(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024115649
(43)【公開日】2024-08-27
(54)【発明の名称】コイル部品、回路モジュール、及び電子機器
(51)【国際特許分類】
H01F 27/29 20060101AFI20240820BHJP
【FI】
H01F27/29 123
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023021390
(22)【出願日】2023-02-15
(71)【出願人】
【識別番号】000204284
【氏名又は名称】太陽誘電株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126572
【弁理士】
【氏名又は名称】村越 智史
(72)【発明者】
【氏名】鹿野 義美
(72)【発明者】
【氏名】加納 幸司
【テーマコード(参考)】
5E070
【Fターム(参考)】
5E070AA01
5E070AB10
5E070EA01
5E070EB04
(57)【要約】 (修正有)
【課題】同型のコイル部品同士の密着を抑制する。
【解決手段】コイル部品1は、基体と、基体に設けられたコイル導体25と、第1外部電極21と、第2外部電極22と、を備える。基体は、第1方向及びこの第1方向に直交する第2方向に延びている第1面10aを有する。第1面の第1方向Lにおける第1寸法は、第1面の第2方向Wにおける第2寸法よりも大きい。第1外部電極21は、コイル導体25の一端に接続され、第2外部電極22は、コイル導体25の他端に接続される。第1外部電極21は、基体の第1面10aに設けられる。第2外部電極22は、基体の第1面10aに、第1方向において第1外部電極から離間して設けられる。第1外部電極21には、第1突起31bが設けられている。第1方向における第1突起31bと第2外部電極22との間隔は、第1面の第2寸法よりも小さい。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向及び前記第1方向に直交する第2方向に延びており前記第1方向における第1寸法が前記第2方向における第2寸法よりも大きい第1面を有する基体と、
前記基体に設けられたコイル導体と、
前記コイル導体の一端に接続され、前記基体の前記第1面に設けられた第1外部電極と、
前記コイル導体の他端に接続され、前記基体の前記第1面に、前記第1方向において前記第1外部電極から離間して設けられた第2外部電極と、
前記第1外部電極に、前記第1方向における前記第2外部電極との間隔が前記第2寸法よりも小さくなるように設けられた第1突起と、
を備えるコイル部品。
【請求項2】
前記基体は、前記第1面に対向する第2面を有し、
前記第1方向における前記第1突起と前記第2外部電極との間隔は、前記第1面と前記第2面との間隔よりも小さい、
請求項1に記載のコイル部品。
【請求項3】
前記第2外部電極に、前記第1方向における前記第1外部電極との間隔が前記第2寸法よりも小さくなるように設けられた第2突起をさらに備える、
請求項1に記載のコイル部品。
【請求項4】
前記基体は、前記第1面に対向する第2面を有し、
前記第1方向における前記第2突起と前記第1外部電極との間隔は、前記第1面と前記第2面との間隔よりも小さい、
請求項3に記載のコイル部品。
【請求項5】
前記第1方向における前記第1突起と前記第2突起との間隔は、前記第2寸法よりも小さい、
請求項3に記載のコイル部品。
【請求項6】
前記第1方向における前記第1突起と前記第2突起との間隔は、前記第1面と前記第2面との間隔よりも小さい、
請求項5に記載のコイル部品。
【請求項7】
前記基体は、前記第1面に対向する第2面を有し、
前記第1外部電極は、前記第1面及び前記第2面において前記基体に接しており、
前記第1突起は、前記第1外部電極のうち前記第1面と対向する部位に設けられ、
前記第1外部電極の前記第2面と対向する部位に、前記第1方向における前記第2外部電極との間隔が前記第2寸法よりも小さくなるように第3突起が設けられている、
請求項1に記載のコイル部品。
【請求項8】
前記第1方向における前記第3突起と前記第2外部電極との間隔は、前記第1面と前記第2面との間隔よりも小さい、
請求項7に記載のコイル部品。
【請求項9】
前記第2外部電極は、前記第1面及び前記第2面において前記基体に接しており、
前記第2突起は、前記第2外部電極のうち前記第1面と対向する部位に設けられ、
前記第2外部電極の前記第2面と対向する部位に、前記第1方向における前記第1外部電極との間隔が前記第2寸法よりも小さくなるように第4突起が設けられている、
請求項6に記載のコイル部品。
【請求項10】
前記第1方向における前記第4突起と前記第1外部電極との間隔は、前記第1面と前記第2面との間隔よりも小さい、
請求項9に記載のコイル部品。
【請求項11】
前記第1方向における前記第3突起と前記第4突起との間隔は、前記第2寸法よりも小さい、
請求項10に記載のコイル部品。
【請求項12】
前記第1方向における前記第3突起と前記第4突起との間隔は、前記第1面と前記第2面との間隔よりも小さい、
請求項11に記載のコイル部品。
【請求項13】
前記第1面は、前記第1外部電極と前記第2外部電極との間に第1凹部を有する、
請求項1に記載のコイル部品。
【請求項14】
前記第2面は、前記第1外部電極と前記第2外部電極との間に第2凹部を有する、
請求項7に記載のコイル部品。
【請求項15】
請求項1に記載のコイル部品を備える回路モジュール。
【請求項16】
請求項15に記載の回路モジュールを含む、電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書の開示は、コイル部品、コイル部品を備える回路モジュール、及び回路モジュールを備える電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
コイル部品は、電子回路において用いられる受動素子であり、例えば、電源ラインや信号ラインにおいてノイズを除去するために用いられる。
【0003】
電子機器に搭載される電子回路の微細化に応じて、電子回路に搭載されるコイル部品の小型化が望まれている。小型化されたコイル部品は、例えば、特開2014-192487公報(特許文献1)に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
小型化されたコイル部品は、その小型化の程度に応じて重量も小さくなる。このため、帯電したコイル部品は、静電気により、他のコイル部品と密着しやすくなる。コイル部品同士が密着すると、実装時や運搬時のハンドリングに支障を来すおそれがある。
【0006】
コイル部品の小型化は、基体の表面から突出する外部電極を薄肉化することによって実現されることがある。また、特許文献1に記載されているように、外部電極が基体の表面から突出しないように構成されることもある。コイル部品の小型化のために外部電極のうち基体から突出する部位が薄くなると、コイル部品間の隙間が小さくなるので、コイル部品同士の密着がより起こりやすくなってしまう。
【0007】
コイル部品の実装時や運搬時には、多数の同型のコイル部品を一度に取り扱うので、同型のコイル部品同士の密着の抑制が特に望まれる。
【0008】
本明細書において開示される発明の目的は、上述した問題の少なくとも一部を解決または緩和することである。本明細書において開示される発明のより具体的な目的の一つは、コイル部品同士の密着を抑制することである。本明細書において開示される発明のより具体的な目的の一つは、同型の別のコイル部品との密着を抑制できるコイル部品を提供することである。本明細書において開示される発明のより具体的な目的の一つは、回路モジュールに実装された際の高さ寸法を大型化することなく、同型の別のコイル部品との密着を抑制できるコイル部品を提供することである。本明細書において開示される様々な発明は、「本発明」と総称することがある。
