(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024115952
(43)【公開日】2024-08-27
(54)【発明の名称】リール収納ユニット及びリール収納棚
(51)【国際特許分類】
H05K 13/02 20060101AFI20240820BHJP
【FI】
H05K13/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023021884
(22)【出願日】2023-02-15
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096426
【弁理士】
【氏名又は名称】川合 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100116207
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 俊明
(72)【発明者】
【氏名】韓 冰
【テーマコード(参考)】
5E353
【Fターム(参考)】
5E353CC25
5E353HH25
5E353HH26
5E353NN18
5E353QQ01
5E353QQ05
(57)【要約】
【課題】リールをリール収納部に収納する入庫作業及びリールをリール収納部から取り出す出庫作業を円滑に行うことができるようにする。
【解決手段】支持軸sh1を回動中心にして揺動自在に配設された第1のリールホルダH1と、第1のリールホルダH1と互いに隣接させて、支持軸sh1を回動中心にして揺動自在に配設され、第1のリールホルダH1との間にリール収納部Ckを形成する第2のリールホルダH2とを有する。第1、第2のリールホルダH1、H2は、レバー及び該レバーと一体に形成された第1、第2の仕切板を備える。第1、第2の仕切板は互いに異なる形状を有する。入庫作業及び出庫作業を円滑に行うことができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)支持軸を回動中心にして揺動自在に配設された第1のリールホルダと、
(b)前記支持軸の軸方向において前記第1のリールホルダと互いに隣接させて、前記支持軸を回動中心にして揺動自在に配設され、前記第1のリールホルダとの間にリール収納部を形成する第2のリールホルダとを有するとともに、
(c)前記第1のリールホルダは、リールを支持するレバー及び該レバーと一体に形成された第1の仕切板を、前記第2のリールホルダは、リールを支持するレバー及び該レバーと一体に形成された第2の仕切板を備え、
(d)前記第1、第2の仕切板は互いに異なる形状を有することを特徴とするリール収納ユニット。
【請求項2】
前記第1、第2の仕切板の上方縁部は円弧形状を有する請求項1に記載のリール収納ユニット。
【請求項3】
前記第1のリールホルダが、前記リール収納部にリールが収納された入庫状態に置かれ、前記第2のリールホルダが、前記リール収納部からリールが取り出された出庫状態に置かれたときに、前記第2の仕切板の上方縁部の少なくとも所定の部分は、第1のリールホルダのレバーの先端より径方向外側に置かれる請求項1に記載のリール収納ユニット。
【請求項4】
前記第1、第2のリールホルダが、前記リール収納部からリールが取り出された出庫状態に置かれたときに、前記第1の仕切板の上方縁部の少なくとも所定の部分は、第2の仕切板より径方向外側に置かれる請求項1に記載のリール収納ユニット。
【請求項5】
前記レバーの下面に、前記支持軸に対して係止させられ、前記第1、第2のリールホルダを前記支持軸に対して揺動自在に支持する軸受け部が形成される請求項1に記載のリール収納ユニット。
【請求項6】
前記請求項1~5のいずれか1項に記載のリール収納ユニットを複数備えたリール収容棚。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リール収納ユニット及びリール収納棚に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、IC、トランジスタ、ダイオード等のチップ部品をプリント基板に自動的に取り付ける自動装着機においては、複数のチップ部品を保持するリールがフィーダにセットされ、該フィーダにおいてリールから繰り出されたテープがマウンタに送られ、該マウンタにおいてテープから分離させられた各チップ部品が、プリンタ基板上に載置され、ボンダによってプリンタ基板に取り付けられるようになっている。
