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  • 特開-表示制御装置及び表示制御方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024115781
(43)【公開日】2024-08-27
(54)【発明の名称】表示制御装置及び表示制御方法
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/34 20060101AFI20240820BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20240820BHJP
   G02F 1/167 20190101ALI20240820BHJP
   G02F 1/1685 20190101ALI20240820BHJP
   G02F 1/16757 20190101ALI20240820BHJP
   G06F 3/14 20060101ALN20240820BHJP
【FI】
G09G3/34 C
G09G3/20 680D
G09G3/20 670K
G09G3/20 621A
G02F1/167
G02F1/1685
G02F1/16757
G09G3/20 621K
G09G3/20 691D
G09G3/20 691F
G09G3/20 691B
G09G3/20 650J
G06F3/14 310Z
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023021615
(22)【出願日】2023-02-15
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-05-09
(71)【出願人】
【識別番号】505205731
【氏名又は名称】レノボ・シンガポール・プライベート・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100206081
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 央
(72)【発明者】
【氏名】吉冨 圭一
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 義従
【テーマコード(参考)】
2K101
5B069
5C080
【Fターム(参考)】
2K101AA04
2K101AA06
2K101AA64
2K101AA65
2K101BA02
2K101BB11
2K101BD61
2K101EB81
2K101EB91
2K101EB92
2K101EC72
2K101EC76
2K101ED74
2K101EE02
2K101EE06
2K101EJ21
2K101EK35
5B069BA04
5B069BB09
5C080AA06
5C080AA10
5C080AA13
5C080CC01
5C080DD01
5C080EE27
5C080EE31
5C080JJ02
5C080JJ07
5C080KK02
(57)【要約】
【課題】電子ペーパー表示装置のリフレッシュがユーザの操作によることなく適切なタイミングが行えるようにする。
【解決手段】少なくとも1つの電子ペーパー表示装置を含む複数の表示装置ごとの表示に関する制御を実行する表示制御部と、前記表示装置にて表示される画面に対して行われる操作を検出する操作検出部と、前記操作検出部により検出された操作が所定の条件を満たしたか否かを判定する判定部とを備え、前記表示制御部は、前記所定の条件を満たしたと判定されたことに応じて、前記電子ペーパー表示装置の画面をリフレッシュするように表示制御を実行するように表示制御装置を構成する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの電子ペーパー表示装置を含む複数の表示装置ごとの表示に関する制御を実行する表示制御部と、
前記表示装置にて表示される画面に対して行われる操作を検出する操作検出部と、
前記操作検出部により検出された操作が所定の条件を満たしたか否かを判定する判定部とを備え、
前記表示制御部は、前記所定の条件を満たしたと判定されたことに応じて、前記電子ペーパー表示装置の画面をリフレッシュするように表示制御を実行する
表示制御装置。
【請求項2】
前記所定の条件は、前記複数の表示装置のうち電子ペーパー表示装置にて表示される画面に対する操作が行われていないことである
請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項3】
前記所定の条件は、前記複数の表示装置のうち電子ペーパー表示装置以外の表示装置にて表示される画面に対する所定の操作が一定時間以上継続することである
請求項2に記載の表示制御装置。
【請求項4】
前記所定の操作は、前記画面にて配置される位置指示標示の移動を伴う操作である
請求項3に記載の表示制御装置。
【請求項5】
前記所定の条件は、さらに電子ペーパーディスプレイにて表示される画面の更新が生じていないことである
請求項2から4のいずれか一項に記載の表示制御装置。
【請求項6】
前記表示制御部は、
