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特開2024-115717ポリウレタンの製造方法およびポリウレタン
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  • 特開-ポリウレタンの製造方法およびポリウレタン 図1
  • 特開-ポリウレタンの製造方法およびポリウレタン 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024115717
(43)【公開日】2024-08-27
(54)【発明の名称】ポリウレタンの製造方法およびポリウレタン
(51)【国際特許分類】
   C08G 18/08 20060101AFI20240820BHJP
   C08L 75/04 20060101ALI20240820BHJP
   C08K 5/01 20060101ALI20240820BHJP
   C08K 5/10 20060101ALI20240820BHJP
【FI】
C08G18/08 038
C08L75/04
C08K5/01
C08K5/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023021509
(22)【出願日】2023-02-15
(71)【出願人】
【識別番号】000229955
【氏名又は名称】日本プラスト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116713
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 正己
(74)【代理人】
【識別番号】100179844
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 芳國
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 祐太
【テーマコード(参考)】
4J002
4J034
【Fターム(参考)】
4J002CK021
4J002EA016
4J002EC037
4J002EH026
4J002FD206
4J002FD207
4J002GN00
4J034BA06
4J034CA03
4J034CA04
4J034CA05
4J034CA15
4J034CA16
4J034CB03
4J034CB04
4J034CB05
4J034CC03
4J034CD04
4J034HA01
4J034HA07
4J034HC03
4J034HC12
4J034HC17
4J034HC22
4J034HC46
4J034HC52
4J034HC61
4J034HC64
4J034HC67
4J034HC71
4J034HC73
4J034MA11
4J034MA12
4J034QD02
4J034RA12
(57)【要約】
【課題】本発明は、簡易な方法であって低コストでウレタン特有のにおいを抑制することが可能なポリウレタンの製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の実施形態に係るポリウレタンの製造方法は、ポリオール混合液とイソシアネートとを反応させてポリウレタンを製造する方法であって、前記ポリオール混合液は、ポリオールと、炭素数が10以上の油脂と、香料と、を含む。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリオール混合液とイソシアネートとを反応させてポリウレタンを製造する方法であって、
前記ポリオール混合液は、ポリオールと、炭素数が10以上の油脂と、香料と、を含む、
ポリウレタンの製造方法。
【請求項2】
前記油脂は炭素数が17以上である、請求項1に記載のポリウレタンの製造方法。
【請求項3】
前記油脂は28℃で液体である、請求項1または請求項2に記載のポリウレタンの製造方法。
【請求項4】
前記油脂は、炭化水素、脂肪酸エステルまたはこれらの混合物であり、前記ポリオールとは反応しないものである、請求項1または請求項2に記載のポリウレタンの製造方法。
【請求項5】
前記香料は、精油、有機化合物、合成香料、またはこれらのいずれか一種以上を含む混合物である、請求項1または請求項2に記載のポリウレタンの製造方法。
【請求項6】