【0003】
ところで、前記チップ部品は、取り付けられるプリンタ基板によって、また、プリンタ基板に取り付けられる部位によって異なるので、リールは、チップ部品ごとに形成され、リール収納棚に配設された所定のリール収納部ユニットに形成されたリール収納部に収納される。そして、自動装着機においてプリンタ基板に取り付けられるチップ部品が決まると、該チップ部品を保持するリールが前記リール収納部から取り出され、フィーダにセットされる。
【0004】
また、必要に応じて、リールがリール収納ユニットに補充される(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記従来のリール収納ユニットにおいては、各リール収納部を仕切る仕切板間の間隙が狭く、リールをリール収納部に収納する際にリールが仕切板に引っ掛かることがあり、入庫作業が煩わしいだけでなく、リールをリール収納部から取り出す際に、リールがリール収納部においてスタックすることがあり、その場合、出庫作業が困難になってしまう。
【0007】
本発明は、前記従来のリール収納ユニットの問題点を解決して、リールをリール収納部に収納する入庫作業及びリールをリール収納部から取り出す出庫作業を円滑に行うことができるリール収納ユニット及びリール収納棚を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そのために、本発明のリール収納ユニットにおいては、支持軸を回動中心にして揺動自在に配設された第1のリールホルダと、前記支持軸の軸方向において前記第1のリールホルダと互いに隣接させて、前記支持軸を回動中心にして揺動自在に配設され、前記第1のリールホルダとの間にリール収納部を形成する第2のリールホルダとを有する。
【0009】
そして、前記第1のリールホルダは、リールを支持するレバー及び該レバーと一体に形成された第1の仕切板を備え、前記第2のリールホルダは、リールを支持するレバー及び該レバーと一体に形成された第2の仕切板を備える。
【0010】
また、前記第1、第2の仕切板は互いに異なる形状を有する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、リール収納ユニットにおいては、支持軸を回動中心にして揺動自在に配設された第1のリールホルダと、前記支持軸の軸方向において前記第1のリールホルダと互いに隣接させて、前記支持軸を回動中心にして揺動自在に配設され、前記第1のリールホルダとの間にリール収納部を形成する第2のリールホルダとを有する。
【0012】
そして、前記第1のリールホルダは、リールを支持するレバー及び該レバーと一体に形成された第1の仕切板を備え、前記第2のリールホルダは、リールを支持するレバー及び該レバーと一体に形成された第2の仕切板を備える。
【0013】
また、前記第1、第2の仕切板は互いに異なる形状を有する。
【0014】
この場合、前記第1のリールホルダは、リールを支持するレバー及び該レバーと一体に形成された第1の仕切板を備え、前記第2のリールホルダは、リールを支持するレバー及び該レバーと一体に形成された第2の仕切板を備え、第1、第2の仕切板は互いに異なる形状を有するので、リールをリール収納部に収納する際に、リールが第1、第2の仕切板に引っ掛かることがなく、作業者は入庫作業を円滑に行うことができる。
【0015】
また、各第1、第2のリールホルダにおいて、第1、第2の仕切板がレバーと一体に形成されているので、リール収納部に収納されたリールが、レバーと第1、第2の仕切板との間に入ることがなく、リール収納部においてスタックすることがない。したがって、作業者はリールをリール収納部から取り出す出庫作業を円滑に行うことができる。
【0016】
さらに、各第1、第2のリールホルダを貫通して支持軸が配設されるので、第1、第2のリールホルダのうちの一方のリールホルダのレバーと他方のリールホルダの仕切板との隙間にリールが入り込み、スタックすることがない。したがって、作業者は出庫作業を一層円滑に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の第1の実施の形態におけるリール収納ユニットの斜視図である。
