(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024115794
(43)【公開日】2024-08-27
(54)【発明の名称】切断機及び切断した突起物の落下防止装置
(51)【国際特許分類】
B23D 55/00 20060101AFI20240820BHJP
E04G 21/16 20060101ALI20240820BHJP
【FI】
B23D55/00 D
E04G21/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023021635
(22)【出願日】2023-02-15
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り ▲1▼掲載年月日 令和4年11月15日 ▲2▼ウェブサイトのアドレス http://nichiwa-rent.co.jp/rease.html ▲3▼掲載アドレス http://nichiwa-rent.co.jp/8_1.html https://www.youtube.com/watch?v=aKeFcndK2tM
(71)【出願人】
【識別番号】599115376
【氏名又は名称】樋脇 就三
(74)【代理人】
【識別番号】110001014
【氏名又は名称】弁理士法人東京アルパ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】樋脇 就三
【テーマコード(参考)】
2E174
3C040
【Fターム(参考)】
2E174AA01
2E174BA03
2E174EA07
3C040AA16
3C040GG41
3C040JJ03
3C040JJ04
(57)【要約】
【課題】立設する鉄骨柱の突起物を切断し、該切断した突起物の落下防止機能を備える切断機を提供する。
【解決手段】立設する鉄骨柱24の鉄骨部24aに突設される突起物25を切断する切断機21であって、切断機は、取り付けガイド用の磁石式の取付治具と、切断機本体23とから構成され、切断機本体は、後部支柱38及び後部横架板49に設置する突起物の落下防止装置51を有する。落下防止装置は、後部支柱及び後部横架板に載置するT字形板材52と、T字形板材の移動用長孔53に対して前後方向の位置調整をしてからボルト止めするスライド部材55と、スライド部材に対して上下方向の位置調整をして突起物を挟持させた状態でボルト56止めする受け部材57とから構成される。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
立設する鉄骨柱や鉄骨材の鉄骨部に突設される突起物を切断し、該切断した突起物の落下防止機能を備える切断機であって、
該切断機は、取り付けガイド用の磁石式の取付治具と、切断機本体とから構成され、
前記取付治具は、
中央位置に備える目印用のセンタープレートと、
後部側に備える係止用凹部と、を少なくとも備え、
前記切断機本体は、
前部側に備える係止用バーと、
該係止用バーの両端部に設けられる前部支柱と、
後部側に備える一対の磁石式の後部取付部と、
それぞれの後部取付部に設けられる後部支柱と、
それぞれの後部支柱の間に渡って設けられる後部横架板と、
前記前部支柱と前記後部支柱との間に渡って設けられる移動用ガイドレールと、
該移動用ガイドレールに沿って移動可能なガイドホルダーと、
該ガイドホルダーに連設されると共に中央部に前記突起物を通過するための切断開口部を有する取付基板と、
該取付基板に設けられる駆動モータと、
該駆動モータの駆動に連動して駆動すると共に前記取付基板に設けられる駆動ローラと、
該駆動ローラと相対して前記取付基板に設けられる一対の従動ローラと、
該従動ローラと前記駆動ローラとで回転するハンドソーと、を少なくとも備え、
さらに、前記後部支柱及び前記後部横架板に設置し、前記切断した突起物を保持して落下を防止する落下防止装置を有すること
を特徴とする切断機。
【請求項2】
前記落下防止装置は、
前記後部支柱及び前記後部横架板に載置するT字形板材と、
該T字形板材の移動用長孔に対して前後方向の位置調整をしてからボルト止めするスライド部材と、
該スライド部材に対して上下方向の位置調整をして前記突起物を挟持させた状態でボルト止めする受け部材と、から構成されること
