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特開2024-115884建具用形材、建具及び建具用形材の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024115884
(43)【公開日】2024-08-27
(54)【発明の名称】建具用形材、建具及び建具用形材の製造方法
(51)【国際特許分類】
   E06B 5/16 20060101AFI20240820BHJP
【FI】
E06B5/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023021770
(22)【出願日】2023-02-15
(71)【出願人】
【識別番号】390005267
【氏名又は名称】YKK AP株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】本間 卓
(72)【発明者】
【氏名】村越 輝道
【テーマコード(参考)】
2E239
【Fターム(参考)】
2E239CA02
2E239CA22
2E239CA27
2E239CA46
2E239CA47
2E239CA63
2E239CA64
(57)【要約】
【課題】一定の防火性能を得ること。
【解決手段】外召し合わせ框23Aは、流動状態で塗布されて硬化された第5框熱膨張性部材H25及び第6框熱膨張性部材H26と、予め成形された状態で装着された第7框熱膨張性部材H27とを備え、第5框熱膨張性部材H25、第6框熱膨張性部材H26、第7框熱膨張性部材H27は互いに同一の組成である。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流動状態で塗布されて硬化された塗布型熱膨張性部材と、予め成形された状態で装着された装着型熱膨張性部材とを備え、前記塗布型熱膨張性部材及び前記装着型熱膨張性部材が互いに同一の組成であることを特徴とする建具用形材。
【請求項2】
接着によって前記装着型熱膨張性部材が保持されていることを特徴とする請求項1に記載の建具用形材。
【請求項3】
押え部材によって前記装着型熱膨張性部材が保持されていることを特徴とする請求項1に記載の建具用形材。
【請求項4】
表面に開口する収容部が設けられ、前記装着型熱膨張性部材が前記収容部に収容されていることを特徴とする請求項1に記載の建具用形材。
【請求項5】
前記収容部の開口縁部には、前記装着型熱膨張性部材の表面に対向配置される押え片が一体成形されていることを特徴とする請求項4に記載の建具用形材。
【請求項6】
前記塗布型熱膨張性部材及び前記装着型熱膨張性部材は、それぞれ湿気硬化型の樹脂材に膨張黒鉛を含んで構成されていることを特徴とする請求項1に記載の建具用形材。
【請求項7】
請求項1~請求項6のいずれか一つに記載された建具用形材を備えて枠状構造体が構成されていることを特徴とする建具。
【請求項8】
複数の形材を相互に連結することによって構成された枠状構造体を備える建具であって、
前記枠状構造体を構成する形材は、
流動状態で塗布されて硬化された塗布型熱膨張性部材を備える第一形材と、
予め成形された状態で装着された装着型熱膨張性部材を備える第二形材と
を含み、前記塗布型熱膨張性部材及び前記装着型熱膨張性部材が互いに同一の組成であることを特徴とする建具。
【請求項9】
表面に流動状態の熱膨張性部材を塗布して硬化させる工程と、
前記熱膨張性部材と同一の組成で予め成形された熱膨張性部材を装着する工程と
を含むことを特徴とする建具用形材の製造方法。
【請求項10】
表面に予め成形された熱膨張性部材を装着する工程と、
前記熱膨張性部材と同一の組成で流動状態の熱膨張性部材を塗布して硬化させる工程と
を含むことを特徴とする建具用形材の製造方法。
【請求項11】
前記熱膨張性部材を加熱して流動状態とすることを特徴とする請求項9または請求項10に記載の建具用形材の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防火性を考慮した建具用形材、建具及び建具用形材の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今の建具には、高い防火性が要求されている。このため、建具には、枠や框、あるいはこれら枠や框の内部に設けられる補強材等の建具用形材として、表面に流動状態の熱膨張性部材を塗布して硬化させるようにしたものも提供されている。この種の建具では、火災時等において高温に晒されると、熱膨張性部材が加熱により膨張し、枠と框との間の隙間、あるいは枠や框の中空部が閉塞される。この結果、室内外において火炎の貫通口が生じる事態が防止され、防火性の向上を図ることができるようになる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-123920号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、表面に流動状態の熱膨張性部材を塗布するには、熱膨張性部材を貯留する設備、貯留された熱膨張性部材を塗布工程まで供給する設備、供給された熱膨張性部材を塗布するための設備等々、大型の設備を要する。このため、塗布型熱膨張性部材を取り扱うには、大きな作業スペースが必要となるばかりでなく、建具用形材を大量に製造することによって設備コストを回収する必要がある。従って、上述の条件をクリアすることが困難である場合には、予め成形された熱膨張性部材を装着することが行われている。
