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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024011559
(43)【公開日】2024-01-25
(54)【発明の名称】リチウムイオン電池の処理方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/54 20060101AFI20240118BHJP
【FI】
H01M10/54
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022113651
(22)【出願日】2022-07-15
(71)【出願人】
【識別番号】520184767
【氏名又は名称】プライムプラネットエナジー&ソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117606
【弁理士】
【氏名又は名称】安部 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100121186
【弁理士】
【氏名又は名称】山根 広昭
(74)【代理人】
【識別番号】100130605
【弁理士】
【氏名又は名称】天野 浩治
(72)【発明者】
【氏名】内田 陽三
【テーマコード(参考)】
5H031
【Fターム(参考)】
5H031EE01
5H031RR01
(57)【要約】
【課題】簡便かつ安全性の向上したリチウムイオン電池の処理方法を提供する。
【解決手段】本発明により、電極体と、上記電極体を収容する電池ケースと、上記電池ケースの内部で上記電極体と接続され一部が上記電池ケースの外部に露出する電極端子と、を備えたリチウムイオン電池を回収する、回収工程(ステップS0)と、回収された上記リチウムイオン電池の上記電極端子と上記電極体との接続部分を、ウォータージェット切断機で切断する、切断工程(ステップS4)と、を含み、回収工程(ステップS0)と切断工程(ステップS4)との間に、上記リチウムイオン電池を放電処理する工程を含まない、処理方法が提供される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極体と、
開口を有し、前記電極体を収容する電池ケースと、
前記電池ケースの前記開口を封口する蓋体と、
前記電池ケースの内部で前記電極体と接続され、一部が前記電池ケースの外部に露出する電極端子と、
を備えたリチウムイオン電池を回収する、回収工程と、
回収された前記リチウムイオン電池の前記電極端子と前記電極体との接続部分を、ウォータージェット切断機で切断する、切断工程と、を含み、
前記回収工程と前記切断工程との間に、前記リチウムイオン電池を放電処理する工程を含まない、リチウムイオン電池の処理方法。
【請求項2】
前記切断工程では、電圧を有する前記リチウムイオン電池を切断する、
請求項1に記載の処理方法。
【請求項3】
前記電極端子が前記蓋体に取り付けられており、
前記切断工程では、前記電極体および前記電池ケースから前記蓋体を分離する、
請求項1または2に記載の処理方法。
【請求項4】
前記蓋体の材質と前記電極端子の材質とが異なっており、
前記切断工程の後、前記蓋体から前記電極端子を分離する、端子分離工程をさらに含む、
請求項3に記載の処理方法。
【請求項5】
回収された前記リチウムイオン電池が電解液を含んでおり、前記切断工程より前に、
前記ウォータージェット切断機で前記電池ケースに穴を開ける、穴加工工程と、
前記穴から電解液を吸引する、電解液吸引工程と、をさらに含む、
請求項1または2に記載の処理方法。
【請求項6】
前記電解液吸引工程および前記切断工程の後、前記穴から押出棒を挿入して、前記電池ケースの前記開口から前記電極体を押し出す、電極体取出し工程を含む、
請求項5に記載の処理方法。
【請求項7】
前記リチウムイオン電池は、溶媒と支持塩とを含んでおり、
前記ウォータージェット切断機は、前記リチウムイオン電池から回収された前記溶媒を噴射するように構成されている、
請求項1または2に記載の処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リチウムイオン電池の処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、廃棄物を低減して資源を有効利用するために、使用済みのリチウムイオン電池を回収し、再生資源化することが行われている。これに関連して、特許文献1~3には、リチウムイオン電池を解体処理する前に強制的に放電させることで、解体処理時に正負極が短絡して発火することを防止しうる旨が記載されている。また、特許文献1には、放電処理の後、リチウムイオン電池の外装体をエンドミル等の工具やレーザ等で切断して電極体を取り出し、Ni、Co等の有価金属を資源として回収することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-198320号公報