前記香料は、28℃で液体であるか、または28℃で固体であって前記ポリオールに溶解するものである、請求項1または請求項2に記載のポリウレタンの製造方法。
【請求項7】
前記油脂および前記香料の沸点は100℃超である、請求項1または請求項2に記載のポリウレタンの製造方法。
【請求項8】
前記ポリオール混合液は、さらに助剤を含む、請求項1または請求項2に記載のポリウレタンの製造方法。
【請求項9】
炭素数が10以上の油脂と香料とを含むポリウレタン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はポリウレタンの製造方法およびポリウレタンに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車の内装品やステアリングホイールなどに使用されるポリウレタン(ウレタン成形品)は、主に反応射出成形(Reaction Injection Molding:RIM)によって成形されている。ポリウレタンは原料であるポリオールとイソシアネートを反応させることで得られ、上記のように種々の用途に用いられているが、高温になるとウレタン特有のにおい(焦げた臭いにおい)が発生してしまい、不快感の原因となっている。これはウレタン特有のにおいであるため、原料に転嫁する助剤を変更しても抑制することができない。
【0003】
このウレタン特有のにおいを抑制するために、例えば香料でマスキングする方法が検討されている。例えば、特許文献1(特開2002-265780号公報)には、ウレタンプレポリマーや香料等が含まれているゲル状芳香剤組成物の製造方法について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002-265780号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のように、香料でウレタンのにおいをマスキングして不快感を抑制する方法では、臭気を隠すために多量の香料を添加する必要があるため、ウレタンの製造コストが高くなってしまう。また、多量の香料を添加すると、逆に香料のにおいが悪目立ちしてしまう。
また、特許文献1に記載の方法では、香料を含ませるまでに、香料と界面活性剤とポリビニルアルコールを混ぜて乳化させた製剤を作り、吸水ポリマーに製剤を混ぜて再び乳化させ、それをウレタンプレポリマーに混ぜている。この様に、何段階も工程が必要になっており、製造方法が煩雑で製造コストも高くなってしまう。
【0006】
そこで本発明は、簡易な方法であって低コストでウレタン特有のにおいを抑制することが可能なポリウレタンの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るポリウレタンの製造方法は、
ポリオール混合液とイソシアネートとを反応させてポリウレタンを製造する方法であって、
前記ポリオール混合液は、ポリオールと、炭素数が10以上の油脂と、香料と、を含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、簡易な方法であって低コストでウレタン特有のにおいを抑制することが可能なポリウレタンの製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明のポリウレタンの製造方法の一例(2液成形)を実施するための設備の一例を示す図である。
図2図2は、本発明のポリウレタンの製造方法の別の一例(3液成形)を実施するための設備の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明者は、ポリウレタンにおいてウレタン特有のにおいを抑制する方法について種々検討を重ねた。その結果、ウレタンの原料に油脂を添加すると、高温時に発生するウレタン特有のにおいが、油脂のにおいによって希釈されて僅かに残る程度になり、ここに更に香料を添加することが有効であることを見出し、本発明に至った。
【0011】
本発明に係るポリウレタンの製造方法は、ポリオール混合液とイソシアネートとを反応させてポリウレタンを製造する方法である。以下に本発明を構成ごとに詳述する。
(ポリオール混合液)
ポリオール混合液は、ウレタンの原料であるポリオールを主として含むものであり、さらに、炭素数が10以上の油脂と、香料とを含むものである。また、ポリオール混合液は必要に応じて助剤が添加されていてもよい。
【0012】
-油脂-
