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特開2024-11577入退場管理システム、入退場管理方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024011577
(43)【公開日】2024-01-25
(54)【発明の名称】入退場管理システム、入退場管理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G07C 9/23 20200101AFI20240118BHJP
   G07C 9/27 20200101ALI20240118BHJP
【FI】
G07C9/23
G07C9/27
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022113676
(22)【出願日】2022-07-15
(71)【出願人】
【識別番号】523286071
【氏名又は名称】株式会社NTTデータ
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西澤 伸也
(72)【発明者】
【氏名】津曲 香星
(72)【発明者】
【氏名】高向 佑佳
【テーマコード(参考)】
3E138
【Fターム(参考)】
3E138AA01
3E138CA02
3E138FA03
3E138GA02
3E138JA01
3E138JB14
3E138JB18
3E138JC01
3E138JD04
3E138JD07
(57)【要約】
【課題】個人番号カードを用いて利用者の施設への入退場を管理することが可能な入退場管理システム、入退場管理方法、及びプログラムを提供する。
【解決手段】個人番号カードで入退場管理される施設の利用者の個人番号カードに記録された署名用電子証明書の第1の識別情報を取得する第1の取得部と、個人番号カードに記録された利用者証明用電子証明書の第2の識別情報を取得する第2の取得部と、第1の識別情報と第2の識別情報とを対応付け記憶する電子証明書情報記憶部と、第1の識別情報に基づき署名用電子証明書の有効性を照会する第1の有効性照会部と、第2の識別情報に基づき利用者証明用電子証明書の有効性を照会する第2の有効性照会部とを備え、第1の有効性照会部は、初回入場時、取得される第1の識別情報に基づき有効性を照会し、2回目以降入場時、初回入場時に取得された第1の識別情報に基づき有効性を照会する入退場管理システム。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
個人番号カードを用いた入退場管理が行われる施設の利用者が有する前記個人番号カードに記録されている署名用電子証明書を識別する第1の識別情報を取得する第1の取得部と、
前記個人番号カードに記録されている利用者証明用電子証明書を識別する第2の識別情報を取得する第2の取得部と、
前記第1の識別情報と前記第2の識別情報とを対応付けて記憶する電子証明書情報記憶部と、
前記第1の識別情報に基づき、前記署名用電子証明書の有効性を照会する第1の有効性照会部と、
前記第2の識別情報に基づき、前記利用者証明用電子証明書の有効性を照会する第2の有効性照会部と、
を備え、
前記第1の有効性照会部は、
前記利用者の前記施設への入場が初回である場合、前記第1の取得部によって前記署名用電子証明書から取得される前記第1の識別情報に基づき、前記署名用電子証明書の有効性を照会し、
前記利用者の前記施設への入場が2回目以降である場合、初回入場時に前記電子証明書情報記憶部に記憶される前記第1の識別情報に基づき、前記署名用電子証明書の有効性を照会する、
入退場管理システム。
【請求項2】
前記利用者の前記施設への入場が初回である場合、
前記第1の取得部は、前記署名用電子証明書から前記第1の識別情報を取得し、
前記第1の有効性照会部は、前記第1の取得部によって取得された前記第1の識別情報に基づき、前記署名用電子証明書の有効性を照会するとともに、前記有効性の照会先から前記第1の識別情報に対応付けられている前記第2の識別情報を取得し、
前記電子証明書情報記憶部は、前記第1の取得部によって取得された前記第1の識別情報と前記第1の有効性照会部によって取得された前記第2の識別情報とを対応付けて記憶し、
前記第2の取得部は、前記利用者証明用電子証明書から前記第2の識別情報を取得し、
前記第2の有効性照会部は、前記第2の取得部によって取得された前記第2の識別情報に基づき、前記利用者証明用電子証明書の有効性を照会する、
請求項1に記載の入退場管理システム。
【請求項3】
前記利用者の前記施設への入場が2回目以降である場合、
前記第2の取得部は、前記利用者証明用電子証明書から前記第2の識別情報を取得し、
前記第1の取得部は、前記第2の取得部によって取得された前記第2の識別情報に対応付けられている前記第1の識別情報を前記電子証明書情報記憶部から取得し、
前記第1の有効性照会部は、前記第1の取得部によって取得された前記第1の識別情報に基づき、前記署名用電子証明書の有効性を照会し、
前記第2の有効性照会部は、前記第2の取得部によって取得された前記第2の識別情報に基づき、前記利用者証明用電子証明書の有効性を照会する、
請求項1又は請求項2に記載の入退場管理システム。
【請求項4】
前記利用者の前記署名用電子証明書の送信実績を示す実績情報と、前記実績情報を識別する第3の識別情報とを対応付けて記憶する実績情報記憶部と、
前記第3の識別情報に基づき、前記実績情報を照会する実績情報照会部と、
をさらに備える、請求項1に記載の入退場管理システム。
【請求項5】
前記利用者の前記施設への入場が初回である場合、
前記第1の有効性照会部は、前記電子証明書情報記憶部に記憶される前記第1の識別情報ごとに前記第3の識別情報を付与し、
前記電子証明書情報記憶部は、前記第1の識別情報に対して、前記第1の有効性照会部によって付与された第3の識別情報をさらに対応付けて記憶し、
前記実績情報記憶部は、前記第1の有効性照会部によって付与された前記第3の識別情報を前記実績情報に対応付けて記憶する、
請求項4に記載の入退場管理システム。
【請求項6】
前記利用者の前記施設への入場が2回目以降である場合、
前記実績情報照会部は、前記第1の有効性照会部によって有効性が照会された署名用電子証明書の前記第1の識別情報に対応付けられている前記第3の識別情報に基づき、前記実績情報記憶部に記憶されている前記実績情報を照会する、
請求項4又は請求項5に記載の入退場管理システム。
【請求項7】
第1の取得部が、個人番号カードを用いた入退場管理が行われる施設の利用者が有する前記個人番号カードに記録されている署名用電子証明書を識別する第1の識別情報を取得する第1の取得過程と、
第2の取得部が、前記個人番号カードに記録されている利用者証明用電子証明書を識別する第2の識別情報を取得する第2の取得過程と、
電子証明書情報記憶部が、前記第1の識別情報と前記第2の識別情報とを対応付けて記憶する識別情報記憶過程と、
第1の有効性照会部が、前記第1の識別情報に基づき、前記署名用電子証明書の有効性を照会する第1の有効性照会過程と、
第2の有効性照会部が、前記第2の識別情報に基づき、前記利用者証明用電子証明書の有効性を照会する第2の有効性照会過程と、
を含み、
前記第1の有効性照会過程では、前記第1の有効性照会部が、
前記利用者の前記施設への入場が初回である場合、前記第1の取得部によって前記署名用電子証明書から取得される前記第1の識別情報に基づき、前記署名用電子証明書の有効性を照会し、
前記利用者の前記施設への入場が2回目以降である場合、初回入場時に前記電子証明書情報記憶部に記憶される前記第1の識別情報に基づき、前記署名用電子証明書の有効性を照会する、
入退場管理方法。
【請求項8】
コンピュータを、
個人番号カードを用いた入退場管理が行われる施設の利用者が有する前記個人番号カードに記録されている署名用電子証明書を識別する第1の識別情報を取得する第1の取得手段と、
前記個人番号カードに記録されている利用者証明用電子証明書を識別する第2の識別情報を取得する第2の取得手段と、
前記第1の識別情報と前記第2の識別情報とを対応付けて記憶する識別情報記憶手段と、
前記第1の識別情報に基づき、前記署名用電子証明書の有効性を照会する第1の有効性照会手段と、
前記第2の識別情報に基づき、前記利用者証明用電子証明書の有効性を照会する第2の有効性照会手段と、
として機能させ、
前記第1の有効性照会手段は、
前記利用者の前記施設への入場が初回である場合、前記第1の取得手段によって前記署名用電子証明書から取得される前記第1の識別情報に基づき、前記署名用電子証明書の有効性を照会し、
前記利用者の前記施設への入場が2回目以降である場合、初回入場時に前記識別情報記憶手段に記憶される前記第1の識別情報に基づき、前記署名用電子証明書の有効性を照会する、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入退場管理システム、入退場管理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、施設利用者の入退場を厳格に管理することで、施設入場の適格性を有する者のみ入場させる仕組みが求められてきている。一例として、日本でのカジノ開業の実現に向けた取り組みが進められている中で、世界最高水準のカジノ規制を実現するために、国によって法や施行規則が定められている。これら法や施行規則では、カジノ施設への入退場をより厳格に管理することが求められており、そのための技術が各種提案されている。
【0003】
例えば、下記特許文献1には、カジノ施設の利用者の情報が書き込まれたIC(Integrated Circuit)カードを用いて、入場時に利用者の利用実績(例えば累積利用額)を照会して入場可否を判定することで、利用者の入場を管理する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-184866号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術では、個人を厳格に特定することが出来る個人番号カードを活用した運用には即していなかった。
【0006】
上述の課題を鑑み、本発明の目的は、個人番号カードを用いて利用者の施設への入退場を管理することが可能な入退場管理システム、入退場管理方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の課題を解決するために、本発明の一態様に係る入退場管理システムは、個人番号カードを用いた入退場管理が行われる施設の利用者が有する前記個人番号カードに記録されている署名用電子証明書を識別する第1の識別情報を取得する第1の取得部と、前記個人番号カードに記録されている利用者証明用電子証明書を識別する第2の識別情報を取得する第2の取得部と、前記第1の識別情報と前記第2の識別情報とを対応付けて記憶する電子証明書情報記憶部と、前記第1の識別情報に基づき、前記署名用電子証明書の有効性を照会する第1の有効性照会部と、前記第2の識別情報に基づき、前記利用者証明用電子証明書の有効性を照会する第2の有効性照会部と、を備え、前記第1の有効性照会部は、前記利用者の前記施設への入場が初回である場合、前記第1の取得部によって前記署名用電子証明書から取得される前記第1の識別情報に基づき、前記署名用電子証明書の有効性を照会し、前記利用者の前記施設への入場が2回目以降である場合、初回入場時に前記電子証明書情報記憶部に記憶される前記第1の識別情報に基づき、前記署名用電子証明書の有効性を照会する。
