(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024115848
(43)【公開日】2024-08-27
(54)【発明の名称】自車画像登録システム
(51)【国際特許分類】
G06T 19/00 20110101AFI20240820BHJP
G06T 7/55 20170101ALI20240820BHJP
G06F 3/01 20060101ALI20240820BHJP
【FI】
G06T19/00 A
G06T7/55
G06F3/01 510
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023021720
(22)【出願日】2023-02-15
(71)【出願人】
【識別番号】000006286
【氏名又は名称】三菱自動車工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002664
【氏名又は名称】弁理士法人相原国際知財事務所
(72)【発明者】
【氏名】谷川 颯
【テーマコード(参考)】
5B050
5E555
5L096
【Fターム(参考)】
5B050AA03
5B050BA09
5B050BA13
5B050CA07
5B050CA08
5B050DA01
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5L096AA09
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5L096CA05
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5L096CA24
5L096EA35
5L096FA66
5L096FA67
5L096FA69
(57)【要約】
【課題】ユーザーによる車両のカスタマイズ内容を車載情報端末に表示される三次元モデルに反映し、ユーザーの違和感を解消可能な自車画像登録システムを提供する。
【解決手段】自車画像登録システム1は、車両の三次元モデルを表示する車載情報端末30と、車両の画像を撮影する撮像装置12と、撮像装置12により撮影された複数の画像に基づいて車両の新モデルを生成する三次元モデル生成部22と、を備え、車載情報端末30は、三次元モデル生成部22で生成された新モデルを取得し、予め記憶している車両の元モデルを新モデルに更新して表示する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の三次元モデルを表示する車載情報端末への自車画像登録システムであって、
前記車両の画像を撮影する撮像装置と、
前記撮像装置により撮影された複数の画像に基づいて前記車両の新たな三次元モデルを生成する三次元モデル生成部と、を備え、
前記車載情報端末は、前記三次元モデル生成部で生成された前記新たな三次元モデルを取得し、予め記憶している前記車両の三次元モデルを前記新たな三次元モデルに更新して表示する自車画像登録システム。
【請求項2】
前記三次元モデル生成部は、前記複数の画像から前記新たな三次元モデルを生成するために必要な所定情報を抽出し、抽出した前記所定情報を前記予め記憶している前記車両の三次元モデルに反映して前記新たな三次元モデルを生成する請求項1に記載の自車画像登録システム。
【請求項3】
前記所定情報は、前記車両の外装部分に含まれる色の情報を含む請求項2に記載の自車画像登録システム。
【請求項4】
前記撮像装置を搭載した携帯端末を備え、
前記携帯端末は、前記撮像装置で撮像された前記複数の画像に含まれる物体の三次元情報を取得し、前記三次元情報に基づいて前記複数の画像に含まれる前記物体の三次元モデルを取得し、
前記三次元モデル生成部は、前記携帯端末で取得した前記複数の画像に含まれる前記物体の三次元モデルから、前記車両に該当する部分を抽出して前記新たな三次元モデルを生成する請求項1に記載の自車画像登録システム。
【請求項5】
前記車両の外部に設けられる画像処理用サーバを備え、
前記三次元モデル生成部は、前記画像処理用サーバに含まれる
請求項1に記載の自車画像登録システム。
【請求項6】
前記三次元モデル生成部は、前記車載情報端末に含まれる請求項1に記載の自車画像登録システム。
【請求項7】