を特徴とする請求項1に記載の切断機。
【請求項3】
立設する鉄骨柱や鉄骨材の鉄骨部に突設される突起物を切断する切断機に設けられて、切断した突起物を挟持して落下防止を図る突起物の落下防止装置であって、
該落下防止装置は、
前記切断機に設置するT字形板材と、
該T字形板材の移動用長孔に対して前後方向の位置調整をしてからボルト止めするスライド部材と、
該スライド部材に対して上下方向の位置調整をして前記突起物を挟持させた状態でボルト止めする受け部材と、から構成されること
を特徴とする切断した突起物の落下防止装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄骨構造や鉄筋コンクリート構造における鉄骨柱等の接続部分等に突設される吊りピース、エレクションピース、ガイドピース又はジョイントプレート等の突起物を切断し、該切断した突起物の落下防止機能を備える切断機及び切断した突起物の落下防止装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の切断機としては、
図14及び
図15に示す構成のものが知られている。この切断機1は、鉄骨柱に着脱自在に取り付ける4箇所の強力な磁石式の取付部2と、それぞれの取付部2に設けられるレールガイド支柱3と、前後のレールガイド支柱3同士に渡って設けられる移動用ガイドレール4と、移動用ガイドレール4に沿って移動するための移動ローラ5と、移動ローラ5に連設されると共に中央部に突起物(被切断物)を通過するための切断開口部6を有する取付基板7と、取付基板7に設けられる駆動モータ8と、駆動モータ8の駆動に連動して駆動すると共に取付基板7に設けられる駆動ローラ9と、駆動ローラ9と相対して取付基板7に設けられる一対の従動ローラ10と、従動ローラ10と駆動ローラ9とで回転するバンドソー11とから構成される(特許文献1参照)。
【0003】
このような構成の切断機1で突起物13を切断する場合は、
図16に示すように、立設する鉄骨柱12の突起物13に相対して4箇所の取付部2を、鉄骨柱12に磁着させてから、駆動モータ8を駆動させて、バンドソー11を高速に回転させる。
【0004】
そして、取付基板7がその自重によって移動用ガイドレール4に沿って下降し、当該取付基板7の切断開口部6が突起物13を通過して、バンドソー11が突起物13を切断するのである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この従来例の切断機1においては、バンドソー11が突起物13を切断する終了間際に突起物13を手で掴むことによって、切断した突起物13の落下を防止している。
しかしながら、突起物13を手で掴むタイミングを誤って掴み損ねた場合や、手で掴む動作を失念した場合などには、突起物13が下方に落下して非常に危険であるという問題点を有している。
【0007】
従って、従来例における切断機1においては、切断終了した突起物13が下方に落下しない仕組みを設けることに解決しなければならない課題を有している。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記従来例の課題を解決するための本発明の要旨は、立設する鉄骨柱や鉄骨材の鉄骨部に突設される突起物を切断し、該切断した突起物の落下防止機能を備える切断機であって、該切断機は、取り付けガイド用の磁石式の取付治具と、切断機本体とから構成され、前記取付治具は、中央位置に備える目印用のセンタープレートと、後部側に備える係止用凹部と、を少なくとも備え、前記切断機本体は、前部側に備える係止用バーと、該係止用バーの両端部に設けられる前部支柱と、後部側に備える一対の磁石式の後部取付部と、それぞれの後部取付部に設けられる後部支柱と、それぞれの後部支柱の間に渡って設けられる後部横架板と、前記前部支柱と前記後部支柱との間に渡って設けられる移動用ガイドレールと、該移動用ガイドレールに沿って移動可能なガイドホルダーと、該ガイドホルダーに連設されると共に中央部に前記突起物を通過するための切断開口部を有する取付基板と、該取付基板に設けられる駆動モータと、該駆動モータの駆動に連動して駆動すると共に前記取付基板に設けられる駆動ローラと、該駆動ローラと相対して前記取付基板に設けられる一対の従動ローラと、該従動ローラと前記駆動ローラとで回転するハンドソーと、を少なくとも備え、さらに、前記後部支柱及び前記後部横架板に設置し、前記切断した突起物を保持して落下を防止する落下防止装置を有することである。
