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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024115800
(43)【公開日】2024-08-27
(54)【発明の名称】電池パック
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/204 20210101AFI20240820BHJP
   H01M 50/213 20210101ALI20240820BHJP
   H01M 50/293 20210101ALI20240820BHJP
   H01M 50/291 20210101ALI20240820BHJP
   H01M 50/211 20210101ALI20240820BHJP
   H01M 50/209 20210101ALI20240820BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20240820BHJP
   H01M 10/643 20140101ALI20240820BHJP
   H01M 10/647 20140101ALI20240820BHJP
   H01M 10/655 20140101ALI20240820BHJP
【FI】
H01M50/204 401H
H01M50/213
H01M50/293
H01M50/291
H01M50/211
H01M50/209
H01M10/613
H01M10/643
H01M10/647
H01M10/655
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023021643
(22)【出願日】2023-02-15
(71)【出願人】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001357
【氏名又は名称】弁理士法人つばさ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】二階堂 雄太
(72)【発明者】
【氏名】坂内 喜幸
(72)【発明者】
【氏名】村山 忍
(72)【発明者】
【氏名】高田 裕彦
【テーマコード(参考)】
5H031
5H040
【Fターム(参考)】
5H031AA09
5H031EE04
5H031KK02
5H040AA28
5H040AA37
5H040AS11
5H040AT01
5H040AT02
5H040AT04
5H040AY04
5H040AY06
5H040LL06
(57)【要約】
【課題】誘爆の可能性を低減することの可能な電池パックを提供する。
【解決手段】本技術の一側面に係る電池パックは、1または複数の電池と、1または複数の電池と隣り合う1または複数の吸熱部材と、1または複数の電池および1または複数の吸熱部材を収容する外装ケースとを備えている。吸熱部材は、水を含む熱不可逆な固形物と、固形物を覆う包装ケースとを有している。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1または複数の電池と、
前記1または複数の電池と隣り合う1または複数の吸熱部材と、
前記1または複数の電池および前記1または複数の吸熱部材を収容する外装ケースと
を備え、
前記吸熱部材は、水を含む熱不可逆な固形物と、前記固形物を覆う包装ケースとを有する
電池パック。
【請求項2】
前記固形物は、グルコマンナンを含む
請求項1に記載の電池パック。
【請求項3】
前記包装ケースは、熱可塑性材料を含む
請求項1に記載の電池パック。
【請求項4】
前記包装ケースは、熱可塑性材料で形成された軟質シート材を含む
請求項3に記載の電池パック。
【請求項5】
前記包装ケースは、金属箔を、熱可塑性材料で形成された軟質シート材で挟み込んだ積層シートを含む
請求項3に記載の電池パック。
【請求項6】
当該電池パックは、複数の前記電池を備え、
各前記電池は、円筒形電池であり、
複数の前記電池は、2つの前記電池が互いに隣り合うように配置され、
前記1または複数の吸熱部材は、互いに隣り合う2つの前記電池の間に配置される
請求項1に記載の電池パック。
【請求項7】
前記1または複数の吸熱部材は、
互いに隣り合う2つの前記電池のうち一方の前記電池の外周面に沿って延在する第1円弧壁と、
互いに隣り合う2つの前記電池のうち他方の前記電池の外周面に沿って延在する第2円弧壁と
を有する
請求項6に記載の電池パック。
【請求項8】
前記1または複数の吸熱部材において、前記固形物は、前記第1円弧壁に沿う第1凹面と、前記第2円弧壁に沿う第2凹面とを有する
請求項7に記載の電池パック。
【請求項9】
当該電池パックは、複数の前記電池を備え、
各前記電池は、円筒形電池であり、
複数の前記電池は、4つの前記電池が互いに隣り合うように配置され、
前記1または複数の吸熱部材は、互いに隣り合う4つの前記電池で囲まれる位置に配置される
請求項1に記載の電池パック。
【請求項10】
前記1または複数の吸熱部材は、
互いに隣り合う4つの前記電池のうち第1の電池の外周面に沿って延在する第1円弧壁と、
互いに隣り合う4つの前記電池のうち第2の電池の外周面に沿って延在する第2円弧壁と、
互いに隣り合う4つの前記電池のうち第3の電池の外周面に沿って延在する第3円弧壁と、
互いに隣り合う4つの前記電池のうち第4の電池の外周面に沿って延在する第4円弧壁と
を有する
請求項9に記載の電池パック。
【請求項11】
前記1または複数の吸熱部材において、前記固形物は、前記第1円弧壁に沿う第1凹面と、前記第2円弧壁に沿う第2凹面と、前記第3円弧壁に沿う第3凹面と、前記第4円弧壁に沿う第4凹面とを有する
請求項10に記載の電池パック。
【請求項12】
前記1または複数の吸熱部材は、前記1または複数の電池と前記外装ケースとの間に配置される
請求項1に記載の電池パック。
【請求項13】
当該電池パックは、複数の前記電池を備え、
各前記電池は、方形状のラミネートフィルム型電池であり、
複数の前記電池は、当該電池の厚さ方向に積層され、
前記1または複数の吸熱部材は、前記電池の積層方向と同一方向に積層され、
複数の前記電池および前記1または複数の吸熱部材は、前記電池の積層方向に交互に配置され、
前記1または複数の吸熱部材は、互いに隣接する2つの前記電池の間であって、かつ少なくとも前記電池の中央部分と対向する箇所に空隙を形成することが可能な構成となっている
請求項1に記載の電池パック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、電池パックに関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器が広く普及しているため、その電子機器に適用される電源として電池の開発が進められている。この場合には、複数の電池を容易かつ安全に取り扱うために、その複数の電池を備えた電池パックが提案されている。
【0003】
電池パックの構成に関連する技術に関しては、様々な検討がなされている。具体的には、電池ユニットの側面に吸熱部材が接触しており、その吸熱部材では外装フィルムの内部に吸熱剤(ゲル状の流体)が内包されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2010/098067号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、電池パックでは、電池パック内の1本の電池が異常発熱を起こしたとき、異常発熱を起こした電池に隣接する他の電池が加熱され、異常発熱、ひいては誘爆を起こすことがある。電池パックでは、このような誘爆の可能性を低減することが望まれる。誘爆の可能性を低減することの可能な電池パックを提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本技術の一側面に係る電池パックは、1または複数の電池と、1または複数の電池と隣り合う1または複数の吸熱部材と、1または複数の電池および1または複数の吸熱部材を収容する外装ケースとを備えている。吸熱部材は、水を含む熱不可逆な固形物と、固形物を覆う包装ケースとを有している。