【0008】
本発明の一態様に係る入退場管理方法は、第1の取得部が、個人番号カードを用いた入退場管理が行われる施設の利用者が有する前記個人番号カードに記録されている署名用電子証明書を識別する第1の識別情報を取得する第1の取得過程と、第2の取得部が、前記個人番号カードに記録されている利用者証明用電子証明書を識別する第2の識別情報を取得する第2の取得過程と、電子証明書情報記憶部が、前記第1の識別情報と前記第2の識別情報とを対応付けて記憶する識別情報記憶過程と、第1の有効性照会部が、前記第1の識別情報に基づき、前記署名用電子証明書の有効性を照会する第1の有効性照会過程と、第2の有効性照会部が、前記第2の識別情報に基づき、前記利用者証明用電子証明書の有効性を照会する第2の有効性照会過程と、を含み、前記第1の有効性照会過程では、前記第1の有効性照会部が、前記利用者の前記施設への入場が初回である場合、前記第1の取得部によって前記署名用電子証明書から取得される前記第1の識別情報に基づき、前記署名用電子証明書の有効性を照会し、前記利用者の前記施設への入場が2回目以降である場合、初回入場時に前記電子証明書情報記憶部に記憶される前記第1の識別情報に基づき、前記署名用電子証明書の有効性を照会する。
【0009】
本発明の一態様に係るプログラムは、コンピュータを、個人番号カードを用いた入退場管理が行われる施設の利用者が有する前記個人番号カードに記録されている署名用電子証明書を識別する第1の識別情報を取得する第1の取得手段と、前記個人番号カードに記録されている利用者証明用電子証明書を識別する第2の識別情報を取得する第2の取得手段と、前記第1の識別情報と前記第2の識別情報とを対応付けて記憶する識別情報記憶手段と、前記第1の識別情報に基づき、前記署名用電子証明書の有効性を照会する第1の有効性照会手段と、前記第2の識別情報に基づき、前記利用者証明用電子証明書の有効性を照会する第2の有効性照会手段と、として機能させ、前記第1の有効性照会手段は、前記利用者の前記施設への入場が初回である場合、前記第1の取得手段によって前記署名用電子証明書から取得される前記第1の識別情報に基づき、前記署名用電子証明書の有効性を照会し、前記利用者の前記施設への入場が2回目以降である場合、初回入場時に前記識別情報記憶手段に記憶される前記第1の識別情報に基づき、前記署名用電子証明書の有効性を照会する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、個人番号カードを用いて利用者の施設への入退場を管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1の実施形態に係る入退場管理システムの概略構成の一例を示すブロック図である。
図2】第1の実施形態に係る入退場管理サーバの機能構成の一例を示すブロック図である。
図3】第1の実施形態に係る入退場共同プラットフォームシステムの機能構成の一例を示すブロック図である。
図4】第1の実施形態に係る有効性照会実施システムの機能構成の一例を示すブロック図である。
図5】第1の実施形態に係るカジノ管理委員会システムの機能構成の一例を示すブロック図である。
図6】第1の実施形態に係る初回入場時における会員情報登録と署名用電子証明書の有効性確認に関する処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図7】第1の実施形態に係る初回入場時における利用者証明用電子証明書の有効性確認に関する処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図8】第1の実施形態に係る2回目以降入場時における署名用電子証明書の有効性確認に関する処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図9】第1の実施形態に係る2回目以降入場時における利用者証明用電子証明書の有効性確認に関する処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図10】第2の実施形態に係る入退場管理システムの概略構成の一例を示すブロック図である。
図11】第2の実施形態に係る入退場管理サーバの機能構成の一例を示すブロック図である。
図12】第2の実施形態に係る入退場共同プラットフォームシステムの機能構成の一例を示すブロック図である。
図13】第2の実施形態に係る有効性照会実施システムの機能構成の一例を示すブロック図である。
図14】第2の実施形態に係る初回入場時における署名用電子証明書の有効性確認に関する処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図15】第2の実施形態に係る初回入場時における利用者証明用電子証明書の有効性確認に関する処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図16】第2の実施形態に係る2回目以降入場時における署名用電子証明書の有効性確認に関する処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳しく説明する。
【0013】
<<1.第1の実施形態>>
図1から図9を参照して、第1の実施形態について説明する。
【0014】
<1-1.入退場管理システムの概略構成>
まず、図1を参照して、第1の実施形態に係る入退場管理システムの概略構成について説明する。図1は、第1の実施形態に係る入退場管理システムの概略構成の一例を示すブロック図である。
図1に示す入退場管理システム1は、個人番号カード(以下、「マイナンバーカード」とも称される)を用いた入退場管理が行われる施設における利用者の入退場を管理するためのシステムである。マイナンバーカードを用いた入退場管理が行われる施設は、例えば、図1に示すカジノ施設2である。カジノ施設2は、カジノ事業者(IR(Integrated Resort)事業者)によって運営される。図1に示すように複数のカジノ施設2-1~2-n(n:は自然数)が存在する場合、それぞれ異なるカジノ事業者によって運営されてもよいし、1つのカジノ事業者が複数のカジノ施設を運営してもよい。
図1に示すように、入退場管理システム1は、登録端末10と、入退場ゲート装置20と、入退場管理サーバ30と、入退場共同プラットフォームシステム40と、有効性照会実施システム50と、J-LISシステム60と、カジノ管理委員会システム70とを備える。J-LISは、地方公共団体情報システム機構(Japan Agency for Local Authority Information Systems)である。
【0015】
(1)登録端末10
登録端末10は、利用者が会員情報を登録するために操作する端末である。登録端末10は、例えば、PC(Personal Computer)、タブレット端末などによって実現される。
登録端末10は、図1に示す登録端末10-1~10―nのように、カジノ施設2-1~2-nごとに設けられている。また、図1に示すように、登録端末10は、入退場管理サーバ30と通信可能に接続されている。これにより、登録端末10は、利用者によって入力された会員情報を入退場管理サーバ30へ送信する。
【0016】
(2)入退場ゲート装置20
入退場ゲート装置20は、カジノ施設2の出入口付近に設けられ、利用者が入場時又は退場時に通過する装置である。入退場ゲート装置20は、図1に示す入退場ゲート装置20-1~20―nのように、カジノ施設2-1~2-nごとに設けられている。また、図1に示すように、入退場ゲート装置20は、入退場管理サーバ30と通信可能に接続されている。これにより、入退場ゲート装置20は、各種情報を入退場管理サーバ30へ送信する。また、図1の入退場ゲート装置20-1に示すように、入退場ゲート装置20は、読取装置21と、入力装置22とを備える。
読取装置21は、利用者のマイナンバーカードを読み取るための装置(読取部)である。読取装置21は、利用者が入場時に提示するマイナンバーカードから、利用者の入場を許可するために必要な情報を読み取る。例えば、読取装置21は、マイナンバーカードに記録されている署名用電子証明書又は利用者証明用電子証明書を読み取る。
入力装置22は、利用者がマイナンバーカードのPIN(Personal Identification Number:暗証番号)を入力するための装置(入力部)である。利用者は、各電子証明書の読取又は送信を許可するために、入力装置22へPINを入力する。署名用電子証明書及び利用者証明用電子証明書には、それぞれ異なるPINが設定される。このため、利用者は、PINの入力を要求された電子証明書の種類に応じたPINを入力する。
入力されたPINが正しい場合、読取装置21は、入力されたPINに対応する電子証明書をマイナンバーカードから読み取り、入退場管理サーバ30へ送信する。
【0017】
(3)入退場管理サーバ30
入退場管理サーバ30は、カジノ施設2における利用者の入退場を管理するための装置(入退場管理装置)である。
入退場管理サーバ30は、図1に示す入退場管理サーバ30-1~30―nのように、カジノ施設2-1~2-nごとに設けられている。また、図1に示すように、入退場管理サーバ30は、登録端末10と入退場ゲート装置20と通信可能に接続されている。これにより、入退場管理サーバ30は、登録端末10と入退場ゲート装置20から送信される各種情報を受信する。
【0018】
(4)入退場共同プラットフォームシステム40
入退場共同プラットフォームシステム40は、カジノ施設2の入退場管理サーバ30と外部のシステムと連携させるためのシステムである。入退場共同プラットフォームシステム40は、例えば、サーバ(又はサーバ群)によって実現される。
図1に示すように、入退場共同プラットフォームシステム40は、ネットワークNW1を介して、入退場管理サーバ30と通信可能に接続されている。また、入退場共同プラットフォームシステム40は、ネットワークNW2を介して、有効性照会実施システム50と、J-LISシステム60と、カジノ管理委員会システム70と通信可能に接続されている。これにより、入退場共同プラットフォームシステム40は、入退場管理サーバ30を、有効性照会実施システム50と、J-LISシステム60と、カジノ管理委員会システム70と連携させることができる。
【0019】
(5)有効性照会実施システム50
有効性照会実施システム50は、電子証明書の有効性の照会を実施するためのシステムである。有効性照会実施システム50は、例えば、サーバ(又はサーバ群)によって実現される。
図1に示すように、有効性照会実施システム50は、ネットワークNW2を介して、入退場共同プラットフォームシステム40と、J-LISシステム60と、カジノ管理委員会システム70と通信可能に接続されている。
有効性照会実施システム50は、入退場共同プラットフォームシステム40を介して入退場管理サーバ30から要求があった場合に、J-LISシステム60に対して電子証明書(例えば署名用電子証明書)の有効性の照会を実施する。また、有効性照会実施システム50は、カジノ管理委員会システム70から要求があった場合に、J-LISシステム60に対して電子証明書(例えば利用者証明用電子証明書)の有効性の照会を実施する。
【0020】
(6)J-LISシステム60
J-LISシステム60は、電子証明書の有効性を照会するためのシステムである。J-LISシステム60は、例えば、サーバ(又はサーバ群)によって実現される。
図1に示すように、J-LISシステム60は、ネットワークNW2を介して、有効性照会実施システム50と通信可能に接続されている。
