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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024115784
(43)【公開日】2024-08-27
(54)【発明の名称】建具
(51)【国際特許分類】
   E06B 3/68 20060101AFI20240820BHJP
   E06B 3/72 20060101ALI20240820BHJP
   E06B 3/26 20060101ALI20240820BHJP
【FI】
E06B3/68 Z
E06B3/72
E06B3/26
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023021619
(22)【出願日】2023-02-15
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 将尚
(72)【発明者】
【氏名】梶川 健太
【テーマコード(参考)】
2E014
2E016
【Fターム(参考)】
2E014AA03
2E014BA01
2E014BA08
2E014BB01
2E016HA01
2E016JC05
2E016KA07
2E016LA01
2E016LB09
2E016LC02
2E016MA03
2E016MA06
2E016MA08
(57)【要約】
【課題】断熱性を向上できる建具を提供する。
【解決手段】高さ方向の中間部に設けられ幅方向に延びて上下それぞれに設けられる複層ガラス4を支持する中骨3を有し、中骨3は、金属部材5と、金属部材5の屋内側を覆う樹脂部材6と、を有し、金属部材5と樹脂部材6との間には、中空部101が形成されている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高さ方向の中間部に設けられ幅方向に延びて上下それぞれに設けられる面材を支持する横材を有し、
前記横材は、
幅方向全体にわたって設けられる金属部材と、
幅方向全体にわたって設けられ前記金属部材の屋内側を覆う樹脂部材と、を有し、
前記金属部材と前記樹脂部材との間には、部材間中空部が形成されている建具。
【請求項2】
前記樹脂部材には、樹脂部材中空部が形成されている請求項1に記載の建具。
【請求項3】
前記樹脂部材中空部は、前記樹脂部材に複数形成されている請求項2に記載の建具。
【請求項4】
前記金属部材は、躯体に固定されている請求項1から3のいずれか一項に記載の建具。
【請求項5】
前記金属部材には、前記面材の端部が挿入される溝部が形成されている請求項1から3のいずれか一項に記載の建具。
【請求項6】
前記樹脂部材と連続して設けられ、前記横材の下側に設けられる面材を押さえる樹脂押縁を有する請求項1から3のいずれか一項に記載の建具。
【請求項7】
前記樹脂部材は、前記面材を押さえる押縁部を有する請求項1から3のいずれか一項に記載の建具。
【請求項8】
前記樹脂部材の幅方向の端部と、前記横材の幅方向の端部が接続される縦材との接続部を覆う被覆部材を有する請求項1または2に記載の建具。
【請求項9】
前記樹脂部材は、前記金属部材と前記面材との間に設けられたパッキンと、前記金属部材との境界部の屋内側に設けられている請求項1または2に記載の建具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、建具に関する。
【背景技術】
【0002】
枠や框などに金属部材と樹脂部材が用いられた複合サッシでは、中桟や中骨などの横材を設ける場合、横材にも金属部材と樹脂部材が用いられている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-68251号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
横材が設けられた複合サッシでは、枠や框のみでなく、横材を介した外気の伝熱を抑制して断熱性を向上させることが望まれている。
【0005】
本開示は、断熱性を向上できる建具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本開示に係る建具は、高さ方向の中間部に設けられ幅方向に延びて上下それぞれに設けられる面材を支持する横材を有し、前記横材は、幅方向全体にわたって設けられる金属部材と、幅方向全体にわたって設けられ前記金属部材の屋内側を覆う樹脂部材と、を有し、前記金属部材と前記樹脂部材との間には、部材間中空部が形成され、前記樹脂部材には、樹脂部材中空部が形成されている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1実施形態の建具の正面図である。
図2図1のA-A線断面図である。
図3図1のB-B線断面図である。
図4図2の部分拡大図である。
図5】中骨に被覆部材が取り付けられた部分の断面図である。
図6】被覆部材の斜視図である。
図7】他の方向から見た被覆部材の斜視図である。
図8】第2実施形態の建具の中骨の縦断面図である。
図9】第3実施形態の建具の中骨の縦断面図である。
図10】第4実施形態の建具の中骨の縦断面図である。
図11】第5実施形態の建具の中骨の縦断面図である。
図12】第6実施形態の建具の中骨の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第1実施形態)
図1に示す第1実施形態の建具1Aは、FIX窓である。建具1Aは、枠体2と、中骨3と、複層ガラス4,4と、を有する。建具1Aは、枠体2および中骨3に金属部材と樹脂部材とが用いられた複合サッシである。中骨3は、左右方向に延びる部材である。中骨3は、特許請求の範囲の「横材」に相当する。複層ガラス4,4は、特許請求の範囲の「面材」に相当する。建具1Aは、屋外と屋内とを仕切る外壁に設けられている。図面では、屋外を符号11で示し、屋内を符号12で示す。以下では、建具1Aが設けられている外壁に沿った水平方向を左右方向と表記する。図面では、左右方向を矢印Xで示す。建具1Aが設けられている外壁に直交する方向であり、左右方向に直交する方向を屋内外方向と表記する。図面では、屋内外方向を矢印Yで示す。図面では、上下方向を矢印Zで示す。左右方向は、特許請求の範囲の「幅方向」に相当する。建具1Aを構成する各部材の説明においては、それぞれの部材が建具1Aの定位置に設置されている姿勢である。
