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  • 特開-壁面施工装置および壁面施工方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024115631
(43)【公開日】2024-08-27
(54)【発明の名称】壁面施工装置および壁面施工方法
(51)【国際特許分類】
   E02B 7/00 20060101AFI20240820BHJP
【FI】
E02B7/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023021359
(22)【出願日】2023-02-15
(71)【出願人】
【識別番号】000206211
【氏名又は名称】大成建設株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】393030899
【氏名又は名称】アジア海洋株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐野 雄季
(72)【発明者】
【氏名】鳥井 正志
(72)【発明者】
【氏名】海老海 逸郎
(72)【発明者】
【氏名】阿部 翔
(72)【発明者】
【氏名】白木 政浩
(57)【要約】
【課題】構造物の壁面に対して様々な作業を行う際の作業効率を高めることができる壁面施工装置を提供する。
【解決手段】壁面施工装置1であって、壁面D1に取り付けられるガイド材10と、ガイド材10に連結される作業架台20と、作業架台20に設けられた作業機30と、を備えている。作業架台20はガイド材10に沿って昇降可能である。ガイド材10は、壁面D1に設けられた横レールRに連結され、横レールRに沿って横方向に移動可能である。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造物の壁面に取り付けられるガイド材と、
前記ガイド材に連結される作業架台と、
前記作業架台に設けられた作業機と、を備え、
前記ガイド材は上下方向に延びており、前記作業架台は前記ガイド材に沿って昇降可能であり、
前記ガイド材は、前記壁面に設けられた横方向の横レールに連結され、前記横レールに沿って横方向に移動可能であることを特徴とする壁面施工装置。
【請求項2】
前記ガイド材は、上下方向に延びているガイドレールを備え、
前記作業架台には、複数のガイドローラーが設けられており、
前記各ガイドローラーによって前記ガイドレールを保持していることを特徴とする請求項1に記載の壁面施工装置。
【請求項3】
前記作業機は、気中および水中で作業可能であることを特徴とする請求項1に記載の壁面施工装置。
【請求項4】
前記作業機は、
前記壁面を清掃する清掃装置、前記壁面の凹凸を計測する計測機、または前記壁面に穿孔する掘削機であることを特徴とする請求項1に記載の壁面施工装置。
【請求項5】
前記作業機は、遠隔操作可能であることを特徴とする請求項1に記載の壁面施工装置。
【請求項6】
前記ガイド材の上部が前記横レールに連結され、
前記ガイド材の下部には、前記壁面に当接する支持部材が突出しており、
前記ガイド材は、前記壁面に対して間隔を空けて配置されていることを特徴とする請求項1に記載の壁面施工装置。
【請求項7】
請求項1に記載した壁面施工装置を用いた壁面施工方法であって、
前記作業架台を前記ガイド材に沿って昇降させ、所定の高さにおいて前記作業機によって前記壁面を施工する作業工程と、
前記壁面施工装置を前記横レールに沿って移動させる移動工程と、を備えていることを特徴とする壁面施工方法。
【請求項8】
前記作業工程は、
第一の前記作業機である清掃装置によって前記壁面を清掃する清掃工程と、
第二の前記作業機である計測機によって前記壁面の凹凸を計測する計測工程と、
第三の前記作業機である掘削機によって前記壁面に連結孔を穿孔する穿孔工程と、
