IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ロジスティード株式会社の特許一覧

特開2024-115802生体間隔データ処理システム及び生体間隔データ処理方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024115802
(43)【公開日】2024-08-27
(54)【発明の名称】生体間隔データ処理システム及び生体間隔データ処理方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/352 20210101AFI20240820BHJP
【FI】
A61B5/352 100
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023021645
(22)【出願日】2023-02-15
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】324001734
【氏名又は名称】ロジスティード株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001678
【氏名又は名称】藤央弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】李 云
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 奈桜
(72)【発明者】
【氏名】三幣 俊輔
(72)【発明者】
【氏名】田中 毅
(72)【発明者】
【氏名】栗山 裕之
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 公則
【テーマコード(参考)】
4C127
【Fターム(参考)】
4C127AA02
4C127GG02
4C127GG05
(57)【要約】
【課題】心拍センサの簡便化と多様化に伴い、様々な応用シーンに適用しやすくなる一方、センサ内部に絶対時計を持たず、端末通信状況に依存し、記録時刻に誤りを含む場合がある。
【解決手段】生体間隔データ処理システムであって、プロセッサと、記憶装置と、を有し、記憶装置は、第一の生体を計測することによって取得された第一の生体信号の間隔と、第一の生体信号の間隔の記録時刻である第一の記録時刻と、の複数の組を含む第一の生体間隔データを保持し、プロセッサは、第一の記録時刻と第一の生体信号の間隔とに基づいて、第一の記録時刻に誤りがあるかを判定し、第一の記録時刻に誤りがある場合、誤っている第一の記録時刻の前の第一の記録時刻と当該誤っている第一の記録時刻に対応する第一の生体信号の間隔とを加算した値に置き換えることによって、誤っている第一の記録時刻を修正する。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体間隔データ処理システムであって、
プロセッサと、記憶装置と、を有し、
前記記憶装置は、第一の生体を計測することによって取得された第一の生体信号の間隔と、前記第一の生体信号の間隔の記録時刻である第一の記録時刻と、の複数の組を含む第一の生体間隔データを保持し、
前記プロセッサは、
前記第一の記録時刻と前記第一の生体信号の間隔とに基づいて、前記第一の記録時刻に誤りがあるかを判定し、
前記第一の記録時刻に誤りがある場合、誤っている前記第一の記録時刻の前の第一の記録時刻と当該誤っている第一の記録時刻に対応する前記第一の生体信号の間隔とを加算した値に置き換えることによって、当該誤っている第一の記録時刻を修正し、
前記第一の記録時刻が修正された前記第一の生体間隔データを出力することを特徴とする生体間隔データ処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の生体間隔データ処理システムであって、
前記プロセッサは、隣接する前記第一の記録時刻の差分が前記第一の生体信号の間隔に近似しない場合に、前記第一の記録時刻に誤りがあると判定することを特徴とする生体間隔データ処理システム。
【請求項3】
請求項2に記載の生体間隔データ処理システムであって、
前記記憶装置は、前記第一の生体を計測することによって取得された第二の生体信号の間隔と、前記第二の生体信号の間隔の記録時刻である第二の記録時刻と、の複数の組を含む第二の生体間隔データを保持し、
前記プロセッサは、
前記修正された第一の記録時刻と前記第二の記録時刻との誤差を算出し、
前記誤差を補正するように、前記修正された第一の記録時刻をさらに修正し、
前記第一の記録時刻が前記誤差を補正するためにさらに修正された前記第一の生体間隔データを出力することを特徴とする生体間隔データ処理システム。
【請求項4】
請求項3に記載の生体間隔データ処理システムであって、
前記プロセッサは、
前記修正された第一の記録時刻をシフトさせて前記第一の生体信号の間隔と前記第二の生体信号の間隔との差分を積分し、
前記積分した値が最小になる前記修正された第一の記録時刻のシフト量を前記修正された第一の記録時刻と前記第二の記録時刻との誤差として算出することを特徴とする生体間隔データ処理システム。
【請求項5】
請求項4に記載の生体間隔データ処理システムであって、
前記プロセッサは、前記修正された第一の記録時刻と前記第二の記録時刻とが重複する時間範囲の前記第一の生体信号の間隔と前記第二の生体信号の間隔とに基づいて、前記修正された第一の記録時刻と前記第二の記録時刻との誤差を算出することを特徴とする生体間隔データ処理システム。
【請求項6】
請求項5に記載の生体間隔データ処理システムであって、
前記プロセッサは、前記時間範囲を所定の長さの複数の区画に分割し、前記複数の区画のうち、前記第二の生体信号の間隔に含まれる正常範囲内の値が多い区間を抽出し、前記抽出された区間において、前記第一の生体信号の間隔と前記第二の生体信号の間隔との差分を算出することを特徴とする生体間隔データ処理システム。
【請求項7】
請求項6に記載の生体間隔データ処理システムであって、
前記プロセッサは、前記各区画における前記第二の生体信号の間隔の分散を算出し、前記正常範囲内の値が多く、かつ、前記分散が大きい区画を抽出することを特徴とする生体間隔データ処理システム。
【請求項8】
請求項1に記載の生体間隔データ処理システムであって、
前記第一の生体間隔データに含まれる前記第一の生体信号の間隔は、心拍又は脈拍の間隔であり、
前記プロセッサは、前記第一の記録時刻が修正された前記第一の生体間隔データに基づいて1以上の自律神経指標を算出し、前記算出した1以上の自律神経指標を出力することを特徴とする生体間隔データ処理システム。
【請求項9】
請求項3に記載の生体間隔データ処理システムであって、
前記第一の生体間隔データに含まれる前記第一の生体信号の間隔は、第一のセンサが前記第一の生体を計測することによって取得された心拍又は脈拍の間隔であり、
前記第二の生体間隔データに含まれる前記第二の生体信号の間隔は、第二のセンサが前記第一の生体を計測することによって取得された心拍又は脈拍の間隔であり、
前記プロセッサは、
前記第一の記録時刻が前記誤差を補正するためにさらに修正された前記第一の生体間隔データに基づいて1以上の第一の自律神経指標を算出し、
前記第二の生体間隔データに基づいて1以上の第二の自律神経指標を算出し、
前記算出した1以上の第一の自律神経指標と前記第二の自律神経指標とを比較する情報を出力することを特徴とする生体間隔データ処理システム。
【請求項10】
計算機システムが実行する生体間隔データ処理方法であって、
前記計算機システムは、プロセッサと、記憶装置と、を有し、
前記記憶装置は、第一の生体を計測することによって取得された第一の生体信号の間隔と、前記第一の生体信号の間隔の記録時刻である第一の記録時刻と、の複数の組を含む第一の生体間隔データを保持し、