【特許文献2】特許第6828214号公報
【特許文献3】特開平6-251805号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、本発明者の知見によれば、回収されたリチウムイオン電池は、通常、充電状態(SOC:State Of Charge)がバラついている。このため、放電処理の作業が煩雑になり、コストがかさむ課題がある。また、リチウムイオン電池をいったん0Vまで放電させても、しばらく放置すると電圧が戻ってしまうことがあり、完全に0Vまで放電させることは難しい。さらに、回収されたリチウムイオン電池には、過充電、過放電等によって使用不可となったものも含まれうる。このような場合、通常は安全装置が作動しているため、放電処理を行うことができないこともある。加えて、特許文献1、2に記載されるように、電圧を有するリチウムイオン電池を工具やレーザで切断すると、正極と負極が短絡して発火することがあり得る。このため、作業に際しては予め消火設備を用意する等、厳重な備えが必要となる。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、従来よりも簡便かつ安全性の向上したリチウムイオン電池の処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明により、電極体と、開口を有し、上記電極体を収容する電池ケースと、上記電池ケースの上記開口を封口する蓋体と、上記電池ケースの内部で上記電極体と接続され、一部が上記電池ケースの外部に露出する電極端子と、を備えたリチウムイオン電池を回収する、回収工程と、回収された上記リチウムイオン電池の上記電極端子と上記電極体との接続部分を、ウォータージェット切断機で切断する、切断工程と、を含み、上記回収工程と上記切断工程との間に、上記リチウムイオン電池を放電処理する工程を含まない、リチウムイオン電池の処理方法が提供される。
【0007】
ウォータージェット切断機は、水等の流体を加圧して被切断材に向かって高圧で噴射することにより、被切断材を切断する装置である。切断工程でウォータージェット切断機を用いることにより、熱影響なく被切断材(ここでは、リチウムイオン電池)を切断できることに加えて冷却効果も得られ、発火のリスクが抑えられる。また、安全性を向上できる。したがって、リチウムイオン電池を予め放電処理する必要がなくなり、従来よりも簡便に処理を行うことができる。さらに、ウォータージェット切断機では、通常、被切断材を載置する載置台が水槽内に設置されている。そのため、万が一、切断工程でリチウムイオン電池が発火したとしても、水槽にリチウムイオン電池を浸漬すれば消火できる。よって、消火設備を別途用意する必要がなく、事前準備の負担を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、一実施形態に係るリチウムイオン電池を模式的に示す斜視図である。
図2図2は、図1のII-II線断面図である。
図3図3は、一実施形態に係る処理方法のフローチャートである。
図4図4は、図3のステップS1~S3を説明する工程図である。
図5図5は、図3のステップS4~S6を説明する工程図である。
図6図6は、図3のステップS7~S8を説明する工程図である。
図7図7は、ウォータージェット切断機を模式的に示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、ここで開示される処理方法の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
【0010】
なお、本明細書において「電池」とは、電気エネルギーを取り出し可能な蓄電デバイス全般を指す用語であって、一次電池と二次電池とを包含する概念である。また、本明細書において「二次電池」とは、繰り返し充放電が可能な蓄電デバイス全般を指す用語であって、リチウムイオン二次電池等のいわゆる蓄電池(化学電池)と、リチウムイオンキャパシタ(物理電池)と、を包含する概念である。
【0011】
<電池100の構成>
図1は、ここで開示される処理の対象となるリチウムイオン電池100(以下では、単に電池100ということがある。)の斜視図である。図2は、図1のII-II線断面図である。なお、以下の説明において、図面中の符号L、R、F、Rr、U、Dは、左、右、前、後、上、下を表す。また、図面中の符号X、Y、Zは、電池100の長辺方向、短辺方向、上下方向を示す。ただし、これらは説明の便宜上の方向に過ぎず、電池100の設置形態を何ら限定するものではない。また、以下の図面において、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付し、重複する説明は省略または簡略化することがある。
【0012】
図2に示すように、電池100は、電極体10と、外装体20と、正極端子30と、負極端子40と、を備えている。図示は省略するが、電池100は、ここではさらに電解液を備えている。電池100は、ここでは非水電解液二次電池である。なお、電池100の構成については従来と同様でよく、特に限定されない。
