(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024115676
(43)【公開日】2024-08-27
(54)【発明の名称】制御装置、車両及び、制御方法
(51)【国際特許分類】
B60W 30/06 20060101AFI20240820BHJP
B60W 50/08 20200101ALI20240820BHJP
B60W 40/105 20120101ALI20240820BHJP
G08G 1/16 20060101ALI20240820BHJP
【FI】
B60W30/06
B60W50/08
B60W40/105
G08G1/16 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023021447
(22)【出願日】2023-02-15
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110000213
【氏名又は名称】弁理士法人プロスペック特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】丸木 大樹
(72)【発明者】
【氏名】下村 一哉
【テーマコード(参考)】
3D241
5H181
【Fターム(参考)】
3D241BA10
3D241BA21
3D241BA51
3D241BB03
3D241DD11Z
5H181AA01
5H181CC03
5H181CC04
5H181CC11
5H181CC12
5H181CC14
5H181CC27
5H181LL01
5H181LL02
5H181LL04
(57)【要約】
【課題】支援速度の最適化を図る。
【解決手段】車両VHを駐車場PAに自動的に駐車する自動駐車制御及び、又は前記車両を前記駐車場から自動的に出庫する自動出庫制御を実行可能な車両の制御装置10であって、自動駐車制御又は自動出庫制御を実行するよりも前に、車両VHのドライバが手動操作により車両VHを駐車場PAに駐車又は駐車場PAから出庫させる際の車両VHの移動経路R1~R4及び車速Vを予め取得する取得部110と、取得部110が取得した移動経路R1~R4及び車速Vを記憶する記憶部130と、記憶部130に記憶された車速Vに基づいて目標車速Vtを設定するとともに、設定した目標車速Vtと記憶部130に記憶された移動経路R1~R4とに基づき自動駐車制御又は自動出庫制御を実行する制御部150とを備えた。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両を駐車場に自動的に駐車する自動駐車制御及び、又は前記車両を前記駐車場から自動的に出庫する自動出庫制御を実行可能な車両の制御装置であって、
前記自動駐車制御又は前記自動出庫制御を実行するよりも前に、前記車両のドライバが手動操作により前記車両を前記駐車場に駐車又は前記駐車場から出庫させる際の前記車両の移動経路及び車速を予め取得する取得部と、
前記取得部が取得した前記移動経路及び前記車速を記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された前記車速に基づいて目標車速を設定するとともに、設定した前記目標車速と前記記憶部に記憶された前記移動経路とに基づき前記自動駐車制御又は前記自動出庫制御を実行する制御部と、を備える制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の制御装置であって、
前記制御部は、前記記憶部に記憶された前記車速から最も速い最高車速を抽出するとともに、前記記憶部に記憶された前記車速を前記最高車速で除することにより、車速比率を演算し、予め設定された支援速度に前記車速比率を乗じることにより前記目標車速を設定する制御装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の制御装置であって、
前記取得部は、前記移動経路及び前記車速を取得する際に、前記ドライバによる方向指示器レバー、ハザードスイッチ及び、サイドミラースイッチの操作情報をさらに取得し、
前記記憶部は、前記移動経路及び前記車速に加えて、前記操作情報をさらに記憶し、
前記制御部は、前記自動駐車制御又は前記自動出庫制御を実行する際に、記憶された前記操作情報に基づいて、方向指示器及びサイドミラーの作動を制御する制御装置。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の制御装置を備える車両。
【請求項5】
車両を駐車場に自動的に駐車する自動駐車制御及び、又は前記車両を前記駐車場から自動的に出庫する自動出庫制御を実行可能な車両の制御方法であって、
