(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024115798
(43)【公開日】2024-08-27
(54)【発明の名称】電子機器、及び、電源変換アダプタの誤接続防止方法
(51)【国際特許分類】
H02J 1/00 20060101AFI20240820BHJP
【FI】
H02J1/00 309W
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023021641
(22)【出願日】2023-02-15
(71)【出願人】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080816
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 朝道
(74)【代理人】
【識別番号】100098648
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 潔人
(72)【発明者】
【氏名】加藤 哲也
【テーマコード(参考)】
5G165
【Fターム(参考)】
5G165AA03
5G165BB11
5G165EA06
5G165KA01
5G165LA07
(57)【要約】
【課題】複雑な電子回路を追加することなく電子機器本体への電源変換アダプタの誤接続を防止することに貢献することができる電子機器等を提供すること。
【解決手段】電子機器は、外部電源から電源変換アダプタを介して電子機器本体に給電される。電源変換アダプタは、電源プラグと、電源コードと、電源コードに取り付けられた作用部と、を備える。電子機器本体は、電源プラグと着脱可能に機械的かつ電気的に接続される電源ジャックと、電子回路と、電源ジャックと電子回路との間の電気的な断接を行うスイッチと、を備える。作用部は、電源プラグが電源ジャックに接続されているときに、スイッチに作用できるように構成されている、スイッチは、作用部の作用を受けているときに、電源ジャックと電子回路との間を電気的に接続するように構成されている。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部電源から電源変換アダプタを介して電子機器本体に給電されるように構成された電子機器であって、
前記電源変換アダプタは、
電源プラグと、
前記電源プラグに電気的に接続された電源コードと、
前記電源コードに取り付けられた作用部と、
を備え、
前記電子機器本体は、
前記電源変換アダプタの前記電源プラグと着脱可能に機械的かつ電気的に接続されるように構成された電源ジャックと、
電子回路と、
前記電源ジャックと前記電子回路との間の電気的な断接を行うように構成されたスイッチと、
を備え、
前記作用部は、前記電源プラグが前記電源ジャックに接続されているときに、前記スイッチに作用できるように構成され、
前記スイッチは、前記作用部の作用を受けているときに、前記電源ジャックと前記電子回路との間を電気的に接続するように構成されている、
電子機器。
【請求項2】
前記作用部は、前記電源コードに直接取り付けられている、
請求項1記載の電子機器。
【請求項3】
前記電源変換アダプタは、前記作用部を前記電源コードに取り付けるように構成されたストラップを備える、
請求項1記載の電子機器。
【請求項4】
前記電子機器本体は、前記電源ジャック、前記電子回路、及び前記スイッチを収容する筐体を備え、
前記筐体は、外部から前記スイッチに通ずる穴部を備え、
前記スイッチは、前記電源変換アダプタの前記作用部の作用を受けることが可能なスイッチステムを備えるとともに、前記作用部によって前記スイッチステムが押されたときにオンとなり押されていないときにオフとなるように構成されている、
請求項2又は3記載の電子機器。
【請求項5】
前記電子機器本体は、前記穴部の近傍にて前記筐体の外部に配設されるとともに、前記電源変換アダプタの前記電源コードを着脱可能に固定するように構成されたコード固定部を備え、
前記作用部は、前記電源コードが前記コード固定部に固定されているときに、前記スイッチステムを押し込むように構成されている、
請求項4記載の電子機器。
【請求項6】
前記コード固定部は、前記穴部を跨ぐように一対配設され、
前記作用部は、前記作用部が一対の前記コード固定部間に配されるように前記電源コードを前記コード固定部に固定したときに、前記スイッチステムを押し込むように構成されている、
請求項5記載の電子機器。
【請求項7】
前記作用部は、前記穴部に着脱可能に装着されるように構成され、
前記スイッチステムは、前記作用部が前記穴部に装着されているときに、前記作用部によって押し込まれるように構成されている、
請求項4記載の電子機器。