前記壁面に配置した取付部材の取付孔および前記連結孔に定着部材を挿入して、前記壁面に前記取付部材を固定する固定工程と、を備えていることを特徴とする請求項7に記載の壁面施工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、壁面施工装置および壁面施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ダム堤体の壁面の不陸を計測等するための壁面施工装置としては、壁面に固定されたガイド材と、ガイド材に取り付けられた作業架台と、作業架台に設けられた作業機と、を備え、作業架台がガイド材に沿って昇降可能なものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-152524号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記した従来の壁面施工装置を用いてダム堤体の壁面の不陸を計測するときには、壁面に取り付けたガイド材に沿って作業架台を昇降させながら、作業機によって壁面の不陸を計測する。その後、ガイド材を壁面から取り外し、クレーンを用いてガイド材を横方向に移動させ、再度、壁面にガイド材を取り付けて、壁面の不陸の計測を繰り返す。
このように、前記した従来の壁面施工装置では、横方向に広い領域の不陸を計測するためには、壁面へのガイド材の着脱およびガイド材の移動を繰り返す必要があるため、作業効率が低下するという問題がある。
本発明は、前記した問題を解決し、構造物の壁面に対して様々な作業を行う際の作業効率を高めることができる壁面施工装置および壁面施工方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するため、第一の発明は、壁面施工装置であって、構造物の壁面に取り付けられるガイド材と、前記ガイド材に連結される作業架台と、前記作業架台に設けられた作業機と、を備えている。前記ガイド材は上下方向に延びており、前記作業架台は前記ガイド材に沿って昇降可能である。前記ガイド材は、前記壁面に設けられた横方向の横レールに連結され、前記横レールに沿って横方向に移動可能である。
本発明の壁面施工装置では、作業架台をガイド材に沿って昇降させ、所定の高さに移動させた作業機によって壁面に対して作業を行うことができる。また、ガイド材を横レールに沿って横方向に移動させた後に、作業機によって壁面に対して作業を行うこともできる。
このように、本発明の壁面施工装置では、壁面に対して作業を行う際に、作業機を縦横に移動できるため、作業効率を高めることができる。
また、本発明の壁面施工装置では、作業架台に設置する作業機の種類を変えることで、壁面に対して様々な作業を行うことができる。
【0006】
前記した壁面施工装置において、前記ガイド材は、上下方向に延びているガイドレールを備え、前記作業架台には、複数のガイドローラーを設け、前記各ガイドローラーによって前記ガイドレールを保持している場合には、作業架台をスムーズに昇降できる。
【0007】
前記した壁面施工装置において、前記作業機が気中および水中で作業可能である場合には、例えば、ダム堤体の壁面に対して作業を行う際に、貯水量に影響されることなく、気中と水中の両方で壁面に対して様々な作業を行うことができる。
【0008】
前記した壁面施工装置において、前記作業機が、前記壁面を清掃する清掃装置、前記壁面の凹凸を計測する計測機、または前記壁面に穿孔する掘削機である場合には、壁面に対して様々な作業を行う際の作業効率を高めることができる。
【0009】
前記した壁面施工装置において、前記作業機を遠隔操作可能にすることで、壁面に対して作業を行う際の安全性を高めることができる。
【0010】
前記した壁面施工装置において、前記ガイド材の上部を前記横レールに連結し、前記ガイド材の下部には、前記壁面に当接する支持部材を突出させ、前記ガイド材を前記壁面に対して間隔を空けて配置することが好ましい。
この構成では、作業機と壁面との間に間隔を確保できるため、例えば、壁面に取付部材を仮設置した状態で、作業機を用いて取付部材を壁面に固定できる。また、ガイド材と壁面との間隔を全体的に略同一にすることがき、その結果、作業機と壁面との間隔を上下方向において略同一にできるため、作業精度を高めることができる。
【0011】
前記課題を解決するため、第二の発明は、前記した壁面施工装置を用いた壁面施工方法であって、前記作業架台を前記ガイド材に沿って昇降させ、所定の高さにおいて前記作業機によって前記壁面を施工する作業工程と、前記壁面施工装置を前記横レールに沿って移動させる移動工程と、を備えている。
本発明の壁面施工方法では、作業機を縦横に容易に移動させて、壁面に対して様々な作業を効率良く行うことができる。
【0012】