【0009】
枠体2は、下枠21と、上枠22と一対の縦枠23,23と、を有する。縦枠23,23は、特許請求の範囲の「縦材」に相当する。中骨3は、一対の縦枠23,23の間に設けられている。中骨3の左右方向の一方の端部は、一方の縦枠23の上下方向の中間部と接合されている。中骨3の左右方向の他方の端部は、他方の縦枠23の上下方向の中間部と接合されている。複層ガラス4,4は、上下に配置されている。下側の複層ガラス4は、一対の縦枠23,23の間で、下枠21と中骨3との間に配置されている。上側の複層ガラス4は、一対の縦枠23,23の間で、上枠22と中骨3との間に配置されている。下枠21、上枠22、一対の縦枠23,23および中骨3には、それぞれ複層ガラス4の外縁部が嵌め込まれるガラス溝部が形成されている。図2および図3に示すように、下枠21、上枠22および一対の縦枠23,23は、それぞれ躯体13に固定されている。
【0010】
中骨3は、金属製の金属部材5と、樹脂製の樹脂部材6と、樹脂製の樹脂押縁7と、を有する。金属部材5、樹脂部材6および樹脂押縁7は、それぞれ中骨3の左右方向全体にわたって延びる長尺の形材である。金属部材5、樹脂部材6および樹脂押縁7は、それぞれ左右方向に延びる向きに配置されている。金属部材5、樹脂部材6および樹脂押縁7それぞれの左右方向に直交する断面形状は、左右方向全体にわたって略同じ形状である。金属部材5の左右方向の両端部は、一対の縦枠23,23に固定されている。金属部材5は、一対の縦枠23,23を介して躯体13に固定されている。樹脂部材6は、金属部材5の屋内側に設けられている。中骨3の樹脂押縁7は、下側の複層ガラス4の上縁部を屋内側から押さえている。中骨3の樹脂押縁7は、図1から図3に示す縦枠23に設けられ下側の複層ガラス4の左右方向の両縁部を押さえる樹脂押縁231、上枠22および縦枠23に設けられ上側の複層ガラス4の上縁部および左右方向の両縁部を押さえる樹脂押縁221,231と同様の構成である。
【0011】
中骨3には、下側の複層ガラス4の上縁部が嵌め込まれる下側ガラス溝部31と、上側の複層ガラス4の下縁部が嵌め込まれる上側ガラス溝部32と、が形成されている。中骨3は、複層ガラス4を支持している。下側ガラス溝部31および上側ガラス溝部32は、特許請求の範囲の「溝部」に相当する。
【0012】
図4に示すように、金属部材5は、屋外部51と、屋内部52と、を有する。屋内部52は、屋外部51の屋内側に連続して設けられている。屋外部51は、屋外板部511と、屋外上板部512と、屋外下板部513と、を有する。屋外板部511は、平板状に形成されている。屋外板部511は、板面が屋内外方向を向く姿勢に配置されている。屋外板部511は、中骨3における屋外側の端部に設けられている。屋外上板部512および屋外下板部513は、それぞれ平板状に形成されている。屋外上板部512および屋外下板部513は、それぞれ板面が水平面となる姿勢に配置される。屋外下板部513は、屋外上板部512の下側に間隔をあけて配置されている。屋外上板部512および屋外下板部513は、屋外板部511の上下方向の中間部から屋内側に突出している。
【0013】
屋外板部511の上縁部分には、屋内側に突出する2つの爪部514,514が上下方向に間隔をあけて設けられている。2つの爪部514,514の間には、上側の複層ガラス4の下縁部分と屋外板部511との間に設けられるシーリング材41が嵌め込まれている。屋外板部511の下縁部分には、屋内側に突出する2つの爪部515,515が上下方向に間隔をあけて設けられている。2つの爪部515,515の間には、下側の複層ガラス4の上縁部分と屋外板部511との間に設けられるシーリング材42が嵌め込まれている。
【0014】
シーリング材41には、中空部411,412が形成されている。屋外板部511とシーリング材41との間には、屋外板部511、2つの爪部514,514およびシーリング材41に囲まれた中空部413が形成されている。シーリング材42には、中空部421,422が形成されている。屋外板部511とシーリング材42との間には、屋外板部511、2つの爪部515,515およびシーリング材42に囲まれた中空部423が形成されている。
【0015】
屋内部52は、屋内板部53と、屋内上板部54と、押縁取付部55と、を有する。屋内板部53は、第1屋内板部531と、第2屋内板部532と、第3屋内板部533と、を有する。第1屋内板部531、第2屋内板部532および第3屋内板部533は、この順に下側から上側に配置されている。第1屋内板部531は、平板状に形成されている。第1屋内板部531は、板面が屋内外方向を向く姿勢に配置されている。第2屋内板部532は、第1屋内板部531の上端部から屋内側に突出している。第3屋内板部533は、第2屋内板部532の屋内側の端部から上方に突出している。第3屋内板部533の上端部には、屋外側に突出し更に下側に屈曲して突出する爪部534が設けられている。
【0016】
屋内板部53の下端部、すなわち第1屋内板部531の下端部は、屋外上板部512と屋外下板部513との間の高さに配置されている。第1屋内板部531の上下方向の中間部には、屋外上板部512の屋内側の端部512aが接合されている。第1屋内板部531の下端部は、押縁取付部55の押縁取付上板部551の上面に接続されている。押縁取付上板部551については後述する。屋内板部53の上端部、すなわち第3屋内板部533の上端部は、屋外板部511の上端部と同じ高さに配置されている。屋内板部53における屋外上板部512よりも上側の部分は、上側ガラス溝部32の屋内側の側部を形成している。屋内板部53の上端部に設けられた爪部534は、上側の複層ガラス4の下縁部分と屋内板部53との間に設けられるパッキン43に屋内側から接触している。パッキン43は、爪部534の上面のうち、屋外側の部分を上方から覆っている。
【0017】
屋内上板部54は、平板状に形成されている。屋内上板部54は、板面が水平面となる姿勢に配置される。屋内上板部54は、第3屋内板部533の上端部から屋内側に突出している。屋内上板部54の上面は、屋内板部53の上端部に設けられた爪部534の上面と面一に配置されている。