前記三次元モデル生成部は、前記撮像装置を搭載した携帯端末に含まれる請求項1に記載の自車画像登録システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の三次元モデルを表示する車載情報端末を備えた自車画像登録システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車載情報端末に自車両の三次元モデルを表示する技術が知られている。例えば、特許文献1には、自車両の3D画像(三次元モデル)を表示するカーナビゲーション装置といった機器操作装置(車載情報端末)が記載されている。この装置では、自車両と自車両が備えるワイパーやヘッドライトといった設備のデータを記憶しておき、当該データに基づいて自車両の3D画像を算出し、設備の動きにあわせて3D画像の表示態様を変更している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
車両のユーザーが自車両の外装色を変更したり、部品の後付けや取り外しを行ったりするカスタマイズを行うことがある。上記特許文献1の装置では、予め記憶した自車両と自車両が備える設備のデータから車両の三次元モデルを生成しているものにすぎず、ユーザーによるカスタマイズの内容を三次元モデルに反映することはできない。そのため、車載情報端末に表示される車両の三次元モデルとカスタマイズ後の車両の外観とが一致せず、ユーザーが違和感を覚える可能性がある。
【0005】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ユーザーによる車両のカスタマイズ内容を車載情報端末に表示される三次元モデルに反映し、ユーザーの違和感を解消可能な自車画像登録システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の自車画像登録システムは、前記車両の三次元モデルを表示する車載情報端末への自車画像登録システムであって、前記車両の画像を撮影する撮像装置と、前記撮像装置により撮影された複数の画像に基づいて前記車両の新たな三次元モデルを生成する三次元モデル生成部と、を備え、前記車載情報端末は、前記三次元モデル生成部で生成された前記新たな三次元モデルを取得し、予め記憶している前記車両の三次元モデルを前記新たな三次元モデルに更新して表示する。
【0007】
この構成により、撮像装置で撮影された車両の複数の画像から生成された車両の新たな三次元モデルを車載情報端末に表示することができる。したがって、本発明の自車画像登録システムによれば、ユーザーによる車両のカスタマイズ内容を車載情報端末に表示される三次元モデルに反映し、ユーザーの違和感を解消可能となる。
【0008】
また、前記三次元モデル生成部は、前記複数の画像から前記新たな三次元モデルを生成するために必要な所定情報を抽出し、抽出した前記所定情報を前記予め記憶している前記車両の三次元モデルに反映して前記新たな三次元モデルを生成することが好ましい。
【0009】
この構成により、複数の画像により新たな三次元モデルをすべて生成する場合に比べて、車両生産時などにおいて事前に準備され、比較的に精度良く生成しやすい元の三次元モデルを活用して新たな三次元モデルを生成することができる。その結果、新たな三次元モデルを精度良く生成し、新たな三次元モデルに不自然な凹凸や歪みが生じたりすることを抑制することができる。
【0010】
また、前記所定情報は、前記車両の外装部分に含まれる色の情報を含むことが好ましい。この構成により、比較的に精度良く生成されている元の三次元モデルを活用しながら、ユーザーによる車両の塗装といった部分的な色の変更を反映した新たな三次元モデルを得ることができる。
【0011】
また、上記自車画像登録システムは、前記撮像装置を搭載した携帯端末を備え、前記携帯端末は、前記撮像装置で撮像された前記複数の画像に含まれる物体の三次元情報を取得し、前記三次元情報に基づいて前記複数の画像に含まれる前記物体の三次元モデルを取得し、前記三次元モデル生成部は、前記携帯端末で取得した前記複数の画像に含まれる前記物体の三次元モデルから、前記車両に該当する部分を抽出して前記新たな三次元モデルを生成することが好ましい。
【0012】