【
図2】本発明の第1の実施の形態におけるリール収納棚の斜視図である。
【
図3】本発明の第1の実施の形態におけるリール収納ユニットの詳細を示す第1の図である。
【
図4】本発明の第1の実施の形態におけるリール収納ユニットの詳細を示す第2の図である。
【
図5】本発明の第1の実施の形態におけるレバーを示す図である。
【
図6】本発明の第2の実施の形態におけるレバーを示す図である。
【
図7】比較例のリール収納ユニットの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。この場合、リール収納装置としてのリール収納棚に配設されたリール収納ユニットについて説明する。
【0019】
図2は本発明の第1の実施の形態におけるリール収納棚の斜視図である。
【0020】
図において、11はリール収納棚、12は該リール収納棚11を移動自在に支持するキャスタである。
【0021】
前記リール収納棚11は、四角形の形状を有するフレームFrを有し、該フレームFrは、左右のサイドフレームSf1、Sf2、及び該各サイドフレームSf1、Sf2の上端間を連結するトップパネルTpから成る。前記フレームFr内には、サイドフレームSf1、Sf2の間に架設された複数の、本実施の形態においては、6個の棚SLi(i=1、2、…、6)が配設される。
【0022】
各棚SLiには、複数の、本実施の形態においては、3個のリール収納ユニットunj(i=1、2、3)が配設され、該各リール収納ユニットunjに形成された複数のリール収納部Ck(k=1、2、…)のうちの所定のリール収納部にリールRが収納される。
各リールRは、例えば、複数のチップ部品が貼り付けられた紙テープ、複数の凹部にチップ部品がセットされて形成されたエンボステープ等のテープを巻き取ることによって形成される。
【0023】
次に、前記リール収納ユニットunjについて説明する。
【0024】
図1は本発明の第1の実施の形態におけるリール収納ユニットの斜視図、
図3は本発明の第1の実施の形態におけるリール収納ユニットの詳細を示す第1の図、
図4は本発明の第1の実施の形態におけるリール収納ユニットの詳細を示す第2の図、
図5は本発明の第1の実施の形態におけるレバーを示す図である。なお、
図1において、X軸正方向はリール収納ユニットunjにおける左方向であり、X軸負方向はリール収納ユニットunjおける右方向であり、Y軸正方向はリール収納ユニットunjにおける前方向であり、Y軸負方向はリール収納ユニットunjにおける後方向であり、Z軸正方向はリール収納ユニットunjにおける上方向であり、Z軸負方向はリール収納ユニットunjにおける下方向である。
【0025】
図において、unjはリール収納ユニット、18は第1の揺動規制部としてのベースプレート、21は該ベースプレート18の左側の縁から立ち上げて形成された第1のサイドプレート、22は前記ベースプレート18の右側の縁から立ち上げて形成された第2のサイドプレート、23は前記ベースプレート18の前側の縁から立ち上げて形成された第2の揺動規制部としての係止片、24は前記第1、第2のサイドプレート21、22の後方上縁間を連結する連結バー、sh1は第1、第2のサイドプレート21、22間に架設された支持軸である。
【0026】
前記第1、第2のサイドプレート21、22間に、互いに形状の異なる第1のリールホルダH1と第2のリールホルダH2とが交互に、かつ、隣接させて配設され、第1、第2のリールホルダH1、H2間にリール収納部Ckが形成される。
【0027】
なお、本実施の形態においては、第1のリールホルダH1と第2のリールホルダH2とが交互に、かつ、隣接させて配設されるようになっているが、第1のリールホルダH1と第2のリールホルダH2とを交互に配設する必要はなく、形状の異なる第1のリールホルダH1と第2のリールホルダH2とが隣接させて配設されていればよい。
【0028】
前記第1、第2のリールホルダH1、H2は、いずれも前記支持軸sh1を回動中心にして揺動自在に配設され、
図1に示されるように、リールRがリール収納部Ckから取り出された状態である出庫状態、及びリールRが収納された状態である入庫状態に選択的に置かれる。
【0029】