前記した壁面施工方法において、前記作業工程は、第一の前記作業機である清掃装置によって前記壁面を清掃する清掃工程と、第二の前記作業機である計測機によって前記壁面の凹凸を計測する計測工程と、第三の前記作業機である掘削機によって前記壁面に連結孔を穿孔する穿孔工程と、前記壁面に配置した取付部材の取付孔および前記連結孔に定着部材を挿入して、前記壁面に前記取付部材を固定する固定工程と、を備えている。
この構成では、構造物の壁面に取付部材を取り付けるときの作業効率を高めることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の壁面施工装置および壁面施工方法では、様々な作業機を壁面の任意の位置に容易に移動できるため、壁面に対して作業を行う際の作業効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施形態に係る壁面施工装置を示した側面図である。
図2】本発明の実施形態に係る壁面施工装置を示した正面図である。
図3】本発明の実施形態に係る壁面施工装置を示した平面図である。
図4】本発明の実施形態に係る壁面施工装置の作業架台とガイド材との連結構造を示した側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
ダム堤体の壁面を水中で補修するときには、鋼製の囲いである仮締切設備を壁面に設置し、仮締切設備内の水を抜いた後に、仮締切設備内の空間で作業が行われている。
ダム堤体の壁面に仮締切設備を設置するときには、壁面に取付部材を固定し、その取付部材に仮締切設備の側縁部を取り付けている。本実施形態では、取付部材を壁面に取り付けるための壁面施工装置および壁面施工方法について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る壁面施工装置を示した側面図である。図2は、本発明の実施形態に係る壁面施工装置を示した正面図である。
取付部材5は、図1に示すように、ダム堤体Dの壁面D1に固定される金属製の部材であり、壁面D1に沿って上下方向に直線状に延びている。取付部材5の壁面D1側の側面には、樹脂製の止水材が貼り付けられている。
ダム堤体Dの壁面D1の上部には、図2に示すように、壁面D1に沿って横方向(図2の左右方向)に延びている横レールRが取り付けられている。本実施形態では、横レールRは水平方向に直線状に延びている。
【0016】
壁面施工装置1は、図2に示すように、ダム堤体Dの壁面D1に取り付けられるガイド材10と、ガイド材10に連結される作業架台20と、作業架台20に設けられた作業機30と、を備えている。
ガイド材10は、横レールRに連結される連結部11と、上下方向に延びている二本のガイドレール12,12と、二本のガイドレール12,12の間に介設された複数の繋ぎ材13と、を備えている。
図3は、本発明の実施形態に係る壁面施工装置を示した平面図である。
ガイドレール12は、上下方向に直線状に延びている鋼材であり、図3に示すように、本実施形態ではH型鋼を用いている。ガイドレール12は、H型鋼のウェブが壁面D1に対して垂直となり、両フランジが壁面D1に対して平行となるように配置されている。
二本のガイドレール12,12は、横方向(図3の横方向)に間隔を空けて配置されている。二本のガイドレール12,12の間には、横方向に延びている鋼製の繋ぎ材13が介設されている。図2に示すように、複数の繋ぎ材13が上下方向に間隔を空けて配置されている。
【0017】
連結部11は、横レールRに対して横方向に移動自在に連結される部位である。連結部11には、横レールRを上下方向から挟み込んでいる複数のローラー11aが設けられている。そして、連結部11に設けられた駆動装置(図示せず)によってローラー11aを駆動させることで、連結部11が横レールRに沿って横方向に移動する。なお、連結部11は、遠隔操作により移動可能である。
なお、連結部11の構成としては、横レールRの上側のみにローラー11aを設けてもよい。また、ローラー11aの数も限定されるものではない。
連結部11の下部には、二本のガイドレール12,12の上端部が連結されている。これにより、ガイド材10が連結部11とともに、横レールRに沿って横方向に移動可能となっている。
【0018】
本実施形態のガイド材10の上部は、図1に示すように、連結部11に連結されることで、壁面D1から間隔を空けて配置されている。ガイド材10は、溶接またはボルト・ナットにより連結部11に固定されている。
