(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024011553
(43)【公開日】2024-01-25
(54)【発明の名称】モーションキャプチャ装置
(51)【国際特許分類】
A61B 5/11 20060101AFI20240118BHJP
G06F 3/01 20060101ALI20240118BHJP
【FI】
A61B5/11 230
G06F3/01 510
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022113633
(22)【出願日】2022-07-15
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和3年7月16日に自社のTwitter https://twitter.com/shiftall_jp/status/1415966327588618244にて公開 〔刊行物等〕 令和3年7月16日に株式会社Shiftallから一般顧客に向け商品を発送
(71)【出願人】
【識別番号】721010548
【氏名又は名称】株式会社Shiftall
(74)【代理人】
【識別番号】100204098
【弁理士】
【氏名又は名称】小西 良往
(72)【発明者】
【氏名】岩佐 琢磨
【テーマコード(参考)】
4C038
5E555
【Fターム(参考)】
4C038VA04
4C038VB14
4C038VC05
5E555AA76
5E555AA78
5E555BA38
5E555BB38
5E555BC01
5E555CA42
5E555CA44
5E555CB68
5E555EA09
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】膝から足首を経てつま先までの人体の動きを取得するために、膝から足首までのどこかにモーションキャプチャ装置を装着する。ただし、これだけでは、足首関節の動きを取得することはできない。従来は、足首からつま先までの間にもう1つのモーションキャプチャ装置を装着することで足首関節の動きを取得していたが、追加の装置が必要なためコスト高となり、また装着が煩雑であることが課題であった。
【解決手段】本発明は、膝から足首までの少なくとも一部に装着可能なモーションキャプチャ装置1に、足首関節からつま先までの間に存在する測定箇所15までの距離11を測定可能な距離センサを含む第3センサ3を備える。距離11によって足首関節の動きを捉えることができ、従来必要とした、足首からつま先までの間にもう1つのモーションキャプチャ装置を不要とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
膝から足首までの少なくとも一部に装着可能なモーションキャプチャ装置であって、
膝から足首までのいずれかの人体部位の動きを測定または推測可能な第1センサと、
足首関節の動きを取得することを目的とした第3センサと、
を備えることを特徴とするモーションキャプチャ装置。
【請求項2】
膝から足首までの少なくとも一部に装着可能なモーションキャプチャ装置であって、
外部の装置によって膝から足首までのいずれかの人体部位の動きを測定または推測可能な物理的あるいは電気的第2センサと、
足首関節の動きを取得することを目的とした第3センサと、
を備えることを特徴とするモーションキャプチャ装置。
【請求項3】
足首関節からつま先までの間に存在する測定箇所と、前記第3センサを結ぶ直線は、筐体の主面に対して5度から40度つま先方向に傾くことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のモーションキャプチャ装置。
【請求項4】
前記第3センサは、電波式センサ、レーザ式センサ、光学式センサ、音波式センサ、接触式センサのうち少なくとも1つを含む、請求項1又は請求項2に記載のモーションキャプチャ装置。
【請求項5】
前記第3センサは、前記測定箇所に触れるよう筐体から延びた足首動作検出用棒と、前記足首動作検出用棒の状態を計測するセンサと、を備える請求項1又は請求項2に記載のモーションキャプチャ装置。
【請求項6】
前記第3センサは、前記足首動作検出用棒が前記測定箇所に接触するための加圧装置を備える、請求項5に記載のモーションキャプチャ装置。
【請求項7】
前記第3センサは、前記足首動作検出用棒内部または表面に前記足首動作検出用棒の状態を計測するセンサを備える、請求項5に記載のモーションキャプチャ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、膝から足首までの少なくとも一部に装着可能なモーションキャプチャ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
膝から足首を経てつま先までの人体の動きを取得するために、膝から足首までのどこかにモーションキャプチャ装置を装着する。ただし、これだけでは、遠位脛腓関節、距腿関節、距骨下関節の3つの関節からなる関節(以下、足首関節という)の動きを取得することはできない。従来は、足の甲や足の裏など、足首からつま先までの間にもう1つのモーションキャプチャ装置を装着することで足首関節の動きを取得していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、この従来手法ではモーションキャプチャ装置の個数が増えて原価が高くなると共に、装着箇所が増えることで被装着者の負担が増えるという問題があった。
そこで本発明は、これを解決するモーションキャプチャ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明のモーションキャプチャ装置は、膝から足首までの少なくとも一部に装着可能なモーションキャプチャ装置であって、膝から足首までのいずれかの人体部位の動きを測定または推測可能な第1センサ、または外部の装置によって膝から足首までのいずれかの人体部位の動きを測定または推測可能な物理的あるいは電気的第2センサ、あるいはその両方を備え、足首関節の動きを取得することを目的とした第3センサと、を備えることを特徴とする。第1センサは加速度センサと角速度センサと地磁気センサと気圧センサのうち少なくとも1つを含むものとする。第2センサとは、例えば筐体に印字または刻印されたマーカー等カメラ等の機器によって光学的に識別容易な特徴、あるいは電波または音波または光波によって識別容易な物理的または電気的な特徴を指すものとする。
