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特開2024-115549減磁冷却装置、減磁システムおよび磁気共鳴イメージングシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024115549
(43)【公開日】2024-08-26
(54)【発明の名称】減磁冷却装置、減磁システムおよび磁気共鳴イメージングシステム
(51)【国際特許分類】
   H01F 6/00 20060101AFI20240819BHJP
   H01F 6/04 20060101ALI20240819BHJP
   H01F 7/20 20060101ALI20240819BHJP
   A61B 5/055 20060101ALI20240819BHJP
   G01N 24/00 20060101ALI20240819BHJP
【FI】
H01F6/00 130
H01F6/04
H01F7/20 C
A61B5/055 331
A61B5/055 360
G01N24/00 600D
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024020108
(22)【出願日】2024-02-14
(31)【優先権主張番号】202320299836.0
(32)【優先日】2023-02-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】524059021
【氏名又は名称】シーメンス シェンチェン マグネチック レゾナンス リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SIEMENS SHENZHEN MAGNETIC RESONANCE LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110003317
【氏名又は名称】弁理士法人山口・竹本知的財産事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100075166
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 巖
(74)【代理人】
【識別番号】100133167
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100169627
【弁理士】
【氏名又は名称】竹本 美奈
(72)【発明者】
【氏名】ウー ヂィン ヂァォ
(72)【発明者】
【氏名】ヂィァン ルゥー
【テーマコード(参考)】
4C096
【Fターム(参考)】
4C096AD08
4C096CA02
4C096CA48
4C096CA51
(57)【要約】      (修正有)
【課題】外部電源が遮断されても、減磁過程において冷却を実施することができる減磁冷却装置及び減磁システムを提供する。
【解決手段】超伝導磁石は、磁石コイル(80)、および超伝導スイッチ(90)を含み、減磁冷却装置は、超伝導スイッチと並列に接続された第1冷却機構(100)、および第2冷却機構(200)を含む。第2冷却機構は、減磁負荷との接触による熱伝導が実現されるように減磁負荷に接続されており、第1冷却機構は、第1ダイオード(10)、および第1冷却ユニット(20)を含む。第1ダイオードのカソードは磁石コイルの電流入力端に接続され、第1ダイオードのアノードは磁石コイルの電流出力端に接続されている。また、第1冷却ユニットは第1ダイオードと磁石コイルの間に直列に接続されており、第1冷却ユニットは電気エネルギーを力学的エネルギーへ変換して減磁負荷の温度を下げることができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
超伝導磁石の場が減磁している間に減磁負荷の温度を下げるための減磁冷却装置であって、前記超伝導磁石は、磁石コイル(80)と超伝導スイッチ(90)とを含み、前記超伝導スイッチ(90)は、前記磁石コイル(80)の電流入力端と電流出力端の間に接続されており、電流は前記磁石コイル(80)中で前記電流入力端から前記電流出力端へ流れて所定の静磁場を形成することができる減磁冷却装置において、
前記減磁冷却装置は、前記超伝導スイッチ(90)と並列に接続された第1冷却機構(100)と、第2冷却機構(200)とを含み、前記第2冷却機構(200)は前記減磁負荷との接触による熱伝導が実現されるように前記減磁負荷に接続されており、前記第1冷却機構(100)は、
第1ダイオード(10)を含み、前記第1ダイオード(10)のカソードは前記磁石コイル(80)の前記電流入力端に接続されており、前記第1ダイオード(10)のアノードは前記磁石コイル(80)の前記電流出力端に接続されており、
第1冷却ユニット(20)を含み、前記第1冷却ユニット(20)は、前記第1ダイオード(10)と前記磁石コイル(80)の間に直列に接続されており、前記第1冷却ユニット(20)は、電気エネルギーを力学的エネルギーへ変換して前記減磁負荷の温度を下げることができる、
ことを特徴とする、減磁冷却装置。
【請求項2】
前記第1冷却ユニット(20)は、直流変圧器(21)と冷却デバイス(22)とを含み、前記直流変圧器(21)の入力端は前記第1ダイオード(10)と前記磁石コイル(80)の間に直列に接続されており、前記冷却デバイス(22)は前記直流変圧器(21)の出力端に接続されており、前記冷却デバイス(22)は電気エネルギーを力学的エネルギーへ変換して前記減磁負荷の温度を下げることができることを特徴とする、請求項1に記載の減磁冷却装置。
【請求項3】
前記第1冷却ユニット(20)は、冷却デバイス(22)を含み、前記冷却デバイス(22)は、ファン、空気圧縮機または冷却器であることを特徴とする、請求項1に記載の減磁冷却装置。
【請求項4】
前記第2冷却機構(200)は、ヒートシンク(30)を含み、前記ヒートシンク(30)は前記減磁負荷との接触による熱伝導が実現されるように前記減磁負荷に接続されており、流体通路(31)が前記ヒートシンク(30)の内側に形成されており、前記第2冷却機構(200)は、駆動機構(40)を更に含み、前記駆動機構(40)は外部の冷媒を駆動し、前記流体通路(31)を通して流し、その後前記ヒートシンク(30)の外へ流すことができ、前記冷媒は、気体または液体であることを特徴とする、請求項1に記載の減磁冷却装置。
【請求項5】
前記第2冷却機構(200)は、ヒートシンク(30)を含み、前記ヒートシンク(30)は前記減磁負荷との接触による熱伝導が実現されるように前記減磁負荷に接続されており、前記第2冷却機構(200)は、前記ヒートシンク(30)内に収容された相変化材料体(50)を更に含むことを特徴とする、請求項1に記載の減磁冷却装置。
【請求項6】
前記ヒートシンク(30)の材料は銅またはアルミニウムであり、前記相変化材料体(50)の材料はパラフィンワックスであることを特徴とする、請求項5に記載の減磁冷却装置。
【請求項7】
超伝導磁石の場を減磁するための減磁システムであって、前記超伝導磁石は、磁石コイル(80)と超伝導スイッチ(90)とを含み、前記超伝導スイッチ(90)は、前記磁石コイル(80)の電流入力端と電流出力端の間に接続されており、電流は前記磁石コイル(80)中で前記電流入力端から前記電流出力端へ流れて所定の静磁場を形成することができる減磁システムにおいて、
前記減磁システムは、
