(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024116035
(43)【公開日】2024-08-27
(54)【発明の名称】対象物判定プログラム、情報処理装置及び対象物判定方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/08 20240101AFI20240820BHJP
【FI】
G06Q10/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023022019
(22)【出願日】2023-02-15
(71)【出願人】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003421
【氏名又は名称】弁理士法人フィールズ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中村 元紀
(72)【発明者】
【氏名】小栗 秀暢
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA16
5L049AA16
(57)【要約】
【課題】対象物ごとのすり替えの検知を行うことを可能とする対象物判定プログラム、情報処理装置及び対象物判定方法を提供する。
【解決手段】第1時点及び第2時点のそれぞれにおける特定の対象物についての複数の項目のそれぞれに対応する値を計測し、複数の項目ごとに、各項目の第1時点における値と各項目の第2時点における値との差分を算出し、対象物のすり替えが発生しているか否かの判定に用いられる項目の組合せと、組合せに含まれる項目のそれぞれを用いた場合における判定についての判定精度とを対応付けた精度情報を記憶した記憶部を参照し、複数の項目に含まれる項目の組合せから条件を満たす特定の組合せを特定し、特定した特定の組合せに含まれる項目のそれぞれに対応する差分に基づいて、特定の対象物のすり替えが発生しているか否かを判定し、特定の対象物のすり替えが発生しているか否かについての判定結果を出力する。
【選択図】
図19
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1時点及び第2時点のそれぞれにおける特定の対象物についての複数の項目のそれぞれに対応する値を計測し、
前記複数の項目ごとに、各項目の前記第1時点における前記値と各項目の前記第2時点における前記値との差分を算出し、
対象物のすり替えが発生しているか否かの判定に用いられる項目の組合せと、前記組合せに含まれる項目のそれぞれを用いた場合における前記判定についての判定精度とを対応付けた精度情報を記憶した記憶部を参照し、前記複数の項目に含まれる項目の組合せから条件を満たす特定の組合せを特定し、
特定した前記特定の組合せに含まれる項目のそれぞれに対応する前記差分に基づいて、前記特定の対象物のすり替えが発生しているか否かを判定し、
前記特定の対象物のすり替えが発生しているか否かについての判定結果を出力する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする対象物判定プログラム。
【請求項2】
請求項1において、
前記特定する処理では、前記複数の項目に含まれる項目の組合せのうち、各組合せに対応する前記判定精度が条件を満たす組合せを前記特定の組合せとして特定する、
ことを特徴とする対象物判定プログラム。
【請求項3】
請求項2において、
前記特定する処理では、前記複数の項目に含まれる項目の組合せのうち、各組合せに対応する前記判定精度が最大である組合せを前記特定の組合せとして特定する、
ことを特徴とする対象物判定プログラム。
【請求項4】
請求項1において、
前記判定する処理では、
前記特定の組合せに含まれる項目ごとに、各項目に対応する前記差分が各項目に対応する条件を満たすか否かを判定し、
各項目に対応する前記条件を満たさない項目が前記特定の組合せに含まれる場合、前記特定の対象物のすり替えが発生していると判定する、
ことを特徴とする対象物判定プログラム。
【請求項5】
請求項4において、
前記判定する処理では、
前記特定の組合せに含まれる項目ごとに、各項目に対応する前記差分が各項目に対応する範囲に含まれるか否かを判定し、
各項目に対応する前記差分が各項目に対応する範囲に含まれない項目が前記特定の組合せに含まれる場合、前記特定の対象物のすり替えが発生していると判定する、
ことを特徴とする対象物判定プログラム。
【請求項6】
請求項3において、さらに、
前記精度情報を記憶した前記記憶部を参照し、前記複数の項目に含まれない他の項目と前記複数の項目に含まれる項目とを含む項目の組合せに対応する第1判定精度を特定し、
特定した前記第1判定精度が前記特定の組合せに対応する前記判定精度よりも大きいか否かを判定し、
前記第1判定精度が前記特定の組合せに対応する前記判定精度よりも大きいと判定した場合、前記他の項目を示す情報を出力する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする対象物判定プログラム。
【請求項7】
請求項1において、さらに、
前記組合せに含まれる項目ごとに、各項目に対応する前記値を用いることによって対象物のすり替えが発生しているか否かを判定する学習モデルを生成し、
前記組合せごとに、各組合せに含まれる項目に対応する前記学習モデルのそれぞれを用いることによって各組合せに含まれる項目のそれぞれを用いた場合における前記判定精度を算出し、
前記組合せごとに、各組合せと各組合せに対応する前記判定精度とを対応付けることによって前記精度情報を生成する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする対象物判定プログラム。
【請求項8】
第1時点及び第2時点のそれぞれにおける特定の対象物についての複数の項目のそれぞれに対応する値を計測する情報計測部と、
前記複数の項目ごとに、各項目の前記第1時点における前記値と各項目の前記第2時点における前記値との差分を算出する差分算出部と、
対象物のすり替えが発生しているか否かの判定に用いられる項目の組合せと、前記組合せに含まれる項目のそれぞれを用いた場合における前記判定についての判定精度とを対応付けた精度情報を記憶した記憶部を参照し、前記複数の項目に含まれる項目の組合せから条件を満たす特定の組合せを特定する情報特定部と
特定した前記特定の組合せに含まれる項目のそれぞれに対応する前記差分に基づいて、前記特定の対象物のすり替えが発生しているか否かを判定する対象判定部と、
前記特定の対象物のすり替えが発生しているか否かについての判定結果を出力する結果出力部と、を有する、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項9】
第1時点及び第2時点のそれぞれにおける特定の対象物についての複数の項目のそれぞれに対応する値を計測し、
前記複数の項目ごとに、各項目の前記第1時点における前記値と各項目の前記第2時点における前記値との差分を算出し、
対象物のすり替えが発生しているか否かの判定に用いられる項目の組合せと、前記組合せに含まれる項目のそれぞれを用いた場合における前記判定についての判定精度とを対応付けた精度情報を記憶した記憶部を参照し、前記複数の項目に含まれる項目の組合せから条件を満たす特定の組合せを特定し、
特定した前記特定の組合せに含まれる項目のそれぞれに対応する前記差分に基づいて、前記特定の対象物のすり替えが発生しているか否かを判定し、
前記特定の対象物のすり替えが発生しているか否かについての判定結果を出力する、
処理をコンピュータが実行することを特徴とする対象物判定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象物判定プログラム、情報処理装置及び対象物判定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、農作物等の対象物(以下、単に対象物とも呼ぶ)の流通経路を辿ることを可能とする技術が登場している。
【0003】
このような技術では、例えば、流通時において対象物が収容されるケースや段ボール(以下、単にケース等とも呼ぶ)に対して、対象物の追跡を行う際に用いられる情報(以下、トレース情報とも呼ぶ)が対応付けられたQRコード(登録商標)やRFID(Radio Frequency IDentification)等が付加される。そして、対象物の消費者や小売店の店員(以下、単に消費者等とも呼ぶ)は、例えば、QRコードやRFID等を読み取ることによってトレース情報の閲覧を行う。これにより、対象物の消費者等は、例えば、トレース情報から対象物の流通経路を辿ることが可能になる(例えば、特許文献1乃至4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006-146570号公報
【特許文献2】特開2005-100002号公報
【特許文献3】米国特許出願公開第2006/0265584
【特許文献4】米国特許出願公開第2006/0271555
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のような技術では、例えば、ケース等に付加されたトレース情報とケース等に収容された個々の対象物との間における対応付けが行われない。そのため、上記のような技術では、例えば、対象物ごとのすり替えの検知を行うことができない場合がある。
【0006】
そこで、一つの側面では、本発明は、対象物ごとのすり替えの検知を行うことを可能とする対象物判定プログラム、情報処理装置及び対象物判定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施の形態の一態様では、第1時点及び第2時点のそれぞれにおける特定の対象物についての複数の項目のそれぞれに対応する値を計測し、前記複数の項目ごとに、各項目の前記第1時点における前記値と各項目の前記第2時点における前記値との差分を算出し、対象物のすり替えが発生しているか否かの判定に用いられる項目の組合せと、前記組合せに含まれる項目のそれぞれを用いた場合における前記判定についての判定精度とを対応付けた精度情報を記憶した記憶部を参照し、前記複数の項目に含まれる項目の組合せから条件を満たす特定の組合せを特定し、特定した前記特定の組合せに含まれる項目のそれぞれに対応する前記差分に基づいて、前記特定の対象物のすり替えが発生しているか否かを判定し、前記特定の対象物のすり替えが発生しているか否かについての判定結果を出力する、処理をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0008】
