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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024115668
(43)【公開日】2024-08-27
(54)【発明の名称】研削システム
(51)【国際特許分類】
   B24B 49/04 20060101AFI20240820BHJP
   B24B 49/10 20060101ALI20240820BHJP
   B24B 5/04 20060101ALI20240820BHJP
   B23Q 17/09 20060101ALI20240820BHJP
   B23Q 15/013 20060101ALI20240820BHJP
【FI】
B24B49/04 A
B24B49/10
B24B5/04
B23Q17/09 G
B23Q15/013
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023021429
(22)【出願日】2023-02-15
(71)【出願人】
【識別番号】000001247
【氏名又は名称】株式会社ジェイテクト
(74)【代理人】
【識別番号】110000648
【氏名又は名称】弁理士法人あいち国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】春日 智行
(72)【発明者】
【氏名】若園 賀生
(72)【発明者】
【氏名】松尾 和昭
(72)【発明者】
【氏名】今枝 大輔
(72)【発明者】
【氏名】小林 和矢
【テーマコード(参考)】
3C001
3C029
3C034
3C043
【Fターム(参考)】
3C001KB07
3C001TA03
3C001TB08
3C029DD17
3C034AA01
3C034BB74
3C034BB92
3C034CA02
3C034CA24
3C034CB01
3C034CB14
3C034DD07
3C043AA03
3C043CC03
3C043CC13
3C043DD02
3C043DD03
3C043DD04
3C043DD05
3C043DD06
3C043EE04
(57)【要約】
【課題】研削加工の仕上げ工程におけるAE信号を取得することにより、工作物の表面性状を精度良く推定可能な研削システムを提供する。
【解決手段】工作物Wを研削加工する研削盤2と、研削盤2から取得した工作物Wに関する信号を解析する解析装置90と、を備えた研削システム1であって、研削盤2は、砥石車Tを回転可能に保持する砥石軸52と、砥石軸52の先端に取付けられて、研削加工時に砥石車Tに発生するAE信号を取得するAEセンサSと、砥石車Tと工作物Wとを相対移動するための制御を行う制御装置80と、を備え、制御装置80は、少なくとも、仕上げ加工と、仕上げ加工よりも単位時間当たりの切込み量が大きな仕上げ前加工と、を実行し、解析装置90は、仕上げ加工の段階において取得されたAE信号を解析することにより、工作物Wの表面粗さRaを推定する、研削システム1。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
工作物を研削加工する研削盤と、前記研削盤から取得した前記工作物に関する信号を解析する解析装置と、を備えた研削システムであって、
前記研削盤は、
前記工作物を研削加工する砥石車と、
先端側において前記砥石車を回転可能に保持する砥石軸と、
前記砥石軸の先端に取付けられて、研削加工時に前記砥石車に発生するアコースティックエミッション信号(AE信号)を取得するAEセンサと、
前記砥石軸の先端に取付けられて、前記AEセンサから取得した前記AE信号を外部に無線通信する砥石側無線通信装置と、
前記砥石軸の先端に取付けられて、前記AEセンサおよび前記砥石側無線通信装置に電力を供給する電源装置と、
前記研削盤のうち前記砥石軸と異なる部分に取付けられるとともに、前記砥石側無線通信装置と無線通信する外部側無線通信装置と、
前記砥石車と前記工作物とを相対移動するための制御を行う制御装置と、を備え、
前記制御装置は、
前記工作物に対する単位時間当たりの切込み量を複数段階で減少させる制御を実行するものであって、
少なくとも、仕上げ加工と、前記仕上げ加工よりも単位時間当たりの切込み量が大きな仕上げ前加工と、を実行し、
前記解析装置は、
前記外部側無線通信装置が受信した前記AE信号を前記外部側無線通信装置から取得し、前記AE信号を解析することにより、前記仕上げ加工の段階において取得された前記AE信号を用いて、前記工作物の表面粗さを推定する、研削システム。
【請求項2】
前記仕上げ前加工および前記仕上げ加工の双方が、前記工作物に対して相対的に前記砥石車の送り動作を実行するものであって、
前記仕上げ加工の段階における前記工作物の単位時間当たりの切込み量が、前記仕上げ前加工の段階における前記工作物の単位時間当たりの切込み量よりも少ない、請求項1に記載の研削システム。
【請求項3】
前記仕上げ前加工は、粗研加工段階と、精研加工段階と、を含み、
前記仕上げ加工は、微研加工段階を含む、請求項2に記載の研削システム。
【請求項4】
前記制御装置は、前記砥石車を、前記工作物に対して、前記工作物の径方向に相対的に移動させるプランジ加工を実行し、
前記プランジ加工は、粗研加工段階、精研加工段階、微研加工段階、およびスパークアウト加工段階を含み、
前記仕上げ前加工は、粗研加工段階と、精研加工段階と、を含み、
前記仕上げ加工は、微研加工段階を含む、請求項3に記載の研削システム。
【請求項5】
前記制御装置は、
前記仕上げ前加工の段階において、前記砥石車を、前記工作物に対して、前記工作物の径方向に相対的に移動させるプランジ加工を実行し、
前記仕上げ加工の段階において、前記砥石車を、前記工作物に対して、前記工作物の径方向に相対的に移動させるプランジ加工を実行する、請求項3に記載の研削システム。
【請求項6】
前記制御装置は、
前記仕上げ前加工の段階において、前記砥石車を、前記工作物に対して、前記工作物の径方向に相対的に移動させるプランジ加工を実行し、
前記仕上げ加工の段階において、前記砥石車を、前記工作物に対して、前記工作物の軸方向に相対的に移動させるトラバース加工を実行する、請求項3に記載の研削システム。
【請求項7】
前記制御装置は、
前記仕上げ前加工の段階において、前記砥石車を、前記工作物に対して、前記工作物の軸方向に相対的に移動させるトラバース加工を実行し、
前記仕上げ加工の段階において、前記砥石車を、前記工作物に対して、前記工作物の軸方向に相対的に移動させるトラバース加工を実行する、請求項3に記載の研削システム。
【請求項8】
さらに、前記砥石軸の先端に着脱可能なモジュールを備え、
前記モジュールは、
前記AEセンサ、前記砥石側無線通信装置、および前記電源装置を内部に収容する収容空間と、
前記収容空間の開口部に取付けられて前記収容空間を密閉するカバー部材と、を備える、請求項1に記載の研削システム。
【請求項9】
前記電源装置は、前記砥石軸の回転により発電する発電装置を備える、請求項8に記載の研削システム。
【請求項10】
前記解析装置は、
前記仕上げ加工の段階で取得された前記AE信号について統計演算することによって得られた尖り度を用いて、前記工作物の表面粗さを推定する、請求項1に記載の研削システム。
