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特開2024-115645ゲームシステム、それに用いるコンピュータプログラム、及び制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024115645
(43)【公開日】2024-08-27
(54)【発明の名称】ゲームシステム、それに用いるコンピュータプログラム、及び制御方法
(51)【国際特許分類】
   A63F 9/00 20060101AFI20240820BHJP
   A63F 13/30 20140101ALI20240820BHJP
   A63F 13/69 20140101ALI20240820BHJP
   A63F 13/70 20140101ALI20240820BHJP
   A63F 13/79 20140101ALI20240820BHJP
   A63F 9/30 20060101ALI20240820BHJP
【FI】
A63F9/00 513
A63F13/30
A63F13/69
A63F13/70
A63F13/79
A63F9/30 502C
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023021386
(22)【出願日】2023-02-15
(71)【出願人】
【識別番号】000169477
【氏名又は名称】株式会社コナミアミューズメント
(74)【代理人】
【識別番号】100099645
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 晃司
(74)【代理人】
【識別番号】100161090
【弁理士】
【氏名又は名称】小田原 敬一
(72)【発明者】
【氏名】芝宮 正和
(72)【発明者】
【氏名】千葉 大輔
(57)【要約】
【課題】ゲームのプレイを促進することができるゲームシステムを提供する。
【解決手段】サーバSVは、店舗6に設置されたゲーム機3、及びユーザ端末4にネットワークを介して接続され、ゲーム機3が提供するアーケードゲーム、及びユーザ端末4が提供するオンラインゲームに用途が限定されたチケットCKがゲーム機3において使用された場合に、チケットCKの使用可否を管理するためのプレイデータPDに基づいてアーケードゲームへのチケットCKの使用を許可する第1許可サービスを提供するとともに、そのチケットCKがユーザ端末4において使用された場合に、プレイデータPDに基づいてオンラインゲームへのチケットCKの使用を許可する第2許可サービスを提供する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の施設において第1ゲームを提供するための第1システム、及び第2ゲームを提供するためのシステムとして前記第1システムとは別に用意される第2システムの両システムにネットワークを介して接続され、当該両システムを介して当該両システムの各ユーザに所定のサービスを提供するゲームシステムであって、
前記第1ゲーム、及び前記第2ゲームに用途が限定された特別な権利が前記第1システムにおいて使用された場合に、前記特別な権利の使用可否を管理するための権利情報に基づいて前記第1ゲームへの前記特別な権利の使用を許可する第1許可サービスを提供する第1許可手段と、
前記特別な権利が前記第2システムにおいて使用された場合に、前記権利情報に基づいて前記第2ゲームへの前記特別な権利の使用を許可する第2許可サービスを提供する第2許可手段と、
を備える、ゲームシステム。
【請求項2】
所定の付与条件を満たしたユーザとしての付与ユーザに前記特別な権利を付与する権利付与サービスを提供する権利付与手段を備える、請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項3】
前記付与条件は、前記第1ゲーム、前記第2ゲーム、及びネットワークを介して接続される補助サービス端末が前記第1ゲームを補助するように提供する補助サービスの少なくともいずれか一つとしての対象サービスにおいて満たされる、請求項2に記載のゲームシステム。
【請求項4】
前記権利付与サービスは、前記付与ユーザを識別するユーザ識別情報と前記特別な権利とを関連付ける権利データの生成を含んでいる、請求項3に記載のゲームシステム。
【請求項5】
前記権利データは、前記第1許可サービス、及び前記第2許可サービスにおいて前記権利情報として利用され、
前記第1許可手段、及び前記第2許可手段の少なくともいずれか一方は、前記特別な権利を使用可能な場合に当該特別な権利の使用が前記第1システム、若しくは前記第2システムにおいて許可されるように前記第1システム、若しくは前記第2システムに前記権利データを送信することにより、前記第1許可サービス、若しくは前記第2許可サービスを提供する、請求項4に記載のゲームシステム。
【請求項6】
前記対象サービスにおける前記特別な権利に関する設定を実行する設定機会を、ネットワークを介して接続される所定の設定装置に付与する設定サービスを提供する設定提供手段を備え、
前記対象サービスは、前記設定機会における設定結果に従って提供される、請求項5に記載のゲームシステム。
【請求項7】
前記設定機会は、前記第1システム及び前記第2システムの少なくともいずれか一方が複数のシステムを含む場合の前記付与条件の対象となるシステムを特定するための付与対象情報の設定、前記特別な権利の対象となるシステムを特定するための権利対象情報の設定、並びに前記付与条件の設定の少なくともいずれか一つに関する設定を含んでいる、請求項6に記載のゲームシステム。
【請求項8】
前記権利付与手段は、前記権利付与サービスを介して前記特別な権利が付与された場合に当該特別な権利の付与が前記第1システム、及び前記第2システムの少なくともいずれか一方を介して通知されるように、当該一方に前記特別な権利の付与結果を提供する、請求項7に記載のゲームシステム。
【請求項9】
前記所定の施設は、複数の施設を含み、
前記権利情報は、前記特別な権利と前記複数の施設のうち一部の施設を特定するための施設情報とを関連付ける施設データを含み、
前記第1許可サービスは、前記施設データに基づいて前記特別な権利の使用許可が前記一部の施設に制限されるように提供される、請求項1~8のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【請求項10】
前記一部の施設は、前記特別な権利が前記所定の施設において付与される場合の当該特別な権利が付与された施設を含んでいる、請求項9に記載のゲームシステム。
【請求項11】
前記第1許可手段は、前記一部の施設への制限が前記第1システムにおいて実行されるように、前記第1許可サービスの少なくとも一部として前記施設データを前記第1システムに送信する、請求項10に記載のゲームシステム。
【請求項12】
前記第1ゲーム、及び前記第2ゲームの少なくともいずれか一方は、種類の異なる複数のゲームを含み、
前記権利情報は、前記特別な権利と前記複数のゲームのうち一部のゲームを特定するためのゲーム種類情報とを関連付けるゲーム種類データを含み、
前記第1許可サービス、及び前記第2許可サービスの少なくともいずれか一方は、前記ゲーム種類データに基づいて前記特別な権利の使用許可が前記一部のゲームに制限されるように提供される、請求項1~8のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【請求項13】
前記第1許可手段、及び前記第2許可手段の少なくともいずれか一方は、前記一部のゲームへの制限が前記第1システム、若しくは前記第2システムにおいて実行されるように、前記第1許可サービスの少なくとも一部、若しくは前記第2許可サービスの少なくとも一部として前記ゲーム種類データを前記第1システム、若しくは前記第2システムに送信する、請求項12に記載のゲームシステム。
【請求項14】
前記第1システムは、前記所定の施設に設置され、前記第1ゲームを提供するゲーム機を含み、
前記第2システムは、各ユーザのユーザ端末を含んでいる、請求項1~8のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【請求項15】
前記ゲーム機は、物理的な遊技体を収容する収容部において当該遊技体の位置を変化させる動作手段を、入力装置を介して入力されるプレイ行為に応じて動作させるタイプのプライズゲーム機として構成され、前記動作手段の動作を介して前記遊技体が所定位置まで移動した場合にユーザに景品を付与するプライズゲームを前記第1ゲームとして提供し、
前記ユーザ端末は、前記ゲーム機とは別のプライズゲーム機にネットワークを介して接続され、プレイ行為を入力する入力装置を含み、当該プレイ行為に応じて前記別のプライズゲーム機に設けられる動作手段を動作させるとともに、当該動作手段を介して遊技体が所定位置まで移動した場合にユーザに景品を付与するオンラインプライズゲームを前記第2ゲームとして提供する、請求項14に記載のゲームシステム。
【請求項16】
前記第1システム、及び前記第2システムにネットワークを介して接続されるコンピュータを、請求項1~8のいずれか一項に記載のゲームシステムの各手段として機能させるように構成されたコンピュータプログラム。
【請求項17】
所定の施設において第1ゲームを提供するための第1システム、及び第2ゲームを提供するためのシステムとして前記第1システムとは別に用意される第2システムの両システムにネットワークを介して接続され、当該両システムを介して当該両システムの各ユーザに所定のサービスを提供するゲームシステムに組み込まれるコンピュータに、
前記第1ゲーム、及び前記第2ゲームに用途が限定された特別な権利が前記第1システムにおいて使用された場合に、前記特別な権利の使用可否を管理するための権利情報に基づいて前記第1ゲームへの前記特別な権利の使用を許可する第1許可サービスを提供する第1許可手順と、
前記特別な権利が前記第2システムにおいて使用された場合に、前記権利情報に基づいて前記第2ゲームへの前記特別な権利の使用を許可する第2許可サービスを提供する第2許可手順と、
を実行させる、制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の施設において第1ゲームを提供するための第1システム、及び第2ゲームを提供するためのシステムとして第1システムとは別に用意される第2システムの両システムにネットワークを介して接続され、その両システムを介して両システムの各ユーザに所定のサービスを提供するゲームシステム等に関する。
【背景技術】
【0002】
所定の施設において第1ゲームを提供するための第1システム、及び第2ゲームを提供するためのシステムとして第1システムとは別に用意される第2システムの両システムにネットワークを介して接続され、その両システムを介して両システムの各ユーザに所定のサービスを提供するゲームシステムが存在する。例えば、第1システム、及び第2システムとして、店舗に設置されるゲーム装置、及びユーザ端末をそれぞれ使用するゲーム予約装置が知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2023-15267号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のゲーム予約装置では、店舗に設置されたゲーム装置の予約状況を受信してユーザ端末に送信するサービスが提供されている。これにより、ゲーム装置のユーザの利便性が向上される可能性がある。一方、店舗のゲーム装置の分野では近年環境の変化が見られる。例えば、店舗のゲーム装置、及びユーザ端末といった複数種類の装置(プラットフォーム)に同じゲームや互いに関連するゲームが提供される場合がある。関連するゲームには、例えば、キャラクタ、ゲームルール、ゲームタイトル、及びゲームに用いられる物品等といったゲームに関連する要素の少なくとも一部が共通するゲームが含まれる。例えば、ビデオゲームと、そこに登場するキャラクタに関する景品が用いられるプライズゲームとは互いに関連するゲームと言える。さらに、複数のプラットフォームに接続される装置(システム)を介して、ゲーム装置のユーザとユーザ端末のユーザとの間の対戦プレイやチームプレイが実現される場合もある。環境の変化があると新しいニーズが生じる可能性がある。
【0005】
例えば、従来から店舗等の施設では、そこに設置されたゲーム装置でゲームをプレイしたユーザに同じ店舗の他のゲーム装置で使用可能なチケット(他のゲーム装置でのプレイに特典が付与される権利)を配布するキャンペーン(サービス)が提供される場合があった。店舗のユーザ層がユーザ端末等の他のプラットフォームのユーザ層と独立している場合、従来と同様のキャンペーンでも十分であるかもしれない。しかし、環境の変化を考慮すると十分ではない可能性がある。例えば、店舗のゲーム装置、及びユーザ端末に関連するゲーム(同じゲームを含む)が提供される場合、それらのユーザは必ずしも独立しているとは限らないし、仮に独立していたとしても交流し合う余地がある。また、ゲーム装置のユーザとユーザ端末のユーザとの間で対戦等が実行される場合、それらのユーザは共通している可能性が高い。このため、環境の変化に合わせて各プラットフォームのユーザに提供するサービスを改善する余地がある。
【0006】
そこで、本発明は、ゲームのプレイを促進することができるゲームシステム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のゲームシステムは、所定の施設において第1ゲームを提供するための第1システム、及び第2ゲームを提供するためのシステムとして前記第1システムとは別に用意される第2システムの両システムにネットワークを介して接続され、当該両システムを介して当該両システムの各ユーザに所定のサービスを提供するゲームシステムであって、前記第1ゲーム、及び前記第2ゲームに用途が限定された特別な権利が前記第1システムにおいて使用された場合に、前記特別な権利の使用可否を管理するための権利情報に基づいて前記第1ゲームへの前記特別な権利の使用を許可する第1許可サービスを提供する第1許可手段と、前記特別な権利が前記第2システムにおいて使用された場合に、前記権利情報に基づいて前記第2ゲームへの前記特別な権利の使用を許可する第2許可サービスを提供する第2許可手段と、を備える、ものである。