一つの側面によれば、対象物ごとのすり替えの検知を行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、情報処理システム10の構成について説明する図である。
【
図2】
図2は、情報処理装置1のハードウエア構成を説明する図である。
【
図3】
図3は、第1の実施の形態における情報処理システム10の機能について説明する図である。
【
図4】
図4は、第1の実施の形態における情報処理システム10の機能について説明する図である。
【
図5】
図5は、第1の実施の形態における対象物判定処理の詳細について説明するフローチャート図である。
【
図6】
図6は、第1の実施の形態における対象物判定処理の詳細について説明するフローチャート図である。
【
図7】
図7は、第1の実施の形態における対象物判定処理の詳細について説明するフローチャート図である。
【
図8】
図8は、第1の実施の形態における対象物判定処理の詳細について説明するフローチャート図である。
【
図9】
図9は、第1の実施の形態における対象物判定処理の詳細について説明するフローチャート図である。
【
図10】
図10は、第1の実施の形態における対象物判定処理の詳細について説明するフローチャート図である。
【
図11】
図11は、多変量データ131の具体例について説明する図である。
【
図12】
図12は、拠点固有情報134の具体例について説明する図である。
【
図13】
図13は、詳細情報233の具体例について説明する図である。
【
図14】
図14は、閾値情報231の具体例について説明する図である。
【
図15】
図15は、異常値情報132の具体例について説明する図である。
【
図16】
図16は、異常値情報132の具体例について説明する図である。
【
図17】
図17は、異常値情報132の具体例について説明する図である。
【
図18】
図18は、異常値情報132の具体例について説明する図である。
【
図19】
図19は、第1の実施の形態における対象物判定処理の詳細について説明する図である。
【
図20】
図20は、第1の実施の形態における対象物判定処理の変形例について説明するフローチャート図である。
【
図21】
図21は、第1の実施の形態における対象物判定処理の変形例について説明するフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本開示の実施の形態について説明する。しかしながら、かかる説明は限定的な意味に解釈されるべきではなく、特許請求の範囲に記載の主題を限定するものではない。また、本開示の趣旨及び範囲から逸脱することがなく様々な変更や置換や改変をすることができる。また、異なる実施の形態を適宜組み合わせることができる。
【0011】
[第1の実施の形態における情報処理システムの構成]
初めに、情報処理システム10の構成について説明を行う。
図1は、情報処理システム10の構成について説明する図である。
【0012】
情報処理システム10は、
図1に示すように、例えば、対象物OBの流通経路に含まれる拠点BS1において、情報処理装置1aとセンサ3aとを有する。拠点BS1は、例えば、対象物OBの生産者の拠点である。
【0013】
また、情報処理システム10は、例えば、対象物OBの流通経路に含まれる拠点BS2において、情報処理装置1bとセンサ3bとを有する。拠点BS2は、例えば、対象物OBの仲介業者の拠点である。
【0014】
また、情報処理システム10は、例えば、対象物OBの流通経路に含まれる拠点BS3において、情報処理装置1cとセンサ3cとを有する。拠点BS3は、例えば、対象物OBの仲介業者の拠点である。
【0015】
また、情報処理システム10は、例えば、対象物OBの流通経路に含まれる拠点BS4において、情報処理装置1dとセンサ3dとを有する。拠点BS4は、例えば、消費者に対して対象物OBの販売を行う小売店である。
【0016】
さらに、情報処理システム10は、例えば、情報処理装置1aと情報処理装置1bと情報処理装置1cと情報処理装置1dとのそれぞれからアクセスが可能な記憶装置2を有する。記憶装置2は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)であってよい。
【0017】
すなわち、
図1に示す例は、対象物OBが拠点BS1(生産者)と拠点BS2(仲介業者)と拠点BS3(仲介業者)と拠点BS4(小売店)とを順に流通することを示している。
【0018】
以下、情報処理装置1a、情報処理装置1b、情報処理装置1c及び情報処理装置1dを総称して単に情報処理装置1とも呼び、センサ3a、センサ3b、センサ3c及びセンサ3dを総称して単にセンサ3とも呼び、拠点BS1、拠点BS2、拠点BS3及び拠点BS4を総称して単に拠点BSとも呼ぶ。
【0019】
なお、以下、対象物OBの流通過程に含まれる拠点BSの数が4である場合について説明を行うが、これに限られない。具体的に、対象物OBの流通過程に含まれる拠点BSの数は、例えば、4以外の数であってもよい。また、以下、拠点BS1が対象物OBの生産者の拠点であり、拠点BS2及び拠点BS3が対象物OBの仲介業者の拠点であり、拠点BS4が対象物OBの販売を行う小売店である場合について説明を行うが、これに限られない。具体的に、拠点BS1や拠点BS4は、例えば、対象物OBの仲介業者の拠点であってもよい。
【0020】
図1に示す例において、センサ3のそれぞれは、例えば、対象物OBの模様、色(輝度)、糖度、水分量及び熟度等をそれぞれ計測する各種のセンサである。なお、各拠点BSには、複数のセンサ3が配置されるものであってもよい。
【0021】
情報処理装置1は、例えば、PC(Personal Computer)やスマートフォン等のモバイル端末であり、自装置の拠点BSに配置された1以上のセンサ3が計測した対象物OBについての多変量データに基づいて、対象物OBのすり替えが発生しているか否かについての判定を行う処理(以下、対象物判定処理とも呼ぶ)を行う。
【0022】
具体的に、本実施の形態における情報処理装置1は、例えば、第1時点における対象物OB(以下、特定の対象物OBとも呼ぶ)についての複数の項目(以下、単に複数の項目とも呼ぶ)のそれぞれに対応する値を計測する。また、情報処理装置1は、第1時点よりも後の第2時点における特定の対象物OBについての複数の項目のそれぞれに対応する値を計測する。第1時点は、例えば、特定の対象物OBが拠点BS1に配置されている時点であり、第2時点は、例えば、特定の対象物OBが拠点BS2に配置されている時点であってよい。
【0023】
そして、情報処理装置1は、例えば、複数の項目ごとに、各項目の第1時点における値と各項目の第2時点における値との差分を算出する。
【0024】
続いて、情報処理装置1は、例えば、対象物OBのすり替えが発生しているか否かの判定に用いられる項目の組合せと、その組合せに含まれる項目のそれぞれを用いた場合における判定精度とを対応付けた情報(以下、精度情報とも呼ぶ)を記憶した記憶部を参照し、特定の対象物OBについての複数の項目に含まれる項目の組合せから条件を満たす組合せ(以下、特定の組合せとも呼ぶ)を特定する。具体的に、情報処理装置1は、例えば、特定の対象物OBについての複数の項目に含まれる項目の組合せのうち、各組合せに対応する判定精度が条件を満たす組合せを特定の組合せを特定する。さらに具体的に、情報処理装置1は、例えば、特定の対象物OBについての複数の項目に含まれる項目の組合せのうち、各組合せに対応する判定精度が最大である組合せを特定の組合せを特定する。
【0025】
その後、情報処理装置1は、例えば、特定の組合せに含まれる項目のそれぞれに対応する差分に基づいて、特定の対象物OBのすり替えが発生しているか否かを判定する。具体的に、情報処理装置1は、例えば、特定の組合せに含まれる項目ごとに、各項目に対応する差分が各項目に対応する条件を満たすか否かを判定し、各項目に対応する条件を満たさない項目が特定の組合せに含まれる場合、特定の対象物OBのすり替えが発生していると判定する。さらに具体的に、情報処理装置1は、例えば、特定の組合せに含まれる項目ごとに、各項目に対応する差分が各項目に対応する範囲(予め定められた範囲)に含まれるか否かを判定し、各項目に対応する範囲に含まれない項目が特定の組合せに含まれる場合、特定の対象物OBのすり替えが発生していると判定する。
【0026】
そして、情報処理装置1は、例えば、特定の対象物OBのすり替えが発生しているか否かについての判定(以下、単にすり替え判定とも呼ぶ)の判定結果を出力する。
【0027】
すなわち、本実施の形態における情報処理装置1は、例えば、対象物OBごとに、複数のセンサ3のそれぞれによって計測された複数の項目のそれぞれに対応するデータを含む多変量データを取得する。そして、情報処理装置1は、例えば、対象物OBごとに、各対象物OBに対応する多変量データを用いることによって各対象物OBのすり替えが発生しているか否かについての判定を行う。
【0028】
これにより、本実施の形態における情報処理装置1は、例えば、流通経路においてすり替えが行われたか否かの判定を対象物OBごとに行うことが可能になる。
【0029】
また、本実施の形態における情報処理装置1は、例えば、対象物OBのすり替え判定に用いられる項目の組合せと、その組合せに含まれる項目のそれぞれを用いた場合における判定精度とを対応付けた精度情報を記憶した記憶部を参照することにより、対象物OBのすり替えが発生しているか否かについての判定に用いる項目の組合せ(特定の組合せ)を特定する。
【0030】
この点、精度情報に含まれる各判定精度は、例えば、単一の項目のみを用いることによってすり替え判定を行う学習モデル(以下、単一項目モデルとも呼ぶ)のそれぞれに対して、過去に計測した多変量データ(以下、過去の多変量データとも呼ぶ)を入力することによって算出が可能である。
【0031】
