(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024115962
(43)【公開日】2024-08-27
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理方法および情報処理装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/20 20120101AFI20240820BHJP
【FI】
G06Q50/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023021895
(22)【出願日】2023-02-15
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (1)令和4年3月1日、ウェブサイトによる公開、https://bhso.benesse.ne.jp/hs_online/info/gtec/news/20220301_no1.html (2)令和4年3月14日、ウェブサイトによる公開、https://bhso.benesse.ne.jp/hs_online/info/gtec/dl/22asesumanyuaru_shin_225EB1JM.pdf (3)令和4年3月14日、ウェブサイトによる公開、https://bhso.benesse.ne.jp/hs_online/info/gtec/dl/22asesutebiki.pdf (4)令和4年3月14日、ウェブサイトによる公開、https://bhso.benesse.ne.jp/hs_online/info/gtec/dl/22asesushiori_shin.pdf (5)令和4年11月1日、刊行物による公開、株式会社ベネッセコーポレーション、「GTEC 2022年度 アセスメント版新実施方式のご案内」 (6)令和4年4月1日、ウェブサイトによる公開、https://loginc.benesse.ne.jp/cbt_s/login
(71)【出願人】
【識別番号】709006024
【氏名又は名称】株式会社ベネッセコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】中島 正剛
(72)【発明者】
【氏名】黛 直美
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC34
5L050CC34
(57)【要約】
【課題】インターネット等のネットワークとユーザ端末との接続を前提とせず、ユーザが設問を進めることができるプログラム、情報処理方法および情報処理装置を提供する。
【解決手段】プログラムは、ユーザが使用する端末装置に、ユーザの認証情報を、ユーザの認証を行う第1サーバ装置であって端末装置とネットワークを介して通信可能な第1サーバ装置に送信すること、第1サーバ装置から、認証情報に基づく認証の結果を受信すること、認証の結果に基づいて、ネットワークと端末装置との接続状態に関わらず、ユーザに対して、複数の設問それぞれに関する設問データを、設問ごとに出力すること、ユーザから、接続状態に関わらず、設問データに対する回答入力を設問ごとに受け付けること、回答入力の結果に基づいて、接続状態に関わらず、複数の設問それぞれに対する回答データを設問ごとに記憶部に登録することを実行させる。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが使用する端末装置に、
前記ユーザから、前記ユーザの認証情報の入力を受け付ける認証受付機能と、
前記認証情報を、前記ユーザの認証を行う第1サーバ装置であって前記端末装置とネットワークを介して通信可能な第1サーバ装置に送信する第1送信機能と、
前記第1サーバ装置から、前記認証情報に基づく前記認証の結果を受信する受信機能と、
前記認証の結果に基づいて、前記ネットワークと前記端末装置との接続状態に関わらず、前記ユーザに対して、複数の設問それぞれに関する設問データを、前記設問ごとに出力する出力機能と、
前記ユーザから、前記接続状態に関わらず、前記設問データに対する回答入力を前記設問ごとに受け付ける回答受付機能と、
前記回答入力の結果に基づいて、前記接続状態に関わらず、前記複数の設問それぞれに対する回答データを前記設問ごとに記憶部に登録する登録機能と、
前記記憶部を参照して、前記記憶部に登録された1以上の回答データを、ネットワークを介して通信可能な第2サーバ装置に送信する第2送信機能と、を実現させる、
プログラム。
【請求項2】
前記第2送信機能は、前記設問ごとに、前記記憶部に登録された回答データを前記第2サーバ装置に送信し、
前記端末装置に、前記第2サーバ装置への送信が完了した場合、前記記憶部に登録されている送信対象の回答データを削除する削除機能をさらに実現させる、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記設問ごとに、次の設問に遷移する際に、前記接続状態に基づいて、前記回答データを前記第2サーバ装置に送信するか否かを判定する判定機能をさらに実現させ、
前記第2送信機能は、前記判定の結果送信しないと判定された場合、前記回答データの送信を取り止め、その後前記判定の結果後続する設問の回答データについて送信すると判定された場合に、送信を取り止めていた前記回答データも送信対象としてまとめて前記第2サーバ装置に送信する、
請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記回答入力は、前記ユーザの音声による入力であり、
前記回答データは、前記設問ごとに入力された音声を記録する音声ファイルである、
請求項1または2に記載のプログラム。
【請求項5】
前記出力機能は、前記複数の設問の途中で前記プログラムが終了し、前記プログラムがその後再開された際、前記記憶部に登録された1以上の回答データに基づいて、前記ユーザが最後に回答入力した設問の次の設問に関する設問データを出力する、
請求項1または2に記載のプログラム。
【請求項6】
前記出力機能は、前記設問データを含む設問画面を前記設問ごとに出力し、前記設問画面に対する回答入力を受け付けた場合、次の設問の前記設問画面へと遷移させ、
前記端末装置に、前記設問の途中で前記設問画面が閉じられた場合、前記ユーザから、前記設問画面の再出力の要求入力を受け付ける出力受付機能をさらに実現させ、
前記出力機能は、前記要求入力と、前記記憶部に登録された1以上の回答データとに基づいて、前記ユーザが最後に回答入力した設問の次の設問に関する設問データを含む設問画面を出力する、
請求項1または2に記載のプログラム。
【請求項7】
ユーザが使用する端末装置が、
前記ユーザから、前記ユーザの認証情報の入力を受け付け、
前記認証情報を、前記ユーザの認証を行う第1サーバ装置であって前記端末装置とネットワークを介して通信可能な第1サーバ装置に送信し、