前記第1のリールホルダH1は、第1の仕切板D1、及び該第1の仕切板D1の下縁に沿って前後方向に延在させて、仕切板D1と一体に形成されたレバーLvを有する。
【0030】
前記第1の仕切板D1は、扇形の形状を有し、上縁において円弧形状を有する上方縁部Eu1、前方の側縁において前記上方縁部Eu1の前端から斜め後方に向けて延在させて形成された前方側縁部Ef1、後方の側縁において前記上方縁部Eu1の後端から斜め前方に向けて延在させて形成された後方側縁部Er1、及び下縁において直線状に形成され、前方側縁部Ef1の下端と後方側縁部Er1の下端とを連結する下方縁部Eb1を備える。
【0031】
前記レバーLvは、帯状の形状を有し、リールRを支持することができるように、前記第1の仕切板D1の下縁における左右方向の一方側、本実施の形態においては、右方に向けてリールRの厚さに応じた量だけ突出させて形成される。
【0032】
また、前記レバーLvは、前記前方側縁部Ef1に沿って延在させて形成され、前方において前記リールRを保持する前方保持部Rf、前記後方側縁部Er1に沿って延在させて形成され、後方において前記リールRを保持する後方保持部Rr、及び前方保持部Rfの下端と後方保持部Rrの下端とを連結する下方連結部Rcを有する。
【0033】
該下方連結部Rcの上面の前端には、第1のリールホルダH1を支持軸sh1に対して揺動自在に支持するための軸受け部としてのリブ31が斜め前方に向けて突出させて形成される。該リブ31は、支持軸sh1を着脱自在に保持することができるように弧状の形状を有し、先端と、下方連結部Rcの前端から突出させて形成された突起32とによって支持軸sh1を挟持する。
【0034】
また、前記前方保持部Rfの上端には、操作者が第1の仕切板D1を揺動させる際に指等を掛ける操作部としてのフック部Kが形成され、該フック部Kに、第1のリールホルダH1を前記係止片23と係止させるための被係止部としての溝mが形成される。
【0035】
前記第2のリールホルダH2は、第2の仕切板D2、及び該第2の仕切板D2の下縁に沿って前後方向に延在させて、第2の仕切板D2と一体に形成されたレバーLvを有する。
【0036】
前記第2の仕切板D2は、扇形の形状を有し、上縁において円弧形状を有する上方縁部Eu2、前方の側縁において前記上方縁部Eu2の前端から斜め後方に向けて延在させて形成された前方側縁部Ef2、後方の側縁において前記上方縁部Eu2の後端から斜め前方に向けて延在させて形成された後方側縁部Er2、及び下縁において直線状に形成され、前方側縁部Ef2の下端と後方側縁部Er2の下端とを連結する図示されない下方縁部を備える。
【0037】
前記レバーLvは、帯状の形状を有し、リールRを支持することができるように、前記第2の仕切板D2の下縁における左右方向の一方側、本実施の形態においては、右方に向けてリールRの厚さに応じた量だけ突出させて形成される。
【0038】
また、前記レバーLvは、前記前方側縁部Ef2に沿って延在させて形成され、前方において前記リールRを保持する前方保持部Rf、前記後方側縁部Er2に沿って延在させて形成され、後方において前記リールRを保持する後方保持部Rr、及び前方保持部Rfの下端と後方保持部Rrの下端とを連結する図示されない下方連結部を有する。
【0039】
該下方連結部の上面の前端には、第2のリールホルダH2を支持軸sh1に対して揺動自在に支持するために、前記第1のリールホルダH1のリブ31と同様のリブが形成される。
【0040】
また、前記前方保持部Rfの上端には、操作者が第2の仕切板D2を揺動させる際に指等を掛けるフック部Kが形成され、該フック部Kに、第2のリールホルダH2を前記係止片23と係止させるための溝mが形成される。
【0041】
前記フック部Kを操作することによって、第1、第2のリールホルダH1、H2を揺動させ、出庫状態又は入庫状態に置くことができる。
図3においては、第1のリールホルダH1が入庫状態に、第2のリールホルダH2が出庫状態に置かれ、
図4においては、左方の第1のリールホルダH1及び第2のリールホルダH2が出庫状態に、右方の第1のリールホルダH1が入庫状態に置かれる。
【0042】
