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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024115810
(43)【公開日】2024-08-27
(54)【発明の名称】洗濯機
(51)【国際特許分類】
   D06F 33/37 20200101AFI20240820BHJP
   D06F 33/57 20200101ALI20240820BHJP
   D06F 103/22 20200101ALN20240820BHJP
【FI】
D06F33/37
D06F33/57
D06F103:22
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023021658
(22)【出願日】2023-02-15
(71)【出願人】
【識別番号】512128645
【氏名又は名称】青島海爾洗衣机有限公司
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO HAIER WASHING MACHINE CO.,LTD.
(71)【出願人】
【識別番号】307036856
【氏名又は名称】アクア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111383
【弁理士】
【氏名又は名称】芝野 正雅
(74)【代理人】
【識別番号】100170922
【弁理士】
【氏名又は名称】大橋 誠
(72)【発明者】
【氏名】税所 貴史
【テーマコード(参考)】
3B167
【Fターム(参考)】
3B167AA02
3B167AA05
3B167AA12
3B167AA15
3B167AB04
3B167AE02
3B167AE04
3B167AE05
3B167BA42
3B167BA45
3B167HA11
3B167HA34
3B167HA36
3B167HA53
3B167HA54
3B167HA56
3B167JA01
3B167JA11
3B167JA32
3B167JA36
3B167JA52
3B167JC22
3B167KA18
3B167KA52
3B167KB01
3B167LA10
3B167LA23
3B167LA38
3B167LB03
3B167LC01
3B167LC08
3B167LC09
3B167LC12
3B167LC25
3B167LE05
3B167LF30
3B167LG05
(57)【要約】
【課題】洗い工程やすすぎ工程において、液剤投入装置による外槽内への液剤の投入に要する時間を短縮でき得る洗濯機を提供する。
【解決手段】液剤投入装置である給水装置80は、洗剤が貯められる洗剤タンク400と、水道栓に繋がる第1給水バルブ621と、第1給水バルブ621からの水が外槽へ向けて流れる第1水路612と、洗剤タンク400内の洗剤を第1水路612へ送るためのポンプ660とを含む。制御部は、負荷量検出工程において、給水装置80に、ポンプ660を動作させて洗剤タンク400内の洗剤を第1水路612に送る送り動作を行わせ、負荷量検出工程に続いて行われる洗い工程において、給水装置80に、第1給水バルブ621を開放して第1水路612内に水を流し、第1水路612内に溜まった洗剤を水で押し流して外槽20内に投入する投入動作を行わせる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体内に配置され、水が溜められる外槽と、
前記外槽内に配置された内槽と駆動モータとを含み、前記内槽内に収容された洗濯物に前記駆動モータが発生するトルクに基づく機械力を加える洗濯ユニットと、
洗濯用の液剤を前記外槽内に投入する液剤投入装置と、
前記洗濯ユニットおよび前記液剤投入装置の動作を制御し、洗濯運転を実行する制御部と、を備え、
前記液剤投入装置は、
前記液剤が貯められる液剤タンクと、
水道栓に繋がる給水バルブと、
前記給水バルブからの水が前記外槽へ向けて流れる水路と、
前記液剤タンク内の前記液剤を前記水路へ送るためのポンプと、を含み、
前記ポンプを動作させて前記液剤タンク内の前記液剤を前記水路に送る送り動作と、前記給水バルブを開放して前記水路内に水を流し、前記水路内に溜まった前記液剤を水で押し流して前記外槽内に投入する投入動作とを行い、
前記洗濯運転では、洗濯物に対して所定の処理が行われる第1工程に続いて、前記外槽内に前記液剤を含む水が溜められた状態で洗濯物に前記機械力が加えられる第2工程が実行され、
前記制御部は、
前記第1工程において、前記液剤投入装置に前記送り動作を行わせ、
前記第2工程において、前記液剤投入装置に前記投入動作を行わせる、
ことを特徴とする洗濯機。
【請求項2】
請求項1に記載の洗濯機において、
前記内槽内の洗濯物の負荷量を検出する負荷量検出部を、さらに備え、
前記液剤タンクは、前記液剤である洗剤が溜められる洗剤タンクを含み、
前記第1工程は、前記所定の処理として、前記負荷量検出部が洗濯物の負荷量を検出する処理を行う負荷量検出工程であり、
前記第2工程は、前記外槽内に洗剤を含む水が溜められた状態で洗濯物に前記機械力が加えられる洗い工程である、
ことを特徴とする洗濯機。
【請求項3】
請求項2に記載の洗濯機において、
前記液剤投入装置は、前記負荷量検出部により検出された負荷量に基づいて設定された量の洗剤を前記外槽内に投入し、
前記制御部は、
前記負荷量検出工程では、前記送り動作のうち、前記負荷量検出部により検出される最小の負荷量に対応する量以下の規定量の洗剤を前記水路に送る動作を前記液剤投入装置に行わせ、
前記洗い工程では、前記送り動作のうち、前記負荷量に基づいて設定された量から前記規定量を差し引いた量の洗剤を前記水路に送る動作を前記液剤投入装置に行わせる、
ことを特徴とする洗濯機。
【請求項4】
請求項3に記載の洗濯機において、
前記制御部は、
前記負荷量検出工程において前記水路に洗剤が送られている途中に前記洗濯運転が中止された場合、当該洗濯運転の中止までに前記水路に送られた洗剤の量を表す洗剤量情報を記憶部に記憶させ、
次回の前記負荷量検出工程において、前記規定量から前記洗剤量情報が表す洗剤の量を差し引いた量の洗剤を前記水路に送る動作を前記液剤投入装置に行わせる、
ことを特徴とする洗濯機。
【請求項5】
請求項4に記載の洗濯機において、
前記外槽内から排水を行うための排水バルブを、さらに備え、
前記制御部は、洗剤の存在を表す前記洗剤量情報が前記記憶部に記憶されている状態で前記洗い工程が含まれない前記洗濯運転が開始されたとき、前記液剤投入装置に前記投入動作を行わせるとともに前記排水バルブを開放する、
ことを特徴とする洗濯機。
【請求項6】
請求項1に記載の洗濯機において、
前記液剤タンクは、前記液剤である柔軟剤が溜められる柔軟剤タンクを含み、
前記第1工程は、前記所定の処理として、前記内槽を回転させて洗濯物を脱水する処理を行う脱水工程であり、
前記第2工程は、前記外槽内に柔軟剤を含む水が溜められた状態で洗濯物に前記機械力が加えられるすすぎ工程であり、
前記制御部は、前記脱水工程において、前記駆動モータを停止させた後の前記内槽の惰性回転中に、前記液剤投入装置に前記送り動作を行わせる、
ことを特徴とする洗濯機。
【請求項7】
請求項6に記載の洗濯機において、
前記内槽内の洗濯物の負荷量を検出する負荷量検出部を、さらに備え、
前記液剤投入装置は、前記負荷量検出部により検出された負荷量に基づいて設定された量の柔軟剤を前記外槽内に投入し、
前記制御部は、
前記脱水工程において前記水路に柔軟剤が送られている途中に前記洗濯運転が中止された場合、当該洗濯運転の中止までに前記水路に送られた柔軟剤の量を表す柔軟剤量情報を記憶部に記憶させ、
次回の前記脱水工程において、前記負荷量に基づいて設定された量から前記柔軟剤量情報が表す柔軟剤の量を差し引いた量の柔軟剤を前記水路に送る動作を、前記送り動作として前記液剤投入装置に行わせる、
ことを特徴とする洗濯機。
【請求項8】
請求項7に記載の洗濯機において、
前記外槽内から排水を行うための排水バルブを、さらに備え、
前記制御部は、柔軟剤の存在を表す前記柔軟剤量情報が前記記憶部に記憶されている状態で前記洗濯運転が最初から開始されたとき、前記液剤投入装置に前記投入動作を行わせるとともに前記排水バルブを開放する、
ことを特徴とする洗濯機。
【請求項9】
請求項1に記載の洗濯機において、
前記液剤タンクは、前記液剤である洗剤が溜められる洗剤タンクを含み、
前記第1工程は、前記所定の処理として、予約設定に基づく待機時間だけ洗濯物を放置する処理を行う待機工程であり、
前記第2工程は、前記外槽内に洗剤を含む水が溜められた状態で洗濯物に前記機械力が加えられる洗い工程である、
ことを特徴とする洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
外槽内に内槽である洗濯兼脱水槽が回転可能に配置された洗濯機において、洗濯に用いる液剤である液体の洗剤や柔軟剤を、洗濯脱水槽内、即ち外槽内に自動投入できる洗濯機が、たとえば、特許文献1に記載されている。
【0003】
特許文献1の洗濯機は、液剤の自動投入装置として機能する給水装置を備える。給水装置は、液体の洗剤が溜められる洗剤タンクと、液体の柔軟剤が貯められる柔軟剤タンクと、水道栓に繋がる給水バルブと、給水バルブからの水が外槽へ向けて流れる水路と、洗剤タンク内の洗剤または柔軟剤タンク内の柔軟剤を水路内へ送るためのポンプとを含む。洗剤タンクおよび柔軟剤タンクは、液剤タンクである。
【0004】
洗い工程では、使用される洗剤の量に応じた動作時間、ポンプが動作して、洗剤タンク内の洗剤が水路内に送られる。次に、給水バルブが開放して水路内に水が流れ、水路内に溜まった洗剤が水で押し流されて外槽内に投入される。
【0005】
すすぎ工程では、使用される柔軟剤の量に応じた動作時間、ポンプが動作して、柔軟剤タンク内の柔軟剤が水路内に送られる。次に、給水バルブが開放して水路内に水が流れ、水路内に溜まった柔軟剤が水で押し流されて外槽内に投入される。なお、すすぎ工程が複数回行われる場合は、最後のすすぎ工程において、外槽内に柔軟剤が投入される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2022-26183号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記の洗濯機では、外槽内に液剤(洗剤、柔軟剤)を投入するために、ポンプの動作により液剤タンクから水路へ液剤を送る時間と、水路内に送られた液剤を給水バルブからの水により外槽内へ押し流す時間とが掛かる。このため、洗剤や柔軟剤の投入時間が比較的長くなり、その分、洗い工程やすすぎ工程が長くなり得る。
