(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024011566
(43)【公開日】2024-01-25
(54)【発明の名称】情報処理装置、プログラム、及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G06F 3/01 20060101AFI20240118BHJP
【FI】
G06F3/01 570
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022113658
(22)【出願日】2022-07-15
(71)【出願人】
【識別番号】501440684
【氏名又は名称】ソフトバンク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 英勝
【テーマコード(参考)】
5E555
【Fターム(参考)】
5E555AA04
5E555AA13
5E555AA17
5E555BA03
5E555BA38
5E555BB04
5E555BB38
5E555BC19
5E555CA42
5E555CB66
5E555CC01
5E555CC19
5E555DA08
5E555DA09
5E555DB16
5E555DC09
5E555DC14
5E555DC61
5E555EA15
5E555EA22
5E555FA00
(57)【要約】 (修正有)
【課題】仮想空間上において、文字入力等の作業をより直感的でわかりやすく、よりスピーディに正確に行える情報処理装置を提供する。
【解決手段】情報処理装置は、ユーザの一方の手の5本の指のそれぞれに割り当てられた機能を記憶する記憶部と、ユーザの他方の手によるユーザの一方の手の5本の指のいずれかに対する所作を検出したことに応じて、所作の対象の指に割り当てられた機能を実行する機能実行部と、を備える。また、機能実行部は、ユーザの一方の手の5本の指のうちのいずれかによる予め定められた所作を検出したことに応じて、所作を行った指に割り当てられた機能を実行する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの一方の手の5本の指のそれぞれに割り当てられた機能を記憶する記憶部と、
前記ユーザの他方の手による前記一方の手の5本の指のいずれかに対する所作を検出したことに応じて、前記所作の対象の指に割り当てられた機能を実行する機能実行部と
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記機能実行部は、前記一方の手の前記5本の指のそれぞれに割り当てられた機能を示すオブジェクトが、前記5本の指のそれぞれに対応する位置に表示されるように、前記ユーザが閲覧している表示部に表示させる、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記記憶部は、前記5本の指のそれぞれについて、前記指に割り当てられた複数の機能を記憶し、
前記機能実行部は、前記ユーザの他方の手による前記一方の手の5本の指のいずれかに対する所作を検出したことに応じて、前記所作の対象の指に割り当てられた前記複数の機能のうち、有効になっている機能を実行する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記機能実行部は、前記一方の手による予め定められた所作を検出した場合に、前記5本の指のそれぞれについて、割り当てられている前記複数の機能のうちで、有効とする機能を切り替える、請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記機能実行部は、前記一方の手を回転させて前記一方の手の表裏を反転する所作を検出した場合に、前記5本の指のそれぞれについて、割り当てられている前記複数の機能のうちで、有効とする機能を切り替える、請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記機能は、言語を選択する機能であって、
前記記憶部は、前記5本の指のそれぞれについて、1又は複数の種類の言語を割り当てて記憶する、請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記機能は、文字を入力する機能であって、
前記記憶部は、前記5本の指のそれぞれについて、複数の文字を割り当てて記憶する、請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記記憶部は、前記5本の指のそれぞれについて、前記指に割り当てられた複数の機能を記憶し、
前記機能実行部は、前記他方の手による前記5本の指のいずれかに対する所作を検出したことに応じて、前記所作の対象の指に割り当てられた複数の機能を提示し、提示した前記複数の機能のうち前記他方の手によって指定された前記機能を実行する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記記憶部は、前記5本の指のうちの一の指にか行を入力する機能を割り当てて記憶し、
前記機能実行部は、前記他方の手による前記一の指に対する所作を検出したことに応じて、あ行の文字を提示し、提示したあ行の文字のうち前記他方の手によって指定された文字を入力する、請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記機能実行部は、前記一方の手の前記5本の指のそれぞれに割り当てられた機能を示すオブジェクトが、前記5本の指のそれぞれに対応する位置に表示されるように、前記ユーザが閲覧している表示部に表示させ、かつ、前記オブジェクトに対応する音声を音声出力部に音声出力させる、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項11】
ユーザの一方の手の5本の指のそれぞれに割り当てられた機能を記憶する記憶部と、
前記一方の手の5本の指のうちのいずれかによる予め定められた所作を検出したことに応じて、所作を行った指に割り当てられた機能を実行する機能実行部と
を備える情報処理装置。
【請求項12】
前記機能実行部は、前記一方の手の親指が、前記一方の手の側面に接触する所作を検出したことに応じて、前記親指に割り当てられた機能を実行する、請求項11に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記機能実行部は、前記一方の手の人差指、中指、薬指、及び小指のいずれかが、前記一方の手の親指に接触する所作を検出したことに応じて、前記親指に接触した指に割り当てられた機能を実行する、請求項12に記載の情報処理装置。
【請求項14】
コンピュータを、請求項1から13のいずれか一項に記載の情報処理装置として機能させるためのプログラム。
【請求項15】
コンピュータによって実行される情報処理方法であって、
ユーザの一方の手の5本の指のそれぞれに割り当てられた機能を示すデータを参照して前記ユーザの他方の手による前記一方の手の5本の指のいずれかに対する所作を検出したことに応じて、前記所作の対象の指に割り当てられた機能を実行する機能実行段階
を備える情報処理方法。
【請求項16】
コンピュータによって実行される情報処理方法であって、
ユーザの一方の手の5本の指のそれぞれに割り当てられた機能を示すデータを参照して、前記一方の手の5本の指のうちのいずれかによる予め定められた所作を検出したことに応じて、所作を行った指に割り当てられた機能を実行する機能実行段階
を備える情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、プログラム、及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、xR(X Reality又はExtended Reality)環境に配置された平面状の仮想キーボードに含まれる仮想キーを、位置トラッキングされるコントローラまたは指先を用いてタイピングさせる技術が記載されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2021-077097号公報
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明の一実施態様によれば、情報処理装置が提供される。前記情報処理装置は、ユーザの一方の手の5本の指のそれぞれに割り当てられた機能を記憶する記憶部を備えてよい。前記情報処理装置は、前記ユーザの他方の手による前記一方の手の5本の指のいずれかに対する所作を検出したことに応じて、前記所作の対象の指に割り当てられた機能を実行する機能実行部を備えてよい。