【0009】
本発明の前記以外の目的は、明細書全体の記載を通じて明らかにされる。本明細書に開示される発明は、「発明を解決しようとする課題」の欄の記載以外から把握される課題を解決するものであってもよい。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一実施形態に係るコイル部品は、基体と、基体に設けられたコイル導体と、第1外部電極と、第2外部電極と、を備える。一態様において、基体は、第1面を有する。この第1面は、第1方向及びこの第1方向に直交する第2方向に延びている。基体の第1方向における第1寸法は、基体の第2方向における第2寸法よりも大きい。第1外部電極は、コイル導体の一端に接続され、第2外部電極は、コイル導体の他端に接続される。第1外部電極は、基体の第1面に設けられる。第2外部電極は、基体の第1面に、第1方向において第1外部電極から離間して設けられる。一態様において、第1外部電極には、第1突起が設けられている。第1方向における第1突起と第2外部電極との間隔は、第1面の第2寸法よりも小さい。
【発明の効果】
【0011】
本明細書に開示されている発明の一実施形態によれば、他の部材と密着しにくいコイル部品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の一実施形態に係るコイル部品を模式的に示す斜視図である。
【
図2】
図1のコイル部品をI-I線で切断した断面を模式的に示す断面図である。
【
図4】
図2に示されているコイル部品の断面の一部を拡大して示す拡大断面図である。
【
図5】別のコイル部品と接触している本発明の一実施形態に係るコイル部品を模式的に示す図である。
【
図6】別のコイル部品と接触している本発明の一実施形態に係るコイル部品を模式的に示す図である。
【
図7】別のコイル部品と接触している本発明の一実施形態に係るコイル部品を模式的に示す図である。
【
図8】別のコイル部品と接触している本発明の一実施形態に係るコイル部品を模式的に示す図である。
【
図9】別のコイル部品と接触している従来のコイル部品を模式的に示す断面図である。
【
図10】本発明の別の実施形態に係るコイル部品の断面を模式的に示す断面図である。
【
図11】本発明の別の実施形態に係るコイル部品の断面を模式的に示す断面図である。
【
図14】本発明の別の実施形態に係るコイル部品の断面を模式的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、適宜図面を参照し、本発明の様々な実施形態を説明する。複数の図面において共通する構成要素には当該複数の図面を通じて同一又は類似の参照符号が付されている。各図面は、説明の便宜上、必ずしも正確な縮尺で記載されているとは限らない点に留意されたい。以下で説明される実施形態は、必ずしも特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。以下の実施形態で説明されている諸要素が発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0014】
各図には、説明の便宜のため、互いに直交するL軸、W軸、及びT軸が記載されていることがある。本明細書において、コイル部品1の各構成部材の寸法、配置、形状、及びこれら以外の特徴は、L軸、W軸、及びT軸を基準に説明されることがある。
【0015】
1 第1実施形態
1-1 コイル部品1の基本構造
図1及び
図2を参照して、第1実施形態に係るコイル部品1の基本構造について説明する。
図1は、第1実施形態に係るコイル部品1の斜視図である。
図2は、コイル部品1をI-I線で切断した断面を模式的に示す断面図である。
【0016】
コイル部品1は、インダクタ、トランス、フィルタ、リアクトル、インダクタアレイ、及びこれら以外の様々なコイル部品であってもよい。コイル部品1は、カップルドインダクタ、チョークコイル及びこれら以外の様々な磁気結合型コイル部品であってもよい。コイル部品1は、例えば、DC/DCコンバータに用いられるインダクタであってもよい。コイル部品1の用途は、本明細書で明示されるものには限定されない。
【0017】
コイル部品1は、絶縁性の基体10と、基体10内に設けられたコイル導体25と、第1外部電極21と、第2外部電極22と、を備える。
【0018】
コイル部品1は、実装基板2aに実装され得る。実装基板2aには、ランド部3a、3bが設けられている。コイル部品1は、第1外部電極21とランド部3aとを接合し、また、第2外部電極22とランド部3bとを接続することで、実装基板2aに実装される。第1外部電極21は、はんだ4aによりランド部3aと接合される。第2外部電極22は、はんだ4bによりランド部3bと接合される。
【0019】
本発明の一実施形態による回路モジュール2は、コイル部品1と、このコイル部品1が実装される実装基板2aと、を備える。回路モジュール2は、様々な電子機器に搭載され得る。回路モジュール2を回路モジュールと呼ぶこともある。回路モジュール2が搭載され得る電子機器には、スマートフォン、タブレット、ゲームコンソール、自動車の電装品、サーバ及びこれら以外の様々な電子機器が含まれる。
【0020】
コイル部品1の外表面のうち、実装時に、実装基板2aと対向する面を実装面1aと呼ぶ。コイル部品1は、実装面1aが実装基板2aと対向する姿勢で、実装基板2aへ実装される。実装面1aには、第1外部電極21及び第2外部電極22が設けられている。
【0021】
1-2 基体10の基本構造
基体10は、絶縁性に優れた絶縁材料から作製される。基体10は、磁性材料から作成されてもよい。基体10用の磁性材料として、軟磁性合金材料、樹脂に磁性粒子を分散させた複合磁性材料、フェライト材料、またはこれら以外の任意の公知の磁性材料を用いることができる。
【0022】
基体10は、互いに結合した複数の金属磁性粒子から構成されていてもよい。基体10において、金属磁性粒子同士は、製造工程で金属磁性粒子に含有される元素が酸化して形成される酸化膜によって結合されてもよい。基体10は、金属磁性粒子に加えて結合材を含んでいてもよい。基体10が結合材を含む場合には、金属磁性粒子同士は結合材により互いに結合される。
【0023】
基体10は、第1主面10a、第2主面10b、第1端面10c、第2端面10d、第1側面10e、及び第2側面10fを有する。第1主面10a及び第2主面10bは、L軸及びW軸に沿って(つまり、LW面に沿って)延びている。第1端面10c及び第2端面10dは、W軸及びT軸に沿って(つまり、TW面に沿って)延びている。第1側面10e及び第2側面10fは、L軸及びT軸に沿って(つまり、LT面に沿って)延びている。
【0024】
図1に示されているように、第1主面10aは基体10の下側にあるため、第1主面10aを「下面」と呼ぶことがある。同様に、第2主面10bを「上面」と呼ぶことがある。第1主面10aは、特許請求の範囲における「第1面」の例である。よって、第1主面10aを「第1面10a」と呼ぶことがある。第2主面10bは、特許請求の範囲における「第2面」の例である。よって、第2主面10bを「第2面10b」と呼ぶことがある。
【0025】
第1端面10c、第2端面10d、第1側面10e、及び第2側面10fはいずれも、第1面10a及び第2面10bに接続されている。
図2に示されているように、第1面10aと第1端面10cとは、湾曲部を介して接続されてもよい。同様に、第1面10aと第2端面10dとは、湾曲部を介して接続されてもよい。また、第1端面10cは、第1側面10eと第2側面10fとを接続している。第2端面10dも、第1側面10eと第2側面10fとを接続している。
【0026】
第1面10a及び第2面10bはそれぞれ基体10の高さ方向両端の面を成し、第1端面10c及び第2端面10dはそれぞれ基体10の長さ方向両端の面を成し、第1側面10e及び第2側面10fはそれぞれ基体10の幅方向両端の面を成している。
【0027】
