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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024116023
(43)【公開日】2024-08-27
(54)【発明の名称】自動運転支援装置
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20240820BHJP
   G08G 1/09 20060101ALI20240820BHJP
【FI】
G08G1/16 A
G08G1/09 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023022004
(22)【出願日】2023-02-15
(71)【出願人】
【識別番号】000220262
【氏名又は名称】東京瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【弁理士】
【氏名又は名称】尾形 文雄
(72)【発明者】
【氏名】中井 雅裕
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 秀樹
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181BB04
5H181CC02
5H181CC03
5H181CC14
5H181FF13
5H181LL01
5H181LL02
5H181LL04
5H181LL09
5H181LL15
(57)【要約】
【課題】信号機や道路標識などの構造物が少ない道路であっても、自動車の自動運転を支援するための情報を検出できるようにする。
【解決手段】自動運転支援装置10では、計測機器12が、建物におけるインフラストラクチャーに関する情報を計測し、計測機器12とともに設置された検出機器11が、建物の近傍を走行する自動車の自動運転を支援するための支援情報を検出し、通信ユニット13が、計測機器12により計測されたインフラ計測情報と、検出機器11により検出された自動運転支援情報とを予め定められた周波数に変調して外部に送信する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物におけるインフラストラクチャーに関する情報を計測する計測機器と、
前記計測機器とともに設置され、前記建物の近傍を走行する自動車の自動運転を支援するための支援情報を検出する検出機器と、
前記計測機器により計測された計測情報と、前記検出機器により検出された前記支援情報とを予め定められた周波数に変調して外部に送信する制御を行う送信制御手段と、
を含むことを特徴とする自動運転支援装置。
【請求項2】
前記送信制御手段は、前記計測情報と前記支援情報とを、同一の周波数および変調方式にて変調して外部に送信する制御を行うことを特徴とする、
請求項1に記載の自動運転支援装置。
【請求項3】
前記送信制御手段は、予め定められたタイミングで、前記支援情報よりも前記計測情報を優先的に外部に送信する制御を行うことを特徴とする、
請求項2に記載の自動運転支援装置。
【請求項4】
前記検出機器は、前記自動車の存在を検出し、
前記送信制御手段は、前記自動車の存在が検出されると、前記計測情報よりも前記支援情報を優先的に外部に送信する制御を行うことを特徴とする、
請求項2に記載の自動運転支援装置。
【請求項5】
前記送信制御手段は、前記計測情報と前記支援情報とを、それぞれ異なる周波数および変調方式にて外部に送信する制御を行うことを特徴とする、
請求項1に記載の自動運転支援装置。
【請求項6】
前記送信制御手段は、前記計測情報と前記支援情報とを切り分けて、第1の変調回路にて周波数が変調された当該支援情報と、第2の変調回路にて周波数が変調された当該計測情報とをそれぞれ外部に送信する制御を行うことを特徴とする、
請求項5に記載の自動運転支援装置。
【請求項7】
前記送信制御手段は、前記支援情報の周波数を変調させて外部に送信する制御を行う第1の送信制御手段と、当該第1の送信制御手段とは独立し、前記計測情報の周波数を変調させて外部に送信する制御を行う第2の送信制御手段とからなることを特徴とする、
請求項5に記載の自動運転支援装置。
【請求項8】
前記計測機器と、前記検出機器と、前記送信制御手段と、当該送信制御手段により制御される送信手段とが一体型であることを特徴とする、
請求項1に記載の自動運転支援装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動運転支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
信号機や道路標識などの構造物に設置された、カメラ等のセンサにより検出された情報に基づいて、道路を走行する自動車の自動運転を支援する技術が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-202827号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、例えば住宅地に面した道路のように、信号機や道路標識などの構造物が少ない道路では、センサの設置場所を十分に確保することができないため、自動車の自動運転を支援するための情報を検出することが困難となる。
【0005】
