(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024115578
(43)【公開日】2024-08-27
(54)【発明の名称】メディア検知装置、画像形成システム、メディア検知プログラム及びプロセス条件制御プログラム
(51)【国際特許分類】
G01N 21/3559 20140101AFI20240820BHJP
B65H 7/14 20060101ALI20240820BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20240820BHJP
G01N 21/27 20060101ALI20240820BHJP
【FI】
G01N21/3559
B65H7/14
G03G21/00 510
G01N21/27 F
【審査請求】有
【請求項の数】29
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023021258
(22)【出願日】2023-02-15
(71)【出願人】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石川 明正
(72)【発明者】
【氏名】浅野 斉
(72)【発明者】
【氏名】泉宮 由美子
(72)【発明者】
【氏名】小柳 康男
(72)【発明者】
【氏名】吉川 博之
【テーマコード(参考)】
2G059
2H270
3F048
【Fターム(参考)】
2G059AA03
2G059AA05
2G059BB10
2G059BB15
2G059CC09
2G059DD12
2G059EE01
2G059EE11
2G059GG02
2G059HH01
2G059JJ11
2G059KK04
2G059MM01
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2G059NN02
2G059NN05
2H270LA24
2H270LC02
2H270LC04
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2H270MB25
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2H270MH09
2H270ZC03
2H270ZC04
3F048AA01
3F048AB01
3F048BA06
3F048CC02
3F048DC12
3F048EB22
(57)【要約】
【課題】用紙の水分量または水分率に対応する水分情報をより精度良く検知できるようにする。
【解決手段】メディア検知装置(検知装置20)は、用紙の水分量または水分率に対応する水分情報を検知するためのメディア検知装置であって、光を照射する発光部(第1発光部231及び第2発光部232)と、光が用紙で反射又は用紙を透過した光を受光する受光部233と、メディア検知装置の温度に対応する温度情報及び受光部233の出力に基づき、水分情報を決定する水分情報制御部(検知制御部21)と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙の水分量または水分率に対応する水分情報を検知するためのメディア検知装置であって、
光を照射する発光部と、
前記光が前記用紙で反射又は前記用紙を透過した光を受光する受光部と、
前記メディア検知装置の温度に対応する温度情報及び前記受光部の出力に基づき、前記水分情報を決定する水分情報制御部と、
を備えるメディア検知装置。
【請求項2】
前記水分情報制御部は、前記発光部の温度に対応する温度情報及び前記受光部の出力に基づき、前記水分情報を決定する請求項1に記載のメディア検知装置。
【請求項3】
前記発光部は、水分による吸収率の異なる波長の光を発光するための第1発光部及び第2発光部を含む請求項1に記載のメディア検知装置。
【請求項4】
前記第1発光部は、基準光を発光し、
前記第2発光部は、前記基準光よりも水分による吸収率が大きい波長の光を発光し、
前記水分情報制御部は、前記温度情報、及び前記基準光と前記第2発光部とが発する光に対する前記受光部の出力に基づき、前記水分情報を決定する請求項3に記載のメディア検知装置。
【請求項5】
前記水分情報制御部は、前記温度情報、及び前記基準光と前記第2発光部とが発する光に対する前記受光部の出力の比率に基づき、前記水分情報を決定する請求項4に記載のメディア検知装置。
【請求項6】
前記水分情報制御部は、前記第2発光部の温度に対応する温度情報及び前記受光部の出力に基づき、前記水分情報を決定する請求項4に記載のメディア検知装置。
【請求項7】
前記メディア検知装置の温度を検知する温度検知センサーを備え、
前記メディア検知装置の温度に対応する温度情報は、前記温度検知センサーの検知結果に対応する温度情報である請求項1に記載のメディア検知装置。
【請求項8】
前記水分情報制御部は、前記用紙を搬送中に前記水分情報を決定する請求項1に記載のメディア検知装置。
【請求項9】
前記水分情報制御部は、前記用紙ごとに前記水分情報を決定する請求項8に記載のメディア検知装置。
【請求項10】
前記水分情報制御部は、一枚の前記用紙に対して前記水分情報を複数回決定する請求項8に記載のメディア検知装置。
【請求項11】
前記水分情報制御部は、用紙搬送中に検知された前記温度情報及び前記受光部の出力に基づき、前記水分情報を決定する請求項8に記載のメディア検知装置。
【請求項12】
前記発光部及び前記受光部は、第1メディアセンサーに含まれ、
前記メディア検知装置の温度に対応する温度情報は、前記第1メディアセンサーの温度に対応する温度情報である請求項1に記載のメディア検知装置。
【請求項13】
前記第1メディアセンサーは、前記用紙の搬送路上に配置される請求項12に記載のメディア検知装置。
【請求項14】
前記第1メディアセンサーは、前記用紙上に画像を形成可能な画像形成部に前記用紙を搬送するための前記用紙の搬送路上に配置される請求項13に記載のメディア検知装置。
【請求項15】
前記水分情報制御部は、前記受光部の出力に基づき仮の水分情報を決定し、前記メディア検知装置の温度に対応する温度情報に基づき前記仮の水分情報を補正することにより前記水分情報を決定する請求項1に記載のメディア検知装置。
【請求項16】
前記水分情報制御部は、前記発光部の温度に基づき前記発光部が発する光の波長の情報を取得し、取得した前記波長の情報に基づき前記仮の水分情報を補正する請求項15に記載のメディア検知装置。
【請求項17】
前記メディア検知装置の温度を検知する温度検知センサーを備え、
前記水分情報制御部は、前記温度検知センサーによる検知温度が基準温度より高い場合、前記仮の水分情報が低くなるように補正し、前記検知温度が前記基準温度より低い場合、前記仮の水分情報が高くなるように補正する請求項15に記載のメディア検知装置。
【請求項18】
前記発光部は、LED(Light Emittng Diode)を含む請求項1に記載のメディア検知装置。
【請求項19】
前記温度検知センサーは、前記発光部を支持する部材に接触して配置される請求項7に記載のメディア検知装置。
【請求項20】
前記温度検知センサーは、前記発光部に非接触に、且つ対向配置される請求項7に記載のメディア検知装置。
【請求項21】
前記水分情報制御部は、前記用紙の紙種に基づき前記水分情報を決定する請求項1に記載のメディア検知装置。
【請求項22】
前記紙種に対応する物性を検知するための第2メディアセンサーと、
前記第2メディアセンサーの検知結果に基づき前記紙種を判定する紙種判定部と、
を備える請求項21に記載のメディア検知装置。
【請求項23】
前記第2メディアセンサーは、坪量センサーである請求項22に記載のメディア検知装置。
【請求項24】
請求項1から23のいずれか一項に記載の前記メディア検知装置と、
前記用紙上に画像形成可能な画像形成部と、
を備える画像形成システムであって、
前記水分情報制御部により決定された前記水分情報に基づき、前記画像形成部における画像形成のためのプロセス条件を決定するプロセス条件制御部を備える画像形成システム。
【請求項25】
前記プロセス条件は、転写条件を含む請求項24に記載の画像形成システム。
【請求項26】
前記転写条件は、転写電流及び転写電圧を含む請求項25に記載の画像形成システム。
【請求項27】
用紙に画像を形成する画像形成部と、
前記用紙の水分量または水分率に対応する水分情報を検知するためのメディア検知装置と、
前記画像形成部におけるプロセス条件を決定するプロセス条件制御部と、
を備え、
前記メディア検知装置は、光を照射する発光部と、前記光が前記用紙で反射又は前記用紙を透過した光を受光する受光部と、を有し、
前記プロセス条件制御部は、前記メディア検知装置の温度に対応する温度情報及び前記受光部の出力に基づき、前記プロセス条件を決定する画像形成システム。
【請求項28】
用紙の水分量または水分率に対応する水分情報を検知するためのメディア検知プログラムであって、
コンピューターに、
光を照射する発光部と、前記光が前記用紙で反射又は前記用紙を透過した光を受光する受光部と、を有するメディア検知装置の温度に対応する温度情報を取得する取得ステップと、