【発明の効果】
【0007】
本技術の一側面に係る電池パックによれば、1または複数の吸熱部材を、水を含む熱不可逆な固形物と、固形物を覆う包装ケースとにより構成するようにしたので、例えば、電池パック内の1本の電池が異常発熱を起こしたとき、異常発熱を起こした電池と隣り合う吸熱部材の包装ケースが溶解し、包装ケースに覆われた固形物が電池と接触する。このとき、固形物は、水を含む熱不可逆な材料で構成されているので、電池が高温になった場合であっても、液体やゲルのように外部へ流出することが無く、電池との接触を維持する。これにより、異常発熱を起こした電池を固形物によって効率よく冷却することができる。その結果、誘爆の可能性を低減することができる。
【0008】
なお、本技術の効果は、必ずしもここで説明された効果に限定されるわけではなく、後述する本技術に関連する一連の効果のうちのいずれの効果でもよい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本技術の一実施形態に係る電池パックの斜視構成例を表す図である。
図2図2は、電池パックに収容される電池モジュールの斜視構成例を表す図である。
図3図3は、電池パックの展開斜視構成例を表す図である。
図4図4は、電池モジュールの断面構成例を表す図である。
図5図5(A)は、吸熱部材の断面構成例を表す図である。図5(B)は、吸熱部材のA-A線での断面構成例を表す図である。
図6図6は、包装ケースの断面構成例を表す図である。
図7図7は、包装ケースの断面構成例を表す図である。
図8図8(A)は、吸熱剤の斜視構成例を表す図である。図8(B)は、吸熱剤のA-A線での断面構成例を表す図である。
図9図9(A)は、吸熱部材の製造工程の一例を表す図である。図9(B)は、図9(A)に続く製造工程の一例を表す図である。図9(C)は、図9(B)に続く製造工程の一例を表す図である。
図10図10は、吸熱部材の一変形例を表す図である。
図11図11は、図10の吸熱部材を側面から見たときの平面構成例を表す図である。
図12図12は、図10の吸熱部材を側面から見たときの平面構成例を表す図である。
図13図13は、図10の吸熱部材の断面構成例を表す図である。
図14図14は、図13の吸熱剤の一例を表す図である。
図15図15は、吸熱部材の一変形例を表す図である。
図16図16は、図15の電池の正極近傍に配置された吸熱部材およびその周辺の断面構成例を表す図である。
図17図17は、図15の電池の負極近傍に配置された吸熱部材およびその周辺の断面構成例を表す図である。
図18図18は、図15の吸熱部材の断面構成例を表したものである。
図19図19は、図15の吸熱部材の断面構成例を表したものである。
図20図20は、電池モジュールの斜視構成の一変形例を表す図である。
図21図21は、図20の電池モジュールの展開斜視構成例を表す図である。
図22図22(A)は、図20の電池および吸熱部材の断面構成例を表す図である。図22(B)は、図22(A)の電池が膨張したときの様子を表す図である。
図23図23は、電池モジュールの展開斜視構成の一変形例を表す図である。
図24図24(A)は、図23の電池および吸熱部材の断面構成例を表す図である。図24(B)は、図24(A)の電池が膨張したときの様子を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本技術を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0011】
まず、本技術の一実施形態の電池パックに関して説明する。
【0012】
ここで説明する電池パックは、複数の電池を備えた電源であり、電子機器などの多様な用途に適用される。電池パックの用途の詳細に関しては、後述する。電池の種類は、特に限定されないため、一次電池でもよいし、二次電池でもよい。二次電池の種類は、特に限定されないが、具体的には、リチウムイオンの吸蔵放出を利用して電池容量が得られるリチウムイオン二次電池などである。電池の数は、特に限定されないため、任意に設定可能である。以下では、電池が二次電池(リチウムイオン二次電池)である場合に関して説明する。すなわち、以下で説明する電池パックは、複数の二次電池を備えた電源である。
【0013】
図1は、電池パック1の斜視構成例を表したものである。図2は、電池パック1に収容される電池モジュール20の斜視構成例を表したものである。図3は、電池パック1の展開斜視構成例を表したものである。図4は、電池モジュール20の断面構成例を表したものである。
【0014】
電池パック1は、例えば、図1図3に示したように、外装ケース10と、電池モジュール20と、複数の金属製タブ60と、制御基板70とを備えている。制御基板70は、例えば、複数の金属製タブ60を介して電池モジュール20の正負極端子に接続されており、電池や電池モジュール20の電圧計測や、電池モジュール20の残容量の検出、電池モジュール20から出力される電流を計測して過電流の有無の検知などをする回路を有している。
【0015】
外装ケース10は、電池モジュール20、複数の金属製タブ60および制御基板70を収容する。外装ケース10は、例えば、図3に示したように、下部ケース10aおよび上部ケース10bによって構成されている。下部ケース10aおよび上部ケース10bが互いに重ね合されることによって、電池モジュール20、複数の金属製タブ60および制御基板70を収容する収容空間が形成される。外装ケース10(例えば、下部ケース10a)には、制御基板70に接続された外部端子11が設けられている。外部端子11には、制御基板70を介して電池モジュール20が接続されている。
【0016】
電池パック1は、電池モジュール20から出力された電力を、外部端子11を介して負荷に供給する放電モードを有している。電池パック1は、さらに、外部端子11に接続された電源から、外部端子11を介して供給された電力を電池モジュール20に蓄積する充電モードを有していてもよい。後述の電池30が二次電池である場合、制御基板70は、外部端子11に接続された被接続物の種類に応じて、放電モードと充電モードとを切り替えるようになっている。後述の電池30が一次電池である場合、制御基板70は放電モードだけを実行するようになっている。
【0017】
電池モジュール20は、例えば、図2図3に示したように、複数の電池30を有している。複数の電池30は、複数の金属製タブ60を介して電気的に接続されている。各電池30は、例えば、図2に示したように、正極31および負極32を有している。各電池30は、例えば、正極31および負極32が互いに対向する方向に延在する円筒形電池である。電池モジュール20において、例えば、複数の電池30のうちの一部である複数の電池30が複数の金属製タブ60によって互いに直列に接続されており、さらに、互いに直列に接続された複数の電池30を直列ユニットと称したとき、複数の直列ユニットが複数の金属製タブ60によって互いに並列に接続されている。なお、複数の電池30の接続態様は、上記に限定されるものではない。
【0018】
各金属製タブ60は、例えば、金属製のリード板によって構成されている。各電池30は、一次電池または二次電池である。各電池30が二次電池である場合、二次電池の種類は、特に限定されないが、具体的には、リチウムイオンの吸蔵放出を利用して電池容量が得られるリチウムイオン二次電池などである。以下では、各電池30が二次電池(リチウムイオン二次電池)である場合に関して説明する。すなわち、以下で説明する電池パック1は、複数の二次電池を備えた電源である。