【0008】
本発明のコンピュータプログラムは、前記第1システム、及び前記第2システムにネットワークを介して接続されるコンピュータを、上述のゲームシステムの各手段として機能させるように構成された、ものである。
【0009】
本発明の制御方法は、所定の施設において第1ゲームを提供するための第1システム、及び第2ゲームを提供するためのシステムとして前記第1システムとは別に用意される第2システムの両システムにネットワークを介して接続され、当該両システムを介して当該両システムの各ユーザに所定のサービスを提供するゲームシステムに組み込まれるコンピュータに、前記第1ゲーム、及び前記第2ゲームに用途が限定された特別な権利が前記第1システムにおいて使用された場合に、前記特別な権利の使用可否を管理するための権利情報に基づいて前記第1ゲームへの前記特別な権利の使用を許可する第1許可サービスを提供する第1許可手順と、前記特別な権利が前記第2システムにおいて使用された場合に、前記権利情報に基づいて前記第2ゲームへの前記特別な権利の使用を許可する第2許可サービスを提供する第2許可手順と、を実行させる、ものである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一形態に係るゲームシステムの全体構成の一例を示す図。
図2】ゲームシステムに構築されるシステムの概要を示す図。
図3】チケット配布サービスの概要を説明するための説明図。
図4】チケット配布サービスの手順の一例を説明するための説明図。
図5】サーバの制御系の構成の一例を示す機能ブロック図。
図6】ユーザ端末、ゲーム機、及び設定装置の制御系の構成の一例を示す機能ブロック図。
図7】設定データの構成の一例を示す図。
図8】プレイデータの構成の一例を示す図。
図9】チケット設定処理の手順の一例を示すフローチャート。
図10】チケット付与処理の手順の一例を示すフローチャート。
図11】第1許可処理の手順の一例を示すフローチャート。
図12】第2許可処理の手順の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(全体構成)
以下、本発明のゲームシステムの一形態を説明する。まず、図1を参照して、本発明の一形態に係るゲームシステムの全体構成を説明する。図1に示すように、ゲームシステム1は、サーバSVを含んでいる。サーバSVには、ゲーム機3、ユーザ端末4、及び設定装置5がネットワークNTを介して接続される。
【0012】
サーバSVは、一例として、複数のサーバユニット2A、2B…(以下、参照符号2で代表することがある。)が組み合わされた論理的なサーバシステムとして構成される。サーバユニット2はネットワークNT上の特定位置に集合的に設置されてもよいし、クラウドコンピューティングを利用してネットワークNT上で分散して設置されることにより、いわゆるクラウド型のサーバシステムを構成するように設けられてもよい。
【0013】
ネットワークNTは、サーバSVに対してゲーム機3、ユーザ端末4、及び設定装置5を通信可能に接続させることができる限り、適宜に構成されてよい。一例として、ネットワークNTは、WANとしてのインターネットと、サーバSV、ゲーム機3、ユーザ端末4、及び設定装置5をそれぞれインターネットに接続するLAN、或いはアクセスポイントAPといった各種の接続設備又は機器等とを含んでよい。
【0014】
ゲーム機3は、ゲームを提供するゲーム装置である。ゲーム機3はゲームを提供する各種のゲーム装置(コンピュータ装置)を含んでいてよいが、図1の例ではビデオゲーム機3A、第1プライズゲーム機3B、及び第2プライズゲーム機3Cを含んでいる。ゲーム機3として携帯型ゲーム機、或いは据え置き型ゲーム機といった各種の家庭用ゲーム機を含む各種のユーザ端末4が機能してもよいが、図1の例ではビデオゲーム機3A、第1プライズゲーム機3B、及び第2プライズゲーム機3Cはいずれもアーケードゲーム機として構成されている。アーケードゲーム機はアミューズメント施設等の適宜の施設に設置され、複数のユーザにゲームをプレイさせる商業用(業務用)のゲーム装置である。施設への入場に対価が設定されている等、収益方法が別途用意される場合には、アーケードゲーム機は各ユーザに無償でゲームを提供してもよいが、一般的に所定の対価の徴収(消費)と引き換えにゲームを提供する。
【0015】
ビデオゲーム機3Aは、ビデオゲームを提供するタイプのゲーム装置である。ビデオゲームには、アクションゲーム、シミュレーションゲーム、或いはロールプレイングゲームといった各種のゲームが適宜に含まれていてよい。第1プライズゲーム機3B、及び第2プライズゲーム機3Cはいずれもプライズゲーム(景品獲得ゲーム)を提供するタイプのゲーム装置である。プライズゲームは、物理的な遊技体を収容する収容部においてその遊技体の位置を変化させる動作手段を、入力装置を介して入力されるプレイ行為に応じて動作させるとともに、動作手段の動作を通じてその遊技体が所定位置まで移動した場合にユーザに景品を付与するタイプのゲームである。動作手段には例えば開口の上部等の適宜の位置において遊技体を支持する(遊技体が落下しないように支える)状態とそれを解除する状態との間で動作する支持体等の各種の手段が含まれ、プライズゲームはその動作手段の種類等に応じて適宜に分類される。第1プライズゲーム機3B、及び第2プライズゲーム機3Cには適宜の動作手段が設けられてよいが、図1の例では動作手段としてクレーン装置CL、及び複数のベルトコンベアBCがそれぞれ設けられている。
【0016】
具体的には、第1プライズゲーム機3Bは、クレーン装置を利用して遊技体PSを捕獲し、所定位置としての開口まで搬送するクレーンゲームを提供するクレーンゲーム機として構成される。一方、第2プライズゲーム機3Cは、動作対象のベルトコンベアBCを抽選等によって指定することにより複数のベルトコンベアBCに跨がるように配置される遊技体PSを開口まで搬送するタイプのゲーム機として構成される。遊技体PSは景品自体である場合が多いが、景品に関連付けられる代替物であってもよく、図1の例では遊技体PSとして第1プライズゲーム機3Bにおいて代替物が、第2プライズゲーム機3Cにおいて景品自体が、それぞれ使用されている。
【0017】
ゲーム機3が設置される施設は各種の施設を適宜に含み得るが、図1の例では店舗6、及びセンター施設CFが示されている。店舗6は、各ゲーム機3を主として来店させてプレイするために各ユーザに公開される施設である。一方、センター施設CFは、遠隔地の各ユーザにプレイさせるためのゲーム機3が設置される施設である。センター施設CFは公開されてもよく、例えば店舗6がセンター施設CFとして機能してもよい(この場合、例えば店舗6のゲーム機3が日中と夜間といった具合に時差的に来店者と遠隔地のユーザとの間で共用される)が、一例として店舗6とは別に用意され、非公開とされる。このため、センター施設CFでは、各ゲーム機3は遠隔地からのプレイ(遠隔プレイ)専用に設置される。店舗6、及びセンター施設CFには各種のゲーム機3が適宜の数だけ設置されてよいが、図1の例では店舗6にビデオゲーム機3A、及び第1プライズゲーム機3Bが一台ずつ、センター施設CFに第1プライズゲーム機3B、及び第2プライズゲーム機3Cが一台ずつ、それぞれ設置されている。また、店舗6、及びセンター施設CFの数も適宜であってよいが、図1の例ではそれぞれ一つずつ示されている。
【0018】
設定装置5は、チケット配布サービスに関する設定を行うためのコンピュータ装置である。チケット配布サービスは、店舗6のゲーム機3、及びセンター施設CFのゲーム機3の両方で使用可能なチケットを各ユーザに配布するためのサービスである。チケットは、所定の特典を得るための特別な権利である。店舗6のゲーム機3、及びセンター施設CFのゲーム機3に用途は限定されるものの、それらのいずれかにおいて使用される(権利が行使される)と所定の特典が付与される。チケット配布サービスの詳細は後述する。
【0019】
設定装置5は適宜の場所に設置されてよく、例えば複数の系列店(資本関係を持つ複数の店舗6)で共用される一台の設定装置5がそれらの系列店を統合する施設(例えば本店)に設置される場合等、店舗6とは別の場所に設置されてもよいが、図1の例では店舗6に設置されている。設定装置5として、専用のコンピュータ装置、携帯情報端末(例えばスマートフォン、或いはタブレット端末等)、或いはゲーム機3といった各種の装置が適宜に利用されてよいが、図1の例ではパーソナルコンピュータが利用されている。パーソナルコンピュータは所定のソフトウェア(アプリケーション)の実行に伴い各種の機能を提供可能であるが、そのような機能にはチケット設定機能が含まれる。チケット設定機能は適宜に実現されてよく、専用のソフトウェア等を通じて実現されてもよいが、一例としてウェブサイトを通じて実現される。このため、設定装置5にはチケット設定機能を実現するためのソフトウェアとして各種Webサイトを閲覧するための周知のWebブラウザ用のソフトウェア(以下、ブラウザソフトと呼ぶ場合がある)がインストールされる。
【0020】
ユーザ端末4は、ネットワーク接続が可能でかつユーザの個人用途に供されるコンピュータ装置である。ユーザ端末4として、例えば携帯型ゲーム機、携帯型タブレット端末装置を含む各種のコンピュータ装置が適宜に利用され得るが、図1の例では据置型又はブック型のパーソナルコンピュータ4A、及び携帯電話(スマートフォンを含む)4Bが示されている。ユーザ端末4は、各種のコンピュータソフトウェアを実装することにより、種々のサービスをユーザに享受させることが可能である。ユーザ端末4は適宜のサービスを提供し得るが、例えばオンラインゲームサービス、及び会員登録サービスを提供する。
【0021】
オンラインゲームサービスは、ネットワークNTを介してサーバSVと協働でオンラインゲームを提供するサービスである。オンラインゲームは各種のゲームを適宜に含み得るが、一例としてセンター施設CFの第1プライズゲーム機3B、及び第2プライズゲーム機3Cを遠隔的にプレイするオンラインプライズゲームが含まれる。オンラインプライズゲームは適宜のソフトウェアを通じて提供されてよく、例えばブラウザソフトを介して閲覧されるウェブサイトにて提供されてもよいが、一例として専用のゲームアプリケーション(以下、ゲームアプリと呼ぶ場合がある)を通じて提供される。このため、ユーザ端末4にはゲームアプリがインストールされる。
【0022】
会員登録サービスは、店舗6の会員として登録するためのサービスである。会員登録サービスは適宜に実現されてよく、例えば店舗6に用意された装置(例えば店舗6の運営者によって会員登録のために使用される場合の設定装置5等)を通じて実現されてもよいが、一例としてユーザ端末4を介して実現される。また、会員登録は適宜に実行され得るが、一例として店舗6(複数の系列店が存在する場合はその本店であってもよい)によって用意された会員登録用のウェブサイト(以下、会員登録サイトと呼ぶ場合がある)を通じて実行される。このため、ユーザ端末4には、会員登録サイトを閲覧するためのブラウザソフトもインストールされる。
【0023】
なお、会員登録では、店舗6が所望する各種情報が適宜に要求されてよい。例えば、会員登録では、会員属性(氏名、年齢、性別等)の情報、メールアドレス等の連絡用の情報、パスワード等の各会員(ユーザ)を認証するための情報等が要求されてよい。そして、会員登録サイトでは、これらの登録された情報と各会員を識別するために会員毎にユニークに発行される会員IDとが関連付けられ、会員情報として管理されてよい。
【0024】
(ゲームシステムに構築されるシステム)
次に、図2を参照してチケット配布サービスを実現するためにゲームシステム1に構築されるシステムについて説明する。図2は、ゲームシステム1に構築されるシステムの一例の概要を示す図である。図2に示すように、ゲームシステム1のサーバSV上には、オンラインシステム10、及びアーケードシステム20が構築される。これらのシステム10、20はサーバSVに含まれるサーバユニット2A等を適宜に利用して実現されるシステムである。なお、以下では、店舗6、及びセンター施設CFではゲーム機3の一例としていずれも第1プライズゲーム機3Bが利用され、ユーザ端末4の一例として携帯電話4Bが利用される場合について説明する。このため、ゲーム機3、及びユーザ端末4として主に第1プライズゲーム機3B、及び携帯電話4Bを図示する。
【0025】
オンラインシステム10は、例えばサーバユニット2A、及びデータベースDB1(サーバユニット2の一つ)を利用し、ユーザ端末4に各種のサービスを提供するためのシステムとして構築される。ユーザ端末4に提供されるサービスには、例えば上述のオンラインゲームサービス、及び会員登録サービスが含まれる。これらのサービスを提供するためにオンラインシステム10とユーザ端末4との間では各種の情報(データを含む)が送受信される。このため、オンラインシステム10には携帯電話4B(ユーザ端末4)が接続される。また、オンラインゲームサービスとしてオンラインプライズゲームが提供される場合、携帯電話4Bを介してセンター施設CFのゲーム機3がプレイされる。例えば、第1プライズゲーム機3Bがプレイされる場合、携帯電話4Bを介してその第1プライズゲーム機3Bのクレーン装置CLが操作される。この場合、オンラインシステム10とセンター施設CFの第1プライズゲーム機3B(ゲーム機3)との間でも各種の情報が送受信される。例えば、そのような情報には、クレーン装置CLを動作させるための情報(携帯電話4Bに実行された操作結果等)、或いはクレーン装置CLの動作を撮影した映像を表示するための情報といったオンラインプライズゲームの提供に必要な情報が含まれる。このため、オンラインシステム10にはセンター施設CFの第1プライズゲーム機3Bが接続される。
