(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024115804
(43)【公開日】2024-08-27
(54)【発明の名称】駐停車違反判定装置
(51)【国際特許分類】
G08G 1/00 20060101AFI20240820BHJP
【FI】
G08G1/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023021648
(22)【出願日】2023-02-15
(71)【出願人】
【識別番号】520124084
【氏名又は名称】ジェネクスト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100176256
【弁理士】
【氏名又は名称】相田 隆敬
(72)【発明者】
【氏名】笠原 一
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181BB04
5H181CC12
5H181DD08
5H181FF05
5H181FF10
5H181MB04
(57)【要約】
【課題】対象車両が駐停車違反を行ったか否かを正確に判定することのできる駐停車違反判定装置を提供する。
【解決手段】駐停車違反判定装置1では、対象車両Xが所定の道路を走行していたと判定された場合、対象車両Xが駐停車禁止範囲Y1内に第1の所定時間以上停止したか否かを判定する。第1の所定時間以上停止したと判定された場合、道路を走行していた車両が駐車場に駐車する前に行う可能性の高いものとして設定された移動種別を、対象車両Xが駐停車禁止範囲Y1内に停止する前の第2の所定時間の間に行ったか否かを判定する。設定された移動種別を行っていなかっと判定された場合に対象車両Xを駐停車違反と判定し、設定された移動種別を行ったと判定された場合には対象車両Xを駐停車違反と判定しない。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の道路の範囲に関する道路範囲情報と、前記所定の道路上の車両の駐停車禁止範囲に関する駐停車禁止範囲情報と、を記憶した記憶部と、
対象車両の車両位置情報を車両時刻情報と紐づけて取得する取得部と、
前記道路範囲情報と、前記車両位置情報と、に基づき、前記対象車両が前記所定の道路を走行していたか否かを判定する走行道路判定部と、
前記対象車両が前記所定の道路を走行していたと判定された場合、前記駐停車禁止範囲情報と、前記車両位置情報及び車両時刻情報と、に基づき、前記対象車両が前記駐停車禁止範囲内に第1の所定時間以上停止したか否かを判定する停止判定部と、
前記対象車両が前記駐停車禁止範囲内に第1の所定時間以上停止したと判定された場合、道路を走行していた車両が駐車場に駐車する前に行う可能性の高いものとして設定された移動種別を、前記対象車両が前記駐停車禁止範囲内に停止する前の第2の所定時間の間に行ったか否かを、前記車両位置情報と、前記車両時刻情報と、に基づき判定する移動種別判定部と、
前記設定された移動種別を行っていなかっと判定された場合に前記対象車両を駐停車違反と判定し、前記設定された移動種別を行ったと判定された場合には前記対象車両を駐停車違反と判定しない違反判定部と、
を備えたことを特徴とする駐停車違反判定装置。
【請求項2】
前記設定された移動種別は、車両の複数の移動の経時的な組み合わせを含むことを特徴とする請求項1に記載の駐停車違反装置。
【請求項3】
前記駐停車禁止範囲は、道路交通法、又は、自動車の保管場所の確保等に関する法律で定められた範囲に加えて、前記範囲から所定範囲離れた範囲も含むことを特徴とする請求項1に記載の駐停車違反装置。
【請求項4】
所定の道路の範囲に関する道路範囲情報と、前記所定の道路上の車両の駐停車禁止範囲に関する駐停車禁止範囲情報と、を記憶したコンピュータで実行されるプログラムであって、
対象車両の車両位置情報を車両時刻情報と紐づけて取得するステップと、
前記道路範囲情報と、前記車両位置情報と、に基づき、前記対象車両が前記所定の道路を走行していたか否かを判定するステップと、
前記対象車両が前記所定の道路を走行していたと判定された場合、前記駐停車禁止範囲情報と、前記車両位置情報及び車両時刻情報と、に基づき、前記対象車両が前記駐停車禁止範囲内に第1の所定時間以上停止したか否かを判定するステップと、