前記所定の条件が満たされていないと判定されているときには所定の階調段階数による第1階調モードによる表示が電子ペーパー表示装置にて行われるように前記表示制御部に指示を出力し、
前記所定の条件が満たされていると判定されているときには前記第1階調モードによりも少ない階調段階数の第2階調モードによる表示が電子ペーパー表示装置にて行われるように前記表示制御部に指示を出力する
請求項1から4のいずれか一項に記載の表示制御装置。
【請求項7】
表示制御装置における表示制御方法であって、
表示制御部が、少なくとも1つの電子ペーパー表示装置を含む複数の表示装置ごとの表示に関する表示制御を実行するステップと、
操作検出部が、前記表示装置にて表示される画面に対して行われる操作を検出するステップと、
判定部が、前記操作検出部により検出された操作の状態が所定の条件を満たしたか否かを判定するステップと、
前記表示制御部が、前記所定の条件を満たしたと判定されたことに応じて、前記電子ペーパー表示装置の画面をリフレッシュするように表示制御を実行するステップと
を含む表示制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示制御装置及び表示制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子ペーパーでは、過去に表示された画像が残像となる現象が生じる。そこで、操作部を介してリフレッシュ命令を受け付けたことに応じて電子ペーパーをリフレッシュして残像を解消するようにされた技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-056832号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電子ペーパーによる表示装置(電子ペーパー表示装置)のリフレッシュについて、ユーザが操作によることなく行われるようにすれば、ユーザによる操作の手間が省けて好ましい。
例えば、定期的に電子ペーパー表示装置をリフレッシュすることも可能である。しかしながら、この場合にはユーザが電子ペーパー表示装置の画面を注視しているにも関わらずリフレッシュが実行される可能性がある。リフレッシュに際しては画面が一時的に暗転することから、UX(User eXperience)が低下する。
【0005】
本発明は、上記した課題を考慮して、電子ペーパー表示装置のリフレッシュがユーザの操作によることなく適切なタイミングが行えるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決する本発明の一態様は、少なくとも1つの電子ペーパー表示装置を含む複数の表示装置ごとの表示に関する制御を実行する表示制御部と、前記表示装置にて表示される画面に対して行われる操作を検出する操作検出部と、前記操作検出部により検出された操作が所定の条件を満たしたか否かを判定する判定部とを備え、前記表示制御部は、前記所定の条件を満たしたと判定されたことに応じて、前記電子ペーパー表示装置の画面をリフレッシュするように表示制御を実行する表示制御装置である。
【0007】
本発明の一態様は、表示制御装置における表示制御方法であって、表示制御部が、少なくとも1つの電子ペーパー表示装置を含む複数の表示装置ごとの表示に関する表示制御を実行するステップと、操作検出部が、前記表示装置にて表示される画面に対して行われる操作を検出するステップと、判定部が、前記操作検出部により検出された操作の状態が所定の条件を満たしたか否かを判定するステップと、前記表示制御部が、前記所定の条件を満たしたと判定されたことに応じて、前記電子ペーパー表示装置の画面をリフレッシュするように表示制御を実行するステップとを含む表示制御方法である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、電子ペーパー表示装置のリフレッシュがユーザの操作によることなく適切なタイミングが行えるようになるとの効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態における表示制御装置と電子ペーパー表示装置の構成例を示す図である。
図2】本実施形態における表示制御装置が電子ペーパー表示装置の画面のリフレッシュに関連して実行する処理手順例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、本実施形態の表示制御装置100の構成例を示している。同図においては、表示制御装置100に対して2つの表示装置200(200-1、200-2)が接続された例を示している。つまり、本実施形態の表示制御装置100は、接続された複数の表示装置のそれぞれに画像を表示させるように表示制御を実行可能とされる。この場合において、表示制御装置100は、2つの表示装置200の表示面を用いて1つのユーザインターフェース画像を表示させるようにしてよい。
【0011】
同図の例においては、表示制御装置100に接続される表示装置200として、各1つの電子ペーパー表示装置200-1と非電子ペーパー表示装置200-2とが示される。即ち、同図の例においては2つの表示装置200が接続されている。
【0012】
