(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024115986
(43)【公開日】2024-08-27
(54)【発明の名称】画像取得装置、画像取得方法および画像取得プログラム
(51)【国際特許分類】
G01N 21/64 20060101AFI20240820BHJP
G01N 33/483 20060101ALI20240820BHJP
G01N 33/50 20060101ALI20240820BHJP
C12M 1/00 20060101ALI20240820BHJP
C12M 1/34 20060101ALI20240820BHJP
【FI】
G01N21/64 B
G01N33/483 C
G01N33/50 P
C12M1/00 A
C12M1/34
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023021938
(22)【出願日】2023-02-15
(71)【出願人】
【識別番号】000006507
【氏名又は名称】横河電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】蓼沼 崇
(72)【発明者】
【氏名】宮内 祐樹
(72)【発明者】
【氏名】田口 朋之
【テーマコード(参考)】
2G043
2G045
4B029
【Fターム(参考)】
2G043BA16
2G043CA04
2G043DA06
2G043EA01
2G043FA02
2G043FA03
2G043HA09
2G043JA03
2G043LA03
2G043NA01
2G045AA40
2G045DA13
2G045FA19
2G045FB12
2G045GC15
2G045JA01
2G045JA07
4B029AA07
4B029BB20
4B029CC02
4B029FA15
(57)【要約】
【課題】検出精度の高い蛍光画像を取得すること。
【解決手段】画像取得装置100は、DNAマイクロアレイAが撮像装置1によって第1の期間に撮像された第1の蛍光画像と、DNAマイクロアレイAが撮像装置によって第2の期間に撮像された第2の蛍光画像とを取得し、第1の蛍光画像の蛍光を発生する蛍光スポットの第1の蛍光強度に基づいて第2の蛍光画像の蛍光を発生する蛍光スポットの第2の蛍光強度を補正した補正後の第2の蛍光画像を生成し、補正後の第2の蛍光画像を第1の蛍光画像に加算し、第1の蛍光画像を補正した加算補正蛍光画像を生成する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定対象試料が撮像装置によって第1の期間に撮像された第1の蛍光画像と、前記測定対象試料が前記撮像装置によって第2の期間に撮像された第2の蛍光画像とを取得する取得部と、
前記第1の蛍光画像の蛍光を発生する蛍光スポットの第1の蛍光強度に基づいて前記第2の蛍光画像の蛍光を発生する蛍光スポットの第2の蛍光強度を補正した補正後の蛍光画像を生成し、
前記補正後の蛍光画像を前記第1の蛍光画像に加算して、前記第1の蛍光画像を補正した加算補正蛍光画像を生成する生成部と、
を備える画像取得装置。
【請求項2】
前記生成部は、
前記第1の蛍光強度と前記第2の蛍光強度とを算出し、前記第1の蛍光強度が所定のシグナル強度未満または所定のシグナルノイズ比未満である場合に、前記第2の蛍光強度と前記第2の蛍光画像の背景光の強度との差分を用いて前記第2の蛍光画像の背景光と前記第1の蛍光画像の背景光と等しくし、前記第1の蛍光強度と前記第2の蛍光強度との蛍光強度が減少した比率の逆数を乗算することによって前記第2の蛍光強度を補正し、
補正した前記第2の蛍光強度を前記第1の蛍光強度に加算することによって、蛍光スポットの蛍光強度が前記所定のシグナル強度以上かつ前記所定のシグナルノイズ比以上となる前記加算補正蛍光画像を生成する、
請求項1に記載の画像取得装置。
【請求項3】
前記第1の期間は、前記測定対象試料が前記撮像装置によって撮像された1回目の所定の露光時間であり、
前記第2の期間は、前記測定対象試料が前記撮像装置によって撮像された2回目以降の各所定の露光時間である、
請求項1に記載の画像取得装置。
【請求項4】
前記取得部は、
前記測定対象試料が前記撮像装置によって所定の露光時間で撮像された前記第1の蛍光画像を取得し、
前記第1の蛍光強度が所定のシグナル強度未満または所定のシグナルノイズ比未満である場合に、前記測定対象試料が前記撮像装置によって前記所定の露光時間で撮像された前記第2の蛍光画像を取得する、
請求項1に記載の画像取得装置。
【請求項5】
前記取得部は、
前記測定対象試料が前記撮像装置によって異なる複数の時間に所定の露光時間ごとに撮像された複数の蛍光画像から選択される前記第1の蛍光画像と前記第2の蛍光画像とを取得する、
請求項1に記載の画像取得装置。
【請求項6】
前記測定対象試料は、DNAマイクロアレイである、
請求項1から5のいずれか1項に記載の画像取得装置。
【請求項7】
コンピュータが、
測定対象試料が撮像装置によって第1の期間に撮像された第1の蛍光画像と、前記測定対象試料が前記撮像装置によって第2の期間に撮像された第2の蛍光画像とを取得し、
前記第1の蛍光画像の蛍光を発生する蛍光スポットの第1の蛍光強度に基づいて前記第2の蛍光画像の蛍光を発生する蛍光スポットの第2の蛍光強度を補正した補正後の蛍光画像を生成し、
前記補正後の蛍光画像を前記第1の蛍光画像に加算して、前記第1の蛍光画像を補正した加算補正蛍光画像を生成する、
処理を実行する画像取得方法。
【請求項8】
コンピュータに、
測定対象試料が撮像装置によって第1の期間に撮像された第1の蛍光画像と、前記測定対象試料が前記撮像装置によって第2の期間に撮像された第2の蛍光画像とを取得し、
前記第1の蛍光画像の蛍光を発生する蛍光スポットの第1の蛍光強度に基づいて前記第2の蛍光画像の蛍光を発生する蛍光スポットの第2の蛍光強度を補正した補正後の蛍光画像を生成し、
前記補正後の蛍光画像を前記第1の蛍光画像に加算して、前記第1の蛍光画像を補正した加算補正蛍光画像を生成する、
処理を実行させる画像取得プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像取得装置、画像取得方法および画像取得プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