1-3 第1外部電極21及び第2外部電極22
図示の実施形態において、基体10の第1面10aには、第1外部電極21及び第2外部電極22が設けられている。
図2に示されている態様において、第1外部電極21は、第1面10aから、第1面10aと第1端面10cとの間にある湾曲部まで延伸している。同様に、第2外部電極22は、第1面10aから、第1面10aと第2端面10dとの間にある湾曲部まで延伸している。第1外部電極21及び第2外部電極22は、第1面10aのみにおいて基体10に接しており、基体10の第1面10a以外の面には接していない。言い換えると、第1外部電極21及び第2外部電極22はいずれも、第2面10b、第1端面10c、第2端面10d、第1側面10e、及び第2側面10fのいずれからも離間している。
【0028】
第1外部電極21及び第2外部電極22は、第1面10aの一部に導電性ペーストを塗布することで下地電極層を形成し、この下地電極の表面にめっき層を形成することにより形成されてもよい。
【0029】
第1外部電極21は、L軸方向において、第2外部電極22から離間するように配置されている。第1外部電極21と第2外部電極22とはL軸方向において対向している。第1外部電極21は、その内側端21aが、第2外部電極22の内側端22aとL軸方向において対向するように配置されている。
【0030】
図示されているように、一態様における第1外部電極21は、平坦部31aと、第1突起31bと、を有してもよい。平坦部31aは、基体10の第1面10aに沿って延びている。第1突起31bは、平坦部31aから下方(T軸のマイナス方向)に向かって突出している。また、一態様における第2外部電極22は、平坦部32aと、第2突起32bと、を有している。平坦部32aは、基体10の第1面10aに沿って延びている。第2突起32bは、平坦部32aから下方(T軸のマイナス方向)に向かって突出している。第1突起31b及び第2突起32bについては、追って詳細に説明する。
【0031】
1-4 コイル導体25
図2を参照して、基体10の内部に設けられているコイル導体25について説明する。
図2に示されているように、コイル導体25は、コイル部品1の高さ方向(T軸方向)に沿って延びるコイル軸Axの周りに巻回されている周回部25Aと、周回部25Aの一端から基体10の第1面10aまで延伸する引出部25Bと、周回部25Aの他端から基体10の第1面10aまで延伸する引出部25Cと、を有する。
図2に示されているように、コイル導体25は、引出部25Bの端面と引出部25Cの端面のみが基体10から露出する。コイル導体25の端面以外の部位は、基体10内に埋め込まれている。
【0032】
周回部25Aは、複数の導体パターンC11~C16を有している。複数の導体パターンC11~C16は、コイル軸Axに直交する平面方向に沿って延びると共に、コイル軸Axの方向において互いに離間している。導体パターンC11~C16の各々は、隣接する導体パターンと不図示のビアを介して電気的に接続されている。このように、コイル導体25の周回部25Aは、導体パターンC11~C16及びビアによって構成されている。導体パターンC11は、引出部25Cを介して第2外部電極22と電気的に接続され、導体パターンC16は引出部25Bを介して第1外部電極21と電気的に接続される。
【0033】
一態様において、第1外部電極21及び第2外部電極22はそれぞれ、基体10の第1面10aに、電解めっき法又は無電解めっき法により形成されるめっき層を含んでもよい。第1外部電極21及び第2外部電極22はそれぞれ、2層以上のめっき層を含んでもよい。例えば、第1外部電極21及び第2外部電極22はそれぞれ、基体10の第1面10aに形成されたNiめっき層と、Niめっき層の表面に形成されたSnめっき層と、を有してもよい。第1外部電極21に含まれるめっき層は、引出部25Bの端面に直接接続されてもよいし、第1外部電極21に含まれる下地電極層を介して接続されてもよい。同様に、第2外部電極22に含まれるめっき層は、引出部25Cの端面に直接接続されてもよいし、第2外部電極22に含まれる下地電極層を介して接続されてもよい。
【0034】
1-5 基体10の寸法
図3をさらに参照して、基体10の寸法について説明する。
図3は、コイル部品1の底面図である。
【0035】
図2及び
図3に示されているように、L軸に沿った基体10の寸法は、L1である。L軸に沿う方向を、コイル部品1の長さ方向ともいう。L軸に沿った基体10の寸法L1を、基体10の長さ寸法ともいう。基体10の第1端面10cと第2端面10dとの間は基体10の長さ寸法だけ離間している。本明細書においては、L軸に沿う方向を「第1方向」と呼び、基体10の長さ寸法を「第1寸法」と呼ぶことがある。
【0036】
図3に示されているように、W軸に沿った基体10の寸法は、W1である。W軸に沿う方向を、コイル部品1の幅方向ともいう。W軸に沿った基体10の寸法W1を、基体10の幅寸法ともいう。基体10の第1側面10eと第2側面10fとの間は基体10の幅寸法W1だけ離間している。本明細書においては、W軸に沿う方向を「第2方向」と呼び、基体10の幅寸法を「第2寸法」と呼ぶことがある。
【0037】
T軸に沿った基体10の寸法は、T1である。T軸に沿う方向を、コイル部品1の高さ方向ともいう。T軸に沿った基体10の寸法T1を、基体10の高さ寸法ともいう。基体10の第1面10aと第2面10bとの間は基体10の高さ寸法T1だけ離間している。本明細書においては、T軸に沿う方向を「第3方向」と呼び、基体10の厚さ寸法を「第3寸法」と呼ぶことがある。
【0038】
一態様において、基体10の長さ寸法L1は、幅寸法W1よりも大きい。一態様において、基体10の長さ寸法L1は、高さ寸法T1よりも大きい。基体10の幅寸法W1は、高さ寸法T1より大きくてもよく、高さ寸法T1と同一でもよく、また、高さ寸法T1より小さくてもよい。
【0039】
一態様において、基体10は、直方体形状に構成される。例えば、コイル部品1のL軸方向における寸法(長さ寸法)は、0.2mm~2.0mmの範囲にあり、W軸方向における寸法(幅寸法)は0.2mm~2.0mmの範囲にあり、T軸方向における寸法(高さ寸法)は0.2mm~2.0mmの範囲にある。一態様において、コイル部品1の長さ寸法は、幅寸法よりも大きくてもよい。本明細書において「直方体」または「直方体形状」という場合には、数学的に厳密な意味での「直方体」のみを意味するものではない。後述するように、基体10の角及び/または辺は、湾曲していてもよい。基体10の寸法及び形状は、本明細書で明示されるものには限定されない。
【0040】
1-6 第1突起31b及び第2突起32b
次に、
図4をさらに参照して、第1突起31b及び第2突起32bについてより詳細に説明する。上述したように、第1外部電極21には第1突起31bが設けられており、第2外部電極22には第2突起32bが設けられている。
【0041】
一態様において、第1突起31bは、底面視で引出部25Bに対応する位置に設けられる。一態様において、引出部25Bは、基体10の第1面10aから下方に向かって突出している。このため、第1外部電極21も引出部25Bに対応する位置において下方に突出し、この第1外部電極21のうち下方に突出する部位が第1突起31bを構成する。
【0042】
一態様において、第2突起32bは、底面視で引出部25Cに対応する位置に設けられる。一態様において、引出部25Cは、基体10の第1面10aから下方に向かって突出している。このため、第2外部電極22は、引出部25Cに対応する位置において下方に突出し、第2外部電極22のうち下方に突出する部位が第2突起32bを構成する。
【0043】
