IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社さくらドームの特許一覧

<>
  • 特開-廃棄物収容器 図1
  • 特開-廃棄物収容器 図2
  • 特開-廃棄物収容器 図3
  • 特開-廃棄物収容器 図4
  • 特開-廃棄物収容器 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024115928
(43)【公開日】2024-08-27
(54)【発明の名称】廃棄物収容器
(51)【国際特許分類】
   B65F 1/16 20060101AFI20240820BHJP
   B65F 1/00 20060101ALI20240820BHJP
   B65F 1/14 20060101ALI20240820BHJP
【FI】
B65F1/16
B65F1/00 A
B65F1/14 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023021840
(22)【出願日】2023-02-15
(71)【出願人】
【識別番号】515049154
【氏名又は名称】株式会社さくらドーム
(74)【代理人】
【識別番号】100114627
【弁理士】
【氏名又は名称】有吉 修一朗
(74)【代理人】
【識別番号】100182501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 靖之
(74)【代理人】
【識別番号】100175271
【弁理士】
【氏名又は名称】筒井 宣圭
(74)【代理人】
【識別番号】100190975
【弁理士】
【氏名又は名称】遠藤 聡子
(72)【発明者】
【氏名】重富 英輪
【テーマコード(参考)】
3E023
【Fターム(参考)】
3E023AA20
3E023MA09
3E023MB02
3E023MC02
(57)【要約】      (修正有)
【課題】外部に臭気が拡散することを抑制することができる廃棄物収容器を提供する。
【解決手段】ゴミ箱は、略直方体上で上部が開口した収容体、及び収容体に嵌合して取り付けられる封鎖体から成る。収容体の上部には開口部が設けられており、封鎖体は、収容体1の開口部を略塞ぐように取付けられる。臭気を発生させる生ゴミ等の廃棄物は、封鎖体に設けられた投入口から差し入れられ、開口部を通って収容体1内に収容される。封鎖体は、基体と、収容体に差し込まれて嵌合可能な差込部とから構成される。基体のおもて面には、投入口が設けられており、投入口を略閉塞する開閉部が基体の裏面側に設けられている。また、開閉部の開閉動作を操作するための操作用パネルは、投入口の上面に設けられている。操作用パネルは、枠部材の上面に設けられている。なお、枠部材は、使用時において作業者に最も近い位置に配置されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の開口部を有する収容体と、
前記開口部を略塞ぐように前記収容体に取り付け可能に構成され、前記収容体への取り付けの際、前記開口部から内部に差し込まれ、所定の投入口を有する中空構造の差込部、案内部に沿って開閉部材が進退動することにより前記投入口を開閉可能で、前記開閉部材は、前記投入口を開いた時に前記差込部の内部に収容される開閉部、を有する封鎖体とを備える
廃棄物収容器。
【請求項2】
前記差込部は、気密材料からなる
請求項1に記載の廃棄物収容器。
【請求項3】
前記開閉部材は、互いに逆方向に進退動する一対で構成され、各開閉部材の相対向する縁辺部は、嵌合可能に形成されている
請求項1に記載の廃棄物収容器。
【請求項4】
前記封鎖体は、前記投入口の近傍に配置された消臭部を有する
請求項1に記載の廃棄物収容器。
【請求項5】
前記消臭部は、前記差込部の内周面に、内方に向けて突出して設けられている
請求項4に記載の廃棄物収容器。
【請求項6】
前記封鎖体は、前記投入口を開くための人感センサを有し、前記消臭部は、前記人感センサと同じ側に配置されている
請求項4又は請求項5に記載の廃棄物収容器。
【請求項7】
前記収容体は、汚液を排出可能なドレンを有する
請求項1又は請求項2に記載の廃棄物収容器。
【請求項8】
前記封鎖体は、前記投入口が閉じるタイミングを表示可能な表示部を有する
請求項1又は請求項2に記載の廃棄物収容器。