電子ペーパー表示装置200-1は、電子ペーパーとしての表示パネルを備えて構成される表示装置である。
電子ペーパーによる表示方式の1つとして電気泳動方式が知られている。一例として、モノクローム表示に対応する電気泳動方式の電子ペーパーは、2枚の電極間にそれぞれが異なる極性により帯電された白色と黒色の顔料粒子を封入したマイクロカプセルが二次元方向に配列された構造を有する。
上記のような構造の電子ペーパーにおいて、2枚の電極間に電圧を印加して画素ごとの表示内容に応じた極性の電界(電位差)を発生させると、発生された電界の方向に応じてマイクロカプセル内の白色と黒色の顔料粒子のうちの一方が表示面側に移動し、他方が表示面の反対側に移動する。これにより、表示面においてモノクロームによる表示が行われる。
また、上記のような電子ペーパーは、電極間に電界が発生していない状態では、顔料粒子の位置がほとんど固定された状態となる。つまり、電子ペーパーは、駆動のための電力がなくとも表示内容を保持することができる。
【0013】
なお、電子ペーパー表示装置200-1には上記の電気泳動方式以外の表示方式が採用されてよい。例えば、電気泳動方式以外の電子ペーパーの表示方式としては、マイクロカプセル方式、電子粉流体方式、DES(Display Electronic Slurry)方式等を挙げることができる。
【0014】
非電子ペーパー表示装置200-2は、電子ペーパー以外の所定の表示デバイスを備える表示装置である。このような非電子ペーパー表示装置200-2は、例えば液晶ディスプレイ、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等であってよい。
【0015】
なお、表示制御装置100に接続可能な表示装置200の数は特に限定されるものではない。本実施形態の場合には、複数の表示装置200のうちの少なくとも1つが電子ペーパー表示装置であればよい。また、表示制御装置100に接続される表示装置200の全てが電子ペーパー表示装置であってもよい。
以降においては、図1に示されるように、表示装置200として各1つの電子ペーパー表示装置200-1と非電子ペーパー表示装置200-2とを表示制御装置100に接続した場合を例に挙げる。
また、表示制御装置100は、例えばパーソナルコンピュータ等の情報処理装置であってよい。
【0016】
図1を参照して、表示制御装置100の機能構成例について説明する。同図に示される表示制御装置100としての機能は、ハードウェアとしての表示制御装置100が備えるCPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)がプログラムを実行することにより実現される。
同図の表示制御装置100は、入力デバイス部101、制御部102、及び記憶部103を備える。
【0017】
入力デバイス部101は、表示制御装置100に接続される入力デバイス、あるいは表示制御装置100自体が有する入力デバイスを含む部位である。
入力デバイス部101は、例えば入力デバイスとして、タッチパッド、マウス、キーボード、ペンタブレット等のうちの少なくともいずれか1つを含んでよい。
また、表示装置200の表示面がタッチパネルとされている場合には、当該タッチパネルも入力デバイス部101における入力デバイスに含められてよい。
【0018】
制御部102は、表示制御装置100における各種の制御を実行する。制御部102は、機能部として、入力インターフェース部121、表示制御部122、操作検出部123、判定部124、及び出力インターフェース部125を備える。
【0019】
入力インターフェース部121は、入力デバイス部101が備える入力デバイスをユーザが操作したことに応じて入力デバイスが出力する操作情報を受け付ける。
【0020】
表示制御部122は、表示制御装置100に接続された表示装置200のそれぞれにおける表示に関する制御を実行する。表示制御部122による表示装置200に対する表示制御は、出力インターフェース部125を介して行われる。
【0021】
操作検出部123は、表示装置200にて表示される画像に対してユーザが入力デバイスを用いて行う操作の状態を検出する。
【0022】
判定部124は、操作検出部123により検出された操作が所定の条件を満たしたか否かを判定する。判定部124が判定対象とする条件の具体例については後述する。
【0023】
出力インターフェース部125は、表示制御装置100と表示装置200とを接続し、表示制御装置100と表示装置200とのデータ伝送を中継する部位である。
【0024】
記憶部103は、表示制御装置100が対応する各種の情報を記憶する。記憶部103が対応するハードウェアは、例えばSSD(Solid State Drive)やHDD(Hard Disk Drive)等であってよい。
【0025】
同じ図1を参照して、電子ペーパー表示装置200-1の構成例について説明する。電子ペーパー表示装置200-1は、タイミングコントローラ(TCON)201と表示パネル202とを備える。
タイミングコントローラ201は、表示制御部122の表示制御に応じて、表示パネル202を駆動する。
表示パネル202は、表示方式に応じた構造を有し、タイミングコントローラ201により駆動されることで画像を表示する。