本発明の目的は、信号機や道路標識などの構造物が少ない道路であっても、自動車の自動運転を支援するための情報を検出できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載された発明は、建物におけるインフラストラクチャーに関する情報を計測する計測機器と、前記計測機器とともに設置され、前記建物の近傍を走行する自動車の自動運転を支援するための支援情報を検出する検出機器と、前記計測機器により計測された計測情報と、前記検出機器により検出された前記支援情報とを予め定められた周波数に変調して外部に送信する制御を行う送信制御手段と、を含むことを特徴とする自動運転支援装置である。
請求項2に記載された発明は、前記送信制御手段は、前記計測情報と前記支援情報とを、同一の周波数および変調方式にて変調して外部に送信する制御を行うことを特徴とする、請求項1に記載の自動運転支援装置である。
請求項3に記載された発明は、前記送信制御手段は、予め定められたタイミングで、前記支援情報よりも前記計測情報を優先的に外部に送信する制御を行うことを特徴とする、請求項2に記載の自動運転支援装置である。
請求項4に記載された発明は、前記検出機器は、前記自動車の存在を検出し、前記送信制御手段は、前記自動車の存在が検出されると、前記計測情報よりも前記支援情報を優先的に外部に送信する制御を行うことを特徴とする、請求項2に記載の自動運転支援装置である。
請求項5に記載された発明は、前記送信制御手段は、前記計測情報と前記支援情報とを、それぞれ異なる周波数および変調方式にて外部に送信する制御を行うことを特徴とする、請求項1に記載の自動運転支援装置である。
請求項6に記載された発明は、前記送信制御手段は、前記計測情報と前記支援情報とを切り分けて、第1の変調回路にて周波数が変調された当該支援情報と、第2の変調回路にて周波数が変調された当該計測情報とをそれぞれ外部に送信する制御を行うことを特徴とする、請求項5に記載の自動運転支援装置である。
請求項7に記載された発明は、前記送信制御手段は、前記支援情報の周波数を変調させて外部に送信する制御を行う第1の送信制御手段と、当該第1の送信制御手段とは独立し、前記計測情報の周波数を変調させて外部に送信する制御を行う第2の送信制御手段とからなることを特徴とする、請求項5に記載の自動運転支援装置である。
請求項8に記載された発明は、前記計測機器と、前記検出機器と、前記送信制御手段と、当該送信制御手段により制御される送信手段とが一体型であることを特徴とする、請求項1に記載の自動運転支援装置である。
【発明の効果】
【0007】
請求項1の本発明によれば、自動運転支援装置を道路に面した建物に設置することで、信号機や道路標識などの構造物が少ない道路であっても、自動車の自動運転を支援するための情報を検出できる。
請求項2の本発明によれば、周波数および変調方式が同一である計測情報と支援情報との各々の送信の一括制御が可能となるため、計測情報を送信する時間帯と、支援情報を送信する時間帯とをシェアできる。
請求項3の本発明によれば、予め定められたタイミングで優先的に計測情報が送信されるので、計測情報の信頼性の維持を図ることができる。
請求項4の本発明によれば、自動車の存在が検出されると、優先的に支援情報が送信されるので、自動車の自動運転の安全性の向上を図ることができる。
請求項5の本発明によれば、周波数および変調方式が異なる計測情報と支援情報との各々の送信の一括制御が可能となるため、計測情報を送信する時間帯と、支援情報を送信する時間帯とをシェアできる。
請求項6の本発明によれば、周波数および変調方式が異なる計測情報と支援情報との各々の送信の一括制御が可能となるため、計測情報を送信する時間帯と、支援情報を送信する時間帯とをシェアできる。
請求項7の本発明によれば、周波数および変調方式が異なる計測情報と支援情報との各々の送信の制御がそれぞれ独立して行われるため故障のリスクを分散できる。
請求項8の本発明によれば、一体型とすることで省スペース化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施の形態が適用される情報処理装置としての自動運転支援装置を含む情報処理システムの全体構成の一例を示す図である。
図2】第1の実施の形態が適用される情報処理装置としての自動運転支援装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3図2の自動運転支援装置を構成する各部による処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図4】第2の実施の形態が適用される情報処理装置としての自動運転支援装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図5図4の自動運転支援装置を構成する各部による処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図6】第3の実施の形態が適用される情報処理装置としての自動運転支援装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図7図6の自動運転支援装置を構成する各部による処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図8】第1乃至第3の実施の形態が適用される情報処理装置としての自動運転支援装置の外観構成の具体例を示す図である。(A)は、計測機器がガスメーターである自動運転支援装置の外観構成の具体例を示す図である。(B)は、計測機器が電力メーターである自動運転支援装置の外観構成の具体例を示す図である。(C)は、1つの建物に2台の自動運転支援装置を設置した場合の具体例を示す図である。
図9図8の自動運転支援装置が設置された複数の建物が建ち並ぶ住宅地を自動車が自動運転で走行する様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
<情報処理システムの構成>
