(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024115787
(43)【公開日】2024-08-27
(54)【発明の名称】仮設防護柵
(51)【国際特許分類】
E21D 19/04 20060101AFI20240820BHJP
【FI】
E21D19/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023021622
(22)【出願日】2023-02-15
(71)【出願人】
【識別番号】000216025
【氏名又は名称】鉄建建設株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】505398952
【氏名又は名称】中日本高速道路株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】596007979
【氏名又は名称】大栄工機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121603
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 元昭
(74)【代理人】
【識別番号】100141656
【弁理士】
【氏名又は名称】大田 英司
(74)【代理人】
【識別番号】100067747
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 良昭
(72)【発明者】
【氏名】林 忠男
(72)【発明者】
【氏名】植中 靖二
(72)【発明者】
【氏名】須志田 藤雄
(72)【発明者】
【氏名】大西 春信
(72)【発明者】
【氏名】瀧本 博文
(72)【発明者】
【氏名】舟橋 孝仁
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】斉藤 岳
(72)【発明者】
【氏名】小林 雅彦
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 猛彦
【テーマコード(参考)】
2D155
【Fターム(参考)】
2D155AA02
2D155FB01
2D155FB07
2D155LA17
(57)【要約】
【課題】設置及び撤去に要する時間を短縮できるとともに、作業空間Sbで作業する作業員の安全性を確保できる仮設防護柵3を提供することを目的とする。
【解決手段】供用中のトンネル1の内部に配置される仮設防護柵3であって、トンネル1の内部の車線を跨いで配置される断面門型形状の防護工台車2と、防護工台車2における側壁部21の内側に配置されるビーム31と、ビーム31を支持するともに、ビーム31に対して斜め下方の位置で防護工台車2の側壁部21に固定された支柱構造体32とが備えらえたことを特徴とする。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
供用中のトンネルの内部に配置される仮設防護柵であって、
前記トンネルの内部の車線を跨いで配置される断面門型形状の防護工台車と、
前記防護工台車における側部の内側に配置されるビームと、
該ビームを支持するともに、前記ビームに対して斜め下方の位置で前記防護工台車の前記側部に固定された支柱構造体とが備えらえた
仮設防護柵。
【請求項2】
前記支柱構造体は、
前記ビームに固定される取付部材と、
該取付部材が取り付けられる取付面を有するとともに、前記防護工台車に固定される台座部材とが備えられた
請求項1に記載の仮設防護柵。
【請求項3】
前記支柱構造体は、
前記台座部材の前記取付面と前記取付部材との間に弾性を有する弾性部材が備えられた
請求項2に記載の仮設防護柵。
【請求項4】
前記台座部材の前記取付面は、
前記ビームと前記取付部材との連結箇所よりも下方の位置において、前記ビームから前記防護工台車へ向かう荷重伝達方向に対して略直交する傾斜面で構成された
請求項3に記載の仮設防護柵。
【請求項5】
前記ビームの長手方向に平面視直交する方向を直交方向として、
前記支柱構造体は、
前記弾性部材を挟んで前記台座部材と前記取付部材とを連結する複数の連結部材が備えられ、
該複数の連結部材は、
前記取付面における前記直交方向の中央よりも前記ビーム側で、前記長手方向に所定間隔を隔てて配置された
請求項4に記載の仮設防護柵。
【請求項6】
前記取付部材が、前記台座部材に対して当接した状態で固定され、
前記取付部材が当接する前記台座部材の前記取付面は、
水平方向及び鉛直方向に対して交差する傾斜面で構成された
請求項2に記載の仮設防護柵。
【請求項7】
前記取付部材及び前記台座部材が、
前記ビームの長手方向に厚みを有する板状の壁部を備え、
前記取付部材の前記壁部と前記台座部材の前記壁部とが、前記長手方向における異なる位置に設けられた