【0026】
アーケードシステム20は、例えばサーバユニット2B、及びデータベースDB2(サーバユニット2の一つ)を利用し、店舗6の各装置に各種サービスを提供するためのシステムとして構築される。店舗6に設置される装置には、例えば第1プライズゲーム機3B(ゲーム機3)、及び設定装置5が含まれる。このため、アーケードシステム20が提供するサービスには、第1プライズゲーム機3Bに対するゲーム機用サービス、及び設定装置5に対する会員登録サービスが含まれる。ゲーム機用サービスは、第1プライズゲーム機3Bに関連する各種のサービスを適宜に含んでいてよいが、例えばネットワークNTを介してプログラム或いはデータを配信し、更新する配信サービスを含んでいる。アーケードシステム20は、このような配信サービスを通じて第1プライズゲーム機3Bにクレーンゲームの提供に必要な各種のプログラム或いはデータを適宜に配信等する。ゲーム機用サービス、及び会員登録サービスを提供するために、アーケードシステム20と第1プライズゲーム機3B、或いは設定装置5との間では、各種の情報(データを含む)が送受信される。このため、アーケードシステム20は、店舗6の第1プライズゲーム機3B、及び設定装置5と接続される。
【0027】
なお、ゲーム機用サービスは、例えばその他にも複数のユーザと一緒にプレイするタイプのゲームが提供される場合の他のユーザとマッチングするマッチングサービス、ゲーム機3からユーザの識別情報を受け取って、そのユーザを認証する認証サービス、認証したユーザの利用実績等のデータをゲーム機3から受け取って保存し、或いは保存するデータをゲーム機3に提供するサービス、ユーザから料金を徴収する課金サービスといった各種のサービスを適宜に含んでいてよい。
【0028】
アーケードシステム20とオンラインシステム10とは互いのサービスの連携のために接続される。アーケードシステム20とオンラインシステム10とが連携して提供するサービスには、チケット配布サービスが含まれる。アーケードシステム20とオンラインシステム10との間ではチケット配布サービスの適宜の情報が共用され得るが、その情報には例えばチケットの使用状況の情報が含まれる。具体的には、チケット配布サービスの一枚のチケットは、例えば店舗6のゲーム機3、及びセンター施設CFのゲーム機3(以下、店舗6のゲーム機3が提供するゲームをアーケードゲームと、センター施設CFのゲーム機3が提供するゲームをオンラインゲームと、それぞれ呼んで互いを区別する場合がある)で一回ずつ(計二回)といった具合に両施設のゲーム機3で適宜の回数まで使用可能であってもよいが、一例としていずれかのゲーム機3で使用されると消滅する。つまり、一枚のチケットはアーケードゲーム、或いはオンラインゲームで一回だけ使用可能な権利として構成される。この場合、アーケードシステム20とオンラインシステム10との間では、チケットの使用状況に関する情報が送受信され、共有される。
【0029】
アーケードシステム20とオンラインシステム10とは異なる運営者によって運営されてもよいが、一例として同じ運営者によって運営される。店舗6、及びセンター施設CFも同様に適宜の運営者によって運営されてよく、同じ運営者によって運営されてもよいが、一例としてセンター施設CFはアーケードシステム20等と同じ運営者によって運営され、店舗6はそれとは別の運営者によって運営される。ゲームシステム1には各種のシステムが適宜に構築され得るが、一例としてこれらのアーケードシステム20、及びオンラインシステム10を含んでいる。
【0030】
(チケット配布サービス)
次に、図3及び図4を参照して、チケット配布サービスについて説明する。図3は、チケット配布サービスの概要を説明するための説明図である。チケット配布サービスは上述のとおりアーケードゲーム、及びオンラインゲームの両方で使用可能なチケットを配布するサービスであるが、チケットを配布(付与)する部分とそのチケットの使用を許可する(特典を付与する)部分とを含んでいる。具体的には、図3に示すように、チケット配布サービスは、付与サービス、及び許可サービスを含んでいる。
【0031】
付与サービスは、付与条件を満たしたユーザにチケットCKを付与するサービスであり、チケット配布サービスのチケットを配布する部分に相当する。付与条件として各種の条件が適宜に使用されてよく、例えば会員登録サービスを通じた会員登録、オンラインゲームのプレイ等の特定のサービスの使用、特定のサービスにおける所定のプレイ結果(例えば特定の進捗やいわゆるガチャ等の抽選結果を含む)、或いは店舗6への来店といった各種の条件が使用されてよい。つまり、会員登録をしたユーザ、ゲームをプレイしたユーザ、抽選結果としてチケットCKの付与を得たユーザ、或いは店舗6に来店したユーザ等にチケットCKは付与されてよい。あるいは、付与条件は、同様の場合にオンラインゲーム(センター施設CFのゲーム機3を遠隔的にプレイするユーザ端末4のユーザ)において満たされてもよい。このように付与条件は適宜に満たされ得るが、以下では付与条件としてアーケードゲームのプレイに関する条件が使用される場合について説明する。
【0032】
付与条件は、所定回(例えば10回等)プレイした場合、所定額以上の対価が支払われた場合、ビデオゲームの進行において所定の展開(抽選結果を含む)が付与された場合、所定期間に用意された発行枚数に至る前に(数量限定の先着順における先着内で)プレイされた場合、プライズゲームにて景品の獲得に至らなかった場合、或いはその反対に景品が獲得された場合といったアーケードゲームにおける所定のプレイ条件が満たされた場合に満たされる。所定回数のプレイ等、継続的なプレイ(使用)が要求される場合、その継続性は複数の店舗6(系列店等に限定されても、運営者の異なる店舗6を含んでいてもよい)に跨がって認められてもよいが、一例として同じ店舗6(任意の一つの店舗6)に限定されて認められる。そして、アーケードゲームのプレイを通じて所定のプレイ条件を満たした(付与条件を具備した)ユーザにチケットCKが付与される。
【0033】
許可サービスは、チケットCKの使用を許可するサービスであり、チケットCKに対応する特典を付与する部分に相当する。許可サービスは、第1許可サービス、及び第2許可サービスを含んでいる。具体的には、第1許可サービス、及び第2許可サービスは、アーケードゲーム、及びオンラインゲームでそれぞれチケットCKの使用を許可するためのサービスである。
【0034】
例えば、オンラインゲームを提供する携帯電話4BにてチケットCKが使用される場合、オンラインシステム10を介してそのチケットCKの適切性が判別される。チケットCKの適切性には、例えば未使用か否か、使用可能なゲーム機3(あるいはゲーム)であるか否か、使用可能な店舗6であるか、使用可能期間であるかといった各種の要素が適宜に含まれる。そして、チケットCKの使用が適切である場合にチケットCKの使用が許可され、携帯電話4Bを介して提供されるオンラインプライズゲーム(センター施設CFの第1プライズゲーム機3Bを遠隔的に操作するプライズゲーム)にそのチケットCKに対応する特典が付与される。同様に、店舗6の第1プライズゲーム機3BにてチケットCKが使用される場合、アーケードシステム20を介してそのチケットCKの適切性が判別される。そして、チケットCKの使用が適切である場合にチケットCKの使用が許可され、チケットCKが使用された第1プライズゲーム機3Bのクレーンゲーム(プライズゲーム)にそのチケットCKに対応する特典が付与される。
【0035】
チケットCKに対応する特典として各種の要素が適宜に使用されてよく、例えばアイテムの付与、所定の展開(アイテム付与のための抽選を含む)の付与といったプレイ開始後の要素が使用されてもよいが、一例としてプレイの開始に関する要素が利用される。具体的には、チケットCKに対応する特典として、プレイのための対価を割り引く(対価の全額割引、つまり一回等の所定回数のプレイを無料にする無料券を含む)特典が利用される。割引の程度は、例えばアーケードゲームでは100円割引、オンラインゲームでは10%引きといった具合にアーケードゲームとオンラインゲームとの間で相違していてもよいが、一例としていずれにも同様の割引が適用される。また、チケットCKは、100円割引券、200円割引券、或いは300円割引券といった具合に割引額等に応じて複数種類を含んでいてもよいが、一例として一回のプレイを無料にする一種類のみで構成される。つまり、チケットCKは、オンラインゲーム、若しくはアーケードゲームを一回だけ無料でプレイする権利として機能する。
【0036】
図3の例においてチケットCKが、本発明の特別な権利として機能する。そして、付与サービスが、本発明の権利付与サービスとして機能する。また、店舗6、アーケードゲーム、及び店舗6の第1プライズゲーム機3Bが、本発明の所定の施設、第1ゲーム、及び第1システムとしてそれぞれ機能する。同様に、オンラインプライズゲーム、及び携帯電話4Bが、本発明の第2ゲーム、及び第2システムとしてそれぞれ機能する。さらに、店舗6の第1プライズゲーム機3B、及びセンター施設CFの第1プライズゲーム機3Bが、本発明のプライズゲーム機、及び別のプライズゲーム機としてそれぞれ機能する。
【0037】
図4は、チケット配布サービスの手順の一例を説明するための説明図である。チケットCKは適宜に構成されてよく、例えば店舗6に来店したユーザに付与される紙のチケット等の物理的なチケットとして構成されてもよいが、図6の例では電子的なチケットとして構成される場合を示している。また、チケットCKはアーケードゲーム及びオンラインゲームのいずれで付与されてもよく、かついずれでも使用可能であるが、図6の例はアーケードゲームで付与され、オンラインゲーム(携帯電話4B)で使用される場合を示している。この場合、図6に示すように、チケット配布サービスは、F1~F14までの十四の手順を含んでいる。また、F1~F14の手順はチケット配布サービスの付与サービス、及び許可サービスを構成し得るが、例えばF1~F7が付与サービスを、F8~F14が許可サービスを、それぞれ構成する。以下、付与サービス、及び許可サービスの順に各手順について説明する。
【0038】
付与サービスは上述のとおりF1~F7の手順を含んでおり、図4の例では主として店舗6の各装置とアーケードシステム20とによって提供される。具体的には、設定装置5のチケット設定機能を利用してチケット配布サービスに関する設定が実行されると、設定装置5はその設定をアーケードシステム20に提供する(F1)。チケット設定機能を実現するためのウェブサイト(以下、設定サイトと呼ぶ場合がある)は適宜のサーバユニット2に構築されてよいが、一例としてアーケードシステム20に構築される。このため、設定装置5はブラウザソフトを介して設定サイトにアクセスし(ID、パスワード等によって各アクセス者が適宜に認証されてよい)、その設定サイトへの各種入力を通じてチケット配布サービスに関する設定をアーケードシステム20に提供する。設定サイトを介して設定が実行されると、アーケードシステム20はその設定内容を保存する。この保存は適宜に実行され得るが、図4の例では設定データSDを介して実行される。具体的には、アーケードシステム20は、設定サイトを介してチケット配布サービスに関する設定が実行されると、その内容に対応する設定データSDを生成し、保存する。また、アーケードシステム20は、例えば付与条件の判別がユーザ端末4にて実行される場合のユーザ端末4等、必要に応じて設定データSDを適宜に他のシステムと共有する。
【0039】
設定サイトではチケット配布サービスに関する各種の設定が適宜に実行され得るが、例えば付与条件の対象となるゲーム機3(店舗6の複数のゲーム機3、及びセンター施設CFの複数のゲーム機3のうちチケットCKの配布対象のゲーム機3)に関する設定(一台のゲーム機3によって複数種類のゲームが提供される場合等、設定対象はゲームの種類であってもよい)が実行されてよい。あるいは、店舗6の単位でチケットCKが付与される場合、付与条件の対象となる店舗6に関する設定が実行されてもよい。また、チケットCKの対象の(使用可能な)ゲーム(各ゲーム機3が一種類のゲームしか提供しない場合は対象のゲーム機3であってもよい)に関する設定が実行されてもよい。同様に、所定回数、所定額、或いは所定の展開等の付与条件を満たす要件といった付与条件に関する設定が実行されてもよい。さらに、チケットCKが使用された(権利が行使された)場合に付与される特典の内容の設定が実行されてもよい。設定データSDには、これらの設定に関する情報が適宜に記述される。設定データSDの詳細は後述する。この例において設定サイト、及びその設定サイトを介して設定する機会が、本発明の設定サービス、及び設定機会としてそれぞれ機能する。
【0040】
一方、店舗6に来店したユーザUはゲーム機3(例えば第1プライズゲーム機3B)をプレイする(F2)。ゲーム機3はプレイ時に各ユーザUを識別するためのユーザIDの入力を要求する。ユーザIDの入力は適宜に実行されてよいが、一例としてユーザIDの情報を記録するIDカードの読み取りを通じて実行される。このため、ゲーム機3にはIDカードのユーザIDを読み取るためのリーダが設けられ、そのリーダを介してIDカードからユーザIDの情報が提供される。ユーザIDの読み取り時には、パスワード等を通じた適宜の認証が実行されてよい。
【0041】