前記自動駐車制御又は前記自動出庫制御を実行するよりも前に、前記車両のドライバが手動操作により前記車両を前記駐車場に駐車又は前記駐車場から出庫させる際の前記車両の移動経路及び車速を予め取得し、取得した前記移動経路及び前記車速を記憶し、記憶した前記車速に基づいて目標車速を設定するとともに、設定した前記目標車速と記憶した前記移動経路とに基づき前記自動駐車制御又は前記自動出庫制御を実行する制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、制御装置、車両及び、制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1は、先行車追従走行制御の実行中に側方並走車両を検知した場合には、自車両が側方並走車両のドライバの死角に入らないよう、目標車間距離を一時的に変更するようにした装置を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【0004】
予め記憶した移動経路に沿って車両を走行させることにより、車両を所望の駐車場に自動的に駐車させる自動駐車制御を実行可能な支援システムが実用化されている。このような支援システムにおいては、自動駐車制御は所定の支援速度に基づいて実行されるが、ドライバが最適と感じる支援速度は、ドライバによって様々である。このため、従来の支援システムでは、例えば「低速、中速、高速」のように、ドライバが支援速度を選択的に設定できるようになっている。
【0005】
しかしながら、支援システムが記憶した移動経路上には、通路等のように見通しの良い区間、壁等の構造物が隣接するような見通しの悪い区間、交差点のような一旦停止が望まれる場所等が存在する場合がある。このような場合、ドライバは、見通しの良い区間では比較的速い支援速度を望み、見通しの悪い区間では遅い支援速度を望み、交差点の手前では一旦停止を望むと考えられる。しかしながら、従来の支援システムでは、それら支援速度を個別に設定することができないといった課題がある。すなわち、支援速度の最適化に改善の余地があるといえる。
【0006】
本開示は、上記課題を解決するためになされたものであり、自動駐車制御及び、又は自動出庫制御に用いる支援速度の最適化を図ることを目的とする。
【0007】
本開示の装置は、車両を駐車場に自動的に駐車する自動駐車制御及び、又は前記車両を前記駐車場から自動的に出庫する自動出庫制御を実行可能な車両の制御装置であって、前記自動駐車制御又は前記自動出庫制御を実行するよりも前に、前記車両のドライバが手動操作により前記車両を前記駐車場に駐車又は前記駐車場から出庫させる際の前記車両の移動経路及び車速を予め取得する取得部と、前記取得部が取得した前記移動経路及び前記車速を記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶された前記車速に基づいて目標車速を設定するとともに、設定した前記目標車速と前記記憶部に記憶された前記移動経路とに基づき前記自動駐車制御又は前記自動出庫制御を実行する制御部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施形態に係る支援システムのハードウェア構成を示す模式図である。
【
図2】本実施形態に係る支援システムのソフトウェア構成を示す模式図である。
【
図3】移動経路情報の一例を説明する模式図である。
【
図4】移動経路情報の取得処理及び、目標車速比率の演算処理のルーチンを説明するフローチャートである。
【
図5】自動駐車制御のルーチンを説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本実施形態に係る制御装置、車両及び、制御方法を説明する。
【0010】
[ハードウェア構成]
図1は、本実施形態に係る支援システム1のハードウェア構成を示す模式図である。支援システム1は、車両VHに搭載されており、ECU(Electronic Control Unit)10を有する。ECU10は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13及びインターフェース装置14等を備える。CPU11は、ROM12に格納されている各種プログラムを実行するプロセッサである。ROM12は、不揮発性メモリであって、CPU11が各種プログラムを実行するために必要なデータ等を記憶する。RAM13は、揮発性メモリであって、各種プログラムがCPU11によって実行される際に展開される作業領域を提供する。インターフェース装置14は、外部装置と通信するための通信デバイスである。
【0011】