前記生体間隔データ処理方法は、
前記プロセッサが、前記第一の記録時刻と前記第一の生体信号の間隔とに基づいて、前記第一の記録時刻に誤りがあるかを判定する手順と、
前記第一の記録時刻に誤りがある場合、前記プロセッサが、誤っている前記第一の記録時刻の前の第一の記録時刻と当該誤っている第一の記録時刻に対応する前記第一の生体信号の間隔とを加算した値に置き換えることによって、当該誤っている第一の記録時刻を修正する手順と、
前記プロセッサが、前記第一の記録時刻が修正された前記第一の生体間隔データを出力する手順と、を含むことを特徴とする生体間隔データ処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体センサで測定した生体間隔データを用いた生体指標評価および、当該生体センサの性能評価を支援する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、日常の安全管理及び健康管理に向け、簡便に計測可能な心拍センサ等を用いた生体状態の定量評価に関する取り組みが盛んに行われている。しかし、心拍センサの簡便化に伴い、センサ内部に絶対時計を持っておらず、Bluetooth等経由で端末(例えばスマートフォン等)への通信タイミングに依存して測定データのタイムスタンプを記録する場合もある。その結果、通信状況に依存し、記録時刻に誤りデータを含む場合がある。簡易心拍センサで測定した時系列上の心拍間隔データを用いて自律神経機能を評価する際、上記のような記録時刻の誤りがあると、測定データを自律神経機能解析へ利用する際に問題が生じる。また、複数の心拍センサの性能について比較評価する際、センサ間の時刻差分があり、時系列上の誤りデータの修正と、時刻の同期をしないと、正確に比較評価できず、センサの選定が困難である。
【0003】
複数のセンサから取得したデータの時刻を同期する技術として、例えば、国際公開第2018/123857号(特許文献1)に記載の技術がある。特許文献1では、ネットワークにつながる複数のセンサの送受信タイミングをタイムスタンプとしてセンサデータに付与することで、時計性能が低いセンサ内に正確な時刻の付与、または、センサ間のずれ時間の算出と補正を行い、センサデータの時刻同期を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2018/123857号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
心拍センサの簡便化に伴い、センサ内部に絶対時計を持っておらず、Bluetooth等経由で端末(例えばスマートフォン等)への通信タイミングに依存して測定データのタイムスタンプを記録する市販センサが増えている。その結果、記録時刻の不統一、通信状況等に依存して不確定なタイムスタンプの記録による実際との乖離、データの欠損、及びノイズ混入等の問題がある。このような問題があると、測定データを自律神経機能解析へ利用すること、及び、複数センサの測定データを時刻同期して比較評価することは困難である。
【0006】
実験の環境において、同期計測のため、心拍センサをメーカー協力により改良し、外部アナログ信号を取込んでR波の検知タイミングで、心拍間隔と一緒に記録するような取り組みもある。
【0007】
しかし、既存の市販の多様なセンサに対し、測定データの取得と同時に送受信タイミングを記録することや、外部受信信号を取り込むことは容易ではなく、そのための作業量も大きい。
【0008】
本発明は、多様な心拍センサに対応し、取得した時刻付き生体間隔データに基づいて、センサ内の測定時刻の誤りデータを修正し、センサ間の時刻ずれを補正し、センサの測定データを時系列上に並べて、自律神経機能解析、及びセンサ性能評価のために時刻同期して比較評価することを可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題の少なくとも一つを解決するため、本発明は、生体間隔データ処理システムであって、プロセッサと、記憶装置と、を有し、前記記憶装置は、第一の生体を計測することによって取得された第一の生体信号の間隔と、前記第一の生体信号の間隔の記録時刻である第一の記録時刻と、の複数の組を含む第一の生体間隔データを保持し、前記プロセッサは、前記第一の記録時刻と前記第一の生体信号の間隔とに基づいて、前記第一の記録時刻に誤りがあるかを判定し、前記第一の記録時刻に誤りがある場合、誤っている前記第一の記録時刻の前の第一の記録時刻と当該誤っている第一の記録時刻に対応する前記第一の生体信号の間隔とを加算した値に置き換えることによって、当該誤っている第一の記録時刻を修正し、前記第一の記録時刻が修正された前記第一の生体間隔データを出力することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一態様によれば、多様な心拍センサに対応し、取得した時刻付き測定データに基づいて、センサ内の測定時刻の誤りデータを判定して修正し、自律神経機能評価へ利用可能とする。
【0011】
本明細書において開示される主題の、少なくとも一つの実施の詳細は、添付されている図面と以下の記述の中で述べられる。開示される主題のその他の特徴、態様、効果は、以下の開示、図面、請求項により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1A】本発明の実施例1における生体間隔データの時刻同期システムの構成の一例を示すブロック図である。
図1B】本発明の実施例1の生体間隔データ処理システムを実現するための計算機システムのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図2A】本発明の実施例1において心電のR波とR波の間隔を測定するRRIの一例を示す説明図である。
図2B】本発明の実施例1において脈波のピークとピークの間隔を測定するPPIの一例を示す説明図である。
図2C】本発明の実施例1において時刻付き心拍間隔データBBIを出力する際の一般形式の一例を示す説明図である。
図2D】本発明の実施例1において取得された時刻付き心拍間隔データBBIを時系列上のデータとして表示する一例を示す説明図である。
図2E】本発明の実施例1において取得された時刻付き心拍間隔データBBIに基づく自律神経指標算出の一例を示す説明図である。
図3A】本発明の実施例1において取得した測定データの第一の例を示す説明図である。
図3B】本発明の実施例1において取得した測定データの第二の例を示す説明図である。
図3C】本発明の実施例1において取得した測定データの第三の例を示す説明図である。
図3D】本発明の実施例1において取得した測定データの第四の例を示す説明図である。
図4】本発明の実施例1の記録時刻修正部が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
図5】本発明の実施例1における時刻修正前後の時系列上の心拍間隔データの変化の一例を示す説明図である。
図6】本発明の実施例1に係る生体間隔データ処理システムによる処理結果の表示の一例を示す説明図である。
図7】本発明の実施例2における生体間隔データ処理システムの構成の一例を示すブロック図である。
図8】本発明の実施例1の生体間隔データ処理システムが時刻同期するための差分算出および補正をする処理の一例を示すフローチャートである。
図9】本発明の実施例2の安定区間選定部が時刻差分算出に適した安定区間を選出する処理の一例を示す説明図である。
図10】本発明の実施例2の時刻差分補正部が、選出された安定区間内のデータに対して時刻差分補正を行う前後のデータの一例を示す説明図である。