請求項2に記載の仮設防護柵。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えばトンネルの内面となす覆工コンクリートを改修する際、供用中のトンネルの内部に配置するような仮設防護柵に関する。
【背景技術】
【0002】
供用中のトンネルには、トンネル構築後の経年によって、トンネル内面を構成する覆工コンクリートの耐久性が低下し、改修を要するものがある。この際、供用中のトンネルを、例えば夜間のみ通行止めにして改修を行うことが考えられるが、施工時間が夜間に限られるため工期が長くなるおそれがあった。
【0003】
そこで、昨今では、車両を通過させながらトンネルの改修を行う様々な技術が提案されている。
例えば特許文献1は、車両が通行可能な空間を内側に有する断面門型形状の防護工台車をトンネル内部に配置することで、車両を通行させながらトンネルの改修を可能にしている。
【0004】
ところで、トンネルの内部に防護工台車を配置して車両を通行させる場合、例えば特許文献1に図示されたように、支柱が埋設されたコンクリートブロックの土台をトンネル内部の路面に所定間隔を隔てて配置し、隣接する支柱をビームで連結して構成した仮設の防護柵を、防護工台車の内側に設置する必要がある。
【0005】
しかしながら、このような仮設の防護柵は、常設の防護柵とは異なり、改修工事の進捗に応じて設置または撤去する必要がある。この際、仮設の防護柵では、設置や撤去のたびにビームの着脱や土台の移動が必要となるため、設置や撤去に時間を要するという問題がある。
【0006】
そこで、ビームを防護工台車に固定することが考えられるが、通行する車両などの衝突物がビームに衝突した際、防護工台車が衝突荷重によって水平方向へ移動するおそれがある。そうすると、防護工台車が脱線して、作業空間で作業する作業員の安全を確保できなくなるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上述の問題に鑑み、設置及び撤去に要する時間を短縮できるとともに、作業空間で作業する作業員の安全性を確保できる仮設防護柵を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明は、供用中のトンネルの内部に配置される仮設防護柵であって、前記トンネルの内部の車線を跨いで配置される断面門型形状の防護工台車と、前記防護工台車における側部の内側に配置されるビームと、該ビームを支持するともに、前記ビームに対して斜め下方の位置で前記防護工台車の前記側部に固定された支柱構造体とが備えらえたことを特徴とする。
【0010】
上記防護工台車とは、路面上または路面に敷設した軌道上を移動可能であって、枠体に鋼板を固定したもの、あるいは枠体のみで構成されたものをいう。
上記ビームは、波型の鋼板で構成されたガードレール、筒状の鋼管で構成されたボックスビームなどのことをいう。
【0011】
この発明によれば、ビームが支柱構造体を介して防護工台車の側部に固定されるため、改修工事の進捗に応じて防護工台車が移動する際、防護工台車とともにビームを移動させることができる。このため、仮設防護柵は、改修工事の進捗に応じたビームの着脱や移動を不要にすることができる。
【0012】
さらに、支柱構造体がビームに対して斜め下方の位置で防護工台車に固定されているため、支柱構造体は、ビームに作用する水平方向の衝突荷重を、水平方向の荷重成分と下方向の荷重成分とに分散して防護工台車に伝達することができる。
【0013】
このため、仮設防護柵は、ビームと防護工台車とを水平方向で連結する支柱構造体に比べて、防護工台車に作用する水平方向の荷重成分を低減することができる。つまり、仮設防護柵は、衝突物がビームに衝突した際、防護工台車を水平方向に押圧する荷重を低減することができる。
【0014】
加えて、仮設防護柵は、衝突荷重による防護工台車の上方へ浮き上がりを、防護工台車の側部に作用する下方向の荷重成分によって防止できる。
これにより、仮設防護柵は、防護工台車の水平方向への移動を抑えられるため、衝突物がビームに衝突した際、防護工台車が脱線したりすることを防止できる。
よって、仮設防護柵は、設置及び撤去に要する時間を短縮できるとともに、作業空間で作業する作業員の安全性を確保することができる。
【0015】
この発明の態様として、前記支柱構造体は、前記ビームに固定される取付部材と、該取付部材が取り付けられる取付面を有するとともに、前記防護工台車に固定される台座部材とが備えられてもよい。
【0016】
この構成によれば、取付部材及び台座部材が一体化された支柱構造体に比べて、取付部材から台座部材への荷重伝達にロスが生じ易くなる。このため、仮設防護柵は、支柱構造体を介して防護工台車に伝達される伝達荷重を、取付部材及び台座部材が一体化された支柱構造体に比べて低減することができる。
これにより、仮設防護柵は、支柱構造体を介して防護工台車に作用する水平方向の荷重成分を低減できるため、衝突荷重による防護工台車の水平方向への移動を抑えることができる。