検査サンプルに含まれる特定のデオキシリボ核酸(DNA:Deoxyribonucleic Acid)等の核酸配列を有するターゲットを計測する手法として、DNAマイクロアレイを用いるDNAマイクロアレイ法が知られている。DNAマイクロアレイ法は、DNAマイクロアレイに添加された検査サンプル中の蛍光分子で修飾された検出対象分子が、ハイブリダイズ反応(ハイブリダイゼーション)によりDNAマイクロアレイの検出プローブに捕集される性質を利用して検出対象分子を計測する手法である。DNAマイクロアレイ法では、蛍光画像の画像解析によりDNAスポット部分の輝度値または光量を算出することで、検出対象分子が検査サンプルに含まれるか否かの判定に加えて、検査サンプルに含まれる検出対象分子の量を計測することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記DNAマイクロアレイ法では、検出精度の高い蛍光画像を取得することが難しい。例えば、上記DNAマイクロアレイ法では、測定時間を長時間に設定した場合には、蛍光色素の光退色によって検出対象分子の量の推定結果に誤差が生じることがある。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、検出精度の高い蛍光画像を取得することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、測定対象試料が撮像装置によって第1の期間に撮像された第1の蛍光画像と、前記測定対象試料が前記撮像装置によって第2の期間に撮像された第2の蛍光画像とを取得する取得部と、前記第1の蛍光画像の蛍光を発生する蛍光スポットの第1の蛍光強度に基づいて前記第2の蛍光画像の蛍光を発生する蛍光スポットの第2の蛍光強度を補正した補正後の蛍光画像を生成し、前記補正後の蛍光画像を前記第1の蛍光画像に加算して、前記第1の蛍光画像を補正した加算補正蛍光画像を生成する生成部と、を備える画像取得装置を提供する。
【0007】
また、本発明は、コンピュータが、測定対象試料が撮像装置によって第1の期間に撮像された第1の蛍光画像と、前記測定対象試料が前記撮像装置によって第2の期間に撮像された第2の蛍光画像とを取得し、前記第1の蛍光画像の蛍光を発生する蛍光スポットの第1の蛍光強度に基づいて前記第2の蛍光画像の蛍光を発生する蛍光スポットの第2の蛍光強度を補正した補正後の蛍光画像を生成し、前記補正後の蛍光画像を前記第1の蛍光画像に加算して、前記第1の蛍光画像を補正した加算補正蛍光画像を生成する、処理を実行する画像取得方法を提供する。
【0008】
また、本発明は、コンピュータに、測定対象試料が撮像装置によって第1の期間に撮像された第1の蛍光画像と、前記測定対象試料が前記撮像装置によって第2の期間に撮像された第2の蛍光画像とを取得し、前記第1の蛍光画像の蛍光を発生する蛍光スポットの第1の蛍光強度に基づいて前記第2の蛍光画像の蛍光を発生する蛍光スポットの第2の蛍光強度を補正した補正後の蛍光画像を生成し、前記補正後の蛍光画像を前記第1の蛍光画像に加算して、前記第1の蛍光画像を補正した加算補正蛍光画像を生成する、処理を実行させる画像取得プログラムを提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、検出精度の高い蛍光画像を取得することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】DNAマイクロアレイ法の処理の流れの一例を示す図である。
【
図2】参考技術に係る蛍光画像の蛍光強度を説明するための図である。
【
図3】実施形態に係る画像取得システムの構成例を示す図である。
【
図4】実施形態に係る画像取得装置および撮像装置の構成例を示すブロック図である。
【
図5】実施形態に係る蛍光画像の蛍光強度の具体例1を示す図である。
【
図6】実施形態に係る蛍光画像の蛍光強度の具体例2を示す図である。
【
図7】実施形態に係る蛍光画像の蛍光強度の具体例3を示す図である。
【
図8】実施形態に係る画像取得処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図9】実施形態に係るハードウェア構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の一実施形態に係る画像取得装置、画像取得方法および画像取得プログラムを、図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態により限定されるものではない。
【0012】
〔実施形態〕
以下に、実施形態に係る画像取得システム1000の構成、画像取得装置100等の構成、各処理の流れを順に説明し、最後に実施形態の効果を説明する。
【0013】
〔1.画像取得システム1000の構成〕
図1~
図3を用いて、DNAマイクロアレイ法の処理の流れ、参考技術に係る画像取得処理について説明した上で、実施形態に係る画像取得システム1000について詳細に説明する。なお、実施形態に係る画像取得システム1000として、DNAマイクロアレイ法により検査サンプルに含まれる生体高分子のうち、特定の検出対象分子を計測する生体高分子計測デバイスの検出処理に関する例について説明するが、画像取得システム1000の適用範囲は特に限定されるものではない。
【0014】
(1-1.DNAマイクロアレイ法の処理の流れ)
図1を用いて、参考技術に係る画像取得処理および実施形態に係る画像取得システム1000の前提となるDNAマイクロアレイ法の処理の流れについて説明する。
図1は、DNAマイクロアレイ法の処理の流れの一例を示す図である。
図1に示すように、DNAマイクロアレイ法では、下記の(1)~(4)の処理が実行される。
【0015】
第1に、検査サンプルSに含まれる核酸である検出対象分子NをPCR(Polymerase Chain Reaction)等の核酸増幅技術により増幅するとともに、増幅した検出対象分子Nに蛍光分子Fを付加する(
図1(1)参照)。第2に、蛍光分子Fを付加した検出対象分子Nを含む溶液をDNAマイクロアレイAに添加し、蛍光分子Fで蛍光修飾された検出対象分子Nを、検出プローブPによるハイブリダイゼーションにより捕集する(
図1(2)参照)。このとき、DNAマイクロアレイAの基盤等の固相面に検出対象分子Nの核酸の相補配列が検出プローブPとして固定されており、蛍光修飾された検出対象分子Nが検出プローブPと結合する。第3に、捕集されていない検出対象分子Nや、検出プローブPの核酸配列に非特異的に結合した分子からの蛍光分子Fを除去するために、DNAマイクロアレイAを洗浄する(
図1(3)参照)。第4に、撮像装置1によってDNAマイクロアレイAを撮像し、蛍光分子FがDNAスポットに捕集されたDNAマイクロアレイAの蛍光画像を取得する(
図1(4)参照)。
【0016】
(1-2.参考技術の画像取得処理)
参考技術に係る画像取得処理について説明する。以下では、参考技術に係る画像取得処理の処理例、参考技術に係る蛍光画像の蛍光強度、参考技術に係る画像取得処理の問題点の順に説明する。
【0017】
(1-2-1.参考技術に係る画像取得処理の処理例)
参考技術に係る画像取得処理では、以下のような処理が実行される。第1に、撮像装置は、DNAマイクロアレイAの基板に蛍光分子Fの蛍光色素に応じた波長の励起光を照射し、DNAマイクロアレイAから発生した蛍光を受光素子で検出する。このとき、撮像装置は、蛍光強度に応じて良好なS/N(適宜、「シグナルノイズ比」)で、シグナル取得可能な露光時間を数秒から数分の間で調整する。第2に、画像取得装置は、検出されたDNAマイクロアレイAの蛍光スポットの蛍光強度を算出し、DNAマイクロアレイA上に捕集された検出対象分子Nの量を推定する。
【0018】
(1-2-2.参考技術に係る蛍光画像の蛍光強度)
図2を用いて、参考技術に係る蛍光画像の蛍光強度について説明する。