各第1プライズゲーム機3BによるチケットCKの付与(チケット配布サービスの適用)の有無は設定サイトの設定を通じてアーケードシステム20によって一方的に設定されてもよい(設定サイトで対象に設定されるとチケットCKの付与が有効化されてもよい)が、一例として各第1プライズゲーム機3Bにも付与の有効化を設定するためのチケット機能が設けられる。そして、設定サイトにおいて付与対象と設定された各第1プライズゲーム機3Bのうち、チケット機能が有効化されている第1プライズゲーム機3BによってチケットCKの付与、つまり付与条件を満たすか否かの判別が実行される。ユーザUがプレイした第1プライズゲーム機3Bがチケット配布サービスの適用対象であり、かつその第1プライズゲーム機3Bにおいてチケット機能が有効化されている場合、その第1プライズゲーム機3BはユーザUのプレイに関する情報(付与条件の具備を判別するために必要な情報)をアーケードシステム20に送信する(F3)。なお、チケット機能が有効化されていないゲーム機3でも適宜に他のイベントは適用されてよく、例えばオンラインゲームに用途が限定された(ゲーム機3では使用不可な)チケットは付与されてもよい。
【0042】
アーケードシステム20は、プレイに関する情報をゲーム機3から取得すると、その情報に基づいて付与条件を満たすか否か判別する。この判別はゲーム機3において実行されてもよいが、一例としてアーケードシステム20において実行される。アーケードシステム20は、付与条件を満たす場合にそのユーザUにチケットCKを付与する(F4)。チケットCK(電子的チケット)の付与は適宜のデータ(ゲーム機3でチケットCKが付与される場合にアプリ等で管理されるチケットCKの有無を判別するためのフラグを含む)を介して実行されてよく、例えば物理的なチケットが店舗6で運営者によって配布される場合、各店舗6を識別するための店舗IDとそこに紐付けられる各物理的なチケットを識別するためのチケットIDとを関連付けるチケット管理データを介して実行されてもよい(この場合、物理的なチケットは各店舗6の単位で付与され、各店舗6の単位で使用の可否が判別されてよい)が、図4の例ではプレイデータPDを介して実行される。プレイデータPDはユーザU毎のプレイに関する各種の実績を管理するためのデータである。このため、アーケードシステム20は、チケットCKの所有を示す内容にプレイデータPDを更新することにより、チケットCKの付与を実行する。そして、アーケードシステム20は、その更新(生成を含む)後のプレイデータPDを保存する。プレイデータPDの詳細は後述する。
【0043】
アーケードシステム20は、付与条件を満たすか否かの判別結果をゲーム機3に送信する(F5)。ゲーム機3は、その結果を取得し、チケットCKが付与されている場合にはその付与をユーザUに通知する(F6)。一方、アーケードシステム20は、オンラインゲームでのチケットCKの使用を可能にするために、チケットCKの付与結果をオンラインシステム10と共有する。具体的には、アーケードシステム20は、チケットの所有を管理するプレイデータPDをオンラインシステム10に送信する(F7)。オンラインシステム10は、プレイデータPDを取得すると、それを保存する。この例においてチケットCKが付与されたユーザUが、本発明の付与ユーザとして機能する。
【0044】
一方、許可サービスはF8~F14の手順を含んでおり、図4の例では主としてユーザ端末4とオンラインシステム10とによって提供される。具体的には、図4の例では許可サービスは携帯電話4B(ユーザ端末4)を介してそのユーザUに提供されるが、ユーザUはまず携帯電話4Bにおいてゲームアプリを起動し、そのゲームアプリを介してオンラインゲームをプレイする。ゲームアプリでは、ユーザID等(例えば認証用のパスワード等)の入力が要求される。この入力は所定の記録媒体(例えばIDカード)等から適宜のリーダを介して実行されてもよいが、一例としてユーザUによって直接実行される。ゲームアプリ(携帯電話4B)は、ユーザIDの情報を取得すると、それをオンラインシステム10に送信し、そのユーザIDに対応するプレイデータPDをオンラインシステム10から取得する(F8)。
【0045】
ゲームアプリは、プレイデータPDを参照して使用可能なチケットCKの有無を判別し、使用可能なチケットCKを保有している場合には、チケットCKを使用するか否か選択するための選択機会をユーザUに付与する(F9)。選択機会においてチケットCKの使用が選択されると(F10)、ゲームアプリはそのチケットCKの使用を許可し(F11)、オンラインゲームにチケットCKに対応する特典を付与する(F12)。つまり、チケットCKが使用されると、ゲームアプリは特典付きのオンラインゲームを提供する。例えば、チケットCKが一回無料でプレイする権利として機能する場合、ゲームアプリは対価を要求せずに無料(無償)でオンラインゲームのプレイを提供する。
【0046】
チケットCKが使用されると、ゲームアプリはその使用結果をプレイデータPDに反映するとともに、反映後のプレイデータPD、つまり使用に伴い所有のチケットCKが消滅した内容を示すプレイデータPDをオンラインシステム10に送信する(F13)。オンラインシステム10は、ゲームアプリからプレイデータPDが送信されると、それを取得して保存するとともに、アーケードシステム20に送信して共有する(F14)。アーケードシステム20は、そのプレイデータPDを保存する。許可サービスは、携帯電話4B(ユーザ端末4)を介してそのユーザUに提供される場合、一例としてこのような手順で提供されるが、店舗6のゲーム機3のユーザUに提供される場合も同様である。例えば、ユーザUが店舗6のゲーム機3をプレイする場合、ゲーム機3によってユーザIDが要求され、以降においてオンラインシステム10の代わりにアーケードシステム20との間でF8~F14と同様の手順が実行される。
【0047】
(制御系の要部の構成)
次に、図5及び図6を参照して、発行者特典のチケット配布サービスに関わるゲームシステム1の制御系の要部の構成について説明する。図5及び図6はいずれもゲームシステム1における制御系の要部の一例を示す図であるが、図5はサーバSV(オンラインシステム10、及びアーケードシステム20を含む)の制御系の構成の一例を示している。なお、図5及び図6の構成は、図2のゲームシステム1の構成の具体例の一つであり、図2に対応する構成要素には図2と共通の参照符号が付されている。また、サーバSV(オンラインシステム10、及びアーケードシステム20を含む)には各種の入力装置、及び出力装置が適宜に設けられ得るが、図5の例ではそれらの図示は省略した。
【0048】
図5に示すように、サーバSVには、制御部SVCと、記憶部SVSとが設けられる。制御部SVCは、一又は複数のサーバユニット2のコンピュータハードウエア資源(例えばCPU等)を利用して構成され、図5の例では第1制御部11、及び第2制御部21を含んでいる。記憶部SVSは、ハードディスクアレイ等の不揮発性記憶媒体(コンピュータ読み取り可能な記憶媒体)を含んだ記憶ユニットによって構成され、図5の例では第1記憶部12、及び第2記憶部22を含んでいる。記憶部SVSには、制御部SVCにて参照されるべきコンピュータプログラムPG、及びサーバデータSVDが記憶される。コンピュータプログラムPGは各種のコンピュータプログラム(ソフトウェア)を適宜に含み得るが、図5の例では第1プログラムPG1、及び第2プログラムPG2を含んでいる。同様に、サーバデータSVDはサービスの提供に必要な各種のデータを適宜に含み得るが、図5の例ではプレイデータPD、及び設定データSDが示されている。
【0049】
サーバSVには、制御部SVC、及び記憶部SVSを含む各種のハードウエア資源等を利用してオンラインシステム10、及びアーケードシステム20が構築される。例えば、オンラインシステム10には第1制御部11、及び第1記憶部12が設けられる。第1記憶部12にはコンピュータプログラムPG、及びサーバデータSVDが適宜に記憶され得るが、図5の例では第1プログラムPG1、及びプレイデータPDが記憶される。第1制御部11には、第1制御部11を構成するハードウエア資源と第1プログラムPG1との組み合わせによって各種の論理的装置が構成されるが、図5の例ではその一例としてゲーム配信部13、及び権利管理部14が示されている。
【0050】
ゲーム配信部13は、オンラインゲームを携帯電話4B(ユーザ端末4)に提供するための各種の処理を行う論理的装置である。オンラインゲームとして第1プライズゲーム機3Bを介してオンラインプライズゲームが提供される場合、ゲーム配信部13の処理には、例えば携帯電話4Bへの操作に伴い第1プライズゲーム機3Bのクレーン装置CLを動作させたり、その動作状況等を撮影するために第1プライズゲーム機3Bに設けられたカメラから撮影結果を取得して携帯電話4Bに配信したりする処理が含まれる。
【0051】
権利管理部14は、チケットCK(ゲームを無料でプレイする権利)を管理するための各種の処理を行う論理的装置である。このような処理には、付与サービス、及び許可サービスといったチケット配布サービスを実現するための各種の処理が含まれる。権利管理部14が実行する処理には、例えばチケットCKの付与に伴いプレイデータPDを更新したり、更新後のプレイデータPDをアーケードシステム20等の他のシステム(ユーザ端末4の各種端末を含む)と共有したりする処理が含まれる。具体的には、権利管理部14は、許可サービスを実現するための処理の一例として、第2許可処理を実行する。第2許可処理の手順の詳細は後述する。
【0052】
アーケードシステム20には、第2制御部21と、第2記憶部22とが設けられる。第2記憶部22にはコンピュータプログラムPG、及びサーバデータSVDが適宜に記憶され得るが、図5の例では第2プログラムPG2、プレイデータPD、及び設定データSDが記憶される。プレイデータPDはオンラインシステム10にも記憶されるが、それとは別にアーケードシステム20にも重複的に記憶される。第2制御部21には、第2制御部21を構成するハードウエア資源と第2プログラムPG2との組み合わせによって各種の論理的装置が構成されるが、図5の例ではその一例として設定管理部23、及び権利管理部24が示されている。
【0053】
設定管理部23は、設定装置5との間でチケット配布サービスの設定に関する各種の処理を行う論理的装置である。このような処理には、設定サイトを提供するための処理、設定サイトにおいて認証等を実行するための処理等が含まれる。また、設定サイトにおける設定結果に基づいて設定データSDを生成するための処理も含まれる。具体的には、設定管理部23は、チケット配布サービスの設定に関する処理の一つとしてチケット設定処理を実行する。チケット設定処理の手順の詳細は後述する。
【0054】
権利管理部24は、オンラインシステム10の権利管理部14と同様にチケットCK(ゲームを無料でプレイする権利)を管理するための各種の処理を行う論理的装置である。このような処理には、付与サービス、及び許可サービスといったチケット配布サービスを提供するための各種の処理が含まれる。権利管理部24が実行する処理には、例えばチケットCKの付与に伴いプレイデータPDを更新したり、更新後のプレイデータPDをオンラインシステム10等の他のシステム(ユーザ端末4の各種端末を含む)と共有したりする処理が含まれる。具体的には、権利管理部24は、付与サービスを提供するための処理の一例として、チケット付与処理を実行する。また、権利管理部24は、許可サービスを提供するための処理の一例として、第1許可処理を実行する。チケット付与処理、及び第1許可処理の手順の詳細は後述する。
【0055】
図6は、携帯電話4B(ユーザ端末4)、第1プライズゲーム機3B(ゲーム機3)、及び設定装置5の制御系の構成の一例を示す図である。店舗6に設置される第1プライズゲーム機3Bとセンター施設CFに設置される第1プライズゲーム機3Bとの間では、例えばセンター施設CFの方にはカメラが設けられ、店舗6の方にはカメラは不要であり、その反対に店舗6の方にはIDカードを読み取るためのリーダが設けられ、センター施設CFの方にそのようなリーダは不要であるといった具合に入出力装置等において適宜に相違する場合があるが、図6の例では共通の構成の一例を示している。
【0056】
図6に示すように、第1プライズゲーム機3Bには、制御部31と、記憶部32と、入力装置IPと、クレーン装置CLとが設けられる。記憶部32、入力装置IP、及びクレーン装置CLはいずれも制御部31に接続される。そして、クレーン装置CLは、制御部31によってその動作が制御される。具体的には、クレーン装置CLには、遊技体PSを獲得するための各位置に移動させるための移動動作、各位置にて下降し、遊技体PSを挟んで捕獲する捕獲動作、捕獲した遊技体PSを運搬(搬送)する運搬動作、及びその捕獲した遊技体PSを開口(所定位置)にて解放する解放動作といった遊技体PSの捕獲に関する一連の動作を実行させるための駆動源(モータ)が設けられる。駆動源は、制御部31からの出力信号に従って動作する。つまり、クレーン装置CLは、制御部31による駆動源の制御を介して各種の動作を実行する。
【0057】
入力装置IPは、クレーン装置CLを操作するためのユーザUのプレイ行為を入力するための入力装置である。クレーン装置CLを操作するためのプレイ行為は適宜に構成されてよく、入力装置IPはそのプレイ行為の内容に応じて構成を有するが、例えばクレーン装置CLの移動動作における方向を指示するための方向操作部、その移動動作において捕獲動作を実行すべき位置を決定するための方向操作部を有する。そして、方向操作部、及び方向操作部への操作がプレイ行為として入力装置IPに入力される。方向操作部、及び決定操作部への操作といった入力装置IPへの入力結果は制御部31に出力され、クレーン装置CLの制御に使用される。なお、オンラインゲームの場合、携帯電話4Bが入力装置IPの代わりに入力装置として使用されるため、センター施設CFの第1プライズゲーム機3Bでは入力装置IPが省略されてもよい。また、第1プライズゲーム機3Bにはクレーン装置CL(出力装置)及び入力装置IPの他にも上述のカメラ、リーダ、或いは特典の付与を通知するための出力装置(例えば表示装置、或いはスピーカ)といった入出力装置が適宜に設けられ得るが、それらの図示は省略した。
【0058】