【0009】
また、前記落下防止装置は、前記後部支柱及び前記後部横架板に載置するT字形板材と、該T字形板材の移動用長孔に対して前後方向の位置調整をしてからボルト止めするスライド部材と、該スライド部材に対して上下方向の位置調整をして前記突起物を挟持させた状態でボルト止めする受け部材と、から構成されることである。
【0010】
前記従来例の課題を解決するための本発明の要旨は、立設する鉄骨柱や鉄骨材の鉄骨部に突設される突起物を切断する切断機に設けられて、切断した突起物を挟持して落下防止を図る突起物の落下防止装置であって、該落下防止装置は、前記切断機に設置するT字形板材と、該T字形板材の移動用長孔に対して前後方向の位置調整をしてからボルト止めするスライド部材と、該スライド部材に対して上下方向の位置調整をして前記突起物を挟持させた状態でボルト止めする受け部材と、から構成されることである。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る切断機及び突起物の落下防止装置によれば、受け部材が切断した突起物を挟持した状態で保持するので、切断終了した突起物が下方に落下しない。従って、突起物の落下事故を未然に防止できるので安全性が向上するという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図2】本発明に係る切断機の、突起物を切断する前の側面図である。
【
図3】本発明に係る切断機の、突起物を切断した後の側面図である。
【
図6】切断機本体の後部側の一部と落下防止装置とを示す斜視図である。
【
図16】従来例に係る切断機の使用状態を説明する斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。まず、
図1から
図3において、符号21は切断機を示し、この切断機21は、取り付けガイド用の磁石式の取付治具22と、切断機本体23とから構成される。
なお、
図1の切断機21の平面図と、
図2及び
図3の切断機21の側面図とは、切断した突起物の落下防止装置51が描かれている。
図4の取付治具22及び切断機本体23の斜視図は、落下防止装置51が描かれていない状態である。
【0014】
切断機21は、立設する鉄骨柱24や鉄骨材等の鉄骨部24aに突設される突起物25を切断する切断機である(
図2及び
図3参照)。
突起物25は、鉄骨構造や鉄筋コンクリート構造における鉄骨柱等に突設される吊りピース、エレクションピース、ガイドピース又はジョイントプレート等である。
【0015】
取付治具22は、
図1から
図4に示すように、鉄鋼部24aに着脱自在に取り付ける磁石式の前部取付部26と、前部取付部26に隣接する接続部27とを備えている。
前部取付部26は、箱形に形成されて、強力な磁石式の磁着部28を下部に備えており(
図2から
図4参照)、ロックハンドル29のON/OFF操作で鉄鋼部24aに強力に磁着させ又は取り外することができる仕組みになっている。
接続部27の両側には、一対の位置決め枠31が設けられており、位置決め枠31には、係止用凹部32が形成されている(
図2から
図4参照)。位置決め枠31は、ボルト33を締緩して長孔31aに沿って位置調整が可能であり、係止用凹部32の位置調整ができる。
また、接続部27の下部側の中央位置には、目印用のセンタープレート34が設けられている。
【0016】
切断機本体23は、
図1から
図4に示すように、取付治具22の係止用凹部32に回動可能に係止する係止用バー35と、係止用バー35の両端部に設けられる前部支柱36と、鉄鋼部24aに着脱自在に磁着される一対の強力な磁石式の後部取付部37と、それぞれの後部取付部37に設けられる後部支柱38と、それぞれの後部支柱38の間に渡って設けられる後部横架板49と、前部支柱36と後部支柱38との間に渡って設けられる移動用ガイドレール39と、移動用ガイドレール39に沿って移動可能なガイドホルダー40と、ガイドホルダー40に連設されると共に中央部に突起物25を通過する切断開口部50(