図2は、参考技術に係る蛍光画像の蛍光強度を説明するための図である。
図2(1)に示すように、蛍光強度(任意単位)は、時間の経過とともに蛍光色素の光退色によって減少する。なお、
図2(2)は、
図2(1)の0秒から180秒までの蛍光強度の合計値から時間当たりの平均値を算出した等価光量を示す。
【0019】
(1-2-3.参考技術に係る画像取得処理の問題点)
参考技術に係る画像取得処理では、DNAマイクロアレイAから発生する蛍光量が低い場合、測定時間を長時間に設定する必要がある。この間、蛍光色素には常に励起光が照射されるので、蛍光色素が光退色する。そのため、DNAマイクロアレイAの基板上に捕集された検出対象分子Nの量の推定結果に大きな誤差が生じる。さらに、測定時間が長時間になるほど光退色の影響は大きくなり、算出される検出対象分子Nの量が低く見積もられることになる。
【0020】
また、参考技術に係る画像取得処理では、光退色の影響は蛍光分子Fの密度や蛍光色素の光暴露履歴等によっても異なるので、あらかじめ取得した光退色データ等によって測定後のシグナルを補正することは困難である。
【0021】
(1-3.画像取得システム1000)
図3を用いて、実施形態に係る画像取得システム1000について説明する。以下では、画像取得システム1000の構成例、画像取得システム1000の処理例、画像取得システム1000の効果の順に説明する。
【0022】
(1-3-1.画像取得システム1000の構成例)
図3を用いて、実施形態に係る画像取得システム1000の構成例について説明する。
図3は、実施形態に係る画像取得システム1000の構成例を示す図である。画像取得システム1000は、撮像装置1および画像取得装置100を有する。なお、
図3に示した画像取得システム1000には、複数台の撮像装置1または複数台の画像取得装置100が含まれてもよい。また、画像取得装置100は、撮像装置1と統合された構成であってもよい。
【0023】
撮像装置1は、光源10、対物レンズ11、ダイクロイックミラー12、フィルタ13、レンズ14および受光素子15を有する。また、撮像装置1は、設置された測定対象サンプル(適宜、「測定対象試料」)であるDNAマイクロアレイAを撮像する。
【0024】
(1-3-2.画像取得システム1000の処理例)
図3を用いて、実施形態に係る画像取得システム1000の処理例について説明する。以下では、実施形態に係る画像取得システム1000の画像取得処理、光量算出処理、閾値判定処理、光量補正処理、画像加算処理の順に説明する。
【0025】
(1-3-2-1.画像取得処理)
実施形態に係る画像取得システム1000は、画像取得処理を実行する。以下では、第1の期間に撮像装置1によって撮像された第1画像取得処理、第2の期間に撮像装置1によって撮像された第2画像取得処理について説明する。
【0026】
(第1画像取得処理)
第1に、画像取得システム1000は、画像取得処理として、第1画像取得処理を実行する。まず、撮像装置1は、測定対象サンプルであるDNAマイクロアレイAを設置する。次に、撮像装置1は、光源10からDNAマイクロアレイAに励起光(
図3破線)を照射する。そして、撮像装置1は、DNAマイクロアレイAから発生した蛍光(
図3一点破線)を受光素子15で結像することによって第1画像(適宜、「第1の蛍光画像」)I1を撮像する。最後に、画像取得装置100は、撮像装置1によって撮像されたDNAマイクロアレイAの第1画像I1を取得する。
【0027】
例えば、第1画像I1は、測定対象であるDNAマイクロアレイAの初回測定時に、励起光を一定の露光時間(例:3秒間)照射した際に発生した蛍光を撮像装置1が撮像した画像である。また、第1画像I1は、測定対象であるDNAマイクロアレイAの初回測定時に、励起光を連続する露光時間(例:300秒間)照射した際に発生した蛍光を撮像装置1が一定の露光時間(例:3秒間)ごとに撮像した画像のうち、1回目(0~3秒)に撮像した画像である。なお、第1画像I1は、DNAマイクロアレイA上の蛍光分子Fの光退色による蛍光量の低下が進行する前に撮像された画像が好ましいが、撮像のタイミング、露光時間は限定されない。
【0028】
(第2画像取得処理)
第2に、画像取得システム1000は、画像取得処理として、第2画像取得処理を実行する。まず、撮像装置1は、第1画像I1の撮像とは異なるタイミングで、光源10からDNAマイクロアレイAに励起光(
図3破線)を照射する。そして、撮像装置1は、DNAマイクロアレイAから発生した蛍光(
図3一点破線)を受光素子15で結像することによって第2画像(適宜、「第2の蛍光画像」)I2を撮像する。最後に、画像取得装置100は、撮像装置1によって撮像されたDNAマイクロアレイAの第2画像I2を取得する。
【0029】
例えば、第2画像I2は、第1画像I1の取得後に、励起光を一定の露光時間(例:3秒間)照射した際に発生した蛍光を撮像装置1が撮像した画像である。また、第2画像I2は、測定対象であるDNAマイクロアレイAの初回測定時に、励起光を連続する露光時間(例:300秒間)照射した際に発生した蛍光を撮像装置1が一定の露光時間(例:3秒間)ごと撮像した画像のうち、2回目(3~6秒)に撮像した画像である。なお、第2画像I2は、第1画像I1の取得前に撮像装置1が撮像した画像であってもよく、撮像のタイミング、露光時間は限定されない。また、第2画像I2は、後述する閾値判定処理によって第1画像I1の蛍光強度Q1が所定のシグナル強度未満、または第1画像の蛍光強度Q1のS/Nが所定の閾値未満である場合に、画像取得装置100の制御によって撮像装置1が撮像した画像であってもよい。
【0030】
(1-3-2-2.光量算出処理)
実施形態に係る画像取得システム1000は、光量算出処理を実行する。第1に、画像取得システム1000は、光量算出処理として、第1光量算出処理を実行する。すなわち、画像取得装置100は、取得した第1画像I1の蛍光スポットを特定し、蛍光スポットの蛍光強度(適宜、「第1の蛍光強度」)Q1をシグナル強度として算出する。第2に、画像取得システム1000は、光量算出処理として、第2光量算出処理を実行する。すなわち、画像取得装置100は、取得した第2画像I2の蛍光スポットを検出し、蛍光スポットの蛍光強度(適宜、「第2の蛍光強度」)Q2をシグナル強度として算出する。ここで、上記の第1光量算出処理によって特定される蛍光スポットは、蛍光分子Fに励起光が照射されることによって発生する蛍光が観察されるDNAマイクロアレイA上の所定の範囲であって、形状、大きさ等は特に限定されない。
【0031】
このとき、画像取得装置100は、蛍光スポットの検出について、第1画像I1および第2画像I2のラインプロファイルから、蛍光スポット部の輝度値または光量が背景部に対して有意に高いことにより判断してもよいし、輪郭抽出や特徴抽出等の画像処理によって蛍光スポットを検出してもよい。また、画像取得装置100は、後述する閾値判定処理によって第1画像I1の蛍光強度Q1が所定のシグナル強度未満、または第1画像の蛍光強度Q1のS/Nが所定の閾値未満である場合に、第2画像I2の蛍光強度Q2を算出してもよい。
【0032】