【請求項9】
前記封鎖体は、前記投入口を開くための人感センサを有し、前記投入口が開かれた状態で前記人感センサが感知した場合には、前記投入口が開いている時間が長くなる
請求項1又は請求項2に記載の廃棄物収容器。
【請求項10】
前記封鎖体は、前記投入口を開くための人感センサを有し、該人感センサは、感知したときに前記投入口を開く動作モードと、前記投入口が閉じた状態を維持する非動作モードとの切り替えが可能である
請求項1又は請求項2に記載の廃棄物収容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、廃棄物収容器に関する。詳しくは、廃棄物を廃棄する際に開口される投入口から外部に臭気が漏れ出ることを抑制可能な棄物収容器に係るものである。
【背景技術】
【0002】
毎日の生活で生じるゴミは、各自治体で決められた日に回収されるが、回収日までは、各自のゴミ箱で保管しなければならない。ここで、生ゴミなどの家庭ゴミの保管期間は長くても3~4日程度であるが、生ゴミが徐々に腐敗していくため、特に、夏場などは臭気が発生しやすい。
【0003】
しかしながら、消臭機能付きのゴミ箱は少なく、単に一定期間ゴミを保管しておくだけの物が多く出回っている。このため、保管中の生ゴミ等の臭気がゴミ箱から漏れ出てしまい、不快な思いをする場合が多い。
【0004】
この点を解決するため、特許文献1に示すように、上蓋を閉じる際の押圧力を利用して本体内に消臭剤をスプレーする「ゴミ箱」が開示されている。これにより、上蓋を閉じる度に消臭剤が噴霧されるので、ゴミ箱内部での臭気の発生を低減することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第3159649号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載するゴミ箱は、本体の上蓋を閉じて消臭剤をスプレーするためには、前動作として上蓋を大きく開ける必要があるため、開いた際にはゴミ箱本体の開口部全てが露出して、容易に本体内の臭気が外部に拡散してしまう。
【0007】
本発明は以上の点に鑑みて創案されたものであり、廃棄物を廃棄する際に開口される投入口から外部に臭気が拡散することを抑制することができる廃棄物収容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の廃棄物収容器は、所定の開口部を有する収容体と、前記開口部を略塞ぐように前記収容体に取り付け可能に構成され、前記収容体への取り付けの際、前記開口部から内部に差し込まれ、所定の投入口を有する中空構造の差込部、案内部に沿って開閉部材が進退動することにより前記投入口を開閉可能で、前記開閉部材は、前記投入口を開いた時に前記差込部の内部に収容される開閉部、を有する封鎖体とを備える。
【0009】
ここで、封鎖体が、案内部に沿って開閉部材が進退動することにより投入口を開閉可能な開閉部を有することによって、投入口を開閉する際、開閉部材は定められた経路(即ち、案内部)を進退動するので、進退動を安定した状態で行うことができる。また、投入口における開閉部材の進退動は安定しているので、投入口周りの空気が大きくかき乱されることを抑止できる。
【0010】
また、封鎖体が、所定の投入口を有する中空構造の差込部と、開閉部材が投入口を開いた時に差込部の内部に収容される開閉部とを有することによって、開閉部材が差込部の内部に出入りして投入口の開閉が行われる際に、開閉部材を収容する内部と差込部の外部とは、差込部を構成する部材によって仕切られているので、差込部の内部の空気が乱れても、差込部の外部に影響が及ぶことはなく空気の乱れは生じない。
【0011】
なお、開閉部材については、必ずしも全体が差込部内に収容されるものに限られない。例えば、開閉部材の一部が差込部内に収容されている場合も含む。即ち、この場合も、出入りの際に開閉部材の全体が収容されるのと同様に、差込部の内部の空気が乱れても、差込部の外部に影響が及ぶことはなく空気の乱れは生じない。
【0012】
また、所定の開口部を有する収容体と、開口部を略塞ぐように収容体に取り付け可能に構成された封鎖体とによって、収容体内の臭気が開口部から外部に漏れ出て漏れ出ることを抑制することができる。
【0013】