【0005】
ここで、例えば予め流動状態の熱膨張性部材が塗布された建具用形材に対して熱膨張性部材を追加する場合、熱膨張性部材を塗布した同じ工場内であれば、塗布したものと同一組成の熱膨張性部材が設けられることになる。しかしながら、熱膨張性部材を塗布した工場から搬出された後の建具用建材に対しては、予め成形された熱膨張性部材を接着したり、ポケット部等の収容部に挿入して設けることが行われることがあり、既に塗布された熱膨張性部材の組成と追加された熱膨張性部材の組成とが一致しない場合が生じ得る。この結果、工場内で熱膨張性部材が追加された建具用形材と、工場から搬出された後に熱膨張性部材が追加された建具用形材とでは、形状は同一であるものの互いに防火性能が異なる事態となるおそれがある。なお、上述の問題は、先に熱膨張性部材が装着された建具用形材に対して、流動状態の熱膨張性部材を塗布する場合にも同様に生じ得る。また、複数の建具用形材を備えた建具にあっては、異なる建具用形材の間において上述の問題が生じる場合があり得る。
【0006】
本発明は、上記実情に鑑みて、一定の防火性能を得ることのできる建具用形材、建具及び建具用形材の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係る建具用形材は、流動状態で塗布されて硬化された塗布型熱膨張性部材と、予め成形された状態で装着された装着型熱膨張性部材とを備え、前記塗布型熱膨張性部材及び前記装着型熱膨張性部材が互いに同一の組成であることを特徴とする。
【0008】
また本発明に係る建具は、複数の形材を相互に連結することによって構成された枠状構造体を備える建具であって、前記枠状構造体を構成する形材は、流動状態で塗布されて硬化された塗布型熱膨張性部材を備える第一形材と、予め成形された状態で装着された装着型熱膨張性部材を備える第二形材とを含み、前記塗布型熱膨張性部材及び前記装着型熱膨張性部材が互いに同一の組成であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、塗布型熱膨張性部材及び装着型熱膨張性部材が互いに同一の組成であるため、熱膨張性部材を設ける場所や条件に関わらず、一定の防火性能を有した建具用形材及び建具を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施の形態である建具の縦断面図である。
図2図1に示した建具の横断面図である。
図3図1に示した建具の下枠を拡大した縦断面図である。
図4図1に示した建具の障子を構成する建具用形材の横断面図である。
図5図1に示した建具の障子を構成する建具用形材の縦断面図である。
図6】建具用形材の要部を示すもので、(a)は建具用形材の収容部に装着型熱膨張性部材を収容した直後の断面図、(b)は建具用形材の収容部に収容した装着型熱膨張性部材の脱落防止処理を実施した状態の断面図である。
図7】建具用建材の要部を示すもので、(a)は建具用形材の表面に押え部材を介して装着型熱膨張性部材を保持させた第1例の断面図、(b)は建具用形材の表面に押え部材を介して装着型熱膨張性部材を保持させた第2例の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照しながら本発明に係る建具用形材、建具及び建具用形材の製造方法の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、以下においては便宜上、見込み方向及び見付け方向という用語を用いる場合がある。見込み方向とは、図中の矢印Aで示すように、建具の奥行きに沿った方向である。見込み方向に沿った面については見込み面と称する場合がある。見付け方向とは、下枠等のように水平方向に沿って延在するものの場合、見込み方向に直交した上下に沿う方向である。縦枠等のように上下方向に沿って延在するものの場合には、見込み方向に直交した水平に沿う方向を見付け方向という。見付け方向に沿った面については、見付け面と称する場合がある。
【0012】