【0008】
そこで、洗い工程やすすぎ工程において、液剤投入装置による外槽内への洗剤や柔軟剤の投入に要する時間を短縮できれば、洗濯運転の時間を短縮することが可能となる。
【0009】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、洗剤や柔軟剤を含む水が用いられる洗い工程やすすぎ工程において、液剤投入装置による外槽内への液剤の投入に要する時間を短縮でき得る洗濯機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の主たる態様に係る洗濯機は、筐体内に配置され、水が溜められる外槽と、前記外槽内に配置された内槽と駆動モータとを含み、前記内槽内に収容された洗濯物に前記駆動モータが発生するトルクに基づく機械力を加える洗濯ユニットと、洗濯用の液剤を前記外槽内に投入する液剤投入装置と、前記洗濯ユニットおよび前記液剤投入装置の動作を制御し、洗濯運転を実行する制御部と、を備える。ここで、前記液剤投入装置は、前記液剤が貯められる液剤タンクと、水道栓に繋がる給水バルブと、前記給水バルブからの水が前記外槽へ向けて流れる水路と、前記液剤タンク内の前記液剤を前記水路へ送るためのポンプと、を含み、前記ポンプを動作させて前記液剤タンク内の前記液剤を前記水路に送る送り動作と、前記給水バルブを開放して前記水路内に水を流し、前記水路内に溜まった前記液剤を水で押し流して前記外槽内に投入する投入動作とを行う。そして、前記洗濯運転では、洗濯物に対して所定の処理が行われる第1工程に続いて、前記外槽内に前記液剤を含む水が溜められた状態で洗濯物に前記機械力が加えられる第2工程が実行される。前記制御部は、前記第1工程において、前記液剤投入装置に前記送り動作を行わせ、前記第2工程において、前記液剤投入装置に前記投入動作を行わせる。
【0011】
本態様に係る洗濯機によれば、第1工程において、所定の処理と並行して、少なくとも送り動作の一部が行われるので、第1工程で行われる分の動作が第2工程で行われなくてよく、第2工程において、液剤の投入に要する時間を短くできる。
【0012】
なお、第1工程において、第1動作の全てが行われてもよいし、第1動作のうちの一部の動作が行われてもよい。
【0013】
本態様に係る洗濯機において、前記内槽内の洗濯物の負荷量を検出する負荷量検出部を、さらに備えるような構成が採られ得る。この場合、前記液剤タンクは、前記液剤である洗剤が溜められる洗剤タンクを含み得る。前記第1工程は、前記所定の処理として、前記負荷量検出部が洗濯物の負荷量を検出する処理を行う負荷量検出工程とされ得る。前記第2工程は、前記外槽内に洗剤を含む水が溜められた状態で洗濯物に前記機械力が加えられる洗い工程とされ得る。
【0014】
上記の構成によれば、負荷量検出工程において、洗濯物の負荷量を検出する処理と並行して少なくとも送り動作の一部が行われるので、負荷量検出工程で行われる分の動作が洗い工程で行われなくてよく、洗い工程において、洗剤の投入に要する時間を短くできる。
【0015】
上記の構成とされた場合、さらに、前記液剤投入装置は、前記負荷量検出部により検出された負荷量に基づいて設定された量の洗剤を前記外槽内に投入するような構成とされ得る。この場合、前記制御部は、前記負荷量検出工程では、前記送り動作のうち、前記負荷量検出部により検出される最小の負荷量に対応する量以下の規定量の洗剤を前記水路に送る動作を前記液剤投入装置に行わせ、前記洗い工程では、前記送り動作のうち、前記負荷量に基づいて設定された量から前記規定量を差し引いた量の洗剤を前記水路に送る動作を前記液剤投入装置に行わせるような構成とされ得る。
【0016】
上記の構成によれば、負荷量検出工程において、最小の負荷量に対応する量が設定された場合であっても、負荷量検出工程で水路に送られた洗剤の量が、設定された量を超えてしまうことが生じにくい。よって、洗濯運転において、負荷量に基づいて設定された量よりも多くの量の洗剤が使用されてしまうことが防止される。
【0017】
上記の構成とされた場合、さらに、前記制御部は、前記負荷量検出工程において前記水路に洗剤が送られている途中に前記洗濯運転が中止された場合、当該洗濯運転の中止までに前記水路に送られた洗剤の量を表す洗剤量情報を記憶部に記憶させ、次回の前記負荷量検出工程において、前記規定量から前記洗剤量情報が表す洗剤の量を差し引いた量の洗剤を前記水路に送る動作を前記液剤投入装置に行わせるような構成とされ得る。
【0018】
上記の構成によれば、前回の洗濯運転が中止されてしまった結果、今回の洗濯運転の負荷量検出工程において水路内に洗剤が残されていても、当該残された量が規定量から差し引かれた量の洗剤が水路に送られるので、負荷量検出工程において規定量よりも多くの洗剤が水路に溜められることが防止される。この結果、負荷量に基づいて設定された量よりも多くの洗剤が使用されてしまうことを防止できる。
【0019】
上記の構成とされた場合、さらに、前記外槽内から排水を行うための排水バルブを、さらに備えるような構成が採られ得る。この場合、前記制御部は、洗剤の存在を表す前記洗剤量情報が前記記憶部に記憶されている状態で前記洗い工程が含まれない前記洗濯運転が開始されたとき、前記液剤投入装置に前記投入動作を行わせるとともに前記排水バルブを開放するような構成とされ得る。
【0020】
上記の構成によれば、水路内に洗剤が残されている場合に、今回の洗濯運転で残された洗剤が使用されないときには、残された洗剤を水路内から排出でき、さらに外槽内から排出できる。
【0021】
本態様に係る洗濯機において、前記液剤タンクは、前記液剤である柔軟剤が溜められる柔軟剤タンクを含み得る。この場合、前記第1工程は、前記所定の処理として、前記内槽を回転させて洗濯物を脱水する処理を行う脱水工程とされ得る。前記第2工程は、前記外槽内に柔軟剤を含む水が溜められた状態で洗濯物に前記機械力が加えられるすすぎ工程とされ得る。前記制御部は、前記脱水工程において、前記駆動モータを停止させた後の前記内槽の惰性回転中に、前記液剤投入装置に前記送り動作を行わせるような構成とされ得る。
【0022】
上記の構成によれば、中間脱水工程において、内槽を惰性回転させる処理と並行して少なくとも送り動作の一部が行われるので、中間脱水工程で行われる分の動作がすすぎ工程で行われなくてよく、すすぎ工程において、柔軟剤の投入に要する時間を短くできる。
【0023】
上記の構成とされた場合、さらに、前記内槽内の洗濯物の負荷量を検出する負荷量検出部を、さらに備えるような構成が採られ得る。この場合、前記液剤投入装置は、前記負荷量検出部により検出された負荷量に基づいて設定された量の柔軟剤を前記外槽内に投入するような構成とされ得る。前記制御部は、前記脱水工程において前記水路に柔軟剤が送られている途中に前記洗濯運転が中止された場合、当該洗濯運転の中止までに前記水路に送られた柔軟剤の量を表す柔軟剤量情報を記憶部に記憶させ、次回の前記脱水工程において、前記負荷量に基づいて設定された量から前記柔軟剤量情報が表す柔軟剤の量を差し引いた量の柔軟剤を前記水路に送る動作を、前記送り動作として前記液剤投入装置に行わせるような構成とされ得る。
【0024】
上記の構成によれば、前回の洗濯運転が中止されてしまった結果、今回の洗濯運転の中間脱水工程において水路内に柔軟剤が残されていても、当該残された量が負荷量に基づいて設定された量から差し引かれた量の柔軟剤が水路に送られるので、設定された量よりも多くの柔軟剤が水路に溜められることが防止される。この結果、負荷量に基づいて設定された量よりも多くの柔軟剤が使用されてしまうことを防止できる。
【0025】
上記の構成とされた場合、さらに、前記外槽内から排水を行うための排水バルブを、さらに備えるような構成が採られ得る。この場合、前記制御部は、柔軟剤の存在を表す前記柔軟剤量情報が前記記憶部に記憶されている状態で前記洗濯運転が最初から開始されたとき、前記液剤投入装置に前記投入動作を行わせるとともに前記排水バルブを開放するような構成とされ得る。
【0026】
上記の構成によれば、水路内に柔軟剤が残されている場合に、今回の洗濯運転が最初から開始されるため、残された柔軟剤が使用される前に洗剤が使用されるときには、残された柔軟剤を水路内から排出でき、さらに外槽内から排出できる。
【0027】
本態様に係る洗濯機において、前記液剤タンクは、前記液剤である洗剤が溜められる洗剤タンクを含み得る。この場合、前記第1工程は、前記所定の処理として、予約設定に基づく待機時間だけ洗濯物を放置する処理を行う待機工程とされ得る。前記第2工程は、前記外槽内に洗剤を含む水が溜められた状態で洗濯物に前記機械力が加えられる洗い工程とされ得る。
【0028】
上記の構成によれば、待機工程において、予約設定に基づく待機時間だけ洗濯物を放置する処理と並行して少なくとも送り動作の一部が行われるので、待機工程で行われる分の動作が洗い工程で行われなくてよく、洗い工程において、洗剤の投入に要する時間を短くできる。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、洗剤や柔軟剤を含む水が用いられる洗い工程やすすぎ工程において、液剤投入装置による外槽内への液剤の投入に要する時間を短縮でき得る洗濯機を提供できる。
【0030】
本発明の効果ないし意義は、以下に示す実施形態の説明によりさらに明らかとなろう。ただし、以下の実施形態は、あくまでも、本発明を実施化する際の一つの例示であって、本発明は、以下の実施形態に記載されたものに何ら制限されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1図1は、実施の形態に係る、全自動洗濯機の側面断面図である。
図2図2(a)は、実施の形態に係る、超音波洗浄装置が収納部から引き出された状態を示す超音波洗浄装置および上面板の斜視図である。図2(b)および(c)は、実施の形態に係る、超音波洗浄装置が収納部に収納された状態を示す超音波洗浄装置および上面板の要部の斜視図である。
図3図3は、実施の形態に係る、給水装置の構成を模式的に示す図である。
図4図4は、実施の形態に係る、全自動洗濯機の構成を示すブロック図である。