【請求項11】
前記AE信号の周波数は、0.3MHz~1.8MHzが好ましく、0.3MHz~1.1MHzがより好ましく、0.3MHz~1.0MHzが特に好ましい、請求項9に記載の研削システム。
【請求項12】
前記制御装置は、前記工作物の次に研削加工される次期工作物に対する研削加工が開始されるまでに、前記工作物の前記表面粗さを推定するとともに、前記工作物について推定された前記表面粗さに基づいて、前記砥石車に対するツルーイングを実行する、請求項1に記載の研削システム。
【請求項13】
前記制御装置は、前記工作物の次に研削加工される次期工作物に対する研削加工が開始されるまでに、前記工作物の前記表面粗さを推定するとともに、前記工作物について推定された前記表面粗さに基づいて、前記次期工作物に対する研削加工の条件を調節する、請求項1に記載の研削システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、研削システムに関する。
【背景技術】
【0002】
工作機械の砥石車を用いて工作物を研削加工する場合、砥石車の劣化が生じて研削加工の精度が低下する恐れがある。従って、砥石車の劣化を管理し、砥石車の修正を適宜行うことにより、工作物の研削加工の精度を維持することは重要である。このため、特許文献1には、砥石車による工作物の研削加工に伴い、周波数特性を有して発生するアコースティックエミッション(Acoustec Emission:AE)を表すアコースティックエミッション信号(以下、「AE信号」と呼称する。)を取得し、砥石車が工作物を研削加工した際の加工状態を推定する技術が開示されている。
【0003】
上記の技術によれば、砥石車による工作物の研削加工中に発生するAE信号を取得し、取得したAE信号を解析することによって、工作物の研削加工の状態を推定することができる。これにより、推定される研削加工の状態に基づいて砥石車を修正するタイミングを設定することが可能になると期待された。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2022-147692号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の技術においては、AE信号を取得するAEセンサは研削加工の加工点から離れた心押台に配置されていた。このため、研削加工の加工点で発生したAE信号が、AEセンサが配置された心押台まで伝達される過程で減衰することにより、AE信号を取得しにくくなる恐れがある。
【0006】
上記のAE信号には、工作物の表面性状と相関する情報が含まれている。最終加工工程が終了した完成時における工作物の表面性状は、研削加工の最終工程の直近の工程のうち、最終加工工程に近いほど相関性が高い。このため、最終加工工程の直近の工程のうち、最終加工工程に近い工程におけるAE信号を取得することが望まれる。これにより、最終加工工程終了時の工作物の表面性状に強く相関するAE信号を取得できると期待される。
【0007】
一般に、高精度な仕上げ加工面を要求される研削加工は、徐々に単位時間当たりの研削量を少なくしていくように、複数の加工工程を順次行ように構成されている。工作物の表面性状は、加工工程が進むにしたがって、より表面粗さの良好な状態に加工されていく。このため、研削加工が最終加工工程に近付くほど、発生するAE信号も微弱になりやすい。
【0008】
しかも、上記したように、従来技術においては、AEセンサが、研削加工の加工点から離れた心押台に配置されていたため、研削加工の仕上げ工程において発生する微弱なAE信号を取得しにくくなることが懸念される。
【0009】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、研削加工の仕上げ工程におけるAE信号を取得することにより、工作物の表面性状を精度良く推定可能な研削システムを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様は、
工作物を研削加工する研削盤と、前記研削盤から取得した前記工作物に関する信号を解析する解析装置と、を備えた研削システムであって、
前記研削盤は、
前記工作物を研削加工する砥石車と、
先端側において前記砥石車を回転可能に保持する砥石軸と、
前記砥石軸の先端に取付けられて、研削加工時に前記砥石車に発生するアコースティックエミッション信号(AE信号)を取得するAEセンサと、
前記砥石軸の先端に取付けられて、前記AEセンサから取得した前記AE信号を外部に無線通信する砥石側無線通信装置と、
前記砥石軸の先端に取付けられて、前記AEセンサおよび前記砥石側無線通信装置に電力を供給する電源装置と、
前記研削盤のうち前記砥石軸と異なる部分に取付けられるとともに、前記砥石側無線通信装置と無線通信する外部側無線通信装置と、
前記砥石車と前記工作物とを相対移動するための制御を行う制御装置と、を備え、
前記制御装置は、
前記工作物に対する単位時間当たりの切込み量を複数段階で減少させる制御を実行するものであって、
少なくとも、仕上げ加工と、前記仕上げ加工よりも単位時間当たりの切込み量が大きな仕上げ前加工と、を実行し、
前記解析装置は、
前記外部側無線通信装置が受信した前記AE信号を前記外部側無線通信装置から取得し、前記AE信号を解析することにより、前記仕上げ加工の段階において取得された前記AE信号を用いて、前記工作物の表面粗さを推定する、研削システムにある。
【発明の効果】
【0011】
本発明の一態様によれば、AEセンサは、研削加工点の近傍である、砥石軸の先端に取付けられている。これにより、研削加工時に発生するAE信号を取得しやすくなる。特に、研削加工の仕上げ工程において発生する微弱なAE信号を取得することができる。これにより、工作物の表面粗さを精度よく推定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施形態1の研削システムを示す平面図。
図2】研削加工における各摩耗についてAE周波数とAE振幅とを示すグラフ上の位置を示す図。
図3】実施形態1の研削システムにおける、砥石軸の先端部分近傍の軸方向断面図。
図4】実施形態1の研削システムの各構成の機能を示す図。
図5】研削加工の各工程における、加工時間に対する砥石車の切込み位置を示すグラフ。
図6】従来技術において、研削加工の各工程の加工時間に対する、AEセンサによって取得されたAE信号の周波数を示すグラフ。
図7】実施形態1において、研削加工の各工程の加工時間に対する、AEセンサによって取得されたAE信号の周波数を示すグラフ。
図8】実測された工作物の表面粗さと、AEセンサによって取得されたAE信号の尖り度と、の関係を示すグラフ。
図9】実施形態1の研削システムの動作を示すフローチャート。
図10】実施形態2の研削システムの動作を示すフローチャート。
図11】実施形態2の研削システムの加工条件調節処理を示すフローチャート。
図12】実施形態3の研削システムの動作を示すフローチャート。
図13】実施形態3の研削システムのツルーイング処理を示すフローチャート。
図14】実施形態4の研削システムにおける、砥石軸の先端部分近傍の軸方向断面図。
