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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024011557
(43)【公開日】2024-01-25
(54)【発明の名称】磁気センサ及びモータ組立体
(51)【国際特許分類】
   G01D 5/245 20060101AFI20240118BHJP
【FI】
G01D5/245 110K
G01D5/245 110B
【審査請求】未請求
【請求項の数】22
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022113644
(22)【出願日】2022-07-15
(71)【出願人】
【識別番号】000003067
【氏名又は名称】TDK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123788
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 昭夫
(74)【代理人】
【識別番号】100127454
【弁理士】
【氏名又は名称】緒方 雅昭
(72)【発明者】
【氏名】平野 裕幸
(72)【発明者】
【氏名】岡 禎一郎
(72)【発明者】
【氏名】毛受 良一
(72)【発明者】
【氏名】高橋 真
【テーマコード(参考)】
2F077
【Fターム(参考)】
2F077AA42
2F077AA47
2F077CC02
2F077NN04
2F077NN05
2F077NN19
2F077NN22
2F077PP12
2F077PP14
(57)【要約】
【課題】磁石と素子が回転体から離間して配置され、磁場検出性能が向上した磁気センサを提供する。
【解決手段】磁気センサ1は、軸方向Zに延びる回転体2の回転角を検知する。磁気センサ1は、回転体2の軸方向Zにおける先端面21に環状に設けられ、軟磁性体で形成された凹凸構造22と、磁石3と、素子4と、を有している。凹凸構造22は凸部23と凹部24とを備え、凸部23は、凹部24に対し軸方向Zに突き出している。素子4は、磁石3と凹凸構造22とによって形成される磁場を検知する。磁石3と素子4は回転体2から離間して配置され、且つ磁石3と素子4の相互の位置関係が固定されている。磁石3と素子4の少なくともいずれかは、軸方向Zと、軸方向Zと直交する径方向Rの少なくともいずれかにおいて、凹凸構造22と異なる位置にある。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸方向に延びる回転軸の周りを回転する回転体の回転角を検知する磁気センサであって、
前記回転体の前記軸方向における先端面に環状に設けられ、軟磁性体で形成された凹凸構造と、
磁石と、
少なくとも一つの素子と、を有し、
前記凹凸構造は少なくとも一つの凸部と少なくとも一つの凹部とを備え、前記少なくとも一つの凸部は、前記少なくとも一つの凹部に対し前記軸方向に突き出し、
前記少なくとも一つの素子は、前記磁石と前記凹凸構造とによって形成される磁場を検知し、
前記磁石と前記少なくとも一つの素子は前記凹凸構造から離間して配置され、且つ相互の位置関係が固定され、
前記磁石と前記少なくとも一つの素子の少なくともいずれかは、前記軸方向と、前記軸方向と直交する径方向の少なくともいずれかにおいて、前記凹凸構造と異なる位置にある、磁気センサ。
【請求項2】
前記磁石の2つの磁極の中心同士を結ぶ線と直交する任意の方向において、前記素子は前記磁石と異なる位置にある、請求項1に記載の磁気センサ。
【請求項3】
前記線と平行な方向において、前記素子は前記磁石と異なる位置にある、請求項2に記載の磁気センサ。
【請求項4】
前記径方向において前記磁石は前記凹凸構造と重なる位置にあり前記素子は前記凹凸構造と異なる位置にあり、前記軸方向において前記素子は前記凹凸構造と重なる位置または前記磁石と前記凹凸構造との間にあり、前記磁石は前記軸方向に磁化している、請求項1から3のいずれか1項に記載の磁気センサ。
【請求項5】
前記軸方向において前記磁石は前記凹凸構造と重なる位置にあり前記素子は前記凹凸構造と異なる位置にあり、前記径方向において前記素子は前記凹凸構造と重なる位置または前記磁石と前記凹凸構造との間にあり、前記磁石は前記軸方向と直交する方向に磁化している、請求項1から3のいずれか1項に記載の磁気センサ。
【請求項6】
前記径方向において前記磁石は前記凹凸構造と重なる位置にあり前記素子は前記凹凸構造と異なる位置にあり、前記軸方向において前記素子は前記凹凸構造と重なる位置または前記磁石と前記凹凸構造の間にあり、前記磁石は前記軸方向及び前記径方向と直交する方向に磁化している、請求項1から3のいずれか1項に記載の磁気センサ。
【請求項7】
前記軸方向において前記磁石は前記凹凸構造と重なる位置にあり前記素子は前記凹凸構造と異なる位置にあり、前記径方向において前記素子は前記凹凸構造と重なる位置または前記磁石と前記凹凸構造との間にあり、前記磁石は前記軸方向及び前記径方向と直交する方向に磁化している、請求項1から3のいずれか1項に記載の磁気センサ。
【請求項8】
