(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024115919
(43)【公開日】2024-08-27
(54)【発明の名称】浄化モジュール台座、浄化モジュールおよび浄化モジュールの配設方法
(51)【国際特許分類】
C02F 3/00 20230101AFI20240820BHJP
【FI】
C02F3/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023021826
(22)【出願日】2023-02-15
(71)【出願人】
【識別番号】514323899
【氏名又は名称】株式会社レックEM益子
(74)【代理人】
【識別番号】100147913
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 義敬
(74)【代理人】
【識別番号】100091605
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 敬
(74)【代理人】
【識別番号】100197284
【弁理士】
【氏名又は名称】下茂 力
(72)【発明者】
【氏名】河原 弘道
【テーマコード(参考)】
4D027
【Fターム(参考)】
4D027AA12
4D027AA14
4D027AB12
4D027AB14
(57)【要約】
【課題】簡易に浄化設備の機能を補充することができる浄化モジュール台座、浄化モジュールおよび浄化モジュールの配設方法を提供する。
【解決手段】浄化モジュール台座11は、第1接続開口部12と、第2接続開口部13と、第1連通部15と、を主要に具備する。第1接続開口部12は、浄化槽の内部に配設された際に、上方を向く開口である。第2接続開口部13は、浄化槽の内部に配設された際に、上方を向く開口であり、且つ、第1接続開口部12とは別体である。第1連通部15は、第1接続開口部12と第2接続開口部13とを内部で連通させる開口である。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
浄化槽の内部に配設される浄化モジュールを構成する部材であり、
前記浄化槽の内部に配設された際に、上方を向く開口である第1接続開口部と、
前記浄化槽の内部に配設された際に、上方を向く開口であり、且つ、前記第1接続開口部とは別体である第2接続開口部と、
前記第1接続開口部と前記第2接続開口部とを内部で連通させる第1連通部と、を具備することを特徴とする浄化モジュール台座。
【請求項2】
前記浄化槽の内部に配設された際に、上方を向く開口であり、且つ、前記第1接続開口部および前記第2接続開口部とは別体である第3接続開口部と、
前記第1接続開口部と第3接続開口部とを内部で連通させる第2連通部と、を更に具備することを特徴とする請求項1に記載の浄化モジュール台座。
【請求項3】
前記第2接続開口部および前記第3接続開口部は、前記第1接続開口部を挟んで対向する位置に設けられることを特徴とする請求項2に記載の浄化モジュール台座。
【請求項4】
前記第2接続開口部の下方には、下方に向かって前記第1接続開口部の側に傾斜する第1傾斜面が配設されることを特徴とする請求項1に記載の浄化モジュール台座。
【請求項5】
浄化槽の内部に配設される浄化モジュールであり、
浄化モジュール台座と、第1筒状槽と、第2筒状槽と、を具備し、
前記浄化モジュール台座は、前記浄化槽の内部に配設された際に、上方を向く開口である第1接続開口部と、前記浄化槽の内部に配設された際に、上方を向く開口であり、且つ、前記第1接続開口部とは別体である第2接続開口部と、前記第1接続開口部と前記第2接続開口部とを内部で連通させる第1連通部と、を具備し、
前記第1筒状槽の下端側部分は、前記第1接続開口部に挿入され、
前記第2筒状槽の下端側部分は、前記第2接続開口部に挿入されることを特徴とする浄化モジュール。
【請求項6】
第1開口部と第2開口部とを有する連結部材を更に具備し、
前記第1開口部に前記第1筒状槽が挿入され、
前記第2開口部に前記第2筒状槽が挿入されることを特徴とする請求項5に記載の浄化モジュール。
【請求項7】
浄化槽の内部に浄化モジュールを配設する方法であり、
前記浄化槽に浄化モジュール台座を配置するステップと、
前記浄化モジュール台座に第1筒状槽を据え付けるステップと、
前記浄化モジュール台座に第2筒状槽を据え付けるステップと、を具備し、
前記浄化モジュール台座は、前記浄化槽の内部に配設された際に、上方を向く開口である第1接続開口部と、前記浄化槽の内部に配設された際に、上方を向く開口であり、且つ、前記第1接続開口部とは別体である第2接続開口部と、前記第1接続開口部と前記第2接続開口部とを内部で連通させる第1連通部と、を具備し、
前記第1筒状槽を据え付けるステップでは、前記浄化モジュール台座の前記第1接続開口部に、前記第1筒状槽の下端側部分を挿入し、
前記第2筒状槽を据え付けるステップでは、前記浄化モジュール台座の前記第2接続開口部に、前記第2筒状槽の下端側部分を挿入することを特徴とする浄化モジュールの配設方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浄化モジュール台座、浄化モジュールおよび浄化モジュールの配設方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、浄化槽のあり方としては、集末処理ではなく汚染源において処理することが理想的とされている。ここで、汚水発生源の1つである個別住宅や事業系および厨房排水での処理の方法としては、浸透桝方式や個別浄化槽方式などがある。ところが、設備の設置スペースが確保できない場合や不完全な設備をしたために、充分な処理が行われずに河川への放出が行われていることも多く見られる。