J-LISシステム60は、各電子証明書の有効性を示す情報を有している。例えば、J-LISシステム60は、署名用電子証明書を識別する識別情報(第1の識別情報)と、当該署名用電子証明書に対応する利用者証明用電子証明書を識別する識別情報(第2の識別情報)と、各電子証明書の有効性を示す情報とを対応付けて管理している。各識別情報は、例えば、シリアル番号である。以下、署名用電子証明書を識別する識別情報は「署名用シリアル番号」とも称され、利用者証明用電子証明書を識別する識別情報が「利用者証明用シリアル番号」とも称される。
J-LISシステム60は、有効性照会実施システム50から署名用電子証明書の有効性の照会要求があった場合に、署名用電子証明書の有効性を照会し、照会結果を有効性照会実施システム50へ送信する。また、J-LISシステム60は、有効性照会実施システム50から利用者証明用電子証明書の有効性の照会要求があった場合に、利用者証明用電子証明書の有効性を照会し、照会結果を有効性照会実施システム50へ送信する。
【0021】
(7)カジノ管理委員会システム70
カジノ管理委員会システム70は、カジノ管理委員会による管理に用いられるシステムである。カジノ管理委員会システム70は、例えば、サーバ(又はサーバ群)によって実現される。
図1に示すように、カジノ管理委員会システム70は、ネットワークNW2を介して、入退場共同プラットフォームシステム40と、有効性照会実施システム50と通信可能に接続されている。
カジノ管理委員会システム70は、入退場共同プラットフォームシステム40を介して入退場管理サーバ30から要求があった場合に、有効性照会実施システム50に対して電子証明書(例えば利用者証明用電子証明書)の有効性の照会を要求する。
また、カジノ管理委員会システム70は、有効性照会実施システム50から受信する情報に基づき、利用者の入場制限に関する確認(例えば入場回数)を行う。
【0022】
<1-2.入退場管理サーバの機能構成>
以上、第1の実施形態に係る入退場管理システム1の概略構成について説明した。続いて、図2を参照して、第1の実施形態に係る入退場管理サーバ30の機能構成について説明する。図2は、第1の実施形態に係る入退場管理サーバ30の機能構成の一例を示すブロック図である。
図2に示すように、入退場管理サーバ30は、通信部310と、記憶部320と、制御部330とを備える。
【0023】
(1)通信部310
通信部310は、各種情報の送受信を行う機能を有する。例えば、通信部310は、登録端末10との通信において、会員情報を受信する。また、通信部310は、入退場ゲート装置20との通信において、署名用電子証明書及び利用者証明用電子証明書を受信する。また、通信部310は、入退場共同プラットフォームシステム40との通信において、会員情報、各電子証明書、各要求などを送信し、有効性の照会結果や入場回数の確認結果などを受信する。
【0024】
(2)記憶部320
記憶部320は、各種情報を記憶する機能を有する。記憶部320は、記憶媒体、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、RAM(Random Access read/write Memory)、ROM(Read Only Memory)、またはこれらの記憶媒体の任意の組み合わせによって構成される。
【0025】
(3)制御部330
制御部330は、入退場管理サーバ30の動作全般を制御する機能を有する。制御部330は、例えば、入退場管理サーバ30がハードウェアとして備えるCPU(Central Processing Unit)にプログラムを実行させることによって実現される。
図2に示すように、制御部330は、会員情報登録部331と、署名用電子証明書取得部332と、署名用電子証明書照会要求部333と、本人特定事項確認部334と、利用者証明用電子証明書取得部335と、実績情報登録部336と、会員情報照会部337と、実績情報照会部338と、有効性確認部339と、ゲート制御部340とを備える。
【0026】
(3-1)会員情報登録部331
会員情報登録部331は、会員情報を登録する機能を有する。例えば、会員情報登録部331は、通信部310が登録端末10から受信した会員情報を、通信部310を介して入退場共同プラットフォームシステム40へ送信して登録させる。
【0027】
(3-2)署名用電子証明書取得部332
署名用電子証明書取得部332は、署名用電子証明書を取得する機能を有する。例えば、署名用電子証明書取得部332は、通信部310が入退場ゲート装置20から受信した署名用電子証明書を取得する。
【0028】
(3-3)署名用電子証明書照会要求部333
署名用電子証明書照会要求部333は、署名用電子証明書の有効性の照会を要求する機能を有する。例えば、署名用電子証明書照会要求部333は、通信部310を介して、署名用電子証明書の有効性の照会要求を入退場共同プラットフォームシステム40へ送信する。この時、署名用電子証明書照会要求部333は、照会対象となる署名用電子証明書も入退場共同プラットフォームシステム40へ送信する。
【0029】
(3-4)本人特定事項確認部334
本人特定事項確認部334は、本人特定事項を確認する機能を有する。本人特定事項は、利用者本人を特定するための情報であり、例えば、氏名、住所、生年月日などの情報である。
【0030】
(3-5)利用者証明用電子証明書取得部335
利用者証明用電子証明書取得部335は、利用者証明用電子証明書を取得する機能を有する。例えば、利用者証明用電子証明書取得部335は、通信部310が入退場ゲート装置20から受信した利用者証明用電子証明書を取得する。利用者証明用電子証明書取得部335は、通信部310を介して、利用者証明用電子証明書を入退場共同プラットフォームシステム40へ送信する。
【0031】
(3-6)実績情報登録部336
実績情報登録部336は、実績情報を登録する機能を有する。実績情報登録部336は、通信部310が入退場共同プラットフォームシステム40から受信した入場回数の確認結果を確認する。確認結果に問題がない場合、実績情報登録部336は、通信部310を介して、実績情報を入退場共同プラットフォームシステム40へ送信して登録させる。この時、実績情報登録部336は、会員情報と実績情報とを対応付けて、入退場共同プラットフォームシステム40に登録させる。
【0032】
(3-7)会員情報照会部337
会員情報照会部337は、会員情報を照会する機能を有する。例えば、会員情報照会部337は、入退場共同プラットフォームシステム40に登録されている会員情報を照会する。
【0033】
(3-8)実績情報照会部338
実績情報照会部338は、実績情報を照会する機能を有する。実績情報は、利用者の署名用電子証明書の送信実績を示す情報である。例えば、実績情報照会部338は、入退場共同プラットフォームシステム40に登録されている実績情報を照会する。
【0034】
(3-9)有効性確認部339
有効性確認部339は、電子証明書の有効性を確認する機能を有する。例えば、有効性確認部339は、通信部310を介して入退場共同プラットフォームシステム40から受信する有効性の照会結果に基づき、各電子証明書の有効性を確認する。
【0035】
(3-10)ゲート制御部340
ゲート制御部340は、入退場ゲート装置20の動作を制御する機能を有する。例えば、ゲート制御部340は、利用者が入退場ゲート装置20を通過することが許可された場合、利用者が入退場ゲート装置20を通過できる状態(例えばゲートを開いた状態)にする。一方、ゲート制御部340は、利用者が入退場ゲート装置20を通過することが許可されていない場合、利用者が入退場ゲート装置20を通過できない状態(例えばゲートを閉じた状態)にする。
【0036】
<1-3.入退場共同プラットフォームシステムの機能構成>
以上、第1の実施形態に係る入退場管理サーバ30の機能構成について説明した。続いて、図3を参照して、第1の実施形態に係る入退場共同プラットフォームシステム40の機能構成について説明する。図3は、第1の実施形態に係る入退場共同プラットフォームシステム40の機能構成の一例を示すブロック図である。
図3に示すように、入退場共同プラットフォームシステム40は、通信部410と、記憶部420と、制御部430とを備える。
【0037】
(1)通信部410
通信部410は、各種情報の送受信を行う機能を有する。例えば、通信部410は、入退場管理サーバ30との通信において、会員情報、各電子証明書、各要求などを受信し、有効性の照会結果や入場回数の確認結果などを送信する。また、通信部410は、有効性照会実施システム50との通信において、入退場管理サーバからの要求を送信し、有効性の照会結果を受信する。また、通信部410は、カジノ管理委員会システム70との通信において、利用者証明用電子証明書を送信し、入場回数の確認結果を受信する。
【0038】
(2)記憶部420
記憶部420は、各種情報を記憶する機能を有する。記憶部420は、記憶媒体、例えば、HDD、SSD、フラッシュメモリ、EEPROM、RAM、ROM、またはこれらの記憶媒体の任意の組み合わせによって構成される。
図3に示すように、記憶部420は、会員情報記憶部421と、実績情報記憶部422とを備える。
【0039】
(2-1)会員情報記憶部421
会員情報記憶部421は、会員情報を記憶する機能を有する。会員情報は、利用者本人
を特定するための情報であり、例えば、氏名、住所、生年月日などの情報である。
【0040】
(2-2)実績情報記憶部422
実績情報記憶部422は、実績情報を記憶する機能を有する。実績情報は、例えば、署名用電子証明書の有効性を照会した実績を示す情報であり、署名用電子証明書が入退場共同プラットフォームシステム40へ送信された日時や署名用電子証明書の有効期間などを示す情報である。
【0041】
(3)制御部430
制御部430は、入退場共同プラットフォームシステム40の動作全般を制御する機能を有する。制御部430は、例えば、入退場共同プラットフォームシステム40がハードウェアとして備えるCPUにプログラムを実行させることによって実現される。
図3に示すように、制御部430は、受付部431を備える。
【0042】
(3-1)受付部431
受付部431は、入退場管理サーバ30からの要求を受け付ける機能を有する。受付部431は、入退場管理サーバ30からの要求を受け付けると、当該要求に応じた外部システムへ当該要求を送信する。即ち、受付部431は、入退場管理サーバ30と外部システムとを中継する機能を有する。
【0043】
<1-4.有効性照会実施システムの機能構成>
以上、第1の実施形態に係る入退場共同プラットフォームシステム40の機能構成について説明した。続いて、図4を参照して、第1の実施形態に係る有効性照会実施システム50の機能構成について説明する。図4は、第1の実施形態に係る有効性照会実施システム50の機能構成の一例を示すブロック図である。
図4に示すように、有効性照会実施システム50は、通信部510と、記憶部520と、制御部530とを備える。
【0044】
(1)通信部510
通信部510は、各種情報の送受信を行う機能を有する。例えば、通信部510は、入退場共同プラットフォームシステム40との通信において、各電子証明書、各要求などを受信し、有効性の照会結果を送信する。また、通信部510は、J-LISシステム60との通信において、各電子証明書の有効性の照会に必要な情報を送信し、有効性の照会結果を受信する。また、通信部510は、カジノ管理委員会システム70との通信において、利用者証明用電子証明書を受信し、有効性の照会結果と入場回数の確認に必要な情報を送信する。入場回数の確認に必要な情報は、例えば、署名用シリアル番号又は利用者証明用シリアル番号を、回数制限を管理するためのID(以下、「回数制限管理ID」とも称される)に読み替えた情報である。