前記対象車両が前記駐停車禁止範囲内に第1の所定時間以上停止したと判定された場合、道路を走行していた車両が駐車場に駐車する前に行う可能性の高いものとして設定された移動種別を、前記対象車両が前記駐停車禁止範囲内に停止する前の第2の所定時間の間に行ったか否かを、前記車両位置情報と、前記車両時刻情報と、に基づき判定するステップと、
前記設定された移動種別を行っていなかっと判定された場合に前記対象車両を駐停車違反と判定し、前記設定された移動種別を行ったと判定された場合には前記対象車両を駐停車違反と判定しないステップと、
を備えたことを特徴とする駐停車違反判定プログラム。
【請求項5】
所定の道路の範囲に関する道路範囲情報と、前記所定の道路上の車両の駐停車禁止範囲に関する駐停車禁止範囲情報と、を記憶したコンピュータで実行される方法であって、
対象車両の車両位置情報を車両時刻情報と紐づけて取得するステップと、
前記道路範囲情報と、前記車両位置情報と、に基づき、前記対象車両が前記所定の道路を走行していたか否かを判定するステップと、
前記対象車両が前記所定の道路を走行していたと判定された場合、前記駐停車禁止範囲情報と、前記車両位置情報及び車両時刻情報と、に基づき、前記対象車両が前記駐停車禁止範囲内に第1の所定時間以上停止したか否かを判定するステップと、
前記対象車両が前記駐停車禁止範囲内に第1の所定時間以上停止したと判定された場合、道路を走行していた車両が駐車場に駐車する前に行う可能性の高いものとして設定された移動種別を、前記対象車両が前記駐停車禁止範囲内に停止する前の第2の所定時間の間に行ったか否かを、前記車両位置情報と、前記車両時刻情報と、に基づき判定するステップと、
前記設定された移動種別を行っていなかっと判定された場合に前記対象車両を駐停車違反と判定し、前記設定された移動種別を行ったと判定された場合には前記対象車両を駐停車違反と判定しないステップと、
を備えたことを特徴とする駐停車違反判定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象車両が駐停車違反を行ったか否かを正確に判定することのできる駐停車違反判定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、車両上に設置され、基地局からの駐車禁止区域情報を受信する手段と、GPSにより自車両の位置を検出する手段と、自車両の移動の有無を検出するタイヤ回転センサ等の手段と、一定時間駐車禁止区域からの移動がなかった場合に警告音を発する手段と、さらに一定時間移動がなかった場合に基地局に対して車両情報や場所情報を送信する手段を備えた違法駐車取締システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、GPS信号等による位置情報には多少の誤差があるため、上記技術では、例えば、駐停車禁止位置の近くの駐車場に駐車した車両を駐停車違反と誤って判定してしまう可能性がある。
【0005】
そこで、本発明は、対象車両が駐停車違反を行ったか否かを正確に判定することのできる駐停車違反判定装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、所定の道路の範囲に関する道路範囲情報と、前記所定の道路上の車両の駐停車禁止範囲に関する駐停車禁止範囲情報と、を記憶した記憶部と、対象車両の車両位置情報を車両時刻情報と紐づけて取得する取得部と、前記道路範囲情報と、前記車両位置情報と、に基づき、前記対象車両が前記所定の道路を走行していたか否かを判定する走行道路判定部と、前記対象車両が前記所定の道路を走行していたと判定された場合、前記駐停車禁止範囲情報と、前記車両位置情報及び車両時刻情報と、に基づき、前記対象車両が前記駐停車禁止範囲内に第1の所定時間以上停止したか否かを判定する停止判定部と、前記対象車両が前記駐停車禁止範囲内に第1の所定時間以上停止したと判定された場合、道路を走行していた車両が駐車場に駐車する前に行う可能性の高いものとして設定された移動種別を、前記対象車両が前記駐停車禁止範囲内に停止する前の第2の所定時間の間に行ったか否かを、前記車両位置情報と、前記車両時刻情報と、に基づき判定する移動種別判定部と、前記設定された移動種別を行っていなかっと判定された場合に前記対象車両を駐停車違反と判定し、前記設定された移動種別を行ったと判定された場合には前記対象車両を駐停車違反と判定しない違反判定部と、を備えたことを特徴とする駐停車違反判定装置を提供している。