ECU10は、車両VHを駐車場に自動的に駐車させる自動駐車制御及び、車両VHを駐車場から自動的に出庫させる自動出庫制御を行う中枢となる装置である。本実施形態において、自動駐車制御及び、自動出庫制御は、使用頻度が比較的高い自宅の駐車場等、ドライバが予め登録した駐車場に対して行われる。以下では、登録された駐車場を「既登録駐車場」と称する。対象となる駐車場は、白線等によって駐車枠が区画された駐車場のみならず、車両VHが進入可能なスペースを確保できる駐車場であれば、既登録駐車場として登録することができる。既登録駐車場は、ドライバが手動操作によって車両VHを駐車場に駐車又は、駐車場から出庫させる際の移動経路情報を取得し、取得した移動経路情報を駐車場の位置情報と紐づけて記憶することにより登録される。車両VHの既登録駐車場への自動駐車制御及び、既登録駐車場からの自動出庫制御は、予め記憶した移動経路に沿って車両VHを走行させることにより実行される。自動駐車制御及び、自動出庫制御は、基本的には同じ処理となるため、以下では自動駐車制御について説明する。
【0012】
ECU10には、駆動装置20、操舵装置21、制動装置22、変速装置23、内界センサ装置30、外界センサ装置40、位置情報取得装置50、自動駐車スイッチ60、方向指示器スイッチ70,ハザードスイッチ75,サイドミラースイッチ80,表示装置90、スピーカ95等が通信可能に接続されている。
【0013】
駆動装置20は、車両VHの駆動輪に伝達する駆動力を発生させる。駆動装置20としては、例えば、電動機、エンジンが挙げられる。本実施装置において、車両VHは、ハイブリッド車(HEV)、プラグインハブリッド車(PHEV)、燃料電池車(FCEV)、電気自動車(BEV)、エンジン車の何れであってもよい。操舵装置21は、車両VHの車輪に転舵力を付与する。制動装置22は、車両VHの車輪に制動力を付与する。変速装置23は、駆動輪の回転をロックするパーキングレンジ、車両VHを後進走行させるリバースレンジ、動力の伝達を遮断するニュートラルレンジ、車両VHを前進走行させるドライブレンジに選択的に切り替え可能に構成されている。
【0014】
内界センサ装置30は、車両VHの状態を検出するセンサ類である。具体的には、内界センサ装置30は、車輪速センサ31、アクセルセンサ32、ブレーキセンサ33、操舵角センサ34、シフトセンサ35等を備えている。車輪速センサ31は、車両VHの走行速度、すなわち車速Vを検出する。アクセルセンサ32は、ドライバによる不図示のアクセルペダルの操作量を検出する。ブレーキセンサ33は、ドライバによる不図示のブレーキペダルの操作量を検出する。操舵角センサ34は、不図示のステアリングホイール又は、ステアリングシャフトの回転角、すなわち操舵角θを検出する。シフトセンサ35は、変速装置23のシフト位置SP(パーキングP、リバースR、ニュートラルN、ドライブD)を検出する。内界センサ装置30は、各センサ31~35によって検出される車両VHの状態をECU10に所定の周期で送信する。
【0015】
外界センサ装置40は、車両VHの周囲の物標に関する物標情報を認識するセンサ類である。具体的には、外界センサ装置40は、レーダセンサ41、ソナーセンサ42、カメラセンサ43等を備える。レーダセンサ41には、ミリ波レーダ及び、又はライダが含まれる。ミリ波レーダは、ミリ波帯の電波を放射し、放射範囲内に存在する物標によって反射された反射波を受信することにより、車両VHと物標との相対距離、相対速度等を取得する。ライダは、ミリ波よりも短波長のパルス状のレーザ光を複数の方向に向けて順次走査し、物標により反射される反射光を受光することにより、物標の形状、車両VHと物標との相対距離、相対速度等を取得する。ソナーセンサ42は、超音波を放射し、放射範囲内に存在する物標によって反射された反射波を受信することにより、車両VHと物標との相対距離、相対速度等を取得する。カメラセンサ43は、例えば、ステレオカメラや単眼カメラであり、CMOSやCCD等の撮像素子を有するデジタルカメラを用いることができる。カメラセンサ43は、撮像した画像データを処理することにより、物標の形状、車両VHと物標との相対距離、相対速度等を取得する。外界センサ装置40は、取得した物標情報をECU10に所定の周期で送信する。なお、外界センサ装置40は、必ずしも、レーダセンサ41、ソナーセンサ42及び、カメラセンサ43の全てを備える必要はなく、例えば、カメラセンサ43のみを含んでいてもよい。
【0016】
位置情報取得装置50は、車両VHの現在の位置情報を取得する。位置情報取得装置50としては、例えば、図示しないナビゲーション装置が備えるGPS(Global Positioning System)、GNSS(Global Navigation Satellite System)等を用いることができる。位置情報取得装置50は、取得した車両VHの現在の位置情報をECU10に所定の周期で送信する。
【0017】
自動駐車スイッチ60は、例えば、車両VHのセンタコンソールやインストルメントパネル等に設けられており、車両VHの乗員(例えば、ドライバ)によってON・OFF操作されるスイッチである。自動駐車スイッチ60がON操作されると、ECU10は自動駐車開始要求を受け付ける。
【0018】