【0004】
前記情報処理装置において、前記機能実行部は、前記一方の手の前記5本の指のそれぞれに割り当てられた機能を示すオブジェクトが、前記5本の指のそれぞれに対応する位置に表示されるように、前記ユーザが閲覧している表示部に表示させてよい。
【0005】
前記いずれかの情報処理装置において、前記記憶部は、前記5本の指のそれぞれについて、前記指に割り当てられた複数の機能を記憶してよく、前記機能実行部は、前記ユーザの他方の手による前記一方の手の5本の指のいずれかに対する所作を検出したことに応じて、前記所作の対象の指に割り当てられた前記複数の機能のうち、有効になっている機能を実行してよい。前記機能実行部は、前記一方の手による予め定められた所作を検出した場合に、前記5本の指のそれぞれについて、割り当てられている前記複数の機能のうちで、有効とする機能を切り替えてよい。前記機能実行部は、前記一方の手を回転させて前記一方の手の表裏を反転する所作を検出した場合に、前記5本の指のそれぞれについて、割り当てられている前記複数の機能のうちで、有効とする機能を切り替えてよい。前記機能は、言語を選択する機能であってよく、前記記憶部は、前記5本の指のそれぞれについて、1又は複数の種類の言語を割り当てて記憶してよい。前記機能は、文字を入力する機能であってよく、前記記憶部は、前記5本の指のそれぞれについて、複数の文字を割り当てて記憶してよい。
【0006】
前記いずれかの情報処理装置において、前記記憶部は、前記5本の指のそれぞれについて、前記指に割り当てられた複数の機能を記憶してよく、前記機能実行部は、前記他方の手による前記5本の指のいずれかに対する所作を検出したことに応じて、前記所作の対象の指に割り当てられた複数の機能を提示し、提示した前記複数の機能のうち前記他方の手によって指定された前記機能を実行してよい。前記記憶部は、前記5本の指のうちの一の指にか行を入力する機能を割り当てて記憶してよく、前記機能実行部は、前記他方の手による前記一の指に対する所作を検出したことに応じて、あ行の文字を提示し、提示したあ行の文字のうち前記他方の手によって指定された文字を入力してよい。
【0007】
前記いずれかの情報処理装置において、前記機能実行部は、前記一方の手の前記5本の指のそれぞれに割り当てられた機能を示すオブジェクトが、前記5本の指のそれぞれに対応する位置に表示されるように、前記ユーザが閲覧している表示部に表示させ、かつ、前記オブジェクトに対応する音声を音声出力部に音声出力させてよい。
【0008】
本発明の一実施態様によれば、情報処理装置が提供される。前記情報処理装置は、ユーザの一方の手の5本の指のそれぞれに割り当てられた機能を記憶する記憶部を備えてよい。前記情報処理装置は、前記一方の手の5本の指のうちのいずれかによる予め定められた所作を検出したことに応じて、所作を行った指に割り当てられた機能を実行する機能実行部を備えてよい。
【0009】
前記情報処理装置において、前記機能実行部は、前記一方の手の親指が、前記一方の手の側面に接触する所作を検出したことに応じて、前記親指に割り当てられた機能を実行してよい。前記機能実行部は、前記一方の手の人差指、中指、薬指、及び小指のいずれかが、前記一方の手の親指に接触する所作を検出したことに応じて、前記親指に接触した指に割り当てられた機能を実行してよい。
【0010】
本発明の一実施態様によれば、コンピュータを、前記情報処理装置として機能させるためのプログラムが提供される。
【0011】
本発明の一実施態様によれば、コンピュータによって実行される情報処理方法が提供される。前記情報処理方法は、ユーザの一方の手の5本の指のそれぞれに割り当てられた機能を示すデータを参照して前記ユーザの他方の手による前記一方の手の5本の指のいずれかに対する所作を検出したことに応じて、前記所作の対象の指に割り当てられた機能を実行する機能実行段階を備えてよい。
【0012】
本発明の一実施態様によれば、コンピュータによって実行される情報処理方法が提供される。前記情報処理方法は、ユーザの一方の手の5本の指のそれぞれに割り当てられた機能を示すデータを参照して、前記一方の手の5本の指のうちのいずれかによる予め定められた所作を検出したことに応じて、所作を行った指に割り当てられた機能を実行する機能実行段階を備えてよい。
【0013】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図2】情報処理装置200の機能構成の一例を概略的に示す。
【
図3】記憶部202が記憶する複数種類のハンドジェスチャ310の一例を概略的に示す。
【
図4】記憶部202が記憶する複数種類の所作の一例を概略的に示す。
【
図5】ユーザの左手の5本の指に割り当てられた機能の一例を概略的に示す。
【
図6】ユーザの右手による、親指に対する所作の一例を概略的に示す。
【
図7】ユーザの左手による所作の一例を概略的に示す。
【
図8】一の指に割り当てられた複数の機能の提示の一例を概略的に示す。
【
図9】言語選択の機能について説明するための説明図である。
【
図10】文字入力の対象となる文字のオブジェクトを表示した後に、言語を切り替える機能について説明するための説明図である。
【
図11】一の指に割り当てられた複数の機能を選択肢として提示する場合について説明するための説明図である。
【
図12】文字のクイック選択について説明するための説明図である。
【
図13】選択肢が多い場合の表示例について説明するための説明図である。
【
図14】英語の文字入力における選択肢の最大表示からの選択について説明するための説明図である。
【
図15】入力された複数のひらがなを含む文字列の漢字への変換について説明するための説明図である。
【
図16】入力された複数のひらがなを含む文字列の漢字への変換について説明するための説明図である。
【
図17】入力された複数のひらがなを含む文字列の漢字への変換について説明するための説明図である。
【
図18】英単語への変換について説明するための説明図である。
【
図19】テキスト編集について説明するための説明図である。
【
図20】テキスト編集について説明するための説明図である。
【
図21】テキスト編集について説明するための説明図である。
【
図22】テキスト編集について説明するための説明図である。
【
図23】テキスト編集について説明するための説明図である。
【
図24】テキスト編集について説明するための説明図である。
【
図25】テキスト編集について説明するための説明図である。
【
図26】片手操作について説明するための説明図である。
【
図27】ブラインド入力について説明するための説明図である。
【
図28】ブラインド入力について説明するための説明図である。
【
図29】音声文字入力と、ジェスチャによるテキスト編集とを組み合わせた場合について説明するための説明図である。
【
図30】音声文字入力と、ジェスチャによるテキスト編集とを組み合わせた場合について説明するための説明図である。
【
図31】情報処理装置200として機能するコンピュータ1200のハードウェア構成の一例を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
スマートフォンや、AR(Augmented Reality)グラスなどの眼鏡型デバイスの普及にともなって、仮想空間上において様々な作業が行われるようになってきており、仮想空間上において、文字入力等の作業をより直感的でわかりやすく、よりスピーディに正確に行える技術を提供することが望ましい。従来は、例えば、仮想空間上に、物理キーボードを模した平面や立体形状の「仮想のキーボード」を投影し、ハンドジェスチャ操作で、仮想のキーボードのボタンを空間上で押下することによって、文字入力の操作をするパータンがあった。また、その際、仮想のキーボードのボタンを押下した際に、ボタンの色を変更したり、ボタン押下のクリック音を鳴らすことで、空間上においても操作した感触(実感)を人に伝えるパターンがあった。また、仮想空間上で、仮想オンレーザーポインタを、投影した仮想のキーボードにポイントすることで、文字入力の操作をするパターンがあった。また、仮想空間上に、仮想のホワイトボード等を投影し、仮想のペンで手書きすることで、文字入力をするパターンがあった。また、音声入力により言語を文字に変換することで、文字入力するパターンがあった。
【0016】