前記磁石コイル(80)の前記電流入力端と前記電流出力端の間で超伝導スイッチ(90)と並列に接続されており、前記超伝導磁石の前記場が減磁されている間に、電気エネルギーを熱エネルギーへ変換することにより前記磁石コイル(80)中に存在する電気エネルギーを消費する、減磁負荷(60)と、
前記超伝導磁石の前記場が減磁されている間に前記減磁負荷(60)の温度を下げるための、請求項1から6のいずれか一項に記載の、減磁冷却装置とを含み、前記第1冷却機構(100)は前記減磁負荷(60)と並列に接続されており、前記第2冷却機構(200)は前記減磁負荷(60)との接触による熱伝導が実現されるように前記減磁負荷(60)に接続されていることを特徴とする、減磁システム。
【請求項8】
前記減磁負荷(60)は、第2ダイオード(61)を含み、前記第2ダイオード(61)の前記カソードは前記磁石コイル(80)の前記電流入力端に接続されており、前記第2ダイオード(61)の前記アノードは前記磁石コイル(80)の前記電流出力端に接続されており、は1つまたは複数の前記第2ダイオード(61)が設けられており、複数の前記第2ダイオード(61)が設けられている場合、前記複数の第2ダイオード(61)は直列的におよび/または並列的に接続されていることを特徴とする、請求項7に記載の減磁システム。
【請求項9】
前記減磁負荷(60)は、抵抗器(62)を更に含み、前記抵抗器(62)は前記第2ダイオード(61)と前記磁石コイル(80)の間に直列に接続されており、1つまたは複数の前記抵抗器(62)が設けられていることを特徴とする、請求項8に記載の減磁システム。
【請求項10】
磁気共鳴イメージングシステムであって、
磁石コイル(80)、および超伝導スイッチ(90)を含む超伝導磁石であって、電流は前記磁石コイル(80)中で電流入力端(81)から電流出力端(82)へ流れて所定の静磁場を形成することができ、前記超伝導スイッチ(90)は、前記磁石コイル(80)の前記電流入力端(81)と前記電流出力端(82)の間に接続される超伝導磁石と、
請求項1から6のいずれか一項に記載の減磁冷却装置であって、前記第1冷却機構(100)は前記超伝導スイッチ(90)と並列に接続されており、前記第2冷却機構(200)は前記減磁負荷(60)との接触による熱伝導が実現されるように前記減磁負荷(60)と接続されている、減磁冷却装置と、
を含むことを特徴とする、磁気共鳴イメージングシステム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷却機構に関し、特に、超伝導磁石の場が減磁されている間に減磁負荷の温度を下げるための減磁冷却装置、および該減磁冷却装置を含む減磁システム、並びに磁気共鳴イメージングシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
磁気共鳴イメージング(MRI)システム(英:magnetic resonance imaging system)の超伝導磁石の場(英:field of the superconducting magnet)の減磁過程(英:process of ramping down)において、減磁負荷(英:ramp-down load)は電気エネルギーを熱エネルギーへ変換することによって磁石コイル中の電気エネルギーを消費する。その場の減磁過程において、減磁負荷の温度は急速に上昇する。減磁負荷を正常な作動状態に維持するためには、減磁負荷の温度を一定の範囲に維持する必要があり、これを達成するためには、その場が減磁されている間に、減磁負荷を減磁冷却装置によって冷却する必要がある。現在、電気エネルギーを使用する減磁冷却装置は外部電源に完全に依存している。このような減磁冷却装置を用いると、減磁過程において外部電源が急に遮断される場合には、或いは外部電源が遮断されているときに減磁を実行しようとする場合には、減磁冷却装置は冷却を実現することができず、減磁負荷は温度が高すぎて正常に作動できない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、外部電源が遮断されても、減磁過程において冷却を実施することができる減磁冷却装置を提供することである。
【0004】
本発明の他の目的は、外部電源が遮断されても、減磁冷却装置が減磁過程において冷却を実施することができる減磁システムを提供することである。
【0005】
本発明の更に他の目的は、外部電源が遮断されても、減磁冷却装置が減磁過程において冷却を実施することができる磁気共鳴イメージングシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、超伝導磁石の減磁過程において減磁負荷の温度を下げるための減磁冷却装置を提供する。超伝導磁石は、磁石コイル、および超伝導スイッチを含む。超伝導スイッチは磁石コイルの電流入力端と電流出力端の間に接続される。電流は磁石コイル中で電流入力端から電流出力端へ流れて所定の静磁場を形成することができる。減磁冷却装置は、超伝導スイッチと並列に接続された第1冷却機構、および第2冷却機構を含む。第2冷却機構は、減磁負荷との接触による熱伝導が実現されるように減磁負荷に接続される。第1冷却機構は、第1ダイオード、および第1冷却ユニットを含む。第1ダイオードのカソードは、磁石コイルの電流入力端に接続され、第1ダイオードのアノードは磁石コイルの電流出力端に接続される。第1冷却ユニットは第1ダイオードと磁石コイルの間に直列に接続される。第1冷却ユニットは電気エネルギーを力学的エネルギーへ変換して減磁負荷の温度を下げることができる。
【0007】
該減磁冷却装置の第1冷却機構は、超伝導磁石の場が減磁されている間に、磁石コイル中の電気エネルギーを消費することで、外部電源に依存せずに、減磁負荷の温度を下げることができ、外部電源が遮断された場合であっても、減磁中の冷却を実施することができる。
【0008】
減磁冷却装置の他の概略的な実施形態では、第1冷却ユニットは、直流変圧器、および冷却デバイスを含む。直流変圧器の入力端は第1ダイオードと磁石コイルの間に直列に接続される。冷却デバイスは直流変圧器の出力端に接続される。冷却デバイスは、電気エネルギーを力学的エネルギーへ変換して減磁負荷の温度を下げることができる。これは、冷却効率の向上に有益である。
【0009】
減磁冷却装置の更なる他の概略的な実施形態では、第1冷却ユニットは、冷却デバイスを含む。冷却デバイスはファン、空気圧縮機または冷却器である。
【0010】
減磁冷却装置の別の概略的な実施形態では、第2冷却機構は、ヒートシンクを含む。ヒートシンクは、減磁負荷との接触による熱伝導が実現されるように減磁負荷に接続される。ヒートシンクの内部に流体通路が形成される。第2冷却機構は、駆動機構を更に含む。駆動機構は、外部の冷媒を駆動し、流体通路を通して流し、その後にヒートシンクから外へ流すことができる。冷媒は、気体または液体である。これは、冷却速度の制御に有益である。
【0011】
減磁冷却装置の別の概略的な実施形態では、第2冷却機構は、ヒートシンクを含む。ヒートシンクは、減磁負荷との接触による熱伝導が実現されるように減磁負荷に接続される。第2冷却機構は、ヒートシンク内に包まれる相変化材料体を更に含む。これは、電気エネルギーの消費を減少させるのに有益である。
【0012】
減磁冷却装置の別の概略的な実施形態では、ヒートシンクの材料は銅またはアルミニウムである。相変化材料体の材料はパラフィンワックスである。
【0013】