前記メディア検知装置の温度に対応する温度情報及び前記受光部の出力に基づき、前記水分情報を決定する水分情報決定ステップと、
を実行させることが可能なメディア検知プログラム。
【請求項29】
画像形成部において用紙に画像を形成するためのプロセス条件を決定するためのプロセス条件制御プログラムであって、
コンピューターに、
光を照射する発光部と、前記光が前記用紙で反射又は前記用紙を透過した光を受光する受光部と、を有するメディア検知装置の温度に対応する温度情報を取得する取得ステップと、
前記メディア検知装置の温度に対応する温度情報及び前記受光部の出力に基づき、前記プロセス条件を決定するプロセス条件決定ステップと、
を実行させることが可能なプロセス条件制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メディア検知装置、画像形成システム、メディア検知プログラム及びプロセス条件制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から知られる画像形成装置は、用紙の搬送路の途中にメディアセンサーを設置し、搬送路に沿って搬送される用紙の特性値をメディアセンサーによって検知している。そして、画像形成装置は、メディアセンサーが検知した用紙の特性値に合わせて画像形成条件を決定し、用紙に画像を形成する。
【0003】
例えば、特許文献1には、LED(Light Emittng Diode)を含む発光部と、PD(PhotoDiode)を含む受光部を有する水分センサーを設置して、用紙の水分率を測定することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような水分センサーを使用して用紙の水分率を測定したところ、同じ状態の用紙であるにもかかわらず、測定結果が変わることがあることが分かった。例えばジョブ中に用紙を連続して通紙しながら水分率を測定した場合、同じ状態の用紙であるのに水分率が変化し、本来の用紙の水分率に対して誤差が生じるという問題があることが分かった。
【0006】
本発明の課題は、用紙の水分量または水分率に対応する水分情報をより精度良く検知できるメディア検知装置、画像形成システム、メディア検知プログラム及びプロセス条件制御プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1に記載のメディア検知装置は、
用紙の水分量または水分率に対応する水分情報を検知するためのメディア検知装置であって、
光を照射する発光部と、
前記光が前記用紙で反射又は前記用紙を透過した光を受光する受光部と、
前記メディア検知装置の温度に対応する温度情報及び前記受光部の出力に基づき、前記水分情報を決定する水分情報制御部と、
を備える。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のメディア検知装置において、
前記水分情報制御部は、前記発光部の温度に対応する温度情報及び前記受光部の出力に基づき、前記水分情報を決定する。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のメディア検知装置において、
前記発光部は、水分による吸収率の異なる波長の光を発光するための第1発光部及び第2発光部を含む。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のメディア検知装置において、
前記第1発光部は、基準光を発光し、
前記第2発光部は、前記基準光よりも水分による吸収率が大きい波長の光を発光し、
前記水分情報制御部は、前記温度情報、及び前記基準光と前記第2発光部とが発する光に対する前記受光部の出力に基づき、前記水分情報を決定する。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のメディア検知装置において、
前記水分情報制御部は、前記温度情報、及び前記基準光と前記第2発光部とが発する光に対する前記受光部の出力の比率に基づき、前記水分情報を決定する。
【0012】
請求項6に記載の発明は、請求項4に記載のメディア検知装置において、
前記水分情報制御部は、前記第2発光部の温度に対応する温度情報及び前記受光部の出力に基づき、前記水分情報を決定する。
【0013】
請求項7に記載の発明は、請求項1に記載のメディア検知装置において、
前記メディア検知装置の温度を検知する温度検知センサーを備え、
前記メディア検知装置の温度に対応する温度情報は、前記温度検知センサーの検知結果に対応する温度情報である。
【0014】
請求項8に記載の発明は、請求項1に記載のメディア検知装置において、
前記水分情報制御部は、前記用紙を搬送中に前記水分情報を決定する。
【0015】
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載のメディア検知装置において、
前記水分情報制御部は、前記用紙ごとに前記水分情報を決定する。
【0016】
請求項10に記載の発明は、請求項8に記載のメディア検知装置において、
前記水分情報制御部は、一枚の前記用紙に対して前記水分情報を複数回決定する。
【0017】
請求項11に記載の発明は、請求項8に記載のメディア検知装置において、
前記水分情報制御部は、用紙搬送中に検知された前記温度情報及び前記受光部の出力に基づき、前記水分情報を決定する。
【0018】
請求項12に記載の発明は、請求項1に記載のメディア検知装置において、
前記発光部及び前記受光部は、第1メディアセンサーに含まれ、
前記メディア検知装置の温度に対応する温度情報は、前記第1メディアセンサーの温度に対応する温度情報である。
【0019】
請求項13に記載の発明は、請求項12に記載のメディア検知装置において、
前記第1メディアセンサーは、前記用紙の搬送路上に配置される。
【0020】
請求項14に記載の発明は、請求項13に記載のメディア検知装置において、
前記第1メディアセンサーは、前記用紙上に画像を形成可能な画像形成部に前記用紙を搬送するための前記用紙の搬送路上に配置される。
【0021】
請求項15に記載の発明は、請求項1に記載のメディア検知装置において、
前記水分情報制御部は、前記受光部の出力に基づき仮の水分情報を決定し、前記メディア検知装置の温度に対応する温度情報に基づき前記仮の水分情報を補正することにより前記水分情報を決定する。
【0022】
請求項16に記載の発明は、請求項15に記載のメディア検知装置において、
前記水分情報制御部は、前記発光部の温度に基づき前記発光部が発する光の波長の情報を取得し、取得した前記波長の情報に基づき前記仮の水分情報を補正する。
【0023】
請求項17に記載の発明は、請求項15に記載のメディア検知装置において、
前記メディア検知装置の温度を検知する温度検知センサーを備え、
前記水分情報制御部は、前記温度検知センサーによる検知温度が基準温度より高い場合、前記仮の水分情報が低くなるように補正し、前記検知温度が前記基準温度より低い場合、前記仮の水分情報が高くなるように補正する。
【0024】
請求項18に記載の発明は、請求項1に記載のメディア検知装置において、
前記発光部は、LED(Light Emittng Diode)を含む。
【0025】
請求項19に記載の発明は、請求項7に記載のメディア検知装置において、
前記温度検知センサーは、前記発光部を支持する部材に接触して配置される。
【0026】
請求項20に記載の発明は、請求項7に記載のメディア検知装置において、
前記温度検知センサーは、前記発光部に非接触に、且つ対向配置される。
【0027】
請求項21に記載の発明は、請求項1に記載のメディア検知装置において、
前記水分情報制御部は、前記用紙の紙種に基づき前記水分情報を決定する。
【0028】
請求項22に記載の発明は、請求項21に記載のメディア検知装置において、
前記紙種に対応する物性を検知するための第2メディアセンサーと、
前記第2メディアセンサーの検知結果に基づき前記紙種を判定する紙種判定部と、
を備える。
【0029】
請求項23に記載の発明は、請求項22に記載のメディア検知装置において、
前記第2メディアセンサーは、坪量センサーである。
【0030】
請求項24に記載の画像形成システムは、
請求項1から23のいずれか一項に記載の前記メディア検知装置と、
前記用紙上に画像形成可能な画像形成部と、
を備える画像形成システムであって、
前記水分情報制御部により決定された前記水分情報に基づき、前記画像形成部における画像形成のためのプロセス条件を決定するプロセス条件制御部を備える。
【0031】
請求項25に記載の発明は、請求項24に記載の画像形成システムにおいて、
前記プロセス条件は、転写条件を含む。
【0032】
請求項26に記載の発明は、請求項25に記載の画像形成システムにおいて、
前記転写条件は、転写電流及び転写電圧を含む。
【0033】
請求項27に記載の画像形成システムは、
用紙に画像を形成する画像形成部と、