図5参照)を有する取付基板41と、取付基板41に設けられる駆動モータ42と、駆動モータ42の駆動に連動して駆動すると共に取付基板41に設けられる駆動ローラ43と、駆動ローラ43と相対して取付基板41に設けられる一対の従動ローラ44と、従動ローラ44と駆動ローラ43とで回転するバンドソー45とを備え、さらに、後部支柱38及び後部横架板49に設置されて切断した突起物25を保持して落下を防止する落下防止装置51とから構成される。
なお、
図2から
図4中の符号47は移動用補助レールを示し、
図1、
図4中の符号48は前部横架板を示す。
【0017】
係止用バー35は、所定長さの円柱状に形成されており、その途中には、係止用凹部32に嵌まる係止溝46が形成されている(
図4参照)。係止溝46を係止用凹部32に嵌めることによって、センタープレート34と取付基板41の切断開口部50とが一直線上に位置するようになっている。
【0018】
後部取付部37は、切断機本体23の後部の両側にそれぞれ設けられており、箱形に形成されて、強力な磁石を有している。そして、スイッチ37aのON/OFF操作により、鉄鋼部24aに強固に磁着し又は取り外することができる仕組みになっている。
また、それぞれの後部取付部37には、後部支柱38が設けられている(
図1から
図4参照)。そして、それぞれの後部支柱38の間に渡って後部横架板49が設けられている(
図1から
図4参照)。
【0019】
移動用ガイドレール39は、前部支柱36と後部支柱38との間に渡って設けられており、また、移動用ガイドレール39に沿って移動可能なガイドホルダー40が取り付けられている。
【0020】
ガイドホルダー40は、移動用ガイドレール39を挟持する状態に形成されており、このガイドホルダー40が移動用ガイドレール39に沿って摺動した状態で移動(下降)する仕組みになっている。また、ガイドホルダー40は取付基板41に接続している。
【0021】
取付基板41は、所定大きさに形成されて、この取付基板41の両方の側部がそれぞれガイドホルダー40に接続しており、取付基板41の自重によって移動用ガイドレール39に沿って下降し、取付基板41の切断開口部50が突起物25を通過して、バンドソー45が突起物25を切断するのである。
つまり、取付基板41の中央部には、突起物25を通過するための切断開口部50が形成されている(
図5参照)。
【0022】
切断開口部50は、
図5に示すように、縁部50aが垂直に形成されている。従って、垂直に突設する突起物25を通過して切断できる。
【0023】
駆動モータ42は、取付基板41に設けられており、スイッチ42aのON/OFF操作により、駆動と停止とがなされる。
【0024】
駆動ローラ43は、駆動モータ42の駆動に連動して駆動する仕組みになっており、取付基板41に設けられる。また、駆動ローラ43は、従動ローラ44よりも大きめに形成されたプーリからなり、当該従動ローラ44と伝動すべく回転式のバンドソー45が掛け回されている。
【0025】
従動ローラ44は、駆動ローラ43と相対して取付基板41に設けられる。そして、従動ローラ44と駆動ローラ43とは、突起物25に対しバンドソー45が直交するように配設されている。
【0026】
バンドソー45は、ワイヤー式の回転式カッターであり、駆動ローラ43と従動ローラ44とを介して高速に回転する。
【0027】
突起物の落下防止装置51は、
図6及び
図7に示すように、後部支柱38及び後部横架板49に載置するT字形板材52と、T字形板材52の移動用長孔53に対して前後方向の位置調整をしてからボルト54止めする(
図9及び
図11参照)スライド部材55と、スライド部材55に対して上下方向の位置調整をして突起物25を挟持させた状態でボルト56止めする受け部材57とから構成される。
【0028】
T字形板材52は、T字型に形成された金属板材であり、長辺部58と短辺部59とからなる。
長辺部58の底部の両側には、
図9に示すように、溝部60が形成されている。溝部60は後部支柱38に嵌合させるための部位である。溝部60の近傍には、バネ板61が設けられており、このバネ板61が後部支柱38に当接して、溝部60との嵌合状態を維持する。
短辺部59の底部には、
図9に示すように、溝部62が形成されている。溝部62は後部横架板49に嵌合させるための部位である。