【0013】
電極体10は、図2に示すように、絶縁性の樹脂シートからなる電極体ホルダ19に覆われた状態で、外装体20の内部に配置されている。電極体10は、正極12と負極14とを有している。電極体10は、ここでは帯状の正極12と帯状の負極14とが帯状のセパレータ16を介して絶縁された状態で積層され、長手方向に捲回されてなる扁平な捲回電極体である。電極体10は、捲回軸方向が長辺方向Xと平行になる向きで、外装体20の内部に収容されている。ただし、電極体10は、捲回軸方向が上下方向Zと平行になる向きで、外装体20の内部に収容されていてもよい。また、電極体10は、方形状の正極と方形状の負極とが絶縁された状態で積み重ねられてなる積層電極体であってもよい。
【0014】
正極12は、正極集電体12cと、正極集電体12c上に固着された正極合材層12aと、を有する。正極集電体12cは、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレス鋼等の導電性金属からなっている。正極集電体12cは、ここではアルミニウム製である。正極合材層12aは、典型的には、電荷担体を可逆的に吸蔵及び放出可能な正極活物質(例えば、リチウム遷移金属複合酸化物)と、バインダ(例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF))と、を含んでいる。
【0015】
負極14は、負極集電体14cと、負極集電体14c上に固着された負極合材層14aと、を有する。負極集電体14cは、例えば銅、銅合金、ニッケル、ステンレス鋼等の導電性金属からなっている。負極集電体14cは、ここでは銅製である。負極合材層14aは、典型的には、電荷担体を可逆的に吸蔵及び放出可能な負極活物質(例えば、黒鉛等の炭素材料)と、バインダ(例えば、スチレンブタジエンゴム(SBR)やカルボキシメチルセルロース(CMC))と、を含んでいる。
【0016】
正極12の上端部には、正極合材層12aの形成されていない正極集電体12cの一部分(正極タブ)が露出している。正極タブには、正極リード部材13が付設されている。正極リード部材13は、外装体20の内面に沿って延びている。正極リード部材13は、正極集電体12cと同じ金属材料、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレス鋼等の導電性金属からなっていてもよい。また、負極14の上端部には、負極合材層14aの形成されていない負極集電体14cの一部分(負極タブ)が露出している。負極タブには、負極リード部材15が付設されている。負極リード部材15は、外装体20の内面に沿って延びている。負極リード部材15は、負極集電体14cと同じ金属種、例えば銅、銅合金、ニッケル、ステンレス鋼等の導電性金属からなっていてもよい。
【0017】
電解液は、例えば、非水溶媒とリチウム塩(支持塩)とを含む非水系の液状電解質(非水電解液)である。非水系溶媒は、例えば、エチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)等のカーボネート類を含んでいる。支持塩は、例えば、LiPF等のフッ素含有リチウム塩である。
【0018】
外装体20は、図1に示すように、ここでは扁平な直方体形状(角型)に形成されている。ただし、他の実施形態において、外装体20は、円柱等の任意の形状であってよい。外装体20の材質は、従来から使用されているものと同じでよく、特に制限はない。外装体20は、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼等の軽量で熱伝導性の良い金属材料で構成されている。外装体20は、ここではアルミニウム製である。外装体20は、図2に示すように、上面に開口22hを有する電池ケース22と、開口22hを塞ぐ蓋体(封口板)24と、を備えている。外装体20は、電池ケース22の開口22hの周縁に蓋体24が接合(例えば溶接接合)されることによって、一体化されている。外装体20は、気密に封止(密閉)されている。
【0019】
電池ケース22は、電極体10と電解液とを収容する筐体である。電池ケース22は、開口22hと、開口22hに対向する底壁22dと、を備えている。電池ケース22の開口22hおよび底壁22dは略矩形状である。なお、本明細書において「略矩形状」とは、完全な矩形状(長方形状)に加えて、例えば、矩形状の長辺と短辺とを接続する角部がR状になっている形状や、角部に切り欠きを有する形状等をも包含する用語である。
【0020】
蓋体24は、電池ケース22の開口22hを封口するプレート状の部材である。蓋体24は、略矩形状である。蓋体24は、電池ケース22の開口22hに嵌め合わされ、底壁22dに対向している。蓋体24の長辺方向Xの両端部には、それぞれ端子引出孔24hが設けられている。一方側(図2の左側)の端子引出孔24hは正極用であり、他方側(図2の右側)の端子引出孔24hは負極用である。
【0021】
