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特開2024-115753運転支援装置、運転支援方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024115753
(43)【公開日】2024-08-27
(54)【発明の名称】運転支援装置、運転支援方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20240820BHJP
   G01C 21/36 20060101ALI20240820BHJP
【FI】
G08G1/16 F
G01C21/36
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023021581
(22)【出願日】2023-02-15
(71)【出願人】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中野 栄治
(72)【発明者】
【氏名】菅原 孝
(72)【発明者】
【氏名】高橋 潤
(72)【発明者】
【氏名】山本 新之介
(72)【発明者】
【氏名】高梨 陸
【テーマコード(参考)】
2F129
5H181
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129CC07
2F129CC15
2F129CC16
2F129CC35
2F129DD13
2F129DD14
2F129DD15
2F129DD18
2F129DD21
2F129DD27
2F129DD32
2F129DD33
2F129DD53
2F129EE78
2F129EE79
2F129EE80
2F129EE88
2F129EE89
2F129GG03
2F129GG04
2F129GG05
2F129GG06
2F129GG07
2F129GG17
2F129HH02
2F129HH20
2F129HH21
5H181AA01
5H181BB13
5H181BB20
5H181CC02
5H181CC04
5H181CC27
5H181FF10
5H181FF12
5H181FF27
5H181FF33
5H181LL01
5H181LL02
5H181LL04
5H181LL07
5H181LL08
5H181LL09
5H181LL20
(57)【要約】
【課題】運転を適切に支援する。
【解決手段】運転支援装置は、車両の運転者の動作に基づき設定された、運転者の運転技能レベルを取得する運転技能レベル取得部と、車両の出発位置及び目的位置を取得する目的位置取得部と、道路の運転のし難さ度合いを示す道路状況レベルを取得する道路状況レベル取得部と、運転技能レベル及び前記道路状況レベルに基づき、出発位置から前記目的位置までのルートを設定するルート設定部と、を含む。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の運転者の動作に基づき設定された、前記運転者の運転技能レベルを取得する運転技能レベル取得部と、
前記車両の出発位置及び目的位置を取得する目的位置取得部と、
前記出発位置から前記目的位置までの区間における、道路の運転のし難さ度合いを示す道路状況レベルを取得する道路状況レベル取得部と、
前記運転技能レベル及び前記道路状況レベルに基づき、前記出発位置から前記目的位置までのルートを設定するルート設定部と、
を含む、運転支援装置。
【請求項2】
前記車両は、自動運転モードと手動運転モードとを切り替え可能であり、
前記ルート設定部は、前記運転技能レベル及び前記道路状況レベルに基づいて、前記運転者が手動運転可能な手動運転区間と、前記運転者による手動運転を推奨しない自動運転区間とを抽出して、前記手動運転区間と前記自動運転区間との少なくとも一方を含むルートを設定する、
請求項1に記載の運転支援装置。
【請求項3】
前記ルート設定部は、自動運転する区間の長さと手動運転する区間の長さとの割合を示す自動手動割合を取得し、前記手動運転区間の長さと前記自動運転区間の長さとの割合が前記自動手動割合に一致するようなルートを設定する、
請求項2に記載の運転支援装置。
【請求項4】
前記車両は、自動運転モードと手動運転モードとを切り替え可能であり、
前記運転技能レベル取得部は、前記手動運転モードでの運転中に、前記運転者の動作に基づいて前記運転技能レベルを更新し、
更に、前記運転技能レベルが所定の閾値以下となった場合に、前記運転者に対して警告を行う警告発信部と、
前記警告を行った回数をカウントする警告カウント部と、
前記警告の回数が所定数を超えた場合に、前記手動運転モードから前記自動運転モードに切り替えて、運転認知機能が低下して自動運転になったことを伝達する操作切替部と、
を含む、
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の運転支援装置。
【請求項5】
車両の運転者の動作に基づき設定された、前記運転者の運転技能レベルを取得するステップと、
車両の出発位置及び目的位置を取得するステップと、
道路の運転のし難さ度合いを示す道路状況レベルを取得するステップと、
前記運転技能レベル及び前記道路状況レベルに基づき、前記出発位置から前記目的位置までのルートを設定するステップと、
を含む、運転支援方法。
【請求項6】
車両の運転者の動作に基づき設定された、前記運転者の運転技能レベルを取得するステップと、