【0045】
(2)記憶部520
記憶部520は、各種情報を記憶する機能を有する。記憶部520は、記憶媒体、例えば、HDD、SSD、フラッシュメモリ、EEPROM、RAM、ROM、またはこれらの記憶媒体の任意の組み合わせによって構成される。
図4に示すように、記憶部520は、電子証明書情報記憶部521を備える。
【0046】
(2-1)電子証明書情報記憶部521
電子証明書情報記憶部521は、各電子証明書に関する情報を記憶する機能を有する。例えば、電子証明書情報記憶部521は、署名用電子証明書に関する情報と利用者証明用電子証明書に関する情報とを記憶する。各情報を記憶する際、電子証明書情報記憶部521は、署名用電子証明書の署名用シリアル番号と、当該署名用電子証明書に対応する利用者証明用電子証明書の利用者証明用シリアル番号とを対応付けて記憶する。
なお、電子証明書情報記憶部521は、利用者のカジノ施設への入場が初回である場合に、後述する署名用電子証明書情報取得部531によって取得された署名用シリアル番号と、後述する署名用電子証明書有効性照会部533によって取得された利用者証明用シリアル番号とを対応付けて記憶する。
【0047】
(3)制御部530
制御部530は、有効性照会実施システム50の動作全般を制御する機能を有する。制御部530は、例えば、有効性照会実施システム50がハードウェアとして備えるCPUにプログラムを実行させることによって実現される。
図4に示すように、制御部530は、署名用電子証明書情報取得部531(第1の取得部)と、利用者証明用電子証明書情報取得部532(第2の取得部)と、署名用電子証明書有効性照会部533(第1の有効性照会部)と、利用者証明用電子証明書有効性照会部534(第2の有効性照会部)とを備える。
【0048】
(3-1)署名用電子証明書情報取得部531
署名用電子証明書情報取得部531は、署名用電子証明書に関する情報を取得する機能を有する。例えば、署名用電子証明書情報取得部531は、署名用電子証明書の署名用シリアル番号を取得する。
利用者のカジノ施設2への入場が初回である場合、署名用電子証明書情報取得部531は、通信部510が受信した署名用電子証明書から署名用シリアル番号を取得する。
利用者のカジノ施設2への入場が2回目以降である場合、署名用電子証明書情報取得部531は、後述する利用者証明用電子証明書情報取得部532によって取得された利用者証明用シリアル番号に対応付けられている署名用シリアル番号を電子証明書情報記憶部521から取得する。
【0049】
(3-2)利用者証明用電子証明書情報取得部532
利用者証明用電子証明書情報取得部532は、利用者証明用電子証明書に関する情報を取得する機能を有する。例えば、利用者証明用電子証明書情報取得部532は、利用者証明用電子証明書の利用者証明用シリアル番号を取得する。
利用者のカジノ施設2への入場が初回である場合、利用者証明用電子証明書情報取得部532は、通信部510が受信した利用者証明用電子証明書から利用者証明用シリアル番号を取得する。
利用者のカジノ施設2への入場が2回目以降である場合、初回入場時と同様に、利用者証明用電子証明書情報取得部532は、通信部510が受信した利用者証明用電子証明書から利用者証明用シリアル番号を取得する。
【0050】
(3-3)署名用電子証明書有効性照会部533
署名用電子証明書有効性照会部533は、J-LISシステム60に対する署名用電子証明書の有効性の照会を実施する機能を有する。例えば、署名用電子証明書有効性照会部533は、署名用シリアル番号に基づき、署名用電子証明書の有効性を照会する。
利用者のカジノ施設2への入場が初回である場合、署名用電子証明書有効性照会部533は、署名用電子証明書情報取得部531によって署名用電子証明書から取得される署名用シリアル番号に基づき、署名用電子証明書の有効性を照会する。この時、署名用電子証明書有効性照会部533は、署名用電子証明書の有効性を照会するとともに、有効性の照会先(即ちJ-LISシステム60)から署名用シリアル番号に対応付けられている利用者証明用シリアル番号を取得する。
利用者のカジノ施設2への入場が2回目以降である場合、署名用電子証明書有効性照会部533は、初回入場時に電子証明書情報記憶部521に記憶される署名用シリアル番号に基づき、署名用電子証明書の有効性を照会する。なお、この場合の署名用シリアル番号は、署名用電子証明書情報取得部531によって電子証明書情報記憶部521から取得される。
【0051】
(3-4)利用者証明用電子証明書有効性照会部534
利用者証明用電子証明書有効性照会部534は、J-LISシステム60に対する利用者証明用電子証明書の有効性の照会を実施する機能を有する。例えば、利用者証明用電子証明書有効性照会部534は、利用者証明用シリアル番号に基づき、利用者証明用電子証明書の有効性を照会する。
利用者のカジノ施設2への入場が初回である場合、利用者証明用電子証明書有効性照会部534は、利用者証明用電子証明書情報取得部532によって利用者証明用電子証明書から取得される利用者証明用シリアル番号に基づき、利用者証明用電子証明書の有効性を照会する。
利用者のカジノ施設2への入場が2回目以降である場合、初回入場時と同様に、利用者証明用電子証明書有効性照会部534は、利用者証明用電子証明書情報取得部532によって利用者証明用電子証明書から取得される利用者証明用シリアル番号に基づき、利用者証明用電子証明書の有効性を照会する。
【0052】
<1-5.カジノ管理委員会システムの機能構成>
以上、第1の実施形態に係る有効性照会実施システム50の機能構成について説明した。続いて、図5を参照して、第1の実施形態に係るカジノ管理委員会システム70の機能構成について説明する。図5は、第1の実施形態に係るカジノ管理委員会システム70の機能構成の一例を示すブロック図である。
図5に示すように、カジノ管理委員会システム70は、通信部710と、記憶部720と、制御部730とを備える。
【0053】
(1)通信部710
通信部710は、各種情報の送受信を行う機能を有する。例えば、通信部710は、入退場共同プラットフォームシステム40との通信において、利用者証明用電子証明書を受信し、入場回数の確認結果を送信する。また、通信部710は、有効性照会実施システム50との通信において、利用者証明用電子証明書とその照会要求を送信し、有効性の照会結果と回数制限管理IDを受信する。
【0054】
(2)記憶部720
記憶部720は、各種情報を記憶する機能を有する。記憶部720は、記憶媒体、例えば、HDD、SSD、フラッシュメモリ、EEPROM、RAM、ROM、またはこれらの記憶媒体の任意の組み合わせによって構成される。
図5に示すように、記憶部720は、入場回数情報記憶部721を備える。
【0055】
(2-1)入場回数情報記憶部721
入場回数情報記憶部721は、利用者がカジノ施設2へ入場した回数に関する情報を示す入場回数情報を記憶する機能を有する。例えば、入場回数情報記憶部721は、利用者がカジノ施設2へ入場した回数や、入場した日時などを示す情報を、利用者ごとの回数制限管理IDに対応付けて記憶する。
【0056】
(3)制御部730
制御部730は、カジノ管理委員会システム70の動作全般を制御する機能を有する。制御部730は、例えば、カジノ管理委員会システム70がハードウェアとして備えるCPUにプログラムを実行させることによって実現される。
図5に示すように、制御部530は、利用者証明用電子証明書照会要求部731と、入場回数制限確認部732とを備える。
【0057】
(3-1)利用者証明用電子証明書照会要求部731
利用者証明用電子証明書照会要求部731は、利用者証明用電子証明書の有効性の照会を要求する機能を有する。例えば、利用者証明用電子証明書照会要求部731は、通信部710を介して、利用者証明用電子証明書の有効性の照会要求を有効性照会実施システム50へ送信する。この時、利用者証明用電子証明書照会要求部731は、照会対象となる利用者証明用電子証明書も有効性照会実施システム50へ送信する。
【0058】
(3-2)入場回数制限確認部732
入場回数制限確認部732は、利用者の入場回数制限を確認する機能を有する。例えば、入場回数制限確認部732は、通信部710が有効性照会実施システム50から受信した回数制限管理IDに基づき入場回数情報記憶部721を照会し、利用者の入場回数が上限に達しているか否かを確認する。
【0059】
<1-6.処理の流れ>
以上、第1の実施形態に係るカジノ管理委員会システム70の機能構成について説明した。続いて、図6から図9を参照して、第1の本実施形態に係る処理の流れについて説明する。
【0060】
(1)初回入場時における会員情報登録と署名用電子証明書の有効性確認
まず、図6を参照して、初回入場時における会員情報登録と署名用電子証明書の有効性確認に関する処理の流れについて説明する。図6は、第1の実施形態に係る初回入場時における会員情報登録と署名用電子証明書の有効性確認に関する処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【0061】
初回入場時、利用者は、カジノ事業者からマイナンバーカードの提示と会員登録を要求される。まず、利用者は、登録端末10に対して会員情報を入力し、会員登録を行う。
登録端末10は、利用者による会員情報の入力を受け付け、当該会員情報を入退場管理サーバ30へ送信する(ステップS101)。
入退場管理サーバ30の会員情報登録部331は、通信部310が登録端末10から受信した会員情報を、通信部310を介して入退場共同プラットフォームシステム40へ送信して登録させる(ステップS101)。
入退場共同プラットフォームシステム40の会員情報記憶部421は、通信部410が入退場管理サーバ30から受信した会員情報を記憶する(ステップS102)。
【0062】
次に、利用者は、カジノ事業者からマイナンバーカード読み取りと署名用電子証明書のPIN入力を要求される。利用者は、入退場ゲート装置20の読取装置21に対してマイナンバーカードを提示し、入力装置22に対して署名用電子証明書のPINを入力する。
入退場ゲート装置20の読取装置21は、利用者によって提示されたマイナンバーカードを読み取る(ステップS103)。
入退場ゲート装置20の入力装置22は、利用者による署名用電子証明書のPIN入力を受け付ける(ステップS104)。
入退場ゲート装置20は、入力されたPINが正しい場合、マイナンバーカードに記録されている署名用電子証明書を入退場管理サーバ30へ送信する(ステップS105)。
【0063】
入退場管理サーバ30の署名用電子証明書取得部332は、通信部310が入退場ゲート装置20から受信した署名用電子証明書を取得する(ステップS106)。
次いで、署名用電子証明書照会要求部333は、通信部310を介して、署名用電子証明書とその照会要求を入退場共同プラットフォームシステム40へ送信する(ステップS107)。
入退場共同プラットフォームシステム40の受付部431は、入退場管理サーバ30からの照会要求を中継して、そのまま有効性照会実施システム50へ送信する(ステップS108)。
【0064】