図1及び図2は、本発明の実施の形態である建具を示したものである。ここで例示する建具は、枠体(枠状構造体)10と、枠体10の室外側となる部分に配設した外障子(枠状構造体)20Aと、枠体10の室内側となる部分に配設した内障子(枠状構造体)20Bとを備えた引き違い窓と称されるものである。枠体10は、左右の縦枠(第二形材)11,12、上枠13、下枠(第二形材)14を四周組することによって四角形状に構成したものである。外障子20Aは、四角形状を成す複層ガラス21Aと、複層ガラス21Aの四周に配設した左右の縦框(第二形材)22A,23A、上框(第二形材)24A、下框(第二形材)25Aとを備えて構成したものである。同様に、内障子20Bは、四角形状を成す複層ガラス21Bと、複層ガラス21Bの四周に配設した左右の縦框22B,23B、上框(第二形材)24B、下框(第二形材)25Bとを備えて構成したものである。本実施の形態では、外障子20A及び内障子20Bがそれぞれ枠体10に対して上枠13及び下枠14の長手に沿って移動可能に配設してあり、室内側から見て枠体10の左側に外障子20Aを配置し(外障子20Aの閉じ位置)、かつ右側に内障子20Bを配置した場合に(内障子20Bの閉じ位置)、枠体10の開口を閉じることが可能である。枠体10の開口を閉じた状態においては、室内側から見て外障子20Aの右側に配置される縦框(以下、区別する場合に外召し合わせ框23Aという)と、内障子20Bの左側に配置される縦框(以下、区別する場合に内召し合わせ框(第1形材)23Bという)とが召し合わせとなって互いに見込み方向に並設された状態となる。
【0013】
枠体10を構成する縦枠11,12、上枠13、下枠14及び障子20A,20Bを構成する縦框22A,23A,22B,23B、上框24A,24B、下框25A,25Bは、いずれもアルミニウム合金等の金属によって成形した押し出し形材であり、それぞれ長手に沿った全長にわたってほぼ一様となる断面形状を有するように構成してある。図示の例では、縦枠11,12、下枠14、外障子20Aの縦框22A,23A、上框24A、下框25A、内障子20Bの縦框22B,23B、上框24B、下框25Bにそれぞれ熱膨張性部材が配設してある。熱膨張性部材は、熱により膨張する不燃性または難燃性の耐火部材である。以下、縦枠11,12、下枠14、外障子20Aの左右の縦框22A,23A、上框24A、下框25A、内障子20Bの左右の縦框22B,23B、上框24B、下框25Bについて、それぞれの構成を詳述し、併せて本願発明の特徴部分について説明する。
【0014】
縦枠11,12は、図2に示すように、縦枠基部11a,12a、縦レール部11b,12bを一体に成形したものである。縦枠基部11a,12aは、見込み方向に沿って延在する平板状を成すものである。縦枠基部11a,12aの両側縁部には、それぞれ見付け方向に沿って外周側及び内周側に延在するように縦枠見付け板部11c,12cが設けてある。縦レール部11b,12bは、縦枠基部11a,12aの内周側となる見込み面から内周側に向けて延在したものである。室内側から見て左側に配置した縦枠11においては外障子20Aに対応する部分に縦レール部11bが設けてあり、右側に配置した縦枠12においては内障子20Bに対応する部分に縦レール部,12bが設けてある。
【0015】
下枠14は、図1及び図3に示すように、下枠基部14a、内方レール部14b、枠内周板部14c、外方レール部14d、下枠見付け板部14eを一体に成形したものである。下枠基部14aは、断面が四角形の筒状を成すものである。内方レール部14bは、下枠基部14aの室外側、かつ内周側に位置する隅部から内周側に向けて突出し、内障子20Bの移動をガイドするものである。枠内周板部14cは、下枠基部14aの室外側、かつ外周側に位置する隅部から室外に向けて漸次外周側に延在した後、室外に向けてほぼ水平に延在したものである。外方レール部14dは、枠内周板部14cの室外側に位置する部分から、内方レール部14bとほぼ平行となるように内周側に向けて突出し、外障子20Aの移動をガイドするものである。下枠見付け板部14eは、下枠基部14aの室内側に位置する両隅部からそれぞれ見付け方向に沿って延在したものである。
【0016】
この下枠14には、下枠基部14aの内周側となる見込み面に第1枠熱膨張性部材H12が設けてあるとともに、内方レール部14bから外方レール部14dまでの間において枠内周板部14cの内周側となる表面に第2枠熱膨張性部材H13が設けてある。下枠基部14aの内周側となる見込み面及び内方レール部14bから外方レール部14dまでの間において枠内周板部14cの内周側となる表面は、下枠14を単体で取り扱う場合にいずれも外部に露出した部分である。
【0017】