また、所定の開口部を有する収容体と、収容体への取り付けの際、開口部から内部に差し込まれる差込部を有する封鎖体とによって、取り付け時において差込部が収容体の中に入るので安定し、封鎖体を収容体に確実に取り付けることができる。
【0014】
また、差込部は、気密材料からなる場合には、開閉部材を収容する内部と差込部の外部とは差込部を構成する気密材料からなる部材によって仕切られているので、投入口の開閉により差込部の内部の空気が多少乱れたとしても、差込部の外部に影響が及ぶことはなく空気の乱れは生じないという作用をより高めることができる。また、差込部が収容体の外部に露出している場合であっても、収容体内の臭気が差込部を通じて外部に漏れ出ることを抑制することができる。
【0015】
また、開閉部材は、互いに逆方向に進退動する一対で構成され、各開閉部材の相対向する縁辺部は、嵌合可能に形成されている場合には、二つの開閉部材が投入口を塞ぐための移動距離を分担することで投入口の開閉に要する時間を短くすることができると共に、投入口が開閉部材により閉じられた際には縁辺部は嵌合されるので、収容体内の臭気が外部に漏れ出ることを抑制することができる。
【0016】
また、封鎖体は、投入口の近傍に配置された消臭部を有する場合には、収容体の内部から上がってくる臭気を効率よく消臭することができる。
【0017】
また、消臭部は、差込部の内周面に、内方に向けて突出して設けられている場合には、消臭部の、収容体内部の空気(臭気)と触れる面積が広くなっており、収容体の内部から上がってくる臭気とより広い面積で触れやすくなっているので、さらに効率よく消臭することができる。
【0018】
また、封鎖体は、投入口を開くための人感センサを有し、消臭部は、人感センサと同じ側に配置されている場合には、作業者は、人感センサを操作するために、通常、人感センサの近傍にいるため、投入口から人感センサの方向へ流れようとする臭気を、予め消臭部で効率よく消臭することで、作業者が臭気を嗅がなくてよいようにすることができる。
【0019】
また、収容体は、汚液を排出可能なドレンを有する場合には、収容体内の廃棄物から生じた汚液を収容体外に排出することができるので、収容体内での臭気の発生を抑制することができる。
【0020】
また、封鎖体は、投入口が閉じるタイミングを表示可能な表示部を有する場合には、投入口が閉じるタイミングを可視化することができるので、廃棄物を投入する動作を早める等、作業者に迅速な行動を促すことが可能になる。このようにして、投入口が開口している間に所定の廃棄物が投入されるようになれば、例えば、廃棄物の投入が終わる前に投入口が閉じて、再度投入口の開口が必要になり、結果、開閉回数が増えて必要以上に時間がかかってしまうことがない。
【0021】
また、封鎖体は、投入口を開くための人感センサを有し、投入口が開かれた状態で人感センサが感知した場合に、投入口が開いている時間が長くなる場合には、時間が長くなると、作業者は余裕を持って投入作業を行うことができ、投入口が閉じる前に投入作業を終えることができるようになるので、例えば廃棄物の投入が終わる前に投入口が閉じて、再度投入口の開口が必要になり、結果、開閉回数が増えて必要以上に時間がかかってしまうことがない。
【0022】
また、封鎖体は、投入口を開くための人感センサを有し、人感センサは、感知したときに投入口を開く動作モードと、投入口が閉じた状態を維持する非動作モードとの切り替えが可能である場合には、非動作モードに設定することにより、作業者が、例えば、収容器のクリーニング、分解調整などのメンテナンスを行うときに、人感センサが反応して作業者の意図しない開閉若しくは作業者の怪我や収容器の落下破損を抑制することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明に係る廃棄物収容器は、廃棄物を廃棄する際に開口される投入口から外部に臭気が拡散することを抑制することができる廃棄物収容器となっている。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の実施例に係るゴミ箱の分解斜視図である。
図2】封鎖体の下方斜視図である。
図3】ゴミ箱の上方斜視図である。
図4】駆動部の、図3おけるA-A断面図である。
図5】駆動部の、図3おけるB-B断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明のゴミ箱Aについて、図1乃至図5を参照しながら説明し、本発明の理解に供する。