ポリオール混合液に添加する油脂は、炭素数が9以下であると油脂自身の臭気により、得られるポリウレタンのにおいが悪化してしまう。このため、油脂は炭素数が10以上のものを用いる。油脂の炭素数は、17以上であることがより好ましい。油脂の炭素数が17以上であることにより、油脂自身のにおいが弱く、また成形収縮に関する影響がみられない。
油脂は常温、すなわち28℃で液体であることが好ましい。これにより、油脂とポリオールとの混合性が高くなる。なお、油脂の沸点は100℃超であることが好ましい。これにより、反応中に油脂が揮発することを抑制できる。
【0013】
また、油脂はポリオールよりも粘度が低いことが好ましい。これにより、ポリオール混合液に油脂を添加した際にポリオール混合液の粘度が低くなり、ポリオールとイソシアネートとの混合性・反応性が向上し、成形性が良くなる。このため、メインに用いるポリオールの粘度が従来のものより高くても用いることが可能となり、ウレタンの原料であるポリオールの選択の幅を増やすことができる。
【0014】
また、油脂は、炭化水素、脂肪酸エステルまたはこれらの混合物であり、ポリオールとは反応しないものであることが好ましい。油脂がポリオールと反応しないことにより、ポリオールとイソシアネートとの反応性を高めることができる。
油脂としては、例えば、パラフィン、直鎖状オレフィン、分岐状オレフィン、アルキルベンゼン、脂肪酸エステル等を用いることができる。
パラフィンとしては、例えば、デカン、ドデカン、トリデカンなどを用いることができる。直鎖状オレフィンとしては、例えば、デセン、ドデセン、テトラデセン、ヘキサデセンなどを用いることができる。分岐状オレフィンとしては、例えば、トリイソブチレン、プロピレンテトラマーなどを用いることができる。アルキルベンゼンとしては、例えば、ブチルベンゼン、テトラメチルメンゼンなどを用いることができる。脂肪酸エステルとしては、例えば、ラウリン酸メチル、パルミチン酸メチル、ステアリン酸メチル、オレイン酸メチルなどを用いることができる。
【0015】
ポリオール混合液において、油脂の混合比は質量比で、ポリオール100部に対して5部~15部の範囲であることが好ましい。
油脂の混合比(質量比)がポリオール100部に対して5部以上であることにより、得られるポリウレタンにおいてウレタン特有のにおいを油脂のにおいで十分に希釈することができる。一方、油脂の混合比(質量比)がポリオール100部に対して15部以下であることにより、油脂の使用量が多くなり過ぎることを抑制し、油脂がポリウレタンの表面にブリードするのを防ぎ、かつポリウレタンの製造コストを低くすることができる。
これらの観点から、ポリオール混合液において油脂の混合比(質量比)は、ポリオール100部に対して6部~12部の範囲であることがより好ましく、8部~10部の範囲であることがさらに好ましい。
【0016】
-香料-
本発明に係るポリウレタンの製造方法においては、香料はポリオールに添加するのみでよく、香料自体に修飾等の操作を加える必要はない。このため、香料の材料選定の幅が広く、また、ポリウレタンの製造において作業工数も少なく済む。
【0017】
香料は、天然原料を基とした精油の他、有機化合物、合成香料、またはこれらのいずれか一種以上を含む混合物であることが好ましい。精油としては、例えば、ペパーミント(ハッカ)、ラベンダー、ローズマリー、オレンジ、レモン、スギ、ヒノキなどのハーブ系精油や、柑橘系精油、および樹木系精油などが挙げられる。有機化合物としては、例えばl-メントール、l-リナロール、ジャスモン、およびシス-3-ヘキセノールなどが挙げられる。また、合成香料としては、例えば合成ムスク(通称:ホワイトムスク)や合成シベットなどが挙げられる。
【0018】
香料は、常温すなわち28℃で液体であることが好ましく、また、28℃で固体である場合にはポリオールに溶解させることが可能なものであることが好ましい。これにより、香料とポリオールとの混合性が高くなる。
香料の沸点は100℃超であることが好ましい。これにより、反応中に香料が揮発することを抑制できる。
【0019】
上記のように、ウレタンの原料であるポリオールに油脂を添加することで、高温時に発生するウレタン特有のにおいが、油脂のにおいによって希釈されて僅かに残る程度のポリウレタンを製造することができる。このため、ウレタンの原料であるポリオールに、油脂と香料を添加すると、香料の添加量を少量に抑えることが出来ながら、僅かな香料の香りで、ウレタン特有のにおいをマスキングすることが出来る。
【0020】
