取得するイメージ補正段階と、
を含む、請求項8に記載のオーバーレイ計測方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェハのオーバーレイ計測に関し、オーバーレイ計測装置およびオーバーレイ計測方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に技術が発展するにつれて半導体デバイスのサイズが小さくなり、ウェハ上の集積回路の密度は増加している。集積回路をウェハに形成するためには、特定の位置で所望の回路構造および要素が順次形成されるように、多くの製造過程を経なければならない。この製造過程は、ウェハ上にパターン化された層を順次生成するようにする。
【0003】
このような繰り返される積層過程を介して、集積回路内に電気的に活性化されたパターンが生成される。この際、それぞれの構造が製造過程で許容される誤差範囲内で整列されないと、電気的に活性化されたパターン間に干渉が発生し、この現象によって製造された回路の性能および信頼度に問題が生じることがある。このような層間に整列誤差を測定および検証するために計測装置が用いられ、このような計測装置においてウェハに対するイメージでのコントラストまたは位相差を介して焦点の位置を探す。
【0004】
この際、光学装置とステージとの間に微細に垂直整列ができない、あるいは光学装置の整列(Optics alignment)、レンズ性能(Lens quality)、ステージレベル(Stage leveling)などの光学装置における構造的な欠陥から測定誤差の問題が発生した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、前記のような問題点を含んで様々な問題点を解決するためのものであって、オーバーレイ計測ターゲットのイメージから作ったパターンノイズ情報を算出し、これを用いて、実計測でノイズとなるピクセルを補正することができるオーバーレイ計測装置およびオーバーレイ計測方法を提供することを目的とする。しかし、このような課題は例示的なものであり、これにより本発明の範囲が限定されるものではない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態によれば、オーバーレイ計測装置が提供される。前記オーバーレイ計測装置は、ウェハに形成されたオーバーレイ計測ターゲットに照明を向けるように構成された光源部;前記照明を前記オーバーレイ計測ターゲットのいずれかの地点の測定位置に集光させる対物レンズと、前記対物レンズと前記オーバーレイ計測ターゲットとの距離を調節するレンズ焦点アクチュエータが形成されるレンズ部;前記測定位置から反射したビームを介して前記測定位置での焦点イメージを取得する検出部;前記ウェハが安着するステージ;および前記オーバーレイ計測ターゲットが取得できるように前記レンズ部を制御し、前記検出部から検出された前記オーバーレイ計測ターゲットの第1サンプルイメージと前記第1サンプルイメージを基準にして180度回転された前記オーバーレイ計測ターゲットに対して検出された第2サンプルイメージとを処理し、処理されたイメージの差を算出して、オーバーレイを測定するイメージを補正するための補正イメージとして算出する制御部;を含むことができる。
【0007】
本発明の一実施形態によれば、前記制御部は、前記第1サンプルイメージに対するピクセル情報が含まれた第1イメージ情報を取得し、前記第1サンプルイメージに対するそれぞれのピクセルをピクセルごとに正規化して第1正規化イメージを取得し、前記第2サンプルイメージに対するピクセル情報が含まれた第2イメージ情報を取得し、前記第2サンプルイメージに対するそれぞれのピクセルをピクセルごとに正規化して第2正規化イメージを取得することができる。
【0008】
本発明の一実施形態によれば、前記制御部は、前記第1サンプルイメージを処理して取得された第1正規化イメージと、前記第2サンプルイメージを処理して取得された第2正規化イメージとのピクセル別の差を前記補正イメージとして算出することができる。
【0009】
本発明の一実施形態によれば、前記制御部は、前記オーバーレイ計測ターゲットの前記第1サンプルイメージおよび前記第2サンプルイメージを保存する保存部;前記第1サンプルイメージを形成するそれぞれのピクセルをピクセルごとに正規化して第1正規化イメージを取得し、前記第2サンプルイメージを形成するそれぞれのピクセルをピクセルごとに正規化して第2正規化イメージを取得する正規化処理部;前記第1正規化イメージまたは前記第2正規化イメージのいずれかを180度回転して、前記第1正規化イメージと前記第2正規化イメージとを比較するイメージ比較部;および前記第1正規化イメージと前記第2正規化イメージとを形成するそれぞれのピクセル別の差を算出して前記補正イメージとして算出する補正イメージ算出部;を含んでもよい。
【0010】
本発明の一実施形態によれば、前記制御部は、複数の測定位置に形成された前記オーバーレイ計測ターゲットのうち、第1測定位置~第n測定位置でそれぞれの第1-1サンプルイメージ~第1-nサンプルイメージを検出するように制御し、前記第1-1サンプルイメージ~前記第1-nサンプルイメージに対するそれぞれのピクセルをピクセルごとに正規化して、第1-1正規化イメージ~第1-n正規化イメージを取得し、前記第1測定位置~前記第n測定位置でそれぞれの第2-1サンプルイメージ~第2-nサンプルイメージを検出するように制御し、前記第2-1サンプルイメージ~前記第2-nサンプルイメージに対するそれぞれのピクセルをピクセルごとに正規化して第2-1正規化イメージ~第2-n正規化イメージを取得し、前記第1-n正規化イメージを形成するそれぞれのピクセルと前記第2-n正規化イメージを形成するそれぞれのピクセルから互いに対応するピクセル別の差を算出し、n個に対する平均を算出して前記補正イメージとして保存することができる。
【0011】