【0026】
まず、廃棄物収容器の一例であるゴミ箱Aは、図1に示すように、主に、略直方体状で上部が開口した収容体1、及び収容体1の上部に載置して取付けられる封鎖体2から成る。収容体1は、高さ約60cm、幅約30cm、奥行き約30cmの略直方体に形成されている。なお、収容体1の大きさ及び形状は本実施例に限定されるものではなく、任意に定めることができる。また、説明の便宜上、ゴミ箱Aを設置した状態において、収容体1に対して封鎖体2が設けられている方向を「上方」とし、封鎖体2に対して収容体1が設けられている方向を「下方」とする。
【0027】
収容体1の上部には、開口部10が設けられており、封鎖体2は、収容体1の開口部10を略塞ぐように取付けられる。臭気を発生させる生ゴミ等の廃棄物は、封鎖体2に設けられた後述する投入口22から差し入れられ、開口部10を通って収容体1内に収容される。
【0028】
収容体1内には、収容袋の一例であるゴミ袋を取り付け可能な袋保持孔30が設けられた内蓋部3が取り付けられており、袋保持孔30は縦横約19cm×約19cmの大きさに形成されており、袋保持孔30の周縁の全周にわたって約2cmの高さに立ち上がった立上り部30aが形成されている。なお、内蓋部3の大きさ及び形状は本実施例に限定されるものではなく、任意に定めることができる。
【0029】
また、内蓋部3は、収容体1よりも幅狭に形成されており、内蓋部3が収容体1内に取付けられた状態において、内蓋部3の両側には、図4に示すように、収容体1の内面との間に幅約4cmの隙間31、31が形成されている。また、内蓋部3は、収容体1の内面から収容体1の中央に向けて約1cm延出して設けられた掛け部32、32によって、収容体1内に掛止されている。なお、内蓋部3を収容体1内に掛止する手段については、本実施例の態様に限定されるものではなく、任意に定めることができる。
【0030】
また、内蓋部3の下方にあるゴミ袋の開口部分を、袋保持孔30から引き出して、立上がり部30aを覆うようにして内蓋部3の両側にある隙間31、31に差し入れる。これにより、ゴミ袋は、内蓋部3に掛止される。
【0031】
また、収容体1の底部には、図1に示すように、収容体1内に生じた汚液を排出可能なドレン孔40が設けられた底板4が取り付けられている。ドレン孔40には、ドレン蓋41がドレン孔40を密封して取り付けられており、収容体1内で生じた汚液が収容体1外へ漏れ出ることはない。また、ドレン蓋41をドレン孔40から取り外すことで、収容体1内で生じた汚液を収容体1外へ排出することができる。
【0032】
また、封鎖体2は、図2に示すように、基体20と、収容体1と嵌合可能な差込部21とから構成される。基体20のおもて面20Aには、図3に示すように、廃棄物を投入する投入口22が設けられており、投入口22の縁に沿って投入口枠22aが設けられている。また、投入口22を略閉塞する開閉部23が基体20の裏面20B側にスライド可能に、略当接して設けられている。また、開閉部23の開閉動作を操作するための操作用パネル24が、投入口枠22aの上面(符号省略)に設けられている。
【0033】
投入口枠22aは幅約24cm、奥行き24cmの略四角形状に形成されており、投入口枠22aの上面は封鎖体2のおもて面20Aから約1cm高い位置にある。操作用パネル24は、投入口枠22aを構成する4つの枠部材221、222、223、224のうち枠部材221の上面に設けられている。なお、作業者は、枠部材221に近づいて操作用パネル24を操作し、投入口22を開いて、廃棄物を投入口22から投入する。
【0034】
操作用パネル24には、手をかざすなどの人の動きを感知する人感センサ240、投入口22を閉じる動作を一対の開閉部材233、233に行わせるための閉ボタン241、投入口22を開く動作を一対の開閉部材233、233に行わせるための開ボタン242を備える。
【0035】
また、人感センサ240の感知領域で人感センサ240が作業者の手を感知した場合には、駆動部25を介して一対の開閉部材233、233を差込部21の進退口22cへ向けて移動させて、投入口22を開く。若しくは閉ボタン241と開ボタン242を操作して開閉することも可能である。なお、本実施例においては、人感センサ240の感知領域及び感度を任意に変更することができる。