前記第1サーバ装置から、前記認証情報に基づく前記認証の結果を受信し、
前記認証の結果に基づいて、前記ネットワークと前記端末装置との接続状態に関わらず、前記ユーザに対して、複数の設問それぞれに関する設問データを、前記設問ごとに出力し、
前記ユーザから、前記接続状態に関わらず、前記設問データに対する回答入力を前記設問ごとに受け付け、
前記回答入力の結果に基づいて、前記接続状態に関わらず、前記複数の設問それぞれに対する回答データを前記設問ごとに記憶部に登録し、
前記記憶部を参照して、前記記憶部に登録された1以上の回答データを、ネットワークを介して通信可能な第2サーバ装置に送信する、
情報処理方法。
【請求項8】
ユーザが使用する情報処理装置であって、
前記ユーザから、前記ユーザの認証情報の入力を受け付ける認証受付部と、
前記認証情報を、前記ユーザの認証を行う第1サーバ装置であって前記情報処理装置とネットワークを介して通信可能な第1サーバ装置に送信する第1送信部と、
前記第1サーバ装置から、前記認証情報に基づく前記認証の結果を受信する受信部と、
前記認証の結果に基づいて、前記ネットワークと前記情報処理装置との接続状態に関わらず、前記ユーザに対して、複数の設問それぞれに関する設問データを、前記設問ごとに出力する出力部と、
前記ユーザから、前記接続状態に関わらず、前記設問データに対する回答入力を前記設問ごとに受け付ける回答受付部と、
前記回答入力の結果に基づいて、前記接続状態に関わらず、前記複数の設問それぞれに対する回答データを前記設問ごとに記憶部に登録する登録部と、
前記記憶部を参照して、前記記憶部に登録された1以上の回答データを、前記ネットワークを介して通信可能な第2サーバ装置 に送信する第2送信部と、を備える、
情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、情報処理方法および情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、e-LeaningやWebテスト等、ユーザが使用する端末装置(以下、「ユーザ端末」ともいう)とサーバ装置(具体的には、Webサーバ等)との間のネットワーク通信を利用して、ユーザ認証を行ったり、認証したユーザに対して設問を出したり設問に対する回答をユーザから受け付けたりする技術が存在する。下記特許文献1では、インターネット等の通信回線に接続されたサーバ装置とユーザ端末とが、情報の送受信により、ユーザ端末からサーバ端末に対して認証情報(例えば、IDやPW)やテストの回答を提供したり、サーバ装置からユーザ端末に対してテストの質問を提供したりするWebテスト支援システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、特許文献1に記載の技術では、ユーザ端末およびサーバ装置のそれぞれが、インターネット等のネットワークに接続されていることが前提となる。このため、例えば、ネットワーク接続の環境が整っていない場所でユーザ端末を使用すると、ユーザが設問を進めている途中で通信が途切れてしまうことがあり、ユーザが設問を進めることが困難な場合がある。
【0005】
そこで、本発明のいくつかの態様は、インターネット等のネットワークとユーザ端末との接続を前提とせず、ユーザが設問を進めることができるプログラム、情報処理方法および情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係るプログラムは、ユーザが使用する端末装置に、ユーザから、ユーザの認証情報の入力を受け付ける認証受付機能と、認証情報を、ユーザの認証を行う第1サーバ装置であって端末装置とネットワークを介して通信可能な第1サーバ装置に送信する第1送信機能と、第1サーバ装置から、認証情報に基づく認証の結果を受信する受信機能と、認証の結果に基づいて、ネットワークと端末装置との接続状態に関わらず、ユーザに対して、複数の設問それぞれに関する設問データを、設問ごとに出力する出力機能と、ユーザから、接続状態に関わらず、設問データに対する回答入力を設問ごとに受け付ける回答受付機能と、回答入力の結果に基づいて、接続状態に関わらず、複数の設問それぞれに対する回答データを設問ごとに記憶部に登録する登録機能と、記憶部を参照して、記憶部に登録された1以上の回答データを、ネットワークを介して通信可能な第2サーバ装置に送信する第2送信機能と、を実現させる。
【0007】
本発明の一態様に係る情報処理方法は、ユーザが使用する端末装置が、ユーザから、ユーザの認証情報の入力を受け付け、認証情報を、ユーザの認証を行う第1サーバ装置であって端末装置とネットワークを介して通信可能な第1サーバ装置に送信し、第1サーバ装置から、認証情報に基づく認証の結果を受信し、認証の結果に基づいて、ネットワークと端末装置との接続状態に関わらず、ユーザに対して、複数の設問それぞれに関する設問データを、設問ごとに出力し、ユーザから、接続状態に関わらず、設問データに対する回答入力を設問ごとに受け付け、回答入力の結果に基づいて、接続状態に関わらず、複数の設問それぞれに対する回答データを設問ごとに記憶部に登録し、記憶部を参照して、記憶部に登録された1以上の回答データを、ネットワークを介して通信可能な第2サーバ装置に送信する。
【0008】
本発明の一態様に係る情報処理装置は、ユーザが使用する情報処理装置であって、ユーザから、ユーザの認証情報の入力を受け付ける認証受付部と、認証情報を、ユーザの認証を行う第1サーバ装置であって情報処理装置とネットワークを介して通信可能な第1サーバ装置に送信する第1送信部と、第1サーバ装置から、認証情報に基づく認証の結果を受信する受信部と、認証の結果に基づいて、ネットワークと情報処理装置との接続状態に関わらず、ユーザに対して、複数の設問それぞれに関する設問データを、設問ごとに出力する出力部と、ユーザから、接続状態に関わらず、設問データに対する回答入力を設問ごとに受け付ける回答受付部と、回答入力の結果に基づいて、接続状態に関わらず、複数の設問それぞれに対する回答データを設問ごとに記憶部に登録する登録部と、記憶部を参照して、記憶部に登録された1以上の回答データを、ネットワークを介して通信可能な第2サーバ装置に送信する第2送信部と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明のいくつかの態様によれば、インターネット等のネットワークとユーザ端末との接続を前提とせず、ユーザが設問を進めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本実施形態に係るテスト支援システムのシステム構成の一例を示す図である。
【
図2】本実施形態に係るテスト支援システムの概要の一例を示す図である。
【
図3】本実施形態に係るテスト支援システムの概要の一例を示す図である。
【