本発明の一実施形態によれば、前記制御部は、前記ステージを回転自在に制御するステージ動作部;を含み、前記ステージを180度回転して前記第2サンプルイメージを検出することができる。
【0012】
本発明の一実施形態によれば、前記制御部は、前記ウェハに形成された第1オーバーレイキーと第2オーバーレイキーとの整列を測定するために、前記検出部で検出された測定イメージとスケールが同じであるように、前記補正イメージのスケールを補正して補正スケールイメージを取得するスケール処理部;および前記測定イメージから前記補正スケールイメージをピクセル単位で結合または削除して補正するイメージ補正部;を含んでもよい。
【0013】
本発明の一実施形態によれば、オーバーレイ計測方法が提供される。前記オーバーレイ計測方法は、検出部を介してウェハに形成されたオーバーレイ計測ターゲットの第1サンプルイメージを検出し、前記第1サンプルイメージに対するそれぞれのピクセルをピクセルごとに正規化して第1正規化イメージを取得する第1正規化イメージ取得段階;前記第1サンプルイメージを基準にして180度回転された前記オーバーレイ計測ターゲットに対して第2サンプルイメージを検出し、前記第2サンプルイメージに対するそれぞれのピクセルをピクセルごとに正規化して第2正規化情報を取得する第2正規化情報取得段階;および前記第1サンプルイメージを処理して取得された第1正規化イメージと、前記第2サンプルイメージを処理して取得された第2正規化イメージとの差を補正イメージとして算出する補正イメージ算出段階;を含んでもよい。
【0014】
本発明の一実施形態によれば、前記第2正規化情報取得段階の前に、前記第1サンプルイメージから180度回転された前記第2イメージを検出することができるように、前記ステージを180度回転するウェハ回転段階;をさらに含んでもよい。
【0015】
本発明の一実施形態によれば、前記第1正規化イメージ取得段階は、前記オーバーレイ計測ターゲットの第1測定位置で前記第1サンプルイメージを検出する第1計測段階;および前記第1サンプルイメージを形成するそれぞれのピクセルをピクセルごとに正規化して第1正規化イメージを取得する第1正規化処理段階;を含み、前記第2正規化イメージ取得段階は、前記第1測定位置で前記第2サンプルイメージを検出する第2計測段階;および前記第2サンプルイメージを形成するそれぞれのピクセルをピクセルごとに正規化して第2正規化イメージを取得する第2正規化処理段階;を含んでもよい。
【0016】
本発明の一実施形態によれば、前記第1計測段階において、複数の測定位置に形成された前記オーバーレイ計測ターゲットのうち、第1測定位置~第n測定位置からそれぞれの第1-1サンプルイメージ~第1-nサンプルイメージを検出し、前記第1正規化処理段階において、前記第1-1サンプルイメージ~前記第1-nサンプルイメージに対するそれぞれのピクセルをピクセルごとに正規化して第1-1正規化イメージ~第1-n正規化イメージを取得し、前記第2計測工程において、前記第1測定位置~前記第n測定位置からそれぞれの第2-1サンプルイメージ~第2-nサンプルイメージを検出し、前記第2正規化処理段階において、前記第2-1サンプルイメージ~前記第2-nサンプルイメージに対するそれぞれのピクセルをピクセルごとに正規化して第2-1正規化イメージ~第2-n正規化イメージを取得することができる。
【0017】
本発明の一実施形態によれば、前記補正イメージ算出段階において、前記第1-n正規化イメージおよび前記第2-n正規化イメージを比較して、前記第1-n正規化イメージを形成するそれぞれのピクセルと、および前記第2-n正規化イメージを形成するそれぞれのピクセルから互いに対応するピクセル別の差を算出し、n個に対する平均を算出して前記補正イメージとして保存することができる。
【0018】
本発明の一実施形態によれば、前記補正イメージ算出段階において、前記第1正規化イメージまたは前記第2正規化イメージのいずれかを180度回転して、前記第1正規化イメージと前記第2正規化イメージとを比較し、前記第1正規化イメージと前記第2正規化イメージを形成するそれぞれのピクセル別の差を算出して補正イメージとして算出することができる。
【0019】
本発明の一実施形態によれば、前記ウェハに形成された第1オーバーレイキーと第2オーバーレイキーとの整列を計測するために、前記検出部で前記オーバーレイ計測ターゲットを測定して測定イメージを検出するイメージ測定段階;前記補正イメージのスケールが前記測定イメージとスケールとが同じであるように、前記補正イメージのスケールを補正して補正スケールイメージを取得するスケール処理段階;および前記測定イメージにおいて、前記補正スケールイメージをピクセル単位で結合または削除して補正してノイズが除去された計測イメージを取得するイメージ補正段階;を含んでもよい。
【発明の効果】
【0020】
前記のように構成された本発明のいくつかの実施形態によれば、ピクセル単位の正規化を介して補正イメージを算出し、測定イメージに適用して、正確な測定イメージを算出することができ、これにより測定正確度が高くなり、補正イメージデータに基づく自動最適化により、一貫した結果の導出が可能である。
【0021】
また、既存のオーバーレイ測定装置において別途の構造的な追加や変更なしで、プロセッサの変更により補正値を算出することができ、オーバーレイ測定装置およびウェハごとに発生する誤差を自動的に算出し、これを実際のオーバーレイ計測に反映して、測定レシピを最適化することができる効果を有する。もちろん、このような効果によって本発明の範囲が限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の一実施形態によるオーバーレイ計測装置を概略的に示す図である。
【
図2】本発明のオーバーレイ計測装置の制御部を示す図である。
【
図3】本発明の一実施形態によるオーバーレイ計測方法を示すフローチャートである。
【
図4】本発明の一実施形態によるオーバーレイ計測方法を示すフローチャートである。
【
図5】本発明の一実施形態によるオーバーレイ計測方法を示すフローチャートである。