【0036】
また、図3に示すように、封鎖体2の基体20には、投入口22が開いた状態から閉じられるまでの時間を表示するための、5個の点灯器26が設けられている。なお、本実施例においては、点灯器26は、基体20のおもて面20Aに露出して設けられているのではなく、基体20の内部に設けられている。このため、点灯器26から発せられる光は、基体20のおもて面20Aに設けられたスリット27から視認される。
【0037】
また、投入口22が開ききった状態においては、5個の点灯器26が点灯している。そして、投入口22は、約5秒間開口状態が維持されるが、開口状態が維持される残り時間に応じて、点灯器26は一つずつ一端側から1秒ごとに順に消灯する。これにより、投入口22の開口状態が維持される残り時間が可視化されるので、作業者に対して廃棄物を投入口22に素早く投入するように促すことができる。また、廃棄物の投入が終わる前に投入口が閉じられて、再度投入口を開かなければならなくなることが少なくなる。そして、投入口の開閉の頻度が少なくなる結果、臭気が外部に漏れ出ることを抑止できる。
【0038】
また、投入口22の開口状態が維持される約5秒間が経過した時点で、点灯器26は全て消灯した状態となっている。そして、一対の開閉部材233、233が枠部材222、224の近傍に設けられた進退口22cから投入口22の略中央に向けて互いに進み出て、投入口22は閉じられる。
【0039】
また、投入口22が開いている状態において、人感センサ240の感知領域に作業者が手を差し出すと、人感センサ240が作業者の手を感知し、投入口22が開口している状態が数秒長くなる。これにより、作業者が、廃棄物を投入口22に投入可能な時間を容易に調節することができ、再度投入口22を開口してしまうことを抑制することができる。即ち、一度の投入機会で投入口22を複数回開口することがないので、結果として収容体1内の臭気が外部に漏れ出ることを抑制することができる。
【0040】
また、人感センサ240は、人の動きを感知したときに投入口22を開口する動作モードと、人の動きを感知せず投入口22が閉じた状態で維持される非動作モードとを切り替え可能な構造である。そして、非動作モードに設定した場合には、作業者が、例えば、収容器のクリーニング、分解調整などのメンテナンスを行うときに、人感センサが反応することによる、作業者の意図しない開閉若しくは作業者の怪我や収容器の落下破損などを抑止することができる。
【0041】
また、差込部21は、図1に示すように、封鎖体2の裏面20Bに設けられており、縦横約27.5cm×約27.5cmの枠状に形成されている。差込部21は、収容体1の開口部10から収容体1内に差し込まれるように載置して取り付けられる。このようにして封鎖体2が開口部10を略塞ぐので、収容体1内の臭気が外部に漏れ出ることを抑制することができる。
【0042】
また、開閉部23は、図4に示すように、投入口22の略中央付近から相対する方向に進退動する一対の開閉部材233、233から成る。開閉部材233、233はそれぞれ、長手方向を有する板材であるスライド板230が併設されて、隣り合うスライド板230を繋ぐジョイント231から構成される。なお、本実施例では、一対の開閉部材233、233はそれぞれ、5枚のスライド板230から成るが、これに限定されるものではなく、任意に定めることができる。
【0043】
また、一対の開閉部材233、233が閉じ合わされたときに突き当たる縁辺部232、232の位置は、投入口22の略中央付近に限られるものではなく、例えば、投入口枠22aの枠部材222、224近傍など任意の場所で閉じ合わされる構造とすることもできる。また、一対の開閉部材ではなく、一つの開閉部材とすることも可能であり、この場合には、一対の開閉部材よりも投入口22が全開するまでに時間がかかってしまうが、開閉部材を開閉する駆動部を簡略化することができ、封鎖体2の軽量化を図ることができる。
【0044】
また、ジョイント231は、図4示すように、軸部材231aと軸受け部231bから成り、軸部材231aは、軸受け部231bに把持された状態で軸受け部231b内を摺動しながら回動可能に設けられている。これにより、開閉部材233、233の隣り合うスライド板230が連設されると同時に、ジョイント231により隣接するスライド板230の角度を変えながら折れ曲がることができる。