前記径方向において前記磁石は前記凹凸構造と重なる位置にあり前記素子は前記凹凸構造と異なる位置にあり、前記軸方向において前記素子は前記凹凸構造と重なる位置または前記磁石と前記凹凸構造との間にあり、前記磁石は前記径方向に磁化している、請求項1から3のいずれか1項に記載の磁気センサ。
【請求項9】
前記軸方向において前記磁石は前記凹凸構造と異なる位置にあり前記素子は前記凹凸構造と異なる位置にあり、前記径方向において前記素子は前記凹凸構造と重なる位置または前記磁石と前記凹凸構造との間にあり、前記磁石は前記軸方向に磁化している、請求項1から3のいずれか1項に記載の磁気センサ。
【請求項10】
前記軸方向において、前記磁石は前記凹凸構造と異なる位置にあり、前記素子は前記凹凸構造と重なり且つ前記凹凸構造の前記軸方向の中心から前記軸方向にずれた位置にあり、前記磁石は前記軸方向と直交する方向に磁化している、請求項1から3のいずれか1項に記載の磁気センサ。
【請求項11】
前記径方向において、前記磁石は前記凹凸構造と異なる位置にあり、前記素子は前記凹凸構造と重なり且つ前記凹凸構造の前記径方向の中心から前記径方向にずれた位置にあり、前記磁石は前記軸方向に磁化している、請求項1から3のいずれか1項に記載の磁気センサ。
【請求項12】
前記径方向において、前記磁石は前記凹凸構造と異なる位置にあり、前記素子は前記凹凸構造と重なり且つ前記凹凸構造の前記径方向の中心から前記径方向にずれた位置にあり、前記磁石は前記軸方向と直交する方向に磁化している、請求項1から3のいずれか1項に記載の磁気センサ。
【請求項13】
前記軸方向において、前記磁石は前記凹凸構造と異なる位置にあり、前記素子は前記凹凸構造と重なり且つ前記凹凸構造の前記軸方向の中心から前記軸方向にずれた位置にあり、前記磁石は前記軸方向と直交する方向に磁化している、請求項1から3のいずれか1項に記載の磁気センサ。
【請求項14】
前記軸方向において前記磁石は前記凹凸構造と異なる位置にあり前記素子は前記凹凸構造と重なる位置にあり、前記磁石は前記軸方向に磁化している、請求項1から3のいずれか1項に記載の磁気センサ。
【請求項15】
前記凹凸構造は、前記先端面から前記軸方向に突き出し前記先端面の外周縁部の全周を延びる外壁部を有し、前記外壁部は前記軸方向において、前記少なくとも一つの凸部と前記少なくとも一つの凹部の少なくとも一部を覆う、請求項1から3のいずれか1項に記載の磁気センサ。
【請求項16】
前記外壁部は前記凹凸構造と一体である、請求項15に記載の磁気センサ。
【請求項17】
前記外壁部は前記凹凸構造から分離している、請求項15に記載の磁気センサ。
【請求項18】
前記少なくとも一つの素子は前記軸方向及び前記径方向において、前記外壁部の内側に位置する、請求項15に記載の磁気センサ。
【請求項19】
前記磁石と前記少なくとも一つの素子とを支持する一つの支持部材を有する、請求項1から3のいずれか1項に記載の磁気センサ。
【請求項20】
前記少なくとも一つの素子は複数の素子である、請求項1から3のいずれか1項に記載の磁気センサ。
【請求項21】
モータと、前記モータに連結されたロッドの形状の前記回転体と、請求項1から3のいずれか1項に記載の磁気センサと、を有し、前記回転体の先端面に前記凹凸構造が設けられているモータ組立体。
【請求項22】
第1の方向に直線移動可能な移動体の変位を検知する磁気センサであって、前記移動体の前記第1の方向と平行な面に設けられ軟磁性体で形成された凹凸構造と、磁石と、少なくとも一つの素子と、を有し、
前記凹凸構造は少なくとも一つの凸部と少なくとも一つの凹部とを備え、前記少なくとも一つの凸部は前記少なくとも一つの凹部に対し前記第1の方向と直交する第2の方向に突き出し、前記少なくとも一つの凸部と前記少なくとも一つの凹部が第1の方向に配列し、
前記少なくとも一つの素子は、前記磁石と前記凹凸構造とによって形成される磁場を検知し、
前記磁石と前記少なくとも一つの素子は前記凹凸構造から間隔をおいて配置され、且つ前記磁石と前記少なくとも一つの素子の相互の位置関係が固定され、
前記磁石と前記少なくとも一つの素子の少なくともいずれかは前記第1の方向及び第2の方向と直交する第3の方向において前記凹凸構造と異なる位置にある、磁気センサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は磁気センサ及びモータ組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
回転体の回転角を磁場検知素子で検知する角度センサが知られている。特許文献1には回転軸の先端面に設けられた凹凸構造と、回転軸の先端面と対向して設けられた磁石と、回転軸の先端面と磁石との間に設けられ磁場を検出する素子と、を有する磁気式角度センサが開示されている。回転軸の回転に伴い磁石と凹凸構造が発生する磁場が変化する。素子はこの磁場の変化を検出することで回転軸の回転角を検知する。磁石と素子は回転軸から離間した一つの基板に支持されているため、磁石を回転軸に取り付けることによって生じ得る磁石の破損、位置ずれなどの問題が生じない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-151105号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された角度センサでは、素子が磁石と回転体(回転軸)との間にある。このため、素子の設置位置における磁場が回転体の回転に伴い変化しにくく、磁場検出性能を高めることが困難である。