【発明の効果】
【0006】
本発明のモーションキャプチャ装置は、その個数を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の実施の形態1に係るモーションキャプチャ装置の構成を示す図である。
【
図2】本発明の実施の形態2に係るモーションキャプチャ装置の構成を示す図である。
【
図3】本発明の実施の形態2に係るモーションキャプチャ装置で、測定箇所を足の側面や裏面(足の裏)とする構成を示す図である。
【
図4】本発明の実施の形態2に係るモーションキャプチャ装置で、測定箇所を踵付近で複数個所とする構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(実施の形態1)
本発明にかかる実施の形態1について
図1を用いて説明する。
図1において、モーションキャプチャ装置1は、膝から足首までの少なくとも一部である、すね部10の前側(むこうずね側)に取付具8等によって装着される。モーションキャプチャ装置1は、膝から足首までのいずれかの人体部位の動きを測定または推測可能な、加速度センサと角速度センサと地磁気センサと気圧センサのうち少なくとも1つを含む第1センサ2、または外部の装置によって膝から足首までのいずれかの人体部位の動きを測定または推測可能な物理的あるいは電気的第2センサ16、あるいはその両方を備える。第2センサ16は、例えば筐体に印字または刻印されたマーカー等カメラ等の機器によって光学的に識別容易な特徴、あるいは電波または音波または光波によって識別容易な物理的または電気的な特徴を指すものとする。また、モーションキャプチャ装置1は、足首関節からつま先までの間に存在する測定箇所15までの距離11を測定可能な距離センサを含む第3センサ3を備える。測定箇所15は単一の点であってもよいし、複数の点や一定面積を持つ面などでもよい。第3センサ3が、電波式センサ、レーザ式センサ、光学式センサ(カメラ含む)、音波式センサ等の非接触式センサの場合、人体に接触する部分が少ないため装着時の不快感が少なく、顧客利便性を向上させることができる。
【0009】
第1センサと第3センサ、あるいは第2センサと第3センサ、あるいは第1センサと第2センサと第3センサは、必ずしも同一の筐体4に収納されている必要はない。
なお、第3センサ3が非接触式センサの場合、第3センサ3は、発信部5と受信部6を備えていても良い。
【0010】
本発明のモーションキャプチャ装置1は、足首関節からつま先までの間に存在する測定箇所15とモーションキャプチャ装置1の位置関係を第3センサ3によって計測することで足首関節の動きを取得する。その結果、足首関節からつま先までの間にもう1つのモーションキャプチャ装置を装着することなく、足首関節の動きを把握することができる。
【0011】
第3センサ3の測定箇所15と第3センサ3を結ぶ直線は、筐体4の主面(すね部10の前側に対向する面)に対して5度から40度の方向に傾くことが望ましい。このように第3センサ3の取付角度7を設けることで、筐体4と第3センサ3の測定箇所15との間に余剰の衣服が挟まれることに起因する第3センサ3の誤測定を防ぐことができる。特に、取付具8によって衣服が圧縮され、モーションキャプチャ装置1の下部の空間9に衣服の余り部がせり出すことがある。結果、第3センサ3または第3センサ3が発信した計測用の媒体(電波・音波・レーザ波等を含むがこれに限らない)が衣服に当たり、第3センサ3が測定箇所15との距離を正しく測定することができないことが多い。その場合を考慮すると、第3センサ3の計測点と第3センサ3を結ぶ直線は、筐体4の主面に対して5度から40度の方向に傾くことが望ましい。
なお、第2センサ16は複数個を備えてもよく、設置位置は筐体4の内部あるいは表面いずれに備えてもよい。
【0012】
(実施の形態2)
本発明にかかる実施の形態2について
図2を用いて説明する。実施の形態1と2とで同様の構成は説明を省略する。
図2において、足首関節からつま先までの間に存在する測定箇所15に触れるよう筐体4から延びた足首動作検出用棒12と、足首動作検出用棒12の状態を計測するためのセンサ13からなる、第3センサを備える。
【0013】
実施の形態1で用いた第3センサとは異なり、足首動作検出用棒12を用いることで、実施の形態1と比較すると、足首を大きく動かして筐体4の主面(すね部10の前側に対向する面)と足の甲の角度が180―実施の形態1の
図1における取り付け角度7より大きな角度となる姿勢、例えばバレェダンスにおけるポワントの姿勢においても正しく足首関節の動きを取得することができる利点がある。
【0014】
さらに、第3センサは、足首動作検出用棒12が測定箇所15に接触するための加圧装置14を備えても良い。これにより、さらに確実に、足首動作検出用棒12を足首関節からつま先までの間に存在する測定箇所15に接触させることができる。この加圧装置14は必須ではなく、足首動作検出用棒12の位置や歪み形状やこれに掛かる圧力などから足首関節の動きを測定できればよい。例えばセンサ13に歪みを計測する電子部品を用い、足首動作検出棒12の歪みを検出する構成であれば、加圧装置14は不要となり得る。なお、足首動作検出用棒12の内部または表面にセンサ13を備えることもできる。
【0015】
なお、足首動作検出用棒12の形状によっては測定箇所15を
図3に示したように足の側面や裏面(足の裏)とすることもできるし、
図4に示したように足首より後ろ側つまり踵付近とすることもできるし、
図4に示した通り複数の測定箇所を設けることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0016】
本発明のモーションキャプチャ装置は、人体用のモーションキャプチャ装置として有用であり、エンターテインメント事業、医療向け事業等の様々な場面で利用可能性がある。
【符号の説明】
【0017】
1 モーションキャプチャ装置
2 第1センサ
3 第3センサ
4 筐体
5 発信部
6 受信部
7 取付角度
8 取付具
9 空間
10 すね部
11 距離
12 足首動作検出用棒
13 足首動作検出用棒12の状態を計測するセンサ
14 加圧装置
15 測定箇所
16 第2センサ