前記用紙の水分量または水分率に対応する水分情報を検知するためのメディア検知装置と、
前記画像形成部におけるプロセス条件を決定するプロセス条件制御部と、
を備え、
前記メディア検知装置は、光を照射する発光部と、前記光が前記用紙で反射又は前記用紙を透過した光を受光する受光部と、を有し、
前記プロセス条件制御部は、前記メディア検知装置の温度に対応する温度情報及び前記受光部の出力に基づき、前記プロセス条件を決定する。
【0034】
請求項28に記載のメディア検知プログラムは、
用紙の水分量または水分率に対応する水分情報を検知するためのメディア検知プログラムであって、
コンピューターに、
光を照射する発光部と、前記光が前記用紙で反射又は前記用紙を透過した光を受光する受光部と、を有するメディア検知装置の温度に対応する温度情報を取得する取得ステップと、
前記メディア検知装置の温度に対応する温度情報及び前記受光部の出力に基づき、前記水分情報を決定する水分情報決定ステップと、
を実行させることが可能である。
【0035】
請求項29に記載のプロセス条件制御プログラムは、
画像形成部において用紙に画像を形成するためのプロセス条件を決定するためのプロセス条件制御プログラムであって、
コンピューターに、
光を照射する発光部と、前記光が前記用紙で反射又は前記用紙を透過した光を受光する受光部と、を有するメディア検知装置の温度に対応する温度情報を取得する取得ステップと、
前記メディア検知装置の温度に対応する温度情報及び前記受光部の出力に基づき、前記プロセス条件を決定するプロセス条件決定ステップと、
を実行させることが可能である。
【発明の効果】
【0036】
本発明によれば、用紙の水分量または水分率に対応する水分情報をより精度良く検知できる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】本実施形態に係る画像形成システムの概略構成を示す図である。
【
図2】本実施形態に係る画像形成システムの主要な機能構成を示すブロック図である。
【
図3】第1メディアセンサーの概略構成の一例を示す図である。
【
図4A】温度検知センサーが配置される位置の一例を示す図である。
【
図4B】温度検知センサーが配置される位置の一例を示す図である。
【
図4C】温度検知センサーが配置される位置の一例を示す図である。
【
図4D】温度検知センサーが配置される位置の一例を示す図である。
【
図5】画像形成システムが実行するプロセス条件決定処理の流れを示すフローチャートである。
【
図6】メディア検知装置が実行する水分情報決定処理の流れを示すフローチャートである。
【
図7】発光部が発する光の波長推定値テーブルの一例を示す図である。
【
図8A】普通紙用の補正値テーブルの一例を示す図である。
【
図8B】厚紙用の補正値テーブルの一例を示す図である。
【
図9】個体差補正値テーブルの一例を示す図である。
【
図10】変形例の画像形成システムが実行するプロセス条件決定処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、本発明の画像形成システムに係る実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、本発明の実施形態では、画像形成システムが備える画像形成装置はシステムカラーの画像形成装置を例に挙げて説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばモノクロの画像形成装置に適用することも可能である。
【0039】
(1.画像形成システムの構成)
図1は、本実施形態に係る画像形成システム100の概略構成を示す図である。
図2は、画像形成システム100の主要な機能構成を示すブロック図である。
【0040】
本実施形態に係る画像形成システム100は、給紙装置10と、メディア検知装置である検知装置20と、画像形成装置30を備える。
画像形成システム100において、用紙の搬送方向に沿って上流側から、給紙装置10、検知装置20、画像形成装置30の順に配置される。
【0041】
(1-1.給紙装置の構成)
給紙装置10は、給紙制御部11と、搬送部12と、給紙部13等を備える。
給紙制御部11は、バス14を介して搬送部12、給紙部13と接続されている。
【0042】
給紙制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)を備える。
給紙制御部11のCPUは、ROMに記憶されているプログラムを読み出してRAMに展開し、展開したプログラムに従って給紙装置10の各部を統括制御する。
例えば、給紙制御部11は、ジョブに応じて、いずれかの給紙部13の給紙トレイから用紙を検知装置20に搬送する。
【0043】
搬送部12は、給紙部13から検知装置20までを接続する搬送経路により、用紙を搬送する。
給紙部13は、予め定められた紙種やサイズごとに用紙を収納する給紙トレイを有する。
【0044】
(1-2.検知装置の構成)
検知装置20は、画像形成装置30の用紙搬送方向上流側に設けられ、給紙装置10から搬送された用紙を検知する。
検知装置20は、検知制御部21と、搬送部22と、第1メディアセンサー23と、第2メディアセンサー24と、記憶部25を備える。
検知制御部21は、バス26を介して搬送部22、第1メディアセンサー23、第2メディアセンサー24、記憶部25と接続されている。
【0045】
検知制御部21は、CPU、ROM、RAMを備える。
検知制御部21のCPUは、ROMに記憶されているプログラムを読み出してRAMに展開し、展開したプログラムに従って検知装置20の各部を統括制御する。
例えば、検知制御部21は、給紙装置10から搬送されてきた用紙を第1メディアセンサー23及び第2メディアセンサー24により検知させる。そして、検知制御部21は、検知済みの用紙を搬送部22により画像形成装置30に搬送する。
【0046】
搬送部22は、複数のローラー対により構成され、給紙装置10から搬送された用紙を第1メディアセンサー23及び第2メディアセンサー24に搬送する。
そして、搬送部22は、第1メディアセンサー23及び第2メディアセンサー24により検知された用紙を画像形成装置30に搬送する。
【0047】
第1メディアセンサー23は、画像形成装置30の後述する画像形成部38の用紙搬送方向上流において、搬送経路上に設けられている。
図3は、第1メディアセンサー23の構成を示す模式図である。
【0048】
第1メディアセンサー23は、
図3に示すように、第1発光部231、第2発光部232、受光部233、温度検知センサー234、レンズ235,236等を備える。
第1発光部231及び第2発光部232は、用紙に向けて光を照射する発光部である。
【0049】
第1発光部231は、用紙Pに向けて、特定の波長帯域の第1近赤外光(基準光)を発光する。第1発光部231の具体例は、LED(Light Emitting Diode)等である。
当該第1近赤外光は、用紙Pにおいて反射した際の用紙Pにおける吸収率が用紙Pの水分率に因らない光である。
受光部233は、第1発光部231から発光され、レンズ235を介して用紙Pにおいて反射した第1近赤外光を、レンズ236を介して受光する。そして、受光部233は、当該反射した第1近赤外光の受光量である第1受光量の情報を検知制御部21に出力する。受光部233の具体例は、CCD(Charge-Coupled Device)、または、CMOSイメージセンサー(Complementary metal-oxide-semiconductor)等である。
【0050】
第2発光部232は、用紙Pに向けて、特定の波長帯域の第2近赤外光を発光する。第2発光部232の具体例は、LED等である。
当該第2近赤外光は、用紙Pにおいて反射した際の用紙Pにおける吸収率が用紙Pの水分率に応じて変動する光である。
受光部233は、第2発光部232から発光され、レンズ235を介して用紙Pにおいて反射した第2近赤外光を、レンズ236を介して受光する。そして、受光部233は、当該反射した第2近赤外光の受光量である第2受光量の情報を検知制御部21に出力する。
【0051】
つまり、第1発光部231及び第2発光部232は、用紙の水分による吸収率の異なる波長の光を発光する。
また、第2発光部232が発する第2近赤外光は、第1発光部231が発する第1近赤外光(基準光)よりも、用紙の水分による吸収率が大きい波長の光である。
【0052】
検知制御部21は、第1受光量と第2受光量の比率に基づいて、用紙の水分率を決定する。当該第1受光量と第2受光量の比率は、第1近赤外光及び第2近赤外光に対する受光部233の出力の比率である。
用紙の水分率が高いほど第2近赤外光の吸収量が多くなるため、第2受光量は少なくなる。したがって、用紙の水分率と、第1受光量及び第2受光量の比率との関係を示す関係式やテーブルに基づいて、第1受光量及び第2受光量の比率を用紙の水分率に対応させ、第1受光量及び第2受光量の比率から用紙の水分率を算出できる。
【0053】
温度検知センサー234は、第2発光部232の温度を検知し、検知結果を検知制御部21に出力する。