【0005】
本発明は、磁石と素子が回転体から離間して配置され、磁場検出性能が向上した磁気センサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の磁気センサは、軸方向に延びる回転体の回転角を検知する。磁気センサは、回転体の軸方向における先端面に環状に設けられ、軟磁性体で形成された凹凸構造と、磁石と、少なくとも一つの素子と、を有している。凹凸構造は少なくとも一つの凸部と少なくとも一つの凹部とを備え、少なくとも一つの凸部は、少なくとも一つの凹部に対し軸方向に突き出している。少なくとも一つの素子は、磁石と凹凸構造とによって形成される磁場を検知する。磁石と少なくとも一つの素子は回転体から離間して配置され、且つ磁石と少なくとも一つの素子の相互の位置関係が固定されている。磁石と少なくとも一つの素子の少なくともいずれかは、軸方向と、軸方向と直交する径方向の少なくともいずれかにおいて、凹凸構造と異なる位置にある。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、磁石と素子が回転体から離間して配置され、磁場検出性能が向上した磁気センサを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係るモータ組立体と磁気センサ(角度センサ)の概要図である。
図2】凹凸構造の平面図である。
図3】様々な計算例の概要図である。
図4】ケース1の計算結果を示す図である。
図5】ケース2の計算結果を示す図である。
図6】ケース3の計算結果を示す図である。
図7】ケース4の計算結果を示す図である。
図8】ケース1aの計算結果を示す図である。
図9】ケース2aの計算結果を示す図である。
図10】ケース3aの計算結果を示す図である。
図11】ケース4aの計算結果を示す図である。
図12】ケース1bの計算結果を示す図である。
図13】ケース2bの計算結果を示す図である。
図14】ケース3bの計算結果を示す図である。
図15】ケース4bの計算結果を示す図である。
図16】ケース5の計算結果を示す図である。
図17】ケース6の計算結果を示す図である。
図18】ケース7の計算結果を示す図である。
図19】ケース5aの計算結果を示す図である。
図20】ケース6aの計算結果を示す図である。
図21】ケース7aの計算結果を示す図である。
図22】ケース8の計算結果を示す図である。
図23】ケース9の計算結果を示す図である。
図24】角度センサにおける磁石と素子の配置条件を説明する図である。
図25】磁石と素子の他の配置条件を説明する図である。
図26】ケース2,3(タイプ1)の正面図と側面図である。
図27】ケース2,3(タイプ2)の正面図と側面図である。
図28】ケース2a,3a(タイプ1)の正面図と側面図である。
図29】ケース2a,3a(タイプ2)の正面図と側面図である。
図30】ケース2b,3b(タイプ1)の正面図と側面図である。
図31】ケース2b,3b(タイプ2)の正面図と側面図である。
図32】ケース6(タイプ1)の正面図と側面図である。
図33】ケース6(タイプ2)の正面図と側面図である。
図34】ケース6a(タイプ1)の正面図と側面図である。
図35】ケース6a(タイプ2)の正面図と側面図である。
図36】ケース9(タイプ1)の正面図と側面図である。
図37】本発明の一実施形態に係る磁気センサ(ストロークセンサ)の概要図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の磁気センサの実施形態を説明する。以下の説明において、軸方向Zは回転体2の回転軸Cと平行な方向、径方向Rは回転体2の回転軸Cと直交する方向を意味し、径方向Rは軸方向Zと直交する。軸方向Zの周りを回転する方向を周方向Wという。素子4の位置は素子4の感磁部の位置で定義される。
【0010】
図1(a)はモータ組立体6の側面図、図1(b)は磁気センサ1の概略斜視図、図1(c)は磁気センサ1の側面図(図1(a)のA部拡大図)を示している。モータ組立体6は、モータ7と、モータ7に連結された回転体2と、磁気センサ1と、を有している。回転体2は軸方向Zに延びる回転軸Cの周りを回転可能である。回転体2は長手方向に延びる細長いロッド2Aの形状を有しているが、回転軸Cの周りを回転可能である限り形状は限定されない。回転体2には、モータ7と凹凸構造22(後述)との間に、被駆動体(図示せず)との接続部27が設けられ、接続部27には被駆動体との接続のためのネジ溝(図示せず)などが形成されている。回転体2は軟磁性体で形成されている。回転体2の軸方向Zにおける先端面21に凹凸構造22が設けられている。凹凸構造22は回転体2と一体形成され、従って凹凸構造22も軟磁性体で形成されている。凹凸構造22を除き、回転体2の材料は限定されず、例えば、凹凸構造22以外の部分が非磁性体で形成されてもよい。本実施形態の磁気センサ1は、回転体2の回転角を検知する角度センサである。磁気センサ1は、凹凸構造22と、磁石3と、少なくとも一つの磁場検出素子(以下、単に素子4という)と、を有する。本実施形態では一つの素子4が設けられている。