図5図5は、実施の形態に係る、洗濯運転の流れを示すフローチャートである。
図6図6は、実施の形態に係る、洗剤供給処理を示すフローチャートである。
図7図7は、実施の形態に係る、第1洗剤送出処理を示すフローチャートである。
図8図8(a)は、実施の形態に係る、第2洗剤送出処理を示すフローチャートである。図8(b)は、実施の形態に係る、洗剤投入処理を示すフローチャートである。
図9図9は、実施の形態に係る、柔軟剤排出処理を示すフローチャートである。
図10図10は、実施の形態に係る、柔軟剤供給処理を示すフローチャートである。
図11図11は、実施の形態に係る、柔軟剤送出処理を示すフローチャートである。
図12図12(a)は、実施の形態に係る、柔軟剤投入処理を示すフローチャートである。図12(b)は、実施の形態に係る、洗剤排出処理を示すフローチャートである。
図13図13(a)は、実施の形態に係る、予約設定を有する洗濯運転の流れを示す図である。図13(b)は、実施の形態に係る、予約設定を有する洗濯運転で行われる洗剤供給処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の洗濯機の一実施形態について、図面を参照して説明する。
【0033】
図1は、全自動洗濯機1の側面断面図である。
【0034】
全自動洗濯機1は、外郭を構成する筐体10を備える。筐体10は、上下の面が開放された方形筒状の胴体部11と、胴体部11の上面を覆う上面板12と、胴体部11を支持する脚台13とを含む。上面板12には、洗濯物の投入口14が形成される。投入口14は、開閉自在な上蓋15により覆われる。上面板12の前部には、内部に制御ユニット16が配置される。制御ユニット16は、全自動洗濯機1による洗濯運転および超音波洗浄装置50による洗浄運転を制御する。
【0035】
筐体10内には、上面が開口する外槽20が配置される。外槽20は、防振装置を有する4本の吊棒21により弾性的に吊り下げ支持される。外槽20内には、洗濯脱水槽22が配置される。洗濯脱水槽22は、上面が開口し、鉛直方向に延びる回転軸を中心に回転する。洗濯脱水槽22の内周面には、全周に亘って多数の脱水孔22aが形成される。洗濯脱水槽22の上部には、バランスリング23が設けられる。洗濯脱水槽22の底部には、パルセータ24が配置される。パルセータ24の表面には、放射状に複数の羽根24aが設けられる。なお、洗濯脱水槽22は、本発明の「内槽」に相当する。
【0036】
外槽20の外底部には、洗濯脱水槽22およびパルセータ24を駆動するトルクを発生させる駆動ユニット30が配置される。駆動ユニット30は、駆動モータ31と、伝達機構部32とを含む。伝達機構部32は、クラッチ機構32aを有し、当該クラッチ機構32aによる切替操作により、洗い工程およびすすぎ工程では、駆動モータ31のトルクをパルセータ24のみに伝達してパルセータ24のみを回転させ、脱水工程では、駆動モータ31のトルクをパルセータ24および洗濯脱水槽22に伝達してパルセータ24および洗濯脱水槽22を一体的に回転させる。なお、駆動ユニット30には、洗濯脱水槽22を制動するためのバンドブレーキ(図示せず)が備えられている。
【0037】
洗濯脱水槽22、パルセータ24および駆動ユニット30により、洗濯ユニットWUが構成される。洗濯ユニットWUは、駆動モータ31がパルセータ24を回転させて洗濯脱水槽22内で水流を発生させることにより、洗濯脱水槽22内に収容された洗濯物に、駆動モータ31が発生するトルクに基づく機械力を加える。
【0038】
外槽20の外底部には、排水口部20aが形成される。排水口部20aには、排水バルブ40が設けられる。排水バルブ40は、たとえば、バルブと、バルブを開閉させるトルクモータとを含む。排水バルブ40には、排水ホース41が接続される。排水バルブ40が開放されると、洗濯脱水槽22内および外槽20内に溜められた水が排水ホース41を通じて機外へ排出される。
【0039】
外槽20の上部には、溢水口20bが形成される。外槽20内に所定の溢水水位以上の水が溜められると、溢水口20bから水が排出される。外槽20の外面には、溢水口20bを覆うように溢水受け部25が設けられる。溢水受け部25の底部には、溢水パイプ26の一端が接続される。溢水パイプ26の他端は、排水ホース41に接続される。溢水口20bから排出された水は、溢水受け部25により受けられた後、溢水パイプ26を通って排水ホース41へ流れる。
【0040】
上面板12の後部のほぼ中央には、超音波洗浄装置50が配置される。超音波洗浄装置50では、被洗浄物に部分的に付着した汚れを全自動洗濯機1での洗濯に先立って除去するための洗浄運転が行われる。
【0041】
上面板12の後部には、超音波洗浄装置50の後方に貯留タンク60が配置され、超音波洗浄装置50の下方に排水受け部70が配置される。貯留タンク60には、超音波洗浄装置50の貯水槽210に供給される洗剤を含む水が、洗浄水として溜められる。貯留タンク60には、タンク内からの洗浄水の流出口を開閉する供給バルブ61が設けられる。
【0042】
排水受け部70は、貯水槽210から排出された水を受ける。排水受け部70には、受けた水が排出される排出孔71が形成される。排出孔71には、排水パイプ72の一端が接続される。排水パイプ72の他端は、溢水パイプ26の上部に接続される。排水受け部70が受けた水は、排水パイプ72および溢水パイプ26を通じて排水ホース41に排出される。
【0043】
上面板12の後部には、超音波洗浄装置50を取り囲むようにして、給水装置80が配置される。給水装置80は、水道栓に繋がり、洗濯脱水槽22内、即ち外槽20内へ給水を行う機能を有する。また、給水装置80は、液体の洗剤および柔軟剤を洗濯脱水槽22内、即ち外槽20内に自動投入する液剤投入装置としても機能する。さらに、給水装置80は、貯留タンク60に洗浄水を供給する機能も備える。なお、洗剤および柔軟剤は洗濯に用いられる液剤であり、以降、洗剤と柔軟剤とをまとめて、「液剤」と称する場合がある。
【0044】
図2(a)は、超音波洗浄装置50が収納部17から引き出された状態を示す超音波洗浄装置50および上面板12の斜視図である。図2(b)および(c)は、超音波洗浄装置50が収納部17に収納された状態を示す超音波洗浄装置50および上面板12の要部の斜視図である。図2(c)では、収納部17の内部が見えるよう、カバー17bの図示が省略されている。
【0045】
図2(a)ないし(c)を参照して、上面板12には、後部の中央部に、超音波洗浄装置50が収納される収納部17が設けられる。上面板12は、収納部17の前方が出入口17aとして開口する。出入口17aにはカバー17bが設けられる。
【0046】
超音波洗浄装置50は、超音波洗浄部100と、貯水部200と、基体部300とを備える。超音波洗浄部100は、超音波を発生させる超音波発生体110を有し、基体部300により保持される。貯水部200には、超音波発生体110の下方に位置し、洗浄水が溜められる貯水槽210が設けられる。貯水槽210には、貯留タンク60の供給バルブ61に繋がる供給ノズル62から洗浄水が供給される。貯水部200は、基体部300に、離脱可能に装着される。
【0047】
図2(a)に示すように、洗浄運転が行われるとき、超音波洗浄装置50は、収納部17から前方に引き出されて上面板12の投入口14の内側に張り出す。一方、図2(b)および(c)に示すように、洗浄運転が行われないとき、超音波洗浄装置50は、収納部17に収納される。収納部17の出入口17aがカバー17bにより閉じられる。
【0048】
図2(a)に示すように、上面板12には、投入口14の左後方に漏斗状の洗剤注ぎ口18が形成され、投入口14の右後方に漏斗状の柔軟剤注ぎ口19が形成される。洗剤注ぎ口18の中央部に形成された開口18aが、後述する洗剤タンク400の投入口401に繋がる。また、柔軟剤注ぎ口19の中央部に形成された開口19aが、後述する柔軟剤タンク500の投入口501に繋がる。洗剤注ぎ口18を通じて洗剤タンク400内に液体の洗剤が投入され、柔軟剤注ぎ口19を通じて柔軟剤タンク500内に液体の柔軟剤が投入される。
【0049】
図3は、給水装置80の構成を模式的に示す図である。
【0050】
図3に示すように、給水装置80は、洗剤タンク400と、柔軟剤タンク500と、給水ユニット600とを備える。
【0051】
洗剤タンク400には、液体の洗剤が貯められる。柔軟剤タンク500には、液体の柔軟剤が貯められる。給水ユニット600は、洗剤タンク400および柔軟剤タンク500から、それぞれ、洗剤および柔軟剤を取り込み、取り込んだ洗剤および柔軟剤を、洗濯脱水槽22に供給される水により洗濯脱水槽22内に流し込む。このようにして、給水ユニット600は、洗剤タンク400内の洗剤および柔軟剤タンク500内の柔軟剤を洗濯脱水槽22内に投入する。洗剤タンク400および柔軟剤タンク500は、本発明の「液剤タンク」に相当する。
【0052】
洗剤タンク400は、たとえば樹脂材料により形成され、前後に長い箱状を有する。洗剤タンク400の上面には、円形の投入口401が形成される。投入口401には、投入口401から洗剤タンク400内へ侵入した異物を捕獲するフィルタ(図示せず)が装着される。洗剤タンク400の底面には、下方に張り出す円形の排出部402が形成される。排出部402の周面には、後方へ延びる円筒状の排出口403が形成される。
【0053】
柔軟剤タンク500は、たとえば樹脂材料により形成され、前後に長い箱状を有する。柔軟剤タンク500の上面には、円形の投入口501が形成される。投入口501には、投入口501から柔軟剤タンク500内へ侵入した異物を捕獲するフィルタ(図示せず)が装着される。柔軟剤タンク500の底面には、下方に張り出す円形の排出部502が形成される。排出部502の周面には、後方へ延びる円筒状の排出口503が形成される。
【0054】
給水ユニット600は、水路部材610と、給水バルブモジュール620と、第1三方バルブ630と、第2三方バルブ640と、第3三方バルブ650と、ポンプ660とを含む。
【0055】
水路部材610には、注水室611が設けられる。注水室611の底部には、前端部に、注水口611aが形成される。注水口611aは、洗濯脱水槽22の上方に臨む。
【0056】