図15】実施形態5の研削システムにおける、砥石軸の先端部分近傍の軸方向断面図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(実施形態1)
1.研削システム1の構成
図1を参照して、研削システム1の構成について説明する。研削システム1は、研削盤2と、解析装置90と、を備える。
【0014】
研削盤2は、工作物Wを回転させ、砥石車Tを回転させ、かつ、砥石車Tを工作物Wに対して相対移動することにより、工作物Wを研削する。例えば、研削盤2は、砥石車Tを工作物Wに対して工作物Wの回転軸線に交差する方向に相対的に接近させることにより、工作物Wをプランジ研削する。また、研削盤2は、砥石車Tを工作物Wに対して工作物Wの回転軸線に平行な方向に相対移動することにより、工作物Wをトラバース研削する。
【0015】
研削盤2は、テーブルトラバース型の研削盤、砥石台トラバース型の研削盤などを適用可能である。また、研削盤2は、円筒研削盤、カム研削盤などを適用可能である。本形態においては、研削盤2は、テーブルトラバース型の円筒研削盤を例にあげる。つまり、当該研削盤2は、工作物Wを工作物Wの軸線方向に移動させ、かつ、砥石車Tを工作物Wの軸線に交差する方向に移動させる構成である。また、以下において、X軸方向は、工作物Wの軸線に直交する方向を示し、Z軸方向は、工作物Wの軸線に平行な方向を示す。
【0016】
研削盤2は、研削盤本体3と、制御装置80と、を備える。研削盤本体3は、ベッド10、テーブル20、主軸装置30、心押装置40、砥石台50、検出ユニット60、および定寸装置70を備える。
【0017】
ベッド10は、設置面上に設置されている。ベッド10は、例えば、逆T字状に形成されている。すなわち、ベッド10は、X軸方向の前面側(図1の下側)の幅(Z軸方向長さ)が長く形成されており、X軸方向の背面側(図1の上側)の幅が短く形成されている。
【0018】
ベッド10は、X軸方向の前面側の上面に、Z軸方向に延在するZ軸案内面11を備える。さらに、ベッド10には、Z軸案内面11に沿って駆動するZ軸駆動機構12を備える。本形態では、Z軸駆動機構12は、ボールねじ機構12aとZ軸用モータ12bとを備える場合を例にあげる。なお、Z軸駆動機構12は、上記のボールねじ機構12aを備える構成に代えて、リニアモータを適用することもできる。
【0019】
また、ベッド10は、X軸方向の背面側の上面に、Z軸方向に交差する方向に延在する案内面13を備える。本形態においては、案内面13は、Z軸に直交するX軸方向に延在するX軸案内面である。さらに、ベッド10には、X軸案内面13に沿って駆動するX軸駆動機構14を備える。本形態では、X軸駆動機構14は、ボールねじ機構14aとX軸用モータ14bとを備える場合を例にあげる。なお、X軸駆動機構14は、上記のボールねじ機構14aを備える構成に代えて、リニアモータを適用することもできる。
【0020】
テーブル20は、長尺状に形成されており、ベッド10のZ軸案内面11にZ軸方向(水平左右方向)に移動可能に支持されている。また、テーブル20は、Z軸ボールねじ機構12aのボールねじナットに固定されており、Z軸用モータ12bの回転駆動によってZ軸方向に移動する。
【0021】
主軸装置30は、工作物Wを支持し、工作物Wを回転駆動する。主軸装置30は、テーブル20上のZ軸方向の一端側に配置されている。主軸装置30は、主軸ハウジング31と、主軸32、主軸用モータ33と、センタ部材34と、駆動力伝達機構35とを備える。
【0022】
主軸ハウジング31は、テーブル20上に固定されている。主軸32は、主軸ハウジング31に軸受を介して回転可能に支持される。主軸用モータ33は、主軸32を回転駆動する。センタ部材34は、工作物Wの軸方向一端の端面を支持する。センタ部材34は、主軸ハウジング31に固定されて回転不能となるように設けられるようにしても良いし、主軸32に固定されて主軸ハウジング31に対して回転可能に設けられるようにしても良い。
【0023】
駆動力伝達機構35は、主軸32の軸方向端面に設けられており、主軸32の回転駆動力を工作物Wに伝達することで工作物Wを回転させる。駆動力伝達機構35は、例えば、主軸32の軸線から偏心した位置に設けられた回し部材である。つまり、駆動力伝達機構35としての回し部材は、主軸32の軸方向端面から、主軸32の軸方向に延在する偏心駆動ピンである。当該回し部材は、主軸32が回転することにより、主軸32の軸線回りに公転する。本形態においては、駆動力伝達機構35としての回し部材は、工作物Wに取り付けられたケレWaに対して回転方向一方に係合することで、工作物Wを主軸32の軸線回りに回転させる。
【0024】
心押装置40は、テーブル20上のZ軸方向の他端側に配置されている。心押装置40は、センタ部材41を備える。センタ部材41は、工作物Wの軸方向他端の端面を支持する。センタ部材41は、回転不能に設けられるようにしても良いし、回転可能に設けられるようにしても良い。
【0025】
砥石台50は、砥石車Tを備え、砥石車Tを回転駆動する。砥石台50は、砥石車Tの他に、砥石台本体51、砥石軸52、砥石車用モータ53、および、砥石車カバー54を備える。
【0026】
砥石車Tは、円盤状に形成されている。砥石車Tは、工作物Wの外周面を研削するために用いられる。砥石車Tは、複数の砥粒を結合材により固定されて構成されている。砥粒には、アルミナや炭化ケイ素などのセラミックス質の材料などにより形成される一般砥粒、ダイヤモンドやCBNなどの超砥粒などが適用される。本形態においては、砥粒としてCBNが採用された例を挙げる。
【0027】
砥石台本体51は、例えば矩形状に形成されており、ベッド10のX軸案内面13にX軸方向(水平前後方向)に移動可能に支持されている。また、砥石台本体51は、X軸ボールねじ機構14aのボールねじナットに固定されており、X軸用モータ14bの回転駆動によってX軸方向に移動する。さらに、砥石台本体51は、X軸方向前方に、軸ハウジングとしての筒状部分を有する。
【0028】
砥石軸52は、砥石台本体51の筒状部分に軸受(図示せず)を介して回転可能に支持される。砥石軸52は砥石車Tを保持しており、砥石軸52の回転に伴って砥石車Tが回転する。砥石車用モータ53は、砥石軸52を回転駆動する。例えば、砥石車用モータ53は、ベルトを介して砥石軸52に回転駆動力を伝達する。ただし、砥石車用モータ53は、砥石軸52と同軸に配置しても良い。
【0029】
砥石車カバー54は、砥石台本体51に回転不能に設けられ、砥石車Tの一部を被覆する。砥石車カバー54は、少なくとも工作物W側(X軸方向前面側)の領域を開口し、砥石車Tを露出させている。
【0030】
検出ユニット60は、検出対象物としての砥石車Tまたは砥石軸52に取り付けられ、アナログ検出信号を出力するAEセンサSを備える。本形態において、AEセンサSは、砥石車Tにより工作物Wを研削することによって、砥石車Tに発生する弾性波を検出してアナログ検出信号としてのAE信号を出力する。検出ユニット60は、AEセンサSが出力するアナログ検出信号を無線通信することができる。
【0031】
定寸装置70は、ベッド10の上面に設けられ、工作物Wの外径寸法を計測する。定寸装置70は、例えば、工作物Wの外周面に接触可能な一対の接触子を備えており、工作物Wへの接触部位における外径寸法を計測する。