(1-3-2-3.閾値判定処理)
実施形態に係る画像取得システム1000は、閾値判定処理を実行する。すなわち、画像取得装置100は、上述した第1光量算出処理によって算出した第1画像I1の蛍光強度Q1が所定のシグナル強度以上か否かを判定する。また、画像取得装置100は、第1画像I1の蛍光強度のS/Nが所定の閾値(例:0.3)以上か否かを判定する。そして、画像取得装置100は、第1画像I1の蛍光強度Q1が所定のシグナル強度以上、かつ第1画像I1の蛍光強度Q1のS/Nが所定の閾値以上である場合には、処理を終了する。一方、画像取得装置100は、第1画像I1の蛍光強度Q1が所定のシグナル強度未満、または第1画像I1の蛍光強度Q1のS/Nが所定の閾値未満である場合には、後述する光量補正処理、画像加算処理を実行する。
【0033】
このため、第1画像I1の蛍光強度Q1が所定のシグナル強度以上、かつ第1画像I1の蛍光強度Q1のS/Nが所定の閾値以上の場合には、第1画像I1の蛍光強度Q1が定性分析、定量分析等の解析に十分であることがわかる。一方、第1画像I1の蛍光強度Q1が所定のシグナル強度未満、または第1画像I1の蛍光強度Q1のS/Nが所定の閾値未満の場合には、第1画像I1の蛍光強度Q1が定性分析、定量分析等の解析に不十分であるので、第1画像I1の補正が必要であることがわかる。
【0034】
(1-3-2-4.光量補正処理)
実施形態に係る画像取得システム1000は、光量補正処理を実行する。すなわち、画像取得装置100は、第1画像I1の蛍光強度Q1と第2画像I2の蛍光強度Q2とが等しくなるよう画像を補正する。このとき、画像取得装置100は、背景光と蛍光スポットの蛍光強度との差分から背景光が一定となるようにした上で、光退色の影響に基づく蛍光強度の減少を考慮して第2画像I2の蛍光スポットの蛍光強度Q2を補正した補正第2画像I2’を生成する。
【0035】
(1-3-2-5.画像加算処理)
実施形態に係る画像取得システム1000は、画像加算処理を実行する。すなわち、画像取得装置100は、上述した光量補正処理によって蛍光強度Q2を補正した補正第2画像I2’と、第1画像I1とを加算することによって、解析に十分なシグナル強度とS/Nである加算補正蛍光画像Iを生成する。なお、画像取得装置100は、加算補正蛍光画像Iの蛍光強度Qが所定のシグナル強度未満、または加算補正蛍光画像IのS/Nが所定の閾値未満である場合には、画像取得処理、光量補正処理および画像加算処理を繰り返し実行する。
【0036】
(1-4.画像取得システム1000の効果)
以下では、実施形態に係る画像取得システム1000の概要を説明した上で、画像取得システム1000の効果について説明する。
【0037】
(1-4-1.概要)
画像取得システム1000では、画像取得装置100は、DNAマイクロアレイAが撮像装置1によって撮像された第1画像I1と、DNAマイクロアレイAが撮像装置1によって撮像された第2画像I2とを取得し、第1画像I1の蛍光スポットの蛍光強度Q1に基づいて第2画像I2の蛍光スポットの蛍光強度Q2を補正した補正第2画像I2’を第1画像I1に加算することによって、第1画像I1を補正した加算補正蛍光画像Iを生成する。
【0038】
すなわち、画像取得システム1000は、DNAマイクロアレイAによる検出対象分子Nの検出に用いる蛍光分子Fの光退色の影響を補正し分子定量を実行する技術である。また、画像取得システム1000は、光退色の影響の少ない短い撮影時の露光時間で複数枚の画像を取得し、初期に取得した画像データをもとに光量補正を実行する技術である。
【0039】
(1-4-2.効果)
第1に、画像取得システム1000では、光退色の影響による分子数の定量誤差を小さくし、DNAマイクロアレイ法による検出対象分子Nの検出の正確性を向上することができる。第2に、画像取得システム1000では、同一のS/Nを得るために必要な総測定時間を短縮することができる。第3に、画像取得システム1000では、異なる露光時間における画像間の定量結果が同等になるので、両者の結果を比較することができる。
【0040】
〔2.画像取得システム1000の各装置の構成〕
図4~
図7を用いて、
図3に示した画像取得システム1000が有する各装置の機能構成について説明する。以下では、実施形態に係る画像取得装置100の構成例、撮像装置1の構成例、蛍光画像の蛍光強度の具体例の順に詳細に説明する。
【0041】
(2-1.画像取得装置100の構成例)
まず、
図4を用いて、
図3に示した画像取得装置100の構成例について説明する。
図4は、実施形態に係る画像取得装置100および撮像装置1の構成例を示すブロック図である。画像取得装置100は、通信部110、記憶部120および制御部130を有する。なお、画像取得装置100は、画像取得装置100の管理者等から各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボードやマウス等)や、各種情報を表示するための表示部(例えば、液晶ディスプレイ等)を有してもよい。
【0042】
(2-1-1.通信部110)
通信部110は、他の装置との間でのデータ通信を司る。例えば、通信部110は、ルータ等を介して、各通信装置との間でデータ通信を行う。また、通信部110は、図示しないオペレータの端末との間でデータ通信を行うことができる。
【0043】
(2-1-2.記憶部120)
記憶部120は、制御部130が動作する際に参照する各種情報や、制御部130が動作した際に取得した各種情報を記憶する。ここで、記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置等で実現され得る。なお、
図4の例では、記憶部120は、画像取得装置100の内部に設置されているが、画像取得装置100の外部に設置されてもよいし、複数の記憶部が設置されていてもよい。
【0044】
記憶部120は、後述する制御部130の取得部131によって取得された画像データを記憶する。例えば、記憶部120は、撮像装置1から取得した、第1の蛍光画像(第1画像)I1、第2の蛍光画像(第2画像)I2、第3の蛍光画像(第3画像)I3等の画像データを記憶する。
【0045】
また、記憶部120は、後述する制御部130の生成部132によって生成された画像データを記憶する。例えば、記憶部120は、蛍光強度Q2を補正した第2の蛍光画像(補正第2画像)I2’、加算補正蛍光画像I等の画像データを記憶する。
【0046】
(2-1-3.制御部130)
制御部130は、当該画像取得装置100全体の制御を司る。制御部130は、取得部131および生成部132を有する。ここで、制御部130は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等の電子回路やASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現され得る。
【0047】
(2-1-3-1.取得部131)
取得部131は、撮像装置1によって撮像された各種画像を取得する。なお、取得部131は、取得した各種画像を記憶部120に格納してもよい。
【0048】