ガイドレール12の下端部には、壁面D1側に突出した支持部材14が設けられている。支持部材14の先端部が壁面D1に当接することで、ガイドレール12の下部は、壁面D1から間隔を空けて配置されている。なお、支持部材14として、車輪やローラーをガイドレール12の下端部に設けてもよい。
本実施形態では、ガイドレール12の全長に亘って壁面D1との間隔が略同一となるように構成されている。
【0019】
作業架台20は、図2に示すように、架台本体21と、架台本体21に設けられた移動テーブル22および二つのガイド部23,23と、ガイド部23に設けられた上下のガイドローラー24,24と、を備えている。
架台本体21は、平板状の部材であり、上面に移動テーブル22が設けられている。移動テーブル22は、架台本体21の上面で横方向(図2の左右方向)に移動可能である。なお、移動テーブル22は、遠隔操作により移動可能である。
架台本体21には、二つのガイド部23,23が設けられている。両ガイド部23,23は、横方向に間隔を空けて配置されている。図2に示すように、ガイド部23は、架台本体21の壁面D1側の端部から上下に突出している。
図4は、本発明の実施形態に係る壁面施工装置の作業架台とガイド材との連結構造を示した側面図である。
ガイド部23には、図4に示すように、上下のガイドローラー24,24が設けられている。上側のガイドローラー24は、ガイド部23の上端部に設けられ、下側のガイドローラー24は、ガイド部23の下端部に設けられている。
上側のガイドローラー24は、ガイドレール12の外側のフランジの内面を上下方向に転動し、下側のガイドローラー24は、ガイドレール12の外側のフランジの外面を上下方向に転動するように構成されている。このように、上下のガイドローラー24,24によってガイドレール12のフランジを内外から挟み込むことで、両ガイドローラー24,24によってガイドレール12を保持している。
そして、両ガイドローラー24,24がガイドレール12のフランジの両面を上下方向に転動することで、作業架台20がガイドレール12に沿って上下方向に移動可能となっている。
【0020】
図2に示すように、ガイド材10の上端部にはウインチ25が設置されている。ウインチ25から延びているワイヤ26の下端部は、架台本体21に連結されている。このように、作業架台20は、ウインチ25によって吊り下げられている。
ウインチ25からワイヤ26を繰り出すと、作業架台20が両ガイドレール12,12に沿って下降し、ウインチ25にワイヤ26を巻き取ると、作業架台20が両ガイドレール12,12に沿って上昇する。
なお、ウインチ25は、遠隔装置により駆動可能である。つまり、作業架台20は、遠隔操作により昇降可能である。
【0021】
作業機30は、移動テーブル22の上面に設置されている。図3に示すように、移動テーブル22を横方向に移動させることで、架台本体21の上面で作業機30が横方向に移動する。
本実施形態の壁面施工装置1では、様々な作業に応じて複数の作業機30が用意されており、作業ごとに作業機30を交換するように構成されている。
そして、本実施形態の壁面施工装置1では、作業機30として、壁面D1に高圧水を吹き付けて清掃する清掃装置、壁面D1の凹凸を三次元計測する計測機、壁面D1に穿孔する掘削機が用意されている。
本実施形態の作業機30は、気中および水中で作業可能である。したがって、ダムに貯水された水の中でも、作業機30によって壁面D1に対して作業を行うことができる。
なお、作業機30は遠隔操作により駆動可能である。
【0022】
次に、本実施形態の壁面施工装置1を用いた壁面施工方法について説明する。
(清掃工程)
図2に示す作業架台20をガイド材10の上部に配置し、移動テーブル22に清掃装置である作業機30を設置する。その後、遠隔操作により作業架台20をガイド材10の両ガイドレール12,12に沿って下降させながら、気中および水中において、作業機30によって壁面D1を清掃する。
【0023】
(計測工程)
作業架台20を両ガイドレール12,12の下端部まで下降させた後に、作業架台20を両ガイドレール12,12に沿って上昇させる。作業架台20をガイド材10の上部に配置して、清掃装置である作業機30を移動テーブル22から取り外し、計測装置である作業機30を移動テーブル22に設置する。その後、作業架台20を両ガイドレール12,12に沿って下降させながら、気中および水中において、作業機30によって壁面D1の凹凸を計測し、壁面D1の不陸を把握する。
【0024】