【0019】
電池モジュール20は、さらに、例えば、図2図3に示したように、複数の電池40を支持する電池ホルダ40と、複数の電池30の間に配置された複数の吸熱部材50とを有している。電池ホルダ40は、複数の電池30を所定の間隙を介して階層状に支持する構造を有している。吸熱部材50については後に詳述する。
【0020】
図4は、電池モジュール20の断面構成例を表したものである。電池ホルダ40は、例えば、図3図4に示したように、一対のホルダ40aおよびホルダ40bにより構成されている。ホルダ40a,40bは、ともに、共通の構造となっている。
【0021】
ホルダ40a,40bは、それぞれ、例えば、図4に示したように、側板部41を有している。ホルダ40aの側板部41と、ホルダ40bの側板部41とは、各電池30の延在方向(正極31および負極32が互いに対向する方向)において、複数の電池30を間にして互いに対向配置されている。ホルダ40a,40bにおいて、側板部41は、各電池30の正極31および負極32と対向する箇所に開口部42を有している。従って、開口部42には、正極31または負極32が露出している。
【0022】
ホルダ40a,40bは、それぞれ、さらに、例えば、図4に示したように、複数の電池30を所定の間隙を介して階層状に支持する支持部43を有している。支持部43の端両端部に1つずつ側板部41が連結されている。ここで、支持部43が、4つ以上の円筒形の電池30を、所定の間隙を介して階層状に支持しているとする。このとき、支持部43は、例えば、図4に示したように、互いに隣り合う4つの円筒形の電池30で囲まれた箇所に開口部44を有している。吸熱部材50は、互いに隣り合う4つの円筒形の電池30で囲まれる位置に配置されており、開口部44を介して4つの円筒形の電池30の外周面に接している。開口部44は、ホルダ40aの側板部41とホルダ40bの側板部41とに接しており、吸熱部材50は、開口部44を介して、ホルダ40aの側板部41とホルダ40bの側板部41とに接している。
【0023】
図5(A)は、吸熱部材50の斜視構成例を表したものである。図5(B)は、吸熱部材50のA-A線での断面構成例を表したものである。吸熱部材50は、電池ホルダ40(支持部43)に支持された複数の電池30の間隙の形状に対応した形状となっている。吸熱部材50は、電池30と同様、細長い柱形状となっている。ここで、4つ以上の円筒形の電池30が所定の間隙を介して階層状に電池ホルダ40(支持部43)に支持されているとする。このとき、吸熱部材50は、互いに隣接する4つの円筒形の電池30の表面(外周面)に接しており、例えば、互いに隣接する4つの円筒型の電池30の間隙の形状に対応した形状となっている。例えば、図5(B)に示したように、吸熱部材50において、吸熱部材50の延在方向と垂直な方向の断面が、略ひし形の形状となっている。吸熱部材50の延在方向は、各電池30の延在方向(正極31および負極32が互いに対向する方向)と平行な方向である。なお、吸熱部材50の断面形状は、略ひし形に限定されるものではなく、例えば、ひし形となっていてもよいし、他の形状となっていてもよい。
【0024】
ここで、互いに隣接する4つの円筒形の電池30を第1の電池30、第2の電池30、第3の電池30および第4の電池30と称するとする。このとき、吸熱部材50は、第1の電池30の外周面に沿って延在する円弧壁W1(第1円弧壁)と、第2の電池30の外周面に沿って延在する円弧壁W1(第2円弧壁)と、第3の電池30の外周面に沿って延在する円弧壁W1(第3円弧壁)と、第4の電池30の外周面に沿って延在する円弧壁W1(第4円弧壁)とを有している。4つの円弧壁W1は、電池30の外周面に倣った凹形状となっている。
【0025】
吸熱部材50は、例えば、図5(A)、図5(B)に示したように、吸熱剤51と、吸熱剤51を覆う包装ケース52とを有している。
【0026】
包装ケース52は、吸熱剤51を覆っている。包装ケース52は、例えば、吸熱剤51を樹脂層52aで覆った状態で、吸熱剤51および樹脂層52aを加熱、成型することにより形成される。従って、包装ケース52は、吸熱剤51の表面に接している。
【0027】
包装ケース52は、熱可塑性材料で形成された軟質シート材を含んで構成されている。包装ケース52は、例えば、図6に示したような樹脂層52aを軟質シート材として含んで構成されている。樹脂層52aは、例えば、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート等の樹脂材料によって構成されている。
【0028】
包装ケース52は、例えば、積層フィルムを含んで構成されていてもよい。積層フィルムは、例えば、図7に示したように、金属層52cを樹脂層52b,52dで挟み込んだ積層シートである。このとき、包装ケース52は、樹脂層52b,52dを軟質シート材として含んで構成されている。樹脂層52b,52dは、例えば、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート等の樹脂材料によって構成されている。金属層52cは、例えば、アルミニウム箔等の金属箔によって構成されている。
【0029】
吸熱剤51は、水を含む熱不可逆な固形物によって構成されている。つまり、吸熱剤51は、加熱されたとしても溶解もしくは軟化等により電池モジュール20の外に漏れ出ることのない、単独で自立可能な硬さを有している。固形物は、グルコマンナンを含んで構成されている。固形物は、例えば、水にグルコマンナンの粉末を溶かしてグルコマンナンを膨潤させ、その後、アルカリ溶液を加え、加熱してゲル化、さらには、固化することにより形成される。グルコマンナンのアセチル基がアルカリとの反応により脱アセチル化し、脱アセチル化したグルコマンナンを加熱することにより熱不可逆な固形物が形成される。固形物の製造方法は、上記の内容に限定されるものではない。
【0030】
図8(A)は、吸熱剤51の斜視構成例を表したものである。図8(B)は、吸熱剤51のA-A線での断面構成例を表したものである。吸熱剤51は、電池ホルダ40(支持部43)に支持された複数の電池30の間隙の形状に対応した形状となっている。吸熱剤51は、電池30と同様、細長い柱形状となっている。ここで、4つ以上の円筒形の電池30が所定の間隙を介して階層状に電池ホルダ40(支持部43)に支持されているとする。このとき、吸熱剤51は、互いに隣接する4つの円筒形の電池30の表面(外周面)に対して、包装ケース52を介して対向配置される外周面を有しており、例えば、互いに隣接する4つの円筒型の電池30の間隙の形状に対応した形状となっている。例えば、吸熱剤51において、吸熱剤51の延在方向と垂直な方向の断面が、略ひし形の形状となっている。
【0031】
ここで、互いに隣接する4つの円筒形の電池30を第1の電池30、第2の電池30、第3の電池30および第4の電池30と称するとする。このとき、吸熱剤51は、第1円弧壁に沿う凹面S1(第1凹面)と、第2円弧壁に沿う凹面S1(第2凹面)と、第3円弧壁に沿う凹面S1(第3凹面)と、第4円弧壁に沿う凹面S1(第4凹面)とを有している。4つの凹面S1は、電池30の外周面に倣った凹形状となっている。
【0032】
吸熱部材50は、例えば、図9(A)、図9(B)、図9(C)に示した工程を経て製造することが可能である。まず、ゲル状溶液を軟質シート材で覆った吸熱部材50Aを用意する。ゲル状溶液は、例えば、水にグルコマンナンの粉末を溶かしてグルコマンナンを膨潤させ、その後、アルカリ溶液を加えることにより生成された溶液である。次に、例えば、図9(A)に示したように、4つの型片101,102,103,104で囲まれた領域に吸熱部材50Aを配置する。各型片101,102,103,104は、凹面S1を反転させた凸形状の面を有している。