【0003】
係る課題に対処するべく、既設の浄化槽に浄化機能を付加する発明が成されている。当該発明の一例が、下記する特許文献に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平06-238264号公報
【特許文献2】特開2006-231334号公報
【特許文献3】特開2018-187606号公報
【特許文献4】特開2022-069280号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1等に記載された発明であっても、汚水を簡易且つ高度に浄化する観点から改善の余地があった。
【0006】
具体的には、特許文献1等に記載された発明は、浄化機能の一部を既存の浄化槽に後付けするものではあるが、機能を付加するための追加設備を、既存の設備に隣接するものである。よって、追加設備を敷設するためのスペースが必要になることから、浄化設備の大型化が避けられない課題があった。
【0007】
本発明は、このような問題点を鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、簡易に浄化設備の機能を補充することができる浄化モジュール台座、浄化モジュールおよび浄化モジュールの配設方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の浄化モジュール台座は、浄化槽の内部に配設される浄化モジュールを構成する部材であり、前記浄化槽の内部に配設された際に、上方を向く開口である第1接続開口部と、前記浄化槽の内部に配設された際に、上方を向く開口であり、且つ、前記第1接続開口部とは別体である第2接続開口部と、前記第1接続開口部と前記第2接続開口部とを内部で連通させる第1連通部と、を具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の浄化モジュール台座によれば、浄化槽の内部において浄化モジュールを容易に後付けできる。具体的には、浄化モジュール台座を浄化槽の底部に載置し、第1筒状槽および第2筒状槽の底部を、浄化槽の内部で、第1接続開口部および第2接続開口部に挿入する。このようにすることで、モジュール台座の第1連通部により、第1筒状槽および第2筒状槽を連通させ、限られたスペースを有する浄化槽の内部に浄化モジュールを後付けできる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1A】本発明の実施形態に係る浄化モジュール台座を示す断面図である。
【
図1B】本発明の実施形態に係る浄化モジュール台座を示す上面図である。
【
図1C】本発明の実施形態に係る浄化モジュール台座を示す斜視図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る浄化モジュールを示す側面図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る浄化モジュールを示す斜視図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る浄化モジュールを構成する連結部材を示す斜視図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る浄化モジュールを含む浄化槽を示す側面図である。
【
図6】本発明の実施形態に係る浄化モジュールの動作を示す側面図である。
【
図7】本発明の実施形態に係る浄化モジュールの動作を示す側面図である。
【
図8】本発明の実施形態に係る浄化モジュールの動作を示す側面図である。
【
図9】本発明の実施形態に係る浄化モジュールを浄化槽に組み込む方法を示す側面図である。
【
図10】本発明の実施形態に係る浄化モジュールを浄化槽に組み込む方法を示す側面図である。
【
図11】本発明の実施形態に係る浄化モジュールを浄化槽に組み込む方法を示す側面図である。
【
図12】本発明の実施形態に係る浄化モジュールを浄化槽に組み込む方法を示す側面図である。
【
図13】本発明の実施形態に係る浄化モジュールを浄化槽に組み込む方法を示す側面図である。
【
図14】本発明の実施形態に係る浄化モジュールを浄化槽に組み込む方法を示す側面図である。
【
図15】本発明の他形態に係る浄化モジュールを示す側面図である。
【
図16】本発明の他形態に係る浄化モジュールを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を図面に基づき詳細に説明する。以下の説明では、同一の部材には原則的に同一の符号を付し、繰り返しの説明は省略する。
【0012】
図1Aは、浄化モジュール台座11を示す断面図である。
図1Bは、浄化モジュール台座11を示す上面図である。
図1Cは、浄化モジュール台座11を示す斜視図である。
図1Aは、
図1BのA-A切断面線における切断図である。
【0013】
図1Aないし
図1Cを参照して、浄化モジュール台座11は、後述する浄化槽の内部に配設される浄化モジュール10を構成する部材である。浄化モジュール台座11は、第1接続開口部12と、第2接続開口部13と、第1連通部15と、を主要に具備する。更に、浄化モジュール台座11は、第3接続開口部14と、第2連通部16と、を具備する。浄化モジュール台座11は、射出成形された合成樹脂から構成されても良いし、接合された複数の合成樹脂板から構成されても良い。ここで、浄化槽は汚水槽も含む。
【0014】