【
図6】本発明の一実施形態によるオーバーレイ計測方法を示すフローチャートである。
【
図7】本発明の一実施形態によるオーバーレイ計測方法を示すフローチャートである。
【
図8】本発明の一実施形態による補正イメージを示す図である。
【
図9】(a)および(b)は、本発明の一実施形態による補正イメージの適用可否による計測イメージを比較した図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付の図面を参照して本発明の好ましいいくつかの実施形態を詳細に説明する。
【0024】
本発明の実施形態は、当技術分野において通常の知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものであり、以下の実施形態は種々の他の形態に変形することができ、本発明の範囲が下記の実施形態に限定されるものではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示をより忠実かつ完全にし、当業者に本発明の精神を完全に伝達するために提供されるものである。なお、図面における各層の厚さや大きさは、説明の便宜および明確性のために誇張されたものである。
【0025】
以下、本発明の実施形態は、本発明の理想的な実施形態を概略的に示す図面を参照して説明する。図面において、例えば、製造技術および/または公差(tolerance)に応じて、図示された形状の変形が予想され得る。したがって、本発明の思想の実施形態は、本明細書に示された領域の特定の形状に制限されるものと解釈されるべきではなく、例えば製造上生じる形状の変化を含むべきである。
【0026】
オーバーレイ計測システムは、ウェハWに形成された異なる層にそれぞれ形成された第1オーバーレイキーと第2オーバーレイキーとの誤差を計測するシステムである。
【0027】
例えば、前記第1オーバーレイキーは、前の層(previous layer)に形成されたオーバーレイマークであり、前記第2オーバーレイキーは、現在の層(current layer)に形成されたオーバーレイマークであり得る。オーバーレイマークは、ダイ領域に半導体デバイスを形成するための層を形成すると同時に、スクライブラインに形成される。例えば、前記第1オーバーレイキーは絶縁膜パターンと共に形成され、前記第2オーバーレイキーは絶縁膜パターン上に形成されるフォトレジストパターンと共に形成されてもよい。この場合、前記第2オーバーレイキーは外部に露出しているが、前記第1オーバーレイキーはフォトレジスト層によって隠れた状態であり、フォトレジスト材料からなる前記第2オーバーレイキーとは光学的性質が異なる酸化物からなることができる。
【0028】
また、前記第1オーバーレイキーと前記第2オーバーレイキーの物理的位置は互いに異なるが、焦点面は同一または異なってもよい。
【0029】
図1は、本発明の一実施形態によるオーバーレイ計測装置を概略的に示す図であり、
図2は、本発明のオーバーレイ計測装置の制御部400を示す図である。
【0030】
まず、本発明の一実施形態に係るオーバーレイ計測装置は、大きく、光源部100、レンズ部200、検出部300、制御部400およびステージ500を含んでもよい。
【0031】
図1に示すように、少なくとも1つの照明源からオーバーレイ計測ターゲットTに照明を向けることができる。具体的に、光源部100は、第1レイヤーに形成される第1オーバーレイキーと、第1レイヤーの上方に積層された第2レイヤーに形成される第2オーバーレイキーとが位置するオーバーレイ計測ターゲットTに照明を向けるように構成することができる。
【0032】
例えば、光源部100は、ハロゲンランプ、キセノンランプ、スーパーコンチニウムレーザー(supercontinuum laser)、発光ダイオード、レーザー励起ランプ(laser induced lamp)などで形成されることができ、紫外線(UV、ultraviolet)、可視光線または赤外線(IR、infrared)などの様々な波長を含むことができ、これに限定されない。
【0033】
本発明の一実施形態によるオーバーレイ計測装置は、絞り110、スペクトルフィルタ120、偏光フィルタ130、およびビームスプリッタ140を含んでもよい。
【0034】
絞り110は、光が通過する開口が形成された不透明なプレートで形成されてもよく、光源部100から照射されたビームがオーバーレイ計測ターゲットTの撮影に適した形態に変更されることができる。
【0035】
絞り110は、光の量を調節する開口絞り(Aperture stop)および象の結ばれる範囲を調節する視野絞り(Field Stop)のいずれか1つ以上を含んでもよく、
図1に示すように、光源部100とビームスプリッタ140との間に形成されることができ、図示はしないが、ビームスプリッタ140とレンズ部200との間に形成されてもよい。
【0036】
スペクトルフィルタ120は、光源部100から照射されたビームの中心波長およびバンド幅をオーバーレイ計測ターゲットTのイメージ取得に適合するように調節することができる。例えば、スペクトルフィルタ120は、フィルタホイール、線状並進デバイス、フリッパーデバイス、およびそれらの組み合わせのうち少なくとも1つ以上から形成することができる。
【0037】
ビームスプリッタ140は、光源部100から出た後、絞り110を通過したビームの一部は透過し、一部は反射して光源部100から出たビームを2つのビームに分離させる。
【0038】
図1に示すように、レンズ部200は、前記照明をオーバーレイ計測ターゲットTのうちいずれかの地点の測定位置に集光させる対物レンズ210と対物レンズ210とオーバーレイ計測ターゲットTとの距離を調節するレンズ焦点アクチュエータ220が形成されてもよい。
【0039】
対物レンズ210は、ビームスプリッタ140から反射したビームをウェハWのオーバーレイ計測ターゲットTが形成された測定位置にビームを集光させ、反射されたビームを収集することができる。
【0040】