第1突起31bは、L軸方向又はW軸方向において引出部25Bからずれた位置に設けられてもよい。例えば、第1突起31bは、底面視において、引出部25Bと部分的に重複する位置に設けられてもよく、引出部25Bとは重複しない位置に設けられてもよい。同様に、第2突起32bは、L軸方向又はW軸方向において引出部25Cからずれた位置に設けられてもよい。第2突起32bは、底面視において、引出部25Cと部分的に重複する位置に設けられてもよく、引出部25Cとは重複しない位置に設けられてもよい。第1外部電極21及び第2外部電極22を形成する際に、第1面10aの一部の領域に他の領域よりも厚く下地電極用の導電性ペーストを塗布することで、下地電極が厚く形成された領域を第1突起31b及び第2突起32bとすることができる。これにより、引出部25Bからずれた位置に第1突起31bを形成することができ、引出部25Cからずれた位置に第2突起32bを形成することができる。
【0044】
以下では、主に
図4を参照して、平坦部31a及び第1突起31bについて説明を行うが、平坦部31aに関する説明は、平坦部32aにも当てはまり、第1突起31bに関する説明は、第2突起32bにも当てはまる。
【0045】
第1突起31bは、平坦部31aから下方に突出しているので、
図4に示されているように、第1突起31bの高さ寸法は、平坦部31aの高さ寸法よりも大きい。第1外部電極21の一部である平坦部31aと第1突起31bとは、以下のようにして区画することができる。
【0046】
まず、コイル部品1をLT面に沿って切断した断面において、第1面10aの引出部25Bよりも内側にある位置(引出部25Bよりも第1端面10cから遠位にある位置)に基準点P1を定め、この基準点P1からL軸に沿って第1端面10cに向かって所定の間隔で複数の測定点を定める。隣接する測定点間の間隔は、例えば10μmとすることができる。
【0047】
この基準点P1を含む各測定点において、第1面10aに沿って延びる基準面S1を基準とした第1外部電極21の下面の高さ寸法を測定する。第1外部電極21の高さ寸法の測定は、コイル部品1をLT面に沿って切断して断面を露出させ、当該断面を走査型電子顕微鏡(SEM)により所定の倍率(例えば、5000倍から10000倍の範囲の倍率)で撮影して得られるSEM像に基づいて実施することができる。このSEM像は、第1面10a及び第1外部電極21の断面の像を含む。具体的には、SEM像において、第1面10aを通る基準面S1、この基準面S1上にある基準点P1、及び基準点P1から所定間隔ずつ離間する各測定点を定め、その各測定点における基準面S1と第1外部電極21の下面との間隔を測定することで、各測定点における第1外部電極21の高さ寸法を得ることができる。
図4に示されている実施形態では、基準点P1から、10μm間隔で10個の測定点(測定点P1、P2、・・・P10)が設定されており、この10個の測定点の各々における第1外部電極21の高さ寸法がt11、t12、・・・t10と表されている。
【0048】
以上のようにして測定される第1外部電極21の高さ寸法に基づいて、L軸方向における平坦部31aと第1突起31bとの境界が定められる。例えば、隣接する測定点間での第1外部電極21の高さ寸法の増加率が閾値よりも大きい場合に、その閾値以上の増加が生じた測定点間に平坦部31aと第1突起31bとの一方の境界が存在すると判定することができる。また、隣接する測定点間での第1外部電極21の高さ寸法の減少率が閾値よりも大きい場合に、その閾値以上の減少が生じた測定点間に平坦部31aと第1突起31bとの他方の境界が存在すると判定することができる。この増加率の閾値と減少率の閾値とは、同じ値であってもよい。この増加率の閾値と減少率の閾値は、例えば、15%である。
【0049】
図4の例では、測定点P1~測定点P3における第1外部電極21の高さ寸法t11~t13は同程度であるから、測定点P1-測定点P2間及び測定点P2-測定点P3間での高さ寸法の増加率は、閾値である15%以下となる。よって、測定点P1~測定点P3の間の領域には、平坦部31aと第1突起31bとの境界は存在しない。他方、測定点P3-測定点P4間での高さ寸法の増加率(すなわち、(t14-t13)/t13)は、閾値である15%より大きい。よって、測定点P3と測定点P4との間に平坦部31aと第1突起31bとの一方の境界が存在する。例えば、測定点P3と測定点P4との間でL軸に平行に延びる仮想的な線分を想定し、この線分の中点をL軸方向における平坦部31aと第1突起31bとの境界(左側境界)とすることができる。
【0050】
図4に示されている実施形態では、測定点P5が第1突起31bの頂点に対応する位置の近傍にあるから、測定点P4から測定点P5までの区間では、第1外部電極21の高さ寸法は引き続き増加する。測定点間での高さ寸法の増加率が閾値を一度超えた後は、ある測定点間に平坦部31aと第1突起31bとの他方の境界(右側境界)が存在するか否かは、当該測定点間における第1外部電極21の高さ寸法の増加率ではなく減少率に基づいて判定される。よって、測定点間での高さ寸法の増加率が閾値を一度超えた後は、それ以後の測定点間での高さ寸法の増加率が再び閾値を超えたとしても、その区間に境界があるとは判定されない。例えば、測定点P4-測定点P5間での高さ寸法の増加率が閾値を超えた場合でも、既に測定点P3-測定点P4間に境界があると判定されているため、測定点P4-測定点P5間には境界は存在しないと判定される。
【0051】
図4の実施形態においては、測定点P5付近にある第1突起31bのピークを通過した後に、第1外部電極21の高さ寸法が減少に転じる。例えば、測定点P6における第1外部電極21の高さ寸法t16は、測定点P5における第1外部電極21の高さ寸法t15から減少している。測定点P5-測定点P6間での高さ寸法の減少率(すなわち、(t16-t15)/t15の絶対値)は、閾値である15%よりも小さいので、測定点P5-測定点P6間には、第1突起31bと平坦部31aとの他方の境界は存在しないと判定される。一方、測定点P6-測定点P7間での高さ寸法の減少率(すなわち、(t17-t16)/t16の絶対値)は、閾値である15%より大きいので、測定点P6と測定点P7との間に平坦部31aと第1突起31bとの他方の境界(右側境界)が存在すると判定される。測定点P6と測定点P7との間でL軸に平行に延びる仮想的な線分を想定し、この線分の中点をL軸方向における平坦部31aと第1突起31bとの他方の境界(右側境界)とすることができる。
【0052】
各測定点のうち平坦部31aに存在する測定点における第1外部電極21の高さ寸法の平均値を、平坦部31aの平均高さとすることができる。一態様において、平坦部31aの平均高さは、10μm以下である。平坦部31aの下面が第1面10aと面一となるように、第1外部電極21の一部が基体10に埋め込まれていてもよい。この場合、平坦部31aの平均高さは、0μmであってもよい。
【0053】
一態様において、第1突起31bの頂点の高さ寸法(T軸方向における第1面10aと第1突起31bの頂点との間隔)は、5μm以上とされる。第1突起31bの頂点の高さ寸法は、例えば、5μm以上50μm以下とされる。1辺の最大寸法が2mmより小さい小型のコイル部品1においては、第1突起31bの頂点の高さ寸法は、5μm以上25μm以下であってもよい。
【0054】
一態様において、L軸方向における第1突起31bの寸法(すなわち、左側境界と右側境界との間隔)は、第1突起31bの高さ寸法の0.5倍から5倍の範囲とされる。
【0055】
一態様において、第1外部電極21とランド部3aとを接合するはんだ4aの高さ寸法(T軸方向における寸法)は、リフロー前の段階で、第1突起31bの高さ寸法の1倍から2倍の範囲とされる。例えば、はんだ4aのリフロー前における高さ寸法は、10μm以上50μmである。第1突起31bの高さ寸法とはんだ4aの高さ寸法とが同じ場合(すなわち、はんだ4aの高さ寸法が第1突起31bの高さ寸法の1倍である場合)であっても、平坦部31aとランド部3aとの間にはんだ4aが存在するので、第1外部電極21とランド部3aとの接合強度を確保することができる。
【0056】