有効性照会実施システム50の署名用電子証明書有効性照会部533は、署名用電子証明書情報取得部531によって署名用電子証明書から取得される署名用シリアル番号をJ-LISシステム60へ送信し、署名用電子証明書の有効性を照会する(ステップS109)。この時、署名用電子証明書有効性照会部533は、署名用電子証明書の有効性を照会するとともに、J-LISシステム60から署名用シリアル番号に対応付けられている利用者証明用シリアル番号も取得する。
照会後、署名用電子証明書有効性照会部533は、署名用シリアル番号と利用者証明用シリアル番号とを対応付けて、電子証明書情報記憶部521に記憶させる(ステップS110)。
そして、署名用電子証明書有効性照会部533は、通信部510を介して、J-LISシステム60から受信した有効性の照会結果を入退場共同プラットフォームシステム40へ送信する(ステップS111)。
【0065】
入退場共同プラットフォームシステム40の受付部431は、有効性照会実施システム50からの照会結果の送信を中継して、そのまま入退場管理サーバ30へ送信する(ステップS112)。
照会結果の受信後、入退場管理サーバ30の本人特定事項確認部334は、利用者の本人特定事項を確認する。確認後、本人特定事項確認部334は、入退場ゲート装置20へ確認結果を送信する(ステップS113)。
【0066】
(2)初回入場時における利用者証明用電子証明書の有効性確認
次に、図7を参照して、初回入場時における利用者証明用電子証明書の有効性確認に関する処理の流れについて説明する。図7は、第1の実施形態に係る初回入場時における利用者証明用電子証明書の有効性確認に関する処理の流れの一例を示すシーケンス図である。なお、図7に示す処理は、図6に示した処理のステップS113に続けて行われる。
【0067】
ステップS113の後、利用者は、カジノ事業者から利用者証明用電子証明書のPIN入力を要求される。利用者は、入退場ゲート装置20の入力装置22に対して利用者証明用電子証明書のPINを入力する。
入退場ゲート装置20の入力装置22は、利用者による利用者証明用電子証明書のPIN入力を受け付ける(ステップS114)。
入退場ゲート装置20は、入力されたPINが正しい場合、マイナンバーカードに記録されている利用者証明用電子証明書を入退場管理サーバ30へ送信する(ステップS115)。
【0068】
入退場管理サーバ30の利用者証明用電子証明書取得部335は、通信部310が入退場ゲート装置20から受信した利用者証明用電子証明書を取得する(ステップS116)。次いで、利用者証明用電子証明書取得部335は、通信部310を介して、利用者証明用電子証明書を入退場共同プラットフォームシステム40へ送信する(ステップS117)。
入退場共同プラットフォームシステム40の受付部431は、入退場管理サーバ30からの利用者証明用電子証明書の送信を中継して、そのままカジノ管理委員会システム70へ送信する(ステップS118)。
カジノ管理委員会システム70の利用者証明用電子証明書照会要求部731は、通信部710を介して、利用者証明用電子証明書とその照会要求を有効性照会実施システム50へ送信する(ステップS119)。
【0069】
有効性照会実施システム50の利用者証明用電子証明書有効性照会部534は、利用者証明用電子証明書情報取得部532によって利用者証明用電子証明書から取得される利用者証明用シリアル番号をJ-LISシステム60へ送信し、利用者証明用電子証明書の有効性を照会する(ステップS120)。
照会後、利用者証明用電子証明書有効性照会部534は、利用者証明用シリアル番号を回数制限管理IDに変換する(ステップS121)。
変換後、利用者証明用電子証明書有効性照会部534は、通信部510を介して、J-LISシステム60から受信した有効性の照会結果と回数制限管理IDとをカジノ管理委員会システム70へ送信する(ステップS122)。
【0070】
カジノ管理委員会システム70の入場回数制限確認部732は、通信部710が有効性照会実施システム50から受信した回数制限管理IDに基づき入場回数情報記憶部721を照会し、利用者の入場回数が上限に達しているか否かを確認する(ステップS123)。確認後、入場回数制限確認部732は、通信部710を介して、確認結果を入退場共同プラットフォームシステム40へ送信する(ステップS124)。
入退場共同プラットフォームシステム40の受付部431は、カジノ管理委員会システム70からの確認結果の送信を中継して、そのまま入退場管理サーバ30へ送信する(ステップS125)。
【0071】
確認結果の受信後、入退場管理サーバ30の実績情報登録部336は、通信部310が入退場共同プラットフォームシステム40から受信した入場回数の確認結果を確認する。確認結果に問題がない場合、実績情報登録部336は、通信部310を介して、実績情報を入退場共同プラットフォームシステム40へ送信して登録させる。(ステップS126)。
入退場共同プラットフォームシステム40の実績情報記憶部422は、通信部410が入退場管理サーバ30から受信した実績情報を記憶する(ステップS127)。この時、実績情報記憶部422は、会員情報と実績情報とを対応付けて記憶する。
【0072】
実績情報の登録後、入退場管理サーバ30のゲート制御部340は、利用者が入退場ゲート装置20の通過を許可されたとして、利用者が入退場ゲート装置20を通過できる状態とするよう入退場ゲート装置20へ制御信号を送信する(ステップS128)。
入退場ゲート装置20は、入退場管理サーバ30から受信する制御信号に応じて、ゲートをオープンする(ステップS129)。
【0073】
(3)2回目以降入場時における署名用電子証明書の有効性確認
次に、図8を参照して、2回目以降入場時における署名用電子証明書の有効性確認に関する処理の流れについて説明する。図8は、第1の実施形態に係る2回目以降入場時における署名用電子証明書の有効性確認に関する処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【0074】
2回目以降入場時、利用者は、カジノ事業者からマイナンバーカードの提示と会員カードの提示を要求される。カジノ事業者は、利用者から提示された会員カードに基づき、会員情報と実績情報を確認し、利用者の署名用電子証明書の送信実績があるか否かを確認する。
入退場管理サーバ30の会員情報照会部337は、カジノ事業者からの入力される情報(例えば会員ID)に基づき、入退場共同プラットフォームシステム40の会員情報記憶部421に登録されている会員情報を照会する(ステップS200)。
さらに、入退場管理サーバ30の実績情報照会部338は、会員情報照会部337が照会した会員情報に基づき、入退場共同プラットフォームシステム40の実績情報記憶部422に登録されている実績情報を照会する(ステップS201)。実績情報照会部338が照会する実績情報は、会員情報照会部337が照会した会員情報に対応付けられている実績情報である。
【0075】
署名用電子証明書の送信実績がある場合、利用者は、カジノ事業者からマイナンバーカード読み取りと利用者証明用電子証明書のPIN入力を要求される。利用者は、入退場ゲート装置20の読取装置21に対してマイナンバーカードを提示し、入力装置22に対して利用者証明用電子証明書のPINを入力する。
入退場ゲート装置20の読取装置21は、利用者によって提示されたマイナンバーカードを読み取る(ステップS202)。
入退場ゲート装置20の入力装置22は、利用者による利用者証明用電子証明書のPIN入力を受け付ける(ステップS203)。
入退場ゲート装置20は、入力されたPINが正しい場合、マイナンバーカードに記録されている利用者証明用電子証明書を入退場管理サーバ30へ送信する(ステップS204)。
【0076】
入退場管理サーバ30の利用者証明用電子証明書取得部335は、通信部310が入退場ゲート装置20から受信した利用者証明用電子証明書を取得する(ステップS205)。次いで、利用者証明用電子証明書取得部335は、通信部310を介して、利用者証明用電子証明書を入退場共同プラットフォームシステム40へ送信する(ステップS206)。
入退場共同プラットフォームシステム40の受付部431は、入退場管理サーバ30からの利用者証明用電子証明書の送信を中継して、そのまま有効性照会実施システム50へ送信する(ステップS207)。
【0077】
有効性照会実施システム50の利用者証明用電子証明書情報取得部532は、通信部510が受信した利用者証明用電子証明書から利用者証明用シリアル番号を取得する。署名用電子証明書情報取得部531は、利用者証明用電子証明書情報取得部532によって取得された利用者証明用シリアル番号に対応付けられている署名用シリアル番号を、電子証明書情報記憶部521から取得する(ステップS208)。
署名用電子証明書有効性照会部533は、署名用電子証明書情報取得部531によって署名用電子証明書から取得された署名用シリアル番号をJ-LISシステム60へ送信し、署名用電子証明書の有効性を照会する(ステップS209)。
照会後、署名用電子証明書有効性照会部533は、通信部510を介して、J-LISシステム60から受信した有効性の照会結果を入退場共同プラットフォームシステム40へ送信する(ステップS210)。
【0078】
入退場共同プラットフォームシステム40の受付部431は、有効性照会実施システム50からの照会結果の送信を中継して、そのまま入退場管理サーバ30へ送信する(ステップS211)。
照会結果の受信後、入退場管理サーバ30の有効性確認部339は、受信した有効性の照会結果に基づき、署名用電子証明書の有効性を確認する。(ステップS212)。
【0079】
(4)2回目以降入場時における利用者証明用電子証明書の有効性確認
次に、図9を参照して、2回目以降入場時における利用者証明用電子証明書の有効性確認に関する処理の流れについて説明する。図9は、第1の実施形態に係る2回目以降入場時における利用者証明用電子証明書の有効性確認に関する処理の流れの一例を示すシーケンス図である。なお、図9に示す処理は、図8に示した処理のステップS212に続けて行われる。
【0080】
ステップS212の後、利用者証明用電子証明書取得部335は、通信部310を介して、利用者証明用電子証明書を入退場共同プラットフォームシステム40へ送信する(ステップS213)。
入退場共同プラットフォームシステム40の受付部431は、入退場管理サーバ30からの利用者証明用電子証明書の送信を中継して、そのままカジノ管理委員会システム70へ送信する(ステップS214)。
カジノ管理委員会システム70の利用者証明用電子証明書照会要求部731は、通信部710を介して、利用者証明用電子証明書とその照会要求を有効性照会実施システム50へ送信する(ステップS215)。
【0081】
有効性照会実施システム50の利用者証明用電子証明書有効性照会部534は、利用者証明用電子証明書情報取得部532によって利用者証明用電子証明書から取得される利用者証明用シリアル番号をJ-LISシステム60へ送信し、利用者証明用電子証明書の有効性を照会する(ステップS216)。
照会後、利用者証明用電子証明書有効性照会部534は、利用者証明用シリアル番号を回数制限管理IDに変換する(ステップS217)。
変換後、利用者証明用電子証明書有効性照会部534は、通信部510を介して、J-LISシステム60から受信した有効性の照会結果と回数制限管理IDとをカジノ管理委員会システム70へ送信する(ステップS218)。
【0082】
カジノ管理委員会システム70の入場回数制限確認部732は、通信部710が有効性照会実施システム50から受信した回数制限管理IDに基づき入場回数情報記憶部721を照会し、利用者の入場回数が上限に達しているか否かを確認する(ステップS219)。確認後、入場回数制限確認部732は、通信部710を介して、確認結果を入退場共同プラットフォームシステム40へ送信する(ステップS220)。
