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特開2024-115875電源制御装置、スイッチング電源、電子機器、車両
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024115875
(43)【公開日】2024-08-27
(54)【発明の名称】電源制御装置、スイッチング電源、電子機器、車両
(51)【国際特許分類】
   H02M 3/155 20060101AFI20240820BHJP
【FI】
H02M3/155 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023021753
(22)【出願日】2023-02-15
(71)【出願人】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】住友 弘典
【テーマコード(参考)】
5H730
【Fターム(参考)】
5H730BB03
5H730BB13
5H730DD04
5H730EE13
5H730FD21
5H730FG05
5H730FG11
(57)【要約】
【課題】非同期整流方式でも低オンデューティの電流帰還制御を実現する。
【解決手段】スイッチング電源100の制御主体となる電源制御装置120は、ハーフブリッジ出力段110を形成する上側スイッチ素子111のオン期間において上側スイッチ素子111に流れるインダクタ電流IL(=上側インダクタ電流ILH)をサンプル/ホールドすることにより電流帰還信号SNSHを生成するサンプル/ホールド回路127Hと、スイッチング周期Tswで繰り返される上側スイッチ素子111のスイッチングサイクルのうち、或るスイッチングサイクルでサンプル/ホールドされた電流帰還信号SNSHに基づいて次のスイッチングサイクルにおける上側スイッチ素子111のデューティ制御を行う帰還制御回路128(=121~126)と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のスイッチング周期でハーフブリッジ出力段をスイッチングすることによりインダクタに流れるインダクタ電流を駆動して入力電圧から出力電圧を生成するように構成されたスイッチング電源の制御主体となる電源制御装置であって、
前記ハーフブリッジ出力段を形成する上側スイッチ素子のオン期間において前記上側スイッチ素子に流れる前記インダクタ電流をサンプル/ホールドすることにより電流帰還信号を生成するように構成されたサンプル/ホールド回路と、
前記スイッチング周期で繰り返される前記上側スイッチ素子のスイッチングサイクルのうち、或るスイッチングサイクルでサンプル/ホールドされた前記電流帰還信号に基づいて次のスイッチングサイクルにおける前記上側スイッチ素子のデューティ制御を行うように構成された帰還制御回路と、
を備える、電源制御装置。
【請求項2】
前記サンプル/ホールド回路は、前記上側スイッチ素子がオフされる直前のタイミングで前記インダクタ電流をサンプル/ホールドする、請求項1に記載の電源制御装置。
【請求項3】
前記サンプル/ホールド回路は、前記インダクタ電流に応じた電圧信号として前記上側スイッチ素子の両端間電圧をサンプル/ホールドする、請求項1に記載の電源制御装置。
【請求項4】
前記サンプル/ホールド回路は、前記インダクタ電流に応じた電圧信号として前記インダクタ電流が流れる電流経路に設けられたセンス抵抗の両端間電圧をサンプル/ホールドする、請求項1に記載の電源制御装置。
【請求項5】
前記帰還制御回路は、
前記出力電圧又はこれに応じた帰還電圧と所定の基準電圧との差分に応じた誤差信号を生成するように構成されたエラーアンプと、
スロープ信号を生成するように構成されたスロープ信号生成回路と、
前記スロープ信号と前記電流帰還信号又は前記誤差信号とを足し合わせて加算信号を生成するように構成された加算回路と、
前記誤差信号又は前記電流帰還信号と前記加算信号とを比較して比較信号を生成するように構成されたコンパレータと、
前記比較信号に応じて前記ハーフブリッジ出力段の駆動信号を生成するように構成されたフリップフロップと、
を含む、請求項1に記載の電源制御装置。
【請求項6】
前記スロープ信号のスロープ開始タイミングは、前記上側スイッチ素子のオンタイミングよりも前となるように設定されている、請求項5に記載の電源制御装置。
【請求項7】
前記ハーフブリッジ出力段を形成する下側スイッチ素子は、ダイオードである、請求項1に記載の電源制御装置。
【請求項8】
前記帰還制御回路及び前記サンプル/ホールド回路は、いずれも半導体装置に集積化されている、請求項1に記載の電源制御装置。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載の電源制御装置を備える、スイッチング電源。
【請求項10】
電源電圧から第1出力電圧を生成するように構成されたプライマリ電源と、