【0033】
次に、例えば、図9(B)に示したように、吸熱部材50Aの外周面に対して4つの型片101,102,103,104を押し当て、その状態で各型片101,102,103,104を所定の温度にまで加熱する。その結果、各型片101,102,103,104の熱が吸熱部材50Aに伝播し、ゲル状溶液が、例えば脱アセチル化等により固化する。このとき、ゲル状溶液や軟質シート材には、押し当てられた各型片101,102,103,104の反転形状が付与される。その後、吸熱部材50から各型片101,102,103,104を脱離する。このようにして、吸熱部材50が形成される。
【0034】
次に、電池パック1の効果について説明する。
【0035】
電子機器が広く普及しているため、その電子機器に適用される電源として電池の開発が進められている。この場合には、複数の電池を容易かつ安全に取り扱うために、その複数の電池を備えた電池パックが提案されている。
【0036】
電池パックの構成に関連する技術に関しては、様々な検討がなされている。具体的には、電池ユニットの側面に吸熱部材が接触しており、その吸熱部材では外装フィルムの内部に吸熱剤(ゲル状の流体)が内包されている(例えば、特許文献1参照)。
【0037】
ところで、電池パックでは、電池パック内の1本の電池が異常発熱を起こしたとき、異常発熱を起こした電池に隣接する他の電池が加熱され、異常発熱、ひいては誘爆を起こすことがある。電池パックでは、このような誘爆の可能性を低減することが望まれる。
【0038】
一方、本実施の形態では、各吸熱部材50が、水を含む熱不可逆な固形物である吸熱剤51と、吸熱剤51を覆う包装ケース52とによって構成されている。これにより、例えば、電池パック1内の1本の電池30が異常発熱を起こしたとき、異常発熱を起こした電池30と隣り合う吸熱部材50の包装ケース52が溶解し、包装ケース52に覆われた吸熱剤51が電池30と接触する。このとき、吸熱剤51は、水を含む熱不可逆な材料で構成されているので、電池30が高温になった場合であっても、液体やゲルのように外部へ流出することが無く、電池30との接触を維持する。これにより、異常発熱を起こした電池30を吸熱剤51によって効率よく冷却することができる。その結果、誘爆の可能性を低減することができる。
【0039】
本実施の形態では、吸熱剤51がグルコマンナンを含む。これにより、吸熱剤51を、加熱されたとしても溶解もしくは軟化等により電池モジュール20の外に漏れ出ることのない、単独で自立可能な硬さにすることができる。その結果、電池30が高温になった場合であっても、吸熱剤51は液体やゲルのように外部へ流出することが無く、電池30との接触を維持する。その結果、異常発熱を起こした電池30を吸熱剤51によって効率よく冷却することができる。従って、誘爆の可能性を低減することができる。
【0040】
本実施の形態では、包装ケース52は、熱可塑性材料を含む。これにより、例えば、電池パック1内の1本の電池30が異常発熱を起こしたとき、異常発熱を起こした電池30と隣り合う吸熱部材50の包装ケース52が溶解し、包装ケース52に覆われた吸熱剤51が電池30と接触する。このとき、吸熱剤51は、水を含む熱不可逆な材料で構成されているので、電池30が高温になった場合であっても、液体やゲルのように外部へ流出することが無く、電池30との接触を維持する。これにより、異常発熱を起こした電池30を吸熱剤51によって効率よく冷却することができる。その結果、誘爆の可能性を低減することができる。また、包装ケース52は、熱可塑性材料を含むことにより、吸熱剤51を成型する際に、包装ケース52も一緒に成型することができる。これにより、吸熱部材50の形状の自由度が向上するので、吸熱部材50および吸熱剤51を、吸熱部材50と電池30との接触面積の大きな形状にすることが容易となる。その結果、異常発熱を起こした電池30を吸熱剤51によって効率よく冷却することができる。従って、誘爆の可能性を低減することができる。
【0041】
本実施の形態では、包装ケース52は、熱可塑性材料で形成された軟質シート材を含む。これにより、例えば、包装ケース52において互いに溶着された軟質シート材同士が、異常発熱を起こした電池30の熱で溶解分離し、包装ケース52に覆われた吸熱剤51が電池30と接触する。このとき、吸熱剤51は、水を含む熱不可逆な材料で構成されているので、電池30が高温になった場合であっても、液体やゲルのように外部へ流出することが無く、電池30との接触を維持する。これにより、異常発熱を起こした電池30を吸熱剤51によって効率よく冷却することができる。その結果、誘爆の可能性を低減することができる。また、包装ケース52は、熱可塑性材料で形成された軟質シート材を含むことにより、吸熱剤51を成型する際に、包装ケース52も一緒に成型することができる。これにより、吸熱部材50の形状の自由度が向上するので、吸熱部材50および吸熱剤51を、吸熱部材50と電池30との接触面積の大きな形状にすることが容易となる。その結果、異常発熱を起こした電池30を吸熱剤51によって効率よく冷却することができる。従って、誘爆の可能性を低減することができる。
【0042】
本実施の形態では、包装ケース52は、金属層52cを樹脂層52b,52dで挟み込んだ積層シートを含む。これにより、例えば、包装ケース52において互いに溶着された樹脂層52b,52d同士が、異常発熱を起こした電池30の熱で溶解分離し、包装ケース52に覆われた吸熱剤51が電池30と接触する。このとき、吸熱剤51は、水を含む熱不可逆な材料で構成されているので、電池30が高温になった場合であっても、液体やゲルのように外部へ流出することが無く、電池30との接触を維持する。これにより、異常発熱を起こした電池30を吸熱剤51によって効率よく冷却することができる。その結果、誘爆の可能性を低減することができる。また、包装ケース52は、上記積層シートを含むことにより、吸熱剤51を成型する際に、包装ケース52も一緒に成型することができる。これにより、吸熱部材50の形状の自由度が向上するので、吸熱部材50および吸熱剤51を、吸熱部材50と電池30との接触面積の大きな形状にすることが容易となる。その結果、異常発熱を起こした電池30を吸熱剤51によって効率よく冷却することができる。従って、誘爆の可能性を低減することができる。
【0043】
本実施の形態では、各電池30は円筒形電池であり、複数の吸熱部材50が互いに隣り合う4つの電池30で囲まれる位置に配置される。これにより、例えば、電池パック1内の1本の電池30が異常発熱を起こしたとき、異常発熱を起こした電池30から発せられた熱が、吸熱部材50で吸収され、異常発熱を起こした電池30に隣り合う電池30に伝播する割合を大幅に軽減することができる。その結果、誘爆の可能性を低減することができる。
【0044】
本実施の形態では、吸熱部材50が4つの円弧壁W1を有している。これにより、吸熱部材50と、吸熱部材50の周囲に配置された4つの電池30との接触面積を大きくすることができる。その結果、異常発熱を起こした電池30から発せられた熱を吸熱部材50で効率良く吸収することができる。従って、誘爆の可能性を低減することができる。
【0045】
本実施の形態では、吸熱剤51が4つの凹面S1を有している。これにより、吸熱剤51と、吸熱部材50の周囲に配置された4つの電池30との距離を近づけることができる。その結果、異常発熱を起こした電池30から発せられた熱を吸熱部材50で効率良く吸収することができる。従って、誘爆の可能性を低減することができる。
【0046】