入退場共同プラットフォームシステム40の受付部431は、カジノ管理委員会システム70からの確認結果の送信を中継して、そのまま入退場管理サーバ30へ送信する(ステップS221)。
【0083】
確認結果の受信後、確認結果に問題がない場合、入退場管理サーバ30のゲート制御部340は、利用者が入退場ゲート装置20の通過を許可されたとして、利用者が入退場ゲート装置20を通過できる状態とするよう入退場ゲート装置20へ制御信号を送信する(ステップS222)。
入退場ゲート装置20は、入退場管理サーバ30から受信する制御信号に応じて、ゲートをオープンする(ステップS223)。
【0084】
以上説明したように、第1の実施形態に係る入退場管理システム1は、カジノ施設2(個人番号カードを用いた入退場管理が行われる施設)の利用者が有する個人番号カードに記録されている署名用電子証明書を識別する署名用シリアル番号(第1の識別情報)を取得する署名用電子証明書情報取得部531(第1の取得部)と、個人番号カードに記録されている利用者証明用電子証明書を識別する利用者証明用シリアル番号(第2の識別情報)を取得する利用者証明用電子証明書情報取得部532(第2の取得部)と、署名用シリアル番号と利用者証明用シリアル番号とを対応付けて記憶する電子証明書情報記憶部521と、署名用シリアル番号に基づき、署名用電子証明書の有効性を照会する署名用電子証明書有効性照会部533(第1の有効性照会部)と、利用者証明用シリアル番号に基づき、利用者証明用電子証明書の有効性を照会する利用者証明用電子証明書有効性照会部534(第2の有効性照会部)とを備える。
署名用電子証明書有効性照会部533は、利用者のカジノ施設2への入場が初回である場合、署名用電子証明書情報取得部531によって署名用電子証明書から取得される署名用シリアル番号に基づき、署名用電子証明書の有効性を照会し、利用者のカジノ施設2への入場が2回目以降である場合、初回入場時に電子証明書情報記憶部521に記憶される署名用シリアル番号に基づき、署名用電子証明書の有効性を照会する。
【0085】
かかる構成により、第1の実施形態に係る入退場管理システム1は、個人番号カードを用いて利用者の施設への入退場を管理することを可能とする。
また、第1の実施形態に係る入退場管理システム1は、過去に送信した署名用電子証明書の有効性を利用者証明用電子証明書のみを用いて確認することができる。このため、入退場管理システム1は、初回入場時に署名用電子証明書と利用者証明用電子証明書をシステムへ送信した実績があり、2回目以降入場時において過去に送信した署名用電子証明書が有効である場合、2回目以降入場時において署名用電子証明書を送信するプロセスを省略することができる。
よって、第1の実施形態に係る入退場管理システム1は、カジノ施設への入場プロセスの一部を省略することを可能とする。
以上より、第1の実施形態に係る入退場管理システム1は、個人番号カードを用いることで、入退場をより厳格に管理するとともに、入場プロセスの一部を省略することでより効率的な施設入場を可能とする。
【0086】
<<2.第2の実施形態>>
以上、第1の実施形態について説明した。続いて、図10から図16を参照して、第2の実施形態について説明する。第1の実施形態では、2回目以降入場時において利用者が署名用電子証明書のPINを入力するプロセスを省略する例について説明した。第2の実施形態では、さらに、初回入場時において利用者が会員情報を登録するプロセスと2回目以降入場時にカジノ事業者が利用者の会員情報と実績情報を確認するプロセスを省略する例について説明する。なお、以下では、第1の実施形態における説明と重複する説明については適宜省略する。
【0087】
<2-1.入退場管理システムの概略構成>
まず、図10を参照して、第2の実施形態に係る入退場管理システムの概略構成について説明する。図10は、第2の実施形態に係る入退場管理システムの概略構成の一例を示すブロック図である。図10に示す入退場管理システム1aは、カジノ施設2における利用者の入退場を管理するためのシステムである。
図10に示すように、入退場管理システム1aは、入退場ゲート装置20(20-1~20-n)と、入退場管理サーバ30a(30a-1~30a-n)と、入退場共同プラットフォームシステム40aと、有効性照会実施システム50aと、J-LISシステム60と、カジノ管理委員会システム70とを備える。なお、nは自然数である。
【0088】
第2の実施形態に係る入退場管理システム1aは、第1の実施形態に係る入退場管理システム1と比較し、登録端末10を備えていない点が異なる。これは、第2の実施形態では、初回入場時のプロセスにおいて利用者が会員情報を登録するプロセスが省略され、登録端末10が不要となるためである。
【0089】
<2-2.入退場管理サーバの機能構成>
以上、第2の実施形態に係る入退場管理システム1aの概略構成について説明した。続いて、図11を参照して、第2の実施形態に係る入退場管理サーバ30aの機能構成について説明する。図11は、第2の実施形態に係る入退場管理サーバ30aの機能構成の一例を示すブロック図である。
図11に示すように、入退場管理サーバ30aは、通信部310aと、記憶部320と、制御部330aとを備える。
【0090】
(1)通信部310a
第2の実施形態に係る通信部310aの機能は、登録端末10との通信を行わない点と、入退場共同プラットフォームシステム40との通信において会員情報を送信しない点以外は、第1の実施形態に係る通信部310の機能と同様である。
【0091】
(2)記憶部320
第2の実施形態に係る記憶部320の機能は、第1の実施形態に係る記憶部320の機能と同様である。
【0092】
(3)制御部330a
制御部330aは、図11に示すように、署名用電子証明書取得部332と、署名用電子証明書照会要求部333と、本人特定事項確認部334と、利用者証明用電子証明書取得部335と、実績情報登録部336aと、実績情報照会部338aと、有効性確認部339と、ゲート制御部340とを備える。
【0093】
(3-1)署名用電子証明書取得部332
第2の実施形態に係る署名用電子証明書取得部332の機能は、第1の実施形態に係る署名用電子証明書取得部332の機能と同様である。
【0094】
(3-2)署名用電子証明書照会要求部333
第2の実施形態に係る署名用電子証明書照会要求部333の機能は、第1の実施形態に係る署名用電子証明書照会要求部333の機能と同様である。
【0095】
(3-3)本人特定事項確認部334
第2の実施形態に係る本人特定事項確認部334の機能は、第1の実施形態に係る本人特定事項確認部334の機能と同様である。
【0096】
(3-4)利用者証明用電子証明書取得部335
第2の実施形態に係る利用者証明用電子証明書取得部335の機能は、第1の実施形態に係る利用者証明用電子証明書取得部335の機能と同様である。
【0097】
(3-5)実績情報登録部336a
実績情報登録部336aは、実績情報を登録する際に、実績情報に対して実績情報を識別する識別情報(第3の識別情報)と対応付けて登録する。以下、実績情報を識別する識別情報は、「識別子」とも称される。
【0098】
(3-6)実績情報照会部338a
実績情報照会部338aは、識別子に基づき、実績情報を照会する。利用者のカジノ施設2への入場が2回目以降である場合、実績情報照会部338aは、後述する署名用電子証明書有効性照会部533aによって有効性が照会された署名用電子証明書の署名用シリアル番号に対応付けられている識別子に基づき、後述する実績情報記憶部422aに記憶されている実績情報を照会する。即ち、第2の実施形態に係る実績情報照会部338aは、実績情報を照会する際に、第1の実施形態に係る実績情報照会部338のように会員情報を用いる必要がない。よって、第2の実施形態では、会員情報を用いる用途がなくなるため、会員情報の登録が必要なく、その登録のためのプロセスを省略することができる。
【0099】
(3-7)有効性確認部339
第2の実施形態に係る有効性確認部339の機能は、第1の実施形態に係る有効性確認部339の機能と同様である。
【0100】
(3-8)ゲート制御部340
第2の実施形態に係るゲート制御部340の機能は、第1の実施形態に係るゲート制御部340の機能と同様である。
【0101】
<2-3.入退場共同プラットフォームシステムの機能構成>
以上、第2の実施形態に係る入退場管理サーバ30aの機能構成について説明した。続いて、図12を参照して、第2の実施形態に係る入退場共同プラットフォームシステム40aの機能構成について説明する。図12は、第2の実施形態に係る入退場共同プラットフォームシステム40aの機能構成の一例を示すブロック図である。
図12に示すように、入退場共同プラットフォームシステム40aは、通信部410aと、記憶部420aと、制御部430とを備える。
【0102】
(1)通信部410a
第2の実施形態に係る通信部410aの機能は、実績情報に関する処理のために識別子も受信する点以外は、第1の実施形態に係る通信部410の機能と同様である。
【0103】
(2)記憶部420a
記憶部420aは、図12に示すように、実績情報記憶部422aのみを備える。
【0104】
(2-1)実績情報記憶部422a
実績情報記憶部422aは、実績情報と識別子とを対応付けて記憶する。利用者のカジノ施設2への入場が初回である場合、実績情報記憶部422aは、後述する署名用電子証明書有効性照会部533aによって付与された識別子を対応する実績情報に対応付けて記憶する。
【0105】
(3)制御部430
制御部430は、図12に示すように、受付部431を備える。
【0106】
(3-1)受付部431
第2の実施形態に係る受付部431の機能は、第1の実施形態に係る受付部431の機能と同様である。
【0107】
<2-4.有効性照会実施システムの機能構成>
以上、第2の実施形態に係る入退場共同プラットフォームシステム40aの機能構成について説明した。続いて、図13を参照して、第2の実施形態に係る有効性照会実施システム50aの機能構成について説明する。図13は、第2の実施形態に係る有効性照会実施システム50aの機能構成の一例を示すブロック図である。
図13に示すように、有効性照会実施システム50aは、通信部510aと、記憶部520aと、制御部530aとを備える。
【0108】
(1)通信部510a
第2の実施形態に係る通信部510aの機能は、実績情報に関する処理のために識別子を送信する点以外は、第1の実施形態に係る通信部510の機能と同様である。
【0109】
(2)記憶部520a
記憶部520aは、図13に示すように、電子証明書情報記憶部521aを備える。
【0110】
(2-1)電子証明書情報記憶部521a
電子証明書情報記憶部521aは、電子証明書情報と識別子とを対応付けて記憶する。利用者のカジノ施設2への入場が初回である場合、電子証明書情報記憶部521aは、署名用シリアル番号に対して、後述する署名用電子証明書有効性照会部533aによって付与された識別子をさらに対応付けて記憶する。
【0111】
(3)制御部530a
制御部530aは、図13に示すように、署名用電子証明書情報取得部531(第1の取得部)と、利用者証明用電子証明書情報取得部532(第2の取得部)と、署名用電子証明書有効性照会部533a(第1の有効性照会部)と、利用者証明用電子証明書有効性照会部534(第2の有効性照会部)とを備える。