ところで、第1、第2のリールホルダH1、H2において、前記レバーLvは同じ形状及び同じ寸法を有するのに対して、第1、第2の仕切板D1、D2は互いに形状及び寸法が異なる。そのために、前記第1、第2の仕切板D1、D2の所定の箇所、本実施の形態においては上方縁部Eu1、Eu2が互いに異なる円弧形状を有し、上方縁部Eu1の曲率が上方縁部Eu2の曲率より小さくされる。
【0043】
また、第1の仕切板D1の上方縁部Eu1の両端を結ぶ弦G1と上方縁部Eu1の中央点Tp1との距離をL1とし、第2の仕切板D2の上方縁部Eu2の両端を結ぶ弦G2と上方縁部Eu2の中央点Tp2との距離をL2とすると、距離L1は距離L2より所定の量、例えば、2〔cm〕以上長くされる。
【0044】
そして、
図3に示されるように、第1のリールホルダH1が入庫状態に、第2のリールホルダH2が出庫状態に置かれると、第2のリールホルダH2の上方縁部Eu2の少なくとも所定の部分、例えば、ポイントaが第1のリールホルダH1のレバーLvの先端、すなわち、フック部Kより径方向外側に置かれ、ポイントaとフック部Kとの距離Lxが、例えば約1〔cm〕にされる。
【0045】
ポイントaと、第2のリールホルダH2を出庫状態に置いたときのフック部Kとによって描かれる円弧形状が、第2の仕切板D2の上方縁部Eu2の円弧形状になる。
【0046】
また、
図4に示されるように、第2のリールホルダH2、及び第2のリールホルダH2より第1のサイドプレート21側において隣接させて配設された第1のリールホルダH1が出庫状態に置かれると、第1のサイドプレート21側の第1の仕切板D1の上方縁部Eu1の少なくとも所定の部分、例えば、ポイントbが、第2の仕切板D2の前記ポイントaより径方向外側に置かれ、ポイントbと前記ポイントaとの距離Lyが、例えば約1〔cm〕にされる。
【0047】
ポイントbと、第1のリールホルダH1を出庫状態に置いたときのフック部Kとによって描かれる円弧形状が、第1の仕切板D1の上方縁部Eu1の円弧形状になる。
【0048】
図3に示されるように、互いに隣接する第1、第2のリールホルダH1、H2において、第1のリールホルダH1が入庫状態に、第2のリールホルダH2が出庫状態に置かれている場合、第2の仕切板D2の上方縁部Eu2が第1の仕切板D1の上方縁部Eu1より高くなるので、第2の仕切板D2に沿ってリールRをリール収納部Ckに収納するのが好ましい。
【0049】
また、
図4に示されるように、互いに隣接する第1、第2のリールホルダH1、H2において、第1、第2のリールホルダH1、H2が出庫状態に置かれている場合、第1の仕切板D1の上方縁部Eu1が第2の仕切板D2の上方縁部Eu2より高くなるので、第1の仕切板D1に沿ってリールRをリール収納部Ckに収納するのが好ましい。
【0050】
なお、第1、第2のリールホルダH1、H2が出庫状態に置かれると、レバーLvのフック部Kが係止片23に係止させられて回動が規制され、第1、第2のリールホルダH1、H2が入庫状態に置かれると、レバーLvの下方連結部Rcがベースプレート18に当接し、回動が規制される。
【0051】
このように、本実施の形態においては、前記第1のリールホルダH1が、リールRを支持するレバーLv及び該レバーLvと一体に形成された第1の仕切板D1を備え、前記第2のリールホルダが、リールRを支持するレバーLv及び該レバーLvと一体に形成された第2の仕切板D2を備え、第1、第2の仕切板D1、D2が互いに異なる形状を有するので、リールRをリール収納部Ckに収納する際に、リールRが第1、第2の仕切板D1、D2に引っ掛かることがなく、作業者は入庫作業を円滑に行うことができる。
【0052】
また、各第1、第2のリールホルダH1、H2において、第1、第2の仕切板D1、D2がレバーLvと一体に形成されているので、リール収納部Ckに収納されたリールRがレバーLvと第1、第2の仕切板D1、D2との間に入ることがなく、リール収納部Ckにおいてスタックすることがない。したがって、作業者は出庫作業を円滑に行うことができる。
【0053】
さらに、各第1、第2のリールホルダH1、H2を貫通して支持軸sh1が配設されるので、第1、第2のリールホルダH1、H2のうちの一方のリールホルダのレバーLvと、他方のリールホルダの仕切板との隙間にリールRが入り込み、スタックすることがない。したがって、作業者は出庫作業を一層円滑に行うことができる。
【0054】