第1外部電極21における第1突起31bと平坦部31aとの境界に関する上記の説明は、第2外部電極22における第2突起32bと平坦部32aとの境界にも当てはまる。また、平坦部31aに関する上記の説明は、平坦部32aにも当てはまる。第1突起31bの寸法、形状、及びそれ以外の特徴に関する上記の説明は、第2突起32bにも当てはまる。また、はんだ4aに関する上記の説明は、はんだ4bにも当てはまる。
【0057】
図3に示されているように、第1突起31b及び第2突起32bはいずれも、第1面10aのW軸方向における中心に配置されてもよい。つまり、
図3に示されている態様では、底面視において、第1突起31bと第1側面10eとの距離は、第1突起31bと第2側面10fとの距離に等しい。第1突起31b及び第2突起32bは、図示されている位置とは異なる位置に配置されてもよい。例えば、第1突起31bは、第1側面10eよりも第2側面10fに近い位置に配置されてもよい。これとは逆に、第1突起31bは、第2側面10fよりも第1側面10eに近い位置に配置されてもよい。以上の第1突起31bの配置に関する説明は、第2突起32bの配置についても当てはまる。
【0058】
図示されている態様において、第1突起31bは、L軸方向における基体10の中心を通る直線に対して第2突起32bと対称な位置に設けられている。第1突起31bは、L軸方向における基体10の中心を通る直線に対して第2突起32bと非対称な位置に設けられてもよい。
【0059】
図3に示されているように、第1突起31bは、L軸方向において、第2外部電極22の内側端22aからL2aだけ離れている。言い換えると、L軸方向における第1突起31bと第2外部電極22の内側端22aとの間隔は、L2aである。一態様において、第1突起31bと第2外部電極22の内側端22aとのL軸方向における間隔L2aは、基体10の幅寸法W1よりも小さい。一態様において、第1突起31bと第2外部電極22の内側端22aとのL軸方向における間隔L2aは、基体10の高さ寸法T1よりも小さい。
【0060】
同じく
図3に示されているように、第2突起32bは、L軸方向において、第1外部電極21の内側端21aからL2bだけ離れている。言い換えると、L軸方向における第2突起32bと第1外部電極21の内側端21aとの間隔は、L2bである。一態様において、第2突起32bと第1外部電極21の内側端21aとのL軸方向における間隔L2bは、基体10の幅寸法W1よりも小さい。一態様において、第2突起32bと第1外部電極21の内側端21aとのL軸方向における間隔L2bは、基体10の高さ寸法T1よりも小さい。
【0061】
図3に示されている態様において、L軸方向における第1突起31bと第2突起32bとの間隔は、L2cである。一態様において、L軸方向における第1突起31bと第2突起32bとの間隔L2cは、基体10の幅寸法W1よりも小さい。一態様において、L軸方向における第1突起31bと第2突起32bとの間隔L2cは、基体10の高さ寸法T1よりも小さい。
【0062】
1-7 他のコイル部品との密着の抑制
次に、
図5から
図8を参照して、コイル部品1が、他のコイル部品と密着しにくいことを説明する。
【0063】
図5には、本発明の第1実施形態に係るコイル部品1と、このコイル部品1と同型のコイル部品5とを示している。
図5においては、コイル部品5の幅方向がコイル部品1の長さ方向と概ね平行となる姿勢で、コイル部品5がコイル部品1の実装面1aに接近したことを想定している。コイル部品5は、コイル部品1の実装面1aに接触している。コイル部品5は、コイル部品1と同型であるため、製造誤差を除けばコイル部品1と同一の寸法を有している。よって、コイル部品5の基体は、
図5に示されているように、コイル部品1と同じ幅寸法W1及び高さ寸法を有している。
図5には描かれていないが、コイル部品5の基体の長さ寸法は、コイル部品1の基体10の長さ寸法L1と同一である。コイル部品5については、図示の簡略化のために、外部電極の図示が省略されている。
【0064】
既述のとおり、第1突起31bと第2外部電極22の内側端22aとのL軸方向における間隔L2aは、基体10の幅寸法W1よりも小さい。このため、コイル部品1の実装面1aと接しているコイル部品5は、コイル部品1の実装面1aに対して傾いた姿勢をとる。例えば、
図5においては、コイル部品5の幅方向に沿って延びる面(例えば、コイル部品1の第2面10bに相当する面)が、第1外部電極21の第1突起31b及び第2外部電極22の平坦部32aに接している。よって、コイル部品5は、第1突起31bと平坦部32aとの高低差(両者の高さ寸法の差)の分だけ第1面10aに対して傾いている。
【0065】
このように、コイル部品5がコイル部品1の第1面10aと接触する場合には、コイル部品5のうち実装面1aと対向する面を、コイル部品1の実装面1aから第1突起31bの高さ寸法に応じた距離だけ離間させることができる。よって、コイル部品1の第1面10aをコイル部品5の表面から第1突起31bの高さ寸法に応じた間隔だけ離間させることができるので、コイル部品1の第1面10aとコイル部品5との間に作用する静電力が弱めることができる。したがって、コイル部品1をコイル部品5と密着しにくくすることができる。
【0066】
第1突起31bは、
図2に示されているように、実装時にははんだ4aに埋め込まれるので、回路モジュール2に実装されたコイル部品1の高さ寸法(実装基板2aの表面から、この実装基板2aに実装されたコイル部品1の第2面10bまでの高さを表す寸法)は、高さ方向に突出する第1突起31bが存在していても増加しない。言い換えると、第1突起31bが存在していても、実装基板2aの上面からコイル部品1の上端(例えば、基体10の第2面10b)までの高さ寸法は変わらない。よって、第1突起31bにより、コイル部品1が実装された回路モジュール2におけるコイル部品1の高さ寸法を増加させることなく、ハンドリング時におけるコイル部品1と他のコイル部品5との密着を抑制することができる。
【0067】
図6に示されているように、コイル部品5は、第1外部電極21の第1突起31b及び第1面10aに接することもある。コイル部品5が第1突起31b及び第1面10aに接触する場合には、コイル部品5は、第1突起31bと第1面10aとの高低差の分だけ第1面10aに対して傾いてコイル部品1と接触する。よって、この場合にも、コイル部品1とコイル部品5との密着を抑制することができる。
【0068】
第1突起31bと第2突起32bとの間隔L2cが基体10の幅寸法W1よりも小さい場合には、コイル部品5は、第1突起31b及び第2突起32bにおいてコイル部品1の実装面1aと接触する。この場合、第2突起32bと接触する部位の近傍においても、コイル部品5をコイル部品1の第1面10aから第2突起32bの高さ寸法に応じた距離だけ離間させることができるので、コイル部品1とコイル部品5との密着をさらに抑制することができる。
【0069】
コイル部品5は、
図5に示されている姿勢とは異なる姿勢、例えばその高さ方向がコイル部品1の長さ方向と概ね平行となる姿勢でコイル部品1に接近することがある。第1実施形態に係るコイル部品1においては、第1突起31bと第2外部電極22の内側端22aとのL軸方向における間隔L2aは、基体10の高さ寸法T1よりも小さい。このため、コイル部品1の実装面1aに接しているコイル部品5は、コイル部品1の実装面1aに対して傾いた姿勢をとる。例えば、
図7においては、コイル部品5の高さ方向に沿って延びる面(例えば、コイル部品1の第1側面10eに相当する面)が、第1外部電極21の第1突起31b及び第2外部電極22の平坦部32aに接している。よって、第1突起31bと平坦部32aとの高低差(両者の高さ寸法の差)の分だけ第1面10aに対して傾いている。このように、コイル部品5の高さ方向がコイル部品1の長さ方向と概ね平行となる姿勢でコイル部品1に接近する場合であっても、コイル部品1をコイル部品5と密着しにくくすることができる。
【0070】