【0007】
このような構成によれば、GPS信号等による位置情報の誤差があったとしても、駐車場に駐車した対象車両を駐停車違反と誤って判定してしまうことが防止される。
【0008】
また、本発明の別の観点によれば、上記駐停車違反判定装置に対応する駐停車違反判定プログラム及び駐停車違反判定方法を提供している。
【発明の効果】
【0009】
本発明の駐停車違反判定装置によれば、対象車両が駐停車違反を行ったか否かを正確に判定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施の形態による駐停車違反判定装置の使用環境の説明図
【
図2】本発明の実施の形態による駐停車違反判定装置のブロック図
【
図3】本発明の実施の形態による駐停車違反の判定動作のフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態による駐停車違反判定装置1について、
図1-
図3を参照して説明する。
【0012】
駐停車違反判定装置1は、
図1に示すように、対象車両Xが駐停車違反を行ったか否かを正確に判定するためのものであり、本実施の形態では、駐停車禁止範囲Y1の近くに駐車場Y2が存在するものとする。対象車両Xには、位置情報検出装置Zが搭載されており、駐停車違反判定装置1は、位置情報検出装置Zから無線で受信した位置情報に基づき、上記判定を行う。本実施の形態では、位置情報検出装置Zとして、GPS装置を用いた説明を行う。
【0013】
駐停車違反判定装置1は、
図2に示すように、記憶部2と、取得部3と、走行道路判定部4と、停止判定部5と、移動種別判定部6と、違反判定部7と、を備えている。
【0014】
記憶部2は、
図1に示すように、所定の道路Rの道路範囲Y3に関する道路範囲情報と、所定の道路R上の車両の駐停車禁止範囲Y1に関する駐停車禁止範囲情報と、を記憶している。
【0015】
本実施の形態では、道路範囲情報及び駐停車禁止範囲情報として、それぞれの緯度・経度が記憶されているものとする。特に、駐停車禁止範囲情報としては、“道路交通法”で定められた指定駐停車禁止場所又は指定駐車禁止場所(駐停車禁止の標識や標示のある場所)の緯度・経度が記憶されているものとする。
【0016】
取得部3は、対象車両Xの車両位置情報を車両時刻情報と紐づけて取得する。
【0017】
本実施の形態では、対象車両Xに搭載された位置情報検出装置Zから送信された車両の緯度・経度を取得するものとする。車両時刻情報としては、位置情報検出装置Zから車両位置情報と一緒に送信された時刻情報を用いても良いし、車両位置情報を略リアルタイムに取得する場合には取得部3が車両位置情報を取得した時刻を用いても良い。また、本実施の形態では、車両位置情報を、位置情報検出装置Zから常時(定期的に)取得し続けるものとする。
【0018】
走行道路判定部4は、道路範囲情報と、車両位置情報と、に基づき、対象車両Xが所定の道路Rを走行していたか否かを判定する。
【0019】
なお、GPS信号等による位置情報には多少の誤差があるため、対象車両Xが所定の道路Rの道路範囲Y3から外れていたとしても、道路範囲Y3から所定距離内で道路Rに沿って走行していれば「対象車両Xが所定の道路Rを走行していた」と判定することが好ましい。
【0020】
停止判定部5は、対象車両Xが所定の道路Rを走行していたと判定された場合、駐停車禁止範囲情報と、車両位置情報及び車両時刻情報と、に基づき、対象車両Xが駐停車禁止範囲Y1内に第1の所定時間以上停止したか否かを判定する。
【0021】
第1の所定時間は、駐停車違反を判定するためのものであるが、駐車と停車を分けて判定したい場合には、それぞれに応じた第1の所定時間を設定することが好ましい。
【0022】
移動種別判定部6は、対象車両Xが駐停車禁止範囲Y1内に第1の所定時間以上停止したと判定された場合、道路を走行していた車両が駐車場に駐車する前に行う可能性の高いものとして設定された移動種別を、対象車両Xが駐停車禁止範囲Y1内に停止する前の第2の所定時間の間に行ったか否かを、車両位置情報と、車両時刻情報と、に基づき判定する。
【0023】
道路を走行していた車両が駐車場に駐車する際には、「速度を落とした上で道路から大きく曲がって駐車場に侵入し、バックで駐車する」等が考えられる。従って、移動種別としては、例えば、「所定の速度以下だった」、「所定の速度以下に減速した」、「所定角度以上進路を変更した」、「後進した」、「後進と前進を所定時間内に繰り返した」、「後進と前進を所定時間内に所定の距離内で繰り返した」等が考えられる。