【0032】
制御装置80は、加工制御を実行するCNC装置である。つまり、制御装置80は、加工プログラムおよび定寸装置70による計測結果に基づいて、移動装置としてのZ軸駆動機構12およびX軸駆動機構14を駆動して、テーブル20および砥石台50の位置制御を行う。つまり、制御装置80は、テーブル20および砥石台50などの位置制御を行うことで、工作物Wと砥石車Tとを相対的に接近および離間させる。さらに、制御装置80は、主軸装置30および砥石台50の制御を行う。つまり、制御装置80は、主軸32の回転制御および砥石車Tの回転制御を行う。
【0033】
また、制御装置80は、後述するように、解析装置90によって推定された工作物Wの表面粗さRaに基づいて加工制御を行うこともできる。例えば、制御装置80は、推定された工作物Wの表面粗さRaに基づいて、工作物Wの加工品質を推定することにより工作物Wの良品判定を行ったり、砥石車Tの表面状態を推定したりすることができる。また、制御装置80は、砥石車Tの表面状態の推定結果を用いて、砥石車Tのツルーイングを行うタイミングを決定することもできる。
【0034】
解析装置90は、AEセンサSから送信されたAE信号を解析することにより、仕上げ加工の段階において取得されたAE信号を用いて、工作物Wの表面粗さRaを推定する。
【0035】
2.研削加工における摩耗
研削加工における摩耗について、図2を参照して説明する。研削盤2による研削加工は、砥石車Tを構成する硬質の砥粒により、相対的に軟質の工作物Wを微小に削り取る現象である。そして、研削加工は、アブレッシブ摩耗、および、シビア摩耗の複合現象であることが分かってきた。
【0036】
研削盤2を構成するAEセンサSは、研削加工における摩耗による弾性波を検出してアナログ検出信号としてのAE信号を出力する。各摩耗について、AE信号の周波数と、AE信号の振幅との関係にて表すこととする。
【0037】
図2に示すように、AE信号の周波数は、マイルド摩耗が0.1MHz~0.3MHzであり、アブレッシブ摩耗が0.3MHz~1.1MHzであり、シビア摩耗が0.9MHz~1.6MHzである。AE信号の振幅は、相対的に、マイルド摩耗およびアブレッシブ摩耗が小さく、シビア摩耗が大きい。
【0038】
3.検出ユニット60の構成
検出ユニット60の構成について、図3を参照して説明する。図3には、砥石軸52の一部、砥石台50の一部、および、検出ユニット60を示す。砥石軸52の先端には、AEセンサSが取付けられている。AEセンサSはAE信号を無線通信する。後述する解析装置90は、例えば、AE信号に基づいて工作物Wの表面粗さRaを推定する。
【0039】
砥石台50は、上述したように、砥石車T、砥石台本体51、砥石軸52、砥石車用モータ53、および、砥石車カバー54を備える。砥石軸52の先端には、砥石車Tが嵌装されている。砥石軸52は、砥石軸本体52aと、取付部材52bとを備える。砥石軸本体52aは、軸状に形成されており、砥石台本体51の筒状部分に軸受を介して回転可能に支持されている。取付部材52bは、砥石軸本体52aの先端において、砥石車Tを軸方向に挟みこんで保持するための部材である。従って、砥石車T、砥石軸本体52a、および、取付部材52bは、一体的に回転する。
【0040】
検出ユニット60は、第一ユニット61、第二ユニット62を備える。第一ユニット61は、砥石軸52の先端に着脱可能に取り付けられている。ただし、第一ユニット61は砥石車Tに着脱可能に取付けられても良い。砥石軸52および砥石車Tは、回転中心線Ctを中心に一体に回転する回転体である。従って、第一ユニット61は、砥石軸52および砥石車Tと共に、回転中心線Ctを中心に回転する。第二ユニット62は、砥石車カバー54または砥石車カバー54と一体的な部材に取り付けられる。第二ユニット62は、例えば、砥石台本体51または砥石車カバー54に取り付けられる。つまり、第一ユニット61は、第二ユニット62に対して、回転中心線Ctを中心に回転する。
【0041】
第一ユニット61は、第一ユニットハウジング101、AEセンサS、電源装置102、砥石側無線通信装置103、取付ねじ104、および、受電コイル105を備える。
【0042】
第一ユニットハウジング101は、有底筒状に形成されている。第一ユニットハウジング101と砥石軸52とが同軸となるように、第一ユニットハウジング101の底外面が、砥石軸52の軸方向端面に取り付けられている。詳細には、第一ユニットハウジング101は、取付部材52bの軸方向端面に取り付けられており、つまり、第一ユニットハウジング101の開口側が、砥石軸52とは反対側に位置する。
【0043】
第一ユニットハウジング101の筒状の内部の収容空間106に、AEセンサS、電源装置102、および砥石側無線通信装置103が収容されている。第一ユニットハウジング101の収容空間106の開口部には取付ねじ104が螺合されている。AEセンサSは、砥石車Tにより工作物Wを研削することによって、砥石車Tに発生する弾性波を検出してアナログ検出信号としてのAE信号を出力する。AEセンサSは、マイルド摩耗、アブレッシブ摩耗、シビア摩耗による弾性波を検出してアナログ検出信号としてのAE信号SA1を出力する。AEセンサSは、第一ユニットハウジング101の底面のうち、回転中心線Ct上に位置する中央凹所に取り付けられている。
【0044】
電源装置102は、蓄電池および受電回路を備えており、第一ユニットハウジング101の底面側に設けられている。電源装置102は、AEセンサSおよび砥石側無線通信装置103の駆動電力を供給する。
【0045】
砥石側無線通信装置103は、電源装置102よりも第一ユニットハウジング101の開口側に配置され、電源装置102に積層されている。砥石側無線通信装置103は、AEセンサSが出力するAE信号SA1に基づいて、レーザ基本波に対して変調処理を施すことにより変調レーザSLを発生する。砥石側無線通信装置103は、回転中心線Ctに沿って、第一ユニットハウジング101の開口側に向かって、変調レーザSLを発生する。
【0046】
変調レーザSLは、レーザ基本波に対して振幅変調処理を施したレーザとしても良いし、レーザ基本波に対して周波数変調処理を施したレーザとしても良い。
【0047】
砥石側無線通信装置103は、例えば、半導体レーザを発生するように構成される。砥石側無線通信装置103は、例えば、垂直共振器型面発光レーザを発生する構成を採用しても良いし、端面発光レーザを発生する構成を採用しても良い。砥石側無線通信装置103は、例えば、レーザ帯域幅4GHz、発光波長850nm付近のものを適用する。砥石側無線通信装置103は、当該構成を採用することにより、アブレッシブ摩耗およびシビア摩耗の成分を含む変調レーザを発生することができる。ただし、砥石側無線通信装置103は、当該構成に限られるものではない。例えば、発光波長は、400nm~800nmを適用することもできる。
【0048】
取付ねじ104は、第一ユニットハウジング101の内周面に螺合されており、電源装置102および砥石側無線通信装置103を軸方向に挟んだ状態で保持する。取付ねじ104の中央には、回転中心線Ctに沿って、貫通孔が形成されている。この貫通孔は、変調レーザSLが通過可能な大きさに形成されている。
【0049】