図8に示されているように、コイル部品5の高さ方向がコイル部品1の長さ方向と概ね平行となる姿勢でコイル部品1に接近した場合にも、コイル部品5は、第1外部電極21の第1突起31b及び第1面10aに接することがある。この場合でも、コイル部品5は、第1突起31bと第1面10aとの高低差の分だけ第1面10aに対して傾いてコイル部品1と接触する。よって、コイル部品5の高さ方向がコイル部品1の長さ方向と概ね平行となる姿勢でコイル部品1に接近した場合にも、コイル部品1とコイル部品5との密着を抑制することができる。
【0071】
図9に示されているように、従来のコイル部品501の外部電極521、522は、その全体が平坦に構成されており、第1突起31b又は第2突起32bに相当する突起を有していない。このため、他の同型のコイル部品505がコイル部品501に接近すると、コイル部品505は、その表面とコイル部品501の実装面とが平行な姿勢でコイル部品501の実装面と接する。この場合、外部電極521、522の高さ寸法が小さいと、コイル部品501の実装面と、この実装面に対向するコイル部品505の表面との間隔が小さくなるので、コイル部品501の実装面とコイル部品505との間に作用する静電力により、コイル部品501とコイル部品505とが密着してしまう。他方、外部電極521、522の高さ寸法を大きくすることにより、コイル部品501の実装面とコイル部品505の表面との間隔を大きくして両者間に作用する静電力を小さくすることができる。しかしながら、外部電極521、522の高さ寸法を大きくすると、外部電極521及び外部電極522の各々は、その全体が平坦に構成されていてはんだに埋め込まれないため、このコイル部品501が実装基板へ実装された回路モジュールにおいては、コイル部品501の高さ寸法が大きくなってしまう。
【0072】
第1実施形態に係るコイル部品1においては、コイル部品1と他のコイル部品(例えば、コイル部品5)とが接触しているときに、対向する面同士の間隔を第1突起31b及び/又は第2突起32bの高さ寸法に応じた分だけ大きくすることができるので、コイル部品1と他のコイル部品との密着を抑制することができる。また、コイル部品1の回路モジュール2への実装時には、第1突起31bがはんだ4aに埋め込まれ、また、第2突起32bがはんだ4bに埋め込まれるので、コイル部品1が実装された回路モジュール2におけるコイル部品1の高さ寸法を大型化させることなく、コイル部品1と他のコイル部品5との密着を抑制することができる。
【0073】
2 第2実施形態(第1凹部11を有する態様)
次に、本発明の第2実施形態について、
図10を参照して説明する。
図10に示されている実施形態は、基体10の第1面10aに凹部(第1凹部11)が形成されている点で、第1実施形態と異なっている。以下では、
図10に示されている第2実施形態に係るコイル部品1のうち、第1凹部11について主に説明を行い、第1実施形態と共通する点については説明を省略する。
【0074】
図10は、コイル軸Axを通りLT面に平行な平面で切断された、第2実施形態に係るコイル部品1の断面を示す。
図10に示されているように、第2実施形態においては、基体10の第1面10aに基体10の内側に向かって凹む第1凹部11が形成されている。第1凹部11は、第1面10aのうち平坦な領域から、基体10の内部に向かって(T軸のプラス側に向かって)凹んでいる。
【0075】
第2実施形態によれば、第1面10aに第1凹部11が設けられているため、他のコイル部品がコイル部品1の実装面1aと接触する場合に、コイル部品1の実装面1aと当該他のコイル部品の表面との距離をさらに大きくすることができる。このため、コイル部品1の実装面1aと他のコイル部品との密着をさらに抑制することができる。
【0076】
3 第3実施形態(外部電極が第1面10a及び第2面10bを覆う態様)
次に、本発明の第3実施形態に係るコイル部品101ついて、
図11ないし
図13を参照して説明する。コイル部品101は、第1外部電極21に代えて、基体10の第1面10a及び第2面10bを覆う第1外部電極121を備え、また、第2外部電極22に代えて、基体10の第1面10a及び第2面10bを覆う第2外部電極122を備えている点で、コイル部品1と異なっている。以下では、
図11ないし
図13を参照し、第3実施形態に係るコイル部品101のうち、第1外部電極121及び第2外部電極122について主に説明を行い、第1実施形態と共通する点については説明を省略する。
【0077】
図11は、コイル軸Axを通りLT面に平行な平面で切断されたコイル部品101の断面を示す。
図12は、コイル部品101の底面図を示し、
図13は、コイル部品101の平面図を示す。
【0078】
コイル部品101において、第1外部電極121は、第1面10aの一部、第1端面10c、及び第2面10bの一部を覆うように構成されている。第1外部電極121は、第1側面10eの一部及び/又は第2側面10fの一部を覆うように構成されてもよい。第2外部電極122は、第1面10aの一部、第2端面10d、及び第2面10bの一部を覆うように構成されている。第2外部電極122は、第1側面10eの一部及び/又は第2側面10fの一部を覆うように構成されてもよい。
【0079】
第1外部電極121及び第2外部電極122が第1面10a及び第2面10bを覆うように構成されているので、コイル部品101は、第1面10aを含む実装面101a又は第2面10bを含む実装面101bが実装基板2aと対向する姿勢で、実装基板2aへ実装される。
【0080】
第1外部電極121は、基体10の第1面10aに沿って延びる第1部位121cと、基体10の第2面10bに沿って延びる第2部位121dと、基体10の第1端面10cに沿って延びており第1部位121cと第2部位121dとを接続する第3部位121eと、を有する。
【0081】
第2外部電極122は、基体10の第1面10aに沿って延びる第1部位122cと、基体10の第2面10bに沿って延びる第2部位122dと、基体10の第2端面10dに沿って延びており第1部位122cと第2部位122dとを接続する第3部位122eと、を有する。
【0082】
第1外部電極121は、第1部位121cの内側端121aと第2外部電極122の第1部位122cの内側端122aとがL軸方向において対向し、また、第2部位121dの内側端121bと第2外部電極122の第2部位122dの内側端122bとがL軸方向において対向するように配置されている。
【0083】
第1外部電極121の第1部位121cは、平坦部31aと、第1突起31bと、を有する。第1外部電極121の平坦部31a及び第1突起31bは、コイル部品1の平坦部31a及び第1突起31bと同様に構成及び配置される。
【0084】
第1外部電極121の第2部位121dは、平坦部33aと、第3突起33bと、を有する。第1外部電極121の平坦部33aは、
図11の断面視において、T軸方向における基体10の中心を通りLW面に平行に延びる仮想面VPに対して平坦部31aと対称に構成及び配置されている。同様に、第1外部電極121の第3突起33bは、
図11の断面視において、仮想面VPに対して第1突起31bと対称に構成及び配置されている。
【0085】
第2外部電極122の第2部位122dは、平坦部34aと、第4突起34bと、を有する。第2外部電極122の平坦部34aは、
図11の断面視において、T軸方向における基体10の中心を通る直線Bxに対して平坦部32aと対称に構成及び配置されている。同様に、第2外部電極122の第4突起34bは、
図11の断面視において、T軸方向における基体10の中心を通る直線Bxに対して第2突起32bと対称に構成及び配置されている。
【0086】
図12に示されているように、第1突起31bは、L軸方向において、第2外部電極122の内側端122aからL2aだけ離れている。言い換えると、L軸方向における第1突起31bと第2外部電極122の内側端122aとの間隔は、L2aである。一態様において、第1突起31bと第2外部電極122の内側端122aとのL軸方向における間隔L2aは、基体10の幅寸法W1よりも小さい。一態様において、第1突起31bと第2外部電極122の内側端122aとのL軸方向における間隔L2aは、基体10の高さ寸法T1よりも小さい。