正極端子30および負極端子40(以下、纏めて「電極端子30、40」ともいう。)は、端子引出孔24hに挿通され、外装体20の内部から外部へと延びている。電極端子30、40は、蓋体24の長辺方向Xの両端部にそれぞれ配置されている。電極端子30、40は、ここでは外装体20の同じ面(具体的には蓋体24)に取り付けられている。電極端子30、40は、かしめ加工によって、蓋体24の端子引出孔24hを囲む周縁部分にかしめられている。電極端子30、40の下端部には、それぞれ鋲部30c、40cが形成されている。
【0022】
正極端子30は、電池ケース22の内部で、正極リード部材13を介して電極体10の正極12と電気的に接続されている。正極端子30は、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレス鋼等の金属製である。正極端子30は、正極集電体12cと同じ金属種からなっていてもよい。正極端子30は、ここではアルミニウム製である。負極端子40は、電池ケース22の内部で、負極リード部材15を介して電極体10の負極14と電気的に接続されている。負極端子40は、例えば、銅、銅合金、ニッケル、ステンレス鋼等の金属製である。負極端子40は、負極集電体14cと同じ金属種からなっていてもよい。負極端子40は、ここでは銅製である。
【0023】
電極端子30、40は、それぞれ、ガスケット50およびインシュレータ60を介して蓋体24と絶縁されている。ガスケット50は、蓋体24の上面(外側の面)と電極端子30、40との間に配置される絶縁部材である。ガスケット50は、ここでは蓋体24と電極端子30、40とを絶縁すると共に、端子引出孔24hを閉鎖する機能を有する。インシュレータ60は、蓋体24の下面(内側の面)とリード部材13、15との間に配置される絶縁部材である。ガスケット50およびインシュレータ60は、使用する電解質に対する耐性と電気絶縁性とを有し、弾性変形が可能な樹脂材料、例えば、パーフルオロアルコキシフッ素樹脂(PFA)等のフッ素化樹脂や、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)等で構成されている。
【0024】
正極端子30は、蓋体24の上面で、板状の正極外部導電部材32と電気的に接続されている。負極端子40は、蓋体24の上面で、板状の負極外部導電部材42と電気的に接続されている。正極外部導電部材32および負極外部導電部材42は、バスバー等を介して、他の二次電池や外部機器と接続される部材である。正極外部導電部材32および負極外部導電部材42は、外部絶縁部材70によって蓋体24と絶縁されている。ただし、正極外部導電部材32および負極外部導電部材42は必須ではなく、他の実施形態において省略することもできる。
【0025】
正極外部導電部材32および負極外部導電部材42は、導電性に優れた金属から構成されていることが好ましく、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金等で構成されている。正極外部導電部材32は、正極端子30と同じ金属種からなっていてもよい。正極外部導電部材32は、ここではアルミニウム製である。負極外部導電部材42は、負極端子40と同じ金属種からなっていてもよい。負極外部導電部材42は、ここでは銅製である。
【0026】
<電池100の処理方法>
図3は、電池100の処理方法のフローチャートである。本実施形態の処理方法は、複数の電池100がバスバー250(図4参照)を介して相互に電気的に接続されてなる組電池200(図4参照)を対象とした処理方法である。図3の処理方法は、電池回収工程(ステップS0)と、電池切り離し工程(ステップS1)と、穴加工工程(ステップS2)と、電解液吸引工程(ステップS3)と、蓋分離工程(ステップS4)と、端子分離工程(ステップS5)と、電極体取出し工程(ステップS6)と、電極体巻きほぐし工程(ステップS7)と、合材分離工程(ステップS8)とを、典型的にはこの順で含む。また、任意の段階でさらに他の工程を含んでもよい。
【0027】
電池回収工程(ステップS0)は、電池100を回収する工程である。電池100は、典型的には電圧を有する状態である。電池100は、未使用の状態であってもよい。電池100は、過充電、過放電等によって使用不可となり、放電が不可能な状態であってもよい。本実施形態では、電池100が組電池200の状態で回収されている。図4図6は、回収した電池100の処理方法に係る各ステップを説明する工程図である。
【0028】
電池切り離し工程(ステップS1)は、図4に示すように、組電池200を個々の電池100(すなわち、単電池)に分離する工程である。組電池200では、複数の電池100が短辺方向Yに沿って一列に並んでおり、短辺方向Yに隣り合う電池100の正極端子30と負極端子40がバスバー250で交互にされている。バスバー250は、金属製の導電部材である。本実施形態では、バスバー250を切断して、組電池200を単電池に分離する。バスバー250の切断は、例えば図4に示すようにレーザ光LLを照射する等、従来公知の方法によって行うことができる。そして、ステップS2に進む。なお、回収された電池100が組電池200の状態でない場合(言い換えれば、すでに単電池の状態である場合)は、当然に本工程を省略できる。