対物レンズ210は、レンズ焦点アクチュエータ220(lens focus actuator)に設置されてもよい。
【0041】
レンズ焦点アクチュエータ220は、対物レンズ200とウェハWとの間の距離を調節して、焦点面がオーバーレイ計測ターゲットTの最適領域に位置するように調節することができる。
【0042】
レンズ焦点アクチュエータ220は、制御部400の制御により、対物レンズ200をウェハW方向に垂直移動させて焦点距離を調節することができる。
【0043】
この際、前記測定位置は、オーバーレイ計測ターゲットTの少なくともいずれかの地点に形成されることができる。また、前記測定位置は、レンズ部200、検出部300の駆動によって複数の測定位置を含んでもよく、レンズ焦点アクチュエータ220の駆動に応じて複数の測定領域、焦点深度のいずれも含むことができる。
【0044】
図1に示すように、検出部300は、前記測定位置から反射したビームを介して前記測定位置での焦点イメージを取得することができる。
【0045】
検出部300は、オーバーレイ計測ターゲットTから反射したビームがビームスプリッタ140を通過して出るビームをキャプチャーして、オーバーレイ計測ターゲットTのイメージを取得することができる。
【0046】
検出部300は、オーバーレイ計測ターゲットTから反射したビームを測定することができる光学検出器を含んでもよく、例えば、前記光学検出器は、光を電荷に変換してイメージを抽出する電荷結合素子(CCD、charge-coupled device)、集積回路の一つである相補型金属酸化膜半導体(CMOS、complementary metal-oxide-semiconductor)センサー、光を測定する光電増幅管(PMT、photomultiplier tube)、光検波器としてAPD(avalanche photodiode)アレイあるいはイメージを生成またはキャプチャーする様々なセンサなどを含んでもよい。
【0047】
検出部300は、フィルタ、偏光板、ビームブロックを含んでもよく、対物レンズ210によって収集された照明を収集するための任意の収集光学コンポーネント(図示せず)をさらに含んでもよい。
【0048】
図1に示すように、制御部400は、光源部100から照射される照明の指向を制御することができ、前記照明をオーバーレイ計測ターゲットTに集光させ、反射ビームを収集できるようにレンズ部200を制御することができ、レンズ部200から収集された前記反射ビームを介して測定された焦点イメージを取得できるように検出部300を制御することができる。例えば、制御部400は、オーバーレイ計測ターゲットTの予め設定された設定値に応じて、前記測定領域、前記測定位置または前記焦点深度を変更して、オーバーレイ計測ターゲットTの位置別、深度別のイメージを取得できるように、光源部100、レンズ部200および検出部300を制御することができる。
【0049】
制御部400は、オーバーレイ計測ターゲットTから測定イメージを検出する場合、光学装置の整列(Optics alignment)、レンズ性能(Lens quality)、ステージレベル(Stage leveling)などの影響で発生する構造的な誤差を補正するための補正値を算出し、前記補正値を測定イメージに適用して、正確な測定イメージを算出し、より正確な測定イメージを介してオーバーレイ計測が可能である。
【0050】
本発明の一実施形態によるオーバーレイ計測装置の制御部400は、検出部300で検出されたオーバーレイ計測ターゲットTの第1サンプルイメージと第1サンプルイメージを基準にして180度回転して検出された第2サンプルイメージを処理し、処理されたイメージの差を算出して、オーバーレイを測定するイメージを補正するための補正イメージとして算出することができる。
【0051】
具体的には、制御部400は、第1サンプルイメージに対するピクセル情報が含まれた第1イメージ情報を取得し、第1サンプルイメージに対するそれぞれのピクセルをピクセルごとに正規化して第1正規化イメージを取得することができ、第2サンプルイメージに対するピクセル情報が含まれた第2イメージ情報を取得し、第2サンプルイメージに対するそれぞれのピクセルをピクセルごとに正規化して第2正規化イメージを取得することができる。
【0052】
この際、ピクセル(pixel)は、イメージを構成する最小の単位として色相情報を有する矩形の点(dot)であり、ピクセルの集合でイメージが構成される。
【0053】
次いで、制御部400は、第1サンプルイメージを処理して取得された第1正規化イメージと、第2サンプルイメージを処理して取得された第2正規化イメージとのピクセル別の差を補正イメージとして算出することができる。
【0054】
例えば、制御部400は、光源動作部410、レンズ動作部420、ステージ動作部430、保存部440、正規化処理部450、イメージ比較部460および補正イメージ算出部470を含んでもよい。
【0055】
図2に示すように、光源動作部410は、光源部100から照射される照明の指向を制御することができ、レンズ動作部420は、前記照明がオーバーレイ計測ターゲットTに集光され、前記測定位置、前記測定領域および前記焦点深度別にイメージを取得するように、レンズ焦点アクチュエータ220の動作を制御することができる。
【0056】
図2に示すように、保存部430は、検出部300で取得されたオーバーレイ計測ターゲットTの第1サンプルイメージおよび第2サンプルイメージを保存することができる。
【0057】
例えば、レンズ動作部420において、対物レンズ210とオーバーレイ計測ターゲットTの予め設定された測定位置でイメージを測定し、第1サンプルイメージとして保存部430に保存され、前記第1測定位置から180度回転したオーバーレイ計測ターゲットTのイメージを測定して、第2サンプルイメージとして保存部430に保存されることができる。
【0058】