【0017】
またこの発明の態様として、前記支柱構造体は、前記台座部材の前記取付面と前記取付部材との間に弾性を有する弾性部材が備えられてもよい。
この構成によれば、取付部材から台座部材に伝達される伝達荷重を、取付部材と台座部材との間に介在する弾性部材によって吸収することができる。
これにより、仮設防護柵は、支柱構造体を介して防護工台車に伝達される伝達荷重をさらに低減できるため、衝突荷重による防護工台車の水平方向への移動を抑えることができる。
【0018】
またこの発明の態様として、前記台座部材の前記取付面は、前記ビームと前記取付部材との連結箇所よりも下方の位置において、前記ビームから前記防護工台車へ向かう荷重伝達方向に対して略直交する傾斜面で構成されてもよい。
この構成によれば、防護工台車の水平方向への移動をより抑えられるため、作業空間で作業する作業員の安全性を向上することができる。
【0019】
具体的には、支柱構造体がビームに対して斜め下方の位置で防護工台車に固定されているため、衝突物がビームに衝突した際、ビームに作用する水平方向の衝突荷重が、長手方向を回転軸として支柱構造体を防護工台車へ向けて回動させる荷重として支柱構造体に作用する。
【0020】
この際、ビームから防護工台車へ向かう荷重伝達方向に対して略直交する台座部材の取付面と台座部材との間に弾性部材が介在しているため、支柱構造体は、ビームに作用する水平方向の衝突荷重によって、取付部材が防護工台車へ向けて回動することになる。
【0021】
さらに、台座部材の取付面がビームと取付部材との連結箇所よりも下方に位置するため、仮設防護柵は、衝突物がビームに衝突した際、取付部材を確実に回動させることができる。
【0022】
これにより、仮設防護柵は、ビームに作用する水平方向の衝突荷重を下方向の荷重に変換して防護工台車に作用させられるため、衝突荷重による防護工台車の上方へ浮き上がりをより防止することができる。
よって、仮設防護柵は、防護工台車の水平方向への移動をより抑えられるため、作業空間で作業する作業員の安全性を向上することができる。
【0023】
またこの発明の態様として、前記ビームの長手方向に平面視直交する方向を直交方向として、前記支柱構造体は、前記弾性部材を挟んで前記台座部材と前記取付部材とを連結する複数の連結部材が備えられ、該複数の連結部材は、前記取付面における前記直交方向の中央よりも前記ビーム側で、前記長手方向に所定間隔を隔てて配置されてもよい。
【0024】
この構成によれば、例えば取付面における直交方向の中央に複数の連結部材を設けた場合に比べて、ビームに作用する水平方向の衝突荷重を、支柱構造体を防護工台車へ向けて回動させる荷重として支柱構造体に作用させることができる。
【0025】
これにより、仮設防護柵は、ビームに作用する水平方向の衝突荷重を確実に下方向の荷重に変換して防護工台車に作用させられるため、防護工台車の水平方向への移動を確実に抑えることができる。
【0026】
またこの発明の態様として、前記取付部材が、前記台座部材に対して当接した状態で固定され、前記取付部材が当接する前記台座部材の前記取付面は、水平方向及び鉛直方向に対して交差する傾斜面で構成されてもよい。
この構成によれば、ビームに作用する水平方向の衝突荷重が、取付部材を介して台座部材の取付面に作用した際、台座部材の取付面に作用した荷重を、ビームから防護工台車に向かう荷重伝達方向の荷重成分と取付面に平行な方向の荷重成分とに分散することができる。
【0027】
これにより、仮設防護柵は、荷重伝達方向に沿って台座部材から防護工台車に伝達される伝達荷重が低減するため、支柱構造体を介して防護工台車に作用する水平方向の荷重成分を低減することができる。このため、仮設防護柵は、衝突荷重による防護工台車の水平方向への移動を抑えることができる。
【0028】
またこの発明の態様として、前記取付部材及び前記台座部材が、前記ビームの長手方向に厚みを有する板状の壁部を備え、前記取付部材の前記壁部と前記台座部材の前記壁部とが、前記長手方向における異なる位置に設けられてもよい。
【0029】
この構成によれば、ビームから防護工台車に伝達される伝達荷重が、取付部材の壁部から台座部材の壁部に直接的に伝達されることがない。このため、仮設防護柵は、取付部材の壁部と台座部材の壁部とが長手方向における同じ位置に配置された場合に比べて、取付部材から台座部材への荷重伝達にロスを生じさせることができる。
【0030】
これにより、仮設防護柵は、台座部材を介して防護工台車に作用する水平方向の荷重成分をより低減できるため、衝突荷重による防護工台車の水平方向への移動をより抑えることができる。
【発明の効果】
【0031】
本発明により、設置及び撤去に要する時間を短縮できるとともに、作業空間で作業する作業員の安全性を確保できる仮設防護柵を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】トンネル改修工法における防護工台車の設置状態の概略を説明する概略図。