取得部131は、測定対象試料であるDNAマイクロアレイAが撮像装置1によって第1の期間に撮像された第1画像I1と、DNAマイクロアレイAが撮像装置1によって第2の期間に撮像された第2画像I2とを取得する。例えば、取得部131は、第1の期間として、DNAマイクロアレイAが撮像装置1によって1回目の所定の露光時間(例:3秒間の励起光照射時間)で撮像された第1画像I1を取得する。また、取得部131は、第2の期間として、DNAマイクロアレイAが撮像装置1によって2回目以降の各所定の露光時間(例:3秒間の励起光照射時間)で撮像された第2画像I2を取得する。さらに、取得部131は、同様にして、第3の期間に撮像された第3画像I3、第4の期間に撮像された第4画像I4、・・・を取得する。なお、第1の期間、第2の期間、第3の期間、第4の期間、・・・は、時間的な前後関係を示すものではなく、任意の期間に撮像された複数の画像から、第1画像I1、第2画像I2、第3画像I3、第4画像I4、・・・として選択して取得することもできる。
【0049】
具体的な例を用いて説明すると、取得部131は、測定対象試料であるDNAマイクロアレイAが撮像装置1によって初めて撮像された、最も光退色の影響が少ない蛍光画像であって、長時間の露光時間による光退色の影響を回避するために3秒間という短い露光時間で撮像された第1画像I1を取得する。また、取得部131は、同様にして、2番目に光退色の影響が少なく、第1画像I1と同じ3秒間の露光時間で撮像された第2画像I2、3番目に光退色の影響が少なく、第1画像I1と同じ3秒間の露光時間で撮像された第3画像I3、・・・を取得する。
【0050】
取得部131は、DNAマイクロアレイAが撮像装置1によって所定の露光時間(例:3秒間の励起光照射時間)で撮像された第1画像I1を取得し、第1画像I1の蛍光強度Q1が所定のシグナル強度未満または所定のシグナルノイズ比未満である場合に、DNAマイクロアレイAが撮像装置1によって所定の露光時間(例:3秒間の励起光照射時間)で撮像された第2画像I2を取得する。さらに、取得部131は、後述する生成部132によって生成された補正後の第1画像I1である加算補正蛍光画像Iの蛍光強度Qが所定のシグナル強度未満または所定のシグナルノイズ比未満である場合に、第3画像I3、第4画像I4、・・・を取得する。
【0051】
具体的な例を用いて説明すると、取得部131は、測定対象試料であるDNAマイクロアレイAが撮像装置1によって3秒間の露光時間で撮像された第1画像I1を取得し、第1画像I1の蛍光強度Q1のS/Nが0.3未満であった場合に、第1画像I1と同じ3秒間の露光時間で撮像された第2画像I2を取得する。さらに、取得部131は、補正後の第1画像I1である加算補正蛍光画像Iの蛍光強度QのS/Nが0.3未満であった場合に、第1画像I1と同じ3秒間の露光時間で撮像された第2画像I2を取得し、加算補正蛍光画像Iの蛍光強度QのS/Nが0.3以上となるまで、第3画像I3、第4画像I4、・・・と取得する。
【0052】
取得部131は、DNAマイクロアレイAが撮像装置1によって異なる複数の時間に所定の露光時間(例:3秒間の励起光照射時間)ごとに撮像された複数の蛍光画像から選択される第1画像I1と第2画像I2とを取得する。さらに、取得部131は、同様にして、撮像装置1によって異なる複数の時間に所定の露光時間(例:3秒間の励起光照射時間)ごとに撮像された複数の蛍光画像から選択される第3画像I3、第4画像I4、・・・を取得する。
【0053】
具体的な例を用いて説明すると、取得部131は、測定対象試料であるDNAマイクロアレイAが撮像装置1によって300秒間の連続する露光時間で、3秒間ごとに撮像された100枚の蛍光画像(第1画像I1、第2画像I2、第3画像I3、・・・、第100画像I100)を取得し、0~3秒間に取得した蛍光画像を第1画像I1、3~6秒間に取得した蛍光画像を第2画像I2、6~9秒間に取得した蛍光画像を第3画像I3、・・・として選択する。
【0054】
(2-1-3-2.生成部132)
生成部132は、取得部131によって取得された各種画像の補正に関する処理を実行する。なお、生成部132は、算出した蛍光強度、蛍光強度を補正した画像、生成した画像を記憶部120に格納してもよい。
【0055】
生成部132は、第1画像I1の蛍光を発する蛍光スポットの蛍光強度Q1(第1の蛍光強度)に基づいて第2画像I2の蛍光を発する蛍光スポットの蛍光強度Q2(第2の蛍光強度)を補正した補正済みの第2画像I2である補正第2画像I2’を生成し、補正第2画像I2’を第1画像I1に加算し、第1画像I1を補正した加算補正蛍光画像Iを生成する。例えば、生成部132は、蛍光強度Q1と蛍光強度Q2とを算出し、蛍光強度Q1が所定のシグナル強度未満または所定のシグナルノイズ比未満である場合に、蛍光強度Q2と第2画像I2の背景光の強度との差分を用いて第2画像I2の背景光と第1画像I1の背景光とを等しくし、蛍光強度Q1と蛍光強度Q2との蛍光強度が減少した比率の逆数を乗算することによって蛍光強度Q2を補正し、補正した蛍光強度Q2’を蛍光強度Q1に加算することによって、蛍光スポットの蛍光強度が所定のシグナル強度以上かつ所定のシグナルノイズ比以上となる加算補正蛍光画像Iを生成する。
【0056】
具体的な例を用いて説明すると、生成部132は、第1画像I1の蛍光強度Q1が110(任意単位)、背景光の強度が10(任意単位)であって、第2画像I2の蛍光強度Q2が100(任意単位)、背景光の強度が10(任意単位)である場合には、蛍光強度と背景光の強度との差分について、第1画像I1が100(任意単位)、第2画像I2が90(任意単位)であるので、第1画像I1と第2画像I2との蛍光強度の減少比率90/100の逆数である100/90を蛍光強度Q2に乗算することによって補正し、補正した蛍光強度Q2’を蛍光強度Q1に加算する。ここで、生成部132は、蛍光強度の補正に際して、上記のような背景光が一定となるような非線形な補正が好ましいが、線形な補正を行ってもよい。
【0057】
なお、露光時間が同じ場合は、各画像の背景光は等しいとみなしてよい。一方、露光時間が異なる場合は、露光時間の比率の逆数を乗算した後に、各画像の蛍光強度と背景光との差分を算出し、常に背景光をシグナル強度0とみなし、当該差分を用いて蛍光強度を補正することによって、各画像間の定量結果を比較することもできる。
【0058】
(2-2.撮像装置1の構成例)
図4を用いて、
図3に示した撮像装置1の構成例について説明する。撮像装置1は、光源10、対物レンズ11、ダイクロイックミラー12、フィルタ13、レンズ14および受光素子15を有する。
【0059】
(2-2-1.光源10)
光源10は、レーザー光源であって、設置されたDNAマイクロアレイAにレーザー光を照射する。例えば、光源10は、単波長のレーザー光または当該レーザー光のエキスパンド光を射出するレーザー光源、LED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)、白色光を放出するランプ、LEDと波長フィルタとの組合せからなる光源等により実現され得る。
【0060】
(2-2-2.対物レンズ11)