本発明は、超伝導磁石の減磁のために用いられる減磁システムを更に提供する。超伝導磁石は、磁石コイル、および超伝導スイッチを含む。超伝導スイッチは、磁石コイルの電流入力端と電流出力端の間に接続される。電流は磁石コイル中で電流入力端から電流出力端へ流れて所定の静磁場を形成することができる。減磁システムは、減磁負荷、および上記の減磁冷却装置を含む。減磁負荷は磁石コイルの電流入力端と電流出力端の間に接続されて超伝導スイッチと並列に接続され、超伝導磁石の場が減磁されている間に、電気エネルギーを熱エネルギーへ変換することにより、磁石コイル中の電気エネルギーを消費する。減磁冷却装置は、超伝導磁石の場が減磁されている間に、減磁負荷の温度を下げるために用いられる。第1冷却機構は減磁負荷と並列に接続される。第2冷却機構は、減磁負荷との接触による熱伝導が実現されるように減磁負荷に接続される。該減磁システムの減磁冷却装置の第1冷却機構は、超伝導磁石の場が減磁されている間に、磁石コイル中の電気エネルギーを消費することによって、外部電源に依存せずに、減磁負荷の温度を下げることができる、そして、外部電源が遮断された場合であっても、減磁過程において冷却を実施することができる。
【0014】
減磁冷却システムの別の概略的な実施形態では、減磁負荷は、第2ダイオードを含む。第2ダイオードのカソードは、磁石コイルの電流入力端に接続され、第2ダイオードのアノードは、磁石コイルの電流出力端に接続される。1つまたは複数の第2ダイオードが設けられている。複数の上述の第2ダイオードが設けられている場合、複数の第2ダイオードは直列的におよび/または並列的に接続される。超伝導磁石の場が減磁されている間には、第2ダイオードは磁石コイル中の電気エネルギーを消費することができ、超伝導磁石の場が増磁されている間には、増磁電源の電流は第2ダイオードを通過することができず、必要のない電気エネルギーの消費を避けることができる。
【0015】
減磁システムの他の概略的な実施形態では、減磁負荷は、抵抗器を更に含む。抵抗器は、第2ダイオードと磁石コイルの間に直列に接続される。1つまたは複数の抵抗器が設けられている。これは、減磁効率の向上に有益である。
【0016】
本発明は、超伝導磁石、および上記の減磁冷却装置を含む磁気共鳴イメージングシステムを更に提供する。超伝導磁石は、磁石コイル、および超伝導スイッチを含む。電流は磁石コイル中で電流入力端から電流出力端へ流れて所定の静磁場を形成することができる。超伝導スイッチは、磁石コイルの電流入力端と電流出力端の間に接続される。減磁冷却装置の第1冷却機構は超伝導スイッチと並列に接続される。第2冷却機構は減磁負荷との接触による熱伝導が実現されるように減磁負荷に接続される。該磁気共鳴イメージングシステムの減磁冷却装置は、その第1冷却機構が超伝導磁石の場が減磁されている間に、磁石コイル中の電気エネルギーを消費することによって、外部電源に依存せず、減磁負荷の温度を下げることができ、そして、外部電源が遮断された場合であっても、減磁過程において冷却を実施することができる。
【0017】
以下、図面は本発明を概略的に説明および解釈するものにすぎず、本発明の範囲を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】減磁冷却装置の概略的な実施形態を説明するための概略図である。
図2】第2冷却機構の概略的な実施形態の構造概略図である。
図3】第2冷却機構の他の概略的な実施形態の構造概略図である。
図4】減磁冷却装置の他の概略的な実施形態を説明するための概略図である。
図5】減磁負荷の概略的な実施形態を説明するための概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の技術的特徴、目的および効果をより明確に理解するために、図面を参照して本発明の発明を実施するための形態を説明し、各図において、同一の符号は、構造が同一の部品、または構造は類似するが機能が同一の部品を示す。
【0020】
本明細書において、「概略的」は、「実施例、例、または説明としての役割を果たす」ことを表し、本明細書で「概略的」と記述される任意の図示、実施形態は、より好ましいか、またはより優位性がある技術手法として解釈されるべきではない。
【0021】
本明細書において、「第1」、「第2」などは、文章の説明を容易にするために、互いに区別するためにのみ使用されるものであって、その重要度や順序などを示すものではない。
【0022】
図面を簡潔にするために、各図において、本発明に関連する部分のみを概略的に示しており、それらは製品としてのその実際の構造を代表しているわけではない。
【0023】
図1は減磁冷却装置の概略的な実施形態を説明するための概略図である。該減磁冷却装置は、超伝導磁石の場の減磁過程において減磁負荷の温度を下げるために用いられる。
【0024】
図1に示すように、超伝導磁石は、磁石コイル80、および超伝導スイッチ90を含む。超伝導スイッチ90は、磁石コイル80の電流入力端81と電流出力端82の間に接続される。電流は磁石コイル80中で電流入力端81から電流出力端82へ流れて所定の静磁場を形成することができる。超伝導磁石の通常運転中には、超伝導スイッチ90がオンとなり、磁石コイル80と超伝導スイッチ90の間で電流が回路を形成し、磁石コイル80の内部で電流入力端81から電流出力端82へ流れる。
【0025】
超伝導磁石の場が減磁されている間には、例えば、減磁負荷を用いる必要がある。図1に示すように、減磁負荷60は、例えば、磁石コイル80の電流入力端81と電流出力端82の間に接続されて超伝導スイッチ90に並列に接続され、超伝導磁石の場が減磁されている間に、電気エネルギーを熱エネルギーへ変換することによって、磁石コイル80中の電気エネルギーを消費する。減磁負荷60は、例えば、ダイオードおよび/または抵抗器を含む。具体的には、超伝導磁石の場の減磁過程において、超伝導スイッチ90がオフになり、磁石コイル80と減磁負荷60の間で電流が回路を形成し、電流が減磁負荷60を流れるとき、減磁負荷60は電気エネルギーを熱エネルギーへ変換し、これにより、場の減磁が完了するまで、磁石コイル80に存在する電気エネルギーを徐々に消費する。
【0026】
図1に示すように、本概略的な実施形態では、減磁冷却装置は、超伝導スイッチ90と並列に接続された第1冷却機構100と、第2冷却機構200とを含む。第2冷却機構200は、減磁負荷60との接触による熱伝導が実現されるように減磁負荷60に接続される。
【0027】
第1冷却機構100は、第1ダイオード10、および第1冷却ユニット20を含む。第1ダイオード10のカソードは、磁石コイル80の電流入力端81に接続され、第1ダイオード10のアノードは、磁石コイル80の電流出力端82に接続される。第1冷却ユニット20は、第1ダイオード10と磁石コイル80の間に直列に接続される。第1冷却ユニット20は、電気エネルギーを力学的エネルギーへ変換して、減磁負荷60の温度を下げることができる。具体的には、本概略的な実施形態では、第1冷却ユニット20は、例えば、ファン、空気圧縮機または冷却器などである冷却デバイス22を含む。他の概略的な実施形態では、第1冷却ユニット20は、例えば、直列的および/または並列的に接続された複数の冷却デバイス22を含んでもよい。
【0028】
超伝導磁石の場の減磁過程では、超伝導スイッチ90がオフになり、磁石コイル80と第1冷却機構100の間で電流が回路を形成する。電流が第1冷却ユニット20を流れる間、第1冷却ユニット20は、電気エネルギーを力学的エネルギーへ変換し、これにより、減磁負荷60の温度を下げる。超伝導磁石の場の増磁過程において、増磁電源の正極が磁石コイル80の電流入力端81に接続され、増磁電源の負極が磁石コイル80の電流出力端82に接続されるため、増磁電源の電流は第1ダイオード10を通過することができず、第1冷却ユニット20に通電されず、これにより、必要のない電気エネルギーの消費を避けることができる。