水路部材610には、注水室611に繋がる第1水路612と第2水路613が形成されるとともに、第1水路612への水の流入口614と第2水路613への水の流入口615が設けられる。さらに、水路部材610には、貯留タンク60内への給水のために第1水路612から分岐する分岐水路616が形成される。分岐水路616の流出口616aが貯留タンク60の流入口に接続される。なお、第1水路612は、本発明の「水路」に相当する。
【0057】
第1水路612には、流入口614から注水室611までの経路の途中に、上流から順に、第2三方バルブ640と、第1三方バルブ630と、ポンプ660と、第3三方バルブ650とが配置される。このため、第1水路612は、これら第2三方バルブ640、第1三方バルブ630、ポンプ660および第3三方バルブ650の位置で分断され、それぞれの位置に、上流側接続口617a,617b,617c,617dと下流側接続口618a,618b,618c,618dとを有する。
【0058】
給水バルブモジュール620は、いわゆる2連バルブであり、第1給水バルブ621と、第1給水バルブ621よりも定格流量が多い第2給水バルブ622とを有する。給水バルブモジュール620の入水口623は、図示しない給水ホースを介して水道栓に接続される。第1給水バルブ621の出水口624が流入口614に接続され、第2給水バルブ622の出水口625が流入口615に接続される。第1給水バルブ621は、本発明の「給水バルブ」に相当する。
【0059】
第1三方バルブ630および第2三方バルブ640は、第1入水口631,641と、第2入水口632,642と、出水口633,643とを有し、第1入水口631,641と出水口633,643とを連通する状態と、第2入水口632,642と出水口633,643とを連通する状態とに切り替えられる。第3三方バルブ650は、入水口651と、第1出水口652と、第2出水口653とを有し、入水口651と第1出水口652とを連通する状態と、入水口651と第2出水口653を連通する状態とに切り替えられる。
【0060】
第1三方バルブ630の第1入水口631および出水口633は、それぞれ、上流側接続口617bおよび下流側接続口618bに接続される。第3三方バルブ650の入水口651、第1出水口652および第2出水口653は、それぞれ、上流側接続口617d、下流側接続口618dおよび分岐水路616の接続口616bに接続される。第2三方バルブ640の第1入水口641および出水口643は、それぞれ、上流側接続口617aおよび下流側接続口618aに接続される。
【0061】
ポンプ660は、ピストン式ポンプである。ポンプ660の吸込口661と吐出口662が、それぞれ、上流側接続口617cおよび下流側接続口618cに接続される。
【0062】
第1三方バルブ630の第2入水口632が、ゴム製の洗剤供給パイプ410を介して洗剤タンク400の排出口403に接続される。また、第2三方バルブ640の第2入水口642が、ゴム製の柔軟剤供給パイプ510を介して柔軟剤タンク500の排出口503に接続される。
【0063】
給水装置80が洗濯脱水槽22内、即ち外槽20内に洗剤を投入する場合、まず、第1三方バルブ630が、第2入水口632と出水口633とが連通する状態に切り替えられる。これにより、洗剤供給パイプ410を介して第1水路612と洗剤タンク400とが連通した状態となる。このとき、第3三方バルブ650は、入水口651と第1出水口652が連通する状態に切り替えられており、第1水路612が、貯留タンク60と遮断されて注水室611と繋がる状態となっている。また、第2三方バルブ640は、第1入水口641と出水口643が連通する状態に切り替えられており、第1水路612が、第2三方バルブ640の位置で繋がった状態となっている。
【0064】
ポンプ660が作動し、第1水路612内のポンプ660の上流側の空気が吸引されて上流側が負圧になる。これにより、図3の一点鎖線に示すように、洗剤タンク400内の液体の洗剤が吸引され、洗剤供給パイプ410を介して第1水路612内に送られる。ポンプ660の動作時間に応じた量の洗剤が第1水路612内に溜まる。
【0065】
次に、第1三方バルブ630が、第1入水口631と出水口633とが連通する状態に切り替えられる。これにより、第1水路612と洗剤タンク400との間が閉鎖され、第1水路612が第1三方バルブ630の位置で繋がった状態となる。
【0066】
第1給水バルブ621が開かれ、図3の実線矢印に示すように、水道栓からの水が第1水路612内に供給される。第1水路612内を流れる水は、第1水路612内に溜まった洗剤を押し流す。水に押し流された洗剤は、水とともに注水室611へと流れ、注水口611aから洗濯脱水槽22内へ投入される。
【0067】
給水装置80が外槽20内に柔軟剤を投入する場合、まず、第2三方バルブ640が、第2入水口642と出水口643とが連通する状態に切り替えられる。これにより、柔軟剤供給パイプ510を介して第1水路612と柔軟剤タンク500とが連通した状態となる。このとき、洗剤の投入時と同様、第1水路612は、注水室611と繋がった状態となっている。また、第1三方バルブ630は、第1入水口631と出水口633が連通する状態に切り替えられており、第1水路612が、第1三方バルブ630の位置で繋がった状態となっている。
【0068】
ポンプ660が作動し、図3の二点鎖線に示すように、柔軟剤タンク500内の液体の柔軟剤が吸引され、柔軟剤供給パイプ510を介して第1水路612内に送られる。ポンプ660の動作時間に応じた量の柔軟剤が第1水路612内に溜まる。
【0069】
次に、第2三方バルブ640が、第1入水口641と出水口643とが連通する状態に切り替えられる。これにより、第1水路612と柔軟剤タンク500との間が閉鎖され、第1水路612が第2三方バルブ640の位置で繋がった状態となる。第1給水バルブ621が開かれ、図3の実線矢印に示すように、水道栓からの水が第1水路612内に供給される。第1水路612内に溜まった柔軟剤は、第1水路612内を流れる水に押し流されて注水室611へと流れ、注水口611aから洗濯脱水槽22内へ投入される。
【0070】
給水装置80が貯留タンク60内に洗浄水を供給する場合、まず、第3三方バルブ650が、入水口651と第2出水口653が連通する状態に切り替えられる。これにより、第1水路612は、注水室611と遮断され、分岐水路616を介して貯留タンク60と繋がった状態となる。外槽20内への洗剤投入時と同様、第1三方バルブ630が、洗剤が第1水路612に流入できる状態に切り替えられた後、ポンプ660が作動し、洗剤タンク400内の洗剤が第1水路612内に送られて第1水路612内に溜まる。
【0071】
次に、第1三方バルブ630が、第1水路612が第1三方バルブ630の位置で繋がる状態に切り替えられる。その後、第1給水バルブ621が開かれ、水道栓からの水が第1水路612内に供給される。第1水路612内に溜まった洗剤が、第1水路612内を流れる水に押し流され、洗剤が水に混合されて洗浄水となる。洗浄水は、分岐水路616を通り、貯留タンク60内に流入する。貯留タンク60内に所定量の洗浄水が溜まると、第1給水バルブ621が閉じられる。
【0072】
図4は、全自動洗濯機1の構成を示すブロック図である。
【0073】
全自動洗濯機1は、上述した構成に加え、操作部710、表示部720および水位センサ730を備える。また、制御ユニット16は、制御部801、記憶部802、操作検出部803、表示駆動部804、モータ駆動部805、クラッチ駆動部806、6つのバルブ駆動部807~812、ポンプ駆動部813、発生体駆動部814を含む。
【0074】
操作部710は、電源ボタン711、スタートボタン712、コース選択ボタン713、洗浄ボタン714、予約設定ボタン715等の各種の操作ボタンを含む。電源ボタン711は、全自動洗濯機1に対する電源の投入および遮断を行うためのボタンである。スタートボタン712は、洗濯運転および洗浄運転をスタートさせるためのボタンである。コース選択ボタン713は、洗濯運転に係る複数の運転コースの中から任意の運転コースを選択するためのボタンである。洗浄ボタン714は、洗浄運転を選択するためのボタンである。予約設定ボタン715は、現在からの洗濯運転が開始されるまで待機時間を設定するためのボタンである。予約設定ボタン715の押圧回数により、1時間単位の複数の待機時間の中から所望の待機時間を設定できる。
【0075】
表示部720は、複数のLEDおよび7セグ表示器を含み、コース選択ボタン713により選択された運転コースの表示、洗濯運転の進行度合および残り時間の表示、各種のエラー表示などを行う。
【0076】
水位センサ730は、外槽20内の水位を検出し、検出した水位に応じた水位信号を制御部801に出力する。
【0077】
操作検出部803は、操作部710の各種操作ボタンの中から、ユーザに操作された操作ボタンに応じた操作信号を制御部801に出力する。
【0078】
表示駆動部804、モータ駆動部805、クラッチ駆動部806、6つのバルブ駆動部807~812、ポンプ駆動部813および発生体駆動部814は、それぞれ、制御部801からの制御信号に従って、表示部720、駆動モータ31、クラッチ機構32a、給水バルブモジュール620、第1三方バルブ630、第2三方バルブ640、第3三方バルブ650、供給バルブ61、排水バルブ40、ポンプ660および超音波発生体110を駆動する。
【0079】
記憶部802は、EEPROM、RAM等を含む。記憶部802には、各種運転コースの洗濯運転および超音波洗浄装置50による洗浄運転を実行するためのプログラムが記憶される。また、記憶部802には、これらプログラムの実行に用いられる各種パラメータや各種制御フラグが記憶される。
【0080】
制御部801は、CPU等を含み、操作検出部803、水位センサ730等からの各信号に基づいて、記憶部802に記憶されたプログラムに従い、表示駆動部804、モータ駆動部805、クラッチ駆動部806、6つのバルブ駆動部807~812、ポンプ駆動部813、発生体駆動部814等を制御する。
【0081】
全自動洗濯機1は、各種運転コースの洗濯運転を行う。洗濯運転が行われる際には、ユーザにより、洗濯脱水槽22内に洗濯物が収容される。
【0082】
図5は、洗濯運転の流れを示すフローチャートである。
【0083】
洗濯運転では、負荷量検出工程、洗い工程、中間脱水工程、すすぎ工程および最終脱水工程が順番に実行される(S1~S5)。運転コースによっては、中間脱水工程(S3)とすすぎ工程(S4)とが複数回実行される。
