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特開2024-115788防護工台車の連結構造、連結防護工台車、及びトンネル改修工法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024115788
(43)【公開日】2024-08-27
(54)【発明の名称】防護工台車の連結構造、連結防護工台車、及びトンネル改修工法
(51)【国際特許分類】
   E21D 11/00 20060101AFI20240820BHJP
【FI】
E21D11/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023021623
(22)【出願日】2023-02-15
(71)【出願人】
【識別番号】000216025
【氏名又は名称】鉄建建設株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】505398952
【氏名又は名称】中日本高速道路株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】596007979
【氏名又は名称】大栄工機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121603
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 元昭
(74)【代理人】
【識別番号】100141656
【弁理士】
【氏名又は名称】大田 英司
(74)【代理人】
【識別番号】100067747
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 良昭
(72)【発明者】
【氏名】林 忠男
(72)【発明者】
【氏名】植中 靖二
(72)【発明者】
【氏名】須志田 藤雄
(72)【発明者】
【氏名】大西 春信
(72)【発明者】
【氏名】瀧本 博文
(72)【発明者】
【氏名】舟橋 孝仁
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】斉藤 岳
(72)【発明者】
【氏名】小林 雅彦
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 猛彦
【テーマコード(参考)】
2D155
【Fターム(参考)】
2D155AA02
2D155BB02
2D155CA04
2D155LA16
2D155LA17
(57)【要約】
【課題】トンネル100の平面線形に対する追従性と、防護工台車2の内部を通行する車両Vの安全性とを両立して確保できる防護工台車2の連結構造、連結防護工台車1、及びトンネル改修工法を提供することを目的とする。
【解決手段】断面門型形状の防護工台車2をトンネル100の延長方向Xに複数配置し、延長方向Xで隣接する防護工台車2同士を連結する防護工台車2の連結構造であって、トンネル100の延長方向Xに所定間隔を隔てて並置した防護工台車2である第1防護工台車2A及び第2防護工台車2Bと、第1防護工台車2A及び第2防護工台車2Bを枢動可能に連結する枢動連結部28と、第1防護工台車2Aと第2防護工台車2Bとが枢動可能な状態で、少なくとも第1防護工台車2Aの天面部21と第2防護工台車2Bの天面部21との間を覆うカバー部材6とが備えられたことを特徴とする。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
供用中のトンネルの路面に対向する天面部、及び対向する一対の側壁部を有する断面門型形状の防護工台車を前記トンネルの延長方向に複数配置し、延長方向で隣接する防護工台車同士を連結する防護工台車の連結構造であって、
前記トンネルの延長方向に所定間隔を隔てて並置した前記防護工台車である第1防護工台車及び第2防護工台車と、
前記第1防護工台車及び前記第2防護工台車を枢動可能に連結する枢動連結部と、
前記第1防護工台車と前記第2防護工台車とが枢動可能な状態で、少なくとも前記第1防護工台車の前記天面部と前記第2防護工台車の前記天面部との間を覆うカバー部材とが備えられた
防護工台車の連結構造。
【請求項2】
前記カバー部材は、
前記第1防護工台車の前記天面部と前記第2防護工台車の前記天面部との間を覆う金属製の上部カバーが備えられた
請求項1に記載の防護工台車の連結構造。
【請求項3】
前記上部カバーは、
幅員方向に所定間隔を隔てた位置で分割された複数の分割カバーと、
隣接する前記分割カバーを挟持によって連結するカバー留め具とが備えられた
請求項2に記載の防護工台車の連結構造。
【請求項4】
前記第1防護工台車の前記天面部及び前記第2防護工台車の前記天面部は、
延長方向の縁端側に立設された縁端起立部が備えられ、
前記上部カバーは、
前記第1防護工台車の前記縁端起立部及び前記第2防護工台車の前記縁端起立部を挟んで対向するとともに、前記天面部に当接する一対の側面部と、前記縁端起立部に対向する上面部と有する断面門型形状に形成された
請求項2に記載の防護工台車の連結構造。
【請求項5】
前記上部カバーの一対の前記側面部は、
前記トンネルに沿って枢動した状態における前記第1防護工台車の前記縁端起立部と前記第2防護工台車の前記縁端起立部との間隔よりも広い延長方向の間隔を隔てて対向配置された
請求項4に記載の防護工台車の連結構造。
【請求項6】
前記カバー部材は、
前記第1防護工台車の前記側壁部と前記第2防護工台車の前記側壁部との間隔よりも長い延長方向の長さで、隣接する前記側壁部の間を覆う可撓性を有する側方カバーが備えられた
請求項2に記載の防護工台車の連結構造。
【請求項7】
前記側方カバーは、
シート状のカバー本体と、
前記側壁部に設けたシート取付部に前記カバー本体を挟持よって取り付けるシート留め具とが備えられた
請求項6に記載の防護工台車の連結構造。
【請求項8】
前記防護工台車は、前記天面部における幅員方向の両端から斜め下方へ延びて、前記側壁部に連結する一対の傾斜面部が備えられ、
前記側方カバーは、
延長方向で隣接する前記側壁部の間をおいて、前記側壁部の上端近傍から下端近傍に至る範囲を覆う構成であり、
前記上部カバーが、
延長方向で隣接する前記天面部の間、前記傾斜面部の間、及び前記側壁部における上端近傍の間を一体的に覆う構成である
請求項6に記載の防護工台車の連結構造。
【請求項9】
前記枢動連結部は、
前記第1防護工台車の前記天面部に設けられ、上下方向に貫通する貫通孔を有する第1連結部と、
前記第2防護工台車の前記天面部に設けられ、上下方向に貫通する貫通孔を有する第2連結部と、
前記第1連結部の前記貫通孔及び前記第2連結部の前記貫通孔に挿通する連結ピンとが備えられた
請求項1に記載の防護工台車の連結構造。
【請求項10】
前記第1連結部と前記第2連結部とが、上下方向に所定間隔を隔てて対向配置された
請求項9に記載の防護工台車の連結構造。
【請求項11】
前記連結ピンは、
上下方向に延びる断面円形のピン本体が備えられ、
前記ピン本体が挿通される前記貫通孔は、
前記トンネルの幅員方向に長い平面視長楕円形状に形成された
請求項9に記載の防護工台車の連結構造。
【請求項12】