この構成により、撮像装置で撮影した複数の画像に含まれる物体を三次元モデルとして取得する携帯端末の機能を有効利用して、新たな三次元モデルを生成することができる。その結果、二次元の画像のみから新たな三次元モデルを生成するよりも、立体をより正確に再現した上で新たな三次元モデルを得ることが可能となる。したがって、新たな三次元モデルを精度良く生成し、新たな三次元モデルに不自然な凹凸や歪みが生じたりすることを抑制することができる。
【0013】
また、上記自車画像登録システムは、前記車両の外部に設けられる画像処理用サーバを備え、前記三次元モデル生成部は、前記画像処理用サーバに含まれることが好ましい。この構成により、比較的に負荷が大きい三次元モデルの生成処理を、車外の画像処理用サーバで実行することができる。その結果、車載情報端末で三次元モデルを生成する場合に比べて、車載情報端末の処理負荷を低減することができる。
【0014】
また、前記三次元モデル生成部は、前記車載情報端末に含まれることが好ましい。また、前記三次元モデル生成部は、前記撮像装置を搭載した携帯端末に含まれることが好ましい。この構成により、車外のサーバを用いることなく、新たな三次元モデルを得ることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の自車画像登録システムによれば、ユーザーによる車両のカスタマイズ内容を車載情報端末に表示される三次元モデルに反映し、ユーザーの違和感を解消可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】第一実施形態の自車画像登録システムの一例を示す概略構成図である。
【
図2】表示装置に表示される元モデルを含む画像の一例を示す説明図である。
【
図3】表示装置に表示される新モデルを含む画像の一例を示す説明図である。
【
図4】第一実施形態の携帯端末により実行される画像登録処理の一例を示すフローチャートである。
【
図5】第一実施形態の三次元モデル生成部により実行される画像登録処理の一例を示すフローチャートである。
【
図6】第二実施形態の自車画像登録システムの一例を示す概略構成図である。
【
図7】第二実施形態の三次元モデル生成部により実行される画像登録処理の一例を示す説明図である。
【
図8】第三実施形態の自車画像登録システムの一例を示す概略構成図である。
【
図9】第三実施形態の三次元モデル生成部により実行される画像登録処理の一例を示す説明図である。
【
図10】変形例の自車画像登録システムの一例を示す概略構成図である。
【
図11】他の変形例の自車画像登録システムの一例を示す概略構成図である
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面に基づき本発明の実施形態について説明する。
【0018】
[第一実施形態]
図1は、第一実施形態の自車画像登録システムの一例を示す概略構成図である。自車画像登録システム1は、
図1に示すように、携帯端末10と、サーバ20(画像処理用サーバ)と、車載情報端末30とを備えている。
【0019】
携帯端末10は、車両C(
図2、3参照)に非搭載の情報処理端末であり、記憶装置(ROM、RAM、不揮発性RAM等)、中央演算処理装置(CPU)などを含んで構成される。携帯端末10は、例えば、車両Cのユーザーが所持するスマートフォン、携帯電話、タブレットコンピュータである。携帯端末10は、通信装置11と、撮像装置12とを含む。通信装置11は、サーバ20の通信装置21との間で、無線通信により各種情報をやり取りする。撮像装置12は、携帯端末10に搭載され、デジタル画像を撮像可能なデジタルカメラといった撮像機器である。携帯端末10は、所持者(本実施形態では、車両Cのユーザーとする)の操作に応じて撮像装置12により画像を撮影する。撮像装置12により撮影された画像は、通信装置11を介してサーバ20へと送信される。
【0020】
サーバ20は、車載情報端末30が搭載される車両Cの外部に設けられる。サーバ20は、通信装置21と、三次元モデル生成部22とを含む。通信装置21は、携帯端末10の通信装置11や車載情報端末30の通信装置31との間で、無線通信により各種情報をやり取りする。三次元モデル生成部22は、記憶装置(ROM、RAM、不揮発性RAM等)、中央演算処理装置(CPU)、画像処理装置(GPU)などを含んで構成される。三次元モデル生成部22は、通信装置21を介して携帯端末10から取得した複数の画像に基づいて、車両Cの三次元モデルを生成する。三次元モデル生成部22で生成された三次元モデルは、通信装置21を介して車載情報端末30へと送信される。