物理的なキーボードは、物理的に並べられた複数のボタンを10本の指でタイピングする前提で設計されているが、これを仮想空間に実装すると、空中に投影した仮想のキーボードの映像をタイピングすることになり、本来指先で感じるべきタイピングの打感が無く、ボタンを押したかどうかを指先で知覚できないので、このままでは物理キーボードのように快適に文字入力操作をすることが難しい。これを視覚や聴覚で補助する解決策、例えば、押下したボタンの色を変えることで、ボタンを押してことを目で知覚したり、ボタンを押下すると音が鳴動し、ボタンを押したことを耳で知覚する方法もあるが、例えば物理キーボードにおけるブラインドタッチのような、本来あるべき指先の感覚によるスピーディで快適な文字入力操作をすることは難しい。仮想のキーボードを指で操作せず、例えば、仮想のレーザーポインタ等でボタンを押下する方法もあるが、空間上に並んだ多数のボタンから必要なボタンを都度選択し、手元の操作で正確にポイントすることが難しく、物理キーボードのように快適にスピーディに文字入力操作をすることは難しい。仮想のキーボード側を改善する策として、たとえば仮想空間向けに三次元にレイアウトしたキューブ形状のボタンの集合体は、キーボードをコンパクトなサイズにすることは可能であるが、立体的に並んだ複数の文字の選択肢の中から、欲しい文字をひとつづつ正確に選択することが煩わしく、これもまた物理キーボードのように快適に文字入力操作をすることが難しい。これらのように、ボタンの集合体であるキーボードは、選択する文字ボタンの数が数十種類あり、それぞれのボタンの位置や押下を指先で知覚するシステムで成立しているため、キーボードのまま仮想空間上に実装すると、そもそもの機能を発揮しづらい。仮想のキーボードを使わずに、たとえば仮想のホワイトボード上に、仮想のペンで手書き入力する方法もあるが、手書きの触覚が得られない空中で正確に文字を描く必要があり、かつ手書き文字の乱雑さによる誤認識があり、物理キーボードのように正確にスピーディに文字入力操作をすることは難しい。仮想のキーボードの形状にかかわらず、これらは視覚による操作となるため、視覚に頼らない、いわゆるブラインドタッチで操作することができない。仮想のキーボードを使わずに、音声認識で文字入力する方法もあるが、文字入力に関しては今の技術で十分に可能ではあるが、キーボードでは容易にできる漢字への変換や、テキスト編集等の操作に向いていなく、音声認識のみで文字入力操作を完結するのは困難であり、また環境によっては音声を出すことが出来なかったり、情報セキュリティやプライバシーを要する文書の入力ができない制約がある。
【0017】
本実施形態に係る情報処理装置は、仮想空間上にて、仮想のキーボードやホワイトボードを使わずに、文字入力を直感的なハンドジェスチャ操作で実現する。一方で、音声文字入力だけでは困難な操作である、文字種類の選択(例えば、かな/英数)や、漢字や単語への変換、テキストの編集についても、直感的なハンドジェスチャ操作によって実現してよい。これらを実現することで、仮想空間上にて、今に無い、より直感的でわかりやすく、ブラインドタッチでの文字入力も可能とする、よりスピーディで正確な文字入力を実現する。
【0018】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0019】
図1は、情報処理装置200の一例を概略的に示す。
図1では、情報処理装置200が、眼鏡型デバイス100に搭載されている場合を例示している。情報処理装置200は、これに限らず、ユーザの手を撮像可能なデバイスであれば、どのようなデバイスに搭載されてもよい。
【0020】
眼鏡型デバイス100は、例えば、ARグラスであってよい。眼鏡型デバイス100は、撮像範囲に合わせたコンテンツを透明又は半透明のグラス上に表示することによって、実空間にコンテンツが配置されている感覚を、眼鏡型デバイス100を装着しているユーザに与えることが可能なデバイスであってよい。すなわち、眼鏡型デバイス100は、いわゆる透過型(シースルー型)のデバイスであってよい。また、眼鏡型デバイス100は、いわゆるパススルー型のデバイスであってもよい。この場合、眼鏡型デバイス100は、ユーザの視界に対応する範囲を撮像している撮像画像を、常に非透過型のディスプレイに表示する。
【0021】
眼鏡型デバイス100は、リム112及びテンプル118を有するフレーム110を備える。眼鏡型デバイス100は、外部の情報通信機器いわゆる、スマートフォンと接続して情報や電力を受け取るための有線、および無線の接続部を備えてもよい。
【0022】
図1における情報処理装置200の配置は一例であり、情報処理装置200は、フレーム110の他の位置に配置されてもよい。例えば、情報処理装置200は、フレーム110の外部に配置されてもよい。また、例えば、情報処理装置200は、テンプル118内に配置されてもよい。具体例として、情報処理装置200は、テンプル118の先端部、すなわち、モダンに配置されてもよい。情報処理装置200は、バッテリを備えてよい。情報処理装置200とバッテリは、別体として、フレーム110の別の位置に配置されてもよい。
【0023】
眼鏡型デバイス100は、カメラ120を備える。
図1におけるカメラ120の配置は一例であり、カメラ120は、他の位置に配置されてもよい。
【0024】
眼鏡型デバイス100は、センサ122を備えてよい。センサ122は、眼鏡型デバイス100の周囲の環境を特定するためのセンサであってよい。センサ122は、LiDARを含んでよい。センサ122は、測距センサを含んでもよい。
図1では、センサ122がブリッジ114に配置されている場合を例示しているが、
図1におけるセンサ122の配置は一例であり、センサ122は、他の位置に配置されてもよい。
【0025】
眼鏡型デバイス100は、視線検出部124を備えてよい。視線検出部124は、眼鏡型デバイス100の装着者であるユーザの視線を検出する。視線検出部124は、例えば、ユーザの目を撮像して監視することによって、ユーザの視線を検出する。
図1における視線検出部124の配置は一例であり、視線検出部124は、他の位置に配置されてもよい。
【0026】
情報処理装置200は、レンズ部116への表示機能を備えてよい。レンズ部116は、眼鏡型デバイス100の表示部の一例であってよい。レンズ部116は、透明又は半透明のディスプレイであってよく、情報処理装置200は、レンズ部116に各種表示を実行させてよい。すなわち、眼鏡型デバイス100は、透明又は半透明のディスプレイ型のデバイスであってよい。また、情報処理装置200が、レンズ部116に対して表示を投影する機能を有してもよい。すなわち、眼鏡型デバイス100は、投影型のデバイスであってよい。
【0027】
眼鏡型デバイス100は、マイク126を備えてよい。マイク126は、眼鏡型デバイス100の装着者の音声を取得する。マイク126は、音声入力部の一例であってよい。
【0028】
眼鏡型デバイス100は、スピーカ128を備えてよい。スピーカ128は、眼鏡型デバイス100の装着者に対して音声を出力する。スピーカ128は、音声出力部の一例であってよい。スピーカ128は、イヤフォンタイプであってもよい。
【0029】
図2は、情報処理装置200の機能構成の一例を概略的に示す。情報処理装置200は、記憶部202、検出部204、機能実行部206、及び音声出力部208を備える。
【0030】
記憶部202は、各種情報を記憶する。例えば、記憶部202は、登録された複数種類のハンドジェスチャを記憶する。例えば、記憶部202は、登録された複数種類の所作を記憶する。記憶部202は、例えば、ユーザの一方の手の5本の指のそれぞれに割り当てられた機能を記憶する。機能の種類の例として、言語選択機能、文字入力機能、及びテキスト編集機能等が挙げられるが、これらに限られず、任意のメニューを選択する機能等の、任意の機能の種類が含まれてよい。
【0031】
記憶部202は、5本の指のそれぞれについて、指に割り当てられた複数の機能を記憶してよい。例えば、対象となる機能が言語を選択する機能である場合、1つの指に複数の言語が割り当てられる。例えば、対象となる機能が文字を入力する機能である場合、1つの指に複数の文字が割り当てられる。
【0032】
検出部204は、ユーザのジェスチャを検出する。検出部204は、ユーザの所作を検出する。検出部204は、カメラ120によって撮像された撮像画像、及びセンサ122による検出結果から、ユーザのジェスチャを検出したり、ユーザの所作を検出したりしてよい。
【0033】
機能実行部206は、ユーザの他方の手による、ユーザの一方の手の5本の指のいずれかに対する所作を検出したことに応じて、所作の対象の指に割り当てられた機能を実行する。これにより、直感的な操作環境をユーザに提供することができる。
【0034】
機能実行部206は、ユーザの一方の手の5本の指のそれぞれに割り当てられた機能を示すオブジェクトが、当該5本の指のそれぞれに対応する位置に表示されるように、ユーザが閲覧している表示部に表示させてよい。機能実行部206は、例えば、レンズ部116にオブジェクトを表示させる。当該表示によって、ユーザは、5本の指のそれぞれに割り当てられている機能を、5本の指のそれぞれに対応する位置に表示されたオブジェクトを閲覧することによって、容易に把握することができる。