【0045】
また、一対の開閉部材233、233の対向する縁辺部232、232は、投入口22を閉じた際、互いに密着可能に形成されている。本実施例においては、図3に示すように、縁辺部232、232に互いに嵌合して密着可能な凹凸を形成した構造に形成されている。なお、縁辺部232、232の形状若しくは嵌合方法はこれに限られるものではなく、パッキン材などを介して密着させる構造などが考えられる。
【0046】
また、差込部21は、差込部材21a、21b、接続部材21c、21dから構成されている。差込部材21a及び21bは、開閉部23のスライド板230と略平行に配置され、下方に向けて約10センチの長さに垂設されている。また、接続部材21c、21dは、スライド板230と略直行する方向に配置され、差込部材21a及び21bを上部で繋いでおり、約6センチの長さに垂設されている。ここで、差込部材21a、21b及び21cは中空の形状を有しており、差込部材21a、21bには、一対の開閉部材233、233を収容可能な収容空間210、210が設けられている。
【0047】
また、封鎖体2を収容体1に取付ける際、差込部材21a及び21bが、内蓋部3と収容体1との間の隙間31、31に差し入れられる。このとき、差込部材21a及び21bの外側面の上部は、開口部10の縁周辺の内面とは略密着しているが、差込部材21a及び21bが下方に向けてテーパー状になっているため、下方になるに従い、徐々に離れていく。これにより、差込部材21a及び21bを隙間31、31に無理なく差し入れることができる。また、差込部材21a及び21bの外側面と収容体1の内面とが略密着している部分により、封鎖体2が収容体1の開口部10を略塞ぐことができる。
【0048】
また、内蓋部3と差込部材21a及び21bとでゴミ袋の開口部を挟むことで、ゴミ袋は、内蓋部3と差込部材21a及び21bとで固定されて容易には外れない構造になると共に、収容体1と封鎖体2が確実に嵌合することにより、封鎖体2は収容体1に密着して取り付けられる。
【0049】
また、差込部材21a及び21bは、内蓋部3と収容体1との間の隙間31、31に差し入れられる際、内蓋部3の袋保持孔30の立上り部30aは、差込部21の内周面211に沿って、差込部21と嵌合する。これにより、収容体1に封鎖体2が差し込まれるだけでなく、差込部21の内周面211で形成された、廃棄物が通過する廃棄物通路212と内蓋部3の袋保持孔30が連通される。即ち、投入口22から入れられた廃棄物が差込部21の廃棄物通路212を通って袋保持孔30を通過する際、袋保持孔30にはゴミ袋が取り付けられているので、廃棄物は、袋保持孔30からゴミ袋内に確実に収容される。
【0050】
また、図4に示すように、投入口22を開く際には、一対の開閉部材233、233は、案内部22bに沿って投入口22の略中央から互いに逆方向へ後退し、進退口22cに入り込んで、投入口枠22aの枠部材222、224近傍で、開閉部材233、233のスライド板230がジョイント231によって折れ曲がって、収容空間210、210内に収容される。
【0051】
一方、投入口22を閉じる際には、収容空間210、210に収容されていた開閉部材233、233が、ジョイント231によって伸ばされるように収容空間210、210から引き出されて進退口22cから案内部22bに沿って進み出る。そして、投入口22の略中央で、開閉部材233、233の縁辺部232、232が嵌合し、投入口22は閉じられる。このように、一対の開閉部材233、233がギヤ車253、253と噛み合って、投入口22から収容空間210、210の間を湾曲状に変形しながら移動することで、投入口22の開閉を行うことができる。
【0052】
即ち、基体20の裏面20Bに設けられた案内部22bは、略直線状に形成されており、かつ、裏面20Bに対して略平行に設けられている。これにより、一対の開閉部材233、233は、基板20の裏面20Bに設けられた案内部22b(開閉部材の移動経路)に沿って略水平に進退動し、その後枠部材222、224の近傍では湾曲状に変形しながら進退動し、収容空間210、210内では略鉛直方向に進退動する。このとき、一対の開閉部材233、233は、案内部22bに沿って投入口22を開閉し、裏面20Bと略平行かつ略水平に進退動するので、収容体1内の臭気を大きくかき乱すことがない。
