(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024115735
(43)【公開日】2024-08-27
(54)【発明の名称】可搬型モニタ装置、および固定具
(51)【国際特許分類】
A61B 5/00 20060101AFI20240820BHJP
A61G 7/05 20060101ALI20240820BHJP
A61G 12/00 20060101ALI20240820BHJP
H05K 5/02 20060101ALI20240820BHJP
【FI】
A61B5/00 102E
A61G7/05
A61G12/00 B
H05K5/02 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023021549
(22)【出願日】2023-02-15
(71)【出願人】
【識別番号】000230962
【氏名又は名称】日本光電工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】正村 美樹夫
【テーマコード(参考)】
4C040
4C117
4C341
4E360
【Fターム(参考)】
4C040AA30
4C040GG15
4C040GG20
4C117XB04
4C117XC02
4C341JJ03
4C341LL06
4C341MS12
4E360AA02
4E360AB05
4E360EB02
4E360EC05
4E360EC12
4E360EC14
4E360ED02
4E360GA02
4E360GA04
4E360GB87
(57)【要約】
【課題】対象者の生体情報を監視するための可搬型モニタ装置の利便性を高める。
【解決手段】ディスプレイ12は、筐体11の前部に配置されており、対象者の生体情報を可視化する。クランプ141は、筐体11の後面11aに配置されており、被把持部材を把持することにより筐体11を当該被把持部材に対して固定する。ケーブルホルダ142は、クランプ141の上部に掛けられた筐体11に接続可能なケーブル30が当該上部から脱落するのを防ぐ。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象者の生体情報を監視するための可搬型モニタ装置であって、
筐体と、
前記筐体の前部に配置されており、前記生体情報を可視化するディスプレイと、
前記筐体の後面に配置されており、被把持部材を把持することにより前記筐体を当該被把持部材に対して固定するクランプと、
前記クランプの上部に掛けられた前記筐体に接続可能なケーブルが当該上部から脱落するのを防ぐケーブルホルダと、
を備えている、
可搬型モニタ装置。
【請求項2】
前記ケーブルホルダは、
前記後面に近づくにつれて下方へ傾斜する第一案内面と、
前記第一案内面と前記後面との間に配置される第二案内面と、
を備えている、
請求項1に記載の可搬型モニタ装置。
【請求項3】
前記筐体の上部に設けられており、搬送のためにユーザの手により把持されるハンドルを備えており、
前記第二案内面の前端は、前記ハンドルの下端よりも下方に配置されている、
請求項2に記載の可搬型モニタ装置。
【請求項4】
前記クランプは、
前記被把持部材の第一位置に当接するように構成されている第一部分と、
前記被把持部材の第二位置に当接するように構成されている第二部分と、
を備えており、
前記第二部分は、前記第一部分よりも下方かつ前記後面の近くに位置しており、
側面視において前記第一部分と前記第二部分を結ぶ直線が鉛直方向に対してなす角度は、側面視において前記後面の下端に位置する第三部分と前記第一部分を結ぶ直線が鉛直方向に対してなす角度よりも小さい、
請求項1から3のいずれか一項に記載の可搬型モニタ装置。
【請求項5】
前記クランプは、前記第一部分と前記第二部分の間において下方に開口する溝が形成された部分を備えており、
前後方向における前記溝の幅寸法は、同方向における前記第一部分と前記第二部分の間の距離よりも小さい、
請求項4に記載の可搬型モニタ装置。
【請求項6】
対象者の生体情報を監視するための可搬型モニタ装置に装着される固定具であって、
前面に前記生体情報を表示するディスプレイを備えた前記可搬型モニタ装置の筐体の後面に配置され、被把持部材を把持することにより前記筐体を当該被把持部材に対して固定するクランプと、
前記クランプの上部に掛けられた前記筐体に接続可能なケーブルが当該上部から脱落するのを防ぐケーブルホルダと、
を備えている、