【0035】
機能実行部206は、ユーザの他方の手による一方の手の5本の指のいずれかに対する所作を検出したことに応じて、所作の対象の指に割り当てられた複数の機能のうち、有効になっている機能を実行してよい。例えば、対象となる機能が文字を入力する機能であって、当該指に複数の文字が割り当てられている場合、機能実行部206は、複数の文字のうち、有効になっている文字を入力してよい。
【0036】
機能実行部206は、ユーザの一方の手による予め定められた所作を検出した場合に、5本の指のそれぞれについて、割り当てられている複数の機能のうちで、有効とする機能を切り替えてよい。例えば、機能実行部206は、ユーザの一方の手を回転させて一方の手の表裏を反転する所作を検出した場合に、5本の指のそれぞれについて、割り当てられている複数の機能のうちで、有効とする機能を切り替える。これにより、手を表裏に回転させることによって有効となる機能を切り替えるという、直感的な操作環境をユーザに提供することができる。
【0037】
機能実行部206は、ユーザの他方の手によるユーザの一方の手の5本の指のいずれかに対する所作を検出したことに応じて、所作の対象の指に割り当てられた複数の機能を提示し、提示した複数の機能のうち他方の手によって指定された機能を実行してもよい。具体例として、記憶部202が、ユーザの一方の手の5本の指のうちの一の指にあ行を入力する機能を割り当てて記憶している場合において、機能実行部206は、ユーザの他方の手による当該一の指に対する所作を検出したことに応じて、あ行の文字、すなわち、あ、い、う、え、おをユーザに対して提示し、あ、い、う、え、おのうち、ユーザの他方の手によって指定された文字を入力する。機能実行部206は、あ行の文字を、レンズ部116に表示することによって、ユーザに提示してよい。これにより、スピーディな入力操作を実現可能にできる。
【0038】
上述したように、機能実行部206は、ユーザの一方の手の5本の指のそれぞれに割り当てられた機能を示すオブジェクトが、当該5本の指のそれぞれに対応する位置に表示されるように、ユーザが閲覧している表示部に表示させてよい。更に、機能実行部206は、オブジェクトに対応する音声を音声出力部208に出力させてもよい。例えば、5本の指のそれぞれに文字を入力する機能が割り当てられている場合において、機能実行部206は、5本の指のそれぞれに対応する文字を表すオブジェクトを表示部に表示させるとともに、文字に対応する音声を音声出力部208に出力させる。これにより、ユーザの利便性を向上できる。また、ユーザによるブラインド入力を支援することができる。
【0039】
図3は、記憶部202が記憶する複数種類のハンドジェスチャ310の一例を概略的に示す。
図3では、5種類のハンドジェスチャが登録されている場合について例示している。登録されるハンドジェスチャの数は5種類に限らず、6種類以上であってもよい。
【0040】
図3に示す例では、ハンドジェスチャAとして「パー(平)」、ハンドジェスチャBとして「パー(甲)」、ハンドジェスチャCとして「グー」、ハンドジェスチャDとして「チョキ」、ハンドジェスチャEとして「ツマム」が登録されている。
図3に示す5種類のハンドジェスチャは一例であり、他の種類のハンドジェスチャが登録されてもよい。
【0041】
図4は、記憶部202が記憶する複数種類の所作の一例を概略的に示す。
図4では、6種類の所作が登録されている場合について例示している。登録される所作の数は6種類に限らず、7種類以上であってもよい。
【0042】
図4に示す例では、所作aとして「グーパー」、所作bとして「パタパタ」、所作cとして「チョキパー」、所作dとして「ピンチ」、所作eとして「ムーブ」、所作fとして「リリース」が登録されている。
図4に示す6種類の所作は一例であり、他の種類の所作が登録されてもよい。
【0043】
図5は、ユーザの左手の5本の指に割り当てられた機能の一例を概略的に示す。
図5に示す例において、ユーザの左手の手の平における親指に機能A、人差指に機能B、中指に機能C、薬指に機能D、小指に機能Eが割り当てられている。
【0044】
図6は、ユーザの右手による、親指に対する所作の一例を概略的に示す。ここでは、ユーザの右手によって、ユーザの左手の親指に対してピンチした後にリリースしている所作を示す。機能実行部206は、当該所作を検出したことに応じて、機能Aを実行してよい。
【0045】
図7は、ユーザの左手による所作の一例を概略的に示す。ここでは、
図5に示す状態から、ユーザの左手がパタパタの所作を行った場合を例示している。機能実行部206は、当該所作を検出したことに応じて、左手の5本の指のそれぞれについて、割り当てられている複数の機能のうちで、有効とする機能を切り替えてよい。
図7に示す例において、親指について有効とする機能が、機能Aから機能Jに切り替わり、人差指について有効とする機能が、機能Bから機能Iに切り替わり、中指について有効とする機能が、機能Cから機能Hに切り替わり、薬指について有効とする機能が、機能Dから機能Gに切り替わり、小指について有効とする機能が、機能Eから機能Fに切り替わっている。
【0046】
図8は、一の指に割り当てられた複数の機能の提示の一例を概略的に示す。機能実行部206は、ユーザの右手による、ユーザの左手の5本の指のうちのいずれかに対する所作を検出したことに応じて、所作の対象の指に割り当てられた複数の機能を提示してよい。
図8では、ユーザの右手によって、ユーザの左手の親指に対してピンチが行われた後、ムーブが行われた場合について例示している。機能実行部206は、ムーブに応じて、機能A1、機能A2、機能A3を順に提示してよい。
【0047】
ここで、複数種類の機能のそれぞれについて、具体例を示しつつ説明する。ここでは、情報処理装置200が、ユーザの右手による、ユーザの左手の5本の指に対する所作を検出したことに応じて、所作の対象の指に割り当てられた機能を実行する場合を例に挙げて説明する。これに限らず、情報処理装置200は、ユーザの左手によるユーザの右手の5本の指に対する所作を検出したことに応じて、所作の対象の指に割り当てられた機能を実行してもよい。
【0048】
図9は、言語選択の機能について説明するための説明図である。機能実行部206は、ジェスチャ「グー」からの所作「グーパー」を検出したことに応じて、左手の5本の指のそれぞれに割り当てられた機能を示すオブジェクトを表示させる。
図9に示す例では、「日本語」、「英語」、「ドイツ」語、「フランス語」、「スペイン語」の文字列が表示されている。機能実行部206は、左手の5本の指のそれぞれについて、表示した言語を有効にする。なお、ここではすべて日本語で表示しているが、情報処理装置200は、各言語を、それぞれの母国語で表示してもよい。
【0049】
機能実行部206は、所作「パタパタ」を検出した場合、左手の5本の指のそれぞれについて、割り当てられている複数の機能のうちで、有効とする機能を切り替えて、切り替えた後の言語を表示させる。
図9に示す例では、切り替え後の、「△△語」、「〇〇語」、「××語」、「韓国語」、「中国語」が表示されている。機能実行部206は、所作「パタパタ」を検出する毎に、左手の5本の指のそれぞれについて、有効とする機能を切り替えて、表示を切り替え、すべての切り替えが終了した後は、最初にループして、「日本語」、「英語」、「ドイツ語」、「フランス語」、「スペイン語」を有効としてよい。
【0050】
「日本語」、「英語」、「ドイツ語」、「フランス語」、「スペイン語」が有効となっている状態で、左手の親指に対する右手のピンチを検出した場合に、機能実行部206は、親指に対応する「日本語」を選択状態とし、右手のリリースを検出した場合に、「日本語」への設定を完了する。
【0051】
図10は、文字入力の対象となる文字のオブジェクトを表示した後に、言語を切り替える機能について説明するための説明図である。ここでは、一番目の言語が日本語であり、2番目の言語が英語に設定されている場合を例に挙げて説明する。
【0052】
機能実行部206は、ジェスチャ「グー」からの所作「グーパー」を検出したことに応じて、左手の5本の指に対して、「あ」、「か」、「さ」、「た」、「な」の文字を表示させる。
【0053】
機能実行部206は、所作「パタパタ」を検出した場合、有効とする文字を切り替えて、「は」、「ま」、「や」、「ら」、「わ」の文字を表示させる。機能実行部206は、更に、所作「パタパタ」を検出した場合、有効とする文字を切り替えて、「数字」、「記号」、「絵文字」の文字列を表示させる。