すなわち、メディア検知装置の温度に対応する温度情報は、第2発光部232の温度に対応する温度情報を含む。
また、メディア検知装置の温度に対応する温度情報は、第2発光部232を備える第1メディアセンサー23の温度に対応する温度情報を含む。
【0054】
ここで、温度検知センサー234が配置される位置について説明する。
図4A、
図4Bに、温度検知センサー234が配置される位置の一例を示す。
第1メディアセンサー23は、
図4A、
図4Bに示すように、第1発光部231及び第2発光部232を支持する支持部材237をさらに備える。
支持部材237は、例えば、基板であり、当該基板の厚み方向をZ軸方向、幅方向をX軸方向、奥行方向をY軸方向とする。
図4Aは、Z軸方向正側から支持部材237を見た図であり、
図4Bは、Y軸方向負側から支持部材237を見た図である。
支持部材237において、第1発光部231及び第2発光部232が設けられた面は、X-Y平面のZ軸方向正側である。
温度検知センサー234は、
図4A、
図4Bに示すように、第2発光部232の近傍に配置される。また、温度検知センサー234は、X-Y平面のZ軸方向正側に設けられる。つまり、温度検知センサー234は、支持部材237に接触して配置される。
なお、
図4A、
図4Bに示す例において、温度検知センサー234は、第2発光部232に対して非接触に配置されているが、これに限らない。温度検知センサー234は、第2発光部232に対して接触して配置されてもよい。接触して配置された方が、第2発光部232の温度をより精度良く検知できるため好ましい。
【0055】
なお、温度検知センサー234は、
図4C、
図4Dに示すように、第2発光部232のZ軸方向正側であって、支持部材237に非接触に配置されてもよい。つまり、温度検知センサー234は、第2発光部232に対して非接触、且つ対向配置されてもよい。
なお、
図4Cは、Z軸方向正側から支持部材237を見た図であり、
図4Dは、Y軸方向負側から支持部材237を見た図である。
【0056】
第2メディアセンサー24は、画像形成装置30の画像形成部38の用紙搬送方向上流において、搬送経路上に設けられている。
第2メディアセンサー24は、搬送経路上の用紙の坪量を検知し、検知結果を検知制御部21に出力する。つまり、第2メディアセンサー24は、坪量センサーである。
また、当該用紙の坪量は、紙種に対応する物性に含まれる。
【0057】
記憶部25は、半導体メモリであるDRAM(Dynamic Random Access Memory)やHDD(Hard Disk Drive)等の記憶手段により構成される。
記憶部25は、後述する水分情報決定処理で用いられる波長推定値テーブルを記憶している。
また、記憶部25は、後述する水分情報決定処理で用いられる補正値テーブルを記憶している。本実施形態において、記憶部25は、普通紙用の補正値テーブル及び厚紙用の補正値テーブルを記憶している。本実施形態において、普通紙とは、坪量が200g/m2以下の用紙であり、厚紙とは、坪量が200g/m2より大きい用紙である。
【0058】
(1-3.画像形成装置の構成)
画像形成装置30は、原稿から画像を読み取って得られた画像データ、又は、外部装置(図示無し)から受信したジョブの画像データに基づいて、電子写真方式によりカラー画像を形成する。
画像形成装置30は、制御部31、記憶部32、操作部33、表示部34、インターフェース35、スキャナー36、画像処理部37、画像形成部38、画像定着部39、搬送部40等を備える。
制御部31は、バス41を介して記憶部32、操作部33、表示部34、インターフェース35、スキャナー36、画像処理部37、画像形成部38、画像定着部39、搬送部40と接続されている。
【0059】
制御部31は、CPU、ROM、RAMを備える。
制御部31のCPUは、ROMに記憶されている制御用プログラムを読み出してRAMに展開し、展開したプログラムに従って画像形成装置30の各部を統括制御する。
例えば、制御部31は、画像処理部37に画像データに対する所定の画像処理を行わせて記憶部32に記憶させる。また、制御部31は、搬送部40に用紙を搬送させ、記憶部32に記憶された画像データに基づいて画像形成部38により用紙に画像を形成させる。
【0060】
記憶部32は、半導体メモリであるDRAMやHDD等の記憶手段により構成される。
記憶部32は、スキャナー36により取得された画像データや、インターフェース35を介して外部から入力された画像データ等が記憶される。なお、これらの画像データ等は制御部31が備えるRAMに記憶されてもよい。
【0061】
操作部33は、操作キーや表示部34の画面に重ねられて配置されたタッチパネル等の入力デバイスを備える。操作部33は、これらの入力デバイスに対する入力操作を操作信号に変換して制御部31に出力する。
【0062】
表示部34は、LCD(Liquid crystal display)等の表示装置を備え、画像形成システム100の状態や、タッチパネルへの入力操作の内容を示す操作画面等を表示する。
【0063】
インターフェース35は、外部のコンピューター、他の画像形成装置などとの間でデータの送受信を行う手段である。インターフェース35は、例えば、各種シリアルインターフェースのいずれかにより構成される。
【0064】
スキャナー36は、用紙に形成された画像を読み取り、R(赤)、G(緑)及びB(青)の色成分毎の単色画像データを含む画像データを生成して記憶部32に記憶させる。
【0065】
画像処理部37は、例えば、ラスタライズ処理部、色変換部、階調補正部、ハーフトーン処理部を備える。画像処理部37は、記憶部32に記憶された画像データに各種画像処理を施して記憶部32に記憶させる。
【0066】
画像形成部38は、記憶部32に記憶された画像データに基づき、用紙に画像を形成する。画像形成部38は、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)及びK(黒)の色成分に各々対応する4組の露光部381、感光体ドラム382及び現像部383を備える。また、画像形成部38は、転写体384及び2次転写ローラー385を備える。
【0067】
露光部381は、発光素子としてのLD(Laser Diode)を備える。露光部381は、画像データに基づいてLDを駆動し、帯電する感光体ドラム382上にレーザー光を照射、露光して感光体ドラム382上に静電潜像を形成する。現像部383は、露光された感光体ドラム382上に帯電する現像ローラーにより所定の色(C、M、Y及びKのいずれか)のトナー(色材)を供給して、感光体ドラム382上に形成された静電潜像を現像する。
【0068】
C、M、Y及びKに対応する4つの感光体ドラム382上に各々C、M、Y及びKのトナーで形成された画像(単色画像)は、各感光体ドラム382から転写体384上に順次重ねられて転写される。これにより、転写体384上にC、M、Y及びKを色成分とするカラー画像が形成される。転写体384は、複数の転写体搬送ローラーに巻き回された無端ベルトであり、各転写体搬送ローラーの回転に従って回転する。
【0069】
2次転写ローラー385は、転写体384上のカラー画像を、給紙装置10から給紙された用紙上に転写する。詳しくは、一対の2次転写ローラー385が圧接して形成された転写ニップ部において用紙及び転写体384を挟持する。そして、2次転写ローラー385に所定の転写電圧が印加されることにより、転写体384上においてカラー画像を形成しているトナーが用紙側に引き寄せられて用紙に転写される。
【0070】
画像定着部39は、定着ローラー及び加圧ローラー等を備え、トナーが転写された用紙を加熱及び加圧してトナーを用紙に定着させる定着処理を行う。
【0071】
搬送部40は、用紙を挟持した状態で回転することで用紙を搬送する用紙搬送ローラーを複数備え、所定の搬送経路で用紙を搬送する。
搬送部40は、画像定着部39により定着処理が行われた用紙の表裏を反転させて2次転写ローラー385へ搬送する反転機構401を備える。画像形成装置30では、用紙の両面に画像を形成する場合に反転機構401による用紙の表裏の反転が行われて両面に画像が形成された後に用紙が排出される。用紙の片面にのみ画像を形成する場合には、反転機構401による用紙の表裏の反転が行われることなく片面に画像が形成された用紙が排出される。
【0072】
なお、本実施形態においては、画像形成装置30の制御部31が、画像形成システム100全体を統括的に制御しているが、これに限らない。検知装置20の検知制御部21が画像形成システム100全体を統括的に制御する構成であってもよい。
【0073】
(2.画像形成システムの動作)
次に、画像形成システム100の動作について説明する。
図5は、画像形成装置30がインターフェース35を介して印刷ジョブの画像データ及び設定情報を受信した際に実行されるプロセス条件決定処理の流れを示すフローチャートである。
図5のプロセス条件決定処理は、画像形成装置30の制御部31のCPUとROMに記憶されているプロセス条件制御プログラムとの協働により実行される。
【0074】