【
図4】防護工台車の外側から見た仮設防護柵の外観を示す外観斜視図。
【
図5】分解状態における仮設防護柵の外観を示す分解斜視図。
【
図6】防護工台車の外側から見た仮設防護柵の外観を示す側面図。
【
図8】衝突物が衝突した際の仮設防護柵の状態をB-B矢視断面で説明する説明図。
【発明を実施するための形態】
【0033】
この発明の一実施形態を、
図1から
図8とともに説明する。
なお、
図1はトンネル改修工法における防護工台車2の設置状態の概略を説明する概略図を示し、
図2は
図1中のA-A矢視断面図を示し、
図3は仮設防護柵3の正面図を示し、
図4は防護工台車2の外側から見た仮設防護柵3の外観斜視図を示している。
【0034】
さらに、
図5は仮設防護柵3の分解斜視図を示し、
図6は防護工台車2の外側から見た仮設防護柵3の側面図を示し、
図7は
図6中のB-B矢視断面図を示し、
図8は衝突物が衝突した際の仮設防護柵3の状態をB-B矢視断面で説明する説明図を示している。
【0035】
また、
図1中の上側を防護工台車2の上方とし、
図1中の下側を防護工台車2の下方として、図中の矢印Xが防護工台車2の長手方向(以降、長手方向Xと呼ぶ)を示し、図中の矢印Yが長手方向Xに対して平面視直交する幅方向(以降、幅方向Yと呼ぶ)を示している。
【0036】
さらに、幅方向Yにおいて、後述する防護工台車2の一方の側壁部21から他方の側壁部21へ向かう方向を幅方向内方INとし、幅方向内方INとは逆向きの方向を幅方向外方OUTとする。
【0037】
まず、トンネル1の内壁を改修するトンネル改修工法では、
図1に示すように、車両Vが通行可能な内部空間を有する防護工台車2と、車両Vの車線逸脱などを防止する一対の仮設防護柵3とをトンネル1の内部に設置することで、トンネル1を供用しながらトンネル1の内面を構成する覆工コンクリート1aの改修を行う。
【0038】
なお、防護工台車2は、
図2に示すように、トンネル1の内部において、トンネル1の延設方向に沿って複数配置され、トンネル1の延設方向に延びる車両Vの通行空間Sa(
図1参照)を構成している。
【0039】
このような施工方法における防護工台車2は、
図1及び
図2に示すように、長手方向Xに延びる正面視門型形状であって、トンネル1の内部において、覆工コンクリート1aを改修する作業員が作業するための作業空間Sbを、トンネル1の内面との間に構成している。
【0040】
この防護工台車2は、詳細な図示を省略するが、通行空間Saと作業空間Sbを隔てる壁面を有する構成であって、例えばH型鋼を門型形状に組み合わせた躯体と、躯体の開口を塞ぐ鋼板とで構成されている。
【0041】
より詳しくは、防護工台車2は、
図1に示すように、車両Vが通行する車線を跨いで幅方向Yに対向する一対の側壁部21と、側壁部21の上端から他方の側壁部21へ向けて斜め上方へ延びる一対の傾斜面部22と、傾斜面部22を連結する天面部23とで正面視門型形状に形成されている。
【0042】
さらに、防護工台車2は、側壁部21の下部に枢支されるとともに、コンクリートまたはアスファルトで舗装された平滑な路面4に仮設した一対の軌道5上を転動する複数の車輪24を備えている。
なお、車輪24は、例えば回転軸に沿った方向で対向する一対のツバ部を有する両ツバ車輪で構成されている(
図3参照)。
【0043】
一方、一対の仮設防護柵3は、
図1から
図3に示すように、防護工台車2における側壁部21の内側(通行空間Sa側)に配置された仮設のガードレールである。
この仮設防護柵3は、
図2及び
図3に示すように、長手方向Xに延びる断面波形のビーム31と、長手方向Xに所定間隔を隔てて配置されるとともに、防護工台車2を土台としてビーム31を支持する複数の支柱構造体32とを備えている。
【0044】
詳述すると、ビーム31は、
図3に示すように、防護工台車2の側壁部21に対して幅方向内方INに所定間隔を隔てるとともに、側壁部21の下端よりも上方の位置に配置されている。
さらに、ビーム31は、
図3から
図5に示すように、上下方向の略中央が、固定ボルト33及び固定ナット34を介して、後述する支柱構造体32に固定されている。
【0045】
このため、ビーム31における上下方向の略中央には、
図5に示すように、固定ボルト33を幅方向Yに沿って挿通する貫通孔31aが開口形成されている。
なお、貫通孔31aは、1つの支柱構造体32に対して、長手方向Xに所定間隔を隔てて2つ設けられている。
【0046】
また、支柱構造体32は、
図3に示すように、ビーム31の上下方向の略中央よりも下方に位置する防護工台車2の側壁部21の下端近傍と、ビーム31の上下方向の略中央とを連結する構造体である。
【0047】