前記第1防護工台車の前記側壁部と前記第2防護工台車の前記側壁部とを前記延長方向に連結する伸縮自在な一対の連結部材が備えられた
請求項1に記載の防護工台車の連結構造。
【請求項13】
供用中のトンネルの路面に対向する天面部、及び対向する一対の側壁部を有する断面門型形状の防護工台車を前記トンネルの延長方向に複数配置し、
延長方向で隣接する防護工台車同士を、請求項1から請求項12のいずれか1つに記載の防護工台車の連結構造で連結した
連結防護工台車。
【請求項14】
請求項13に記載の連結防護工台車を用いて、供用中のトンネルの内部の覆工コンクリートを改修する
トンネル改修工法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば供用中のトンネル内部において、覆工コンクリートの改修に用いる複数の防護工台車を移動可能な状態で連結するような防護工台車の連結構造、連結防護工台車及びトンネル改修工法に関する。
【背景技術】
【0002】
供用中のトンネルには、トンネル構築後の経年によって、トンネル内面を構成する覆工コンクリートの耐久性が低下し、改修を要するものがある。この際、供用中のトンネルを、例えば夜間のみ通行止めにして改修を行うことが考えられるが、施工時間が夜間に限られるため工期が長くなるおそれがあった。
【0003】
そこで、昨今では、車両を通過させながらトンネルの改修を行う様々な技術が提案されている。
例えば特許文献1は、車両が通行可能な空間を内側に有する断面門型形状の防護工台車をトンネル内部に配置することで、車両を通行させながらトンネルの改修を可能にしている。
【0004】
さらに、特許文献1では、トンネルの内部に並置した複数の防護工台車を連結するとともに、連結状態の防護工台車を移動させながら、防護工台車の外側で覆工コンクリートの改修を行っている。この際、連結状態の防護工台車は、例えば覆工コンクリートの切削で生じた切削水、あるいはコンクリート片などの落下物が、車両の通行を阻害しないように連結している。
【0005】
ところで、トンネルにはカーブなどの湾曲した区間があるため、トンネルの平面線形が必ずしも直線的ではない。そうすると、例えば車両の通行を阻害しないように隙間なく連結した防護工台車を移動させる際、連結状態の防護工台車がトンネルのカーブをスムーズに通過できないおそれがある。
【0006】
このため、隣接する防護工台車の連結には、トンネルの平面線形に対する追従性と、防護工台車の内部を通行する車両の安全性とを両立して確保する必要があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2022-122668号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上述の問題に鑑み、トンネルの平面線形に対する追従性と、防護工台車の内部を通行する車両の安全性とを両立して確保できる防護工台車の連結構造、連結防護工台車、及びトンネル改修工法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明は、供用中のトンネルの路面に対向する天面部、及び対向する一対の側壁部を有する断面門型形状の防護工台車を前記トンネルの延長方向に複数配置し、延長方向で隣接する防護工台車同士を連結する防護工台車の連結構造であって、前記トンネルの延長方向に所定間隔を隔てて並置した前記防護工台車である第1防護工台車及び第2防護工台車と、前記第1防護工台車及び前記第2防護工台車を枢動可能に連結する枢動連結部と、前記第1防護工台車と前記第2防護工台車とが枢動可能な状態で、少なくとも前記第1防護工台車の前記天面部と前記第2防護工台車の前記天面部との間を覆うカバー部材とが備えられたことを特徴とする。
【0010】
またこの発明は、供用中のトンネルの路面に対向する天面部、及び対向する一対の側壁部を有する断面門型形状の防護工台車を前記トンネルの延長方向に複数配置し、延長方向で隣接する防護工台車を、上述した防護工台車の連結構造で連結した連結防護工台車であることを特徴とする。
またこの発明は、上述の連結防護工台車を用いて、供用中のトンネルの内部の覆工コンクリートを改修するトンネル改修工法であることを特徴とする。
【0011】
この発明によれば、延長方向に所定間隔を隔てて配置した第1防護工台車と第2防護工台車とが枢動自在に連結されるため、連結状態の第1防護工台車及び第2防護工台車がトンネルのカーブを通過する際、連結状態の第1防護工台車及び第2防護工台車をトンネルのカーブに沿って屈曲させることができる。
【0012】
この際、カバー部材が枢動連結部を介した第1防護工台車と第2防護工台車との枢動を阻害することなく、延長方向で隣接する天面部の間を覆うため、防護工台車の連結構造は、連結状態の第1防護工台車及び第2防護工台車を、トンネルの平面線形に追従して移動させることができる。
【0013】
そして、覆工コンクリートを改修する際、第1防護工台車の天面部と第2防護工台車の天面部との間をカバー部材で覆うことにより、防護工台車の連結構造は、覆工コンクリートの切削で生じた切削水や落下物が、第1防護工台車と第2防護工台車との間に上方から侵入することを防止できる。
【0014】
よって、防護工台車の連結構造、連結防護工台車、及びトンネル改修工法は、トンネルの平面線形に対する追従性と、防護工台車の内部を通行する車両の安全性とを両立して確保することができる。
【0015】
この発明の態様として、前記カバー部材は、前記第1防護工台車の前記天面部と前記第2防護工台車の前記天面部との間を覆う金属製の上部カバーが備えられてもよい。
【0016】
この構成によれば、覆工コンクリートの切削で生じた切削水や落下物が、隣接する天面部の間を通って車道上に落下することを確実に防止できるとともに、落下物に対する強度を確保することができる。
これにより、防護工台車の連結構造は、防護工台車の内部を通行する車両の安全性を確実に確保することができる。
【0017】
またこの発明の態様として、前記上部カバーは、幅員方向に所定間隔を隔てた位置で分割された複数の分割カバーと、隣接する前記分割カバーを挟持によって連結するカバー留め具とが備えられてもよい。
この構成によれば、上部カバーを分割して着脱できるため、分割されていない上部カバーに比べて、重量物である上部カバーの着脱を容易にすることができる。
【0018】
さらに、隣接する分割カバーを挟持によって連結するカバー留め具により、防護工台車の連結構造は、分割カバーを隙間なく連結することができる。このため、防護工台車の連結構造は、覆工コンクリートの切削で生じた切削水や落下物が、隣接する分割カバーの間を通って車道上に落下することをより確実に防止できる。
【0019】
またこの発明の態様として、前記第1防護工台車の前記天面部及び前記第2防護工台車の前記天面部は、延長方向の縁端側に立設された縁端起立部が備えられ、前記上部カバーは、前記第1防護工台車の前記縁端起立部及び前記第2防護工台車の前記縁端起立部を挟んで対向するとともに、前記天面部に当接する一対の側面部と、前記縁端起立部に対向する上面部と有する断面門型形状に形成されてもよい。
【0020】
上記縁端起立部に対向するとは、縁端起立部に対して所定間隔を隔てて対向する、あるいは縁端起立部に当接して対向することをいう。