具体的に、情報処理装置1は、例えば、すり替え判定に用いられる項目ごとに、各項目に対応する単一項目モデルを生成する。そして、情報処理装置1は、例えば、単一項目モデルごとに、各単一項目モデルに対して過去の多変量データ(過去の多変量データのうちの各単一項目モデルに対応する項目のデータ)を順次入力することにより、各単一項目モデルによるすり替え判定の判定結果を取得する。その後、情報処理装置1は、例えば、単一項目モデルごとに、取得した判定結果を参照することにより、各単一項目モデルによるすり替え判定の判定精度を最も高くすることが可能な多変量データの閾値(すり替えが行われている判定する対象物OBの多変量データとすり替えが行われていないと判定する対象物OBの多変量データとの境界値)を特定する。さらに、情報処理装置1は、例えば、単一項目モデルの組合せごとに、各組合せに含まれる単一項目モデルに対応する閾値のそれぞれを過去の多変量データに対して順次適用し、すり替え判定の成功回数や失敗回数を集計することによって、各組合せに含まれる単一項目モデルのそれぞれを用いた場合におけるすり替え判定の判定精度を算出する。すり替え判定の成功回数は、例えば、すり替えが行われた対象物OBをすり替えが行われた対象物OBとして判定した回数(TP:True Positive)や、すり替えが行われていない対象物OBをすり替えが行われていない対象物OBとして判定した回数(TN:True Negative)である。また、すり替え判定の失敗回数は、例えば、すり替えが行われた対象物OBをすり替えが行われていない対象物OBとして判定した回数(FN:False Negative)や、すり替えが行われていない対象物OBをすり替えが行われている対象物OBとして判定した回数(FP:False Positive)である。そして、情報処理装置1は、例えば、単一項目モデルの組合せごとの判定精度を含む精度情報を生成する。
【0032】
すなわち、本実施の形態における情報処理装置1は、例えば、すり替え判定に用いられる項目の組合せごとの学習モデルを全て生成することなく、すり替え判定に用いられる項目ごとの単一項目モデルのみを生成することによって、精度情報を生成することが可能である。
【0033】
これにより、本実施の形態における情報処理装置1は、例えば、精度情報の生成に要する作業者の作業負担を抑制することが可能になり、特定の組合せに要する作業者の作業負担を抑制することが可能になる。
【0034】
さらに、本実施の形態における情報処理装置1は、この場合、例えば、単一項目モデルごとに特定した多変量データの閾値を用いることによって、特定の組合せに含まれる項目のそれぞれに対応する差分に基づくすり替え判定を行うことが可能になる。そのため、情報処理装置1は、例えば、特定の組合せに含まれる項目のそれぞれに対応する差分に基づくすり替え判定についても、すり替え判定に用いられる項目の組合せごとの学習モデルを生成することなく行うことが可能になる。
【0035】
[情報処理装置のハードウエア構成]
次に、各情報処理装置1のハードウエア構成について説明を行う。
図2は、情報処理装置1のハードウエア構成を説明する図である。
【0036】
情報処理装置1は、
図2に示すように、例えば、プロセッサであるCPU(Central Processing Unit)101と、メモリ102と、通信装置(I/Oインタフェース)103と、記憶装置104とを有する。各部は、バス105を介して互いに接続される。
【0037】
記憶装置104は、例えば、対象物判定処理を行うためのプログラム110を記憶するプログラム格納領域(図示せず)を有する。また、記憶装置104は、例えば、対象物判定処理を行う際に用いられる情報を記憶する記憶部130(以下、情報格納領域130とも呼ぶ)を有する。なお、記憶装置104は、例えば、HDDやSSDであってよい。
【0038】
CPU101は、例えば、記憶装置104からメモリ102にロードされたプログラム110を実行して対象物判定処理を行う。
【0039】
また、通信装置103は、例えば、インターネット等のネットワーク(図示せず)を介して記憶装置2及びセンサ3との通信を行う。
【0040】
[第1の実施の形態における情報処理システムの機能]
次に、第1の実施の形態における各情報処理システム10の機能について説明を行う。
図3及び
図4は、第1の実施の形態における情報処理システム10の機能について説明する図である。
【0041】
情報処理装置1は、
図3に示すように、例えば、CPU101やメモリ102等のハードウエアとプログラム110とが有機的に協働することにより、情報受付部111と、情報計測部112と、差分算出部113と、情報特定部114と、対象判定部115と、結果出力部116とを有する。
【0042】
また、情報格納領域130には、
図3に示すように、例えば、多変量データ131と、異常値情報132と、詳細情報133と、拠点固有情報134とが記憶される。
【0043】
さらに、記憶装置2には、
図4に示すように、閾値情報231と、精度情報232と、詳細情報233と、拠点固有情報234と、単一項目モデルMDとを記憶する。なお、以下、閾値情報231及び精度情報232が予め記憶装置2に記憶されているものとして説明を行う。また、以下、すり替え判定に用いられる項目ごとに生成された単一項目モデルMDが予め記憶装置2に記憶されているものとして説明を行う。
【0044】
情報受付部111は、例えば、情報処理装置1が配置されている拠点BSの作業者が入力した拠点固有情報134を受け付ける。拠点固有情報134は、例えば、情報処理装置1が配置されている拠点BSについての固有の情報である。そして、情報受付部111は、例えば、入力を受け付けた拠点固有情報134を情報格納領域130に記憶する。
【0045】
情報計測部112は、例えば、各センサ3によって計測された対象物OBについての複数の項目に対応するデータを各センサ3から取得する。そして、情報計測部112は、例えば、取得したデータの組合せである多変量データ131を情報格納領域130に記憶する。
【0046】
差分算出部113は、例えば、情報計測部112においてデータが取得された複数の項目ごとに、情報計測部112において取得された各項目に対応するデータが示す値と、情報処理装置1の拠点BSよりも前の拠点BSに配置された他の情報処理装置1(以下、単に他の情報処理装置1とも呼ぶ)において取得された各項目に対応するデータが示す値との差分を算出する。すなわち、差分算出部113は、例えば、拠点BS間における多変量データ131の差分を算出する。
【0047】
具体的に、差分算出部113は、例えば、記憶装置2に記憶された詳細情報233を参照し、情報計測部112が取得した複数の項目ごとに、他の情報処理装置1において取得された各項目に対応するデータが示す値を取得する。詳細情報233は、例えば、各拠点BSの情報処理装置1によって生成された詳細情報133を蓄積した情報である。また、詳細情報133は、例えば、各拠点BSの情報処理装置1によって取得された多変量データ131等を含む情報である。そして、差分算出部113は、例えば、情報計測部112においてデータが取得された複数の項目ごとに、情報計測部112において取得された各項目に対応するデータが示す値と、記憶装置2から取得された各項目に対応するデータが示す値との差分を算出する。
【0048】
その後、差分算出部113は、例えば、記憶装置2に記憶された閾値情報231を参照し、情報計測部112においてデータが取得された複数の項目ごとに、各項目に対応する差分が各項目に対応する閾値以上であるか否かを判定する。閾値情報231は、例えば、単一項目モデルMDごとに予め生成された情報であって、各単一項目モデルMDの判定精度を最も高くすることが可能な多変量データ131の閾値(すり替えが行われている判定する対象物OBの多変量データとすり替えが行われていないと判定する対象物OBの多変量データとの境界値)を示す情報である。そして、差分算出部113は、例えば、多変量データ131に含まれる項目のうちの差分が閾値以上である項目に対応する値が異常値であることを示す異常値情報132を生成する。
【0049】
情報特定部114は、例えば、差分算出部113が生成した異常値情報132と、記憶装置2に記憶された精度情報232とを参照し、情報計測部112がデータを取得した複数の項目における項目の組合せから特定の組合せを特定する。精度情報232は、例えば、対象物OBのすり替えが発生しているか否かの判定に用いられる項目の組合せと、その組合せに含まれる項目のそれぞれを用いた場合における判定精度とを対応付けた情報である。
【0050】
具体的に、情報特定部114は、例えば、記憶装置2に記憶された精度情報232を参照し、情報計測部112がデータを取得した複数の項目に含まれる項目の組合せごとに、各組合せに対応する判定精度をそれぞれ特定する。そして、情報特定部114は、例えば、特定した判定精度のうちの最も高い判定精度に対応する組合せを特定の組合せとして特定する。
【0051】
対象判定部115は、例えば、情報特定部114が特定した特定の組合せに含まれる項目のそれぞれに対応する差分(差分算出部113が算出した差分)に基づいて、対象物OBのすり替えが発生しているか否かを判定する。
【0052】
具体的に、対象判定部115は、例えば、差分算出部113が算出した異常値情報132を参照し、異常値に対応する項目が存在していると判定した場合、対象物OBのすり替えが発生していると判定する。一方、対象判定部115は、例えば、異常値に対応する項目が存在していないと判定した場合、対象物OBのすり替えが発生していないと判定する。
【0053】
結果出力部116は、例えば、対象判定部115による判定結果を情報処理装置1の出力画面(図示せず)に出力する。
【0054】
また、結果出力部116は、例えば、情報計測部112が計測した多変量データ131と、対象判定部115による判定結果とを含む詳細情報133を生成する。そして、結果出力部116は、例えば、生成した詳細情報133を詳細情報233の少なくとも一部として記憶装置2に記憶する。なお、結果出力部116は、例えば、情報受付部111が入力を受け付けた拠点固有情報134を拠点固有情報234の少なくとも一部として記憶装置2に記憶するものであってもよい。
【0055】
[第1の実施の形態における対象物判定処理の概略]
次に、第1の実施の形態の概略について説明する。
図5は、第1の実施の形態における対象物判定処理の概略を説明するフローチャート図である。
【0056】
情報処理装置1は、
図5に示すように、例えば、対象物判定タイミングになるまで待機する(S1のNO)。対象物判定タイミングは、例えば、情報処理装置1が配置された拠点BSの作業者が対象物判定処理を行う旨の情報を情報処理装置1に入力したタイミングであってよい。
【0057】