車両の出発位置及び目的位置を取得するステップと、
道路の運転のし難さ度合いを示す道路状況レベルを取得するステップと、
前記運転技能レベル及び前記道路状況レベルに基づき、前記出発位置から前記目的位置までのルートを設定するステップと、
をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、運転支援装置、運転支援方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
自動運転車は、運転者が操作をすることなく移動することができる。自動運転機能を備えた自動車においても、通常の手動運転可能なハンドル、ブレーキ、アクセルなどの操作系を備えることで、通常の手動運転動作が可能である。車線逸脱や交通違反、衝突事故などを起こさないように自動運転機能がセーフティー機能として常に動いて事故を防止することが可能である。
【0003】
また、高齢者にとっては自らの意志と動作で自動車を運転することは大きな喜びであり達成感やボケ防止などの効果が見込まれる一方、認知判断・運転操作ミスによる交通事故が大きな社会問題となっており、このようなセミオートマチック車が必要とされる。
【0004】
例えば、下記の特許文献1には、自動運転モードと手動運転モードとを備え、走行困難性を検出可能なセンサ部と、運転者の操作を受ける操作部と、運転者の操作に基づいて運転者の運転技量の高低を評価する運転技量評価と、を備え、自動運転モードにおいて、運転技量が第1の技量である場合に、センサ部が第1の走行困難性を検出すれば、手動運転モードに切り替わり、自動運転モードにおいて、運転技量が第1の技量より低い第2の技量である場合に、センサ部が第1の走行困難性より低い第2の走行困難性を検出すれば、手動運転モードに切り替わる、車両が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2019-121248号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
自動運転と手動運転が可能なセミオートマチック車について、運転を適切に支援することが求められている。
【0007】
本開示は上記課題を鑑み、運転を適切に支援することができる運転支援装置、運転支援方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示に係る運転支援装置は、車両の出発位置及び目的位置を取得する位置取得部と、前記車両の運転者の動作に基づき設定された、前記運転者の運転技能レベルを取得する運転技能レベル取得部と、道路の運転のし難さ度合いを示す道路状況レベルを取得する道路状況レベル取得部と、前記運転技能レベル及び前記道路状況レベルに基づき、前記出発位置から前記目的位置までのルートを設定するルート設定部と、を含む。
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示に係る運転支援方法は、車両の出発位置及び目的位置を取得するステップと、前記車両の運転者の動作に基づき設定された、前記運転者の運転技能レベルを取得するステップと、道路の運転のし難さ度合いを示す道路状況レベルを取得するステップと、前記運転技能レベル及び前記道路状況レベルに基づき、前記出発位置から前記目的位置までのルートを設定するステップと、を含む。
【0010】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示に係るプログラムは、車両の出発位置及び目的位置を取得するステップと、前記車両の運転者の動作に基づき設定された、前記運転者の運転技能レベルを取得するステップと、道路の運転のし難さ度合いを示す道路状況レベルを取得するステップと、前記運転技能レベル及び前記道路状況レベルに基づき、前記出発位置から前記目的位置までのルートを設定するステップと、をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、運転を適切に支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本開示に係る運転支援装置の利用場面の一例を示す図である。
図2図2は、本開示に係る運転支援装置が搭載される車両の構成例を示す図である。
図3図3は、本開示に係る運転支援装置の第一実施形態の構成例を示す図である。
図4図4は、運転技能レベルの一例を示す表である。
図5図5は、設定したルートの例を示す模式図である。
図6図6は、ルートの設定の処理フローを説明するフローチャートである。
図7図7は、本開示に係る運転支援装置の第二実施形態の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0014】
(運転支援装置の概要)
まず、本開示に係る運転支援装置100の概要について、図1を用いて説明する。図1は、本開示に係る運転支援装置の利用場面の一例を示す図である。図1に示すように、本開示に係る運転支援装置100は、例えば、車両Cに搭載されて、運転者の運転を支援する情報処理装置である。図1に示すように、運転支援装置100は、各種の情報を表示する表示部180を備えて、表示部180に表示された地図上に運転経路を示すことによる経路案内や、渋滞情報などの各種の情報を運転者や同乗者に対して伝達してもよい。
【0015】
(車両の構成)