浄化モジュール台座11の全体形状を説明すると、浄化モジュール台座11の上部には、後述する筒状の槽が接続される開口部が複数形成される。浄化モジュール台座11の内部には、係る筒状の槽を連通させるための空間が形成される。更に、浄化モジュール台座11の内部には、当該空間を連通させるための連通部位が形成される。後述するように、浄化モジュール台座11は、既設の浄化槽に浄化モジュール10を付加するための部材である。更に後述するように、浄化モジュール台座11は、マンホールから既設の浄化槽に挿入することを可能とする大きさとされている。
【0015】
浄化モジュール台座11の上部には、第1接続開口部12、第2接続開口部13および第3接続開口部14が形成される。浄化モジュール台座11を上方から見た場合、第1接続開口部12、第2接続開口部13および第3接続開口部14は、略円形状を呈する。
【0016】
第1接続開口部12は、浄化槽の内部に配設された際に、上方を向く開口である。第1接続開口部12は、左右方向に於いて、浄化モジュール台座11の略中央に形成された開口である。第1接続開口部12は、第2接続開口部13および第3接続開口部14よりも、開口面積が大きくされる。例えば、第1接続開口部12の開口面積は、第2接続開口部13または第3接続開口部14の開口面積の2倍程度とされる。浄化モジュール台座11が浄化モジュール10の一部として機能する際、第1接続開口部12から被処理水が導入され、第2接続開口部13および第3接続開口部14から、被処理水が導出される。このことから、第1接続開口部12が比較的に大きいことにより、第1接続開口部12における被処理水の流れをスムーズにすることができる。
【0017】
第2接続開口部13は、浄化モジュール台座11が後述する浄化槽の内部に配設された際に、上方を向く開口であり、且つ、第1接続開口部12とは別体である。第2接続開口部13は、第1接続開口部12の右方側に形成された開口である。
【0018】
第3接続開口部14は、浄化槽の内部に配設された際に、上方を向く開口であり、且つ、第1接続開口部12および第2接続開口部13とは別体である。第3接続開口部14は、第1接続開口部12の左方側に形成された開口である。
【0019】
第2接続開口部13および第3接続開口部14は、第1接続開口部12を挟んで対向する位置に設けられる。
【0020】
浄化モジュール台座11の内部には、各開口と連通する空間が形成される。具体的には、浄化モジュール台座11の内部には、第1空間34、第2空間35および第3空間36が形成される。第1空間34は、第1接続開口部12と連通する内部空間である。第2空間35は、第2接続開口部13と連通する内部空間である。第3空間36は、第3接続開口部14と連通する内部空間である。第1空間34、第2空間35および第3空間36の上端部分は、略円筒形状とされる。
【0021】
第1空間34と第2空間35とは、第1隔壁部22により区画される。第1空間34と第3空間36とは第2隔壁部23により区画される。第1隔壁部22および第2隔壁部23は、略板状の部材であり、後述するように、第1連通部15および第2連通部16が形成される。
【0022】
第1傾斜面17は、第2接続開口部13の下方において、下方に向かって第1接続開口部12の側である左方に傾斜する部材である。第1傾斜面17が水平面から傾斜する角度は、例えば、40度ないし50度の範囲である。第1傾斜面17は、浄化モジュール台座11の右端部に於いて、上下方向における途中部分から下端に至るまで形成されている。第1傾斜面17の下端部は、第1隔壁部22の下端またはその近傍に繋がっている。第1傾斜面17は、略平坦面部材でも良いし、上方または下方に向かって湾曲する部材でも良い。
【0023】
第2傾斜面18は、第3接続開口部14の下方において、下方に向かって第1接続開口部12の側である右方に傾斜する部材である。第2傾斜面18が水平面から傾斜する角度は、例えば、40度ないし50度の範囲である。第2傾斜面18は、浄化モジュール台座11の左端部に於いて、上下方向における途中部分から下端に至るまで形成されている。第2傾斜面18の下端部は、第2隔壁部23の下端またはその近傍に繋がっている。第2傾斜面18は、略平坦面部材でも良いし、上方または下方に向かって湾曲する部材でも良い。
【0024】
第1連通部15は、第1接続開口部12と第2接続開口部13とを内部で連通させる開口である。また、第1連通部15は、第1空間34と第2空間35とを繋ぐ開口でもある。
図1Cに示す様に、第1連通部15は、第1隔壁部22の下端部を部分的に切り欠いた切り欠き部である。第1連通部15は、前後方向における長さが、上下方向における長さよりも長い矩形状を呈する。第1連通部15の下端は、第1空間34の底面まで伸びる。また、第1連通部15の下端は、第1傾斜面17の下端まで伸びる。よって、第1空間34の底面と、第1傾斜面17とは、第1連通部15を経由して連続する。また、第1連通部15は、前後方向において、略中央部分に形成される。
【0025】
第2連通部16は、第1接続開口部12と第3接続開口部14とを内部で連通させる開口である。また、第2連通部16は、第1空間34と第3空間36とを繋ぐ開口でもある。
図1Cに示す様に、第2連通部16は、第2隔壁部23の下端部を部分的に切り欠いた切り欠き部である。第2連通部16は、前後方向における長さが、上下方向における長さよりも長い矩形状を呈する。第2連通部16の下端は、第1空間34の底面まで伸びる。また、第2連通部16の下端は、第2傾斜面18の下端まで伸びる。よって、第1空間34の底面と、第2傾斜面18とは、第2連通部16を経由して連続する。また、第2連通部16は、前後方向において、略中央部分に形成される。