【0029】
減磁冷却装置の第1冷却機構は、超伝導磁石の場が減磁されている間、磁石コイルに存在する電気エネルギーを消費することによって、外部電源に依存せずに、減磁負荷の温度を下げることができる、そして、外部電源が遮断された場合であっても、減磁中に冷却を実施することができる。
【0030】
本明細書において、外部電源は磁石コイル以外の電流源として解釈する。
【0031】
他の概略的な実施形態では、第1冷却機構100の数は必要に応じて調整することができ、各第1冷却機構100中の第1ダイオード10および第1冷却ユニット20の数も必要に応じて調整することができる。第1冷却機構100が複数の第1ダイオード10を含む場合、複数の第1ダイオード10は、例えば、直列的におよび/または並列的に接続される。第1冷却機構100が複数の第1冷却ユニット20を含む場合、複数の第1冷却ユニット20は、例えば、直列的におよび/または並列的に接続される。
【0032】
図2および図3は、それぞれ第2冷却機構200の2つの概略的な実施形態を示している。
【0033】
図2に示す第2冷却機構200において、第2冷却機構200は、ヒートシンク30、および駆動機構40を含む。ヒートシンク30は、減磁負荷60との接触による熱伝導が実現されるように減磁負荷60に接続される。ヒートシンク30の内側に流体通路31が形成される。駆動機構40は、外部の冷媒を駆動し、流体通路31を通して流し、その後にヒートシンク30から外へ流して、ヒートシンク30の温度を下げ、これにより、減磁負荷の温度を下げることができる。冷媒は、例えば、気体または液体である。駆動機構40は、例えば、ファンまたは流体ポンプなどである。ヒートシンク30の材料は、例えば、銅またはアルミニウムであるが、これに限定されない。
【0034】
図3に示す第2冷却機構200において、第2冷却機構200は、ヒートシンク30と、ヒートシンク30に収容された相変化材料体50とを含む。ヒートシンク30は、減磁負荷60との接触による熱伝導が実現されるように減磁負荷60に接続される。ヒートシンク30の材料は、例えば、銅またはアルミニウムであるが、これに限定されない。相変化材料体50の材料は、例えば、パラフィンワックスであるが、これに限定されず、他の概略的な実施形態では、他の相変化材料であってもよい。このような第2冷却機構200は、電気エネルギーを消費する必要がなく、相変化材料によって高い蓄熱量に達することができる。他の概略的な実施形態では、ヒートシンク30内に、相変化材料ではなく、例えば中実銅ブロックまたは中実アルミニウムブロックである中実ブロックが収容されてもよく、コスト低減に有益である。
【0035】
第2冷却機構200は、減磁冷却装置の冷却効率の向上に有益である。
【0036】
概略的な実施形態では、第1冷却ユニット20から出力される力学的エネルギーは、例えば、空気の流れを強化し、第2冷却機構200の冷却を加速することができる。
【0037】
図4は減磁冷却装置の他の概略的な実施形態を説明するための概略図である。本概略的な実施形態の減磁冷却装置では、図1に示す減磁冷却装置と同一または類似の特徴については再度説明を省略し、異なる特徴について以下に説明する。図4に示すように、本概略的な実施形態では、第1冷却ユニット20は、直流変圧器21、および冷却デバイス22を含む。直流変圧器21の入力端は第1ダイオード10と磁石コイル80の間に直列に接続される。冷却デバイス22は直流変圧器21の出力端に接続される。直流変圧器21は、具体的には、例えば、定電圧を出力するDC-DCコンバータであり、冷却デバイス22の電力需要を満たすために用いられる。冷却デバイス22は、電気エネルギーを力学的エネルギーへ変換して減磁負荷60の温度を下げることができる。冷却デバイス22は、例えば、ファン、空気圧縮機または冷却器などである。直流変圧器は、冷却効率の向上に有益である。
【0038】
本発明は、超伝導磁石の場の減磁のための減磁システムを更に提供する。超伝導磁石は、磁石コイル80、および超伝導スイッチ90を含む。超伝導スイッチ90は、磁石コイル80の電流入力端81と電流出力端82の間に接続される。電流は磁石コイル80中で電流入力端81から電流出力端82へ流れて所定の静磁場を形成することができる。図1および図4に示すように、減磁システムの概略的な実施形態では、減磁システムは、減磁負荷60、および図1または図4に示す減磁冷却装置を含む。減磁負荷60は、磁石コイル80の電流入力端81と電流出力端82の間に接続されて超伝導スイッチ90と並列に接続され、超伝導磁石の場が減磁されている間に、電気エネルギーを熱エネルギーへ変換することによって、磁石コイル80に存在する電気エネルギーを消費する。減磁冷却装置は、超伝導磁石の場が減磁されている間に減磁負荷60の温度を下げるために用いられる。第1冷却機構100は減磁負荷60と並列に接続される。第2冷却機構200は、減磁負荷60との接触による熱伝導が実現されるように減磁負荷60に接続される。
【0039】
図5に減磁負荷60の異なる5つの概略的な実施形態を示しており、図5に示すように、概略的な実施形態では、減磁負荷60は、第2ダイオード61を含む。第2ダイオード61の両極は、それぞれ、磁石コイル80の電流入力端81および電流出力端82に接続される。超伝導磁石の場の減磁過程において、電流は第2ダイオード61を流れ、第2ダイオード61は電気エネルギーを熱エネルギーへ変換し、磁石コイル中に存在する電気エネルギーを消費する。第2ダイオード61のカソードは、磁石コイル80の電流入力端81に接続され、第2ダイオード61のアノードは、磁石コイル80の電流出力端82に接続され、これにより、超伝導磁石の場の増磁過程において、増磁電源の電流は第2ダイオード61を通過することができず、必要のない電気エネルギーの消費を避けることができる。1つまたは複数の第2ダイオード61が設けられている。複数の第2ダイオード61が設けられている場合、複数の第2ダイオード61は、例えば、図5のI、IIおよびIIIに示すように、直列的および/または並列的に接続される。
【0040】
図5のIVおよびVに示すように、更に、概略的な実施形態では、減磁負荷60は抵抗器62を更に含む。抵抗器62は、第2ダイオード61と磁石コイル80の間に直列に接続され、1つまたは複数の抵抗器62が設けられている。電流が抵抗器62を通過するとき、抵抗器62は電気エネルギーを熱エネルギーへ変換し、磁石コイルに存在する電気エネルギーを消費することができる。抵抗器62は、減磁効率の向上に有益である。
【0041】
減磁システムの減磁冷却装置の第1冷却機構は、超伝導磁石の場が減磁されている間に磁石コイルに存在する電気エネルギーを消費することによって、外部電源に依存せずに、減磁負荷の温度を下げることができ、外部電源が遮断された場合であっても、減磁過程において冷却を実現することができる。
【0042】
本発明は、超伝導磁石と、図1または図4に示す減磁冷却装置とを含む磁気共鳴イメージングシステムを更に提供する。超伝導磁石は、磁石コイル80、および超伝導スイッチ90を含む。電流は、磁石コイル80において電流入力端81から電流出力端82へ流れて、所定の静磁場を形成することができる。超伝導スイッチ90は、磁石コイル80の電流入力端81と電流出力端82の間に接続される。減磁冷却装置の第1冷却機構100は、超伝導スイッチ90と並列に接続される。第2冷却機構200は、減磁負荷60との接触による熱伝導が実現されるように減磁負荷60に接続される。磁気共鳴イメージングシステムの減磁冷却装置の第1冷却機構は、超伝導磁石の場が減磁されている間磁石コイルに存在する電気エネルギーを消費することによって、外部電源に依存せずに、減磁負荷の温度を下げることができ、外部電源が遮断された場合であっても、減磁過程において冷却を実施することができる。