室内側から見て外障子20Aの左側に位置する縦框(以下、区別する場合に外戸先框22Aという)及び内障子20Bの右側に位置する縦框(以下、区別する場合に内戸先框(第二形材)22Bといる)は、図2及び図4に示すように、互いにほぼ対称となる断面形状を有したもので、戸先框基部22a、2つの戸先ヒレ部22b,22c、2つの戸先ガラス挟持ヒレ部22d,22eを一体に成形したものである。戸先框基部22aは、異形断面の筒状を成すものである。戸先框基部22aの内周側となる部分及び外周側となる部分は、互いにほぼ平行に延在した平板状を成している。戸先ヒレ部22b,22cは、戸先框基部22aの外周側となる2つの隅部からそれぞれ外周側に向けて延在したものである。戸先ヒレ部22b,22cの延在縁部において互いに対向する部分には、戸先ポケット部22f,22gが設けてある。戸先ポケット部22f,22gは、互いに対向する部分が開口した凹状を成すものである。但し、外戸先框22Aの室外側に位置する戸先ポケット部22g及び内戸先框22Bの室外側に位置する戸先ポケット部22fについては、ポケット内部に比べて開口が狭幅となるように構成してある。戸先ガラス挟持ヒレ部22d,22eは、互いの間に複層ガラス21A,21Bの縁部を挟持するものである。外戸先框22Aでは、戸先框基部22aの室内側に位置する縁部から内周側に向けて見付け方向に延在するように室内側の戸先ガラス挟持ヒレ部22dが設けてある。もう一方の室外側の戸先ガラス挟持ヒレ部22eは、戸先框基部22aの室外側に位置する縁部から室外に向けて見込み方向に延在した後、室内側の戸先ガラス挟持ヒレ部22dに対向するように内周側に向けて見付け方向に延在したものである。内戸先框22Bでは、戸先框基部22aの室外側に位置する縁部から内周側に向けて見付け方向に延在するように室外側の戸先ガラス挟持ヒレ部22dが設けてある。もう一方の室内側の戸先ガラス挟持ヒレ部22eは、戸先框基部22aの室内側に位置する縁部から室内に向けて見込み方向に延在した後、室外側の戸先ガラス挟持ヒレ部22dに対向するように内周側に向けて延在したものである。
【0018】
上述の外戸先框22Aには、室内側に位置する戸先ヒレ部22bの戸先ポケット部22fに第1框熱膨張性部材H21が設けてあり、内戸先框22Bには、室内側に位置する戸先ヒレ部22cの戸先ポケット部22gに第2框熱膨張性部材H22が設けてある。また戸先框基部22aの内周側となる見込み面において室外側の隅部に第3框熱膨張性部材H23が設けてあるとともに、室内側の隅部に第4框熱膨張性部材H24が設けてある。上述したように、戸先ポケット部22f,22gの開口は、外戸先框22A及び内戸先框22Bをそれぞれ単体で取り扱う場合であっても個々に対向する戸先ヒレ部22b,22cによって覆われた状態にある。戸先框基部22aの内周側となる見込み面は、外部に露出した状態にある。
【0019】
外障子20Aの外召し合わせ框23Aは、外召し合わせ框基部23Aa、2つの外元ガラス挟持ヒレ部23Ab、外煙返し部23Acを一体に成形したものである。外召し合わせ框基部23Aaは、断面がほぼ四角形状の筒状を成すものである。外召し合わせ框基部23Aaの室内に臨む見付け面には、外元ポケット部23Adが設けてある。外元ポケット部23Adは、室内に向けて開口した凹状を成すものである。外元ガラス挟持ヒレ部23Abは、互いの間に複層ガラス21Aの縁部を挟持するためのもので、外召し合わせ框基部23Aaの内周側となる2つの隅部から内周側に向けて互いにほぼ平行となるように延在している。外煙返し部23Acは、外召し合わせ框基部23Aaの室内側、かつ外周側となる隅部から室内に向けて延在した後に屈曲し、内周側に向けて延在したものである。外煙返し部23Acの延在縁部は、外召し合わせ框基部23Aaに設けた外元ポケット部23Adの開口を覆う位置まで延在している。
【0020】
この外召し合わせ框23Aには、外召し合わせ框基部23Aaの内周側となる見込み面において室外側の隅部に第5框熱膨張性部材H25が設けてあるとともに、室内側の隅部に第6框熱膨張性部材H26が設けてある。さらに、外元ポケット部23Adの内部に第7框熱膨張性部材H27が収容してある。上述したように、外召し合わせ框基部23Aaの外元ポケット部23Adは、外戸先框22Aを単体で取り扱う場合、外煙返し部23Acによって覆われた状態にある一方、外召し合わせ框基部23Aaの内周側となる見込み面は、外部に露出した状態にある。
【0021】
内障子20Bの内召し合わせ框23Bは、内元ガラス挟持ヒレ部23Ba、内召し合わせ框基部23Bb、内煙返し部23Bcを一体に成形したものである。内元ガラス挟持ヒレ部23Baは、見付け方向に沿って延在した平板状を成すものである。内召し合わせ框基部23Bbは、異形断面の筒状を成すもので、内元ガラス挟持ヒレ部23Baの外周側となる縁部から見込み方向に沿って室内側に延在した後、内周側に向けてほぼ直角に屈曲している。内召し合わせ框基部23Bbの室内側において見付け方向に延在する部分は、内元ガラス挟持ヒレ部23Baとの間に複層ガラス21Bの縁部を挟持するためのもので、内元ガラス挟持ヒレ部23Baに対向した状態でほぼ平行となるように延在している。内煙返し部23Bcは、内元ガラス挟持ヒレ部23Baの外周側となる縁部から室外に向けて延在した後に屈曲し、内周側に向けて延在したものである。内煙返し部23Bcの延在縁部は、外障子20A及び内障子20Bをそれぞれの閉じ位置に配置した場合に、外召し合わせ框23Aの外召し合わせ框基部23Aaと外煙返し部23Acとの間に挿入されるように構成してある。