この際、ステージ動作部430でステージ500を180度回転するように制御して第2サンプルイメージを検出することができる。また、検出部300を既存の位置から180度回転してオーバーレイ計測ターゲットTを測定し、第1サンプルイメージから180度回転した第2サンプルイメージを検出することができる。
【0059】
正規化処理部450は、それぞれのサンプルイメージを比較してノイズを算出することができるように、サンプルイメージを平均と標準偏差を計算して正規化(Normalization)することができる。
【0060】
この際、前記正規化はすべてのデータの中から最小値を0、最大値を1にし、残りの値は比率を合わせてすべて0と1の間の値にスケーリングする最小-最大正規化(Min-Max Normalization)、標準化(Standardization)、平均からの標準偏差を割って標準正規分布の属性を有するように再調整するZ-スコア正規化(Z-Score Normalization)などを含むことができる。
【0061】
すなわち、正規化処理部450は、サンプルイメージの全てのピクセルポイントが同程度のスケールで反映されるようにイメージを処理するプログラムであり、正規化処理部450は[式1]のように表すことができる。
【0062】
【0063】
(ここで、Imgf:正規化イメージ、RealImg:サンプルイメージ、σ:標準偏差)
【0064】
すなわち、正規化処理部450は、サンプルイメージRealImgを標準偏差で割って、ピクセル別の正規化処理された正規化イメージImgfを取得することができる。
【0065】
例えば、正規化処理部450は、第1サンプルイメージを[式1]に適用してそれぞれのピクセルをピクセルごとに正規化して第1正規化イメージを取得し、第2サンプルイメージを形成するそれぞれのピクセルをピクセルごとに正規化して第2正規化イメージを取得することができる。
【0066】
イメージ比較部460は、同じ測定位置で測定されたサンプルイメージを比較するプログラムであり、具体的には、第1正規化イメージまたは第2正規化イメージのいずれかを180度回転して、第1正規化イメージと第2正規化イメージを比較することができる。
【0067】
例えば、ステージ500が180度回転され、第2サンプルイメージから取得された第2正規化イメージを第1正規化イメージと同じ方向に180度回転させ、同じ位置で互いに対応するピクセルを比較することができる。
【0068】
補正イメージ算出部470は、同一のイメージを比較してノイズを算出するプログラムであり、具体的には、第1正規化イメージと第1正規化イメージと同じ方向に180度回転した第2正規化イメージから互いに対応するピクセルの差を算出し、その平均値から補正イメージを算出することができる。
【0069】
この際、補正イメージ算出部470は、[式2]のように表すことができる。この際、第1正規化イメージは0度正規化イメージImgf0であり、第2正規化イメージは180度正規化イメージImgf180であり得る。
【0070】
【0071】
(ここで、Imgdiff:補正イメージ、Imgf0:0度正規化イメージ、Imgf180:180度正規化イメージ)
【0072】
すなわち、補正イメージ算出部470は、第1正規化イメージImgf0と第2正規化イメージImgf180との差を平均である2で割って、補正イメージを取得することができる。この際、前記補正イメージは保存部440に保存されてもよく、オーバーレイ計測時に前記補正イメージを適用して測定イメージの補正が可能である。
【0073】
本発明の他の実施形態によれば、制御部400は、前記補正イメージが複数の測定位置で測定されたイメージから算出されるように制御することができる。
【0074】
具体的には、制御部400は、複数の測定位置に形成された前記オーバーレイ計測ターゲットTのうち、第1測定位置~第n測定位置でそれぞれの第1-1サンプルイメージ~第1-nサンプルイメージを検出するように制御し、前記第1-1サンプルイメージ~前記第1-nサンプルイメージに対するそれぞれのピクセルをピクセルごとに正規化して、第1-1正規化イメージ~第1-n正規化イメージを取得することができる。
【0075】
また、制御部400は、前記第1測定位置~前記第n測定位置でそれぞれの第2-1サンプルイメージ~第2-nサンプルイメージを検出するように制御し、前記第2-1サンプルイメージ~前記第2-nサンプルイメージに対するそれぞれのピクセルをピクセルごとに正規化して、第2-1正規化イメージ~第2-n正規化イメージを取得することができる。
【0076】
次いで、制御部400は、前記第1-n正規化イメージを形成するそれぞれのピクセルと前記第2-n正規化イメージを形成するそれぞれのピクセルとで互いに対応するピクセル別の差を算出し、n個に対する平均を算出して前記補正イメージとして保存することができる。
【0077】
例えば、検出部300で第1測定位置および第2測定位置のそれぞれの1次イメージを測定して保存部440に第1-1サンプルイメージおよび第1-2サンプルイメージが保存され、ステージ動作部430でステージ500が180度回転するように制御した後、検出部300は、第1測定位置および第2測定位置を探して移動してそれぞれのイメージを2次測定して保存部440に第2-1サンプルイメージおよび第2-2サンプルイメージが保存されることができる。
【0078】
正規化処理部450において、前記第1-1サンプルイメージ、前記第1-2サンプルイメージ、前記第2-1サンプルイメージ、および前記第2-2サンプルイメージをそれぞれ[式1]に適用してそれぞれの正規化イメージ、すなわち、第1-1正規化イメージ、第1-2正規化イメージ、第2-1正規化イメージ、および第2-2正規化イメージを取得することができる。
【0079】
イメージ比較部460において、前記第1-1正規化イメージと前記第2-1正規化イメージとを比較し、前記第2-1正規化イメージと前記第2-2正規化イメージとを比較することができる。
【0080】