図1は、本実施の形態が適用される情報処理装置としての自動運転支援装置10を含む情報処理システム1の全体構成の一例を示す図である。
情報処理システム1は、自動運転支援装置10-1乃至10-n(nは1以上の整数値)と、自動車50-1乃至50-m(mは1以上の整数値)とがネットワーク90を介して接続されることにより構成されている。ネットワーク90は、例えば、インターネット等である。以下、自動運転支援装置10-1乃至10-n、自動車50-1乃至50-mの各々を個別に説明する必要がない場合、これらをまとめてそれぞれ自動運転支援装置10、自動車50と呼ぶ。
【0010】
(自動運転支援装置)
情報処理システム1を構成する自動運転支援装置10は、住宅等の建物に設置され、その建物におけるインフラストラクチャーに関する計測情報(以下、「インフラ計測情報」と呼ぶ。)を計測する機能を有する。インフラ計測情報としては、例えば、建物で使用されたガス、電気、水等の使用量に関する情報などが挙げられる。
【0011】
また、自動運転支援装置10は、建物の近傍を走行する自動車50の自動運転を支援するための支援情報(以下、「自動運転支援情報」と呼ぶ。)を検出する機能を有する。自動運転支援情報には、例えば、自動車50の自動運転に寄与し得る各種のセンシングの結果などが含まれる。
【0012】
さらに、自動運転支援装置10は、検出した自動運転支援情報と、計測したインフラ計測情報とを、予め定められた周波数に変調して、外部に送信する機能を有する。具体的には、自動運転支援装置10は、計測したインフラ計測情報を予め定められた周波数に変調して、インフラ計測情報を管理する外部のサーバ(図示せず)等に向けて送信する。また、自動運転支援装置10は、検出した自動運転支援情報を予め定められた周波数に変調して、自機が設置された建物の近傍を走行する自動車50に向けて送信する。ここで、自動運転支援情報を「自動車50に向けて送信する」には、建物の近傍を走行する自動車50を検出することなく、自動運転支援情報の検出と送信とを常時行う場合と、自動運転支援情報の検出を常時行い、自動車50を検出したときに自動運転支援情報を送信する場合と、自動車50を検出したことをトリガとして、自動運転支援情報の検出および送信を行う場合とが少なくとも含まれる。なお、自動運転支援装置10の具体的な構成や機能の詳細については後述する。
【0013】
(自動車)
第1の実施の形態にかかる自動運転支援装置10を含む情報処理システム1を構成する自動車50は、自動運転支援装置10が設置された建物の近傍を走行する、自動運転機能を有する自動車である。自動車50は、通信機能を有し、自動運転支援装置10から得られる自動運転支援情報や、車載センサから得られる情報等に基づいて、自動運転を行う。具体的には、自動車50は、自動運転支援情報等に基づいて、他の自動車の有無や歩行者の有無を判断し、これらの挙動(例えば、速度や加速度など)に応じて、発進、加減速、左折、右折、停止等の自動運転を制御する。
【0014】
なお、上述の情報処理システム1の構成は一例であり、情報処理システム1全体として上述の処理を実現させる機能を備えていればよい。このため、上述の処理を実現させる機能のうち、一部または全部を情報処理システム1内の各装置や機器で分担してもよいし協働してもよい。すなわち、自動運転支援装置10の機能の少なくとも一部を自動車50の機能としてもよいし、また、自動車50の機能の少なくとも一部を自動運転支援装置10の機能としてもよい。さらに、情報処理システム1を構成する自動運転支援装置10および自動車50の各々の機能の少なくとも一部を、図示せぬ他のサーバ等に移譲してもよい。これにより、情報処理システム1全体としての処理が促進され、また、処理を補完し合うことも可能となる。
【0015】
<自動運転支援装置のハードウェア構成>
図2は、第1の実施の形態が適用される情報処理装置としての自動運転支援装置10のハードウェア構成の一例を示す図である。
第1の実施の形態にかかる自動運転支援装置10は、検出機器11と、計測機器12と、通信ユニット13とで構成されている。検出機器11、計測機器12、および通信ユニット13は、データバス、アドレスバス、PCI(Peripheral Component Interconnect)バス等で接続されている。また、図示はしないが、自動運転支援装置10は、予め定められた電源からの電力の供給を受けている。
【0016】
検出機器11は、検出部111と、変換部112とを有する。検出部111は、自動運転支援情報を検出する。検出部111は、例えば、LiDAR(Light Detection And Ranging)やカメラなどによるセンシングの結果を、自動運転支援情報として検出する。なお、LiDARとは、近赤外光、可視光、紫外線を使って対象物に光を照射し、その反射光を光センサで捉え距離を測定するリモートセンシング技術のことをいう。変換部112は、検出部111により検出された自動運転支援情報を、デジタル信号としての自動運転支援情報に変換する。
【0017】
計測機器12は、計測部121と、変換部122とを有する。計測部121は、建物のインフラ計測情報を計測する。変換部122は、計測部121により検出されたインフラ計測情報を、デジタル信号としてのインフラ計測情報に変換する。計測機器12は、建物で使用されたガスの使用量等を表示するいわゆるガスメーター、建物で使用された電気の使用量等を表示するいわゆる電力メーター、建物で使用された水の使用量等を表示するいわゆる水道メーターなどで構成される。
【0018】