【0054】
機能実行部206は、左手の5本の指に対して、「あ」、「か」、「さ」、「た」、「な」の文字を表示させている状態で、ジェスチャ「グー」からの所作「グーパー」を検出したことに応じて、左手の5本の指に対して、英語の、「ABCD」、「EFGH」、「IJKL」、「MNOP」、「QRST」の文字列を表示させる。
【0055】
機能実行部206は、所作「パタパタ」を検出した場合、有効とする文字を切り替えて、「UVW」、「XYZ」、「数字」、「記号」、「絵文字」の文字列を表示させる。機能実行部206は、ジェスチャ「グー」からの所作「グーパー」を検出したことに応じて、日本語の「あ」、「か」、「さ」、「た」、「な」の文字を表示させてよい。このように機能実行部206は、所作「グーパー」を検出する毎に、言語を切り替えてよい。これにより、言語の切り替えをスムーズに行うことができ、例えば、日本語の文字と英語の文字とが混在するような文章をスピーディに作成可能な環境を提供できる。
【0056】
図11は、一の指に割り当てられた複数の機能を選択肢として提示する場合について説明するための説明図である。機能実行部206は、左手の5本の指のいずれかの指に対する、右手による所作を検出したことに応じて、所作の対象の指に割り当てられた複数の機能を提示してよい。
図11に示す例においては、機能実行部206は、左手の5本の指のそれぞれに対応する機能として、「あ」、「か」、「さ」、「た」、「な」の文字を表示している状態で、左手の人差指に対する、右手のピンチ及びムーブを検出したことに応じて、人差指に割り当てられているか行の文字を提示する。
図11に示す例では、右手が右側にムーブされていることに応じて、「か」、「き」、「く」、「け」、「こ」、「が」、「ぎ」、「ぐ」、「げ」、「ご」の文字を順に提示していく。選択肢がこれ以上無い場合は、オブジェクトが右に伸びなくなる。
【0057】
機能実行部206は、提示している複数の文字のうち、右手によるピンチ及びリリースを検出した場合に、対象となる文字を入力する。
図11に示す例では、「く」に対してピンチ及びリリースがされており、機能実行部206は、「く」を入力する。
【0058】
図12は、文字のクイック選択について説明するための説明図である。ここでは、
図11と異なる点を主に説明する。機能実行部206は、左手の5本の指に対して、「あ」、「か」、「さ」、「た」、「な」の文字を表示した状態で、左手の人差指に対する、右手のピンチ及びムーブを検出したことに応じて、人差指に割り当てられているか行の文字を提示していくが、途中で右手のリリースを検出した場合には、対象となる文字を入力する
図12に示す例においては、「か」、「き」、「く」までに提示した段階で、右手のリリースを検出しており、機能実行部206は、「く」を入力する。これにより、選択肢をすべて表示した後に、対象となる文字を指定する場合と比較して、より短時間での文字の入力を可能とすることができる。
【0059】
図13は、選択肢が多い場合の表示例について説明するための説明図である。機能実行部206は、選択肢が予め定められた閾値より多い場合、所作「パタパタ」に応じて、選択肢を追加する形で表示させるようにしてもよい。
図13では、「記号」の選択肢を例に挙げて説明する。
【0060】
機能実行部206は、記号が割り当てられた左手の人差指に対する、右手によるピンチ及びムーブを検出したことに応じて、記号の選択肢を表示していく。
図13に示す例では、まず、
を表示させている。ここで、機能実行部206は、左手の所作「パタパタ」を検出したことに応じて、選択肢を追加表示させる。
図13に示す例では、
が追加表示されている。さらに、左手の所作「パタパタ」を検出したことに応じて、機能実行部206は、選択肢を追加表示させる。
図13に示す例では、
が追加表示されている。このような表示を提供することによって、選択肢が多い場合における、選択肢の選択を効率化させることができる。
【0061】
図14は、英語の文字入力における選択肢の最大表示からの選択について説明するための説明図である。機能実行部206は、右手による左手の5本の指のいずれかに対するムーブの所作を検出したことに応じて、所作の対象の指に割り当てられた複数の機能を提示し、提示した複数の機能のうち右手によって指定された機能を実行してよい。
【0062】
図14に示す例において、まず、機能実行部206は、左手の5本の指のそれぞれに対応する位置に「ABCD」、「EFGH」、「IJKL」、「MNOP」、「QRST」の文字列を表示させている。機能実行部206は、左手の人差指に対する右手のピンチ及びムーブを検出したことに応じて、半角大文字のEFGH、半角小文字のefgh、全角大文字のEFGH、全角小文字のefgh、を表示させてよい。選択肢がこれ以上ない場合は、オブジェクトが右に伸びなくなる。機能実行部206は、右手による半角大文字のFのピンチ及びリリースを検出した場合に、半角大文字のFを入力する。
【0063】
図15から
図17は、入力された複数のひらがなを含む文字列の漢字への変換について説明するための説明図である。
図11及び
図12において説明した文字入力によって入力された文字は、テキスト表示のオブジェクトに入力される。
図15では、11文字が入力されて、テキスト表示のオブジェクトに「くにやぶれてさんがあり」が入力されている状態を開始状態として示している。
【0064】
機能実行部206は、「く」に対する右手の所作「ピンチ」を検出したことに応じて、「く」の予測変換の候補を表示させてよい。
図15に示す例では、5個の候補が表示されている。機能実行部206は、右手の所作「ムーブ」に応じて、テキスト表示のオブジェクトの選択範囲を変更し、選択範囲の予測変換の候補を表示させてよい。
図15に示す例では、「くにやぶれて」が選択範囲となった状態と、「くにやぶれてさんがあり」が選択範囲となった状態とを例示している。
【0065】
機能実行部206は、左手の所作「パタパタ」を検出したことに応じて、予測変換の候補を切り替えてよい。すなわち、機能実行部206は、左手のパタパタを検出する毎に、表示している候補以外の候補を順次表示していき、候補がなくなったら、最初の候補に戻るように表示させてよい。
図16に示す例では、「くにやぶれて」の予測変換の候補が、左手の所作「パタパタ」毎に切り替わる様子を示している。最終選択肢の後はブランクとなってよく、さらに左手の所作「パタパタ」を検出した場合、最初にループしてよい。
【0066】
機能実行部206は、右手の所作「ムーブ」に合わせて、テキスト表示のオブジェクトの選択範囲を変更し、それに合わせて選択範囲の予測変換の候補を表示させ、表示させた選択肢に対する右手の所作「ピンチ」及び「リリース」を検出したことに応じて、対象となる選択肢を確定してよい。
【0067】
図18は、英単語への変換について説明するための説明図である。
図18では、2文字が入力されて、テキスト表示のオブジェクトに「en」が入力されている状態を開始状態として示している。
【0068】
機能実行部206は、「e」の後に「n」が入力されたことに応じて、「en」からの予測変換の候補を表示させる。機能実行部206は、表示させた候補に対する右手の所作「ピンチ」及び「リリース」を検出したことに応じて、対象となる選択肢を確定してよい。
【0069】
図19~25は、テキスト編集について説明するための説明図である。
図19は、テキスト編集用機能の呼び出しと、切り替えについて説明するための説明図である。本例において、左手の表裏の指にテキスト編集用機能が割り当てられており、左手の所作「チョキパー」で呼び出せるように設定されているものとして説明する。
【0070】
機能実行部206は、左手の所作「チョキパー」を検出したことに応じて、左手の5本の指について、「デリート」、「改行 スペース」、「コピー カット」、「ペースト」、「確定」を有効にして、表示させる。機能実行部206は、左手の所作「パタパタ」を検出したことに応じて、左手の5本の指について、有効とする機能を切り替えて、表示させる。
図19に示す例では、「フォント」、「サイズ」、「カラー」、「装飾」、「確定」が有効となっている。機能実行部206は、左手の所作「パタパタ」を検出したことに応じて、有効とする機能を切り替えるが、
図19に示す例では、切り替え対象がないので、「デリート」、「改行 スペース」、「コピー カット」、「ペースト」、「確定」を有効にして、表示させている。
【0071】
図20は、テキスト編集部分の選択について説明するための説明図である。本例では、テキスト表示のオブジェクトに「国破れて山河あり」が入力されている状態を開始状態として示している。機能実行部206は、テキスト表示のオブジェクトのうち、右手の所作「ピンチ」、右手の所作「ムーブ」、右手の所作「リリース」によって選択された範囲を、選択状態にしてよい。