次に、本開示に係る運転支援装置100が搭載される車両Cの構成について、図2を用いて説明する。図2は、本開示に係る運転支援装置が搭載される車両の構成例を示す図である。本実施形態に係る車両Cは、自動で移動する自動運転モードと、運転者の操作により移動する手動運転モードとを切り替え可能である。図2に示すように、車両Cは、運転支援装置100と、操作系300と、を含む。なお、前述した構成以外に、車両Cは、エンジンやタイヤなどを含むが、これらは本開示に係る運転支援装置100との関係が薄いことから説明を省略する。
【0016】
運転支援装置100は、上述したように、運転者の運転を支援する情報処理装置である。運転支援装置100は、本実施形態においては車両Cに搭載されるが、それに限られず、車両Cとは異なる位置に設けられてもよい。
【0017】
操作系300は、ハンドル、アクセル、ブレーキなどの車両Cを操縦するための運転操作機器である。操作系300は、手動運転の場合は、運転者による操作に応じて、車両Cの操作系300に対応する構成に対して制御信号を与えて、対応する車両Cの構成を制御する。
【0018】
(運転支援装置の構成)
(第一実施形態)
次に、本開示に係る運転支援装置100の第一実施形態の構成について、図3を用いて説明する。図3は、本開示に係る運転支援装置の第一実施形態の構成例を示す図である。図3に示すように、本開示に係る運転支援装置100の第一実施形態は、通信部110と、記憶部120と、制御部130と、センサ部140と、操作系制御部160と、音出力部170と、表示部180を備える。
【0019】
通信部110は、運転支援装置100の内部と外部を相互に通信可能に接続し、運転支援装置100の内部と外部との間で相互に情報を送受信する。通信部110は、例えば、CAN(Controller Area Network)インターフェイスデバイス、無線LAN(Local Area Network)カード、Bluetooth(登録商標)モジュール、Wi-Fi(登録商標)モジュール、アンテナ等によって実現されてよい。
【0020】
記憶部120は、制御部130の演算内容やプログラムなどの各種の情報を記憶する記憶装置である。記憶部120は、主記憶装置と補助記憶装置とを備える。主記憶装置は、例えばRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ等のような半導体メモリ素子によって実現されてよい。また、補助記憶装置は、例えばハードディスクやSSD(Solid State Drive)、光ディスク等によって実現されてよい。記憶部120が保存する制御部130用のプログラムは、運転支援装置100が読み取り可能な記録媒体に記憶されていてもよい。
【0021】
制御部130は、運転支援装置100を司り、制御するコントローラである。制御部130は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、記憶部120に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)や、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されてもよい。
【0022】
図3に示すように、制御部130は、運転技能レベル取得部131と、目的位置取得部132と、道路状況レベル取得部133と、ルート設定部134と、操作切替部135とを含む。制御部130は、記憶部120からプログラム(ソフトウェア)を読み出して実行することで、これらの機能を実現して、これらの処理を実行する。なお、制御部130は、電子回路によって実現されてもよい。また、制御部130は、1つのCPUによってこれらの処理を実行してもよいし、複数のCPUを備えて、複数のCPUで、これらの処理を並列に実行してもよい。これらの処理内容については後述する。
【0023】
センサ部140は、後述する運転機能レベルを設定するために必要な情報を検出するセンサである。センサ部140は、運転機能レベルを設定するために必要な任意の情報を検出可能な、任意のセンサであってよい。例えば本実施形態では、センサ部140は、車外の環境を検出する車外センサと、運転者を含む車内の環境を検出する車内センサとを含む。車外センサは、本実施形態では撮像装置であり、交差点、信号機、道路標識を含む車外の様子を撮像する。車外センサは、例えばカメラ、又はステレオカメラであってよい。カメラは、光学素子と撮像素子を含む。光学素子は、例えばレンズ、ミラー、プリズム、フィルタなどの光学系を構成する素子である。撮像素子は、光学素子を通して入射した光を電気信号である画像信号に変換する素子である。なお、撮像素子は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)センサや、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサなどであってよい。
【0024】
車内センサは、本実施形態では撮像装置であり、運転者の様子を含む車内の様子を撮像する。車内センサは、視線検出装置であってもよく、視線検出装置は、ステレオカメラと、近赤外光を照射する照明装置とを備えて、ステレオカメラの撮像データから運転者の視線を検出することができる。また、車内センサは、ステレオカメラであってもよい。
【0025】