【0029】
穴加工工程(ステップS2)は、図4に示すように、電池ケース22に電解液を排出するための穴hをあける工程である。穴hは、電解液を排出可能であるが、電極体10は取出し不可能な大きさである。外装体20に穴hを開ける際は、従来公知の加工機を用いることができる。なかでも、ウォータージェット切断機を用いることが好ましい。穴hをあける際の雰囲気は、不活性ガス雰囲気であってもよく、大気雰囲気であってもよい。ウォータージェット切断機を用いることにより、熱影響なく被切断材を切断できることに加えて冷却効果も得られ、発火のリスクが抑えられる。また、安全性を向上できる。
【0030】
なお、本明細書において「ウォータージェット切断機」とは、高圧のエネルギーをもった高速・高密度な細い水流(ウォータージェットWJ)を利用して被切断材を切断する装置全般をいい、水等の流体だけで切断を行うウォータージェット切断と、水等の流体に研磨材(アブレシブ)を混入させて切断を行うアブレシブジェット切断と、を包含する概念である。また、切断に用いる流体は、典型的には水であるが、水以外の流体、例えば電池100の電解液に用いられるような非水溶媒であってもよい。ウォータージェット切断機としては、従来公知のものを使用できる。一例として、株式会社スギノマシンのアブレシブジェットカッタが挙げられる。
【0031】
図7は、ウォータージェット切断機300の斜視図である。なお、以下の説明において、ウォータージェット切断機300は、相互に直交する軸をX1軸、Y1軸およびZ1軸としたときに、X1軸とY1軸とで構成される平面に置かれるものとする。X1軸は、左右方向に延びている。Y1軸は、前後方向に延びている。X1軸とY1軸とで構成される平面は、ここでは水平面である。ただし、これらは説明の便宜上の方向に過ぎず、ウォータージェット切断機300の設置態様を何ら限定するものではない。
【0032】
ウォータージェット切断機300は、加工ヘッド330を被切断材に対して相対移動させながら、加工ヘッド330から流体と研磨剤との混合物(ウォータージェットWJ)を噴射して、被切断材を切断するように構成されている。被切断材の形状や材質は、特に限定されない。被切断材は、ここでは電池100である。図7に示すように、ウォータージェット切断機300は、水槽310と、載置台320と、加工ヘッド330と、高圧水供給部332と、研磨材供給部334と、キャリッジ340と、移動機構350と、図示しない制御部と、を備えている。
【0033】
載置台320は、被切断材(電池100)を支持する台である。載置台320は、水槽310の内部に設置されている。載置台320は、水槽310の内側面に固定されている。水槽310には、水が張られている。水槽310の水位は、典型的には載置台320の上面と略同等に設定されている。載置台320は、簀の子状である。載置台320は、加工ヘッド330の下方に設けられている。載置台320は、平面視において水槽310よりも小さい。水槽310の一部の水面には、載置台320が形成されずに水槽開口部312が確保されている。水槽開口部312は電池100の外形よりも大きい。水槽開口部312は、電池100が発火したときに電池100を水槽に浸漬させるための空間である。
【0034】
加工ヘッド330は、下端にノズル331を有し、ノズル331から電池100に向けてウォータージェットWJを噴射することで、載置台320に載置された電池100を切断するように構成されている。ノズル331の径Φは、典型的には0.01~0.5mm程度、例えば0.1mmである。加工ヘッド330は、キャリッジ340に保持されている。加工ヘッド330は、図示しない制御部に電気的に接続されている。加工ヘッド330からのウォータージェットWJの噴射は、制御部によって制御される。
【0035】
加工ヘッド330の上端部には、流体供給路333を介して高圧水供給部332が連結されている。流体供給路333の構成は特に限定されないが、例えば、樹脂製の変形容易なチューブである。高圧水供給部332は流体(ここでは水)を加圧して、高圧のエネルギーをもった水流を加工ヘッド330に供給するように構成されている。加工ヘッド330の下端部には、研磨材供給路335を介して研磨材供給部334が連結されている。研磨材供給路335の構成は特に限定されないが、例えば、樹脂製の変形容易なチューブである。研磨材供給部334は、高圧水に研磨材を供給するように構成されている。ウォータージェットWJの圧力は、外装体20の材質や厚み、ノズル331の径Φ等に応じて適宜変更できる。このため、特に限定されるものではないが、典型的には200~600MPa、好ましくは300MPa以上、例えば600MPa(約6,000気圧)である。
【0036】