この構成によれば、落下物との衝突による上部カバーの上面部の変形を、第1防護工台車の縁端起立部、第2防護工台車の縁端起立部及び上部カバーの一対の側面部によって抑えることができる。
【0021】
これにより、防護工台車の連結構造は、重量物に対する上面部の強度を向上できるため、上部カバーに落下した落下物が車道上に落ちることをより確実に防止できる。
【0022】
さらに、防護工台車の連結構造は、上部カバーの延長方向への移動を、第1防護工台車の縁端起立部及び第2防護工台車の縁端起立部によって規制することができる。
【0023】
これにより、防護工台車の連結構造は、隣接する天面部の間からの上部カバーの脱落を防止することができる。
よって、防護工台車の連結構造は、防護工台車の内部を通行する車両の安全性より確実に確保することができる。
【0024】
またこの発明の態様として、前記上部カバーの一対の前記側面部は、前記トンネルに沿って枢動した状態における前記第1防護工台車の前記縁端起立部と前記第2防護工台車の前記縁端起立部との間隔よりも広い延長方向の間隔を隔てて対向配置されてもよい。
【0025】
この構成によれば、隣接する天面部の間隔に対して上部カバーの側面部の間隔を広くできるため、例えば隣接する天面部の間の形状が平面視略矩形から平面視略台形状となるような第1防護工台車と第2防護工台車との枢動を、上部カバーが阻害することがない。
【0026】
これにより、防護工台車の連結構造は、第1防護工台車と第2防護工台車が枢動した状態であっても、隣接する天面部の間を上部カバーで確実に覆うことができるため、落下物の車道への落下を防止することができる。
【0027】
またこの発明の態様として、前記カバー部材は、前記第1防護工台車の前記側壁部と前記第2防護工台車の前記側壁部との間隔よりも長い延長方向の長さで、隣接する前記側壁部の間を覆う可撓性を有する側方カバーが備えられてもよい。
【0028】
上記可撓性を有する側方カバーとは、隣接する側壁部の間隔よりも長い延長方向の長さを有するシート状のカバー、あるいは隣接する側壁部の間隔よりも長い延長方向の長さに伸縮可能な蛇腹形状のカバーなどのことをいう。
【0029】
この構成によれば、隣接する側壁部の間隔が変化した際、側方カバーと側壁部との間に隙間が生じることを防止できるとともに、側壁部の間隔の変化に追従して、隣接する側壁部の間を安定して覆うことができる。
【0030】
このため、防護工台車の連結構造は、側壁部に幅員方向で対向するトンネルの内面で反射した洗浄水や切削水が、第1防護工台車と第2防護工台車の間を通って内部に飛散することを側方カバーによって阻止することができる。
【0031】
さらに、防護工台車の連結構造は、側方カバーの取り外すことなく、連結状態の第1防護工台車及び第2防護工台車を移動させることができる。
これにより、防護工台車の連結構造は、連結状態の第1防護工台車及び第2防護工台車の移動を効率よく行えるため、トンネルの改修の工期をより短縮することができる。
【0032】
またこの発明の態様として、前記側方カバーは、シート状のカバー本体と、前記側壁部に設けたシート取付部に前記カバー本体を挟持によって取り付けるシート留め具とが備えられてもよい。
【0033】
この構成によれば、隣接する側壁部の間を簡素な構成で覆うことができるとともに、側壁部に対するカバー本体の着脱を容易にすることができる。このため、防護工台車の連結構造は、第1防護工台車と第2防護工台車との連結、及び連結の解除に要する時間を短くできるため、トンネルの改修の工期をより短縮することができる。
【0034】
またこの発明の態様として、前記防護工台車は、前記天面部における幅員方向の両端から斜め下方へ延びて、前記側壁部に連結する一対の傾斜面部が備えられ、前記側方カバーが、前記側壁部の上端近傍から下端近傍に至る範囲において、延長方向で隣接する前記側壁部の間を覆う構成であり、前記上部カバーが、延長方向で隣接する前記天面部の間、前記傾斜面部の間、及び前記側壁部における上端近傍の間を一体的に覆うとともに、前記側方カバーの上端近傍に対向する構成であってもよい。
【0035】
この構成によれば、延長方向で隣接する天面部だけでなく、延長方向で隣接する傾斜面部及び側壁部の上端近傍を覆うため、防護工台車の上方で生じた切削水や落下物の車道への侵入を上部カバーで確実に阻止することができる。
【0036】
さらに、上部カバーと側方カバーとが幅員方向で重なり合うため、防護工台車の連結構造は、幅員方向から見て、上部カバーと側方カバーとの間に隙間が生じることを防止できる。このため、防護工台車の連結構造は、第1防護工台車と第2防護工台車との間をカバー部材によって確実に覆うことができる。
【0037】
またこの発明の態様として、前記枢動連結部は、前記第1防護工台車の前記天面部に設けられ、上下方向に貫通する貫通孔を有する第1連結部と、前記第2防護工台車の前記天面部に設けられ、上下方向に貫通する貫通孔を有する第2連結部と、前記第1連結部の前記貫通孔及び前記第2連結部の前記貫通孔に挿通する連結ピンとが備えられてもよい。
【0038】
この構成によれば、連結ピンを例えば上方から下方へ向けて貫通孔に挿通するだけで、第1防護工台車と第2防護工台車とを枢動可能に連結することができる。このため、防護工台車の連結構造は、第1防護工台車と第2防護工台車との連結に要する時間を短縮することができる。
【0039】
またこの発明の態様として、前記第1連結部と前記第2連結部とが、上下方向に所定間隔を隔てて対向配置されてもよい。
この構成によれば、連結状態の第1防護工台車と第2防護工台車とを上下方向に相対移動させることができる。このため、防護工台車の連結構造は、連結状態の第1防護工台車及び第2防護工台車をトンネルの勾配変化に追従させることができる。
【0040】
またこの発明の態様として、前記連結ピンは、上下方向に延びる断面円形のピン本体が備えられ、前記ピン本体が挿通される前記貫通孔は、前記トンネルの幅員方向に長い平面視長楕円形状に形成されてもよい。
この構成によれば、連結ピンの挿入性を損なうことなく、延長方向における第1防護工台車と第2防護工台車との間隔を一定にすることができる。このため、防護工台車の連結構造は、第1防護工台車と第2防護工台車とが意図せず衝突する、あるいは延長方向に離間することを防止できる。
【0041】
さらに、断面円形のピン本体に対して貫通孔が平面視長楕円形状のため、防護工台車の連結構造は、連結ピンのピン本体と貫通孔との間に幅員方向の遊びを設けることができる。
【0042】
このため、防護工台車の連結構造は、連結状態の第1防護工台車及び第2防護工台車がトンネルのカーブを通過する際、トンネルのカーブに追従するように連結状態の第1防護工台車及び第2防護工台車をスムーズに枢動させることができる。
【0043】
これにより、防護工台車の連結構造は、トンネルの平面線形に対する追従性を向上できるとともに、連結状態の第1防護工台車及び第2防護工台車を安全に移動させることができる。
【0044】
また、この発明の態様として、前記第1防護工台車の前記側壁部と前記第2防護工台車の前記側壁部とを前記延長方向に連結する伸縮自在な一対の連結部材が備えられてもよい。
上記連結部材は、例えば伸縮棒ジャッキ、ターンバックル、あるいはダンパーなどのことをいう。