【0021】
車載情報端末30は、車両Cに搭載された情報端末である。車載情報端末30は、例えば、カーナビゲーションシステムやビデオ機器といった車載インフォテインメント(IVI: in-vehicle infotainment)である。また、車載情報端末30は、運転席前方に設けられるメーターディスプレイに画像を表示させるものであってもよい。車載情報端末30は、通信装置31と、表示装置32と、コントロールユニット33とを含む。通信装置31は、外部機器と無線通信により各種情報をやり取りする。表示装置32は、ディスプレイといった画像を表示可能な装置である。
【0022】
コントロールユニット33は、車載情報端末30の総合的な制御を行うための制御装置であり、記憶部34および制御部35を含む。記憶部34は、ROM、RAM、不揮発性RAMといった記憶媒体により構成される。本実施形態において、記憶部34には、車載情報端末30が搭載される車両Cの三次元モデルM1(
図2参照。以下、「元モデルM1」と称する)が予め記憶されている。また、記憶部34には、通信装置31を介して取得される新たな三次元モデルM2(
図3参照。以下、「新モデルM2」と称する)が記憶される。制御部35は、中央演算処理装置(CPU)などを含んで構成される。
【0023】
制御部35は、通信制御部36と、表示生成部37とを含む。通信制御部36は、通信装置31を介して後述するサーバ20から新モデルM2を取得し、記憶部34に記憶させる。表示生成部37は、記憶部34に記憶された元モデルM1や新モデルM2を含む画像を生成し、表示装置32に表示させる。
【0024】
図2は、表示装置32に表示される元モデルM1を含む画像の一例を示す説明図である。また、
図3は、表示装置32に表示される新モデルM2を含む画像の一例を示す説明図である。図示するように、表示生成部37は、例えば、元モデルM1または新モデルM2を上方から視て車両周囲の背景画像と合成した画像V1、V2(俯瞰映像)を生成し、表示装置32に表示させる。なお、車両周囲の背景画像は、例えば、車両Cに搭載される複数の撮像装置(図示省略)で撮影された画像から生成されればよい。また、表示生成部37は、背景画像と合成することなく、元モデルM1や新モデルM2のみを示す画像を生成し、表示装置32に表示させてもよい。
【0025】
次に、車載情報端末30で表示する三次元モデルを上記元モデルM1から新モデルM2へと更新する画像登録処理について、
図4および
図5を参照しながら説明する。
図4は、第一実施形態の携帯端末10により実行される画像登録処理の一例を示すフローチャートである。
図5は、第一実施形態の三次元モデル生成部22により実行される画像登録処理の一例を示すフローチャートである。
【0026】
まず、
図4に示す携帯端末10の画像登録処理について説明する。
図4に示す処理は、ユーザーが携帯端末10を操作することで実行される。携帯端末10は、ユーザーの操作に応じて、撮像装置12により車両Cの画像を撮影し、図示しない記憶部に撮影した画像のデータを記憶する(ステップS10)。
【0027】
次に、携帯端末10は、処理の終了条件が成立したか否かを判定する(ステップS11)。具体的には、携帯端末10は、新モデルM2を生成するための撮影完了条件が達成されたか否かを判定すると共に、ユーザーによる撮影終了指示がなされたか否かを判定する。撮影完了条件は、例えば、ユーザーの操作により撮影した画像の枚数が、予め定められる撮影枚数に達したことを含む。予め定められる撮影枚数は、新モデルM2の生成に必要と推定される枚数として設定されればよい。また、ユーザーによる撮影終了指示は、ユーザーが十分な枚数の画像を撮影したと自身で判断したときに、携帯端末10を操作して行われる。ステップS11では、撮影完了条件が達成されたことと、撮影終了指示がなされたこととのいずれか一方が成立すれば、処理の終了条件が成立したと判定する。ただし、双方が成立したときに処理の終了条件が成立したと判定してもよい。
【0028】
携帯端末10は、処理の終了条件が成立していないと判定したとき(ステップS11でNo)、現在の状態で待機し、ユーザーの操作による撮影を繰り返す。一方、携帯端末10は、処理の終了条件が成立したと判定したとき(ステップS11でYes)、記憶部に保存していた複数の画像をサーバ20に送信する(ステップS12)。なお、携帯端末10は、撮像装置12で撮影が行われるごとに画像をサーバ20へと随時送信してもよい。