図4】本実施形態に係るユーザ端末の機能構成の一例を示す図である。
【
図5】本実施形態に係るテスト支援システムのデータ構成例を示す図である。
【
図6】本実施形態に係るテスト支援システムの動作例を示す図である。
【
図7】本実施形態に係るテスト支援システムのハードウェア構成の一例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
添付図面を参照して、本発明の一実施形態(以下、「本実施形態」という。)について説明する。なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一又は同様の構成を有する。
【0012】
<1.システム構成>
図1を用いて、本実施形態に係るテスト支援システム1のシステム構成の例を説明する。テスト支援システム1は、学校や塾、自宅等において各種テストの実施を支援するためのシステムである。
【0013】
図1に示すように、テスト支援システム1は、ユーザが使用するユーザ端末100と、ユーザの当人認証(以下、「ユーザ認証」ともいう)のための認証用の第1サーバ装置200aと、回答者に設問を提示したり回答者から設問に対する回答を受け付けたりする出題用の第2サーバ装置200bと、を備える。
【0014】
本実施形態では、上記のとおり、認証用のサーバを第1サーバ装置200aとし、他方、出題用のサーバを第2サーバ装置200bとして分けて構成しているが、本発明に係る第1サーバ装置と第2サーバ装置はこれに限定されない。例えば、第1サーバ装置と第2サーバ装置とは1つの装置であってもよい。すなわち、1つのサーバ装置が認証用と出題用の2つのサーバの機能を備えてもよい。第1サーバ装置200aと第2サーバ装置200bとは、特に区別する必要がない場合、総称して「サーバ装置200」ともいう。
【0015】
テスト支援システム1のユーザは、例えば、テストの受検者等の回答者(例えば、生徒等)、テストの監督者(例えば、先生や会場スタッフ等)、および/またはその他の関係者(例えば、テストの主催者やシステム管理者等)が考えられる。
【0016】
ネットワークNは、無線ネットワークや有線ネットワークにより構成される。ネットワークNの一例としては、携帯電話網や、PHS(Personal Handy-phone System)網、無線LAN(Local Area Network)、3G(3rd Generation)、LTE(Long Term Evolution)、4G(4th Generation)、5G(5th Generation)、WiMax(登録商標)、赤外線通信、Bluetooth(登録商標)、有線LAN、電話線、電力線通信ネットワーク、IEEE1394などに準拠したネットワークがある。
【0017】
[サーバ装置]
サーバ装置200は、ネットワークNを介して、ユーザ端末100との通信が可能な情報処理装置である。サーバ装置200は、テストの主催者等を代行して、ユーザ認証の実行、設問の提示や設問に対する回答の評価等のテストに関するサービス(以下、「テストサービス」ともいう)を提供するための機能を提供する。本実施形態では、サーバ装置200が、テストサービスを提供するためのWebサイト(以下、「テストサイト」ともいう)において、ユーザ端末100からの要求に応じてWebページを生成し、ユーザ端末100に配信する例を説明する。
【0018】
[ユーザ端末]
ユーザ端末100は、例えば、ネットワークNを介して、サーバ装置200と通信可能な汎用または専用の情報処理装置であり、例えば、スマートフォンやタブレット端末、PDA等である。ユーザ端末100は、ユーザが使用する端末装置の一態様である。ユーザ端末100は、所定のプログラム(以下、「ユーザプログラム」ともいう)を実行することにより、テストに含まれる複数の設問それぞれに関するデータ(以下、「設問データ」ともいう)を出力させたりユーザから設問に対する回答入力を受け付けたり、これらの処理に必要なデータをサーバ装置200から受信したり、回答入力された結果を示す回答データをサーバ装置200に送信したりする。本実施形態では、ユーザプログラムとして、ユーザ端末100に標準的に備わるWebブラウザを利用する例を説明するが、ユーザプログラムはこれに限定されない。ユーザは、サーバ装置200から配信されたWebページをユーザ端末100のWebブラウザから閲覧することで、サーバ装置200からテストサービスの提供を受けるものとする。
【0019】
<2.システムの概要>
<2-1.通常のフロー>
図2を参照して、本実施形態に係るテスト支援システム1で実施されるテストのプロセスにおける通常のフローの例を説明する。
【0020】
<2-1-1.テスト開始前の事前チェック/登録プロセス>
図2に示すように、テスト支援システム1では、テスト開始前の事前チェック/登録プロセスの工程として、例えば、(1)ユーザ認証、(2)事前説明、(3)動作チェック、(4)プレNo登録、(4)顔写真撮影等の工程を受検者に実施させる。また、これらの工程では、サーバ装置200との各種データの送受信(例えば、Webブラウザを利用する場合はHTTPリクエストとレスポンス等)が必要なため、ユーザ端末100は、ネットワークNを介してサーバ装置200と双方向に通信可能な状態、すなわちネットワークNとの接続状態(以下、「ネットワーク接続状態」ともいう)がオンライン状態で行うものとしてもよい。すなわち、これらの工程において、ネットワーク接続状態がオフライン状態では進行不可としてもよい。また、
図2の例では、出題された設問に対して受検者は音声により回答する例を説明するが、本発明に係る設問に対する回答形式はこれに限定されない。他の例として、設問に対する回答形式は、文章等のテキストであってもよいし、選択形式等のパラメータ等あってもよい。
【0021】
(1)ユーザ認証
ユーザ認証の工程では、テスト支援システム1は、ユーザである受検者がテストサイトにアクセスする際に、この受検者のユーザ認証を実行する。具体的には、第1サーバ装置200aが、受検者に、ユーザ端末100を介してテストサイトのURLにアクセスさせて、ユーザ認証に関する処理(以下、「認証処理」ともいう)を実行する。第1サーバ装置200aは、例えば、認証処理においてセッション認証の技術を用いてもよい。この場合、認証に関する情報(以下、「認証情報」ともいう)は、例えば、Cookieとして、各セッションのセッションIDを含めてもよい。
【0022】