方向指示器スイッチ70は、ドライバによる不図示の方向指示器レバーの操作方向を検出する。方向指示器レバーは、例えば、ステアリングコラム等に設けられている。方向指示器スイッチ70は、ドライバが方向指示器レバーを左回りに操作すると、方向指示器レバーが左回りに操作されていることを示す左操作信号をECU10に送信する。また、方向指示器スイッチ70は、ドライバが方向指示器レバーを右回りに操作すると、方向指示器レバーが右回りに操作されていることを示す右操作信号をECU10に送信する。
【0019】
ハザードスイッチ75は、運転席の近傍(例えば、インストルメントパネル等)に設けられており、ドライバが車両VHの不図示の左右の方向指示器をハザードとして点滅させるために操作するON・OFFスイッチである。ハザードスイッチ75は、ドライバによりON操作されると、ドライバがハザードの点滅を要求していることを示すハザードON信号をECU10に送信する。
【0020】
サイドミラースイッチ80は、運転席の近傍(例えば、運転席のドアの内側等)に設けられている。サイドミラースイッチ80は、ドライバが車両VHの不図示の左右のサイドミラーの状態を開状態と閉状態との間で切り替えるためのスイッチである。ここで、開状態とは、サイドミラーの鏡面が車両VHの側面に対して起立した状態であり、展開状態とも称される。また、閉状態とは、サイドミラーの鏡面が車両VHの側面に対して略平行になった状態であり、格納状態とも称される。サイドミラースイッチ80は、ドライバがサイドミラーを閉状態から開状態に切り替えるためにサイドミラースイッチ80を操作すると、サイドミラーを開状態に切り替える開信号をECU10に送信する。また、サイドミラースイッチ80は、ドライバがサイドミラーを開状態から閉状態に切り替えるためにサイドミラースイッチ80を操作すると、サイドミラーを閉状態に切り替える閉信号をECU10に送信する。
【0021】
表示装置90は、車両VHのインストルメントパネル等に設けられたタッチパネル式のディスプレイ(例えば、タッチパネル式の液晶ディスプレイ)であって、ECU10からの指令に応じて各種の画像を表示する。スピーカ95は、例えば、音響システムやナビゲーション装置のスピーカであって、ECU10からの指令に応じて音を出力する。
【0022】
[ソフトウェア構成]
図2は、本実施形態に係る支援システム1のソフトウェア構成を示す模式図である。
図2に示すように、ECU10は、移動経路情報取得部110、目標車速比率演算部120、既登録駐車場記憶部130、駐車場報知処理部140、自動駐車制御部150、目標支援速度設定部160を機能要素として備える。これら各機能要素100~160は、ECU10のCPU11がROM12に格納されているプログラムをRAM13に読み出して実行することにより実現される。なお、各機能要素100~160の全部又は一部は、ECU10とは別体の他のECU、或いは、車両VHと通信可能な施設(管理センタ等)の情報処理装置に設けることもできる。
【0023】
移動経路情報取得部110は、ドライバからの登録開始要求を受け付けると、ドライバが手動操作によって車両VHを駐車場に駐車させる際の車両VHの移動経路情報を取得し、取得した移動経路情報をRAM13に一時的に記憶する。ドライバの登録開始要求は、例えば、表示装置90に表示されるタッチ式のスイッチ画像の操作、或いは、表示装置90とは別体に設けられた物理スイッチの操作、或は、集音機による音声認識等によって取得すればよい。
【0024】
移動経路情報取得部110が取得する移動経路情報には、車両VHが実際に走行した移動経路のみならず、車速V、操舵角θ、シフト位置SP、方向指示器レバーの操作情報、ハザードスイッチ75の操作情報、サイドミラースイッチ80の操作情報等が含まれる。車両VHの移動経路とは、車両VHの走行に伴い変化する車両位置の移動軌跡をいう。車両位置とは、例えば、車両VHの平面視における所定の幾何学的中心位置である。なお、車両位置は、車両VHの他の位置(例えば、左右前輪の中央位置、或は、左右後輪の中央位置等)であってもよい。
【0025】
移動経路情報取得部110は、車両VHが駐車場から所定距離の範囲内に位置する状態で、ドライバからの登録開始要求を受け付けると、その時の車両VHの位置情報を移動経路の開始位置に設定する。車両VHの位置情報は、位置情報取得装置50の検出結果に基づいて取得すればよい。移動経路情報取得部110は、開始位置を設定すると、例えば、開始位置を原点、車両VHの前後方向をX軸、車両VHの幅方向をY軸とする二次元マップを設定する。
【0026】