操作系制御部160は、操作系300に対して制御信号を与える。ここで、操作系300は、ハンドル、アクセル、ブレーキを含む。すなわち、操作系制御部160は、ハンドル、アクセル、ブレーキに対して制御信号を与える。操作系制御部160は、通信部110を介して、車両Cのハンドルの制御回路に接続されており、ハンドルに対して制御信号を与えることができる。また、操作系制御部160は、通信部110を介して、車両Cのハンドルの制御回路に接続されており、ハンドルに対して制御信号を与えることができる。また、操作系制御部160は、通信部110を介して、車両Cのアクセルの制御回路に接続されており、アクセルに対して制御信号を与えることができる。また、操作系制御部160は、通信部110を介して、車両Cのブレーキの制御回路に接続されており、ブレーキに対して制御信号を与えることができる。なお、操作系制御部160は、運転支援装置100と別体の装置であってよい。例えば、運転支援装置100が車両Cに搭載されていない場合には、操作系制御部160のみが車両Cに搭載された装置に組み込まれていてよい。
【0026】
音出力部170は、運転者や同乗者に対して音声などの音を出力する。音出力部170は、例えば、スピーカーであってよい。スピーカーは、電気信号をダイヤフラムにより音に変換する。すなわち、スピーカーは、電気信号により与えられる制御指令に基づいて、ダイヤフラムを所定の振幅、振動数によって振動させることにより、ダイヤフラムに接している空気を振動させて音を出力する。
【0027】
表示部180は、車両の運転者や同乗者に向けて各種の情報を表示する。表示部180は、車載インフォテインメントシステムの表示デバイスや、バックミラー型の表示デバイスであってよい。また、表示部180は、例えば液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ、マイクロLED(Light Emitting Diode)ディスプレイ等によって実現されてよい。また、表示部180が設けられる箇所は、ダッシュボード上やセンタークラスターなどに限定されることなく、前方座席の背面や、リアウィンドウに設けられてもよい。
【0028】
また、表示部180は、車両の運転者や同乗者に向けて各種の情報を表示すると同時に、タッチパネルによって操作の入力を受け付けてもよい。タッチパネルは、抵抗膜方式や、静電容量方式などの様々な方式のものを用いてよい。抵抗膜方式は、抵抗を持つ金属薄膜によって透明電極を構成し、対向する二枚の抵抗膜の内の1枚に対して電圧をかけておき、操作した位置に応じた電圧を検知することで接触位置を検出する方式である。静電容量方式は、指先と導電膜との間での静電容量の変化を捉えて接触位置を検出する方式である。
【0029】
(運転支援装置の処理)
次に、運転支援装置100の処理内容を説明する。運転支援装置100は、運転技能レベル及び道路状況レベルに基づき、出発位置Sから目的位置GまでのルートRを設定する。以下、具体的に説明する。
【0030】
(運転技能レベルの取得)
運転技能レベル取得部131は、車両Cの運転者の運転技能レベルを取得する。運転技能レベルとは、運転者の運転技能の高さ度合いを示す指標であり、手動運転時における運転者の動作に基づき設定される。本実施形態においては、運転技能レベル取得部131は、後述するルートRを設定する前の手動運転時における、運転者の動作に基づき、その運転者の運転技能レベルを設定する。手動運転時における運転者の動作としては、操作系300への操作(例えばアクセルの入力、ブレーキの入力、及びハンドルの操作の少なくとも1つ)、運転者の視線、運転者の頭の向きなどが挙げられる。運転技能レベル取得部131は、手動運転時における運転者の動作を任意の方法で取得してよい。例えば、運転技能レベル取得部131は、操作系300への操作量を検出するセンサから、操作系300への操作量の検出結果を取得してよい。また例えば、運転技能レベル取得部131は、センサ部140の車内センサにより検出された運転者の画像に基づいて、運転者の視線、及び運転者の頭の向きの少なくとも一方を取得してよい。
【0031】
運転技能レベル取得部131は、手動運転時における運転者の動作に基づいた任意の方法で、運転技能レベルを設定してよい。例えば、運転技能レベル取得部131は、理想の運転者の動作を取得して、取得した運転者の動作と、理想の運転者の動作とに基づいて、運転技能レベルを設定してよい。この場合例えば、運転技能レベル取得部131は、取得した運転者の動作と、理想の運転者の動作との乖離度合いが低い程、運転技能レベルを高く(すなわち運転者の運転技能を高く)設定してよい。理想の運転者の動作は、適宜設定されてよいが、センサ部140の車外センサにより検出された車外の状態に基づいて設定されてよい。例えば、運転技能レベル取得部131は、車外の状態と操作系300への理想の操作タイミングとの関係を学習させた学習済みモデルを用いて、当該の学習済みモデルに、検出された車外の状態を入力して、操作系300への理想の操作タイミングを取得してよい。そして、運転技能レベル取得部131は、操作系300への実際の操作タイミングと理想の操作タイミングとの乖離度合いから、運転技能レベルを設定してよい。また例えば、運転技能レベル取得部131は、車外の状態と運転者の視線移動タイミングとの関係を学習させた学習済みモデルを用いて、当該の学習済みモデルに、検出された車外の状態を入力して、理想の視線移動タイミングを取得してよい。そして、運転技能レベル取得部131は、実際の視線移動タイミングと理想の視線移動タイミングとの乖離度合いから、運転技能レベルを設定してよい。学習済みモデルに用いるモデルとしては、DNN(Deep Neural Network)などを用いてよい。
【0032】