【請求項8】
前記作用部は、前記穴部からの抜け落ちを防止するように構成されたストッパを備える、
請求項7記載の電子機器。
【請求項9】
前記電子回路は、
複数種類の電圧が入力されるように構成された主回路と、
前記スイッチからの電圧を前記複数種類の電圧に変換して前記主回路に向けて出力するコンバータと、
を備える、
請求項1乃至3のいずれか一に記載の電子機器。
【請求項10】
外部電源から電源変換アダプタを介して電子機器本体に給電されるように構成された電子機器における前記電源変換アダプタの誤接続を防止する誤接続防止方法であって、
前記電源変換アダプタは、
電源プラグと、
前記電源プラグに電気的に接続された電源コードと、
前記電源コードに取り付けられた作用部と、
を備え、
前記電子機器本体は、
前記電源変換アダプタの前記電源プラグと着脱可能に機械的かつ電気的に接続されるように構成された電源ジャックと、
電子回路と、
前記電源ジャックと前記電子回路との間の電気的な断接を行うように構成されたスイッチと、
を備え、
前記誤接続防止方法は、
前記電源プラグを前記電源ジャックに接続するステップと、
前記作用部を前記スイッチに作用させて前記電源ジャックと前記電子回路との間を電気的に接続するステップと、
を含む、誤接続防止方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源変換アダプタから電子機器本体に給電されるように構成された電子機器、及び、電源変換アダプタの誤接続防止方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電源変換アダプタから電子機器本体に給電されるように構成された電子機器は、電源変換アダプタから電子機器本体に給電されているときに、所定の性能を発揮するように設計されている。例えば、電子機器本体が発生するノイズを商用電源に伝導させないようにするとともに、商用電源に接続された他の電子機器が出したノイズを自身の電子機器本体に伝導させないようにするために、電子機器本体と電源変換アダプタとが協調してノイズフィルタ機能を持つように構成されている。また、電子機器本体の万一の故障によって過電流が流れた場合、被害拡大を抑制するために、電源変換アダプタは、電子機器本体の通常の消費電流を越えた電流が流れたら給電を止める過電流保護回路を備えるように構成されている。
【0003】
また、電子機器本体が発生するノイズ成分は電子機器の用途によって異なるとともに、電子機器本体の消費電流も電子機器の用途によって異なることから、電子機器本体の性能は付属の電源変換アダプタと組み合わせたときに保証される。そのため、電子機器は、通常、電子機器本体に付属されている所定の電源変換アダプタを電子機器本体に接続するように取扱説明書等で指定されている。
【0004】
しかしながら、電源変換アダプタの電源プラグと電子機器の電源ジャックは日本国内ではJEITA(一般社団法人電子情報記述産業協会)のRC-5320Aという一般規格で決められたものが使われることが多いため、付属の電源変換アダプタ以外の他の電源変換アダプタの電源プラグを電子機器本体の電源ジャックに接続して使用されてしまうことがあった。付属された電源変換アダプタ以外の他の電源変換アダプタを電子機器本体に接続して使用された場合、電子機器自身あるいは周辺機器の動作不良が発生して所定の性能が発揮できないことがあり、万一の異常時に保護機能が正常に働かず大きな被害をもたらすこともある。
【0005】
そこで、付属された電源変換アダプタ以外の他の電源変換アダプタを電子機器本体に接続して使用されないようにするための技術がある。例えば、特許文献1には、アダプタからの入力電圧及びノイズレベルを監視し、入力電圧及びノイズレベルが各基準値内であるか否かを判定し、基準値内でないときにアダプタからの電力供給を遮断するアダプタの誤接続防止方法が開示されている。また、特許文献2には、端末から、電力を自装置に供給するアダプタに対応する識別情報を受信し、受信した識別情報が、所定の識別情報に対応するか否かを判断し、否と判断した場合には、アダプタから自装置への電力の供給を遮断するアダプタの誤接続防止方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010-181331号
【特許文献2】特開2015-210570号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
以下の分析は、本願発明者により与えられる。
【0008】
特許文献1、2のアダプタの誤接続防止方法では、装置内において、入力電圧及びノイズレベルを監視したり、識別情報を受信して、アダプタの誤接続を判断(判定)するための複雑な電子回路を追加する必要がある。
【0009】