【0011】
図2(a)に、図1(a)のB方向からみた回転体2の先端面21の正面図を示す。図中の矢印は回転体2の回転方向を示す。凹凸構造22は回転体2の先端面21に環状に設けられている。すなわち、凹凸構造22は少なくとも一つの凸部(以下、単に凸部23という)と少なくとも一つの凹部(以下、単に凹部24という)とを有し、凸部23と凹部24が先端面21において周方向Wに交互に配列している。凸部23と凹部24の数は回転体2の直径に応じて選択できるが、それぞれ6~10個程度設けることが好ましい。この場合、凸部23の形状と大きさは互いに同じであり、凹部24の形状と大きさも互いに同じであることが好ましい。また、凸部23と凹部24は一定の角度間隔で配列されることが好ましい。凸部23は凹部24に対し軸方向Zに突き出している。凸部23の軸方向Zの突き出し長さは全ての凸部23で同じである。回転体2の先端面21は回転体2と直交する平面であり、凹部24は当該平面の一部であり、凸部23の基部は当該平面上にある。
【0012】
素子4は、磁石3と凹凸構造22とによって形成される磁場を検知する。磁場強度は凹凸構造22の回転に伴い変化する。特定の方向の磁場強度と回転体2の回転角度との関係は予め求められている。従って、磁気センサ1の演算部(図示せず)は、素子4が検知した磁場強度から回転体2の回転角度を検知することができる。素子4の種類は限定されず、ホール素子のほか、AMR素子、TMR素子などの磁気抵抗効果素子を用いることができる。素子4は、異なる2方向の磁場強度を検知する複数の検出部を備えていることが好ましい。これによって、360度の角度範囲で角度検出が可能となる。磁場強度の好ましい検出方向は後述するケースによって異なる。図2(a)に破線で示すように、磁気センサ1は複数の素子4A,4Bを備えていてもよい。複数の素子4を設けることで、回転角を検知する精度を向上させることができる。すなわち、素子4と磁石3を組み立てる際に回転体2に対して位置ずれが起きることがあるが、複数の素子4の出力を演算することによって、位置ずれに起因する精度の低下を抑制することができる。
【0013】
磁石3は概ね直方体であるが、形状は限定されない。図1(b),1(c)に示すように、磁石3と素子4は一つの支持部材5で支持されている。本実施形態では、支持部材5は素子4の回路基板であるがこれに限定されない。支持部材5は回転体2から離れた位置(例えば車体)に固定的に取り付けられ、回転体2は支持部材5に対して相対的に回転する。すなわち、磁石3と素子4は凹凸構造22から離間して配置され、且つ磁石3と素子4の相互の位置関係が固定されている。磁石3を回転体2に取り付ける場合、磁石3が回転体2に偏芯して取り付けられることで磁石に遠心力が働き、磁石3の破損や回転体2からの脱落が生じる可能性がある。また、磁石3と素子4を個別に取り付けるため、磁石3と素子4との間で位置ずれが生じやすい。本実施形態では、これらの問題が解消される。なお、磁石3と素子4は、一つの支持部材5で支持されている必要はない。磁石3と素子4は、磁石3と素子4の相互の位置関係が固定されている限り、別々の支持部材に支持されていてもよい。
【0014】
回転体2は、回転体2の先端面21から軸方向Zに突き出す環状の外壁部25を有している。外壁部25は先端面21の外周縁部26に沿って、外周縁部26の全周を延びている。外壁部25は先端面21の外周縁部26だけに設けられている。外壁部25は軸方向Zにおいて、凸部23と凹部24の少なくとも一部、好ましくは全体を覆っている。外壁部25は凹凸構造22と一体である。すなわち、外壁部25は各凸部23と一体化されている。図2(b)に示すように、外壁部25は凹凸構造22から分離していてもよい。素子4は外壁部25の内側に位置することが好ましい。より具体的には、素子4は軸方向Z及び径方向Rにおいて外壁部25の内側にあることが好ましい。このように、素子4を外壁部25で覆うことで外部磁場の影響を低減することができる。一例では、外壁部25がない場合(図2(a)において外壁部25がない場合)、素子4の位置における外部磁場は、回転体2(凹凸構造22を含む)の遮へい効果によって約80%低減する。外壁部25がある場合(図2(a)の場合)、素子4の位置における外部磁場は、回転体2の遮へい効果に加えて外壁部25の遮へい効果によって約95%低減する。
【0015】
素子4と磁石3と凹凸構造22の様々な相対位置関係について、素子4の磁場検出性能を計算した。図3~23を参照して、計算例を説明する。上述の通り、凹凸構造22は環状の形状を有しているが、計算の便宜上、凹凸構造22を直線形状で近似する。素子4の近傍を通る凸部23と凹部24の動きは近似的に直線運動とみなせる。図3は様々な計算例の概要を示している。各欄の右上の数字はケース番号を示す。すべてのケースで、凹凸構造22は図3における左右方向(以下、移動方向D1という)に移動する。ケース1~7では、磁石3は移動方向D1と直交する方向D2に着磁され、ケース1a~7aでは、磁石3は移動方向D1に着磁され、ケース1b~4b、8、9では、磁石3は方向D1,D2と直交する方向D3に着磁されている。