【0029】
次に、
図5に示すサーバ20の画像登録処理について説明する。
図5に示す処理は、サーバ20が携帯端末10から複数の画像を受信したとき、三次元モデル生成部22により実行される。三次元モデル生成部22は、携帯端末10から複数の画像を受信すると、複数の画像から車両部分の検出処理を実行する(ステップS21)。車両部分の検出処理は、例えば物体検出(Object Detection)処理、セグメンテーション処理といった周知の画像処理手法を用いて、二次元のデジタル画像データ内の車両Cに該当する部分を検出すればよい。
【0030】
次に、三次元モデル生成部22は、複数の画像から、新モデルM2を生成するために必要な数だけ車両部分を検出することができたか否かを判定する(ステップS22)。サーバ20は、複数の画像から新モデルM2を生成するために必要な数だけ車両部分を検出することができないとき(ステップS22でNo)、画像登録処理を終了する。この場合、サーバ20は、車両Cを検出することができなかった旨をユーザーに報知するように、携帯端末10に送信してもよい。
【0031】
一方、三次元モデル生成部22は、複数の画像から新モデルM2を生成するために必要な数だけ車両Cを検出することができたとき(ステップS22でYes)、複数の画像を用いて、新モデルM2を構成する3D点群を生成する(ステップS23)。さらに、三次元モデル生成部22は、複数の画像を用いて、新モデルM2を構成するテクスチャを生成する(ステップS24)。ステップS23、S24の処理は、周知の三次元モデル生成手法や機械学習モデルを使用して実行されればよい。また、ステップS23、S24の処理は、いずれが先に実行されてもよく、双方が並列に実行されてもよい。
【0032】
次に、三次元モデル生成部22は、生成した3D点群およびテクスチャから、車両部分の抽出処理を実行する(ステップS25)。車両部分の抽出処理では、ステップS21で検出した車両部分に該当する部分の3D点群およびテクスチャを抽出すればよい。これにより、抽出した3D点群およびテクスチャが車両Cの新モデルM2として生成される。三次元モデル生成部22は、生成した車両Cの新モデルM2を記憶部に記憶すると共に、車載情報端末30へと送信する(ステップS26)。
【0033】
これにより、サーバ20から新モデルM2を受信した車載情報端末30は、新モデルM2を記憶部34に記憶し、車両Cを示す三次元モデルとして新モデルM2を登録して新モデルM2を含む画像V2を表示生成部37により生成する(
図4参照)。すなわち、車載情報端末30は、予め記憶していた車両Cの元モデルM1を新モデルM2に更新して表示する。
図4に示す新モデルM2では、
図3に示す元モデルM1に対して、車両前端部分にパーツP1が追加され、車両後端部分にパーツP2が追加されている。また、新モデルM2では、
図3に示す元モデルM1に対して、車両Cの外装部分であるルーフRに塗装が施されている。このように、ユーザーによるパーツP1、P2の後付けや塗装といったカスタマイズが行われた場合に、カスタマイズ内容が反映された新モデルM2が表示される。なお、以上の処理において、元モデルM1が記憶部34から削除される必要はない。
【0034】
以上説明したように、第一実施形態の自車画像登録システム1は、車両Cの画像を撮影する撮像装置12と、撮像装置12により撮影された複数の画像に基づいて車両Cの新モデルM2を生成する三次元モデル生成部22と、を備え、車載情報端末30は、三次元モデル生成部22で生成された新モデルM2を取得し、予め記憶している車両Cの元モデルM1を新モデルM2に更新して表示する。
【0035】
この構成により、撮像装置12で撮影された車両Cの複数の画像から生成された車両Cの新モデルM2を車載情報端末30に表示することができる。したがって、自車画像登録システム1によれば、ユーザーによる車両Cのカスタマイズ内容を車載情報端末30に表示される三次元モデルに反映し、ユーザーの違和感を解消可能となる。ひいては、ユーザーの車両Cへの愛着を向上させることができる。
【0036】