本発明の主な課題は、複雑な電子回路を追加することなく電子機器本体への電源変換アダプタの誤接続を防止することに貢献することができる電子機器、及び、電源変換アダプタの誤接続防止方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1の視点に係る電子機器は、外部電源から電源変換アダプタを介して電子機器本体に給電されるように構成された電子機器であって、前記電源変換アダプタは、電源プラグと、前記電源プラグに電気的に接続された電源コードと、前記電源コードに取り付けられた作用部と、を備え、前記電子機器本体は、前記電源変換アダプタの前記電源プラグと着脱可能に機械的かつ電気的に接続されるように構成された電源ジャックと、電子回路と、前記電源ジャックと前記電子回路との間の電気的な断接を行うように構成されたスイッチと、を備え、前記作用部は、前記電源プラグが前記電源ジャックに接続されているときに、前記スイッチに作用できるように構成され、前記スイッチは、前記作用部の作用を受けているときに、前記電源ジャックと前記電子回路との間を電気的に接続するように構成されている。
【0011】
第2の視点に係る電源変換アダプタの誤接続防止方法は、外部電源から電源変換アダプタを介して電子機器本体に給電されるように構成された電子機器における前記電源変換アダプタの誤接続を防止する誤接続防止方法であって、前記電源変換アダプタは、電源プラグと、前記電源プラグに電気的に接続された電源コードと、前記電源コードに取り付けられた作用部と、を備え、前記電子機器本体は、前記電源変換アダプタの前記電源プラグと着脱可能に機械的かつ電気的に接続されるように構成された電源ジャックと、電子回路と、前記電源ジャックと前記電子回路との間の電気的な断接を行うように構成されたスイッチと、を備え、前記誤接続防止方法は、前記電源プラグを前記電源ジャックに接続するステップと、前記作用部を前記スイッチに作用させて前記電源ジャックと前記電子回路との間を電気的に接続するステップと、を含む。
【発明の効果】
【0012】
前記第1、第2の視点によれば、複雑な電子回路を追加することなく電子機器本体への電源変換アダプタの誤接続を防止することに貢献することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】実施形態1に係る電子機器の電子機器本体と電源変換アダプタとを接続した状態の構成を示した模式図である。
【
図2】実施形態1に係る電子機器の電子機器本体と電源変換アダプタとを分離した状態の構成を示した模式図である。
【
図3】実施形態1に係る電子機器の電子機器本体の電源ジャックと電源変換アダプタの電源プラグとを接続した状態の構成を示した模式図である。
【
図4】実施形態2に係る電子機器の電子機器本体と電源変換アダプタとを接続した状態の構成を示した模式図である。
【
図5】実施形態3に係る電子機器の電子機器本体と電源変換アダプタとを接続した状態の構成を示した模式図である。
【
図6】実施形態4に係る電子機器の電子機器本体と電源変換アダプタとを接続した状態の構成を示した模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、本出願において図面参照符号を付している場合は、それらは、専ら理解を助けるためのものであり、図示の態様に限定することを意図するものではない。また、下記の実施形態は、あくまで例示であり、本発明を限定するものではない。
【0015】
[実施形態1]
実施形態1に係る電子機器について図面を用いて説明する。
図1は、実施形態1に係る電子機器の電子機器本体と電源変換アダプタとを接続した状態の構成を示した模式図である。
図2は、実施形態1に係る電子機器の電子機器本体と電源変換アダプタとを分離した状態の構成を示した模式図である。
図3は、実施形態1に係る電子機器の電子機器本体の電源ジャックと電源変換アダプタの電源プラグとを接続した状態の構成を示した模式図である。
【0016】
電子機器1は、外部電源(図示せず;商用電源、シガーソケット電源等)から電源変換アダプタ20を介して電子機器本体10に給電されるように構成された電気製品である(
図1参照)。電子機器1として、例えば、ノート型パーソナルコンピュータ、ゲーム機、ネットワーク機器、電話機、ファクシミリ機器等の小型の電子機器を用いることができる。電子機器1は、電子機器本体10と、電源変換アダプタ20と、を備える。
【0017】
電子機器本体10は、電源入力部として電源ジャック11を備える電子機器1の本体である(
図1参照)。電子機器本体10は、電源ジャック11と、スイッチ12と、電子回路13と、筐体14と、コード固定部15と、を備える。
【0018】