前記第1出力電圧から第2出力電圧を生成するように構成されたセカンダリ電源と、
を備え、
前記プライマリ電源は、請求項9に記載のスイッチング電源を含む、電子機器。
【請求項11】
請求項10に記載の電子機器を備える、車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電源制御装置、スイッチング電源、電子機器及び車両に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、様々なアプリケーションの電源手段として、入力電圧から所望の出力電圧を生成するスイッチング電源(いわゆるDC/DCコンバータ)が用いられている。
【0003】
なお、上記に関連する従来技術の一例としては、本願出願人による特許文献1を挙げることができる。特許文献1では、ハーフブリッジ出力段の下側スイッチ素子に流れる電流をサンプル/ホールドして検出する電流帰還システムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2019/244374号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のスイッチング電源(特にこれに用いられる電源制御装置)では、非同期整流方式による低オンデューティの電流帰還制御について検討の余地があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書中に開示されている電源制御装置は、所定のスイッチング周期でハーフブリッジ出力段をスイッチングすることによりインダクタに流れるインダクタ電流を駆動して入力電圧から出力電圧を生成するように構成されたスイッチング電源の制御主体となる電源制御装置であって、前記ハーフブリッジ出力段を形成する上側スイッチ素子のオン期間において前記上側スイッチ素子に流れる前記インダクタ電流をサンプル/ホールドすることにより電流帰還信号を生成するように構成されたサンプル/ホールド回路と、前記スイッチング周期で繰り返される前記上側スイッチ素子のスイッチングサイクルのうち、或るスイッチングサイクルでサンプル/ホールドされた前記電流帰還信号に基づいて次のスイッチングサイクルにおける前記上側スイッチ素子のデューティ制御を行うように構成された帰還制御回路と、を備える。
【0007】
なお、その他の特徴、要素、ステップ、利点、及び、特性については、以下に続く発明を実施するための形態及びこれに関する添付の図面によって、さらに明らかとなる。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、非同期整流方式でも低オンデューティの電流帰還制御を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、スイッチング電源の第1実施形態(比較例)を示す図である。
図2図2は、スイッチング電源の第2実施形態を示す図である。
図3図3は、サンプル/ホールド動作の一例を示す図である。
図4図4は、上側サンプル/ホールド回路の一構成例を示す図である。
図5図5は、電流帰還制御の第1例(比較例)を示す図である。
図6図6は、電流帰還制御の第2例を示す図である。
図7図7は、電子機器の一構成例を示す図である。
図8図8は、車両の外観を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<スイッチング電源(第1実施形態)>
図1は、スイッチング電源の第1実施形態(=後出の第2実施形態と対比される比較例に相当)を示す図である。本実施形態のスイッチング電源100は、入力電圧VINから所望の出力電圧VOUTを生成する降圧型のDC/DCコンバータである。本図に即して述べると、スイッチング電源100は、スイッチング出力回路110と、電源制御装置120と、を備える。
【0011】
スイッチング出力回路110は、出力トランジスタ111と、同期整流トランジスタ112と、インダクタ113と、を含む。
【0012】
出力トランジスタ111は、ハーフブリッジ出力段を形成する上側スイッチ素子として機能する。出力トランジスタ111は、例えば、PMOSFET[P-channel type metal oxide semiconductor field effect transistor]であってもよい。出力トランジスタ111のソースは、入力電圧VINの印加端に接続されている。出力トランジスタ111のドレインは、スイッチ電圧SWの印加端に接続されている。出力トランジスタ111のゲートは、ゲート駆動信号SGの印加端に接続されている。出力トランジスタ111は、ゲート駆動信号SGがハイレベルであるときにオフ状態となり、ゲート駆動信号SGがローレベルであるときにオン状態となる。
【0013】