そして、対象物判定タイミングになった場合(S1のYES)、情報処理装置1は、例えば、第1時点における特定の対象物OBについての複数の項目のそれぞれに対応する値を計測する(S2)。また、情報処理装置1は、第1時点よりも後の第2時点における特定の対象物OBについての複数の項目のそれぞれに対応する値を計測する(S2)。
【0058】
続いて、情報処理装置1は、例えば、特定の対象物OBについての複数の項目ごとに、各項目の第1時点における値と各項目の第2時点における値との差分を算出する(S3)。
【0059】
次に、情報処理装置1は、例えば、対象物OBのすり替えが発生しているか否かの判定に用いられる項目の組合せと、その組合せに含まれる項目のそれぞれを用いた場合における判定精度とを対応付けた精度情報232を記憶した情報格納領域130を参照し、特定の対象物OBについての複数の項目における項目の組合せから特定の組合せを特定する(S4)。
【0060】
その後、情報処理装置1は、例えば、特定の組合せに含まれる項目のそれぞれに対応する差分に基づいて、特定の対象物OBのすり替えが発生しているか否かを判定する(S5)。
【0061】
そして、情報処理装置1は、例えば、特定の対象物OBのすり替えが発生しているか否かについての判定結果を出力する(S6)。
【0062】
これにより、本実施の形態における情報処理装置1は、例えば、流通経路においてすり替えが行われたか否かの判定を対象物OBごとに行うことが可能になる。
【0063】
また、情報処理装置1は、例えば、すり替え判定に用いられる項目の組合せごとの学習モデルを全て生成することなく、すり替え判定に用いられる項目ごとの単一項目モデルMDのみを生成することによって、精度情報232を生成することになる。そのため、情報処理装置1は、例えば、精度情報232の生成に要する作業者の作業負担を抑制することが可能になり、特定の組合せに要する作業者の作業負担を抑制することが可能になる。
【0064】
さらに、本実施の形態における情報処理装置1は、例えば、特定の組合せに含まれる項目のそれぞれに対応する差分に基づくすり替え判定についても、すり替え判定に用いられる項目の組合せごとの学習モデルを生成することなく行うことが可能になる。
【0065】
[第1の実施の形態における対象物判定処理の詳細]
次に、第1の実施の形態における対象物判定処理の詳細について説明する。
図6から
図10は、第1の実施の形態における対象物判定処理の詳細について説明するフローチャート図である。また、
図11から
図19は、第1の実施の形態における対象物判定処理の詳細について説明する図である。
【0066】
[第1対象物判定処理]
初めに、対象物判定処理のうち、対象物OBの流通経路における最初の拠点BS(例えば、
図1等で説明した拠点BS1)に配置された情報処理装置1(例えば、
図1で説明した情報処理装置1a)において行われる処理(以下、第1対象物判定処理とも呼ぶ)について説明を行う。
図6は、第1対象物判定処理について説明するフローチャート図である。
【0067】
情報計測部112は、
図6に示すように、例えば、第1対象物判定タイミングになるまで待機する(S11のNO)。第1対象物判定タイミングは、例えば、情報処理装置1が配置された拠点BSの作業者が第1対象物判定処理を行う旨の情報を情報処理装置1に入力したタイミングであってよい。
【0068】
そして、第1対象物判定タイミングになった場合(S11のYES)、情報計測部112は、例えば、対象物OBに取り付けられたRFIDの読み取りを行うことにより、対象物OBの識別情報を取得する(S12)。
【0069】
また、情報計測部112は、この場合、例えば、対象物OBについての多変量データ131を計測する(S13)。以下、多変量データ131の具体例について説明を行う。
【0070】
[多変量データの具体例]
図11は、多変量データ131の具体例について説明する図である。
【0071】
図11に示す多変量データ131は、例えば、対象物OBが映る画像データ(対象物OBの模様の判定に用いられる画像データ)の識別情報が設定される「模様」と、対象物OBの色(輝度)を計測可能なセンサ3によって計測された対象物OBの色が設定される「色」とを項目として有する。また、
図11に示す多変量データ131は、例えば、対象物OBの糖度を計測可能なセンサ3によって計測された対象物OBの糖度が設定される「糖度」と、対象物OBの水分量を計測可能なセンサ3によって計測された対象物OBの水分量が設定される「水分」と、対象物OBの熟度を計測可能なセンサ3によって計測された対象物OBの熟度が設定される「熟度」とを項目として有する。以下、値の計測が行われなかった項目に「-」が設定されるものとして説明を行う。
【0072】
なお、以下、各拠点BSに配置されたセンサ3によって計測される項目(特徴量)が模様、色、糖度、水分量及び熟度であるものとして説明を行うが、これに限られない。具体的に、各拠点BSに配置されたセンサ3によって計測される項目には、例えば、模様、色、糖度、水分量及び熟度のうちの一部の項目のみが含まれるものであってもよいし、模様、色、糖度、水分量及び熟度以外の項目(例えば、重量等)が含まれるものであってもよい。
【0073】
具体的に、
図11に示す多変量データ131には、例えば、「模様」として「ID011」が設定され、「色」として「-」が設定され、「糖度」として「16%」が設定され、「水分」として「67.2%」が設定され、「熟度」として「24%」が設定されている。
【0074】
図6に戻り、情報受付部111は、例えば、情報処理装置1が配置されている拠点BSについての拠点固有情報134の入力を受け付ける(S14)。具体的に、情報受付部111は、例えば、情報処理装置1が配置されている拠点BSの作業者が入力した拠点固有情報134の入力を受け付ける。以下、拠点固有情報134の具体例について説明を行う。
【0075】
[拠点固有情報の具体例]
図12は、拠点固有情報134の具体例について説明する図である。
【0076】
図12に示す拠点固有情報134は、例えば、各拠点BSの名称が設定される「拠点名」と、各拠点BSにおける生産者や仲介業者等の事業者の名称が設定される「事業者名」と、各事業者における担当者の名称が設定される「担当者名」と、各事業者における承認者の名称が設定される「承認者名」とを項目として有する。また、
図12に示す拠点固有情報134は、例えば、対象物OBの品種の名称が設定される「品種名」と、対象物OBの入荷量が設定される「入荷量」と、対象物OBの入荷日が設定される「入荷日」とを項目として有する。
【0077】
具体的に、
図12に示す拠点固有情報134における1行目の情報には、例えば、「拠点名」として「A卸売市場」が設定され、「事業者名」として「B株式会社」が設定され、「担当者」として「CC」が設定され、「承認者」として「FF」が設定され、「品種名」として「夕張メロン」が設定され、「入荷量」として「1.0t」が設定され、「入荷日」として「2022/8/15」が設定されている。
【0078】
また、
図12に示す拠点固有情報134における2行目の情報には、例えば、「拠点名」として「A卸売市場」が設定され、「事業者名」として「B株式会社」が設定され、「担当者」として「DD」が設定され、「承認者」として「GG」が設定され、「品種名」として「夕張メロン」が設定され、「入荷量」として「2.0t」が設定され、「入荷日」として「2022/8/16」が設定されている。
図12に含まれる他の情報についての説明は省略する。
【0079】
図6に戻り、結果出力部116は、例えば、S13の処理で計測した多変量データ131と、S14の処理で入力を受け付けた拠点固有情報134とを用いることによってハッシュ情報を生成する(S15)。
【0080】
そして、結果出力部116は、例えば、S12の処理で取得した対象物OBの識別情報と、S13の処理で計測した多変量データ131と、S14の処理で入力を受け付けた拠点固有情報134と、S15の処理で生成したハッシュ情報とを含む詳細情報133を生成し、生成した詳細情報133を詳細情報233の少なくとも一部として記憶装置2に記憶する(S16)。
【0081】
すなわち、結果出力部116は、例えば、生成した詳細情報133を詳細情報233として記憶装置2に記憶することによって、生成した詳細情報133を他の拠点BSに配置されている情報処理装置1からも参照可能な状態にする。
【0082】
[第2対象物判定処理]
次に、対象物判定処理のうち、対象物OBの流通経路における2番目以降の拠点BS(例えば、
図1で説明した拠点BS2や拠点BS3)に配置された情報処理装置1(例えば、
図1で説明した情報処理装置1bや情報処理装置1c)において行われる処理(以下、第2対象物判定処理とも呼ぶ)について説明を行う。
図7及び
図8は、第2対象物判定処理について説明するフローチャート図である。
【0083】
情報計測部112は、
図7に示すように、例えば、第2対象物判定タイミングになるまで待機する(S21のNO)。第2対象物判定タイミングは、例えば、情報処理装置1が配置された拠点BSの作業者が第2対象物判定処理を行う旨の情報を情報処理装置1に入力したタイミングであってよい。
【0084】
そして、第2対象物判定タイミングになった場合(S21のYES)、情報計測部112は、例えば、対象物OBに取り付けられたRFIDの読み取りを行うことにより、対象物OBの識別情報を取得する(S22)。
【0085】
また、情報計測部112は、この場合、例えば、対象物OBについての多変量データ131を計測する(S23)。
【0086】
次に、差分算出部113は、例えば、S23の処理で計測した多変量データ131に含まれる項目ごとに、現在の拠点BSにおいて取得された各項目に対応する値(S23の処理で計測した多変量データ131に含まれる各項目に対応する値)と、直前の拠点BSにおいて取得された各項目に対応する値との差分を算出する(S24)。
【0087】
具体的に、差分算出部113は、例えば、記憶装置2に記憶された詳細情報233を参照し、直前の拠点BSにおいて取得された多変量データ131を取得する。そして、差分算出部113は、例えば、S23の処理で計測した多変量データ131に含まれる項目ごとに、S23の処理で計測した多変量データ131に含まれる各項目に対応する値と、記憶装置2から取得された多変量データ131に含まれる各項目に対応する値との差分を算出する。
【0088】
なお、差分算出部113は、例えば、S23の処理で計測した多変量データ131に含まれる項目と、記憶装置2から取得した多変量データ131に含まれる項目が一致しない場合、S23の処理で計測した多変量データ131と記憶装置2から取得した多変量データ131との両方に含まれる項目ごとに、S23の処理で計測した多変量データ131に含まれる各項目に対応する値と、記憶装置2から取得された多変量データ131に含まれる各項目に対応する値との差分を算出するものであってよい。