換言すると、支柱構造体32は、ビーム31に対して斜め下方の位置で防護工台車2における側壁部21の下部に固定され、防護工台車2の側壁部21の下部から斜め上方へ向けて延びてビーム31を支持する構造体である。
【0048】
この支柱構造体32は、
図3及び
図4に示すように、防護工台車2の側壁部21に固定された台座部材35と、ビーム31が取り付けられる取付部材36と、台座部材35と取付部材36との間に介在する弾性部材37と、台座部材35に取付部材36を連結する一対の連結部材38とを備えている。
【0049】
支柱構造体32の台座部材35は、
図4から
図6に示すように、上下方向で対向する台座底部351及び台座上部352と、長手方向Xに所定間隔を隔てて配置された3つの台座壁部353とで、幅方向Yに開口したボックス状に形成されている。
この台座部材35は、台座底部351、台座上部352及び台座壁部353における幅方向外方OUTの端面が、防護工台車2の側壁部21に接合されている。
【0050】
具体的には、台座底部351は、
図5及び
図7に示すように、上下方向に厚みを有する鋼板であって、長手方向Xに長い平面視略矩形に形成されている。
また、台座上部352は、
図5から
図7に示すように、台座底部351に同じ上下方向の厚みと長手方向Xの長さとを有する鋼板であって、幅方向Yの長さが台座底部351よりも長い平面視略矩形に形成されている。
【0051】
この台座上部352は、
図7に示すように、幅方向内方INの縁端が幅方向外方OUTの縁端に対して下方に位置するように、主面が幅方向Y及び上下方向に対して交差する傾斜面となるように配置されている。
【0052】
より詳しくは、台座上部352の主面は、
図7に示すように、ビーム31と取付部材36の締結箇所と台座底部351における幅方向Yの中央とを結ぶ仮想直線Lに略平行な荷重伝達方向に対して略直交する傾斜角度で傾斜している。
【0053】
このように配置された台座上部352の上面は、弾性部材37が当接するとともに、弾性部材37を挟んで取付部材36が取り付けられる取付面352aを構成している。
【0054】
さらに、台座上部352には、幅方向Yの中央よりも幅方向内方INにおいて、板厚方向に貫通する2つの挿通孔35aが長手方向Xの両端近傍に開口形成されている。この2つの挿通孔35aには、台座部材35に取付部材36を連結する連結部材38が挿通される。
【0055】
また、3つの台座壁部353は、
図6及び
図7に示すように、長手方向Xに厚みを有する鋼板であって、台座底部351の上面と台座上部352の下面を連結する正面視逆台形状に形成されている。
【0056】
この3つの台座壁部353は、
図6に示すように、台座底部351における長手方向Xの両端と、台座底部351における長手方向Xの略中央とに配置されるとともに、台座底部351の上面及び台座上部352の下面にそれぞれ接合されている。
【0057】
また、支柱構造体32の取付部材36は、
図4及び
図5に示すように、ビーム31が固定されるビーム固定部361と、弾性部材37を挟んで台座上部352に取り付けられる取付底部362とを備えている。
さらに、取付部材36は、取付底部362の下面に垂設された規制壁部363と、取付底部362とビーム固定部361とに跨る2つの補強壁部364とを備えている。
【0058】
具体的には、ビーム固定部361は、
図5から
図7に示すように、幅方向Yに厚みを有する鋼板であって、長手方向Xの長さが台座部材35に略同じ側面視略矩形に形成されている。
このビーム固定部361の上部には、
図5に示すように、固定ボルト33が幅方向Yに沿って挿通される2つの挿通孔36aが長手方向Xの両端近傍に開口形成されている。
【0059】
また、取付底部362は、
図5及び
図7に示すように、上下方向に厚みを有する鋼板であって、ビーム固定部361に略同じ長手方向Xの長さと、台座部材35の台座上部352よりも短い幅方向Yの長さを有する略矩形に形成されている。
【0060】
この取付底部362は、
図7に示すように、主面が台座部材35の取付面352aに略平行となる状態で、幅方向内方IN側の端部がビーム固定部361の下端に接合されている。
このように配置された取付底部362の下面は、弾性部材37が当接するとともに、弾性部材37を挟んで台座部材35の取付面352aに対向する対向面362aを構成している。
【0061】
さらに、取付底部362には、幅方向Yの中央よりも幅方向内方INにおいて、板厚方向に貫通するとともに、弾性部材37を介して台座部材35の挿通孔35aに連通する2つの挿通孔36bが、長手方向Xの両端近傍に開口形成されている。
【0062】
また、規制壁部363は、
図7に示すように、取付底部362の下面における幅方向内方IN側の端部において、取付底部362の対向面362aに平行な方向における弾性部材37の位置を規制する部材である。この規制壁部363は、取付底部362の対向面362aに対して立設するように、取付底部362に接合されている。