制御部31は、プロセス条件決定処理を実行することにより、用紙の水分量または水分率に対応する水分情報に基づいて、画像形成部38による画像形成のためのプロセス条件を決定する。ここで、制御部31はプロセス条件制御部として機能する。
当該プロセス条件とは、例えば、転写体384上のカラー画像を用紙に転写する際の転写条件である。当該転写条件は、具体的には、転写体384上のカラー画像を用紙に転写する際に2次転写ローラー385に印加される転写電圧値、転写電流値である。
【0075】
なお、制御部31は、プロセス条件決定処理を実行することにより、転写条件以外のプロセス条件を決定してもよい。
また、制御部31は、プロセス条件決定処理を実行することにより、2次転写ローラー385に印加される転写電圧値及び転写電流値以外の転写条件を決定してもよい。
【0076】
(2-1.プロセス条件決定処理)
プロセス条件決定処理において、まず、制御部31は、給紙装置10により、印刷ジョブにおいて画像が形成される用紙(ジョブ対象用紙)を給紙部13から給紙し、検知装置20に搬送する(ステップS1)。
【0077】
次に、制御部31は、検知装置20により、ジョブ対象用紙に対して水分情報決定処理を実行させ、検知装置20より用紙の水分量または水分率に対応する水分情報を取得する(ステップS2)。
図6に、水分情報決定処理のフローチャートを示す。
図6の水分情報決定処理は、検知制御部21のCPUとROMに記憶されているメディア検知プログラムとの協働により実行される。
【0078】
検知制御部21は、水分情報決定処理を実行することにより、メディア検知装置の温度に対応する温度情報(温度検知センサー234の検知結果)及び受光部233の出力に基づき、用紙の水分量または水分率に対応する水分情報を決定する。ここで、検知制御部21は水分情報制御部として機能する。
【0079】
(2-2.水分情報決定処理)
まず、検知制御部21は、第2メディアセンサー24により、搬送経路上の用紙の坪量を検知し、検知結果を取得する(ステップA1)。
次に、検知制御部21は、ステップA1において取得した用紙の坪量に基づいて、用紙の紙種を判定する(ステップA2)。つまり、検知制御部21は、第2メディアセンサー24の検知結果に基づき用紙の紙種を判定する。ここで、検知制御部21は紙種判定部として機能する。
例えば、用紙の坪量が200g/m2以下である場合、検知制御部21は、用紙は普通紙であると判定する。一方、用紙の坪量が200g/m2より大きい場合、検知制御部21は、用紙は厚紙であると判定する。
【0080】
次に、検知制御部21は、第1メディアセンサー23より、受光部233の出力としての第1受光量及び第2受光量の情報を取得する(ステップA3)。
次に、検知制御部21は、ステップA2において取得した受光部233の出力に基づいて、第1受光量と第2受光量の比率から用紙の仮の水分率を算出して決定する(ステップA4)。
【0081】
次に、検知制御部21は、温度検知センサー234より、第2発光部232の温度を取得する(ステップA5)。当該ステップA5が取得ステップである。
次に、検知制御部21は、ステップA5において取得した第2発光部232の温度に基づいて、波長推定値テーブルから、第1近赤外光及び第2近赤外光の波長推定値を取得する(ステップA6)。
【0082】
図7に、記憶部25に記憶された波長推定値テーブルの一例を示す図である。
発明者は実際に水分センサーをメディアセンサーとして画像形成装置に配置した場合に、同じ状態の用紙で測定結果が変わる現象について検討した結果、次の現象を見出した。具体的には、発明者は、水分センサーの発光部(LED等)自体の自己発熱による温度上昇によって、発光部が発する光の波長が変化することに伴って、水分感度が変化することを見出した。そしてこのような現象により、当該メディアセンサーが検知する用紙の水分率において、本来の用紙の水分率に対して誤差が生じるという問題があることが分かった。
上記の波長推定値テーブルは、温度検知センサー234による検知結果(検知温度)と、第1発光部231が発する第1近赤外光の波長推定値と、第2発光部232が発する第2近赤外光の波長推定値との関係を示す。
なお、検知制御部21は、波長推定値テーブルの代わりに、温度検知センサー234による検知温度と、第1近赤外光の波長推定値と、第2近赤外光の波長推定値との関係を示す関係式から、第1近赤外光及び第2近赤外光の波長推定値を取得してもよい。
【0083】
次に、検知制御部21は、ステップA2において判定した紙種、及びステップA6において取得した第1近赤外光及び第2近赤外光の波長推定値に基づいて、補正値テーブルから、用紙の仮の水分率を補正する補正値を取得する(ステップA7)。
すなわち、検知制御部21は、ステップA2において用紙の紙種は普通紙であると判定した場合、普通紙用の補正値テーブルから補正値を取得する。また、検知制御部21は、ステップA2において用紙の紙種は厚紙であると判定した場合、厚紙用の補正値テーブルから補正値を取得する。
【0084】
図8Aに、普通紙用の補正値テーブルの例を示す。
図8Bに、厚紙用の補正値テーブルの例を示す。
図8A、
図8Bに示す例においては、第1近赤外光の波長推定値が1450nmであり、第2近赤外光の波長推定値が1300nmである場合を基準の波長としている。そのため、この場合の補正値は0である。なお、
図7に示すように、この場合は、温度検知センサー234の検知温度が20℃である場合である。
なお、基準の波長とする第1近赤外光の波長推定値及び第2近赤外光の波長推定値は、
図8A、
図8Bに示す例に限らず、他の波長推定値であってもよい。
【0085】
図8Aに示す例において、第1近赤外光の波長推定値が1400nmであり、第2近赤外光の波長推定値が1250nmであり、且つ例えば用紙の仮の水分率が5%である場合、補正値は+5%である。
また、第1近赤外光の波長推定値が1500nmであり、第2近赤外光の波長推定値が1400nmであり、且つ例えば用紙の仮の水分率が20%である場合、補正値は-10%である。
【0086】
図8Bに示す例において、第1近赤外光の波長推定値が1400nmであり、第2近赤外光の波長推定値が1250nmであり、且つ例えば用紙の仮の水分率が5%である場合、補正値は+5%である。
また、第1近赤外光の波長推定値が1500nmであり、第2近赤外光の波長推定値が1400nmであり、且つ例えば用紙の仮の水分率が20%である場合、補正値は-5%である。
【0087】
図8A、
図8Bに示すように、温度検知センサー234の検知温度が20℃(基準温度)より低い場合、補正値は、仮の水分率を高く補正する値である。また、温度検知センサー234の検知温度が20℃(基準温度)より高い場合、補正値は、仮の水分率を低く補正する値である。
【0088】
なお、検知制御部21は、補正値テーブルの代わりに、第1近赤外光の波長推定値と、第2近赤外光の波長推定値と、用紙の仮の水分率と、補正値との関係を示す関係式から、補正値を取得してもよい。
【0089】
次に、検知制御部21は、ステップA4において決定した用紙の仮の水分率を、ステップA7において取得した補正値により補正して、用紙の水分率を決定し(ステップA8)、本処理を終了する。当該ステップA8が水分情報決定ステップである。
【0090】
検知制御部21は、上記水分情報決定処理を実行することにより、受光部233の出力に基づき仮の水分情報(水分率)を決定する。そして、検知制御部21は、発光部の温度(温度検知センサー234の検知温度)に基づき発光部が発光する光の波長の推定値を取得する。そして、検知制御部21は、取得した波長の推定値に基づき仮の水分情報を補正することにより水分情報を決定する。
【0091】
また、検知制御部21は、上記水分情報決定処理を実行することにより、用紙を搬送中に用紙の水分情報(水分率)を決定する。
なお、検知制御部21は、搬送される用紙ごとに用紙の水分情報を決定してもよいし、搬送される一枚の用紙に対して、用紙の水分情報(水分率)を複数回決定してもよい。
つまり、検知制御部21は、用紙の搬送中に温度検知センサー234により検知された温度に応じて用紙の水分情報(水分率)を決定する。
【0092】
なお、検知制御部21は、上記水分情報決定処理において、第1発光部231及び第2発光部232の個体差(例えば、LEDの個体差)によるそれぞれが発する光の波長における個体差を補正してもよい。
この場合、記憶部25は、第1発光部231及び第2発光部232の個体差を補正する個体差補正値テーブルを記憶している。
図9に、個体差補正値テーブルの一例を示す。
【0093】
図9に示す例においては、第1近赤外光の波長の事前測定値が1450nmであり、第2近赤外光の波長の事前測定値が1300nmである場合を基準の波長としている。そのため、この場合の補正値は0である。
なお、基準の波長とする第1近赤外光の波長の事前測定値及び第2近赤外光の波長の事前測定値は、
図9に示す例に限らず、他の事前測定値であってもよい。
【0094】
図9に示す例において、第1近赤外光の波長の事前測定値が1400nmであり、第2近赤外光の波長の事前測定値が1250nmであり、且つ例えば用紙の仮の水分率が5%である場合、補正値は+5%である。