【0024】
なお、移動種別は、デフォルトで設定されていても良いし、設定部(図示せず)からユーザが所望の移動種別を設定しても良い。
【0025】
また、設定される移動種別は、1つだけであっても複数であっても良い。複数の移動種別が設定された場合には、移動種別判定部6は、当該複数の移動種別を行ったか否かを判定することとなる。
【0026】
更に、移動種別には、「所定の速度以下に減速してから所定角度以上進路を変更した」、「後進と前進を所定時間内に繰り返した」、「後進と前進を所定時間内に所定の距離内で繰り返した」のように、車両の複数の移動の経時的な組み合わせを含んでも良い。
【0027】
違反判定部7は、所定の移動種別を行っていなかっと判定された場合に対象車両Xを駐停車違反と判定し、所定の移動種別を行ったと判定された場合には対象車両Xを駐停車違反と判定しない。
【0028】
図1の例では、所定の移動種別を行ったと判定された場合には「対象車両Xは駐停車禁止範囲Y1ではなく駐車場Y2に駐車した」と推定することができる。
【0029】
これにより、車両位置情報に基づいて、対象車両Xが駐停車禁止範囲Y1内に第1の所定時間以上停止したと判定された場合であっても、道路を走行していた車両が駐車場に駐車する前に行う可能性の高い移動種別を、対象車両Xが駐停車禁止範囲Y1内に停止する前の第2の所定時間の間に行っていなければ、駐停車違反とは判定されないので、GPS信号等による位置情報の誤差がある場合であっても、対象車両Xが駐停車違反を行ったか否かを正確に判定することが可能となる。
【0030】
続いて、
図3のフローチャートを用いて、駐停車違反判定装置1による駐停車違反の判定動作について説明する。
【0031】
まず、対象車両Xの車両位置情報が車両時刻情報と紐づけて取得されると(S1:YES)、道路範囲情報と、車両位置情報と、に基づき、対象車両Xが所定の道路Rを走行していたか否かが判定される(S2)。
【0032】
なお、本実施の形態では、S1において、判定を行いたい期間(数分、数時間、1日等)の車両位置情報及び車両時刻情報を順次又はまとめて取得することが好ましい。
【0033】
対象車両Xが所定の道路Rを走行していたと判定された場合(S2:YES)、駐停車禁止範囲情報と、車両位置情報及び車両時刻情報と、に基づき、対象車両Xが駐停車禁止範囲Y1内に第1の所定時間以上停止したか否かが判定される(S3)。
【0034】
対象車両Xが駐停車禁止範囲Y1内に第1の所定時間以上停止したと判定された場合(S3:YES)、道路を走行していた車両が駐車場に駐車する前に行う可能性の高いものとして設定された移動種別を、対象車両Xが駐停車禁止範囲Y1内に停止する前の第2の所定時間の間に行ったか否かが、車両位置情報と、車両時刻情報と、に基づき判定される(S4)。
【0035】
最後に、所定の移動種別を行っていなかっと判定された場合には(S4:YES)、対象車両Xは駐停車違反と判定され(S5)、所定の移動種別を行ったと判定された場合には(S4:NO)、対象車両Xは駐停車違反と判定されない(S6)。
【0036】
以上説明したように、本実施の形態による駐停車違反判定装置1では、車両位置情報に基づいて、対象車両Xが駐停車禁止範囲Y1内に第1の所定時間以上停止したと判定された場合であっても、道路を走行していた車両が駐車場に駐車する前に行う可能性の高い移動種別を、対象車両Xが駐停車禁止範囲Y1内に停止する前の第2の所定時間の間に行っていなければ、対象車両Xを駐停車違反とは判定しない。
【0037】
このような構成によれば、GPS信号等による位置情報の誤差があったとしても、駐車場Y2に駐車した対象車両Xを駐停車違反と誤って判定してしまうことが防止される。
【0038】
また、本実施の形態による駐停車違反判定装置1では、設定される移動種別は、車両の複数の移動の経時的な組み合わせを含んでいる。
【0039】
このような構成によれば、車両の単一の移動を移動種別として設定する場合よりも、より正確に対象車両Xが駐停車違反を行ったか否かを判定することが可能となる。
【0040】
尚、本発明の駐停車違反判定装置は、上述した実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載した範囲で種々の変形や改良が可能である。