移動経路情報取得部110は、ドライバが開始位置から手動操作による駐車を開始すると、所定のサンプリング周期毎に、車両位置の移動軌跡を二次元マップにプロットする。これにより、車両VHの移動経路を取得することができる。移動軌跡は、例えば、車輪速センサ31や操舵角センサ34の検出結果に基づいたオドメトリにより算出してもよく、或は、位置情報取得装置50によって取得される車両VHの位置情報を併用してもよく、或は、カメラセンサ43によって撮像される車両VHの周辺路面の画像データからオプティカルフロー等に基づいて推定することもできる。所定のサンプリング周期は、所定距離又は所定時間の何れであってもよい。
【0027】
移動経路情報取得部110は、車両位置の移動軌跡を二次元マップにプロットする際、内界センサ装置30によって検出される車速V、操舵角θ、シフト位置SP等を移動経路上の車両位置に対応付けて取得する。さらに、移動経路情報取得部110は、車両位置の移動軌跡を二次元マップにプロットする際、方向指示器スイッチ70、ハザードスイッチ75及び、サイドミラースイッチ80から送信される操作信号を移動経路上の車両位置に対応付けて取得する。移動経路情報取得部110は、ドライバが車両VHを駐車場内の所定位置にて停車させ、シフト位置をパーキングPに切り替えると、移動経路情報の取得を終了する。移動経路情報取得部110は、移動経路情報の取得を終了した時の車両位置を移動経路の終了位置に設定する。
【0028】
図3は、ドライバの手動操作による駐車時に、移動経路情報取得部110が取得する移動経路情報の一例を説明する模式図である。
図3中の符号PAは、ドライバが登録を望む駐車場、符号ST1は駐車場PAが臨む通路、符号ST2は通路ST1と交差する他の通路、符号WLは各通路ST1,ST2の交差部CRに隣接する壁等の構造物である。
図3では、車両VHを駐車場PAに後進させながら駐車する並列駐車の一例を示している。なお、車両VHを前進させながら駐車場PAに駐車させる場合、或は、車両VHを縦列駐車させる場合も略同様の処理となるため、それらの説明は省略する。
【0029】
時刻t0にて、移動経路情報取得部110がドライバからの登録開始要求を受け付けたとする。この場合、移動経路情報取得部110は、時刻t0における車両VHの車両位置を開始位置P0に設定する。時刻t0から時刻t1は、車両VHが見通しのよい通路ST1を直進走行しており、ドライバは車両VHを比較的速い速度で走行させると考えられる。この場合、移動経路情報取得部110は、時刻t0から時刻t1までの移動経路R1に加え、ドライバが車両VHを比較的速い速度で走行させた車速Vを所定のサンプリング周期毎に移動経路R1上の車両位置と対応付けて取得する。
【0030】
時刻t1にて、車両VHが交差部CRに接近したとする。通路ST2は、車両VHのドライバから視て、構造物WLによってその一部が遮られている。このため、車両VHのドライバは、通路ST2を走行する他車両や二輪車、歩行者等を目視により直接確認することができず、車両VHを減速させると考えられる。この場合、移動経路情報取得部110は、車両VHが交差部CRの手前に到達した時刻t1から交差部CRを通過し終える時刻t2までの移動経路R2に加え、ドライバが車両VHを減速させた車速Vを所定のサンプリング周期毎に移動経路R2上の車両位置と対応付けて取得する。なお、移動経路情報取得部110は、ドライバが車両VHを交差部CRの手前で一時停止させた場合、一時停止させた位置も移動経路R2上の車両位置と対応付けて取得する。
【0031】
時刻t2にて、車両VHが交差部CRを通過し終えると、ドライバは車両VHを再加速させ、駐車場PAの前を通過した後に、進行方向を切り替えるために車両VHを停止させると考えられる。この場合、移動経路情報取得部110は、時刻t2から車両VHが停止する時刻t3までの移動経路R3に加え、ドライバが車両VHを比較的速い速度で走行させた車速Vを所定のサンプリング周期毎に移動経路R3上の車両位置と対応付けて取得する。また、移動経路情報取得部110は、時刻t2から時刻t3までの期間に、車両VHのドライバが周囲の他車両等に停車の意思を知らせるハザードを点滅させた場合、ハザードON信号を受信したタイミングを移動経路R3上の車両位置と対応付けて取得する。
【0032】
時刻t3にて、ドライバが車両VHを駐車場PAに進入させるために、シフト位置SPをドライブDからリバースRに切り替えたとする。この場合、移動経路情報取得部110は、時刻t3における車両VHの車両位置を、車両VHの進行方向を切り替えるための切り替え位置P1に設定する。
【0033】
ドライバが、時刻t3から車両VHを右操舵により右旋回させながら後進走行させ、車両VHを駐車場PA内に進入させた後に、時刻t4にてシフト位置をパーキングPに切り替えたとする。この場合、移動経路情報取得部110は時刻t3から時刻t4までの移動経路R4に加え、ドライバが車両VHを比較的遅い速度で後進走行させた車速Vを所定のサンプリング周期毎に移動経路R4上の車両位置と対応付けて取得する。また、移動経路情報取得部110は、シフト位置SPがパーキングPに切り替わった時刻t4における車両VHの車両位置を終了位置P2に設定する。また、駐車場PAの幅が狭い場合等には、ドライバがサイドミラーを開状態から閉状態に切り替えることが考えられる。移動経路情報取得部110は、時刻t3から時刻t4までの期間に、ドライバがサイドミラーを開状態から閉状態に切り替えた場合、サイドミラースイッチ80から閉信号を受信したタイミングを移動経路R4上の車両位置と対応付けて取得する。