【0016】
図3の正面図を参照すると、ケース2~4では、凹凸構造22と素子4と磁石3の方向D2における配置関係が異なっている。ケース2では、凹凸構造22と素子4と磁石3の方向D2における配置関係はケース1と同じである。ケース3では、方向D2において素子4が凹凸構造22と重なっている。ケース4では、方向D2において素子4が磁石3と重なっている。ケース2a~4a、ケース2b~4bについても同様である。ケース5~7では、凹凸構造22と素子4と磁石3の方向D2における配置関係はケース1と同じである。ケース8では、磁石3が素子4と凹凸構造22との間にあり、ケース9では、素子4が磁石3と凹凸構造22との間にある。なお、本明細書においてある部材が他の部材と「重なる」とは、ある部材の少なくとも一部と他の部材の少なくとも一部が、所定の方向において少なくとも部分的に重なることを意味する。また、ある部材が他の2つの部材の「間にある」とは、ある部材が所定の方向において他の2つの部材の間のギャップのみにある(2つの部材のいずれとも重なっていない)ことを意味する。
【0017】
図3の側面図を参照すると、ケース1,1a、1bでは、凹凸構造22と素子4と磁石3が方向D3において重なっている。ケース2~4,2a~4a、2b~4bでは、凹凸構造22と磁石3は方向D3において重なっているが、素子4は方向D3において凹凸構造22及び磁石3と異なる位置にある。ケース5~7では、素子4及び/または磁石3が方向D3において凹凸構造22と異なる位置にある。ケース5では、方向D3において素子4は凹凸構造22と磁石3の間にある。ケース6では、方向D3において素子4は凹凸構造22と重なっているが、凹凸構造22の中心から磁石3側にずれている。ケース7では、方向D3において素子4は磁石3と重なっている。ケース5a~7aについても同様である。ケース8、9では、凹凸構造22と素子4は方向D3において重なっているが、磁石3は方向D3において凹凸構造22及び素子4と異なる位置にある。なお、本明細書においてある部材が他の部材と「異なる位置にある」とは、ある部材の全ての部分が、所定の方向において他の部材のいずれの部分とも異なる位置にある(他の部材とは全く重なっていない)ことを意味する。
【0018】
各ケースにおいて、素子4の方向D1における磁石3に対する相対位置関係を複数設定した(P1~P3)。図4~23には、素子4の位置P1~P3毎に、方向D1~D3の磁場強度を示している。グラフの横軸は、凹凸構造22の方向D1における素子4に対する相対移動距離(回転角度に相当)を示し、縦軸は磁場強度を示す。これらの計算例より、以下のケース(以下、好適ケースという)が良好な磁場検出性能を示すことがわかる。
・ケース2,3
・ケース2a,3a
・ケース2b,3b
・ケース6
・ケース6a
・ケース9
【0019】
良好な磁場検出性能は以下の条件を満たしているか否かで判断する。
・条件A:形状が正弦波に近似している(全体形状と滑らかさ)
・条件B:磁場強度、すなわち出力が大きい
・条件C:複数の方向(方向D1~D3の少なくとも2つ)で条件A、Bを満たす
条件Cを満たすことで、360度の角度範囲で角度検出が可能となる。ただし、一つの方向しか条件A、Bを満たさない場合でも180度の角度範囲で角度検出が可能であるので、条件Cは必ずしも満たす必要はない。各好適ケースは条件A~Cを満たしている。
【0020】
図24(a)は図4~23における正面図、図24(b)は図4~23における側面図を示している。各好適ケースでは、磁石3と素子4(素子4が複数ある場合はすべての素子4)の少なくともいずれかは、方向D3において凹凸構造22と異なる位置、すなわち領域S0を避けた領域にある。ところで、前述したように、上述した計算例では凹凸構造22を直線形状に近似している。このため、図24(a)、24(b)に示すように、各計算例は軸方向Z及び径方向Rの向きが互いに異なる2つのタイプ(タイプ1,2)を含んでいる。タイプ1では、図4~23における方向D2が軸方向Zに対応し、方向D1,D3が径方向Rに対応する。タイプ2では、図4~23における方向D3が軸方向Zに対応し、方向D1,D2が径方向Rに対応する。図24(c)、24(d)はそれぞれ、タイプ1に対応する正面図と側面図を示す。タイプ1の各好適ケースでは、磁石3と素子4(素子4が複数ある場合はすべての素子4)の少なくともいずれかは、径方向Rにおいて凹凸構造22と異なる位置、つまり領域S1を避けた位置にある(条件1)。図24(e)、24(f)はそれぞれ、タイプ2に対応する正面図と側面図を示す。タイプ2の各好適ケースでは、磁石3と素子4(素子4が複数ある場合はすべての素子4)の少なくともいずれかは、軸方向Zにおいて凹凸構造22と異なる位置、つまり領域S2を避けた位置にある(条件2)。各好適ケースは2つのタイプを含むことから、タイプ1の条件1とタイプ2の条件2の少なくともいずれかを満足すればよい。以上より、各好適ケースは以下の2つの条件の少なくともいずれかを満たせばよい。
・条件1:磁石3と少なくとも一つの素子4の少なくともいずれかは、径方向Rにおいて凹凸構造22と異なる位置にある。
・条件2:磁石3と少なくとも一つの素子4の少なくともいずれかは、軸方向Zにおいて凹凸構造22と異なる位置にある。
【0021】