例えば、計測機器12がガスメーターである場合には、計測部121は、建物のインフラ計測情報として、その建物で使用されたガスの使用量等を計測する。また、計測機器12が電力メーターである場合には、計測部121は、建物のインフラ計測情報として、その建物で使用された電気の使用量等を計測する。また、計測機器12が水道メーターである場合には、計測部121は、建物のインフラ計測情報として、その建物で使用された水の使用量等を計測する。
【0019】
通信ユニット13は、制御部131と、変調部132と、フィルタ133と、通信部134とを有する。制御部131は、OS(基本ソフトウェア)やアプリケーションソフトウェア(応用ソフトウェア)等の各種ソフトウェアの実行を通じて自動運転支援装置10の機能の制御を行うプロセッサである。制御部131は、例えばCPU(Central Processing Unit)で構成される。
【0020】
制御部131は、検出機器11から自動運転支援情報を取得する制御と、計測機器12からインフラ計測情報を取得する制御とを同時並行で行う。また、制御部131は、送信制御手段として、検出機器11から取得した自動運転支援情報を変調部132に提供する制御と、計測機器12から取得したインフラ計測情報を変調部132に提供する制御とを行う。
【0021】
具体的には、例えば、制御部131は、通常時は、自動運転支援情報を取得して変調部132に提供する制御をリアルタイムで行い、予め定められたタイミング(例えば、30分間隔など)で、自動運転支援情報よりもインフラ計測情報を優先的に変調部132に提供する制御を行う。また、例えば、制御部131は、検出機器11にて自動車50の存在を検出すると、インフラ計測情報よりも自動運転支援情報を優先的に変調部132に提供する制御を行う。
【0022】
変調部132は、制御部131から提供される自動運転支援情報とインフラ計測情報とを同一の周波数および変調方式にて変調する。これにより、検出機器11にてデジタル信号に変換された自動運転支援情報と、計測機器12にてデジタル信号に変換されたインフラ計測情報との各々が同一の周波数および変調方式にて変調される。
【0023】
フィルタ133は、予め定められた周波数の情報を通過または遮断する機器であり、変調部132により変調された情報のノイズをカットする。具体的には、変調部132により変調された、自動運転支援情報およびインフラ計測情報の各々のノイズをカットする。
【0024】
通信部134は、ネットワーク90を介して自動車50および外部に向けて各種のデータを送信する。例えば、通信部134は、フィルタ133によりノイズがカットされた自動運転支援情報を、自動運転支援装置10が設置された建物の近傍を走行する自動車50に向けて送信する。また、通信部134は、フィルタ133によりノイズがカットされたインフラ計測情報を、建物ごとのインフラ計測情報の管理を行う外部のサーバ(図示せず)等に向けて送信する。
【0025】
通信部134から自動車50に向けて自動運転支援情報が送信されるタイミングは、制御部131から変調部132に向けて自動運転支援情報が提供されるタイミングに応じて決定される。また、通信部134から外部のサーバに向けてインフラ計測情報が送信されるタイミングは、制御部131から変調部132に向けてインフラ計測情報が提供されるタイミングに応じて決定される。すなわち、自動運転支援装置10では、自動車50に向けて自動運転支援情報が送信されるタイミングと、外部のサーバに向けてインフラ計測情報が送信されるタイミングとが制御部131により一括制御される。
【0026】
<自動運転支援装置の処理の流れ>
図3は、図2の自動運転支援装置10を構成する各部による処理の流れの一例を示すフローチャートである。
第1の実施の形態にかかる自動運転支援装置10では、検出機器11が自動運転支援情報を検出すると(ステップ301でYES)、検出された自動運転支援情報を制御部131が取得し(ステップ302)、取得された自動運転支援情報を変調部132が予め定められた周波数に変調する(ステップ303)。そして、周波数が変調された自動運転支援情報のノイズをフィルタ133がカットし(ステップ304)、ノイズがカットされた自動運転支援情報を通信部134が自動車50に向けて送信する(ステップ305)。これに対して、検出機器11が自動運転支援情報を検出していない場合(ステップ301でNO)、自動運転支援装置10では、検出機器11が自動運転支援情報を検出するまでステップ301の処理が繰り返される。
【0027】
自動運転支援装置10では、計測機器12がインフラ計測情報を計測すると(ステップ306でYES)、検出されたインフラ計測情報を制御部131が取得し(ステップ307)、取得されたインフラ計測情報を変調部132が予め定められた周波数に変調する(ステップ308)。そして、周波数が変調されたインフラ計測情報のノイズをフィルタ133がカットし(ステップ309)ノイズがカットされたインフラ計測情報を通信部134が外部のサーバ等に向けて送信する(ステップ310)。これに対して、計測機器12がインフラ計測情報を計測していない場合(ステップ306でNO)、自動運転支援装置10では、計測機器12がインフラ計測情報を計測するまでステップ306の処理が繰り返される。
【0028】
第1の実施の形態にかかる自動運転支援装置10は、以上のような構成を有することにより、周波数および変調方式が同一である自動運転支援情報とインフラ計測情報との各々の送信の一括制御が可能となる。その結果、自動運転支援情報を自動車50に向けて送信する時間帯と、インフラ計測情報を外部のサーバ等に向けて送信する時間帯とをシェアすることが可能となる。さらに、予め定められたタイミングで優先的にインフラ計測情報が送信されるので、インフラ計測情報の信頼性の維持を図ることができる。
【0029】
[第2の実施の形態]
<情報処理システムの構成>