キャリッジ340は、加工ヘッド330を搭載し、移動機構350によって少なくとも左右方向X1および前後方向Y1に移動可能なように構成されている。キャリッジ340は、図示しない制御部に電気的に接続されている。キャリッジ340の左右方向X1および前後方向Y1の移動は、制御部によって制御される。移動機構350は、キャリッジ340および加工ヘッド330を左右方向に移動させるX1方向移動機構と、キャリッジ340および加工ヘッド330を前後方向に移動させるY1方向移動機構とを有している。
【0037】
X1方向移動機構は、左右方向X1に延びた横行ガーター352と、横行ガーター352の内部に設けられ、キャリッジ340が摺動自在に係合されたガイドシャフト354とを有している。Y1方向移動機構は、水槽310の左右両端に沿って設置され、前後方向Y1に延びる一対の走行レール(図示は省略)と、横行ガーター352が設けられ、上記走行レールを走行する門型の走行台車356とを有している。移動機構350では、キャリッジ340をガイドシャフト354に沿って左右方向X1に移動させ、走行台車356を走行レールに沿って前後方向Y1に移動させることにより、載置台320の水平面内で加工ヘッド330を所望の方向に移動させることができる。そして、この移動の過程で加工ヘッド330が稼働され、載置台320に載置された電池100に向かってウォータージェットWJが噴射されることにより、電池100が切断される。
【0038】
本工程において、電解液を排出するための穴hは、正極端子30および負極端子40から離れた部分、例えば図4に示すように底壁22dに設けることが好ましい。また、本工程において、電池100は典型的には電圧を有する状態である。そのため、電極体10に接触しないように穴hをあけることがより好ましい。これにより、本工程で正極12と負極14とが短絡することを回避できる。本実施形態では、底壁22dに複数の穴hをあけている。詳しくは、長辺方向Xに沿って、所定の間隔をあけて複数の穴hをあけている。図4では、穴hの数は奇数であり、具体的には3つである。ただし、穴hの数は、1つであってもよく、2つであってもよく、4つ以上であってもよい。また、穴hをあける部分は、例えば電池ケース22の側面等であってもよい。そして、ステップS3に進む。
【0039】
電解液吸引工程(ステップS3)は、外装体20の内部に残っている電解液を排出する工程である。本実施形態では、図4に示すように、穴加工工程(ステップS2)で設けた穴のうち、一部の穴からは空気等を吹き込んで正圧PPとする一方、他の穴からは吸引を行って負圧NPとするとよい。これにより、本工程を短時間で効率よく行うことができる。また、電解液の残留を抑えることができる。吸引は、従来公知の吸引ポンプや電解液吸引装置等を用いて行うことができる。吸引した電解液は回収しておくことが好ましい。そして、ステップS4に進む。
【0040】
蓋分離工程(ステップS4)は、図5に示すように、電極体10と電極端子30、40との接続部分をウォータージェット切断機300で切断する工程である。ウォータージェット切断機300によれば、材質を問わず、かつ熱影響なく被切断材を切断できる。ウォータージェット切断機300を用いることにより、冷却効果が得られ、発火のリスクが抑えられる。また、安全性を向上でき、不活性ガス雰囲気中はもとより、大気雰囲気中であっても本工程を行うことができる。したがって、ここに開示される技術では、回収工程(ステップS0)から本工程までの間に、電池100を放電処理する工程を含まない。なお、ここでいう「放電処理」には、例えば特許文献1に記載されるように、電池100を充放電装置に接続して定電流あるいは低電圧で強制的に放電させる処理(回路接続)に加えて、塩水処理、冷凍処理、焼成処理等、電池100の電圧を降下させる従来公知の処理を含む。放電処理する工程を含まないことで、従来よりも簡便かつ短時間で回収した電池100の処理を行うことができる。また、電池100が電圧を有する状態や、過充電、過放電等によって放電が不可能な状態であっても、安全に処理ができる。本工程は「切断工程」の一例である。
【0041】
本実施形態では、電池100を横向きにしてウォータージェット切断機300の載置台320に載せ、電池ケース22と蓋体24との境界に沿ってウォータージェットWJを噴射する。これにより、例えば図2に仮想線(二点鎖線)Cで示すように、外装体20と、正極集電体12cの正極タブの部分と、負極集電体14cの負極タブの部分とを切断して、電極体10および電池ケース22から蓋体24を分離することができる。したがって、電極体10を損傷せずに、電極体10と電極端子30、40とを分離できる。これにより、例えば特許文献2に記載されるような電池を小片に細断する方法に比べて、回収物の純度を高められ、利用価値を向上できる。
【0042】
また万が一、本工程で電池100が発火したとしても、電池100を載置台320の上面から水槽開口部312へとスライド移動させて、電池100を水槽310に浸漬させれば、電池100を消火できる。このため、消火設備を別途用意しておく必要がなく、事前準備の負担を軽減できる。以上のように、蓋体24を分離すると共に、側面視において、電極体10よりも大きな開口部22oを電池ケース22に形成できる。そして、ステップS5に進む。