【0022】
この内召し合わせ框23Bには、内召し合わせ框基部23Bbの内周側となる見込み面において室外側の隅部に第8框熱膨張性部材H28が設けてあるとともに、室内側の半部に第9框熱膨張性部材H29が設けてある。さらに、内召し合わせ框基部23Bbの室外に臨む見付け面に第10框熱膨張性部材H30が設けてある。内戸先框22Bを単体で取り扱う場合、内召し合わせ框基部23Bbの内周側となる見込み面及び室外に臨む見付け面は、いずれも外部に露出した状態にある。
【0023】
外障子20Aの上框(以下、区別する場合に外上框24Aという)及び内障子20Bの上框(以下、区別する場合に内上框24Bという)は、図1及び図5に示すように、24b互いにほぼ対称となる断面形状を有したもので、上框基部24a、2つの上框ヒレ部24b,24c、2つの上框ガラス挟持ヒレ部24d,24eを一体に成形したものである。上框基部24aは、ほぼ四角形の筒状を成すものである。上框ヒレ部24b,24cは、上框基部24aの外周側となる2つの隅部からそれぞれ外周側に向けて延在したものである。2つの上框ヒレ部24b,24cの基端部には、長手に沿った全長に上方ポケット部24fが設けてある。上方ポケット部24fは、それぞれの上框ヒレ部24b,24cから収容突条24gを設けることにより、上框基部24aとの間に外周側に開口した凹状を成すように構成してある。上框ガラス挟持ヒレ部24d,24eは、互いの間に複層ガラス21A,21Bの縁部を挟持するものである。外上框24Aでは、上框基部24aの室内側に位置する縁部から内周側に向けて見付け方向に延在するように室内側の上框ガラス挟持ヒレ部24dが設けてある。もう一方の室外側の上框ガラス挟持ヒレ部24eは、上框基部24aの室外側に位置する縁部から室外に向けて見込み方向に延在した後、室内側の上框ガラス挟持ヒレ部24dに対向するように内周側に向けて見付け方向に延在したものである。内上框24Bでは、上框基部24aの室外側に位置する縁部から内周側に向けて見付け方向に延在するように室外側の上框ガラス挟持ヒレ部24dが設けてある。もう一方の室内側の上框ガラス挟持ヒレ部24eは、上框基部24aの室内側に位置する縁部から室内に向けて見込み方向に延在した後、室外側の上框ガラス挟持ヒレ部24dに対向するように内周側に向けて延在したものである。
【0024】
外上框24A及び内上框24Bには、それぞれの上方ポケット部24fに第11框熱膨張性部材H31が設けてある。さらに、上框基部24aの内周側となる見込み面の両隅部に第12框熱膨張性部材H32が設けてある。上框基部24aの内周側となる見込み面は、外上框24A及び内上框24Bをそれぞれ単体で取り扱う場合に、いずれも外部に露出した状態にある。これに対して上方ポケット部24fは、外部に露出してはいるものの、上框ヒレ部24b,24cの間の狭い奥方に位置したものであり、さらに両側に収容突条24gが設けられたものである。
【0025】
外障子20Aの下框(以下、区別する場合に外下框25Aという)は、外下框基部25Aa、2つの外下框ヒレ部25Ab,25Ac、2つの外下框ガラス挟持ヒレ部25Ad,25Aeを一体に成形したものである。外下框基部25Aaは、ほぼ四角形の筒状を成すものである。外下框ヒレ部25Ab,25Acは、外下框基部25Aaの外周側となる2つの隅部からそれぞれ外周側に向けて延在したものである。外下框ガラス挟持ヒレ部25Ad,25Aeは、互いの間に複層ガラス21Aの縁部を挟持するものである。室内側の外下框ガラス挟持ヒレ部25Adは、外下框基部25Aaの室内側に位置する縁部から内周側に向けて見付け方向に延在したものである。室外側の外下框ガラス挟持ヒレ部25Aeは、外下框基部25Aaの室外側に位置する縁部から室外に向けて見込み方向に延在した後、室内側の外下框ガラス挟持ヒレ部25Adに対向するように内周側に向けて見付け方向に延在したものである。
【0026】
この外下框25Aには、室外側の外下框ヒレ部25Abに第13框熱膨張性部材H33が設けてある。さらに、室内側の外下框ガラス挟持ヒレ部25Ad及び室外側の外下框ガラス挟持ヒレ部25Aeには、外周側となる部分にそれぞれ第14框熱膨張性部材H34が設けてある。上述したように、外下框ヒレ部25Ab,25Acは、互いに他方を覆うように設けたものであり、外下框ガラス挟持ヒレ部25Ad,25Aeは、互いに他方を覆うように設けたものである。
【0027】