第2の実施の形態にかかる自動運転支援装置20を含む情報処理システムの構成は、上述の図1に示す情報処理システムの構成と同様であり、図示を省略する。
【0030】
(自動運転支援装置)
第2の実施の形態にかかる自動運転支援装置20は、上述の第1の実施の形態にかかる自動運転支援装置10と同様に、住宅等の建物に設置され、その建物におけるインフラ計測情報を計測する機能と、その建物の近傍を走行する自動車50の自動運転を支援するための自動運転支援情報を検出する機能とを有する。
【0031】
さらに、第2の実施の形態にかかる自動運転支援装置20は、上述の第1の実施の形態にかかる自動運転支援装置10と同様に、検出した自動運転支援情報と、計測したインフラ計測情報との各々を、予め定められた周波数に変調して、外部に向けて送信する。具体的には、自動運転支援装置20は、自機が設置された建物の近傍を走行する自動車50に向けて自動運転支援情報を送信する。また、自動運転支援装置20は、インフラ計測情報を管理する外部のサーバ等に向けてインフラ計測情報を送信する。なお、第2の実施の形態にかかる自動運転支援装置20の具体的な構成や機能の詳細については後述する。
【0032】
(自動車)
第2の実施の形態にかかる自動運転支援装置20を含む情報処理システムを構成する自動車50は、第1の実施の形態と同様に、自動運転支援装置20が設置された建物の近傍を走行する、自動運転機能を有する自動車であり、説明を省略する。
【0033】
<自動運転支援装置のハードウェア構成>
図4は、第2の実施の形態が適用される情報処理装置としての自動運転支援装置20のハードウェア構成の一例を示す図である。
第2の実施の形態にかかる自動運転支援装置20は、検出機器11と、計測機器12と、通信ユニット23とで構成されている。検出機器11、計測機器12、および通信ユニット23は、データバス、アドレスバス、PCIバス等で接続されている。また、図示はしないが、自動運転支援装置20は、予め定められた電源からの電力の供給を受けている。なお、第2の実施の形態にかかる自動運転支援装置20を構成する検出機器11および計測機器12の構成は、上述の第1の実施の形態と同様であり、説明を省略する。
【0034】
通信ユニット23は、制御部231と、第1変調部232と、第2変調部235と、第1フィルタ233と、第2フィルタ236と、第1通信部234と、第2通信部237とを有する。制御部231は、上述の第1の実施形態と同様に、OS(基本ソフトウェア)やアプリケーションソフトウェア(応用ソフトウェア)等の各種ソフトウェアの実行を通じて自動運転支援装置20の機能の制御を行うプロセッサであり、例えばCPUで構成される。
【0035】
制御部231は、上述の第1の実施形態と同様に、検出機器11から自動運転支援情報を取得する制御と、計測機器12からインフラ計測情報を取得する制御とを同時並行で行う。だだし、第2の実施形態にかかる制御部231は、上述の第1の実施形態にかかる制御部131とは異なり、検出機器11から取得した自動運転支援情報を第1変調部232に提供する制御と、計測機器12から取得したインフラ計測情報を第2変調部235に提供する制御とをそれぞれ切り分けて行う。
【0036】
第1変調部232は、制御部231から提供される自動運転支援情報を予め定められた周波数に変調する。また、第2変調部235は、制御部231から提供されるインフラ計測情報を予め定められた周波数に変調する。これにより、検出機器11にてデジタル信号に変換された自動運転支援情報と、計測機器12にてデジタル信号に変換されたインフラ計測情報との各々が予め定められた周波数に変調される。
【0037】
ここで、第1変調部232が自動運転支援情報を変調する処理と、第2変調部235がインフラ計測情報を変調する処理との各々は、それぞれ異なる周波数および変調方式にて行われる。すなわち、上述の第1の実施の形態では、制御部131により取得された自動運転支援情報およびインフラ計測情報の各々は、変調部132により同一の周波数および変調方式にて変調されるが、第2の実施の形態では、第1変調部232および第2変調部235の各々により、それぞれ異なる周波数および変調方式にて変調される。
【0038】
第1フィルタ233は、第1変調部232により変調された自動運転支援情報のノイズをカットする。第2フィルタ236は、第2変調部235により変調されたインフラ計測情報のノイズをカットする。すなわち、自動運転支援情報およびインフラ計測情報の各々は、上述の第1の実施の形態ではフィルタ133によりノイズがカットされるが、第2の実施の形態では第1フィルタ233および第2フィルタ236の各々により個々にノイズがカットされる。
【0039】
第1通信部234は、第1フィルタ233によりノイズがカットされた自動運転支援情報を、自動運転支援装置20が設置された建物の近傍を走行する自動車50に向けて送信する。第2通信部237は、第2フィルタ236によりノイズがカットされたインフラ計測情報を、建物ごとのインフラ計測情報の管理を行う外部のサーバ等に向けて送信する。すなわち、上述の第1の実施の形態では、フィルタ133によりノイズがカットされた自動運転支援情報およびインフラ計測情報の各々は、通信部134により送信されるが、第2の実施の形態では、第1通信部234および第2通信部237の各々により個々に送信される。
【0040】
第1通信部234から自動車50に向けて自動運転支援情報が送信されるタイミングは、制御部231から第1変調部232に向けて自動運転支援情報が提供されるタイミングに応じて決定される。また、第2通信部237から外部のサーバに向けてインフラ計測情報が送信されるタイミングは、制御部231から第2変調部235に向けてインフラ計測情報が提供されるタイミングに応じて決定される。すなわち、自動運転支援装置20では、自動車50に向けて自動運転支援情報が送信されるタイミングと、外部のサーバに向けてインフラ計測情報が送信されるタイミングとが制御部231により一括制御される。