図4は、運転技能レベルの一例を示す表である。図4に示すように、運転技能レベル取得部131は、運転技能のカテゴリ(種類)毎に、運転機能レベルを設定してよい。この場合、運転技能レベル取得部131は、運転機能レベルの設定対象となるカテゴリについての、手動運転時における運転者の動作を取得して、そのカテゴリの運転者の動作と、そのカテゴリの理想の動作とに基づいて、そのカテゴリの運転機能レベルを設定してよい。すなわち図4の例では、運転技能レベル取得部131は、手動運転時のアクセル及びブレーキの操作タイミングと理想のアクセル及びブレーキの操作タイミングとに基づき、アクセル及びブレーキについての運転技能レベルを設定し、手動運転時のハンドルの操作タイミングと理想のハンドルの操作タイミングとに基づき、ハンドルについての運転技能レベルを設定し、手動運転時の運転者の視線移動タイミングと理想の視線移動タイミングとに基づき、視線についての運転技能レベルを設定する。なお、図4の運転技能レベルは全て1となっているが、それは一例である。
【0033】
ただし、このようにカテゴリ毎に、運転機能レベルを設定することに限られない。例えば、運転技能レベル取得部131は、カテゴリ毎の運転者の動作値とカテゴリ毎の理想値とに基づき、総合的な運転技能レベルを設定してよい。
【0034】
また、運転技能レベル取得部131は、後述のルートRを設定した後の手動運転時における運転者の動作に基づき、運転技能レベルを更新してよい。ここでの運転技能レベルの更新の方法は、上述の運転技能レベルの設定方法と同様である。
【0035】
また、運転技能レベルは、必ずしも車両Cに対する手動運転時の運転者の動作に基づき、その運転者の運転技能レベルを設定する必要はない。例えば、運転手は外部に設置された運転シミュレータを操作する。運転技能レベル取得部131は、通信部110を介して、運転シミュレータからその操作結果を取得し、操作結果を手動運転時における運転者の動作として扱い、運転機能レベルを設定してもよい。
【0036】
このように設定された運転技能レベルは、例えば記憶部120に記憶されてよい。運転技能レベル取得部131は、ルートRを設定する際に、記憶部120から運転技能レベルを読み出してよい。
【0037】
(出発位置及び目的位置の取得)
目的位置取得部132は、車両Cの出発位置Sと目的位置Gとを取得する。出発位置Sとは、ルートRの開始点であり、目的位置Gとは、ルートRの終点である。目的位置取得部132は、出発位置Sと目的位置Gとを任意の方法で取得してよい。例えば、目的位置取得部132は、運転者によって表示部180(タッチパネル)に入力された位置を目的位置Gとして取得してよい。また例えば、目的位置取得部132は、車両Cの現在位置を出発位置Sとしてよいし、運転者によって表示部180(タッチパネル)に入力された位置を出発位置Sとして取得してよい。
【0038】
(道路状況レベルの取得)
道路状況レベル取得部133は、道路状況レベルを取得する。道路状況レベルとは、道路の運転のし難さ度合いを示す指標である。道路状況レベルは、車両Cが走行可能な道路の区間毎に設定される。本実施形態では、道路状況レベル取得部133は、地図情報と、その地図情報における道路の区間毎に設定された道路状況レベルとを取得する。地図情報は、緑地や河川、道路の位置、道路の曲率半径、道路の車線数、道路の道幅、鉄道、都道府県等の区画の情報などが含まれ、緯度、及び経度に基づいて、所定のメッシュ状に区切られた情報であってよい。地図情報は、緯度、及び経度に基づいて、所定のメッシュ状に区切られていることから、緯度と、経度と、メッシュの寸法を指定することにより、所定の位置の地図情報を読み出すことができる。
【0039】
本実施形態では、道路状況レベルは、予め設定されており、例えば記憶部120に記憶されてよい。道路状況レベル取得部133は、ルートRを設定する際に、記憶部120から道路状況レベルを読み出してよい。道路状況は、任意に設定されてよく、道路環境の情報に基づき設定されたよい。例えば、交通量が多いことが想定される道路については、アクセル、ブレーキの多用が想定されるため、そのような区間においては、道路状況レベルを高い値に設定する。また、人通りが多い交通量が多いことが想定される区間においては、道路状況レベルを高い値に設定する。また、一車線、道路幅が短くコーナが多い区間においても、道路状況レベルを高い値に設定する。なお、道路状況レベルは、運転技能カテゴリ―ごとに設定してもよい、具体的には、ブレーキが多用される区間においては、アクセル、ブレーキに対する道路状況レベルについて高い値を設定する。また、人通りが多い交通量が多いことが想定される区間においては、例えば、視線に対する道路状況レベルとアクセル、ブレーキに対する道路状況レベルについて高い値を設定する。また、一車線、道路幅が短くコーナが多い区間においては、ハンドルに対する道路状況レベルについて高い値を設定する。
【0040】
また例えば、道路状況レベル取得部133は、ルートRを設定する際に、道路状況レベルを設定してよい。この場合、道路状況レベル取得部133は、道路の混雑度合いを取得して、道路の形状などに基づき予め設定された道路状況レベルと、道路の混雑度合いとに基づき、道路状況レベルを設定してよい。この場合例えば、道路状況レベル取得部133は、予め設定された道路状況レベルが高いほど、また道路の混雑度合いが大きい程、道路状況レベルを高く(より運転し難い区間として)設定してよい。
【0041】
(ルートの設定)