図20に示す例においては、「国破れて」が選択状態となっている。
【0072】
図21は、テキスト編集部分の選択について説明するための説明図である。ここでは、
図20と異なる点を主に説明する。機能実行部206は、テキスト表示のオブジェクトにおける文字と文字との間に対する、右手の所作「ピンチ」を検出したことに応じて、当該文字と文字との間にカーソル「_」を表示させる。そして、機能実行部206は、右手の所作「リリース」を検出したことに応じて、文字間の編集部分を確定させる。
図21に示す例では、「国破れて」と「山河あり」との間に、カーソル「_」の位置が確定されている。機能実行部206は、文字間の編集部分を確定させた後、カーソル「_」に対する右手の所作「ピンチ」及び「ムーブ」を検出したことに応じて、テキスト表示のオブジェクトにおけるカーソル「_」の位置を変更してよい。
【0073】
図22は、テキストの再変換について説明するための説明図である。ここでは、
図20に示す例において示した「国破れて」が選択されている状態を開始状態として説明する。
【0074】
機能実行部206は、左手の所作「パタパタ」を検出したことに応じて、「国破れて」の変換候補を表示させる。機能実行部206は、変換候補のいずれかに対する右手による所作「ピンチ」及び「リリース」を検出したことに応じて、「国破れて」を変更する。
図22に示す例では、変換候補のうちの「クニヤブレテ」が選択されて、「国破れて」が「クニヤブレテ」に変更されている。
【0075】
図23は、テキストの挿入と変換について説明するための説明図である。ここでは、
図21に示す例において示した「国破れて」と「山河あり」との間にカーソル「_」が配置されている状態を開始状態として説明する。
【0076】
機能実行部206は、左手の所作「パタパタ」を検出したことに応じて、文字入力に遷移して、左手の5本の指のそれぞれに対応する位置に文字を表示させる。機能実行部206は、左手の5本の指のいずれかに対する右手の所作「ピンチ」及び「リリース」を検出したことに応じて、対象となる文字を挿入する。
図23に示す例では、「か」を挿入している。
【0077】
機能実行部206は、左手の所作「パタパタ」を検出したことに応じて、左手の5本の指の文字を切り替える。機能実行部206は、「ら」に対応する人差指への右手の所作「ピンチ」及び「リリース」を検出したことに応じて、「ら」を挿入する。これにより、テキスト表示のオブジェクトが「国破れてから山河あり」となる。機能実行部206は、左手の所作「チョキパー」を検出したことに応じて、テキスト編集機能を呼び出し、左手の5本の指に対応する位置にテキスト編集機能を表示させる。機能実行部206は、「確定」に対応する左手の小指に対する右手の所作「ピンチ」及び「リリース」を検出したことに応じて、「から」を確定させる。さらに、機能実行部206は、左手の所作「パタパタ」を検出したことに応じて、「から」の変化候補を表示させる。機能実行部206は、例えば、「~」に対応する左手の薬指に対する右手の所作「ピンチ」及び「リリース」を検出したことに応じて、「~」を確定してよい。これにより、テキスト表示のオブジェクトが「国破れて~山河あり」に確定する。
【0078】
図24は、テキストの編集について説明するための説明図である。ここでは、
図20に示す例において示した「国破れて」が選択されている状態を開始状態として説明する。
【0079】
機能実行部206は、左手の所作「チョキパー」を検出したことに応じて、テキスト編集機能を呼び出し、左手の5本の指に対応する位置にテキスト編集機能を表示させる。機能実行部206は、「デリート」に対する右手の所作「ピンチ」及び「リリース」を検出したことに応じて、選択されている「国破れて」を削除する。
【0080】
機能実行部206は、「コピー」に対する右手の所作「ピンチ」及び「リリース」を検出した場合、「国破れて」をコピーする。「国破れて」はクリップボードに保存される。機能実行部206は、「カット」に対する右手の所作「ピンチ」及び「リリース」を検出した場合、「国破れて」をカットする。「国破れて」はクリップボードに保存される。
【0081】
機能実行部206は、「ペースト」に対する右手の所作「ピンチ」及び「リリース」を検出した場合、クリップボードに保存されている文字又は文字列をペーストする。
【0082】
機能実行部206は、「フォント」に対する右手の所作「ピンチ」及び「リリース」を検出した場合、「国破れて」のフォントを変更する。機能実行部206は、例えば、「フォント」に対する右手の所作「ピンチ」及び「ムーブ」を検出したことに応じて、フォントの候補を表示し、候補に対する右手の所作「ピンチ」及び「リリース」を検出した場合に、「国破れて」のフォントを、当該候補のフォントに変更する。フォントの候補の例として、Arial、明朝、ゴシック、メイリオ等が挙げられるが、これらに限られない。
【0083】
機能実行部206は、「サイズ」に対する右手の所作「ピンチ」及び「リリース」を検出した場合、「国破れて」のサイズを変更する。機能実行部206は、例えば、「サイズ」に対する右手の所作「ピンチ」及び「ムーブ」を検出したことに応じて、サイズの候補を表示し、候補に対する右手の所作「ピンチ」及び「リリース」を検出した場合に、「国破れて」のサイズを、当該候補のサイズに変更する。
【0084】
機能実行部206は、「カラー」に対する右手の所作「ピンチ」及び「リリース」を検出した場合、「国破れて」のカラーを変更する。機能実行部206は、例えば、「カラー」に対する右手の所作「ピンチ」及び「ムーブ」を検出したことに応じて、カラーの候補を表示し、候補に対する右手の所作「ピンチ」及び「リリース」を検出した場合に、「国破れて」のカラーを、当該候補のカラーに変更する。
【0085】
機能実行部206は、「装飾」に対する右手の所作「ピンチ」及び「リリース」を検出した場合、「国破れて」の装飾を変更する。機能実行部206は、例えば、「装飾」に対する右手の所作「ピンチ」及び「ムーブ」を検出したことに応じて、装飾の候補を表示し、候補に対する右手の所作「ピンチ」及び「リリース」を検出した場合に、「国破れて」の装飾を、当該候補の装飾に変更する。装飾の候補の例として、ボールド、アンダーライン、イタリック等が挙げられるが、これらに限られない。
【0086】
図25は、テキストの編集について説明するための説明図である。ここでは、
図21に示す例において示した「国破れて」と「山河あり」との間にカーソル「_」が配置されている状態を開始状態として説明する。
【0087】
機能実行部206は、左手の所作「チョキパー」を検出したことに応じて、テキスト編集機能を呼び出し、左手の5本の指に対応する位置にテキスト編集機能を表示させる。機能実行部206は、「デリート」に対する右手の所作「ピンチ」及び「リリース」を検出したことに応じて、カーソル「_」の1つ前の文字を削除する。
図25では、「デリート」に対する右手の所作「ピンチ」及び「リリース」をさらに検出した場合について例示している。その後、「確定」に対する右手の所作「ピンチ」及び「リリース」を検出した場合、「国破山河あり」で確定する。
【0088】
機能実行部206は、「改行」に対する右手の所作「ピンチ」及び「リリース」を検出した場合、カーソル「_」の前に改行を挿入する。機能実行部206は、「改行」に対する右手の所作「ピンチ」及び「リリース」を検出する毎に、改行を挿入する。
【0089】
機能実行部206は、「スペース」に対する右手の所作「ピンチ」及び「リリース」を検出した場合、カーソル「_」の前にスペースを挿入する。機能実行部206は、「スペース」に対する右手の所作「ピンチ」及び「リリース」を検出する毎に、スペースを挿入する。
【0090】
図26は、片手操作について説明するための説明図である。機能実行部206は、片手操作の場合も、
図3に例示したジェスチャ310及び
図4に例示した所作320を用いてよいが、「ツマム」について、5本の指の各々どの指なのかを区別するジェスチャで構成される。
【0091】
例えば、左手の親指の「ツマム」は、親指を左手の側面に接触するジェスチャであってよい。左手の親指の所作「ピンチ」は、親指を左手の側面に向けて移動する所作であってよく、左手の親指の所作「リリース」は、親指を左手の側面から離す所作であってよい。
【0092】
例えば、左手の人差指の「ツマム」は、人差指を左手の親指に接触するジェスチャであってよい。左手の人差指の所作「ピンチ」は、人差指を左手の親指に接触させる所作であってよく、左手の人差指の所作「リリース」は、人差指と親指とを離す所作であってよい。
【0093】