【0053】
さらに、一対の開閉部材233、233は、差込部21が収容体1内に差し込まれているため収容体1内で進退動している。また、一対の開閉部材233、233は、進退口22cから収容空間210、210内に収容されるが、収容空間210、210は気密材料で形成されており差込部21の外部(即ち、収容体1の内部)とは仕切られているので、一対の開閉部材233、233が収容空間210、210内で進退動しても、収容体1内の空気はかき乱されない。これにより、収容体1内の臭気が外部に漏れ出ることを抑制することができる。
【0054】
なお、収容空間210、210は、進退口22cで外部と連通しており、気密性を有さないが、一対の開閉部材233、233が収容空間210、210内で進退動する際に、空気の乱れが所定の範囲に収まる(即ち、収容空間210、210の外部に対して大きな空気の乱れを生じさせるものでない)ので、同様に収容体1内の臭気がかき乱されて収容体1から外部に漏れ出ることを抑制することができる。
【0055】
即ち、開閉部材233、233が、このような一連の進退動をすることによって、一対の開閉部材233、233は、投入口22の近傍で略水平に進退動する際は、若干周囲の空気に流れを生じさせるが、収容体1内に大きな空気の乱れを生じさせるものではない。一方、一対の開閉部材233、233が、収容空間210、210内で進退動する際には、周囲の空気を殆どかき乱すことはなく、収容体1内の空気も当然にかき乱すことはない。よって、封鎖体2は、開閉部材233、233の進退動により、収容体1内の臭気が外部に拡散されにくい構造となっている。
【0056】
また、図2に示すように、接続部材21cには、電池ボックスBXとスイッチSWが設けられ、スイッチ操作により、操作用パネル24及び後述する駆動部25への電力の供給若しくは停止が可能となる。電力の供給を受けて、操作用パネル24は、投入口22を開閉させるために一対の開閉部材233、233を、駆動部25を介して移動させる。
【0057】
また、図5に示すように、駆動部25は、差込部21c内に設けられており、モータ250、動力伝達軸251、駆動ギヤ252、252、ギヤ車253、253、従動軸(図示せず)から構成され、接続部材21c内に配置されている。モータ250は、動力伝達軸251を回転させ、動力伝達軸251の両端に設けられた駆動ギヤ252、252によって、ギヤ車253、253が回転し、二つの開閉部材233、233を進退動させる。
【0058】
即ち、ギヤ車253、253と回転中心を共通にする円形のラックギヤ254、254が設けられており、駆動ギヤ252、252とどちらも内側(互いに近い側)で噛み合っている。また、ギヤ車253、253の外周部には開閉部材233、233の裏面のジョイント231の軸部材231aと噛み合う係合凹部255がある。そして、モータの正逆回転により、ギヤ車253、253は、同期して互いに逆方向に回転し、開閉部材233、233を逆方向に進退動させる。なお、開閉部材233、233を動かすギヤ車253、253はそれぞれ一対で設けられており、従動軸の両端に取付けられて接続部材21d内に配置されている。
【0059】
即ち、操作用パネル24の人感センサ240若しくは開ボタン242により、モータ250の動力が動力伝達軸251に伝わり、駆動ギヤ252、252を介してギヤ車253、253が回転する。ギヤ車253、253の係合凹部255と開閉部材233、233の軸部材231a係合することで、一対の開閉部材233、233は進退動する。
【0060】
また、差込部21の内周面211の一部を構成する構成面211aには、消臭部5が設けられている。構成面211aは、操作用パネル24と同じ側(即ち、内周面211のうち、接続部材21cの内周面であり、操作用パネル24が設けられた枠部材221から廃棄物通路212を通る際に通過する面)若しくは操作用パネル24の下方(真下)に位置する面である。消臭部5は、内部に消臭剤(図示せず)を収容している箱体50、及び内周面211に設けられた箱体50を収容可能な収容凹部51から成る。ゴミ箱Aの使用時においては、箱体50を収容凹部51に差し込んで使用する。
【0061】