【0112】
(3-1)署名用電子証明書情報取得部531
第2の実施形態に係る署名用電子証明書情報取得部531の機能は、第1の実施形態に係る署名用電子証明書情報取得部531の機能と同様である。
【0113】
(3-2)利用者証明用電子証明書情報取得部532
第2の実施形態に係る利用者証明用電子証明書情報取得部532の機能は、第1の実施形態に係る利用者証明用電子証明書情報取得部532の機能と同様である。
【0114】
(3-3)署名用電子証明書有効性照会部533a
署名用電子証明書有効性照会部533aは、識別子を付与する機能をさらに有する。利用者のカジノ施設2への入場が初回である場合、署名用電子証明書有効性照会部533aは、電子証明書情報記憶部521aに記憶される署名用シリアル番号ごとに識別子を付与する。
【0115】
(3-4)利用者証明用電子証明書有効性照会部534
第2の実施形態に係る利用者証明用電子証明書有効性照会部534の機能は、第1の実施形態に係る利用者証明用電子証明書有効性照会部534の機能と同様である。
【0116】
<2-5.処理の流れ>
以上、第2の実施形態に係る入退場共同プラットフォームシステム40aの機能構成について説明した。続いて、図14から図16を参照して、第2の本実施形態に係る処理の流れについて説明する。
【0117】
(1)初回入場時における署名用電子証明書の有効性確認
まず、図14を参照して、初回入場時における署名用電子証明書の有効性確認に関する処理の流れについて説明する。図14は、第2の実施形態に係る初回入場時における署名用電子証明書の有効性確認に関する処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【0118】
初回入場時、利用者は、カジノ事業者からマイナンバーカードの提示を要求される。次に、利用者は、カジノ事業者からマイナンバーカード読み取りと署名用電子証明書のPIN入力を要求される。利用者は、入退場ゲート装置20の読取装置21に対してマイナンバーカードを提示し、入力装置22に対して署名用電子証明書のPINを入力する。
入退場ゲート装置20の読取装置21は、利用者によって提示されたマイナンバーカードを読み取る(ステップS300)。
入退場ゲート装置20の入力装置22は、利用者による署名用電子証明書のPIN入力を受け付ける(ステップS301)。
入退場ゲート装置20は、入力されたPINが正しい場合、マイナンバーカードに記録されている署名用電子証明書を入退場管理サーバ30aへ送信する(ステップS302)。
【0119】
入退場管理サーバ30aの署名用電子証明書取得部332は、通信部310aが入退場ゲート装置20から受信した署名用電子証明書を取得する(ステップS303)。
次いで、署名用電子証明書照会要求部333は、通信部310aを介して、署名用電子証明書とその照会要求を入退場共同プラットフォームシステム40aへ送信する(ステップS304)。
入退場共同プラットフォームシステム40aの受付部431は、入退場管理サーバ30aからの照会要求を中継して、そのまま有効性照会実施システム50aへ送信する(ステップS305)。
【0120】
有効性照会実施システム50aの署名用電子証明書有効性照会部533aは、署名用電子証明書情報取得部531によって署名用電子証明書から取得される署名用シリアル番号をJ-LISシステム60へ送信し、署名用電子証明書の有効性を照会する(ステップS306)。この時、署名用電子証明書有効性照会部533aは、署名用電子証明書の有効性を照会するとともに、J-LISシステム60から署名用シリアル番号に対応付けられている利用者証明用シリアル番号も取得する。
照会後、署名用電子証明書有効性照会部533aは、照会した署名用電子証明書(署名用シリアル番号)に固有の識別子を付与する(ステップS307)。
付与後、署名用電子証明書有効性照会部533aは、署名用シリアル番号と利用者証明用シリアル番号とを対応付け、署名用シリアル番号に対してさらに識別子も対応付けて電子証明書情報記憶部521aに記憶させる(ステップS308)。
そして、署名用電子証明書有効性照会部533aは、通信部510を介して、J-LISシステム60から受信した有効性の照会結果と付与した識別子を入退場共同プラットフォームシステム40aへ送信する(ステップS309)。
【0121】
入退場共同プラットフォームシステム40aの受付部431は、有効性照会実施システム50aからの照会結果と識別子の送信を中継して、そのまま入退場管理サーバ30aへ送信する(ステップS310)。
照会結果と識別子の受信後、入退場管理サーバ30aの本人特定事項確認部334は、利用者の本人特定事項を確認する(ステップS311)。確認後、本人特定事項確認部334は、入退場ゲート装置20へ確認結果を送信する。
【0122】
(2)初回入場時における利用者証明用電子証明書の有効性確認
次に、図15を参照して、初回入場時における利用者証明用電子証明書の有効性確認に関する処理の流れについて説明する。図15は、第2の実施形態に係る初回入場時における利用者証明用電子証明書の有効性確認に関する処理の流れの一例を示すシーケンス図である。なお、図15に示す処理は、図14に示した処理のステップS311に続けて行われる。
【0123】
ステップS311の後、利用者は、カジノ事業者から利用者証明用電子証明書のPIN入力を要求される。利用者は、入退場ゲート装置20の入力装置22に対して利用者証明用電子証明書のPINを入力する。
入退場ゲート装置20の入力装置22は、利用者による利用者証明用電子証明書のPIN入力を受け付ける(ステップS312)。
入退場ゲート装置20は、入力されたPINが正しい場合、マイナンバーカードに記録されている利用者証明用電子証明書を入退場管理サーバ30aへ送信する(ステップS313)。
【0124】
入退場管理サーバ30aの利用者証明用電子証明書取得部335は、通信部310aが入退場ゲート装置20から受信した利用者証明用電子証明書を取得する(ステップS314)。次いで、利用者証明用電子証明書取得部335は、通信部310aを介して、利用者証明用電子証明書を入退場共同プラットフォームシステム40aへ送信する(ステップS315)。
入退場共同プラットフォームシステム40aの受付部431は、入退場管理サーバ30aからの利用者証明用電子証明書の送信を中継して、そのままカジノ管理委員会システム70へ送信する(ステップS316)。
カジノ管理委員会システム70の利用者証明用電子証明書照会要求部731は、通信部710を介して、利用者証明用電子証明書とその照会要求を有効性照会実施システム50aへ送信する(ステップS317)。
【0125】
有効性照会実施システム50aの利用者証明用電子証明書有効性照会部534は、利用者証明用電子証明書情報取得部532によって利用者証明用電子証明書から取得される利用者証明用シリアル番号をJ-LISシステム60へ送信し、利用者証明用電子証明書の有効性を照会する(ステップS318)。
照会後、利用者証明用電子証明書有効性照会部534は、利用者証明用シリアル番号を回数制限管理IDに変換する(ステップS319)。
変換後、利用者証明用電子証明書有効性照会部534は、通信部510aを介して、J-LISシステム60から受信した有効性の照会結果と回数制限管理IDとをカジノ管理委員会システム70へ送信する(ステップS320)。
【0126】
カジノ管理委員会システム70の入場回数制限確認部732は、通信部710が有効性照会実施システム50aから受信した回数制限管理IDに基づき入場回数情報記憶部721を照会し、利用者の入場回数が上限に達しているか否かを確認する(ステップS321)。確認後、入場回数制限確認部732は、通信部710を介して、確認結果を入退場共同プラットフォームシステム40aへ送信する(ステップS322)。
入退場共同プラットフォームシステム40aの受付部431は、カジノ管理委員会システム70からの確認結果の送信を中継して、そのまま入退場管理サーバ30aへ送信する(ステップS323)。
【0127】
確認結果の受信後、入退場管理サーバ30aの実績情報登録部336aは、通信部310aが入退場共同プラットフォームシステム40aから受信した入場回数の確認結果を確認する。確認結果に問題がない場合、実績情報登録部336aは、通信部310aを介して、実績情報と識別子を入退場共同プラットフォームシステム40aへ送信し、実績情報と識別子とを対応付けて登録させる。(ステップS324)。
入退場共同プラットフォームシステム40aの実績情報記憶部422aは、通信部410aが入退場管理サーバ30aから受信した実績情報と識別子とを対応付けて記憶する(ステップS325)。
【0128】
実績情報の登録後、入退場管理サーバ30aのゲート制御部340は、利用者が入退場ゲート装置20の通過を許可されたとして、利用者が入退場ゲート装置20を通過できる状態とするよう入退場ゲート装置20へ制御信号を送信する(ステップS326)。
入退場ゲート装置20は、入退場管理サーバ30aから受信する制御信号に応じて、ゲートをオープンする(ステップS327)。
【0129】
(3)2回目以降入場時における署名用電子証明書の有効性確認
次に、図16を参照して、2回目以降入場時における署名用電子証明書の有効性確認に関する処理の流れについて説明する。図16は、第2の実施形態に係る2回目以降入場時における署名用電子証明書の有効性確認に関する処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【0130】
2回目以降入場時、利用者は、カジノ事業者からマイナンバーカードの提示を要求される。次に、利用者は、カジノ事業者からマイナンバーカード読み取りと利用者証明用電子証明書のPIN入力を要求される。利用者は、入退場ゲート装置20の読取装置21に対してマイナンバーカードを提示し、入力装置22に対して利用者証明用電子証明書のPINを入力する。
入退場ゲート装置20の読取装置21は、利用者によって提示されたマイナンバーカードを読み取る(ステップS400)。
入退場ゲート装置20の入力装置22は、利用者による利用者証明用電子証明書のPIN入力を受け付ける(ステップS401)。
入退場ゲート装置20は、入力されたPINが正しい場合、マイナンバーカードに記録されている利用者証明用電子証明書を入退場管理サーバ30aへ送信する(ステップS402)。
【0131】
入退場管理サーバ30aの利用者証明用電子証明書取得部335は、通信部310aが入退場ゲート装置20から受信した利用者証明用電子証明書を取得する(ステップS403)。次いで、利用者証明用電子証明書取得部335は、通信部310aを介して、利用者証明用電子証明書を入退場共同プラットフォームシステム40aへ送信する(ステップS404)。
入退場共同プラットフォームシステム40aの受付部431は、入退場管理サーバ30aからの利用者証明用電子証明書の送信を中継して、そのまま有効性照会実施システム50aへ送信する(ステップS405)。
【0132】
有効性照会実施システム50aの利用者証明用電子証明書情報取得部532は、通信部510aが受信した利用者証明用電子証明書から利用者証明用シリアル番号を取得する。署名用電子証明書情報取得部531は、利用者証明用電子証明書情報取得部532によって取得された利用者証明用シリアル番号に対応付けられている署名用シリアル番号を、電子証明書情報記憶部521aから取得する(ステップS406)。
署名用電子証明書有効性照会部533aは、署名用電子証明書情報取得部531によって署名用電子証明書から取得された署名用シリアル番号をJ-LISシステム60へ送信し、署名用電子証明書の有効性を照会する(ステップS407)。