【0045】
この構成によれば、連結状態の第1防護工台車及び第2防護工台車が移動する際に生じる引張荷重を、枢動連結部及び一対の連結部材で受けることができる。このため、防護工台車の連結構造は、第1防護工台車と第2防護工台車とを枢動連結部のみで連結した場合に比べて、枢動連結部に作用する引張荷重を低減することができる。
【0046】
この際、一対の連結部材が伸縮自在なため、防護工台車の連結構造は、枢動連結部を中心とした第1防護工台車と第2防護工台車との枢動が、一対の連結部材によって阻害されることを防止できる。
よって、防護工台車の連結構造は、トンネルの平面線形に対する追従性を損なうことなく、引張荷重による意図しない不具合を防止することができる。
【発明の効果】
【0047】
本発明により、トンネルの平面線形に対する追従性と、防護工台車の内部を通行する車両の安全性とを両立して確保できる防護工台車の連結構造、連結防護工台車、及びトンネル改修工法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
図1】トンネル改修工法における連結防護工台車の設置状態の概略を説明する概略図。
図2】幅員方向から見た連結防護工台車の概略を説明する説明図。
図3図2中のA-A矢視における連結防護工台車の外観を示す正面図。
図4】防護工台車の外観を側面視で示す側面図。
図5】連結状態の防護工台車の要部を側面視で示す側面図。
図6図3中のB-B矢視断面図。
図7】第1連結部及び第2連結部の外観を平面視で示す平面図。
図8】上部カバーの第1分割カバーの外観を正面視で示す正面図。
図9図5中のC-C矢視における側方カバーの断面を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0049】
この発明の一実施形態を以下図面と共に説明する。
なお、図1はトンネル改修工法における連結防護工台車1の設置状態の概略を説明する概略図を示し、図2は幅員方向Yから見た連結防護工台車1の概略を説明する説明図を示し、図3図2中のA-A矢視における連結防護工台車1の正面図を示している。
【0050】
さらに、図4は防護工台車2の側面図を示し、図5は連結状態の防護工台車2における要部の側面図を示し、図6図3中のB-B矢視断面図を示し、図7は第1連結部24及び第2連結部25の平面図を示している。
【0051】
加えて、図8は上部カバー7の第1分割カバー71の正面図を示し、図9図5中のC-C矢視における側方カバー8の断面図を示している。
また、図5中において、図示を明確にするため、上部カバー7を二点鎖線で図示している。
【0052】
また、図1中の上側を防護工台車2の上方とし、図1中の下側を防護工台車2の下方として、図中の矢印Xがトンネル100の延長方向(以降、延長方向Xと呼ぶ)を示し、図中の矢印Yが延長方向Xに対して平面視直交する幅員方向(以降、幅員方向Yと呼ぶ)を示している。
【0053】
まず、トンネル100の内壁を改修するトンネル改修工法では、図1に示すように、連結防護工台車1をトンネル100の内部に設置することで、トンネル100を供用しながらトンネル100の内面を構成する覆工コンクリート101の改修を行う。
【0054】
この際、トンネル改修工法は、図2に示すように、トンネル100の内部において、車両Vが通行可能な通行空間Saを有する防護工台車2をトンネル100の延長方向Xに沿って複数配置するとともに、隣接する防護工台車2を連結することで、連結防護工台車1を構成している。
これにより、トンネル改修工法は、防護工台車2の通行空間Saをトンネル100の延長方向Xに連続させて、車両Vの通行を可能にしている。
【0055】
上述した連結防護工台車1を構成する防護工台車2は、図1及び図2に示すように、トンネル100の内部において、延長方向Xに延びる正面視門型形状であって、コンクリートまたはアスファルトで舗装された平滑な路面3に仮設した一対の軌道4に載置されている。
【0056】
そして、防護工台車2は、図1に示すように、トンネル100の内部において、覆工コンクリート101を改修する作業員が作業するための作業空間Sbを、トンネル100の内面との間に構成している。
【0057】
なお、防護工台車2は、詳細な図示を省略するが、例えばH型鋼で組み立てられた躯体の開口を外面となる鋼板で塞ぐことで、通行空間Saと作業空間Sbを隔てる壁面を構成している。
【0058】
詳述すると、防護工台車2は、図1及び図3に示すように、正面視において、路面3に対向する天面部21と、天面部21の両端から斜め下方へ延びる一対の傾斜面部22と、傾斜面部22から下方へ延びて、幅員方向Yで対向する一対の側壁部23とで正面視門型形状に形成されている。
【0059】
天面部21は、図1及び図3に示すように、上下方向に厚みを有する板状であって、路面3に対して上方に所定間隔を隔てるとともに、トンネル100の内面における頂上よりも下方の位置に位置している。
【0060】
なお、後ほど詳述するが、天面部21は、図4に示すように、延長方向Xの一方側の端面に固定された第1連結部24と、延長方向Xの他方側の端面に固定された第2連結部25とを幅員方向Yの略中央に備えている。
【0061】
また、一対の傾斜面部22は、図3に示すように、天面部21に連続する板状であって、天面部21における幅員方向Yの両端からそれぞれ幅員方向Yの外方かつ下方へ向けて延設されている。
【0062】
また、一対の側壁部23は、図1及び図3に示すように、幅員方向Yに厚みを有する板状であって、車両Vが通行する車道または車線を跨いで幅員方向Yに対向している。この側壁部23の下部は、幅員方向Yの外方へ向けて突出した段付き形状に形成されている。
なお、側壁部23の下部における段付き形状の部分を、段付き部分23aとする。
【0063】
そして、側壁部23における段付き部分23aの内部には、幅員方向Yを回転軸として回動する一対の車輪Hが延長方向Xの両端近傍に配置されている。この車輪Hは、例えば回転軸に沿った方向で対向する一対のツバ部を有するとともに、路面3に敷設した軌道4上を転動する両ツバ車輪で構成されている。
【0064】
なお、後ほど詳述するが、側壁部23の下部における幅員方向Yの外方の面には、図2及び図4に示すように、伸縮棒ジャッキ5の一端を着脱自在に取り付けるジャッキ取付部26が、延長方向Xの両端近傍に設けられている。
【0065】
このような構成の防護工台車2には、図3及び図4に示すように、トンネル100の内面に対向する外面に立設されるとともに、延長方向Xの両端縁に沿って延びる断面逆L字状の縁端起立部27が設けられている。
【0066】
この縁端起立部27は、延長方向Xに厚みを有するとともに、防護工台車2の外面に立設された板状の壁部分27aと、他方の縁端起立部27へ向けて延設した板状の延設部分27bとで断面逆L字状に形成されている(図6参照)。
【0067】
なお、側壁部23に設けた縁端起立部27は、後述する側方カバー8を取り付けるシート取付部として構成されている。このシート取付部としての縁端起立部27の延設部分27bには、後述するシート留め具83を挿通する挿通孔27c(図9参照)が、上下方向に所定間隔を隔てて複数開口形成されている。
【0068】