【0041】
例えば、上記実施の形態では、駐停車禁止範囲情報としては、“道路交通法”で定められた指定駐停車禁止場所又は指定駐車禁止場所(駐停車禁止の標識や標示のある場所)の緯度・経度が記憶されていたが、これらに限らず、「軌道敷内」、「坂の頂上付近、勾配の急な坂」等の道路交通法で定められた他の場所の緯度・経度を記憶しても良い。
【0042】
また、“道路交通法”で定められた場所以外であっても、“自動車の保管場所の確保等に関する法律”によって長時間の駐停車は禁止されているため、長時間の駐停車違反を判定する場合には、道路上の略全範囲を駐停車禁止範囲Y1としても良い。
【0043】
また、記憶部2には、「時間制限駐車区間」における駐車禁止の時間まで記憶しておき、その時間帯における駐停車は駐停車違反と判定しないことも考えられる。
【0044】
また、上記実施の形態では、駐車場Y2に駐車したのに「駐停車違反」と誤判定することを防止する例を説明したが、駐停車禁止範囲Y1に駐車したのに「駐停車違反ではない」と誤判定することを防止しても良い。
【0045】
但し、この場合には、まず、
図3のS3において「駐停車禁止範囲Y1に停止した」と判定される必要があるところ、GPS信号等による位置情報の誤差により「駐停車禁止範囲Y1に停止していない」と判定されてしまう可能性がある。
【0046】
そこで、駐停車禁止範囲Y1は、“道路交通法”、又は、“自動車の保管場所の確保等に関する法律”で定められた範囲に加えて、当該範囲から所定範囲離れた範囲(例えば、GPS信号等による位置情報の誤差分の範囲)も含むようにすることが好ましい。これにより、GPS信号等による位置情報の誤差により「駐停車禁止範囲Y1に停止していない」と判定されてしまうことが防止される。
【0047】
このように、本発明の“駐停車禁止範囲”は、法令や実態に合わせて適宜設定することが可能である。
【0048】
また、「複数の移動種別を設定しておき、そのうちの所定数の移動種別を行った場合に、駐停車違反と判定しない」ようにしても良い。この場合であっても、本発明の「前記設定された移動種別を行っていなかっと判定された場合に前記対象車両を駐停車違反と判定し、前記設定された移動種別を行ったと判定された場合には前記対象車両を駐停車違反と判定しない」に含まれる。
【0049】
また、「複数の移動種別に重みを設定しておき、行われた移動種別に重み付けした上で、重み付けされた移動種別の合計値が所定以上の場合に、駐停車違反と判定しない」ようにしても良い。
【0050】
また、上記実施の形態では、対象車両Xが所定の道路Rを走行していたか否かを判定したが(
図3のS2)、他の道路における駐停車違反も判定したい場合には、
図3のS2の動作を他の道路についても行うこととなる。
【0051】
また、「駐停車違反にはならない場所(範囲)」を記憶部2等に予め記憶しておき、駐停車違反と判定した場合に(
図3のS5)、当該「駐停車違反にはならない場所(範囲)」を対象車両Xのドライバーや管理者にアナウンスしても良い。この場合には、略リアルタイムでの駐停車違反の判定を行うために、
図3のS1及びS2において、短い期間の車両位置情報及び車両時刻情報を取得することが好ましい。アナウンスの方法としては、対象車両Xに紐づけて登録されたドライバーや管理者の情報端末上に音声や表示によって行うことが考えられる。これにより、ドライバーは、対象車両Xを「駐停車違反にはならない場所(範囲)」に迅速に移動させることが可能となる。
【0052】
また、本発明は、コントローラとしての取得部3、走行道路判定部4、停止判定部5、移動種別判定部6、及び、違反判定部7が行う処理に相当するプログラムや、当該プログラムを記憶した記録媒体にも応用可能である。記録媒体の場合、コンピュータ等に当該プログラムがインストールされることとなる。ここで、当該プログラムを記憶した記録媒体は、非一過性の記録媒体であっても良い。非一過性の記録媒体としては、CD-ROM等が考えられるが、それに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0053】
1 駐停車違反判定装置
2 記憶部
3 取得部
4 走行道路判定部
5 停止判定部
6 移動種別判定部
7 違反判定部
R 道路
X 対象車両
Y1 駐停車禁止範囲
Y2 駐車場
Y3 道路範囲
Z 位置情報検出装置