【0026】
電子ペーパー表示装置200-1は、表示方式と当該表示方式に応じた表示パネル202の構造等により、表示パネルにおいて過去に表示された画像が残像となる現象が生じる。このような残像を解消するためにリフレッシュが行われる。リフレッシュにあたり表示パネル202のタイミングコントローラ201は、例えば表示パネル202に対して、表示面の全体を黒とし、黒とした後に改めて表示させる画像に応じた駆動を行うようにされる。このようにリフレッシュに応じた駆動が行われることで、残像のない画像が表示される。
【0027】
電子ペーパー表示装置200-1のリフレッシュは、例えばユーザの電子ペーパー表示装置200-1に設けられた操作子に対する操作、あるいは表示制御装置100の入力デバイス部101に対する操作に応じて実行されるようにしてよい。
あるいは、電子ペーパー表示装置200-1のリフレッシュは、例えば所定フレーム数ごと、あるいは所定時間ごとといったように、定期的に実行されるようにしてよい。
しかしながら、ユーザの操作に応じたリフレッシュの実行は、ユーザ自身が操作子や入力デバイスを逐一操作する必要があり、ユーザが煩わしさを覚える場合がある。また、定期的にリフレッシュが実行される場合、ユーザが電子ペーパー表示装置200-1の画面を注視しているときにリフレッシュが実行されてしまう可能性がある。リフレッシュの際には、一時的に画面が暗転することから、ユーザは不意に暗転した画面を視ることとなってしまうためUX(User eXperience)の低下を招く。
なお、本明細書において、「画面」とは表示装置の表示面の全体において表示される画像に相当する。
【0028】
そこで、本実施形態の表示制御装置100は、ユーザが電子ペーパー表示装置200-1の画面を注視していないと推定されるタイミングで電子ペーパー表示装置200-1のリフレッシュが行われるように制御する。
具体的に、表示制御装置100において、判定部124は、操作検出部123が検出する表示装置200の画像に対する操作として、非電子ペーパー表示装置200-2にて表示される画像上でカーソル(位置指示標示の一例)を移動させている操作が所定時間以上継続したとの条件(リフレッシュ実行条件)が満たされるか否かを判定するようにされる。なお、ここでのカーソルには、例えば文字入力に際して表示中の文字列に対して入力位置を指示するキャレット等も含まれてよい。
【0029】
上記のリフレッシュ実行条件が満たされた場合には、ユーザは、非電子ペーパー表示装置200-2の画面を注視しながらカーソルを移動させる操作を行っていることになる。従って、この際のユーザは、電子ペーパー表示装置200-1の画面を注視していないと推定できる。
このようにリフレッシュ実行条件が満たされると、表示制御部122は、電子ペーパー表示装置200-1にリフレッシュを実行させるように制御する。この際、表示制御部122は、例えば電子ペーパー表示装置200-1のタイミングコントローラ201にリフレッシュの実行を命令するようにしてよい。タイミングコントローラ201は、表示制御部122の命令に応じてリフレッシュを実行する。
【0030】
ただし、例えばユーザが、ドラッグ操作によって、ウィンドウ等の画面上のオブジェクトを電子ペーパー表示装置200-1の画面から非電子ペーパー表示装置200-2の画面に移動させる場合がある。このようなドラッグ操作が行われているときには、非電子ペーパー表示装置200-2の画面にてカーソルが所定時間以上継続して移動されている状態であっても、オブジェクトの一部が未だ電子ペーパー表示装置200-1の画面にて表示されているような状態となる可能性がある。
上記のような状態となっているときにリフレッシュが実行されると、リフレッシュの実行後に電子ペーパー表示装置200-1の画面から非電子ペーパー表示装置200-2の画面に移動したオブジェクトの部分に対応する残像が電子ペーパー表示装置200-1の画面に生じることになる。
そこで、リフレッシュ実行条件としては、非電子ペーパー表示装置200-2にて表示される画像上でカーソルを移動させている操作が所定時間以上継続したこと、かつ、電子ペーパー表示装置200-1にて表示されている画像が更新されていない状態にあること、とされてよい。
電子ペーパー表示装置200-1の画像においてオブジェクトが移動されているときには、電子ペーパー表示装置200-1の画像が更新されている。従って、電子ペーパー表示装置200-1にて表示されている画像が更新されていない状態であれば、電子ペーパー表示装置200-1の画像においてユーザの操作に応じたオブジェクトの移動は生じていないことになる。
このようなリフレッシュ実行条件であれば、非電子ペーパー表示装置200-2の画面にてカーソルが一定時間以上継続して移動したとしても、電子ペーパー表示装置200-1の画面にてオブジェクトが移動されているような状態ではリフレッシュが実行されない。例えば、その後において電子ペーパー表示装置200-1の画面から非電子ペーパー表示装置200-2の画面へのオブジェクトの移動が完了し、ユーザが非電子ペーパー表示装置200-2の画面上でカーソルを移動させていると、リフレッシュ実行条件が満たされ、リフレッシュが実行される。
【0031】