電源ジャック11は、電源変換アダプタ20の電源プラグ21と着脱可能に機械的かつ電気的に接続される接続部(コネクタ)である(
図1参照)。電源ジャック11は、電源ジャック11の差込口が筐体14の穴部14aに合うように、筐体14に収容(実装)されている。電源ジャック11の差込口には、筐体14の穴部14aに挿通された電源変換アダプタ20の電源プラグ21が差し込まれる。電源ジャック11には、電源変換アダプタ20からの直流電源(例えば、DC12V)が給電される。電源ジャック11は、電子機器本体10内においてスイッチ12を介して電子回路13と電気的に接続されている。
【0019】
スイッチ12は、電源ジャック11と電子回路13との間の電気的な断接(開閉)を行う装置である(
図1参照)。スイッチ12は、作用部26の作用を受けているときに、電源ジャック11と電子回路13との間を電気的に接続する。スイッチ12は、電源変換アダプタ20の作用部26の作用を受けることが可能なスイッチステム12aを備える。スイッチ12は、作用部26によってスイッチステム12aが押されたときにオンとなり押されていないときにオフとなるように構成されている。スイッチステム12aの一部(先端部)は、作用部26によってスイッチステム12aが押されていないときに穴部14aを通じて外部に突出するようにすることができる(
図2、
図3参照)。
【0020】
電子回路13は、電子機器本体10の機能に応じた電子的な能動素子を構成要素に含む電気回路である(
図1参照)。電子回路13は、DCDCコンバータ13aと、主回路13bと、を備える。
【0021】
DCDCコンバータ13aは、スイッチ12からの電圧(例えば、DC12V)を複数種類(1種類でも可)の電圧に変換して主回路13bに向けて出力する構成部である(
図1参照)。DCDCコンバータ13aは、電源ジャック11から入力された電源から主回路13bで使用する複数種類(1種類でも可)の電圧に変換する。DCDCコンバータ13aは、
図1の例では、1.0V、3.3V、及び5.0Vに変換しているが、その他の電圧でもよい。
【0022】
主回路13bは、電子機器本体10の機能の主要部を成す電子的な回路である(
図1参照)。主回路13b、DCDCコンバータ13aから複数種類の電圧が入力されるように構成されている。
【0023】
筐体14は、電源ジャック11、電子回路13、及びスイッチ12を収容(実装)する構造体である(
図1参照)。筐体14は、外部から電源ジャック11の差込口に通ずる穴部14aを備える。筐体14は、外部からスイッチ12に通ずる穴部14bを備える。筐体14は、電源変換アダプタ20の電源プラグ21が電源ジャック11から外れないようにするために電源コード22を固定するコード固定部15を備える。
【0024】
コード固定部15は、電源変換アダプタ20の電源コード22を着脱可能に固定する部分である(
図1参照)。コード固定部15は、筐体14の穴部の近傍にて筐体14の外部に配設されている。コード固定部15は、筐体14の穴部14bを跨ぐように一対配設されている。コード固定部15は、例えば、電源変換アダプタ20の電源コード22を挟み込んで固定するようにしてもよい。
【0025】
電源変換アダプタ20は、電源出力部として電源プラグ21を備える電子機器1の付属品である(
図1参照)。電源変換アダプタ20には、外部電源の種類に応じて、例えば、AC-DCアダプタ、DC-DCアダプタを用いることができる。電源変換アダプタ20は、電源プラグ21と、電源コード22と、電源変換部23と、電源ケーブル24と、コンセントプラグ25と、作用部26と、を備える。
【0026】
電源プラグ21は、電子機器本体10の電源ジャック11と着脱可能に機械的かつ電気的に接続される接続部(コネクタ)である(
図1参照)。電源プラグ21は、電源コード22を介して電源変換部23と電気的に接続されている。
【0027】
電源コード22は、電源プラグ21と電源変換部23との間を電気的に接続するコードである(
図1参照)。
【0028】
電源変換部23は、外部電源(例えば、AC100V)を電子機器本体10で使用する電源(例えば、DC12V)に変換する機能部である(
図1参照)。電源変換部23は、電源コード22を介して電源プラグ21と電気的に接続されている。電源変換部23は、
図1の例では、電源ケーブル24を介してコンセントプラグ25と電気的に接続されている。電源変換部23は、電源ケーブルを介さずにコンセントプラグと一体に構成された物であってもよい。また、電源変換部23は、外部電源の種類に応じて、コンセントプラグ25の代わりに他の接続部(例えば、シガーソケット)と電気的に接続するようにしてもよい。
【0029】
電源ケーブル24は、電源変換部23とコンセントプラグ25とを電気的に接続するケーブルである(
図1参照)。