【0089】
これにより、差分算出部113は、例えば、各拠点BSに配置されているセンサ3の種類が異なっており、S23の処理で計測した多変量データ131に含まれる項目と、記憶装置2から取得した多変量データ131に含まれる項目が一致しない場合であっても、各項目に対応する値との差分の算出を行うことが可能になる。そのため、情報処理装置1は、例えば、例えば、各拠点BSに配置されているセンサ3の種類が異なっている場合であっても、対象物OBについての対象物判定処理を実行することが可能になる。以下、詳細情報233の具体例について説明を行う。
【0090】
[詳細情報の具体例]
図13は、詳細情報233の具体例について説明する図である。
【0091】
図13に示す詳細情報233は、例えば、対象物OB(対象物OBに取り付けられたRFID)の識別情報が設定される「RFID番号」と、多変量データ131に含まれる項目と同一の項目である「模様」、「色」、「糖度」、「水分」及び「熟度」と、拠点固有情報134に含まれる項目と同一の項目である「拠点名」とを項目として有する。また、
図13に示す詳細情報233は、例えば、対象物OBのすり替え判定の判定結果が設定される「判定結果」と、対象物OBのすり替え判定の判定精度が設定される「判定精度」とを項目として有する。
【0092】
具体的に、
図13に示す詳細情報233における1行目の情報には、例えば、「RFID番号」として「100501」が設定され、「模様」として「ID011」が設定され、「色」として「-」が設定され、「糖度」として「16%」が設定され、「水分」として「67.2g」が設定され、「熟度」として「24%」が設定され、「拠点名」として「A卸売市場」が設定され、「判定結果」として「異常なし」が設定され、「判定精度」として「97%」が設定され、ハッシュ情報として「as763h・・・」が設定されている。
【0093】
また、
図13に示す詳細情報233における2行目の情報には、例えば、「RFID番号」として「100502」が設定され、「模様」として「ID012」が設定され、「色」として「-」が設定され、「糖度」として「19%」が設定され、「水分」として「72.9g」が設定され、「熟度」として「22%」が設定され、「拠点名」として「A卸売市場」が設定され、「判定結果」として「異常なし」が設定され、「判定精度」として「94%」が設定され、ハッシュ情報として「fhs15p・・・」が設定されている。
図13に含まれる他の情報についての説明は省略する。
【0094】
そのため、例えば、S22の処理で読み取りを行ったRFIDの「RFID番号」が「100501」であり、直前の拠点BSの「拠点名」が「A卸売市場」である場合、差分算出部113は、例えば、
図13に示す詳細情報233の1行目の情報における「模様」、「色」、「糖度」、「水分」及び「熟度」に設定された値である「ID011」、「-」、「16%」、「67.2g」及び「24%」を特定する。
【0095】
そして、例えば、S23の処理において取得された多変量データ131に含まれる「模様」の値が「ID001」である場合、差分算出部113は、例えば、「ID001」に対応する画像データに映る対象物OBの模様と「ID011」に対応する画像データに映る対象物OBの模様との差異度(差分)を算出する。具体的に、差分算出部113は、この場合、例えば、学習済の学習モデル(図示せず)を用いることによって、対象物OBの模様の差異度を算出するものであってもよい。
【0096】
また、例えば、S23の処理において取得された多変量データ131に含まれる「糖度」の値が「20%」である場合、差分算出部113は、例えば、「20%」から「16%」を減算することによって算出される「4%」を算出する。
【0097】
また、例えば、S23の処理において取得された多変量データ131に含まれる「水分」の値が「80.2g」である場合、差分算出部113は、例えば、「80.2g」から「67.2g」を減算することによって算出される「13.0g」を算出する。
【0098】
また、例えば、S23の処理において取得された多変量データ131に含まれる「熟度」の値が「29%」である場合、差分算出部113は、例えば、「29%」から「24%」を減算することによって算出される「5%」を算出する。
【0099】
なお、
図13に示す詳細情報233における1行目の情報には、「色」についての情報が含まれていない。そのため、差分算出部113は、この場合、例えば、「色」についての差分の算出を行わない。
【0100】
図7に戻り、差分算出部113は、例えば、記憶装置2に記憶された閾値情報231を参照し、S24の処理で差分を算出した項目のそれぞれに対応する差分から異常値情報132を生成する(S24)。
【0101】
具体的に、差分算出部113は、例えば、記憶装置2に記憶された閾値情報231を参照し、S24の処理で差分を算出した項目ごとに、各項目に対応する差分が各項目に対応する閾値以上であるか否かを判定する。そして、差分算出部113は、例えば、差分が閾値以上である項目に対応する値が異常値であることを示す異常値情報132を生成する。以下、閾値情報231及び異常値情報132の具体例について説明を行う。
【0102】
[閾値情報の具体例]
図14は、閾値情報231の具体例について説明する図である。
【0103】
図14に示す閾値情報231は、例えば、対象物OBの品種の名称が設定される「品種名」と、多変量データ131に含まれる各項目の名称が設定される「項目」と、多変量データ131に含まれる各項目に対応する閾値が設定される「閾値」とを項目として有する。
【0104】
具体的に、
図14に示す閾値情報231における1行目の情報には、例えば、「品種名」として「夕張メロン」が設定され、「項目」として「模様」が設定され、「閾値」として「0.5」が設定されている。
【0105】
そのため、例えば、S23の処理で算出された「模様」についての差異度が「0.8」である場合、差分算出部113は、例えば、S23の処理で算出された「模様」についての差異度が「模様」についての閾値である「0.5」以上であると判定し、S23の処理で算出された「模様」についての値が異常値であると判定する。
【0106】
また、
図14に示す閾値情報231における3行目の情報には、例えば、「品種名」として「夕張メロン」が設定され、「項目」として「糖度」が設定され、「閾値」として「±8%」が設定されている
そのため、例えば、S23の処理で算出された「糖度」についての差分が「4%」である場合、差分算出部113は、例えば、S23の処理で算出された「糖度」についての差分が「糖度」についての閾値(範囲)である「±8%」内にあると判定し、S23の処理で算出された「糖度」についての値が異常値でないと判定する。
【0107】
また、
図14に示す閾値情報231における4行目の情報には、例えば、「品種名」として「夕張メロン」が設定され、「項目」として「水分」が設定され、「閾値」として「±10g」が設定されている
そのため、例えば、S23の処理で算出された「水分」についての差分が「13.0g」である場合、差分算出部113は、例えば、S23の処理で算出された「水分」についての差分が「水分」についての閾値(範囲)である「±10g」内にないと判定し、S23の処理で算出された「水分」についての値が異常値であると判定する。
【0108】
また、
図14に示す閾値情報231における5行目の情報には、例えば、「品種名」として「夕張メロン」が設定され、「項目」として「熟度」が設定され、「閾値」として「±20%」が設定されている。
【0109】
そのため、例えば、S23の処理で算出された「熟度」についての差分が「5%」である場合、差分算出部113は、例えば、S23の処理で算出された「熟度」についての差分が「熟度」についての閾値(閾値)である「±20%」内にあると判定し、S23の処理で算出された「熟度」についての値が異常値でないと判定する。
図14に含まれる他の情報についての説明は省略する。
【0110】
なお、
図14に示す閾値情報231における1行目の情報の「閾値」に設定された「0.5」は、例えば、情報格納領域130に記憶された単一項目モデルMDのうち、対象物OBの模様に対応する値の入力に伴って対象物OBのすり替え判定を行う単一項目モデルMDを用いることによって特定された値である。また、
図14に示す閾値情報231における2行目の情報の「閾値」に設定された「±25」は、例えば、情報格納領域130に記憶された単一項目モデルMDのうち、対象物OBの色に対応する値の入力に伴って対象物OBのすり替え判定を行う単一項目モデルMDを用いることによって特定された値である。また、
図14に示す閾値情報231における3行目の情報の「閾値」に設定された「±8%」は、例えば、情報格納領域130に記憶された単一項目モデルMDのうち、対象物OBの糖度に対応する値の入力に伴って対象物OBのすり替え判定を行う単一項目モデルMDを用いることによって特定された値である。また、
図14に示す閾値情報231における4行目の情報の「閾値」に設定された「±10g」は、例えば、情報格納領域130に記憶された単一項目モデルMDのうち、対象物OBの水分量に対応する値の入力に伴って対象物OBのすり替え判定を行う単一項目モデルMDを用いることによって特定された値である。また、
図14に示す閾値情報231における5行目の情報の「閾値」に設定された「±20%」は、例えば、情報格納領域130に記憶された単一項目モデルMDのうち、対象物OBの熟度に対応する値の入力に伴って対象物OBのすり替え判定を行う単一項目モデルMDを用いることによって特定された値である。
【0111】
[異常値情報の具体例]
次に、異常値情報132の具体例について説明を行う。
図15及び
図17は、異常値情報132の具体例について説明する図である。
【0112】
図15等に示す異常値情報132は、例えば、対象物OBの模様に対応する値が異常値であるか否かを示す「模様」と、対象物OBの糖度に対応する値が異常値であるか否かを示す「糖度」と、対象物OBの水分量に対応する値が異常値であるか否かを示す「水分」と、対象物OBの熟度に対応する値が異常値であるか否かを示す「熟度」とを項目として有する。「模様」、「糖度」、「水分」及び「熟度」のそれぞれには、例えば、各値が異常値であることを示す「1」、または、各値が異常値でないことを示す「0」が設定される。