【0087】
同じく
図12に示されているように、第2突起32bは、L軸方向において、第1外部電極121の内側端121aからL2bだけ離れている。言い換えると、L軸方向における第2突起32bと第1外部電極121の内側端121aとの間隔は、L2bである。一態様において、第2突起32bと第1外部電極121の内側端121aとのL軸方向における間隔L2bは、基体10の幅寸法W1よりも小さい。一態様において、第2突起32bと第1外部電極121の内側端121aとのL軸方向における間隔L2bは、基体10の高さ寸法T1よりも小さい。
【0088】
一態様において、L軸方向における第1突起31bと第2突起32bとの間隔L2cは、基体10の幅寸法W1よりも小さい。一態様において、L軸方向における第1突起31bと第2突起32bとの間隔L2cは、基体10の高さ寸法T1よりも小さい。
【0089】
図13に示されているように、第3突起33bは、L軸方向において、第2外部電極122の内側端122bからL2dだけ離れている。言い換えると、L軸方向における第3突起33bと第2外部電極122の内側端122bとの間隔は、L2dである。一態様において、第3突起33bと第2外部電極122の内側端122bとのL軸方向における間隔L2dは、基体10の幅寸法W1よりも小さい。一態様において、第3突起33bと第2外部電極122の内側端122bとのL軸方向における間隔L2dは、基体10の高さ寸法T1よりも小さい。
【0090】
同じく
図13に示されているように、第4突起34bは、L軸方向において、第1外部電極121の内側端121bからL2eだけ離れている。言い換えると、L軸方向における第4突起34bと第1外部電極121の内側端121bとの間隔は、L2eである。一態様において、第4突起34bと第1外部電極121の内側端121bとのL軸方向における間隔L2eは、基体10の幅寸法W1よりも小さい。一態様において、第2突起32bと第1外部電極121の内側端121bとのL軸方向における間隔L2eは、基体10の高さ寸法T1よりも小さい。
【0091】
一態様において、L軸方向における第3突起33bと第4突起34bとの間隔L2fは、基体10の幅寸法W1よりも小さい。一態様において、L軸方向における第3突起33bと第4突起34bとの間隔L2fは、基体10の高さ寸法T1よりも小さい。
【0092】
コイル部品101においては、実装面101aには、第1突起31b及び第2突起32bが設けられており、実装面101bには、第3突起33b及び第4突起34bが設けられているので、コイル部品101が実装面101bにおいて他のコイル部品と密着することを抑制することができる。
【0093】
4 第4実施形態(第2凹部を有する態様)
次に、本発明の第4実施形態について、
図14を参照して説明する。
図14に示されている実施形態は、基体10の第2面10bに凹部(第2凹部13)が形成されている点で、第3実施形態のコイル部品101と異なっている。以下では、
図14に示されている第4実施形態に係るコイル部品101のうち、第2凹部13について主に説明を行い、第4実施形態において第3実施形態と共通する点については説明を省略する。
【0094】
図14は、コイル軸Axを通りLT面に平行な平面で切断された、第4実施形態に係るコイル部品101の断面を示す。図示されているように、第4実施形態に係るコイル部品101においては、基体10の第1面10aに基体10の内側に向かって凹む第1凹部11が形成され、また、基体10の第2面10bに基体10の内側に向かって凹む第2凹部13が形成されている。
【0095】
第4実施形態によれば、第1面10aに第1凹部11が設けられるとともに第2面10bに第2凹部13が設けられているため、コイル部品101が実装面101bにおいて他のコイル部品と密着することをさらに抑制することができる。
【0096】
5 実施形態同士の組み合わせ
本明細書に記載されている実施形態を組み合わせることで得られる態様も、本願明細書により開示される実施形態に含まれる。第1実施形態から第6実施形態は、本願明細書の記載に基づいて当業者が理解可能な様々な組で組み合わせられ得る。本明細書の記載から当業者には容易に理解されるように、3つ以上の実施形態を組み合わせることも可能である。実施形態同士の可能な組み合わせは、本明細書で明記されたものには限られない。
【0097】
6 製造方法の例
続いて、コイル部品1の製造方法の一例について説明する。コイル部品1を作製する場合には、まず、コイル導体25が埋め込まれた基体10を形成する。基体10は、例えば、シート積層法により形成され得る。以下の例では、シート積層法による基体10の形成について説明する。
【0098】
まず、磁性材料から構成された磁性体シートを準備する。シート部材は、例えば、プラスチック製のベースフィルムの表面に金属磁性体ペーストを塗布して乾燥させ、乾燥後の金属磁性体ペーストを所定のサイズに切断することで得られる。金属磁性体ペーストは、例えば金属磁性粉を含む樹脂材料に適量の溶剤を加えることで調製される。金属磁性粉は、Feを含有する軟磁性金属材料から構成される粉体である。金属磁性粉の材料として、例えば、Fe、Ni等の金属材料、並びに、Fe-Ni、Fe-Co、Fe-Si、Fe-Si-Al、及びFe-Si-Cr-B等の合金材料を用いることができる。金属磁性粉として、異なる種類の金属磁性粉が混合された混合粉が用いられてもよい。金属磁性粉の表面には予め絶縁膜が形成されていてもよい。金属磁性体ペースト用の樹脂材料としては、例えば、ポリビニルブチラール(PVB)樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂等の公知の樹脂材料が用いられ得る。
【0099】
次に、複数の磁性体シートの所定の位置に、ビアを形成するための貫通孔を形成する。次に、貫通孔が形成された複数の磁性体シートの各々の表面に、スクリーン印刷等により導電性ペーストを塗布することで、各磁性体シートに導体パターンの前駆体を形成する。この導電性ペーストは、Ag、Pd、Cu、Ni、Al又はこれらの合金等の導電性に優れた導電性材料を含む。導電性ペーストは、Ni-Cu合金及び/又はNi-Cr合金を含んでもよい。磁性体シートに形成される導体パターンの前駆体は、導体パターンC11~C16のいずれかに対応する形状を有する。導電性ペーストを磁性体シートに塗布する際に、導電性ペーストが磁性体シートの貫通孔に埋め込まれ、この貫通孔に埋め込まれた導電性ペーストがビアの前駆体となる。ビアの前駆体の一部は、加熱処理後に引出部25B、25Cとなる。以上の工程では、磁性材料から構成された磁性体シートに代えて、非磁性の絶縁材料から構成された絶縁体シートを用いてもよい。
【0100】
次に、上記のようにして準備した導体パターン及びビアの前駆体が形成されている磁性体シート及び導体パターンの前駆体が形成されておらず上下のカバー層となる磁性体シートを積層し、この積層された各シートを熱圧着することによりマザー積層体を得る。導体パターンの前駆体が形成されている磁性体シートは、当該各磁性体シートに形成されている導体パターンの前駆体の各々が隣接する導体パターンの前駆体とビアの前駆体を介して接続されるように積層される。次に、ダイシング機やレーザ加工機などの切断機を用いてマザー積層体を個片化することでチップ状の成形体が得られる。コイル部品1をシート積層法で作製する場合には、チップ状の成形体は、複数のシートが積層された積層体である。シート積層法以外の手法、例えば、圧縮成形法で形成されたチップ状の成形体は、積層構造を有していない。
【0101】
コイル導体25の材料となる導電性ペーストの材料として、基体10の材料となる磁性体シートよりも加熱による収縮量が小さい材料が選択されてもよい。
【0102】
次に、チップ状の成形体を脱脂し、脱脂された成形体を加熱処理する。このチップ状の成形体への加熱処理は、例えば400℃~950℃で20分間~120分間行われる。加熱処理は、大気中で行われてもよい。加熱処理は、低酸素雰囲気で行われてもよい。