固定具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、対象者の生体情報を監視するための可搬型モニタ装置に関連する。本開示は、当該可搬型モニタ装置に装着される固定具にも関連する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、対象者の生体情報を監視するための可搬型モニタ装置をベッドのサイドレールに固定する構造を開示している。モニタ装置の両側面の各々にはクランプが設置されている。各クランプは、モニタ装置に固定されている上側部分と、当該上側部分に対して上下方向に可動とされた下側部分を有している。ユーザは、サイドレールの寸法に応じて下側部分の位置を調節することにより、モニタ装置をサイドレールに固定できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
対象者の生体情報を監視するための可搬型モニタ装置の利便性を高めることが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示により提供される態様例の一つは、対象者の生体情報を監視するための可搬型モニタ装置であって、
筐体と、
前記筐体の前部に配置されており、前記生体情報を可視化するディスプレイと、
前記筐体の後面に配置されており、被把持部材を把持することにより前記筐体を当該被把持部材に対して固定するクランプと、
前記クランプの上部に掛けられた前記筐体に接続可能なケーブルが当該上部から脱落するのを防ぐケーブルホルダと、
を備えている。
【0006】
本開示により提供される態様例の一つは、対象者の生体情報を監視するための可搬型モニタ装置に装着される固定具であって、
前面に前記生体情報を表示するディスプレイを備えた前記モニタ装置の筐体の後面に配置され、被把持部材を把持することにより前記筐体を当該被把持部材に対して固定するクランプと、
前記クランプの上部に掛けられた前記筐体に接続可能なケーブルが当該上部から脱落するのを防ぐケーブルホルダと、
を備えている。
【0007】
可搬型のモニタ装置を所望の設置場所まで搬送する際には、筐体に接続されるケーブルも併せて搬送する必要が生じうる。上記の各態様例においては、モニタ装置を搬送先に固定するために使用されるクランプに、ケーブルを保持させる機能が付与されている。ユーザは、ケーブルをクランプに掛けた状態のモニタ装置を片手で搬送できる。加えて、モニタ装置が搬送先で固定された後、ケーブルの余長部分をクランプに掛けておけるので、対象者の監視環境の整頓に寄与できる。したがって、対象者の生体情報を監視するための可搬型モニタ装置の利便性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】一実施形態に係る可搬型モニタ装置を前上方から見た外観を例示している。
【
図2】上記のモニタ装置を後上方から見た外観を例示している。
【
図3】上記のモニタ装置がベッドサイドレールに固定された状態を例示している。
【
図4】上記のモニタ装置を側方から見た外観を例示している。
【
図5】上記のモニタ装置を側方から見た外観を例示している。
【
図6】上記のモニタ装置の筐体に対して着脱可能な固定具を例示している。
【発明を実施するための形態】
【0009】
添付の図面を参照しつつ、実施形態の例について詳細に説明する。
【0010】
図1は、一実施形態に係るモニタ装置10を前上方から見た外観を例示している。
図2は、モニタ装置10を後上方から見た外観を例示している。
【0011】
モニタ装置10は、筐体11を備えている。筐体11には、対象者に装着されたセンサから出力された信号を受け付けるインタフェースが設けられている。当該信号は、当該対象者の生体情報に対応している。モニタ装置10は、当該生体情報を監視する機能を備えている。
【0012】
図1に例示されるように、モニタ装置10は、ディスプレイ12を備えている。ディスプレイ12は、筐体11の前部に配置されている。ディスプレイ12は、センサを通じて取得された生体情報を可視化するように構成されている。
【0013】
図2に例示されるように、モニタ装置10は、ハンドル13を備えている。ハンドル13は、筐体11の上部に配置されている。ハンドル13は、搬送のためにユーザの手により把持されるように構成されている。すなわち、モニタ装置10は、可搬型である。
【0014】
モニタ装置10は、固定具14を備えている。固定具14は、筐体11の後面11aに配置されている。固定具14は、クランプ141を備えている。
図3に例示されるように、クランプ141は、ベッドサイドレール20を把持できるように構成されている。これにより、モニタ装置10は、ベッドサイドレール20に対して固定される。ベッドサイドレール20は、被把持部材の一例である。クランプ141の把持対象は、モニタ装置10の設置位置に応じて適宜に選択されうる。