同期整流トランジスタ112は、ハーフブリッジ出力段を形成する下側スイッチ素子として機能する。なお、同期整流トランジスタ112は、NMOSFET[N-channel type MOSFET]であってもよい。同期整流トランジスタ112のソースは、接地電圧GNDの印加端(=接地端)に接続されている。同期整流トランジスタ112のドレインは、スイッチ電圧SWの印加端に接続されている。同期整流トランジスタ112のゲートは、ゲート駆動信号SGの印加端に接続されている。同期整流トランジスタ112は、ゲート駆動信号SGがハイレベルであるときにオン状態となり、ゲート駆動信号SGがローレベルであるときにオフ状態となる。
【0014】
出力トランジスタ111と同期整流トランジスタ112は、ゲート駆動信号SGに応じて所定のスイッチング周期Tswで相補的にオン/オフされる。このようなオン/オフ動作により、出力トランジスタ111と同期整流トランジスタ112との接続ノード(=ハーフブリッジ出力段の出力端に相当)には、入力電圧VINと接地電圧GNDとの間でパルス駆動される矩形波状のスイッチ電圧SWが生成される。
【0015】
なお、上記の「相補的」という文言は、出力トランジスタ111と同期整流トランジスタ112のオン/オフ状態が完全に逆転している場合だけでなく、両トランジスタの同時オフ期間(デッドタイム)が設けられている場合も含む。
【0016】
インダクタ113の第1端は、スイッチ電圧SWの印加端に接続されている。インダクタ113の第2端は、出力電圧VOUTの印加端に接続されている。このように接続されたインダクタ113は、不図示のキャパシタと共に、スイッチ電圧SWを整流及び平滑して出力電圧VOUTを生成するLCフィルタを形成する。
【0017】
このように、スイッチング電源100は、所定のスイッチング周期Tswでハーフブリッジ出力段(すなわち出力トランジスタ111及び同期整流トランジスタ112)を相補的にスイッチングすることにより、インダクタ113に流れるインダクタ電流ILを駆動して入力電圧VINから出力電圧VOUTを生成する。
【0018】
なお、出力トランジスタ111をNMOSFETに置換することもできる。ただし、その場合には、ゲート駆動信号SGのハイレベルを入力電圧VINよりも高い電圧値まで引き上げるために、ブートストラップ回路又はチャージポンプ回路が必要となる。
【0019】
特に、スイッチング出力回路110に対して高電圧が印加される場合には、出力トランジスタ111及び同期整流トランジスタ112として、それぞれ、パワーMOSFET、IGBT[insulated gate bipolar transistor]、及び、SiCトランジスタなどの高耐圧素子が用いられるとよい。また、出力トランジスタ111及び同期整流トランジスタ112として、それぞれ、GaNデバイスが用いられてもよい。
【0020】
電源制御装置120は、スイッチング電源100の制御主体となる半導体装置(いわゆる電源IC[integrated circuit])である。本図に即して述べると、電源制御装置120は、基準電圧生成回路121と、エラーアンプ122と、スロープ信号生成回路123と、加算回路124と、コンパレータ125と、RSフリップフロップ126と、下側サンプル/ホールド回路127Lと、を含む。
【0021】
なお、基準電圧生成回路121、エラーアンプ122、スロープ信号生成回路123、加算回路124、コンパレータ125、及び、RSフリップフロップ126は、出力電圧VOUTが目標値と一致するようにスイッチング出力回路110のデューティ制御を行う帰還制御回路128の構成要素として理解され得る。
【0022】
基準電圧生成回路121は、所定の基準電圧REF(=出力電圧VOUTの目標設定値に相当)を生成する。なお、基準電圧生成回路121は、デジタルの基準電圧設定信号をアナログの基準電圧REFに変換するDAC[digital-to-analog converter]であってもよい。このような構成であれば、上記の基準電圧設定信号を用いて、起動時のソフトスタート動作を実現したり、出力電圧VOUTを調整したりすることが可能となる。
【0023】
エラーアンプ122は、反転入力端(-)に印加される出力電圧VOUTと、非反転入力端(+)に印加される基準電圧REFとの差分に応じた誤差信号VCを生成する。誤差信号VCは、出力電圧VOUTが基準電圧REFよりも低いときに上昇し、出力電圧VOUTが基準電圧REFよりも高いときに低下する。
【0024】
なお、出力電圧VOUTがエラーアンプ122の入力ダイナミックレンジに収まらない場合には、出力電圧VOUTに応じた帰還電圧VFB(例えば出力電圧VOUTの分圧電圧)がエラーアンプ122に入力されてもよい。
【0025】
スロープ信号生成回路123は、出力トランジスタ111のオン期間Tonに上昇する三角波状、鋸波状、又は、n次スロープ波状(例えばn=2)のスロープ信号SLPを生成する。なお、スロープ信号SLPは、例えば、出力トランジスタ111のオンタイミングでゼロ値から上昇を開始し、出力トランジスタ111のオフタイミングでゼロ値にリセットされてもよい。