照会後、署名用電子証明書有効性照会部533aは、電子証明書情報記憶部521aから、照会した署名用電子証明書の署名用シリアル番号に対応付けられている識別子を取得する(ステップS408)。
識別子取得後、署名用電子証明書有効性照会部533aは、通信部510aを介して、J-LISシステム60から受信した有効性の照会結果と取得した識別子を入退場共同プラットフォームシステム40aへ送信する(ステップS409)。
【0133】
入退場共同プラットフォームシステム40aの受付部431は、有効性照会実施システム50aからの照会結果の送信を中継して、そのまま入退場管理サーバ30aへ送信する(ステップS410)。
照会結果の受信後、入退場管理サーバ30aの有効性確認部339は、受信した有効性の照会結果に基づき、署名用電子証明書の有効性を確認する。(ステップS411)。
次いで、実績情報照会部338aは、受信した識別子に基づき、入退場共同プラットフォームシステム40aの実績情報記憶部422aに登録されている実績情報を照会する(ステップS412)。
【0134】
(4)2回目以降入場時における利用者証明用電子証明書の有効性確認
図16に示したステップS412にて、署名用電子証明書の送信実績があることが確認できた場合、処理は、2回目以降入場時における利用者証明用電子証明書の有効性確認に関する処理へ進む。なお、ステップS412以降の処理は、図9に示したステップS213からステップS223の処理と同様である。
【0135】
以上説明したように、第2の実施形態に係る入退場管理システム1aは、カジノ施設2(個人番号カードを用いた入退場管理が行われる施設)の利用者が有する個人番号カードに記録されている署名用電子証明書を識別する署名用シリアル番号(第1の識別情報)を取得する署名用電子証明書情報取得部531(第1の取得部)と、個人番号カードに記録されている利用者証明用電子証明書を識別する利用者証明用シリアル番号(第2の識別情報)を取得する利用者証明用電子証明書情報取得部532(第2の取得部)と、署名用シリアル番号と利用者証明用シリアル番号とを対応付けて記憶する電子証明書情報記憶部521aと、署名用シリアル番号に基づき、署名用電子証明書の有効性を照会する署名用電子証明書有効性照会部533a(第1の有効性照会部)と、利用者証明用シリアル番号に基づき、利用者証明用電子証明書の有効性を照会する利用者証明用電子証明書有効性照会部534(第2の有効性照会部)とを備える。
署名用電子証明書有効性照会部533aは、利用者のカジノ施設2への入場が初回である場合、署名用電子証明書情報取得部531によって署名用電子証明書から取得される署名用シリアル番号に基づき、署名用電子証明書の有効性を照会し、利用者のカジノ施設2への入場が2回目以降である場合、初回入場時に電子証明書情報記憶部521aに記憶される署名用シリアル番号に基づき、署名用電子証明書の有効性を照会する。
【0136】
かかる構成により、第2の実施形態に係る入退場管理システム1aは、個人番号カードを用いて利用者の施設への入退場を管理することを可能とする。
また、第2の実施形態に係る入退場管理システム1aは、過去に送信した署名用電子証明書の有効性を利用者証明用電子証明書のみを用いて確認することができる。このため、入退場管理システム1aは、初回入場時に署名用電子証明書と利用者証明用電子証明書をシステムへ送信した実績があり、2回目以降入場時において過去に送信した署名用電子証明書が有効である場合、2回目以降入場時において署名用電子証明書を送信するプロセスを省略することができる。
よって、第2の実施形態に係る入退場管理システム1aは、カジノ施設への入場プロセスの一部を省略することを可能とする。
以上より、第2の実施形態に係る入退場管理システム1aは、個人番号カードを用いることで、入退場をより厳格に管理するとともに、入場プロセスの一部を省略することでより効率的な施設入場を可能とする。
【0137】
また、第2の実施形態に係る入退場管理システム1aは、利用者のカジノ施設2への入場が初回である場合に電子証明書情報記憶部521aに記憶される署名用シリアル番号ごとに識別子を付与する署名用電子証明書有効性照会部533aと、署名用電子証明書有効性照会部533aによって付与された識別子を対応する実績情報に対応付けて記憶する実績情報記憶部422aと、利用者のカジノ施設2への入場が2回目以降である場合に署名用電子証明書有効性照会部533aによって有効性が照会された署名用電子証明書の署名用シリアル番号に対応付けられている識別子に基づき、実績情報記憶部422aに記憶されている実績情報を照会する実績情報照会部338aとを備える。
【0138】
かかる構成により、第2の実施形態に係る入退場管理システム1aは、会員情報を用いず、識別子を用いることで実績情報を照会することができる。このため、入退場管理システム1aでは、会員情報を用いる用途がなくなるため、会員情報の登録が必要なくなるため、初回入場時において利用者が会員情報を登録するプロセスと2回目以降入場時にカジノ事業者が利用者の会員情報と実績情報を確認するプロセスを省略することができる。
【0139】
<<3.変形例>>
以上、本発明の実施形態について説明した。続いて、本発明の実施形態の変形例について説明する。なお、以下に説明する各変形例は、単独で本発明の実施形態に適用されてもよいし、組み合わせで本発明の実施形態に適用されてもよい。また、各変形例は、本発明の実施形態で説明した構成に代えて適用されてもよいし、本発明の実施形態で説明した構成に対して追加的に適用されてもよい。
【0140】
上述した実施形態では、個人番号カードを用いた入退場管理が行われる施設がカジノ施設2である例について説明したが、かかる例に限定されない。例えば、個人番号カードを用いた入退場管理が行われる施設は、競馬場やパチンコ店などであってもよい。
【0141】
上述した各実施形態では、入退場共同プラットフォームシステム40,40aとカジノ管理委員会システム70とが、ネットワークNW2を介して同一の有効性照会実施システム50,50aに対して電子証明書の有効性の照会を要求する例について説明したが、かかる例に限定されない。例えば、同様の機能を有する複数の有効性照会実施システム50,50aが用意され、入退場共同プラットフォームシステム40,40aとカジノ管理委員会システム70とが、それぞれ異なる有効性照会実施システム50,50aに対して電子証明書の有効性の照会を要求する構成であってもよい。この場合、複数の有効性照会実施システム50,50aは、それぞれ同一の事業者によって用意されてもよいし、異なる事業者によって用意されてもよい。
【0142】
また、上述した各実施形態では、会員情報又は実績情報(第2の実施形態では実績情報のみ)が入退場共同プラットフォームシステム40,40aの記憶部420,420aに記憶される例について説明したが、かかる例に限定されない。例えば、会員情報又は実績情報は、入退場管理サーバ30,30aの記憶部320に記憶されてもよいし、カジノ事業者によって入退場管理サーバ30,30aとは別に用意されるシステム(例えば会員管理システム)などの記憶部に記憶されてもよい。
【0143】
また、上述した各実施形態では、入退場管理システム1,1aがカジノ管理委員会による管理に用いられるカジノ管理委員会システム70を備える例について説明したが、かかる例に限定されない。例えば、入退場管理システム1,1aは、カジノ管理委員会システム70の代わりに、カジノ管理委員会システム70と同様の機能を有するシステムを備えていてもよく、当該システムはカジノ管理委員会以外の事業者が用いるシステムであってもよい。
【0144】
また、上述した各実施形態では、2回目以降入場時に入退場管理サーバ30,30aが、署名用電子証明書の有効性確認時(図8のステップS206,図16のステップS404)と利用者証明用電子証明書の確認時(図9のステップS213)に、利用者証明用電子証明書を入退場共同プラットフォームシステム40,40aへ送信(計2回)する例について説明したが、かかる例に限定されない。例えば、入退場管理サーバ30,30aは、署名用電子証明書の有効性確認時(図8のステップS206,図16のステップS404)のみ、利用者証明用電子証明書を入退場共同プラットフォームシステム40,40aへ送信してもよい。この場合、入退場共同プラットフォームシステム40,40aは、2回目以降入場時における利用者証明用電子証明書の確認時、入退場管理サーバ30,30aから改めて利用者証明用電子証明書を受信せず、署名用電子証明書の有効性確認時に受信した利用者証明用電子証明書をカジノ管理委員会システム70へ送信する。なお、実績情報は、入退場共同プラットフォームシステム40,40aの記憶部420,420aに記憶される。
これにより、入退場共同プラットフォームシステム40,40aが、署名用電子証明書の有効性確認からカジノ管理委員会システム70への入場回数制限確認(利用者証明用電子証明書の送信)までを一貫して実行する構成とすることができる。また、2回目以降入場時における入退場管理サーバ30,30aの負担を低減することができる。
【0145】
以上、本発明の実施形態の変形例について説明した。なお、上述した実施形態における入退場管理システム1及び1aの全部又は一部の機能をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。
【0146】
以上、図面を参照してこの発明の実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
【符号の説明】
【0147】
1,1a…入退場管理システム、10…登録端末、20…入退場ゲート装置、21…読取装置、22…入力装置、30,30a…入退場管理サーバ、40,40a…入退場共同プラットフォームシステム、50,50a…有効性照会実施システム、60…J-LISシステム、70…カジノ管理委員会システム、310,310a…通信部、320…記憶部、330,330a…制御部、331…会員情報登録部、332…署名用電子証明書取得部、333…署名用電子証明書照会要求部、334…本人特定事項確認部、335…利用者証明用電子証明書取得部、336,336a…実績情報登録部、337…会員情報照会部、338,338a…実績情報照会部、339…有効性確認部、340…ゲート制御部、410,410a…通信部、420,420a…記憶部、421…会員情報記憶部、422,422a…実績情報記憶部、430…制御部、431…受付部、510,510a…通信部、520,520a…記憶部、521,521a…電子証明書情報記憶部、530,530a…制御部、531…署名用電子証明書情報取得部、532…利用者証明用電子証明書情報取得部、533,533a…署名用電子証明書有効性照会部、534…利用者証明用電子証明書有効性照会部、710…通信部、720…記憶部、721…入場回数情報記憶部、730…制御部、731…利用者証明用電子証明書照会要求部、732…入場回数制限確認部、NW1,NW2…ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
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図7
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図10
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図16