(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024116025
(43)【公開日】2024-08-27
(54)【発明の名称】通知システム、通知方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G05B 19/418 20060101AFI20240820BHJP
G06Q 50/04 20120101ALI20240820BHJP
【FI】
G05B19/418 Z
G06Q50/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023022007
(22)【出願日】2023-02-15
(71)【出願人】
【識別番号】000242530
【氏名又は名称】北菱電興株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137394
【弁理士】
【氏名又は名称】横井 敏弘
(72)【発明者】
【氏名】宮本 涼平
(72)【発明者】
【氏名】高森 正也
【テーマコード(参考)】
3C100
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
3C100AA29
3C100BB34
3C100CC02
3C100DD04
3C100DD22
5L049CC03
5L050CC03
(57)【要約】
【課題】 簡便に作業の進捗を通知する通知システムを提供する。
【解決手段】 通知システム1は、製造現場において、作業工程の進捗を示す画像コードを読み取るコードリーダと、コードリーダに読み取られた画像コードに基づいて、作業工程の次の作業工程に関連付けられる端末へ通知する通知サーバとを有し、画像コードには識別情報のみを含み、通知サーバは、識別情報に、通知先と通知内容とを関連付けて通知情報として管理する通知情報管理部と、読み取られた画像コードに含まれる識別情報と、通知情報管理部に管理される通知情報とに基づいて、通知を行う通知部とをさらに有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
製造現場において、作業工程の進捗を示す画像コードを読み取るコードリーダと、
前記コードリーダに読み取られた画像コードに基づいて、前記作業工程の次の作業工程に関連付けられる端末へ通知する通知サーバと
を有し、
前記画像コードには識別情報のみを含む
通知システム。
【請求項2】
前記通知サーバは、
前記識別情報に、通知先と通知内容とを関連付けて通知情報として管理する通知情報管理部と、
前記読み取られた画像コードに含まれる識別情報と、前記通知情報管理部に管理される通知情報とに基づいて、通知を行う通知部と
をさらに有する
請求項1に記載の通知システム。
【請求項3】
前記コードリーダ、前記通知サーバ、及び、前記次の作業工程に関連付けられる端末は、専用のネットワークを介して相互に接続され、
前記ネットワークは、他のネットワークから物理的に独立している
請求項1に記載の通知システム。
【請求項4】
前記コードリーダは、紙に印刷された前記画像コードを読み取る
請求項1に記載の通知システム。
【請求項5】
前記通知内容は、次の作業工程の開始、作業の遅延、又は作業支援の要請である
請求項1に記載の通知システム。
【請求項6】
前記通知サーバは、
前記通知部により行われた通知が届いたか否かを判定する既読判定部と、
前記通知部による通知から規定時間以上、既読判定部により未読であると判定された場合に、再度通知を行う再通知部
をさらに有する
請求項1に記載の通知システム。
【請求項7】
製造現場において、作業工程の進捗を示す画像コードをコードリーダにより読み取る読み取りステップと、
前記読み取りステップにより読み取られた画像コードに基づいて、通知サーバが、前記作業工程の次の作業工程に関連付けられる端末へ通知する通知ステップと
を有し、
前記画像コードには識別情報のみを含む
通知方法。
【請求項8】
製造現場において、コードリーダにより読み取られた作業工程の進捗を示す画像コードに基づいて、前記作業工程の次の作業工程に関連付けられる端末へ通知する通知ステップ
をコンピュータに実行させ、
前記画像コードには識別情報のみを含む
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通知システム、通知方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、作業者が作業を行う領域を撮影する撮影部と、前記撮影部から動画データを取得して、前記動画データの中の前記作業者の動作から前記作業者が行っている第1の工程における作業を認識する作業認識部と、認識した前記作業者の作業から前記第1の工程における作業の進捗度を判定する進捗度判定部と、前記進捗度判定部が判定した進捗度が所定の進捗度に達したときに、前記第1の工程とは異なる第2の工程における作業を行う作業者に情報を伝える情報端末へ、前記進捗度が前記所定の進捗度に達したこと通知する通知処理部と、を有する、作業工程管理システムが開示されている。