【0113】
具体的に、
図15等に示す異常値情報132には、例えば、「模様」として「1」が設定され、「糖度」として「0」が設定され、「水分」として「1」が設定され、「熟度」として「0」が設定されている。
【0114】
図7に戻り、情報特定部114は、例えば、S25の処理で生成した異常値情報132と、記憶装置2に記憶された精度情報232とを参照し、S24の処理で差分を算出した項目の組合せから特定の組合せを特定する(S26)。以下、精度情報232の具体例について説明を行う。
【0115】
[精度情報の具体例]
図16は、精度情報232の具体例について説明する図である。具体的に、
図16には、例えば、対象物OBの品種名が夕張メロンである場合の精度情報232の具体例である。
【0116】
図16に示す精度情報232は、例えば、すり替え判定に用いられる項目の組合せの識別情報が設定される「組合せ識別情報」と、すり替え判定において対象物OBの模様が用いられるか否かを示す「模様」と、すり替え判定において対象物OBの色が用いられるか否かを示す「色」と、すり替え判定において対象物OBの糖度が用いられるか否かを示す「糖度」とを項目として有する。また、
図16に示す精度情報232は、例えば、すり替え判定において対象物OBの水分が用いられるか否かを示す「水分」と、すり替え判定において対象物OBの熟度が用いられるか否かを示す「熟度」と、すり替え判定の判定精度が設定される「判定精度」とを項目として有する。「模様」、「色」、「糖度」、「水分」及び「熟度」には、例えば、すり替え判定に各項目が用いられることを示す「1」、または、すり替え判定に各項目が用いられることを示す「0」が設定される。なお、「判定精度」には、例えば、AccuracyやRecallが設定されるものであってよい。また、「判定精度」には、例えば、AccuracyとRecallとの平均値が設定されるものであってもよい。
【0117】
具体的に、
図16に示す精度情報232における1行目の情報は、例えば、「組合せ識別情報」として「C001」が設定され、「模様」として「1」が設定され、「色」として「0」が設定され、「糖度」として「0」が設定され、「水分」として「0」が設定され、「熟度」として「0」が設定され、「判定精度」として「0.70」が設定されている。
【0118】
すなわち、
図16に示す精度情報232における1行目の情報は、例えば、対象物OBの模様のみを用いてすり替えの判定を行う場合の判定精度が0.70であることを示している。
【0119】
また、
図16に示す精度情報232における2行目の情報は、例えば、「組合せ識別情報」として「C002」が設定され、「模様」として「1」が設定され、「色」として「0」が設定され、「糖度」として「1」が設定され、「水分」として「0」が設定され、「熟度」として「0」が設定され、「判定精度」として「0.80」が設定されている。
【0120】
すなわち、
図16に示す精度情報232における2行目の情報は、例えば、対象物OBの模様及び糖度を用いてすり替えの判定を行う場合の判定精度が0.80であることを示している。
図16に含まれる他の情報については説明を省略する。
【0121】
ここで、例えば、
図15で説明した異常値情報132には、例えば、模様、糖度、水分及び熟度に対応する値がそれぞれ含まれている。また、例えば、
図16で説明した精度情報232は、例えば、模様、糖度、水分及び熟度の組合せに対応する判定精度が0.75であり、模様、糖度及び水分の組合せに対応する判定精度が0.95であることを示している。
【0122】
そのため、情報特定部114は、例えば、
図15で説明した異常値情報132に含まれる全ての項目を用いる場合の判定精度よりも、
図15で説明した異常値情報132に含まれる項目のうちの熟度以外の項目を用いる場合の判定精度の方が高いと判定する。したがって、情報特定部114は、この場合、例えば、
図15で説明した異常値情報132に含まれる全ての項目の組合せよりも、
図15で説明した異常値情報132に含まれる項目のうちの熟度以外の項目の組合せの方を優先的に特定する。
【0123】
具体的に、情報特定部114は、S26の処理において、例えば、
図15で説明した異常値情報132に含まれる1以上の項目の組合せのうち、
図16で説明した精度情報232に含まれる判定精度が最も高い組合せを特定する。
【0124】
なお、情報処理装置1は、この場合、例えば、対象物OBの熟度を計測するセンサ3を用いる必要性が低いことを示す情報を、情報処理装置1が配置されている拠点BSの作業者に通知するものであってもよい。
【0125】
また、
図16に示す精度情報232における6行目の情報には、例えば、「組合せ識別情報」として「C006」が設定されており、「模様」、「色」、「糖度」及び「水分」として「1」が設定されており、「熟度」として「0」が設定されており、「判定精度」として「0.98」が設定されている。すなわち、
図16に示す精度情報232は、例えば、模様、色、糖度及び水分の組合せに対応する判定精度が0.98であり、模様、糖度及び水分の組合せに対応する判定精度が0.95よりも高いことを示している。そのため、情報処理装置1は、この場合、例えば、対象物OBの水分量を計測するセンサ3をさらに用いることを推奨する情報を、情報処理装置1が配置されている拠点BSの作業者に通知するものであってもよい。
【0126】
図7に戻り、対象判定部115は、例えば、S23の処理で差分の算出が行われた項目のうち、S26の処理で特定した特定の組合せに含まれる項目を用いることによって、対象物OBのすり替え判定を行う(S27)。
【0127】
具体的に、
図15で説明した異常値情報132には、例えば、「模様」及び「水分」として「1」が設定され、「糖度」及び「熟度」として「0」が設定されている。そのため、S26の処理において、対象物OBのすり替えが発生したか否かの判定に用いる項目の組合せ(特定の組合せ)として「模様」、「糖度」及び「水分」を特定した場合、対象判定部115は、例えば、特定の組合せに含まれる項目に対応する値に異常値が含まれていると判定し、対象物OBのすり替えが発生している可能性があると判定する。
【0128】
また、
図16で説明した精度情報232において、「組合せ識別情報」が「C003」である情報の「判定精度」には、「0.95」が設定されている。そのため、S26の処理において、対象物OBのすり替えが発生したか否かの判定に用いる項目の組合せとして「組合せ識別情報」が「C003」である組合せを特定した場合、対象判定部115は、例えば、S27の処理における判定精度として「0.95」を特定する。
【0129】
なお、
図17で説明した異常値情報132には、例えば、「熟度」として「1」が設定され、「模様」、「水分」及び「糖度」として「0」が設定されている。そのため、S26の処理において、対象物OBのすり替えが発生したか否かの判定に用いる項目の組合せ(特定の組合せ)として「模様」、「糖度」及び「水分」を特定した場合、対象判定部115は、例えば、特定の組合せに含まれる項目に対応する値に異常値が含まれていないと判定し、対象物OBのすり替えが発生していないと判定する。
【0130】
そして、結果出力部116は、例えば、
図8に示すように、S27の処理において対象物OBのすり替えが行われたと判定した場合(S31のYES)、対象物OBのすり替えが発生した可能性があることを示す情報を出力する(S32)。
【0131】
一方、例えば、S27の処理において対象物OBのすり替えが行われていないと判定した場合(S31のNO)、情報受付部111は、例えば、情報処理装置1が配置されている拠点BSについての拠点固有情報134の入力を受け付ける(S33)。
【0132】
そして、結果出力部116は、例えば、S23の処理で計測した多変量データ131と、S33の処理で入力を受け付けた拠点固有情報134とを用いることによってハッシュ情報を生成する(S34)。
【0133】
その後、結果出力部116は、例えば、S22の処理で取得した対象物OBの識別情報と、S23の処理で計測した値と、S33の処理で入力を受け付けた拠点固有情報134と、S34の処理で生成したハッシュ情報とを含む詳細情報133を生成し、生成した詳細情報133を詳細情報233の少なくとも一部として記憶装置2に記憶する(S35)。以下、ハッシュ情報を生成する際の具体例について説明を行う。
【0134】
[ハッシュ情報を生成する際の具体例]
図18は、ハッシュ情報を生成する際の具体例について説明する図である。具体的に、
図18は、
図1で説明した拠点BS1、拠点BS2及び拠点BS3においてハッシュ情報を生成する際の具体例について説明する図である。
【0135】
結果出力部116は、例えば、拠点BS1(最初の拠点BS)において、拠点BS1において計測した多変量データ131(以下、多変量データ1311とも呼ぶ)と、拠点BS1における拠点固有情報134(以下、拠点固有情報1341とも呼ぶ)とを用いることによって、ハッシュ情報HS(以下、ハッシュ情報HS1とも呼ぶ)を生成する。
【0136】
そして、結果出力部116は、例えば、拠点BS2(2番目の拠点BS)において、拠点BS2において計測した多変量データ131(以下、多変量データ1312とも呼ぶ)と、拠点BS2における拠点固有情報134(以下、拠点固有情報1342とも呼ぶ)と、ハッシュ情報HS1と、拠点BS1におけるすり替え判定の判定結果RS1とを用いることによって、ハッシュ情報HS(以下、ハッシュ情報HS2とも呼ぶ)を生成する。
【0137】
さらに、結果出力部116は、例えば、拠点BS3(3番目の拠点BS)において、拠点BS3において計測した多変量データ131(以下、多変量データ1313とも呼ぶ)と、拠点BS3における拠点固有情報134(以下、拠点固有情報1343とも呼ぶ)と、ハッシュ情報HS2と、拠点BS2におけるすり替え判定の判定結果RS2とを用いることによって、ハッシュ情報HS(以下、ハッシュ情報HS2とも呼ぶ)を生成する。
【0138】
すなわち、各拠点BSに配置された情報処理装置1は、例えば、多変量データ131と拠点固有情報134とに加え、各拠点BSの前の拠点(例えば、各拠点BSの直前の拠点)におけるすり替え判定の結果を示す情報についても用いることによって、ハッシュ情報HSを生成する。
【0139】