なお、本実施の形態において、電池30の数が4つの場合には、吸熱部材50の数が1つであってもよい。このとき、吸熱部材50は、互いに隣り合う4つの電池30で囲まれる位置に配置されている。このような場合であっても、誘爆の可能性を低減することができる。
【0047】
次に、上記実施の形態に係る電池パック1の変形例について説明する。
【0048】
(変形例A)
上記実施の形態において、吸熱部材50が、例えば、図10に示したように、2つの吸熱部材50a,50bによって構成されていてもよい。吸熱部材50a,50bは、ともに、共通の構造となっている。
【0049】
吸熱部材50aは、例えば、図10に示したように、複数の電池30が電池30の延在方向と直交する方向に並んで配置された電池列30aに沿って配置されている。吸熱部材50bは、例えば、図10に示したように、複数の電池30が電池30の延在方向と直交する方向に並んで配置された他の電池列30bに沿って配置されている。各電池列では、2つの電池30が互いに隣り合うように配置されている。
【0050】
吸熱部材50aの一部が、電池列30aにおいて互いに隣り合う2つの電池30の間に配置されている。吸熱部材50aにおいて、互いに隣り合う2つの電池30の間に配置されている部分は、例えば、図11に示したように、互いに隣り合う2つの電池30のうち一方の電池30の外周面に沿って延在する円弧壁W2(第1円弧壁)の一部と、互いに隣り合う2つの電池30のうち他方の電池30の外周面に沿って延在する円弧壁W3(第2円弧壁)の一部とを有している。吸熱部材50aにおいて、電池列30aと対向する箇所には、例えば、図10図11に示したように、円弧壁W2および円弧壁W3のいずれかによって構成された複数の凹面S2が形成されている。凹面S2には、電池列30aに含まれる1つの電池30の外周面が接している。
【0051】
吸熱部材50bの一部が、電池列30bにおいて互いに隣り合う2つの電池30の間に配置されている。吸熱部材50bにおいて、互いに隣り合う2つの電池30の間に配置されている部分は、例えば、図12に示したように、互いに隣り合う2つの電池30のうち一方の電池30の外周面に沿って延在する円弧壁W2(第1円弧壁)の一部と、互いに隣り合う2つの電池30のうち他方の電池30の外周面に沿って延在する円弧壁W3(第2円弧壁)の一部とを有している。吸熱部材50bにおいて、電池列30bと対向する箇所には、例えば、図10図12に示したように、円弧壁W2および円弧壁W3のいずれかによって構成された複数の凹面S3が形成されている。凹面S3には、電池列30bに含まれる電池30の外周面が接している。
【0052】
図13は、吸熱部材50a,50bの断面構成例を表す図である。図14は、吸熱部材50a,50bに含まれる吸熱剤51A,51Bの斜視構成例を表す図である。
【0053】
吸熱部材50aは、例えば、図13に示したように、吸熱剤51Aと、吸熱剤51Aを覆う包装ケース52Aとを有している。
【0054】
包装ケース52Aは、吸熱剤51Aを覆っている。包装ケース52Aは、例えば、吸熱剤51Aを樹脂層52a(図6参照)で覆った状態で、吸熱剤51Aおよび樹脂層52a(図6参照)を加熱、成型することにより形成される。従って、包装ケース52Aは、吸熱剤51Aの表面に接している。包装ケース52Aは、熱可塑性材料で形成された軟質シート材を含んで構成されている。包装ケース52Aは、例えば、樹脂層52a(図6参照)を軟質シート材として含んで構成されている。包装ケース52Aは、例えば、積層フィルムを含んで構成されていてもよい。積層フィルムは、例えば、金属層52cを樹脂層52b,52dで挟み込んだ積層シートである(図7参照)。このとき、包装ケース52Aは、樹脂層52b,52dを軟質シート材として含んで構成されている。
【0055】
吸熱剤51Aは、例えば、図11図14に示したように、円弧壁W2(第1円弧壁)に沿う凹面S4(第1凹面)と、円弧壁W3(第1円弧壁)に沿う凹面S4(第2凹面)とを有している。吸熱剤51Aには、複数の凹面S4が共通の面内に形成されている。複数の凹面S4は、吸熱剤51Aにおいて、凹面S4の延在方向と直交する方向に並んで配置されている。凹面S4の延在方向は、各電池30の延在方向(正極31および負極32が互いに対向する方向)と平行な方向である。凹面S4は、電池30の外周面に倣った凹形状となっている。吸熱剤51Aは、上述の吸熱剤51と共通の材料によって構成されており、上述の吸熱剤51と共通の方法で製造される。
【0056】
吸熱部材50bは、例えば、図13に示したように、吸熱剤51Bと、吸熱剤51Bを覆う包装ケース52Bとを有している。
【0057】
包装ケース52Bは、吸熱剤51Bを覆っている。包装ケース52Bは、例えば、吸熱剤5BAを樹脂層52a(図6参照)で覆った状態で、吸熱剤51Bおよび樹脂層52a(図6参照)を加熱、成型することにより形成される。従って、包装ケース52Bは、吸熱剤51Bの表面に接している。包装ケース52Bは、熱可塑性材料で形成された軟質シート材を含んで構成されている。包装ケース52Bは、例えば、樹脂層52a(図6参照)を軟質シート材として含んで構成されている。包装ケース52Bは、例えば、積層フィルムを含んで構成されていてもよい。積層フィルムは、例えば、金属層52cを樹脂層52b,52dで挟み込んだ積層シートである(図7参照)。このとき、包装ケース52Bは、樹脂層52b,52dを軟質シート材として含んで構成されている。
【0058】
吸熱剤51Bは、例えば、図11図14に示したように、円弧壁W2(第1円弧壁)に沿う凹面S5(第1凹面)と、円弧壁W3(第1円弧壁)に沿う凹面S5(第2凹面)とを有している。吸熱剤51Aには、複数の凹面S5が共通の面内に形成されている。複数の凹面S5は、吸熱剤51Aにおいて、凹面S5の延在方向と直交する方向に並んで配置されている。凹面S5の延在方向は、各電池30の延在方向(正極31および負極32が互いに対向する方向)と平行な方向である。凹面S5は、電池30の外周面に倣った凹形状となっている。吸熱剤51Bは、上述の吸熱剤51と共通の材料によって構成されており、上述の吸熱剤51と共通の方法で製造される。
【0059】
本変形例では、各電池30は円筒形電池であり、吸熱部材50aの一部が電池列30aにおいて互いに隣り合う2つの電池30の間に配置され、吸熱部材50bの一部が電池列30bにおいて互いに隣り合う2つの電池30の間に配置される。これにより、例えば、電池パック1内の1本の電池30が異常発熱を起こしたとき、異常発熱を起こした電池30から発せられた熱が、吸熱部材50a,50bで吸収され、異常発熱を起こした電池30に隣り合う電池30に伝播する割合を大幅に軽減することができる。その結果、誘爆の可能性を低減することができる。
【0060】
本変形例では、吸熱部材50a,50bが、それぞれ、2つの円弧壁W2,W3を有している。これにより、吸熱部材50a,50bと、吸熱部材50a,50bの周囲に配置された2つの電池30との接触面積を大きくすることができる。その結果、異常発熱を起こした電池30から発せられた熱を吸熱部材50a,50bで効率良く吸収することができる。従って、誘爆の可能性を低減することができる。
【0061】
本変形例では、吸熱剤51Aが2つの凹面S4を有し、吸熱剤51Bが2つの凹面S5を有している。これにより、吸熱剤50a,50bと、吸熱部材50a,50bの周囲に配置された2つの電池30との距離を近づけることができる。その結果、異常発熱を起こした電池30から発せられた熱を吸熱部材50a,50bで効率良く吸収することができる。従って、誘爆の可能性を低減することができる。
【0062】
(変形例B)
上記実施の形態およびその変形例において、電池モジュール20は、さらに、例えば、図15に示したように、複数の電池30と複数の金属製タブ60(または外装ケース10)との間に設けられた複数の吸熱部材50cを有していてもよい。