図5は、設定したルートの例を示す模式図である。ルート設定部134は、運転技能レベル取得部131が取得した運転技能レベルと、道路状況レベル取得部133が取得した道路状況レベルとに基づいて、出発位置Sから目的位置GまでのルートRを設定する。以下、ルートRの設定について具体的に説明する。
【0042】
ルート設定部134は、運転技能レベル及び道路状況レベルに基づいて、手動運転区間と、自動運転区間とを抽出する。手動運転区間とは、運転者による手動運転が可能であると判断される区間であり、言い換えれば、運転者の運転技能が、その区間の運転し難さ度合いを上回っている区間である。自動運転区間とは、手動運転が推奨されずに自動運転が推奨される区間であり、言い換えれば、その区間の運転し難さ度合いが、運転者の運転技能を上回っている区間である。
【0043】
ルート設定部134は、出発位置Sから目的位置Gまでの各区間を、手動運転区間と自動運転区間とのいずれかに区分する。ルート設定部134は、区分対象となる区間についての道路状況レベルと、運転者の運転技能レベルとに基づいて、その区間を、手動運転区間と自動運転区間とのいずれかに設定する。ルート設定部134は、運転技能レベルに示される運転者の運転技能が、道路状況レベルに示される運転し難さ度合いを上回る場合(その区間を手動運転可能と判断する場合)、その区間を手動運転区間に設定する。例えば、ルート設定部134は、運転技能レベルが道路状況レベル以上の値である場合には、その区間を手動運転区間に設定する。一方、ルート設定部134は、道路状況レベルに示される運転し難さ度合いが、運転技能レベルに示される運転者の運転技能を上回る場合(その区間を手動運転不可能と判断する場合)、その区間を自動運転区間に設定する。例えば、ルート設定部134は、運転技能レベルが道路状況レベル未満の値である場合には、その区間を自動運転区間に設定する。なお、道路状況レベルを運転技能カテゴリ―ごとに設定した場合には、ルート設定部134は、区分対象となる区間についての運転技能カテゴリ―ごとの道路状況レベルと、運転技能カテゴリ―ごとの運転者の運転技能レベルとをそれぞれ比較して、その区間を、手動運転区間と自動運転区間とのいずれかに設定する。具体的には、ルート設定部134は、運転技能カテゴリ―全ての運転技能レベルが運転技能カテゴリ―全ての道路状況レベル以上の値である場合には、その区間を手動運転区間に設定する。一方、ルート設定部134は、各運転技能カテゴリ―の運転技能レベルのうち、一つでも運転技能カテゴリ―の道路状況レベル未満の値である場合には、その区間を自動運転区間に設定する。
【0044】
ルート設定部134は、手動運転区間と自動運転区間との少なくとも一方を含み、かつ、出発位置Sから目的位置Gまで到達するルートを、ルートRとして設定する。ルート設定部134は、手動運転区間と自動運転区間との少なくとも一方を含み、かつ、出発位置Sから目的位置Gまで到達するが、少なくとも一部の区間が重ならない複数のルートRを設定することが好ましい。本実施形態では、ルート設定部134は、ルートRとして、出発位置Sから目的位置Gまでの全区間において手動運転区間を通る第1ルートR1を設定することが好ましい。すなわち、第1ルートR1は、自動運転区間を含まず手動運転区間のみを含むルートRである。図5では、手動運転区間である区間R1A、R1Bを含む第1ルートR1の例が示されている。また、ルート設定部134は、ルートRとして、手動運転区間と自動運転区間との両方を含む第2ルートR2も設定してよい。図5では、自動運転区間である区間R2Aと、手動運転区間である区間R2Bと、自動運転区間である区間R2Cと、手動運転区間である区間R2Dとを含む第2ルートR2の例が示されている。なお、図5の例では2つのルートRが示されているが、ルートRの数や、ルートRに含まれる手動運転区間及び自動運転区間の数は任意であってよい。また、ルート設定部134は、自動運転区間のみを含み、出発位置Sから目的位置Gまで到達する第3ルート(図示せず)も設定してよい。
【0045】
ルート設定部134は、設定したルートRの情報を出力する。例えば、ルート設定部134は、設定したルートRを、表示部180に表示させる。運転者は、表示部180に表示されたルートRを確認して、そのルートRを選択する旨の情報を表示部180に入力する。例えば複数のルートRが設定されている場合には、ルート設定部134は、それら複数のルートRを表示部180に表示させ、運転者は、それら複数のルートRのうちから、実際に用いるルートRを選択する。ルート設定部134は、運転者によって選択されたルートRを、実際に用いるルートRとして設定する。
【0046】
(車両の移動)
車両Cは、設定されたルートRに従って移動する。より詳しくは、操作切替部135は、車両CがルートRのうちの手動運転区間を移動している際には、車両Cを手動運転モードに設定する。手動運転モードにおいては、運転者が操作系300を操作し、運転者による操作系300の操作により、車両Cが移動する。一方、操作切替部135は、車両CがルートRのうちの自動運転区間を移動している際には、車両Cを自動運転モードに設定する。自動運転モードにおいては、操作切替部135は、ルートR、車両Cの位置、車外の状態などに基づき、ルートRに従って移動するような操作系300の操作量(制御入力)を設定して、操作系制御部160により、その操作量に応じた制御信号を、操作系300に出力して、車両Cを自動で移動させる。
【0047】