また、第1近赤外光の波長の事前測定値が1500nmであり、第2近赤外光の波長の事前測定値が1400nmであり、且つ例えば用紙の仮の水分率が20%である場合、補正値は-10%である。
【0095】
図5に戻り、制御部31は、ステップS2において決定された用紙の水分情報に基づいて、画像形成部38による画像形成のためのプロセス条件を決定し(ステップS3)、本処理を終了する。
【0096】
(変形例)
次に、本発明の変形例について説明する。なお、変形例においては、上記実施形態と同様の構成に同一の符号を付し、その説明を省略する。
図10は、本変形例のプロセス条件決定処理の流れを示すフローチャートである。
【0097】
本変形例のプロセス条件決定処理において、制御部31は、上記実施形態のプロセス条件決定処理ステップS1と同様のステップS1aを実施する。
次に、制御部31は、検知装置20より、第1メディアセンサー23の受光部233の出力としての第1受光量及び第2受光量の情報を取得する(ステップS2a)。
次に、制御部31は、検知装置20より、温度検知センサー234の検知結果として第2発光部232の温度を取得する(ステップS3a)。当該ステップS3aが取得ステップである。
【0098】
次に、制御部31は、ステップS2aにおいて取得した受光部233の出力、及びステップS3aにおいて取得した第2発光部232の温度に基づいて、画像形成部38による画像形成のためのプロセス条件を決定し(ステップS4a)、本処理を終了する。当該ステップS4aがプロセス条件決定ステップである。つまり、本変形例においては、検知制御部21が用紙の水分量または水分率に対応する水分情報を決定することなしに、制御部31は、受光部233の出力及び第2発光部232の温度から直接プロセス条件を決定する。
【0099】
以上、本発明について上記実施形態に基づいて説明を行ったが、上記実施形態における記述は、本発明に係る画像形成システムの一例であり、これに限定されるものではない。
例えば、上記実施形態では、検知制御部21は、水分情報決定処理において用紙の水分率を決定するとしたがこれに限らない。検知制御部21は、用紙の水分量を決定してもよい。
また、検知制御部21は、水分情報決定処理において用紙の水分量または水分率を示す指数を決定してもよい。当該用紙の水分量または水分率を示す指数とは、例えば、受光部233が出力する電圧値や電流値である。
つまり、用紙の水分量または水分率に対応する水分情報とは、用紙の水分量、用紙の水分率、及び用紙の水分量または水分率を示す指数を含む。
【0100】
また、検知制御部21は、第1発光部231及び第2発光部232の温度の推定値、及び受光部233の出力に基づいて、用紙の水分量または水分率に対応する水分情報を決定してもよい。
例えば、検知制御部21は、第1発光部231及び第2発光部232の動作時間に基づいて、第1発光部231及び第2発光部232の温度の推定値を算出する。
つまり、メディア検知装置の温度に対応する温度情報は、第1発光部231及び第2発光部232の動作時間に基づいた、メディア検知装置の温度の推定値を含む。
【0101】
また、画像形成装置30が画像形成装置30内の温度を検知する検知部を備える場合、検知制御部21は、当該検知部の検知結果及び受光部233の出力に基づいて、用紙の水分量または水分率に対応する水分情報を決定してもよい。
つまり、メディア検知装置の温度に対応する温度情報は、画像形成装置30内の温度の情報を含む。
【0102】
また、上記実施形態において、受光部233は、第1発光部231及び第2発光部232から発光され、用紙Pにおいて反射した光を受光するとしたがこれに限らない。受光部233は、第1発光部231及び第2発光部232から発光され、用紙Pを透過した光を受光する構成であってもよい。
【0103】
[3.効果]
以上のように本実施形態のメディア検知装置(検知装置20)は、用紙の水分量または水分率に対応する水分情報を検知するためのメディア検知装置であって、光を照射する発光部(第1発光部231及び第2発光部232)と、光が用紙で反射又は用紙を透過した光を受光する受光部233と、メディア検知装置の温度に対応する温度情報及び受光部233の出力に基づき、水分情報を決定する水分情報制御部(検知制御部21)と、を備える。
これにより、メディア検知装置の温度に対応する温度情報に応じた用紙の水分量または水分率に対応する水分情報を決定できる。したがって、用紙の水分量または水分率に対応する水分情報をより精度良く検知できる。
【0104】
また、本実施形態のメディア検知装置(検知装置20)において、水分情報制御部(検知制御部21)は、発光部(第1発光部231及び第2発光部232)の温度に対応する温度情報及び受光部233の出力に基づき、水分情報を決定する。
これにより、発光部の温度に対応する温度情報に応じた用紙の水分量または水分率に対応する水分情報を決定できる。
【0105】
また、本実施形態のメディア検知装置(検知装置20)において、発光部は、水分による吸収率の異なる波長の光を発光するための第1発光部231及び第2発光部232を含む。
また、本実施形態のメディア検知装置(検知装置20)において、第1発光部231は、基準光を発光し、第2発光部232は、基準光よりも水分による吸収率が大きい波長の光を発光し、水分情報制御部(検知制御部21)は、メディア検知装置の温度に対応する温度情報、及び基準光と第2発光部232とが発する光に対する受光部233の出力に基づき、水分情報を決定する。
また、本実施形態のメディア検知装置(検知装置20)において、水分情報制御部(検知制御部21)は、メディア検知装置の温度に対応する温度情報、及び基準光と第2発光部232とが発する光に対する受光部233の出力の比率に基づき、水分情報を決定する。
また、本実施形態のメディア検知装置(検知装置20)において、水分情報制御部(検知制御部21)は、第2発光部232の温度に対応する温度情報及び受光部233の出力に基づき、水分情報を決定する。
これにより、第2発光部232の温度に対応する温度情報に応じた用紙の水分量または水分率に対応する水分情報を決定できる。
【0106】
また、本実施形態のメディア検知装置(検知装置20)は、メディア検知装置の温度を検知する温度検知センサー234を備え、メディア検知装置の温度に対応する温度情報は、温度検知センサー234の検知結果に対応する温度情報である。
これにより、温度検知センサー234によりメディア検知装置の温度に対応する温度情報を容易に取得できる。
【0107】
また、本実施形態のメディア検知装置(検知装置20)において、水分情報制御部(検知制御部21)は、用紙を搬送中に水分情報を決定する。
これにより、搬送中の用紙の水分量または水分率に対応する水分情報をより精度良く検知できる。
【0108】
また、本実施形態のメディア検知装置(検知装置20)において、水分情報制御部(検知制御部21)は、用紙ごとに水分情報を決定する。
これにより、用紙ごとに用紙の水分量または水分率に対応する水分情報をより精度良く検知できる。
【0109】
また、本実施形態のメディア検知装置(検知装置20)において、水分情報制御部(検知制御部21)は、一枚の用紙に対して水分情報を複数回決定する。
これにより、一枚の用紙内においてより精度良く、用紙の水分量または水分率に対応する水分情報を検知できる。
【0110】
また、本実施形態のメディア検知装置(検知装置20)において、水分情報制御部(検知制御部21)は、用紙搬送中に検知されたメディア検知装置の温度に対応する温度情報及び受光部233の出力に基づき、水分情報を決定する。
これにより、用紙搬送中のメディア検知装置の温度に対応する温度情報に応じた用紙の水分量または水分率に対応する水分情報を決定できる。
【0111】
また、本実施形態のメディア検知装置(検知装置20)において、発光部(第1発光部231及び第2発光部232)及び受光部233は、第1メディアセンサー23に含まれ、メディア検知装置の温度に対応する温度情報は、第1メディアセンサーの温度に対応する温度情報である。
これにより、第1メディアセンサー23の温度に対応する温度情報に応じた用紙の水分量または水分率に対応する水分情報を決定できる。
【0112】
また、本実施形態のメディア検知装置(検知装置20)において、第1メディアセンサー23は、用紙の搬送路上に配置される。
これにより、搬送経路上の用紙の水分量または水分率に対応する水分情報を検知できる。
【0113】
また、本実施形態のメディア検知装置(検知装置20)において、第1メディアセンサー23は、用紙上に画像を形成可能な画像形成部38に用紙を搬送するための用紙の搬送路上に配置される。
これにより、画像形成前の用紙の水分量または水分率に対応する水分情報を検知できる。
【0114】
また、本実施形態のメディア検知装置(検知装置20)において、水分情報制御部(検知制御部21)は、受光部233の出力に基づき仮の水分情報を決定し、メディア検知装置の温度に対応する温度情報に基づき仮の水分情報を補正することにより水分情報を決定する。