また、第一実施形態の自車画像登録システム1は、車両Cの外部に設けられるサーバ20(画像処理用サーバ)を備え、三次元モデル生成部22は、サーバ20に含まれる。この構成により、比較的に負荷が大きい三次元モデルの生成処理を、車外の画像処理用サーバであるサーバ20で実行することができる。その結果、車載情報端末30で三次元モデルを生成する場合に比べて、車載情報端末30の処理負荷を低減することができる。
【0037】
[第二実施形態]
次に、第二実施形態の画像登録処理について説明する。
図6は、第二実施形態の自車画像登録システムの一例を示す概略構成図である。また、
図7は、第二実施形態の三次元モデル生成部により実行される画像登録処理の一例を示す説明図である。第二実施形態の自車画像登録システム2は、第一実施形態の三次元モデル生成部22を含むサーバ20に代えて、三次元モデル生成部222を含むサーバ220を備えている。第二実施形態の自車画像登録システム2の他の構成は、第一実施形態の自車画像登録システム2と同様であるため、同一の構成については同一の符号を付し、説明を省略する。
【0038】
以下、
図7を参照しながら、三次元モデル生成部222の機能について説明する。三次元モデル生成部222は、携帯端末10から複数の画像を受信すると、複数の画像から車両部分の検出処理(ステップS201)、車両部分を検出することができたか否かの判定を行う(ステップS202)。ステップS201、S202の処理は、
図5のステップS21、S22の処理と同様であるため、説明を省略する。
【0039】
次に、三次元モデル生成部222は、車両Cが画像内でいずれの方向を向いているかを推定する車両角度推定処理を実行する(ステップS203)。車両角度推定処理は、例えば、検出した車両Cに該当する部分の画素のうち特徴点の画素を特定し、当該特徴点が画像内のいずれの位置にあるかに基づいて実行される。特徴点は、予め定められた車両の特定部分を周知の画像処理手法で認識するものとすればよい。また、車両の特定部分を、機械学習モデルを用いて定めるものとしてもよい。なお、ステップS201の処理において、物体検出処理を用いる場合、この処理で車両Cの角度を推定してもよい。
【0040】
次に、三次元モデル生成部222は、複数の画像から、新モデルM2を生成するために必要な所定情報として車両Cのベース色を検出するベース色検出処理を実行する(ステップS204)。ベース色検出処理は、例えば、複数の画像内の車両部分のうち、最も面積が広い部分の色を周知の画像処理手法により認識することで実行されればよい。なお、ステップS201、S203で車両Cのベース色を検出済みである場合、ステップS204の処理は省略されてもよい。
【0041】
次に、三次元モデル生成部222は、ベース色の検出が完了したか否かを判定する(ステップS205)。三次元モデル生成部222は、ベース色の検出が完了していないと判定したとき(ステップS205でNo)、ベース色の手動選択処理を実行する(ステップS206)。ベース色の手動選択処理は、携帯端末10により、ユーザーにベース色を選択させる処理である。ベース色の手動選択処理は、例えば、携帯端末10にいずれかの画像を表示させると共に、ユーザーが画像内で選択した箇所の色をベース色として認識することで実行されればよい。また、ベース色の手動選択処理は、携帯端末10にカラーパレットのような選択肢を表示させると共に、ユーザーが選択肢から選んだ色をベース色として認識するといった手法であってもよい。
【0042】
三次元モデル生成部222は、ベース色の検出が完了したと判定したとき(ステップS205でYes)またはステップS206のベース色手動選択処理が完了したとき、車両Cの部分色検出処理を実行する(ステップS207)。車両Cの部分色検出処理は、新モデルM2を生成するために必要な所定情報として、車両Cの外装部分に含まれる部分的な塗装や、外装に貼り付けられたステッカーを検出する処理である。部分色検出処理は、複数の画像内の車両部分のうち、上記ベース色とは異なる色の箇所を周知の画像処理手法により検出し、検出した箇所を部分的な塗装またはステッカーとして認識すればよい。このとき、画像内における車両Cの位置が車両検出処理により特定済みであり、車両Cの角度が車両角度推定処理により特定済みであるため、車両Cのいずれの箇所に部分的な塗装やステッカーが存在するかを認識することができる。三次元モデル生成部222は、以上の車両Cのベース色に関する情報と、部分色に関する情報を記憶部に記憶しておく。