受電コイル105は、第一ユニットハウジング101の開口端に配置されている。受電コイル105は、非接触給電を行うためのコイルであって、電源装置102の受電回路に接続されている。受電コイル105を介して取得した電力を電源装置102の蓄電池に蓄える。さらに、受電コイル105の中央には、回転中心線Ctに沿って、貫通孔が形成されている。この貫通孔は、変調レーザSLが通過可能な大きさに形成されている。
【0050】
ここで、電源装置102および受電コイル105は、砥石側無線通信装置103に一体に設けられ、AEセンサSおよび砥石側無線通信装置103への電力を供給するように構成された非接触受電部を構成する。非接触受電部は、受電コイル105を有する構成に限らず、非接触受電することができれば、他の構成を採用することもできる。
【0051】
第二ユニット62は、ユニットカバー111、第二ユニットハウジング112、給電ユニット113、外部側無線通信装置114、および、給電コイル115を備える。
【0052】
ユニットカバー111は、砥石台本体51または砥石車カバー54に取り付けられる。従って、ユニットカバー111は、回転不能に設けられている。本形態においては、ユニットカバー111は、砥石車カバー54に取り付けられている。ユニットカバー111は、第二ユニット62を構成する他の要素112,113,114,115を収容する。
【0053】
第二ユニットハウジング112は、ユニットカバー111に取り付けられており、第一ユニット61に対して、回転中心線Ctの方向に対向して配置されている。第二ユニットハウジング112は、有底筒状に形成されており、開口側が第一ユニット61側を向くように配置されている。
【0054】
給電ユニット113は、給電回路を備えており、第二ユニットハウジング112の筒内部のうち底面側に設けられている。
【0055】
外部側無線通信装置114は、第二ユニットハウジング112の筒内部に収容されている。従って、外部側無線通信装置114は、回転不能に設けられており、砥石側無線通信装置103に対して回転中心線Ctの方向に対向して配置されている。外部側無線通信装置114は、砥石側無線通信装置103により発生された変調レーザSLを受信する。特に、外部側無線通信装置114は、回転中心線Ctに沿って発生された変調レーザを受信する。そして、外部側無線通信装置114は、受信した変調レーザSLに対して復調処理を施すことにより、復調アナログ信号SA2を生成する。以下において、復調アナログ信号SA2を、復調AE信号と称する。
【0056】
外部側無線通信装置114は、例えば、Si高速フォトダイオードを適用する。外部側無線通信装置114の応答性は、例えば、2GHzとする。外部側無線通信装置114は、当該構成を採用することにより、アブレッシブ摩耗およびシビア摩耗の成分を含む復調AE信号SA2を生成することができる。ただし、外部側無線通信装置114は、当該構成に限られるものではない。
【0057】
変調レーザSLは、回転する第一ユニット61の砥石側無線通信装置103から発生し、回転不能に設けられた第二ユニット62の外部側無線通信装置114にて受信される。ここで、変調レーザSLは、回転中心線Ctに沿って発生するため、変調レーザSLの位置が大きくずれることはない。従って、外部側無線通信装置114は、回転する砥石側無線通信装置103から発生された変調レーザを確実に受信できる。
【0058】
給電コイル115は、第二ユニットハウジング112の開口端に配置されている。給電コイル115は、非接触給電を行うためのコイルであって、給電ユニット113の給電回路に接続されている。給電コイル115は、受電コイル105に対して、距離を隔てた状態で対向している。さらに、給電コイル115の中央には、回転中心線Ctに沿って、貫通孔が形成されている。この貫通孔は、変調レーザSLが通過可能な大きさに形成されている。
【0059】
ここで、給電ユニット113および給電コイル115は、外部側無線通信装置114に一体に設けられ、第一ユニット61を構成する非接触受電部としての電源装置102および受電コイル105に対して非接触給電可能に構成された非接触給電部を構成する。非接触受電部は、給電コイル115を有する構成に限らず、非接触給電することができれば、他の構成を採用することもできる。
【0060】
4.研削システム1の機能構成
研削システム1の機能構成について、図4を参照して説明する。図4に示すように、AEセンサSは、アナログ検出信号であるAE信号SA1を出力する。AE信号SA1には、マイルド摩耗、アブレッシブ摩耗およびシビア摩耗による弾性波に基づく信号である。
【0061】
AE信号SA1は、砥石側無線通信装置103において、変調レーザSLに変換される。図4においては、変調レーザSLは、レーザ基本波に対して、AE信号SA1に基づいて振幅変調処理を施されたレーザである。つまり、変調レーザSLの周波数は、レーザ基本波と同一であって、変調レーザSLの振幅が、AE信号SA1に応じた大きさとなる。
【0062】
特に、変調レーザSLの変調周波数帯域は、少なくとも1.0MHz以上の周波数帯域を含むようにしている。より好適には、変調レーザSLの変調周波数帯域は、少なくとも1.0MHz~2.0MHzの範囲のいずれかの周波数帯域を含むと良い。従って、変調レーザSLが、アブレッシブ摩耗やシビア摩耗の成分を確実に送信することができる。本形態においては、変調レーザSLにおける変調周波数帯域は、1.0MHz以上の周波数帯域、および、50kHz~500kHzの範囲のいずれかの周波数帯域のそれぞれを含むようにしている。従って、変調レーザSLは、アブレッシブ摩耗およびシビア摩耗の成分をより確実に送信することができる。例えば、変調レーザSLの変調周波数帯域は、300kHz~1.8MHzなどとする。
【0063】
変調レーザSLは、回転する第一ユニット61の砥石側無線通信装置103から発生し、回転不能に設けられた第二ユニット62の外部側無線通信装置114にて受信される。変調レーザSLを用いることにより、砥石側無線通信装置103と外部側無線通信装置114との間で、無線通信が可能となる。さらに、変調レーザSLは、図3を用いて説明したように、回転中心線Ctに沿って発生する。そのため、砥石側無線通信装置103と外部側無線通信装置114とが相対回転するにもかかわらず、発生された変調レーザSLの位置が大きくずれることはなく、外部側無線通信装置114が変調レーザを確実に受信できる。
【0064】
研削システム1は、解析装置90を備える。解析装置90は、復調AE信号SA2を取得し、復調AE信号SA2に基づいて工作物Wの表面粗さRaを推定する。AE信号SA1には、マイルド摩耗、アブレッシブ摩耗、シビア摩耗の成分が含まれており、変調レーザSLには、アブレッシブ摩耗、シビア摩耗の成分を含むレーザとなる。そして、復調AE信号SA2は、アブレッシブ摩耗、シビア摩耗の成分を保持した信号となっている。従って、復調AE信号SA2を用いて分析することにより、アブレッシブ摩耗、シビア摩耗の複合現象を把握することができ、工作物Wの表面粗さRaを推定することができる。
【0065】
上記したように、解析装置90は、復調AE信号SA2を取得する。復調AE信号SA2は、一連の研削加工工程、即ち、粗研加工、精研加工、微研加工およびスパークアウト加工について観察された波形である。一連の研削加工工程については後述する。