【0103】
この加熱処理により、導体パターンの前駆体及びビアの前駆体が焼結して、コイル導体25が形成される。また、加熱処理により、磁性体シートから樹脂及び溶剤が消失するとともに、磁性体シートに含まれる金属磁性粉が焼結することで、内部にコイル導体が埋め込まれた基体10が形成される。
【0104】
上記の加熱処理により、チップ状の成形体は熱収縮する。この加熱処理において、チップ状の成形体に含まれる磁性材料から構成される部位の収縮量は、導電性ペーストから構成される部位の収縮量よりも大きいので、加熱処理により得られた基体10においては、第1面10aからコイル導体25の引出部25Bの先端及び引出部25cの先端が突出している。
【0105】
次に、以上のようにして形成された基体10の第1面10aに第1外部電極21及び第2外部電極22を形成する。第1外部電極21及び第2外部電極22はそれぞれ、例えば、第1面10aの一部に導電性ペーストを塗布することで下地電極層を形成し、この下地電極の表面にめっき層を形成することにより作製される。めっき層は、電解めっき法又は無電解めっき法により形成される。第1外部電極21が形成される第1面10aからは、引出部25Bの先端が突出しているので、第1外部電極21のうち引出部25Bに対応する領域が他の領域よりも基体10から離れる向きに突出し、この突出した領域が第1突起31bとなる。同様に、第2外部電極22が形成される第1面10aからは、引出部25Cの先端も突出しているので、第2外部電極22のうち引出部25Cに対応する領域が他の領域よりも基体10から離れる向きに突出し、この突出した領域が第2突起32bとなる。
【0106】
以上のようにして、第1突起31bが設けられた第1外部電極21と、第2突起32bが設けられた第2外部電極22と、を備えるコイル部品1が作製される。
【0107】
コイル部品101もコイル部品1と同様の方法で作製することができる。
【0108】
以上では、シート積層法によるコイル部品1の製造方法の一例について説明した。コイル部品1は、当業者に明らかなように、圧縮成型法、薄膜プロセス法、スラリービルド法、またはこれら以外の公知の方法で作製されてもよい。
【0109】
7 注記
前述の様々な実施形態で説明された各構成要素の寸法、材料及び配置は、それぞれ、各実施形態で明示的に説明されたものに限定されず、当該各構成要素は、本発明の範囲に含まれ得る任意の寸法、材料及び配置を有するように変形することができる。
【0110】
本明細書において説明されている第1突起31b、第2突起32b、第3突起32c、及び第4突起32dの構成及び配置は例示である。本発明の技術的意義が実現される限り、第1突起31b、第2突起32b、第3突起33b、及び第4突起34bは、本明細書で明示的に示されていない位置に配置されてもよいし、本明細書において明示的に示されていない形状を有していてもよい。
【0111】
本明細書において明示的に説明していない構成要素を、上述の各実施形態に付加することもできるし、各実施形態において説明した構成要素の一部を省略することもできる。
【0112】
本明細書等における「第1」、「第2」、「第3」などの表記は、構成要素を識別するために付するものであり、必ずしも、数、順序、もしくはその内容を限定するものではない。また、構成要素の識別のための番号は文脈毎に用いられ、一つの文脈で用いた番号が、他の文脈で必ずしも同一の構成を示すとは限らない。また、ある番号で識別された構成要素が、他の番号で識別された構成要素の機能を兼ねることを妨げるものではない。
【0113】
8 付記
本明細書において開示される実施形態には、以下の事項も含まれる。
【0114】
[付記1]
第1方向及び前記第1方向に直交する第2方向に延びており前記第1方向における第1寸法が前記第2方向における第2寸法よりも大きい第1面を有する基体と、
前記基体に設けられたコイル導体と、
前記コイル導体の一端に接続され、前記基体の前記第1面に設けられた第1外部電極と、
前記コイル導体の他端に接続され、前記基体の前記第1面に、前記第1方向において前記第1外部電極から離間して設けられた第2外部電極と、
前記第1外部電極に、前記第1方向における前記第2外部電極との間隔が前記第2寸法よりも小さくなるように設けられた第1突起と、
を備えるコイル部品。
[付記2]
前記基体は、前記第1面に対向する第2面を有し、
前記第1方向における前記第1突起と前記第2外部電極との間隔は、前記第1面と前記第2面との間隔よりも小さい、
[付記1]に記載のコイル部品。
[付記3]
前記第2外部電極に、前記第1方向における前記第1外部電極との間隔が前記第2寸法よりも小さくなるように設けられた第2突起をさらに備える、
[付記1]又は[付記2]に記載のコイル部品。
[付記4]
前記基体は、前記第1面に対向する第2面を有し、
前記第1方向における前記第2突起と前記第1外部電極との間隔は、前記第1面と前記第2面との間隔よりも小さい、
[付記1]から[付記3]のいずれか1項に記載のコイル部品。
[付記5]
前記第1方向における前記第1突起と前記第2突起との間隔は、前記第2寸法よりも小さい、
[付記3]又は[付記4]に記載のコイル部品。
[付記6]
前記第1方向における前記第1突起と前記第2突起との間隔は、前記第1面と前記第2面との間隔よりも小さい、
[付記3]から[付記5]のいずれか1項に記載のコイル部品。
[付記7]
前記基体は、前記第1面に対向する第2面を有し、
前記第1外部電極は、前記第1面及び前記第2面において前記基体に接しており、
前記第1突起は、前記第1外部電極のうち前記第1面と対向する部位に設けられ、
前記第1外部電極の前記第2面と対向する部位に、前記第1方向における前記第2外部電極との間隔が前記第2寸法よりも小さくなるように第3突起が設けられている、
[付記1]から[付記6]のいずれか1項に記載のコイル部品。
[付記8]
前記第1方向における前記第3突起と前記第2外部電極との間隔は、前記第1面と前記第2面との間隔よりも小さい、
[付記7]に記載のコイル部品。
[付記9]
前記第2外部電極は、前記第1面及び前記第2面において前記基体に接しており、
前記第2突起は、前記第2外部電極のうち前記第1面と対向する部位に設けられ、
前記第2外部電極の前記第2面と対向する部位に、前記第1方向における前記第1外部電極との間隔が前記第2寸法よりも小さくなるように第4突起が設けられている、
[付記7]又は[付記8]に記載のコイル部品。
[付記10]
前記第1方向における前記第4突起と前記第1外部電極との間隔は、前記第1面と前記第2面との間隔よりも小さい、
[付記7]から[付記9]のいずれか1項に記載のコイル部品。
[付記11]
前記第1方向における前記第3突起と前記第4突起との間隔は、前記第2寸法よりも小さい、
[付記7]から[付記10]のいずれか1項に記載のコイル部品。
[付記12]
前記第1方向における前記第3突起と前記第4突起との間隔は、前記第1面と前記第2面との間隔よりも小さい、
[付記7]から[付記11]のいずれか1項に記載のコイル部品。
[付記13]
前記第1面は、前記第1外部電極と前記第2外部電極との間に第1凹部を有する、
[付記1]から[付記12]のいずれか1項に記載のコイル部品。
[付記14]
前記第2面は、前記第1外部電極と前記第2外部電極との間に第2凹部を有する、
[付記7]から[付記13]のいずれか1項に記載のコイル部品。
[付記15]
[付記1]から[付記14]のいずれか1項に記載のコイル部品を備える回路モジュール。
[付記16]
[付記15]に記載の回路モジュールを含む、電子機器。
【符号の説明】
【0115】
1、101 コイル部品
2 回路モジュール
2a 実装基板
4a、4b はんだ
10 基体
10a 第1面
10b 第2面
11 第1凹部
13 第2凹部
21、121 第1外部電極
22、122 第2外部電極
25 コイル導体
31b 第1突起
32b 第2突起
33b 第3突起
34b 第4突起