【0018】
押縁取付部55は、押縁取付上板部551と、押縁取付屋外板部552と、押縁取付屋内板部553と、固定部554と、を有する。押縁取付部55には、下方に開口する溝部558が形成されている。溝部558は、左右方向全体にわたって延びている。溝部558には、樹脂押縁7が嵌め込まれる。押縁取付上板部551は、平板状に形成されている。押縁取付上板部551は、板面が水平面となる姿勢に配置される。押縁取付屋外板部552および押縁取付屋内板部553は、それぞれ平板状に形成されている。押縁取付屋外板部552および押縁取付屋内板部553は、それぞれ板面が屋内外方向を向く姿勢に配置されている。押縁取付屋外板部552は、押縁取付上板部551の屋外側の端部から下方に延びている。押縁取付屋内板部553は、押縁取付上板部551の屋内側の端部から下方に延びている。押縁取付上板部551は、溝部558の底部を形成している。押縁取付屋外板部552は、溝部558の屋外側の側部を形成している、押縁取付屋内板部553は、溝部558の屋内側の側部を形成している。
【0019】
押縁取付屋外板部552の下端部には、屋内側に突出する突出部555が設けられている。押縁取付屋内板部553の下端部には、屋外側に突出する突出部556が設けられている。2つの突出部555,556は、屋内外方向に間隔をあけて対向している。固定部554は、樹脂部材6が固定される。固定部554は、押縁取付上板部551と押縁取付屋内板部553との角部から上方に突出している。固定部554の屋内側の面は、押縁取付屋内板部553の屋内側の面と面一に設けられている。固定部554の上端部には、屋外側に突出する突出部557が形成されている。押縁取付上板部551の屋外側の端部よりもやや屋内側となる位置には、屋内板部53の下端部が接続されている。押縁取付屋外板部552の上下方向の中間部には、屋外下板部513の屋内側の端部513aが接続されている。
【0020】
金属部材5には、下側ガラス溝部31および上側ガラス溝部32が形成されている。屋外部51の屋外下板部513は、下側ガラス溝部31の底部を形成している。屋外部51の屋外板部511における屋外下板部513よりも下側の部分は、下側ガラス溝部31の屋外側の側部を形成している。下側ガラス溝部31の屋内側の側部は、屋内部52の押縁取付屋外板部552および樹脂押縁7が形成している。屋外上板部512は、上側ガラス溝部32の底部を形成している。屋外板部511における屋外下板部513よりも上側の部分は、上側ガラス溝部32の屋外側の側部を形成している。屋内部52の第1屋内板部531における屋外下板部513よりも上側の部分は、上側ガラス溝部32の屋内側の側部を形成している。
【0021】
金属部材5には、屋外板部511、屋外上板部512、屋外下板部513および屋内部52に囲まれた中空部501が形成されている。
【0022】
樹脂部材6は、被覆部61と、第1固定部62と、第2固定部63と、を有する。被覆部61は、金属部材5の屋内側を被覆する。第1固定部62および第2固定部63は、被覆部61から屋外側に突出している。第1固定部62および第2固定部63は、金属部材5と固定される。
【0023】
被覆部61は、左右方向に延びる角筒状に形成されている。被覆部61は、屋外板部611と、屋内板部612と、上板部613と、下板部614と、中板部615と、を有する。屋外板部611、屋内板部612、上板部613、下板部614および中板部615は、それぞれ平板状に形成されている。屋外板部611は、被覆部61の角筒の屋内側の面を形成している。屋内板部612は、角筒の屋内側の面を形成している。上板部613は、角筒の上面を形成している。下板部614は、角筒の下面を形成している。中板部615は、板面が水平面となる姿勢に配置されている。中板部615は、上板部613と下板部614との間に設けられている。中板部615の屋外側の端部は、屋外板部611の上下方向の中間部と接続されている。中板部615の屋内側の端部は、屋内板部612の高さ方向の中間部に接続されている。屋内板部612の上端部分616は、上板部613の上面よりも上方に突出している。
【0024】
被覆部61には、屋外板部611、屋内板部612、上板部613および中板部615に囲まれた上側中空部601が形成されている。被覆部61には、屋外板部611、屋内板部612、下板部614および中板部615に囲まれた下側中空部602が形成されている。上側中空部601および下側中空部602は、特許請求の範囲の「樹脂部材中空部」に相当する。
【0025】
第1固定部62は、平板部621と、第1突出部622と、第2突出部623と、を有する。平板部621は、平板状に形成されている。平板部621は、板面が上下方向を向く姿勢に配置されている。平板部621は、屋外板部611と上板部613との角部から屋外側に突出している。平板部621の上面は、上板部613の上面と面一に配置されている。第1突出部622および第2突出部623は、平板部621の下面における屋内外方向の中間部から下方に突出している。第1突出部622は、第2突出部623の屋外側に間隔をあけて配置されている。
【0026】
第2固定部63は、第1板部631と、第2板部632と、を有する。第1板部631は、屋外板部611における中板部615が接続されている高さから屋外側に突出している。第2板部632は、第1板部631の屋外側の端部から下方に突出している。第2板部632の下端部には、屋外側に突出する突出部633が形成されている。第2板部632の下端部は、屋外板部611の下端部よりも上方に配置されている。
【0027】
樹脂部材6は、金属部材5に固定されている。被覆部61は、金属部材5の屋内側に配置されている。第1固定部62は、屋内上板部54および屋内板部53の上端部に設けられた爪部534の上に重なっている。第1固定部62の第1突出部622および第2突出部623それぞれの下端部は、屋内上板部54の上面と接触している。第1固定部62は、屋内上板部54にネジ62aで固定されている。ネジ62aは、第1固定部62における第1突出部622と第2突出部623との間を上下方向に貫通している。上述しているように、上側の複層ガラス4の下端部分と金属部材5の屋内板部53との間に設けられるパッキン43は、爪部534の上面のうち、屋外側の部分を上方から覆っている。第1固定部62の平板部621の屋外側の端部は、パッキン43における爪部534の上面を覆う部分の屋内側の端部を上方から覆っている。すなわち、第1固定部62は、パッキン43と金属部材5との境界部33を上方から覆っている。第1固定部62の第1突出部622は、パッキン43における爪部534の上面を覆う部分の屋内側に設けられている。すなわち、第1固定部62は、パッキン43と金属部材5との境界部33の屋内側に設けられている。