【0084】
負荷量検出工程(S1)では、制御部801が、駆動モータ31の動作により、パルセータ24を、所定時間、右回りと左回りに交互に回転させる。そして、パルセータ24が回転している間に、制御部801が、パルセータ24に加わる負荷に基づいて、洗濯物の負荷量を検出する。たとえば、制御部801は、モータ駆動部805に設けられた電流センサ(図示せず)により駆動モータ31に流れる電流を検出し、電流の大きさに基づいて負荷量を判定する。洗濯脱水槽22内では、パルセータ24の上に洗濯物が載っている。このため、洗濯物の負荷量が多いほど、パルセータ24に加わる負荷が大きくなり、駆動モータ31に流れる電流が大きくなる。
【0085】
図4に示すように、記憶部802には、洗濯物の負荷量と洗い工程での使用水量およびすすぎ工程での使用水量とが対応付けられて登録された水量テーブル802aが保持されいている。さらに、記憶部802には、洗濯物の各負荷量と、各負荷量に適する洗剤の使用量および柔軟剤の使用量とが対応付けられて登録された液剤量テーブル802bが保持されいている。
【0086】
本実施の形態では、各使用水量とともに、各使用水量の水が外槽20内に溜められたときの各水位、即ち各洗い水位および各すすぎ水位が水量テーブル802aに登録される。さらに、本実施の形態では、洗剤の各使用量とともに、ポンプ660により各使用量の洗剤を洗剤タンク400から第1水路612へ送るのに要する各洗剤送り時間が、液剤量テーブル802bに登録される。同様に、柔軟剤の各使用量とともに、ポンプ660により各使用量の柔軟剤を柔軟剤タンク500から第1水路612へ送るのに要する各柔軟剤送り時間が、液剤量テーブル802bに登録される。
【0087】
制御部801は、水量テーブル802aを参照し、検出した負荷量に基づいて洗い工程での使用水量および洗い水位と、すすぎ工程での使用水量およびすすぎ水位とを設定する。さらに、制御部801は、検出した負荷量に基づいて洗剤の使用量および洗剤送り時間と、柔軟剤の使用量および柔軟剤送り時間とを設定する。こうして、負荷量検出工程が終了する。
【0088】
なお、パルセータ24、駆動モータ31および制御部801により、本発明の「負荷量検出部」が構成される。
【0089】
洗い工程(S2)では、制御部801が、給水装置80に、液剤投入装置として、負荷量に基づいて設定された使用量の洗剤を外槽20内へ投入させる。さらに、制御部801が、給水装置80に、負荷量に基づいて設定された洗い水位まで外槽20内に給水を行わせる。これにより、外槽20内に、洗剤を含む水が溜められる。次に、制御部801が、駆動モータ31により、パルセータ24を右回りと左回りに交互に回転させる。洗濯脱水槽22内に水流が発生し、水流と洗剤とにより洗濯物が洗浄される。所定の洗い時間が経過すると、制御部801が排水バルブ40を開放し、外槽20内から排水が行われる。こうして、洗い工程が終了する。排水バルブ40は開放されたままとなる。
【0090】
中間脱水工程(S3)では、制御部801が、外槽20内に水が溜められていない状態において、駆動モータ31の動作により、洗濯脱水槽22を、パルセータ24と一体的に高速回転させる。洗濯脱水槽22に発生する遠心力の作用により、洗濯物が脱水される。所定の脱水時間が経過すると、制御部801が、駆動モータ31を停止させて、洗濯脱水槽22を惰性回転させる。この惰性回転によっても洗濯物が脱水される。その後、所定の惰性回転時間が経過して、洗濯脱水槽22の回転数が大幅に低くなると、制御部801が、駆動ユニット30のバンドブレーキにより洗濯脱水槽22を制動し、洗濯脱水槽22を停止させる。さらに、制御部801が、排水バルブ40を閉鎖する。こうして、中間脱水工程が終了する。
【0091】
すすぎ工程(S4)では、制御部801が、給水装置80に、液剤投入装置として、負荷量に基づいて設定された使用量の柔軟剤を外槽20内へ投入させる。さらに、制御部801が、給水装置80に、負荷量に基づいて設定されたすすぎ水位まで外槽20内に給水を行わせる。これにより、外槽20内に、柔軟剤を含む水が溜められる。次に、制御部801が、駆動モータ31により、パルセータ24を右回りと左回りに交互に回転させる。洗濯脱水槽22内に水流が発生し、発生した水流により洗濯物がすすがれる。さらに、柔軟剤の作用により、洗濯物が柔らかく仕上がる。所定のすすぎ時間が経過すると、制御部801が排水バルブ40を開放し、外槽20内から排水が行われる。こうして、すすぎ工程が終了する。排水バルブ40は開放されたままとなる。
【0092】
なお、すすぎ工程が複数回実行される場合は、最後のすすぎ工程において、柔軟剤が外槽20内に投入される。
【0093】
最終脱水工程(S5)では、中間脱水工程と同様、制御部801が、駆動モータ31の動作により、洗濯脱水槽22を、パルセータ24と一体的に高速回転させる。洗濯脱水槽22に発生する遠心力の作用により、洗濯物が脱水される。最終脱水工程では、中間脱水工程よりも洗濯脱水槽22の回転数が高くなり、脱水時間が長くなる。脱水時間が経過すると、洗濯脱水槽22が、惰性回転した後に制動されて停止する。さらに、排水バルブ40が閉鎖される。こうして、最終脱水工程が終了し、洗濯運転が終了する。
【0094】
全自動洗濯機1では、超音波洗浄装置50による洗浄運転を行うことができる。
【0095】
洗浄運転の際には、給水装置80により貯留タンク60内に洗浄水が溜められた後、貯留タンク60から貯水槽210へ洗浄水が供給される。その後、洗濯物の汚れの付着部分が貯水槽210と超音波発生体110との間にセットされる。汚れの付着部分が、貯水槽210内に溜められた洗浄水で浸されるとともに、超音波発生体110の先端面に接触する。超音波発生体110が作動すると、その先端から超音波が発生する。超音波の作用によって被洗浄物から汚れが剥離する。この際、洗剤の力が加わることにより、洗浄力が高まる。
【0096】
さて、洗濯運転において、液剤投入装置である給水装置80により外槽20内に洗剤や柔軟剤が投入される際には、ポンプ660の動作により洗剤タンク400や柔軟剤タンク500から第1水路612へ洗剤や柔軟剤を送る時間と、第1水路612内に送られた洗剤や柔軟剤を第1給水バルブ621からの水により外槽20内へ押し流す時間とが掛かる。このため、洗剤や柔軟剤の投入時間が比較的長くなり、その分、洗い工程やすすぎ工程が長くなる虞がある。
【0097】
そこで、本実施の形態では、外槽20内への給水装置80(液剤投入装置)による洗剤や柔軟剤の投入に要する時間が短縮できるように、以下に説明する洗剤供給処理および柔軟剤供給処理が制御部801により実行される。
【0098】
まず、洗剤供給処理について説明する。
【0099】
図6は、洗剤供給処理を示すフローチャートである。洗濯運転が開始されると、洗剤供給処理が開始される。
【0100】
図6を参照して、制御部801は、負荷量検出工程が開始されたか否かを判定する(S11)。制御部801は、負荷量検出工程が開始されると(S11:YES)、記憶部802に記憶されている事前柔軟剤送り時間が0であるか否かを判定する(S12)。
【0101】
前回の洗濯運転での中間脱水工程において、柔軟剤タンク500から第1水路612に柔軟剤が送られている途中に洗濯運転が中止された場合、当該洗濯運転の中止までに第1水路612に送られた柔軟剤の量に相当する時間、即ち、その量の柔軟剤が送られるのに要した時間が、事前柔軟剤送り時間として記憶部802に記憶される。記憶部802に記憶された事前柔軟剤送り時間は、第1水路612内の柔軟剤が外槽20内に投入されると、0にリセットされる。なお、事前柔軟剤送り時間は、本発明の「柔軟剤量情報」に相当する。
【0102】
事前柔軟剤送り時間が0である場合、今回の洗濯運転での負荷量検出工程が開始された時点で第1水路612内に柔軟剤が残っていない、と見做すことができる。一方、事前柔軟剤送り時間が0でない場合は、前回の洗濯運転が中止された後に、今回の洗濯運転が最初から開始されたために、負荷量検出工程が開始された時点で第1水路612内に柔軟剤が残っている、と見做すことができる。
【0103】
制御部801は、事前柔軟剤送り時間が0である場合(S12:YES)、直ちに、第1洗剤送出処理を開始し(S13)、事前柔軟剤送り時間が0でない場合(S12:NO)、第1水路612内に存在する柔軟剤を排出するための柔軟剤排出処理を実行した後に(S17)、第1洗剤送出処理を開始する(S13)。柔軟剤排出処理については、追って説明する。
【0104】
第1洗剤送出処理では、制御部801は、規定量の洗剤が第1水路612内に溜められるように、給水装置80を動作させる。本実施の形態では、最小の負荷量に対応する洗剤の使用量が規定量とされる。
【0105】
図7は、第1洗剤送出処理を示すフローチャートである。
【0106】
図7を参照して、制御部801は、記憶部802に記憶されている事前洗剤送り時間が0であるか否かを判定する(S101)。
【0107】
前回の洗濯運転での負荷検出工程において、洗剤タンク400から第1水路612に洗剤が送られている途中に洗濯運転が中止された場合、当該洗濯運転の中止までに第1水路612に送られた洗剤の量に相当する時間、即ち、その量の洗剤が送られるのに要した時間が、事前洗剤送り時間として記憶部802に記憶される。記憶部802に記憶された事前洗剤送り時間は、第1水路612内の洗剤が外槽20内に投入されると、0にリセットされる。なお、事前洗剤送り時間は、本発明の「洗剤量情報」に相当する。
【0108】
事前洗剤送り時間が0である場合、今回の洗濯運転での負荷量検出工程が開始された時点で第1水路612内に洗剤が残っていない、と見做すことができる。一方、事前洗剤送り時間が0でない場合は、前回の洗濯運転が中止されたために、今回の洗濯運転での負荷量検出工程が開始された時点で、事前洗剤送り時間に相当する量の洗剤が第1水路612内に残っている、と見做すことができる。
【0109】
制御部801は、事前洗剤送り時間が0である場合(S101:YES)、規定洗剤送り時間をポンプ動作時間に設定する(S102)。規定洗剤送り時間は、規定量の洗剤をポンプ660により洗剤タンク400から第1水路612へ送るのに要する時間であり、記憶部802に記憶されている。
【0110】
一方、制御部801は、事前洗剤送り時間が0でない場合(S101:NO)、規定洗剤送り時間から事前洗剤送り時間を差し引いた時間をポンプ動作時間に設定する(S103)。