【0030】
コンセントプラグ25は、外部電源のコンセント(図示せず)に電気的かつ機械的に接続する接続部(コネクタ)である(
図1参照)。コンセントプラグ25は、商用電源のコンセントに接続することで、コンセントに流れているAC100Vを電源ケーブル24を介して電源変換部23に供給される。
【0031】
作用部26は、電源プラグ21が電源ジャック11に接続されているときに、スイッチ12に作用できるように構成された構造部である(
図1参照)。作用部26は、電源コード22に直接取り付けられている。作用部26は、電源コード22の電源プラグ21近傍に取り付けられている。作用部26は、電源コード22がコード固定部15に固定されているときに、スイッチ12に作用するように構成されている。作用部26として、例えば、球状突起部、直方体等の立体的な構造体を用いることができる。作用部26は、作用部26が一対のコード固定部15間に配されるように電源コード22をコード固定部15に固定したときに、スイッチステム12aを押し込むように構成されている、
【0032】
次に、実施形態1に係る電子機器の動作について図面(
図1~
図3)を用いて説明する。
【0033】
まず、
図2のように電子機器本体10と電源変換アダプタ20とが分離している状態から、
図3のように電源変換アダプタ20の電源プラグ21を電子機器本体10の電源ジャック11に接続する。このとき、電源変換アダプタ20の作用部26が作用していないスイッチ12はオフであるので、電源プラグ21と電源ジャック11とが接続されていても電源変換アダプタ20から電子回路13には給電されず、電子回路13の主回路13bは動作しない。
【0034】
次に、
図1のように電源変換アダプタ20の電源コード22を電子機器本体10のコード固定部15に固定する。この状態では、電源変換アダプタ20の作用部26によって電子機器本体10のスイッチ12のスイッチステム12aが作用(押下)されるため、スイッチ12がオンになり、電源ジャック11に入力された電源(例えば、DC12V)が電子回路13に供給され、電子回路13のDCDCコンバータ13aによって主回路13bで使用する1.0V、3.3V、5.0Vが生成され、主回路13bは動作することができる。
【0035】
実施形態1によれば、電源変換アダプタ20の電源プラグ21を電子機器本体10の電源ジャック11に接続し、かつ、電源変換アダプタ20の作用部26が電子機器本体10のスイッチ12に作用しているときに電源変換アダプタ20から電子機器本体10の電子回路13に給電する構成になっているので、複雑な電子回路を追加することなく電子機器本体10への電源変換アダプタの誤接続を防止することに貢献することができる。
【0036】
また、実施形態1によれば、作用部26を有さない他の電源変換アダプタの電源プラグを電子機器本体10の電源ジャック11に接続しても、電子機器本体10の電子回路13に給電されないようにすることができるので、誤接続による電子機器1自身あるいは周辺の他の電子機器で動作不良や障害が発生することがなく、加害や被害を回避することができる。
【0037】
また、実施形態1によれば、電子機器本体10に対する電源変換アダプタの誤接続が防止されることで、電子機器本体10に付属された電源変換アダプタ20の電子機器本体10への接続が促され、電子機器1の所定の性能を発揮することができる状態を確保することができる。
【0038】
さらに、実施形態1によれば、作用部26を有さない他の電源変換アダプタを電子機器本体10に接続しても、他の電源変換アダプタから電子機器本体10の電子回路13に給電されないので、ノイズ等による障害を回避することができ、ユーザの利便性が向上し、電子機器1のメーカーへのユーザからの問い合わせを減らすことにも貢献できる。
【0039】
[実施形態2]
実施形態2に係る電子機器について図面を用いて説明する。
図4は、実施形態2に係る電子機器の電子機器本体と電源変換アダプタとを接続した状態の構成を示した模式図である。
【0040】
実施形態2は、実施形態1の変形例である。実施形態1(
図1参照)では電源変換アダプタ20の電源コード22を電子機器本体10のコード固定部15に固定し、その時に電源コード22に設けた作用部26がスイッチ12のスイッチステム12aを作用(押下)して給電を行うものであったが、実施形態2ではコード固定部を廃止し、柔軟性があり、かつ、筐体14に対する摩擦力が大きく抜けにくいゴム、プラスチックなどの弾性材料を用いて作用部27を配設し、作用部27を円柱や直方体などの立体的形状とする。作用部27は、穴部14cに着脱可能に装着される。スイッチステム12aは、作用部27が穴部14cに装着されているときに、作用部によって押し込まれる。電源変換アダプタ20の電源プラグ21を電子機器本体10の電源ジャック11に接続し、かつ、作用部27を筐体14の穴部14cに差し込んで固定することで、作用部27がスイッチ12のスイッチステム12aを作用(押下)してスイッチ12がオンとなり、電源ジャック11からの電源を電子回路13に供給することができる。実施形態2の他の構成は、実施形態1と同様である。