【0043】
端子分離工程(ステップS5)は、図5に示すように、蓋体24と電極端子30、40とを分離する工程である。本実施形態では、蓋体24の上面で電極端子30、40に正極外部導電部材32および負極外部導電部材42が接続されている。蓋体24、正極端子30、および正極外部導電部材32はアルミニウム製である。一方、負極端子40および負極外部導電部材42は銅製である。アルミニウムと銅が混ざると、廃棄物として扱われることが多い。そのため、リサイクルの観点からは、本工程において、少なくとも材質が異なる負極端子40および負極外部導電部材42を蓋体24から分離することが好ましい。負極端子40は、例えば負極外部導電部材42の外形よりも大きいサイズで蓋体24を打ち抜くことにより、蓋体24と分離できる。これにより、例えば特許文献2に記載されるような電池を小片に細断する方法に比べて、アルミニウムに銅等の他の成分が混入しにくくなり、回収物の純度を高められる。したがって、回収物の利用価値を向上できる。また、従来行われている磁選の工程を省略することも可能となる。なお、蓋体24と電極端子30、40とが同じ材質である場合等には、本工程を省略してもよい。そして、ステップS6に進む。
【0044】
電極体取出し工程(ステップS6)は、図5に示すように、電極体10を電池ケース22から取り出す工程である。電極体10は、電解液を含んで膨潤した状態でありうる。また、近年の高エネルギー密度化された電池100では、電極体10の外面と電池ケース22の内面との間隔(クリアランス)が従来よりも狭く、電極体10が電池ケース22から取り出しにくくなっている。そのため、本実施形態では、穴加工工程(ステップS2)で形成した穴hを利用して、電極体10を取り出す。具体的には、穴hから、典型的には絶縁性の、例えば樹脂製の押出棒(ロッド)を挿入して、電極体10を押圧することにより、電池ケース22の開口部22oから電極体10を押し出す。これにより、電極体10をスムーズに電池ケース22の外へ取り出すことができ、電極体10が破れたり傷ついたりしにくくなる。また、作業効率を向上できる。そして、ステップS7に進む。
【0045】
電極体巻きほぐし工程(ステップS7)は、図6に示すように、電池ケース22から取り出した電極体10の捲回を巻きほぐし、帯状の正極12と帯状の負極14と帯状のセパレータ16とに分離する工程である。これにより、金属等を選別する手間を軽減して、回収物の利用性を向上できる。そして、ステップS8に進む。なお、電極体10が積層電極体である場合は、当然に巻きほぐしを省略できる。
【0046】
合材分離工程(ステップS8)は、図6に示すように、正極12を正極集電体12cと正極合材(所謂、ブラックマス)12aとに分け、負極14を負極集電体14cと負極合材(所謂、ブラックマス)14aとに分ける工程である。集電体と合材との分離方法は特に限定されず、従来公知の方法で行うことができる。一例として、超音波による方法、噴流による方法、酸性溶液中に浸漬する方法、等が挙げられる。集電体と合材とを分離することで、従来行われている磁選の工程を省略することも可能となる。なお、以下では正極12について説明するが、負極14も同様に行うことができる。
【0047】
超音波による方法では、例えば正極12を非水溶媒等の液体に浸漬した状態で超音波槽に収容し、液体を振動させる。これにより、正極集電体12cから正極合材12aを剥離させることができる。また、噴流による方法では、加熱等によってバインダの接着性を低下させた正極12に水噴流や水蒸気噴流、空気噴流等のエネルギーを与え、正極合材12aを粉砕させることで、正極集電体12cと正極合材12aとを分離することができる。そして、分離した正極合材12aを遠心分離して乾燥させることにより、粉末状とすることができる。
【0048】
粉末状の正極合材12aは、有価金属、特にはリチウム(Li)や遷移金属(例えばNi、Co、Mn)等のレアメタルを含んでいる。正極合材12aからは、従来公知の方法でレアメタルを回収することができる。一例では、正極合材12aを酸に溶解した後、電気透析あるいはpH調整することによって、LiおよびCoが水酸化物として析出する。これを瀘過、水洗、乾燥、焼成すれば、酸化物としてレアメタルを分離回収できる。上記方法によれば、例えば特許文献2に記載されるような電池を小片に細断する方法に比べて、アルミニウムや銅等の外装体20の成分が混入しにくく、純度の高いレアメタルを分離回収できる。以上の通り、ここに開示される処理方法は、有価金属(特にはレアメタル)の回収方法としても把握されうる。
【0049】
以上、本発明のいくつかの実施形態について説明したが、上記実施形態は一例に過ぎない。本発明は、他にも種々の形態にて実施することができる。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。請求の範囲に記載の技術には、上記に例示した実施形態を様々に変形、変更したものが含まれる。例えば、上記した実施形態の一部を他の変形態様に置き換えることも可能であり、上記した実施形態に他の変形態様を追加することも可能である。また、その技術的特徴が必須なものとして説明されていなければ、適宜削除することも可能である。