図11】本発明の実施例2の時刻差分補正部が、広範囲のデータに対して時刻差分補正を行う前後のデータの一例を示す説明図である。
図12】本発明の実施例2に係る生体間隔データ処理システムによる処理結果の表示の一例を示す説明図である。
図13】本発明の実施例3に係る生体間隔データ処理システムによる処理結果の表示の一例を示す説明図である。
図14】本発明の実施例4に係る生体間隔データ処理システムによる処理結果の表示の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら本発明の実施例について説明する。
【実施例0014】
まず、本発明の実施例1を説明する。
【0015】
<システム構成>
図1Aは、本発明の実施例1における生体間隔データの時刻同期システムの構成の一例を示すブロック図である。
【0016】
生体間隔データについて、図2A図2Eに示す心拍間隔BBI(RRIまたはPPI(詳細は後述))を例として説明する。すなわち、本実施例における心拍間隔データは、生体間隔データの一例である。本実施例の生体間隔データ処理システム100は、一つ以上の心拍センサの測定済みデータに基づいて、時刻修正を行うことで、測定時に外部から介入して正確な時刻を付与することを必要とせず、多様な市販デバイスに対応して、自律神経機能解析のための生体間隔データの前処理として利用することが可能とする。
【0017】
しかし、図3A図3Dを参照して後述するように、心拍センサが簡便化された一方、絶対時計を持たない、記録方式が異なる、通信により記録時刻の前後の矛盾がある、データの欠損がある、等の問題が潜在する。このため、記録時刻の誤りデータを修正しないと、所定の範囲の時系列上の生体間隔データに対して自律神経機能解析を行う際、支障がでる。
【0018】
そこで、本実施例の生体間隔データ処理システム100は、入力データ取得部101、記録時刻修正部102、結果表示部103及び設定部104を有する。生体間隔データ処理システム100に生体間隔データとして1つ以上の心拍センサで取得した時刻付き心拍間隔データ105が入力されると、入力データ取得部101がこれを取得する。記録時刻修正部102は、入力された生体間隔データと時刻に基づいて、時刻の誤りデータの有無を判定し、生体間隔データを時系列上に並べるように記録時刻を修正する。結果表示部103は、記録時刻が修正された心拍間隔データ106を表示する。設定部104は、心拍間隔データ106の記録時刻の修正及びその結果の出力に関する設定を行う。
【0019】
図1Bは、本発明の実施例1の生体間隔データ処理システム100を実現するための計算機システムのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0020】
図1Aに示した本実施例の生体間隔データ処理システム100は、例えば計算機システム110によって構成される。計算機システム110は、プロセッサ111、メモリ(主記憶装置)112、補助記憶装置113、出力装置114、入力装置115、及び通信インタフェース(I/F)116を含む。上記の構成要素は、バスによって互いに接続されている。メモリ112及び補助記憶装置113は記憶装置であり、プロセッサ111が使用するプログラム及びデータを格納している。
【0021】
メモリ112は、例えば半導体メモリによって構成され、主に実行中のプログラム及びデータを保持するために利用される。プロセッサ111は、メモリ112に格納されているプログラムに従って、様々な処理を実行する。プロセッサ111がプログラムに従って動作することで、様々な機能部が実現される。
【0022】
補助記憶装置113は、例えばハードディスクドライブ又はソリッドステートドライブなどの大容量の記憶装置によって構成され、プログラム及びデータを長期間保持するために利用される。例えば、生体間隔データ処理システム100が取得した心拍間隔データ105、および、生体間隔データ処理システム100によって記録時刻が修正された心拍間隔データ106が、補助記憶装置113に保持される。
【0023】
プロセッサ111は、単一の処理ユニット又は複数の処理ユニットで構成することができ、単一もしくは複数の演算ユニット、又は複数の処理コアを含むことができる。プロセッサ111は、1又は複数の中央処理装置、マイクロプロセッサ、マイクロ計算機、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ、ステートマシン、ロジック回路、グラフィック処理装置、チップオンシステム、及び/又は制御指示に基づき信号を操作する任意の装置として実装することができる。
【0024】
補助記憶装置113に格納されたプログラム及びデータが起動時又は必要時にメモリ112にロードされ、プログラムをプロセッサ111が実行することによって、計算機システム110の各種処理が実行される。したがって、以下の説明において生体間隔データ処理システムによって実行される処理(例えば入力データ取得部101、記録時刻修正部102、結果表示部103及び設定部104の処理)は、プロセッサ111がプログラムに従って、必要に応じて計算機システム110内の各部を制御して実行する処理である。
【0025】
入力装置115は、ユーザが指示及び情報などを入力するためのハードウェアデバイスである。出力装置114は、入出力用の各種画像を提示するハードウェアデバイスであり、例えば、表示デバイス又は印刷デバイスである。通信I/F116は、ネットワーク(図示省略)との接続のためのインタフェースである。
【0026】
なお、計算機システム110は2以上のプロセッサ111を含んでもよい。また、本実施例のシステムの機能は、複数の計算機システム110に実装することができる。その場合、複数の計算機システム110はネットワークを介して通信する。例えば、本実施例のシステムの複数の機能の一部が一つの計算機システム110に実装され、他の一部が他の計算機システムに実装されてもよい。
【0027】
<自律神経機能指標>
次に、図2A図2Eを参照して、心拍間隔データ及びそれを用いた自律神経機能解析について説明する。
【0028】
図2Aは、本発明の実施例1において心電のR波とR波の間隔(R-R interval)を測定するRRIの一例を示す説明図である。
【0029】
図2Bは、本発明の実施例1において脈波のピークとピークの間隔(Peak-to-Peak interval)を測定するPPIの一例を示す説明図である。
【0030】
使用するセンサの種類によってRRIもしくはPPIのいずれか、またはそれらの両方が得られるが、いずれも同等のものとして自律神経指標解析に使用することができる。このため、以下の説明ではRRIおよびPPIを総称して心拍間隔(Beat-to-Beat interval)BBIと記載する。
【0031】
図2Cは、本発明の実施例1において時刻付き心拍間隔データBBIを出力する際の一般形式の一例を示す説明図である。
【0032】
間隔データが連続に、且つ正確に取得される場合、前後の記録時刻の差分と測定した間隔データとが近似している。つまり、T(n)-T(n-1)≒BBI(n)となる。
【0033】
図2Dは、本発明の実施例1において取得された時刻付き心拍間隔データBBIを時系列上のデータとして表示する一例を示す説明図である。
【0034】
具体的には、図2Dには、測定時刻を横軸とし、生体間隔データを縦軸としてBBIデータを表示する。時刻付き生体間隔データは、間隔不均等の離散データである。
【0035】
図2Eは、本発明の実施例1において取得された時刻付き心拍間隔データBBIに基づく自律神経指標算出の一例を示す説明図である。
【0036】