【0041】
実施形態2によれば、実施形態1と同様に、複雑な電子回路を追加することなく電子機器本体10への電源変換アダプタの誤接続を防止することに貢献することができるとともに、実施形態1よりも外観的に電子機器本体10をシンプルな構成とすることができる。
【0042】
[実施形態3]
実施形態3に係る電子機器について図面を用いて説明する。
図5は、実施形態3に係る電子機器の電子機器本体と電源変換アダプタとを接続した状態の構成を示した模式図である。
【0043】
実施形態3は、実施形態2の変形例であり、作用部28を電源コード22に直接取り付けないで、作用部28を、ストラップ29(例えば、紐、チューン等)を介して電源コード22に取り付けたものである。作用部28は、筐体14の穴部14dに差し込まれるように構成され、例えば、栓状の構造体とすることができる。また、作用部28は、穴部14dからの抜け落ちを防止するように構成されたストッパ28aを備えたものとすることができる。電源変換アダプタ20の電源プラグ21を電子機器本体10の電源ジャック11に接続し、かつ、作用部28を筐体14の穴部14dに差し込むことで、作用部28が電子機器本体10のスイッチ12のスイッチステム12aに作用(押下)し、電源ジャック11からの電源を電子回路13に供給することができる。
【0044】
実施形態3によれば、実施形態2と同様に、複雑な電子回路を追加することなく電子機器本体10への電源変換アダプタの誤接続を防止することに貢献することができるとともに、電源コード22に対する作用部28の取付位置を正確にする必要がなくなる。
【0045】
[実施形態4]
実施形態4に係る電子機器について図面を用いて説明する。
図6は、実施形態4に係る電子機器の電子機器本体と電源変換アダプタとを接続した状態の構成を示した模式図である。
【0046】
電子機器1は、外部電源から電源変換アダプタ20を介して電子機器本体10に給電されるように構成された装置である。電子機器1は、電源変換アダプタ20と、電子機器本体10と、を備える。
【0047】
電源変換アダプタ20は、電源プラグ21と、電源プラグ21に電気的に接続された電源コード22と、電源コード22に取り付けられた作用部26と、を備える。
【0048】
電子機器本体10は、電源変換アダプタ20の電源プラグ21と着脱可能に機械的かつ電気的に接続されるように構成された電源ジャック11と、電子回路13と、電源ジャック11と電子回路13との間の電気的な断接を行うように構成されたスイッチ12と、を備える。
【0049】
作用部26は、電源プラグ21が電源ジャック11に接続されているときに、スイッチ12に作用できるように構成されている。スイッチ12は、作用部26の作用を受けているときに、電源ジャック11と電子回路13との間を電気的に接続するように構成されている。
【0050】
実施形態4によれば、電源変換アダプタ20の電源プラグ21を電子機器本体10の電源ジャック11に接続し、かつ、電源変換アダプタ20の作用部26が電子機器本体10のスイッチ12に作用しているときに電源変換アダプタ20から電子機器本体10の電子回路13に給電する構成になっているので、複雑な電子回路を追加することなく電子機器本体10への電源変換アダプタの誤接続を防止することに貢献することができる。
【0051】
上記実施形態の一部または全部は以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
【0052】
[付記1]
外部電源から電源変換アダプタを介して電子機器本体に給電されるように構成された電子機器であって、
前記電源変換アダプタは、
電源プラグと、
前記電源プラグに電気的に接続された電源コードと、
前記電源コードに取り付けられた作用部と、
を備え、
前記電子機器本体は、
前記電源変換アダプタの前記電源プラグと着脱可能に機械的かつ電気的に接続されるように構成された電源ジャックと、
電子回路と、
前記電源ジャックと前記電子回路との間の電気的な断接を行うように構成されたスイッチと、
を備え、
前記作用部は、前記電源プラグが前記電源ジャックに接続されているときに、前記スイッチに作用できるように構成され、
前記スイッチは、前記作用部の作用を受けているときに、前記電源ジャックと前記電子回路との間を電気的に接続するように構成されている、
電子機器。
[付記2]
前記作用部は、前記電源コードに直接取り付けられている、