【0026】
加算回路124は、スロープ信号SLPと下側電流帰還信号SNSLとを足し合わせて加算信号ADD(=SLP+SNSL)を生成する。
【0027】
コンパレータ125は、出力トランジスタ111のオン期間Tonにおいて、反転入力端(-)に入力される誤差信号VCと、非反転入力端(+)に入力される加算信号ADDとを比較して比較信号CMPを生成する。比較信号CMPは、加算信号ADDが誤差信号VCよりも低いときにローレベルとなり、加算信号ADDが誤差信号VCよりも高いときにハイレベルとなる。すなわち、比較信号CMPがローレベルからハイレベルに立ち上がるタイミングは、誤差信号VCが高いほど遅くなり、誤差信号VCが低いほど早くなる。
【0028】
RSフリップフロップ126は、セット端(S)に入力されるクロック信号CLKと、リセット端(R)に入力される比較信号CMPに応じて、反転出力端(Qバー)から出力されるゲート駆動信号SGの論理レベルを切り替える。なお、クロック信号CLKは、所定のスイッチング周波数fsw(=1/Tsw)でパルス駆動される矩形波信号である。
【0029】
具体的に述べると、RSフリップフロップ126は、クロック信号CLKにパルスが生成されたときに、ゲート駆動信号SGをローレベル(=スイッチ電圧SWをハイレベルとするときの論理レベル)にセットする。一方、RSフリップフロップ126は、比較信号CMPにパルスが生成されたときに、ゲート駆動信号SGをハイレベル(=スイッチ電圧SWをローレベルとするときの論理レベル)にリセットする。
【0030】
このように、出力トランジスタ111のオフタイミングは、比較信号CMPに応じて決定される。従って、出力トランジスタ111のオン期間Ton(=スイッチ電圧SWのハイレベル期間)は、比較信号CMPのパルス生成タイミングが遅いほど長くなり、逆に、比較信号CMPのパルス生成タイミングが早いほど短くなる。すなわち、出力トランジスタ111のオンデューティDon(=Ton/Tsw)は、誤差信号VCが高いほど大きくなり、誤差信号VCが低いほど小さくなる。
【0031】
下側サンプル/ホールド回路127Lは、同期整流トランジスタ112のオン期間(=出力トランジスタ111のオフ期間Toff)において、同期整流トランジスタ112に流れるインダクタ電流IL(=下側インダクタ電流ILL)をサンプル/ホールドすることにより、下側電流帰還信号SNSLを生成する。
【0032】
なお、下側サンプル/ホールド回路127Lは、下側インダクタ電流ILLに応じた電圧信号として、同期整流トランジスタ112の両端間電圧、すなわち、ドレイン・ソース間電圧VdsL(=SW-GND)を検出してもよい。
【0033】
本実施形態のスイッチング電源100であれば、電流モード制御方式の出力帰還制御を実現することができる。従って、電圧モード制御方式の出力帰還制御と比べて、出力電圧VOUTの応答特性を高めることが可能となる。
【0034】
特に、本実施形態のスイッチング電源100では、出力トランジスタ111に流れるインダクタ電流IL(=上側インダクタ電流ILH)ではなく、同期整流トランジスタ112に流れるインダクタ電流IL(=下側インダクタ電流ILL)を検出する構成が採用されている。本構成によれば、出力トランジスタ111のオン期間が短くなる場合(例えば高電圧入力時又は低電圧出力時)であっても、電流モード制御方式の出力帰還制御を支障なく実施することが可能となる。
【0035】
<電流帰還制御に関する考察>
近年、降圧DC/DCコンバータの電力密度向上を実現するための先進技術として、本願出願人は、極めて低いオンデューティDonを設定することのできる超高速パルス制御テクノロジー(Nano Pulse Control(登録商標))を提案している。なお、上記のオンデューティDonは、スイッチング周期Tswに占める出力トランジスタN1のオン期間Tonの比率(=Ton/Tsw)として定義される。
【0036】
また、近年の電源IC市場における大電力要求に対するアプローチとして、GaNデバイスが台頭してきている。例えば、GaNデバイスは、先出の出力トランジスタ111及び同期整流トランジスタ112として用いられる。なお、GaNデバイスのゲート・ソース間耐圧は、一般に10V以下である。
【0037】
例えば、上記の超高速パルス制御テクノロジーにより、GaNデバイスを用いた出力トランジスタ111の駆動制御が行われる場合、出力トランジスタ111のオン期間Tonは、その最小値が20ns未満(数ns~20ns)に設定され得る。
【0038】
このように、降圧比が大きく発振周波数が高いスイッチング電源100を実現するためには、非常に短いオン期間Tonの設定が必要となる。また、電流帰還制御(いわゆるカレントモード制御)を行うためには、インダクタ電流ILの検出も必要となる。
【0039】