これにより、メディア検知装置の温度に対応する温度情報に応じた用紙の水分量または水分率に対応する水分情報を決定できる。
【0115】
また、本実施形態のメディア検知装置(検知装置20)において、水分情報制御部(検知制御部21)は、発光部(第1発光部231及び第2発光部232)の温度に基づき発光部が発する光の波長の情報を取得し、取得した波長の情報に基づき仮の水分情報を補正する。
これにより、発光部の温度に対応する温度情報に応じた用紙の水分量または水分率に対応する水分情報を決定できる。
【0116】
また、本実施形態のメディア検知装置(検知装置20)は、メディア検知装置の温度を検知する温度検知センサー234を備え、水分情報制御部(検知制御部21)は、温度検知センサー234による検知温度が基準温度より高い場合、仮の水分情報が低くなるように補正し、検知温度が基準温度より低い場合、仮の水分情報が高くなるように補正する。
これにより、メディア検知装置の温度に対応する温度情報に応じた用紙の水分量または水分率に対応する水分情報を決定できる。
【0117】
また、本実施形態のメディア検知装置(検知装置20)において、発光部(第1発光部231及び第2発光部232)は、LED(Light Emittng Diode)を含む。
したがって、発光部が自己発熱し、発光部が発する光の波長が変化した場合においても、用紙の水分量または水分率に対応する水分情報をより精度良く検知できる。
【0118】
また、本実施形態のメディア検知装置(検知装置20)において、温度検知センサー234は、発光部(第1発光部231及び第2発光部232)を支持する部材(支持部材237)に接触して配置される。
これにより、発光部の温度を精度良く検知することができる。
【0119】
また、本実施形態のメディア検知装置(検知装置20)において、温度検知センサー234は、発光部(第1発光部231及び第2発光部232)に非接触に、且つ対向配置される。
これにより、発光部の温度を精度良く検知することができる。
【0120】
また、本実施形態のメディア検知装置(検知装置20)において、水分情報制御部(検知制御部21)は、用紙の紙種に基づき水分情報を決定する。
これにより、用紙の紙種に応じた用紙の水分量または水分率に対応する水分情報を決定できる。
【0121】
また、本実施形態のメディア検知装置(検知装置20)は、紙種に対応する物性を検知するための第2メディアセンサー24と、第2メディアセンサー24の検知結果に基づき紙種を判定する紙種判定部(検知制御部21)と、を備える。
また、本実施形態のメディア検知装置(検知装置20)において、第2メディアセンサー24は、坪量センサーである。
したがって、用紙の坪量を検知することにより容易に紙種を判定できる。
【0122】
また、本実施形態の画像形成システム100は、メディア検知装置(検知装置20)と、用紙上に画像形成可能な画像形成部38と、を備える画像形成システムであって、水分情報制御部(検知制御部21)により決定された水分情報に基づき、画像形成部38における画像形成のためのプロセス条件を決定するプロセス条件制御部(制御部31)を備える。
これにより、より精度良く検知された用紙の水分量または水分率に対応する水分情報に応じたプロセス条件を決定できる。
【0123】
また、本実施形態の画像形成システム100において、プロセス条件は、転写条件を含む。
これにより、より精度良く検知された用紙の水分量または水分率に対応する水分情報に応じた転写条件を決定できる。
【0124】
また、本実施形態の画像形成システム100において、転写条件は、転写電流及び転写電圧を含む。
これにより、より精度良く検知された用紙の水分量または水分率に対応する水分情報に応じた転写電流及び転写電圧を決定できる。
【0125】
また、本実施形態の画像形成システム100は、用紙に画像を形成する画像形成部38と、用紙の水分量または水分率に対応する水分情報を検知するためのメディア検知装置(検知装置20)と、画像形成部38におけるプロセス条件を決定するプロセス条件制御部(制御部31)と、を備え、メディア検知装置は、光を照射する発光部(第1発光部231及び第2発光部232)と、光が用紙で反射又は用紙を透過した光を受光する受光部233と、を有し、プロセス条件制御部は、メディア検知装置の温度に対応する温度情報及び受光部233の出力に基づき、プロセス条件を決定する。
これにより、メディア検知装置の温度に対応する温度情報に応じた用紙の水分量または水分率に対応する水分情報に応じたプロセス条件を決定できる。
【0126】
また、本実施形態のメディア検知プログラムは、用紙の水分量または水分率に対応する水分情報を検知するためのメディア検知プログラムであって、コンピューター(検知制御部21)に、光を照射する発光部(第1発光部231及び第2発光部232)と、光が用紙で反射又は用紙を透過した光を受光する受光部233と、を有するメディア検知装置(検知装置20)の温度に対応する温度情報を取得する取得ステップと、メディア検知装置の温度に対応する温度情報及び受光部233の出力に基づき、水分情報を決定する水分情報決定ステップと、を実行させることが可能である。
これにより、メディア検知装置の温度に対応する温度情報に応じた用紙の水分量または水分率に対応する水分情報を決定できる。
【0127】
また、本実施形態のプロセス条件プログラムは、画像形成部38において用紙に画像を形成するためのプロセス条件を決定するためのプロセス条件制御プログラムであって、コンピューターに(制御部31)、光を照射する発光部(第1発光部231及び第2発光部232)と、光が用紙で反射又は用紙を透過した光を受光する受光部233と、を有するメディア検知装置(検知装置20)の温度に対応する温度情報を取得する取得ステップと、メディア検知装置の温度に対応する温度情報及び受光部233の出力に基づき、プロセス条件を決定するプロセス条件決定ステップと、を実行させることが可能である。
これにより、メディア検知装置の温度に対応する温度情報に応じた用紙の水分量または水分率に対応する水分情報に応じたプロセス条件を決定できる。
【0128】
なお、上記実施形態における記述は、本発明に係るメディア検知装置、画像形成システム、メディア検知プログラム及びプロセス条件制御プログラムの例であり、これに限定されるものではない。装置を構成する各部の細部構成及び細部動作に関しても本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【0129】
例えば、上記実施形態では、検知制御部21が水分情報制御部である場合について説明したが、これに限らない。画像形成装置30の制御部31が水分情報制御部として機能してもよい。この場合、制御部31は、検知装置20よりメディア検知装置の温度に対応する温度情報及び受光部233の出力を取得し、用紙の水分量または水分率に対応する水分情報を決定する。
【0130】
また、上記実施形態では、第1メディアセンサー23は、画像形成部38の用紙搬送方向上流において搬送経路上に設けられ、画像形成前の用紙に対する第1受光量及び第2受光量を出力するとしたが、これに限らない。第1メディアセンサー23を、画像形成部38の用紙搬送方向下流において搬送経路上に設け、画像形成後の用紙に対する第1受光量及び第2受光量を出力してもよい。また、第1メディアセンサー23を、画像形成部38の用紙搬送方向上流及び下流の両方において搬送経路上に設けてもよい。
【0131】
また、上記実施形態において、メディア検知装置は、印字方式が電子写真方式の画像形成装置30への適用を例示したが、これに限られず、インクジェット方式の画像形成装置やその他の印字方式の画像形成装置にも適用できる。
【符号の説明】
【0132】
100 画像形成システム
10 給紙装置
11 給紙制御部
12 搬送部
13 給紙部
14 バス
20 検知装置(メディア検知装置)
21 検知制御部(水分情報制御部、紙種判定部)
22 搬送部
23 第1メディアセンサー
231 第1発光部(発光部)
232 第2発光部(発光部)
233 受光部
234 温度検知センサー
235、236 レンズ
237 支持部材
24 第2メディアセンサー
25 記憶部
26 バス
30 画像形成装置
31 制御部(プロセス条件制御部)
32 記憶部
33 操作部
34 表示部
35 インターフェース
36 スキャナー
37 画像処理部
38 画像形成部
381 露光部
382 感光体ドラム
383 現像部
384 転写体
385 2次転写ローラー
39 画像定着部
40 搬送部
401 反転機構
41 バス
P 用紙
【手続補正書】
【提出日】2024-07-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙の水分情報を検知するためのメディア検知装置であって、
光を照射する発光部と、
前記光が前記用紙で反射又は前記用紙を透過した光を受光する受光部と、
前記メディア検知装置の温度に対応する温度情報及び前記受光部の出力に基づき、前記水分情報を決定する水分情報制御部と、
を備えるメディア検知装置。
【請求項2】