内障子20Bの下框(以下、区別する場合に内下框25Bといる)は、内下框基部25Ba、2つの内下框ヒレ部25Bb,25Bc、2つの内下框ガラス挟持ヒレ部25Bd,25Beを一体に成形したものである。内下框基部25Baは、ほぼ四角形の筒状を成すものである。図からも明らかなように、内下框基部25Baの見付け方向に沿った寸法は、外下框基部25Aaよりも小さく構成してある。内下框ヒレ部25Bb,25Bcは、内下框基部25Baの外周側となる2つの隅部からそれぞれ外周側に向けて延在したものである。室内側に設けた内下框ヒレ部25Bcの延在縁部には、内下方ポケット部25Bfが設けてある。内下方ポケット部25Bfは、室外側に設けた内下框ヒレ部25Bbに対向する部分が開口した凹状を成すものである。内下框ガラス挟持ヒレ部25Bd,25Beは、互いの間に複層ガラス21Bの縁部を挟持するものである。一方の室外側の内下框ガラス挟持ヒレ部25Bdは、内下框基部25Baの室外側に位置する縁部から内周側に向けて見付け方向に延在したものである。もう一方の室内側の内下框ガラス挟持ヒレ部25Beは、内下框基部25Baの室内側に位置する縁部から室内に向けて見込み方向に延在した後、内方側内下框ガラス挟持ヒレ部25Bdに対向するように内周側に向けて見付け方向に延在したものである。
【0028】
この内下框25Bには、室外側の内下框ヒレ部25Bbに第15框熱膨張性部材H35が設けてあるとともに、室外側の内下框ガラス挟持ヒレ部25Bd及び室内側の内下框ガラス挟持ヒレ部25Beには、外周側となる部分にそれぞれ第16框熱膨張性部材H36が設けてある。室外側の内下框ヒレ部25Bbは、室内側の内下框ヒレ部25Bcに覆われた状態となるものである。室外側の内下框ガラス挟持ヒレ部25Bd及び室内側の内下框ガラス挟持ヒレ部25Beは、互いに他方を覆うように設けたものである。
【0029】
上述した第1枠熱膨張性部材H12~第16框熱膨張性部材H36は、例えば湿気硬化型の樹脂材に熱膨張性を有した黒鉛含有の発泡材を添加したものであり、すべてが互いに同一の組成となるものを適用している。但し、これらの熱膨張性部材H12~H36としては、流動状態で塗布して硬化させたもの(以下、区別する場合に塗布型熱膨張性部材という)と、予め成形された定形状を成すもの(以下、区別する場合に装着型熱膨張性部材という)との2種類がある。流動状態のものとしては、常温において流動状態となっているものを適用しても良いし、加熱して流動状態となるものを適用しても良い。
【0030】
より具体的に説明すると、下枠14に設けた第1枠熱膨張性部材H12及び第2枠熱膨張性部材H13は、上述したようにそれぞれを設ける部分が外部に露出した状態にある。従って、下枠14については、第1枠熱膨張性部材H12及び第2枠熱膨張性部材H13として塗布型熱膨張性部材を適用しても良いし、装着型熱膨張性部材を適用しても良い。図示の例では、装着型熱膨張性部材をピース部品として用意し、これを下枠14に接着することによって第1枠熱膨張性部材H12及び第2枠熱膨張性部材H13を設けるようにしている。
【0031】
第3框熱膨張性部材H23、第4框熱膨張性部材H24、第5框熱膨張性部材H25、第6框熱膨張性部材H26、第8框熱膨張性部材H28、第9框熱膨張性部材H29、第10框熱膨張性部材H30、第12框熱膨張性部材H32についても、それぞれを設ける部分が外部に露出した状態にあるため、塗布型熱膨張性部材を適用しても良いし、装着型熱膨張性部材を適用しても良い。図示の例では、塗布型熱膨張性部材として流動状態のものを塗布し、これを硬化させることによって、外戸先框22Aの全長にわたる部分に第3框熱膨張性部材H23、第4框熱膨張性部材H24を設けるとともに、外召し合わせ框23Aの全長にわたる部分に第5框熱膨張性部材H25、第6框熱膨張性部材H26を設けるようにしている。同様に、流動状態の塗布型熱膨張性部材を塗布して硬化させることにより、第3框熱膨張性部材H23、第4框熱膨張性部材H24が内戸先框22Bの全長にわたる部分に設けてあり、第8框熱膨張性部材H28、第9框熱膨張性部材H29、第10框熱膨張性部材H30が内召し合わせ框23Bの全長にわたる部分に設けてあり、第12框熱膨張性部材H32が上框24A,24Bの全長にわたる部分に設けてある。
【0032】
一方、外戸先框22Aの第1框熱膨張性部材H21、内戸先框22Bの第2框熱膨張性部材H22、外召し合わせ框23Aの第7框熱膨張性部材H27、上框24A,24Bの第11框熱膨張性部材H31、下框25A,25Bの第13框熱膨張性部材H33、第14框熱膨張性部材H34、第15框熱膨張性部材H35、第16框熱膨張性部材H36は、いずれも外部に露出していない表面に設けられる等の状況にあり、塗布型熱膨張性部材を塗布するために専用のノズルを用いる必要があり、製造コストが著しく増大する等の問題を生じる懸念がある。従って、これらについては、塗布型熱膨張性部材を適用せず、装着型熱膨張性部材を適用するようにしている。このうち、第1框熱膨張性部材H21、第2框熱膨張性部材H22、第7框熱膨張性部材H27、第11框熱膨張性部材H31については、いずれもポケット部22f,22g,23Ad,24f,25afに収容することができるため、必ずしも接着剤を用いる必要はない。