これにより、各拠点BSに配置された情報処理装置1は、例えば、各拠点BSにおいて生成されたハッシュ情報HSを結ぶハッシュチェーンを形成することが可能になる。そのため、各拠点BSの作業者は、後述するように、例えば、各拠点BSに配置された情報処理装置1によって形成されたハッシュチェーンを参照することで、直前の拠点BSまでの各拠点BSにおいて情報の改竄が行われていないことの確認を行うことが可能になる。
【0140】
[第3対象物判定処理]
次に、対象物判定処理のうち、対象物OBの流通経路における最後の拠点BS(例えば、
図1で説明した拠点BS4)に配置された情報処理装置1(例えば、
図1で説明した情報処理装置1d)において行われる処理(以下、第3対象物判定処理とも呼ぶ)について説明を行う。
図9及び
図10は、第3対象物判定処理について説明するフローチャート図である。なお、以下、対象物OBの流通経路における最後の拠点BSにおいて、対象物OBに付加されていたRFIDが取り外されるとともに、対象物OBの詳細情報233(記憶装置2に記憶された詳細情報233)にアクセス可能な情報を含むQRコードが新たに付加されるものとして説明を行う。
【0141】
情報計測部112は、
図9に示すように、例えば、第3対象物判定タイミングになるまで待機する(S41のNO)。第3対象物判定タイミングは、例えば、情報処理装置1が配置された拠点BSの作業者が第3対象物判定処理を行う旨の情報を情報処理装置1に入力したタイミングであってよい。
【0142】
そして、第3対象物判定タイミングになった場合(S41のYES)、情報計測部112は、例えば、対象物OBに取り付けられたQRコードの読み取りを行うことにより、記憶装置2に記憶された情報のうち、対象物OBに対応する詳細情報233を取得する(S42)。
【0143】
その後、情報計測部112は、例えば、S42の処理で取得した詳細情報233を出力画面(図示せず)に出力する(S43)。
【0144】
これにより、対象物OBの流通経路における最後の拠点BSの作業者(例えば、小売店の店員や消費者)は、例えば、出力画面に出力された詳細情報233を閲覧することで、少なくとも対象物OBが最後の拠点BSの直前の拠点BSに配送されるまでの間、対象物OBのすり替えが行われていないことの確認を行うことが可能になる。
【0145】
ここで、情報処理装置1は、例えば、直前の拠点BSまでの各拠点BSにおいて計測された多変量データ131と拠点固有情報134とからハッシュ情報を算出するものであってもよい。すなわち、情報処理装置1は、例えば、直前の拠点BSまでの各拠点BSにおいて行われたハッシュ情報の算出を再度行うものであってもよい。そして、情報処理装置1は、例えば、算出したハッシュ情報と、直前の拠点BSにおいて算出されたハッシュ情報(記憶装置2に記憶されているハッシュ情報)とが同一であるか否かについての判定を行うものであってもよい。そして、情報処理装置1は、例えば、算出したハッシュ情報と直前の拠点BSにおいて算出されたハッシュ情報とが同一であるか否かについての判定結果を出力するものであってもよい。
【0146】
これにより、最後の拠点BSの作業者は、例えば、出力された判定結果を閲覧することで、S43の処理で出力された詳細情報233に対して改竄が行われているか否かについての確認を行うことが可能になる。
【0147】
そして、例えば、最後の拠点BSにおいて対象物OBのすり替えが発生したか否かについての判定を行わない旨の情報が作業者によって入力された場合(S44のNO)、情報処理装置1は、例えば、第3対象物判定処理を終了する。
【0148】
一方、例えば、最後の拠点BSにおいても対象物OBのすり替えが発生したか否かについての判定を行う旨の情報が作業者によって入力された場合(S44のYES)、情報計測部112は、例えば、対象物OBについての多変量データ131を計測する(S45)。
【0149】
次に、差分算出部113は、例えば、S45の処理で計測した多変量データ131に含まれる項目ごとに、現在の拠点BSにおいて取得された各項目に対応する値(S45の処理で計測した多変量データ131に含まれる各項目に対応する値)と、直前の拠点BSにおいて取得された各項目に対応する値との差分を算出する(S46)。
【0150】
そして、差分算出部113は、
図10に示すように、例えば、記憶装置2に記憶された閾値情報231を参照し、S45の処理で差分を算出した項目のそれぞれに対応する差分から異常値情報132を生成する(S51)。
【0151】
さらに、情報特定部114は、例えば、S51の処理で生成した異常値情報132と、記憶装置2に記憶された精度情報232とを参照し、S46の処理で差分を算出した項目の組合せから特定の組合せを特定する(S52)。
【0152】
その後、対象判定部115は、例えば、S45の処理で差分の算出が行われた項目のうち、S52の処理で特定した特定の組合せに含まれる項目を用いることによって、対象物OBのすり替え判定を行う(S53)。
【0153】
そして、結果出力部116は、例えば、S53の処理において対象物OBのすり替えが行われたと判定した場合(S54のYES)、対象物OBのすり替えが発生した可能性があることを示す情報を出力する(S55)。
【0154】
一方、例えば、S27の処理において対象物OBのすり替えが行われていないと判定した場合(S54のNO)、結果出力部116は、S55の処理を行わない。
【0155】
このように、本実施の形態における情報処理装置1は、例えば、第1時点における特定の対象物OBについての複数の項目のそれぞれに対応する値を計測する。また、情報処理装置1は、第1時点よりも後の第2時点における特定の対象物OBについての複数の項目のそれぞれに対応する値を計測する。
【0156】
そして、情報処理装置1は、例えば、特定の対象物OBについての複数の項目ごとに、各項目の第1時点における値と各項目の第2時点における値との差分を算出する。
【0157】
続いて、情報処理装置1は、例えば、対象物OBのすり替えが発生しているか否かの判定に用いられる項目の組合せと、その組合せに含まれる項目のそれぞれを用いた場合における判定精度とを対応付けた精度情報232を記憶した記憶装置2を参照し、特定の対象物OBについての複数の項目に含まれる項目の組合せから条件を満たす特定の組合せを特定する。
【0158】
その後、情報処理装置1は、例えば、特定の組合せに含まれる項目のそれぞれに対応する差分に基づいて、特定の対象物OBのすり替えが発生しているか否かを判定する。
【0159】
そして、情報処理装置1は、例えば、特定の対象物OBのすり替えが発生しているか否かについての判定の判定結果を出力する。
【0160】
すなわち、本実施の形態における情報処理装置1は、例えば、対象物OBごとに、複数のセンサ3のそれぞれによって計測された複数の項目のそれぞれに対応するデータを含む多変量データ131を取得する。そして、情報処理装置1は、例えば、対象物OBごとに、各対象物OBに対応する多変量データ131を用いることによって、各対象物OBのすり替えが発生しているか否かについての判定を行う。
【0161】
これにより、本実施の形態における情報処理装置1は、例えば、流通経路においてすり替えが行われたか否かの判定を対象物OBごとに行うことが可能になる。
【0162】
具体的に、拠点BS2に配置された情報処理装置1bは、
図19に示すように、例えば、自装置が取得した詳細情報233と、拠点BS1に配置された情報処理装置1aによって記憶装置2に蓄積された詳細情報233とを用いることによって、拠点BS2までの流通経路において対象物OBのすり替えが行われていたか否かの判定を行うことが可能になる。また、拠点BS3に配置された情報処理装置1cは、例えば、自装置が取得した詳細情報233と、拠点BS2に配置された情報処理装置1bによって記憶装置2に蓄積された詳細情報233とを用いることによって、拠点BS3までの流通経路において対象物OBのすり替えが行われていたか否かの判定を行うことが可能になる。
【0163】
また、本実施の形態における情報処理装置1は、例えば、対象物OBのすり替え判定に用いられる項目の組合せと、その組合せに含まれる項目のそれぞれを用いた場合における判定精度とを対応付けた精度情報232を記憶した記憶装置2を参照することにより、対象物OBのすり替えが発生しているか否かについての判定に用いる項目の組合せ(特定の組合せ)を特定する。
【0164】
この点、精度情報232に含まれる各判定精度は、例えば、単一の項目のみを用いることによってすり替え判定を行う単一項目モデルMDのそれぞれに対して、過去の多変量データ131を入力することによって算出が可能である。
【0165】
すなわち、本実施の形態における情報処理装置1は、例えば、すり替え判定に用いられる項目の組合せごとの学習モデルを全て生成することなく、すり替え判定に用いられる項目ごとの単一項目モデルMDのみを生成することによって、精度情報232を生成することが可能である。
【0166】
これにより、本実施の形態における情報処理装置1は、例えば、精度情報232の生成に要する作業者の作業負担を抑制することが可能になり、特定の組合せに要する作業者の作業負担を抑制することが可能になる。
【0167】
さらに、本実施の形態における情報処理装置1は、この場合、例えば、単一項目モデルMDごとに特定した多変量データ131の閾値(閾値情報231)を用いることによって、特定の組合せに含まれる項目のそれぞれに対応する差分に基づくすり替え判定を行うことが可能になる。そのため、情報処理装置1は、例えば、特定の組合せに含まれる項目のそれぞれに対応する差分に基づくすり替え判定についても、すり替え判定に用いられる項目の組合せごとの学習モデルを生成することなく行うことが可能になる。
【0168】
なお、情報処理装置1は、例えば、対象物OBの流通経路に含まれる各拠点BSの情報処理装置1において特定された判定精度(S26の処理等で特定された特定の組合せに対応する判定精度)を用いることにより、対象物OBの流通経路の全体としての判定精度を算出するものであってもよい。
【0169】
具体的に、情報処理装置1は、例えば、以下の式1または式2を用いることによって、対象物OBの流通経路の全体としての判定精度を算出するものであってもよい。
【0170】
【0171】
【0172】
上記の式1において、nは、すり替え判定を行う拠点BSの数(例えば、最初の拠点BS以外の拠点BSの数)であり、Riは、i番目の拠点BSにおける判定精度である。また、上記の式2において、Siは、i番目の拠点BSにおけるTN/(TN+FN)である。
【0173】