【0043】
本明細書は、各実施例に基づいているが、各実施例が1つだけの独立した技術手法を含むものではないことを理解すべきである。このような説明方法は、説明を明確にするためのものに過ぎない。当業者は、明細書を1つの全体として考慮するべきである。各実施例における技術的な解決策は、適宜組み合わせられ得て、当業者にとって理解可能な他の実施形態を形成することができる。
【0044】
上記の一連の詳細な説明は、本発明の実現可能な実施形態の具体的な説明にすぎず、本発明の保護の範囲を制限するものではない。本発明の技術的精神から逸脱することなく行われるあらゆる同等の実施形態または変更、例えば、特徴の組合せ、分割または重複は本発明の保護範囲に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0045】
100 第1冷却機構
10 第1ダイオード
20 第1冷却ユニット
21 直流変圧器
22 冷却デバイス
200 第2冷却機構
30 ヒートシンク
31 流体通路
40 駆動機構
50 相変化材料体
60 減磁負荷
61 第2ダイオード
62 抵抗器
80 磁石コイル
81 電流入力端
82 電流出力端
90 超伝導スイッチ

図1
図2
図3
図4
図5
【誤訳訂正書】
【提出日】2024-05-31
【誤訳訂正1】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】全文
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実用新案は、冷却機構に関し、特に、超伝導磁石の場が減磁されている間に減磁負荷の温度を下げるための減磁冷却装置、および該減磁冷却装置を含む減磁システム、並びに磁気共鳴イメージングシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
磁気共鳴イメージング(MRI)システム(英:magnetic resonance imaging system)の超伝導磁石の場(英:field of the superconducting magnet)の減磁過程(英:process of ramping down)において、減磁負荷(英:ramp-down load)は電気エネルギーを熱エネルギーへ変換することによって磁石コイル中の電気エネルギーを消費する。その場の減磁過程において、減磁負荷の温度は急速に上昇する。減磁負荷を正常な作動状態に維持するためには、減磁負荷の温度を一定の範囲に維持する必要があり、これを達成するためには、その場が減磁されている間に、減磁負荷を減磁冷却装置によって冷却する必要がある。現在、電気エネルギーを使用する減磁冷却装置は外部電源に完全に依存している。このような減磁冷却装置を用いると、場が減磁される間に外部電源が急に遮断される場合には、或いは外部電源が遮断されている状態で場が減磁される場合には、減磁冷却装置は冷却を実現することができず、減磁負荷は温度が高すぎて正常に作動できない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
実用新案の目的は、外部電源が遮断されても、減磁過程において冷却を実施することができる減磁冷却装置を提供することである。
【0004】
実用新案の他の目的は、外部電源が遮断されても、減磁冷却装置が減磁過程において冷却を実施することができる減磁システムを提供することである。
【0005】
実用新案の更に他の目的は、外部電源が遮断されても、減磁冷却装置が減磁過程において冷却を実施することができる磁気共鳴イメージングシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実用新案は、超伝導磁石の場が減磁される間に減磁負荷の温度を下げるための減磁冷却装置を提供する。超伝導磁石は、磁石コイル、および超伝導スイッチを含む。超伝導スイッチは磁石コイルの電流入力端と電流出力端の間に接続される。電流は磁石コイル中で電流入力端から電流出力端へ流れて所定の静磁場を形成することができる。減磁冷却装置は、超伝導スイッチと並列に接続された第1冷却機構、および第2冷却機構を含む。第2冷却機構は、減磁負荷との接触による熱伝導が実現されるように減磁負荷に接続される。第1冷却機構は、第1ダイオード、および第1冷却ユニットを含む。第1ダイオードのカソードは、磁石コイルの電流入力端に接続され、第1ダイオードのアノードは磁石コイルの電流出力端に接続される。第1冷却ユニットは第1ダイオードと磁石コイルの間に直列に接続される。第1冷却ユニットは電気エネルギーを力学的エネルギーへ変換して減磁負荷の温度を下げることができる。
【0007】
磁冷却装置の第1冷却機構は、超伝導磁石の場が減磁されている間に、磁石コイル中に存在する電気エネルギーを消費することで、外部電源に依存せずに、減磁負荷の温度を下げることができ、外部電源が遮断された場合であっても、減磁中の冷却を実施することができる。
【0008】
減磁冷却装置の他の概略的な実施形態では、第1冷却ユニットは、直流変圧器、および冷却デバイスを含む。直流変圧器の入力端は第1ダイオードと磁石コイルの間に直列に接続される。冷却デバイスは直流変圧器の出力端に接続される。冷却デバイスは、電気エネルギーを力学的エネルギーへ変換して減磁負荷の温度を下げることができる。これは、冷却効率の向上に有益である。
【0009】
減磁冷却装置の更なる他の概略的な実施形態では、第1冷却ユニットは、冷却デバイスを含む。冷却デバイスはファン、空気圧縮機または冷却器である。
【0010】
減磁冷却装置の別の概略的な実施形態では、第2冷却機構は、ヒートシンクを含む。ヒートシンクは、減磁負荷との接触による熱伝導が実現されるように減磁負荷に接続される。ヒートシンクの内部に流体通路が形成される。第2冷却機構は、駆動機構を更に含む。駆動機構は、外部の冷媒を駆動し、流体通路を通して流し、その後にヒートシンク外へ流すことができる。冷媒は、気体または液体である。これは、冷却速度の制御に有益である。
【0011】
減磁冷却装置の別の概略的な実施形態では、第2冷却機構は、ヒートシンクを含む。ヒートシンクは、減磁負荷との接触による熱伝導が実現されるように減磁負荷に接続される。第2冷却機構は、ヒートシンク内に包まれる相変化材料体を更に含む。これは、電気エネルギーの消費を減少させるのに有益である。
【0012】
減磁冷却装置の別の概略的な実施形態では、ヒートシンクの材料は銅またはアルミニウムである。相変化材料体の材料はパラフィンワックスである。
【0013】