上記のようにしてリフレッシュ実行条件が満たされたことに応じて電子ペーパー表示装置200-1のリフレッシュが実行されることで、ユーザが電子ペーパー表示装置200-1の画面を注視していないときにリフレッシュが実行されることになる。このようにして、本実施形態においては、ユーザが逐一操作をしなくとも、ユーザにとって適切なタイミングで電子ペーパー表示装置200-1のリフレッシュが行われることとなる。
【0032】
図2のフローチャートを参照して、本実施形態の表示制御装置100が電子ペーパー表示装置200-1のリフレッシュに関連して実行する処理手順例について説明する。
【0033】
ステップS100:表示制御装置100において判定部124は、操作検出部123により検出される表示装置200の画面に対する操作の状態として、電子ペーパー表示装置(EPD(Electronic Paper Display))200-1以外の表示装置200の画面にてカーソルの移動が開始されるのを待機する。具体的には、判定部124は、図1の構成のもとで2つの表示装置200のうち非電子ペーパー表示装置200-2の画面にてカーソルの移動が開始されるのを待機する。
【0034】
ステップS102:非電子ペーパー表示装置200-2の画面にてカーソルの移動が開始されると、判定部124は、時間カウントを開始する。
【0035】
ステップS104:ステップS102による計時が開始された後において、判定部124は、非電子ペーパー表示装置200-2の画面におけるこれまでのカーソルの移動が停止したか否かを判定する。カーソルの移動が停止した場合にはステップS100に処理が戻される。
【0036】
ステップS106:ステップS104にてカーソルの移動が停止していないと判定された場合、判定部124は、非電子ペーパー表示装置200-2の画面内で移動中のカーソルが電子ペーパー表示装置200-1の画面内に移動してきたか否かを判定する。当該ステップS106により電子ペーパー表示装置200-1の画面内にカーソルが移動してきたと判定された場合には、ステップS100に処理が戻される。
【0037】
ステップS108:ステップS106にて電子ペーパー表示装置200-1の画面内にカーソルが移動してきていないと判定された場合、判定部124は、ステップS102によりカウントが開始された時間(カウント時間)が所定以上となったか否かを判定する。カウント時間が所定未満である場合には、ステップS104に処理が戻される。
【0038】
ステップS110:ステップS108にてカウント時間が所定以上となったことが判定された場合、判定部124は、さらに電子ペーパー表示装置200-1にて表示されている画面の少なくとも一部が更新中の状態であるか否かを判定する。電子ペーパー表示装置200-1の画面が更新中の状態であると判定された場合には、ステップS104に処理が戻される。
【0039】
ステップS112:電子ペーパー表示装置200-1の画面が更新中の状態ではないと判定された場合、表示制御部122は、電子ペーパー表示装置200-1にて画面のリフレッシュが実行されるように制御する。
【0040】
なお、同図の処理手順によると、非電子ペーパー表示装置200-2の画面にて、これまで停止していたカーソルが移動を開始してから一定時間が経過する都度に電子ペーパー表示装置200-1の画面のリフレッシュが実行されることになる。このようにリフレッシュが複数回実行されている間において、電子ペーパー表示装置200-1の画面が更新されないままの状態となる場合もある。この場合には、リフレッシュの必要性がないのにもかかわらず、非電子ペーパー表示装置200-2の画面にてカーソルが一定時間以上移動されるごとにリフレッシュが行われることになる。このように無駄にリフレッシュが繰り返される場合、ユーザも煩わしさを覚える可能性がある。
【0041】
そこで、図2のステップS100において、判定部124は、カーソルが非電子ペーパー表示装置200-2の画面にて移動が開始されたと判定した場合に、さらに最後に実行されたリフレッシュの後において、電子ペーパー表示装置200-1の画面の更新が行われているか否かを判定してよい。つまり、リフレッシュ実行条件において、電子ペーパー表示装置200-1の画面の更新が行われていることをさらに含めるようにしてよい。
この場合の判定部124は、電子ペーパー表示装置200-1の画面の更新が行われていないと判定した場合にはステップS100に処理を戻し、電子ペーパー表示装置200-1の画面の更新が行われていると判定した場合にはステップS102以降の処理に遷移してよい。このような処理手順とすることで、ユーザが非電子ペーパー表示装置200-2の画面上でカーソルを一定時間以上にわたって移動させる操作を行っても、前回のリフレッシュから電子ペーパー表示装置200-1の画面の更新が行われていなければリフレッシュが実行されないようにすることができる。
【0042】