ここで、トンネル100の内部において、延長方向Xで隣接する防護工台車2のうち、延長方向Xの一方側を第1防護工台車2Aとし、延長方向Xの他方側を第2防護工台車2Bとして、防護工台車2の連結構造についてさらに詳述する。
【0069】
防護工台車2の連結構造は、図5に示すように、第1防護工台車2Aと第2防護工台車2Bとを枢動自在に連結する枢動連結部28と、第1防護工台車2Aの側壁部23と第2防護工台車2Bの側壁部23とを連結する伸縮可能な一対の伸縮棒ジャッキ5を備えている。
【0070】
加えて、防護工台車2の連結構造は、連結状態の防護工台車2が所望される施工箇所に移動した状態において、枢動連結部28を介して連結された第1防護工台車2Aと第2防護工台車2Bとの隙間を覆うカバー部材6を備えている。
【0071】
まず、枢動連結部28は、図5に示すように、上述した第1防護工台車2Aの第1連結部24と、上述した第2防護工台車2Bの第2連結部25と、第1連結部24及び第2連結部25を連結する連結ピン29とを備えている。
【0072】
詳述すると、第1防護工台車2Aの第1連結部24は、図6及び図7に示すように、天面部21に固定される連結基部241と、連結基部241から第2防護工台車2Bへ向けて延びる連結本体部242と、連結本体部242を補強する一対の補強リブ243とで構成されている。
【0073】
具体的には、第1連結部24の連結基部241は、図6及び図7に示すように、延長方向Xに厚みを有する平板状であって、天面部21における延長方向Xの端面に締結固定されている。
第1連結部24の連結本体部242は、図6及び図7に示すように、上下方向に厚みを有する平面視略三角形状の平板であって、連結基部241の上下方向の略中央に接合されている。
【0074】
なお、連結本体部242の上面には、平面視円形の円板244が上下方向に積層された状態で接合されている。
さらに、連結本体部242には、幅員方向Yに長い平面視長楕円形状で、2枚の円板244と重なり合う部分を上下方向に貫通する貫通孔24aが開口形成されている。
【0075】
第1連結部24の一対の補強リブ243は、図6及び図7に示すように、幅員方向Yに厚みを有する板材であって、連結基部241と連結本体部242の上面とに跨って配置されるとともに、連結基部241及び連結本体部242の双方に接合されている。
【0076】
また、第2防護工台車2Bの第2連結部25は、図6及び図7に示すように、天面部21に固定される連結基部251と、連結基部251から第1防護工台車2Aへ向けて延びる連結本体部252と、連結本体部252を補強する一対の補強リブ253とで構成されている。
【0077】
具体的には、第2連結部25の連結基部251は、図6及び図7に示すように、延長方向Xに厚みを有する平板状であって、天面部21における延長方向Xの端面に締結固定されている。
【0078】
第2連結部25の連結本体部252は、図6及び図7に示すように、上下方向に厚みを有する平面視略三角形状の平板であって、第1連結部24の連結本体部242よりも下方の位置で連結基部251に接合されている。
【0079】
より詳しくは、第2連結部25の連結本体部252は、第1連結部24の連結本体部242に対して下方に所定間隔を隔てて対向配置されている。
なお、連結本体部252の下面には、平面視円形の円板254が上下方向に積層された状態で接合されている。
【0080】
さらに、連結本体部252には、幅員方向Yに長い平面視長楕円形状で、2枚の円板254と重なり合う部分を上下方向に貫通する貫通孔25aが開口形成されている。この第2連結部25の貫通孔25aは、第1連結部24の貫通孔24aに略同じ大きさで開口形成されている。
【0081】
第2連結部25の一対の補強リブ253は、図6に示すように、幅員方向Yに厚みを有する板材であって、連結基部251と連結本体部252の下面とに跨って配置されるとともに、連結基部251及び連結本体部252の双方に接合されている。
【0082】
また、連結ピン29は、図6及び図7に示すように、連通状態の第1連結部24の貫通孔24a及び第2連結部25の貫通孔25aに上方から下方へ向けて挿通される部材である。
【0083】
この連結ピン29は、貫通孔24a,25aに挿通する円柱状のピン本体29aと、ピン本体29aの上端に接合された平板状の取手部29bとで構成されている。
なお、ピン本体29aは、図7に示すように、貫通孔24a,25aの長楕円形状における短軸に略同じ直径の断面円形状に形成されている。
【0084】
また、伸縮棒ジャッキ5は、図5に示すように、第1防護工台車2Aのジャッキ取付部26、及び第2防護工台車2Bのジャッキ取付部26に対して着脱自在に設けられている。なお、伸縮棒ジャッキ5は、少なくとも連結状態の防護工台車2を移動させる際に取り付けられる。
【0085】
この伸縮棒ジャッキ5は、例えばラチェット機構を有するターンバックルで構成され、ラチェット機構の回転制限を解除した状態で第1防護工台車2A及び第2防護工台車2Bに取り付けられている。
【0086】
また、カバー部材6は、図3及び図5に示すように、第1防護工台車2Aと第2防護工台車2Bとが連結した状態において、延長方向Xで隣接する天面部21に載置される上部カバー7と、延長方向Xで隣接する側壁部23に取り付けられる側方カバー8とで構成されている。
【0087】
まず、上部カバー7は、図3及び図5に示すように、延長方向Xで隣接する天面部21の間、及び延長方向Xで隣接する傾斜面部22の間を一体的に覆う金属製カバーであって、幅員方向Yに所定間隔を隔てた位置で複数に分割されている。
【0088】
詳述すると、上部カバー7は、図3に示すように、一方の傾斜面部22の端部から天面部21を介して他方の傾斜面部22の端部に至る範囲を覆う複数の第1分割カバー71と、上部カバー7の端部となる一対の第2分割カバー72を、複数のカバー留め具73(図6参照)で連結して構成されている。
【0089】
複数の第1分割カバー71は、図6及び図8に示すように、幅員方向Yに延びる断面門型形状のカバー本体74と、カバー本体74における幅員方向Yの両端に突設した一対のフランジ75とで構成されている。
【0090】
より詳しくは、カバー本体74は、図6に示すように、延長方向Xで対向する板状の一対の側面部74aと、側面部74aの上端を連結する板状の上面部74bとで断面門型形状に形成されている。
【0091】
カバー本体74の一対の側面部74aは、図6に示すように、延長方向Xに厚みを有するとともに、縁端起立部27に略同じ上下方向の長さを有する平板状であって、第1防護工台車2Aの縁端起立部27及び第2防護工台車2Bの縁端起立部27を挟んで対向配置されている。
【0092】
このため、一対の側面部74aは、延長方向Xで隣接する天面部21の間を上部カバー7で覆った状態において、天面部21の上面に当接している。
なお、一対の側面部74aは、トンネル100のカーブに沿って枢動した状態における第1防護工台車2Aの縁端起立部27と第2防護工台車2Bの縁端起立部27との間隔よりも広い間隔を隔てて対向するように形成されている。
【0093】
カバー本体74の上面部74bは、図6に示すように、上下方向に厚みを有するとともに、縁端起立部27の延設部分27bに当接する平板状に形成されている。