そこで、第1実施形態のスイッチング電源100では、オン期間Tonよりも長いオフ期間Toff(=同期整流トランジスタ112のオン期間)において、同期整流トランジスタ112に流れるインダクタ電流IL(=下側インダクタ電流ILL)がサンプル/ホールドされ、そのホールド値を用いて電流帰還制御が行われる。
【0040】
ただし、上記の電流帰還制御では、ハーフブリッジ出力段を形成する下側スイッチ素子として同期整流トランジスタ112が必須となる。そのため、下側スイッチ素子としてダイオードを用いる非同期整流方式のスイッチング電源100では、低オンデューティの電流帰還制御が困難である。
【0041】
上記の考察に鑑み、以下では、非同期整流方式でも低オンデューティの電流帰還制御を実現することのできる新規な実施形態を提案する。
【0042】
<スイッチング電源(第2実施形態)>
図2は、スイッチング電源の第2実施形態を示す図である。本実施形態のスイッチング電源100は、先出の第1実施形態(図1)を基本としつつ、下側サンプル/ホールド回路127Lに代えて上側サンプル/ホールド回路127Hを備える。また、本実施形態のスイッチング電源100は、先出の同期整流トランジスタ112に代えてダイオード114(例えば外付けのショットキーバリアダイオード)を備える。
【0043】
なお、帰還制御回路128及び上側サンプル/ホールド回路127Hは、いずれも半導体装置(=電源制御装置120)に集積化されてもよい。
【0044】
以下では、既出の構成要素に図1と同一の符号を付すことで重複した説明を省略し、本実施形態の特徴部分について重点的に説明する。
【0045】
上側サンプル/ホールド回路127Hは、出力トランジスタ111のオン期間Tonにおいて、出力トランジスタ111に流れるインダクタ電流IL(=上側インダクタ電流ILH)をサンプル/ホールドすることにより、上側電流帰還信号SNSHを生成する。
【0046】
例えば、上側サンプル/ホールド回路127Hは、出力トランジスタ111がオフされる直前のタイミングで上側インダクタ電流ILHをサンプル/ホールドしてもよい。
【0047】
なお、上側サンプル/ホールド回路127Hは、上側インダクタ電流ILHに応じた電圧信号として、出力トランジスタ111の両端間電圧、すなわち、ドレイン・ソース間電圧VdsH(=VIN-SW)を検出してもよい。
【0048】
また、上側サンプル/ホールド回路127Hは、上側インダクタ電流ILHに応じた電圧信号として、上側インダクタ電流ILHが流れる電流経路に設けられたセンス抵抗Rs(不図示)の両端間電圧VsH(=Rs×ILH)を検出してもよい。
【0049】
加算回路124は、スロープ信号SLPと上側電流帰還信号SNSHとを足し合わせて加算信号ADD(=SLP+SNSH)を生成する。
【0050】
すなわち、帰還制御回路128は、先出の下側電流帰還信号SNSL(図1)に代えて上側電流帰還信号SNSHの入力を受け付けることにより、電流モード制御方式の出力帰還制御を実現する。
【0051】
図3は、サンプル/ホールド動作の一例を示す図である。本図では、上から順に、スイッチ電圧SW、インダクタ電流IL、上側電流帰還信号SNSH、スロープ信号SLP、誤差信号VC、加算信号ADD、及び、比較信号CMPが描写されている。
【0052】
本図で示されるように、帰還制御回路128は、スイッチング周期Tswで繰り返される出力トランジスタ111のスイッチングサイクルのうち、或るスイッチングサイクルでサンプル/ホールドされた上側電流帰還信号SNSHに基づいて、次のスイッチングサイクルにおける出力トランジスタ111のデューティ制御を行うとよい。
【0053】
本構成であれば、或るスイッチングサイクルで上側インダクタ電流ILHのサンプル/ホールド処理が行われた後、次のスイッチングサイクルが始まる前に誤差信号VCと加算信号ADD(=SLP+SNSH)との比較処理が実施され得る。従って、ゲート駆動信号SGに極めて細いパルス(=非常に短いオン期間Ton)が生成可能となる。
【0054】
なお、上側インダクタ電流ILHのサンプル/ホールド処理は、上記のオン期間Ton内に完了されなければならない。ただし、出力トランジスタ111として低オン抵抗品が用いられる場合には、サンプリング対象のドレイン・ソース間電圧VdsHが非常に低くなる。また、上側サンプル/ホールド回路127Hを形成するキャパシタが集積化される場合には、同キャパシタが極めて小容量(数pF)となる。従って、ドレイン・ソース間電圧VdsHのサンプル/ホールド処理に要する時間は、数nsにも満たず、オン期間Ton内に十分収まる。
【0055】
このように、本実施形態のスイッチング電源100では、ハーフブリッジ出力段の上側スイッチ素子(=出力トランジスタ111)からインダクタ電流情報が得られる。そのため、ハーフブリッジ出力段の下側スイッチ素子は、同期整流トランジスタ112に限定されない。例えば、本図で示されるように、ハーフブリッジ出力段の下側スイッチ素子としては、ダイオード114が用いられてもよい。すなわち、ハーフブリッジ出力段の整流方式としては、先出の同期整流方式だけでなく、非同期整流方式(=ダイオード整流方式)も採用され得る。