【0026】
第1支持部37は、浄化モジュール台座11の右方部分において、第2空間35を構成する部分から下方に向かって伸びる部位である。第1支持部37の下端は、第1空間34の底面を構成する部分と、略同一平面上に配置される。
【0027】
第2支持部38は、浄化モジュール台座11の左方部分において、第3空間36を構成する部分から下方に向かって伸びる部位である。第2支持部38の下端は、第1空間34の底面を構成する部分と、略同一平面上に配置される。
【0028】
第1空間34が形成される部分の下面、第1支持部37の下端部、および、第2支持部38の下端部は、略同一平面上に配置される。このようにすることで、後述するように、浄化モジュール台座11の載置時における安定性を向上できる。また、第2接続開口部13および第3接続開口部14に、後述する筒状の部材を挿入する際に、浄化モジュール台座11が不用意に変位することを抑制できる。
【0029】
図1Aを参照して、前述した第1接続開口部12等には第1ソケット39を嵌め込むことができる。具体的には、第1接続開口部12に第1ソケット39を嵌め込み、第2接続開口部13に第2ソケット40を嵌め込み、第3接続開口部14に第3ソケット41を嵌め込むことができる。
【0030】
第1ソケット39は、第1接続開口部12に嵌め込まれ、扁平な円筒形状を呈する部位である。第1ソケット39は、後述する第1筒状槽19の下端部を挿入できる大きさとされる。
【0031】
第2ソケット40は、第2接続開口部13に嵌め込まれ、扁平な略円筒形状を呈する部位である。第2ソケット40は、後述する第2筒状槽20の下端部を挿入できる大きさとされる。
【0032】
第3ソケット41は、第3接続開口部14に嵌め込まれ、扁平な略円筒形状を呈する部位である。第3ソケット41は、後述する第3筒状槽21の下端部を挿入できる大きさとされる。
【0033】
また、第2ソケット40および第3ソケット41の上端は、略同一レベルとされる。一方、第1ソケット39の上端は、第2ソケット40および第3ソケット41の上端よりも下方側に配置される。このようにすることで、後述する第1筒状槽19の下端を、第1ソケット39に容易に挿入できる。
【0034】
図2は、浄化モジュール10を示す側面図である。
図3は、浄化モジュール10を示す斜視図である。
【0035】
浄化モジュール10は、後述する既設の浄化槽の内部に、浄化能力を向上するべく配設される機器である。浄化モジュール10は、浄化モジュール台座11と、第1筒状槽19と、第2筒状槽20と、第3筒状槽21と、を主要に具備する。
【0036】
第1筒状槽19、第2筒状槽20および第3筒状槽21は、合成樹脂から成り、上端および下端に開口部を有する円筒状の部材である。第2筒状槽20および第3筒状槽21は略同一の直径を有する。第1筒状槽19は、第2筒状槽20および第3筒状槽21よりも直径が長くされる。
【0037】
第1筒状槽19の下端部分は、浄化モジュール台座11の第1接続開口部12に挿入され、挿入される部分は例えば接着材等により封止される。第1筒状槽19の上端部近傍を略円形状に開口することで導入部24が形成される。導入部24には、後述する被処理水が流通する導管が挿入される。
【0038】
第2筒状槽20の下端部分は、浄化モジュール台座11の第2接続開口部13に挿入され、挿入される部分は例えば接着材等により封止される。第2筒状槽20の上端部を略矩形状に開口することで導出部25が形成される。導出部25からは、後述する、浄化された被処理水が流出する。
【0039】
第3筒状槽21の下端部分は、浄化モジュール台座11の第3接続開口部14に挿入され、挿入される部分は例えば接着材等により封止される。第3筒状槽21の上端部を略矩形状に開口することで導出部26が形成される。導出部26からは、後述する被処理水が流出する。
【0040】
空気供給部27は、第1筒状槽19の内部に配設される。空気供給部27は、合成樹脂等から成る導管であり、その下端は、第1筒状槽19の底面近傍に配設される。空気供給部27の下端からは、図示しないコンプレッサから供給される空気が、第1筒状槽19の内部に供給される。
【0041】
空気供給部28は、第3筒状槽21の内部に配設される。空気供給部28は、合成樹脂等から成る導管であり、その端部は、第3筒状槽21の中間部分または上端近傍に配設される。空気供給部28の下端からは、図示しないコンプレッサから供給される空気が、第3筒状槽21の内部に供給される。空気供給部28は、第2筒状槽20にも配設できる。
【0042】
連結部材29は、第1筒状槽19、第2筒状槽20および第3筒状槽21の上方部分が挿入される板状部材である。連結部材29は、第1筒状槽19、第2筒状槽20および第3筒状槽21を、互いに連結する。
【0043】
図4は、浄化モジュール10を構成する連結部材29を示す斜視図である。連結部材29は、略板状を呈する部材であり、第1開口部30、第2開口部31および第3開口部32が形成される。第1開口部30は、前述した第1筒状槽19の外形と同等の大きさを呈する円径の開口である。第2開口部31は、前述した第2筒状槽20の外形と同等の大きさを呈する円径の開口である。第3開口部32は、前述した第3筒状槽21の外形と同等の大きさを呈する円径の開口である。第1開口部30には、前述した第1筒状槽19の上方部分が挿入される。第2開口部31には、前述した第2筒状槽20の上方部分が挿入される。第3開口部32には、前述した第3筒状槽21の上方部分が挿入される。また、接合を強化するために、各開口部と各筒状槽との間には、接着材が塗布されても良い。
【0044】
このようにすることで、