【0043】
次に、三次元モデル生成部222は、車両Cの上記ベース色の情報および部分色に関する情報に基づいて、新モデルM2用のテクスチャを生成する(ステップS208)。さらに、三次元モデル生成部222は、車載情報端末30から元モデルM1を受信する(ステップS209)。元モデルM1の受信は、本処理の開始時点で行われてもよい。そして、三次元モデル生成部222は、元モデルM1を構成する3D点群に、新たに生成した新モデルM2用のテクスチャを合成することで、新モデルM2を生成する(ステップS210)。三次元モデル生成部222は、生成した新モデルM2を車載情報端末30に送信する(ステップS211)。
【0044】
なお、車載情報端末30が三次元モデルの生成処理を実行することが可能である場合、ステップS208で生成したテクスチャをサーバ20から車載情報端末30に送信し、車載情報端末30が元モデルM1にテクスチャを合成して新モデルM2を生成してもよい。
【0045】
以上説明したように、第二実施形態の三次元モデル生成部322は、複数の画像から新たな三次元モデルを生成するために必要な所定情報を抽出し、抽出した所定情報を予め記憶している車両Cの元モデルM1に反映して新モデルM2を生成する。
【0046】
この構成により、複数の画像により新モデルM2をすべて生成する場合に比べて、車両生産時などにおいて事前に準備され、比較的に精度良く生成しやすい元モデルM1を活用して新モデルM2を生成することができる。その結果、新モデルM2を精度良く生成し、新モデルM2に不自然な凹凸や歪みが生じたりすることを抑制することができる。
【0047】
また、上記所定情報は、車両Cの外装部分に含まれる色の情報を含む。すなわち、上記所定情報は、車両Cの外装部分の部分的な塗装およびステッカーといった部分色の情報を含む。この構成により、比較的に精度良く生成されている元モデルM1を活用しながら、ユーザーによる車両Cの塗装といった部分的な色の変更を反映した新モデルM2を得ることができる。
【0048】
[第三実施形態]
次に、第三実施形態について説明する。
図8は、第三実施形態の自車画像登録システムの一例を示す概略構成図である。第三実施形態の自車画像登録システム3は、第一実施形態の携帯端末10に代えて携帯端末310を備えている。また、自車画像登録システム3は、第一実施形態の三次元モデル生成部22を含むサーバ20に代えて、三次元モデル生成部322を含むサーバ320を備えている。自車画像登録システム3の他の構成は、自車画像登録システム1と同様であるため、同一の構成については同一の符号を付し、説明を省略する。
【0049】
携帯端末310は、第一実施形態の通信装置11および撮像装置12に加えて、三次元情報取得装置13と、三次元モデル取得部14とを備えている。三次元情報取得装置13は、ユーザーの操作により、撮像装置12で撮影された画像内に含まれる物体の三次元情報として、当該物体との距離の情報を取得する。三次元情報取得装置13は、撮像装置12で撮影された画像内に含まれる物体との距離を取得することが可能なものであればよい。三次元情報取得装置13は、例えば、LIDAR(Laser Imaging Detection and Ranging)またはToF(Time of Flight)カメラといった測距センサである。
【0050】
三次元モデル取得部14は、撮像装置12で撮影された複数の画像と、三次元情報取得装置13で取得された物体の三次元情報に基づいて、上記複数の画像に含まれる物体の三次元モデルを取得する。ここでの「三次元モデル」とは、車両部分のみではなく、上記複数の画像に含まれる物体全体を3D点群およびテクスチャで構成したものである。三次元モデル取得部14は、例えば、図示しない外部サーバへと上記複数の画像および物体の三次元情報を送信し、当該外部サーバが周知の手法により生成した三次元モデルを受信して取得すればよい。また、三次元モデル取得部14は、自らが上記複数の画像と三次元情報に基づいて、周知の手法により三次元モデルを生成してもよい。三次元モデル取得部14は、取得した三次元モデルをサーバ320に通信装置11を介して送信する。
【0051】
次に、第三実施形態のサーバ320に含まれる三次元モデル生成部322の機能について、
図9を参照しながら説明する。
図9は、第三実施形態の三次元モデル生成部322により実行される画像登録処理の一例を示す説明図である。