【0028】
第2固定部63の第2板部632が押縁取付部55の固定部554に引っ掛けられている。第2板部632の突出部633と固定部554の突出部557が噛み合っている。第2板部632の下端部は、押縁取付部55の押縁取付上板部551の上面と接触している。樹脂部材6の屋外板部611の屋外側の面は、金属部材5の屋内上板部54の屋内側の端部、押縁取付屋内板部553の屋内側の面および固定部554の屋内側の面と接触している。樹脂部材6の下板部614は、押縁取付部55よりも下方に配置されている。
【0029】
金属部材5と樹脂部材6との間には、金属部材5の屋内板部53、屋内上板部54、押縁取付部55の押縁取付上板部551、樹脂部材6の屋外板部611および第2固定部63に囲まれた中空部101が形成されている。中空部101は、特許請求の範囲の「部材間中空部」に相当する。金属部材5と樹脂部材6との間には、金属部材5の屋内上板部54、樹脂部材6の第1固定部62の平板部621、第1突出部622および第2突出部623に囲まれた中空部102が形成されている。金属部材5と樹脂部材6との間には、金属部材5の屋内上板部54、樹脂部材6の第1固定部62の平板部621、第2突出部623および屋外板部611に囲まれた中空部103が形成されている。金属部材5と樹脂部材6との間には、金属部材5の固定部554、樹脂部材6の屋外板部611および第2固定部63に囲まれた中空部104が形成されている。金属部材5と樹脂部材6との間には、金属部材5の押縁取付上板部551、固定部554、および樹脂部材6の第2固定部63に囲まれた空間105が形成されている。
【0030】
樹脂押縁7は、金属部材5の下側に取り付けられている。樹脂押縁7は、筒状部71と、第1挿入部72と、第2挿入部73と、屋内側突出部74と、ガラス押え部75と、を有する。筒状部71は、角筒状に形成されている。筒状部71は、屋外板部711と、屋内板部712と、溝側板部713と、ガラス側板部714と、を有する。屋外板部711、屋内板部712、溝側板部713およびガラス側板部714は、それぞれ平板状に形成されている。屋外板部711は、筒状部71の屋外側の面を形成している。屋内板部712は、筒状部71の屋内側の面を形成している。溝側板部713は、筒状部71の上側を形成している。ガラス側板部714は、筒状部71の下側の面を形成している。屋外板部711の下端部分の屋外側には、屋外側に開口する凹部715が形成されている。筒状部71には、屋外板部711、屋内板部712、溝側板部713およびガラス側板部714に囲まれた中空部76が形成されている。
【0031】
第1挿入部72は、屋外板部711と溝側板部713との角部から上側に突出している。第1挿入部72の上端部には、屋外側に突出する爪部721が形成されている。第1挿入部72の上下方向の中間部には、屋外側に突出する突出片722が形成されている。第2挿入部73は、溝側板部713の屋内方向の中間部から上側に突出している。第2挿入部73の上端部には、屋内側に突出する爪部731が形成されている。屋内側突出部74は、屋内板部712と溝側板部713との角部から屋内側かつ上側に突出している。ガラス押え部75は、屋外板部711とガラス側板部714との角部から屋外側に突出している。
【0032】
樹脂押縁7は、以下のように金属部材5に固定されている。樹脂押縁7は、金属部材5の押縁取付部55の下側に配置されている。樹脂押縁7の第1挿入部72および第2挿入部73が、押縁取付部55の溝部558に下側から挿し込まれている。樹脂押縁7の第1挿入部72の爪部721と突出片722との間に押縁取付部55の押縁取付屋外板部552の突出部555が配置されている。樹脂押縁7の第2挿入部73の爪部731の下側に、押縁取付部55の押縁取付屋内板部553の突出部556が配置されている。屋内側突出部74は、押縁取付屋内板部553の突出片586の下面と、樹脂部材6の被覆部61の屋外板部611の屋外側の面とがなす角部に沿って配置されている。ガラス押え部75は、下側の複層ガラス4の上縁部分と樹脂押縁7との間に設けられるパッキン44に屋内側から接触している。
【0033】
建具1Aの施工方法は、以下の手順で行なう。枠体2の縦枠23,23に中骨3の金属部材5を固定する。金属部材5に樹脂部材6を固定する。枠体2の下枠21と中骨3との間に下側の複層ガラス4を嵌めて、樹脂押縁7を金属部材5に固定して樹脂押縁7で下側の複層ガラス4の上縁部を押さえる。樹脂押縁231を縦枠23に固定して、樹脂押縁231で下側の複層ガラス4の左右方向の両縁部を押さえる。中骨3と枠体2の上枠22との間に上側の複層ガラス4を嵌め込み、樹脂押縁221を上枠22に固定して樹脂押縁7で上側の複層ガラス4の上縁部を押さえる。樹脂押縁231を縦枠23に固定して、樹脂押縁231で上側の複層ガラス4の左右方向の両縁部を押さえる。
【0034】
金属部材5と樹脂押縁7との間には、押縁取付部55の押縁取付上板部551、押縁取付屋外板部552、押縁取付屋内板部553、樹脂押縁7の筒状部71、第1挿入部72および第2挿入部73に囲まれた中空部106が形成されている。金属部材5と樹脂押縁7との間には、押縁取付部55の押縁取付屋内板部553の突出片586、樹脂押縁7の筒状部71の溝側板部713、第2挿入部73および屋内側突出部74に囲まれた中空部107が形成されている。
【0035】