ユーザ端末100は、例えば、テスト支援システム1に予め登録した受検者のユーザアカウントの認証情報(例えば、テスト支援システム1におけるユーザIDとパスワード)を、ユーザ端末100に出力されたテストサイトのログインページに受検者が入力することによって第1サーバ装置200aにユーザ認証を要求してもよい。また、ユーザのアカウントの登録がない場合等は、例えば、テストが実施される各テスト会場を識別するための会場識別情報(例えば、各学校に付与された学校コード等)、受検対象の各テストを識別するテスト識別情報、および/またはユーザに関する情報(以下、「ユーザ情報」ともいう)をユーザに入力させてユーザ認証を省略してもよい。ユーザ端末100は、ネットワークNを介して、受検者から入力されたこれらの情報を第1サーバ装置200aに送信する。第1サーバ装置200aは、この送信された認証情報に基づいて、認証処理を実行する。第1サーバ装置200aは、認証が成功した場合、ユーザのアカウントに対して、許可されたテストサイトのページをアクセス可能にさせる。
【0023】
第1サーバ装置200aは、各テストにおいて、上記のユーザ端末100から送信されたユーザ情報に基づいて、各受検者を一意に識別するID(以下、「受検者ID」ともいう)を発行してもよい。受検者IDは、例えば、受検者であるユーザごと、かつ受検ごとに第1サーバ装置200aにより発行される。このため、例えば、テストAを受検した生徒がテストAと異なるテストBを受検した場合、第1サーバ装置200aは、この生徒に対し、テストA用の受検者IDとは異なる、テストB用の受検者IDを発行する。第1サーバ装置200aは、受検者IDが発行された受検者のユーザ情報とユーザ認証の結果を示す情報(以下、「認証結果情報」ともいう)を第2サーバ装置200bに送信して、第2サーバ装置200bとの認証連携を実現してもよい。
【0024】
ユーザ情報は、例えば、テスト支援システム1のユーザID、ユーザIDに対応するパスワード、受検者ID、ユーザの氏名、年齢、性別、職業、住所、電話番号、および/またはメールアドレス等を含んでもよい。また、ユーザ情報は、学校での受検で、かつユーザが受検者の場合は、受検者の個人情報に代えて、受検者の学年、組番、および/または出席番号等を含んでもよい。
【0025】
(2)事前説明
事前説明の工程では、第2サーバ装置200bは、受検対象のテストに関する説明を示すデータ(以下、「説明データ」ともいう)をユーザ端末100に出力させる。説明データは、例えば、テキストデータ、静止画ファイル、音声ファイル、および/または動画ファイル等を含んでもよい。説明データは、上記の認証連携がされた際等に、第2サーバ装置200bからユーザ端末100に送信されてもよい(ダウンロードされてもよい)。
【0026】
(3)環境チェック
環境チェックの工程では、(ア)動画ファイルや音声ファイルが正常に再生できるか否かを判定する再生チェック、(イ)受検者が回答する際の音声が正常に録音できるか否かを判定する録音チェック、(ウ)ユーザ端末100とサーバ装置200との間の通信の接続状態(以下、「対サーバ接続状態」ともいう)を判定する通信接続チェックを行う。対サーバ接続状態とネットワーク接続状態とは、総称して「接続状態」ともいう。また、環境チェックの工程では、例えば、ユーザ端末100のOS等のミドルウェアやウェブブラウザのバージョン等のチェック、ユーザ端末100の記憶装置の容量チェック等を併せて行ってもよい。
【0027】
(4)プレNo登録
プレNo登録の工程では、受検者に、予め付与された各ユーザ端末100を識別するための情報(例えば、各ユーザ端末100を識別するためのQRコード(登録商標)等)をプレNoとしてユーザ端末100に入力させる。ユーザ端末100は、この入力された情報を、ネットワークNを介して、第2サーバ装置200bに送信する。
【0028】
(5)顔写真撮影
顔写真撮影の工程では、ユーザ端末100が備えるカメラにより、受検者の顔写真を撮影する。ユーザ端末100は、撮影された受検者の顔写真の画像ファイルを、ネットワークNを介して、第2サーバ装置200bに送信する。
【0029】
第2サーバ装置200bは、上記(2)~(5)のいずれかの工程において、テストの設問を進めるために必要な設問データをユーザ端末100送信してもよい。ユーザ端末100は、例えば、通信接続チェックの一つとして、第2サーバ装置200bから設問データを正常に受信できるかどうかによって第2サーバ装置200bとの対サーバ接続状態を判定してもよい。また、その際の通信速度を算出し、この通信速度に基づいて第2サーバ装置200bとの対サーバ接続状態を判定してもよい。
【0030】
設問データは、例えば、各設問を出力するためのデータである。設問データは、例えば、テキストデータ、音声データ、静止画像ファイル、および/または動画ファイル等を含んでもよい。また、設問データは、各設問の例題を示す情報、および/または各設問の内容を示す情報を含んでもよい。また、設問データは、テストで出される複数の設問に共通する情報(例えば、テストコード、テストの内容、出題される設問の構成、出題形式、注意事項等)を含んでもよい。
【0031】
<2-1-2.テスト開始~受検プロセス>
テスト支援システム1では、テスト開始から受検までのプロセス(以下、「受検プロセス」ともいう)として、例えば、(5)受検開始、(6)設問等の工程を受検者に実施させる。また、これらの工程では、ユーザ端末100とサーバ装置200との間の各種データのネットワークNを介した送受信は必須とせずに、ユーザ端末100がネットワークNと接続されていない状態、すなわちネットワーク接続状態がオフライン状態でも進行可能とする。
【0032】
(5)受検開始
受検開始の工程では、ユーザ端末100は、設問データに基づいて、回答者に対して、出題される設問の構成およびテストの内容等を出力する。受検者は、出力された情報を確認して、テストサイトのWebページに出力された準備完了入力手段に対して受検の準備が完了した旨を入力し、テスト開始入力手段に対して受検を開始する旨の入力をする。各入力手段は、例えば、Webページに表示されたボタン等の入力フォームで実現してもよい。ユーザ端末100は、これらの入力を受け付けて、受検を開始する。また、ユーザ端末100は、この受検開始の入力を受け付けると、テストの進捗ステータスを示す情報(以下、「ステータス情報」ともいう)における受検のステータス(以下、「受検ステータス」ともいう)を、「受検中」にして後述する記憶部130に登録する。ステータス情報の詳細は、
図5を用いて後述する。
【0033】
(6)設問
設問の工程では、ユーザ端末100は、設問1~N(Nは自然数)それぞれについて順次その設問データを出力し、出力した設問データに対する受検者からの回答入力を受け付ける。また、ユーザ端末100は、設問ごとに、回答入力の結果を示すデータ(以下、「回答データ」ともいう)を、記憶部130に登録する。例えば、回答入力が回答者の音声による入力である場合、回答データは、設問ごとに入力された回答者の音声を記録する音声ファイル(例えば、MP3やWAV等の形式のファイル等)であってもよい。
【0034】