具体的には、図2Eは、図2Dのデータに対して、単位区間(例えば2分間又は5分間など、所定の長さの時間の区間)を指定して、周波数解析などを行うことで、一部の自律神経機能指標を算出する例を示す。図2Dに示すようにBBIデータを時系列上に並べる際に、測定時刻のデータに誤りがある場合、図2Eに示す自律神経機能解析に支障が生じる。
【0037】
<測定データ>
次に、図3A図3Dを参照して、多様な心拍センサで取得した測定データの例及び時刻記録問題について説明する。
【0038】
図3A図3Dは、それぞれ、本発明の実施例1において取得した測定データの第一~第四の例を示す説明図である。
【0039】
図3Aは、センサAの測定データの出力例を示す。センサAは、高精度な心電式の心拍センサの一例である。センサAは、その内部に絶対時計を持ち、データを連続的に取得し、取得されたデータはT(n)-T(n-1)≒BBI(n)を満たしている。
【0040】
図3Bは、センサBの測定データの出力例を示す。センサの簡便化に伴い、センサBは内部に絶対時計を持っておらず、単調増加するクロックのみで時刻を記録して測定データを出力する。そのため、センサBの測定データを他のセンサデータとともに時系列上に並べて比較する際には、センサBの測定データの全体に対して、開始時刻を付与する必要がある。
【0041】
図3Cは、センサCの測定データの出力例を示す。一見、絶対時計を持つようであるが、実際はスマートフォン等の端末通信経由で測定時刻を記録するタイプのデータである。5測定データ毎に1パケットとして、パケット内部では、測定データと測定時刻の連続性が維持されているが、パケット間では、例えば後の記録時刻が一つ前の時刻より早い時刻である場合があるなど、矛盾が存在する場合がある。
【0042】
このため、センサCの測定データを他のセンサデータとともに時系列上に並べて比較する際には、時刻の矛盾により、正しく比較できず、修正が必要となる。
【0043】
また、パケット内部の前後の記録時刻の差分と測定間隔データを比較すると、T(n)-T(n-1)≒BBI(n-1)となっていることがわかる。このように、センサによって、測定時刻の記録タイミングの違いがあることがわかる。測定時刻の記録タイミングが異なるデータを時系列上に並べて比較する際は、支障が出るため、記録タイミングの形式を統一する必要がある。既存の高精度な心拍センサは図3Aのように後波の記録タイミングを記録時刻とする場合が多いため、ここでは、後波記録時刻(T(n)-T(n-1)≒BBI(n))に統一する。
【0044】
図3Dは、センサDの測定データの出力例を示す。記録時刻(タイムスタンプ)が他のセンサではミリ秒まで記録されているのに対し、センサDでは実質秒単位までの記録となり、記録時刻の精度が低い。また、測定データ(BBI)の欠損もあるため、時系列上に並べる前に、記録時刻の修正が必要である。
【0045】
上記の例の他に、センサで測定を行う際に、通信不良、接続不良、および接触不良等により、測定不良を発生し、データが断続する可能性がある。
【0046】
<システムの処理>
図4は、本発明の実施例1の記録時刻修正部102が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【0047】
記録時刻修正部102心拍センサから取得した時刻付き心拍間隔データ(BBI)105に基づいて、時系列上に並べる際に、心拍の実際の出現時刻に対する、付与された記録時刻の乖離の有無を判定し、時刻修正を行う。本実施例の記録時刻修正部102は、単一のセンサの入力に対して処理を行う。
【0048】
最初に、記録時刻修正部102は、入力された時刻付き心拍間隔データ105に対し、絶対時刻での記録か否かを判定する(ステップ401)。入力されたデータが内部単調クロックによる記録のみを持ち、絶対時刻を持ってないと判定される場合は(ステップ401:No)、記録時刻修正部102は、参照開始時刻を取得し(ステップ402)、全ての時刻を絶対時刻に変換する(ステップ403)。参照開始時刻の取得方法としては、測定データの格納ファイルの生成タイミング、ファイル名、おおよその測定時刻、または他センサの測定時刻を仮取得する、などの方法が挙げられる。
【0049】
入力された時刻付き心拍間隔データ105が絶対時刻での記録であるか(ステップ401:Yes)、または、ステップ402およびステップ403が実行された場合、次に、記録時刻修正部102は、全体データに対し、前後の測定データの記録時刻(すなわちタイムスタンプの値)の差分を算出する(ステップ404)。そして、記録時刻修正部102は、測定した心拍間隔データと前後測定時刻の差分との比較を行う。記録時刻修正部102は、心拍間隔データ(BBI)が終始連続しているか否かを判定する(ステップ405)。
【0050】
心拍間隔データ(BBI)に欠損があり不連続の場合(ステップ405:No)、記録時刻修正部102は、BBIの欠損位置の時刻差分の大きさが許容範囲内か否かを判定する(ステップ406)。BBIの欠損位置の時刻差分の大きさが許容範囲内の場合(ステップ406:Yes)、記録時刻修正部102は、記録時刻を変えずに、欠損部分のデータのみを削除し(ステップ407)、処理を継続する。
【0051】
欠損位置の時刻差分の大きさが許容範囲外の場合(ステップ406:No)、記録時刻修正部102は、データの測定の断続と判定し、欠損位置を境界としてその前後のデータを二つのブロックに分割し(ステップ408)、以降の時刻差分算出等の処理は分割したブロック単位毎に行う。記録時刻修正部102は、ステップ405に戻り、分割したブロック単位内で心拍間隔データ(BBI)が終始連続しているか否かを判定する。
【0052】
心拍間隔データ(BBI)が終始連続しているか(ステップ405:Yes)、または、ステップ407が実行された場合、次に、記録時刻修正部102は、ブロック単位内の欠損を取り除いた心拍間隔データに対し、前後の時刻差分と該当した心拍間隔データが近似しているか否かを判定し(ステップ409)、近似している場合(ステップ409:Yes)、時刻修正された時刻付きBBI106を出力する。近似していない場合(ステップ409:No)、記録時刻修正部102は、当該時刻差分が一拍前の心拍間隔データに近似しているか否かを判定し(ステップ410)、一拍前のBBIと近似する場合(ステップ410:Yes)、心拍間隔データを後波記録時刻に変換することで、記録形式を統一する(ステップ411)。
【0053】
なお、ステップ409および410において、記録時刻修正部102は、例えば、前後の時刻差分と該当した心拍間隔データとの差が所定の基準値より大きいかを判定し、大きい場合(言い換えると、両者の乖離が所定の基準より大きい場合)に、両者が近似しないと判定してもよい。
【0054】
当該時刻差分が一拍前のBBIとも近似していない場合(ステップ410:No)、心拍の実際の出現時刻に対して、付与された記録時刻が乖離していると判定される。この場合、記録時刻修正部102は、対象の心拍間隔データにおける時刻差分の合計と、BBIの値の合計とを計算し、それらの誤差が許容範囲内か否かを判定する(ステップ412)。誤差が許容範囲内の場合(ステップ412:Yes)、記録時刻修正部102は、大きいずれがないと判定し、BBIの連続の積み重ねで時刻を計算し直して(ステップ413)、記録時刻が修正された時刻付きBBI106を出力する。
【0055】
時刻差分合計とBBI合計とが大きく乖離する場合(ステップ412:No)、記録時刻修正部102は、断続の測定箇所が存在すると判定して、通常の測定値の範囲から大きく離脱した異常位置でブロック分割を行う(ステップ414)。そして、記録時刻修正部102は、ステップ409に戻り、分割したブロック単位内部で記録時刻の乖離の有無の再判定を行う。
【0056】