これにより、情報処理装置1は、例えば、対象物OBの流通経路についての安全性を示す情報を出力することが可能になる。言い換えれば、情報処理装置1は、例えば、対象物OBの流通経路と他の流通経路との比較を行う際に用いることが可能な情報を出力することが可能になる。
【0174】
[対象物判定処理の変形例]
次に、対象物判定処理の変形例(以下、第4対象物判定処理とも呼ぶ)について説明を行う。
図20及び
図21は、第1の実施の形態における対象物判定処理の変形例について説明するフローチャート図である。
【0175】
図5等で説明した対象物判定処理は、例えば、現在の拠点BSにおいて取得された対象物OBの多変量データ131と、現在の拠点BSの前の拠点BSにおいて取得された対象物OBの多変量データ131との差分を算出し、算出した差分が閾値を超えるか否かを判定することによって、対象物OBのすり替えが行われたか否かの判定(すり替え判定)を行う処理である。
【0176】
これに対し、対象物判定処理の変形例は、例えば、盗難品である疑いがある対象物OB(以下、盗難疑い品OBとも呼ぶ)の多変量データ131と、盗難届けが提出されている対象物OB(以下、盗難届け品OBとも呼ぶ)の多変量データ131との差分を算出し、算出した差分が閾値を超えるか否かを判定することによって、盗難疑い品OBが盗難届け品OBであるか否かの判定(以下、単に盗難判定とも呼ぶ)を行う処理である。
【0177】
情報計測部112は、
図20に示すように、例えば、第4対象物判定タイミングになるまで待機する(S61のNO)。第4対象物判定タイミングは、例えば、盗難判定を行う作業者が第4対象物判定処理を行う旨の情報を情報処理装置1に入力したタイミングであってよい。
【0178】
そして、第4対象物判定タイミングになった場合(S61のYES)、情報計測部112は、例えば、盗難疑い品OBについての多変量データ131を計測する(S62)。
【0179】
また、情報計測部112は、例えば、盗難届け品OBについての多変量データ131を計測する(S63)。
【0180】
次に、差分算出部113は、例えば、S62の処理で計測した多変量データ131とS63の処理で計測した多変量データ131との両方に含まれる項目ごとに、盗難疑い品OBの各項目に対応する値と盗難届け品OBの各項目に対応する値との差分を算出する(S64)。
【0181】
そして、差分算出部113は、例えば、記憶装置2に記憶された閾値情報231を参照し、S64の処理で差分を算出した項目のそれぞれに対応する差分から異常値情報132を生成する(S65)。
【0182】
さらに、情報特定部114は、例えば、S65の処理で生成した異常値情報132と、記憶装置2に記憶された精度情報232とを参照し、S64の処理で差分を算出した項目の組合せから特定の組合せを特定する(S66)。
【0183】
その後、対象判定部115は、例えば、S66の処理で差分の算出が行われた項目のうち、S66の処理で特定した特定の組合せに含まれる項目を用いることによって、盗難疑い品OBが盗難届け品OBであるか否かを判定する(S67)。
【0184】
そして、結果出力部116は、
図21に示すように、例えば、盗難疑い品OBが盗難届け品OBである可能性があると判定した場合(S71のYES)、盗難疑い品OBが盗難届け品OBである可能性があることを示す情報を出力する(S72)。
【0185】
一方、例えば、盗難疑い品OBが盗難届け品OBでないと判定した場合(S71のNO)、結果出力部116は、S72の処理を行わない。
【0186】
これにより、本変形例における情報処理装置1は、例えば、対象物OBにおいてすり替えが発生しているか否かの判定(すり替え判定)だけでなく、盗難疑い品OBが盗難届け品OBであるか否かの判定(盗難判定)についても行うことが可能になる。
【0187】
以上の実施の形態をまとめると、以下の付記のとおりである。
【0188】
(付記1)
第1時点及び第2時点のそれぞれにおける特定の対象物についての複数の項目のそれぞれに対応する値を計測し、
前記複数の項目ごとに、各項目の前記第1時点における前記値と各項目の前記第2時点における前記値との差分を算出し、
対象物のすり替えが発生しているか否かの判定に用いられる項目の組合せと、前記組合せに含まれる項目のそれぞれを用いた場合における前記判定についての判定精度とを対応付けた精度情報を記憶した記憶部を参照し、前記複数の項目に含まれる項目の組合せから条件を満たす特定の組合せを特定し、
特定した前記特定の組合せに含まれる項目のそれぞれに対応する前記差分に基づいて、前記特定の対象物のすり替えが発生しているか否かを判定し、
前記特定の対象物のすり替えが発生しているか否かについての判定結果を出力する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする対象物判定プログラム。
【0189】
(付記2)
付記1において、
前記対象物は、農作物である、
ことを特徴とする対象物判定プログラム。
【0190】
(付記3)
付記1において、
前記特定する処理では、前記複数の項目に含まれる項目の組合せのうち、各組合せに対応する前記判定精度が条件を満たす組合せを前記特定の組合せとして特定する、
ことを特徴とする対象物判定プログラム。
【0191】
(付記4)
付記3において、
前記特定する処理では、前記複数の項目に含まれる項目の組合せのうち、各組合せに対応する前記判定精度が最大である組合せを前記特定の組合せとして特定する、
ことを特徴とする対象物判定プログラム。
【0192】
(付記5)
付記1において、
前記判定する処理では、
前記特定の組合せに含まれる項目ごとに、各項目に対応する前記差分が各項目に対応する条件を満たすか否かを判定し、
各項目に対応する前記条件を満たさない項目が前記特定の組合せに含まれる場合、前記特定の対象物のすり替えが発生していると判定する、
ことを特徴とする対象物判定プログラム。
【0193】
(付記6)
付記5において、
前記判定する処理では、
前記特定の組合せに含まれる項目ごとに、各項目に対応する前記差分が各項目に対応する範囲に含まれるか否かを判定し、
各項目に対応する前記差分が各項目に対応する範囲に含まれない項目が前記特定の組合せに含まれる場合、前記特定の対象物のすり替えが発生していると判定する、
ことを特徴とする対象物判定プログラム。
【0194】
(付記7)
付記4において、さらに、
前記精度情報を記憶した前記記憶部を参照し、前記複数の項目に含まれない他の項目と前記複数の項目に含まれる項目とを含む項目の組合せに対応する第1判定精度を特定し、
特定した前記第1判定精度が前記特定の組合せに対応する前記判定精度よりも大きいか否かを判定し、
前記第1判定精度が前記特定の組合せに対応する前記判定精度よりも大きいと判定した場合、前記他の項目を示す情報を出力する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする対象物判定プログラム。
【0195】
(付記8)
付記1において、さらに、
前記組合せに含まれる項目ごとに、各項目に対応する前記値を用いることによって対象物のすり替えが発生しているか否かを判定する学習モデルを生成し、
前記組合せごとに、各組合せに含まれる項目に対応する前記学習モデルのそれぞれを用いることによって各組合せに含まれる項目のそれぞれを用いた場合における前記判定精度を算出し、
前記組合せごとに、各組合せと各組合せに対応する前記判定精度とを対応付けることによって前記精度情報を生成する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする対象物判定プログラム。
【0196】
(付記9)
第1時点及び第2時点のそれぞれにおける特定の対象物についての複数の項目のそれぞれに対応する値を計測する情報計測部と、
前記複数の項目ごとに、各項目の前記第1時点における前記値と各項目の前記第2時点における前記値との差分を算出する差分算出部と、
対象物のすり替えが発生しているか否かの判定に用いられる項目の組合せと、前記組合せに含まれる項目のそれぞれを用いた場合における前記判定についての判定精度とを対応付けた精度情報を記憶した記憶部を参照し、前記複数の項目に含まれる項目の組合せから条件を満たす特定の組合せを特定する情報特定部と
特定した前記特定の組合せに含まれる項目のそれぞれに対応する前記差分に基づいて、前記特定の対象物のすり替えが発生しているか否かを判定する対象判定部と、
前記特定の対象物のすり替えが発生しているか否かについての判定結果を出力する結果出力部と、を有する、
ことを特徴とする情報処理装置。
【0197】
(付記10)
付記9において、
前記対象判定部は、
前記特定の組合せに含まれる項目ごとに、各項目に対応する前記差分が各項目に対応する条件を満たすか否かを判定し、
各項目に対応する前記条件を満たさない項目が前記特定の組合せに含まれる場合、前記特定の対象物のすり替えが発生していると判定する、
ことを特徴とする情報処理装置。
【0198】
(付記11)
第1時点及び第2時点のそれぞれにおける特定の対象物についての複数の項目のそれぞれに対応する値を計測し、
前記複数の項目ごとに、各項目の前記第1時点における前記値と各項目の前記第2時点における前記値との差分を算出し、
対象物のすり替えが発生しているか否かの判定に用いられる項目の組合せと、前記組合せに含まれる項目のそれぞれを用いた場合における前記判定についての判定精度とを対応付けた精度情報を記憶した記憶部を参照し、前記複数の項目に含まれる項目の組合せから条件を満たす特定の組合せを特定し、
特定した前記特定の組合せに含まれる項目のそれぞれに対応する前記差分に基づいて、前記特定の対象物のすり替えが発生しているか否かを判定し、
前記特定の対象物のすり替えが発生しているか否かについての判定結果を出力する、
処理をコンピュータが実行することを特徴とする対象物判定方法。
【0199】
(付記12)
付記11において、
前記判定する処理では、
前記特定の組合せに含まれる項目ごとに、各項目に対応する前記差分が各項目に対応する条件を満たすか否かを判定し、
各項目に対応する前記条件を満たさない項目が前記特定の組合せに含まれる場合、前記特定の対象物のすり替えが発生していると判定する、
ことを特徴とする対象物判定方法。
【符号の説明】
【0200】
1:情報処理装置 1a:情報処理装置
1b:情報処理装置 1c:情報処理装置
1d:情報処理装置 2:記憶装置
3:センサ 3a:センサ
3b:センサ 3c:センサ
3d:センサ 10:情報処理システム
101:CPU 102:メモリ
103:I/Oインタフェース 104:記憶装置
105:バス 130:情報格納領域