よって、補正イメージ算出部470で前記第1-1正規化イメージと前記第2-1正規化イメージとで互いに対応するピクセルの差で第1補正値を算出し、前記第1-2正規化イメージと前記第2-2正規化イメージから互いに対応するピクセルの差で第2補正値を算出し、前記第1補正値と前記第2補正値の平均から補正イメージを算出することができる。
【0081】
すなわち、複数の測定位置で測定されたイメージから算出された補正イメージとして補正信頼性をさらに高めることができる。
【0082】
本発明の一実施形態によれば、保存部400に保存された前記補正イメージをオーバーレイ計測ターゲットTの整列を計測するために検出された測定イメージに適用するために、スケール処理部480およびイメージ補正部490を含んでもよい。
【0083】
ウェハWのオーバーレイ計測のために、検出部300ではイメージを測定して測定イメージを検出することができる。この際、前記測定イメージに含まれた光学装置の整列(Optics alignment)、レンズ性能(Lens quality)、ステージレベル(Stage leveling)などの影響で発生する構造的な誤差を補正するために、前記測定イメージに、前述のようにして算出された前記補正イメージを適用して構造的な誤差を補正し、補正された計測イメージからオーバーレイを計測する。
【0084】
この際、スケール処理部480は、前記補正イメージが前記測定イメージに適用されるように、前記補正イメージおよび前記測定イメージのピクセルスケールが同一であるように補正することができる。
【0085】
具体的には、スケール処理部480は、前記補正イメージのピクセルスケールが前記測定イメージのピクセルスケールと同一であるようにスケールを補正するプログラムである。
【0086】
イメージ補正部490は、前記測定イメージから前記補正スケールイメージをピクセル単位で結合または削除して補正することができる。すなわち、測定イメージImgrealから補正スケールイメージImgdiff*σrealを除去して計測イメージImgsaveを算出することができる。
【0087】
例えば、[式3]に示すように、補正イメージImgdiffに測定イメージのスケール標準偏差σrealを適用して補正スケールイメージImgdiff*σrealを算出することができ、測定イメージImgrealから補正スケールイメージImgdiff*σrealを削除して、計測イメージImgsaveを算出することができる。
【0088】
【0089】
(ここで、Imgsave:計測イメージ、Imgreal:測定イメージ、Imgdiff:補正イメージ、σreal:測定イメージのスケール標準偏差)
【0090】
また、制御部400で行われる一連の過程は、使用者がモニタリングできるように表示部(図示せず)を含み、使用者が直接制御できる入力部(図示せず)を含んでもよい。
【0091】
すなわち、前記表示部を介して保存部440に保存されたサンプルイメージと測定イメージ、正規化処理部450で取得された正規化イメージ、イメージ比較部460および補正イメージ算出部470で算出された補正イメージ、スケール処理部480およびイメージ補正部490で算出された計測イメージを確認することができ、前記入力部を通じて使用者が光源動作部410、レンズ動作部420、ステージ動作部430を直接制御したり、正規化イメージ、補正イメージ、スケール補正イメージなどを表すピクセル情報を直接選定、変更および算出することができる。
【0092】
制御部400は、イメージ補正情報、フィルタ最適化情報、絞り最適化情報、フォーカス最適化情報、ピンホール最適化情報を介してオーバーレイ計測レシピを自動的に最適化するARO(Auto Recipe Optimization)プログラムを含んでもよい。
【0093】
他にも、オーバーレイ計測装置は、制御部400によってオーバーレイ計測装置の各構成の動作を制御するようにする命令語、プログラム、ロジックなどを保存するメモリなどを含んでもよく、必要に応じて構成要素が付加、変更、または削除されてもよい。
【0094】
すなわち、本発明のオーバーレイ計測装置であって、光学装置の整列(Optics alignment)、レンズ性能(Lens quality)、ステージレベル(Stage leveling)などの影響で発生する構造的な誤差を補正するための補正イメージを算出することができ、前記補正イメージを測定イメージに適用して、構造的な誤差が補正された正確な測定イメージを算出し、これを通じて、より正確なオーバーレイ計測が可能である。
【0095】
図3~
図7は、本発明の一実施形態によるオーバーレイ計測方法を示すフローチャートである。
【0096】
本発明の一実施形態によるオーバーレイ計測方法は、第1正規化イメージ取得段階S100、第2正規化イメージ取得段階S200、および補正イメージ算出段階S300を含むことができる。
【0097】
第1正規化イメージ取得段階S100は、検出部300を介してウェハに形成されたオーバーレイ計測ターゲットTの第1サンプルイメージを検出し、第1サンプルイメージに対するそれぞれのピクセルをピクセルごとに正規化して第1正規化イメージを取得する段階である。
【0098】
具体的には、
図5に示すように、第1正規化イメージ取得段階S100は、第1計測段階S110および第1正規化処理段階S120を含んでもよい。
【0099】
第1計測段階S110は、検出部300を介してオーバーレイ計測ターゲットTの第1測定位置で第1サンプルイメージを検出する段階であり、第1正規化処理段階S120は、第1サンプルイメージを形成するそれぞれのピクセルをピクセルごとに正規化して第1正規化イメージを取得する段階である。
【0100】
具体的には、第1正規化処理段階S120は、第1サンプルイメージを標準偏差で割って、ピクセル別の正規化処理された正規化イメージを取得する段階である。例えば、第1正規化処理段階S120は、第1サンプルイメージを[式1]に適用してそれぞれのピクセルをピクセルごとに正規化して第1正規化イメージを取得することができる。
【0101】
【0102】
(ここで、Imgf:正規化イメージ、RealImg:サンプルイメージ、σ:標準偏差)