【0015】
図4に例示されるように、固定具14は、ケーブルホルダ142を備えている。ケーブルホルダ142は、ケーブル30を掛けうる空間をクランプ141の上方に区画している。ケーブル30の例としては、対象者に装着されるセンサとモニタ装置10を接続するケーブルや、電源からモニタ装置10へ電力を供給するためのケーブルなどが挙げられる。
【0016】
ケーブルホルダ142は、第一案内面142aを備えている。第一案内面142aは、筐体11の後面11aに近づくにつれて下方へ傾斜している。第一案内面142aの寸法と斜度は、クランプ141の上部に掛けられたケーブル30が脱落するのを防ぐことができるように構成されている。
【0017】
可搬型のモニタ装置10を所望の設置場所まで搬送する際には、筐体11に接続されるケーブル30も併せて搬送する必要が生じうる。本実施形態例においては、モニタ装置10を搬送先に固定するために使用されるクランプ141に、ケーブル30を保持させる機能が付与されている。ユーザは、ケーブル30をクランプ141に掛けた状態のモニタ装置10を片手で搬送できる。加えて、モニタ装置10が搬送先で固定された後、ケーブル30の余長部分をクランプ141に掛けておけるので、対象者の監視環境の整頓に寄与できる。したがって、対象者の生体情報を監視するための可搬型モニタ装置10の利便性を高めることができる。
【0018】
ケーブルホルダ142は、第二案内面142bを備えている。第二案内面142bは、第一案内面142aと筐体11の後面11aとの間に配置されている。第二案内面142bは、第一案内面142aよりも低い斜度を有している。
【0019】
第二案内面142bは省略されうる。しかしながら、第二案内面142bが設けられることにより、より多くのケーブル30を脱落させることなく固定具14に掛けることが容易になる。
【0020】
第二案内面142bの前端142cは、ハンドル13の下端13aよりも下方に配置されている。
【0021】
このような構成によれば、固定具14に掛けられたケーブル30が、ユーザによるハンドル13の把持動作を阻害する事態の発生を抑制できる。
【0022】
図5に例示されるように、クランプ141は、第一部分P1と第二部分P2を備えている。第二部分P2は、第一部分P1よりも下方かつ筐体11の後面11aの近くに位置している。第一部分P1は、ベッドサイドレール20の第一位置に当接するように構成されている。第二部分P2は、ベッドサイドレール20の第二位置に当接するように構成されている。ベッドサイドレール20は、第一部分P1とP2の間に把持される。なお、モニタ装置10の前後方向に沿うベッドサイドレール20の幅寸法に応じて、上記の条件の範囲内で第一部分P1の位置が変化しうる。
【0023】
側面視において第一部分P1と第二部分P2を結ぶ直線L1が鉛直線Vに対してなす角度θ1は、側面視において後面11aの下端に位置する第三部分P3と第一部分P1を結ぶ直線L2が鉛直線Vに対してなす角度θ2よりも小さい。
【0024】
このような構成によれば、ベッドサイドレール20に固定されたモニタ装置10が自重で前傾してしまう事態の発生を抑制できる。これにより、ディスプレイ12において可視化される生体情報の視認性が低下したり、タッチパネル機能を有するディスプレイ12の操作性が低下したりするなどの事態の発生が抑制される。
【0025】
クランプ141は、第一部分P1と第二部分P2の間において下方に開口する溝141aが形成された部分を有している。前後方向における溝141aの幅寸法d1は、同方向における第一部分P1と第二部分P2の間のd2よりも小さい。
【0026】
このような構成によれば、厚さ寸法が幅寸法d1以下であるようなサイドレールに溝141aを嵌合させることによって、第一部分P1と第二部分P2では把持が困難であるサイドレールに対してもモニタ装置10を固定できる。
【0027】
これまで説明した様々な構成は、本開示の理解を容易にするための例示にすぎない。各構成例は、本開示の趣旨の範囲内で適宜に変更や相互の組合せがなされうる。
【0028】
図6に例示されるように、固定具14は、筐体11の後面11aに対して着脱可能とされうる。この場合、ネジなどの締結部材を用いて固定具14の後面11aへの固定がなされる。
【符号の説明】
【0029】
10:モニタ装置、11:筐体、11a:後面、12:ディスプレイ、13:ハンドル、13a:ハンドルの下端、14:固定具、141:クランプ、141a:溝、142:ケーブルホルダ、142a:第一案内面、142b:第二案内面、142c:第二案内面の前端、20:ベッドサイドレール、30:ケーブル、P1:第一部分、P2:第二部分、P3:第三部分、V:鉛直線