【0063】
より詳しくは、規制壁部363は、
図5及び
図7に示すように、取付底部362の対向面362aに平行な方向に厚みを有する鋼板であって、長手方向Xの長さが取付底部362に略同じ略矩形に形成されている。この規制壁部363は、取付底部362の板厚方向に沿った長さが、弾性部材37の板厚よりも短くなるように形成されている。
【0064】
また、2つの補強壁部364は、
図5から
図7に示すように、長手方向Xに厚みを有する鋼板であって、ビーム固定部361に接合する斜辺と取付底部362の上面に接合する下辺を有する正面視略台形状に形成されている。
【0065】
この2つの補強壁部364は、
図6に示すように、2つの挿通孔36bの間において、長手方向Xの位置が台座部材35の隣接する台座壁部353の間になるように、長手方向Xに所定間隔を隔てて対向配置されている。
【0066】
また、支柱構造体32の弾性部材37は、
図5及び
図7に示すように、弾性を有するとともに、上下方向に所定の厚みを有する合成ゴム製の板材であって、長手方向Xの長さが台座部材35に略同じ平面視略矩形に形成されている。この弾性部材37は、例えば30mmの厚みに形成されている。
【0067】
具体的には、弾性部材37は、台座部材35の取付面352aに平行な方向の長さが、取付部材36の規制壁部363から防護工台車2の側壁部21に至る長さに同じとなるように形成されている。
なお、弾性部材37は、台座部材35の台座底部351及び取付部材36の取付底部362に接着剤などを用いて貼付されている。
【0068】
さらに、弾性部材37には、
図5及び
図7に示すように、幅方向Yの中央よりも幅方向内方INにおいて、厚み方向に貫通するとともに、台座部材35の挿通孔35a及び取付部材36の挿通孔36bに連通する貫通孔37aが、長手方向Xに所定間隔を隔てて2つ開口形成されている。
【0069】
また、支柱構造体32の連結部材38は、
図5及び
図7に示すように、台座部材35の挿通孔36a、弾性部材37の貫通孔37a及び取付部材36の挿通孔36bの順に挿通されるボルト381と、ボルト381に螺合するナット382とで構成されている。
【0070】
このうち、ボルト381は、台座部材35の取付面352aと取付部材36の対向面362aとの間隔を、弾性部材37の厚みに同じ間隔、または弾性部材37の板厚よりも僅かに短い間隔に維持できるように、例えば軸部が半ネジで形成されている。
【0071】
次に、上述した構成の一対の仮設防護柵3のうち、一方の仮設防護柵3に車両Vなどの衝突物(図示省略)が衝突した場合の動きについて、
図8を用いて説明する。
仮設防護柵3のビーム31に対して衝突物が衝突すると、仮設防護柵3のビーム31には、
図8に示すように、幅方向内方INから幅方向外方OUTへ向けた衝突荷重Pが加わる。
【0072】
この衝突荷重Pは、ビーム31を介して取付部材36を幅方向外方OUTへ押圧する幅方向Yの荷重成分と、斜め下方に位置する防護工台車2の側壁部21の下端近傍へ向かう荷重伝達方向の荷重成分とに分散して、支柱構造体32に作用する。
【0073】
この際、台座部材35と取付部材36との間に弾性部材37が介在するため、取付部材36を幅方向外方OUTへ押圧する幅方向Yの荷重成分が、取付部材36を幅方向外方OUTへ向けて回動させる荷重として取付部材36に作用する。
【0074】
このため、取付部材36が、
図8の矢印で示すように、連結部材38のナット382近傍を通る長手方向Xを回転軸として、幅方向外方OUTへ向けて回動し、弾性部材37の幅方向外方OUT側を弾性変形させる。
【0075】
これにより、取付部材36を幅方向外方OUTへ押圧する幅方向Yの荷重成分の一部と、防護工台車2における側壁部21の下端近傍へ向かう荷重伝達方向の荷重成分の一部が、弾性部材37に吸収される。
【0076】
さらに、取付部材36を幅方向外方OUTへ向けて回動させる荷重が、下方向の荷重として防護工台車2に作用することで、衝突荷重Pによる防護工台車2の浮き上がりを阻止する。
そして、弾性部材37から台座部材35に伝達された荷重伝達方向の荷重成分は、台座底部351及び台座壁部353を介して、防護工台車2の側壁部21に伝達される。
【0077】
この際、伝達方向の荷重成分が、台座部材35と防護工台車2の側壁部21との境界において、幅方向外方OUTの荷重成分と下方向の荷重成分とに分散されて防護工台車2に伝達される。
これにより、防護工台車2に作用する幅方向外方OUTの荷重成分が、ビーム31に作用する水平方向の衝突荷重Pよりも小さくなるとともに、防護工台車2に作用する下方向の荷重成分が増加するため、防護工台車2は、衝突荷重Pによる幅方向外方OUTへの移動が抑制される。
【0078】