また、T字形板材52は、移動用長孔53が形成されている。移動用長孔53は、
図9に示すように、底部側からボルト54を挿入して、スライド部材55の底部のボルト孔63にボルト54止めする部位である。
【0029】
スライド部材55は、
図10及び
図11に示すように、箱形に形成された金属材であり、底部にボルト孔63を有して、ボルト54が螺着される。また、正面部にボルト孔64を有して、ボルト56が螺着される。
【0030】
受け部材57は、
図12及び
図13に示すように、金属板をコ字状に折り曲げて形成されており、正面部に上下位置調整用長孔65が形成されている。上下位置調整用長孔65は、スライド部材55に対して上下方向の位置調整をしてからボルト56止めする部位である。
また、両側の上部に一対の挟持片66が設けられている。挟持片66は、その間に突起物25を挟持させる部位である。挟持片66の内側には、受け止め部67が設けられており、受け止め部67で突起物25を受け止める。
【0031】
次に、以上のような切断機21を、立設する鉄骨柱24や鉄骨材等の鉄骨部24aに取り付ける取付手順について説明する。
まず、
図2に示すように、鉄骨部24aにおける突起物25の上方の適宜位置に取付治具22を磁着させる。
【0032】
そして、取付治具22の係止用凹部32に切断機本体23の係止用バー35を係止させる。この場合、係止用バー35の係止溝46を係止用凹部32に嵌めるのである(
図4参照)。
係止溝46に係止用凹部32を嵌めることによって、センタープレート34と取付基板41の切断開口部50とが一直線上に位置するようになっている。
【0033】
さらに、後部取付部37を鉄骨部24aに磁着させる(
図2参照)。この場合、係止用凹部32に係止した係止用バー35を回動して、後部取付部37を鉄骨部24aに磁着させればよい。
【0034】
このような手順で切断機21を鉄骨部24aに取り付けることによって、取付基板41の切断開口部50の真下に沿って、突起物25が位置することとなる。
取付基板41は、その自重によって移動用ガイドレール39に沿って下降し、当該取付基板41の切断開口部50が突起物25を通過して、バンドソー45が突起物25を切断するのである。
【0035】
次に、落下防止装置51で突起物25を挟持して落下防止を図る作業手順について説明する。
まず、
図6に示すように、T字形板材52の長辺部58の両側の溝部60を後部支柱38に載置して嵌合させる。このとき、バネ板61(
図9参照)が後部支柱38に当接し、溝部60との嵌合状態が維持される。それと同時に短辺部59の溝部62を後部横架板49に載置して嵌合させる。
【0036】
そして、T字形板材52の移動用長孔53とスライド部材55のボルト孔63とを位置合わせすると共に、移動用長孔53に沿ってスライド部材55を移動させて、鉄骨部24aに対して、(即ち、突起物25に対して)、前後方向の位置調整(
図6の矢印参照)をする。つまり、挟持片66が突起物25を挟持可能な位置に位置調整するのである。さらに、移動用長孔53を挿通させたボルト54を、スライド部材55のボルト孔63に螺入し、緊締する。
【0037】
次に、受け部材57の上下方向の位置を調整(
図6の矢印参照)して、挟持片66を突起物25に挟持すると共に、上下位置調整用長孔65にボルト56を挿通させて、該ボルト56をスライド部材55のボルト孔64に螺着し、緊締する。
このような作業手順によって、
図2に示すように、落下防止装置51の挟持片66で突起物25を挟持した状態で保持する。
【0038】
取付基板41は、その自重によって移動用ガイドレール39に沿って下降し、切断開口部50が突起物25を通過して、バンドソー45が突起物25を切断するのであるが、
図3に示すように、切断終了した突起物25は、受け止め部67(
図12及び
図13参照)で受け止められた状態で、挟持片66で挟持されているので、下方に落下しない。
挟持片66で挟持された突起物25は、その後に手で掴んで取り除けばよい。
【0039】
以上のように構成される切断機21及び切断した突起物の落下防止装置51は、切断終了した突起物25が受け止め部67で受け止められた状態で、挟持片66で挟持されるので、突起物25が下方に落下しない。従って、突起物25の落下事故を未然に防止することができて安全性が向上する。