【0003】
また、特許文献2には、携帯型の無線端末によって撮像された2次元バーコードを処理する2次元バーコード処 理サーバであって、前記2次元バーコードの画像を前記無線端末から受け取る画像受取部と、前記2次元バーコードの画像をデコードするデコード部と、前記2次元バーコードの画像をデコードすることができなかった場合に、その旨を前記携帯端末に通知し、前記2次元バーコードの画像の再送を要求する再送要求部と、前記2次元バーコードの画像をデコードすることができた場合に、更にデコードして得られたバーコード情報に基づいて、前記無線端末に送信すべき提供情報を選択する提供情報選択部と、前記提供情報を前記無線端末に送出する提供情報送出部とを備えた2次元バーコード処理サーバが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-13341
【特許文献2】特開2005-190231
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
簡便に作業の進捗を通知する通知システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る通知システムは、製造現場において、作業工程の進捗を示す画像コードを読み取るコードリーダと、前記コードリーダに読み取られた画像コードに基づいて、前記作業工程の次の作業工程に関連付けられる端末へ通知する通知サーバとを有し、前記画像コードには識別情報のみを含む。
【0007】
好適には、前記通知サーバは、前記識別情報に、通知先と通知内容とを関連付けて通知情報として管理する通知情報管理部と、前記読み取られた画像コードに含まれる識別情報と、前記通知情報管理部に管理される通知情報とに基づいて、通知を行う通知部と
をさらに有する。
【0008】
好適には、前記コードリーダ、前記通知サーバ、及び前記次の作業工程に関連付けられる端末は、特定のネットワークを介して相互に接続され、前記ネットワークは、他のネットワークから物理的に独立している。
【0009】
好適には、前記コードリーダは、紙に印刷された前記画像コードを読み取る。
【0010】
好適には、前記通知内容は、次の作業工程の開始、作業の遅延、又は作業支援の要請である。
【0011】
好適には、前記通知サーバは、前記通知部により行われた通知が届いたか否かを判定する既読判定部と、前記通知部による通知から規定時間以上、既読判定部により未読であると判定された場合に、再度通知を行う再通知部をさらに有する。
【0012】
本発明に係る通知方法は、製造現場において、作業工程の進捗を示す画像コードをコードリーダにより読み取る読み取りステップと、前記読み取りステップにより読み取られた画像コードに基づいて、通知サーバが、前記作業工程の次の作業工程に関連付けられる端末へ通知する通知ステップとを有し、前記画像コードには識別情報のみを含む。
【0013】
本発明に係るプログラムは、製造現場において、コードリーダにより読み取られた作業工程の進捗を示す画像コードに基づいて、前記作業工程の次の作業工程に関連付けられる端末へ通知する通知ステップをコンピュータに実行させ、前記画像コードには識別情報のみを含む。
【発明の効果】
【0014】
簡便に作業の進捗を通知する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本実施形態における通知システム1のハードウェア構成を例示する図である。
【
図2】コードリーダ3のハードウェア構成を例示する図である。
【
図3】コードリーダ3の機能構成を例示する図である。
【
図4】通知サーバ5のハードウェア構成を例示する図である。
【
図5】通知サーバ5の機能構成を例示する図である。
【
図6】通知情報管理DB600により管理される通知情報を例示する図である。
【
図7】通知システム1による通知処理(S10)の全体動作を例示するフローチャートである。
【0016】
従来、製造現場において、雇用形態の異なる作業者が作業を行い、雇用形態や役職に応じて、セキュリティの観点から社内システムへのアクセス権が異なることがあり、個人、または特定の範囲への情報発信基盤が整っていないことがあった。そのため、社内システム等の基幹システムへアクセスすることなく、作業工程の進捗状況を異なる作業場所にいる次の作業工程の作業者に伝えるための情報伝達手段が求められている。
そこで、本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、基幹システムから切り離され、作業者の負担なく、簡便に進捗状況を次の作業工程の作業者へと伝える通知システム1を提供する。
【0017】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態における通知システム1のハードウェア構成を例示する図である。
図1に例示するように、通知システム1は、製造現場において、作業工程の進捗を次の作業工程の作業者へ通知するシステムである。作業工程の進捗とは、作業の終了、作業の遅延、又は、作業の進捗率をいう。