実用新案は、超伝導磁石の場の減磁のため減磁システムを更に提供する。超伝導磁石は、磁石コイル、および超伝導スイッチを含む。超伝導スイッチは、磁石コイルの電流入力端と電流出力端の間に接続される。電流は磁石コイル中で電流入力端から電流出力端へ流れて所定の静磁場を形成することができる。減磁システムは、減磁負荷、および上記の減磁冷却装置を含む。減磁負荷は磁石コイルの電流入力端と電流出力端の間で、超伝導スイッチと並列に、接続され、超伝導磁石の場が減磁されている間に、電気エネルギーを熱エネルギーへ変換することにより、磁石コイル中に存在する電気エネルギーを消費する。減磁冷却装置は、超伝導磁石の場が減磁されている間に、減磁負荷の温度を下げるために用いられる。第1冷却機構は減磁負荷と並列に接続される。第2冷却機構は、減磁負荷との接触による熱伝導が実現されるように減磁負荷に接続される。磁システムの減磁冷却装置の第1冷却機構は、超伝導磁石の場が減磁されている間に、磁石コイル中に存在する電気エネルギーを消費することによって、外部電源に依存せずに、減磁負荷の温度を下げることができる、そして、外部電源が遮断された場合であっても、減磁の間に冷却を実施することができる。
【0014】
減磁冷却システムの別の概略的な実施形態では、減磁負荷は、第2ダイオードを含む。第2ダイオードのカソードは、磁石コイルの電流入力端に接続され、第2ダイオードのアノードは、磁石コイルの電流出力端に接続される。1つまたは複数の第2ダイオードが存在する。複数の上述の第2ダイオードが存在する場合、複数の第2ダイオードは直列的におよび/または並列的に接続される。超伝導磁石の場減磁過程では、第2ダイオードは磁石コイル中に存在する電気エネルギーを消費することができ、超伝導磁石の場増磁過程では、増磁電源の電流は第2ダイオードを通過することができず、必要のない電気エネルギーの消費を避けることができる。
【0015】
減磁システムの他の概略的な実施形態では、減磁負荷は、抵抗器を更に含む。抵抗器は、第2ダイオードと磁石コイルの間に直列に接続される。1つまたは複数の抵抗器が存在する。これは、減磁効率の向上に有益である。
【0016】
実用新案は、超伝導磁石、および上記の減磁冷却装置を含む磁気共鳴イメージングシステムを更に提供する。超伝導磁石は、磁石コイル、および超伝導スイッチを含む。電流は磁石コイル中で電流入力端から電流出力端へ流れて所定の静磁場を形成することができる。超伝導スイッチは、磁石コイルの電流入力端と電流出力端の間に接続される。減磁冷却装置の第1冷却機構は超伝導スイッチと並列に接続される。第2冷却機構は減磁負荷との接触による熱伝導が実現されるように減磁負荷に接続される。MRIシステムの減磁冷却装置第1冷却機構は、超伝導磁石の場が減磁されている間に、磁石コイル中に存在する電気エネルギーを消費することによって、外部電源に依存せず、減磁負荷の温度を下げることができ、そして、外部電源が遮断された場合であっても、減磁に冷却を達成することができる。
【0017】
以下、添付の図面は本実用新案を概略的に図解および説明するものにすぎず、本実用新案の範囲を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】減磁冷却装置の概略的な実施形態を図解するための概略図である。
図2】第2冷却機構の概略的な実施形態の概略構造図である。
図3】第2冷却機構の他の概略的な実施形態の概略構造図である。
図4】減磁冷却装置の他の概略的な実施形態を図解するための概略図である。
図5】減磁負荷の概略的な実施形態を図解するための概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
実用新案の技術的特徴、目的および効果をより明確に理解するために、添付図面を参照して本実用新案特定の実施形態を説明し、当該添付図面において、同一の符号は、構造が同一の構成要素、または構造は類似するが機能が同一の構成要素を示す。
【0020】
本明細書において、「概略的」は、「実施例、例、または説明としての役割を果たす」ことを表し、本明細書で「概略的」と記述される任意の図示、実施形態は、より好ましいか、またはより優位性がある技術手法として解釈されるべきではない。
【0021】
本明細書において、「第1」、「第2」などは、文章の説明を容易にするために、互いに区別するためにのみ使用されるものであって、その重要度や順序などを示すものではない。
【0022】
図面を簡潔にするために、各図において、本実用新案に関連する部分のみを概略的に示しており、それらは製品としてのその実際の構造を代表しているわけではない。
【0023】
図1は減磁冷却装置の概略的な実施形態を説明するための概略図である。減磁冷却装置は、超伝導磁石の場の減磁過程において減磁負荷の温度を下げるために用いられる。
【0024】
図1に示すように、超伝導磁石は、磁石コイル80、および超伝導スイッチ90を含む。超伝導スイッチ90は、磁石コイル80の電流入力端81と電流出力端82の間に接続される。電流は磁石コイル80中で電流入力端81から電流出力端82へ流れて所定の静磁場を形成することができる。超伝導磁石の通常運転中には、超伝導スイッチ90がオンとなり、磁石コイル80と超伝導スイッチ90の間で電流がループを形成し、磁石コイル80の内部で電流入力端81から電流出力端82へ流れる。
【0025】
超伝導磁石の場減磁過程では、例えば、減磁負荷を用いる必要がある。図1に示すように、減磁負荷60は、例えば、磁石コイル80の電流入力端81と電流出力端82の間に接続されており、超伝導スイッチ90に並列に接続されており、超伝導磁石の場が減磁されている間に、電気エネルギーを熱エネルギーへ変換することによって、磁石コイル80中に存在する電気エネルギーを消費する。減磁負荷60は、例えば、ダイオードおよび/または抵抗器を含む。具体的には、超伝導磁石の場の減磁過程において、超伝導スイッチ90がオフになり、磁石コイル80と減磁負荷60の間で電流がループを形成する。電流が減磁負荷60を流れる間に、減磁負荷60は電気エネルギーを熱エネルギーへ変換し、これにより、場の減磁が完了するまで、磁石コイル80に存在する電気エネルギーを徐々に消費する。
【0026】
図1に示すように、この概略的な実施形態では、減磁冷却装置は、超伝導スイッチ90と並列に接続された第1冷却機構100と、第2冷却機構200とを含む。第2冷却機構200は、減磁負荷60との接触による熱伝導が実現されるように減磁負荷60に接続される。
【0027】
第1冷却機構100は、第1ダイオード10、および第1冷却ユニット20を含む。第1ダイオード10のカソードは、磁石コイル80の電流入力端81に接続され、第1ダイオード10のアノードは、磁石コイル80の電流出力端82に接続される。第1冷却ユニット20は、第1ダイオード10と磁石コイル80の間に直列に接続される。第1冷却ユニット20は、電気エネルギーを力学的エネルギーへ変換して、減磁負荷60の温度を下げることができる。具体的には、この実施形態では、第1冷却ユニット20は冷却デバイス22を含み当該冷却デバイス22は、例えば、ファン、空気圧縮機または冷却器などであ。他の概略的な実施形態では、第1冷却ユニット20は、例えば、直列的および/または並列的に接続された複数の冷却デバイス22を含んでもよい。
【0028】
超伝導磁石の場の減磁過程では、超伝導スイッチ90がオフになり、磁石コイル80と第1冷却機構100の間で電流がループを形成する。電流が第1冷却ユニット20を流れる間、第1冷却ユニット20は、電気エネルギーを力学的エネルギーへ変換し、これにより、減磁負荷60の温度を下げる。超伝導磁石の場の増磁過程において、増磁電源の正極が磁石コイル80の電流入力端81に接続され、増磁電源の負極が磁石コイル80の電流出力端82に接続されるので、増磁電源の電流は第1ダイオード10を通過することができず、第1冷却ユニット20に通電されず、これにより、必要のない電気エネルギーの消費を避けることができる。
【0029】