また、箱体50のうち構成面211aから突出している面のうち、箱体50の正面50a及び下面50bには、複数の通気孔52が設けられており、収容体1に収容されている廃棄物から発生して収容体1内を上昇した臭気が、通気孔52から漏れ出る消臭成分により消臭される。このとき、箱体50の、通気口52が設けられている箱体50の正面50a及び下面50bが、構成面211aからから突出して設けられているので、通気孔52を通じて臭気と消臭剤が接触する面積が広がるので、消臭効果を高めることができる。
【0062】
なお、消臭部5は、内周面211から突出している態様に限られるのではなく、差込部21内に埋設されて、おもて側面が構成面211aと略面一である態様も考えられる。
【0063】
このような構造を有するゴミ箱Aは、封鎖体2に設けられ、一対の開閉部材233、233により開口される投入口22から廃棄物が投入されることで、収容体1内で発生した廃棄物の臭気が外部に容易に漏れ出ることを抑制することができる。
【0064】
次に、ゴミ箱Aの使用方法を説明する。なお、ゴミ箱Aの投入口22は、当初は閉じた状態である。
【0065】
作業者はゴミ箱Aの正面側(即ち、投入口22の枠部材221近傍)に立ち、廃棄物を手で把持した状態で、その手を操作用パネル24の人感センサ240に近づける。人感センサ240の感知領域内に作業者の手が入ったとき、人感センサ240が作業者の手を感知し、駆動部25を介して一対の開閉部材233、233は開かれる。
【0066】
また、投入口22は開口される際、一対の開閉部材233、233は投入口22付近では、略水平に移動し、進退口22cから差し込まれた後、ギヤ車253、253に沿って回りながら湾曲し、差込部材21a、21b内部で垂下する。
【0067】
このとき、上記のように、開閉部材233、233は、案内部22bによって安定して進退するので、収容体1内に大きな空気の乱れを生じさせるものではなく、また、収容空間210、210内で進退動する際には、周囲の空気が大きく乱れることはない。これにより、一対の開閉部材233、233の動きにより収容体1内の臭気がかき乱されることがないので、開閉に伴って臭気が外部に漏れ出ることを抑制することができる。
【0068】
また、開閉部23が、左右方向に安定して進退動して開閉することにより、開閉時に収容体1内で大きな空気の乱れは生じないので、開閉に伴って臭気が外部に漏れ出ることを抑制することができる。また、スライド板230が扁平な形状をしていることからも進退動しても空気が乱れにくい構造となっている。
【0069】
また、消臭部5が差込部21の構成面211aに設けられていることで、封鎖体2を収容体1に取付けた際、差込部21の構成面211aに消臭部5が配置されるので、投入口22の開閉状態に関わらず、収容体1内に発生した臭気が昇ってくる開口部10近傍で臭気を効率よく消臭することができる。
【0070】
また、消臭部が構成面211aと対向する面に設けられている場合には、投入の際、廃棄物に対向面方向へ勢いがついて対応する面にある消臭部に当たる可能性が高いが、消臭部5は差込部21の構成面211aに設けられているので、投入の際に廃棄物が消臭部5に当たる可能性が低く、消臭部5が収容凹部51から離脱しにくい。
【0071】
また、消臭部5が構成面211aから突出した状態で取り付けられており、消臭部5の箱体50の正面50aと下面50bに通気孔があり、それらが全部露出するので、臭気と消臭剤を効率よく接触させることができるので、消臭効率を高めることができる。
【0072】
また、消臭部5が差込部21の構成面211aに設けられていることで、作業者から消臭部5が視認しにくい位置にあるため、ゴミ箱Aのデザイン性を損なうことがない。
【0073】
また、投入口22と、差込部21の廃棄物通路212及び内蓋部3の袋保持孔30が連通していることにより、投入口22から入れられた廃棄物を確実に、ゴミ袋内に収容することができる。
【0074】
このように、本発明に係る廃棄物収容器は、廃棄物を廃棄する際に開閉される投入口から、外部に臭気が拡散することを抑制することができる廃棄物収容器となっている。
【符号の説明】
【0075】
A ゴミ箱(廃棄物収容器)
1 収容体
10 開口部
2 封鎖体
21 差込部
211 内周面
22 投入口
22b 案内部
23 開閉部
232、232 縁辺部
233、233 一対の開閉部材
240 人感センサ
26 点灯器(表示部)
40 ドレン孔
5 消臭部
図1
図2
図3
図4
図5