【0111】
次に、制御部801は、ポンプ660の動作を開始するとともに時間の計測を開始する(S104)。このとき、先に説明の通り、洗剤タンク400と第1水路612が連通されるように第1三方バルブ630が切り替えられている。洗剤タンク400から第1水路612への洗剤の送りが開始される。
【0112】
負荷量検出工程では、負荷量検出のためにパルセータ24が回転する。よって、ポンプ660による洗剤の送り動作が、パルセータ24の回転による負荷量の検出動作と並行して行われることになる。
【0113】
制御部801は、ステップS102またはS103で設定されたポンプ動作時間が経過すると(S105:YES)、ポンプ660の動作を停止するとともに時間の計測を停止する(S106)。洗剤タンク400から第1水路612への洗剤の送りが停止される。
【0114】
第1水路612内に事前に洗剤が存在していない場合には、規定量の洗剤が洗剤タンク400から第1水路612へ送られる。一方、事前洗剤送り時間で表される量の洗剤が事前に第1水路612内に存在している場合には、規定量から事前洗剤送り時間で表される量が差し引かれた量の洗剤が洗剤タンク400から第1水路612へ送られる。この結果、第1水路612内に規定量の洗剤が溜まる。
【0115】
こうして、第1洗剤送出処理が終了する。なお、第1洗剤送出処理に要する時間は、負荷量検出工程に要する時間よりも短くなっている。
【0116】
制御部801は、ポンプ動作時間の経過を監視している間、洗濯運転が中止されたか否かを監視する(S107)。電源ボタン711による電源オフの操作がなされると、洗濯運転が中止される。
【0117】
制御部801は、ポンプ動作時間が経過する前に洗濯運転が中止されると(S106:NO→S107:YES)、ポンプ660の動作を停止するとともに時間の計測を停止する(S108)。洗剤タンク400から第1水路612への洗剤の送りが停止される。その後、制御部801は、計測した時間を事前洗剤送り時間に設定して記憶部802に記憶する(S109)。洗濯運転の中止により、洗剤供給処理が終了する。
【0118】
図6に戻り、規定量の洗剤が第1水路612内に溜められて第1洗剤送出処理が終了すると、制御部801は、洗い工程が開始されたか否かを判定する(S14)。そして、制御部801は、洗い工程が開始されると(S14:YES)、第2洗剤送出処理を開始する(S15)。
【0119】
第2洗剤送出処理では、制御部801は、負荷量検出工程で検出された負荷量に基づいて設定された洗剤の使用量から規定量を差し引いた量の洗剤が第1水路612内に溜められるように、給水装置80を動作させる。
【0120】
図8(a)は、第2洗剤送出処理を示すフローチャートである。
【0121】
図8(a)を参照して、制御部801は、まず、ポンプ動作時間の設定を行う。図5において説明した通り、負荷量検出工程では、検出された負荷量に基づき洗剤送り時間が設定される。制御部801は、設定された洗剤送り時間から規定洗剤送り時間を差し引いた時間をポンプ動作時間に設定する(S201)。設定されたポンプ動作時間は、負荷量に基づいて設定された洗剤の使用量から既に第1水路612に溜められている規定量を差し引いた量、即ち残り量の洗剤を第1水路612へ送るための時間となる。
【0122】
次に、制御部801は、ポンプ660の動作を開始する(S202)。そして、制御部801は、ステップS201で設定されたポンプ動作時間が経過すると(S203)、ポンプ660の動作を停止する(S204)。上記残り量の洗剤が洗剤タンク400から第1水路612へ送られる。この結果、第1水路612内に、負荷量に基づいて設定された使用量の洗剤が溜まる。
【0123】
こうして、第2洗剤送出処理が終了する。
【0124】
再び図6に戻り、第2洗剤送出処理が終了すると、制御部801は、洗剤投入処理を開始する(S16)。洗剤投入処理では、制御部801は、第1水路612内に溜まった洗剤が水で押し流されて外槽20内に投入されるように、給水装置80を動作させる。
【0125】
図8(b)は、洗剤投入処理を示すフローチャートである。
【0126】
図8(a)を参照して、制御部801は、第1給水バルブ621を開放する(S301)。このとき、先に説明の通り、洗剤タンク400と第1水路612との間が閉鎖されるように第1三方バルブ630が切り替えられている。水道栓からの水が第1水路612を流れ、第1水路612内の洗剤が水で押し流されて洗濯脱水槽22内、即ち外槽20内に投入される。
【0127】
このとき、洗い工程での外槽20内への給水が同時に行われる。このため、洗剤投入処理と並行して行われる給水処理において、制御部801が第1給水バルブ621の開放と同時に第2給水バルブ622を開放させる。図3の破線矢印に示すように、水道栓からの水が第2水路613を流れて注水室611に至り、注水口611aから洗濯脱水槽22内に放出される。
【0128】
制御部801は、液剤投入時間が経過したか否かを判定する(S302)。液剤投入時間は、第1水路612に溜められた液剤(洗剤、柔軟剤)が、全て外槽20内に投入されるのに要する時間であり、実験等により予め決められる。
【0129】
制御部801は、液剤投入時間が経過すると(S302:YES)、記憶部802に記憶された事前洗剤送り時間を0にリセットする(S303)。
【0130】
次に、制御部801は、外槽20内の水位が、負荷量に基づいて設定された洗い水位に到達したか否かを判定する(S304)。そして、制御部801は、外槽20内の水位が洗い水位に到達すると(S304:YES)、第1給水バルブ621を閉鎖する(S305)。第1水路612への給水が停止する。
【0131】
こうして、洗剤投入処理が終了し、洗剤供給処理が終了する。
【0132】
なお、第1給水バルブ621の閉鎖と同時に、給水処理において、制御部801が第2給水バルブ622を閉鎖する。第2水路613への給水が停止し、外槽20内への給水が終了する。
【0133】
本実施の形態では、液剤投入時間が経過しても第1給水バルブ621の開放が継続されて、第1水路612を通じた外槽20内への給水が継続される。これにより、給水時間を短くすることができる。
【0134】
図9は、柔軟剤排出処理を示すフローチャートである。
【0135】
上述の通り、制御部801は、ステップS12において、事前柔軟剤送り時間が0でないと判定した場合に(S12:NO)、柔軟剤排出処理を開始する(S17)。
【0136】
図9を参照して、制御部801は、第1給水バルブ621および排水バルブ40を開放する(S401)。第1水路612内に存在している柔軟剤が、第1水路612を流れる水とともに外槽20内に排出され、さらに、排水ホース41を介して機外に排出される。
【0137】
制御部801は、第1排出時間が経過すると(S402:YES)、第1給水バルブ621を閉鎖する(S403)。第1水路612への給水が停止する。第1排出時間は、第1水路612から柔軟剤が全て排出されるのに要する時間である。
【0138】
その後、制御部801は、第2排出時間が経過すると(S404:YES)、排水バルブ40を閉鎖する(S405)。第2排出時間は、外槽20内から水と柔軟剤が全て排出されるのに要する時間である。
【0139】
こうして、柔軟剤排出処理が実行されることにより、第1水路612内の柔軟剤が無くなる。
【0140】
なお、上記の例では、負荷量が最小ときの洗剤の使用量が規定量とされている。しかしながら、負荷量検出工程の時間が短くて、負荷量が最小ときの洗剤の使用量を負荷量検出工程の間に第1水路612に送り切れない虞がある場合には、負荷量が最小ときの洗剤の使用量より少ない量が規定量とされてもよい。
【0141】
次に、柔軟剤供給処理について説明する。
【0142】
図10は、柔軟剤供給処理を示すフローチャートである。洗濯運転が開始されると、柔軟剤供給処理が開始される。
【0143】
図10を参照して、制御部801は、中間脱水工程が開始されたか否かを判定する(S21)。制御部801は、中間脱水工程が開始されると(S21:YES)、記憶部802に記憶されている事前洗剤送り時間が0であるか否かを判定する(S22)。
【0144】
前回の洗濯運転での負荷量検出工程において、洗剤タンク400から第1水路612に洗剤が送られている途中に洗濯運転が中止された場合、当該洗濯運転の中止までに第1水路612に送られた洗剤の量を表す事前洗剤送り時間が記憶部802に記憶される。
【0145】
事前洗剤送り時間が0である場合、今回の洗濯運転での中間脱水工程が開始された時点で第1水路612内に洗剤が残っていない、と見做すことができる。一方、事前洗剤送り時間が0でない場合は、前回の洗濯運転が中止された後に、今回の洗濯運転に洗い工程が含まれず洗濯運転が中間脱水工程から開始されたために、中間脱水工程が開始された時点で第1水路612内に洗剤が残っている、と見做すことができる。
【0146】
制御部801は、事前洗剤送り時間が0である場合(S22:YES)、第1水路612内に存在する洗剤を排出するための洗剤排出処理を実行することなく、洗濯脱水槽22が惰性回転を開始したか否かを判定し(S23)、事前洗剤送り時間が0でない場合(S22:NO)、洗剤排出処理を実行した後に(S27)、洗濯脱水槽22が惰性回転を開始したか否かを判定する(S23)。洗剤排出処理については、追って説明する。
【0147】
制御部801は、洗濯脱水槽22が惰性回転を開始すると(S23:YES)、柔軟剤送出処理を開始する(S24)。柔軟剤送出処理では、制御部801は、負荷量に基づいて設定された使用量の柔軟剤が第1水路612内に溜められるように、給水装置80を動作させる。
【0148】
図11は、柔軟剤送出処理を示すフローチャートである。
【0149】
図11を参照して、制御部801は、記憶部802に記憶されている事前柔軟剤送り時間が0であるか否かを判定する(S501)。
【0150】
前回の洗濯運転での中間脱水工程において、柔軟剤タンク500から第1水路612に柔軟剤が送られている途中に洗濯運転が中止された場合、当該洗濯運転の中止までに第1水路612に送られた柔軟剤の量を表す事前柔軟剤送り時間が記憶部802に記憶される。
【0151】