ところで、本実施の形態においては、前記レバーLvの下方連結部Rcの上面の前端にリブ31が形成され、第1、第2のリールホルダH1、H2が支持軸sh1に対して揺動自在に支持されるようになっているが、リールRを第1、第2のリールホルダH1、H2のリール収納部Ckに収納する際にレバーLvに外力が加わり、リブ31が折れたり、リブ31と突起32との間が広がり、第1、第2のリールホルダH1、H2が支持軸sh1から外れたり、レバーLvが支持軸sh1に対して半ロック状態になったりすることがある。
【0055】
そこで、前記レバーLvの下方連結部Rcの下面の前端に、軸受け部としてのリブを形成するようにした本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与し、同じ構造を有することによる発明の効果については同実施の形態の効果を援用する。
【0056】
図6は本発明の第2の実施の形態におけるレバーを示す図である。
【0057】
図において、Lvはレバー、Rcは下方連結部であり、該下方連結部Rcの下面の前端には、第1、第2のリールホルダH1、H2を支持軸sh1に対して揺動自在に支持するための軸受け部としてのリブ33、34が下方に向けて突出させて形成される。
【0058】
該リブ33、34は、支持軸sh1を着脱自在に保持することができるように弧状の形状を有し、リブ33、34の各先端が支持軸sh1に係止させられ、支持軸sh1を挟持する。
【0059】
これにより、リールR(
図1)を第1、第2のリールホルダH1、H2のリール収納部Ckに収納する際にレバーLvに外力が加わっても、リブ33、34が折れたり、リブ33、34間が広がり、第1、第2のリールホルダH1、H2が支持軸sh1から外れたり、レバーLvが支持軸sh1に対して半ロック状態になったりすることがなくなる。
【0060】
また、第1、第2のリールホルダH1、H2を支持軸sh1に取り付ける際に、第1、第2のリールホルダH1、H2を上から支持軸sh1に押し付けるだけでよいので、作業を簡素化することができるだけでなく、作業時間を短縮することができる。
【0061】
次に、リール収納ユニットの比較例について説明する。
【0062】
【0063】
図において、un11はリール収納ユニット、118は第1の揺動規制部としてのベースプレート、122はベースプレート118の右側の縁から立ち上げて形成された第2のサイドプレート、123はベースプレート118の前側の縁から立ち上げて形成された第2の揺動規制部としての係止片、sh11は支持軸である。
【0064】
図示されない第1のサイドプレートと第2のサイドプレート122との間には、第2のサイドプレート122とほぼ同じ形状を有する複数の仕切板D11が、ベースプレート118から立ち上げて、かつ、一定の間隔で形成される。また、各仕切板D11間にリール収納部C11が形成され、該各リール収納部C11にレバーLv11が揺動自在に配設され、リール収納部C11に収納されたリールRがレバーLv11によって保持される。
【0065】
この場合、各リールRの厚さが11〔mm〕であるのに対して、仕切板D11間の間隙は12〔mm〕にされる。
【0066】
比較例のリール収納ユニットun11においては、仕切板D11間の間隙が狭いので、リールRをリール収納部C11に収納する際に、リールRが仕切板D11の角に引っ掛かることがあり、入庫作業が煩わしいだけでなく、リール収納部C11に収納されたリールRがレバーLv11と仕切板D11との間に入り、リール収納部C11においてスタックすることがあり、その場合、出庫作業が困難になってしまう。
【0067】
前記各実施の形態においては、第1のリールホルダH1において第1の仕切板D1とレバーLvとが、第2のリールホルダH2において第2の仕切板D2とレバーLvとが、一体成形等によって一体に形成されるようになっているが、第1の仕切板D1とレバーLvとを、第2の仕切板D2とレバーLvとを接合することによって一体に形成することもできる。
【0068】
なお、本発明は前記各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【符号の説明】
【0069】
Ck リール収納部
D1、D2 第1、第2の仕切板
H1、H2 第1、第2のリールホルダ
Lv レバー
R リール
sh1 支持軸
unj リール収納ユニット