【0033】
図6は、外召し合わせ框23Aの外元ポケット部23Adに装着型熱膨張性部材である第7框熱膨張性部材H27を収容させる方法の一例を示すものである。図示する外召し合わせ框23Aでは、外元ポケット部23Adの開口縁部両側にそれぞれ押え片23Ad1が設けてある。図6(a)に示すように、押え片23Ad1は、外元ポケット部23Adの開口縁部を覆うように設けてある。外元ポケット部23Adに第7框熱膨張性部材H27を配置した後においては、図6(b)に示すように、押え片23Ad1をかしめることによって変形させ、第7框熱膨張性部材H27を抑えるようにしている。これにより、外元ポケット部23Adからの第7框熱膨張性部材H27の脱落が防止されることになる。押え片23Ad1は、必ずしも外元ポケット部23Adの開口縁部両側に設ける必要はなく、少なくとも一方の縁部に設ければ十分である。また、押え片23Ad1をかしめる位置は、少なくとも長手方向の両端部にあれば良く、適宜間隔を確保した複数位置に設ければさらに好ましい。
【0034】
一方、形材の表面に装着型熱膨張性部材を設ける場合には、図7に示すように、押え金具(押え部材)30,31を用いるようにしても良い。例えば、図7(a)に示す例では、内召し合わせ框23Bの第9框熱膨張性部材H29として、装着型熱膨張性部材を設ける場合に、第9框熱膨張性部材H29の表面に押え金具30を配置し、押え金具30及び第9框熱膨張性部材H29を介して内召し合わせ框23Bにネジ32を螺合している。これに対して図7(b)に示す例では、2つの平板部31a,31bがクランク状に連結された押え金具31を適用し、一方の平板部31bによって第9框熱膨張性部材H29を内召し合わせ框23Bに押圧し、かつもう一方の平板部分31aを介して内召し合わせ框23Bにネジ32を螺合している。図7(a)及び図7(b)のいずれにおいてもネジ32を螺合する場合には、必ずしも第9框熱膨張性部材H29と内召し合わせ框23Bの表面との間に接着剤を設ける必要はない。
【0035】
上記のように構成した建具では、図2及び図4に示すように、内召し合わせ框23Bに第8框熱膨張性部材H28及び第9框熱膨張性部材H29が互いに同一の組成である。このため、仮に、第9框熱膨張性部材H29が塗布された後に、互いに異なる工場や現場で第8框熱膨張性部材H28を追加するような事態が生じた場合にも、外召し合わせ框23Aとしては、一定の防火性能を維持することが可能となる。すなわち、第9框熱膨張性部材H29を塗布した工場で第8框熱膨張性部材H28を塗布型熱膨張性部材として追加した内召し合わせ框23Bと、第9框熱膨張性部材H29を塗布した工場以外において第8框熱膨張性部材H28を装着型熱膨張性部材として追加した内召し合わせ框23Bとは、いずれも同一組成の熱膨張性部材H28,H29を同一の箇所に設けた同一のものとして取り扱うことができる。従って、これらを適用した個々の建具についても、同一の防火性能を維持することができるようになり、例えば2つの建具について個別に防火試験を受ける必要がなくなる、換言すれば一方の建具についてのみ防火試験を行えば良い等の利点がある。
【0036】
また、第5框熱膨張性部材H25及び第6框熱膨張性部材H26を塗布型熱膨張性部材で設けた外召し合わせ框23Aの防火性能と、第5框熱膨張性部材H25及び第6框熱膨張性部材H26を装着型熱膨張性部材で設けた外召し合わせ框23Aの防火性能とを一致させることも可能となる。従って、熱膨張性部材を加熱して貯留する設備、貯留された熱膨張性部材を塗布工程まで供給する設備、供給された熱膨張性部材を塗布するための設備等々、大型の設備を備えた大規模工場で製造した外召し合わせ框23Aと、これらの設備を備えていない小規模工場で製造した外召し合わせ框23Aとで防火性能を一致させることが可能となり、製造拠点が制限されない等の利点もある。
【0037】
しかも、上述した建具においては、適用するすべての熱膨張性部材H12~H36の組成が互いに同一であるため、上述の利点についても形材単体に限定されるものではなく、枠体を構成する縦枠11,12、上枠13、下枠14の間や障子20A,20Bを構成する縦框22A,23A,22B,23B、上框24A,24B、下框25A,25Bの間においても同様に奏することが可能である。
【0038】
なお、上述した実施の形態では、建具として引き違い窓を例示しているが、その他の開閉窓やFIX窓に適用することも可能である。また、形材としてアルミニウム合金によって成形したものを例示しているが、その他の金属や樹脂、あるいは金属と樹脂との複合構造、さらには木製のものを適用することが可能である。さらに、障子に適用するガラスについても複層ガラスに限らず、単板のガラス板であっても良い。この場合、耐熱強化ガラス等の防火ガラスを適用することも可能である。なお、塗布型熱膨張性部材及び装着型熱膨張性部材を1つの形材に設ける場合には、どちらを先に設けても良い。また、湿気硬化型の樹脂材に膨張黒鉛を含んで構成される熱膨張性部材を例示しているが、あくまでも例示のためのものであって必ずしも湿気硬化型のものを適用する必要はない。