前記水分情報制御部は、前記発光部の温度に対応する温度情報及び前記受光部の出力に基づき、前記水分情報を決定する請求項1に記載のメディア検知装置。
【請求項3】
前記発光部は、水分による吸収率の異なる波長の光を発光するための第1発光部及び第2発光部を含む請求項1に記載のメディア検知装置。
【請求項4】
前記第1発光部は、基準光を発光し、
前記第2発光部は、前記基準光よりも水分による吸収率が大きい波長の光を発光し、
前記水分情報制御部は、前記温度情報、及び前記基準光と前記第2発光部とが発する光に対する前記受光部の出力に基づき、前記水分情報を決定する請求項3に記載のメディア検知装置。
【請求項5】
前記水分情報制御部は、前記温度情報、及び前記基準光と前記第2発光部とが発する光に対する前記受光部の出力の比率に基づき、前記水分情報を決定する請求項4に記載のメディア検知装置。
【請求項6】
前記水分情報制御部は、前記第2発光部の温度に対応する温度情報及び前記受光部の出力に基づき、前記水分情報を決定する請求項4に記載のメディア検知装置。
【請求項7】
前記メディア検知装置の温度を検知する温度検知センサーを備え、
前記メディア検知装置の温度に対応する温度情報は、前記温度検知センサーの検知結果に対応する温度情報である請求項1に記載のメディア検知装置。
【請求項8】
前記水分情報制御部は、前記用紙を搬送中に前記水分情報を決定する請求項1に記載のメディア検知装置。
【請求項9】
前記水分情報制御部は、前記用紙ごとに前記水分情報を決定する請求項8に記載のメディア検知装置。
【請求項10】
前記水分情報制御部は、一枚の前記用紙に対して前記水分情報を複数回決定する請求項8に記載のメディア検知装置。
【請求項11】
前記水分情報制御部は、用紙搬送中に検知された前記温度情報及び前記受光部の出力に基づき、前記水分情報を決定する請求項8に記載のメディア検知装置。
【請求項12】
前記発光部及び前記受光部は、第1メディアセンサーに含まれ、
前記メディア検知装置の温度に対応する温度情報は、前記第1メディアセンサーの温度に対応する温度情報である請求項1に記載のメディア検知装置。
【請求項13】
前記第1メディアセンサーは、前記用紙の搬送路上に配置される請求項12に記載のメディア検知装置。
【請求項14】
前記第1メディアセンサーは、前記用紙上に画像を形成可能な画像形成部に前記用紙を搬送するための前記用紙の搬送路上に配置される請求項13に記載のメディア検知装置。
【請求項15】
前記水分情報制御部は、前記受光部の出力に基づき仮の水分情報を決定し、前記メディア検知装置の温度に対応する温度情報に基づき前記仮の水分情報を補正することにより前記水分情報を決定する請求項1に記載のメディア検知装置。
【請求項16】
前記水分情報制御部は、前記発光部の温度に基づき前記発光部が発する光の波長の情報を取得し、取得した前記波長の情報に基づき前記仮の水分情報を補正する請求項15に記載のメディア検知装置。
【請求項17】
前記メディア検知装置の温度を検知する温度検知センサーを備え、
前記水分情報制御部は、前記温度検知センサーによる検知温度が基準温度より高い場合、前記仮の水分情報が低くなるように補正し、前記検知温度が前記基準温度より低い場合、前記仮の水分情報が高くなるように補正する請求項15に記載のメディア検知装置。
【請求項18】
前記発光部は、LED(Light Emittng Diode)を含む請求項1に記載のメディア検知装置。
【請求項19】
前記温度検知センサーは、前記発光部を支持する部材に接触して配置される請求項7に記載のメディア検知装置。
【請求項20】
前記温度検知センサーは、前記発光部に非接触に、且つ対向配置される請求項7に記載のメディア検知装置。
【請求項21】
前記水分情報制御部は、前記用紙の紙種に基づき前記水分情報を決定する請求項1に記載のメディア検知装置。
【請求項22】
前記紙種に対応する物性を検知するための第2メディアセンサーと、
前記第2メディアセンサーの検知結果に基づき前記紙種を判定する紙種判定部と、
を備える請求項21に記載のメディア検知装置。
【請求項23】
前記第2メディアセンサーは、坪量センサーである請求項22に記載のメディア検知装置。
【請求項24】
請求項1から23のいずれか一項に記載の前記メディア検知装置と、
前記用紙上に画像形成可能な画像形成部と、
を備える画像形成システムであって、
前記水分情報制御部により決定された前記水分情報に基づき、前記画像形成部における画像形成のためのプロセス条件を決定するプロセス条件制御部を備える画像形成システム。
【請求項25】
前記プロセス条件は、転写条件を含む請求項24に記載の画像形成システム。
【請求項26】
前記転写条件は、転写電流及び転写電圧を含む請求項25に記載の画像形成システム。
【請求項27】
用紙に画像を形成する画像形成部と、
前記用紙の水分情報を検知するためのメディア検知装置と、
前記画像形成部におけるプロセス条件を決定するプロセス条件制御部と、
を備え、
前記メディア検知装置は、光を照射する発光部と、前記光が前記用紙で反射又は前記用紙を透過した光を受光する受光部と、を有し、
前記プロセス条件制御部は、前記メディア検知装置の温度に対応する温度情報及び前記受光部の出力に基づき、前記プロセス条件を決定する画像形成システム。
【請求項28】
用紙の水分情報を検知するためのメディア検知プログラムであって、
コンピューターに、
光を照射する発光部と、前記光が前記用紙で反射又は前記用紙を透過した光を受光する受光部と、を有するメディア検知装置の温度に対応する温度情報を取得する取得ステップと、
前記メディア検知装置の温度に対応する温度情報及び前記受光部の出力に基づき、前記水分情報を決定する水分情報決定ステップと、
を実行させることが可能なメディア検知プログラム。
【請求項29】
画像形成部において用紙に画像を形成するためのプロセス条件を決定するためのプロセス条件制御プログラムであって、
コンピューターに、
光を照射する発光部と、前記光が前記用紙で反射又は前記用紙を透過した光を受光する受光部と、を有するメディア検知装置の温度に対応する温度情報を取得する取得ステップと、
前記メディア検知装置の温度に対応する温度情報及び前記受光部の出力に基づき、前記プロセス条件を決定するプロセス条件決定ステップと、
を実行させることが可能なプロセス条件制御プログラム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0003
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0003】
例えば、特許文献1には、LED(Light Emittng Diode)を含む発光部と、PD(PhotoDiode)を含む受光部を有する水分センサーを設置して、用紙の水分情報である水分率を測定することが記載されている。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本発明の課題は、用紙の水分情報をより精度良く検知できるメディア検知装置、画像形成システム、メディア検知プログラム及びプロセス条件制御プログラムを提供することである。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1に記載のメディア検知装置は、
用紙の水分情報を検知するためのメディア検知装置であって、
光を照射する発光部と、
前記光が前記用紙で反射又は前記用紙を透過した光を受光する受光部と、
前記メディア検知装置の温度に対応する温度情報及び前記受光部の出力に基づき、前記水分情報を決定する水分情報制御部と、
を備える。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0033】
請求項27に記載の画像形成システムは、
用紙に画像を形成する画像形成部と、
前記用紙の水分情報を検知するためのメディア検知装置と、
前記画像形成部におけるプロセス条件を決定するプロセス条件制御部と、
を備え、
前記メディア検知装置は、光を照射する発光部と、前記光が前記用紙で反射又は前記用紙を透過した光を受光する受光部と、を有し、
前記プロセス条件制御部は、前記メディア検知装置の温度に対応する温度情報及び前記受光部の出力に基づき、前記プロセス条件を決定する。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0034】
請求項28に記載のメディア検知プログラムは、
用紙の水分情報を検知するためのメディア検知プログラムであって、
コンピューターに、
光を照射する発光部と、前記光が前記用紙で反射又は前記用紙を透過した光を受光する受光部と、を有するメディア検知装置の温度に対応する温度情報を取得する取得ステップと、
前記メディア検知装置の温度に対応する温度情報及び前記受光部の出力に基づき、前記水分情報を決定する水分情報決定ステップと、
を実行させることが可能である。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0036】
本発明によれば、用紙の水分情報をより精度良く検知できる。