(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024115728
(43)【公開日】2024-08-27
(54)【発明の名称】焚き火台
(51)【国際特許分類】
F24B 1/197 20060101AFI20240820BHJP
F24B 1/18 20060101ALI20240820BHJP
F24C 1/16 20210101ALI20240820BHJP
【FI】
F24B1/197
F24B1/18 P
F24C1/16 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023021538
(22)【出願日】2023-02-15
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】521164898
【氏名又は名称】株式会社興栄企画
(74)【代理人】
【識別番号】110001597
【氏名又は名称】弁理士法人アローレインターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】森山 竜志
(57)【要約】
【課題】 燃料の燃焼を促しつつ炎の全体形状を容易に楽しむことができる焚き火台を提供する。
【解決手段】 燃料を燃焼させる本体10を備える焚き火台1であって、本体10は、上向きに開口する開口部11から燃料が収容される逆多角錐状の収容部20と、収容部20を取り囲むカバー部30とを備え、収容部20とカバー部30との間に隙間Sが形成されており、カバー部30は、隙間Sに外気を導入する導入部31を備え、収容部20は、隙間Sに導入された外気を燃料に供給可能な第1供給部21および第2供給部22を備えており、導入部31、第1供給部21および第2供給部22は、それぞれ異なる高さに形成されており、導入部31の上方に第1供給部21が配置され、第1供給部21の上方に第2供給部22が配置される。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料を燃焼させる本体を備える焚き火台であって、
前記本体は、上向きに開口する開口部から燃料が収容される逆多角錐状または逆多角錐台状の収容部と、前記収容部を取り囲むカバー部とを備え、前記収容部と前記カバー部との間に隙間が形成されており、
前記カバー部は、前記隙間に外気を導入する導入部を備え、
前記収容部は、前記隙間に導入された外気を燃料に供給可能な第1供給部および第2供給部を備えており、
前記導入部、第1供給部および第2供給部は、それぞれ異なる高さに形成されており、前記導入部の上方に前記第1供給部が配置され、前記第1供給部の上方に前記第2供給部が配置される焚き火台。
【請求項2】
前記導入部、第1供給部および第2供給部は、いずれも前記開口部と平行な平面に沿って形成される請求項1に記載の焚き火台。
【請求項3】
前記収容部の前記開口部に対する内壁面の傾斜角は、25度~30度である請求項1に記載の焚き火台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、焚き火台に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の焚き火台として、椀状に形成された本体内に薪等の燃料を収容して燃焼させる構成が知られている。この焚き火台は、薪から立ち上がる炎の全体形状を楽しむことができる一方で、煙が大量に発生したり、薪が最後まで燃え切らない等の問題がある。
【0003】
これに対し、特許文献1には、箱型に形成された本体内に二次燃焼用板状部材を配置して、燃料の二次燃焼を促進する焚き火台が開示されている。この焚き火台は、二次燃焼によって煙の量を低減できる一方で、本体が箱型であるために本体内の燃焼の様子が見え難く、普通の焚き火のように薪から出る自然な炎の形状を楽しむことができないという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明は、燃料の燃焼を促しつつ炎の全体形状を容易に楽しむことができる焚き火台の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の前記目的は、燃料を燃焼させる本体を備える焚き火台であって、前記本体は、上向きに開口する開口部から燃料が収容される逆多角錐状または逆多角錐台状の収容部と、前記収容部を取り囲むカバー部とを備え、前記収容部と前記カバー部との間に隙間が形成されており、前記カバー部は、前記隙間に外気を導入する導入部を備え、前記収容部は、前記隙間に導入された外気を燃料に供給可能な第1供給部および第2供給部を備えており、前記導入部、第1供給部および第2供給部は、それぞれ異なる高さに形成されており、前記導入部の上方に前記第1供給部が配置され、前記第1供給部の上方に前記第2供給部が配置される焚き火台により達成される。
【0007】
この焚き火台において、前記導入部、第1供給部および第2供給部は、いずれも前記開口部と平行な平面に沿って形成されることが好ましい。
【0008】
前記収容部の前記開口部に対する内壁面の傾斜角は、25度~30度であることが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、燃料の燃焼を促しつつ炎の全体形状を容易に楽しむことができる焚き火台を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態に係る焚き火台の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
図1は、 本発明の一実施形態に係る焚き火台の平面図であり、
図2は、
図1に示す焚き火台の側面図である。
図1および
図2に示すように、焚き火台1は、薪や炭等の燃料を燃焼させる本体10と、本体10を支持する台座40とを備えている。
【0012】
図3は、本体10の底面図である。
図4は、
図1のA-A断面に相当する本体10の断面図である。
図1から
図4に示すように、本体10は、収容部20およびカバー部30を備えている。
【0013】
収容部20は、金属製の薄板等からなり、開口部11が上向きに開口するように逆四角錐状に形成されて、開口部11から燃料を収容することができる。収容部20は、本実施形態では逆正四角錐状としているが、逆多角錐状であればよく、例えば、逆三角錐状や逆五角錐状等であってもよい。開口部11の大きさは特に限定されないが、市販の薪をカットせずに収容可能な大きさであることが好ましく、各辺の長さが40cm程度を例示することができる。