ユーザ端末100は、複数の設問それぞれの回答データを記憶部130に登録する際、ネットワーク接続状態および/または第2サーバ装置200bとの対サーバ接続状態をその都度判定してもよい。ユーザ端末100は、対サーバ接続状態として第2サーバ装置200bと通信可能と判定した場合は回答データを第2サーバ装置200bに送信し、他方通信不能と判定した場合は再度通信可能となるまで回答データを送信せずに待機してもよい。
【0035】
<2-1-3.テスト終了プロセス>
テスト支援システム1では、テスト終了プロセスとして、例えば、(7)受検終了の工程を回答者に実施させる。また、この工程において、ユーザ端末100は、各種データの送受信のため、ネットワークNを介して第2サーバ装置200bと双方向に接続可能な状態、すなわちネットワーク接続状態がオンライン状態で行うものとしてもよい。
【0036】
(7)受検終了
受検終了の工程では、受検者は、テストサイトのWebページに出力されたテスト終了入力手段に対して受検を終了する旨の入力をする。ユーザ端末100は、この終了の入力を受け付けると、ステータス情報の受検ステータスを「受検終了」に更新し、未送信の回答データと更新したステータス情報とを第2サーバ装置200bに送信する。第2サーバ装置200bは、送信された回答データとステータス情報を受信して、回答データを評価する(言い換えれば、各回答データに示された回答を採点する)。
【0037】
上記構成のもと、テスト支援システム1は、受検プロセスにおいて、受検開始前にダウンロードした設問データに基づいて、接続状態に関わらず、設問を進めることができる。このため、テスト支援システム1では、インターネット等のネットワークNとユーザ端末との接続(オンライン接続)を前提とせず、受検者が設問を進めることができる。
【0038】
例えば、学校等で多くの生徒が学校で所有する端末装置を用いて一斉に教室において受検する場合、多くの生徒がそれぞれ、設問ごとに第2サーバ装置200bから設問データを受信したり回答データを送信したりすると、テスト用に通信環境が考慮されていないため、通信の遅延や通信不能の事象が発生することが考えられる。このような事象が発生した際に、事象が解消されるまで生徒が設問を進めることができないとすると、テストに割り当てられた時間内に設問を回答し終えることができなくなってしまう。上記構成によれば、オフライン状態であっても、生徒は設問を進めることができ、全ての設問の回答データを揃えることができる。このため、通信環境が整わない場所や端末装置であっても、設問を回答し終わるようにすることができる。
【0039】
<2-2.異常時のフロー>
図3を参照して、本実施形態に係るテスト支援システム1で実施されるテストのプロセスにおけるイレギュラーな事象が発生した際のフローの一例を説明する。
【0040】
図3に示すように、(7)設問の工程における設問2の回答の途中でWebブラウザを閉じてしまった場合(または、Webブラウザを終了してしまった場合)、テスト支援システム1では、受検者またはテストの監督者等から受け付けたテストの再開要求に応じて再開させることができる。この際、テスト支援システム1は、再開するユーザ端末100に応じて、具体的には、同じユーザ端末100で再開するか、または異なるユーザ端末100で再開するかに応じてフローを変えてもよい。本例では、設問1の回答の入力が完了し、設問2の設問の内容を出力している途中でWebブラウザが閉じられてしまったものとする。
【0041】
<2-2-1.同じ端末装置で再開した場合>
テスト支援システム1では、これまでテストを受検していたユーザ端末100と同じ端末装置でテストの再開要求をユーザから受け付けた場合、このユーザ端末100の記憶部130(または、第2サーバ装置200bの記憶部(不図示))に登録されているステータス情報および/または回答入力が完了した設問の回答データに基づいて、設問の途中から再開させてもよい。なお、ユーザ認証に関して、同じ端末装置かつ同じWebブラウザであればセッションが共有できることがある。この場合、再開後の認証処理においても同じセッションIDを使用して同じセッションを使用することができる。
【0042】
具体的には、ユーザ端末100は、再度(1)ユーザ認証を実行させてログインしたユーザから、テストサイトのWebページに出力された再開要求入力手段に対するテストの再開要求の入力を受け付ける。ユーザ端末100は、再開要求の入力を受け付けた場合、事前チェック/登録プロセスでは、再度実施する必要のない工程、例えば、第2サーバ装置200bに登録対象のデータが既にアップロードされているような、(4)プレNo登録および(5)顔写真撮影の工程は省略してもよい。再開の際、ユーザ端末100は、複数の設問のうちどの設問まで回答済みかというような設問の進捗を、(ア)ステータス情報、(イ)自装置の記憶部130に登録された回答データの少なくともいずれかのデータに基づいて判定してもよい。
【0043】
<2-2-2.異なる端末装置で再開した場合>
テスト支援システム1では、これまでテストを受検していたユーザ端末100と異なる端末装置で再開する要求をユーザから受け付けた場合、このユーザ端末100の記憶部130に登録されているステータス情報および/または設問の回答データ、また、セッション認証を実施した場合には認証情報(セッションID)が再開前後で共有できない。このため、受検者に、設問をはじめから回答し直させてもよい。この際、第2サーバ装置200bは、再開要求の対象の受検者についてこれまで登録されている回答データ等を初期化してもよい。具体的には、第2サーバ装置200bは、自装置の記憶部に登録されているユーザ端末100からこれまで送信されてきた回答データを退避領域に退避して、はじめの設問(本例では、設問1)から回答データを登録し直すようにしてもよい。
【0044】
第2サーバ200bは、上記のように初期化した後に、受検者が再度受検し直さなかった場合、具体的には、テストサイトに再ログインしなかった場合、退避していた再開前の回答データで評価してもよい。このような構成によれば、何らかの理由で受検者が再開できなかった場合でも、再開前の回答データで評価することができる。
【0045】
具体的には、ユーザ端末100は、事前チェック/登録プロセスの工程では上記<同じ端末装置で再開した場合>と同じとし、他方、受検プロセスでは、はじめの設問から出力、設問に対する回答入力の受付、回答データの第2サーバ装置200bへのアップロード等をし直してもよい。
【0046】
上記構成のもと、テスト支援システム1は、設問の途中でWebブラウザが閉じてしまった場合等において、同じ端末装置か異なる端末装置かに応じて受検プロセスの設問の進め方を変えることができる。このため、回答データやステータス情報、認証情報の共有可否等に応じて設問を進められるため、第2サーバ装置200bとユーザ端末100間の回答データやステータス情報の再開前後のデータの不整合を抑止することができる。
【0047】
<3.機能構成>
図4を参照して、本実施形態に係るユーザ端末100の機能構成を説明する。