図25(a)は磁石3と素子4の位置関係を模式的に示している。図25(b)は図25(a)のA方向から見た磁石3の上面図である。磁石3の2つの磁極の中心同士を結ぶ線Lと平行な方向からみて、素子4が磁石3と重なる領域S3にあると、磁束が凹凸構造22の移動に伴い変化しにくい。磁石3が素子4と凹凸構造22との間にある場合(領域S4)も同様である。さらに、磁石3の2つの磁極の中心同士を結ぶ線Lと直交する任意の方向からみて、素子4が磁石3と重なる領域(領域S5)にある場合も、磁束が凹凸構造22の移動に伴い変化しにくい。図25(b)に示すように、領域S5は磁石3の側面31の全周に沿った領域である。以上より、各好適ケースは以下の条件を満たすことがさらに好ましい。
・条件3:磁石3の2つの磁極の中心同士を結ぶ線Lと直交する任意の方向において(いずれの方向においても)、素子4は磁石3と異なる位置にある。
・条件4:磁石3の2つの磁極の中心同士を結ぶ線Lと平行な方向において、素子4は磁石3と異なる位置にある。
【0022】
好適ケースの具体的構成について、図26~36を用いてさらに説明する。これらの図において、(a)は軸方向Zからみた端面図であり、(b)は(a)のA-A線に沿った側方断面図である。なお、周方向Wは図3~23における位置P1~P3に対応する。換言すれば、位置P1~P3は周方向Wにおいて互いに異なる位置を示す。
【0023】
(ケース2,3:タイプ1)
径方向Rにおいて、磁石3は凹凸構造22と重なる位置にあり、素子4は凹凸構造22と異なる位置にある。軸方向Zにおいて、素子4は磁石3と凹凸構造22との間(ケース2)または凹凸構造22と重なる位置(ケース3)にある。磁石3は軸方向Zに磁化している。特に周方向Wに素子4が磁石3と重なっている場合(位置P2)、2方向(Br,Bθ)で良好な磁場検出性能を示す(図5,6,24,26)。
【0024】
(ケース2,3:タイプ2)
軸方向Zにおいて、磁石3は凹凸構造22と重なる位置にあり、素子4は凹凸構造22と異なる位置にある。径方向Rにおいて、素子4は磁石3と凹凸構造22との間(ケース2)または凹凸構造22と重なる位置(ケース3)にある。磁石3は軸方向Zと直交する方向に磁化している。特に周方向Wに素子4が磁石3と重なっている場合(位置P2)、2方向(Bθ,Bz)で良好な磁場検出性能を示す(図5,6,24,27)。
【0025】
(ケース2a,3a:タイプ1)
径方向Rにおいて、磁石3は凹凸構造22と重なる位置にあり、素子4は凹凸構造22と異なる位置にある。軸方向Zにおいて、素子4は磁石3と凹凸構造22の間(ケース2a)または凹凸構造22と重なる位置(ケース3a)にある。磁石3は軸方向Z及び径方向Rと直交する方向に磁化している。特に周方向Wに素子4が磁石3と異なる位置にある場合(位置P1,P3)、2方向(Br,Bθ)で良好な磁場検出性能を示す(図9,10,24,28)。
【0026】
(ケース2a,3a:タイプ2)
軸方向Zにおいて、磁石3は凹凸構造22と重なる位置にあり、素子4は凹凸構造22と異なる位置にある。径方向Rにおいて素子4は磁石3と凹凸構造22との間(ケース2a)または凹凸構造22と重なる位置(ケース3a)にある。磁石3は軸方向Z及び径方向Rと直交する方向に磁化している。特に周方向Wに素子4が磁石3と異なる位置にある場合(位置P1,P3)、2方向(Bθ,Bz)で良好な磁場検出性能を示す(図9,10,24,29)。
【0027】
(ケース2b、3b:タイプ1)
径方向Rにおいて、磁石3は凹凸構造22と異なる位置にあり、素子4は凹凸構造22と異なる位置にある。軸方向Zにおいて、素子4は磁石3と凹凸構造22との間(ケース2b)または凹凸構造22と重なる位置(ケース3b)にある。磁石3は径方向Rに磁化している。これらのケースでは、周方向Wにおける素子4と磁石3の相対位置に拘わらず(位置P1~P3)、2方向(Br,Bθ)で良好な磁場検出性能を示す(図13,14,24,31)。このことは、素子4の位置の自由度が高いというメリットにつながる。
【0028】
(ケース2b、3b:タイプ2)
軸方向Zにおいて、磁石3は凹凸構造22と重なる位置にあり、素子4は凹凸構造22と異なる位置にある。径方向Rにおいて、素子4は磁石3と凹凸構造22との間(ケース2b)または凹凸構造22と重なる位置(ケース3b)にある。磁石3は軸方向Zに磁化している。これらのケースでは、周方向Wにおける素子4と磁石3の相対位置に拘わらず(位置P1~P3)、2方向(Br,Bθ)で良好な磁場検出性能を示す(図13,14,24,30)。このことは、素子4の位置の自由度が高いというメリットにつながる。
【0029】
(ケース6:タイプ1)
軸方向Zにおいて、磁石3は凹凸構造22と異なる位置にあり、素子4は凹凸構造22と重なり且つ凹凸構造22の軸方向Zの中心から軸方向Zにずれた位置にある。磁石3は軸方向Zと直交する方向に磁化している。特に周方向Wに素子4が磁石3と重なっている場合(位置P2)と異なる位置にある場合(位置P3)、2方向(Br,Bθ)で良好な磁場検出性能を示す(図17,24,32)。
【0030】
(ケース6:タイプ2)