図1および図5に示すように、建具1Aは、被覆部材8を更に有する。被覆部材8は、樹脂部材6の左右方向の一方の端部に取り付けられている。被覆部材8は、中骨3の左右方向の一方側の端部と、左右方向の一方側の縦枠23との接続部分を屋内側から覆っている。被覆部材8は、樹脂製である。被覆部材8は、樹脂部材6の左右方向の一方側の端部近傍を屋内側、上側および下側から覆っている。被覆部材8は、樹脂部材6の左右方向の一方側の端部よりもさらに左右方向の一方側に突出している。図5から図7に示すように、被覆部材8は、被覆部81と、固定部82と、を有する。図5に示すように、被覆部81は、樹脂部材6を覆っている。固定部82は、樹脂部材6に固定される。被覆部81は、左右方向に延びている。被覆部81は、左右方向から見た形状が屋外側に開口するC字形状である。被覆部81は、側板部83と、上板部84と、下板部85と、を有する。側板部83、上板部84および下板部85は、それぞれ平板状に形成されている。側板部83は、板面が屋内外方向を向く姿勢に配置される。上板部84は、側板部83の上縁部から屋外側に突出している。下板部85は、側板部83の下縁部から屋外側に突出している。
【0036】
上板部84の左右方向の一方側の部分は、他方側の部分よりも屋内外方向の寸法が小さく、切り欠かれている。上板部84の下面における屋内側の端部には、下側に開口する溝部841が形成されている。
【0037】
固定部82は、平板部821と、突出部822と、を有する。平板部821は、平板状に形成されている。平板部821は、板面が左右方向を向く姿勢に配置されている。平板部821の下縁部は、下板部85の上面における左右方向の中間部に接続されている。平板部821の屋内側の縁部は、側板部83の屋外側の面における左右方向の中間部に接続されている。突出部822は、平板部821から左右方向の他方側に突出している。突出部822は、左右方向から見た形状が屋内側に開口するC字形状である。突出部822と下板部85との間には、隙間が形成されている。突出部822は、樹脂部材6の下側中空部602に挿入可能な形状である。
【0038】
被覆部材8は、樹脂部材6に取り付けられている。突出部822が樹脂部材6の下側中空部602に左右方向の一方側から挿入されている。平板部821は、樹脂部材6の左右方向の一方側の端部と接触している。被覆部材8における平板部821よりも左右方向の一方側の部分は、樹脂部材6の左右方向の一方側の端部よりも左右方向の一方側に突出している。側板部83における平板部821よりも左右方向の他方側の部分は、樹脂部材6の屋内板部612の屋内側の面を覆っている。上板部84における平板部821よりも左右方向の他方側の部分は、樹脂部材6の上板部613および第1固定部62の平板部621の上面を覆っている。被覆部材8の上板部84は、樹脂部材6の第1固定部62の平板部621にネジなどの固定具で固定されている。上板部84における屋外側が切り欠かれていない部分が樹脂部材6の上板部613および第1固定部62の平板部621の上面を覆っている。下板部85における平板部821よりも左右方向の他方側の部分は、樹脂部材6の下板部614の下面を覆っている。上板部84の溝部841には、樹脂部材6の屋内板部612の上端部分616が挿入されている。このようにすることにより、樹脂部材6に取り付けられた被覆部材8が屋内側にずれることが防止される。側板部83における平板部821よりも左右方向の一方側の部分は、縦枠23と接触している。縦枠23は、図1を参照する。
【0039】
金属部材5と樹脂部材6との間には、中空部101が形成されている。このような構成にすることによって、中骨3の断熱性を向上できて、建具1Aの断熱性を向上できる。建具1Aの防露性も向上できる。
【0040】
樹脂部材6には、上側中空部601および下側中空部602が形成されている。このような構成にすることによって、中骨3の断熱性を向上できて、建具1Aの断熱性を向上できる。建具1Aの防露性も向上できる。
【0041】
中骨3は、建具1Aにおける高さ方向の中間部に設けられている。中骨3は、障子の框とは異なり枠体に覆われず、照射される日射量が多くなる。中骨3の断熱性は、中骨3を介した屋外から屋内への伝熱を抑制するために重要である。中骨3は、屋内の人が触れる機会が多い。中骨3の断熱性は、中骨3に触れた人に屋外の冷気や熱気が伝わらないようにするために重要である。
【0042】
樹脂部材6には、2つの樹脂部材中空部、すなわち上側中空部601および下側中空部602が形成され、上側中空部601と下側中空部602との間には、中板部615が設けられている。このような構成とすることによって、上側中空部601の空気と下側中空部602の空気との対流が抑えられ、建具1Aの断熱性を向上できる。樹脂部材6は、中空部が設けられていても、2つの中空部の間に中板部615が設けられているため、安定した形状を維持できる。
【0043】
建具1Aは、複合サッシのFIX窓である。金属部材5は、一対の縦枠23,23を介して躯体13に固定されている。このような構成にすることによって、建具1Aの断熱性能を向上できる。
【0044】
金属部材5には、下側ガラス溝部31および上側ガラス溝部32が形成されている。このような構成にすることによって、下側ガラス溝部31および上側ガラス溝部32の強度を確保できる。金属部材5は、樹脂製の部材と比べて熱による収縮の影響が少ない。このため、上側ガラス溝部32の熱による変形を抑制でき、水密性を安定させることができる。
【0045】
中骨3には、下側の複層ガラス4を押さえる樹脂押縁7が設けられている。このような構成とすることによって、金属製の部材で、複層ガラス4を押さえる場合と比べて、断熱性能を向上できる。
【0046】
樹脂押縁7と樹脂部材6とは別部材である。樹脂押縁7と樹脂部材6とをそれぞれ適宜選択して組み合わせることによって異なる形態の建具にも適用することができて、汎用性が良い。樹脂部材6および樹脂押縁7がそれぞれ金属部材5に固定されていることにより、樹脂部材6および樹脂押縁7のいずれか一方の交換を他方を取り外さずに容易にできる。
【0047】
建具1Aには、樹脂部材6の左右方向の一方側の端部と、左右方向の一方側の縦枠23との接続部を覆う被覆部材8が設けられている。このようにすることにより、熱収縮により中骨3の樹脂部材6の左右方向の端部と縦枠23との間に隙間が生じた場合でも、被覆部材8がその隙間を覆うことができる。
【0048】
樹脂部材6は、金属部材5と上側の複層ガラス4との間に設けられたパッキン43と、金属部材5との境界部33の屋内側に設けられている。このようにすることにより、金属部材5の屋内側への露出が防止され、金属部材5を介した屋外からの伝熱を遮断することができ、建具1Aの断熱性を向上できる。