【0014】
カバー部30は、収容部20との間に隙間Sをあけて、収容部20を取り囲むように配置されている。カバー部30の形状は必ずしも限定されないが、本実施形態のように、カバー部30を、収容部20と同様に金属製の薄板等により逆四角錐状等の逆多角錐状に形成することで、収容部20とカバー部30との間に形成される隙間Sの大きさを全体にわたって略一定に維持することができる。
【0015】
収容部20の上縁部は外方に折り返され、カバー部30の上縁部は内方に折り返されており、それぞれ折り返された部分同士が開口部11の周縁に沿って接合されることで、隙間Sの上方が閉塞されている。隙間Sの上方は完全に閉塞されていることが好ましいが、外部と連通可能に形成してもよい。
【0016】
図3および
図4に示すように、カバー部30には、複数の小孔31aからなる導入部31が形成されており、導入部31から隙間Sに外気を導入することができる。導入部31は、カバー部30の下部に、開口部11と平行な平面S1に沿って形成されており、底面視においてカバー部30の最下部を中心とする正方形状に形成されている。導入部31は、カバー部30の壁面に形成する代わりに、カバー部30の最下部を切り欠く等して形成してもよい。
【0017】
図1および
図4に示すように、収容部20には、複数の小孔21aからなる第1供給部21、および、複数の小孔22aからなる第2供給部22が形成されており、隙間Sに導入された外気を、第1供給部21および第2供給部22から収容部20の内部に供給することができる。第1供給部21および第2供給部22は、それぞれ開口部11と平行な平面S2,S3に沿って形成されており、平面視において収容部20の最下部を中心とする正方形状に形成されている。第1供給部21の各小孔21aは、第2供給部22の各小孔22aと同径および同ピッチで形成されており、これによって、第2供給部22の開口面積が、第1供給部21の開口面積も大きくなるように構成されている。但し、各小孔21a,22aの大きさおよびピッチは、互いに相違してもよい。第1供給部21および第2供給部22の開口面積の合計は、導入部31の開口面積と同等か、導入部31の開口面積よりも小さいことが好ましい。
【0018】
図4に示すように、導入部31、第1供給部21および第2供給部22は、開口部11と直交する方向を高さ方向として、それぞれ異なる高さに形成されており、導入部31の上方に第1供給部21が配置され、第1供給部21の上方に第2供給部22が配置される。導入部31、第1供給部21および第2供給部22は、複数の小孔によって形成する代わりに、それぞれ平面S1,S2,S3に沿って延びる1または複数の長孔やスリット等により形成してもよい。
【0019】
図2に示すように、台座40は、2つの支持板41,42を備えている。一方の支持板41は、中央上部にスリット41aが形成されており、スリット41aの両側には、上部から斜め上方に広がる一対の支持腕41b,41bが設けられている。他方の支持板42は、中央下部にスリット42aが形成されており、スリット42aの両側には、上部から斜め上方に広がる一対の支持腕42b,42bが設けられている。2つの支持板41,42は、平面視で直交するようにスリット41a,42a同士を組み合わせることで互いに結合されている。各支持腕41b,42bは、水平面に対する傾斜角度が、水平面に対するカバー部30の傾斜角度よりも大きくなるように形成されており、各支持腕41b,42bの先端部のみがカバー部30に当接して、本体10を支持する。
【0020】
上記の構成を備える焚き火台1は、本体10に収容した薪等の燃料を燃焼させると、収容部20の内部で上昇気流が発生することにより、導入部31から隙間Sに外気が自然に導入されて、隙間S内で加熱されながら第1供給部21および第2供給部22から収容部20の内部に噴出し、燃料に供給される。第1供給部21から供給される空気は、燃料から発生した可燃性ガスの一次燃焼を促し、第2供給部22から供給される空気は、一次燃焼で燃え切らない未燃ガスの二次燃焼を促すため、燃料の燃焼効率を高めることができる。これにより、煙の発生や燃料の燃え残りを抑制することができる。
【0021】
収容部20は、上方に向けて広がる逆多角錐状に形成されることで、第1供給部21および第2供給部22を低コストで容易に形成できると共に、従来の箱型の焚き火台に比べて燃料の視認性が高まるので、薪等から発生する炎の全体形状を容易に楽しむことができる。収容部20の形状は、平坦な底部を有する逆多角錐台状であってもよいが、本実施形態のように逆多角錐状に形成することで、小型化を図ることができる。
【0022】
図4に示す収容部20の開口部11に対する内壁面の傾斜角度θは、大きすぎると、収容部20が深くなるために炎の全体形状が見え難くなる一方、小さすぎると、収容部20が浅くなるために第1供給部21から第2供給部22までの高さが不足して燃料の二次燃焼が困難になるおそれがある。したがって、傾斜角度θは、25度~30度であることが好ましい。
【0023】
図4に示す第1供給部21が形成される平面S2の高さ位置(小孔21aの中心の高さ位置)は、導入部31が形成される平面S1の高さ位置(小孔31aの中心の高さ位置)よりも上方であることが好ましいが、平面S1からS2までの高さが大きすぎると、収容部20の底部近傍で燃料の燃え残りが生じ易くなることから、平面S2は平面S1の近傍に設定されることが好ましい。第2供給部22が形成される平面S3の高さ位置(小孔22aの中心の高さ位置)は、平面S2よりも上方であればよいが、平面S2からS3までの高さH1が小さすぎると、薪等が平面S3よりも上方に突出する部分の割合が大きくなるため、燃料全体の二次燃焼が困難になり易い一方、平面S2からS3までの高さH1が大きすぎると、第2供給部22の平面視正方形状の面積が大きくなることで、収容部20の中央まで二次燃焼用の空気を到達させることが困難になる。このため、平面S2から開口部11までの高さH2に対する、平面S2からS3までの高さH1の比(H1/H2)は、40/80~50/80であることが好ましい。
【符号の説明】
【0024】
1 焚き火台
10 本体
11 開口部
20 収容部
21 第1供給部
22 第2供給部
30 カバー部
31 導入部
40 台座