記憶部32は、ハードディスクアレイ等の不揮発性記憶媒体(コンピュータ読み取り可能な記憶媒体)を含んだ記憶ユニットによって構成される。記憶部32には、制御部31にて参照されるべきコンピュータプログラムPGgが記憶される。また、記憶部32には、制御部31にて参照されるべきゲームデータも記憶される。ゲームデータは各種画像(ゲーム画面を含む)を表示するための画像データ、或いはBGM等の各種音声を再生するための音声データといったゲームに関連する各種のデータを適宜に含み得るが、図6の例ではプレイデータPD、及び設定データSDが示されている。なお、ゲームデータには、例えばその他にも第1プライズゲーム機3B(自己)が提供するゲームの種類や自己が設置される店舗6といったゲームの提供に関連する各種の管理用のデータが含まれるが、その図示は省略した。
【0059】
制御部31は、マイクロプロセッサ、及びその動作に必要な内部記憶装置を含んだコンピュータユニットとして構成される。制御部31には、制御部31を構成するハードウエア資源とコンピュータプログラムPGgとの組み合わせによって各種の論理的装置が構成されるが、図6の例では論理的装置の一例として、ゲーム制御部33、及び特典制御部34が示されている。
【0060】
ゲーム制御部33は、クレーンゲームの提供に関する各種の処理を行う論理的装置である。例えば、このような処理には入力装置IPへの入力結果に応じて移動動作等の一連の動作をクレーン装置CLに実行させるための処理が含まれる。
【0061】
特典制御部34は、チケットCKの付与、或いはチケットCKの使用といったチケット配布サービスに関連する各種の処理を行う論理的装置である。特典制御部34の処理には、付与サービス、或いは許可サービスを提供するための処理が含まれる。例えば、特典制御部34は、付与サービスを提供するための処理の一つとして、アーケードシステム20の権利管理部24と協働でチケット付与処理を実行する。同様に、特典制御部34は、許可サービスを提供するための処理の一つとして、アーケードシステム20の権利管理部24と協働で第1許可処理を実行する。
【0062】
携帯電話4Bは、マイクロプロセッサ、及びその動作に必要な内部記憶装置を含んだコンピュータユニットとして構成された制御部41を含む。制御部41には、各種の入力装置等が接続され得るが、図6の例では入力装置としてタッチ操作の位置を検出可能なタッチセンサTSが、出力装置としてモニタMOがそれぞれ接続されている。タッチセンサTS、及びモニタMOのそれぞれは、スマートフォン等の情報通信端末に設けられた汎用的なハードウエアである。なお、携帯電話4Bには、例えばその他にもスピーカ、或いは通信装置といったスマートフォン等の情報通信端末に設けられた汎用的なハードウエアが適宜に設けられ得るが、それらの図示は省略した。
【0063】
制御部41には、そのハードウエアとコンピュータプログラムPGuとの組み合わせによって実現される論理的装置としてサービス管理部45が設けられる。サービス管理部45は、各種のサービスの提供に必要な機能を携帯電話4Bに付与するための各種の処理を行う論理的装置である。コンピュータプログラムPGuは制御部41に対する外部記憶装置として機能する不図示の記憶ユニットに記録されるが、そこにはゲームアプリ、或いはブラウザアプリが含まれる。このため、サービス管理部45が実行する処理には、オンラインプライズゲーム、チケット配布サービス、或いは会員登録サービスといったオンラインシステム10と協働で提供されるサービスを実現するための処理が含まれる。具体的には、サービス管理部45は、例えばオンラインシステム10の権利管理部14と協働で第2許可処理を実行する。
【0064】
設定装置5には、制御部51と、記憶部52とが設けられる。記憶部52は、ハードディスクアレイ等の不揮発性記憶媒体(コンピュータ読み取り可能な記憶媒体)を含んだ記憶ユニットによって構成される。記憶部52には、制御部51にて参照されるべきコンピュータプログラムPGs及びデータが記憶される。このようなデータには各種のデータが適宜に含まれ得るが、図7の例では設定データSDが示されている。なお、設定装置5には各種の入力装置及び出力装置が適宜に設けられるが、図6の例ではそれらの図示は省略した。
【0065】
制御部51は、マイクロプロセッサ、及びその動作に必要な内部記憶装置を含んだコンピュータユニットとして構成される。制御部51には、そのハードウエアと記憶部52のコンピュータプログラムPGsとの組み合わせによって各種の論理的装置が構成されるが、図6の例では論理的装置の一例として、設定管理部53が示されている。設定管理部53は、設定サイトを介したチケット配布サービスに関する設定を実行するための各種の処理を行う論理的装置である。設定管理部53が実行する処理には、例えば設定サイトにアクセスして表示したり、そこで要求される設定事項が入力された場合にその内容を設定サイト(オンラインシステム10)に提供したりする処理が含まれる。
【0066】
(各種データの詳細)
次に、図7図8を参照して、設定データSD、及びプレイデータPDの詳細について説明する。図7は、設定データSDの構成の一例を示す図である。図7に示すように、設定データSDは、店舗6毎に設定内容を管理するための設定レコードSDRを含んでいる。また、設定レコードSDRは、このような管理を実現するために、“店舗”、“付与条件”、“条件対象”、及び“使用対象”の情報を含んでいる。設定レコードSDRには、これらの情報が相互に関連付けられるように記録されている。
【0067】
“店舗”、“付与条件”、“条件対象”、及び“使用対象”はいずれも設定サイトで設定された設定結果に対応する情報である。具体的には、“店舗”は、複数の店舗6(施設)が存在する場合に各店舗6を識別するための情報である。“店舗”には各種の情報が各店舗6を識別する情報として記述されてよいが、一例として店舗6毎にユニークな店舗IDの情報が記述される。また、設定サイトを通じて設定を行った店舗6に対応する店舗IDの情報が記述される。“付与条件”は、チケットCKの付与の可否を判別するための条件である。付与条件として所定回数、或いは所定額といったプレイ条件が利用される場合、それらの所定回数、或いは所定額といった条件を示す情報が“付与条件”に記述される。また、付与条件の適用期間に期限が存在する場合、適用可能な期間の情報も“付与条件”として記述される。
【0068】
“条件対象”は、付与条件の対象となるゲーム機3(あるいはゲームの種類)を特定するための情報である。“条件対象”には付与条件の対象のゲーム機3を特定可能な適宜の情報が記述されてよく、各ゲーム機3を識別するためにゲーム機3毎(第1プライズゲーム機3B、及び第2プライズゲーム機3Cといったゲーム機3の種類毎でもよい)にユニークな筐体IDの情報が記述されてもよい。あるいは、種類の異なる複数のゲームのうち付与対象の一部のゲームを特定するためにゲーム毎にユニークなゲームIDの情報が“条件対象”に記述されてもよい。また、特定のキャラクタに関連する景品を付与するプライズゲームに用途が限定されるチケットCKが配布される場合には、特定のキャラクタを特定するための情報(例えばキャラクタ毎にユニークなキャラクタIDや景品毎にユニークな景品ID。この場合、キャラクタID等と筐体IDやゲームIDとを関連付ける筐体データ等が別途用意されてよい。)が“条件対象”に記述されてもよい。さらに、例えば付与条件が複数の店舗6のうち店舗6の単位で適用される場合、“条件対象”は店舗IDの情報を含んでいてもよい。この例において“条件対象”の情報が、本発明の付与対象情報として機能する。なお、各店舗6のゲーム機3が店舗データ等を介して店舗IDによって特定され、かつ“条件対象”の店舗6と“店舗”の店舗6とが一致している場合、“条件対象”の情報は省略されてもよい。この場合、“店舗”の情報が本発明の付与対象情報として機能する。
【0069】
“使用対象”は、チケットCKを使用可能なゲーム機3(或いはゲームの種類)を特定するための情報である。“使用対象”にはチケットCKを使用可能なゲーム機3を特定可能な適宜の情報が記述されてよく、例えば“条件対象”と同様に筐体ID、ゲームID、景品ID(この場合、筐体データ等の自己の扱う景品の景品IDを管理する情報がゲーム機3に用意され、その景品IDとの比較により使用の可否が判別されてよい。景品IDの管理は、例えば自己が扱う景品に付属の景品IDの情報をプライズゲーム機が読み取ることにより実現されてよい。景品IDの代わりにキャラクタIDが使用されてもよい。)、或いは店舗IDといった情報が記述されてよい。この例において“使用対象”の情報が、本発明の権利対象情報として機能する。なお、各店舗6のゲーム機3が店舗データ等を介して店舗IDによって特定され、かつ“使用対象”の店舗6と“店舗”の店舗6とが一致している場合、“使用対象”の情報は省略されてもよい。この場合、“店舗”の情報が本発明の権利対象情報として機能する。
【0070】
“特典”は、チケットCKの使用に伴い付与される特典の内容を示す情報である。例えば、チケットCKが一回無料でプレイできる権利として機能する場合、その内容を示す情報が“特典”に記述される。100円引き等の複数種類のチケットCKが存在する場合、“特典”はその割引額等の情報を含み、結果的にチケットCKの種類を示す情報としても機能する。
【0071】
なお、設定データSDには、これらに限定されず、チケット配布サービスに関連する適宜の情報が含まれていてよい。あるいは、反対に上述の各情報が適宜に省略されてもよい。例えば、付与条件の対象のゲーム機3とチケットCKを使用可能なゲーム機3とが一致している場合、“条件対象”、及び“使用対象”のいずれか一方の情報は省略されてもよい。同様に、付与条件の対象のゲーム機3、或いはチケットCKを使用可能なゲーム機3が指定されてない場合、“条件対象”、或いは“使用対象”の情報は省略されてもよい。一方で、例えば一つの店舗6に対応する複数の設定レコードSDR(例えば複数の付与条件が存在する場合の付与条件、条件対象、使用対象、或いは特典といった内容が相違する設定レコードSDR)が必要になる場合には、特典ID等の各設定レコードSDRを識別するための情報が追加されてもよい。
【0072】
図8は、プレイデータPDの構成の一例を示す図である。図8に示すように、プレイデータPDは、ゲームに関する実績をユーザU毎に管理するためのプレイレコードPDRを含んでいる。また、プレイレコードPDRは、このような管理を実現するために、“ユーザID”、“実績”、“チケット”、及び“使用対象”の情報を含んでいる。プレイレコードPDRには、これらの情報が相互に関連付けられるように記録されている。
【0073】
“ユーザID”は、各ユーザUを識別するためにユーザU毎にユニークなIDの情報である。“実績”は、各ユーザUのゲームに関する実績の内容を示す情報である。“実績”には、例えばプレイしたゲームの種類、場所(店舗)、日時、獲得したスコア、アイテムといった各種実績に関する情報が記述される。また、付与条件として所定回数のプレイや所定額以上の対価(所定期間における累積的な対価)といった継続的な実績が要求される場合、“実績”には所定回数や支払われた対価といったその要求される実績の情報が含まれる。
【0074】
“チケット”、及び“使用対象”は、チケットCKの所有の有無、及び使用可能なゲーム機3(或いはゲームの種類)を、それぞれ示す情報である。“チケット”、及び“使用対象”は“実績”の一部として管理されてもよいが、図8の例では説明の便宜のため“実績”とは別に示されている。ユーザUがチケットCKを所有している場合、“チケット”にその所有を示す情報が記述される。複数種類のチケットCKが存在する場合、“チケット”には所有するチケットCKの種類を示す情報が含まれる。
【0075】
一方、“使用対象”には所有するチケットCK(複数種類存在する場合はその種類毎)を使用可能なゲーム機3の情報が記述される。例えば、“使用対象”には設定データSD(図7の例)の“使用対象”と同様に筐体ID、或いはゲームIDといった情報が記述される。また、“使用対象”の情報には、チケットCKの使用可能な対象が複数の店舗6の一部の店舗6に制限される(限定される)場合、使用可能な店舗6を示す店舗IDの情報が含まれる。一部の店舗6は適宜に設定されてよく、例えば系列店の一つにおいて付与されたチケットCKの場合には全系列店に設定されてもよいが、少なくともチケットCKが付与された店舗6を含むように設定される。つまり、チケットCKの使用先が一部の店舗6に制限される場合、“使用対象”はチケットCKを付与した店舗6の店舗IDの情報を含んでいる。
【0076】
図8の例においてプレイデータPDが、本発明の権利情報として機能する。また、“ユーザID”、及び“チケット”の情報が、本発明のユーザ識別情報、及び特別な権利の情報としてそれぞれ機能する。同様に、ゲームID(ゲーム機3とゲームの種類とが1対1で対応する場合、つまりゲーム機3によってゲームを特定可能な場合には筐体IDでもよい)を含む場合の“使用対象”の情報が、本発明のゲーム種類情報として機能する。さらに、店舗IDの情報を含む場合の“使用対象”の情報が、本発明の施設情報として機能する。そして、プレイデータPDが、本発明の権利データ、施設データ、及びゲーム種類データとして機能する。
【0077】
なお、プレイデータPDには、これらに限定されず、実績の内容、或いはチケットCKの管理の都合等に応じて適宜の情報が含まれていてよい。あるいは、上述の各情報が適宜に省略されてもよい。例えば、チケットCKを使用可能なゲーム機3(範囲)に制限がない場合、“使用対象”の情報は省略されてもよい。また、チケットCKの所有の有無は適宜に管理されてよく、例えばチケットCKとして紙のチケットが配布され、その使用可能範囲が店舗6とチケットCKとを関連付けるチケット管理データで管理されている場合等、プレイデータPDで管理されない場合、“チケット”の情報は省略されてもよい。紙のチケットが配布される場合にはチケットCKとユーザとの関連付けも省略されてよいため、チケット管理データはユーザIDの情報を含んでいなくてもよい。つまり、チケットCKはユーザと関連付けて管理されていなくてもよい。
【0078】
(ゲームシステムの処理)