【符号の説明】
【0040】
1 切断機
2 取付部
3 レールガイド支柱
4 移動用ガイドレール
5 移動ローラ
6 切断開口部
7 取付基板
8 駆動モータ
9 駆動ローラ
10 従動ローラ
11 バンドソー
12 鉄骨柱
13 突起物(被切断物)
14 スイッチ
21 切断機
22 取付治具
23 切断機本体
24 鉄骨柱
24a 鉄骨部
25 突起物
26 前部取付部
27 接続部
28 磁着部
29 ロックハンドル
30 ストッパー
31 位置決め枠
31a 長孔
32 係止用凹部
33 ボルト
34 センタープレート
35 係止用バー
36 前部支柱
37 後部取付部
37a スイッチ
38 後部支柱
39 移動用ガイドレール
40 ガイドホルダー
41 取付基板
42 駆動モータ
42a スイッチ
43 駆動ローラ
44 従動ローラ
45 バンドソー
46 係止溝
47 移動用補助レール
48 前部横架板
49 後部横架板
50 切断開口部
50a 縁部
51 落下防止装置
52 T字形板材
53 移動用長孔
54 ボルト
55 スライド部材
56 ボルト
57 受け部材
58 長辺部
59 短辺部
60 溝部
61 バネ板
62 溝部
63 ボルト孔
64 ボルト孔
65 上下位置調整用長孔
66 挟持片
67 受け止め部
【手続補正書】
【提出日】2023-02-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項1】
立設する鉄骨柱や鉄骨材の鉄骨部に突設される突起物を切断し、該切断した突起物の落下防止機能を備える切断機であって、
該切断機は、取り付けガイド用の磁石式の取付治具と、切断機本体とから構成され、
前記取付治具は、
中央位置に備える目印用のセンタープレートと、
後部側に備える係止用凹部と、を少なくとも備え、
前記切断機本体は、
前部側に備える係止用バーと、
該係止用バーの両端部に設けられる前部支柱と、
後部側に備える一対の磁石式の後部取付部と、
それぞれの後部取付部に設けられる後部支柱と、
それぞれの後部支柱の間に渡って設けられる後部横架板と、
前記前部支柱と前記後部支柱との間に渡って設けられる移動用ガイドレールと、
該移動用ガイドレールに沿って移動可能なガイドホルダーと、
該ガイドホルダーに連設されると共に中央部に前記突起物を通過するための切断開口部を有する取付基板と、
該取付基板に設けられる駆動モータと、
該駆動モータの駆動に連動して駆動すると共に前記取付基板に設けられる駆動ローラと、
該駆動ローラと相対して前記取付基板に設けられる一対の従動ローラと、
該従動ローラと前記駆動ローラとで回転するバンドソーと、を少なくとも備え、
さらに、前記後部支柱及び前記後部横架板に設置し、前記切断した突起物を保持して落下を防止する落下防止装置を有すること
を特徴とする切断機。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
前記従来例の課題を解決するための本発明の要旨は、立設する鉄骨柱や鉄骨材の鉄骨部に突設される突起物を切断し、該切断した突起物の落下防止機能を備える切断機であって、該切断機は、取り付けガイド用の磁石式の取付治具と、切断機本体とから構成され、前記取付治具は、中央位置に備える目印用のセンタープレートと、後部側に備える係止用凹部と、を少なくとも備え、前記切断機本体は、前部側に備える係止用バーと、該係止用バーの両端部に設けられる前部支柱と、後部側に備える一対の磁石式の後部取付部と、それぞれの後部取付部に設けられる後部支柱と、それぞれの後部支柱の間に渡って設けられる後部横架板と、前記前部支柱と前記後部支柱との間に渡って設けられる移動用ガイドレールと、該移動用ガイドレールに沿って移動可能なガイドホルダーと、該ガイドホルダーに連設されると共に中央部に前記突起物を通過するための切断開口部を有する取付基板と、該取付基板に設けられる駆動モータと、該駆動モータの駆動に連動して駆動すると共に前記取付基板に設けられる駆動ローラと、該駆動ローラと相対して前記取付基板に設けられる一対の従動ローラと、該従動ローラと前記駆動ローラとで回転するバンドソーと、を少なくとも備え、さらに、前記後部支柱及び前記後部横架板に設置し、前記切断した突起物を保持して落下を防止する落下防止装置を有することである。