図3に示す様に、第1筒状槽19、第2筒状槽20および第3筒状槽21は、これらの下部が浄化モジュール台座11により固定され、これらの上部が連結部材29により固定される。よって、第1筒状槽19、第2筒状槽20および第3筒状槽21の相対位置が強固に固定され、組立時や運用時に於いて、これらが不用意に変位することを抑制できる。
【0045】
図5は、浄化モジュール10を含む浄化槽50を示す側面図である。
【0046】
浄化槽50は、例えば、家庭や工場に設置される簡易的なものである。ここでは、浄化槽50として、1つの槽を示しているが、浄化槽50は複数の槽を有するように構成することもできる。浄化槽50は、例えば、埋設既設浄化槽である。浄化槽50としては、単独槽または合併浄化槽を採用できる。更には、浄化槽50を工場にて組み立てる際に、その内部に浄化モジュール10を組み込むこともできる。
【0047】
浄化槽50の上部にはマンホール51が形成される。マンホール51は、作業者等が浄化槽50の内部にアクセスするための円形の開口である。マンホール51は、蓋部55により覆われている。蓋部55は、例えばネジ機構によりマンホール51を塞ぐ。
【0048】
前述した構成を有する浄化モジュール10は、浄化槽50の内部に収容される。前述した様に、導入部24には、流入管54が接続する。
【0049】
流入管54を経由して、生活排水や下水である被処理水53が、第1筒状槽19に流入する。第1筒状槽19に流入した被処理水53は、第1筒状槽19の内部で好気分解される。その後、被処理水53は、第1筒状槽19から、第2筒状槽20および第3筒状槽21に流動する。第2筒状槽20および第3筒状槽21の内部において、被処理水53は嫌気分解される。第2筒状槽20および第3筒状槽21により嫌気分解された被処理水53は、浄化槽50に流動する。水面52は、浄化槽50に貯留される被処理水53の液面を示す。
【0050】
浄化槽50は、元来的には浄化モジュール10を有していない。即ち、浄化モジュール10は、浄化槽50に後付けされる構成機器である。浄化モジュール10は全体的にマンホール51よりも大きい。よって、浄化モジュール10を、そのままマンホール51を経由して浄化槽50の内部に設置することはできない。このことから、浄化モジュール10の組立作業は浄化槽50の内部で行われる。係る事項は、
図9以降の図を参照して後述する。浄化モジュール10を浄化槽50に設置することにより、スカムの発生を抑制する等の効果を奏することができる。係る事項は後述する。
【0051】
図6を参照して、浄化モジュール10により処理水を浄化する方法を以下に説明する。
【0052】
先ず、流入管54および導入部24を経由して、第1筒状槽19の内部に、処理前の被処理水53が導入される。第1筒状槽19の内部では、空気供給部27の下端から曝気が行われている。具体的には、第1筒状槽19の底面近傍において、空気供給部27の下端から空気が発せられる。よって、第1筒状槽19に貯留された被処理水53の全体部分に対して曝気できる。また、第1筒状槽19の内部に貯留された被処理水53には、常に酸素が供給される。これにより、第1筒状槽19の内部では、好気分解が行われる。更に、空気供給部27により曝気することで、第1筒状槽19の内部で被処理水53を攪拌し、被処理水53に含まれる有機性固形物を破砕し、その後の微生物による分解を促進できる。
【0053】
第1筒状槽19の内部にて好気分解された被処理水53は、第1筒状槽19の下端近傍に形成された第1連通部15を経由して、第2筒状槽20に移送される。前述したように、第2筒状槽20の下端部分は、第1傾斜面17とされている。よって、第1連通部15を経由して、第1筒状槽19から第2筒状槽20に流入した被処理水53は、第1傾斜面17に沿って良好に上方に流動する。
【0054】
第2筒状槽20の内部では曝気は、基本的には行っていない。よって、第2筒状槽20の内部では、被処理水53の嫌気分解が行われる。第2筒状槽20の内部において嫌気分解された被処理水53は、第2筒状槽20の上端に形成された導出部25から、浄化槽50の内部に移送される。
【0055】
同様に、第1筒状槽19の内部にて好気分解された被処理水53は、第1筒状槽19の下端近傍に形成された第2連通部16を経由して、第3筒状槽21に移送される。前述したように、第3筒状槽21の下端部分は、第2傾斜面18とされている。よって、第2連通部16を経由して、第1筒状槽19から第3筒状槽21に流入した被処理水53は、第2傾斜面18に沿って良好に上方に流動する。第3筒状槽21の内部において嫌気分解された被処理水53は、第3筒状槽21の上端に形成された導出部26から、浄化槽50の内部に移送される。
【0056】
第3筒状槽21の内部において、曝気は、基本的には行っていない。第3筒状槽21の上端近傍にて、空気供給部28の下端から空気を発生させるが、これは第3筒状槽21の上端におけるスカムの発生を抑制するものであり、被処理水53を曝気して好気分解を促進するものではない。よって、第3筒状槽21の内部では、被処理水53の嫌気分解が行われる。係る事項は、前述した第2筒状槽20に関しても同様である。
【0057】
本実施形態では、第1筒状槽19、第2筒状槽20および第3筒状槽21が、上方に向かって開放された開口部を有することで、スカムが第1筒状槽19、第2筒状槽20および第3筒状槽21の内部で滞留することがなく、ガスが発生することを抑制できる。
【0058】
更に、第1筒状槽19の下端側を開口した第1連通部15により、第1筒状槽19と第2筒状槽20とが連通することで、第1筒状槽19により浄化処理された被処理水53を、効果的に第2筒状槽20に移送できる。同様に、第2連通部16により、第1筒状槽19と第3筒状槽21とが連通することで、第1筒状槽19により浄化処理された被処理水53を、効果的に第3筒状槽21に移送できる。