付記1記載の電子機器。
[付記3]
前記電源変換アダプタは、前記作用部を前記電源コードに取り付けるように構成されたストラップを備える、
付記1記載の電子機器。
[付記4]
前記電子機器本体は、前記電源ジャック、前記電子回路、及び前記スイッチを収容する筐体を備え、
前記筐体は、外部から前記スイッチに通ずる穴部を備え、
前記スイッチは、前記電源変換アダプタの前記作用部の作用を受けることが可能なスイッチステムを備えるとともに、前記作用部によって前記スイッチステムが押されたときにオンとなり押されていないときにオフとなるように構成されている、
付記2又は3記載の電子機器。
[付記5]
前記スイッチステムの一部は、前記スイッチステムが押されていないときに前記穴部を通じて外部に突出している、
付記4記載の電子機器。
[付記6]
前記電子機器本体は、前記穴部の近傍にて前記筐体の外部に配設されるとともに、前記電源変換アダプタの前記電源コードを着脱可能に固定するように構成されたコード固定部を備え、
前記作用部は、前記電源コードが前記コード固定部に固定されているときに、前記スイッチステムを押し込むように構成されている、
付記4又は5記載の電子機器。
[付記7]
前記コード固定部は、前記穴部を跨ぐように一対配設され、
前記作用部は、前記作用部が一対の前記コード固定部間に配されるように前記電源コードを前記コード固定部に固定したときに、前記スイッチステムを押し込むように構成されている、
付記6記載の電子機器。
[付記8]
前記作用部は、前記穴部に着脱可能に装着されるように構成され、
前記スイッチステムは、前記作用部が前記穴部に装着されているときに、前記作用部によって押し込まれるように構成されている、
付記4記載の電子機器。
[付記9]
前記作用部は、前記穴部からの抜け落ちを防止するように構成されたストッパを備える、
付記8記載の電子機器。
[付記10]
前記電子回路は、
複数種類の電圧が入力されるように構成された主回路と、
前記スイッチからの電圧を前記複数種類の電圧に変換して前記主回路に向けて出力するコンバータと、
を備える、
付記1乃至9のいずれか一に記載の電子機器。
[付記11]
外部電源から電源変換アダプタを介して電子機器本体に給電されるように構成された電子機器における前記電源変換アダプタの誤接続を防止する誤接続防止方法であって、
前記電源変換アダプタは、
電源プラグと、
前記電源プラグに電気的に接続された電源コードと、
前記電源コードに取り付けられた作用部と、
を備え、
前記電子機器本体は、
前記電源変換アダプタの前記電源プラグと着脱可能に機械的かつ電気的に接続されるように構成された電源ジャックと、
電子回路と、
前記電源ジャックと前記電子回路との間の電気的な断接を行うように構成されたスイッチと、
を備え、
前記誤接続防止方法は、
前記電源プラグを前記電源ジャックに接続するステップと、
前記作用部を前記スイッチに作用させて前記電源ジャックと前記電子回路との間を電気的に接続するステップと、
を含む、誤接続防止方法。
【0053】
なお、上記の特許文献の各開示は、本書に引用をもって繰り込み記載されているものとし、必要に応じて本発明の基礎ないし一部として用いることが出来るものとする。本発明の全開示(特許請求の範囲及び図面を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態ないし実施例の変更・調整が可能である。また、本発明の全開示の枠内において種々の開示要素(各請求項の各要素、各実施形態ないし実施例の各要素、各図面の各要素等を含む)の多様な組み合わせないし選択(必要により不選択)が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲及び図面を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。また、本願に記載の数値及び数値範囲については、明記がなくともその任意の中間値、下位数値、及び、小範囲が記載されているものとみなされる。さらに、上記引用した文献の各開示事項は、必要に応じ、本願発明の趣旨に則り、本願発明の開示の一部として、その一部又は全部を、本書の記載事項と組み合わせて用いることも、本願の開示事項に含まれる(属する)ものと、みなされる。
【符号の説明】
【0054】
1 電子機器
10 電子機器本体
11 電源ジャック
12 スイッチ
12a スイッチステム
13 電子回路
13a DCDCコンバータ
13b 主回路
14 筐体
14a、14b、14c、14d 穴部
15 コード固定部
20 電源変換アダプタ
21 電源プラグ
22 電源コード
23 電源変換部
24 電源ケーブル
25 コンセントプラグ
26、27、28 作用部
28a ストッパ
29 ストラップ