例えば、時刻付きBBI105として図3Aに示したデータが入力された場合、このデータは絶対時刻での記録であり(ステップ401:Yes)、BBIが終始連続しており(ステップ405:Yes)、さらに、連続する二つの記録時刻(すなわちタイムスタンプ、以下同様)の差分とそれらの後の方の記録時刻に対応する心拍間隔の値が近似している(ステップ409:Yes)ことから、入力された時刻付きBBI105がそのまま記録時刻が修正された時刻付きBBI106として出力される。
【0057】
時刻付きBBI105として図3Bに示したデータが入力された場合、このデータは絶対時刻での記録ではないため(ステップ401:No)、参照開始時刻に基づく絶対時刻への変換が行われる(ステップ402、403)。例えば、先頭の記録時刻「6.833秒」に対応する絶対時刻が参照開始時刻として取得される。そして、先頭の記録時刻の値と2番目の記録時刻「7.767秒」との差分「934ミリ秒」を参照開始時刻に加算した時刻が2番目の記録時刻に対応する絶対時刻として算出される。3番目以降の記録時刻についても同様の計算が行われる。
【0058】
そして、図3Bに示したデータの2番目の記録時刻と先頭の記録時刻との差分「924ミリ秒」は、2番目の記録時刻に対応するBBIの値とは近似しないが(ステップ409:No)、その一拍前のBBIの値と近似する(ステップ410:Yes)ことから、記録時刻修正部102は、各BBIの値を一拍後ろにずらすことによって、データを後波記録時刻に変換する(ステップ411)。
【0059】
時刻付きBBI105として図3Cに示したデータが入力された場合、このデータは絶対時刻での記録であり(ステップ401:Yes)、BBIが終始連続している(ステップ405:Yes)。そして、パケットの内部のデータについては、二つの隣接する記録時刻の差分が、それらの後の方の記録時刻に対応するBBIの値と近似せず(ステップ409:No)、その一拍前のBBIの値と近似する(ステップ410:Yes)。このため、記録時刻修正部102は、図3Bの場合と同様に、各BBIの値を一拍後ろにずらすことによって、データを後波記録時刻に変換する(ステップ411)。
【0060】
一方、パケット境界の前後のデータについては、二つの隣接する記録時刻の差分が、それらの後の方の記録時刻に対応するBBIの値と近似せず(ステップ409:No)、その一拍前のBBIの値とも近似しない(ステップ410:No)。この場合、記録時刻修正部102は、例えば、図3Cに示す先頭の記録時刻「2022年1月18日14時33分00.681秒」から末尾の記録時刻「2022年1月18日14時33分07.871秒」までの差分「7.19秒」と、それらの間の全ての記録時刻に対応するBBIの値の合計(すなわち「1063ミリ秒」から「421ミリ秒」までの全ての値の合計「10.689秒」)との誤差を算出し、その誤差が許容範囲内であるかを判定する(ステップ412)。
【0061】
誤差が許容範囲内である場合(ステップ412:Yes)、記録時刻修正部102は、例えば、図3Cに示す先頭のパケットの末尾の記録時刻「2022年1月18日14時33分05.223秒」に、BBIの値「961ミリ秒」を加算した新たな記録時刻「2022年1月18日14時33分06.184秒」を、その次のパケットの先頭の記録時刻「2022年1月18日14時33分00.692秒」の代わりに付与する。同様の処理を以降の記録時刻について行うことで、記録時刻を修正する(ステップ413)。
【0062】
誤差が許容範囲内でない場合(ステップ412:No)、記録時刻修正部102は、パケットの前後のBBIがそれぞれ別のブロックに含まれるように、データを分割する(ステップ414)。
【0063】
時刻付きBBI105として図3Dに示したデータが入力された場合、このデータは絶対時刻での記録ではないため(ステップ401:No)、図3Bの場合と同様に絶対時刻への変換が行われる(ステップ402、403)。さらに、BBIに欠損があるため(ステップ405:No)、記録時刻修正部102は、例えば、欠損の前の記録時刻「55分34.0秒」と欠損の後の記録時刻「55分37.0秒」との差分「3.0秒」が許容範囲内であるかを判定する(ステップ406)。
【0064】
この差分が許容範囲内である場合には、BBIが欠損している記録時刻「55分35.0秒」及び「55分36.0秒」のデータが削除される(ステップ407)。差分が許容範囲内でない場合には、欠損の前後のBBIがそれぞれ別のブロックに含まれるように、データが分割される(ステップ408)。
【0065】
なお、図3Dに示したデータでは、記録時刻の精度が低い。その結果、二つの隣接するタイムスタンプの差分が、それらの後の方の記録時刻に対応するBBIの値と近似せず(ステップ409:No)、その一拍前のBBIの値とも近似しない(ステップ410:No)と判定された場合、記録時刻修正部102は、図3Cのデータに対して行うものと同様の方法で記録時刻を修正する(ステップ413)。
【0066】
図5は、本発明の実施例1における時刻修正前後の時系列上の心拍間隔データの変化の一例を示す説明図である。
【0067】
図5(A)は、時刻修正前の生体間隔データを時系列上に並べた際のグラフとなる。時系列に並べた場合、時刻の誤りデータがあり、時刻の矛盾が見られる。図5(B)は、前記の時刻修正部を用いて時刻の誤りデータを修正後のセンサデータのイメージを示す。測定データは時系列上に正常に並べている。例えば、図5(A)に示す区画501Aは、後に計測されたBBIデータに、それより後に計測されたBBIより早い記録時刻が付されるなどの矛盾を含んでいる。一方、区画501Aに対応する時刻修正後の区画501Bでは上記の矛盾が解消されている。このように修正された時刻付き生体間隔データを用いて高精度な自律神経機能解析を可能とする。
【0068】
<結果表示>
図6は、本発明の実施例1に係る生体間隔データ処理システム100による処理結果の表示の一例を示す説明図である。
【0069】
本実施例の表示画面600では、ユーザがデータ選択部601において処理対象の時刻付き生体間隔データを選択すると、生体間隔データ処理システム100が選択されたデータを入力データとして読み込む。入力されたデータの時刻の範囲を示す開始時点と終了時点をデータ範囲表示部602に表示し、ユーザによる処理対象の時刻範囲の調整を可能とする。
【0070】
表示画面600は、さらに、時刻修正ボタン603、元データ表示部604および修正データ表示部605を有する。元データ表示部604には、入力された元の時刻付き生体間隔データが時系列上に並べて表示される。ユーザが時刻修正ボタン603を操作すると、入力された元の時刻付き生体間隔データに対する時刻修正処理が実行される。修正データ表示部605には、入力された生体間隔データに対して時刻修正を行うことによって修正された生体間隔データが時系列上に並べて表示される。
【0071】
また、生体間隔データ処理システム100は、修正された生体間隔データを出力する出力部(例えばプロセッサ111が出力装置114または通信I/F116を制御してデータを出力する機能)を有する。
【実施例0072】
次に、本発明の実施例2を説明する。以下に説明する相違点を除き、実施例2のシステムの各部は、図1図6に示された実施例1の同一の符号を付された各部と同一の機能を有するため、それらの説明は省略する。
【0073】
<システム構成>
図7は、本発明の実施例2における生体間隔データ処理システムの構成の一例を示すブロック図である。
【0074】
本実施例で取り扱う生体間隔データは、実施例1と同様に、図2A図2Eに示した心拍間隔BBIである。本実施例の生体間隔データ処理システム700は、比較対象である同時計測した二つ以上の心拍センサの測定済みデータに基づいて、時刻修正と時刻同期を行うことで、測定時の外部から介入して、同期するようなシステムを必要とせず、多様な市販デバイスに対応して、比較評価することを可能とする。