(穿孔工程)
作業架台20を両ガイドレール12,12の下端部まで下降させた後に、作業架台20を両ガイドレール12,12に沿って上昇させる。作業架台20をガイド材10の上部に配置して、計測装置である作業機30を移動テーブル22から取り外し、掘削装置である作業機30を移動テーブル22に設置する。また、図1に示すように、壁面D1に取付部材5を仮設置した後に、作業架台20を両ガイドレール12,12に沿って下降させながら、気中および水中において、作業機30によって壁面D1に複数の連結孔を掘削する。このとき、壁面D1に仮設置された取付部材5の取付孔を目印として、作業機30によって壁面D1に複数の連結孔を掘削する。
なお、壁面D1に連結孔を形成した後に、壁面D1上に取付部材5を配置して、取付部材5の取付孔と壁面D1の連結孔とを連通させてもよい。
【0025】
(固定工程)
壁面D1に連結孔を形成した後に、取付孔および連結孔にアンカーボルト等の定着部材を挿入して、取付部材5を壁面D1に固定する。
【0026】
(移動工程)
取付部材5を壁面D1に固定した後に、図2に示すガイド材10を横レールRに沿って横方向に移動させる。これにより、壁面施工装置1全体が横方向に移動する。そして、壁面施工装置1を横方向に移設した後に、前記した清掃工程、計測工程、穿孔工程および固定工程を行うことで、他の取付部材5を壁面D1に取り付けることができる。
このように、作業機30による壁面D1に対する作業と、壁面施工装置1の横方向への移設とを繰り返すことで、壁面D1に複数の取付部材5を設置できる。
【0027】
以上のような壁面施工装置1および壁面施工方法では、図2に示すように、ダム堤体Dの壁面D1に対して作業を行う際に、作業機30を縦横に移動させて、作業機30を壁面D1の任意の位置に容易に移動できるため、作業効率を高めることができる。
また、本実施形態の壁面施工装置1および壁面施工方法では、作業架台20に設置する作業機30の種類を変えることで、壁面D1に対して様々な作業を効率良く行うことができる。
また、本実施形態では、作業機30が気中および水中で作業可能であるため、ダムの貯水量に影響されることなく、気中と水中の両方で壁面D1に対して様々な作業を行うことができる。
また、本実施形態では、ガイド材10の横移動、作業架台20の昇降、移動テーブル22の横移動、作業機30の駆動を遠隔操作できるため、壁面D1に対して作業を行う際の安全性を高めることができる。
本実施形態では、図1に示すように、ガイド材10の下部に支持部材14を突出させ、ガイド材10を壁面D1から離すことで、作業機30と壁面D1との間に間隔を確保できるため、壁面D1に取付部材5を仮設置した状態で、作業機30を用いて取付部材5を壁面D1に固定できる。
また、本実施形態では、ガイド材10と壁面D1との間隔が全体的に略同一であり、作業機30と壁面D1との間隔が上下方向において略同一となるため、作業精度を高めることができる。
また、本実施形態の壁面施工装置1では、図4に示すように、作業架台20の複数のガイドローラー24,24によってガイドレール12を保持しているため、作業架台20をスムーズに昇降できる。
【0028】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜に変更が可能である。
本実施形態では、図1に示すように、ダム堤体Dの壁面D1に取付部材5を取り付けるための壁面施工装置1および壁面施工方法について説明しているが、本発明の壁面施工装置および壁面施工方法は、各種の構造物の壁面に対する作業に適用可能である。
本実施形態では、作業機30として、壁面D1を清掃する清掃装置、壁面D1の凹凸を計測する計測機、壁面D1に穿孔する掘削機が用意されているが、壁面施工装置1には様々な作業を行う作業機を設置可能である。
本実施形態では、図4に示すように、H型鋼を用いたガイドレール12に、上下のガイドローラー24,24を組み付けているが、作業架台20をガイドレール12に沿って昇降させる構成は限定されるものではない。
【符号の説明】
【0029】
1 壁面施工装置
5 取付部材
10 ガイド材
11 連結部
11a ローラー
12 ガイドレール
13 繋ぎ材
14 支持部材
20 作業架台
21 架台本体
22 移動テーブル
23 ガイド部
24 ガイドローラー
25 ウインチ
26 ワイヤ
30 作業機
D ダム堤体
D1 壁面
R 横レール
図1
図2
図3
図4