【0034】
再び、
図2を参照し、目標車速比率演算部120は、移動経路情報取得部110が移動経路情報をRAM13に記憶すると、記憶された移動経路R1~R4上の車速Vから最も速い最高車速V
Maxを抽出する。また、目標車速比率演算記憶部120は、記憶された移動経路R1~R4上の車速Vを最高車速V
Maxで正規化する。具体的には、車速比率演算記憶部120は、記憶された移動経路R1~R4上の車速Vを最高車速V
Maxで除することにより目標車速比率Vr(=V/V
Max)に変換する。
【0035】
既登録駐車場記憶部130は、移動経路情報取得部110が取得した移動経路R1~R4を駐車場PAの自動駐車制御に用いる目標移動経路RTとして記憶する。また、既登録駐車場記憶部130は、移動経路情報取得部110が移動経路R1~R4上の車両位置と対応付けて取得した方向指示器の操作信号やハザードON信号、サイドミラーの閉信号等を駐車場PAの自動駐車制御に用いる目標操作信号として記憶する。さらに、既登録駐車場記憶部130は、目標車速比率演算記憶部120が演算した目標車速比率Vrを、後述する目標支援速度Vtの設定に用いる係数として記憶する。既登録駐車場記憶部130は、これら目標移動経路RTや目標操作信号、目標車速比率Vrを駐車場PAの位置情報と紐づけて記憶する。駐車場PAの位置情報は、位置情報取得装置50の検出結果に基づいて取得すればよい。既登録駐車場記憶部130は、既登録駐車場が複数ある場合、既登録駐車場毎に目標移動経路RTや位置情報等をそれぞれ格納する。
【0036】
駐車場報知処理部140は、位置情報取得装置50の検出結果に基づき、車両VHの現在位置と既登録駐車場との距離が所定距離以下になると、車両VHの乗員に既登録駐車場を検知したことを知らせる駐車場報知処理を実行する。乗員への報知は、例えば、表示装置90への表示、或いは、スピーカ95からの音声等によって行えばよい。
【0037】
自動駐車制御部150は、駐車場報知処理部140が駐車場報知処理を実行し、且つ、車両VHの乗員によって自動駐車スイッチ60がON操作されると、既登録駐車場記憶部130に格納されている目標移動経路RTに基づいて、車両VHの駆動装置20、操舵装置21、制動装置22、変速装置23を自動的に作動させる自動駐車制御を実行する。自動駐車制御は、例えば、目標移動経路RTと車両VHの実際の移動軌跡との偏差に基づき、駆動装置20や操舵装置21等の作動をフィードバック制御することにより実行される。車両VHの実際の移動軌跡は、車輪速センサ31や操舵角センサ34の検出結果に基づいたオドメトリにより算出してもよく、或は、カメラセンサ43によって撮像される車両VHの周辺路面の画像データからオプティカルフロー等に基づいて推定してもよい。
【0038】
自動駐車制御部150は、自動駐車スイッチ60がON操作された際に、車両VHの車両位置と開始位置P0とにずれがある場合、ドライバに車両VHの開始位置P0への移動を促す通知を実行する。ドライバへの通知は、表示装置90による表示及び、スピーカ95による音声の何れか一方又は両方を用いて行えばよい。自動駐車制御部150は、車両VHの位置が開始位置P0と略一致すると、既登録駐車場記憶部130から読み出した目標移動経路RTに沿って車両VHを自動的に走行させる自動駐車制御を開始する。
【0039】
自動駐車制御部150は、車両VHを目標移動経路RTに沿って走行させる間、既登録駐車場記憶部130に記憶された目標操作信号に基づいて、方向指示器やサイドミラーの作動を制御する。例えば、
図3に示す駐車場PAに車両VHを自動駐車する場合、自動駐車制御部150は、車両VHを移動経路R3に沿って走行させる間に方向指示器のハザード点滅を開始し、車両VHを移動経路R4に沿って走行させる間にサイドミラーを開状態から閉状態に切り替える。このように、移動経路情報の記憶時に取得したドライバのハザードやサイドミラーの操作情報を自動駐車制御に反映させることで、システム側では判断が難しいドライバの各種操作を自動駐車制御中に再現することが可能になる。
【0040】
自動駐車制御部150は、自動駐車制御を実行する間、外界センサ装置40の検出結果に基づき、車両VHに接触又は衝突する可能性のある物体が存在するかを監視する。接触又は衝突する可能性の高い物体を検知した場合、自動駐車制御部150は、車速Vを減速するか、或は、自動駐車制御を中断する。自動駐車制御部150は、車両VHを目標位置P2に停車させ、シフト位置をパーキングPに切り替えると、自動駐車制御を終了する。