【0049】
中骨3には、金属部材5と樹脂部材6との間の中空部101、樹脂部材6の上側中空部601および下側中空部602以外にも複数の中空部が形成されている。中骨3に複数の中空部が形成されていることにより、建具1Aの断熱性を向上できる。
【0050】
(第2実施形態)
図8に示すように、第2実施形態の建具1Bの中骨3Bは、第1実施形態の樹脂押縁7を備えておらず、下側の複層ガラス4を屋内側から押さえる押縁部を有する樹脂部材6Bを備えている。中骨3Bの金属部材5Bの屋内部52Bは、第1実施形態の押縁取付部55を備えていない。
【0051】
屋内部52Bは、屋内板部561と、屋内上板部562と、屋内下板部563と、を有する。屋内板部561は、第1屋内板部564と、第2屋内板部565と、第3屋内板部566と、を有する。第1屋内板部564の上端部564aは、屋外部51の屋外上板部512の屋内側の端部512aと接続されている。第1屋内板部564の下端部561bは、屋外部51の屋外下板部513の屋内側の端部513aと接続されている。第2屋内板部565は、第1屋内板部564の上端部から屋内側に延びている。第2屋内板部565の上面は、屋外上板部512の上面と面一に配置されている。第3屋内板部566は、第2屋内板部565の屋内側の端部から上方に延びている。屋内上板部562は、第3屋内板部566の上端部から屋外側に延びている。屋内下板部563は、第1屋内板部564の下端部561bから屋内側に突出している。屋内下板部563の下面は、屋外下板部513の下面と面一に配置されている。屋内下板部563の屋内側の端部には、上方に突出する突出部567が設けられている。金属部材5Bには、屋外板部511、屋外上板部512、屋外下板部513および第1屋内板部564に囲まれた中空部502が形成されている。
【0052】
樹脂部材6Bは、被覆部61Bと、第1固定部62Bと、第2固定部63Bと、を有する。被覆部61Bは、屋外板部641と、屋内板部642と、上板部643と、下板部644と、中板部645、ガラス押え部646と、突出部647を有する。ガラス押え部646は、下側の複層ガラス4を押さえる押縁部に相当する。屋外板部641および屋内板部642は、それぞれ平板状に形成されている。屋外板部641および屋内板部642は、それぞれ板面が屋内外方向を向く姿勢に配置されている。屋内板部642は、屋外板部641の屋外側に間隔をあけて配置されている。屋外板部641は、屋内板部642よりも上下方向の寸法が小さい。屋外板部641の下端部は、屋内板部642の下端部よりも上方に配置されている。屋外板部641の上端部は、屋内板部642の上端部よりも下方に配置されている。上板部643、中板部645および下板部644は、それぞれ平板状に形成されている。上板部643、中板部645および下板部644は、それぞれ板面が上下方向を向く姿勢に配置されている。上板部643、中板部645および下板部644は、この順に上側から下側に向かって間隔をあけて配置されている。
【0053】
上板部643は、屋内板部642の上端部から屋外側に突出している。下板部644は、屋外板部641の下端部から屋内側に延びている。下板部644の屋内側の端部は、屋内板部642の下端部よりもやや上側に接続されている。中板部645は、屋外板部641の上端部から屋内側に延びている。中板部645の屋内側の端部は、屋内板部642の上下方向の中間部と接続されている。ガラス押え部646は、屋外板部641の下端部から屋内側に突出している。突出部647は、屋内板部642における上板部643と中板部645との間の高さ位置から屋外側に突出している。樹脂部材6Bには、屋外板部641、屋内板部642、下板部644および中板部645に囲まれた中空部603が形成されている。中空部603は、特許請求の範囲の「樹脂部材中空部」に相当する。
【0054】
第1固定部62Bは、上板部643の屋外側の端部から更に屋外側に突出している。第1固定部62Bは、板部624と、第1突出部625と、第2突出部626と、を有する。板部624は、上板部643の屋外側の端部から屋外側に突出している。第1突出部625は、板部624の屋外側の端部から下方に突出している。第2突出部626は、板部624の屋内外方向の中間部から下方に突出している。第2固定部63Bは、第1板部634と、第2板部635と、を有する。第1板部634は、屋外板部641と中板部645との接続部から屋外側に突出している。第2板部635は、第1板部634の屋外側の端部から下方に突出している。
【0055】
樹脂部材6Bは、金属部材5Bに固定されている。被覆部61Bは、金属部材5Bの屋内側に配置されている。屋内板部642から屋外側に突出する突出部647の屋外側の端部は、金属部材5Bの第3屋内板部566の屋内側にわずかな隙間をあけて配置されている。突出部647の屋外側の端部は、第3屋内板部566の屋内側の面と接触していてもよい。第1固定部62Bは、金属部材5Bの屋内上板部562の上に重なっている。第1固定部62Bの第1突出部625は、屋内上板部562の屋外側の端部と上側の複層ガラス4の下縁部分のパッキン43との間に挿し込まれている。第1固定部62Bの第2突出部626は、屋内上板部562の上面と接触している。第2固定部63Bの第2板部635は、金属部材5の屋内下板部563の突出部567の屋外側に配置されている。第2固定部63Bの第2板部635は、金属部材5の屋内下板部563の突出部567に引っ掛けられている。ガラス押え部646は、下側の複層ガラス4の上縁部分と樹脂部材6Bとの間に設けられるパッキン44に屋内側から接触して押し付けている。
【0056】
金属部材5Bと樹脂部材6Bとの間には、金属部材5Bの屋内板部561、屋内上板部562、屋内下板部563、突出部567、樹脂部材6Bの屋内板部642、上板部643、中板部645、第1固定部62Bおよび第2固定部63Bに囲まれた中空部110が形成されている。中空部110は、特許請求の範囲の「部材間中空部」に相当する。
【0057】
第2実施形態の建具1Bは、第1実施形態の建具1Aと同様の効果を奏する。第2実施形態の建具1Bの樹脂部材6Bは、下側の複層ガラス4を押さえるガラス押え部646、すなわち押縁部を有する。このようにすることによって、第2実施形態の建具1Bは、部品点数を減らすことができ、製造や管理の簡便化を図ることができる。