【0066】
解析装置90は、復調AE信号SA2を所定の時間間隔で分割して、分割信号を生成する。
【0067】
解析装置90は、分割信号を標準化する。即ち、解析装置90は、例えば、平均「0」、分散「1」で分割信号を標準化する。尚、解析装置90は、例えば、X=(x―xa/σ)により表される式を用いて、分割信号を標準化することができる。
【0068】
ここで、上記式中の「X」は標準化後の信号を表し、「x」は標準化前の信号を表し、「xa」は信号の平均値を表し、「σ」は信号の標準偏差を表す。このため、解析装置90は、分割信号について、少なくとも平均値および標準偏差を含む各種統計演算量(例えば、ピーク値、尖り度、歪度、波高率(=ピーク値/実効値)、波形率(=実効値/平均値)等)の統計演算を行うことができる。
【0069】
解析装置90により算出された各種統計演算量は、例えば、実験的に粗さ計によって実測された表面粗さRarと関連付けられる。図8には、二種類の研削能率(Z’=6mm/(mm・s)、Z’=10mm/(mm・s))における、実験的に粗さ計によって実測された工作物Wの表面粗さRarと、微研工程における周波数0.5MHz~1.0MHzのAE信号の尖り度と、の関係を示す。図8に示すように、尖り度は、実測された表面粗さRarに対して、線形性が高く、強い相関(R=0.908)を示す。ただし、Z’およびRの数値は限定されない。
【0070】
解析装置90は、算出された統計演算量と、実験的に粗さ計によって実測された表面粗さRarとの相関関係に基づいて、工作物Wの表面粗さRaを推定する。統計演算量としては、特に限定されないが、実測された表面粗さRarとの相関性が高いので、尖り度が好ましい。本形態の解析装置90は、表面粗さRaを目的変数とし、少なくとも尖り度および実粗さ値である表面粗さRarを説明変数とする式を用いて、工作物Wの表面粗さRaを推定する。
【0071】
5.研削加工工程
一連の研削加工工程について説明する。図5に、プランジ研削における研削加工の加工時間に対する、砥石車Tの切込み位置を表すグラフを例示する。図5において、空研と記載された期間は工作物Wと砥石車Tが接触していない状態であり、粗研と記載された期間は粗研加工の期間であり、精研と記載された期間は精研加工の期間であり、微研と記載された期間は微研加工の期間であり、スパークアウトと記載された期間はスパークアウト加工の期間である。
【0072】
粗研加工、精研加工および微研加工は、工作物Wに対して相対的に砥石車Tの送り動作を実行する。スパークアウト加工は、工作物Wに対して相対的に砥石車Tの送り動作を実行しない。
【0073】
粗研加工段階においては、加工時間を短くするために、工作物Wの単位時間当たりの切込み量が比較的に大きく設定されている。精研加工段階においては、加工精度を重視して、工作物Wの単位時間当たりの切込み量が、粗研加工段階よりも小さく設定されている。粗研加工段階および精研加工段階が、仕上げ前加工に相当する。つまり、仕上げ前加工は、工作物Wに対して相対的に砥石車Tの送り動作を実行する。
【0074】
微研加工段階においては、工作物Wの表面粗さRaを確保するために加工精度を重視されており、工作物Wの単位時間当たりの切込み量が、精研加工段階よりも小さく設定されている。微研加工段階が、仕上げ加工に相当する。仕上げ加工は、工作物Wに対して相対的に砥石車Tの送り動作を実行する。
【0075】
上記したように、仕上げ前加工における工作物Wの単位時間当たりの切込み量は、仕上げ加工段階よりも大きく設定されている。
【0076】
スパークアウト加工段階においては、砥石台50の、工作物Wの径方向への送り速度が0に設定された状態で、工作物Wと砥石車Tとが接触することにより、微研加工時の削り残しが除去される。
【0077】
6.AE信号と研削加工工程の関係
図6および図7を参照して、AE信号と、研削加工工程との関係について説明する。図6には、AEセンサSが心押装置40に取付けられた従来技術において、各研削工程で検知されたAE信号を示す。縦軸はAE信号の周波数を示し、横軸は研削加工の加工時間を示す。縦軸には、0,3MHzと1.8MHzの数値を示した。上記したように、0.3MHz~1.8MHzの周波数には、シビア摩耗の成分と、アブレッシブ摩耗の成分とが含まれる。
【0078】
粗研加工の段階においては、周波数0.3MHz以上のAE信号が検知されている。しかし、精研加工および微研加工の段階においては、0.3MHz~1.8MHzの周波数におけるAE信号は、AEセンサSによって検知されていない。これは、AEセンサSが心押装置40に取付けられているため、研削加工の加工点で発生したAE信号が、AEセンサSが配置された心押装置40まで伝達される過程で減衰することにより、AE信号を取得しにくくなったためと考えられる。
【0079】
なお、スパークアウト加工の段階においてもAE信号は検知されていない。これは、スパークアウト加工においては、砥石台50の送り速度が0に設定されて工作物Wの削り残しが除去されるだけであるので、AE信号が微弱であるためと考えられる。
【0080】
工作物Wの表面粗さRaを推定するためには、できるだけ最終工程に近い工程におけるAE信号を検知することが好ましい。しかし、従来技術においては、仕上げ加工(微研加工段階)においてAE信号を検知することができない。このため、工作物Wの表面粗さRaを正確に推定することが困難であった。
【0081】
図7に、本実施形態の研削システムにおいて検知されたAE信号を示す。本形態においては、粗研加工の段階において、周波数0.3MHz~1.8MHzのAE信号が検知されている。また、精研加工の段階において、周波数0.3MHz~1.1MHzのAE信号が検知されている。このように、本形態によれば、仕上げ前加工の段階において、AE信号を検知することができる。
【0082】
また、本形態においては、微研加工の段階において、周波数0.3MHz~1.0MHzのAE信号が検知されている。これにより、仕上げ加工の段階において、AE信号を検知することができるので、工作物Wの表面粗さRaを推定する精度を向上させることができる。なお、本形態においても、スパークアウト加工におけるAE信号は微弱であるため、検知されない。
【0083】
アブレッシブ摩耗およびシビア摩耗に係るAE信号を検知するためには、AE信号の周波数は、0.3MHz~1.8MHzであることが好ましい。これにより、アブレッシブ摩耗およびシビア摩耗の成分を確実に検知することができる。
【0084】
また、AE信号の周波数が0.3MHz~1.1MHzであることにより、アブレッシブ摩耗の成分のみを検知することができるので好ましい。また、精研加工段階および微研加工段階におけるAE信号を検知できるので、表面粗さRaの推定精度を向上させることができる。
【0085】
また、AE信号の周波数が0.3MHz~1.0MHzであることにより、シビア摩耗の成分の影響をより小さくしてアブレッシブ摩耗の成分を検知することができるので好ましい。また、仕上げ加工(微研加工段階)におけるAE信号を検知できるので、表面粗さRaの推定精度をより向上させることができる。
【0086】
7.研削システム1の動作