径方向Rにおいて、磁石3は凹凸構造22と異なる位置にあり、素子4は凹凸構造22と重なり且つ凹凸構造22の径方向Rの中心から径方向Rにずれた位置にある。磁石3は軸方向Zに磁化している。特に周方向Wに素子4が磁石3と重なっている場合(位置P2)と異なる位置にある場合(位置P3)、2方向(Br,Bθ)で良好な磁場検出性能を示す(図17,24,33)。
【0031】
(ケース6a:タイプ1)
径方向Rにおいて、磁石3は凹凸構造22と異なる位置にあり、素子4は凹凸構造22と重なり且つ凹凸構造22の径方向Rの中心から径方向Rにずれた位置にある。磁石3は軸方向Zと直交する方向に磁化している。特に周方向Wに素子4が磁石3と重なっている場合(位置P2)と異なる位置にある場合(位置P1)、2方向(Br,Bθ)で良好な磁場検出性能を示す(図20,24,34)。
【0032】
(ケース6a:タイプ2)
軸方向Zにおいて、磁石3は凹凸構造22と異なる位置にあり、素子4は凹凸構造22と重なり且つ凹凸構造22の軸方向Zの中心から軸方向Zにずれた位置にある。磁石3は軸方向Zと直交する方向に磁化している。特に周方向Wに素子4が磁石3と重なっている場合(位置P2)と異なる位置にある場合(位置P1)、2方向(Br,Bθ)で良好な磁場検出性能を示す(図20,24,35)。
【0033】
(ケース9:タイプ2)
軸方向Zにおいて、磁石3は凹凸構造22と異なる位置にあり、素子4は凹凸構造22と重なる位置にあり、磁石3は軸方向Zに磁化している。特に周方向Wに素子4が磁石3と重なっている場合(位置P2)と異なる位置にある場合(位置P3)、2方向(Br,Bθ)で良好な磁場検出性能を示す(図23,24,36)。
【0034】
(ストロークセンサ)
本発明の磁気センサ1はストロークセンサ101として用いることもできる。図37にストロークセンサ101の概要図を示す。図37(a)はストロークセンサ101の正面図、図37(b)は図37(a)のC方向からみたストロークセンサ101の上面図、図37(c)は図37(a)のD方向からみたストロークセンサ101の側面図である。ストロークセンサ101は、第1の方向H1に直線移動可能な移動体102の変位を検知する。ストロークセンサ101は、移動体102の第1の方向H1と平行な面に設けられ軟磁性体で形成された凹凸構造122と、磁石3と、素子4と、を有する。凹凸構造122は凸部123と凹部124とを備える。凸部123は凹部124に対し第1の方向H1と直交する第2の方向H2に突き出し、凸部123と凹部124が第1の方向H1に配列している。素子4は、磁石3と凹凸構造122とによって形成される磁場を検知する。磁石3と素子4は凹凸構造122から間隔をおいて配置され、且つ磁石3と素子4の相互の位置関係が固定されている。磁石3と素子4の少なくともいずれかは第1の方向H1及び第2の方向H2と直交する第3の方向H3において凹凸構造122と異なる位置にある。第1~第3の方向H1~H3は図3~23の方向D1,D2,D3に対応するので、ストロークセンサ101においても上述した説明が適用される。従って、ストロークセンサ101の好適ケースは角度センサの好適ケースと同じである。
【0035】
(付記)本明細書は以下の開示を含む。
[構成1]
軸方向に延びる回転軸の周りを回転する回転体の回転角を検知する磁気センサであって、
前記回転体の前記軸方向における先端面に環状に設けられ、軟磁性体で形成された凹凸構造と、
磁石と、
少なくとも一つの素子と、を有し、
前記凹凸構造は少なくとも一つの凸部と少なくとも一つの凹部とを備え、前記少なくとも一つの凸部は、前記少なくとも一つの凹部に対し前記軸方向に突き出し、
前記少なくとも一つの素子は、前記磁石と前記凹凸構造とによって形成される磁場を検知し、
前記磁石と前記少なくとも一つの素子は前記凹凸構造から離間して配置され、且つ相互の位置関係が固定され、
前記磁石と前記少なくとも一つの素子の少なくともいずれかは、前記軸方向と、前記軸方向と直交する径方向の少なくともいずれかにおいて、前記凹凸構造と異なる位置にある、磁気センサ。
[構成2]
前記磁石の2つの磁極の中心同士を結ぶ線と直交する任意の方向において、前記素子は前記磁石と異なる位置にある、構成1に記載の磁気センサ。
[構成3]
前記線と平行な方向において、前記素子は前記磁石と異なる位置にある、構成2に記載の磁気センサ。
[構成4]
前記径方向において前記磁石は前記凹凸構造と重なる位置にあり前記素子は前記凹凸構造と異なる位置にあり、前記軸方向において前記素子は前記凹凸構造と重なる位置または前記磁石と前記凹凸構造との間にあり、前記磁石は前記軸方向に磁化している、構成1から3のいずれか1項に記載の磁気センサ。
[構成5]
前記軸方向において前記磁石は前記凹凸構造と重なる位置にあり前記素子は前記凹凸構造と異なる位置にあり、前記径方向において前記素子は前記凹凸構造と重なる位置または前記磁石と前記凹凸構造との間にあり、前記磁石は前記軸方向と直交する方向に磁化している、構成1から3のいずれか1項に記載の磁気センサ。
[構成6]
前記径方向において前記磁石は前記凹凸構造と重なる位置にあり前記素子は前記凹凸構造と異なる位置にあり、前記軸方向において前記素子は前記凹凸構造と重なる位置または前記磁石と前記凹凸構造の間にあり、前記磁石は前記軸方向及び前記径方向と直交する方向に磁化している、構成1から3のいずれか1項に記載の磁気センサ。
[構成7]