以上のように、本実施形態における供用中のトンネル1の内部に配置される仮設防護柵3は、トンネル1の内部の車線を跨いで配置される断面門型形状の防護工台車2と、防護工台車2における側壁部21の内側に配置されるビーム31とが備えられている。
さらに、仮設防護柵3は、ビーム31を支持するともに、ビーム31に対して斜め下方の位置で防護工台車2の側壁部21に固定された支柱構造体32が備えらえている。
【0079】
この構成によれば、ビーム31が支柱構造体32を介して防護工台車2の側壁部21に固定されるため、改修工事の進捗に応じて防護工台車2が移動する際、防護工台車2とともにビーム31を移動させることができる。このため、仮設防護柵3は、改修工事の進捗に応じたビーム31の着脱や移動を不要にすることができる。
【0080】
さらに、支柱構造体32がビーム31に対して斜め下方の位置で防護工台車2に固定されているため、支柱構造体32は、ビーム31に作用する水平方向の衝突荷重Pを、幅方向外方OUTの荷重成分と下方向の荷重成分とに分散して防護工台車2に伝達することができる。
【0081】
このため、仮設防護柵3は、ビーム31と防護工台車2とを幅方向Yで連結する支柱構造体に比べて、防護工台車2に作用する幅方向外方OUTの荷重成分を低減することができる。
【0082】
つまり、仮設防護柵3は、衝突物がビーム31に衝突した際、防護工台車2を幅方向外方OUTに押圧する荷重を低減することができる。
加えて、仮設防護柵3は、衝突荷重Pによる防護工台車2の上方へ浮き上がりを、防護工台車2の側壁部21に作用する下方向の荷重成分によって防止できる。
【0083】
これにより、仮設防護柵3は、防護工台車2の幅方向外方OUTへの移動を抑えられるため、衝突物がビーム31に衝突した際、防護工台車2が脱線して、トンネル1の内面と防護工台車2との間の作業空間Sbが小さくなることを防止できる。
よって、仮設防護柵3は、設置及び撤去に要する時間を短縮できるとともに、作業空間Sbで作業する作業員の安全性を確保することができる。
【0084】
また、支柱構造体32は、ビーム31に固定される取付部材36と、取付部材36が取り付けられる取付面352aを有するとともに、防護工台車2に固定される台座部材35とが備えられている。
【0085】
この構成によれば、取付部材36及び台座部材35が一体化された支柱構造体に比べて、取付部材36から台座部材35への荷重伝達にロスが生じ易くなる。このため、仮設防護柵3は、支柱構造体32を介して防護工台車2に伝達される伝達荷重を、取付部材36及び台座部材35が一体化された支柱構造体に比べて低減することができる。
【0086】
これにより、仮設防護柵3は、支柱構造体32を介して防護工台車2に作用する幅方向外方OUTの荷重成分を低減できるため、衝突荷重Pによる防護工台車2の幅方向外方OUTへの移動を抑えることができる。
【0087】
また、支柱構造体32が台座部材35の取付面352aと取付部材36との間に弾性を有する弾性部材37を備えているため、仮設防護柵3は、取付部材36から台座部材35に伝達される伝達荷重を、取付部材36と台座部材35との間に介在する弾性部材37によって吸収することができる。
【0088】
これにより、仮設防護柵3は、支柱構造体32を介して防護工台車2に伝達される伝達荷重をさらに低減できるため、衝突荷重Pによる防護工台車2の幅方向外方OUTへの移動を抑えることができる。
【0089】
また、台座部材35の取付面352aは、ビーム31と取付部材36との連結箇所よりも下方の位置において、ビーム31から防護工台車2へ向かう荷重伝達方向に対して略直交する傾斜面で構成されている。
この構成によれば、防護工台車2の幅方向外方OUTへの移動をより抑えられるため、作業空間Sbで作業する作業員の安全性を向上することができる。
【0090】
具体的には、支柱構造体32がビーム31に対して斜め下方の位置で防護工台車2に固定されているため、衝突物がビーム31に衝突した際、ビーム31に作用する水平方向の衝突荷重Pが、長手方向Xを回転軸として支柱構造体32を防護工台車2へ向けて回動させる荷重として支柱構造体32に作用する。
【0091】
この際、ビーム31から防護工台車2へ向かう荷重伝達方向に対して略直交する台座部材35の取付面352aと台座部材35との間に弾性部材37が介在しているため、支柱構造体32は、ビーム31に作用する水平方向の衝突荷重Pによって、取付部材36が防護工台車2へ向けて回動することになる。
【0092】
さらに、台座部材35の取付面352aがビーム31と取付部材36との連結箇所よりも下方に位置するため、仮設防護柵3は、衝突物がビーム31に衝突した際、取付部材36を確実に回動させることができる。
【0093】
これにより、仮設防護柵3は、ビーム31に作用する水平方向の衝突荷重Pを下方向の荷重に変換して防護工台車2に作用させられるため、衝突荷重Pによる防護工台車2の上方へ浮き上がりをより防止することができる。