【0075】
本発明の生体間隔データ処理システム700は、入力データ取得部701、記録時刻修正部702、安定区間選定部703、時刻差分算出部704、時刻差分補正部705、結果表示部706及び設定部707を有する。
【0076】
生体間隔データ処理システム700に比較対象となる二つの心拍センサで取得した時刻付き間隔データ(図7の例では、心拍センサ1による時刻付き心拍間隔708および心拍センサ1による時刻付き心拍間隔709)が入力されると、入力データ取得部701がこれを取得する。記録時刻修正部702は、入力された生体間隔データと時刻に基づいて、時刻の記録誤りの有無を判定し、各自のデータを時系列上に並べるように記録時刻を修正する。
【0077】
実施例2の入力データ取得部701および記録時刻修正部702は、実施例1の入力データ取得部101および記録時刻修正部102と同様の処理をそれぞれ二つの生体間隔データ708および709に対して行うものであるため、詳細な説明は省略する。
【0078】
安定区間選定部703は、ノイズの回避と計算の効率を向上するため、記録時刻が修正されたデータに対し、センサ間の時刻ずれ時刻差分算出に適した安定区間を選出する。
【0079】
時刻差分算出部704は、選定された安定区間範囲内の二つセンサの間隔データを時系列上に並べて、センサ1のデータの全体を仮に移動しながら、センサ2のデータと比較し、範囲内の二つセンサの間隔データの全体波形の差分を算出し、波形の差分が最小になる時点の時刻の移動分をセンサ間の時刻差分として算出する。
【0080】
時刻差分補正部705は、全体のセンサデータに対して、時刻差分算出部で算出した時刻差分の値を補正し、二つのデータの時刻を同期し、共通時刻範囲内の時刻同期したセンサ1の時刻付き心拍間隔データ710および時刻同期したセンサ2の時刻付き心拍間隔データ711を出力する。
【0081】
結果表示部706は、時刻同期したセンサ1の時刻付き心拍間隔データ710および時刻同期したセンサ2の時刻付き心拍間隔データ711を表示する。設定部707は、心拍間隔データの記録時刻の修正、時刻同期およびその結果の出力に関する設定を行う。
【0082】
なお、実施例2の生体間隔データ処理システム700は、実施例1の生体間隔データ処理システム100と同様に、例えば図1Bに示すような計算機システムによって実現することができる。例えば、入力データ取得部701~設定部707の各部の処理は、プロセッサ111がプログラムに従って、必要に応じて計算機システム110内の各部を制御することによって実行される。また、生体間隔データ処理システム700が取得した心拍間隔データ708および709、ならびに、生体間隔データ処理システム700によって記録時刻が修正された心拍間隔データ710および711が、補助記憶装置113に保持される。
【0083】
<システムの処理>
図8は、本発明の実施例1の生体間隔データ処理システム700が時刻同期するための差分算出および補正をする処理の一例を示すフローチャートである。
【0084】
まず、安定区間選定部703が、時刻修正された第一の時刻付きBBIデータ809と時刻修正された第二の時刻付きBBIデータ810との共通時間区間を抽出する(ステップ801)。時刻修正された第一の時刻付きBBIデータ809および時刻修正された第二の時刻付きBBIデータ810は、それぞれ、入力データ取得部701が取得した時刻付き心拍間隔データ708および709を記録時刻修正部702が処理することによって生成される。記録時刻修正部702の処理は実施例1の記録時刻修正部102と同様であるため、詳細な説明を省略する。ステップ801によって、時刻修正された二つのBBIデータから、共通するタイムスタンプの範囲に対応する間隔データが抽出される。
【0085】
次に、安定区間選定部703は、二つのデータの時刻差分算出に適した短区間を、安定区間として選出する。抽出した共通時間区間の全体に対して計算する場合と比べて、選出した安定区間を対象として時間差分を算出することによって、算出精度を保ちつつ、効率を向上することができる。
【0086】
具体的には、安定区間選定部703は、長い共通時間区間内の測定データに対して、指定した長さ(例えば、2分間)の複数の短い区間に分割する(ステップ802)。そして、安定区間選定部703は、各短区間内のBBIデータに基づいて、BBIの異常値検知を行い、正常範囲内のデータの割合とBBIの分散値を算出する(ステップ803)。一例として、該当時間内のデータの中央値を算出し、中央値×0.75~中央値×1.75の範囲を正常範囲としてもよい。安定区間選定部703は、正常範囲を離脱したデータを異常値として除去する。
【0087】
そして、正常値の割合が許容範囲内、且つ分散が高いデータは時刻差分算出する際の波形合わせに適しているため、安定区間選定部703は、そのような条件に合致する短区間を安定区間として選出する(ステップ804)。例えば、正常値の割合が所定の基準より高く、且つ、分散が所定の基準より高い短区間のいずれかを安定区間として選出してもよいし、正常値の割合が最も高く、且つ、分散が最も高い短区間を安定区間として選出してもよい。
【0088】
次に、時刻差分算出部704は、選出された安定区間内の二つの測定データを抽出し、それらが均等間隔の連続データなるように、スプライン関数等を用いてデータの補間と正規化を行う(ステップ805)。
【0089】
そして、時刻差分算出部704は、処理された第二のBBIデータを基準とする場合、処理された第一のBBIデータを補間する際の最小刻みを単位として、左右に(すなわち時間軸上で前後に)シフトしながら(すなわち第二のBBIデータに対する第一のBBIデータの時刻方向のシフト量を変更しながら)、シフト量、及び、第一のデータと第二のデータとの誤差差分を算出する(ステップ806)。例えば、時刻差分算出部704は、第一のBBIデータの時刻を前後にシフトしながら、第一のBBIデータと第二のBBIデータとの差分を積分して、その結果を誤差差分として算出してもよい。そして、時刻差分算出部704は、二つのデータの波形の誤差差分が最小となる時刻のシフト量を、二つのデータが最も近似するシフト量として特定する。時刻差分算出部704は、その特定したシフト量を二つのデータの時刻差分として算出する(ステップ807)。
【0090】
次に、時刻差分補正部705は、代表した安定区間内で算出した時刻差分を用いて、第一のデータの全体に反映するように、第一のデータの全体に対して差分時刻で記録時刻を補正する(ステップ808)。最後に、時刻差分補正部705は、全体を通して、時刻同期した第一のBBIデータ710および第二のBBIデータ711の共通区間内のデータを出力する。
【0091】
図9は、本発明の実施例2の安定区間選定部703が時刻差分算出に適した安定区間を選出する処理の一例を示す説明図である。
【0092】
安定区間選定部703は、センサAの測定データとセンサBの測定データの共通区間を抽出する。具体的には、安定区間選定部703は、ステップ801で抽出された共通時間区間内のデータに対して、複数の短区間(この例では各短区間の長さが2分30秒)に分割する。安定区間選定部703は、各短区間に対して、異常率(又は正常率)の算出と分散の算出を行って、時刻合わせに適した短区間(図9の例では短区間4)を選出する。
【0093】
図10は、本発明の実施例2の時刻差分補正部705が、選出された安定区間内のデータに対して時刻差分補正を行う前後のデータの一例を示す説明図である。
【0094】
図10(A)及び(B)は、選出した安定区間内のデータをベースとしている。
【0095】