事前柔軟剤送り時間が0である場合、今回の洗濯運転での中間脱水工程が開始された時点で第1水路612内に洗剤が残っていない、と見做すことができる。一方、事前柔軟剤送り時間が0でない場合は、前回の洗濯運転が中止されたために、今回の洗濯運転での中間脱水工程が開始された時点で、事前柔軟剤送り時間に相当する量の柔軟剤が第1水路612内に残っている、と見做すことができる。
【0152】
制御部801は、事前柔軟剤送り時間が0である場合(S501:YES)、負荷量検出工程において負荷量に基づいて設定された柔軟剤送り時間をポンプ動作時間に設定する(S502)。一方、制御部801は、事前柔軟剤送り時間が0でない場合(S501:NO)、設定された柔軟剤送り時間から事前柔軟剤送り時間を差し引いた時間をポンプ動作時間に設定する(S503)。
【0153】
次に、制御部801は、ポンプ660の動作を開始するとともに時間の計測を開始する(S504)。このとき、先に説明の通り、柔軟剤タンク500と第1水路612が連通されるように第2三方バルブ640が切り替えられている。柔軟剤タンク500から第1水路612への柔軟剤の送りが開始される。ポンプ660による柔軟剤の送り動作が、洗濯脱水槽22の惰性回転の動作と並行して行われることになる。
【0154】
制御部801は、ステップS502またはS503で設定されたポンプ動作時間が経過すると(S505:YES)、ポンプ660の動作を停止するとともに時間の計測を停止する(S506)。柔軟剤タンク500から第1水路612への洗剤の送りが停止される。
【0155】
第1水路612内に事前に柔軟剤が存在していない場合には、負荷量に基づいて設定された使用量の柔軟剤が柔軟剤タンク500から第1水路612へ送られる。一方、事前柔軟剤送り時間で表される量の柔軟剤が事前に第1水路612内に存在している場合には、設定された使用量から事前柔軟剤送り時間で表される量が差し引かれた量の柔軟剤が柔軟剤タンク500から第1水路612へ送られる。この結果、第1水路612内に、負荷量に基づいて設定された使用量の柔軟剤が溜まる。
【0156】
こうして、柔軟剤送出処理が終了する。なお、柔軟剤送出処理に要する時間は、中間脱水工程において洗濯脱水槽22が惰性回転する時間よりも短くなっている。
【0157】
制御部801は、ポンプ動作時間の経過を監視している間、洗濯運転が中止されたか否かを監視する(S507)。制御部801は、ポンプ動作時間が経過する前に洗濯運転が中止されると(S505:NO→S507:YES)、ポンプ660の動作を停止するとともに時間の計測を停止する(S508)。柔軟剤タンク500から第1水路612への柔軟剤の送りが停止される。その後、制御部801は、計測した時間を事前柔軟剤送り時間に設定して記憶部802に記憶する(S509)。洗濯運転の中止により、柔軟剤供給処理が終了する。
【0158】
図10に戻り、負荷量に基づいて設定された使用量の柔軟剤が第1水路612内に溜められて柔軟剤送出処理が終了すると、制御部801は、すすぎ工程が開始されたか否かを判定する(S25)。そして、制御部801は、すすぎ工程が開始されると(S25:YES)、柔軟剤投入処理を開始する(S26)。
【0159】
柔軟剤投入処理では、制御部801は、第1水路612内に溜まった柔軟剤が水で押し流されて外槽20内に投入されるように、給水装置80を動作させる。
【0160】
図12(a)は、柔軟剤投入処理を示すフローチャートである。
【0161】
図12(a)を参照して、制御部801は、第1給水バルブ621を開放する(S601)。このとき、先に説明の通り、柔軟剤タンク500と第1水路612との間が閉鎖されるように第2三方バルブ640が切り替えられている。水道栓からの水が第1水路612を流れ、第1水路612内の柔軟剤が水で押し流されて洗濯脱水槽22内、即ち外槽20内に投入される。
【0162】
このとき、すすぎ工程での外槽20内への給水が同時に行われる。このため、洗剤投入処理と並行して行われる給水処理において、制御部801が第1給水バルブ621の開放と同時に第2給水バルブ622を開放させる。
【0163】
制御部801は、液剤投入時間が経過すると(S602:YES)、記憶部802に記憶された事前柔軟剤送り時間を0にリセットする(S603)。
【0164】
制御部801は、外槽20内の水位が、負荷量に基づいて設定されたすすぎ水位に到達すると(S604:YES)、第1給水バルブ621を閉鎖する(S605)。第1水路612への給水が停止する。
【0165】
こうして、柔軟剤投入処理が終了し、柔軟剤供給処理が終了する。
【0166】
なお、第1給水バルブ621の閉鎖と同時に、給水処理において、制御部801が第2給水バルブ622を閉鎖する。第2水路613への給水が停止し、外槽20内への給水が終了する。
【0167】
図12(b)は、洗剤排出処理を示すフローチャートである。
【0168】
上述の通り、制御部801は、ステップS22において、事前洗剤送り時間が0でないと判定した場合に(S22:NO)、洗剤排出処理を開始する(S27)。洗剤排出処理は、中間脱水工程中に行われているため、排水バルブ40は開放されている。
【0169】
図12(b)を参照して、制御部801は、第1給水バルブ621を開放する(S701)。第1水路612内に存在している洗剤が、第1水路612を流れる水とともに外槽20内に排出され、さらに、排水ホース41を介して機外に排出される。制御部801は、第1排出時間が経過すると(S702:YES)、第1給水バルブ621を閉鎖する(S703)。
【0170】
こうして、洗剤排出処理が実行されることにより、第1水路612内の洗剤が無くなる。
【0171】
なお、上記の例では、負荷量に基づいて設定された使用量の柔軟剤が、中間脱水工程での洗濯脱水槽22の惰性回転の間に全て第1水路612に送られている。しかしながら、洗濯脱水槽22の惰性回転の時間が短くて、当該使用量の柔軟剤を、洗濯脱水槽22の惰性回転の間に全て第1水路612に送り切れない場合、柔軟剤の一部の送り動作がすすぎ工程で行われるようにされてもよい。この場合、図10のステップS25で実行されるすすぎ工程の開始を判定する処理が無くされる。
【0172】
全自動洗濯機1は、予約設定の機能を備えている。予約設定ボタン715により、現在からの洗濯運転が開始されるまで待機時間を、たとえば、1時間から12時間まで1時間刻みで設定できる。予約設定が行われた状態で、スタートボタン712が押されると、予約設定を有する洗濯運転が開始される。
【0173】
図13(a)は、予約設定を有する洗濯運転の流れを示す図である。図13(b)は、予約設定を有する洗濯運転で行われる洗剤供給処理を示すフローチャートである。
【0174】
図13(a)に示すように、予約設定を有する洗濯運転では、負荷量検出工程(S1)が終了すると、待機工程(S6)が開始される。待機工程では、制御部801が、予約設定に基づく待機時間だけ洗濯物を放置する処理を行う。待機時間が経過して待機工程が終了すると、洗い工程(S2)が開始される。
【0175】
予約設定を有する洗濯運転では、制御部801により、図6に示す洗剤供給処理に替えて、図13(b)に示す洗剤供給処理が実行される。
【0176】
図13(b)を参照して、制御部801は、待機工程の終了所定時間前になったかい否かを判定する(S31)。所定時間は、この洗剤供給処理に要する時間よりも長い時間とされる。
【0177】
制御部801は、待機工程の終了所定時間前になると(S31:YES)、ポンプ660の動作を開始する(S32)。そして、制御部801は、負荷量に基づいて設定された洗剤送り時間が経過すると(S33:YES)、ポンプ660の動作を停止する(S34)。負荷量に基づいて設定された使用量の洗剤が洗剤タンク400から第1水路612に送られ、第1水路612内に溜められる。
【0178】
第1水路612に洗剤を送る動作は、洗濯物を放置する処理と並行して行われることになる。
【0179】
次に、制御部801は、洗い工程が開始されると(S35:YES)、第1給水バルブ621を開放する(S36)。水道栓からの水が第1水路612を流れ、第1水路612内の洗剤が水で押し流されて洗濯脱水槽22内、即ち外槽20内に投入される。制御部801は、外槽20内の水位が、負荷量に基づいて設定された洗い水位に到達すると(S37:YES)、第1給水バルブ621を閉鎖する(S38)。
【0180】
こうして、洗剤供給処理が終了する。
【0181】
なお、図13(b)の洗剤供給処理が実行される場合においても、洗い工程の給水処理において、制御部801は、第1給水バルブ621の開閉と同時に第2給水バルブ622を開閉する。
【0182】
上記の例では、待機工程において、負荷量に基づいて設定された使用量の洗剤が全て第1水路612に送られる。しかしながら、負荷量に基づいて設定された使用量のうち一部の量の洗剤が待機工程において第1水路612に送られ、残りの量の洗剤が洗い工程において第1水路612に送られるようにしてもよい。
【0183】
<実施の形態の効果>
以上、本実施の形態によれば、制御部801が、負荷量検出工程において、液剤投入装置である給水装置80に、ポンプ660を動作させて洗剤タンク400内の洗剤を第1水路612内に送る送り動作を行わせ、負荷量検出工程に続いて行われる洗い工程において、給水装置80に、第1給水バルブ621を開放して第1水路612内に水を流し、第1水路612内に溜まった洗剤を水で押し流して外槽20内に投入する投入動作を行わせる。
【0184】
この構成によれば、負荷量検出工程において、洗濯物の負荷量を検出する処理と並行して少なくとも送り動作の一部が行われるので、負荷量検出工程で行われる分の動作が洗い工程で行われなくてよく、洗い工程において、洗剤の投入に要する時間を短くできる。
【0185】
さらに、本実施の形態によれば、給水装置80は、検出された負荷量に基づいて設定された使用量の洗剤を外槽20内に投入する。そして、制御部801は、負荷量検出工程では、上記送り動作のうち、最小の負荷量に対応する量以下の規定量の洗剤を第1水路612に送る動作を給水装置80に行わせ、洗い工程では、上記送り動作のうち、負荷量に基づいて設定された使用量から規定量を差し引いた量の洗剤を第1水路612に送る動作を給水装置80に行わせる。
【0186】
この構成によれば、負荷量検出工程において、最小の負荷量に対応する使用量が設定された場合であっても、負荷量検出工程で第1水路612に送られた洗剤の量が、設定された使用量を超えてしまうことが生じない。よって、洗濯運転において、負荷量に基づいて設定された使用量よりも多くの洗剤が使用されてしまうことが防止される。