次に、図9図12を参照して、チケット設定処理、チケット付与処理、第1許可処理、及び第2許可処理について説明する。チケット設定処理は、設定サイトでの設定結果に基づいて設定データSDを生成するための処理である。アーケードシステム20の設定管理部23は、設定装置5からブラウザアプリを介して設定サイトの表示がリクエストされると図9のチケット設定処理を開始し、まずその設定装置5に設定機会を付与する(ステップS101)。設定機会は、一例として設定サイトを通じて実現される。このため、設定管理部23は、設定装置5にブラウザアプリを介して設定サイトを表示させることにより、設定機会の付与を実現する。
【0079】
設定サイト(設定機会)において設定を終了する操作(例えば設定終了に対応するアイコンへのクリック操作等)が実行されると、設定管理部23はその設定サイトにおいて設定された設定結果を取得する(ステップS102)。続いて設定管理部23は、ステップS102で取得した設定結果に基づいて設定データSDを生成(更新)する(ステップS103)。例えば、設定管理部23は、設定サイトにて設定を実行した店舗6、設定サイトで設定された付与条件、その対象、チケットCKを使用可能な対象、及び特典といった情報が“店舗”、“付与条件”、“条件対象”、“使用対象”、及び“特典”の情報として記述された設定レコードSDRを設定データSDに生成することにより、この生成を実行する。この生成の後に設定管理部23は今回のチケット設定処理を終了する。
【0080】
図9の手順により、設定装置5からのリクエストに応じて設定機会(設定サイトの表示)が提供され、そこで設定された設定結果に応じた設定レコードSDRを含む設定データSDが生成される。より具体的には、図4の例のF1の手順が実現される。なお、設定サイトには既存の設定レコードSDR(既存の設定内容)を修正する機能が設けられていてもよく、その場合、図9の例のステップS103において生成の代わりに既存の設定レコードSDRが設定サイトでの修正結果に応じて修正されてよい。
【0081】
チケット付与処理は、付与条件に基づいてチケットCKを付与するための処理である。図10の例は、店舗6のゲーム機3において付与条件が満たされる場合を示している。また、図10の例は、付与条件が店舗6の単位で適用される場合を示している。図10の例では主にゲーム機3の特典制御部34によって実行される処理(手順)がゲーム機3として、主にアーケードシステム20の権利管理部24によって実行される処理(手順)がアーケードシステム20として、それぞれ示されている。図11の例も同様である。
【0082】
ゲーム機3(チケット機能が有効化されているもの)はユーザUにプレイを提供する毎に図10のチケット付与処理を開始し、まず付与条件を判別するための判別用情報をアーケードシステム20に送信する(ステップS201)。判別用情報は付与条件の判別に必要な各種の情報を適宜に含み得るが、例えばユーザIDの情報、プレイ結果の情報、及びゲーム機3の属性情報を含んでいる。属性情報はゲーム機3の属性に関する情報であり、例えば自己の筐体ID、或いは自己が属する店舗6の店舗IDの情報を含んでいる。判別用情報は適宜の属性情報を含み得るが、その一例として店舗IDの情報を含んでいる。例えば、ゲーム機3は、ユーザID、プレイ結果、及び店舗IDといった情報を判別用情報としてアーケードシステム20に送信する。
【0083】
アーケードシステム20は、ゲーム機3から判別用情報が送信されると図10のチケット付与処理を開始し、まずその判別用情報を取得する(ステップS301)。続いてアーケードシステム20は、ステップS301の判別用情報を送信したゲーム機3が付与条件の対象の店舗6に属するか判別する(ステップS302)。アーケードシステム20は、設定データSDを参照して、この判別を実行する。具体的には、アーケードシステム20は、設定データSDの“条件対象”の情報を参照し、ステップS301で判別用情報として取得した店舗IDの情報を含む設定レコードSDRが存在するか否か判別する。
【0084】
対象の店舗6に属する(設定データSDの“条件対象”に含まれる店舗6である)場合(ステップS302:Yes)、アーケードシステム20は判別用情報のプレイ結果の情報を参照し、そのプレイ結果が付与条件を満たすか否か判別する(ステップS303)。付与条件として所定回数のプレイや所定額以上の対価(累積的な対価)といった継続的な実績が要求される場合、アーケードシステム20は判別用情報のユーザIDに基づいてプレイデータPDの“実績”の情報を更に参照して、今回のプレイ結果(実績)にて付与条件が満たされるか否か判別する。そして、付与条件が満たされる場合(ステップS303:Yes)、アーケードシステム20はチケットCKをユーザUに付与する(ステップS304)。具体的には、アーケードシステム20は、チケットCKの所有を示す内容に今回のユーザUのプレイデータPDを更新する。つまり、アーケードシステム20は、プレイデータPDの“チケット”の情報を、所有を示す情報に更新する。
【0085】
一方、対象の店舗6に属しない(設定データSDの“条件対象”に含まれない店舗6である)場合(ステップS302:No)、付与条件が満たされない場合(ステップS303:No)、或いはステップS304においてチケットCKを付与した後に、アーケードシステム20はその結果をゲーム機3に送信する(ステップS305)。そして、その送信の後にアーケードシステム20は今回のチケット付与処理を終了する。なお、図10の例の処理は、例えば、ステップS305においてゲーム機3とともに送信する等、更新後のプレイデータPDをオンラインシステム10に送信する処理を適宜に含んでいてもよいし、更新後のプレイデータPDは図10の例の処理後の適宜の時期に別の処理によってオンラインシステム10に送信されてもよい。
【0086】
アーケードシステム20から付与条件の判別等の結果が送信されると、ゲーム機3はその結果を取得し(ステップS202)、その結果をユーザUに通知する(ステップS203)。例えば、チケットCKが付与された場合、その付与を示す結果がユーザUに通知される。チケットCKが付与されていない場合、その通知は省略されてもよいが、一例としてチケットCKの付与に関する情報(例えば、チケットCKの付与に関する広告、或いは付与条件の具備に必要な実績の情報等)とともに今回のプレイではチケットCKが付与されない旨の通知が実行される。これらの通知は、表示装置、或いはスピーカといったゲーム機3に設けられる適宜の出力装置を通じて実行される。そして、この通知の後にゲーム機3は今回のチケット付与処理を終了する。
【0087】
図10の手順により、ゲーム機3のプレイ結果(付与条件)に基づいて各ユーザUにチケットCKが付与される。また、この付与は、設定サイトにて設定された対象の店舗6(ゲーム機3)に制限される。そして、チケットCKが付与された場合、その旨がゲーム機3を介して通知される。より具体的には、図4の例のF2~F6の手順(付与サービス)が実現される。
【0088】
第1許可処理、及び第2許可処理は、いずれもチケットCKの使用が適切な場合にその使用を許可するための許可処理である。例えば、第1許可処理は、店舗6のゲーム機3にてチケットCKが使用される場合の許可処理に対応する。ゲームのプレイのために店舗6のゲーム機3においてIDカードの読み取りが実行されると、ゲーム機3は図11の第1許可処理を開始し、まずそのIDカードからユーザIDの情報を取得する(ステップS401)。そして、ゲーム機3は、そのユーザIDに対応するプレイデータPDをアーケードシステム20にリクエストする(ステップS402)。このリクエストにはユーザIDの情報が含まれる。
【0089】
ゲーム機3からリクエストが送信されると、アーケードシステム20は図11の第1許可処理を開始し、まずそのリクエストを取得する(ステップS501)。続いてアーケードシステム20は、そのリクエストに含まれるユーザIDに対応するプレイデータPD(プレイレコードPDR)を特定し(ステップS502)、その特定したプレイデータPD(該当のプレイレコードPDRを含む)をゲーム機3に送信する(ステップS503)。そして、この送信の後にアーケードシステム20は今回の第1許可処理を終了する。
【0090】
アーケードシステム20からプレイデータPDが送信されると、ゲーム機3はそのプレイデータを取得する(ステップS403)。続いてアーケードシステム20は、取得したプレイデータPDを参照して使用可能なチケットCK(使用期限が設定されている場合は使用期限内のチケットCK)があるか否か判別する(ステップS404)。例えば、ゲーム機3は、プレイデータPDの“チケット”の情報を参照し、まずユーザUが所有するチケットCKが存在するか否か判別する。所有するチケットCKが存在する場合、ゲーム機3は、プレイデータPDの“使用対象”の情報を更に参照し、そのチケットCKの使用可能な範囲に今回の店舗6(或いはゲーム機3等)が該当するか否か判別する。所有するチケットCKが存在しない場合、或いは存在しても今回の店舗6等が使用可能な範囲に該当しない場合、ゲーム機3は使用可能なチケットCKは無いと判別する。この場合、ゲーム機3は以降の処理をスキップして今回の第1許可処理を終了する(ステップS404:No)。
【0091】
一方、所有するチケットCKが存在し、かつそのチケットCKの使用可能な範囲に今回の店舗6等が該当する(属する)場合、ゲーム機3はチケットCKを使用するか否か選択するための選択機会を提供する(ステップS405)。その選択機会においてチケットCKの使用が選択されない(ユーザUがチケットCKを使用しない)場合(ステップS406:No)、ゲーム機3はやはり以降の処理をスキップして今回の第1許可処理を終了する。
【0092】
一方、選択機会でチケットCKの使用が選択された(ユーザUがチケットCKを使用した)場合(ステップS406:Yes)、ゲーム機3は選択されたチケットCKに対応する特典を付与する(ステップS407)。さらにゲーム機3は、チケットCKの使用(消費)を反映するようにプレイデータPDを更新する(ステップS408)。具体的には、ゲーム機3は、プレイデータPDの“チケット”の情報を非所有の情報に更新する。そして、この更新の後にゲーム機3は今回の第1許可処理を終了する。なお、図11の例の処理は、例えば、更新後のプレイデータPDをアーケードシステム20に送信する処理を適宜に含んでいてもよいし、更新後のプレイデータPDは図11の例の処理後の適宜の時期に別の処理によってアーケードシステム20に送信されてもよい。アーケードシステム20とオンラインシステム10との間の送受信も同様である。
【0093】
図11の手順により、チケットCKを所有するユーザUにその使用を選択する機会が付与され、その機会の付与を通じてチケットCKの使用が許可される。そして、その選択機会においてチケットCKの使用が選択された場合にチケットCKに対応する特典(例えば一回のプレイが無料等)が付与される。具体的には、チケットCKの有無、及びプレイする店舗6等に基づいてチケットCKの使用の適切性が判別され、適切な使用の場合にチケットCKの使用が許可され、特典が付与される。これにより、店舗6のゲーム機3にてチケットCKが使用される場合における図4の例のF8~F12の手順(許可サービス)が実現される。
【0094】
一方、第2許可処理は、オンラインゲームを提供するユーザ端末4にてチケットCKが使用される場合の許可処理に対応する。第2許可処理は適宜に実行されてよく、第1許可処理とは異なる手順で実行されてもよいが、図12の例は処理主体が相違するものの、図11の例の第1許可処理と同様の手順で実行される場合を示している。なお、図12の例では、主にユーザ端末4のサービス管理部45によって実行される処理(手順)がユーザ端末4として、主にオンラインシステム10の権利管理部14によって実行される処理(手順)がオンラインシステム10として、それぞれ示されている。
【0095】
図12に示すように、第2許可処理は図11の例の第1許可処理と同様のステップS401~ステップS408の手順、及びステップS501~ステップS503の手順を含んでいるが、それらはそれぞれユーザ端末4、及びオンラインシステム10によって実行される。ただし、オンラインゲームとアーケードゲームとの場合で適宜にチケットCKの使用可否に関する条件は相違していてよく、例えばアーケードゲームの場合(チケットCKが店舗6で使用される場合)にはチケットCKが使用された店舗6が使用可能範囲に属するか判別されるが、オンラインゲームの場合(チケットCKがユーザ端末4で使用される場合)には店舗6に関する条件は使用可否の判別から除外されてよい。つまり、例えば図12の例のステップS404では店舗6に関する条件の判別は省略されてよい。
【0096】
図12の手順により、図11の手順と同様にチケットCKの有無等に基づいてチケットCKの使用の適切性が判別され、適切な使用の場合にチケットCKの使用が許可され、特典が付与されるが、図11の手順では店舗6のゲーム機3にてチケットCKが使用される場合の許可等が実現されるに対して、図12の例ではユーザ端末4にてチケットCKが使用される場合の許可等が実現される。具体的には、図12の手順では、オンラインゲームを提供するユーザ端末4にてチケットCKが使用される場合における図4の例のF8~F12の手順(許可サービス)が実現される。
【0097】