【0058】
(第3実施形態)
図9に示すように、建具1Cの中骨3Cは、金属部材5Cと、樹脂部材6Cと、下側の複層ガラス4を押さえる下側樹脂押縁77と、上側の複層ガラス4を押さえる上側樹脂押縁78と、を有する。下側樹脂押縁77および上側樹脂押縁78は、第1実施形態の樹脂押縁7と同様の形態である。下側樹脂押縁77は、第1実施形態の樹脂押縁7と同じ向きに配置されている。上側樹脂押縁78は、第1実施形態の樹脂押縁7と上下反転した姿勢に配置されている。下側樹脂押縁77および上側樹脂押縁78は、樹脂部材6Cに取り付けられている。
【0059】
金属部材5Cの屋内部52Cは、屋内板部571と、屋内下板部572と、屋内中板部573と、を有する。
【0060】
屋内板部571は、第1屋内板部574と、第2屋内板部575と、第3屋内板部576と、を有する。第1屋内板部574の上端部574aは、屋外部51の屋外上板部512の屋内側の端部512aと接続されている。第1屋内板部574の下端部571bは、屋外部51の屋外下板部513の屋内側の端部513aと接続されている。第2屋内板部575は、第1屋内板部574の上端部574aから屋内側に延びている。第2屋内板部575の上面は、屋外上板部512の上面と面一に配置されている。第3屋内板部576は、第2屋内板部565の屋内側の端部から上方に延びている。屋内下板部572は、第1屋内板部574の下端部571bから屋内側に延びている。屋内下板部572の下面は、屋外下板部513の下面と面一に配置されている。屋内下板部572の屋内側の端部には、上方に突出する突出部577が設けられている。屋内中板部573は、第1屋内板部564の上下方向の中間部から屋内側に突出している。屋内中板部573の屋内側の端部には、上方に突出する突出部578が設けられている。金属部材5Cには、屋外板部511、屋外上板部512、屋外下板部513および第1屋内板部574に囲まれた中空部503が形成されている。
【0061】
樹脂部材6Cは、被覆部61Cと、第1固定部62Cと、第2固定部63Cと、を有する。被覆部61Cは、屋外板部651と、屋内板部652と、上板部653と、下板部654と、を有する。屋外板部651および屋内板部652は、それぞれ平板状に形成されている。屋外板部651および屋内板部652は、それぞれ板面が屋内外方向を向く姿勢に配置されている。屋内板部652と屋外板部651とは、屋内外方向に間隔をあけて配置されている。上板部653および下板部654は、それぞれ平板状に形成されている。上板部653および下板部654は、それぞれ板面が上下方向を向く姿勢に配置されている。上板部653と下板部654とは、上下方向に間隔をあけて配置されている。上板部653および下板部654は、それぞれ屋外板部651と屋内板部652との間に配置されている。上板部653のおよび下板部654は、それぞれ屋内板部652および屋外板部651の上下方向の中間部と接続されている。屋外板部651の上端部には、屋内側に突出する突出部655が設けられている。屋外板部651の下端部には、屋内側に突出する突出部656が設けられている。屋内板部652の上端部よりもやや下側には、屋外側に突出する突出部657が設けられている。屋内板部652の下端部よりもやや上側には、屋外側に突出する突出部658が設けられている。
【0062】
被覆部61Cには、屋外板部651、屋内板部652、上板部653および下板部654に囲まれた中空部604が形成されている。中空部604は、特許請求の範囲の「樹脂部材中空部」に相当する。被覆部61Cには、屋外板部651における下板部654よりも下側部分、屋内板部652における下板部654よりも下側部分、下板部654に囲まれた下方に開口する下側溝部65aが形成されている。下側溝部65aには、下方から下側樹脂押縁77が挿し込まれる。被覆部61Cには、屋外板部651における上板部653よりも上側部分、屋内板部652における上板部653よりも上側部分、上板部653に囲まれた上方に開口する上側溝部65bが形成されている。上側溝部65bには、上方から上側樹脂押縁78が挿し込まれる。
【0063】
第1固定部62Cは、第1板部627と、第2板部628と、を有する。第1板部627は、屋外板部651の下端部近傍から屋外側に突出している。第2板部628は、第1板部627の屋外側の端部から下方に突出している。第2固定部63Cは、第1板部637と、第2板部638と、を有する。第1板部637は、屋外板部651における上板部653が接合されている高さから屋外側に突出している。第2板部638は、第1板部637の屋外側の端部から下方に突出している。
【0064】
樹脂部材6Cは、金属部材5Cに固定されている。被覆部61Cは、金属部材5Cの屋内側に配置されている。第1固定部62Cの第2板部628は、金属部材5Cの屋内中板部573の突出部578の屋外側に配置されている。第2固定部63Cの第2板部638は、金属部材5Cの屋内下板部572の突出部577に引っ掛けられている。第2固定部63Cの第2板部638は、金属部材5Cの屋内中板部573の突出部578の屋外側に配置されている。第2固定部63Cの第2板部638は、金属部材5Cの屋内中板部573の突出部578に引っ掛けられている。
【0065】
金属部材5Cと樹脂部材6Cとの間には、金属部材5Cの第1屋内板部574、第2屋内板部575、樹脂部材6Cの屋外板部651および第2固定部63Cに囲まれた中空部121が形成されている。金属部材5Cと樹脂部材6Cとの間には、金属部材5Cの第1屋内板部574、屋内下板部572、屋内中板部573、樹脂部材6Cの屋外板部651、第1固定部62Cおよび第2固定部63Cに囲まれた中空部122が形成されている。中空部121および中空部122は、特許請求の範囲の「部材間中空部」に相当する。
【0066】