例えば、左手の中指の「ツマム」は、中指を左手の親指に接触するジェスチャであってよい。左手の中指の所作「ピンチ」は、中指を左手の親指に接触させる所作であってよく、左手の中指の所作「リリース」は、中指と親指とを離す所作であってよい。
【0094】
例えば、左手の薬指の「ツマム」は、薬指を左手の親指に接触するジェスチャであってよい。左手の薬指の所作「ピンチ」は、薬指を左手の親指に接触させる所作であってよく、左手の薬指の所作「リリース」は、薬指と親指とを離す所作であってよい。
【0095】
例えば、左手の小指の「ツマム」は、小指を左手の親指に接触するジェスチャであってよい。左手の小指の所作「ピンチ」は、小指を左手の親指に接触させる所作であってよく、左手の小指の所作「リリース」は、小指と親指とを離す所作であってよい。
【0096】
図26は、左手の5本の指に対応する位置に「あ」、「か」、「さ」、「た」、「な」が表示されている状態を開始状態としている。機能実行部206は、左手の親指の所作「ピンチ」を検出したことに応じて、あ行を選択状態とする。機能実行部206は、左手の所作「ムーブ」を検出したことに応じて、あ行の文字「あ」、「い」、「う」、「え」、「お」を表示していく。機能実行部206は、「う」のところで、左手の親指の「リリース」を検出したことに応じて、「う」を入力して、テキスト表示のオブジェクトに入力する。
【0097】
このように、「ツマム」について、5本の指の各々どの指なのかを区別するジェスチャで構成することによって、文字入力はもちろん、漢字や単語への変換、テキスト編集等の機能についても、片手での操作を実現することができる。
【0098】
図27及び
図28は、ブラインド入力について説明するための説明図である。ここでは、左手の5本の指に対して、「あ」、「か」、「さ」、「た」、「な」の文字を表示する場合を例に挙げて説明する。機能実行部206は、「あ」、「か」、「さ」、「た」、「な」の文字を表示させるときに、音声出力部208に「あかさたな」と音声出力させる。これにより、表示を見ていなくても、現時点での候補をユーザに把握させることができる。なお、この場合、機能実行部206は、「あ」、「か」、「さ」、「た」、「な」の文字の表示はさせなくてもよい。
【0099】
機能実行部206は、左手の人差指に対する右手の所作「ピンチ」を検出したことに応じて、か行を選択し、音声出力部208に「か」を音声出力させる。機能実行部206は、右手の所作「ムーブ」を検出したことに応じて、「き」、「く」と順に表示させるとともに、「き」、「く」を音声出力部208に音声出力させる。機能実行部206は、右手の所作「リリース」を検出したことに応じて、「く」をテキスト表示のオブジェクトに入力する。機能実行部206は、テキスト表示のオブジェクトが変化した場合に、テキスト表示のオブジェクトを音声出力部208に音声出力させてよい。
図27に示す例においては、「く」が音声出力される。
【0100】
続いて、
図28に示すように、機能実行部206は、左手のジェスチャ「パー」を検出したことに応じて、左手の5本の指に対して「あ」、「か」、「さ」、「た」、「な」の文字を表示させる。機能実行部206は、左手の小指に対する右手の所作「ピンチ」を検出したことに応じて、な行を選択し、音声出力部208に「な」を音声出力させる。機能実行部206は、右手の所作「ムーブ」を検出したことに応じて、「に」を表示させるとともに、「に」を音声出力部208に音声出力させる。機能実行部206は、右手の所作「リリース」を検出したことに応じて、「に」をテキスト表示のオブジェクトに入力する。機能実行部206は、テキスト表示のオブジェクトに入力されている「くに」を音声出力部208に音声出力させる。
【0101】
このように、機能実行部206は、候補について、適宜音声出力部208に音声出力させ、テキスト表示のオブジェクトが変化した場合に、テキスト表示のオブジェクトを音声出力部208に音声出力させてよい。これにより、ブラインド入力を実現することができる。
【0102】
なお、機能実行部206は、音声出力部208に候補を音声出力させるときと、テキスト表示のオブジェクトを音声出力させるときとで、音声出力のパラメータを変更させてもよい。機能実行部206は、例えば、音量及び音質の少なくともいずれかを変更させてよい。これにより、候補と、すでに入力が確定している文字又は文字列とを、ユーザに区別させやすくできる。
【0103】
図29及び
図30は、音声文字入力と、ジェスチャによるテキスト編集とを組み合わせた場合について説明するための説明図である。機能実行部206は、例えば、音声文字入力によって、文字入力が行われた後に、左手の所作「チョキパー」を検出したことに応じて、左手の5本の指について、「デリート」、「改行 スペース」、「コピー カット」、「ペースト」、「確定」を有効にして、表示させる。機能実行部206は、音声文字入力によって、入力された文字又は文字列に対して、「デリート」、「改行 スペース」、「コピー カット」、「ペースト」、「確定」のいずれかを適用させてよい。機能実行部206は、左手の所作「パタパタ」を検出したことに応じて、左手の5本の指について、有効とする機能を切り替えて、表示させる。
図29に示す例では、「フォント」、「サイズ」、「カラー」、「装飾」、「確定」が有効となっている。
【0104】
図30は、音声文字入力によって「くにやぶれてさんがあり」が入力され、テキスト表示のオブジェクトとして入力されている状態を開始状態として示している。機能実行部206は、テキスト表示のオブジェクトのうち、右手の所作「ピンチ」、右手の所作「ムーブ」、右手の所作「リリース」によって選択された範囲を、選択状態にしてよい。
図30に示す例においては、「くにやぶれて」が選択状態となっている。このように、情報処理装置200によれば、音声文字入力において、音声での指示が困難な操作をつまむUIで補完することができ、ユーザの利便性を向上することができる。
【0105】
図31は、情報処理装置200として機能するコンピュータ1200のハードウェア構成の一例を概略的に示す。コンピュータ1200にインストールされたプログラムは、コンピュータ1200を、本実施形態に係る装置の1又は複数の「部」として機能させ、又はコンピュータ1200に、本実施形態に係る装置に関連付けられるオペレーション又は当該1又は複数の「部」を実行させることができ、及び/又はコンピュータ1200に、本実施形態に係るプロセス又は当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ1200に、本明細書に記載のフローチャート及びブロック図のブロックのうちのいくつか又はすべてに関連付けられた特定のオペレーションを実行させるべく、CPU1212によって実行されてよい。
【0106】
本実施形態によるコンピュータ1200は、CPU1212、RAM1214、及びグラフィックコントローラ1216を含み、それらはホストコントローラ1210によって相互に接続されている。コンピュータ1200はまた、通信インタフェース1222、記憶装置1224、DVDドライブ、及びICカードドライブのような入出力ユニットを含み、それらは入出力コントローラ1220を介してホストコントローラ1210に接続されている。DVDドライブは、DVD-ROMドライブ及びDVD-RAMドライブ等であってよい。記憶装置1224は、ハードディスクドライブ及びソリッドステートドライブ等であってよい。コンピュータ1200はまた、ROM1230及びキーボードのようなレガシの入出力ユニットを含み、それらは入出力チップ1240を介して入出力コントローラ1220に接続されている。
【0107】
CPU1212は、ROM1230及びRAM1214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ1216は、RAM1214内に提供されるフレームバッファ等又はそれ自体の中に、CPU1212によって生成されるイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス1218上に表示されるようにする。
【0108】
通信インタフェース1222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。記憶装置1224は、コンピュータ1200内のCPU1212によって使用されるプログラム及びデータを格納する。DVDドライブは、プログラム又はデータをDVD-ROM等から読み取り、記憶装置1224に提供する。ICカードドライブは、プログラム及びデータをICカードから読み取り、及び/又はプログラム及びデータをICカードに書き込む。
【0109】