【0103】
図1および
図5に示すように、第2正規化イメージ取得段階S200は、第1サンプルイメージを基準にして180度回転して検出された第2サンプルイメージを検出し、第2サンプルイメージに対するそれぞれのピクセルをピクセルごとに正規化して第2正規化情報を取得する段階である。
【0104】
具体的には、
図5に示すように、第2正規化イメージ取得段階S200は、第2計測段階S210および第2正規化処理段階S220を含んでもよい。
【0105】
第2計測段階S210は、検出部300を介して第1サンプルイメージが検出された同じ位置である第1測定位置で第2サンプルイメージを検出する段階であり、第2正規化処理段階S220は、第2サンプルイメージを形成するそれぞれのピクセルをピクセルごとに正規化して第2正規化イメージを取得する段階である。
【0106】
具体的には、第2正規化処理段階S220は、第1正規化処理段階S120と同じ方式で、第2サンプルイメージを標準偏差で割って、ピクセル別の正規化処理された正規化イメージを取得する段階である。すなわち、第2サンプルイメージを前記[式1]に適用してそれぞれのピクセルをピクセルごとに正規化して第2正規化イメージを取得することができる。
【0107】
この際、第1正規化イメージ取得段階S100および第1正規化イメージ取得段階S200において、サンプルイメージは、複数の測定位置で測定されたイメージで測定され、後述する補正イメージを算出することができる。
【0108】
図6に示すように、第1計測段階S110は、複数の測定位置に形成されたオーバーレイ計測ターゲットTのうち、第1測定位置~第n測定位置でそれぞれの第1-1サンプルイメージ~第1-nサンプルイメージを検出する段階である。
【0109】
例えば、第1計測段階S110において、第1測定位置および第2測定位置のそれぞれの一次イメージを測定して保存部440に第1-1サンプルイメージおよび第1-2サンプルイメージが保存されてもよい。
【0110】
この際、第1正規化処理段階S120は、第1-1サンプルイメージ~第1-nサンプルイメージに対するそれぞれのピクセルをピクセルごとに正規化して、第1-1正規化イメージ~第1-n正規化イメージを取得する段階である。
【0111】
例えば、第1正規化処理段階S120では、第1計測段階S110で保存された第1-1サンプルイメージおよび第1-2サンプルイメージを、それぞれ上述した[式1]に適用してそれぞれの正規化イメージ、すなわち、第1-1正規化イメージおよび第1-2正規化イメージを取得することができる。
【0112】
また、
図6に示すように、第2計測段階S210は、第1測定位置~第n測定位置でそれぞれの第2-1サンプルイメージ~第2-nサンプルイメージを検出する段階である。
【0113】
例えば、第2正規化イメージ取得段階S200において、検出部300が第1測定位置および第2測定位置を探して移動され、第1測定位置および第2測定位置それぞれのイメージを2次測定して保存部440に第2-1サンプルイメージおよび第2-2サンプルイメージが保存され得る。
【0114】
具体的には、第2正規化処理段階S220において、第2-1サンプルイメージ~第2-nサンプルイメージに対するそれぞれのピクセルをピクセルごとに正規化して、第2-1正規化イメージ~第2-n正規化イメージを取得することができる。
【0115】
例えば、第2正規化処理段階S220では、第2計測段階S210で保存された第2-1サンプルイメージおよび第2-2サンプルイメージをそれぞれ前述の[式1]に適用して、それぞれの正規化イメージ、すなわち、第2-1正規化イメージおよび第2-2正規化イメージを取得することができる。
【0116】
図4に示すように、第2正規化イメージ取得段階S200の前に、第1サンプルイメージから180度回転した第2イメージを検出することができるように、ステージ500を180度回転するウェハ回転段階S400をさらに含んでもよい。
【0117】
ウェハ回転段階S400において、ステージ500が180度回転して第2サンプルイメージから得られた第2正規化イメージを第1正規化イメージと同じ方向に180度回転させ、同じ位置で互いに対応するピクセルを比較することができる。
【0118】
また、複数の測定位置でサンプルイメージを測定する場合、ウェハ回転段階S400は、検出部300にて第1測定位置および第2測定位置でそれぞれの一次イメージを測定し、ステージ動作部430でステージ500が180度回転した後、第1測定位置および第2測定位置を探して移動してそれぞれのイメージを2次測定して第2-1サンプルイメージおよび第2-2サンプルイメージを測定することができる。
【0119】
他にも、ウェハ回転段階S400は、ウェハWが回転されたイメージを測定することができるように、ステージ500が回転するのではなく、検出部300を既存の位置から180度回転して、検出部300から見たとき、回転したウェハWのオーバーレイ計測ターゲットTを測定して、第1サンプルイメージから180度回転した第2サンプルイメージを測定することができる。
【0120】
図3~
図7に示すように、補正イメージ算出段階S300は、第1サンプルイメージを処理して取得された第1正規化イメージと、第2サンプルイメージを処理して取得された第2正規化イメージの差を補正イメージとして算出する段階である。
【0121】
具体的には、補正イメージ算出段階S300は、第1正規化イメージまたは第2正規化イメージのいずれかを180度回転して、第1正規化イメージと第2正規化イメージとを比較し、第1正規化イメージと第2正規化イメージを形成するそれぞれのピクセル別の差を算出して補正イメージとして算出する段階である。
【0122】
例えば、補正イメージ算出段階S300では、第2正規化イメージを第1正規化イメージと同じ方向に180度回転させ、同じ位置で互いに対応するピクセルの差を算出してその平均値から補正イメージを算出することができる。
【0123】