【0039】
以上のように、本発明に係る建具用形材は、流動状態で塗布されて硬化された塗布型熱膨張性部材と、予め成形された状態で装着された装着型熱膨張性部材とを備え、前記塗布型熱膨張性部材及び前記装着型熱膨張性部材が互いに同一の組成であることを特徴としている。
この発明によれば、塗布型熱膨張性部材及び装着型熱膨張性部材が互いに同一の組成であるため、熱膨張性部材を設ける場所や条件に関わらず、一定の防火性能を有した建具用形材及び建具を得ることが可能となる。
【0040】
また本発明は、上述した建具用形材において、接着によって前記装着型熱膨張性部材が保持されていることを特徴としている。
この発明によれば、建具用建材の表面にポケット等の収容部を設ける必要がなく、製造コストの点で有利となる。
【0041】
また本発明は、上述した建具用形材において、押え部材によって前記装着型熱膨張性部材が保持されていることを特徴としている。
この発明によれば、装着型熱膨張性部材をより確実に保持した状態に維持することができる。
【0042】
また本発明は、上述した建具用形材において、表面に開口する収容部が設けられ、前記装着型熱膨張性部材が前記収容部に収容されていることを特徴としている。
この発明によれば、接着剤を塗布する等の接着作業が不要となる。
【0043】
また本発明は、上述した建具用形材において、前記収容部の開口縁部には、前記装着型熱膨張性部材の表面に対向配置される押え片が一体成形されていることを特徴としている。
この発明によれば、押え片によって装着型熱膨張性部材を押えることで脱落を防止することができる。
【0044】
また本発明は、上述した建具用形材において、前記塗布型熱膨張性部材及び前記装着型熱膨張性部材は、それぞれ湿気硬化型の樹脂材に膨張黒鉛を含んで構成されていることを特徴としている。
この発明によれば、形材に塗布さえすれば、その他の処理を施すことなく熱膨張性部材を硬化させることができる。
【0045】
また本発明に係る建具は、上述した建具用形材を備えて枠状構造体が構成されていることを特徴としている。
この発明によれば、枠体や障子において上述の作用効果を奏することができる。
【0046】
また本発明に係る建具は、複数の形材を相互に連結することによって構成された枠状構造体を備える建具であって、前記枠状構造体を構成する形材は、流動状態で塗布されて硬化された塗布型熱膨張性部材を備える第一形材と、予め成形された状態で装着された装着型熱膨張性部材を備える第二形材とを含み、前記塗布型熱膨張性部材及び前記装着型熱膨張性部材が互いに同一の組成であることを特徴としている。
この発明によれば、塗布型熱膨張性部材及び装着型熱膨張性部材が互いに同一の組成であるため、熱膨張性部材を設ける場所や条件に関わらず、一定の防火性能を有した建具用形材及び建具を得ることが可能となる。
【0047】
また本発明に係る建具用形材の製造方法は、表面に流動状態の熱膨張性部材を塗布して硬化させる工程と、前記熱膨張性部材と同一の組成で予め成形された熱膨張性部材を装着する工程とを含むことを特徴としている。
この発明によれば、塗布した熱膨張性部材及び装着した熱膨張性部材が互いに同一の組成であるため、熱膨張性部材を設ける場所や条件に関わらず、一定の防火性能を有した建具用形材及び建具を得ることが可能となる。
【0048】
また本発明に係る建具用形材の製造方法は、表面に予め成形された熱膨張性部材を装着する工程と、前記熱膨張性部材と同一の組成で流動状態の熱膨張性部材を塗布して硬化させる工程とを含むことを特徴としている。
この発明によれば、塗布した熱膨張性部材及び装着した熱膨張性部材が互いに同一の組成であるため、熱膨張性部材を設ける場所や条件に関わらず、一定の防火性能を有した建具用形材及び建具を得ることが可能となる。
【0049】
また本発明に係る建具用形材の製造方法は、前記熱膨張性部材を加熱して流動状態とすることを特徴としている。
この発明によれば、同一組成の熱膨張性部材を加熱することにより形材の表面に塗布することができ、硬化させることで定形となった熱膨張性部材を形材に装着することができる。
【符号の説明】
【0050】
10 枠体、11,12 縦枠、14 下枠、20A,20B 障子、22A,23A,22B,23B 縦框、22f,22g 戸先ポケット部、23Ad 外元ポケット部、23Ad1 押え片、24A,24B 上框、24f 上方ポケット部、24g 収容突条、25A,25B 下框、25Af 外下方ポケット部、25Bf 内下方ポケット部、30,31 押え金具、H12~H36 熱膨張性部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7