図4に示すように、ユーザ端末100は、制御部110と、通信部120と、記憶部130と、を備える。
【0048】
[制御部]
制御部110は、受付部111と、出力部112と、登録部113と、を備える。また、制御部110は、例えば、削除部114および/または判定部115を備えてもよい。
【0049】
[受付部]
受付部111は、ユーザから、画面に出力されたテストサイトのWebページの入力フォーム等を介して各種データや各種要求の入力を受け付ける。受付部111は、認証受付部111aを備える。認証受付部111aは、ユーザから、このユーザの認証情報の入力を受け付ける。
【0050】
受付部111は、回答受付部111bを備える。回答受付部111bは、ユーザから、接続状態に関わらず、設問データに対する回答入力を設問ごとに受け付ける。
【0051】
受付部111は、例えば、出力受付部111cを備えてもよい。出力受付部111cは、出力されている設問の途中で各設問の設問データを含む画面(以下、「設問画面」ともいう)が閉じられた場合、ユーザから、設問画面の再出力の要求入力(例えば、上記
図3の例の再開要求の入力等)を受け付けてもよい。
【0052】
[出力部]
出力部112は、ユーザ端末100に、テストサイトの画面や音声等により各種データを出力する。出力部112は、例えば、第1サーバ装置200bから送信されたテストサイトの各画面を出力させるための出力データ(例えば、Webページ等)に基づいて、各画面を出力する。
【0053】
出力部112は、認証結果情報が示すユーザ認証の結果に基づいて、接続状態に関わらず、ユーザに対して、複数の設問それぞれに関する設問データを、設問ごとに出力する。出力部112は、例えば、テスト開始前の事前チェック/登録プロセスにおいて第2サーバ装置200aから受信した設問データを、ユーザ認証の結果が認証成功を示す場合、接続状態に関わらず、画面に出力してもよい。
【0054】
上記構成によれば、接続状態に関わらずユーザは設問を進めることができる。このため、インターネット等のネットワークとユーザ端末との接続を前提とせず、ユーザが設問を進めることができる。したがって、例えば、ユーザ認証や事前の情報登録等のサーバ装置200との通信接続が必要な工程においてはオンライン状態で行い、受検等の設問に回答する工程においてはオンライン状態/オフライン状態関わらず進められるようにすることができる。このため、特に通信環境がよくない場所でのテスト受検等において、サーバ装置200との通信が遅延または通信不能な状態により回答者が設問を進められないという事態を回避することができる。
【0055】
出力部112は、例えば、設問データを含む設問画面を設問ごとに出力し、出力した設問画面に対するユーザからの回答入力を受け付けた場合、次の設問の設問画面へと遷移させてもよい。
【0056】
出力部112は、例えば、複数の設問の途中でユーザプログラム(例えば、Webブラウザ)が終了し、ユーザプログラムがその後再開された際、記憶部130に登録された1以上の回答データに基づいて、ユーザが最後に回答入力した設問の次の設問に関する設問データを出力してもよい。出力部112は、例えば、記憶部130に設問1の回答データ(例えば、設問1に対する音声入力による回答を示した『回答1.mp3』ファイル等)が登録されていて、かつ設問2の回答データが登録されていない場合、最後に回答入力した設問を設問1と判定し、設問1の次の設問2から再開させるよう設問2の設問データを出力してもよい。
【0057】
上記構成によれば、ユーザプログラムを設問の途中で誤って終了してしまっても、ユーザ端末100のローカルに記憶された各設問の回答データにより、回答対象とする設問を特定し、特定した設問から回答させることができる。このため、回答者は2度同じ設問を回答し直すことなく、効率的に再開させることができる。
【0058】
出力部112は、例えば、複数の設問の途中でユーザプログラムが終了し、ユーザプログラムがその後再開された際、記憶部130に登録されたステータス情報に基づいて、ユーザが最後に回答入力した設問の次の設問に関する設問データを出力してもよい。出力部112は、例えば、ステータス情報における設問1のステータス(以下、設問Nのステータスを「設問Nステータス」ともいう)が「1:回答済」と設定されていて、かつ、設問2ステータスが「0:開始前」と設定されている場合、設問1の次の設問2から再開させるよう設問2の設問データを出力してもよい。
【0059】
出力部112は、例えば、設問の途中で設問画面が閉じられた際の出力受付部111cが受け付けた再出力の要求入力と、記憶部130に登録された1以上の回答データとに基づいて、ユーザが最後に回答入力した設問の次の設問に関する設問データを含む設問画面を出力してもよい。このような構成によれば、設問の途中で設問画面を閉じてしまっても、ユーザ端末100のローカルに記憶された各設問の回答データにより、回答対象とする設問を特定し、特定した設問から回答させることができる。このため、回答者は2度同じ設問を回答し直すことなく、効率的に再開させることができる。
【0060】
[登録部]
登録部113は、回答受付部111bが受け付けた回答入力の結果に基づいて、接続状態に関わらず、複数の設問それぞれに対する回答データを設問ごとに記憶部130に登録する。登録部113は、この際、回答データのデータファイル名を、どの設問に対する回答か、すなわち設問の進捗状況を判定可能に設定してもよい。登録部113は、例えば、設問1に対する回答の回答データであれば、データファイル名を『回答1.mp3』等に設定してもよい。このような構成によれば、ファイルを付帯情報やファイルの中身を読み込まなくても設問の進捗状況を判定することができる。
【0061】
登録部113は、例えば、ユーザ端末100の処理状況に基づいて、ステータス情報を更新登録してもよい。具体的には、登録部113は、設問2の回答データを記憶部130に登録した場合は、設問2ステータスを「0:開始前」から「1:回答済」に更新登録してもよい。また、登録部113は、第2送信部121bにより設問2の回答データの第2サーバ装置200bへの送信が完了した場合、設問2ステータスを「1:回答済」から「2:UP済」に更新登録してもよい。
【0062】
[削除部]
削除部114は、第2サーバ装置200bへの回答データの送信が完了した場合、記憶部130に登録されている送信対象の回答データ(言い換えれば、送信が完了した回答データ)を削除してもよい。このような構成によれば、ユーザ端末100における回答データの保存期間が冗長になることを抑止し、セキュリティ性の高いシステムを提供することができる。
【0063】
[判定部]