【0059】
更に、第2筒状槽20および第3筒状槽21が、第1筒状槽19を挟むように複数配置されることから、複数の第2筒状槽20および第3筒状槽21から被処理水53を放出することができ、排水処理を高速化できる。
【0060】
更に、処理水の流入量に応じて、第1筒状槽19、第2筒状槽20および第3筒状槽21の大きさ等を設計変更できることから、様々な条件や大きさの浄化槽50に、浄化モジュール10を備えることができる。
【0061】
更に、浄化モジュール10は、浄化槽50の内部に配設されることから、処理機構を外部に敷設した背景技術と比較すると、浄化モジュール10の設置に要するスペースを最小にすることができる。
【0062】
更に、本実施形態によれば、浄化槽50の内部におけるスカムの発生を抑制することにより、メタンおよび酸化二窒素の発生量を抑制できる。メタンおよび酸化二窒素は、地球温暖化の原因の1つとされる温室効果ガスである。よって、本実施形態にかかる浄化槽50により、メタンおよび酸化二窒素の発生量を抑制し、大気中における温室効果ガスの増加を抑制し、地球環境の保護に寄与できる。
【0063】
また、浄化モジュール10が組み込まれた浄化槽50により浄化処理された処理水は、BOD、COD、SS、大腸菌数、T-N、T-Pおよび油脂残留量の観点から、高度に浄化された状態となる。
【0064】
図7は、浄化槽50の使用状況を示す側面図である。
図8は、更なる浄化槽50の使用状況を示す側面図である。
【0065】
図7を参照して、浄化モジュール10に被処理水53を流入させつつ、被処理水53の好気分解および嫌気分解を行う際には、空気供給部27から、第1筒状槽19の内部にて曝気を行う。また、流入管54から被処理水53を第1筒状槽19に導入しつつ、浄化モジュール10による分解を続行すると、第2筒状槽20および第3筒状槽21の下部に、沈降する微粒子から成る混濁物56が滞留するようになる。
【0066】
図8を参照して、第1筒状槽19に外部から被処理水53が流入されない間においても、第1筒状槽19の内部で、空気供給部27から空気を供給する。このようにすることで、第1筒状槽19の内部を攪拌し、第2筒状槽20および第3筒状槽21に堆積した混濁物56を、第1連通部15および第2連通部16を経由して、第1筒状槽19に逆流させ、第2筒状槽20および第3筒状槽21における閉塞を防止できる。更に、第1筒状槽19に逆流した混濁物56に対して、再び曝気および攪拌を行うことができる。更にまた、第2筒状槽20および第3筒状槽21の下部は第1傾斜面17および第2傾斜面18であるため、この逆流の際に、混濁物56が第1傾斜面17および第2傾斜面18により良好にガイドされ、第2筒状槽20および第3筒状槽21に混濁物56が残ることを抑制できる。
【0067】
図7に示す稼動状態と、
図8に示す稼動状態とは、繰り返し実行される。このようにすることで、混濁物56は何度も第1筒状槽19に引き戻されて好気分解される。よって、微生物の動きが安定化して発酵力が高まることで処理効率が向上する。更に、処理水の曝気攪拌処理を更に効果的に行うことができる。
【0068】
図9以降の図を参照して、前述した浄化モジュール10を浄化槽50の内部に設置する方法に含まれる各ステップを説明する。前提として、浄化槽50のマンホール51の幅は、前述した浄化モジュール10の幅よりも短い。このことから、組み立てられた状態の浄化モジュール10を、マンホール51を経由して浄化槽50の内部に設置することはできない。よって、本実施形態では、浄化モジュール10を部品の状態で浄化槽50に挿入し、浄化槽50の内部で浄化モジュール10を組み立てる。係る方法を、以下に逐次的に説明する。
【0069】
図9を参照して、先ず、浄化モジュール台座11を浄化槽50の内部に挿入する。ここで、マンホール51の幅をL10、載置された浄化モジュール台座11の高さをL11、載置された浄化モジュール台座11の幅をL12とする。そうすると、マンホール51の幅L10は、浄化モジュール台座11の幅L12よりも短い。一方、マンホール51の幅L10は、浄化モジュール台座11の高さL11よりは長い。よって、ここでは、浄化モジュール台座11を、立てた状態のまま、マンホール51を経由して浄化槽50の内部に挿入する。
【0070】
具体的には、先ず、作業員がマンホール51から蓋部55を取り外す。次に、浄化モジュール台座11に紐等を取り付け、作業員が紐を操作することで、マンホール51を経由して浄化モジュール台座11を浄化槽50の内部に吊り下げるようにして挿入する。前述した様に、浄化モジュール台座11の高さL11は、マンホール51の幅L10よりも短い。よって、立てた状態の浄化モジュール台座11は、マンホール51を経由して容易に浄化槽50に挿入できる。
【0071】
図10に、浄化モジュール台座11が浄化槽50に挿入された状態を示す。浄化モジュール台座11は、浄化槽50の底面に載置される。前述した様に、浄化モジュール台座11の右方下部には第1支持部37が形成され、浄化モジュール台座11の左方下部には第2支持部38が形成される。よって、浄化モジュール台座11の下面は、平坦面または仮想的に平坦面を構成する。このことから、浄化モジュール台座11は、安定して浄化槽50の底面に載置される。浄化モジュール台座11の載置が終了した後に、浄化モジュール台座11の吊り下げに用いた紐は、浄化モジュール台座11から取り外される。
【0072】