また、電子ペーパー表示装置200-1は、例えばタイミングコントローラ201の制御により、表示モードとして所定の3以上の階調数により画面を表示するグレースケールモード(第1階調モードの一例)と、グレースケールモードよりも少ない階調数(例えば2階調)により画面を表示するディザモード(第2階調モードの一例)とで切り替えが可能とされている。グレースケールモードのリフレッシュレートは例えば2Hz程度と低いが、ディザモードのリフレッシュレートは例えば10Hz程度と高い。リフレッシュに際しては、リフレッシュレートが高いほうがUX等の観点からは好ましい。一方で、表示される画面の画質に関しては、グレースケールモードのほうがディザモードよりもなめらかで良質である。
そこで、例えば表示制御装置100の表示制御部122が、リフレッシュ実行条件が満たされていないときには電子ペーパー表示装置200-1にグレースケールモードを設定し、リフレッシュ実行条件が満たされてリフレッシュが行われるタイミングでは、ディザモードに切り替えるように制御してよい。
【0043】
なお、本実施形態のリフレッシュの構成は、電子ペーパー表示装置以外であって、特性上、画像の更新に応じて残像が発生する表示デバイスにも適用可能である。
【0044】
なお、上述の表示制御装置100としての機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上述の表示制御装置100としての処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるHDD、SSD等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD-ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部または外部に設けられた記録媒体も含まれる。配信サーバの記録媒体に記憶されるプログラムのコードは、端末装置で実行可能な形式のプログラムのコードと異なるものでもよい。すなわち、配信サーバからダウンロードされて端末装置で実行可能な形でインストールができるものであれば、配信サーバで記憶される形式は問わない。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後に端末装置で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【符号の説明】
【0045】
100 表示制御装置、101 入力デバイス部、102 制御部、103 記憶部、121 入力インターフェース部、122 表示制御部、123 操作検出部、124 判定部、125 出力インターフェース部、200-1 電子ペーパー表示装置、200-2 非電子ペーパー表示装置、201 タイミングコントローラ、202 表示パネル
図1
図2
【手続補正書】
【提出日】2024-03-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの電子ペーパー表示装置を含む複数の表示装置ごとの表示に関する制御を実行する表示制御部と、
前記表示装置にて表示される画面に対して行われる操作を検出する操作検出部と、
前記操作検出部により検出された操作が所定の条件を満たしたか否かを判定する判定部とを備え、
前記表示制御部は、前記所定の条件を満たしたと判定されたことに応じて、前記電子ペーパー表示装置の画面をリフレッシュするように表示制御を実行し
前記所定の条件は、前記複数の表示装置のうち電子ペーパー表示装置にて表示される画面に対する操作が行われておらず、かつ、前記複数の表示装置のうち電子ペーパー表示装置以外の表示装置にて表示される画面に対する所定の操作が一定時間以上継続することである
表示制御装置。
【請求項2】
前記所定の操作は、前記画面にて配置される位置指示標示の移動を伴う操作である
請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項3】
前記所定の条件は、さらに電子ペーパーディスプレイにて表示される画面の更新が生じていないことである
請求項1または2に記載の表示制御装置。
【請求項4】
前記表示制御部は、
前記所定の条件が満たされていないと判定されているときには所定の階調段階数による第1階調モードによる表示が電子ペーパー表示装置にて行われるように前記表示制御部に指示を出力し、
前記所定の条件が満たされていると判定されているときには前記第1階調モードによりも少ない階調段階数の第2階調モードによる表示が電子ペーパー表示装置にて行われるように前記表示制御部に指示を出力する
請求項1または2に記載の表示制御装置。
【請求項5】
表示制御装置における表示制御方法であって、
表示制御部が、少なくとも1つの電子ペーパー表示装置を含む複数の表示装置ごとの表示に関する表示制御を実行するステップと、
操作検出部が、前記表示装置にて表示される画面に対して行われる操作を検出するステップと、
判定部が、前記操作検出部により検出された操作の状態が所定の条件を満たしたか否かを判定するステップと、
前記表示制御部が、前記所定の条件を満たしたと判定されたことに応じて、前記電子ペーパー表示装置の画面をリフレッシュするように表示制御を実行するステップとを含み
前記所定の条件は、前記複数の表示装置のうち電子ペーパー表示装置にて表示される画面に対する操作が行われておらず、かつ、前記複数の表示装置のうち電子ペーパー表示装置以外の表示装置にて表示される画面に対する所定の操作が一定時間以上継続することである
表示制御方法。