【0063】
図16は、電池30の正極近傍に配置された吸熱部材50cおよびその周辺の断面構成例を表したものである。図17は、電池30の負極近傍に配置された吸熱部材50cおよびその周辺の断面構成例を表したものである。複数の吸熱部材50cは、例えば、図15に示したように、電池30の正極31側の端部および負極32側の端部と、複数の金属製タブ60との間に設けられている。
【0064】
正極31は、正極31が設けられた端面において突出した形状となっている。正極31が設けられた端面において、正極31の周囲には1または複数のスリット部33が設けられている。正極31が設けられた端面において、正極31の裏面側には、空隙が設けられており、この空隙は、1または複数のスリット部33と連通している。この空隙の底部には、開裂弁34が設けられている。開裂弁34は、電池30が異常発熱を起こしたときに電池30内部で発生したガスを外部に排出する機能を有している。負極32は、負極32が設けられた端面において平坦面を構成している。
【0065】
複数の電池30が電池30の延在方向(正極31および負極32が互いに対向する方向)と直交する二次元方向に並んで配置されているとする。このとき、電池パック1内に設けられた複数の電池30において、互いに隣接する2つの電池30のうちの一方の電池30(第1の電池)の端面と、互いに隣接する2つの電池30のうちの他方の電池30(第2の電池)の端面とが同一平面内に配置されている。複数の金属製タブ60は、電池パック1内に設けられた複数の電池30を、電池30の延在方向から挟んで互いに対向するように配置されている。
【0066】
金属製タブ60は、第1の電池の正極41と、第2の電池の負極42とに電気的に接続されている。金属製タブ60と正極41との電気的な接続は、例えば、図16に示したように、接続部80によって実現される。金属製タブ60と負極42との電気的な接続は、例えば、図17に示したように、接続部90によって実現される。電池パック1は、接続部80,90を備えている。
【0067】
接続部80は、金属製タブ60の凸部61と正極31とが接続している部分である。凸部61は、金属製タブ60のうち、正極31と対向する箇所に設けられている。凸部61は、正極31方向に突出した形状となっている。本実施の形態では、凸部61と正極31とが溶接により接続されている。溶接には、例えば、レーザ溶接や抵抗溶接が用いられる。なお、接続部80は、上記に限定されるものではなく、凸部61と正極31とが溶接以外の方法で接続されていてもよい。例えば、ねじ止めによる接続や、かしめによる接続などでもよい。
【0068】
接続部90は、金属製タブ60の凸部62と負極32とが接続している部分である。凸部62は、金属製タブ60のうち、負極32と対向する箇所に設けられている。凸部62は、負極32方向に突出した形状となっている。本実施の形態では、凸部62と負極32とが溶接により接続されている。溶接には、例えば、レーザ溶接や抵抗溶接が用いられる。なお、接続部90は、上記に限定されるものではなく、凸部62と負極32とが溶接以外の方法で接続されていてもよい。例えば、ねじ止めによる接続や、かしめによる接続などでもよい。
【0069】
吸熱部材50cは、第1の電池(電池30)の正極31と金属製タブ60との間であって、かつ接続部80の周囲領域の少なくとも一部に設けられている。吸熱部材50cは、第1の電池の、正極31が設けられている端面に接触している。吸熱部材50cは、さらに、金属製タブ60と接触していてもよい。吸熱部材50cは、接続部80が挿通された貫通孔53を有している。このとき、吸熱材60は、接続部80の周囲を囲むように配置されている。
【0070】
また、吸熱部材50cは、第2の電池(電池30)の負極32と金属製タブ60との間であって、かつ接続部90の周囲領域の少なくとも一部に設けられている。吸熱部材50cは、第2の電池の、負極32が設けられている端面に接触している。吸熱部材50cは、さらに、金属製タブ60と接触していてもよい。吸熱部材50cは、接続部90が挿通された貫通孔54を有している。このとき、吸熱材60は、接続部90の周囲を囲むように配置されている。
【0071】
貫通孔53は、貫通孔53の内面が接続部80の側面に接触するように構成されていてもよいし、貫通孔53の内面が接続部80の側面からわずかに離れるように構成されていてもよい。貫通孔53には、接続部80が挿入されていてもよいし、接続部80が嵌合されていてもよい。貫通孔53に接続部80が挿入されている場合に、接続部80は平面視で例えば円形状となっており、貫通孔53が平面視で例えば接続部80の直径以上の直径を有する円形状となっていてもよい。
【0072】
貫通孔53は、貫通孔53の内面が接続部90の側面に接触するように構成されていてもよいし、貫通孔53の内面が接続部90の側面からわずかに離れるように構成されていてもよい。貫通孔53には、接続部90が挿入されていてもよいし、接続部90が嵌合されていてもよい。貫通孔53に接続部90が挿入されている場合に、接続部90は平面視で例えば円形状となっており、貫通孔53が平面視で例えば接続部90の直径以上の直径を有する円形状となっていてもよい。
【0073】
いずれにおいても、吸熱部材50cは、1または複数のスリット部33を覆うように設けられている。
【0074】
図18は、吸熱部材50cにおける貫通孔53,54およびその周囲の断面構成例を表したものである。吸熱部材50cは、例えば、図18に示したように、吸熱剤55と、吸熱剤55を覆う樹脂層52a(包装ケース)とを有している。樹脂層52aは、例えば、吸熱剤55を樹脂層52aで覆った状態で、吸熱剤55および樹脂層52aを加熱、成型することにより形成される。従って、樹脂層52aは、吸熱剤55の表面に接している。樹脂層52aは、熱可塑性材料で形成された軟質シート材を含んで構成されている。樹脂層52aは、例えば、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート等の樹脂材料によって構成されている。
【0075】
吸熱部材50cは、例えば、図19に示したように、吸熱剤55と、吸熱剤55を覆う積層フィルム56,57(包装ケース)とを有していてもよい。積層フィルム56,57は、それぞれ、例えば、図19に示したように、金属層52cを樹脂層52b,52dで挟み込んだ積層シートである。このとき、積層フィルム56,57は、それぞれ、例えば、樹脂層52b,52dを軟質シート材として含んで構成されている。樹脂層52b,52dは、例えば、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート等の樹脂材料によって構成されている。金属層52cは、例えば、アルミニウム箔等の金属箔によって構成されている。
【0076】
吸熱剤55は、水を含む熱不可逆な固形物によって構成されている。つまり、吸熱剤55は、加熱されたとしても溶解もしくは軟化等により電池モジュール20の外に漏れ出ることのない、単独で自立可能な硬さを有している。固形物は、グルコマンナンを含んで構成されている。固形物は、例えば、水にグルコマンナンの粉末を溶かしてグルコマンナンを膨潤させ、その後、アルカリ溶液を加え、加熱してゲル化、さらには、固化することにより形成される。グルコマンナンのアセチル基がアルカリとの反応により脱アセチル化し、脱アセチル化したグルコマンナンを加熱することにより熱不可逆な固形物が形成される。固形物の製造方法は、上記の内容に限定されるものではない。
【0077】