図11を参照して、次に、浄化モジュール台座11の第1接続開口部12に、第1筒状槽19を固定する。浄化モジュール台座11の第1接続開口部12は、マンホール51の直下に配置される。よって、第1筒状槽19の下端部分を第1接続開口部12に容易に挿入できる。挿入作業が終了したら、第1接続開口部12と第1筒状槽19との接合部分に、接着材を供給し、両者の接続部分を封止する。
【0073】
図12を参照して、次に、浄化モジュール台座11の第2接続開口部13に、第2筒状槽20を固定する。先ず、作業者が、マンホール51を介して操作棒を浄化槽50の内部に挿入し、当該棒により浄化モジュール台座11を変位させる。これにより、浄化モジュール台座11の第2接続開口部13は、マンホール51の直下に配置される。この状態で、第2筒状槽20をマンホール51から浄化槽50の内部に挿入し、第2筒状槽20の下端を第2接続開口部13に挿入する。その後、第2筒状槽20が第2接続開口部13に挿入される部分に接着材を供給し、両者の接続部分を封止する。浄化モジュール台座11は第2接続開口部13の下部に第1支持部37を有していることから、第2筒状槽20を第2接続開口部13に挿入しても、挿入により付与される押圧力を第1支持部37が受け止める。よって、挿入時における浄化モジュール台座11の安定性を向上できる。
【0074】
図13を参照して、次に、浄化モジュール台座11の第3接続開口部14に第3筒状槽21を固定する。第2接続開口部13の固定方法は、第2筒状槽20の場合と同様である。即ち、棒などを操作することにより、浄化モジュール台座11の第3接続開口部14を、マンホール51の直下に移動させる。その後、浄化モジュール台座11の第3接続開口部14に、第3筒状槽21の下端部分を挿入し、挿入部分に接着材を供給する。第3筒状槽21の挿入接続が終了したら、マンホール51の中心と第1筒状槽19の中心とが略一致するように、浄化槽50の内部で浄化モジュール台座11を移動させる。浄化モジュール台座11は第3接続開口部14の下部に第2支持部38を有していることから、第3筒状槽21を第3接続開口部14に挿入しても、挿入により付与される押圧力を第2支持部38が受け止める。よって、挿入時における浄化モジュール台座11の安定性を向上できる。
【0075】
図14を参照して、次に、第1筒状槽19、第2筒状槽20および第3筒状槽21の上方部分を連結部材29で固定する。具体的には、マンホール51を介して連結部材29を浄化槽50の内部に移動させ、
図4に示した、第1開口部30、第2開口部31および第3開口部32の夫々に、第1筒状槽19、第2筒状槽20および第3筒状槽21を挿入する。また、所定の高さに連結部材29が配置されるように、接着材等を連結部材29の各開口に供給する。このようにすることで、第1筒状槽19、第2筒状槽20および第3筒状槽21の上方部分を、相互に固定できる。
【0076】
上記方法が終了した後は、
図5に示した空気供給部27等の各部材を取り付け、マンホール51を蓋部55で塞ぐ。
【0077】
以上が、浄化槽50に対して浄化モジュール10を後付けする方法に関する説明である。
【0078】
上記した実施形態から把握できる発明をその効果と共に下記する。
【0079】
本発明の浄化モジュールは、浄化槽の内部に配設される浄化モジュールを構成する部材であり、前記浄化槽の内部に配設された際に、上方を向く開口である第1接続開口部と、前記浄化槽の内部に配設された際に、上方を向く開口であり、且つ、前記第1接続開口部とは別体である第2接続開口部と、前記第1接続開口部と前記第2接続開口部とを内部で連通させる第1連通部と、を具備することを特徴とする。本発明によれば、浄化槽の内部において浄化モジュールを容易に後付けできる。具体的には、浄化モジュール台座を浄化槽の底部に載置し、第1筒状槽および第2筒状槽の底部を、浄化槽の内部で、第1接続開口部および第2接続開口部に挿入する。このようにすることで、モジュール台座の第1連通部により、第1筒状槽および第2筒状槽を連通させることができる。
【0080】
また、本発明の浄化モジュールでは、前記浄化槽の内部に配設された際に、上方を向く開口であり、且つ、前記第1接続開口部および前記第2接続開口部とは別体である第3接続開口部と、前記第1接続開口部と第3接続開口部とを内部で連通させる第2連通部と、を更に具備することを特徴とする。本発明によれば、浄化槽の内部に浄化モジュールを設置する際に、浄化モジュールの第3接続開口部に第3筒状槽を挿入する。このようにすることで、第2連通部を介して、第3筒状槽と第1筒状槽とを連通させることができる。よって、浄化槽の内部に3つの筒状槽を有する浄化モジュールを容易に設置できる。
【0081】
また、本発明の浄化モジュールでは、前記第2接続開口部および前記第3接続開口部は、前記第1接続開口部を挟んで対向する位置に設けられることを特徴とする。本発明によれば、第1連通部および第2連通部を、第1接続開口部の対向する部位に形成することができ、浄化時における処理水の流れを良好にできる。
【0082】
また、本発明の浄化モジュールでは、前記第2接続開口部の下方には、下方に向かって前記第1接続開口部の側に傾斜する第1傾斜面が配設されることを特徴とする。本発明によれば、浄化モジュールの動作時に於いて、第1傾斜面を介して汚泥を第1開口部の側に移動させることができる。
【0083】