減磁冷却装置の第1冷却機構は、超伝導磁石の場が減磁されている間、磁石コイルに存在する電気エネルギーを消費することによって、外部電源に依存せずに、減磁負荷の温度を下げることができる、そして、外部電源が遮断された場合であっても、減磁中に冷却を実施することができる。
【0030】
本明細書において、外部電源は磁石コイル以外の源として解釈する。
【0031】
他の概略的な実施形態では、第1冷却機構100の数は必要に応じて調整することができ、各第1冷却機構100中の第1ダイオード10および第1冷却ユニット20の数も必要に応じて調整することができる。第1冷却機構100が複数の第1ダイオード10を含む場合、複数の第1ダイオード10は、例えば、直列的におよび/または並列的に接続される。第1冷却機構100が複数の第1冷却ユニット20を含む場合、複数の第1冷却ユニット20は、例えば、直列的におよび/または並列的に接続される。
【0032】
図2および図3は、それぞれ第2冷却機構200の2つの概略的な実施形態を示している。
【0033】
図2に示す第2冷却機構200において、第2冷却機構200は、ヒートシンク30、および駆動機構40を含む。ヒートシンク30は、減磁負荷60との接触による熱伝導が実現されるように減磁負荷60に接続される。ヒートシンク30の内側に流体通路31が形成される。駆動機構40は、外部の冷媒を駆動し、流体通路31を通して流し、その後にヒートシンク30外へ流して、ヒートシンク30の温度を下げ、これにより、減磁負荷の温度を下げることができる。冷媒は、例えば、気体または液体である。駆動機構40は、例えば、ファンまたは流体ポンプなどである。ヒートシンク30の材料は、例えば、銅またはアルミニウムであるが、これに限定されない。
【0034】
図3に示す第2冷却機構200において、第2冷却機構200は、ヒートシンク30と、ヒートシンク30に収容された相変化材料体50とを含む。ヒートシンク30は、減磁負荷60との接触による熱伝導が実現されるように減磁負荷60に接続される。ヒートシンク30の材料は、例えば、銅またはアルミニウムであるが、これに限定されない。相変化材料体50の材料は、例えば、パラフィンワックスであるが、これに限定されず、他の概略的な実施形態では、他の相変化材料であってもよい。このような第2冷却機構200は、電気エネルギーを消費する必要がなく、相変化材料によって高い蓄熱量に達することができる。他の概略的な実施形態では、ヒートシンク30内に、相変化材料を収容していなくてもよく代わりに中実ブロックが、例えば中実銅ブロックまたは中実アルミニウムブロック収容されてもよく、当該中実ブロックはコスト低減に有益である。
【0035】
第2冷却機構200は、減磁冷却装置の冷却効率の向上に有益である。
【0036】
概略的な実施形態では、第1冷却ユニット20から出力される力学的エネルギーは、例えば、空気の流れを強化し、第2冷却機構200の冷却を加速することができる。
【0037】
図4は減磁冷却装置の他の概略的な実施形態を説明するための概略図である。この概略的な実施形態の減磁冷却装置に特徴であって図1に示す減磁冷却装置と同一または類似の特徴は、ここでは再度の説明を省略する、異なる特徴について以下に説明する。図4に示すように、この概略的な実施形態では、第1冷却ユニット20は、直流変圧器21、および冷却デバイス22を含む。直流変圧器21の入力端は第1ダイオード10と磁石コイル80の間に直列に接続される。冷却デバイス22は直流変圧器21の出力端に接続される。直流変圧器21は、具体的には、例えば、定電圧を出力するDC-DCコンバータであり、冷却デバイス22の電力需要を満たすために用いられる。冷却デバイス22は、電気エネルギーを力学的エネルギーへ変換して減磁負荷60の温度を下げることができる。冷却デバイス22は、例えば、ファン、空気圧縮機または冷却器などである。直流変圧器は、冷却効率の向上に有益である。
【0038】
実用新案は、超伝導磁石の場の減磁のための減磁システムを更に提供する。超伝導磁石は、磁石コイル80、および超伝導スイッチ90を含む。超伝導スイッチ90は、磁石コイル80の電流入力端81と電流出力端82の間に接続される。電流は磁石コイル80中で電流入力端81から電流出力端82へ流れて所定の静磁場を形成することができる。図1および図4に示すように、減磁システムの概略的な実施形態では、減磁システムは、減磁負荷60、および図1または図4に示す減磁冷却装置を含む。減磁負荷60は、磁石コイル80の電流入力端81と電流出力端82の間で、そして超伝導スイッチ90と並列に、接続され、超伝導磁石の場が減磁されている間に、電気エネルギーを熱エネルギーへ変換することによって、磁石コイル80に存在する電気エネルギーを消費する。減磁冷却装置は、超伝導磁石の場が減磁されている間に減磁負荷60の温度を下げるために用いられる。第1冷却機構100は減磁負荷60と並列に接続される。第2冷却機構200は、減磁負荷60との接触による熱伝導が実現されるように減磁負荷60に接続される。
【0039】
図5は、減磁負荷60の異なる5つの概略的な実施形態を示す。図5に示すように、概略的な実施形態では、減磁負荷60は、第2ダイオード61を含む。第2ダイオード61の両極は、それぞれ、磁石コイル80の電流入力端81および電流出力端82に接続される。超伝導磁石の場の減磁過程において、電流は第2ダイオード61を流れ、第2ダイオード61は電気エネルギーを熱エネルギーへ変換し、磁石コイル中に存在する電気エネルギーを消費する。第2ダイオード61のカソードは、磁石コイル80の電流入力端81に接続され、第2ダイオード61のアノードは、磁石コイル80の電流出力端82に接続され、これにより、超伝導磁石の場の増磁過程において、増磁電源の電流は第2ダイオード61を通過することができず、必要のない電気エネルギーの消費を避けることができる。1つまたは複数の第2ダイオード61が存在する。複数の第2ダイオード61が存在する場合、複数の第2ダイオード61は、例えば、図5のI、IIおよびIIIに示すように、直列的および/または並列的に接続される。
【0040】
図5のIVおよびVに示すように、更に、概略的な実施形態では、減磁負荷60は抵抗器62を更に含む。抵抗器62は、第2ダイオード61と磁石コイル80の間に直列に接続され、1つまたは複数の抵抗器62が存在する。電流が抵抗器62を通過するとき、抵抗器62は電気エネルギーを熱エネルギーへ変換し、磁石コイルに存在する電気エネルギーを消費することができる。抵抗器62は、減磁効率の向上に有益である。
【0041】
減磁システムの減磁冷却装置の第1冷却機構は、超伝導磁石の場が減磁されている間に磁石コイルに存在する電気エネルギーを消費することによって、外部電源に依存せずに、減磁負荷の温度を下げることができ、外部電源が遮断された場合であっても、減磁過程において冷却を実現することができる。
【0042】
実用新案は、超伝導磁石と、図1または図4に示す減磁冷却装置とを含むMRIシステムを更に提供する。超伝導磁石は、磁石コイル80、および超伝導スイッチ90を含む。電流は、磁石コイル80において電流入力端81から電流出力端82へ流れて、所定の静磁場を形成することができる。超伝導スイッチ90は、磁石コイル80の電流入力端81と電流出力端82の間に接続される。減磁冷却装置の第1冷却機構100は、超伝導スイッチ90と並列に接続される。第2冷却機構200は、減磁負荷60との接触による熱伝導が実現されるように減磁負荷60に接続される。MRIシステムの減磁冷却装置の第1冷却機構は、超伝導磁石の場が減磁されている間、磁石コイルに存在する電気エネルギーを消費することによって、外部電源に依存せずに、減磁負荷の温度を下げることができ、外部電源が遮断された場合であっても、減磁の間に冷却を達成することができる。