この際、補正イメージ算出段階S300は、[式2]のように、第1正規化イメージImgf0と第2正規化イメージImgf180との差を平均である2で割って、補正イメージを取得することができる。
【0124】
【0125】
(ここで、Imgdiff:補正イメージ、Imgf0:0度正規化イメージ、Imgf180:180度正規化イメージ)
【0126】
また、複数の測定位置でサンプルイメージを測定する場合、補正イメージ算出段階S300において、第1-n正規化イメージおよび第2-n正規化イメージを比較して、第1-n正規化イメージを形成するそれぞれのピクセルと、および第2-n正規化イメージを形成するそれぞれのピクセルから互いに対応するピクセル別の差を算出し、n個に対する平均を算出して前記補正イメージとして保存することができる。
【0127】
例えば、補正イメージ算出段階S300において、第1-1正規化イメージと第2-1正規化イメージから互いに対応するピクセルの差で第1補正値を算出し、第1-2正規化イメージと第2-2正規化イメージから互いに対応するピクセルの差で第2補正値を算出して、第1補正値と第2補正値の平均で補正イメージを算出し、補正信頼性をさらに高めることができる。
【0128】
例えば、
図8に示すように、第1正規化イメージと第2正規化イメージのピクセルの差を算出して補正イメージが算出されてもよい。ただし、
図8は、前記補正イメージを例示するための図であり、オーバーレイ計測ターゲットTのイメージに応じて様々な形態、模様、大きさに限定されずに形成されることができる。
【0129】
本発明の一実施形態によるオーバーレイ計測方法は、イメージ計測段階S500、スケール処理段階S600、およびイメージ補正段階S700を含んでもよい。
【0130】
イメージ計測段階S500は、ウェハWに形成された第1オーバーレイキーと第2オーバーレイキーの整列を計測するために、検出部300でオーバーレイ計測ターゲットTを測定して測定イメージを検出する段階である。
【0131】
図7に示すように、スケール処理段階S600は、補正イメージのスケールが測定イメージとスケールが同一であるように、補正イメージのスケールを補正して補正スケールイメージを取得する段階である。
【0132】
具体的には、スケール処理段階S600は、補正イメージおよび測定イメージのピクセルスケールが同一であるように、補正イメージImgdiffに測定イメージのスケール標準偏差σrealを適用して補正スケールイメージImgdiff*σrealを算出する段階である。
【0133】
図7に示すように、イメージ補正段階S700は、測定イメージから補正スケールイメージをピクセル単位で結合または削除して補正してノイズが除去された計測イメージを取得する段階である。
【0134】
例えば、[式3]に示すように、スケール処理段階S600で補正スケールイメージImgdiff*σrealを算出し、イメージ補正段階S700で測定イメージImgrealで補正スケールイメージImgdiff*σrealを削除して、計測イメージImgsaveを算出することができる。
【0135】
【0136】
(ここで、Imgsave:計測イメージ、Imgreal:測定イメージ、Imgdiff:補正イメージ、σreal:測定イメージのスケール標準偏差)
【0137】
例えば、
図9の(a)および(b)は、本発明の一実施形態による補正イメージの適用可否による計測イメージを比較した図である。
【0138】
図9の(a)に示すように、測定イメージから補正スケールイメージをピクセル単位で結合または削除して補正され、ノイズが除去され、イメージ全体でピクセルの陰影が均一な計測イメージを取得することができる。一方、
図9の(b)の補正されていない測定イメージは、
図9の(a)の補正イメージが適用されたイメージと比較して、イメージ全体でピクセルの陰影が均一ではないことがある。
【0139】
具体的には、
図9の(a)におけるA領域の一つのパターンにおいて左側と右側のコントラストの差と、
図9の(b)のB領域における左側と右側のコントラストとの差を比較すると、A領域におけるコントラストの差はB領域でのコントラストの差に比べて差が少なく、B領域でのコントラストの差はA領域でのコントラストの差に比べて明らかに現れる。
【0140】
図9の(a)および(b)は、補正イメージが適用された測定イメージおよび補正イメージが適用されていない測定イメージを例示するための図であり、オーバーレイ計測ターゲットTのイメージに応じて様々な形状、模様、大きさに限定されずに形成されることができる。
【0141】
本発明のオーバーレイ計測方法は、オーバーレイ計測ターゲットTから測定イメージを検出する場合、光学装置の整列(Optics alignment)、レンズ性能(Lens quality)、ステージレベル(Stage leveling)などの影響で発生する構造的な誤差を補正するための補正イメージを算出し、これを測定イメージに適用して、正確な測定イメージを算出し、これにより測定正確度が高くなり、補正イメージデータに基づく自動最適化で一貫した結果導出が可能である。
【0142】
特に、オーバーレイ計測装置およびウェハWごとに発生する誤差を自動的に算出し、これを実際のオーバーレイ計測に反映して、測定レシピを最適化することができる。
【0143】
本発明は、図面に示された実施形態を参照して説明されたが、これは例示的なものに過ぎず、当技術分野で通常の知識を有する者であれば、これから様々な変形および均等の他の実施形態が可能であることが理解される。したがって、本発明の真の技術的保護範囲は、添付の特許請求の範囲の技術的思想によって定められるべきである。
【符号の説明】
【0144】
T ・・・オーバーレイ計測ターゲット
W ・・・ウェハ
100 ・・・光源部
110 ・・・絞り
120 ・・・スペクトルフィルタ
140 ・・・ビームスプリッタ
200 ・・・レンズ部
210 ・・・対物レンズ
220 ・・・レンズ焦点アクチュエータ
300 ・・・検出部
400 ・・・制御部
500 ・・・ステージ