本変形例では、吸熱部材50cが、電池30と金属製タブ60(または外装ケース10)との間であって、かつ接続部80,90の周囲に設けられている。これにより、異常発熱を起こした電池30から噴出したガスが吸熱部材50cに触れると、吸熱部材50cの樹脂層52aもしくは積層フィルム56,57が破れ、吸熱剤55が露出する。このとき、吸熱剤55は、水を含む熱不可逆な材料で構成されているので、噴出ガスが高温になった場合であっても、液体やゲルのように外部へ流出することが無く、電池30との接触を維持する。その結果、噴出ガスや、異常発熱を起こした電池30を吸熱剤55によって効率よく冷却することができる。その結果、誘爆の可能性を低減することができる。
【0078】
(変形例C)
上記実施の形態およびその変形例において、電池モジュール20の代わりに、例えば、図20図21に示したような電池モジュール200が設けられていてもよい。図20は、電池モジュール200の斜視構成例を表したものである。図21は、電池モジュール200の展開斜視構成例を表したものである。電池モジュール200は、例えば、図20図21に示したように、複数の電池210と、複数の吸熱部材220とを有している。
【0079】
複数の電池210は、電池210の厚さ方向に積層されている。電池210の厚さ方向とは、電池210の上面と、電池210の底面とが互いに向き合う方向を指している。電池210の上面とは、電池モジュール200を外装ケール10に収容したときの、電池210の上面を指している。電池210の底面とは、電池モジュール200を外装ケール10に収容したときの、電池210の底面を指している。複数の吸熱部材220は、複数の電池210の積層方向と同一方向に積層されている。複数の電池210および複数の吸熱部材220は、複数の電池210の積層方向に交互に配置されている。互いに隣接する2つの電池210の間に1つの吸熱部材220が設けられている。吸熱部材220は、当該吸熱部材220の上下に配置された2つの電池210のそれぞれに接している。
【0080】
複数の電池210は、複数の金属製タブを介して電気的に接続されている。電池210は、方形状のラミネートフィルム型電池である。電池210は、例えば、側面に正極および負極を有している。電池モジュール200において、例えば、複数の電池210のうちの一部である複数の電池210が複数の金属製タブによって互いに直列に接続されており、さらに、互いに直列に接続された複数の電池210を直列ユニットと称したとき、複数の直列ユニットが複数の金属製タブによって互いに並列に接続されている。なお、複数の電池210の接続態様は、上記に限定されるものではない。
【0081】
各電池210は、一次電池または二次電池である。各電池210が二次電池である場合、二次電池の種類は、特に限定されないが、具体的には、リチウムイオンの吸蔵放出を利用して電池容量が得られるリチウムイオン二次電池などである。以下では、各電池210が二次電池(リチウムイオン二次電池)である場合に関して説明する。すなわち、以下で説明する電池パック1は、複数の二次電池を備えた電源である。
【0082】
吸熱部材220は、例えば、図20図21に示したように、電池210の積層方向と直交する二次元面内において所定の間隙を介して互いに対向配置された2つの吸熱部材221,222を含んで構成されている。吸熱部材221,222は、それぞれ、吸熱部材221,222の対向方向と直交する方向に延在している。吸熱部材221と吸熱部材222との間には、例えば、図22(A)に示したような空隙Gが形成されている。空隙Gは、互いに隣接する2つの電池210の間であって、かつ少なくとも電池210の中央部分と対向する箇所に形成されている。なお、吸熱部材220は、吸熱部材221,222に限定されるものではなく、少なくとも電池210の中央部分と対向する箇所に空隙Gを形成することが可能な構成となっている。
【0083】
空隙Gは、例えば、図22(B)に示したように、吸熱部材221,222に接する2つの電池210が例えば経年変化によって膨張したときにその膨張によって電池モジュール200が外装ケース10によって圧迫されたり、外装ケース10を破壊したりするのを防ぐためのクリアランスである。従って、吸熱部材220は、異常発熱を起こした電池210を冷却する機能だけでなく、空隙Gを確保するためのスペーサとしての機能も有している。
【0084】
吸熱部材221,222は、それぞれ、吸熱部材50と同様の構成となっている。吸熱部材221,222は、それぞれ、例えば、吸熱剤51と同様の材料からなる吸熱剤と、吸熱剤を覆う、包装ケース52と同様の材料からなる包装ケースとを有している。吸熱部材221,222において、包装ケースは、吸熱剤を覆っている。
【0085】
包装ケースは、例えば、吸熱剤を樹脂層52a(図6参照)で覆った状態で、吸熱剤および樹脂層52aを加熱、成型することにより形成される。包装ケースは、例えば、吸熱剤を積層フィルム(図7参照)で覆った状態で、吸熱剤および積層フィルムを加熱、成型することにより形成されてもよい。いずれにおいても、包装ケースは、吸熱剤の表面に接している。
【0086】
本変形例では、複数の電池210および複数の吸熱部材220が電池210の積層方向に交互に配置されている。これにより、例えば、電池パック1内の1本の電池210が異常発熱を起こしたとき、異常発熱を起こした電池210と隣り合う吸熱部材220の包装ケースが溶解し、包装ケースに覆われた吸熱剤が電池210と接触する。このとき、吸熱剤は、水を含む熱不可逆な材料で構成されているので、電池210が高温になった場合であっても、液体やゲルのように外部へ流出することが無く、電池210との接触を維持する。これにより、異常発熱を起こした電池210を吸熱剤によって効率よく冷却することができる。その結果、誘爆の可能性を低減することができる。
【0087】
また、本変形例では、吸熱部材220によって形成された空隙Gが、互いに隣接する2つの電池210の間であって、かつ少なくとも電池210の中央部分と対向する箇所に形成されている。これにより、吸熱部材220に接する2つの電池210が例えば経年変化によって膨張したときにその膨張によって電池モジュール200が外装ケース10によって圧迫されたり、外装ケース10を破壊したりするのを防ぐことができる。
【0088】
(変形例D)
上記変形例Cにおいて、吸熱部材220の代わりに、例えば、図23に示したような吸熱部材230が設けられていてもよい。図23は、電池モジュール200の展開斜視構成例を表したものである。電池モジュール200は、例えば、図23に示したように、複数の電池210と、複数の吸熱部材230とを有している。
【0089】
複数の電池210は、電池210の厚さ方向に積層されている。複数の吸熱部材230は、複数の電池210の積層方向と同一方向に積層されている。複数の電池210および複数の吸熱部材230は、複数の電池210の積層方向に交互に配置されている。互いに隣接する2つの電池210の間に1つの吸熱部材230が設けられている。吸熱部材230は、当該吸熱部材230の上下に配置された2つの電池210のそれぞれに接している。
【0090】
吸熱部材230において、電池210の積層方向と平行な断面形状が、例えば、図23に示したように、H形状となっている。吸熱部材230の上面には、電池210の積層方向と直交する第1の方向に延在する凹部231が形成されており、吸熱部材230の下面には、第1の方向に延在する凹部232が形成されている。凹部231と電池210との間には、例えば、図24(A)に示したような空隙G1が形成されている。凹部232と電池210との間には、例えば、図24(A)に示したような空隙G2が形成されている。凹部231,232は、それぞれ、少なくとも電池210の中央部分と対向する箇所に形成されている。従って、空隙G1、G2は、それぞれ、少なくとも電池210の中央部分と対向する箇所に形成されている。
【0091】