【0041】
ところで、従来の支援システムは、自動駐車制御を予め設定された設定支援速度Vstに基づいて実行する。このため、従来の支援システムでは、例えば、目標移動経路RT上に、ドライバが比較的速い速度での駐車支援を望む見通しの良い区間や、ドライバが低速での駐車支援を望む見通しの悪い区間等が存在する場合に、これらに応じた最適な支援速度を適宜に設定できないといった課題がある。特に、経路記憶型の支援システムでは、支援距離が長くなることから、ドライバが移動経路上で部分的に支援速度を変更する等、カスタマイズ機能による支援速度の設定変更ができないといった課題がある。
【0042】
また、駐車場の敷地内は、一般道に比べ経路や周囲環境が複雑なことから、減速や一時停止等が必要な状況にあるかをシステム側で適宜に判断することは難しい。具体的には、目標移動経路RT上に一時停止線や一時停止標識が存在する場合、システム側がこれらの標識情報等を把握するには、画像データに基づいた機械学習等が必要となり、装置のコストが嵩むといった課題が生じる。また、目標移動経路RT上に一時停止線等が無い場合であっても、歩行者の往来が多い場所等、ドライバが心理的に車速を抑えたい場所が存在する場合もある。しかしながら、システム側ではそのようなドライバ心理を的確に把握することはできず、ドライバ心理に適した支援速度を実現できないといった課題がある。
【0043】
本実施形態では、これらの課題を解決すべく、自動駐車制御部150は、目標支援速度設定部160が設定する目標支援速度Vtに基づいて自動駐車制御を実行する。目標支援速度設定部160は、移動経路情報の取得時にドライバが手動操作によって車両VHを駐車場PAに駐車させたときの車速Vに基づき、目標支援速度Vtを設定する。具体的には、目標支援速度設定部160は、予め設定されているデフォルトの設定支援速度Vstに、車速比率演算部120が演算した目標車速比率Vrを乗じることにより、目標支援速度Vt(=Vst×Vr)を設定する。すなわち、移動経路情報の記憶時にドライバの手動操作による車速Vを取得し、取得した車速Vから算出した目標車速比率Vrに基づいて、自動駐車制御の目標支援速度Vtを設定するように構成されている。これにより、例えば、見通しの良い区間(例えば、
図3の移動経路R1)では、ドライバが望む比較的速い目標支援速度Vtに基づいた自動駐車制御が実行され、見通しの悪い区間(例えば、
図3の移動経路R2)では、ドライバが望む遅い目標支援速度Vtに基づいた自動駐車制御が実行されようになり、支援速度の最適化を図ることが可能になる。また、移動経路上に一時停止線や一時停止標識が存在し、移動経路の記憶時にドライバが車両VHを一時停止させた場合には、自動駐車制御の実行時においても車両VHの一時停止を確実に再現できるように構成されている。これにより、支援システム1側では、カメラセンサ等によってそれらの情報を把握する必要がなくなり、装置のコスト上昇を効果的に抑えることが可能になる。また、移動経路上に人の往来が多い場所等が存在し、移動経路の記憶時にドライバが車両VHを実際に減速させた場合には、自動駐車制御の実行時においても車両VHの減速を確実に再現できるように構成されている。これにより、ドライバが心理的に車速を抑えたい場所等、支援システム1側では判断が難しいシーンに対しても、支援速度の最適化が図られるようになり、利便性を確実に向上することが可能になる。
【0044】
次に、
図4に示すフローチャートに基づいて、ECU10のCPU11が実行する移動経路情報の取得処理及び、目標車速比率の演算処理のルーチンを説明する。
【0045】
ステップS100では、ECU10は、ドライバが登録開始要求の操作を行ったか否かを判定する。ドライバが登録開始要求の操作を行った場合(Yes)、ECU10は、登録開始要求を受け付けてステップS110の処理に進む。一方、ドライバが登録開始要求の操作を行っていない場合(No)、ECU10は、本ルーチンをリターンする。
【0046】
ステップS110では、ECU10は、登録開始要求を受け付けた時の車両VHの位置を、移動経路情報の取得を開始する開始位置P0に設定する。次いで、ステップS120では、ECU10は、ドライバが手動操作により車両VHの駐車を開始したか否かを判定する。ドライバが駐車を開始したか否かは、例えば、車両VHが開始位置P0から移動したかで判定すればよい。ドライバが手動操作による駐車を開始した場合(Yes)、ECU10は、ステップS130の処理に進む。一方、ドライバが手動操作による駐車を開始しない場合(No)、ECU10は、一定時間が経過後に本ルーチンをリターンする。
【0047】