図10(A)は、記録時刻修正部702が時刻の誤りデータを修正後の測定データのイメージを示す。測定データは時系列上に正常に並べている。この例では、同一生体を重複する時間帯に計測したデータを時刻修正した第一のBBIデータ809および第二のBBIデータ810を、それぞれBBI-1およびBBI-2と表記している。
【0096】
例えば、BBI-1は、高精度な心電データから取得されたRRIデータであり、BBI-2は、それと同一の人物について同じ時間帯に簡易なセンサによって計測したPPIデータであってもよい。両者を比較すると、波形が揃っておらず、時刻のずれ差分が存在しているように見える。
【0097】
図10(B)は、時刻差分算出部704が時刻差分を算出し、時刻差分補正部705が時刻差分を補正したBBI-2と比較対象であるBBI-1のイメージを示す。時系列上に、波形が揃っており、二つのデータが時刻同期されたことがわかる。
【0098】
図11は、本発明の実施例2の時刻差分補正部705が、広範囲のデータに対して時刻差分補正を行う前後のデータの一例を示す説明図である。
【0099】
図11(A)は、広範囲の測定データにおいて、記録時刻修正部702が時刻の誤りデータを修正後の測定データのイメージを示す。この例では、波形の全体に時刻ずれが見られる。これは、図10(A)に示した安定区間のデータに、さらにその前後のデータも加えて表示したものである。点線枠内には選定した安定区間の領域を示す。
【0100】
図11(B)は、広範囲の測定データにおいて、選定した安定区間内のデータを用いて算出した時刻差分をベースに、全体データに対して時刻補正を行った結果のイメージを示す。これは、図10(B)に示した時刻差分補正後の安定区間のデータに、さらにその前後の時刻差分補正後のデータも加えて表示したものである。安定区間で特定した時刻差分(すなわち二つのデータが最も近似するシフト量)をその前後の区間にも適用して補正をすることによって、広範囲において、二つのデータの波形が揃うようになり、時刻同期されることが確認できる。
【0101】
<結果表示>
図12は、本発明の実施例2に係る生体間隔データ処理システム700による処理結果の表示の一例を示す説明図である。
【0102】
本実施例の表示画面1200では、図6で示した基本機能に加えて、比較対象となる第二の生体データを入力として受け付ける。このため、データ選択部1201には、第一の生体データ及び第二の生体データの指定する情報が入力される。入力されたデータの時刻の範囲を示す開始時点と終了時点をデータ範囲表示部1202に表示し、ユーザによる処理対象の時刻範囲の調整を可能とする。
【0103】
表示画面1200は、さらに、時刻修正ボタン1203およびモード選択ボタン1204を有する。時刻修正ボタン1203は、実施例1の時刻修正ボタン603と同様のものであり、ユーザがこれを操作することによって入力されたそれぞれの測定データに対する記録時刻修正処理が実行される。ユーザがモード選択ボタン1204を操作することによって、第二の生体データに対して時刻差分の補正を行う否かが選択される。
【0104】
表示画面1200は、さらに、第一の生体データおよび第二の生体データを時系列上に並べて表示する。図12の例では、時刻修正前の第一の生体データおよび第二の生体データ1207、時刻修正後かつ差分補正前の第一の生体データおよび第二の生体データ1208、ならびに、差分補正後の第一の生体データおよび第二の生体データ1209が表示される。
【0105】
表示画面1200は、さらに、BBIの比較結果表示部1210を有する。BBIの比較結果表示部1210には、横軸を差分補正後の第一の生体データ、縦軸を差分補正後の第二の生体データとする散布図を示す。さらに、両者の相関係数およびp値が表示されてもよい。
【0106】
表示画面1200は、さらに、時刻差分表示部1205および時刻差分調整部1206を有する。時刻差分表示部1205には、第一の生体データと第二の生体データに基づき、時刻差分算出部704が算出した時刻差分の値が表示される。算出された時刻差分をベースに、ユーザが時刻差分調整部1206に時刻差分の値を入力することによって、時刻差分を調整可能である。差分補正後の第一の生体データおよび第二の生体データ1209は、調整された時刻差分を用いて補正された第一の生体データおよび比較対象の第二の生体データを時系列上に並べて表示したものである。
【実施例0107】
次に、本発明の実施例3を説明する。以下に説明する相違点を除き、実施例3のシステムの各部は、図1図12に示された実施例1~2の同一の符号を付された各部と同一の機能を有するため、それらの説明は省略する。
【0108】
図13は、本発明の実施例3に係る生体間隔データ処理システム100による処理結果の表示の一例を示す説明図である。
【0109】
本実施例の表示画面1300は、図6に示した生体間隔データの時刻修正の基本機能に加え、修正された生体間隔データをベースに、データ品質を評価した結果(例えば生体間隔データの中央値及び間隔データに含まれる異常値の割合等)を表示するデータ品質評価表示部1301、生体間隔データの取得対象であるユーザに関する情報を設定するユーザ情報設定部1302、及び、単位時間等を指定し、生体間隔データに基づいて自律神経機能指標(ANF指標)を算出して表示する自律神経機能指標表示部1303を有する。
【0110】
また、本実施例の生体間隔データ処理システム100は、算出した自律神経機能指標を出力する出力部(例えばプロセッサ111が出力装置114または通信I/F116を制御してデータを出力する機能)をを有する。
【実施例0111】
次に、本発明の実施例4を説明する。以下に説明する相違点を除き、実施例4のシステムの各部は、図1図13に示された実施例1~3の同一の符号を付された各部と同一の機能を有するため、それらの説明は省略する。
【0112】
図14は、本発明の実施例4に係る生体間隔データ処理システム700による処理結果の表示の一例を示す説明図である。
【0113】
本実施例の表示画面1400は、図12に示した生体間隔データの時刻修正と時刻差分補正の機能に加え、生体間隔データの比較評価結果を表示する生体データ比較結果表示部を有する。また、表示画面1400は、第一の生体データに基づいて算出した第一の自律神経機能指標、及び第二の生体データに基づいて算出した第二の自律神経機能指標の結果を表示するANF指標表示部1401を有する。また、表示画面1400は、第一のANF指標と第二のANF指標に基づいてANF指標の比較結果を表示するANF比較評価部1402を有する。
【0114】
例えば、ANF指標表示部1401には、第一の生体データに基づいて算出した第一の自律神経機能指標、及び第二の生体データに基づいて算出した第二の自律神経機能指標のそれぞれの時間推移を比較するグラフが表示されてもよい。また、ANF比較評価部1402には、第一の生体データに基づいて算出した第一の自律神経機能指標と、第二の生体データに基づいて算出した第二の自律神経機能指標との相関の強さを示す指標(例えば相関係数)が自律神経指標毎に表示されてもよい。ユーザは、ANF指標表示部1401およびANF比較評価部1402に表示する指標を選択することができる。
【0115】
さらに、ANF指標表示部1401およびANF比較評価部1402には、1回の比較データセットの比較結果に限らず、複数人または複数回に渡って計測した比較データセットの評価結果をマージし、センサの全体性能を総合評価する総合評価を表示することができる。
【0116】
例えば、第一の生体データが十分に高精度であることが分かっている心電図等に基づく心拍間隔データであり、第二の生体データが評価対象の生体センサによって取得された心拍又は脈拍の間隔データである場合、上記のように記録時刻を修正し、さらに二つの生体間隔データの時刻を同期して、それぞれに基づくANF指標を算出して表示することによって、評価対象のセンサの精度、信頼性等を適切に評価することができる。