【0052】
三次元モデル生成部322は、携帯端末310から上記三次元モデルを受信すると、三次元モデル中の車両部分の3D点群抽出処理を実行する(ステップS301)。3D点群抽出処理は、例えば、三次元モデルに含まれる車両Cに該当する部分の3D点群を認識することができるように、事前に識別子が付与された点群情報を用いて学習された機械学習モデルを使用し、今回の三次元モデルから車両部分を予測して選択するといった手法で実行されればよい。
【0053】
次に、三次元モデル生成部322は、受信した三次元モデルに基づいて、三次元モデル中の車両部分のテクスチャ抽出処理を実行する(ステップS302)。テクスチャ抽出処理は、例えば、三次元モデルに含まれる車両Cに該当する部分のテクスチャを認識することができるように、事前に識別子が付与されたテクスチャ情報を用いて学習された機械学習モデルを使用し、今回の三次元モデルから車両部分のテクスチャを予測して選択するといった手法で実行されればよい。なお、ステップS301とステップS302とは、いずれが先に実行されてもよく、双方が並列に実行されてもよい。
【0054】
次に、三次元モデル生成部322は、上記抽出した車両部分の3D点群とテクスチャとを合成して車両Cの新モデルM2を生成し(ステップS303)、生成した新モデルM2を車載情報端末30へと送信する(ステップS304)。
【0055】
以上説明したように、第三実施形態の自車画像登録システム3は、撮像装置12を搭載した携帯端末310を備え、携帯端末310は、撮像装置12で撮像された複数の画像に含まれる物体の三次元情報を取得し、三次元情報に基づいて複数の画像に含まれる物体の三次元モデルを取得し、三次元モデル生成部322は、携帯端末310で取得した複数の画像に含まれる物体の三次元モデルから、車両Cに該当する部分を抽出して新モデルM2を生成する。
【0056】
この構成により、撮像装置12で撮影した複数の画像に含まれる物体を三次元モデルとして取得する携帯端末310の機能を有効利用して、新モデルM2を生成することができる。その結果、二次元の画像のみから新モデルM2を生成するよりも、立体をより正確に再現した上で新モデルM2を得ることが可能となる。したがって、新モデルM2を精度良く生成し、新モデルM2に不自然な凹凸や歪みが生じたりすることを抑制することができる。
【0057】
以上で実施形態の説明を終えるが、本発明の態様はこの実施形態に限定されるものではない。例えば、第一実施形態から第三実施形態では、サーバ20、220、320で車両Cの新モデルM2を生成するものとしたが、新モデルM2は、
図10および
図11に示すように、他の装置で生成されてもよい。
【0058】
図10は、変形例の自車画像登録システムの一例を示す概略構成図である。自車画像登録システム4は、図示するように、三次元モデル生成部22を含む車載情報端末430を備え、サーバ20、220、320が省略されている。車載情報端末430は、携帯端末10から車両Cの複数の画像を受信し、受信した複数の画像に基づいて、三次元モデル生成部22が上記
図5に示した処理を実行することで新モデルM2を生成する。
【0059】
また、
図11は、他の変形例の自車画像登録システム5の一例を示す概略構成図である。自車画像登録システム5は、図示するように、三次元モデル生成部22を含む携帯端末510を備え、サーバ20、220、320が省略されている。携帯端末510は、ユーザーの操作により撮影した車両Cの複数の画像に基づいて、三次元モデル生成部22が
図5に示した処理を実行することで新モデルM2を生成し、生成した新モデルM2を車載情報端末30に送信する。
【0060】
以上の
図10、
図11の構成により、車外のサーバ20、220、320を用いることなく、新モデルM2を得ることができる。なお、
図10、11の構成において、三次元モデル生成部22を三次元モデル生成部222としてもよい。また、携帯端末10、510が三次元情報取得装置13と、三次元モデル取得部14とを備え、三次元モデル生成部22を三次元モデル生成部322としてもよい。
【符号の説明】
【0061】
1、2、3、4、5 自車画像登録システム
10、310、510 携帯端末
12 撮像装置
20、220、320 サーバ
22、222、322 三次元モデル生成部
30、430 車載情報端末
C 車両
M1、M2 三次元モデル