ただし、手動運転区間においても、自動運転モードを適用してもよい。この場合例えば、操作切替部135は、運転者から、自動運転モードに切り替える旨の入力を取得した場合に、手動運転区間においても自動運転モードに設定してよい。また、自動運転区間においても、手動運転モードを適用してもよい。この場合例えば、操作切替部135は、運転者から、手動運転モードに切り替える旨の入力を取得した場合に、自動運転区間においても手動運転モードに設定してよい。ただし、自動運転区間において手動モードに切り替える場合には、自動運転モードにすることを推奨する旨の警告を、表示部180や音出力部170に出力させることが好ましい。
【0048】
(処理フロー)
以上説明したルートRの設定の処理フローを説明する。図6は、ルートの設定の処理フローを説明するフローチャートである。図6に示すように、運転支援装置100は、運転技能レベル取得部131により、運転者の運転技能レベルを取得し(ステップS10)、目的位置取得部132により、出発位置S及び目的位置Gを取得し(ステップS12)、道路状況レベル取得部133により、道路状況レベルを取得する(ステップS14)。なお、ステップS10、S12、S14の実行順は任意であってよい。その後、運転支援装置100は、ルート設定部134により、手動運転区間と自動運転区間とを抽出して(ステップS16)、手動運転区間と自動運転区間との少なくとも一方を含み、かつ、出発位置Sから目的位置Gまで到達するルートRを設定する(ステップS18)。
【0049】
以上説明したように、本実施形態においては、運転技能レベル及び道路状況レベルに基づいて、実際に用いる候補となるルートRを設定する。このようにルートRを設定することで、運転者の技能や道路の状況を加味して、運転者にとって適切なルートRを提案することが可能となり、運転を適切に支援することが可能となる。また、本実施形態においては、各区間を、手動運転区間と自動運転区間との少なくとも一方を含むように、ルートRを設定する。このようにルートRを設定することで、運転者が手動運転できる区間と手動運転を推奨しない区間とを運転者に認識させることが可能となり、運転をより適切に支援することが可能となる。
【0050】
(ルートの設定の他の例)
以下で、ルートRの設定の他の例について説明する。ルート設定部134は、自動運転する区間の長さと手動運転する区間の長さとの割合を示す自動手動割合を取得してもよいルート設定部134は、運転者から自動手動割合を受け付けてよい。例えば、ルート設定部134は、表示部180のタッチパネルに自動手動割合の入力ボックス、及び数字キーを表示させて、運転者や同乗者などを含む利用者から自動手動割合を示す数字キーのタッチ操作を受け付けることによって、自動手動割合を受け付けてよい。この場合、ルート設定部134は、手動運転区間の長さと自動運転区間の長さとの割合が、自動手動割合に一致するようなルートを、ルートRとして設定する。例えば、自動手動割合が、手動運転の区間と自動運転の区間とが1:1を示している場合であって、候補ルートの走行距離が100kmだった場合、手動運転区間が50km、自動運転区間50kmとなるように設定したルートRを提案する。なお、ルート設定部134は、複数のルートが手動運転1:自動運転1の割合で選出された場合には、距離や、料金などで優先順位を設定したうえで、ルート提案を行ってもよい。これにより、運転者は、可能な限りドライビングを楽しむルートを選択できる。
【0051】
また、ルート設定部134は、手動運転区間が連続的に含まれるようにルートRを設定してもよい。図5に示した第2ルートR2では、手動運転区間と自動運転区間が交互に繰り返し、手動運転モードと自動運転モードとが頻繁に切り替わるため、必要以上に運転者の疲労を増加させる恐れがある。それに対して、本例では、ルート設定部134は、手動運転を連続的に実施したい区間に関する情報を受け付けてよい。この場合、ルート提案1382は、所定の距離分、連続的に手動運転区間が含まれるようにルートRを設定する。所定の距離分は、運転者から受け付けた任意の距離であってよい。
【0052】
(第二実施形態)
第二実施形態においては、運転技能レベルに基づいて、運転者の認知行動が適切かを判断し、不適切である場合に警告を通知する点で、第1実施形態とは異なる。第2実施形態において、第1実施形態と構成が共通する箇所は、説明を省略する。なお、第2実施形態においては、第1実施形態で説明した処理も実行してよい。
【0053】
図7は、本開示に係る運転支援装置の第二実施形態の構成例を示す図である。図7にし示すように、第二実施形態の運転支援装置100の制御部130は、警告発信部136と警告カウント部137とを更に含む。
【0054】
第二実施形態においては、運転技能レベル取得部131は、手動運転モードでの運転中に、運転者の動作に基づいて運転技能レベルを更新する。運転技能レベル取得部131は、手動運転モードでの運転中に、運転技能レベルが所定の閾値以下であるかを判断する。ここでの閾値は適宜設定されてよい。
【0055】
警告発信部136は、運転技能レベルが所定の閾値以下と判断された場合に、運転者に対して警告を行う。例えば、警告発信部136は、表示部180に「車外状態に対して適切な認知行動ではありません。車外状態を正確に把握して、運転して下さい。」というメッセージを表示させたうえで、音出力部170に表示部180に表示させたメッセージと同じ音声メッセージを出力させてよい。
【0056】