通知システム1は、コードリーダ3と、通知サーバ5と、通知先端末7とを有する。コードリーダ3と通知サーバ5、及び、通知サーバ5と通知先端末7とは、ネットワーク9を介して通信可能に接続している。ネットワーク9からは、例えば、社内システムのような基幹システムへアクセス不可である。
コードリーダ3は、製造現場において、作業工程の進捗を示す画像コード4を読み取るコードリーダである。コードリーダ3は、読み取った画像コード4から識別情報を抽出し、通知サーバ5へ通知する。コードリーダ3は、画像コード4を読み取り可能な位置に配置される。
通知サーバ5は、コードリーダ3に読み取られた画像コード4に基づいて、進捗を通知する対象の作業工程の次の作業工程に関連付けられる通知先端末7へ通知する。具体的には、通知サーバ5は、コードリーダ3から識別情報を受信するコンピュータ端末である。通知サーバ5は、受信した識別情報に基づいた通知を通知先端末7へ行う。
ネットワーク9は、通知システム1専用のネットワークであり、他のネットワークから物理的に独立している。
【0018】
図2は、コードリーダ3のハードウェア構成を例示する図である。
図2に例示するように、コードリーダ3は、CPU200、メモリ202、入力装置204、及び、ネットワークインタフェース206(ネットワークIF)を有し、バス208を介して互いに接続している。
CPU200は、例えば、中央演算装置である。
メモリ202は、例えば、不揮発性メモリである。
入力装置204は、画像コード4を読み取る装置であり、例えば、CCDセンサである。
ネットワークIF206は、有線又は無線で通信するためのインタフェースである。
【0019】
図3は、コードリーダ3の機能構成を例示する図である。
図3に例示するように、本例のコードリーダ3には、コードリーダ制御プログラム30がインストールされている。
コードリーダ制御プログラム30は、読取り部300、解析部302、及び通信部304を有する。
コードリーダ制御プログラム30において、読取り部300は、画像コード4を読み取る。具体的には、読取り部300は、紙に印刷された2次元コードである画像コード4を読み取る。
解析部302は、読取り部300により読み取られた画像コード4をデコードし、識別情報を抽出する。
通信部304は、解析部302により抽出された識別情報を通知サーバ5へ送信する。
コードリーダ制御プログラム30は、コードリーダ制御プログラム30を格納したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を通じてコードリーダ3にインストールされる。
【0020】
図4は、通知サーバ5のハードウェア構成を例示する図である。
図4に例示するように、通知サーバ5は、CPU400、メモリ402、ネットワークインタフェース406(ネットワークIF406)、表示装置408、及び、入力装置410を有し、これらの構成はバス412を介して互いに接続している。
CPU400は、例えば、中央演算装置である。
メモリ402は、例えば、不揮発性メモリである。
カメラ404は、CCDなどを備えた内蔵カメラである。
ネットワークIF406は、有線又は無線で通信するためのインタフェースである。
表示装置408は、例えば、液晶ディスプレイである。
入力装置410は、例えば、キーボード及びマウスである。
【0021】
図5は、通知サーバ5の機能構成を例示する図である。
図5に例示するように、本例の通知サーバ5には、通知プログラム50がインストールされ、通知情報管理データベース600(通知情報管理DB600)が構成されている。
通知プログラム50は、識別情報受信部500、通知情報決定部502、通知部504、既読判定部506、及び再通知部508を有する。
なお、通知プログラム50の一部又は全部は、ASICなどのハードウェアにより実現されてもよい。また、通知プログラム50は、例えば、CD-ROMなどの記録媒体に格納されており、この記録媒体を介して通知サーバ5にインストールされる。
【0022】
通知プログラム50において、識別情報受信部500は、コードリーダ3の解析部302により抽出された画像コード4に含まれる識別情報を受信する。識別情報とは、通知先、及び通知内容を特定するための情報である。
通知情報決定部502は、通知情報管理DB600に格納される通知情報から、受信した識別情報に関連付けられた通知先、及び通知内容を決定する。
通知部504は、コードリーダ3に読み取られた画像コード4に含まれる識別情報と、通知情報管理DB600に管理される通知情報とに基づいて、通知を行う。具体的には、通知部504は、通知情報決定部502により決定された通知先端末7へ、決定された通知内容を通知する。
既読判定部506は、通知部504により行われた通知が届いたか否かを判定する。具体的には、通知部504による通知から規定時間以上、通知が未読であるか否かを判定する。
再通知部508は、通知部504による通知が規定時間以上、既読判定部506により未読であると判定された場合に、再度通知を行う。
【0023】
次に、画像コード4について説明する。