ポリオール混合液において、香料の混合比は質量比で、ポリオール100部に対して0.001部~0.05部の範囲であることが好ましい。
香料の混合比(質量比)がポリオール100部に対して0.001部以上であることにより、得られるポリウレタンにおいてウレタン特有のにおいを香料のにおいで十分にマスクすることができる。一方、香料の混合比(質量比)がポリオール100部に対して0.05部以下であることにより、香料の使用量が多くなり過ぎることを抑制し、香料のにおいが悪目立ちしないポリウレタンを製造することができる。また、ポリウレタンの製造コストを低くすることができる。
これらの観点から、ポリオール混合液において香料の混合比(質量比)は、ポリオール100部に対して0.003部~0.03部の範囲であることがより好ましく、0.005部~0.01部の範囲であることがさらに好ましい。
【0021】
-助剤-
ポリオール混合液は、必要に応じて助剤を含むことが好ましい。
助剤としては、ポリウレタンの製造において用いられる公知のものを利用可能であり、例えば、架橋剤、発泡剤、製泡剤、触媒、顔料、耐候剤、熱安定剤、および紫外線吸収剤等を用いることができる。
【0022】
-ポリオール-
ポリオール混合液においてメイン成分となるポリオールは、製造するポリウレタンにおいて要求される特性に応じて適宜選択すればよく、ポリエーテル類やポリエステル類など公知のものを利用可能である。
ポリオールとしては、例えば、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、蔗糖などの水酸基含有化合物、トリエタノールアミン、ジエタノールアミンなどのアミノ基や水酸基を含有する化合物あるいはエチレンジアミン、ジアミノトルエンなどのアミノ基含有化合物にエチレンオキシド、プロピレンオキシドなどのアルキレンオキシドを付加した分子中に2~6個の水酸基を含有し、平均水酸基当量が100~2400(OH基561~23mgKOH/g)のポリエーテルポリオールあるいはこれらのポリエーテルポリオールにビニル化合物を付加重合したポリマーポリオールなどを用いることができる。
【0023】
(イソシアネート)
イソシアネートは、製造するポリウレタンにおいて要求される特性に応じて適宜選択すればよく、公知のものを利用可能である。
イソシアネートとしては、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、トルエンジイソシアネート(TDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、これらのポリイソシアネートをウレタン変性、アロファネート変性、カルボジイミド変性、またはイソシアネート変性した変性ポリイソシアネート、これらの混合物などを用いることができる。
【0024】
以上のようにして得られる本発明の実施形態に係るポリウレタンは、炭素数が10以上の油脂と、香料とを含む。なお、本発明の実施形態に係るポリウレタンは、上記の本発明の実施形態に係るポリウレタンの製造方法において用いることができるものとして説明した油脂および香料を含み得るものである。
【0025】
[実施形態1]
以下に、図1を参照しながら、本発明に係るポリウレタンの製造方法の実施形態1を説明する。また、表1に、メインのポリオール、助剤、油脂、香料およびイソシアネートの混合比の一例を示す。なお、具体的な説明のために原料名および混合比を挙げているが、当然ながら本発明はこれらに限定されることはない。
【0026】
まず、ポリウレタンの原料であるメインのポリオールに油脂と香料、および各助剤を混合させたポリオール混合液を作製する。そして、これを、ポリオール混合液を収容する原料タンク3に供給する。また、イソシアネートを収容する原料タンク4には、イソシアネートを供給する。
【0027】
続いて、ポリオール混合液およびイソシアネートを、それぞれを収容した原料タンクからミキシングヘッド2に供給して衝突混合させ、混合された成分を金型1に射出することでRIM(反応射出成形)によりポリウレタンを製造する。表1に示す実施の形態では、ポリオール混合液とイソシアネートは、121.505:50の比率で反応させている。これにより、例えば、ステアリングホイール等のウレタン成形品を得ることができる。
このように図1に示す例は、ポリオール混合液とイソシアネートの2液で成形する例であり、得られるポリウレタンは全て同じ香料が含まれたものとなる。
【0028】
【表1】
【0029】
[実施形態2]