【0117】
また、本発明の実施形態のシステムは次のように構成されてもよい。
【0118】
(1)生体間隔データ処理システム(例えば生体間隔データ処理システム100又は700)であって、プロセッサ(例えばプロセッサ111)と、記憶装置(例えばメモリ112及び補助記憶装置113の少なくともいずれか)と、を有し、記憶装置は、第一の生体を計測することによって取得された第一の生体信号の間隔(例えば図3A図3Dに示すBBI)と、第一の生体信号の間隔の記録時刻である第一の記録時刻(例えば図3A図3Dに示すタイムスタンプ)と、の複数の組を含む第一の生体間隔データ(例えば時刻付きBBIデータ105、708又は709、具体的には例えば図3A図3Dに示す測定データのいずれか)を保持し、プロセッサは、第一の記録時刻と第一の生体信号の間隔とに基づいて、第一の記録時刻に誤りがあるかを判定し(例えばステップ409、410)、第一の記録時刻に誤りがある場合、誤っている第一の記録時刻の前の第一の記録時刻と当該誤っている第一の記録時刻に対応する第一の生体信号の間隔とを加算した値に置き換えることによって、当該誤っている第一の記録時刻を修正し(例えばステップ413)、第一の記録時刻が修正された第一の生体間隔データ(例えば時刻修正したBBIデータ106)を出力する。
【0119】
これによって、多様な心拍センサに対応し、取得した時刻付き測定データに基づいて、センサ内の測定時刻の誤りデータを判定して修正し、自律神経機能評価へ利用することができる。
【0120】
(2)上記(1)において、プロセッサは、隣接する第一の記録時刻の差分が第一の生体信号の間隔に近似しない場合に(例えばステップ409、410)、第一の記録時刻に誤りがあると判定する。
【0121】
これによって、測定時刻の誤りデータを適切に判定して修正することができる。
【0122】
(3)上記(2)において、記憶装置は、第一の生体を計測することによって取得された第二の生体信号の間隔と、第二の生体信号の間隔の記録時刻である第二の記録時刻と、の複数の組を含む第二の生体間隔データ(例えば時刻付きBBIデータ708又は709)を保持し、プロセッサは、修正された第一の記録時刻と第二の記録時刻との誤差を算出し(例えばステップ807)、誤差を補正するように、修正された第一の記録時刻をさらに修正し(例えばステップ808)、第一の記録時刻が誤差を補正するためにさらに修正された第一の生体間隔データ(例えば同期したBBIデータ710又は711)を出力する。
【0123】
これによって、センサ間の時刻差分を算出して補正し、センサの測定データを時系列上に並べて、時刻同期して比較評価することができる。
【0124】
(4)上記(3)において、プロセッサは、修正された第一の記録時刻をシフトさせて第一の生体信号の間隔と第二の生体信号の間隔との差分を積分し(例えばステップ806)、積分した値が最小になる修正された第一の記録時刻のシフト量を修正された第一の記録時刻と第二の記録時刻との誤差として算出する(例えばステップ807)。
【0125】
これによって、センサ間の時刻差分を精度よく算出することができる。
【0126】
(5)上記(4)において、プロセッサは、修正された第一の記録時刻と第二の記録時刻とが重複する時間範囲(例えばステップ801で抽出される区間)の第一の生体信号の間隔と第二の生体信号の間隔とに基づいて、修正された第一の記録時刻と第二の記録時刻との誤差を算出する。
【0127】
これによって、センサ間の時刻差分を精度よく算出することができる。
【0128】
(6)上記(5)において、プロセッサは、時間範囲を所定の長さの複数の区画に分割し(例えばステップ802における短区間への分割)、複数の区画のうち、第二の生体信号の間隔に含まれる正常範囲の値が多い区間を抽出し(例えばステップ803、804における安定区間の抽出)、抽出された区間において、第一の生体信号の間隔と前記第二の生体信号の間隔との差分を算出する。
【0129】
これによって、センサ間の時刻差分を精度よく算出することができる。
【0130】
(7)上記(6)において、プロセッサは、各区画における第二の生体信号の間隔の分散を算出し、正常範囲の値が多く、かつ、分散が大きい区画を抽出する(例えばステップ803、804)。
【0131】
これによって、センサ間の時刻差分を精度よく算出することができる。
【0132】
(8)上記(1)において、第一の生体間隔データに含まれる第一の生体信号の間隔は、心拍又は脈拍の間隔であり、プロセッサは、第一の記録時刻が修正された第一の生体間隔データに基づいて1以上の自律神経指標を算出し、算出した1以上の自律神経指標を出力する(例えば図13に示す表示)。
【0133】
これによって、多様な心拍センサの評価が支援される。
【0134】
(9)上記(3)において、第一の生体間隔データに含まれる第一の生体信号の間隔及び第二の生体間隔データに含まれる第二の生体信号の間隔は、それぞれ、心拍又は脈拍の間隔であり、プロセッサは、第一の記録時刻が誤差を補正するためにさらに修正された第一の生体間隔データに基づいて1以上の第一の自律神経指標を算出し、第二の生体間隔データに基づいて1以上の第二の自律神経指標を算出し、算出した1以上の第一の自律神経指標と第二の自律神経指標とを比較する情報を出力する(例えば図14に示す表示)。
【0135】
これによって、多様な心拍センサの評価が支援される。
【0136】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明のより良い理解のために詳細に説明したのであり、必ずしも説明の全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることが可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【0137】
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によってハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによってソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、不揮発性半導体メモリ、ハードディスクドライブ、SSD(Solid State Drive)等の記憶デバイス、または、ICカード、SDカード、DVD等の計算機読み取り可能な非一時的データ記憶媒体に格納することができる。
【0138】
また、制御線及び情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線及び情報線を示しているとは限らない。実際にはほとんど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
【符号の説明】
【0139】
100、700 生体間隔データ処理システム
101、701 入力データ取得部
102、702 記録時刻修正部
103、706 結果表示部
104、707 設定部
105 時刻付き心拍間隔データ
106 時刻修正した心拍間隔データ
703 安定区間選定部
704 時刻差分算出部
705 時刻差分補正部
708 第一の時刻付き心拍間隔データ
709 第二の時刻付き心拍間隔データ
710 時刻同期した第一の時刻付き心拍間隔データ
711 時刻同期した第二の時刻付き心拍間隔データ
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図3A
図3B
図3C
図3D
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14