続いて、図9を参照して、本形態の研削システム1の動作について説明する。研削システム1が起動されると、研削盤2は仕上げ前加工を行う(S1)。仕上げ前加工においては、主軸装置30および心押装置40に取付けられた工作物Wが、主軸用モータ33によって回転される。砥石車Tは、回転する工作物Wに接近する。砥石車Tが工作物Wに接触する前の状態が、空研状態である(図5参照)。
【0087】
砥石車Tがさらに工作物Wに接近し、回転する工作物Wに、砥石車Tが接触することにより、工作物Wの表面が砥石車Tによって研削される。上記したように、仕上げ前加工は、粗研加工段階と、精研加工段階と、を含む。
【0088】
本形態においては、仕上げ前加工の段階において、砥石車Tを、工作物Wに対して、工作物Wの径方向に相対的に移動させるプランジ加工を実行し、仕上げ加工の段階において、砥石車Tを、工作物Wに対して、工作物Wの径方向に相対的に移動させるプランジ加工を実行する例について説明する。
【0089】
粗研加工の段階においては、砥石車Tが、工作物Wに対して、工作物Wの径方向の内方に、所定の切込み速度(単位時間当たりの切込み量)で相対的に移動する。砥石車Tは、所定の切込み位置まで移動する。
【0090】
次に、精研加工の段階においては、砥石車Tは、さらに、工作物Wに対して、工作物Wの径方向の内方に、粗研加工の段階よりも小さな切込み速度(単位時間当たりの切込み量)で相対的に移動する。砥石車Tは、所定の切込み位置まで移動する。
【0091】
次に、研削盤2は仕上げ加工を実行する(S2)。仕上げ加工は、微研加工段階を含む。微研加工の段階においては、砥石車Tは、さらに、工作物Wに対して、工作物Wの径方向の内方に、精研加工の段階よりも小さな切込み速度(単位時間当たりの切込み量)で相対的に移動する。砥石車Tは、所定の切込み位置まで移動する。微研加工段階においては、所定の切込み位置は、工作物Wの仕上げ径に設定されている。仕上げ加工(微研加工)の段階における工作物Wの単位時間当たりの切込み量は、仕上げ前加工(粗研加工および精研加工)の段階における工作物Wの単位時間当たりの切込み量はよりも少ない。
【0092】
次に、研削盤2は、スパークアウト加工を実行する(S3)。スパークアウト加工においては、砥石車Tは、工作物Wに対して、工作物Wの径方向に相対的に移動しない。スパークアウト加工は、所定の条件が充足するまで実行される。所定の条件としては、例えば、定寸装置70によって計測された工作物Wの寸法が所定の交差範囲内である場合や、スパークアウト加工が所定の時間実行された場合等、任意に設定しうる。
【0093】
スパークアウト加工が終了すると、工作物Wの取外し工程が実行され、工作物Wが主軸装置30および心押装置40から取り外される(S4)。
【0094】
一方、仕上げ加工(S2)と並行して、解析装置90は、AE信号を受信する(S5)。以下に詳細に説明する。砥石車Tが工作物Wに接触すると、砥石車Tおよび工作物WにAE信号が発生する。AE信号は、砥石軸52に伝達され、砥石軸52の先端に取付けられたAEセンサSに伝達される。AEセンサSはAE信号を検知し、取得する。AE信号は、砥石側無線通信装置103、外部側無線通信装置114を介して解析装置90に送信される。ただし、解析装置90は、仕上げ前加工(S1)と並行して、AE信号を受信してもよい。
【0095】
次に、解析装置90は、スパークアウト加工(S3)と並行して、AE信号を解析する(S6)。解析装置90は、AE信号の尖り度を演算する。ただし、解析装置90は、スパークアウト加工(S3)および工作物Wの取外し工程(S4)と並行して、AE信号を解析しても良い。
【0096】
次に、解析装置90は、工作物Wの取外し工程(S4)と並行して、演算された尖り度と、実測された表面粗さRarとの関係式から、工作物Wの表面粗さRaを推定する。
【0097】
以上により、研削システム1の動作が終了する。
【0098】
8.本形態の作用効果
AEセンサSが砥石軸52の先端に取付けられているので、仕上げ加工(S2)の段階において砥石車Tに発生した微弱なAE信号を検知することができる。これにより、工作物Wの表面粗さRaの推定精度を向上させることができる。ただし、工作物Wの表面粗さRaを推定する際に、仕上げ前加工(S1)の段階において砥石車Tに発生したAE信号も併せて用いても良い。
【0099】
本形態によれば、砥石車Tを工作物Wに対して、工作物Wの径方向に相対的に移動させるプランジ加工において、工作物Wの表面粗さRaを精度良く推定することができる。
【0100】
(実施形態2)
次に、図10図11を参照して実施形態2について説明する。本形態においては、研削盤2は、工作物Wの取外し工程(S4)の後に、工作物Wの次に研削加工される次期工作物WNを、主軸装置30および心押装置40に取付ける、次期工作物WNの取付け工程(S11)を実行する。
【0101】
一方、解析装置90は、工作物Wの表面粗さRaをS7において推定した後、次期工作物WNの研削加工の条件を調節する加工条件調節処理を実行する(S12)。ただし、加工条件調節処理(S12)は、次期工作物WNの取付け工程(S11)と並行して実行されてもよいし、また、工作物Wの取外し工程(S4)および次期工作物WNの取付け工程(S11)と並行して実行されてもよいし、また、スパークアウト加工(S3)、工作物Wの取外し工程(S4)および次期工作物WNの取付け工程(S11)と並行して実行されてもよい。
【0102】
本形態によれば、加工条件調節処理(S12)は、次期工作物WNの取付け工程(S11)が終了する前に実行が終了することが好ましい。また、加工条件調節処理(S12)は、次期工作物WNの取付け工程(S11)が終了した後であっても、次期工作物WNの研削加工が開始される前に終了することが好ましい。これにより、次期工作物WNの加工条件を調節するために、研削システム1の動作を中断する必要がないので、工作物Wに対する研削加工の効率が低下することを抑制できる。
【0103】
図11を参照して、加工条件調節処理(S12)について説明する。加工条件調節処理(S12)が実行されると、解析装置90は、推定された表面粗さRaを取得する(S21)。解析装置90は、推定された表面粗さRaが、所定の上限値よりも大きいか否かを判断する(S22)。
【0104】
推定された表面粗さRaが、所定の上限値よりも大きい場合(S22:Y)、解析装置90は、次期工作物WNの研削加工の条件を調節する(S23)。
【0105】
例えば、所定の上限値が、工作物Wに設定された表面粗さRaの公差の上限値である場合、推定された表面粗さRaが、所定の上限値よりも大きいということは、加工済みの工作物Wの表面粗さRaが公差の上限値を超えることを意味する。この場合、次期工作物WNの表面粗さRaを公差の範囲内とするために、次期工作物WNの研削加工の条件を、より精密に加工する方向に調節する。
【0106】
また、例えば、所定の上限値が、工作物Wに設定された表面粗さRaの公差の上限値よりもやや小さい場合、推定された表面粗さRaが、所定の上限値よりも大きいということは、加工済みの工作物Wの表面粗さRaが公差の上限値以下ではあるが、近い将来に交差の上限値を超える可能性が高いことを意味する。この場合、次期工作物WNの表面粗さRaが公差の範囲内に収まるように、次期工作物WNの研削加工の条件を、より精密に加工する方向に調節する。この結果、工作物Wの表面粗さRaが公差の上限を超えることを抑制することができる。