空隙G1、G2は、例えば、図24(B)に示したように、吸熱部材230に接する2つの電池210が例えば経年変化によって膨張したときにその膨張によって電池モジュール200が外装ケース10によって圧迫されたり、外装ケース10を破壊したりするのを防ぐためのクリアランスである。従って、吸熱部材230は、異常発熱を起こした電池210を冷却する機能だけでなく、空隙Gを確保するためのスペーサとしての機能も有している。
【0092】
吸熱部材230は、それぞれ、吸熱部材50と同様の構成となっている。吸熱部材230は、それぞれ、例えば、吸熱剤51と同様の材料からなる吸熱剤と、吸熱剤を覆う、包装ケース52と同様の材料からなる包装ケースとを有している。吸熱部材230において、包装ケースは、吸熱剤を覆っている。
【0093】
包装ケースは、例えば、吸熱剤を樹脂層52a(図6参照)で覆った状態で、吸熱剤および樹脂層52aを加熱、成型することにより形成される。包装ケースは、例えば、吸熱剤を積層フィルム(図7参照)で覆った状態で、吸熱剤および積層フィルムを加熱、成型することにより形成されてもよい。いずれにおいても、包装ケースは、吸熱剤の表面に接している。
【0094】
本変形例では、複数の電池210および複数の吸熱部材230が電池210の積層方向に交互に配置されている。これにより、例えば、電池パック1内の1本の電池210が異常発熱を起こしたとき、異常発熱を起こした電池210と隣り合う吸熱部材230の包装ケースが溶解し、包装ケースに覆われた吸熱剤が電池210と接触する。このとき、吸熱剤は、水を含む熱不可逆な材料で構成されているので、電池210が高温になった場合であっても、液体やゲルのように外部へ流出することが無く、電池210との接触を維持する。これにより、異常発熱を起こした電池210を吸熱剤によって効率よく冷却することができる。その結果、誘爆の可能性を低減することができる。
【0095】
また、本変形例では、吸熱部材230によって形成された空隙G1,G2が、互いに隣接する2つの電池210の間であって、かつ少なくとも電池210の中央部分と対向する箇所に形成されている。これにより、吸熱部材230に接する2つの電池210が例えば経年変化によって膨張したときにその膨張によって電池モジュール200が外装ケース10によって圧迫されたり、外装ケース10を破壊したりするのを防ぐことができる。
【0096】
以上、実施形態およびその変形例を挙げながら本技術を説明したが、本技術は上記した実施形態およびその変形例において説明した態様に限定されず、その本技術に関しては種々の変形が可能である。
【0097】
例えば、上記した実施形態およびその変形例では、二次電池の電極反応物質としてリチウムを用いたが、その電極反応物質の種類は、特に限定されない。具体的には、電極反応物質は、ナトリウムおよびカリウムどの長周期型周期表における他の1族の元素でもよいし、マグネシウムおよびカルシウムなどの長周期型周期表における2族の元素でもよいし、アルミニウムなどの他の軽金属でもよい。
【0098】
なお、本明細書中に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものではなく、また、他の効果があってもよい。
【0099】
なお、本技術は、以下のような構成を取ることもできる。
<1>
1または複数の電池と、
前記1または複数の電池と隣り合う1または複数の吸熱部材と、
前記1または複数の電池および前記1または複数の吸熱部材を収容する外装ケースと
を備え、
前記吸熱部材は、水を含む熱不可逆な固形物と、前記固形物を覆う包装ケースとを有する
電池パック。
<2>
前記固形物は、グルコマンナンを含む
<1>に記載の電池パック。
<3>
前記包装ケースは、熱可塑性材料を含む
<1>または<2>に記載の電池パック。
<4>
前記包装ケースは、熱可塑性材料で形成された軟質シート材を含む
<3>に記載の電池パック。
<5>
前記包装ケースは、金属箔を、熱可塑性材料で形成された軟質シート材で挟み込んだ積層シートを含む
<3>に記載の電池パック。
<6>
当該電池パックは、複数の前記電池を備え、
各前記電池は、円筒形電池であり、
複数の前記電池は、2つの前記電池が互いに隣り合うように配置され、
前記1または複数の吸熱部材は、互いに隣り合う2つの前記電池の間に配置される
<1>ないし<5>のいずれか1つに記載の電池パック。
<7>
前記1または複数の吸熱部材は、
互いに隣り合う2つの前記電池のうち一方の前記電池の外周面に沿って延在する第1円弧壁と、
互いに隣り合う2つの前記電池のうち他方の前記電池の外周面に沿って延在する第2円弧壁と
を有する
<6>に記載の電池パック。
<8>
前記1または複数の吸熱部材において、前記固形物は、前記第1円弧壁に沿う第1凹面と、前記第2円弧壁に沿う第2凹面とを有する
<7>に記載の電池パック。
<9>
当該電池パックは、複数の前記電池を備え、
各前記電池は、円筒形電池であり、
複数の前記電池は、4つの前記電池が互いに隣り合うように配置され、
前記1または複数の吸熱部材は、互いに隣り合う4つの前記電池で囲まれる位置に配置される
<1>ないし<5>のいずれか1つに記載の電池パック。
<10>
前記1または複数の吸熱部材は、
互いに隣り合う4つの前記電池のうち第1の電池の外周面に沿って延在する第1円弧壁と、
互いに隣り合う4つの前記電池のうち第2の電池の外周面に沿って延在する第2円弧壁と、
互いに隣り合う4つの前記電池のうち第3の電池の外周面に沿って延在する第3円弧壁と、
互いに隣り合う4つの前記電池のうち第4の電池の外周面に沿って延在する第4円弧壁と
を有する
<9>に記載の電池パック。
<11>
前記1または複数の吸熱部材において、前記固形物は、前記第1円弧壁に沿う第1凹面と、前記第2円弧壁に沿う第2凹面と、前記第3円弧壁に沿う第3凹面と、前記第4円弧壁に沿う第4凹面とを有する
<10>に記載の電池パック。
<12>
前記1または複数の吸熱部材は、前記1または複数の電池と前記外装ケースとの間に配置される
<1>ないし<11>のいずれか1つに記載の電池パック。
<13>
当該電池パックは、複数の前記電池を備え、
各前記電池は、方形状のラミネートフィルム型電池であり、
複数の前記電池は、当該電池の厚さ方向に積層され、
前記1または複数の吸熱部材は、前記電池の積層方向と同一方向に積層され、
複数の前記電池および前記1または複数の吸熱部材は、前記電池の積層方向に交互に配置され、
前記1または複数の吸熱部材は、互いに隣接する2つの前記電池の間であって、かつ少なくとも前記電池の中央部分と対向する箇所に空隙を形成することが可能な構成となっている
<1>ないし<5>のいずれか1つに記載の電池パック。
【符号の説明】
【0100】
1…電池パック、10…外装ケース、10a…下部ケース、10b…上部ケース、11…外部端子、20…電池モジュール、30…電池、30a,30b…電池列、31…正極、32…負極、33…スリット部、34…開裂弁、40…電池ホルダ、40a,40b…ホルダ、41…側板部、42…開口部、43…支持部、44…開口部、50,50A,50a,50b,50c…吸熱部材、51,51A,51B…吸熱剤、52,52A,52B…包装ケース、52a,52b,52d…樹脂層、52c…金属層、53,54…貫通孔、55…吸熱剤、56,57…積層フィルム、60…金属製タブ、61,62…凸部、70…制御基板、80,90…接続部、100…型、101,102,103,104…型片、110…電池、200…電池モジュール、210…電池、220,221,222,230…吸熱部材、231,232…凹部、G,G1,G2…空隙、S1,S2,S3,S4,S5…凹面、W1,W2,W3…円弧壁。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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