また、本発明の浄化モジュールでは、浄化槽の内部に配設される浄化モジュールであり、浄化モジュール台座と、第1筒状槽と、第2筒状槽と、を具備し、前記浄化モジュール台座は、前記浄化槽の内部に配設された際に、上方を向く開口である第1接続開口部と、前記浄化槽の内部に配設された際に、上方を向く開口であり、且つ、前記第1接続開口部とは別体である第2接続開口部と、前記第1接続開口部と前記第2接続開口部とを内部で連通させる第1連通部と、を具備し、前記第1筒状槽の下端側部分は、前記第1接続開口部に挿入され、前記第2筒状槽の下端側部分は、前記第2接続開口部に挿入されることを特徴とする。本発明によれば、浄化槽の内部において浄化モジュールを容易に後付けできる。具体的には、浄化モジュール台座を浄化槽の底部に載置し、第1筒状槽および第2筒状槽の底部を、浄化槽の内部で、第1接続開口部および第2接続開口部に挿入する。このようにすることで、モジュール台座の第1連通部により、第1筒状槽および第2筒状槽を連通させることができる。
【0084】
また、本発明の浄化モジュールでは、第1開口部と第2開口部とを有する連結部材を更に具備し、前記第1開口部に前記第1筒状槽が挿入され、前記第2開口部に前記第2筒状槽が挿入されることを特徴とする。本発明によれば、連結部材により、第1筒状槽と第2筒状槽との相対位置を固定できる。
【0085】
また、本発明の浄化モジュールでは、浄化槽の内部に浄化モジュールを配設する方法であり、前記浄化槽に浄化モジュール台座を配置するステップと、前記浄化モジュール台座に第1筒状槽を据え付けるステップと、前記浄化モジュール台座に第2筒状槽を据え付けるステップと、を具備し、前記浄化モジュール台座は、前記浄化槽の内部に配設された際に、上方を向く開口である第1接続開口部と、前記浄化槽の内部に配設された際に、上方を向く開口であり、且つ、前記第1接続開口部とは別体である第2接続開口部と、前記第1接続開口部と前記第2接続開口部とを内部で連通させる第1連通部と、を具備し、前記第1筒状槽を据え付けるステップでは、前記浄化モジュール台座の前記第1接続開口部に、前記第1筒状槽の下端側部分を挿入し、前記第2筒状槽を据え付けるステップでは、前記浄化モジュール台座の前記第2接続開口部に、前記第2筒状槽の下端側部分を挿入することを特徴とする。本発明によれば、浄化槽の内部に容易に浄化モジュールを後付けできる。
【0086】
図15および
図16を参照して、他形態にかかる浄化モジュール10を説明する。他形態にかかる浄化モジュール10では、浄化モジュール台座11の構成が、前述したものとは相違する。よって、ここでは相違する構成を中心に説明し、前述した実施形態と同様の部分に関する説明は割愛する。
【0087】
図15および
図16を参照して、浄化モジュール台座11は、第1筒状部42と、第2筒状部43と、第3筒状部44とを有する。
【0088】
第1筒状部42は、上方が開口し、下部が有底である円筒形状を呈する。第1筒状部42の上端には第1筒状槽19が接続する。第1筒状部42の右側面には、第2筒状部43が接続する開口が形成される。第1筒状部42の左面には、第3筒状部44が接続する開口が形成される。また、これらの開口には前述したソケットが備えられても良い。第1筒状部42は、第1筒状槽19とは別部材として構成されても良い。更には、第1筒状部42は、第1筒状槽19の下端部分として構成されても良い。係る事項は、第2筒状部43および第3筒状部44に関しても同様である。
【0089】
第2筒状部43は、下端が左方に向かって開口し、上端が上方に向かって開口する略筒状の部材である。第2筒状部43の上方開口は第2筒状槽20の下端に接続する。第2筒状部43の左方開口は第1筒状部42の右側面に接続する。第2筒状部43の下面は、左方に向かって下方に傾斜する傾斜面である。この傾斜面は、ストレート形状でも良いし、下方に向かって膨らむように湾曲する形状でも良い。
【0090】
第3筒状部44は、下端が右方に向かって開口し、上端が上方に向かって開口する略筒状の部材である。第3筒状部44の上方開口は第3筒状槽21の下端に接続する。第3筒状部44の右方開口は第1筒状部42の左側面に接続する。第3筒状部44の下面は、右方に向かって下方に傾斜する傾斜面である。この傾斜面は、ストレート形状でも良いし、下方に向かって膨らむように湾曲する形状でも良い。
【0091】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で変更が可能である。また、前述した各形態は相互に組み合わせることが可能である。
【0092】
例えば、
図1を参照して、浄化モジュール台座11は、第1接続開口部12、第2接続開口部13および第3接続開口部14を有していたが、第1接続開口部12および第2接続開口部13のみを有しても良い。
【0093】
図1を参照して、浄化モジュール台座11は、第1連通部15および第2連通部16を有していたが、第1連通部15のみを有していても良い。
【0094】
図2を参照して、浄化モジュール10は、第1筒状槽19、第2筒状槽20および第3筒状槽21を有していたが、第1筒状槽19および第2筒状槽20のみを有しても良い。
【符号の説明】
【0095】
10 浄化モジュール
11 浄化モジュール台座
12 第1接続開口部
13 第2接続開口部
14 第3接続開口部
15 第1連通部
16 第2連通部
17 第1傾斜面
18 第2傾斜面
19 第1筒状槽
20 第2筒状槽
21 第3筒状槽
22 第1隔壁部
23 第2隔壁部
24 導入部
25 導出部
26 導出部
27 空気供給部
28 空気供給部
29 連結部材
30 第1開口部
31 第2開口部
32 第3開口部
33 台座支持部
34 第1空間
35 第2空間
36 第3空間
37 第1支持部
38 第2支持部
39 第1ソケット
40 第2ソケット
41 第3ソケット
42 第1筒状部
43 第2筒状部
44 第3筒状部
50 浄化槽
51 マンホール
52 水面
53 被処理水
54 流入管
55 蓋部
56 混濁物