【0056】
その結果、同期整流方式はもちろん、非同期整流方式であっても低オンデューティの電流帰還制御が実現可能となる。特に、帰還制御回路128は、同期整流方式及び非同期整流方式のいずれにも適用可能な共通のコアとして設計され得る。従って、電源制御装置120は、1つのコアを用いて柔軟に構成が変えられる。
【0057】
また、同期整流方式では、一般に、出力トランジスタ111及び同期整流トランジスタ112が電源制御装置120(=半導体装置)に内蔵される。この場合、電源制御装置120には、出力トランジスタ111の発熱だけでなく、同期整流トランジスタ112の発熱が取り込まれる。当然のことながら、インダクタ電流ILが大きいほど出力トランジスタ111及び同期整流トランジスタ112の発熱量も大きくなる。従って、大電流を取り扱う上で同期整流方式が不利となり得る。
【0058】
一方、非同期整流方式では、一般に、ダイオード114が電源制御装置120(=半導体装置)に外付けされる。そのため、上記の同期整流方式と比べて電源制御装置120の発熱源が減る。これを鑑みると、より大きなインダクタ電流ILを取り扱うためには、同期整流方式よりも非同期整流方式を採用することが望ましいと言える。
【0059】
なお、特許文献1(特に図9及び図10)では、下側電流帰還信号SNSNがサンプル/ホールドされた後、ホールド用のキャパシタに対して上側インダクタ電流に比例する電流が流し込まれている。ただし、このような信号処理は、あくまでスロープ生成のためであり、上側インダクタ電流がサンプル/ホールドされているわけではない。
【0060】
<上側サンプル/ホールド回路>
図4は、上側サンプル/ホールド回路127Hの一構成例を示す図である。本構成例の上側サンプル/ホールド回路127Hは、キャパシタC1及びC2と、スイッチSW1及びSW2と、を含む。
【0061】
キャパシタC1の第1端は、出力トランジスタ111のソースに接続されている。キャパシタC1の第2端は、スイッチSW1の第1端に接続されている。スイッチSW1の第2端は、出力トランジスタ111のドレインに接続されている。
【0062】
キャパシタC2の第1端は、出力トランジスタ111のソースに接続されている。キャパシタC2の第2端は、スイッチSW2の第1端に接続されている。スイッチSW2の第2端は、キャパシタC1の第2端とスイッチSW1の第1端に接続されている。
【0063】
スイッチSW1は、ゲート駆動信号SGに応じてオン/オフされる。例えば、スイッチSW1は、ゲート駆動信号SGがローレベルであるときにオン状態となる。また、スイッチSW1は、ゲート駆動信号SGがハイレベルであるときにオフ状態となる。
【0064】
スイッチSW2は、反転ゲート駆動信号SGB(=ゲート駆動信号SGの論理レベルが反転された信号)に応じてオン/オフされる。例えば、スイッチSW2は、反転ゲート駆動信号SGBがローレベルであるときにオン状態となる。また、スイッチSW2は、反転ゲート駆動信号SGBがハイレベルであるときにオフ状態となる。
【0065】
このように、2段構成の上側サンプル/ホールド回路127Hであれば、仮に出力トランジスタ111のオン抵抗が高い場合でも、上側電流帰還信号SNSHを支障なくサンプル/ホールドすることが可能となる。
【0066】
<電流帰還制御(対比説明)>
図5は、電流帰還制御の第1例(=上側インダクタ電流ILHのサンプル/ホールド処理が実施されない一般的な比較例)を示す図である。本図では、上から順に、クロック信号CLK、スイッチ電圧SW、スイッチ電圧SWのハイレベル抽出信号SW_H、誤差信号VC(破線)、比較信号CMP、及び、インダクタ電流ILが描写されている。
【0067】
なお、ハイレベル抽出信号SW_Hは、スイッチ電圧SWのハイレベル(=VIN-VdsH)のみが抽出された信号である。ハイレベル抽出信号SW_Hは、スイッチ電圧SWがローレベル期間(=時刻t12~t13、時刻t14~)において、入力電圧VINにプルアップされてもよい。
【0068】
時刻t11において、クロック信号CLKにパルスが生成されると、出力トランジスタ111がオン状態となり、スイッチ電圧SWがハイレベルに立ち上がる。このとき、上側インダクタ電流ILHの増大に伴い、ハイレベル抽出信号SW_Hが低下していく。
【0069】
時刻t12において、ハイレベル抽出信号SW_Hが誤差信号VCを下回ると、比較信号CMPがハイレベルに立ち上がる。その結果、出力トランジスタ111がオフ状態となり、スイッチ電圧SWがローレベルに立ち下がる。時刻t12以降も、基本的に上記と同様の信号処理が繰り返される。
【0070】