以上に説明したように、この形態によれば、チケット配布サービスを通じて配布されたチケットCKが店舗6のゲーム機3において使用された場合には第1許可サービスを介してアーケードゲームでの使用が許可され、ゲームアプリを通じてユーザ端末4において使用された場合には第2許可サービスを介してオンラインゲームでの使用が許可される。つまり、チケットCKの使用が、第1許可サービス、及び第2許可サービスを介して店舗6のゲーム機3(アーケードゲーム機)、及びユーザ端末4の両方で許可される。これにより、チケットCKをアーケードゲーム機、及びユーザ端末4という別々の二つの装置(プラットフォーム)で共用させることができる。このため、例えばアーケードゲーム機のユーザUをユーザ端末4のゲームアプリに誘導したり、その反対の誘導を実現したりすることができる。結果として、アーケードゲーム機、及びユーザ端末4のうちの一のプラットフォームが提供するゲームのプレイをそれとは別の他のプラットフォームを介して促進することができる。もちろん、アーケードゲーム機のユーザUによるアーケードゲームの利用、或いはユーザ端末4のユーザによるオンラインゲームの利用といった自己のユーザ層に対する利用促進効果も期待できる。いずれにしてもチケットCKを利用してアーケードゲーム、或いはオンラインゲームといったゲームのプレイを促進することができる。特にチケットCKの場合、用途が限定されているため、どのゲーム機でも使用可能なポイント等の汎用的な特典と比べて、第1プライズゲーム機3Bのプライズゲーム等、特定のゲーム(或いは特定のゲーム機3)の利用を促進することができる。
【0098】
また、アーケードゲーム機、及びユーザ端末4のいずれか一方でしか使用できない場合に比べてチケットCKの魅力(価値)を向上させることができる。例えば、チケットCKの使用先をアーケードゲーム及びオンラインゲームの二つから選択できるので、所望の景品があるか否か、遊技体PSの配置等が獲得し易い状況にあるか否かといった各種要素を考慮してユーザUは使用先を決定することができる。結果として、魅力の高いチケットCKを利用して、アーケードゲーム及びオンラインゲームの利用促進だけでなく、店舗6へのアーケードゲーム機の導入を促進できる可能性もある。
【0099】
具体的には、例えば、チケットCKの使用可能な範囲がそのチケットCKが付与された店舗6、或いはその系列店に制限される場合、チケットCKをそのチケットCKが付与された店舗6におけるゲーム機3の利用促進に活用することができる。同様に、チケットCKの使用可能な範囲が一部のゲーム(あるいはゲーム機3)に制限される場合、チケットCKを利用して、その一部のゲームの利用を促進することができる。
【0100】
さらに、設定サイト(設定機会)を介してチケット配布サービスに関する設定が店舗6の運営者によって実行される場合、チケットCKの付与条件やその対象、使用範囲、或いは特典の内容といったチケット配布サービスの内容に運営者の意思を反映することができる。これにより、例えば付与条件を所定のビデオゲームのプレイ、使用範囲をそのビデオゲームに登場するキャラクタに関連するグッズを景品とするプライズゲームと設定することができる。所定のビデオゲームをプレイするユーザはそこに登場するキャラクタへの興味が高い場合が多い。このため、チケットCKの利用率を高めることができるとともに、その価値を更に高めることができる。また、ビデオゲームのユーザ層をプライズゲーム(アーケードゲーム、及びオンラインゲームの両方を含む)に誘導することができるので、ユーザ層の拡大、ひいてはプライズゲームの更なる利用促進を図ることができる。
【0101】
以上の形態では、アーケードシステム20の権利管理部24が、図11のステップS503を実行することにより本発明の第1許可手段として機能する。同様に、オンラインシステム10の権利管理部14が、図12のステップS503を実行することにより本発明の第2許可手段として機能する。また、アーケードシステム20の権利管理部24が、図10のステップS304を実行することにより本発明の権利付与手段として機能する。さらに、アーケードシステム20の設定管理部23が、図9のステップS101を実行することにより本発明の設定提供手段として機能する。
【0102】
本発明は上述した形態に限定されることなく、各種の変形又は変更が施された形態にて実施されてよい。また、本発明は、上述の形態、及び以下の変形等が施された形態に含まれる各種の技術的手段が適宜に組み合わされて得られる形態にて実施されてもよい。例えば、上述の形態では、アーケードゲームのプレイ(アーケードゲーム機)で付与条件が満たされ、チケットCKが配布されている。しかし、本発明は、このような形態に限定されない。例えば、上述のとおり付与条件は、オンラインゲームのプレイ(ユーザ端末4)で満たされてもよい。あるいは、付与条件は会員サービスの利用(会員登録)で満たされてもよい。さらに、付与条件は、会員サービスに限らず、アーケードゲーム、或いはオンラインゲームといったゲームシステム1の各種のサービスを補助する補助サービスを提供する補助サービス端末(装置)においてその補助サービスの提供を通じて満たされてもよい。つまり、付与条件はゲームシステム1に接続される各種システムの適宜のサービスで満たされてよい。そして、それらのサービス(付与条件の対象となる対象サービス)における付与条件の具備に伴い、チケットCKは適宜に配布されてよい。
【0103】
上述の形態では、オンラインゲーム及びアーケードゲームの両方で使用可能であるものの、いずれか一方での使用(一回に限らず所定回数の使用であってよい)に伴い消費される一枚のチケットCKが、チケット配布サービスにおいて配布されている。しかし、本発明は、このような形態に限定されない。例えば、付与条件の具備に伴い、オンラインゲーム用のチケット、及びアーケードゲーム用のチケットといった具合にサービス毎に用意される複数のチケットが配布されてもよい。そして、例えばチケットCKと同様のオンラインゲーム及びアーケードゲームのいずれかを一回プレイする権利は、オンラインゲーム用のチケット、及びアーケードゲーム用のチケットの二枚のチケットのうち一方での使用に伴い二枚とも消費されるといった具合に消滅条件の関連付けによって実現されてよい。つまり、チケット配布サービスでは、複数のサービスで使用可能なチケットCKとして消滅条件が関連付けられた複数のチケットが配布されてもよい。
【0104】
上述の形態では、アーケードシステム20によってチケットCKが付与され、アーケードシステム20は付与サービスにおいてチケットCKの付与に直接関与している。しかし、本発明は、このような形態に限定されない。付与サービスは各種の手順(サービスを含む)を含んでいてよく、アーケードシステム20(ユーザ端末4を介して付与サービスが提供される場合はオンラインシステム10)は、その各種の手順の全部、或いは適宜の一部の提供を通じて付与サービスを提供してよい。例えば、チケットCKはゲーム機3で付与され、ゲーム機3において管理されてもよい。この場合、付与サービスはチケットCKの付与結果、或いは使用結果をユーザ端末4(オンラインゲーム)に共有する手順を含み、アーケードシステム20はゲーム機3とユーザ端末4との間に介在して(オンラインシステム10等、適宜に他のシステムが更に介在してもよい)、その付与結果等の共有を通じて付与サービスを提供してもよい。つまり、アーケードシステム20は、チケットCKの付与を間接的に実現するように、付与サービスにおける一部の手順(例えば付与結果の共有)を担うことにより付与サービスを提供してよい。
【0105】
許可サービスについても付与サービスと同様である。許可サービスは、チケットCKの使用許可、及びそれに伴う特典の付与以外にも各種の手順を含んでいてよく、アーケードシステム20、或いはオンラインシステム10はその全部、或いは適宜の一部の提供を通じて許可サービスを提供してよい。このため、アーケードシステム20、或いはオンラインシステム10によって直接的にチケットCKの使用許可、及びそれに伴う特典の付与が実行されてもよい。あるいは、アーケードシステム20、或いはオンラインシステム10は、ゲーム機3とユーザ端末4との間において一方での許可を他方に共有する(例えばアーケードシステム20であれば、ゲーム機3でのチケットCKの消費を反映したプレイデータPDをユーザ端末4にオンラインシステム10を介して共有する)ことにより、許可サービスを提供してもよい。
【0106】
また、上述の形態では、アーケードシステム20が図9図11の処理を、オンラインシステム10が図12の処理を、それぞれ実行している。結果として、アーケードシステム20、及びオンラインシステム10の組合せ、或いはそれらを構成するサーバユニット2を含むサーバSVが本発明のゲームシステムとして機能する。しかし、本発明は、このような形態に限定されない。例えば、図9図11の処理の全部或いは一部をオンラインシステム10、或いはゲーム機3といった他のシステムが適宜に実行してもよい。図12の処理についても同様である。例えば、アーケードシステム20がオンラインシステム10の役割の全部を担う場合、アーケードシステム20単体(複数のサーバユニット2によって構築される場合を含む)、或いはそれを含むサーバSVが本発明のゲームシステムとして機能してもよい。ゲーム機等の他のシステムがアーケードシステム20、及びオンラインシステム10の全部の役割を担う場合も同様である。一方、アーケードシステム20の役割、及びオンラインシステム10の役割が各種のシステムに分担される場合、それらのシステムの組合せが本発明のゲームシステムとして機能してよい。
【0107】
上述した実施の形態及び変形例のそれぞれから導き出される本発明の各種の態様を以下に記載する。なお、以下の説明では、本発明の各態様の理解を容易にするために添付図面に図示された対応する部材を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【0108】
本発明のゲームシステムは、所定の施設(6)において第1ゲームを提供するための第1システム(3)、及び第2ゲームを提供するためのシステムとして前記第1システムとは別に用意される第2システム(4)の両システムにネットワーク(NT)を介して接続され、当該両システムを介して当該両システムの各ユーザ(U)に所定のサービスを提供するゲームシステム(1)であって、前記第1ゲーム、及び前記第2ゲームに用途が限定された特別な権利(CK)が前記第1システムにおいて使用された場合に、前記特別な権利の使用可否を管理するための権利情報(PD)に基づいて前記第1ゲームへの前記特別な権利の使用を許可する第1許可サービスを提供する第1許可手段(24)と、前記特別な権利が前記第2システムにおいて使用された場合に、前記権利情報に基づいて前記第2ゲームへの前記特別な権利の使用を許可する第2許可サービスを提供する第2許可手段(14)と、を備える、ものである。
【0109】
本発明によれば、特別な権利が第1システムにおいて使用された場合には第1許可サービスを介して第1ゲームでの使用が許可され、第2システムにおいて使用された場合には第2許可サービスを介して第2ゲームでの使用が許可される。つまり、特別な権利の使用が、第1許可サービス、及び第2許可サービスを介して第1システム、及び第2システムの両方で許可される。これにより、特別な権利を第1システム、及び第2システムという別々の二つのシステムで共用させることができる。このため、例えば第1システムのユーザを第2システムに誘導したり、その反対の誘導を実現したりすることができる。結果として、第1システム及び第2システムのうちの一のシステムが提供するゲームのプレイをそれとは別の他のシステムを介して促進することができる。もちろん、第1システムのユーザによる第1ゲームの利用、或いは第2システムのユーザによる第2ゲームの利用といった自己のユーザ層に対する利用促進効果も期待できる。いずれにしても特別な権利を利用して第1ゲーム、或いは第2ゲームといったゲームのプレイを促進することができる。また、第1システム及び第2システムのいずれか一方でしか使用できない場合に比べて特別な権利の魅力(価値)を向上させることができるので、魅力の高い特別な権利を利用して施設への第1システムの導入を促進できる可能性もある。なお、第1ゲームと第2ゲームとは互いに関連するゲームであることが好ましいが、関連していなくてもよい。
【0110】
特別な権利は各ユーザに適宜に付与されてよく、例えば所定の施設等において人手で付与(配布)されてもよい。この場合、特別な権利は紙等の物理的な媒体を介して付与されてもよい。あるいは、特別な権利は、第1システム、第2システム、ゲームシステム等の各種のシステム(単体の適宜の装置を含む)を介して付与されてもよい。この場合、特別な権利は電子的に付与されてよい。例えば、本発明のゲームシステムの一態様として、所定の付与条件を満たしたユーザとしての付与ユーザに前記特別な権利を付与する権利付与サービスを提供する権利付与手段(24)を備える態様が採用されてもよい。
【0111】
権利付与サービスが提供される場合、付与条件は適宜に満たされてよい。例えば、第1ゲームのプレイ等、第1システムに関連して満たされてもよいし、第2ゲームのプレイ等、第2システムに関連して満たされてもよい。また、その他のシステムがゲームシステムに接続される場合、その他のシステムが提供するサービスの利用等、その他のシステムに関連して満たされてもよい。その他のシステムは各種のサービスを提供してよく、第1ゲーム等の第1システムに関連するサービスを提供しても、第2ゲーム等の第2システムに関連するサービスを提供してもよい。例えば、所定の施設が会員を募集している場合、会員登録を行うための登録用システム、及び会員登録サービスが、その他のシステム、及びその他のシステムが提供するサービスとしてそれぞれ機能してもよい。そして、会員登録サービスを介して会員登録を行ったユーザに特別な権利が付与されてもよい。つまり、例えば、登録用システムの会員登録サービスを介して会員登録したユーザによって付与条件が満たされてもよい。また、登録用システムはユーザによって直接使用されても、例えば施設に配置されてその運営者等によって間接的に使用されてもよい。つまり、会員登録はユーザによって実行されても、施設の運営者等によって実行されてもよい。このため、会員用システムとしてユーザ端末が機能しても、施設に設置される適宜のコンピュータ装置が機能してもよい。具体的には、例えば、本発明のゲームシステムの一態様において、前記付与条件は、前記第1ゲーム、前記第2ゲーム、及びネットワーク(NT)を介して接続される補助サービス端末(4)が前記第1ゲームを補助するように提供する補助サービスの少なくともいずれか一つとしての対象サービスにおいて満たされてもよい。