【0050】
<変形例1>
上記した実施形態では、図3に示すように、穴加工工程(ステップS2)と、電解液吸引工程(ステップS3)とを含んでいた。しかし、ステップS2、S3は必須ではなく、省略することもできる。特に、電解質が固体状(固体電解質)で正極12および負極14と一体化されているような場合等には、ステップS2、S3は不要である。また、穴加工工程(ステップS2)を省略する場合は、電極体取出し工程(ステップS6)において電池ケース22の開口部22oから治具を挿入し、電極体10を取り出してもよい。
【0051】
<変形例2>
上記した実施形態では、図7に示すように、穴加工工程(ステップS2)および蓋分離工程(ステップS4)で使用するウォータージェット切断機300が、高圧水を噴射するものであった。しかしこれには限定されない。ウォータージェット切断機300は、水にかえて非水溶媒を利用するものであってもよい。例えば、電解液吸引工程(ステップS3)で回収された電解液から非水溶媒(例えばEMC)を分離し、当該分離された非水溶媒(例えばEMC等のカーボネート類)を噴射するものであってもよい。この場合、高圧水供給部332は、非水溶媒を加圧して加工ヘッド330に供給するように構成されていてもよい。これにより、電解液を有効にリユースできる。また、水槽310は、水にかえて非水溶媒で満たされていてもよい。これにより、水に電解液が混ざることを防止して、環境負荷を低減すると共に、処理に要する手間を削減できる。
【0052】
<変形例3>
上記した実施形態では、図2に示すように、電極端子30、40が、かしめ加工によって、蓋体24に固定されていた。そして、図5に示すように、端子分離工程(ステップS5)では、打ち抜き加工によって蓋体24と電極端子30、40とを分離していた。しかしこれには限定されない。例えば、特開2021-086813号公報、特開2021-086814号公報等に記載されるように、蓋体に電極端子と樹脂製の絶縁材(例えばPPS)とがインサート成形(一体成形)で組み付けられているような場合は、ステップS5において、加熱処理を行い、蓋体と電極端子とを分離してもよい。すなわち、蓋分離工程(ステップS4)で分離した蓋体を樹脂製の絶縁材の融点以上(例えばPPSでは、280℃以上)の温度まで加熱する。これによって、蓋体と電極端子との間に介在する絶縁材を加熱溶融させて密着性を低下させることにより、蓋体と電極端子とを分離できる。
【0053】
以上の通り、ここで開示される技術の具体的な態様として、以下の各項に記載のものが挙げられる。
項1:電極体と、開口を有し、上記電極体を収容する電池ケースと、上記電池ケースの上記開口を封口する蓋体と、上記電池ケースの内部で上記電極体と接続され、一部が上記電池ケースの外部に露出する電極端子と、を備えたリチウムイオン電池を回収する、回収工程と、回収された上記リチウムイオン電池の上記電極端子と上記電極体との接続部分を、ウォータージェット切断機で切断する、切断工程と、を含み、上記回収工程と上記切断工程との間に、上記リチウムイオン電池を放電処理する工程を含まない、リチウムイオン電池の処理方法。
項2:上記切断工程では、電圧を有する上記リチウムイオン電池を切断する、項1に記載の処理方法。
項3:上記電極端子が上記蓋体に取り付けられており、上記切断工程では、上記電極体および上記電池ケースから上記蓋体を分離する、項1または項2に記載の処理方法。
項4:上記蓋体の材質と上記電極端子の材質とが異なっており、上記切断工程の後、上記蓋体から上記電極端子を分離する、端子分離工程をさらに含む、項3に記載の処理方法。
項5:回収された上記リチウムイオン電池が電解液を含んでおり、上記切断工程より前に、上記ウォータージェット切断機で上記電池ケースに穴を開ける、穴加工工程と、上記穴から電解液を吸引する、電解液吸引工程と、をさらに含む、項1~項4のいずれか一つに記載の処理方法。
項6:上記電解液吸引工程および上記切断工程の後、上記穴から押出棒を挿入して、上記電池ケースの上記開口から上記電極体を押し出す、電極体取出し工程を含む、項5に記載の処理方法。
項7:上記リチウムイオン電池は、溶媒と支持塩とを含んでおり、上記ウォータージェット切断機は、上記リチウムイオン電池から回収された上記溶媒を噴射するように構成されている、項1~項6のいずれか一つに記載の処理方法。
【符号の説明】
【0054】
10 電極体
20 外装体
22 電池ケース
22h 開口
24 蓋体
30 正極端子(電極端子)
40 負極端子(電極端子)
100 リチウムイオン電池
200 組電池
300 ウォータージェット切断機
310 水槽
320 載置台
330 加工ヘッド
331 ノズル
332 高圧水供給部
334 研磨材供給部
340 キャリッジ
350 移動機構
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7