下側樹脂押縁77および上側樹脂押縁78は、金属部材5Cに固定された樹脂部材6Cに取り付けられる。下側樹脂押縁77の第1挿入部72および第2挿入部73が、被覆部61Cの下側溝部65aに下側から挿し込まれている。屋内側突出部74は、屋内板部652の屋外側の面と、屋内板部652の下端部近傍から突出する突出部658の下面とがなす角部に沿って配置されている。ガラス押え部75は、下側の複層ガラス4の上縁部分と樹脂押縁7との間に設けられるパッキン44に屋内側から接触している。上側樹脂押縁78の第1挿入部72および第2挿入部73が、被覆部61Cの上側溝部65bに上側から挿し込まれている。屋内側突出部74は、屋内板部652の屋外側の面と、屋内板部652の上端部近傍から突出する突出部657の上面とがなす角部に沿って配置されている。ガラス押え部75は、上側の複層ガラス4の上縁部分と樹脂押縁7との間に設けられるパッキン43に屋内側から接触している。
【0067】
樹脂部材6Cと下側樹脂押縁77との間には、樹脂部材6Cの屋内板部652の下端部近傍から突出する突出部658、下側樹脂押縁77の溝側板部713、第2挿入部73および屋内側突出部74に囲まれた中空部123が形成されている。樹脂部材6Cと上側樹脂押縁78との間には、樹脂部材6Cの屋内板部652の上端部近傍から突出する突出部657、上側樹脂押縁78の溝側板部713、第2挿入部73および屋内側突出部74に囲まれた中空部124が形成されている。
【0068】
第3実施形態の建具1Cは、第1実施形態の建具1Aと同様の効果を奏する。第3実施形態の建具1Cは、上側の複層ガラス4の下縁部も上側樹脂押縁78によって確実に押さえることができる。
【0069】
本開示は上記の実施形態に限定されるものではなく、適宜変更可能である。例えば、建具は、引き違い窓などのFIX窓以外であってもよい。引き違い窓などの障子に中骨3と同様の構成の中桟が設けられていてもよい。特許請求の範囲の「横材」は、中骨や中桟などの左右方向に延びる部材である。特許請求の範囲の「縦材」は、縦枠や縦框などの上下方向に延びる部材である。障子が開口部を開閉する引き違い窓など建具に設けられる横材は、躯体13に固定されていなくてもよい。
【0070】
金属部材5と樹脂部材6との間に形成される部材間中空部の数や、樹脂部材に形成される樹脂部材中空部の数は、適宜設定されてよい。樹脂部材6には、樹脂部材中空部が形成されていなくてもよい。部材間中空部や樹脂部材中空部が複数形成される場合は、複数の中空部の配列は、適宜設定されてよい。中骨3の下側ガラス溝部31および上側ガラス溝部32は、金属部材5に形成されていてもよいし、金属部材5と樹脂部材6とが形成していてもよい。第1実施形態の建具1Aには、樹脂部材6の端部と縦枠23との接合部を覆う被覆部材8が設けられていなくてもよい。第2実施形態の建具1Bおよび第3実施形態の建具1Cに被覆部材8が設けられていてもよい。樹脂部材6は、複層ガラス4に設けられたパッキン43と、金属部材5との境界部33の屋内側に設けられていなくてもよい。上記の実施形態では、樹脂部材6における第1固定部62の第1突出部622は、パッキン43と金属部材5との境界部33の屋内側端部の屋内側に隙間をあけて設けられている。樹脂部材6は、パッキン43と金属部材5との境界部33の屋内側端部と接して設けられていてもよい。すなわち、樹脂部材6は、パッキン43と金属部材5との境界部33の屋内側端部に設けられていてもよい。樹脂部材6は、複層ガラス4に設けられたパッキン43と、金属部材5との境界部33を覆っていなくてもよい。
【0071】
図10に示す建具1Dの中骨3Dのように、金属部材5Dに固定された樹脂部材6Dに下側の複層ガラス4の上縁部を押さえる樹脂押縁7が取り付けられていてもよい。樹脂部材6Dには、樹脂押縁7が挿し込まれる溝部661が形成されている。中骨3には、金属部材5Dと樹脂部材6Dとの間に、特許請求の範囲の「部材間中空部」に相当する2つの中空部131,132が形成されている。樹脂部材6Dには、特許請求の範囲の「樹脂部材中空部」に相当する2つの中空部133,134が形成されている。
【0072】
図11に示す建具1Eの中骨3Eのように、下側ガラス溝部31および上側ガラス溝部32が形成された金属部材5Eに、下側の複層ガラス4を押さえる押縁部671および上側の複層ガラス4を押さえる押縁部672を有する樹脂部材6Eが固定されていてもよい。中骨3Eでは、金属部材5Eおよび樹脂部材6Eが上側の複層ガラス4の下縁部および下側の複層ガラス4の上縁部を屋内側から押さえている。中骨3Eには、金属部材5Eと樹脂部材6Eとの間に特許請求の範囲の「部材間中空部」に相当する3つの中空部141,142,143が形成されている。中骨3の樹脂部材6には、特許請求の範囲の「樹脂部材中空部」に相当する2つの中空部144,145が形成されている。
【0073】
図12に示す建具1Fの中骨3Fのように、金属部材5Fに下側の複層ガラス4の上縁部を押さえる下側樹脂押縁77Fと、上側の複層ガラス4の下縁部を押さえる上側樹脂押縁78Fとが固定されていてもよい。金属部材5Fには、下側樹脂押縁77Fが挿し込まれる溝部591および上側樹脂押縁78Fが挿し込まれる溝部592が形成されている。樹脂部材6Fは、金属部材5F、下側樹脂押縁77Fおよび上側樹脂押縁78Fの屋内側を覆っている。中骨3Fには、金属部材5Fと樹脂部材6Fとの間に特許請求の範囲の「部材間中空部」に相当する中空部151が形成されている。樹脂部材6Fには、特許請求の範囲の「樹脂部材中空部」に相当する中空部152,153が形成されている。中骨3Fには、金属部材5F、樹脂部材6Fおよび下側樹脂押縁77Fに囲まれた中空部154が形成されている。中骨3Fには、金属部材5F、樹脂部材6Fおよび上側樹脂押縁78Fに囲まれた中空部155が形成されている。
【符号の説明】
【0074】
1A,1B,1C,1D,1E,1F 建具、3,3B,3C,3D,3E,3F 中骨、4 複層ガラス、5,5B,5C,5D,5E,5F 金属部材、6,6B,6C,6D,6E,6F 樹脂部材、7 樹脂押縁、8 被覆部材、23 縦枠、31 下側ガラス溝部、32 上側ガラス溝部、33 境界部、43,44 パッキン、77,7F 下側樹脂押縁、78,78F 上側樹脂押縁、101,110,121,122,131,132,141,142,143,151 中空部、133,134,144,145,152,153,603,604 中空部、601 上側中空部、602 下側中空部、646 ガラス押え部、671,672 押縁部
図1
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図12