【0107】
一方、推定された表面粗さRaが、所定の上限値よりも大きくない場合(S22:N)、加工条件調節処理が終了する。これにより、本形態の研削システム1の処理が終了する。
【0108】
なお、実施形態2以降において用いた符号のうち、既出の実施形態において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、既出の実施形態におけるものと同様の構成要素等を表す。
【0109】
(実施形態3)
次に、図12図13を参照して、実施形態3について説明する。本形態においては、解析装置90は、工作物Wの表面粗さRaをS7において推定した後、砥石車Tに対するツルーイングを行うツルーイング処理を実行する(S13)。ただし、ツルーイング処理(S13)は、次期工作物WNの取付け工程(S5)と並行して実行されてもよいし、また、工作物Wの取外し工程(S4)および次期工作物WNの取付け工程(S5)と並行して実行されてもよいし、また、スパークアウト加工(S3)、工作物Wの取外し工程(S4)および次期工作物WNの取付け工程(S5)と並行して実行されてもよい。
【0110】
図13を参照して、ツルーイング処理(S13)について説明する。ツルーイング処理(S13)が実行されると、解析装置90は、推定された表面粗さRaを取得する(S31)。解析装置90は、推定された表面粗さRaが、所定の上限値よりも大きいか否かを判断する(S32)。
【0111】
推定された表面粗さRaが、所定の上限値よりも大きい場合(S32:Y)、解析装置90は、砥石車Tのツルーイングを実行する(S33)。例えば、所定の上限値が、工作物Wに設定された表面粗さRaの公差の上限値である場合、推定された表面粗さRaが、所定の上限値よりも大きいということは、加工済みの工作物Wの表面粗さRaが公差の上限値を超えることを意味する。この場合、砥石車Tの表面が荒れた状態になっているので、ツルーイングにより砥石車Tの表面の形状を整える。
【0112】
一方、推定された表面粗さRaが、所定の上限値よりも大きくない場合(S32:N)、ツルーイング処理が終了する。これにより、本形態の研削システム1の処理が終了する。
【0113】
上記以外の構成については、実施形態2と略同様なので、同一部材については同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0114】
本形態によれば、砥石車Tの表面の状態が、ツルーイングを必要とする程度に荒れた状態になっているかについて推定することができる。これにより、砥石車Tに対してツルーイングを実施する頻度について、過度のマージンを見積もる必要がないので、砥石車Tに対するツルーイングの実施回数を減らすことができる。この結果、工作物Wの製造コストの削減を図ることができる。
【0115】
(実施形態4)
次に、図14を参照して、実施形態4について説明する。本形態に係る第一ユニットハウジング101の収容空間106には、電源装置102、砥石側無線通信装置103、およびコイル201が収容されている。第一ユニットハウジング101の収容空間106の開口部には、取付ねじ202が螺合されている。これにより、電源装置102,砥石側無線通信装置103、およびコイル201(発電装置の一例)は液密にシールされた状態で、収容空間106内に収容されている。
【0116】
第二ユニットハウジング112には、給電ユニット113および外部側無線通信装置114が収容されている。第二ユニットハウジング112の開口部には取付ねじ203が螺合されている。
【0117】
ユニットカバー111の内面には、回転中心線Ctの径方向について、第一ユニットハウジング101のコイル201に重なる位置に、磁石204(発電装置の一例)が取付けられている。磁石204としては、例えば、アルニコ磁石、フェライト磁石、ネオジム磁石などの永久磁石が用いられる。砥石軸52(砥石軸本体52aおよび取付部材52b)が回転中心線Ctを軸に回転することにより、コイル201と磁石204との電磁誘導により発電される。発電された電力は、AEセンサSおよび砥石側無線通信装置103に供給される。
【0118】
本形態によれば、砥石軸52の回転により発電された電力が、AEセンサSおよび砥石側無線通信装置103に供給されるので、AEセンサSおよび砥石側無線通信装置103に給電するための装置を別途配置する必要がない。これにより、研削システムの構造を簡素化することができる。
【0119】
(実施形態5)
次に、図15を参照して、実施形態5について説明する。本形態の第一ユニット61は、砥石軸52の先端に着脱可能に取り付けられた、モジュールの一例である。本形態に係る第一ユニット61は、第一ユニットハウジング101の先端部に取付けられるとともに、収容空間106を塞ぐカバー部材210を備える。カバー部材210は、透明な材料(例えば樹脂)により形成されている。これにより、砥石側無線通信装置103と外部側無線通信装置114との間のレーザ光による通信が可能となっている。
【0120】
カバー部材210は、第一ユニットハウジング101の開口縁部に、接着、熱融着、ねじ止め、螺合等の公知の手法により取り付けられている。カバー部材210は、第一ユニットハウジング101の開口縁部と密着している。これにより、カバー部材210は収容空間106を液密に密閉している。ただし、カバー部材210と第一ユニットハウジング101との間には、図示しないシール部材が配置されていても良い。この結果、カバー部材210の収容空間106に収容されたAEセンサS、砥石側無線通信装置103および電源装置102を、研削クーラント、または加工屑から防護することができる。
【0121】
本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、例えば下記の実施形態に適用することが可能である。
【0122】
(1)制御装置80は、仕上げ前加工の段階において、砥石車Tを、工作物Wに対して、工作物Wの径方向に相対的に移動させるプランジ加工を実行し、仕上げ加工の段階において、砥石車Tを、工作物Wに対して、工作物Wの回転中心線Ct方向に相対的に移動させるトラバース加工を実行する構成としても良い。
【0123】
(2)制御装置80は、仕上げ前加工の段階において、砥石車Tを、工作物Wに対して、工作物Wの回転中心線Ct方向に相対的に移動させるトラバース加工を実行し、仕上げ加工の段階において、砥石車Tを、工作物Wに対して、工作物Wの回転中心線Ct方向に相対的に移動させるトラバース加工を実行する構成としても良い。
【符号の説明】
【0124】
1:研削システム、2:研削盤、52:砥石軸、60:検出ユニット(モジュール)、80:制御装置、90:解析装置、102:電源装置、103:砥石側無線通信装置、106:収容空間、114:外部側無線通信装置、201:コイル(発電装置)、204:磁石(発電装置)、210:カバー部材、S:AEセンサ、S1:仕上げ前加工、S2:仕上げ加工、S3:スパークアウト加工、S12:加工条件調節処理、S13:ツルーイング処理、T:砥石車、W:工作物、WN:次期工作物
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