対物レンズ11は、光源10から撮像時に照射された励起光を透過または集光し、DNAマイクロアレイAへと導く。また、対物レンズ11は、DNAマイクロアレイAから発生した蛍光を透過または集光し、ダイクロイックミラー12、フィルタ13、レンズ14を介して受光素子15へと導く。
【0061】
(2-2-3.ダイクロイックミラー12)
ダイクロイックミラー12は、光源10から撮像時に照射された励起光を反射し、対物レンズ11を介してDNAマイクロアレイAへと導く。また、ダイクロイックミラー12は、DNAマイクロアレイAから発生した蛍光を透過し、フィルタ13、レンズ14を介して受光素子15へと導く。
【0062】
(2-2-4.フィルタ13)
フィルタ13は、DNAマイクロアレイAから発生した蛍光を透過し、レンズ14を介して受光素子15へと導く。このとき、フィルタ13は、照射光であるレーザー光の反射を除去し、蛍光のみを透過させる。
【0063】
(2-2-5.レンズ14)
レンズ14は、DNAマイクロアレイAから発生した蛍光を透過または集光し、受光素子15へと導く。
【0064】
(2-2-6.受光素子15)
受光素子15は、レンズ14によって結像された蛍光を電気信号へと変換する。例えば、受光素子15は、EM(Electron Multiplying)-CCD、CMOS(Complementary Metal-Oxide-Semiconductor)等により実現され得る。
【0065】
(2-3.蛍光画像の蛍光強度の具体例)
図5~
図7を用いて、実施形態に係る蛍光画像の蛍光強度の具体例について説明する。
図5~
図7は、実施形態に係る蛍光画像の蛍光強度の具体例を示す図である。以下では、蛍光画像の補正に関する具体例1、参考技術等と比較した有効性に関する具体例2および具体例3の順に説明する。
【0066】
(2-3-1.蛍光画像の補正)
図5を用いて、実施形態に係る蛍光画像の補正に関する具体例1について説明する。
図5(1)に示すように、蛍光強度(任意単位)は、時間の経過とともに蛍光色素の光退色によって減少するので、各画像について蛍光強度の減少量に基づいた補正が実行される。そのため、
図5(2)に示すように、
図5(1)の0秒から180秒までの等価光量が、蛍光色素の光退色の影響がない蛍光強度の画像として取得可能となる。
【0067】
(2-3-2.画像取得処理の有効性)
図6および
図7を用いて、実施形態に係る画像取得処理の有効性に関する具体例2および具体例3について説明する。以下では、実施形態に係る画像取得処理の有効性を確認するための実験手順について説明した上で、参考技術等との比較結果、光退色の測定結果、比較結果の考察について説明する。
【0068】
(2-3-2-1.実験手順)
以下では、実施形態に係る画像取得処理の有効性を確認するための実験手順について説明する。以下の実験手順では、蛍光分子FであるCy3蛍光分子でラベリングした、検出対象分子NであるDNA分子を検出する。
【0069】
第1に、黄色ブドウ球菌株(NBRC12732)から抽出したゲノムDNAをテンプレートとし、16sリボソームDNA(16s rDNA)領域が増幅可能なCy3修飾プライマーを用いてPCR増幅を実行する(実験手順1)。
【0070】
第2に、PCR産物濃度を1nMに希釈した、検出対象分子Nを含む検査サンプルSとして、黄色ブドウ球菌16s rDNA配列の検出プローブPを固定したDNAマイクロアレイAにアプライ(供給)する(実験手順2)。
【0071】
第3に、DNAマイクロアレイAを66℃で1時間インキュベート(保温)し、検出対象分子Nを、検出プローブPにハイブリダイゼーションさせる(実験手順3)。
【0072】
第4に、DNAマイクロアレイAを2倍濃度SSC(Standard Saline Citrate)溶液、1倍濃度SSC溶液で洗浄した後、ドライアップ(乾燥)させる(実験手順4)。
【0073】
第5に、1枚目に取得した画像をもとに、2~100枚目に取得した画像を補正し、すべての画像を加算する(実験手順5)。
【0074】
第6に、参考技術等に対応する比較データとして、上記実験手順1~4の手順で反応させたDNAマイクロアレイAを300秒間の露光時間で1枚の画像を撮像する(実験手順6)。
【0075】
(2-3-2-2.参考技術等との比較結果)
図6を用いて、実施形態に係る画像取得処理の有効性に関する具体例2として、参考技術等との比較結果について説明する。ここで、
図6(1)は、実施形態に係る画像取得処理として、3秒間の露光時間で取得された蛍光画像を補正して100枚分加算した画像の蛍光強度(任意単位10482)を示す。また、
図6(2)は、参考技術等に係る画像取得処理として、連続する300秒間の露光時間で取得された画像の蛍光強度(任意単位8458)を示す。
【0076】
(2-3-2-3.光退色の測定結果)
図7を用いて、実施形態に係る画像取得処理の有効性に関する具体例3として、光退色の測定結果について説明する。
図7に示すように、測定時間0秒では110程度(任意単位)の蛍光強度が徐々に減少し、測定時間300秒では80程度(任意単位)の蛍光強度となる。
【0077】
(2-3-2-4.比較結果の考察)
以上より、実施形態に係る画像取得処理によって算出された総蛍光強度、つまりDNAマイクロアレイA上に捕集された検出対象分子Nは、参考技術等に係る画像取得処理によって算出された総蛍光強度と比較して約20%高いと算出される。したがって、実施形態に係る画像取得処理は、
図7に示す蛍光スポットの蛍光強度の測定時間に対する光退色の効果が補正することができる。
【0078】
〔3.画像取得システム1000の処理の流れ〕
図8を用いて、実施形態に係る画像取得システム1000の処理の流れについて説明する。
図8は、実施形態に係る画像取得処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、下記のステップS101~S107の処理は、異なる順序で実行することもできる。また、下記のステップS101~S107の処理のうち、省略される処理があってもよい。
【0079】
(3-1.第1画像取得処理)
第1に、画像取得装置100は、第1画像取得処理を実行する(ステップS101)。例えば、画像取得装置100は、撮像装置1によって撮像されたDNAマイクロアレイAの第1画像I1を取得する。
【0080】
(3-2.第1光量算出処理)
第2に、画像取得装置100は、第1光量算出処理を実行する(ステップS102)。例えば、画像取得装置100は、取得した第1画像I1の蛍光スポットを特定し、蛍光スポットの蛍光強度Q1をシグナル強度として算出する。
【0081】
(3-3.閾値判定処理)
第3に、画像取得装置100は、閾値判定処理を実行する(ステップS103)。例えば、画像取得装置100は、第1画像I1の蛍光強度Q1が所定のシグナル強度以上か否か、第1画像I1の蛍光強度Q1のS/Nが所定の閾値以上か否かを判定する。画像取得装置100は、蛍光強度Q1が所定のシグナル強度以上、かつ第1画像I1の蛍光強度Q1のS/Nが所定の閾値以上である場合(ステップS103:Yes)、画像取得処理を終了する。一方、画像取得装置100は、蛍光強度Q1が所定のシグナル強度未満、または第1画像I1の蛍光強度Q1のS/Nが所定の閾値未満である場合(ステップS103:No)、ステップS104の処理に移行する。