画像コード4は、各作業工程の作業が行われる場所に関連付けられている。具体的には、画像コード4は、紙に印刷され、各作業場所の所定の場所に配置される。画像コード4は、2次元コードであり、識別情報のみを含む。画像コード4は、次の作業工程の作業者へ通知したい内容毎に異なる。
【0024】
図6は、通知情報管理DB600に管理される通知情報テーブルを例示する図である。
図6に例示するように、通知情報テーブルは、識別情報と、通知先と、通知内容とを関連付けて管理する。識別情報は、意味をなさない数字、文字、又は記号であり、一意である。通知情報管理DB600は、本発明に係る通知情報管理部の一例である。
通知先は、通知内容の通知先であり、次の作業工程の作業者が閲覧する通知先端末7のアドレスである。
図6(a)に例示するように、通知内容は、作業工程の進捗を、次の作業工程の作業者へと通知するものである。具体的には、画像コード4に関連付けられた作業場所における作業工程が終了し、次の作業工程の開始を指示するものである。例えば、通知は、メッセージで「XX工程が終了しました。作業を開始して下さい。」でもよいし、通知先端末7に接続された回転灯により、次の作業工程の開始を通知してもよい。
また、
図6(b)に例示するように、通知内容は、次の作業工程の開始指示だけでなく、作業の遅延、及び作業支援の要請であってもよい。この場合、通知内容に応じて、画像コード4が印刷された紙を複数枚用意する。具体的には、「次の作業工程の開始指示」を通知する識別情報を含む画像コード4だけでなく、「作業の遅延」を通知する識別情報を含む画像コード4、及び「作業支援の要請」を通知する画像コード4のように複数枚の画像コード4を各作業工程の作業場所に貼り付けておく。通知内容が複数パターンある場合は、通知内容に応じて通知先端末7に接続された回転灯の点灯方法を変えて通知内容を伝えてもよい。
したがって、複数パターンの通知内容が存在する場合、どの識別情報を含む画像コード4がコードリーダ3により読み取られるかにより、通知内容は異なってくる。
【0025】
図7は、通知システム1による通知処理(S10)の全体動作を例示するフローチャートである。ここでは、通知システム1が、ある作業工程において作業が終了したことを次の作業工程の作業者へと通知する通知処理について説明する。
図7に例示するように、ステップ100(S100)において、作業者は、作業が終了した場合に、コードリーダ3を、作業場所に関連付けられた画像コード4にかざす。コードリーダ3の読取り部300は、画像コード4を読み取る。
ステップ105(S105)において、コードリーダ3の解析部302は、読み取った画像コード4を解析し、識別情報を抽出する。
ステップ110(S110)において、コードリーダ3の通信部304は、抽出した識別情報を通知サーバ5へ、独立したネットワーク9を介して送信する。
ステップ115(S115)において、通知サーバ5の識別情報受信部500は、識別情報を受信する。通知サーバ5の通知情報決定部502は、受信した識別情報に基づいて、通知情報管理DB600に格納される通知情報から通知先端末7の通知先アドレスと通知内容とを決定する。
ステップ120(S120)において、通知サーバ5の通知部504は、通知情報決定部502によりS115において決定された通知先アドレスへ次の作業工程の開始指示を通知する。
ステップ125(S125)において、通知サーバ5の既読判定部506は、規定時間以上通知が未読であるか否かを判定する。既読判定部506は、規定時間以上通知が未読であると判定した場合に、S130へ移行する(S125:Yes)。規定時間以内に通知が既読となった場合に処理を終了する(S125:No)。
ステップ130(S130)において、再通知部508は、S115において決定された通知先と通知内容に基づいた通知を再度行う。
【0026】
以上説明したように、通知システム1によれば、作業工程の作業者は、作業工程に関連付けられた画像コード4をコードリーダ3により読み取るだけで、簡便に作業の進捗を次の作業工程の作業者へ通知することができる。作業工程の終了を通知する作業者は、通知先及び通知内容を確認する必要なく、作業工程の進捗を通知することができるため、スピーディーに作業状況を伝えることが可能であるとともに作業負担が少ない。
また、画像コード4には、それだけでは意味を成さない識別情報のみが含まれるため、画像コード4が作業と関係のない第3者に読み取られたとしても、識別情報から得られる情報はなく、情報漏洩の危険性は低い。さらに、少ない情報量のみを通知サーバ5へ送信するためネットワーク負荷もかかりにくく、エラーが発生しにくい。
さらに、コードリーダ3と通知サーバ5とは、基幹システムから独立したネットワーク9を使用しているため、基幹システムへのアクセス権や、通知システム1が基幹システムに及ぼす影響を考慮するする必要もない。
【符号の説明】
【0027】
1…通知システム
3…コードリーダ
4…画像コード
5…通知サーバ
7…通知先端末
9…ネットワーク
30…コードリーダ制御プログラム
300…読取り部
302…解析部
304…通信部
50…通知プログラム
500…識別情報受信部
502…通知情報決定部
504…通知部
506…既読判定部
508…再通知部
600…通知情報管理データベース