ところで、出力トランジスタ111がオン状態に切り替えられた直後には、スイッチ電圧SWにリンギングが生じ得る。そこで、スイッチ電圧SWがハイレベルに立ち上がってから所定のマスク期間Tmaskが経過するまでの間、ハイレベル抽出信号SW_Hと誤差信号VCとの比較処理が無効とされる。そのため、本図の電流帰還制御では、スイッチ電圧SWのハイレベル期間をマスク期間Tmaskよりも短く設定することができない。
【0071】
図6は、電流帰還制御の第2例(=上側インダクタ電流ILHのサンプル/ホールド処理が実施される例)を示す図である。本図では、上から順に、クロック信号CLK、スイッチ電圧SW、スイッチ電圧SWのハイレベル抽出信号SW_H、上側電流帰還信号SNSH(小破線)、誤差信号VC(大破線)、比較信号CMP、及び、インダクタ電流ILが描写されている。
【0072】
なお、クロック信号CLKのうち、丸印が付された矢印は、スロープ信号SLPの上昇開始トリガを示している。また、誤差信号VCには、スロープ信号SLPが足し合わされる区間(時刻t21~t23、時刻t24~26、時刻t27~t29、及び、時刻t2A~t2C)が存在する。
【0073】
すなわち、本図の電流帰還制御では、先出の第2実施形態(図2)と異なり、誤差信号VCと加算信号ADD(=SLP+SNSH)との比較処理ではなく、上側電流帰還信号SNSHと加算信号ADD’(=VC+SLP)との比較処理が行われる。ただし、その技術的意義は、何ら変わるところはない。
【0074】
時刻t22において、クロック信号CLKにパルスが生成されると、出力トランジスタ111がオン状態となり、スイッチ電圧SWがハイレベルに立ち上がる。このとき、上側インダクタ電流ILHの増大に伴い、ハイレベル抽出信号SW_Hが低下していく。
【0075】
時刻t23において、誤差信号VC(+SLP)が上側電流帰還信号SNSHを上回ると、比較信号CMPがハイレベルに立ち上がる。その結果、出力トランジスタ111がオフ状態となり、スイッチ電圧SWがローレベルに立ち下がる。時刻t23以降も、基本的に上記と同様の信号処理が繰り返される。
【0076】
なお、上側電流帰還信号SNSHは、例えば、比較信号CMPのパルス生成タイミング(=スイッチ電圧SWがローレベルに立ち下げられる直前のタイミング)でホールド(更新)されてもよい。
【0077】
また、本図において、スロープ信号SLPのスロープ開始タイミングは、出力トランジスタ111のオンタイミング(=スイッチ電圧SWの立ち上がりタイミング)よりも前となるように設定されている。このような信号処理を行うことにより、スイッチ電圧SWのハイレベル期間(=出力トランジスタ111のオン期間Ton)を極めて短く設定することが可能となる。ただし、スロープ信号SLPのスロープ開始タイミングは、出力トランジスタ111のオンタイミングと一致されていてもよい。
【0078】
<電子機器>
図7は、電子機器の一構成例を示す図である。本構成例の電子機器10は、バッテリ20から電源電圧VB(例えば12~48V)の供給を受けて動作する。本図に即して述べると、電子機器10は、プライマリ電源11と、セカンダリ電源12と、負荷13及び14と、を備える。電子機器10は、例えば、車載機器であってもよい。
【0079】
プライマリ電源11は、バッテリ20から供給される電源電圧VBを降圧して第1出力電圧V1(例えば5V)を生成する。第1出力電圧V1は、例えば、負荷13及びセカンダリ電源12に出力される。このように、降圧比が高く高周波駆動が要求されるプライマリ電源11としては、先出のスイッチング電源100(図1及び図2)が好適である。
【0080】
セカンダリ電源12は、プライマリ電源11から供給される第1出力電圧V1を降圧又は昇圧して第2出力電圧V2(例えば3.3V)を生成する。第2出力電圧V2は、例えば負荷14に出力される。
【0081】
<車両への適用>
図8は、車両の外観を示す図である。本構成例の車両Xは、バッテリから電力供給を受けて動作する種々の電子機器を搭載している。
【0082】
車両Xには、エンジン車のほか、電動車(BEV[battery electric vehicle]、HEV[hybrid electric vehicle]、PHEV/PHV(plug-in hybrid electric vehicle/plug-in hybrid vehicle]、又は、FCEV/FCV(fuel cell electric vehicle/fuel cell vehicle]などのxEV)も含まれる。
【0083】
なお、先に説明したスイッチング電源100は、車両Xに搭載される電子機器のいずれにも組み込むことが可能である。
【0084】
<付記>
以下では、上記で説明した種々の実施形態について総括的に述べる。
【0085】