【0082】
(3-4.第2画像取得処理)
第4に、画像取得装置100は、第2画像取得処理を実行する(ステップS104)。例えば、画像取得装置100は、撮像装置1によって撮像されたDNAマイクロアレイAの第2画像I2を取得する。
【0083】
(3-5.第2光量算出処理)
第5に、画像取得装置100は、第2光量算出処理を実行する(ステップS105)。例えば、画像取得装置100は、取得した第2画像I2の蛍光スポットを特定し、蛍光スポットの蛍光強度Q2をシグナル強度として算出する。
【0084】
(3-6.光量補正処理)
第6に、画像取得装置200は、光量補正処理を実行する(ステップS106)。例えば、画像取得装置100は、第1画像I1の蛍光強度Q1と第2画像I2の蛍光強度Q2とが等しくなるよう画像を補正する。
【0085】
(3-7.画像加算処理)
第7に、画像取得装置200は、画像加算処理を実行し(ステップS107)、ステップS103の処理に戻る。例えば、画像取得装置100は、蛍光強度Q2を補正した補正第2画像I2’と、第1画像I1とを加算することによって、解析に十分なシグナル強度とS/Nである加算補正蛍光画像Iを生成する。
【0086】
〔4.実施形態の効果〕
最後に、実施形態の効果について説明する。以下では、実施形態に係る処理に対応する効果1~5について説明する。
【0087】
(4-1.効果1)
第1に、上述した実施形態に係る処理では、画像取得装置200は、DNAマイクロアレイAが撮像装置1によって第1の期間に撮像された第1画像I1と、DNAマイクロアレイAが撮像装置1によって第2の期間に撮像された第2画像I2とを取得し、第1画像I1の蛍光スポットの蛍光強度Q1に基づいて第2画像I2の蛍光スポットの蛍光強度Q2を補正した補正第2画像I2’を生成し、補正第2画像I2’を第1画像I1に加算することによって、第1画像I1を補正した加算補正蛍光画像Iを生成する。このため、実施形態に係る処理では、DNAマイクロアレイ法において、検出精度の高い蛍光画像を取得することができる。
【0088】
(4-2.効果2)
第2に、上述した実施形態に係る処理では、画像取得装置200は、蛍光強度Q1と蛍光強度Q2とを算出し、蛍光強度Q1が所定のシグナル強度未満または所定のシグナルノイズ比未満である場合に、蛍光強度Q2と第2画像I2の背景光の強度との差分を用いて第2画像I2の背景光を第1画像I1の背景光と等しくし、蛍光強度Q2と第2画像I2との蛍光強度が減少した比率の逆数を乗算することによって蛍光強度Q2を補正し、補正した蛍光強度Q2を蛍光強度Q1に加算することによって、蛍光スポットの蛍光強度が所定のシグナル強度以上かつ所定のシグナルノイズ比以上となる加算補正蛍光画像Iを生成する。このため、実施形態に係る処理では、DNAマイクロアレイ法において、解析を実行するために十分なシグナル強度およびS/Nを満たす検出精度の高い蛍光画像を取得することができる。
【0089】
(4-3.効果3)
第3に、上述した実施形態に係る処理では、画像取得装置200は、第1の期間としてDNAマイクロアレイAが撮像装置1によって1回目の所定の露光時間で撮像された第1画像I1を取得し、第2の期間としてDNAマイクロアレイAが撮像装置1によって2回目以降の各所定の露光時間で撮像された第2画像I2とを取得する。このため、実施形態に係る処理では、DNAマイクロアレイ法において、同一の露光時間で撮像された複数の蛍光画像を取得することによって、検出精度の高い蛍光画像を取得することができる。
【0090】
(4-4.効果4)
第4に、上述した実施形態に係る処理では、画像取得装置200は、DNAマイクロアレイAが撮像装置1によって所定の露光時間で撮像された第1画像I1を取得し、蛍光強度Q1が所定のシグナル強度未満または所定のシグナルノイズ比未満である場合に、DNAマイクロアレイAが撮像装置1によって所定の露光時間で撮像された第2画像I2を取得する。このため、実施形態に係る処理では、DNAマイクロアレイ法において、複数の蛍光画像をリアルタイムで取得することによって、検出精度の高い蛍光画像を取得することができる。
【0091】
(4-5.効果5)
第5に、上述した実施形態に係る処理では、画像取得装置200は、DNAマイクロアレイAが撮像装置1によって異なる複数の時間に所定の露光時間ごとに撮像された複数の蛍光画像から選択される第1画像I1と第2画像I2とを取得する。このため、実施形態に係る処理では、DNAマイクロアレイ法において、複数の蛍光画像をバッチ取得することによって、検出精度の高い蛍光画像を取得することができる。
【0092】
〔実施形態の適用例〕
以下では、実施形態の適用例について説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態の適用例により限定されるものではない。
【0093】
実施形態は、特定のターゲット分子として、核酸、糖鎖、タンパク質の生体高分子に適用することができる。
【0094】
実施形態は、DNAマイクロアレイの蛍光法、化学発光法、比色法による画像取得および解析に適用することができる。
【0095】
実施形態は、DNAマイクロアレイ等において、基板上に固相固定するプローブに蛍光分子等のシグナル発生源が修飾されている核酸配列計測デバイス、シグナリングアレイプローブによる非修飾ターゲット検出、洗浄不要の核酸配列計測用デバイスのマイクロアレイ検出に適用することができる。
【0096】
実施形態は、DNAマイクロアレイ等において、基板上に固相固定するプローブに、蛍光分子等のシグナル発生源が修飾されているターゲット分子を捕捉し、観察する核酸配列計測デバイスの検出に適用することができる。
【0097】
実施形態は、DNAマイクロアレイ等において、基板上に固相固定するプローブに、ターゲット分子に特異的に結合する蛍光分子等のシグナル発生源が修飾されているラベリング分子が結合したターゲット分子を捕捉し、観察する核酸配列計測デバイスの検出に適用することができる。
【0098】
実施形態は、核酸をターゲットとした場合、遺伝子発現解析、ジェノタイピング、塩基配列解析に適用することができる。
【0099】
実施形態は、糖鎖をターゲットとした場合、糖鎖プロファイリングに適用することができる。
【0100】
実施形態は、タンパク質をターゲットとした場合、抗体プロファイリング、タンパク質間相互作用解析に適用することができる。
【0101】
実施形態は、産業への応用として、創薬研究開発、バイオマーカ検出、疾病の診断、疾病の予防・予後管理、バイオマーカ探索、診断方法の開発、抗体の抗原探索、植物の品種判別、畜産品農産品の遺伝子判別検査、食品の遺伝子組換え試験、アレルギ表示試験、環境衛生検査における微生物検出・微生物同定、製品品質管理における微生物検査、発酵プロセスのモニタリング、発酵プロセスの種菌管理、微生物資材の有用菌探索、医薬品・食品製造プロセスの危害菌の性状評価に適用することができる。
【0102】
実施形態は、絶対光量検出による蛍光画像の画像取得技術へ適用することができる。