前記軸方向において前記磁石は前記凹凸構造と重なる位置にあり前記素子は前記凹凸構造と異なる位置にあり、前記径方向において前記素子は前記凹凸構造と重なる位置または前記磁石と前記凹凸構造との間にあり、前記磁石は前記軸方向及び前記径方向と直交する方向に磁化している、構成1から3のいずれか1項に記載の磁気センサ。
[構成8]
前記径方向において前記磁石は前記凹凸構造と重なる位置にあり前記素子は前記凹凸構造と異なる位置にあり、前記軸方向において前記素子は前記凹凸構造と重なる位置または前記磁石と前記凹凸構造との間にあり、前記磁石は前記径方向に磁化している、構成1から3のいずれか1項に記載の磁気センサ。
[構成9]
前記軸方向において前記磁石は前記凹凸構造と異なる位置にあり前記素子は前記凹凸構造と異なる位置にあり、前記径方向において前記素子は前記凹凸構造と重なる位置または前記磁石と前記凹凸構造との間にあり、前記磁石は前記軸方向に磁化している、構成1から3のいずれか1項に記載の磁気センサ。
[構成10]
前記軸方向において、前記磁石は前記凹凸構造と異なる位置にあり、前記素子は前記凹凸構造と重なり且つ前記凹凸構造の前記軸方向の中心から前記軸方向にずれた位置にあり、前記磁石は前記軸方向と直交する方向に磁化している、構成1から3のいずれか1項に記載の磁気センサ。
[構成11]
前記径方向において、前記磁石は前記凹凸構造と異なる位置にあり、前記素子は前記凹凸構造と重なり且つ前記凹凸構造の前記径方向の中心から前記径方向にずれた位置にあり、前記磁石は前記軸方向に磁化している、構成1から3のいずれか1項に記載の磁気センサ。
[構成12]
前記径方向において、前記磁石は前記凹凸構造と異なる位置にあり、前記素子は前記凹凸構造と重なり且つ前記凹凸構造の前記径方向の中心から前記径方向にずれた位置にあり、前記磁石は前記軸方向と直交する方向に磁化している、構成1から3のいずれか1項に記載の磁気センサ。
[構成13]
前記軸方向において、前記磁石は前記凹凸構造と異なる位置にあり、前記素子は前記凹凸構造と重なり且つ前記凹凸構造の前記軸方向の中心から前記軸方向にずれた位置にあり、前記磁石は前記軸方向と直交する方向に磁化している、構成1から3のいずれか1項に記載の磁気センサ。
[構成14]
前記軸方向において前記磁石は前記凹凸構造と異なる位置にあり前記素子は前記凹凸構造と重なる位置にあり、前記磁石は前記軸方向に磁化している、構成1から3のいずれか1項に記載の磁気センサ。
[構成15]
前記凹凸構造は、前記先端面から前記軸方向に突き出し前記先端面の外周縁部の全周を延びる外壁部を有し、前記外壁部は前記軸方向において、前記少なくとも一つの凸部と前記少なくとも一つの凹部の少なくとも一部を覆う、構成1から14のいずれか1項に記載の磁気センサ。
[構成16]
前記外壁部は前記凹凸構造と一体である、構成15に記載の磁気センサ。
[構成17]
前記外壁部は前記凹凸構造から分離している、構成15に記載の磁気センサ。
[構成18]
前記少なくとも一つの素子は前記軸方向及び前記径方向において、前記外壁部の内側に位置する、構成15から17のいずれか1項に記載の磁気センサ。
[構成19]
前記磁石と前記少なくとも一つの素子とを支持する一つの支持部材を有する、構成1から18のいずれか1項に記載の磁気センサ。
[構成20]
前記少なくとも一つの素子は複数の素子である、構成1から19のいずれか1項に記載の磁気センサ。
[構成21]
モータと、前記モータに連結されたロッドの形状の前記回転体と、構成1から20のいずれか1項に記載の磁気センサと、を有し、前記回転体の先端面に前記凹凸構造が設けられているモータ組立体。
[構成22]
第1の方向に直線移動可能な移動体の変位を検知する磁気センサであって、前記移動体の前記第1の方向と平行な面に設けられ軟磁性体で形成された凹凸構造と、磁石と、少なくとも一つの素子と、を有し、
前記凹凸構造は少なくとも一つの凸部と少なくとも一つの凹部とを備え、前記少なくとも一つの凸部は前記少なくとも一つの凹部に対し前記第1の方向と直交する第2の方向に突き出し、前記少なくとも一つの凸部と前記少なくとも一つの凹部が第1の方向に配列し、
前記少なくとも一つの素子は、前記磁石と前記凹凸構造とによって形成される磁場を検知し、
前記磁石と前記少なくとも一つの素子は前記凹凸構造から間隔をおいて配置され、且つ前記磁石と前記少なくとも一つの素子の相互の位置関係が固定され、
前記磁石と前記少なくとも一つの素子の少なくともいずれかは前記第1の方向及び第2の方向と直交する第3の方向において前記凹凸構造と異なる位置にある、磁気センサ。
【符号の説明】
【0036】
1,101 磁気センサ
2 回転体
21 先端面
22、122 凹凸構造
23、123 凸部
24、124 凹部
25 外壁部
3 磁石
4 素子
5 支持部材
6 モータ組立体
7 モータ
H1~H3 第1~第3の方向
R 径方向
Z 軸方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
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図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37