【0112】
権利付与サービスは各種の手順(サービスを含む)を含んでいてよい。そして、権利付与手段は、その各種の手順の全部、或いは適宜の一部の提供を通じて権利付与サービスを提供してよい。例えば、特別な権利は第1システム、及び第2システムにおいて個別に管理されてもよい。この場合、特別な権利は第1システム或いは第2システムで付与されても、権利付与手段によって直接的に付与されてもよい。特別な権利が第1システム或いは第2システムで付与される場合、その付与結果、或いは使用結果は適宜に第1システム或いは第2システムに共有されてよい。この場合、権利付与サービスは付与結果等を共有する手順を含み、権利付与手段は第1システムと第2システムとの間に介在して、付与結果等の共有を通じて権利付与サービスを提供してもよい。つまり、権利付与手段は、特別な権利の付与を間接的に実現するように、権利付与サービスにおける一部の手順(例えば付与結果の共有)を担うことにより権利サービスを提供してよい。
【0113】
また、特別な権利の付与、及び他のシステム(第1システムで付与された場合の第2システム、或いはその反対)との共有は、ユーザとその権利とを関連付ける権利管理用の適宜のデータを介して実現されてもよい。この場合、権利付与サービスは権利管理用のデータを生成する手順、及びそのデータをシステム間で共用する手順を含んでいてよい。そして、権利付与手段は、そのデータの生成を通じて直接的に権利を付与するように権利付与サービスを提供しても、そのデータのシステム間の共用を通じて権利の付与に介在するように権利付与サービスを提供してもよい。
【0114】
同様に、第1許可サービス、及び第2許可サービス(以下、まとめて許可サービスと呼ぶ場合がある)は、各種の手順(サービスを含む)を含んでいてよい。そして、第1許可手段、或いは第2許可手段(以下、まとめて許可手段と呼ぶ場合がある)は、その各種の手順の全部、或いは適宜の一部の提供を通じて許可サービスを提供してよい。例えば、特別な権利の使用許可は、第1システム或いは第2システムで実行されても、許可手段によって直接的に実行されてもよい。使用許可が第1システム或いは第2システムで実行される場合、特別な権利の有無、或いは使用の可否を判別するための適宜の情報が他のシステムと共用されてよい。この場合、許可サービスは特別な権利の有無等の情報を共有する手順を含み、許可手段は第1システムと第2システムとの間に介在して、その情報の共有を通じて許可サービスを提供してもよい。つまり、許可手段は、使用許可を間接的に実現するように、許可サービスにおける一部の手順(例えば権利の有無等の情報の共有)を担うことにより許可サービスを提供してよい。
【0115】
具体的には、例えば、権利付与サービスを提供する態様において、前記権利付与サービスは、前記付与ユーザを識別するユーザ識別情報と前記特別な権利とを関連付ける権利データ(PD)の生成を含んでいてよい。また、この態様において、前記権利データは、前記第1許可サービス、及び前記第2許可サービスにおいて前記権利情報として利用され、前記第1許可手段、及び前記第2許可手段の少なくともいずれか一方は、前記特別な権利を使用可能な場合に当該特別な権利の使用が前記第1システム、若しくは前記第2システムにおいて許可されるように前記第1システム、若しくは前記第2システムに前記権利データを送信することにより、前記第1許可サービス、若しくは前記第2許可サービスを提供してもよい。
【0116】
付与条件、第1システム、或いは第2システムといった特別な権利を付与するためのシステムに複数のシステムが存在する場合の付与条件の対象(特別な権利が付与されるシステム)、或いは特別な権利を使用可能な使用対象といった特別な権利の付与に関する設定は固定的であっても可変的であってもよい。可変的な場合、その設定は適宜の設定者によって実行されてよく、施設の運営者によって実行されても、その他の利害関係者によって実行されてもよい。また、特別な権利の付与に関する設定はゲームシステムに接続される適宜の装置を介して実行されてよく、例えば施設に設置されるパーソナルコンピュータ等を通じて施設の運営者によって実行されてもよい。具体的には、例えば、本発明のゲームシステムの一態様において、前記対象サービスにおける前記特別な権利に関する設定を実行する設定機会を、ネットワーク(NT)を介して接続される所定の設定装置(5)に付与する設定サービスを提供する設定提供手段(23)を備え、前記対象サービスは、前記設定機会における設定結果に従って提供されてもよい。
【0117】
特別な権利の付与に関する設定は、各種の設定を適宜に含んでいてよい。例えば、この設定は、付与条件の設定、付与条件の対象の設定、使用対象の設定、或いは特別な権利の行使に伴う特典の設定といった設定を含んでいてよい。具体的には、例えば、設定装置を介して設定機会を提供する本発明の一態様において、前記設定機会は、前記第1システム及び前記第2システムの少なくともいずれか一方が複数のシステムを含む場合の前記付与条件の対象となるシステムを特定するための付与対象情報の設定、前記特別な権利の対象となるシステムを特定するための権利対象情報の設定、並びに前記付与条件の設定の少なくともいずれか一つに関する設定を含んでいてもよい。
【0118】
また、権利付与サービスが提供される場合において特別な権利の付与は通知されても通知されなくてもよい。通知される場合、その通知は適宜に実行されてよい。例えば、権利付与サービスを提供する本発明の一態様において、前記権利付与手段は、前記権利付与サービスを介して前記特別な権利が付与された場合に当該特別な権利の付与が前記第1システム、及び前記第2システムの少なくともいずれか一方を介して通知されるように、当該一方に前記特別な権利の付与結果を提供してもよい。
【0119】
特別な権利の使用は適宜に制限されてよい。例えば、特別な権利の使用は、期間、対象、或いは場所といった各種の要素にて制限されてよい。例えば、特別な権利の使用は、その権利が施設で付与される場合におけるその施設、或いはその施設が系列施設(資本関係にある複数の施設)の一つである場合の系列施設といった特定の場所に制限されてもよい。また、使用対象に複数のシステム、或いは複数種類のゲーム(各システムが一種類のゲームしか提供しない場合は各システムと判断されてよい)といった複数の要素が含まれている場合、特別な権利の使用はそれらの一部に制限されてもよい。
【0120】
具体的には、例えば、本発明のゲームシステムの一態様において、前記所定の施設は、複数の施設(6)を含み、前記権利情報は、前記特別な権利と前記複数の施設のうち一部の施設(6)を特定するための施設情報とを関連付ける施設データ(PD)を含み、前記第1許可サービスは、前記施設データに基づいて前記特別な権利の使用許可が前記一部の施設に制限されるように提供されてもよい。また、この態様において、前記一部の施設は、前記特別な権利が前記所定の施設において付与される場合の当該特別な権利が付与された施設(6)を含んでいてよい。この場合、特別な権利をその権利が付与された施設における第1システムの利用促進に活用することができる。
【0121】
同様に、本発明のゲームシステムの一態様において、前記第1ゲーム、及び前記第2ゲームの少なくともいずれか一方は、種類の異なる複数のゲームを含み、前記権利情報は、前記特別な権利と前記複数のゲームのうち一部のゲームを特定するためのゲーム種類情報とを関連付けるゲーム種類データ(PD)を含み、前記第1許可サービス、及び前記第2許可サービスの少なくともいずれか一方は、前記ゲーム種類データに基づいて前記特別な権利の使用許可が前記一部のゲームに制限されるように提供されてもよい。この場合、特別な権利を利用して、一部のゲームの利用を促進することができる。
【0122】
特別な権利の使用が制限される場合、その制限は適宜に実現されてよい。例えば、特別な権利の使用は、第1システム、或いは第2システムによって実行されてもよいし、許可手段等を介してゲームシステムによって実行されてもよい。特別な権利の使用の制限が第1システム、或いは第2システムで実行される場合、その制限においてゲームシステムは適宜の役割を担ってよい。例えば、ゲームシステムは、第1システムと第2システムとの間に介在して特別な権利を制限するために必要な情報を他のシステムと共有する役割を担ってもよい。
【0123】
具体的には、例えば、特別な権利が施設データに基づいて制限される態様において、前記第1許可手段は、前記一部の施設への制限が前記第1システムにおいて実行されるように、前記第1許可サービスの少なくとも一部として前記施設データを前記第1システムに送信してもよい。あるいは、特別な権利が施設データに基づいて制限される態様において、前記第1許可手段、及び前記第2許可手段の少なくともいずれか一方は、前記一部のゲームへの制限が前記第1システム、若しくは前記第2システムにおいて実行されるように、前記第1許可サービスの少なくとも一部、若しくは前記第2許可サービスの少なくとも一部として前記ゲーム種類データを前記第1システム、若しくは前記第2システムに送信してもよい。
【0124】
第1システム、及び第2システムは適宜に構成されてよい。例えば、第1システムは、第1ゲームを提供するゲーム機(例えば、アーケードゲーム機)、及びその他の適宜の装置を含むシステムであってもよい。あるいは、ゲーム機の単体が第1システムとして機能してもよい。同様に、第2システムは、第2ゲームを提供するゲーム機、及びの他の適宜の装置を含むシステムであってもよい。あるいは、ゲーム機の単体が第2システムとして機能してもよい。ただし、第2システムのゲーム機は、第1システムのゲーム機とは種類の異なるユーザ端末等のコンピュータ装置(動作するオペレーションシステム等や機能の相違するプラットフォーム)であることが好ましい。具体的には、例えば、本発明のゲームシステムの一態様において、前記第1システムは、前記所定の施設に設置され、前記第1ゲームを提供するゲーム機(3)を含み、前記第2システムは、各ユーザのユーザ端末(4)を含んでいてよい。
【0125】
第1ゲーム、及び第2ゲームとして各種のゲームが適宜に提供されてよい。例えば、アクションゲーム、シミュレーションゲーム、或いはロールプレイングゲームといった各種のビデオゲームが第1ゲーム、或いは第2ゲームとして提供されてよい。あるいは、クレーン装置を利用したクレーンゲームに代表される各種のプライズゲーム(景品獲得ゲーム)が第1ゲームとして提供されてもよい。このため、第1システムがゲーム機を含む場合、そのゲーム機は、クレーンゲーム等の各種のプライズゲームを提供する適宜のプライズゲーム機として構成されてよい。同様に、第2ゲームは、ネットワークを介して遠隔地のプライズゲーム機を操作するオンラインプライズゲームとして提供されてもよい。第1ゲーム、及び第2ゲームは同種のゲームであっても、別種のゲームであってもよい。また、互いに関連するゲームであっても、関連しないゲームであってもよい。
【0126】
例えば、第1システムがゲーム機を含み、第2システムがユーザ端末を含む本発明の一態様において、前記ゲーム機は、物理的な遊技体(PS)を収容する収容部において当該遊技体の位置を変化させる動作手段(CL)を、入力装置(IP)を介して入力されるプレイ行為に応じて動作させるタイプのプライズゲーム機(3B、3C)として構成され、前記動作手段の動作を介して前記遊技体が所定位置まで移動した場合にユーザに景品を付与するプライズゲームを前記第1ゲームとして提供し、前記ユーザ端末は、前記ゲーム機とは別のプライズゲーム機(3B、3C)にネットワーク(NT)を介して接続され、プレイ行為を入力する入力装置(TS)を含み、当該プレイ行為に応じて前記別のプライズゲーム機に設けられる動作手段(CL)を動作させるとともに、当該動作手段を介して遊技体が所定位置まで移動した場合にユーザに景品を付与するオンラインプライズゲームを前記第2ゲームとして提供してもよい。
【0127】
本発明のコンピュータプログラム(PG)は、前記第1システム、及び前記第2システムにネットワークを介して接続されるコンピュータ(SVC)を、上述のゲームシステムの各手段として機能させるように構成された、ものである。
【0128】
本発明の制御方法は、所定の施設(6)において第1ゲームを提供するための第1システム(3)、及び第2ゲームを提供するためのシステムとして前記第1システムとは別に用意される第2システム(4)の両システムにネットワーク(NT)を介して接続され、当該両システムを介して当該両システムの各ユーザ(U)に所定のサービスを提供するゲームシステム(1)に組み込まれるコンピュータ(SVC)に、前記第1ゲーム、及び前記第2ゲームに用途が限定された特別な権利(CK)が前記第1システムにおいて使用された場合に、前記特別な権利の使用可否を管理するための権利情報(PD)に基づいて前記第1ゲームへの前記特別な権利の使用を許可する第1許可サービスを提供する第1許可手順と、前記特別な権利が前記第2システムにおいて使用された場合に、前記権利情報に基づいて前記第2ゲームへの前記特別な権利の使用を許可する第2許可サービスを提供する第2許可手順と、を実行させる、ものである。本発明のコンピュータプログラム、或いは制御方法が実行されることにより、本発明のゲームシステムを実現することができる。
【符号の説明】
【0129】
1 ゲームシステム
3 ゲーム機(第1システム)
4 ユーザ端末(第2システム)
5 設定装置
6 店舗(施設)
14 権利管理部(第2許可手段)
23 設定管理部(設定提供手段)
24 権利管理部(第1許可手段、権利付与手段)
3B 第1プライズゲーム機(プライズゲーム機、別のプライズゲーム機)
U ユーザ
CK チケット(特別な権利)
PD プレイデータ(権利情報、権利データ、施設データ、ゲーム種類データ)
PG コンピュータプログラム
NT ネットワーク
SVC 制御部(コンピュータ)
図1
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図12