本明細書中に開示されている電源制御装置は、所定のスイッチング周期でハーフブリッジ出力段をスイッチングすることによりインダクタに流れるインダクタ電流を駆動して入力電圧から出力電圧を生成するように構成されたスイッチング電源の制御主体となる電源制御装置であって、前記ハーフブリッジ出力段を形成する上側スイッチ素子のオン期間において前記上側スイッチ素子に流れる前記インダクタ電流をサンプル/ホールドすることにより電流帰還信号を生成するように構成されたサンプル/ホールド回路と、前記スイッチング周期で繰り返される前記上側スイッチ素子のスイッチングサイクルのうち、或るスイッチングサイクルでサンプル/ホールドされた前記電流帰還信号に基づいて次のスイッチングサイクルにおける前記上側スイッチ素子のデューティ制御を行うように構成された帰還制御回路と、を備える構成(第1の構成)とされている。
【0086】
なお、上記第1の構成による電源制御装置において、前記サンプル/ホールド回路は、前記上側スイッチ素子がオフされる直前のタイミングで前記インダクタ電流をサンプル/ホールドする構成(第2の構成)としてもよい。
【0087】
また、上記第1又は第2の構成による電源制御装置において、前記サンプル/ホールド回路は、前記インダクタ電流に応じた電圧信号として前記上側スイッチ素子の両端間電圧をサンプル/ホールドする構成(第2の構成)としてもよい。
【0088】
また、上記第1又は第2の構成による電源制御装置において、前記サンプル/ホールド回路は、前記インダクタ電流に応じた電圧信号として前記インダクタ電流が流れる電流経路に設けられたセンス抵抗の両端間電圧をサンプル/ホールドする構成(第3の構成)としてもよい。
【0089】
また、上記第1~第4いずれかの構成による電源制御装置において、前記帰還制御回路は、前記出力電圧又はこれに応じた帰還電圧と所定の基準電圧との差分に応じた誤差信号を生成するように構成されたエラーアンプと、スロープ信号を生成するように構成されたスロープ信号生成回路と、前記スロープ信号と前記電流帰還信号又は前記誤差信号とを足し合わせて加算信号を生成するように構成された加算回路と、前記誤差信号又は前記電流帰還信号と前記加算信号とを比較して比較信号を生成するように構成されたコンパレータと、前記比較信号に応じて前記ハーフブリッジ出力段の駆動信号を生成するように構成されたフリップフロップとを含む構成(第5の構成)としてもよい。
【0090】
また、上記第5の構成による電源制御装置において、前記スロープ信号のスロープ開始タイミングは、前記上側スイッチ素子のオンタイミングよりも前となるように設定されている構成(第6の構成)としてもよい。
【0091】
上記第1~第6いずれかの構成による電源制御装置において、前記ハーフブリッジ出力段を形成する下側スイッチ素子は、ダイオードである構成(第7の構成)としてもよい。
【0092】
なお、上記第1~第7いずれかの構成による電源制御装置において、前記帰還制御回路及び前記サンプル/ホールド回路は、いずれも半導体装置に集積化されている構成(第8の構成)としてもよい。
【0093】
また、例えば、本明細書中に開示されているスイッチング電源は、上記第1~8いずれかの構成による電源制御装置を備える構成(第9の構成)とされている。
【0094】
また、例えば、本明細書中に開示されている電子機器は、電源電圧から第1出力電圧を生成するように構成されたプライマリ電源と、前記第1出力電圧から第2出力電圧を生成するように構成されたセカンダリ電源と、を備え、前記プライマリ電源は、上記第9の構成によるスイッチング電源を含む構成(第10の構成)とされている。
【0095】
また、例えば、本明細書中に開示されている車両は、上記第10の構成による電子機器を備える構成(第11の構成)とされている。
【0096】
<その他>
なお、本明細書中に開示されている種々の技術的特徴は、上記実施形態のほか、その技術的創作の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。すなわち、上記実施形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。また、本開示の技術的範囲は、特許請求の範囲により規定されるものであって、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内に属する全ての変更が含まれると理解されるべきである。
【符号の説明】
【0097】
10 電子機器
11 プライマリ電源
12 セカンダリ電源
13、14 負荷
20 バッテリ
100 スイッチング電源
110 スイッチング出力回路
111 出力トランジスタ(PMOSFET)
112 同期整流トランジスタ(NMOSFET)
113 インダクタ
114 ダイオード
120 電源制御装置
121 基準電圧生成回路
122 エラーアンプ
123 スロープ信号生成回路
124 加算回路
125 コンパレータ
126 RSフリップフロップ
127H 上側サンプル/ホールド回路
127L 下側サンプル/ホールド回路
128 帰還制御回路
C1、C2 キャパシタ
SW1、SW2 スイッチ
X 車両
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8