【0041】
<自動運転支援装置の処理の流れ>
図5は、図4の自動運転支援装置20を構成する各部による処理の流れの一例を示すフローチャートである。
第2の実施の形態にかかる自動運転支援装置20では、検出機器11が自動運転支援情報を検出すると(ステップ501でYES)、検出された自動運転支援情報を制御部231が取得し(ステップ502)、取得された自動運転支援情報を第1変調部232が予め定められた周波数に変調する(ステップ503)。そして、周波数が変調された自動運転支援情報のノイズを第1フィルタ233がカットし(ステップ504)、ノイズがカットされた自動運転支援情報を第1通信部234が自動車50に向けて送信する(ステップ505)。これに対して、検出機器11が自動運転支援情報を検出していない場合(ステップ501でNO)、自動運転支援装置20では、検出機器11が自動運転支援情報を検出するまでステップ501の処理が繰り返される。
【0042】
自動運転支援装置20では、計測機器12がインフラ計測情報を計測すると(ステップ506でYES)、検出されたインフラ計測情報を制御部231が取得し(ステップ507)、取得されたインフラ計測情報を第2変調部235が予め定められた周波数に変調する(ステップ508)。そして、周波数が変調されたインフラ計測情報のノイズを第2フィルタ236がカットし(ステップ509)ノイズがカットされたインフラ計測情報を第2通信部237が外部のサーバ等に向けて送信する(ステップ510)。これに対して、計測機器12にてインフラ計測情報を計測していない場合(ステップ506でNO)、自動運転支援装置20では、計測機器12にてインフラ計測情報を検出するまでステップ506の処理が繰り返される。
【0043】
第2の実施の形態にかかる自動運転支援装置20は、以上のような構成を有することにより、周波数および変調方式が異なる自動運転支援情報とインフラ計測情報との各々の送信の一括制御が可能となる。その結果、自動運転支援情報を送信する時間帯と、インフラ計測情報を送信する時間帯とをシェアすることが可能となる。
【0044】
[第3の実施の形態]
<情報処理システムの構成>
第3の実施の形態にかかる自動運転支援装置30を含む情報処理システムの構成は、上述の図1に示す情報処理システムの構成と同様であり、図示を省略する。
【0045】
(自動運転支援装置)
第3の実施の形態にかかる自動運転支援装置30は、上述の第1の実施の形態にかかる自動運転支援装置10、および第2の実施の形態にかかる自動運転支援装置20と同様に、住宅等の建物に設置され、その建物におけるインフラ計測情報を計測する機能と、その建物の近傍を走行する自動車50の自動運転を支援するための自動運転支援情報を検出する機能とを有する。
【0046】
さらに、第3の実施の形態にかかる自動運転支援装置30は、上述の第1の実施の形態にかかる自動運転支援装置10、および第2の実施の形態にかかる自動運転支援装置20と同様に、検出した自動運転支援情報と、計測したインフラ計測情報との各々を、予め定められた周波数に変調して、外部に向けて送信する。具体的には、自動運転支援装置30は、自機が設置された建物の近傍を走行する自動車50に向けて自動運転支援情報を送信する。また、自動運転支援装置30は、インフラ計測情報を管理する外部のサーバ等に向けてインフラ計測情報を送信する。なお、第3の実施の形態にかかる自動運転支援装置30の具体的な構成や機能の詳細については後述する。
【0047】
(自動車)
第3の実施の形態にかかる自動運転支援装置30を含む情報処理システムを構成する自動車50は、第1の実施の形態および第2の実施の形態と同様に、自動運転支援装置30が設置された建物の近傍を走行する、自動運転機能を有する自動車であり、説明を省略する。
【0048】
<自動運転支援装置のハードウェア構成>
図6は、第3の実施の形態が適用される情報処理装置としての自動運転支援装置30のハードウェア構成の一例を示す図である。
第3の実施の形態にかかる自動運転支援装置30は、検出機器11と、計測機器12と、通信ユニット33とで構成されている。検出機器11、計測機器12、および通信ユニット33は、データバス、アドレスバス、PCIバス等で接続されている。また、図示はしないが、自動運転支援装置30は、予め定められた電源からの電力の供給を受けている。なお、第3の実施の形態にかかる自動運転支援装置30を構成する検出機器11および計測機器12の構成は、上述の第1の実施の形態および第2の実施の形態と同様であり、説明を省略する。
【0049】
通信ユニット33は、第1制御部331と、第2制御部335と、第1変調部332と、第2変調部336と、第1フィルタ333と、第2フィルタ337と、第1通信部334と、第2通信部338とを有する。第1制御部331および第2制御部335は、上述の第1の実施形態および第2の実施形態と同様に、OS(基本ソフトウェア)やアプリケーションソフトウェア(応用ソフトウェア)等の各種ソフトウェアの実行を通じて自動運転支援装置30の機能の制御を行うプロセッサであり、例えばCPUで構成される。
【0050】
第1制御部331は、検出機器11から自動運転支援情報を取得する制御を行う。第2制御部335は、計測機器12からインフラ計測情報を取得する制御を行う。すなわち、上述の第1の実施形態および第2の実施形態では、検出機器11と計測機器12との各々にてデジタル信号に変換された自動運転支援情報およびインフラ計測情報の各々は、1つの制御部により同時並行で取得される。これに対して、第3の実施の形態では、第1制御部331による自動運転支援情報の取得と、第2制御部335によるインフラ計測情報の取得とが同時並行で行われる。具体的には、検出機器11から自動運転支援情報を取得して第1変調部332に提供する制御と、計測機器12からインフラ計測情報を取得して第2変調部336に提供する制御との各々が、第1制御部331と第2制御部335との各々により独立して行われる。