カバー本体74のフランジ75は、図6及び図8に示すように、幅員方向Yに厚みを有する板状であって、カバー本体74の縁端から外方へ向けて突出した側面視門型形状に形成されている。
【0094】
このフランジ75には、図6に示すように、後述するカバー留め具73を係止する係止孔75aが、延長方向Xに所定間隔を隔てて開口形成されるとともに、作業員の持ち手となる持ち手部76が上端に接合されている。
【0095】
また、上部カバー7の第2分割カバー72は、図3に示すように、防護工台車2の傾斜面部22と側壁部23との境界近傍に沿って屈曲した形状に形成されるとともに、側方カバー8の上端近傍に重なり合う形状に形成されている。
【0096】
この第2分割カバー72は、断面門型形状のカバー本体(符号省略)と、第1分割カバー71側の縁端に立設したフランジ(符号省略)とで構成されている。
なお、第2分割カバー72のカバー本体及びフランジは、傾斜面部22と側壁部23との境界近傍に沿って屈曲している点を除けば、第1分割カバー71のカバー本体74及びフランジ75と略同じ構成のため、その詳細な説明を省略する。
【0097】
また、上部カバー7のカバー留め具73は、後述するシート留め具83(図9参照)と同一形状であって、隣接する第1分割カバー71のフランジ75同士を挟持する、または隣接する第1分割カバー71のフランジ75と第2分割カバー72のフランジ(符号省略)を挟持する部材である。
【0098】
このカバー留め具73は、例えばフランジ75を挟持するU字状のクリップ部分と、クリップ部分の一端から延設され、係止孔75aに係止されるL字状の係止部分とを有するUクリップで構成されている。
【0099】
一方、カバー部材6の側方カバー8は、延長方向Xで隣接する側壁部23の間を覆うシート状のカバーであって、側壁部23の上端から側壁部23の下端(段付き部分23aの下端)に至る上下方向の長さに形成されている。
【0100】
この側方カバー8は、図5及び図9に示すように、上下方向に長いシート状のカバー本体81と、カバー本体81における延長方向Xの両端をそれぞれ挟持する一対のカバー縁部82と、カバー縁部82を縁端起立部27に挟持によって取り付ける複数のシート留め具83とで構成されている。
【0101】
詳述すると、側方カバー8のカバー本体81は、可撓性を有するとともに、防炎性及び防水性を有するシート材で構成されている。
さらに、カバー本体81は、図9に示すように、第1防護工台車2Aと第2防護工台車2Bとが連結した状態において、延長方向Xで隣接する側壁部23の間隔よりも長い延長方向Xの長さに形成されている。
【0102】
また、側方カバー8のカバー縁部82は、図9に示すように、カバー本体81の縁端を挟持する一対の縁板部分821と、カバー本体81を挟んで一対の縁板部分821を締結するボルト822及びナット823とで構成されている。
さらに、カバー縁部82には、シート留め具83が係止される複数の係止孔82aが、上下方向に所定間隔を隔てて開口形成されている。
【0103】
また、側方カバー8のシート留め具83は、カバー縁部82と縁端起立部27の延設部分27bとを挟持する部材である。
このシート留め具83は、図9に示すように、例えばカバー縁部82と縁端起立部27の延設部分27bとを挟持するU字状のクリップ部分83aと、クリップ部分83aの一端から延設され、係止孔82aに係止されるL字状の係止部分83bとを有するUクリップで構成されている。
【0104】
次に、上述した連結構造を備えた第1防護工台車2A及び第2防護工台車2Bを連結する工程、伸縮棒ジャッキ5を着脱する工程、カバー部材6を取り付ける工程について簡単に説明する。
【0105】
まず、トンネル100の内部において、第1防護工台車2A及び第2防護工台車2Bを連結する際、作業員は、第1連結部24の貫通孔24aと第2連結部25の貫通孔25aが連通するように、第1防護工台車2Aと第2防護工台車2Bとを延長方向Xに所定間隔を隔てた位置に移動させる。
【0106】
そして、作業員は、第1連結部24の貫通孔24a及び第2連結部25の貫通孔25aに対して連結ピン29を上方から下方へ向けて挿通して、第1防護工台車2Aと第2防護工台車2Bとを枢動自在に連結する。
【0107】
第1防護工台車2Aと第2防護工台車2Bとを連結すると、作業員は、シート留め具83を用いて側方カバー8を側壁部23の縁端起立部27に取り付けて、延長方向Xで隣接する側壁部23の間を閉塞する。
【0108】
この際、延長方向Xで隣接する側壁部23の間隔よりも長い延長方向Xの長さにカバー本体81が形成されているため、側方カバー8のカバー本体81は、図9に示すように、延長方向Xで隣接する側壁部23の間を弛んだ状態で覆うことになる。
【0109】
さらに、連結状態の第1防護工台車2A及び第2防護工台車2Bを、覆工コンクリート101の改修を行う施工位置へ移動させる場合、作業員は、延長方向Xで隣接する側壁部23に伸縮棒ジャッキ5を取り付けて、延長方向Xで隣接する側壁部23を連結する。
【0110】
連結状態の第1防護工台車2A及び第2防護工台車2Bを施工位置に移動させると、作業員は、伸縮棒ジャッキ5を取り外すとともに、上部カバー7を載置して、延長方向Xで隣接する天面部21の間及び傾斜面部22の間を閉塞する。
【0111】
このようにして、本実施形態は、第1防護工台車2A及び第2防護工台車2Bを連結して連結防護工台車1を構成するとともに、例えば覆工コンクリート101の切削で生じる切削水やコンクリート片が、防護工台車2の内部の通行空間Saに侵入することを防止している。
【0112】
以上のように、本実施形態の防護工台車2の連結構造は、供用中のトンネル100の路面3に対向する天面部21、及び対向する一対の側壁部23を有する断面門型形状の防護工台車2をトンネル100の延長方向Xに複数配置し、延長方向Xで隣接する防護工台車2同士を連結する連結構造である。
【0113】
この防護工台車2の連結構造は、トンネル100の延長方向Xに所定間隔を隔てて並置した防護工台車2である第1防護工台車2A及び第2防護工台車2Bと、第1防護工台車2A及び第2防護工台車2Bを枢動可能に連結する枢動連結部28とが備えられている。
【0114】
さらに、防護工台車2の連結構造は、第1防護工台車2Aと第2防護工台車2Bとが枢動可能な状態で、少なくとも第1防護工台車2Aの天面部21と第2防護工台車2Bの天面部21との間を覆うカバー部材6が備えられている。
【0115】
また、本実施形態の連結防護工台車1は、供用中のトンネル100の路面3に対向する天面部21、及び対向する一対の側壁部23を有する断面門型形状の防護工台車2をトンネル100の延長方向Xに複数配置し、延長方向Xで隣接する防護工台車2を、上述した防護工台車2の連結構造で連結したものである。
また、本実施形態のトンネル改修工法は、上述の連結防護工台車1を用いて、供用中のトンネル100の内部の覆工コンクリート101を改修するものである。
【0116】
この構成によれば、延長方向Xに所定間隔を隔てて配置した第1防護工台車2Aと第2防護工台車2Bとが枢動自在に連結されるため、連結状態の第1防護工台車2A及び第2防護工台車2Bがトンネルのカーブを通過する際、連結状態の第1防護工台車2A及び第2防護工台車2Bをトンネルのカーブに沿って屈曲させることができる。