【0043】
本明細書は、各実施例に基づいているが、各実施例が1つだけの独立した技術手法を含むものではないことを理解すべきである。このような説明方法は、説明を明確にするためのものに過ぎない。当業者は、明細書をの全体に関して考慮するべきである。各実施例における技術的な解決策は、適宜組み合わせられ得て、当業者にとって理解可能な他の実施形態を形成することができる。
【0044】
上記の一連の詳細な説明は、本実用新案の実現可能な実施形態の具体的な説明にすぎず、本実用新案の保護の範囲を制限する意図はない。本実用新案の技術的精神から逸脱することなく行われるあらゆる同等の実施形態または変更、例えば、特徴の組合せ、分割または重複は本実用新案の保護範囲に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0045】
100 第1冷却機構
10 第1ダイオード
20 第1冷却ユニット
21 直流変圧器
22 冷却デバイス
200 第2冷却機構
30 ヒートシンク
31 流体通路
40 駆動機構
50 相変化材料体
60 減磁負荷
61 第2ダイオード
62 抵抗器
80 磁石コイル
81 電流入力端
82 電流出力端
90 超伝導スイッチ
【誤訳訂正2】
【訂正対象書類名】特許請求の範囲
【訂正対象項目名】全文
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
超伝導磁石の場が減磁している間に減磁負荷の温度を下げるための減磁冷却装置であって、前記超伝導磁石は、磁石コイル(80)と超伝導スイッチ(90)とを含み、前記超伝導スイッチ(90)は、前記磁石コイル(80)の電流入力端と電流出力端の間に接続されており、電流は前記磁石コイル(80)中で前記電流入力端から前記電流出力端へ流れて所定の静磁場を形成することができる減磁冷却装置において、
前記減磁冷却装置は、前記超伝導スイッチ(90)と並列に接続された第1冷却機構(100)と、第2冷却機構(200)とを含み、前記第2冷却機構(200)は前記減磁負荷との接触による熱伝導が実現されるように前記減磁負荷に接続されており、前記第1冷却機構(100)は、
第1ダイオード(10)を含み、前記第1ダイオード(10)のカソードは前記磁石コイル(80)の前記電流入力端に接続されており、前記第1ダイオード(10)のアノードは前記磁石コイル(80)の前記電流出力端に接続されており、
第1冷却ユニット(20)を含み、前記第1冷却ユニット(20)は、前記第1ダイオード(10)と前記磁石コイル(80)の間に直列に接続されており、前記第1冷却ユニット(20)は、電気エネルギーを力学的エネルギーへ変換して前記減磁負荷の温度を下げることができる、
ことを特徴とする、減磁冷却装置。
【請求項2】
前記第1冷却ユニット(20)は、直流変圧器(21)と冷却デバイス(22)とを含み、前記直流変圧器(21)の入力端は前記第1ダイオード(10)と前記磁石コイル(80)の間に直列に接続されており、前記冷却デバイス(22)は前記直流変圧器(21)の出力端に接続されており、前記冷却デバイス(22)は電気エネルギーを力学的エネルギーへ変換して前記減磁負荷の温度を下げることができることを特徴とする、請求項1に記載の減磁冷却装置。
【請求項3】
前記第1冷却ユニット(20)は、冷却デバイス(22)を含み、前記冷却デバイス(22)は、ファン、空気圧縮機または冷却器であることを特徴とする、請求項1に記載の減磁冷却装置。
【請求項4】
前記第2冷却機構(200)は、ヒートシンク(30)を含み、前記ヒートシンク(30)は前記減磁負荷との接触による熱伝導が実現されるように前記減磁負荷に接続されており、流体通路(31)が前記ヒートシンク(30)の内側に形成されており、前記第2冷却機構(200)は、駆動機構(40)を更に含み、前記駆動機構(40)は外部の冷媒を駆動し、前記流体通路(31)を通して流し、その後前記ヒートシンク(30)の外へ流すことができ、前記冷媒は、気体または液体であることを特徴とする、請求項1に記載の減磁冷却装置。
【請求項5】
前記第2冷却機構(200)は、ヒートシンク(30)を含み、前記ヒートシンク(30)は前記減磁負荷との接触による熱伝導が実現されるように前記減磁負荷に接続されており、前記第2冷却機構(200)は、前記ヒートシンク(30)内に収容された相変化材料体(50)を更に含むことを特徴とする、請求項1に記載の減磁冷却装置。
【請求項6】
前記ヒートシンク(30)の材料は銅またはアルミニウムであり、前記相変化材料体(50)の材料はパラフィンワックスであることを特徴とする、請求項5に記載の減磁冷却装置。
【請求項7】
超伝導磁石の場を減磁するための減磁システムであって、前記超伝導磁石は、磁石コイル(80)と超伝導スイッチ(90)とを含み、前記超伝導スイッチ(90)は、前記磁石コイル(80)の電流入力端と電流出力端の間に接続されており、電流は前記磁石コイル(80)中で前記電流入力端から前記電流出力端へ流れて所定の静磁場を形成することができる減磁システムにおいて、
前記減磁システムは、
前記磁石コイル(80)の前記電流入力端と前記電流出力端の間で超伝導スイッチ(90)と並列に接続されており、前記超伝導磁石の前記場が減磁されている間に、電気エネルギーを熱エネルギーへ変換することにより前記磁石コイル(80)中に存在する電気エネルギーを消費する、減磁負荷(60)と、
前記超伝導磁石の前記場が減磁されている間に前記減磁負荷(60)の温度を下げるための、請求項1から6のいずれか一項に記載の、減磁冷却装置とを含み、前記第1冷却機構(100)は前記減磁負荷(60)と並列に接続されており、前記第2冷却機構(200)は前記減磁負荷(60)との接触による熱伝導が実現されるように前記減磁負荷(60)に接続されていることを特徴とする、減磁システム。
【請求項8】
前記減磁負荷(60)は、第2ダイオード(61)を含み、前記第2ダイオード(61)の前記カソードは前記磁石コイル(80)の前記電流入力端に接続されており、前記第2ダイオード(61)の前記アノードは前記磁石コイル(80)の前記電流出力端に接続されており1つまたは複数の前記第2ダイオード(61)が存在しており、複数の前記第2ダイオード(61)が存在している場合、前記複数の第2ダイオード(61)は直列的におよび/または並列的に接続されていることを特徴とする、請求項7に記載の減磁システム。
【請求項9】
前記減磁負荷(60)は、抵抗器(62)を更に含み、前記抵抗器(62)は前記第2ダイオード(61)と前記磁石コイル(80)の間に直列に接続されており、1つまたは複数の前記抵抗器(62)が存在していることを特徴とする、請求項8に記載の減磁システム。
【請求項10】
MRIシステムであって、
磁石コイル(80)、および超伝導スイッチ(90)を含む超伝導磁石であって、電流は前記磁石コイル(80)中で電流入力端(81)から電流出力端(82)へ流れて所定の静磁場を形成することができ、前記超伝導スイッチ(90)は、前記磁石コイル(80)の前記電流入力端(81)と前記電流出力端(82)の間に接続される超伝導磁石と、
請求項1から6のいずれか一項に記載の減磁冷却装置であって、前記第1冷却機構(100)は前記超伝導スイッチ(90)と並列に接続されており、前記第2冷却機構(200)は前記減磁負荷(60)との接触による熱伝導が実現されるように前記減磁負荷(60)と接続されている、減磁冷却装置と、
を含むことを特徴とする、MRIシステム。
【外国語明細書】