【0051】
第1変調部332は、第1制御部331から提供される自動運転支援情報を予め定められた周波数に変調する。また、第2変調部336は、第2制御部335から提供されるインフラ計測情報を予め定められた周波数に変調する。これにより、検出機器11にてデジタル信号に変換された自動運転支援情報と、計測機器12にてデジタル信号に変換されたインフラ計測情報との各々が予め定められた周波数に変調される。ここで、第1変調部332が自動運転支援情報を変調する処理と、第2変調部336がインフラ計測情報を変調する処理との各々は、上述の第2の実施の形態と同様に、それぞれ異なる周波数および変調方式にて行われる。
【0052】
第1フィルタ333は、第1変調部332により変調された自動運転支援情報のノイズをカットする。第2フィルタ337は、第2変調部336により変調されたインフラ計測情報のノイズをカットする。すなわち、第3の実施の形態では、第2の実施の形態と同様に、第1フィルタ333および第2フィルタ337の各々により個々にノイズがカットされる。
【0053】
第1通信部334は、第1フィルタ333によりノイズがカットされた自動運転支援情報を、自動運転支援装置30が設置された建物の近傍を走行する自動車50に向けて送信する。また、第2通信部338は、第2フィルタ337によりノイズがカットされたインフラ計測情報を、建物ごとのインフラ計測情報の管理を行う外部のサーバ等に向けて送信する。すなわち、第3の実施の形態では、第2の実施の形態と同様に、自動運転支援情報およびインフラ計測情報の各々は、第1通信部334および第2通信部338の各々により個々に外部に向けて送信される。
【0054】
第1通信部334から自動車50に向けて自動運転支援情報が送信されるタイミングは、第1制御部331から第1変調部332に向けて自動運転支援情報が提供されるタイミングに応じて決定される。また、第2通信部338から外部のサーバに向けてインフラ計測情報が送信されるタイミングは、第2制御部335から第2変調部336に向けてインフラ計測情報が提供されるタイミングに応じて決定される。すなわち、自動運転支援装置30では、自動車50に向けて自動運転支援情報が送信されるタイミングと、外部のサーバに向けてインフラ計測情報が送信されるタイミングとの各々が、第1制御部331と第2制御部335との各々により個別に制御される。
【0055】
<自動運転支援装置の処理の流れ>
図7は、図6の自動運転支援装置30を構成する各部による処理の流れの一例を示すフローチャートである。
第3の実施の形態にかかる自動運転支援装置30では、検出機器11が自動運転支援情報を検出すると(ステップ701でYES)、検出された自動運転支援情報を第1制御部331が取得し(ステップ702)、取得された自動運転支援情報を第1変調部332が予め定められた周波数に変調する(ステップ703)。そして、周波数が変調された自動運転支援情報のノイズを第1フィルタ333がカットし(ステップ704)、ノイズがカットされた自動運転支援情報を第1通信部334が自動車50に向けて送信する(ステップ705)。これに対して、検出機器11が自動運転支援情報を検出していない場合(ステップ701でNO)、自動運転支援装置30では、検出機器11が自動運転支援情報を検出するまでステップ701の処理が繰り返される。
【0056】
自動運転支援装置30では、計測機器12がインフラ計測情報を計測すると(ステップ706でYES)、検出されたインフラ計測情報を第2制御部335が取得し(ステップ707)、取得されたインフラ計測情報を第2変調部336が予め定められた周波数に変調する(ステップ708)。そして、周波数が変調されたインフラ計測情報のノイズを第2フィルタ337がカットし(ステップ709)ノイズがカットされたインフラ計測情報を第2通信部338が外部のサーバ等に向けて送信する(ステップ710)。これに対して、計測機器12にてインフラ計測情報を計測していない場合(ステップ706でNO)、自動運転支援装置30は、計測機器12にてインフラ計測情報を検出するまでステップ706の処理が繰り返される。
【0057】
第3の実施の形態にかかる自動運転支援装置30は、以上のような構成を有することにより、周波数および変調方式が異なる計測情報と支援情報との各々の送信の制御がそれぞれ独立して行われるため、機器の故障のリスクを分散できる。
【0058】
<具体例>
図8は、上述の第1乃至第3の実施の形態が適用される情報処理装置としての自動運転支援装置の外観構成の具体例を示す図である。図8(A)は、計測機器12がガスメーターである自動運転支援装置10-1の外観構成の具体例を示す図である。図8(B)は、計測機器12が電力メーターである自動運転支援装置10-2の外観構成の具体例を示す図である。図8(C)は、1つの建物100に2台の自動運転支援装置10(自動運転支援装置10-1および10-2)を設置した場合の具体例を示す図である。
【0059】
図8(A)および(B)に示すように、自動運転支援装置10-1および10-2は、いずれも、自動運転支援情報を検出する検出機器11と、インフラ計測情報を計測する計測機器12と、自動運転支援情報およびインフラ計測情報を送信する通信ユニット13とを含む一体型の装置である。検出機器11は、自動または手動による角度の調節を可能とする。このため、例えば図8(C)に示すように、1つの建物100に自動運転支援装置10-1および10-2を設置した場合には、自動運転支援装置10-1および10-2の各々の設置位置や設置角度、建物と道路との位置関係等に応じて、自動運転支援装置10-1および10-2の各々の検出機器11の角度を調節することで、センサの照射範囲200を調節することができる。