【0117】
この際、カバー部材6が枢動連結部28を介した第1防護工台車2Aと第2防護工台車2Bとの枢動を阻害することなく、延長方向Xで隣接する天面部21の間を覆うため、防護工台車2の連結構造は、連結状態の第1防護工台車2A及び第2防護工台車2Bを、トンネル100の平面線形に追従して移動させることができる。
【0118】
そして、覆工コンクリート101を改修する際、第1防護工台車2Aの天面部21と第2防護工台車2Bの天面部21との間をカバー部材6で覆うことにより、防護工台車2の連結構造は、覆工コンクリート101の切削で生じた切削水や落下物が、第1防護工台車2Aと第2防護工台車2Bとの間に上方から侵入することを防止できる。
【0119】
よって、防護工台車2の連結構造、連結防護工台車1、及びトンネル改修工法は、トンネル100の平面線形に対する追従性と、防護工台車2の内部を通行する車両Vの安全性とを両立して確保することができる。
【0120】
また、カバー部材6は、第1防護工台車2Aの天面部21と第2防護工台車2Bの天面部21との間を覆う金属製の上部カバー7が備えられている。
この構成によれば、覆工コンクリート101の切削で生じた切削水や落下物が、隣接する天面部21の間を通って車道上に落下することを確実に防止できるとともに、落下物に対する強度を確保することができる。
これにより、防護工台車2の連結構造は、防護工台車2の内部を通行する車両Vの安全性を確実に確保することができる。
【0121】
また、上部カバー7は、幅員方向Yに所定間隔を隔てた位置で分割された複数の分割カバー(第1分割カバー71及び第2分割カバー72)と、隣接する分割カバー(第1分割カバー71及び第2分割カバー72)を挟持によって連結するカバー留め具73とが備えられている。
この構成によれば、上部カバー7を分割して着脱できるため、分割されていない上部カバー7に比べて、重量物である上部カバー7の着脱を容易にすることができる。
【0122】
さらに、隣接する分割カバーを挟持によって連結するカバー留め具73により、防護工台車2の連結構造は、分割カバーを隙間なく連結することができる。このため、防護工台車2の連結構造は、覆工コンクリート101の切削で生じた切削水や落下物が、隣接する分割カバーの間を通って車道上に落下することをより確実に防止できる。
【0123】
また、第1防護工台車2Aの天面部21及び第2防護工台車2Bの天面部21は、延長方向Xの縁端側に立設された縁端起立部27が備えられている。
そして、上部カバー7は、第1防護工台車2Aの縁端起立部27及び第2防護工台車2Bの縁端起立部27を挟んで対向するとともに、天面部21に当接する一対の側面部74aと、縁端起立部27に当接する上面部74bと有する断面門型形状に形成されている。
【0124】
この構成によれば、落下物との衝突による上部カバー7の上面部74bの変形を、第1防護工台車2Aの縁端起立部27、第2防護工台車2Bの縁端起立部27及び上部カバー7の一対の側面部74aによって抑えることができる。
【0125】
これにより、防護工台車2の連結構造は、重量物に対する上面部74bの強度を向上できるため、上部カバー7に落下した落下物が車道上に落ちることをより確実に防止できる。
【0126】
さらに、防護工台車2の連結構造は、上部カバー7の延長方向Xへの移動を、第1防護工台車2Aの縁端起立部27及び第2防護工台車2Bの縁端起立部27によって規制することができる。
【0127】
これにより、防護工台車2の連結構造は、隣接する天面部21の間からの上部カバー7の脱落を防止することができる。
よって、防護工台車2の連結構造は、防護工台車2の内部を通行する車両Vの安全性をより確実に確保することができる。
【0128】
また、上部カバー7の一対の側面部74aは、トンネル100に沿って枢動した状態における第1防護工台車2Aの縁端起立部27と第2防護工台車2Bの縁端起立部27との間隔よりも広い延長方向Xの間隔を隔てて対向配置されている。
【0129】
この構成によれば、隣接する天面部21の間隔に対して上部カバー7の側面部74aの間隔を広くできるため、例えば隣接する天面部21の間の形状が平面視略矩形から平面視略台形状となるような第1防護工台車2Aと第2防護工台車2Bとの枢動を、上部カバー7が阻害することがない。
【0130】
これにより、防護工台車2の連結構造は、第1防護工台車2Aと第2防護工台車2Bが枢動した状態であっても、隣接する天面部21の間を上部カバー7で確実に覆うことができるため、落下物の車道への落下を防止することができる。
【0131】
また、カバー部材6は、第1防護工台車2Aの側壁部23と第2防護工台車2Bの側壁部23との間隔よりも長い延長方向Xの長さで、隣接する側壁部23の間を覆う可撓性を有する側方カバー8が備えられている。
【0132】
この構成によれば、隣接する側壁部23の間隔が変化した際、側方カバー8と側壁部23との間に隙間が生じることを防止できるとともに、側壁部23の間隔の変化に追従して、隣接する側壁部23の間を安定して覆うことができる。
【0133】
このため、防護工台車2の連結構造は、側壁部23に幅員方向Yで対向するトンネル100の内面で反射した洗浄水や切削水が、第1防護工台車2Aと第2防護工台車2Bの間を通って内部に飛散することを側方カバー8によって阻止することができる。
【0134】
さらに、防護工台車2の連結構造は、側方カバー8の取り外すことなく、連結状態の第1防護工台車2A及び第2防護工台車2Bを移動させることができる。
これにより、防護工台車2の連結構造は、連結状態の第1防護工台車2A及び第2防護工台車2Bの移動を効率よく行えるため、トンネル100の改修の工期をより短縮することができる。
【0135】
また、側方カバー8は、シート状のカバー本体81と、側壁部23に設けたシート取付部(縁端起立部27)にカバー本体81を挟持よって取り付けるシート留め具83とが備えられている。
【0136】
この構成によれば、隣接する側壁部23の間を簡素な構成で覆うことができるとともに、側壁部23に対するカバー本体81の着脱を容易にすることができる。
このため、防護工台車2の連結構造は、第1防護工台車2Aと第2防護工台車2Bとの連結、及び連結の解除に要する時間を短くできるため、トンネル100の改修の工期をより短縮することができる。
【0137】
また、防護工台車2は、天面部21における幅員方向Yの両端から斜め下方へ延びて、側壁部23に連結する一対の傾斜面部22が備えられている。
さらに、側方カバー8が、側壁部23の上端近傍から下端近傍に至る範囲において、延長方向Xで隣接する側壁部23の間を覆う構成である。
【0138】
加えて、上部カバー7が、延長方向Xで隣接する天面部21の間、傾斜面部22の間、及び側壁部23における上端近傍の間を一体的に覆うとともに、側方カバー8の上端近傍に対向する構成である。
【0139】
この構成によれば、延長方向Xで隣接する天面部21だけでなく、延長方向Xで隣接する傾斜面部22及び側壁部23の上端近傍を覆うため、防護工台車2の上方で生じた切削水や落下物の車道への侵入を上部カバー7で確実に阻止することができる。
【0140】