ステップS130では、ECU10は、ドライバの手動操作による車両VHの移動経路情報(移動経路R1~R4、車速V、操作情報等)を取得し、RAM13に一時的に記憶する。ステップS140では、ECU10は、車両VHが駐車場PA内の終了位置P2に到達したかを判定する。車両VHが終了位置P2に到達したかは、車両VHが停止し、且つ、シフト位置SPがパーキングPに切り替えられたかで判定すればよい。車両VHが終了位置P2に到達した場合(Yes)、ECU10は、ステップS150の処理に進む。一方、車両VHが終了位置P2に到達していない場合(No)、ECU10はステップS130の処理を継続する。
【0048】
ステップS150では、ECU10は、ステップS130で記憶した移動経路R1~R4上の車速Vから最も速い最高車速VMaxを抽出し、移動経路R1~R4上の車速Vを最高車速VMaxで除する正規化により、目標車速比率Vr(=V/VMax)を演算する。次いで、ステップS160では、ECU10は、駐車場PAを既登録駐車場として登録する。具体的には、ステップS130で記憶した移動経路R1~R4を目標移動経路RT、操作情報を目標操作信号として記憶する。さらに、ステップS150で演算した目標車速比率Vrを、目標支援速度Vtの設定に用いる係数として記憶する。ECU10は、これらを駐車場PAの位置情報と紐付けて記憶する。ECU10は、ステップS160にて、駐車場PAを既登録駐車場として登録すると、その後、本ルーチンをリターンする。
【0049】
次に、
図5に示すフローチャートに基づいて、ECU10のCPU11が実行する自動駐車制御のルーチンを説明する。
【0050】
ステップS200では、ECU10は、車両VHの現在位置と既登録駐車場との距離が所定距離以下であるか否かを判定する。所定距離以下の場合(Yes)、ECU10は、ステップS210の処理に進む。一方、所定距離以下でない場合(No)、ECU10は、本ルーチンをリターンする。
【0051】
ステップS210では、ECU10は、車両VHの乗員に既登録駐車場を検知したことを知らせる駐車場報知処理を実行する。次いで、ステップS220では、ECU10は、車両VHの乗員によって自動駐車スイッチ60がON操作されたかを判定する。自動駐車スイッチ60がON操作された場合、ECU10は、ステップS230の処理に進む。一方、自動駐車スイッチ60がON操作されない場合(No)、ECU10は、一定時間が経過後に本ルーチンをリターンする。
【0052】
ステップS230では、ECU10は、
図4のフローに従って事前に登録した目標移動経路RTを取得する。次いで、ステップS240では、ECU10は、予め設定されているデフォルトの設定支援速度Vstに、
図4のフローに従って演算した目標車速比率Vrを乗じることにより、目標支援速度Vt(=Vst×Vr)を設定する。なお、ステップS230及び、ステップS240の処理は順不同であり、同時であってもよい。
【0053】
ステップS250では、目標移動経路RT及び、目標支援速度Vtに基づき、自動駐車制御を実行する。この際、ECU10は、
図4のフローに従って事前に登録した目標操作信号に基づいて、方向指示器やサイドミラーの作動を制御する。
【0054】
ステップS260では、ECU10は、車両VHが終了位置P2に到達したかを判定する。車両VHが終了位置P2に到達しない場合(No)、ECU10はステップS230の処理に戻り、自動駐車制御を継続する。一方、車両VHが終了位置P2に到達した場合(Yes)、ECU10はステップS270の処理に進み、自動駐車制御を終了し、その後、本ルーチンをリターンする。
【0055】
なお、本開示は上記実施形態に限定されるものではなく、本開示の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変形が可能である。例えば、目標車速比率演算部120は、目標移動経路RT上において、車速Vの変化量が所定量を超えている区間のみを抽出し、抽出した区間の車速Vに基づいて目標車速比率Vrを演算するように構成してもよい。この場合、目標支援速度設定部160は、目標支援速度Vtを、抽出した区間の数に応じたN段階(Nは整数)で設定すればよい。また、目標支援速度設定部160は、移動経路の記憶時に、急ブレーキ等によって車速Vが単位時間当たりに所定の閾値を超えて変動した区間、或は、車速Vの変化量が所定量以下の車速変化が緩やかな区間については、目標車速比率Vrに基づいた目標支援速度Vtを設定しないように構成してもよい。この場合、これらの区間の目標支援速度Vtは、設定支援速度Vstとすればよい。また、目標支援速度設定部160は、移動経路の記憶時に、車両VHの車速変化が他車両や歩行者の接近、或は、一時的な障害物の存在等を起因として生じたことを、外界センサ装置40の検出結果に基づいて判別できた場合には、当該車速変化が生じた区間については、目標車速比率Vrに基づいた目標支援速度Vtを設定しないように構成してもよい。この場合も、当該区間の目標支援速度Vtは、設定支援速度Vstとすればよい。また、本開示の技術は、運転操作の一部又は全部を自動で行う自動運転車両にも適用することが可能である。