【0060】
図9は、図8の自動運転支援装置が設置された複数の建物が建ち並ぶ住宅地を自動車50が自動運転で走行する様子を示す図である。
図9に示すように、道路400-1を自動運転で走行中の自動車50は、建物100-1乃至100-13を含む住宅地に差し掛かっている。ここで、図示はしないが、建物100-1乃至100-13の各々には、図8の自動運転支援装置10-1および10-2の少なくとも一方が設置されているものとする。このため、建物100-1乃至100-13の各々からは、自動運転支援情報を検知するためのセンサ光が照射されており、そのイメージとして、照射範囲200-1乃至200-13が図示されている。
【0061】
ここで、例えば、自動車50が、道路400-1を直進してそのまま住宅地を通過する場合には、自動車50は、少なくとも照射範囲200-8、200-2、200-9、200-3、200-4、200-11、200-5、200-12、200-6、200-7の中を走行することになる。
【0062】
また、例えば、道路400-1を走行する自動車50が、道路400-1と道路400-2との交差点を左折する場合、自動車50は、少なくとも照射範囲200-8の中を左折し、その直後、照射範囲200-1の中を走行することになる。また、例えば、道路400-1を走行する自動車50が、道路400-1と道路400-3との交差点を右折する場合、自動車50は、少なくとも照射範囲200-4の中を右折し、その直後、照射範囲200-10の中を走行することになる。同様に、道路400-1を走行する自動車50が、道路400-1と道路400-4との交差点を右折する場合、自動車50は、少なくとも照射範囲200-6の中を右折し、その直後、照射範囲200-13の中を走行することになる。
【0063】
このように、信号機や道路標識などの構造物が少ない住宅地の道路であっても、建物100-1乃至100-13の各々に設置された、複数の自動運転支援装置10の各々のセンサの照射範囲200-1乃至200-13が互いに重なり合っているため、自動車50の自動運転支援情報を継続的に検出することが可能となる。その結果、好適な自動運転環境における自動車50の自動運転を実現させることができる。
【0064】
<他の実施の形態>
以上、本実施の形態について説明したが、本発明は上述した本実施の形態に限るものではない。また、本発明による効果も、上述した本実施の形態に記載されたものに限定されない。例えば、図1に示す情報処理システム1の構成、図2図4、および図6の各々に示す自動運転支援装置10、20、および30の各々のハードウェア構成は、いずれも本発明の目的を達成するための例示に過ぎず、特に限定されない。上述した処理を全体として実行できる機能が図1の情報処理システム1に備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのようなハードウェア構成を用いるかは上述の例に限定されない。
【0065】
また、図3図5、および図7の各々に示す自動運転支援装置10、20、および30の各々の処理のステップの順序も例示に過ぎず、特に限定されない。図示されたステップの順序に沿って時系列的に行われる処理だけではなく、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別的に行われてもよい。また、図8および図9に示す具体例も一例に過ぎず、特に限定されない。
【0066】
例えば、図8に示す自動運転支援装置10-1および10-2は、いずれも自動運転支援情報を検出する検出機器11と、インフラ計測情報を計測する計測機器12と、自動運転支援情報およびインフラ計測情報を外部に向けて送信する通信ユニット13とを含む一体型の装置であるが、例示に過ぎない。検出機器11、計測機器12、および通信ユニット13のうち一部が物理的に離隔していてもよい。例えば、計測機器12と通信ユニット13とを含む一体型の自動運転支援装置10とし、検出機器11のみが離隔していてもよい。この場合、建物100に隣接する道路をセンサの照射範囲に含めることができる位置に検出機器11を配置し、無線通信により通信ユニット13に向けて自動運転支援情報を送信できるようにしてもよい。
【0067】
また、上述の実施の形態では、自動運転支援装置10から自発的に自動車50に向けて自動運転支援情報が送信される構成となっているが、これに限定されない。例えば、自動車50や自動運転支援情報の計測を行う外部のサーバ等から自動運転支援情報の問い合わせを受信した自動運転支援装置10が、その問い合わせに対して自動運転支援情報を送信する構成であってもよい。
【符号の説明】
【0068】
1…情報処理システム、10,20,30…自動運転支援装置、11…検出機器、12…計測機器、13,23,33…通信ユニット、50…自動車、100…建物、111…検出部、112…変換部、121…計測部、122…変換部、131,231…制御部、132…変調部、133…フィルタ、134…通信部、200…照射範囲、232,332…第1変調部、233,333…第1フィルタ、234,334…第1通信部、235,336…第2変調部、236,337…第2フィルタ、237,338…第2通信部、331…第1制御部、335…第2制御部、90…ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9