さらに、上部カバー7と側方カバー8とが幅員方向Yで重なり合うため、防護工台車2の連結構造は、幅員方向Yから見て、上部カバー7と側方カバー8との間に隙間が生じることを防止できる。このため、防護工台車2の連結構造は、第1防護工台車2Aと第2防護工台車2Bとの間をカバー部材6によって確実に覆うことができる。
【0141】
また、枢動連結部28は、第1防護工台車2Aの天面部21に設けられ、上下方向に貫通する貫通孔24aを有する第1連結部24と、第2防護工台車2Bの天面部21に設けられ、上下方向に貫通する貫通孔25aを有する第2連結部25とが備えられている。
そして、枢動連結部28は、第1連結部24の貫通孔24a及び第2連結部25の貫通孔25aに挿通する連結ピン29が備えられている。
【0142】
この構成によれば、連結ピン29を例えば上方から下方へ向けて貫通孔24a,25aに挿通するだけで、第1防護工台車2Aと第2防護工台車2Bとを枢動可能に連結することができる。このため、防護工台車2の連結構造は、第1防護工台車2Aと第2防護工台車2Bとの連結に要する時間を短縮することができる。
【0143】
また、第1連結部24と第2連結部25とが、上下方向に所定間隔を隔てて対向配置されているため、防護工台車2の連結構造は、連結状態の第1防護工台車2Aと第2防護工台車2Bとを上下方向に相対移動させることができる。このため、防護工台車2の連結構造は、連結状態の第1防護工台車2A及び第2防護工台車2Bをトンネル100の勾配変化に追従させることができる。
【0144】
また、連結ピン29は、上下方向に延びる断面円形のピン本体29aが備えられている。そして、ピン本体29aが挿通される貫通孔24a,25aは、トンネル100の幅員方向Yに長い平面視長楕円形状に形成されている。
【0145】
この構成によれば、連結ピン29の挿入性を損なうことなく、延長方向Xにおける第1防護工台車2Aと第2防護工台車2Bとの間隔を一定にすることができる。このため、防護工台車2の連結構造は、第1防護工台車2Aと第2防護工台車2Bとが意図せず衝突する、あるいは延長方向Xに離間することを防止できる。
【0146】
さらに、断面円形のピン本体29aに対して貫通孔24a,25aが平面視長楕円形状のため、防護工台車2の連結構造は、連結ピン29のピン本体29aと貫通孔24a,25aとの間に幅員方向Yの遊びを設けることができる。
【0147】
このため、防護工台車2の連結構造は、連結状態の第1防護工台車2A及び第2防護工台車2Bがトンネル100のカーブを通過する際、トンネル100のカーブに追従するように連結状態の第1防護工台車2A及び第2防護工台車2Bをスムーズに枢動させることができる。
【0148】
これにより、防護工台車2の連結構造は、トンネル100の平面線形に対する追従性を向上できるとともに、連結状態の第1防護工台車2A及び第2防護工台車2Bを安全に移動させることができる。
【0149】
また、第1防護工台車2Aの側壁部23と第2防護工台車2Bの側壁部23とを延長方向Xに連結する伸縮自在な一対の伸縮棒ジャッキ5が備えられているため、防護工台車2の連結構造は、連結状態の第1防護工台車2A及び第2防護工台車2Bが移動する際に生じる引張荷重を、枢動連結部28及び一対の伸縮棒ジャッキ5で受けることができる。
【0150】
このため、防護工台車2の連結構造は、第1防護工台車2Aと第2防護工台車2Bとを枢動連結部28のみで連結した場合に比べて、枢動連結部28に作用する引張荷重を低減することができる。
【0151】
この際、一対の伸縮棒ジャッキ5が伸縮自在なため、防護工台車2の連結構造は、枢動連結部28を中心とした第1防護工台車2Aと第2防護工台車2Bとの枢動が、一対の伸縮棒ジャッキ5によって阻害されることを防止できる。
よって、防護工台車2の連結構造は、トンネル100の平面線形に対する追従性を損なうことなく、引張荷重による意図しない不具合を防止することができる。
【0152】
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
この発明の連結部材は、実施形態の伸縮棒ジャッキ5に対応し、
以下同様に、
分割カバーは、第1分割カバー71及び第2分割カバー72に対応するが、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
【0153】
具体的には、路面3に敷設した軌道4に載置される防護工台車2としたが、これに限定せず、トンネル100の内部において、路面3に直接的に載置される防護工台車であってもよい。
【0154】
また、防護工台車2の上部に枢動連結部28を有する構成としたが、これに限定せず、隣接する防護工台車2が枢動可能であれば、枢動連結部は適宜の位置に配置されてもよい。
また、ラチェット機構を有するターンバックルで構成された伸縮棒ジャッキ5としたが、これに限定せず、伸縮可能な連結部材であればダンパーなどであってもよい。
【0155】
また、第1連結部24の貫通孔24a及び第2連結部25の貫通孔25aを、幅員方向Yに長い平面視長楕円形状としたが、これに限定せず、第1連結部24の貫通孔24a及び第2連結部25の貫通孔25aのいずれか一方が、幅員方向Yに長い平面視長楕円形状であればよい。
【0156】
また、複数に分割された上部カバー7としたが、これに限定せず、分割されていない上部カバーであってもよい。
また、Uクリップで構成されたカバー留め具73としたが、これに限定せず、上部カバー7のフランジ75を挟持によって連結する部材であれば、適宜の構成の部材であってよい。
【0157】
また、Uクリップで構成されたシート留め具83としたが、これに限定せず、カバー縁部82を、縁端起立部27の延設部分27bに挟持によって取り付け可能な部材であれば、適宜の構成の部材であってよい。
【0158】
また、側方カバー8のカバー本体81を、カバー縁部82を介して縁端起立部27に取り付けたが、これに限定せず、カバー本体81を縁端起立部27に直接的に取り付けてもよい。
【0159】
また、隣接する側壁部23の間隔よりも長い延長方向Xの長さを有するシート状のカバー本体81としたが、これに限定せず、隣接する側壁部23の間隔よりも長い延長方向Xの長さに伸縮可能な蛇腹形状のカバーであってもよい。
【0160】
また、上部カバー7を取り外した状態で、連結状態の第1防護工台車2A及び第2防護工台車2Bを移動させたが、これに限定せず、延長方向Xで隣接する天面部21に上部カバー7を載置した状態で、連結状態の第1防護工台車2A及び第2防護工台車2Bを移動させてもよい。
【符号の説明】
【0161】
1…連結防護工台車
2…防護工台車
2A…第1防護工台車
2B…第2防護工台車
3…路面
5…伸縮棒ジャッキ
6…カバー部材
7…上部カバー
8…側方カバー
21…天面部
23…側壁部
24…第1連結部
24a…貫通孔
25…第2連結部
25a…貫通孔
27…縁端起立部
28…枢動連結部
29…連結ピン
29a…ピン本体
71…第1分割カバー
72…第2分割カバー
73…カバー留め具
74a…側面部
74b…上面部
81…カバー本体
83…シート留め具
100…トンネル
X…延長方向
Y…幅員方向
図1
図2
図3
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図9