【0187】
さらに、本実施の形態によれば、制御部801は、負荷量検出工程において第1水路612に洗剤が送られている途中に洗濯運転が中止された場合、当該洗濯運転の中止までに第1水路612に送られた洗剤の量を表す事前洗剤送り時間を、洗剤量情報として記憶部802に記憶させる。そして、制御部801は、次回の負荷量検出工程において、規定量から事前洗剤送り時間が表す洗剤の量を差し引いた量の洗剤を第1水路612に送る動作を給水装置80に行わせる。
【0188】
この構成によれば、前回の洗濯運転が中止されてしまった結果、今回の洗濯運転の負荷量検出工程において第1水路612内に洗剤が残されていても、当該残された量が規定量から差し引かれた量の洗剤が第1水路612に送られるので、負荷量検出工程において規定量よりも多くの洗剤が第1水路612に溜められることが防止される。この結果、負荷量に基づいて設定された使用量よりも多くの洗剤が使用されてしまうことを防止できる。
【0189】
さらに、本実施の形態によれば、制御部801は、記憶部802に、0でない、即ち洗剤の存在を表す事前洗剤送り時間が記憶されている状態で洗い工程が含まれない洗濯運転が開始されたとき、給水装置80に上記投入動作を行わせるとともに排水バルブ40を開放する。
【0190】
この構成によれば、第1水路612内に洗剤が残されている場合に、今回の洗濯運転で残された洗剤が使用されないときには、残された洗剤を第1水路612内から排出でき、さらに外槽20内から排出できる。これにより、今回の洗濯運転で第1水路612に送られた柔軟剤が洗剤と混ざってしまうことが防止される。
【0191】
さらに、本実施の形態によれば、制御部801が、中間脱水工程での洗濯脱水槽22の惰性回転中に、給水装置80に、ポンプ660を動作させて柔軟剤タンク500内の洗剤を第1水路612内に送る送り動作を行わせ、中間脱水工程に続いて行われるすすぎ工程において、給水装置80に、第1給水バルブ621を開放して第1水路612内に水を流し、第1水路612内に溜まった柔軟剤を水で押し流して外槽20内に投入する投入動作を行わせる。
【0192】
この構成によれば、中間脱水工程において、洗濯脱水槽22を惰性回転させる処理と並行して少なくとも送り動作の一部が行われるので、中間脱水工程で行われる分の動作がすすぎ工程で行われなくてよく、すすぎ工程において、柔軟剤の投入に要する時間を短くできる。
【0193】
さらに、本実施の形態によれば、制御部801は、中間脱水工程において第1水路612に柔軟剤が送られている途中に洗濯運転が中止された場合、当該洗濯運転の中止までに第1水路612に送られた柔軟剤の量を表す事前柔軟剤送り時間を、柔軟剤量情報として記憶部802に記憶させる。そして、制御部801は、次回の中間脱水工程において、負荷量に基づいて設定された使用量から事前柔軟剤送り時間が表す柔軟剤の量を差し引いた量の柔軟剤を第1水路612に送る動作を給水装置80に行わせる。
【0194】
この構成によれば、前回の洗濯運転が中止されてしまった結果、今回の洗濯運転の中間脱水工程において第1水路612内に柔軟剤が残されていても、当該残された量が負荷量に基づいて設定された使用量から差し引かれた量の柔軟剤が第1水路612に送られるので、設定された使用量よりも多くの柔軟剤が第1水路612に溜められることが防止される。この結果、負荷量に基づいて設定された使用量よりも多くの量の柔軟剤が使用されてしまうことを防止できる。
【0195】
さらに、本実施の形態によれば、制御部801は、記憶部802に、0でない、即ち柔軟剤の存在を表す事前柔軟剤送り時間が記憶されている状態で洗濯運転が最初から開始されたとき、給水装置80に上記投入動作を行わせるとともに排水バルブ40を開放する。
【0196】
この構成によれば、第1水路612内に柔軟剤が残されている場合に、今回の洗濯運転が最初から、即ち負荷量検出工程から開始されるため、残された柔軟剤が使用される前に洗剤が使用されるときには、残された柔軟剤を第1水路612内から排出でき、さらに外槽20内から排出できる。これにより、今回の洗濯運転で第1水路612に送られた洗剤が柔軟剤と混ざってしまうことが防止される。
【0197】
さらに、本実施の形態によれば、制御部801が、待機工程の実行中に、液剤投入装置である給水装置80に、ポンプ660を動作させて洗剤タンク400内の洗剤を第1水路612内に送る送り動作を行わせ、待機工程に続いて行われる洗い工程において、給水装置80に、第1給水バルブ621を開放して第1水路612内に水を流し、第1水路612内に溜まった洗剤を水で押し流して外槽20内に投入する投入動作を行わせる。
【0198】
この構成によれば、待機工程において、予約設定に基づく待機時間だけ洗濯物を放置する処理と並行して少なくとも送り動作の一部が行われるので、待機工程で行われる分の動作が洗い工程で行われなくてよく、洗い工程において、洗剤の投入に要する時間を短くできる。
【0199】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態によって何ら制限されるものではなく、また、本発明の実施の形態も、上記以外に種々の変更が可能である。
【0200】
たとえば、上記実施の形態では、図8(b)に示す洗剤投入処理において、液剤投入時間が経過した後も第1給水バルブ621の開放が継続され、外槽20内の水位が洗い水位に到達したときに第1給水バルブ621が閉鎖される。同様に、上記実施の形態では、図12(a)に示す柔軟剤投入処理において、液剤投入時間が経過した後も第1給水バルブ621の開放が継続され、外槽20内の水位がすすぎ水位に到達したときに第1給水バルブ621が閉鎖される。しかしながら、洗剤投入処理および柔軟剤投入処理において、液剤投入時間が経過したときに第1給水バルブ621が閉鎖されてもよい。
【0201】
さらに、上記実施の形態において、洗剤タンク400と第1水路612との間に流量センサが設けられ、流量センサが検出した流量に基づいて第1水路612に送られた洗剤量が求められるようにしてもよい。この場合、第1洗剤送出処理では、洗濯運転が中止されると、当該洗濯運転の中止までに第1水路612に送られた洗剤の量自体を表す事前洗剤送り量が、洗剤量情報として記憶部802に記憶される。さらに、第1洗剤送出処理では、事前洗剤送り量が0である場合には、流量センサにより、規定量の洗剤が第1水路612に送られたことが検出されたときにポンプ660の動作が停止され、事前洗剤送り量が0でない場合には、流量センサにより、規定量から事前洗剤送り量が差し引かれた量の洗剤が第1水路612に送られたことが検出されたときに、ポンプ660の動作が停止される。さらに、第2洗剤送出処理では、流量センサにより、負荷量に基づいて設定された使用量から規定量が差し引かれた量の洗剤が第1水路612送られたこと検出されたときに、ポンプ660の動作が停止される。さらに、柔軟剤送出処理の前には、事前洗剤送り量が0でないときに、洗剤排出処理が実行される。
【0202】
同様に、柔軟剤タンク500と第1水路612との間に流量センサが設けられ、流量センサが検出した流量に基づいて第1水路612に送られた柔軟剤量が求められるようにしてもよい。この場合、柔軟剤送出処理では、洗濯運転が中止されると、当該洗濯運転の中止までに第1水路612に送られた柔軟剤の量自体を表す事前柔軟剤送り量が、柔軟剤量情報として記憶部802に記憶される。さらに、柔軟剤送出処理では、事前柔軟剤送り量が0である場合には、流量センサにより、負荷量に基づいて設定された使用量の洗剤が第1水路612に送られたことが検出されたときに、ポンプ660の動作が停止され、事前柔軟剤送り量が0でない場合には、流量センサにより、負荷量に基づいて設定された使用量から事前柔軟剤送り量が差し引かれた量の柔軟剤が第1水路612に送られたことが検出されたときに、ポンプ660の動作が停止される。さらに、第1洗剤送出処理の前には、事前柔軟剤送り量が0でないときに、柔軟剤排出処理が実行される。
【0203】
さらに、上記実施の形態では、第1水路612と洗剤タンク400との間の洗剤の導入経路を開放状態と閉鎖状態の間で切り替えるために第1三方バルブ630が用いられ、第1水路612と柔軟剤タンク500との間の柔軟剤の導入経路を開放状態と閉鎖状態の間で切り替えるために第2三方バルブ640が用いられている。しかしながら、導入経路の開閉が電磁バルブ等の開閉バルブにより行われるようにされてもよい。
【0204】
さらに、上記実施の形態では、給水装置80が、洗剤タンク400と柔軟剤タンク500とを含み、洗剤と柔軟剤の双方を外槽20内に投入できる構成とされている。しかしながら、給水装置80が、柔軟剤タンク500を含まず、柔軟剤を自動投入しない構成とされてもよい。
【0205】
さらに、上記実施の形態では、全自動洗濯機1に、超音波洗浄装置50が設けられ、超音波洗浄装置50への給水のために供給ノズル62と貯留タンク60とが設けられた。しかしながら、全自動洗濯機1は、超音波洗浄装置50、供給ノズル62および貯留タンク60が設けられない構成とされてもよい。この場合、給水装置80には、第3三方バルブ650と分岐水路616が設けられない。
【0206】
さらに、上記実施の形態では、全自動洗濯機1が示された。しかしながら、本発明は、全自動洗濯機1以外の洗濯機、たとえば、外槽内に内槽として横軸型のドラムを備えるドラム式洗濯機にも適用できる。ドラム式洗濯機では、ドラムと、当該ドラムを回転させる駆動モータとにより洗濯ユニットが構成される。また、本発明は、乾燥機能を有する全自動洗濯乾燥機およびドラム式洗濯乾燥機にも適用できる。
【0207】
この他、本発明の実施の形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0208】
1 全自動洗濯機(洗濯機)
10 筐体
20 外槽
22 洗濯脱水槽(内槽)
24 パルセータ(負荷量検出部)
31 駆動モータ(負荷量検出部)
40 排水バルブ
80 給水装置(液剤投入装置)
400 洗剤タンク(液剤タンク)
500 柔軟剤タンク(液剤タンク)
612 第1水路(水路)
621 第1給水バルブ(給水バルブ)
660 ポンプ
801 制御部(負荷量検出部)
802 記憶部
WU 洗濯ユニット
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