よって、仮設防護柵3は、防護工台車2の幅方向外方OUTへの移動をより抑えられるため、作業空間Sbで作業する作業員の安全性を向上することができる。
【0094】
また、支柱構造体32は、弾性部材37を挟んで台座部材35と取付部材36とを連結する複数の連結部材38が備えられている。この複数の連結部材38は、取付面352aにおける幅方向Yの中央よりもビーム31側で、長手方向Xに所定間隔を隔てて配置されている。
【0095】
この構成によれば、例えば取付面352aにおける幅方向Yの中央に複数の連結部材38を設けた場合に比べて、ビーム31に作用する水平方向の衝突荷重Pを、支柱構造体32を防護工台車2へ向けて回動させる荷重として支柱構造体32に作用させることができる。
【0096】
これにより、仮設防護柵3は、ビーム31に作用する水平方向の衝突荷重Pを確実に下方向の荷重に変換して防護工台車2に作用させられるため、防護工台車2の幅方向外方OUTへの移動を確実に抑えることができる。
【0097】
また、取付部材36が長手方向Xに厚みを有する板状の補強壁部364を備え、台座部材35が長手方向Xに厚みを有する板状の台座壁部353を備えている。そして、取付部材36の補強壁部364と取付部材36の台座壁部353とが、長手方向Xにおける異なる位置に設けられている。
【0098】
この構成によれば、ビーム31から防護工台車2に伝達される伝達荷重が、取付部材36の補強壁部364から取付部材36の台座壁部353に直接的に伝達されることがない。このため、仮設防護柵3は、取付部材36の補強壁部364と取付部材36の台座壁部353とが長手方向Xにおける同じ位置に配置された場合に比べて、取付部材36から台座部材35への荷重伝達にロスを生じさせることができる。
【0099】
これにより、仮設防護柵3は、台座部材35を介して防護工台車2に作用する幅方向外方OUTの荷重成分をより低減できるため、衝突荷重Pによる防護工台車2の幅方向外方OUTへの移動をより抑えることができる。
【0100】
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
この発明の側部は、実施形態の側壁部21に対応し、
以下同様に、
直交方向は、幅方向Yに対応し、
壁部は、補強壁部364及び台座壁部353に対応するが、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
【0101】
具体的には、例えば鉄骨を門型形状に組み合わせた躯体と、躯体の開口を塞ぐ鋼板とで構成された防護工台車2としたが、これに限定せず、鉄骨を門型形状に組み合わせた躯体のみの防護工台車、あるいは作業員の足場となる足場部材で構成された防護工台車などであってもよい。
【0102】
また、仮設防護柵3のビーム31を、長手方向Xに延びる断面波形の鋼板で構成したが、これに限定せず、筒状の鋼管で構成されたボックスビームなどであってもよい。
また、台座部材35及び取付部材36に貼付した弾性部材37としたが、これに限定せず、台座部材35及び取付部材36に貼付されていない弾性部材37であってもよい。
【0103】
また、台座部材35の取付面352aを荷重伝達方向に対して略直交する傾斜面で構成したが、これに限定せず、台座部材35の取付面352aを荷重伝達方向に対して交差する面、幅方向Yに平行な面、あるいは上下方向に平行な面で構成してもよい。
【0104】
また、台座部材35、取付部材36及び弾性部材37で構成された支柱構造体32としたが、これに限定せず、ビーム31に対して斜め下方の位置で防護工台車2に固定された構造体であれば、台座部材35と取付部材36とが一体構成された支柱構造体であってもよい。
【0105】
あるいは、幅方向Y及び上下方向に対して交差する傾斜面で構成した台座部材35の取付面352aに、取付部材36の対向面362aを当接させるとともに、台座部材35と取付部材36とを締結固定した支柱構造体であってもよい。
【0106】
この構成によれば、ビーム31に作用する水平方向の衝突荷重Pが、取付部材36を介して台座部材35の取付面352aに作用した際、台座部材35の取付面352aに作用した荷重を、ビーム31から防護工台車2に向かう荷重伝達方向の荷重成分と取付面352aに平行な方向の荷重成分とに分散することができる。
【0107】
これにより、仮設防護柵3は、荷重伝達方向に沿って台座部材35から防護工台車2に伝達される伝達荷重が低減するため、支柱構造体32を介して防護工台車2に作用する幅方向外方OUTの荷重成分を低減することができる。このため、仮設防護柵3は、衝突荷重Pによる防護工台車2の幅方向外方OUTへの移動を抑えることができる。
【符号の説明】
【0108】
1…トンネル
2…防護工台車
3…仮設防護柵
21…側壁部
31…ビーム
32…支柱構造体
35…台座部材
36…取付部材
37…弾性部材
38…連結部材
352a…取付面
353…台座壁部
364…補強壁部
X…長手方向
Y…幅方向