【0103】
〔システム〕
上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0104】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散や統合の具体的形態は図示のものに限られない。つまり、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0105】
さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUおよび当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【0106】
〔ハードウェア〕
次に、画像取得装置100のハードウェア構成例を説明する。
図9は、実施形態に係るハードウェア構成例を示す図である。
図9に示すように、画像取得装置100は、通信装置100a、HDD(Hard Disk Drive)100b、メモリ100c、プロセッサ100dを有する。また、
図9に示した各部は、バス等で相互に接続される。
【0107】
通信装置100aは、ネットワークインタフェースカードなどであり、他のサーバとの通信を行う。HDD100bは、
図4に示した機能を動作させるプログラムやDBを記憶する。
【0108】
プロセッサ100dは、
図4に示した各処理部と同様の処理を実行するプログラムをHDD100b等から読み出してメモリ100cに展開することで、
図4等で説明した各機能を実行するプロセスを動作させる。例えば、このプロセスは、画像取得装置100が有する各処理部と同様の機能を実行する。具体的には、プロセッサ100dは、取得部131、生成部132等と同様の機能を有するプログラムをHDD100b等から読み出す。そして、プロセッサ100dは、取得部131、生成部132等と同様の処理を実行するプロセスを実行する。
【0109】
このように、画像取得装置100は、プログラムを読み出して実行することで各種処理方法を実行する装置として動作する。また、画像取得装置100は、媒体読取装置によって記録媒体から上記プログラムを読み出し、読み出された上記プログラムを実行することで上記した実施形態と同様の機能を実現することもできる。なお、この他の実施形態でいうプログラムは、画像取得装置100によって実行されることに限定されるものではない。例えば、他のコンピュータまたはサーバがプログラムを実行する場合や、これらが協働してプログラムを実行するような場合にも、本発明を同様に適用することができる。
【0110】
このプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することができる。また、このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク(FD)、CD-ROM、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disc)などのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行することができる。
【0111】
〔その他〕
開示される技術特徴の組合せのいくつかの例を以下に記載する。
【0112】
(1)測定対象試料が撮像装置によって第1の期間に撮像された第1の蛍光画像と、前記測定対象試料が前記撮像装置によって第2の期間に撮像された第2の蛍光画像とを取得する取得部と、前記第1の蛍光画像の蛍光を発生する蛍光スポットの第1の蛍光強度に基づいて前記第2の蛍光画像の蛍光を発生する蛍光スポットの第2の蛍光強度を補正した補正後の蛍光画像を生成し、前記補正後の蛍光画像を前記第1の蛍光画像に加算して、前記第1の蛍光画像を補正した加算補正蛍光画像を生成する生成部と、を備える画像取得装置。
【0113】
(2)前記生成部は、前記第1の蛍光強度と前記第2の蛍光強度とを算出し、前記第1の蛍光強度が所定のシグナル強度未満または所定のシグナルノイズ比未満である場合に、前記第2の蛍光強度と前記第2の蛍光画像の背景光の強度との差分を用いて前記第2の蛍光画像の背景光と前記第1の蛍光画像の背景光と等しくし、前記第1の蛍光強度と前記第2の蛍光強度との蛍光強度が減少した比率の逆数を乗算することによって前記第2の蛍光強度を補正し、補正した前記第2の蛍光強度を前記第1の蛍光強度に加算することによって、蛍光スポットの蛍光強度が前記所定のシグナル強度以上かつ前記所定のシグナルノイズ比以上となる前記加算補正蛍光画像を生成する、(1)に記載の画像取得装置。
【0114】
(3)前記第1の期間は、前記測定対象試料が前記撮像装置によって撮像された1回目の所定の露光時間であり、前記第2の期間は、前記測定対象試料が前記撮像装置によって撮像された2回目以降の各所定の露光時間である、(1)または(2)に記載の画像取得装置。
【0115】
(4)前記取得部は、前記測定対象試料が前記撮像装置によって所定の露光時間で撮像された前記第1の蛍光画像を取得し、前記第1の蛍光強度が所定のシグナル強度未満または所定のシグナルノイズ比未満である場合に、前記測定対象試料が前記撮像装置によって前記所定の露光時間で撮像された前記第2の蛍光画像を取得する、(1)~(3)のいずれか1つに記載の画像取得装置。
【0116】
(5)前記取得部は、前記測定対象試料が前記撮像装置によって異なる複数の時間に所定の露光時間ごとに撮像された複数の蛍光画像から選択される前記第1の蛍光画像と前記第2の蛍光画像とを取得する、(1)~(4)のいずれか1つに記載の画像取得装置。
【0117】
(6)前記測定対象試料は、DNAマイクロアレイである、(1)~(5)のいずれか1つに記載の画像取得装置。
【0118】
(7)コンピュータが、測定対象試料が撮像装置によって第1の期間に撮像された第1の蛍光画像と、前記測定対象試料が前記撮像装置によって第2の期間に撮像された第2の蛍光画像とを取得し、前記第1の蛍光画像の蛍光スポットの第1の蛍光強度に基づいて前記第2の蛍光画像の蛍光スポットの第2の蛍光強度を補正した補正後の蛍光画像を生成し、前記補正後の蛍光画像を前記第1の蛍光画像に加算して、前記第1の蛍光画像を補正した加算補正蛍光画像を生成する、処理を実行する画像取得方法。
【0119】
(8)コンピュータに、測定対象試料が撮像装置によって第1の期間に撮像された第1の蛍光画像と、前記測定対象試料が前記撮像装置によって第2の期間に撮像された第2の蛍光画像とを取得し、前記第1の蛍光画像の蛍光スポットの第1の蛍光強度に基づいて前記第2の蛍光画像の蛍光スポットの第2の蛍光強度を補正した補正後の蛍光画像を生成し、前記補正後の蛍光画像を前記第1の蛍光画像に加算して、前記第1の蛍光画像を補正した加算補正蛍光画像を生成する、処理を実行させる画像取得プログラム。
【符号の説明】
【0120】
1 撮像装置
10 光源
11 対物レンズ
12 ダイクロイックミラー
13 フィルタ
14 レンズ
15 受光素子
100 画像取得装置
110 通信部
120 記憶部
130 制御部
131 取得部
132 生成部
1000 画像取得システム