判定部115は、設問ごとに、次の設問に遷移する際に、接続状態に基づいて、回答データを第2サーバ装置200bに送信するか否かを判定する。判定部115は、例えば、設問1の回答入力の画面から設問2の例題出力の画面に遷移する際に、ネットワーク状態がオフライン状態の場合、設問1の回答データを第2サーバ装置200bに送信しないと判定し、他方、ネットワーク状態がオンライン状態の場合、設問1の回答データを第2サーバ装置200bに送信すると判定してもよい。
【0064】
[通信部]
通信部120は、ネットワークNを介して、サーバ装置200と、テストサイトのWebページなどの各種データを送受信する。通信部120は、送信部121と受信部122と、を備える。
【0065】
送信部121は、サーバ装置200に、認証情報やステータス情報、回答データ等の各種データを送信する。送信部121は、第1送信部121aを備える。第1送信部121aは、ユーザから入力された認証情報を、ネットワークNを介して、ユーザ認証を行う第1サーバ装置200aに送信する。第2送信部121bは、記憶部130を参照して、記憶部130に登録された1以上の回答データを、ネットワークを介して通信可能な第2サーバ装置に送信する。
【0066】
送信部121は、第2送信部121bを備える。第2送信部121bは、例えば、設問ごとに(例えば、各設問の回答データを記憶部130に登録する度に)、記憶部130に登録された回答データを第2サーバ装置200bに送信してもよい。また、第2送信部121bは、先行する設問の回答データが第2サーバ装置200bに未送信の場合、これらの未送信データも併せて送信してもよい。また、他の例として、第2送信部121bは、例えば、複数の設問それぞれの回答データをまとめて一括で第2サーバ装置200bに送信してもよい。
【0067】
第2送信部121bは、例えば、判定部115による判定の結果回答データを送信しないと判定された場合、回答データの送信を取り止めてもよい。その後、第2送信部121bは、判定部115による判定の結果後続する設問の回答データを送信すると判定された場合に、送信を取り止めていた回答データも送信対象としてまとめて第2サーバ装置200bに送信してもよい。具体的には、第2送信部121bは、例えば、設問1が回答入力された際、判定部115による判定の結果設問1の回答データを送信しないと判定された場合は、設問1の回答データの送信を一旦取り止めてもよい。その後、第2送信部121bは、設問2が回答入力された際、判定部115による判定の結果設問2の回答データを送信すると判定された場合は、送信を取り止めていた設問1の回答データも送信対象としてまとめて第2サーバ装置200bに送信してもよい。
【0068】
上記構成によれば、基本は設問ごとに回答データを第2サーバ装置200bに送信するとして、接続状態がよくない場合に無理に回答データを送信せずに、接続状態が回復するのを待って回復したら無理なく送信することができる。
【0069】
受信部122は、サーバ装置200から、Webページや設問データ等の各種データを受信する。受信部122は、第1サーバ装置200aから、自装置が送信した認証情報に基づくユーザ認証の結果を示す認証結果情報を受信する。
【0070】
[記憶部]
記憶部130は、ステータス情報、設問データ、回答データを含むテストに関する各種データを記憶する。記憶部130は、例えば、これらのデータを相互に関連付けて記憶してもよい。記憶部130は、データベースマネジメントシステム(DBMS)を利用して各種データを記憶してもよいし、ファイルシステムを利用して各種データを記憶してもよい。DBMSを利用する場合は、データごとにテーブルを設けて、このテーブル間を関連付けて各種データを管理してもよい。
【0071】
<4.データ構成例>
図5を参照して、テスト支援システム1のステータス情報のデータ構成例を説明する。
【0072】
図5に示すように、ステータス情報は、受検者ID、受検ステータス、環境チェックの進捗を示す環境チェックフラグ、設問データが取得できたか否かを示す設問データ取得フラグ、受検の準備、すなわち事前チェック/登録プロセスの全ての工程が全て完了したか否かを示す準備完了フラグ、設問1~Nそれぞれの進捗を示す設問1~Nステータス、および/または、第2サーバ装置200bへの設問データのアップロードが完了したか否かを示すアップロード完了フラグ等を含めてもよい。
【0073】
<5.動作例>
図6を参照して、テスト支援システムの動作例を説明する。
図6は、ユーザ認証の認証要求から設問の回答データのアップロードまでの処理の流れや各装置間の相互作用を示すシーケンス図である。なお、以下に示す処理の順番は一例であって、適宜、変更されてもよい。
【0074】
図6に示すように、ユーザ端末100の認証受付部111aは、ユーザからユーザ認証の認証情報の入力を受け付ける(S10)。ユーザ端末100の第1送信部121aは、この入力された認証情報を第1サーバ装置200aに送信する(S11)。第1サーバ装置200aは、ユーザ端末100から送信された認証情報を取得する(S12)。第1サーバ装置200aは、この取得した認証情報に基づいて認証処理を実行する(S13)。
【0075】
ユーザ端末100、第1サーバ装置200a、および第2サーバ装置200bは、上記ユーザ認証の認証処理の結果認証が成功した場合、複合フラグメントalt(alternative)が示すエリアの上部内の処理を実行する。具体的には、第1サーバ装置200aは、ユーザ端末100に、第2サーバ装置200bにテストサイトのトップ画面にアクセスさせるための指示、具体的にはリダイレクトレスポンスを送信する(S14)。ユーザ端末100は、このリダイレクトレスポンスを受信すると、第2サーバ装置200bにテストサイトの出力要求、具体的にはリダイレクトを送信する(S15)。第2サーバ装置200bは、このリダイレクトを受信した場合、トップ画面を出力させるための出力データ(設問データを含む)を取得する(S16)。第2サーバ装置200bは、出力データをユーザ端末100に送信する(S17)。ユーザ端末100は、この出力データを受信する。
【0076】
ユーザ端末100の出力部112は、上記受信した出力データに基づいて、テストサイトのトップ画面(例えば、メニュー画面を兼ねてもよい)を出力する(S18)。ユーザ端末100の受付部111は、この出力したトップ画面を介して、設問の回答を開始する開始要求の入力を受け付ける(S19)。
【0077】
ユーザ端末100は、上記開始要求の入力を受け付けると、複合フラグメントLoopが示すエリア内の処理を設問の数分繰り返し実行する。具体的には、ユーザ端末100の出力部112は、接続状態に関わらず、n問目の設問データを出力する(S20)。nは、初期値を「1」とする処理対象の設問の番号を示す数値型の変数である。ユーザ端末100の回答受付部111bは、n問目の設問の設問データに対する回答入力を受け付ける(S21)。ユーザ端末100の登録部113は、この回答入力の結果に基づいて、接続状態に関わらず、n問目の回答データを記憶部130に登録する(S22)。ユーザ端末100の判定部115は、n問目の回答データを送信するか否かを判定する(S23)。