ROM1230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ1200によって実行されるブートプログラム等、及び/又はコンピュータ1200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入出力チップ1240はまた、様々な入出力ユニットをUSBポート、パラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入出力コントローラ1220に接続してよい。
【0110】
プログラムは、DVD-ROM又はICカードのようなコンピュータ可読記憶媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体から読み取られ、コンピュータ可読記憶媒体の例でもある記憶装置1224、RAM1214、又はROM1230にインストールされ、CPU1212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ1200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置又は方法が、コンピュータ1200の使用に従い情報のオペレーション又は処理を実現することによって構成されてよい。
【0111】
例えば、通信がコンピュータ1200及び外部デバイス間で実行される場合、CPU1212は、RAM1214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース1222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース1222は、CPU1212の制御の下、RAM1214、記憶装置1224、DVD-ROM、又はICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、又はネットワークから受信した受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ領域等に書き込む。
【0112】
また、CPU1212は、記憶装置1224、DVDドライブ(DVD-ROM)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイル又はデータベースの全部又は必要な部分がRAM1214に読み取られるようにし、RAM1214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU1212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックしてよい。
【0113】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、及びデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU1212は、RAM1214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプのオペレーション、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM1214に対しライトバックする。また、CPU1212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU1212は、当該複数のエントリの中から、第1の属性の属性値が指定されている条件に一致するエントリを検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0114】
上で説明したプログラム又はソフトウエアモジュールは、コンピュータ1200上又はコンピュータ1200近傍のコンピュータ可読記憶媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワーク又はインターネットに接続されたサーバシステム内に提供されるハードディスク又はRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読記憶媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ1200に提供する。
【0115】
本実施形態におけるフローチャート及びブロック図におけるブロックは、オペレーションが実行されるプロセスの段階又はオペレーションを実行する役割を持つ装置の「部」を表わしてよい。特定の段階及び「部」が、専用回路、コンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、及び/又はコンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタル及び/又はアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)及び/又はディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、及びプログラマブルロジックアレイ(PLA)等のような、論理積、論理和、排他的論理和、否定論理積、否定論理和、及び他の論理演算、フリップフロップ、レジスタ、並びにメモリエレメントを含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
【0116】
コンピュータ可読記憶媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読記憶媒体は、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読記憶媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(登録商標)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0117】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、又はSmalltalk(登録商標)、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、及び「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコード又はオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
【0118】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路が、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を生成するために当該コンピュータ可読命令を実行すべく、ローカルに又はローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路に提供されてよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0119】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0120】
特許請求の範囲、明細書、及び図面中において示した装置、システム、プログラム、及び方法における動作、手順、ステップ、及び段階などの各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」などと明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、及び図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」などを用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0121】
100 眼鏡型デバイス、110 フレーム、112 リム、114 ブリッジ、116 レンズ部、118 テンプル、120 カメラ、122 センサ、124 視線検出部、126 マイク、128 スピーカ、200 情報処理装置、202 記憶部、204 検出部、206 機能実行部、208 音声出力部、310 ジェスチャ、320 所作、1200 コンピュータ、1210 ホストコントローラ、1212 CPU、1214 RAM、1216 グラフィックコントローラ、1218 ディスプレイデバイス、1220 入出力コントローラ、1222 通信インタフェース、1224 記憶装置、1230 ROM、1240 入出力チップ