また、警告発信部136は、記憶部120に記憶された過去の運転技能レベルと、今回の運転で更新した現在の運転技能レベルとを比較して、現在の運転技能レベルが低下した場合に警告を行ってよい。例えば、警告発信部136は、運転技能レベルが更新されるたびに、過去の運転技能レベルと比較して、現在の運転技能レベルが低いか否かを判定する。そして、警告発信部136は、現在の運転技能レベルが、過去の運転技能レベルよりも低い場合、運転者に対して警告を行う。例えば、警告発信部136は、表示部180に「認知行動の評価値が低下しています。車外状態を正確に把握して、運転して下さい。」というメッセージを表示させたうえで、音出力部170に表示部180に表示させたメッセージと同じ音声メッセージを出力させてよい。
【0057】
警告カウント部137は、警告発信部136が警告を行った回数をカウントする。例えば、警告カウント部1381は、警告発信部136が運転者に対して警告を行うたびに、記憶部120に警告を行った回数を記憶していき、それまでに記憶部120に記憶されていた警告回数に1を加えて記憶してよい。
【0058】
操作切替部135は、警告カウント部137による警告の回数が指定の数を超えた場合に、手動運転モードから自動運転モードに切り替えると共に、操作系300を手動運転により操作できないようにして、運転認知機能が低下して自動運転モードになったことを伝達する。ここで、指定の数は、任意に設定してよく、例えば、3回と設定してよい。操作切替部135は、加えて、表示部180に対して「認知行動が適切ではありません。自動運転に切り替わりました。」というメッセージを表示させたうえで、音出力部170に表示部180に表示させたメッセージと同じ音声メッセージを出力させてよい。
【0059】
第二実施形態によると、運転技能レベルから運転者の認知行動の適切さを評価して、運転技能レベルが閾値以下の場合に、運転者に警告して、警告の回数が所定回数を超えた場合に、操作系300を自動運転に切替えると共に、運転認知機能が低下して自動運転になったことを伝達することができる。そのため、運転者の状態や要望に基づいて的確に運転を支援することができる。
【0060】
(構成と効果)
本開示に係る運転支援装置100は、車両Cの運転者の動作に基づき設定された、運転者の運転技能レベルを取得する運転技能レベル取得部131と、車両の出発位置S及び目的位置Gを取得する目的位置取得部132と、道路の運転のし難さ度合いを示す道路状況レベルを取得する道路状況レベル取得部133と、運転技能レベル及び道路状況レベルに基づき、出発位置Sから目的位置GまでのルートRを設定するルート設定部134とを含む。本開示によると、運転者の技能や道路の状況を加味して、運転者にとって適切なルートRを提案することが可能となり、運転を適切に支援することが可能となる。
【0061】
車両Cは、自動運転モードと手動運転モードとを切り替え可能であり、ルート設定部134は、運転技能レベル及び道路状況レベルに基づいて、運転者が手動運転可能な手動運転区間と、運転者による手動運転を推奨しない自動運転区間とを抽出して、手動運転区間と自動運転区間との少なくとも一方を含むルートRを設定することが好ましい。このようにルートRを設定することで、運転者が手動運転できる区間と手動運転を推奨しない区間とを運転者に認識させることが可能となり、運転をより適切に支援することが可能となる。
【0062】
ルート設定部134は、出発位置Sから目的位置Gまでの全区間が手動運転区間を通る第1ルートR1を設定することが好ましい。第1ルートR1を設定することで、運転者が全区間で手動運転できる適切なルートを提案することが可能となり、運転をより適切に支援することが可能となる。
【0063】
ルート設定部134は、手動運転区間及び自動運転区間を通る第2ルートR2を設定することが好ましい。このように手動運転区間及び自動運転区間を含むルートを設定することで、運転をより適切に支援することが可能となる。
【0064】
ルート設定部134は、自動運転する区間の長さと手動運転する区間の長さとの割合を示す自動手動割合を取得し、手動運転区間の長さと自動運転区間の長さとの割合が自動手動割合に一致するようなルートを設定することが好ましい。このようにルートを設定することで、運転をより適切に支援することが可能となる。
【0065】
運転技能レベル取得部131は、手動運転モードでの運転中に、運転者の動作に基づいて運転技能レベルを更新し、更に、運転技能レベルが所定の閾値以下となった場合に運転者に対して警告を行う警告発信部136と、警告を行った回数をカウントする警告カウント部137と、警告の回数が所定数を超えた場合に、手動運転モードから自動運転モードに切り替えて、運転認知機能が低下して自動運転になったことを伝達する操作切替部135と、を含むことが好ましい。このように警告を行うことで、運転をより適切に支援することが可能となる。
【0066】
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態の内容により実施形態が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【符号の説明】
【0067】
100 運転支援装置
131 運転技能レベル取得部
132 目的位置取得部
133 道路状況レベル取得部
134 ルート設定部
135 操作切替部
136 警告発信部
137 警告カウント部
170 音出力部
180 表示部
300 操作系
C 車両
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7