【0078】
ユーザ端末100、第1サーバ装置200a、および第2サーバ装置200bは、上記の判定においてn問目の回答データを送信すると判定した場合、複合フラグメントopt(option)が示すエリア内の処理を実行する。具体的には、ユーザ端末100の第2送信部121bは、n問目の設問の回答データを第2サーバ装置200bに送信する(S24)。この際、第2送信部121bは、n問目より前の設問の回答データが第2サーバ装置200bに未送信の場合、これらの回答データも併せて送信する。第2サーバ装置200bは、この送信された回答データを受信する。ユーザ端末100の削除部114は、第2サーバ装置への送信が完了した場合、記憶部130に登録されているこれらの送信対象の回答データを削除する(S25)。第2サーバ装置200bは、ユーザ端末100から受信した回答データを自装置の記憶部に登録する(S26)。
【0079】
ユーザ端末100の制御部110は、nをインクリメントする(S27)。インクリメントした後、ユーザ端末100等は、ステップS20に戻りステップS21~S27を繰り返す。
【0080】
ユーザ端末100、第1サーバ装置200a、および第2サーバ装置200bは、上記ユーザ認証の認証処理の結果認証が失敗した場合、複合フラグメントaltが示すエリアの下部内の処理を実行する。具体的には、第1サーバ装置200aは、認証の結果認証が失敗した旨を示す認証結果情報をユーザ端末100に送信する(S28)。ユーザ端末100は、この送信された認証結果情報を受信する。ユーザ端末100の出力部112は、認証結果情報に基づいて、認証失敗した旨を出力する(S29)。
【0081】
<6.ハードウェア構成>
図7を参照して、上述してきたユーザ端末100をコンピュータ800により実現する場合のハードウェア構成の一例を説明する。なお、それぞれの装置の機能は、複数台の装置に分けて実現することもできる。
【0082】
図7に示すように、コンピュータ800は、プロセッサ801と、メモリ803と、記憶装置805と、入力I/F部807と、データI/F部809と、通信I/F部811、及び表示装置813を含む。
【0083】
プロセッサ801は、メモリ803に記憶されているプログラム(例えば、ユーザプログラム)を実行することによりコンピュータ800における様々な処理を制御する。例えば、ユーザ端末100の制御部110が備える各機能部などは、メモリ803に一時記憶されたプログラムを、プロセッサ801が実行することにより実現可能である。
【0084】
メモリ803は、例えばRAM(Random Access Memory)などの記憶媒体である。メモリ803は、プロセッサ801によって実行されるプログラムのプログラムコードや、プログラムの実行時に必要となるデータを一時的に記憶する。
【0085】
記憶装置805は、例えばハードディスクドライブ(HDD)やフラッシュメモリなどの不揮発性の記憶媒体である。記憶装置805は、オペレーティングシステムや、上記各構成を実現するための各種プログラム(例えば、ユーザプログラム)を記憶する。この他、記憶装置805は、設問データ、回答データ、および/または出力データ等の各種データを登録するテーブルと、当該テーブルを管理するDBを記憶することも可能である。このようなプログラムやデータは、必要に応じてメモリ803にロードされることにより、プロセッサ801から参照される。
【0086】
入力I/F部807は、ユーザからの入力を受け付けるためのデバイスである。入力I/F部807の具体例としては、キーボードやマウス、タッチパネル、各種センサ、ウェアラブル・デバイスなどが挙げられる。入力I/F部807は、例えばUSB(Universal Serial Bus)などのインタフェースを介してコンピュータ800に接続されても良い。
【0087】
データI/F部809は、コンピュータ800の外部からデータを入力するためのデバイスである。データI/F部809の具体例としては、各種記憶媒体に記憶されているデータを読み取るためのドライブ装置などがある。データI/F部809は、コンピュータ800の外部に設けられることも考えられる。その場合、データI/F部809は、例えばUSBなどのインタフェースを介してコンピュータ800へと接続される。
【0088】
通信I/F部811は、コンピュータ800の外部の装置と有線または無線により、インターネットNを介したデータ通信を行うためのデバイスである。通信I/F部811は、コンピュータ800の外部に設けられることも考えられる。その場合、通信I/F部811は、例えばUSBなどのインタフェースを介してコンピュータ800に接続される。
【0089】
表示装置813は、各種情報を表示するためのデバイスである。表示装置813の具体例としては、例えば液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ、ウェアラブル・デバイスのディスプレイなどが挙げられる。表示装置813は、コンピュータ800の外部に設けられても良い。その場合、表示装置813は、例えばディスプレイケーブルなどを介してコンピュータ800に接続される。また、入力I/F部807としてタッチパネルが採用される場合には、表示装置813は、入力I/F部807と一体化して構成することが可能である。
【0090】
なお、本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をその実施の形態のみに限定する趣旨ではない。また、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、さまざまな変形が可能である。さらに、当業者であれば、以下に述べる各要素を均等なものに置換した実施の形態を採用することが可能であり、かかる実施の形態も本発明の範囲に含まれる。
【0091】
[変形例]
なお、本発明を上記実施の形態に基づいて説明してきたが、以下のような場合も本発明に含まれる。
【0092】
[変形例1]
上記実施形態では、ユーザプログラムをWebブラウザとする例を説明したが、本発明に係るユーザプログラムはこれに限定されない。ユーザプログラムは、例えば、テスト支援システム1またはサードパーティシステムが提供する各システム専用のアプリケーションプログラム(例えば、ネイティブアプリ)であってもよい。
【符号の説明】
【0093】
1…テスト支援システム、100…ユーザ端末、110…制御部、111…受付部、112…出力部、113…登録部、114…削除部、115…判定部、120…通信部、121…送信部、122…受信部、130…記憶部、200a…第1サーバ装置、200b…第2サーバ装置、800…コンピュータ、801…プロセッサ、803…メモリ、805…記憶装置、807…入力I/F部、809…データI/F部、811…通信I/F部、813…表示装置。