以下に、図2を参照しながら、本発明に係るポリウレタンの製造方法の実施形態2を説明する。また、表2に、メインのポリオール、助剤、油脂、香料およびイソシアネートの混合比の一例を示す。なお、具体的な説明のために原料名および混合比を挙げているが、当然ながら本発明はこれらに限定されることはない。
【0030】
実施形態2は、第1液(ポリオール混合液A)、第2液(イソシアネート)、および第3液(ポリオール混合液B)の3液で成形する例である。例えば、第1液目には香料を含ませず、第3液目のポリオール混合液Bに香料を添加して用い、この香料のみを変えたポリオール混合液B’を用いることで、香料を適宜切り替えてポリウレタンを製造することができる。
【0031】
第3液(ポリオール混合液B)は、第1液(ポリオール混合液A)と合わさった時に、表1のポリオール混合液と同じ混合比になるように作製する必要がある。例えば、表2に示したように、第1液(ポリオール混合液A)、および第3液(ポリオール混合液B)を作製し、第3液を10%、第1液を90%で合わせると、表1のポリオール混合液と同じ混合比になる。
第3液の混合比は、第1液と合わせる割合に合わせて、混合比を任意に変えていけばよい。
【0032】
【表2】
【0033】
以上に説明したように、本発明は下記(1)のポリウレタンの製造方法に係るものであるが、下記(2)から下記(9)を実施形態として含む。
(1)ポリオール混合液とイソシアネートとを反応させてポリウレタンを製造する方法であって、
前記ポリオール混合液は、ポリオールと、炭素数が10以上の油脂と、香料と、を含む、
ポリウレタンの製造方法。
(2)前記油脂は炭素数が17以上である、上記(1)に記載のポリウレタンの製造方法。
(3)前記油脂は28℃で液体である、上記(1)または上記(2)に記載のポリウレタンの製造方法。
(4)前記油脂は、炭化水素、脂肪酸エステルまたはこれらの混合物であり、前記ポリオールとは反応しないものである、上記(1)から上記(3)のいずれか一項に記載のポリウレタンの製造方法。
(5)前記香料は、精油、有機化合物、合成香料、またはこれらのいずれか一種以上を含む混合物である、上記(1)から上記(4)のいずれか一項に記載のポリウレタンの製造方法。
(6)前記香料は、28℃で液体であるか、または28℃で固体であって前記ポリオールに溶解するものである、上記(1)から上記(5)のいずれか一項に記載のポリウレタンの製造方法。
(7)前記油脂および前記香料の沸点は100℃超である、上記(1)から上記(6)のいずれか一項に記載のポリウレタンの製造方法。
(8)前記ポリオール混合液は、さらに助剤を含む、上記(1)から上記(7)のいずれか一項に記載のポリウレタンの製造方法。
(9)炭素数が10以上の油脂と香料とを含むポリウレタン。
【実施例0034】
以下に、実施例を参照しながら本発明についてより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0035】
[実施例1]
表1に示す通りに、ポリオール混合液およびイソシアネートを調製し、図1に示す設備にてRIM(2液成形)を行い、ポリウレタン(ステアリングホイール)を製造した。
得られたポリウレタンを、におい袋の中で、常温(28℃)で24時間、高温(90℃)で24時間、または常温(28℃)で1週間保持した。におい袋の中で前記のようにして保持した3種のポリウレタンの香気の変化をそれぞれ確認したところ、いずれもウレタン特有のにおいはなく、香料によるにおいのみが確認された。
【0036】
[実施例2]
表2に示す通りに、ポリオール混合液A、イソシアネート、およびポリオール混合液Bを調製し、図2に示す設備にてRIM(3液成形)を行い、ポリウレタン(ステアリングホイール)を製造した。なお、ポリオール混合液Bにおいて香料は、表1のポリオール混合液と同様にハッカ油を用いた。
得られたポリウレタンを実施例1と同様に、におい袋の中で、常温(28℃)で24時間、高温(90℃)で24時間、または常温(28℃)で1週間保持した。におい袋の中で前記のようにして保持した3種のポリウレタンの香気の変化をそれぞれ確認したところ、いずれもウレタン特有のにおいはなく、香料によるにおいのみが確認された。
【符号の説明】
【0037】
1 金型
2 ミキシングヘッド
3 ポリオール混合液を収容する原料タンク
4 イソシアネートを収容する原料タンク
5 ポリオール混合液Aを収容する原料タンク
6 ポリオール混合液Bを収容する原料タンク
図1
図2